とあるステイルの奇妙冒険 (1)
ステイル=マグヌス。
彼の仕事は簡単に言えば悪い魔術師をやっつけることだった。
「まったく・・・」
ゴリッ、と彼の靴底が何かを踏んだ。
それは真っ黒に燃え尽き、表情すら読み取れなくなった人間の頭部だった。
道を踏み外すような奴は死んでも苦しめというのが彼らイギリス清教の論理だ。
よって死者を天国へ逃がす様なマネは許さないのである。
そのため死体を供養すらできないように破壊する。
術式の調整のために魔術と関わりのない一般人を使い捨て製品のように
使い潰していた魔術師を15人ほど消し炭にしてきた。
「最大主教から呼び出しか・・・」
そんな魔術師は次の戦場へ向かう。
「ひっ、ひいいいい!!??すている、ステイルーーーッ!!!」
最大主教が悲鳴をあげていた。
どんがらがっしゃーん!とラベリンス宮殿の方からやけに軽快な音が聞こえてくる。
おそらくまた神裂あたりをおちょくって怒らせたのだろう。
その後も断続的にガッキンゴッキン破壊音が炸裂する。
しかしそんな物騒なドタバタとは裏腹に道行く子連れの奥様はくすくすと笑って通り過ぎていた。
「・・・ウチはいつから保育園になったんだ・・・」
ステイルがやれやれとため息をついていると、
「ししょー!」
「・・・なんだ」
声をかけてきたのは自分の弟子だった。
ジェーン=エルブス
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