上条「よう」浜面「うっす」一方「おォ」 (16)
上条「久しぶりだなぁ」
浜面「おいおいどうした大将、いきなりしんみりしちゃって」
一方「どうした三下ァ? 大学ってのはそンなに老けちまう場所なのかァ?」
上条「いや、ほんとに久しぶりだと思っただけですよ?」
一方「いや打ち止めの奴がよォ。大学行ったらみんな性格変わるって言ってたぜェ? イケイケになるってなァ。・・・正直、久しぶりに会うってんでついて行けるか心配だったんだがなァ」
浜面「そうそう、うちも絹旗がそんなこと言ってた。華の大学生に会うのにそんなよろけたシャツなんて超正気ですか?ってうるさかったのに」
上条「そういやお洒落だなお前、誰のセンスだ?」
浜面「それが絹旗が珍しく御機嫌でさ?なんと服を準備してくれてたんだが」
浜面「・・・ダセエんだこれが・・・」
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上条「え? あいつセンス無いの? めちゃくちゃ良さそうなのに」
浜面「いや、たぶん大将や一方通行なら似合うんだろうが、俺にはちょっと若すぎてな、合わなかったんだ」
上条「ああ・・・」
一方「老け顔だからなァ・・・」
浜面「ほっとけ! で、麦野が『ぎゃはははは! クソガキはセンスもクソガキってか!!』とか言うし、絹旗は『う、うわ、超ショックです。この私がまさかこんな、うわ』とか言うし」
上条「目に浮かぶな」
浜面「でさ、麦野が笑いながら部屋に行ったと思ったら、服持ってきてくれたんだ。それがこれ」
一方「ふゥん、やるじゃねえか」
浜面「まぁ、この服だけじゃなくて麦野の服の分も金は取られたんだが。・・・あと、絹旗の分も」
上条「それはまぁ仕方ないだろ。しかし麦野がよく男物の服なんか持ってたな」
浜面「・・・は?」
一方「ギャハハハハッ! ・・・どうやら時と場所が変わっても相変わらずらしいなァ?」
上条「な、なんだよ! ・・・どうせ上条さんは女心のわからない童貞ですよーだ」
一方「ケケッ、辛気臭ェのも相変わらずだなァ。・・・ン?」
浜面「おん? 大将この前シスターさん戻ってきたんじゃないの? そう聞いたけど」
上条「そうなんだよ。五年ぶりにな。戻ってきたんだよ」
浜面「しかも、同棲だろ? 今十九くらいだっけ?」
上条「そうなんだよ。しばらくこっちで暮らして、俺が大学卒業したら一緒に向こうに行くって約束でな」
浜面「で、どうだった?」
上条「それが、ぱっと見あんまり変わってなかったんだ、・・・小柄だったし」
浜面「おっぱいもちっちゃいし?」
上条「そう、けど。ノックの音がしたと思ったらインデックスがドアの前に立っててさ。『お久しぶりです、当麻さん』なんて言うんだよ」
一方「・・・ふゥん。あのちんちくりんがねェ? で? どうしたんだァ?」
上条「い、いや、あのインデックスがまさかそんなこと言うとは思わなくてさ、つい笑っちまったんだ」
一方「お、おゥ流石だな」
浜面「そこが大将のすげぇところであり、くそったれなとこだな」
一方「噛み付かれたのかァ?」
上条「うん」
浜面「ははは、相変わらずだなぁあんたら」
上条「い、いやそれが、俺も流石にやべえやっちまったと思ってさ! ・・・とっさに謝ろうと思ったんだ。そしたらインデックスが少し赤い顔して、ちっさい声で『バカ』って言ってさ」
浜面「はは、そこはガブっとはいかれなかったか」
上条「うん、耳を」
一方「ガブっとかァ?」
上条「い、いや、・・・あまがみして来た」
浜面「どえええええええええええええええ!?」
一方「はァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」
浜面「お、おい妄想じゃねえだろうな! 噛み付かれたからって美化しようったって」
一方「で、でェ? 恋人にあまがみされた上条さンはどうしたんですかァ?」
上条「・・・それだけだよ」
浜面「は?」
一方「あァ?」
一方「お、おィまさか」
浜面「た、大将のことだから抱くまではいかないまでも流石にキスくらいしてやったんだろ?そうだよな?」
上条「俺も頭が真っ白になってさ。その時、インデックスが動く気配で我に返って」
一方「接吻かァ?」
上条「いや、引き剥がして、『いけねぇ・・・』って言っちまったんだ・・・」
浜面「カリオストロかよぉぉぉ・・・」
上条「そしたらインデックスが
『そう、だよね。・・・ごめんなさい。つい、当麻に会えたのが嬉しくて、でも、私は神に仕える身ですから、ありがとう、ございます』
なんて涙我慢した声で、俺、俺・・・抱きしめるしかできなくて・・・」
浜面「途中から敬語に戻る辺りがもう・・・」
一方「おゥ、土御門かァ? ・・・久しぶりだなァ、あン? なンだっていいだろうが。それより今時間あるかァ? ・・・そうかァ、仕方ねェ。・・・チッ」
上条「ちょ、一方通行さん? 誰に電話してるんですのことですか!?」
一方「うるせェお前もう帰れ」
浜面「上条の病気、これがセットならもういらねえわ」
上条「・・・でもさ、抱きしめようとしたら首を振って『せめて、頭をなでて欲しい』って言うんだよ」
浜面「あぁそう、で?」
上条「罪悪感でいっぱいだったんだけどさ、一生懸命こう、気持ちが伝わるようになでたんだよ。そしたらインデックスが両手で俺の右手を甲斐甲斐しく掴んで『この右手が私に触れている間は、私は当麻さんの知っているインデックスですから』って言って笑ってくれたんだ」
一方「・・・まァ、悪くねェな」
浜面「うん、うん」グスッ
上条「なんかこうその時、俺は幸せなんだなぁって思ったんだ」
一方「・・・そォか」
上条「ああ」
浜面「なんつーかこう、いいな。俺、そういうのよくわかんねーけど、いいな」
一方「そうだなァ。立派になったじゃねェか、シスター」
上条「ああ」
浜面「絶対許さねえけどな」
一方「そォだなァ。三下を許すのはそのシスターだからなァ。正直ボッコボコにしてやりてェが、・・・シスターに免じて今回は勘弁してやらァ」
上条「・・・ああ」
あまがみのくだりが書きたくて書いてたけど、書いてて泣きそうになった。
もうこれ、続けるの野暮だと思うから依頼出してくる
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