メリー「わた・・・リー・・・ま」(29)
男「え?なに?すいませんけどよく聞こえません」
メリー「あ・・・しいな?も・・・-し?」
男「・・・」ピッ!
メリー「あっ!切られた!ねーおかーさーん、新しい携帯買ってよー、こっちの声も相手の声も聞こえないんだよー?」
メリ母「家の電話から掛ければいいでしょ」
メリー「家の電話じゃ途中報告ができないじゃない!」
メリ母「そんなことないわよ、お母さんがアンタくらいの時には電話線を延長して持ち歩いたものよ」
メリー「いまどきそんなことしてる子いないよ!ねーねー買ってよお!いまどきはスマートフォンってのが流行ってるんだってねーねー」
メリ母「そういうことはお父さんに言いなさい」
メリー「ぶー・・・」
男「いったいなんだったんださっきの電話は」
~~~♪~♪
ピッ
男「もしもし」
メリー「私メリーさん。今家にいるの」
男「あの、いたずら電話ですか?」
メリー「えっ、ちが・・・ちょっとお父さん!そんな恰好でお風呂場から出てこないでよ!」
メリ父「す、すまん」
男「あの・・・お取込み中みたいなので切りますね」プツッ
メリー「あっ!」
男「個人情報ってのはどこから漏れてるかわからなくて怖いな」
~~♪~♪
ピッ
男「あの、又ですか?」
メリー「ごめんなさい、延長ケーブルがなくてまだ家なんです・・・」
男「いや、そんなこと聞いてませんけど」
メリー「相手にだんだん近づいていけないメリーさんなんてメリーさん失格ですよね・・・」
男「いやまぁ僕からしたら来ないほうがいいんですけど」
メリー「携帯電話が故障中でして、相手の声もこっちの声も聞こえない状況でして」
男「はぁ」
メリー「でも何とかしてあなたのところにたどり着いて見せますから!」
男「結構です」ピッ
メリー「あっ!また切られた・・・」
メリー「ねーお父さん、新しい携帯買ってよー。まともに話せない携帯なんて高機能ポケベルみたいなもんだよ」
メリ父「修理に出せばいいだろう?」
メリー「ほらほら!最近はこういうのが流行ってるんだよ!」バサァ
メリ父「ねぇ話聞いてた?」
メリー「これだとほらあんなことやこんなこともできてね・・・」ペラペラペラ
メリ父「・・・・・・」
~数日後~
~~♪~♪
ピッ
男「もしもし」
メリー「私メリーさん!今○×ショップにいるの!うふふ」
男「はぁ」
メリー「スマートフォンって便利ですね!画面に触るだけでいろんなことができるんですよ!」
男「あぁ、携帯買い換えたのね。おめでとう」
メリ父「スマートフォンって財布もスマートになるんだな。お父さんまいっちゃった・・・」
メリー「お父さんありがとうね!」
メリ父「あぁ・・・うん・・・」
メリー「というわけで!これでいつでもそちらに行けますよ!」
男「いや、結構です」
メリー「そんなこと言わないでくださいよぉ、それじゃあ何のために携帯電話を買い換えたかわからないじゃないですか」
男「いや、そういわれても」
メリー「ってあ、お父さん?!」
メリ父「お願いします。一度だけでいいので会ってやってください」
男「いや、そういわれましても・・・」
メリ父「そうでないと私の失った金が無駄になってしまうんです・・・」
男「・・・」
男「・・・結局okしちゃったよ」
~~♪~♪
男「さっそくか・・・」
ピッ
男「もしもし」
メリー「私メリーさん・・・なんですけど」
男「うん」
メリー「なんか急に雨が降ってきちゃって、かなり強いんですよこの雨が」
男「・・・」
男「いやもう無理にこっちに来なくてもいいですよ?俺も来てほしくないですし」
メリー「いや、それがですね・・・」ガサガサガサ
男「?」
メリー「えっとですね・・・あ、あった。メリーさんとして電話をした場合、2週間以内に電話相手に会わないといけないんですよ」
男「なんですそれ?」
メリー「なんていうかですね、そういう取り決めというか暗黙の了解というか・・・あ、でもこれでも前よりは緩和されたんですよ?」
男「いや、聞いてないです」
メリー「私の母が現役のころには電話したその日に会いにいかないと罰金だったそうです」
男「はぁ」
メリー「でも明日には会いに行けると思います。明日の降水確率は0%ですので」
男「はぁ」
メリー「楽しみに待っていてくださいね!」
男「はぁ、それでは・・・」ピッ
男「・・・・・・」
ビュオオオオオオオ!
男「こっちが台風なんだよなぁ・・・」
~翌日~
男「・・・・・・」チラチラ
男(・・・やっぱり言わなかったのはまずかったかな)
~~♪~♪
男「あっ」ピッ
男「もしもし」
メリー「わたっキャー!わたっ・・・しメあっ傘が!」
男「・・・・・・」
男「えっと・・・今どこですか?」
メリー「え、えっとですね・・・いま」
ビシャアアア!
メリー「うわぁっ!?」
男「え?大丈夫ですか!?」
メリー「うぇぇ・・・車に・・・う・・・うぅ・・・もうやだ・・・」
男「と、とりあえずそっちまで迎えに行きますから!近くの建物を教えてください!」
~15分後~
男「えーっと・・・あれ?」キョロキョロ
男(って、俺メリーさんの見た目知らないじゃん!)
~~♪~♪
ピッ
男「もしもし、言われた場所の近くに来たんだけど」
メリー「う・・・うぅぅ・・・」
男「もしもし?!もしもし!」
メリー「わたし・・・メリーさん・・・」
男「もしもし!今どこにいるの?!」
メリー「いま・・・」
男「・・・・・・」
メリー「アナタノウシロニ・・・」
男「・・・・・・」クルッ
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!
~30分後~
メリー「お風呂をお借りできて助かりました」フキフキ
男「着替えのサイズが合わないと思いますけど我慢してください」
メリー「あ、はい」
男「・・・」
メリー「・・・」
男「えっと・・・一つ聞きたいんですけど」
メリー「あ、はい」
男「えっと、なんていうんだろ・・・メリーさんに会うと最後はメリーさんに殺されるっていうのが定番だと思うんですけど」
メリー「昔はそうだったみたいですね。でもさすがに前科持ちだと社会的に立場が危ういということで法が改正されたそうなんです」
男「はぁ・・・なんかいろいろと大変なんですね」
メリー「えぇ」
男「えっと・・・それで、この後はどうするんですかね?」
メリー「この後?」
男「いえ、とりあえず俺に会いに来たんですよね?もうその目的は達成できたわけですし」
メリー「あ、そうでした。えっと・・・」ゴソゴソ
男「?」
メリー「こちらの書類にお名前と判子をお願いできますか?」
男「・・・証明書?」
メリー「はい。実際に会ってきた人のサインが必要なんです」
男「はぁ・・・はい」カキカキ
メリー「ありがとうございま」グゥゥゥゥゥ
男「・・・・・・」
メリー「・・・・・・」
男「えっと・・・何か作りますね」
メリー「す、すみません・・・」ググゥゥゥゥ
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