ほむら「こんな夜遅くにどうして出歩いてるの？」

まどか「･･･」

ほむら「危ないからもう帰りなさい」

まどか「･･･うるさいなぁ」

ほむら「！」

まどか「ほっといてよ」

ほむら「･･･気に触ることを言ったなら謝るわ」

まどか「･･･」

ほむら「･･･でも今日は帰りなさい、危険よ」

まどか「ﾃｨﾋｯ」

ほむら「･･･どうしたの？まどか･･･？なにか様子が･･･」

まどか「どうしていちいちほむらちゃんに言われないといけないの？」

ほむら「･･･それは･･･」

まどか「じゃあほむらちゃんはいいの？」

ほむら「私は魔法少女だから･･･」

まどか「ふぅん」

まどか「なら私も魔法少女になっちゃえばいいんだね？」

ほむら「･･･！？」

ほむら「あなた本当にどうしたの！？」

まどか「いちいち叫ばないでよ、うるさいなぁ！」からんっ

ほむら「･･･これは･･･？」

まどか「ﾃｨﾋﾋ･･･なんだと思う･･･？」

ほむら「･･･ソウルジェム！？」

まどか「あったりー」

ほむら「･･･どうして･･･？どうして！？」

まどか「近くで見て見ればわかるよぉ」

ほむら「･･･」スッ･･･

まどか「ﾃｨﾋﾋ」

ゴッ！！！

バキバキボキボキ！！

ほむら「！？！？」

ほむら「･･･！あっ！ぎゃあああああ！！！」

まどか「うわぁ、ほむらちゃんの綺麗な手が真っ赤だよ」

ほむら「まっ･･･まど･･･」

グリグリ

ほむら「あああぁぁぁああ！！！」

まどか「ﾃｨﾋﾋ、白いの骨かな？」

まどか「ほむらっ！ちゃんの！手が！どんどん！」

ゴッ！！！ゴッ！！！ゴッ！！！ゴッ！！！

まどか「真っ赤になっていくね･･･ﾃｨﾋﾋ」

ほむら「･･･」

ほむら「･･･ま、まどかぁ･･･」

まどか「私ね･･･ずっとムカついてたんだ･･･」

まどか「だってさ･･･過保護もいいとこじゃない？」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「私はっ！あなたの為を思って！」

まどか「･･･だから、どうしてそう考えるのかな？」

まどか「あなたなんて」






まどか「私の何でもないのに」

ほむら「･･･」

まどか「･･･ﾃｨﾋﾋ･･･」

ほむら「･･･ま、どかぁ･･･」

まどか「ﾃｨﾋﾋﾋﾋﾋﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ！！！ｱｯﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ！！！！」

まどか「今までありがとう」

まどか「･･･」

まどか「知らない誰かさん」

さやか「･･･っあー！もう！！おかしいだろ！どうしてこうも魔女が湧くかなぁ！」

さやか「はあ･･･」

さやか「･･･」

さやか「･･･恭介･･･ちゃんと寝れてるかなぁ･･･」

さやか「･･･よっし」

さやか「恭介のためにもさやかちゃん頑張っちゃいますよー！」

まどか「誰のために？」

さやか「うわぁっ！！」

さやか「ってまどかかよー、ビックリさせないでよねー」

まどか「誰のために？」

さやか「･･･？」

さやか「誰って･･･恭介とか･･･」

さやか「っていうか聞いてただろ」

まどか「へぇ」

まどか「でもあっちはさやかちゃんのことどうも思ってないよ？」

さやか「･･･！」

まどか「･･･」

さやか「･･･やっだなー！分かってるよそんなことくらい」

さやか「この気持ちはもう諦めたんだから！」

まどか「･･･あれだけ拒絶されたのにね･･･」

さやか「･･･」

さやか「･･･まどか」

まどか「なぁに？さやかちゃん」

さやか「あんまり変なこというと･･･まどかでも･･･ちょっと･･･怒るよ･･･？」

まどか「あっれー？さやかちゃんって一般人にまで手を出すんだー？」

さやか「･･･なんか嫌なことでもあったの？」

さやか「こんな夜中にそんなでっかいカバン持って･･･」

さやか「･･･どこに行くつもりなのさ？」

まどか「やだなぁさやかちゃん」

まどか「別にこの中に怪しいお薬なんか入ってるわけじゃないよ」

まどか「入ってるのは･･･」

さやか「･･･！！」

まどか「･･･さやかちゃんの･･･思い出･･･ﾃｨﾋﾋ」

さやか「あんたそれ･･･恭介の･･･」

まどか「すごいよねー、上條くん･･･」

まどか「私も練習したら弾けるようになるのかな？」

まどか「こんなバイオリンとか･･･さ」

さやか「･･･」

さやか「･･･あんたがなんでそんなものを持ってるのか聞かない･･･」

さやか「でも返して」

さやか「それは恭介にとって大事なものなんだ」

まどか「･･･」

まどか「ｱｯﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ！！！」ｶﾞｼｬｱｯ!!

まどか「大事！？大事！？そうだよねぇ！？」

まどか「きっとさやかちゃんより大事なんだよねぇ！？」

まどか「こんなボロっちいバイオリンがさ！！！」

グシャッ！！グシャッ！！

さやか「まっ･･･」

まどか「笑っちゃうよね！いっときは引けなくなりさえ、嫌いになりさえしたものに負けるってどんな気持ち！？ｱｯﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ！！」

さやか「まどかぁぁぁぁああ！！」

まどか「･･･手を出すんだ？」

まどか「正義の魔法少女がさ」

さやか「あんたっ･･･自分が何したか･･･」

まどか「分かってるよ」ﾋｮｲｯ

まどか「見てよこれ･･･こんなに尖った破片･･･これ、バイオリンなんだよ？」

さやか「･･･お前は･･･」

まどか「･･･」

まどか「ごめんね、さやかちゃん･･･」

まどか「私･･･もう･･･疲れちゃった･･･」

さやか「･･･！？まどかっ！何を！？」

まどか「ばいばい」

ﾊﾟｼｯ!!

まどか「･･･」

さやか「･･･はぁ、はぁ･･･」

ばちん！

さやか「あんた！何してんのよ！」

さやか「どうして自分で･･･」

まどか「･･･言ったでしょ･･･疲れちゃったの･･･」

さやか「･･･何言ってんのよ！」

まどか「･･･」

さやか「私たち親友でしょ！悩みがあるんなら私にぶちまければいいじゃない！」

さやか「どうしてそんな卑怯な手を使って解決しようとするのよ！」

さやか「あんたが苦しい時は私が苦しい時だ！」

さやか「あんたが苦しんでるなら私が助けてあげる！」

さやか「助けるから！！！」

さやか「･･･もう･･･そんなこと･･･しないで･･･」ぽろぽろ

まどか「･･･」

まどか「･･･うぅ･･･ごめんね･･･さやかちゃん･･･」

まどか「うわぁぁぁぁん！！！」

まどか「ごめんねえええ･･･さやかちゃん･･･」

さやか「いいよ･･･あんたが何かを抱えてるのは･･･見ればわかるから･･･」

さやか「･･･今は･･･存分に･･･」

まどか「･･･ところで･･･」

まどか「さっきの痛かったんだけど」

ズブッ！

さやか「･･･は？」

まどか「･･･ﾃｨﾋﾋ･･･」

まどか「･･･ｱｯﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ！！」

まどか「さやかちゃんの首にバイオリンが刺さってるよー、ﾃｨﾋﾋﾋﾋﾋﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ！！！！」

さやか「がっ･･･！ごぽっ･･･！！」

まどか「あっははは！！まだ死なないんだ！！すごーい！！」

さやか「まっ、まど･･･が･･･ごほっ･･･！！」

まどか「あはははは！」

ｽﾞﾌﾞｽﾞﾌﾞｽﾞﾌﾞｽﾞﾌﾞ

さやか「あっ･･･がぁぁぁぁあああ！？！？」

まどか「ねぇ？言ったよね？」

まどか「私が何かを抱えてるって･･･」

まどか「さすが親友だね」

まどか「私のことなんでもわかってくれて嬉しいよ」

さやか「あっ･･･がぁっ･･･」

まどか「私ももう疲れたんだぁ」

まどか「だからそろそろ荷物を下ろすことにしたよ」

まどか「･･･ばいばい、さやかちゃん」

まどか「本当に今まで」








まどか「目障りだったよ」

ピンポーン

ピンポーン

ピンポーン

マミ「･･･はーい」

マミ「ってあら？鹿目さん？」

まどか「こんにちは、マミさん」

マミ「どうしたのかしら？今日は一人？」

まどか「はい」

マミ「そう･･･」

まどか「あの、私･･･どうしてもマミさんに相談したいことがあって･･･」

マミ「あら、そうなの？」

まどか「はい、ええっと･･･」

マミ「あら、立ち話もなんだし上がっていって？」

まどか「･･･あ、はい･･･」

まどか「やっぱりマミさんの入れた紅茶は美味しいです」

マミ「もう、褒めても何も出ないわよ？」

まどか「･･･ティーカップも綺麗に手入れされていて･･･」

マミ「あ、それ？」

マミ「それね、お母さんの形見なの」

まどか「え？」

マミ「私のお母さんも紅茶が好きな人でね」

マミ「よく私に振舞ってくれていたわ」

マミ「･･･あの紅茶は･･･いつになっても忘れられない味よ･･･」

まどか「･･･」

マミ「私も･･･ほんのちょっとでも近づけていればいいのだけれどね、うふふ」

まどか「へぇ」

まどか「･･･じゃあもし･･･」

まどか「私がこのティーカップを割ったらどうします？」

マミ「･･･」

マミ「･･･え？」

マミ「･･･それって･･･どう･･･」

ぱりんっ

まどか「･･･ﾃｨﾋﾋ」

マミ「･･･え？」

まどか「あははは！割れちゃった！形見が割れちゃった！あははは！」

マミ「･･･」

マミ「･･･ねぇ、鹿目さん･･･？」

マミ「悪い冗談なのよね？」

まどか「そう見えるならやっぱりマミさんは優しいですね」

マミ「･･･」

まどか「お母さんの形見がバラバラになった気分はどうですか？ﾃｨﾋﾋﾋﾋﾋﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ！！」

マミ「･･･今なら･･･何も言わないわ･･･」

マミ「･･･出ていって頂戴」

まどか「･･･ﾃｨﾋﾋ」

まどか「･･･そうは行きませんよぉ」

グラッ

ｶﾞｼｬｧｧｧﾝ!!

マミ「なっ･･･」

まどか「･･･マミさんに食器なんてもったいないですから」

まどか「私が全部壊してあげますね？」

マミ「やめなさい！」

まどか「やめなーい」グシャッ！！

マミ「鹿目さん！！」

まどか「･･･うるさいなぁ･･･」

まどか「･･･形見形見ってそれほど大事じゃなかったくせに･･･」

マミ「･･･！？」

まどか「あんなもので友達に飲み物のますってどういう神経してるんですか？」

マミ「･･･それ以上いうなら･･･あなたを敵とみなすわよ･･･」

まどか「･･･敵？」

まどか「あなたに敵はいませんよ」

まどか「ﾃｨﾋﾋ」

マミ「･･･？」

まどか「･･･味方すらいないのに･･･ﾃｨﾋﾋ」

マミ「･･･！」

まどか「なんでしたっけ？マミさんの願い」

まどか「助けて、でしたっけ？」

まどか「残念ですね」

まどか「もしあの時両親のことも頭に入ってれば」

まどか「今でも生きていましたよ？」

マミ「うるさい！あなたには関係ないわ！」

まどか「そうですね、私には関係ない」スッ

まどか「だってあなたは一人ぼっちなんだから」

マミ「何を･･･」

まどか「ﾃｨﾋﾋ･･･油断しちゃダメですよぉ･･･」ｽﾊﾟｯ

マミ「ひっ！」

まどか「あははははは！綺麗な顔に傷がつきましたよ！？」

マミ「あああ！！」

まどか「あははは！それどころじゃないでしょう！？」

まどか「一人の心に耐えられますか！？」

まどか「自分のせいで親を見殺しにした罪が！！！！」ｻﾞｸｯ

マミ「ああああぁぁぁああ！！！」

まどか「親の形見で顔がズタズタになったら世話ないですね！！」

まどか「あははははは！！！」

マミ「･･･やめて･･･！やめてよぉ･･･！！」

まどか「大丈夫ですよ･･･マミさん」

まどか「･･･きっとマミさんは救われますよ･･･」

まどか「もうマミさんは危ない目に会いません」




まどか「だってもう何もかもが怖いんでしょう？」

杏子「ふぅ･･･さやかのせいで･･･毎日食うにも事欠く生活だ･･･」

杏子「･･･」

杏子「･･･でもこういうのもいいかもな」

杏子「･･･次はあいつに受け取ってもらえるような」

杏子「そんなものを･･･」

まどか「･･･杏子ちゃーん」

杏子「･･･まどか･･･」

まどか「ﾃｨﾋﾋ」

杏子「マミから聞いてるぜ、あんたとんでもないことをしたんだってな」

まどか「あはは、バレてたか」

杏子「失せな、今のあたしは気分がいいんだ、今なら見逃してやらなくもないぞ」

まどか「ふーん」

まどか「せっかく食べ物持ってきたのに」

杏子「黙れ、食うに事欠いちゃいるがプライドを捨てたわけでもねぇ」

杏子「クズの手ほどきなんか受けねぇさ」

まどか「･･･じゃあもったいないけど･･･これは捨てないとね」グチャッ！

杏子「･･･！」

杏子「･･･てめぇ･･･」

まどか「ほら、杏子ちゃんのせいだよ？杏子ちゃんが食べないからこうなったんだよ？」

杏子「･･･クズが」

まどか「ﾃｨﾋﾋ」

杏子「･･･」スッ

まどか「ﾃｨﾋﾋﾋﾋﾋﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ！！」ゴッ！！！

まどか「ってあれ？」

杏子「だいたいクズの考えそうなことくらいわかるさ」

杏子「マミの奴は不意をつけたかもしれねーがあたしはそうは行かねぇぞ」

まどか「ふぅん･･･」

杏子「･･･へぇ、モモね･･･」

杏子「あたしのこと知ってて選んだのかい？どう仕様もないクズだな、お前は」ﾑｼｯ

まどか「･･･」

杏子「あんた何がしたい」

まどか「別にぃ」

杏子「これだけ人を傷つけて何が楽しいんだ？」ﾑｼｯ

まどか「ﾃｨﾋﾋ」　　

杏子「･･･言っとくが･･･あたしは正義の魔法少女なんてたまじゃねーぞ」

杏子「その気になりゃあお前の頭なんて瞬きの間にぶち抜けるんだ」

まどか「･･･」

杏子「･･･ほら、とっとと消えな、あたしはっ･･･！･･･！？」

まどか「あははははは！！」

杏子「･･･おまえっ･･･なに･･･かはっ」

まどか「インド像を一瞬で毒殺するんだってさ」

杏子「て、め･･･ひゅ･･･」

まどか「まぁ魔法少女なら耐えられるでしょ？」

杏子「あっ･･･ぁ･･･」

まどか「それにしてもさぁ･･･杏子ちゃん･･･」

まどか「･･･親に殺されるってどういう気持ちなの？ﾃｨﾋﾋ」

杏子「なっ･･･」

まどか「私そんな経験ないから分かんないんだぁ」

まどか「ねぇ？教えてよ？」

杏子「ひゅう･･･ひゅっ･･･」

まどか「ねぇ！！ねぇ！！」ゴッ！！！ゴッ！！！

杏子「あっ･･･あっ･･･！！」

まどか「あ、喋れないんだよね」

まどか「今まで行きてて楽しかった？」　　

まどか「あはは、子供も産めなくなっちゃうねえ！」ゴッ！！！

杏子「あ･･･」

まどか「でもいいよね？いらないよね？」

まどか「だって杏子ちゃんだもん」

まどか「ﾃｨﾋﾋ」　

まどか「きっと杏子ちゃんも自分の子供を殺しちゃうよ」

杏子「ぅぅうぅぅうううう･･･！」

まどか「だって」

まどか「キチガイ宗教家の娘だもんね？」