だるま妹「兄貴、テレビ見たい」

だるま妹「勉強？うるさい、私を優先しろ」

だるま妹「クッションになってろ」

テレビ「――続いてはニュースの時間です」

だるま妹「兄貴、チャンネル回してよ、ニュースなんかつまんない」

テレビ「海外で大規模誘拐組織の摘発が――」

だるま妹「！　ひ、ひ、ひぃぃいぃい！！！」

だるま妹「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

だるま妹「ひっく、ひっく……」

だるま妹「……何泣いてるの？男の癖にダサい」

だるま妹「兄貴、ぎゅってしてもいいよ」

だるま妹「兄貴、苦しい、絞め殺す気か」

だるま妹「兄貴、ご飯はカレーがいい」

だるま妹「だめ、一人にしないで、おんぶして作って」

だるま妹「赤ちゃんじゃないし、バカにしないで」

だるま妹「ん……兄貴、包丁使うのうまくなったね」

だるま妹「ずり落ちそう、兄貴、ひもくくり直して」

だるま妹「頂きます……兄貴、あーん」

だるま妹「ん……まあ合格、もっとちょうだい」

だるま妹「あっ……」

だるま妹「こぼれた、拭いて」

だるま妹「あっ、はは、くすぐったい！」

だるま妹「バカ！もう兄貴なんか知らない！」

だるま妹「……あーん」

だるま妹「もぐもぐ……ふん」

だるま妹「兄貴、お風呂」

だるま妹「頭、洗って」

だるま妹「んっ、兄貴、もっとぎゅっとしないと落ちる」

だるま妹「兄貴、そこ痒いからしっかりこすって」

だるま妹「んん……体も洗ってよ」

だるま妹「スポンジないの？買ってきた？」

だるま妹「ダメ、一人にしないで、手で洗って」

だるま妹「あははっ、きゃはははっ」

だるま妹「やっぱいい、もう上がる」

だるま妹「兄貴、もう寝る」

だるま妹「歯磨き？今日はいい」

だるま妹「や、やめてよ兄貴！やだぁ！」

だるま妹「うう、うー……んあ」

だるま妹「んー！」ｼｬｺｼｬｺｼｬｺｼｬｺ

だるま妹「べぇ……」ﾍﾟｯ

だるま妹「兄貴のバカ、この歯磨き粉辛い」

だるま妹「兄貴、もう寝る」

だるま妹「ん……頭撫でてて」

だるま妹「……ふぁあ……はふ……」

だるま妹「………」

だるま妹「兄貴！どこ行くの！一人にしないで！」

だるま妹「ごめん、でも、私が寝てもずっと撫でてて」

だるま妹「ごめんね、本当にごめん、こんな妹でごめんね」

だるま妹「んっ……あ、兄貴、窒息するから離せぇっ……」ｼﾞﾀﾊﾞﾀﾞ

だるま妹「ん……あ、あれ……確か私、兄貴にぎゅっとされたまま寝て……」

黒人「HEY　GIRL」ｶﾞｼｯ

だるま妹「ひっ！？えっ、な、こ、ここ、はぁ……！！」

黒人「HAHAHA」ｽﾞﾘｯｽﾞﾘｯ

だるま妹「ひぃぃい！！や、ヤダヤダヤダァァ！！もう帰るぅうう！！助けてお兄ちゃぁあああん！！！」

だるま妹「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん……」

だるま妹「……っ、あ、ああ……お兄ちゃんだぁ……」

だるま妹「ううん、大丈夫だよ、ちょっと怖い夢見ちゃっただけ」

だるま妹「お兄ちゃん、これって夢じゃないよね、本当にお兄ちゃんだよね」

だるま妹「お兄ちゃん、ぎゅっとして、窒息して死んじゃうまで」

だるま妹「んっ……夢じゃないっ……苦しいっ……」

だるま妹「……もういいよっ、離せよ兄貴っ」

だるま妹「おはよう、兄貴」

だるま妹「……兄貴、いつもありがとう」

だるま妹「わがまま言っても許してくれてありがとう」

だるま妹「一人にしないでくれてありがとう」

だるま妹「もう二度と言わないから、よく聞いてね」

だるま妹「私、兄貴の事が大好き」

だるま妹「……もう言わないって言っただろ」

だるま妹「……うん、大好き……大好きだよ、お兄ちゃん」