ことり「にこちゃんとメイドさんで運命感じちゃうかも♪」 (79)

・ことにこ

・2期6話と7話の間ぐらい

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──秋葉原、アイドルショップ──

にこ「ふんふふーん♪μ'sのグッズもずいぶん増えてきたわね~」

にこ「ああっ!にこのグッズに店員さんのお勧めポップが!」

にこ(う、嬉しいニコ……!)ウルウル

にこ「って、感動してる場合じゃないわ!超一流のアイドルは日頃の情報収集を怠らないもの」

にこ「ファンの動向を調査するには、街に出るのが一番!こうやって直接売れ筋のグッズを見定めることで……」

サササッ

にこ「……ん?」

キョロキョロ

ササッ!

にこ「あれは……ことり?」

にこ「今入ってったの……前ことりがバイトしてたメイドカフェじゃない」

にこ「……あやしい」

にこ「これは確かめてみる必要があるわね、アイドル研部長として!」

にこ(すぐに追いかけると気づかれそうだから、ちょっと時間をおいて……)

カランカラン♪

ことり「お帰りなさいませ、お嬢様♪」キラキラキラー

にこ「!?」

ことり「って、に、ニコチャン!?」ピィッ!

にこ「……//」ポーッ…

ことり「ににニコチャン何でここに!?」

にこ「……ハッ!あ、あんた、何またミナリンスキってるのよ!このラブライブ予選に向けて忙しい時期に!」

にこ(思わず笑顔に見とれちゃったわ……さすが伝説のメイドのオーラ、ハンパないわね……)グヌヌ

ことり「……コトリ?What?チガイマァース!」ガイコクジン アピール!

にこ「そんなんでごまかされるのは凜ぐらいよ!っていうか、とりあえず全国の外国人さんに謝んなさいよ……」ジト

にこ「期間限定のミナリンスキー復活フェア?」

ことり「そうなの……最近お客さんが減ってるみたいで、店長さんからどうしてもって頼まれちゃって……」

にこ「頼まれたからって、あんた……練習も衣装作りもあんのにさらにバイトとか……大丈夫なの?」

ことり「あははは……あっ!他のお嬢様からご注文があるみたいだから私行かないと!」タタッ

にこ「むぅ……逃げたわね」

にこ「あれ?ドリンクのコースターに何か書いてある……?」

──店の外──

カランカラン オツカレサマデシター

ことり「あっにこちゃん、待たせちゃってごめんね?」

にこ「あんたが終わるまで待っててって伝言してきたからでしょ」

にこ「んで?何か話したいことでもあんの?」

ことり「うん……歩きながら話そっか……」エヘヘ

にこ「ストーカー!?」

ことり「か、どうかは分からないけど……」アセ

にこ「でも、いつも視線を感じるんでしょ?」

ことり「うん、最近、特にバイトの帰りはいつもなの……」

にこ「別に怪しい人影は見当たらないけど……」キョロキョロ

ことり「たぶん、今日はにこちゃんと一緒だからかなぁ……」

ことり「なーんて、ごめんね、変な事言っちゃって。ただのことりの勘違いだったかも」

にこ「あんたねぇ……何言ってんの?」ジロッ

にこ「もし本当のストーカーだったらどうすんのよ。シャレになんないでしょーが」ジロッ

ことり「あ、あう……」

にこ「……辞めちゃいなさいよ」

ことり「え?」

にこ「辞めちゃいなさいって言ってんの。ただでさえアイドル活動で忙しいのにバイトまで掛け持ちして、その上ストーカー被害にまで遭ったりしたらバカみたいじゃない」

ことり「……」

ことり「ごめんね、心配して言ってくれてるのは分かるし、嬉しいけど……それはできないかな」

にこ「何でよ!メイドカフェの経営にまで責任感じる必要ないでしょ!」キッ

ことり「そうじゃなくて……ううん、店長さんたちにもお世話になったし、お返ししたいっていうのもあるけど」

ことり「ミナリンスキーに会うのを楽しみにしてくれてるお客さんがいるんだもん。それを裏切ることなんて、ことりにはできないの」

にこ「……」

にこ(本当に面倒な子ね……)

にこ(ただ頼まれると嫌って言えないだけなのかと思ってたけど、こうなると結構頑固なんだから……)

にこ「仕方ないわねぇ」

にこ「こうなったら、私も付き合ってあげるわよ」

ことり「え?」

にこ「どうせ心配させたくないからって、穂乃果や海未たちには話してないんでしょ?」

にこ「あんた一人だけじゃ危なっかしいし……年上のにことして身体張るしかないでしょーが」

ことり「にこちゃん……」

ことり「ごめんね、ありがとう!ことり嬉しいっ♪」モッギュー

にこ「ちょ!こんな街中で……やめなさいってばぁ!にこはただアイドル研の部長の義務として……//」

にこ(この子何でこんないい匂いすんのよ!穂乃果がいつもくっついてる気持ちが分かった気がするわ……//)カァァ

──翌日、営業時間前──

にこ「ニッコニッコニー☆お嬢様、お帰りなさいニコ☆」

にこ「メイドなニコニーがご・ほ・う・し・してあげる、ニコ♪」

ことり「はぁーん、にこちゃんカワイイ//」キュンキューン!

ことり「メイドさん衣装、すっごく似合ってるよ!」ニコニコ

にこ「とぉーぜんでしょ!こう見えてもメイドカフェの仕事には実績があんだから、任せときなさい!」フフン

ことり「そんなことあったかなぁ?」

にこ「そーゆー設定のメディアもあんの!とにかく、今日はスーパーアイドルメイドニコニーの溢れる魅力で、ご主人様お嬢様どもを虜にしてやるわよ!」ニッコニッコニー!

ことり「うん、頑張ろうね!」

にこ(って意気込んでバイトに入ったのに……!)


女性客A「ミナリンスキーさーん、注文お願いしまーす!」

ことり「はーい!お待たせしましたお嬢様♪」

キャーキャー!


女性客B「ミ、ミナリンスキーさん……オムレツにいつもの、お願いします……//」

ことり「承知いたしました♪萌え萌えチュンチュンおいしくなぁーれ☆」チュンチュン♪

キャイキャイ


女性客C「ミナリンスキーさん!サ、サインを……!」

女性客D「ミナリンスキーさん!握手してくださいっ……!」

女性客E「ミナリンスキーさん!一緒に写真を……!」

ワイワイ!


にこ(ってぇ)

にこ(さっきからご指名がかかるのはことりばっかじゃないのよぉー!)ギリギリ

女性客F「あのぉ……」チョンチョン

にこ「あ、はーいっ!にこをご指名ニコ!?」

女性客F「いえ、そうじゃなくて……その、ミナリンスキーさんにおて、お手紙書いてきたんですっ……代わりに渡してくださいっ……!」サッ!

にこ(そんなん自分で渡しなさいよぉー!ヘタレな中学生の告白か!)ウォォイ!

──帰り道──

にこ「ぐぬぬぬ……何でよ……これがメイド力の差だというの……」

ことり「に、にこちゃんまだお仕事始めたばっかりだし、それにとっても可愛かったよ!きっとすぐファンができるよー!」

にこ「イヤミなの?全く、にこの魅力が理解できないなんて、見る目の無い客ばっかだわ!」フンッ!

にこ「どうせ皆伝説のメイドの名前に惑わされてんのよ……」ブツブツ

ことり「……お客さんたちがことりに声を掛けてくれるのは、伝説とかは関係無いと思うなぁ」

にこ「?」

ことり「メイドさんに大事なのは、心……せっかく来てくれたご主人様お嬢様を精一杯おもてなししたいっていう、心だと思うの」

ことり「それって、アイドルと同じなんじゃないかなぁ……ファンのみんなに喜んでもらいたいっていう、心……」

にこ「……」

にこ(おもてなしの心……?)

にこ(にこは、そんな事考えたこと無かったわ……)

にこ(可愛いニコニーをアピールして、とにかく人気を得ることしか……)

にこ(お客はそれを見抜いてたっていうの?)

にこ(何だか負けたっていうか……差を付けられたような気分……)

「お姉さまー!」タッタッ

ギュッギュッギュッ!

にこ「ごわっ!……ココロにココアに虎太郎!?」ギョッ

ことり「わぁー、にこちゃんの妹さんと弟さんだ!」カワイー!

にこ「あんたたち家で待ってなさいって言っておいたでしょ?ダメじゃないこんな時間に外出歩いたりしたら」ナデナデ

ココア「だってお姉ちゃん帰ってくんの遅いんだもん!」

虎太郎「むかえにきた~」

ココロ「お姉さまだってスーパーアイドルの大事な身なのですから、気をつけてもらわないと困りますわ」

ココロ「さっきだって、妙に挙動不審な人間が後ろを付いてきてたんですのよ?私たちが付いてくるのを見たら逃げて行きましたけど」

にこ「えっ?それってまさか、ことりのストーカー!?」

ココロア「ストーカー!?」

にこ(あっしまった)

ココロ「そのような事になっていたとは……見逃せませんわね」

ココロ「私たちがお姉さまたちを不埒者の手から守らなければ!」

ココア「おーっ!」

虎太郎「おー……」

ココロ「矢澤少女探偵団、活動開始ですわ!真実はいつもニッコニッコニー!」

ココア「ニッコニッコニー!」

虎太郎「にっこにー……」

にこ「だぁぁぁぁ、ぜぇったいドメ!ドメドメドメー!」バッテン!

にこ「相手は何するか分かんないストーカーなのよ!?危ないでしょ!」

ココロ「で、でも、ココロはお姉さまが心配で……」ジワッ

にこ「子供は家で大人しく待ってればいいの!お姉ちゃんの言う事を聞きなさい!」メッ!

ココア「う、うう……」ジワッ

ココロア「ふぇぇぇん……!」グスッ

ことり「あああ……ココアちゃんもココロちゃんも、泣かないで……!にこちゃんも二人の事が心配なの、分かってあげて?」アセアセ

虎太郎「……なかせた~」

にこ(ああもう、困ったわねー……)ハァ

にこ「しょーがないわねぇ、でもこれだけは守るのよ?」

にこ「夜6時には家に帰ること、人のいない所には行かないこと、危ないことは絶対しないこと、何かあったら防犯ブザーを鳴らすこと!」

にこ「いいわね?」

ココロア虎太郎「はーいニコ!」パァァ

にこ「やれやれ全く……」ハァ

ことり「……ふふっ♪」

にこ「なぁによ?」

ことり「にこちゃん、すっごく愛されてるなーって」クス

にこ「べ、別に……姉妹なんてこんなもんでしょ」プイッ

ことり「そんなことないよー、仲良くてうらやましい♪ことりもにこちゃんの妹になりたいかも♪」モギュッ!

にこ「ちょっちょっと!?腕にしがみつかないでよ歩きにくい!」

にこ(ぐぬぬ……柔らかいわね……//)

ココロ「ああっ、ズルいですわ!?」ガガーン

ココア「よーし、ココアもくっつくー!」ギュウッ

虎太郎「ぼくも~」ギュウッ

にこ「あーもー!あんたたち暑苦しいわよー!」ジタバタ!

──廊下──

にこ「ねぇことり、来週のバイトのシフトはどうするつもりなのよ?」

ことり「うん、えっとね……」

ヒソヒソ

教室の穂乃果「……」ジィーッ


ことり「やだぁ、にこちゃんったらぁ」クスクス

にこ「バカね、私は本気よ!ニコニーメイドでアキバ発のグローバルデビューを……!」

キャイキャイ!

穂乃果「……」ムゥーッ

穂乃果「……アヤシイ」

海未「どうしたのですか、穂乃果?」

穂乃果「最近、ことりちゃんとにこちゃんが仲良すぎる気がする!」

穂乃果「穂乃果を仲間外れにしてこっそり内緒話したりして……」プクーッ

海未「ああ、その事でしたか……別に仲間外れにしている訳では無いと思いますが」

穂乃果「海未ちゃん気づいてたの!?何で教えてくれなかったのー!?」ガガーン

海未「穂乃果が鈍すぎるだけです」ハァ…

穂乃果「もしかして……また留学!?」

海未「さすがにこの流れで留学はしないと思いますが……きっと何かの事情があるのでしょう」

穂乃果「むぅーっ、海未ちゃんは心配じゃないの?薄情だよー!」

海未「確かにことりは一人で抱え込んでしまうことがありますから、最初は気になりましたが……」

海未「にことあれだけ楽しそうにしているのですから、悪い事ではないのでしょう」

海未「あまり詮索しないのも幼馴染の友情だと思いますよ」クス

穂乃果「……なるほど、分かったよ」フムフム!

海未(分かってもらえましたか)

海未(思い立ったら考える前に走り出してしまう穂乃果も、少しずつ成長しているようですね)フフッ

穂乃果「あっ二人が一緒に帰ってくみたいだよ!よーし尾けよう!」ガタッ

海未(と思ったら全くそんな事はありませんでした!?)

穂乃果「行くよ海未ちゃん!」ダダダッ!

海未「あ、ちょっと、待ちなさい穂乃果!」

──秋葉原──

穂乃果「うーん、こっちに来たと思ったんだけど……」

海未「二人とも見当たりませんね……」


ココロ「あら、μ'sのお二人ではありません?」トテトテ

ほのうみ「えっ……にこ(ちゃん)の……妹さん!?」

ココロ「お久しぶりです」ペコリ

穂乃果「こんにちはー!ちょうど良かった、私たちお姉さんを探してるの!見なかった?」

ココロ「いえ、お姉さまは見ませんでしたが……」

ココロ「ちょうどそこのロー○ンでヤマ○キパン祭りをやっているのは見かけましたわ」ユビサシ

穂乃果「パン……祭り!?」ピシャーン!

穂乃果「ほ……ホントだ!ランチパックがお店の棚からこぼれそうなぐらい山積みになってる!」キョロキョロ

穂乃果「ああっ!こっちには期間限定苺大福味が!」タタタッ

穂乃果「……スゴイや!」パァァァァ

海未「ちょっと穂乃果!?ことりたちはもういいのですか!?」


ココロ「ココア、聞こえます?作戦成功ですわ」

ココア『オッケー、こっちはお姉ちゃんたちに付いてるけど、異常なしだよー』

ココロ「了解ですわ」プツッ

ココロ(お姉さまのセンターを不動のモノにするため、μ'sの皆様の弱点はリサーチ済……簡単なミッションでしたわね)ニヤリ

──メイドカフェ──

女性客G「にこちゃーん、アレやってー!」

にこ「はいはーい☆おいしくなぁーれ、ニッコニッコニー☆」

キャー!カワイー!


女性客H「に、にこちゃん……頭なでなでさせて……?」

にこ「は、恥ずかしいけど……特別ニコよ?優しくしてほしいニコ……」ウルウル

ズッキューン!クラクラ…!

ことり「にこちゃん、大人気だね!ニコニーも大好評だし!」

にこ「ま、まぁーね、これがにこの実力よ!」

にこ(ミナリンスキーの人気にはまだまだ負けてるけどね……)

ことり「にこちゃん、笑顔が優しくなったもん」

ことり「雰囲気も柔らかくなったっていうか……」

ことり「だからお客さんたちも声掛けやすくなったんじゃないかなぁ」

にこ「……あんたには、感謝しないといけないわね」

ことり「にこちゃん?」

にこ「一人で活動してたときは気づけなかった」

にこ「喜ばせたいって気持ちが伝われば、周りも応えてくれるのね……」

にこ「あんたが衣装とか裏方の仕事を押し付けられてるんじゃないかって、いつも歯がゆい思いで見てたけど……」

にこ「みんなのために頑張りたい、喜ばせたい……その気持ちこそが、あんたの原動力だったのね」

にこ「人気が出るのも納得だわ……さすがにカリスマメイドは伊達じゃないってことかしら」フフッ

にこ「にこもその……いつの間にか憧れちゃってたのかも……//」

ことり「にこちゃん……?」

にこ「あっ!でもそれはメイドとしての話であって!」

にこ「アイドルとしては絶対負ける気はないんだからね!」ガルル!

ことり「……うんっ!」ニコッ

──部室──

ことり「にこちゃーん、今度の衣装だけど、こんなのどうかな?」

にこ「そうねー……にことしてはもっとフリッフリでヒラッヒラのフリルたっぷりの方が……」

ヤイノヤイノ

真姫「……」ジトーッ


ことり「ううう、やっぱりこのペースだと完成が遅れちゃうかも……にこちゃーん……」

にこ「はいはい、しょーがないわねー。今日も手伝ってあげるわよ。練習の後、ことりの家でいいのよね?」

ワーイ♪

真姫「!?」ガガーン

真姫「……絶対に変だわ」ギリッ

花陽「ま、真姫ちゃーん、そんなに怒らなくても……」オドオド

凛「そうだよー、確かに最近にこちゃんとことりちゃんがすっごく仲良しになっててつまんないのは分かるけど、ヤキモチはみっともないにゃー」

真姫「怒ってもないしヤキモチなんかやいてないわよ!」バァン!

りんぱな「ひぃっ!?」ビクーッ

真姫「あのにこちゃんが衣装作りの手伝いを二つ返事で引き受けるなんて……絶対に何か企んでるんだわ」ガチガチ

花陽「爪噛んじゃダメだよ、真姫ちゃん……でも確かに、ちょっと不思議かも……」

凛「あっ、ちょうど二人が一緒に帰ってくにゃー」

真姫「!」ガタッ

真姫「すぐに追いかけるわよ、二人とも!」ダダッ

凛「えーっ?」

花陽「ちょっと待ってよ真姫ちゃーん!」ダレカタスケテー!

──秋葉原──

真姫「確かにこっちに来たはずなのに……どこ行ったのかしら」

花陽「はぁ、はぁ……こんなに走ったの久しぶりだよ~」

凛「凛の勘だと近いうちにかよちんはもっと走るハメになると思うよー」


ココア「あれー、μ'sのお姉ちゃんたちじゃん」

真姫「この子は……」

凛「にこちゃんの妹だにゃー!」

花陽「何でこんなところに?」

ココア「最近はこの辺も食べ物屋さんが増えたなって思って見てたんだー、ホラ」ユビサシ

凛「スペシャルラーメンサービスタイムで半額キャンペーン中!?」ピシャーン!

花陽「しかもライスが無料で付いてくるノ゛オ゛!?」ガラピシャーン!

りんぱな「真姫ちゃーん!今行こうすぐ行こっ!?」グイグイ

真姫「ちょ、ちょっと……引っ張らないで!私はにこちゃんを追いかけないと……」マキコマナイデ!



ココア「お姉ちゃん、こっちはバッチシうまくいったよー!」ニシシ

ココロ『了解ですわ。例えμ'sの皆さんでも、お姉さまたちのお仕事の妨害はさせません……ニコニーの名にかけて!』

ココア「ニコニーの名にかけて!」

ココロ(それにしてもμ'sの皆さんは食べ物につられすぎで将来が心配になりますわね……)

──メイドカフェ──

女性客I「ミナリンスキーさん……セクシーポーズお願いします!」ハァハァ

女性客J「ミナリンスキーさん!ローアングルでスカートの中激写させてください!」ウヘウヘ

女性客K「ミナリンスキーさん、バストサイズを測らせてください、手で直接……!」ワキワキ

ことり「えぇぇ!?//」

にこ(これだけお客が多いと変なのも増えてきたわね……)

女性客IJK「ミナリンスキーさぁぁん!」

ことり「あ、あのっ、私、そういうのは、ちょっと……」オロオロ

にこ(あの子も何でビシッと断らないのよ……)イライラ

にこ(仕方ないわね……!)

ツカツカ


にこ「ごめんなさいニコ☆このお店ではそーいうサービスはしてないニコよ♪」

女性客I「な、何よアンタ横から勝手に」

にこ「代わりに、ミナリンとニコのユリユリハグショットで許してほしいニコ♪」モッギュー!

ことり「に、にこちゃん!?//」

女性客J「おおっ、美少女メイド2人の百合シーン……今夜のごはんがはかどるわ!」パシャパシャ!

女性客K「今度はチュー寸前の感じでお願いします!」ゴクリ

ナニナニ?ミナリントニコチャンノツーショットダッテ!

キャァァァァ!

にこ(ってセクハラを防いだのはいいけど、逆にギャラリーが集まってきちゃったわ!?)ガーン

ことり(に、にこちゃんが……すごく近い……!//)

にこ「はぁ、疲れたー……」グデー

ことり「にこちゃん、その……さっきはありがとう……」モジモジ

にこ「当然でしょ?私はあんたの先輩なんだから」フンッ

にこ「でも、あんたもああいう時はちゃんと断れるようになんないとダメよ」

にこ「いつもにこがそばに居て助けてあげられるわけじゃないんだからね」

ことり「そう……だよね……」シュン

ことり「にこちゃんは、強いよね」

ことり「ことり、いつも穂乃果ちゃんや海未ちゃんの後に付いていくことしかできなくて……」

ことり「自分をしっかり持ってて、言わなきゃいけないことをはっきり言えるにこちゃんが、羨ましいな……」

にこ「……」

にこ「バカね」ナデナデ

ことり「ふえっ!?」

にこ「あんただって、十分強さを持ってるわよ。あんたが支えてくれたおかげで、今のμ'sがあるんだから」

にこ「もっと自分に自信を持ちなさい?」ナデナデ

ことり(にこちゃんに頭撫でられるの、何だか気持ちいい……//)ポーッ

にこ「ところでこのトサカみたいの、どうやって生やしてるの?遺伝?」

ことり「トサカじゃないし遺伝でも無いよぉ!?」ガビーン!

──帰り道──

にこ「それにしても、結局ストーカーの正体は分からずじまいだったわね」

にこ「ココロは特定の誰かが尾行しているような様子は無いって言ってたし……」

ことり「やっぱりことりの勘違いだったのかなぁ……ごめんねにこちゃん、最後まで付き合ってもらっちゃって」

にこ「いいのよ、にこもアイドルの心構えの勉強になったしね」

にこ「それより明日は最終日であんたのソロライブでしょ、気合入れていきなさいよ!」

ことり「うんっ!じゃあまた明日、学校でね!」

にこ「んじゃね~」フリフリ

ことり「……」モジモジ

にこ「……どうしたのよ?」

ことり「あ、あのね!今日は助けてくれてありがとう、にこちゃん……!」

にこ「またそれぇ?もういいっつったでしょ」

ことり「でも、ちゃんとお礼をしたいから……だから、ね?」

チュッ…

にこ「!?」

にこ(ほっぺに……キス、された!?)

ことり「……//」ボソボソ

ことり「それじゃあっ……サラバ!」タタッ!

にこ「……//」ボーッ…



(ことりを助けてくれた時のにこちゃん、とーってもかっこよかったよ)

(ことり、すっごくドキドキしちゃった)

(だからこれはその、お礼と……お返し♪)

・今日はここまで

・続きはたぶん夜に描くにこ

・再開にこ

──翌日、ミナリンスキー復活フェア 最終日──

にこ(まだほっぺたが熱い気がするわ……//)

にこ(って、大変なのはこれからニコよ!集中集中!)

にこ(ミナリンスキーが見られるのは今日が最後だって話が拡散しまくったせいで、ものすごい行列になっちゃってるんだから)

ワイワイ ガヤガヤ

にこ「はーい、整理券をお持ちのお嬢様たちはこちらに並んでくださいニコ♪」

にこ(取材クルーも入ってるし……あ、音ノ木の生徒たちも……)


◇◇


司会のお姉さん「ミナリンファンのみんなー、はっちゃけてるぅー!?」

イエーッ!

司会のお姉さん「これで見納め、カリスマメイドミナリンスキーのラストライブだー!盛り上がっていくぞぉー!」

キャーキャー!ワーワー!

にこ(げげっ、あれ前にニコニーをスルーしたレポーターじゃないの!)

にこ(何だか嫌な予感がするわね……)

──そのちょっと前、店の外──

ワイワイガヤガヤ

ココア「行列が万世橋の方まで伸びてる!すごい!」

ココロ「さすがお姉さまのバックダンサーを務めていただけのことはありますわね、なかなかの人気ですわ」ウンウン

ココロ「それにしても、結局ストーカーらしき人は現れませんでしたけれど……」

ココア「この辺はもともと人多いしねー、お姉ちゃんの後ろを歩いている人はよく見かけたけど」

ココロ「特定の一人が尾行しているような様子はありませんでしたし……」

チョンチョン

ココロ「ん、どうしたんですの、虎太郎?」

虎太郎「……いた」ユビサシ

ココロ「……え?」

◇◇

ことり「ねがいがはじける~☆」

「ミナリンスキー!」FuFu!

ことり「や~っとはれたら♪ぱ~っとはれたら♪」

「ミナリンスキー!」HiHiHi!


◇◇


にこ(こうやって客席からステージのことりを見るのは久しぶりね……)

にこ(あの誰もいなかった講堂を思い出すわ)

にこ(誰にも見てもらえなくても、あの子たちは全力で歌って、踊って……輝いてた)

にこ(だから、にこももう一度頑張ってみようって……)

ことり(あ、にこちゃん♪)パチッ♪

キャーッ!イマノダレニウインクシタノー!?

にこ「!?」

にこ(ラ、ライブ中なのに余裕じゃないの……生意気よ!//)

にこ(べべ別にドキドキなんかしてないんだからね!//)ドキドキ!


◇◇


ことり「よばれたよ~はしってきたよ~♪」

「ミナリンスキーっっ!!!」PPPH!

ことり「さいこ~の、ゆめっさ~……♪」

ワァァァァ!

パチパチパチパチ…!


◇◇


にこ(ソロの単発ミニライブだったけど、素晴らしい内容だったわ……)

にこ(こんないいパフォーマンスを見せられら、前だったら絶対ぐぬぬってなってたのに)

にこ(何でかしら……悔しい気持ちが湧いてこない)

にこ(それよりも、もっとこの子のステージを見てみたい)

にこ(これからも、この子と一緒のステージで、一緒に輝きたい)

にこ(この気持ちって、やっぱり……//)


ピロロン ニッコニッコニー♪

にこ(ってあれ、ココロからメールだ……)

にこ(……え?ストーカーが、もう中に入り込んでるですって!?)

ワイワイ ドヨドヨ!

司会「ちょ、ちょっと、ミナリンスキーのライブはもう終了だってば!ステージに押しかけないでー!」アタフタ

ことり(お客さんたちがどんどん集まって来てステージから下りられない……何だか怖い……!)



ドドドドド!

司会「うわわ、下がって下がぶふっ!?」ドーン!

「ミナリンスキー!辞めるなんて許さないから!」

「引退なんて撤回して!」

「ずっとみんなのミナリンスキーでいてよ!」


にこ(くっ……マズイわ、前方の一部のお客がやたらとヒートアップしてきた)

にこ(ことりに伝えなきゃなんないのに、人が多すぎて近づけない……!)ギュウギュウ


ことり「ご、ごめんなさい、みなさん……でも私は、みんなと作りあげた大事なμ'sの一員で……」

ことり「もうこれ以上、ミナリンスキーは続けられないんです……だからもう、終わりに」

イヤァァァァ!

「そんなの許せない!」

「私たち、毎日毎日、いつもいつも!」

「どんな場所でも、あなたのことを見つめてきたのに!」

ことり「……え?」


にこ(まさか、『前に押しかけてる女性客の集団全員』がストーカーだったなんて……)

にこ(分からないはずよね……毎回尾行していたのは違う人間だったんだから……)

にこ(虎太郎はちらっと1回見ただけで覚えられる記憶力を持ってるから気づいたけど、正体が分かったってこの状況じゃ……!)


「どうしても引退するっていうのなら……私だけのメイドさんになってよ!」

「そ、そうよ、みんなのミナリンスキーでいてくれないんなら、このままお持ち帰りしちゃえば……!」

「ああっずるいわよ!ミナリンは私のものにするんだから!」

ワイワイギャーギャー!

にこ(って、ことりを独占したいあまりに内紛が起こり始めたわ……噫無情ね)

「むしろ結婚して!」

「いや私と」

「いやいや私と」

「いやいやいや私と」

ジリジリ…

「ミナリンスキーっっ!!」

ギラギラ!

ことり(こ、怖いよぉ……!)ブルブル

にこ(ことり……!)


にこ「ことり!たかがストーカーごときにビビッてんじゃないわよ!」

にこ「自分の強さを、勇気を信じるの!」

ことり「にこちゃん……」ハッ!

(あんただって、十分強さを持ってるわよ)

(あんたが支えてくれたおかげで、今のμ'sがあるんだから)

(もっと自分に自信を持ちなさい)

ことり「……」

ことり(思い出した……私がメイドカフェのバイトを始めた理由)

ことり(いつも穂乃果ちゃんや海未ちゃんに助けてもらってる、弱い自分が嫌だったから)

ことり(自分の力で胸を張って立てる)

ことり(強い私になれる未来を掴みたかったから)

ことり(きっと、今がその時なんだ!)グッ!


ことり「みなさん、聞いてください!」

……シーン

ことり「ミナリンスキーをこんなに好きになってくれて、ありがとうございます」ペコリ

ことり「本当にうれしいです……」

ことり「でも、ごめんなさい」

ことり「私にはもう、大好きな人がいるんです」

ことり「私の大切な仲間で、目標で、憧れで……」

ことり「時々意地っ張りになるけど、本当はとっても優しくって」

ことり「メイド姿がとっても似合ってて可愛いのに、困ったときは面倒見良く助けてくれる、お姉ちゃんみたいな人……」

ことり「その人にとっては私はただの後輩かもしれないけど」

ことり「私には、他の人となんて考えられないんです」

ことり「だから……誰とも結婚はできませんっ!」ペコンッ


ザワ…ザワ…

ことり(ここまで言っちゃったら、もうバレちゃったよね……//)チラッ

にこ(ことり……あんた……//)

司会「あのミナリンスキーであるところのμ'sの南ことりに、熱愛宣言!?超スクープだわ!」ガバッ

司会「そそそそそそれは誰なんですか!?」マイクツキツケ!

にこ(あ、吹っ飛ばされてたのに復活した……打たれ強いわね)



司会「教えてくださいミナリンスキーさん!お相手は誰ですか?」

「「誰なんですか!?」」

ドヨドヨ!

ことり「それは……そのぅ……」チラリ


にこ(全くもう、困った顔でこっちを見るんじゃないわよ)

にこ(あんだけ言い切ったくせに、にこに迷惑がかかるんじゃないかって心配してるのね)

にこ(仕方ないわねぇ……ここで知らんぷりしたら、スーパーアイドルの名がすたるじゃない)

にこ(それに、お客の動きが止まった今なら、ステージにたどり着ける……!)

ダダッ!

にこ「そんなに知りたきゃ教えてあげるわよ!」ステージオン!

ことり「……!」

にこ「それは矢澤にこ……ゆくゆくは大宇宙を支配するスーパーコズミックアイドル!」スポットライト!

ドヨドヨドヨ!

ヤザワニコッテダレー? 

にこ「あんたたち、耳かっぽじってよぉーく聞きなさい!」ビシッ

にこ「ことりと結婚するのは、この私よ!分かったらとっとと尻尾を巻いて退散しなさい!」

にこ(フフン……決まったわね♪)

ことり(に、にこちゃん……結婚は言い過ぎだよぉ~!//)

「そんなの信じられるわけないでしょー!」

にこ「は?」

「同じμ'sのメンバーだから、嘘ついてかばってるんじゃないの?」

にこ「あ゛?」

「大体あんたみたいなチンチクリン、ミナリンスキーに釣り合うわけないのよ!」

にこ(な、な……のわんですってぇぇー!?)

にこ「あ、あんたたちねぇぇ……!」

司会「でも、確かに急に言われても信じられないっていうのはあるかもしれないね!何か証拠を見せてもらわないと!」

にこ「はぁ!?んなこと言われたって……」

「そうよ!本当だっていうなら証拠を見せなさいよ!」

「そうだそうだー!」

「この貧乳!ウ●コ帽子!フライドポテト泥棒!」

ワーワーギャーギャー!

ことり(に、にこちゃん……どうしよう……)オロオロ

にこ(仕方ないわね……)

にこ(覚悟決めなさい、ことり)

ことり(にこちゃん……いいの……?//)

にこ(バカね)

にこ(アイドルに二言は無いんだから)

にこ(あんたこそ、本当にこれでいいのね?)

ことり(……うんっ!)

ことり「みなさん、聞いてください」

ことり「私、南ことりは、矢澤にこのことが」

にこ「私、矢澤にこは、南ことりのことが」

ことにこ「だーい好き、です♪」



ギュッ


チュゥッ…



◇◇

(そういうわけで、ことりとにこちゃんのファーストキスは、カメラとたっくさんのファンに囲まれてる中で交わされることになっちゃいました//)

(とーっても恥ずかしかったけど……//)

(初めて触れたにこちゃんの唇は、とろけちゃいそうなぐらい柔らかくて……)

(ほんのり甘酸っぱい、まるでブルーベリーみたいな……)

◇◇


ストーカー集団「」


ヒューヒュー!キマシタワー!

キャーキャー!

パシャパシャパシャ!

──数日後、部室──

絵里「それで?その結果がこの記事というわけ?」ピラピラ

希「”アキバのカリスマメイド、μ'sのの矢澤にことの熱愛と婚約を電撃発表”……スピリチュアルやねぇ」

絵里「取材に来ていたタウン紙だけじゃなく、スポーツ紙やアイドルファン雑誌にまで載っちゃってるわよ……もうハラショーとしか言いようがないわ」ハァ

ことり「あははは……ゴメンナサイ」ペコリ

花陽「ネットでもすごい話題になってます!μ'sのブログのツイート数がとんでもない数字に……!」

にこ「どーせにこが叩かれまくる炎上展開でしょ……」

花陽「それがそうでもなくて、キマシタワーとか好意的な意見が多いみたいだよ?」

絵里「日本の百合文化は進みすぎね!でもそこがいいわ!」ハラショー!

海未「それより、その不埒なストーカー集団はどうなったのです?」

花陽「怒ったネット住民に氏名住所を初めとした個人情報にIPアドレスまで晒されて、秋葉原界隈を出歩けなくなったみたい……」

にこ「おっそろしいわね行き過ぎたネット社会……」ブルッ

凛「ちなみに、音ノ木坂学院通信でも1面トップになってるにゃー」

にこ「あれは元々2面までしかないでしょーが!」


ほのまき「……」ジトォォォ…

ことにこ「うっ……」ダラダラ

ことり「ホ、ホノカチャン……」

穂乃果「ひどいよことりちゃん!そういうことならちゃんと教えてよ!」キッ

ことり「ご、ごめんね……」シュン

穂乃果「そうと知ってたらことりちゃんとにこちゃん両方にチュンチュンニコニコサービスしてもらいに行ったのにぃ!」

花陽「またソコ!?」

穂乃果「だってぇ~!」プクゥ

アハハハハ

海未(いつもの天然のように見えますけれど、ちょっとだけ元気が無いですね、穂乃果)

海未(ひょっとして、ことりに気を使わせないためにわざと明るく振舞っているのかも……?)

海未(だとしたら、あなたはやっぱり成長しているんですね)

海未(そんなあなたを、私はいつでも応援していますよ)フフッ…

穂乃果「そうだ!メイドさんがこれだけ話題になるんだから、次は海未ちゃんにメイドさんやってもらってウミリンスキーでラブライブのアピールを……!」

海未「絶対にお断りします!!」キッ!

真姫「ふぅぅん……衆人環視の中でのキスに、結婚宣言……?」ジロッ…

にこ「ま、真姫、何でそんな怒ってるのよ?」ビクッ

真姫「別に怒ってないから!」キッ

真姫「人前でキ、キ、キスするだなんて……はしたないって思っただけよ」フンッ

にこ「だから、状況的にしょうがなかったんだってばー!」ジタバタ!


希(何だか浮気が見つかったシチュエーションみたいになっとるね)

絵里(花陽、凛。真姫をフォローしてあげてね?)ハァ

花陽(う、うん……)

凛(全く、世話が焼けるにゃー真姫ちゃんは)

──帰り道──

にこ「ねぇ、ことり……今日は家に泊まりに来ない?」

ことり「ふぇっ!?お……お泊り!?//」

ことり(そんなぁ、まだやっとファーストキスを済ませたばっかりなのに、いきなり!?)

ことり(でもでも、にこちゃんはことりと結婚するってみんなの前で宣言してくれたんだし)

ことり(だ、だったら今日はその、しょ、しょ……初夜ってことに……//)

にこ「ちょっと、聞いてるの?ココロたちがぜひあんたのお疲れ様パーティーしたいって、張り切っちゃってんのよ。だから……」

ことり「分かりました!」ギュッ!

にこ「ひゃっ!?」

にこ(いきなり両手握ってきてどうしたのこの子!?//)

ことり「ことり、色々準備があるから!後で行くからお家で待っててクダサイ!」ダダダダッ!

にこ「準備って……何?」ポカーン

ことり(絵里ちゃんや希ちゃんに貰った本の内容やアレが、いきなり役に立っちゃう時がくるなんて……!//)

──夜、にこ自室──

にこ(やーっとココロたちを寝かしつけたわ)

にこ(パーティーが盛り上がったのはいいけど)

にこ(さすがにニコニー千本ノックは辛いわね、にこの喉も限界よ……)ゴホッ

にこ(あれ……電気消えてる?ことりったら先に寝ちゃったのかしら)パチッ

ことり「お帰りなさいませ、にこお嬢様♪」フカブカ

にこ「ぶっ!?」

にこ(な、何なの?)

にこ(メイド姿のことりが)

にこ(ベッドで三つ指ついて正座してる!?)

にこ「な、一体どうしたのよ!?」

ことり「あ、これ?引退記念に店長さんからもらっちゃったの♪」ピラピラ

にこ「メイド服のことじゃなくて!」

ことり「えへへ……あのね、ミナリンスキーは引退したけど、ことりはにこちゃんのものになっちゃったから」

ことり「だから今日のことりは、にこちゃん専用のメイドさんなんです♪」

ことり「ご奉仕……させてほしいちゅん☆」

にこ「」

にこ(ご、ご奉仕って……ご奉仕って……//)モヤモヤ

ことり「今日はことりのためにパーティーまでしてくれて、疲れちゃったでしょ?」

ことり「だから、スペシャルマッサージで癒してあげます♪」ニコニコ

にこ「あ、ああ、そういうことね……」

にこ(ど、どうせそんなことだろうと思ってたわよ?)グヌヌ


ことり「じゃあにこちゃん、下着まで全部脱いで、うつぶせになって?」

にこ「ええっ?し、下着も……?」

ことり「うん、だってロシア式マッサージなんだもん」

にこ(ロシア式マッサージ……?聞いたことないけど、何か悪い予感がするわね、響き的に……)

ことり「にこちゃん……ことりにご奉仕されるの、イヤなの……?」ウルルッ

にこ「わ、分かったわよー!服脱いで横になればいいんでしょ!」


ことり「じゃあ、まずアロマオイルを塗ってから始めるね?」タラーッ 

ヌリヌリ…

にこ「んっ……いい匂いね……」

ことり「うん、スピリチュアルな筋肉の脱力効果があって筋肉痛予防にいいんだって♪」

モミモミ グニグニ

ことり「どう、にこちゃん?」

にこ「はぁ、ふぅ……すっごく気持ちいいニコ……」

にこ(なにこれ、すごい……体が溶けちゃいそう……)トローン


──30分後──

ことり「はーい、背中のマッサージは終了です♪」

にこ「んっ……ありがと、すっごく気持ちよかったわ……」ポーッ

ことり「えへへ、良かった♪」

ことり「じゃあ、次は前側ね?」

ゴロン

にこ(…………へ?)

ことり「バストのマッサージから始めまーす♪」

モニュモニュ 

にこ「はうっ!?//」ビクンッ

にこ「ちょ、ちょっと、いきなり何すんのよ……これマッサージじゃないでしょ!?」

ことり「うん、だからロシア式マッサージって言ったよ?」

ことり「ロシア式マッサージでにこちゃんの体の隅から隅までご奉仕して」

ことり「とーっても気持ちよくなってもらいたいなーって」ニコニコ

にこ「」

にこ(くっ!逃げようとしても体に力が入んない!さてはさっきのアロマオイルのせいね!?)

ことり(お肌を上気させて目をトロンとさせてるにこちゃん、とっても可愛い♪)

ワシワシクニュクニュ

にこ「ひゃぁっ!//」ゾクゥッ…!

にこ(ま、マズイわ、なんとかことりを思いとどまらせないと……!)

にこ「ね、ねぇ……その、こーゆーのは……ちょーっとまだにこたちには早すぎるんじゃないかなーって、思うんだけど……」

ことり「そんなぁ……にこちゃん、ことりにご奉仕されるの、イヤなの……?」ウルルルッ

にこ(デジャビュ)

にこ(って、ここで負けちゃダメよにこ!このままじゃ硝子の花園展開に……!)

ことり「にこちゃん」

ことり「おねがぁい……♪」スリスリ

にこ「……」

にこ「わ、分かったわよぉ……」

にこ「仕方ないわねぇ……」ガクッ…

ことり「……♪」

──2時間後──

にこ「はへぇ……も、もぉ……無理ぃぃ……」ビクンビクン

ことり「にこちゃん、とっても可愛かったよ?」クスクス

ことり「ちゃんと気持ちよーくなれましたか?」

にこ「あう……そ、そぉね……//」ハァハァ

ことり(あれ、何だか元気がない、というか返事が煮えきらない……)

ことり「もしかして、あんまり気持ちよくなかった……?」

にこ「そ、そうじゃなくてぇ……その逆っていうかぁ……//」フルフル

ことり「そっか……ことりのご奉仕が足りなかったんだね……」シュンッ

にこ「いや、だから、そうじゃなくてね……?」

ことり「ごめんねにこちゃん……ことりもっともっと」

ことり「もーっと頑張るからっ!」ギラーン!

にこ(ひぃぃぃぃ、ことりが獲物を狩る猛禽類のような形相に!?)

ヌリュヌリュクチュクチュチュパチュパ

にこ「いやぁぁぁぁ、もう許してぇぇー!//」

にこ(覚えてなさいよあのアホロシアにアホスピリチュアル巫女ぉぉ!)ガクガク

ことり「んちゅぱ……だからこれからもことりのことを、末長くずーっとよろしくお願いしますね、にこちゃん♪」

・終わりにこ

・レスくれた人さんくす

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年06月29日 (日) 01:11:09   ID: Yat3ig7q

私は うみりん好きー ですよ

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