高垣楓「ひなたぼっこ」 (29)



サァァァ…



楓「……」

楓「…?」ツン


ニャーニャー


楓「…にゃー」

ニャー

楓「ふふ。にゃあにゃあ。ごろごろー」ナデナデ

ニャー


P(なにあれ可愛い)


・楓さん
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サァァ…


P「楓さん」

楓「?…あ」

楓「プロデューサー。こんにちは。奇遇ですね」

P「あ、えっと…」

楓「…」ニコ

P「…」

P「はい。偶然、ですね。今日こんなところで会うなんて」

楓「ええ。とっても偶然です」ニコ


P「ひなたぼっこですか?」

楓「はい。この時期の晴れ間はめずらしいなーと思って…。」

P「なるほど」

楓「プロデューサーもどうですか?」

P「そうですね。じゃあせっかくなので」

楓「はい。せっかくですから」ニコ



サァァァ…



楓「…」

P「風、気持ちいいですね」

楓「はい…。ふふ、なんだかもう夏のかおりがしますねー」

P「ええ」


ニャーニャー


楓「……」ナデナデ

P「その猫は?」

楓「私と同じで、ひなたぼっこに来たみたいです」

楓「ふふ、おひさまを浴びて、ふかふかです」モフモフ

ニャー

P「なるほど」

楓「はい。ふふっ、にゃーにゃー」スリスリ

ニャー

P(可愛い)


P「まだ梅雨ですけど…。暑くて、それこそ今日なんかは、もうほんとすっかり夏って感じですね」

楓「ですねー」

モクモク

P「入道雲とか出てるし」

楓「おいしそうですよね」フフ

P「そ、そうですか?」

楓「あ、ひこうき雲。わぁー」

ニャー

楓「にゃー」ニコニコ

P「…」クス


P「梅雨といえば」ポフ

楓「はい、…?…わぷ…」

P「今日はいい天気ですけど、楓さん、やっぱり少し髪は跳ねてますね」ナデナデ

楓「そうですか?」

P「はい」

P「はは。去年も同じことを言った気がしますね。なんだか安心します。変わらないんだなあって」ナデナデ

楓「……。ふふ」

楓「そうですか?ふふ、ふふふ…。ありがとうございます」

P「……いえ、こちらこそ」


楓「…。」ポテ

楓「プロデューサーは、」

P「?はい」

サァァ…

楓「この季節は、たしか、嫌いじゃないって」

P「はい」

P「好きですよ。六月」

楓「私も好きなんです。六月」

P「そうでしたね」

楓「はい」

P「同じ理由かもしれませんね」

楓「少し違うかもしれません」

P「…それもそうかもしれません」

楓「はい。そうかも、です。ふふ」


楓「…」

ニャー

楓「…えい」ツン

ニャゴー

楓「…」クス

楓「えいえい。えい」

ニャーン

楓「…」ニコニコ

P(楽しそうだな。猫と遊んでるだけなのに)

P(…ちがうか。俺も…。…少しちがう理由で…か。なるほど)

楓「にゃー」

ニャー

P「…」ニコ


P「楓さん」

楓「にゃ?」くりん

P(可愛い)

楓「あっ…」

楓「い、いまのは、ちがうんですよ?」

P「ちがいましたか」

楓「ち、ちがいました」コクコク

楓「……はぅ。…うー」ポフポフ

P(髪をぽふるのはてれかくしなのかな)

楓「はふ…あ、も、もう大丈夫です。なんですか?」フイ

P「あ、はい」


P「そろそろ行きませんか?」

楓「…あ、はい…そうですね」

楓「はい。行きましょう。んしょ」

とて

くるん

楓「えへへ。ぽかぽかしましたね」ニコ

P「そうですね」


楓「にゃー」

ニャー

楓「…」ナデナデ

楓「ちゃんと夏になったら、今度はここで、一緒にアイスが食べたいです」

P「いいですね。また買って来てみましょうか」

楓「はい」

楓「…それに、傘、持って来てくれていたんですね」

P「はい、一応。梅雨なので」

楓「梅雨のうちに一度くらい相合傘もしたいです」

P「雨ならきっとまた降りますよ」

楓「できれば雨宿りも、一緒に」

P「喜んで」

楓「わーい」

P「楓さんはすることがたくさんあるんですね」

楓「たくさん、です。あるんです。たぶんまたもっと、たくさん」

P「はい」


楓「今日はひなたぼっこでした」

楓「明日はまた、べつのことをして…、」

楓「…。」

楓「ふふ。ふふふ。なんだかとっても楽しいなー」

P「よかった」

楓「はい」ニコ


楓「またね」

ニャー

楓「にゃー」

楓「…」ニコ



・・・・・


楓「♪」

とてて

柚「?」

柚「ン。あー、楓サンだ。へへー、やほー」パッ

楓「?あっ」

楓「柚ちゃんだ。ふふ、やほー」スッ

柚「やほやほっ。へへーっ」ペチ

P「よ。こんにちは」

柚「よー、だよー」ニパー


P「こんなところで」

柚「会うなんてー」

楓「…?」

楓「あ、えっと…。奇遇ですね?」

柚「だねっ」

P「だな」

楓「……。」…クス


柚「柚なんだかホットケーキ食べたくてー」ガサ

P「それでたくさん買い物して来たんだな」

柚「そぉなんだー」

柚「楓サンに柚が作ってあげるね!」

楓「うん。ありがとう」

比奈「私はお酒を買って来たっス。自分の好みなんでちょっと甘いのなんでスけど、よかったら」ニコ

仁奈「仁奈はですねー、おねーさんがたのおつまみになるものをですね。ちょっと甘いでごぜーますが」ガサガサ

楓「わあ」

P「仁奈それただのお菓子だろ。二人とも急に出て来たなぁ」

比奈「奇遇っスねー」

仁奈「きぐうでやがります!」

P「おー」

柚「おー」

楓「おー。…」クスクス


楓「……」くるん

楓「じゃあ、えっと…私のうちが近いので、みんなで」

P「ええ。まあたぶん、」

柚「なにをするってことも、ないけどねー」ニヘー

比奈「そうでスね。のんびり」

仁奈「おめでとーするです!」

P(言っちゃうのか)

柚「よーし。仁奈チャンおねーさんと一緒にホットケーキつくろ!ぽふぽふなの!」モフモフ

仁奈「わーい」モフタター

比奈「さき行ってまスね」

楓「うん。あ、これ鍵…。ありがとう」

比奈「いえ」ニコ


楓「……」

楓「みんながやさしくてしあわせです」

P「はい」

P「…なんというか、俺が言うのもって感じですけど…。そうですね、俺も幸せです」

楓「…わあ。ふふ、そんなこと…、じゃあ、私と同じですね、プロデューサー」

P「はい。…少し違うかもしれませんけど」

楓「あ、そうでした。ふふ」

P「はい」


P「俺たちも行きましょうか」

楓「はい」

P「そうだ。今日はなにか一つ楓さんになんでもしてあげようって思って来たんですけど」

楓「なんでもですか」

P(目がこわい)

楓「……」ウーン

楓「あ、じゃあ、あとで私といっしょにお昼寝をしませんか?」

P「お昼寝」


P「いいですよ。そのくらい、全然」

P「でもどうして昼寝なんですか?」

楓「うふふ」ニコ

楓「私、明日になってもそばに好きな人がいてくれたなら、たぶんきっと、それが一番素敵なことだと思うんです」

P(すっ…)

楓「……」ニコ

P「…。」コホン

P「…昼寝なら明日じゃないですけどね」

楓「気分は明日です」フンス

P「なるほど」


P「分かりました。じゃあ明日も俺は楓さんのそばにいます」

楓「わーい。やったー。えへへ、お願いします。ずっと明日もいてくださいね?」

P「はい」

楓「わーい」

P「…」クス

P「おめでとうございます、楓さん」

楓「…」ニコ

楓「ありがとうございます。プロデューサー」


楓「……」エヘヘ

ギュ

P「…、…」

楓「ふふん」

楓「一年経っても同じように言ってもらえました。だから、大丈夫そうです。私は、きっと、ずっと幸せです」

P「ええ。そうですね」

楓「はい」ニコー

おわりん

楓さん!!お誕生日!!おめでとうございます!

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