穂乃果「ふぁいと、だよ」 (43)

※ラブライブSSです
※オリジナル要素が多すぎるので、原作重視の方はごめんなさい><

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402573336

『―以上の事情により、長く続いてきた音乃木坂学院ではありますが、来年度を
 以て新規入学者の募集を打ち切り、3年後に廃校とすることが仮決定いたしま
 した。来年度の入学者数の試算が算出され――』

静まった講堂に響き渡る声。

季節は初夏の兆し見え隠れする5月。
校内の雰囲気といえば、在校生は新学年にも慣れ始め、新入生も初々しさから抜け
出し、学校の一員になりたてといった頃だ。

そんな穏やかな時期に突如告げられた事実。


「そんな―」

「廃校…だなんて」

「でも時代の流れも考えれば仕方のないことかもしれないわね…」


理事長の急な発表に、生徒はざわつきだした。
惜しむ声、悲しむ声、仕方ないという諦めの声から、無関心のものまで。
しかし、間違いなく言えるのは、決して明るい雰囲気ではないということだ
それぞれの思いが駆け巡る中、一人の少女が突然立ち上がり、声をあげた。


「廃校なんて嫌です!」


皆がその子を注目する。しん、と静まり返る講堂。
一瞬呆気にとられた理事長であったが、その姿を見据えると再び口を開いた。

「あなたは…1年生の高坂さん」

理事長はその少女を見つめ、静かに呼びかけた。
その重たい空気に物怖じせずに、少女は続けた。

「…私はこの学校が大好きです。お母さんも、おばあちゃんも、ずっとうちは音ノ
 木坂で…私もやっと音ノ木坂に入れて、ものすごく嬉しかったんです。」

「だから」

俯いていた顔を上げ、力強い声で言った。

「私が、いえ…みんなが好きなこの学校を無くしたくないんです!」

少女の声は講堂の空気を震わせ、共鳴し、広がる。
とても、15歳のそれとは思えぬほど、確かな響きで。

理事長は少女の主張を黙したまま聞き、一つ一つの言葉を飲み込むように
噛み締めていた。

そして一瞬表情を曇らせたが、いつもの調子で声をあげた。

「気持ちはとても嬉しいけれど…。現状、どうしようもないのです。」

「私もなくなることは悲しいですが…昨今の社会事情を見れば仕方ないことでしょ
 う…?」

「理事長…」

少女は理事長の言葉の真意を汲み取ったのか、それ以上は何も言わず、静かに
座った。

~~~~~~~~~~~~~~~

???「やっぱりわたし…廃校はやだよ」

お昼ご飯を食べながら少女が呟いた。

???「私だって、せっかく入った学校がこうなるのは不本意です」

???「ですが、私たちの力ではどうにもならないのですよ…」ハァ

隣の黒髪の少女が、目を伏せながら答える。

???「それにしても"ことり"、関係者の方からは何も聞いていなかったの
    ですか?」

???「うん…お母さん達もこの件をいきなり聞いたみたいだし…何も。」

ふわっとしたロングヘアの少女も、泣きそうな顔をしている。

三人の少女はそれぞれに思いつめた表情で、木陰に座り、昼食をとっていた。
とはいえ、いまいち箸が進まずといった具合ではあるが。

???「…落ち込んでても仕方がないよ!」

ぐっと拳を握り立ち上がる。

???「私たちにできる何かがあるかもしれない…。だから、探してみようよ!」

???「とりあえず、気分が沈んだときはお饅頭だよっ!はい、穂むら特製の
    お饅頭!」

少女は二人にお饅頭を差し出した。それを見て、最初はきょとんとした様子だった
が、顔を見つめあい、クスクスと笑いあった。

???「ええ、そうですね。"ほのか"はやはり"ほのか"ですね」

???「うん、がんばろうね!」

三人はそのお饅頭を食べながら談笑した。


???「やはり穂むらのお饅頭は絶品ですね。年季が違います。」

???「そうだよー!お母さんもおばあちゃんもそのお母さんもずーっとうちで
    つくってきたんだから!」

???「やっぱり"ほのか"ちゃんも後を継ぐの?」

???「うん、私もお饅頭作りうまくなりたいもん!特に、おばあちゃんが作る
    のがものすごく絶品でね!いつか、おばあちゃんみたいなお饅頭を作る
    んだ!」

???「"ほのか"のおばあさまのつくるお饅頭は、なんとも優しくておいしいです
    ものね」


???「うん!だからお饅頭もそうだけど、廃校の問題も、私やるよ!
    やるったらやる!」

お饅頭を食べながらぐっと空に拳を突き出した。

~~~~~~~~~~~~~~

???「――そう、やっぱり廃校になるんだ…」

???『うん、私もいろいろ手を尽くしては見たんだけど、どうしてもだめで…』

和菓子屋、穂むら。
暗い廊下で電話する声が聞こえる。


???「ううん、仕方ないよ。"ことり"ちゃんのせいじゃないもの」

???「それに、あのときから50年以上ももったんだもん」

???「あの時私たちが廃校を阻止して、ラブライブで優勝してから入学者が
    増えて、今日までやってこれたんだから」

???『"ほのか"ちゃん…』

???「ただでさえ子供が減って、まして進学なんて…。
    音ノ木坂もお疲れ様、なのかな…」

???『…実はね、今日の全校集会のとき、廃校は嫌ですって言ってくれた子が
    いたんだよ』

???「へぇ…この時代に珍しい子だね。私たちの頃だってそんなこと言える子
    いなかったのに」

???『うん。まだ一年生で入ってきたばっかりなのに、誰よりも真剣な目で、
    学校を好きだって言ってくれたんだよ』

???『1年A組の、高坂穂乃香ちゃんがね』

???「!」

???「あの子が?ふふ、そっかそっか」

???『うん♪まるであの時の"ほのか"ちゃんみたいでかっこよかったよ。』

???「やめてよ、そんな昔の話ー」

???「あの時、"高坂穂乃果"ちゃんはとんでもないことを言い出して、結果
    廃校を阻止したけど、今回の"高坂穂乃香"ちゃんは果たしてどうなる
    のかな…♪』

???『直接手助けは立場上難しいけれど…何かやってくれそうで楽しみなんだ♪』

???「そうだね、私も楽しみにしてるよ!」

???「―可愛い孫娘がどこまでできるか、ね」

満足そうな顔で、女性は電話を切った。

~~~~~~~~~~~~~~~~

私、高坂穂乃香、15歳。
老舗の和菓子屋の1人娘!

お母さんもおばあちゃんも、そのお母さんもそのお母さんも…ずーっとうちは
音ノ木坂学院で学びました。
歴史があってちょっと古臭いけど、なんだか暖かくて、ここでお母さんたちが
学んだんだなって思うと、すごくうれしくて。

そこにやっと入学できて、楽しい学園生活が始まると思った矢先、廃校の仮決定が
言い渡されてしまいました。



21世紀も半分以上が過ぎ、どんどん少子高齢化が進んだ社会になって、大きな
社会問題になってるみたいです。穂乃香はおバカだからあんまり詳しくは分から
ないけど…。

それで、若い働き手が社会で必要とされるようになって、みんな中学を出たら
専門学校に行って技術や知識を学んで就職するんです。

お給料も昔に比べたらぐんと上がってるし、自分たちもお金がたくさんもらえる
から好きなことができる。だから高校や大学には進学しないって人の割合がすご
く増えてるんだそうです。

そのせいで、学校は次々と廃校になって行っちゃう。歴史があっても、私立でも
公立でも関係なく、人を集められない学校は統廃合が進んでいます。

私も、小さい頃はそんなのテレビの中の世界だって知らんぷりしていたんだけど…

数年前、音ノ木坂の近くに、UTX学院っていう大きくて人気のあった学校がありま
した。でも、だんだんと入学希望者が減ってしまい、ある年は0になってしまいま
した。

数十年前にできたとはいえ、やはり新興の学校っていうこともあって、地元の人の
信頼は古い音ノ木坂にあって、ついに廃校になってしまったんです。

おばあちゃんの頃は全国でも一番の人気って言われていたんだけど、こういう社会
背景でどうしても人を集めることができなくなりました。

そのUTXがなくなった影響で、そのあたりの子たちはみんな音ノ木坂に流れてきまし
た。そのおかげでここ数年は人数も確保できていたんだけど…。今年の入学者は
たったの22名。これでも地域では多い方なんだけど…。

おそらくこのままだと隣の地区の学校との統合――つまり廃校という形を取ることになると思いま
す。


でも、150年近くも続いてきた音ノ木がなくなるのは嫌!
だから、とにかくどうにかして阻止しなきゃいけない!

私にはまだ何の考えもないけれど、とにかく熱い使命感に燃えていたのでした。

~~~~~~~~~~~~~~~~

穂乃香「おかーさんおかーさん!!」バタバタ

母「何よ騒々しいわね」

穂乃香「音ノ木坂なくなっちゃうんだって…!」

穂乃香母「……そう」

穂乃香「な、何よ、そうって!おかーさんは悲しくないの!?」

穂乃香母「そりゃ悲しいわよ。私たちの母校なんだもの」

母「でも、今の時代を考えると、ね…」

諦めたような顔でため息をついた。

穂乃香「……」

母「それで、あんたは何がしたいの?」

穂乃香「私は、廃校になってほしくない!だから何でもいい、学校のために何か
    したいの!」

母「そう。…穂乃香らしいわね。」クスクス

母「だったらおばあちゃんに相談してみたら?」

穂乃香「おばーちゃんに?」

母「なんでも、おばあちゃんの頃にも音ノ木は廃校になりかけたんだって」

穂乃香「そうなの!?ちょっと聞いてくる!!」ドタドタ

母「穂乃香!階段は静かに!…ふふ、相変わらずそういうところは母さんに似て
  るんだから…」

~~~~~~~~~~~~~~~

穂乃香「おばーちゃーん!!!」スパンッ

穂乃果「どうしたの穂乃香!すごい勢いでふすま開けて…」

穂乃果「わたし心臓止まっちゃうよー」

穂乃香「ね、おばあちゃんが音ノ木坂にいたときって廃校になりそうだったの?」

突然の私の発言に一瞬目を丸くしたけれど、ゆっくりと話し始めてくれました。

穂乃果「うん。今ほど社会情勢が複雑ではなかったけどね」

穂乃香「そうなんだ…。その時はどうやって廃校をなくせたの?」

穂乃果「あの時はね、私が立ち上がってスクールアイドルを始めたの」


そこからおばあちゃんはいろいろ話してくれました。
今じゃもうスクールアイドルなんてものは大昔のことで、誰もやってないけど、
当時はみんなこぞってスクールアイドルをやっていたみたい。

穂乃果「今じゃ信じられないかもしれないけど、当時はUTXのスクールアイドル
    が全国で一番の人気だったんだよ?」

穂乃香「あのUTXが?そうだったんだ…」

おばあちゃんから聞く話は、全部夢のような話で…本当にあったことなのか、
それともおとぎ話なのか…
でも、おばあちゃんの話を聞いているうちに一つだけわかったことがありました。

穂乃香「今の私とおんなじ気持だったんだ…」

穂乃果「そうだね。私のおばあちゃん…穂乃香のひいおばあちゃんも音ノ木坂
    だったんだよ?だからそういうのも守っていきたいなって」

その話の後、おばあちゃんは押し入れから古いディスクを何枚も出してきました。

穂乃果「私はあんまり話すの得意じゃないから、これを見るといいよ」

穂乃香「これは?」

穂乃果「私がスクールアイドルだった時のだよ。…私が穂乃香の年の頃のね」

穂乃香「えー!すごーい!!」

少し照れくさそうにしておばあちゃんはディスクを渡してくれた。

穂乃香「ありがとうね!おばーちゃん」

穂乃果「ううん、がんばるんだよ」

そう言っておばあちゃんの部屋を後にしました。



穂乃香「あ、でもうちにはこのタイプの再生機がないや…」

穂乃香「そしたら明日視聴覚室で見ようっと」

~~~~~~~~~~~

――翌日放課後、視聴覚室

次の日、私は同じクラスで幼馴染の小鳥ちゃんと海美ちゃんを誘って、視聴覚室
へとやってきました。

海美「それで、なぜこんな所へ?」

穂乃香「実は、おばあちゃんからもらったのがDVD?だっけ、すごく古いもので
    再生する機械がなくて…」ゴソゴソ

穂乃香「いや、あるにはあるんだけど壊れててさ…よっと!」

ほこりまみれの棚の奥から、プレーヤーを取りだしました。


小鳥「うわぁ、すごいねこれ。」

海美「確かに再生機は身近だとここにしかないですもんね…」

穂乃香「さっそく見てみようっ!」

まず最初に目に飛び込んできたのは、見慣れた音乃木坂の講堂。

海美「これって…!穂乃香のおばあさまですか?」

小鳥「隣の二人は海美ちゃんとこのおばあちゃんに、わたしのおばあちゃん…?」

海美「理事長もスクールアイドルをやっていたのですね…」

穂乃香「私たちそっくりだよ!」

3人『I say...Hey,hey,hey,START:DASH!!』

そこに映っていたのは、少し髪型が違うけど、私たち3人にそっくりな女の子たち。

海美「私たちは偶然にもおばあさま方と同じ名前でしたが…ここまでそっくりだと
   は思いませんでした…」

海美ちゃんがため息をつくのも無理もなく、それほどまでに、私たち3人は似てい
ました。


『悲しみに閉ざされて
 泣くだけの君じゃない…』


3人「……」

みんな、そのステージの映像に見入っていました。
もちろん、衣装も曲も、どことなく古臭いです。そもそもプロじゃないアイドル
なんていまどき誰もやろうとはしないでしょう。

わかってる。わかってるんだけれども目が離せない。
この映像からは、エネルギーというか、なんだかよくわからないけど凄みというか
暖かくて強い、優しいけど大きい。そんなものを感じ取れました。

穂乃香「……これだよ」

穂乃香「私たちもやろうよ!スクールアイドルを!」

海美「わ、私たちがですか!?」

穂乃香「うん!だって、こんなにキラキラしてて、かっこいいんだよ!」


その提案を聞いた海美ちゃんがため息をついてからこっちに向き直りました。


海美「いいですか、確かにこの映像ではすごく心を掴むものがあります。しかし、
   もう数十年も前のものです。今は駆け出しのアイドルでもこれくらいは最低
   踊れなくてはいけません。」

海美「まして、ますますレベルが上がってきている昨今、ダンスも歌も数段上の
   レベルを要求されます。それに今やスクールアイドルなんていう素人アイ
   ドルではスタートラインに立つこともできません」

海美「はっきり言います、アイドルはなしです!」

穂乃香「そ、そっか…」シュン

でもおばあちゃんの時代だってきっと大変だったに違いないんだ。私たちにも
できないのかな…

ことり「でも、海美ちゃんアイドルに詳しいね」

海美「え?そ、そんなことありません!///」

急に顔を赤らめる海美ちゃん。

穂乃香「あれれー?もしかしてアイドルに興味あったりしちゃう~?」

海美「わ、私だって女の子なんですからそういうものに興味があることだって
   ありますよ!」

穂乃香「だったらぁ、私たちでスクールアイドル、始めちゃおうよ?」

海美「穂乃香は簡単に言いすぎですよ。なりたくてなれるなら誰だってなって
   ますよ…」

穂乃香「それもそっかぁ」


海美「……一応、私も祖母に話を聞いてみます。なにかいいアドバイスがもらえる
   かもしれませんし…」

小鳥「うん、小鳥もおばあちゃんにいろいろ聞いてみるよ!」

小鳥「もしかしたら何か学校の施設とか使えるようになるかもしれないし!」

海美「小鳥まで…。もうやる流れになってきていますね」ハァ

その日はそれで解散ということになりました。

~~~~~~~~~

いつも通り帰宅した私は、道場で日課の素振りをしてから、日舞の練習をし、
夕食をとってから、おばあさまのお部屋に行くことにしました。

トントン

おばあさまのお部屋の扉をたたく。

「海美です、失礼してもよろしいでしょうか」

「海美さん?どうぞお入りなさい」

凛とした声が私を招き入れます。

おばあさまのお部屋に来るのはいつぶりでしょうか。小さいころと変わらず綺麗に
整理整頓されています。

海美「あ、お花の最中でしたか。申し訳ありません」

海未「いえ、構いませんよ。それで、何か用事があったのでは…?」

生けていた手を止め、おばあさまはこちらに向き直られました。

海美「あ、はい。実は…音ノ木坂が廃校になることが仮決定してしまいまして…」

海未「…!そうですか…」

海美「それで、おばあさまのときにも同じようなことがあったと、穂乃香から
   伺いまして…」

海未「ええ、もう遠い昔の出来事ですが…」

懐かしそうに目を細め、嬉しそうに話して下さいました。


海美「おばあさまたちは、スクールアイドルを結成して学校を救ったと聞きました」

海未「はい。あの時は穂乃果…海美さんの同級生の穂乃香ちゃんのおばあさんです
   ね、が突然思いつきで行動しまして…。なかなかに大変なことでしたよ」

海未「最初は基礎も体力もなかった穂乃果とことりを、徹底的に鍛え上げ、朝も
   夕もトレーニングにダンスに歌と、とにかく練習ばかりしていましたね」

海美「そ、そんなにですか…」

海未「ええ、それくらいはやらないと、始まりもしませんからね」

アイドルの始まり、失敗談から感動的な話まで、とにかく話は尽きませんでした。
おばあさまとこんなに長く、そしてこんなに楽しくお話をしたのは初めてでした。

海美「…そういえば、穂乃香のおばあさまがスクールアイドルの時の映像を見まし
   て…」

それまでの穏やかな空気から一変し、空気が変わりました。

海未「…見たのですか?」

海美「ええ、とてもかわいらしい衣装で…」

海未「忘れるのです、今すぐに!」ガシィ

ものすごい形相で肩を掴まれてしまいました。

海美「えぇ?な、なぜですか…」

海未「あんな…あんな短いスカートですよ!恥ずかしいではないですか!」

海美「似合っていたのですが…。あ、それでですね」

こほん、と会話を切り替えることにしました。

海美「聞いたところ、おばあさまがトレーニングメニューの管理をなさっていたと
   いうので、何かアドバイスをいただければと思いまして」

海未「ということは、スクールアイドルをやるのですか?」

海美「…まだ決定したわけではありません。個人的にはむしろ反対です。」

海未「なぜです?」

海美「もちろん興味がないわけではありませんが、おばあさまの頃でさえアイドル
   というのは大変なものでした。あれから半世紀たち、もっとアイドルに求め
   られるレベルは高くなっています。これまでダンスや歌の経験が全くない私
   たちには到底無理な世界ではないかと思うのです…」

海未「…そうですね。海美さんの言う通りだと思います」

海未「ですが、私も当時は同じことを言っていましたよ」

海美「そうなのですか?」

海未「ええ。それでも穂乃果はそんなこと気にもせずに私たちを引っ張って行った
   のです。いつでもまっすぐに、やると決めたらお構いなしなんです」

そういうおばあさまの目はとても優しいものでした。

海未「あの子も…穂乃香ちゃんも穂乃果に似てまっすぐな子でしょう?」

海美「ええ…とてもまっすぐで、いつもいつも小鳥と振り回されていますね」

海未「あなたたちは本当に、私たち幼馴染にそっくりですね」クスクス

海未「海美さん、スクールアイドル、始めてみたらいいかと思いますよ」

海美「!」

海美「てっきり反対されるものかと思いましたが…」

海未「どんな結果になるにせよ、本気で取り組んでみて損はないかと思います」

海未「きっと、海美さんにも良い経験になると思いますよ」

海未「それに、やってみたいのでしょう?」

海美「!」

海未「いいではないですか。たまにはそういうことに精を出してみても」

海美「……」


反対されてやれないだろうと思っていたのですが、逆に背中を押される形
になってしまいました。

海美「…はい!ありがとうございます!」

海美「もちろん、お稽古事や弓道部の方に支障のないよう頑張ります」

~~~~~~~~~~~~~~

コンコン

小鳥「おばあちゃん、入るよ」

ことり「あら、小鳥ちゃん。どうしたの?」

小鳥「今日の発表のことだけど…」

ことり「…急な発表になってごめんね?」

小鳥「ううん、おばあちゃんだって突然の決定で大変だったみたいだし…」

私も少し言いにくくて、口ごもってしまいました。


ことり「…もしかして、穂乃香ちゃんから何か提案があったの?」

小鳥「ど、どうしてわかったの!?」

ことり「ふふ、だって穂乃香ちゃん、おばあちゃんにそっくりなんだもの」

小鳥「実は…」

小鳥は自分がこの学校がすごく好きであること、穂乃香たちと同じ気持ちであるこ
と、おばあちゃんたちの映像を見たこと…全部を話しました。

ことり「スクールアイドル、ね。懐かしいなぁ」

当時を思い返すようにしみじみとした様子で、おばあちゃんは語り始めました。

小鳥「おばあちゃんすごくかわいかったよ!」

ことり「ありがとう♪実はあの衣装は私が作ったんだよ」

小鳥「そうなの!?すごいなぁ…」

ことり「大丈夫、小鳥ちゃんにも作れるよ」

小鳥「おばあちゃんは服飾系のお仕事もやってたからできるんだよぉ…」

ことり「…本当はね、私は音ノ木の卒業を待たずに留学するつもりだったの」

小鳥「え!?どうして?」

ことり「海外の先生から声がかかって…ね。それがちょうどライブと重なったり、
    穂乃果ちゃんが倒れたりで相談もできなくて…喧嘩別れみたいになって…」

小鳥「……」

ことり「でも最後の最後で、穂乃果ちゃんが空港まで来て、引き止めてくれたんだ」

小鳥「えぇ!?だっていろいろ段取りしてたんでしょう!?」

ことり「そうだね♪」

ことり「でも穂乃果ちゃんはそういうの気にしない人だから。いつでも強引に
    手を取って引っ張っていくの」

ことり「でもそれが嬉しくて楽しくて…」

小鳥「ほぇー…穂乃香ちゃんのおばあちゃんすごい…」

ことり「でも何となく私のお母さんは読めてたみたいだったけどね」

ことり「だから向こうもわかってくれたみたいで、大学に進むまで待ってくれたの」

小鳥「そうなんだ…」

ことり「小鳥ちゃんも服飾に興味があるみたいだし、衣裳作りの練習にいいんじゃない?
    なにより学校のためにしたいんでしょう?」

ことり「だったらやらなきゃ、ね」

小鳥「おばあちゃん…」

ことり「でも、申し訳ないけれど、理事長として優遇することはできないの。
    だから応援はするし、干渉もしないけれど、何も今の段階では手助け
    できないの…ごめんね?」

小鳥「ううん、ありがとう、おばあちゃん!小鳥、やってみるよ!」

私は決意に燃え始めたのです。


小鳥「そういえば、おばあちゃんってお家と学校で雰囲気違うよね」

ことり「TPOみたいなものだよ。お家の方が素の私かな。」

小鳥「大人の世界って難しいんだね」

~~~~~~~~~~~~

穂乃香「行ってきまーす!!」

勢いよく玄関を飛び出した。

母「え!?ほ、穂乃香!?」

母「穂乃香がこんなに早く起きるなんて…。春なのに雪でも降るのかしら…」


――――――

小鳥「おはよう、海美ちゃん」

海美「おはようございます、小鳥」

海美「それにしてもこんなに早く穂乃香が集合だなんて驚きですね」

小鳥「それだけ穂乃香ちゃんも本気なんだよ」

海美「ええ、いつも穂乃香はそうですもんね。まっすぐで純粋で…」

朝早い街。一日の始まりの喧騒の時間まではまだもう少しあるといったところ。
静かな町を二人は決意を秘めた目で歩く。


小鳥「ねぇ、海美ちゃん。私ね、やってみようと思うんだ」

海美「小鳥…」

小鳥「おばあちゃんから話を聞いたりして、背中を押された感じかな」

小鳥「協力はできないけど、応援はしてくれるって言うから」

海美「理事長が…。ありがたいことですね」

海美「実は私も昨晩、祖母に話を伺いまして」

海美「練習メニューの内容やアドバイスを頂きました」

海美「ですから、わたしもやってみようかと…」

小鳥「海美ちゃん…!」ダキッ

小鳥がうれしそうに海美に抱きついた。

海美「こ、小鳥!?///」

そうこうしているうちに屋上に着いた。
扉を開けると、一人の女の子の姿が目に飛び込んできた。


穂乃香「ほっ、ほっ…」タッタッ

クルッ...ドテン

穂乃香「あいたたた~」サスサス

穂乃香「くぅ~難しい…。でも、これくらいできなきゃ話にもならないもんね」

そういうと、穂乃香は再び立ち上がり、ダンスの練習を始めた。


小鳥「見て、海美ちゃん。」

海美「えぇ。あの目、ですよね。」

まっすぐと、ここではないはるか遠くの、彼女にしか見えない風景を捉えて離さな
い、そんな強い意志を持った目。そしてどこまでも純粋で透き通った目。
小鳥も私も、そんな目の穂乃香が好きなのだ。

穂乃香「よっ…と…あわわ!」ドテン

穂乃香「くぅ~…い、痛い」サスサス


スッ

海美「いつも穂乃香は1人で先に突っ走ってしまうんですから」

ふふ、と笑う

海美「何かするときは、三人一緒ですよ」


穂乃香「海美ちゃん!小鳥ちゃん!」

グイッと穂乃香をひっぱって起こす。

海美「私たちも、一緒ですからね?」

小鳥「一緒だよ♪」

海美「さ、練習を始めましょうか。おばあさまからメニューを聞いてきましたので」

~~~~~~~~~~~~~~

それから私たちは、海美ちゃんの持ってきた練習メニューに改良を加えたものを
こなし、朝は基礎体力作り、放課後は歌にダンスにと勤しみました。

穂乃香「も、もうだめぇ…」バタン

海美「はい、今日はここまでにしましょう」

穂乃香「海美ちゃん厳しすぎるよぉ~」

海美「これくらいで弱音を吐いてたら何もできませんよ?まったく…」

小鳥「でも、だいぶ慣れてきたよね。この調子で行けるといいな」

三人で並んで帰宅する途中、他の部活動の生徒たちとすれ違いました。



生徒「ねぇ、あの子たちでしょ、最近アイドルのまねごとやってるの」ボソボソ

生徒「スクールアイドルだっけ?そんなのむかーしの人しかやらないよね~」

生徒「プロとレベルが違うよねー」アハハ


穂乃香「……」

海美「穂乃香、気にすることはないですよ」

小鳥「そ、そうだよ!私たちはがんばってるんだもん!」

穂乃香「……うん、そうだよね。今は真似事かもしれないけど、いつかはちゃんと
    したレベルまで持って行って見返してやるんだから!」

結構こういう噂は絶えないものですが、逆に私たちの心に火をつけるようなものに
なっていったような気がします。
それに、誰しもが白い目で私たちを見ていた、というわけではありませんでした。

~~~~~~~~~~

クラスメート「ね、穂乃香ちゃんたちのお手伝いさせてよ!」

穂乃香「んぐっ!もがもご!!」

お昼休み、教室でお昼を食べていると、クラスメートから突然話しかけられまし
た。

海美「穂乃香、ちゃんと飲みこんでからしゃべりなさい」

穂乃香「ごくんっ」

穂乃香「手伝ってくれるの!?」

クラスメート「うん、だって穂乃香ちゃんたちが頑張ってるの見たらさ、私
       たちも手伝いたいもん!」

クラスメート「私たちにはダンスも歌も、練習できるほどの根気もないけどさ…」

穂乃香「み、みんな…ありがとぉー!!」

こうやって、徐々に私たちの活動は口伝えに広がっていって…
今の情報社会じゃ信じられないことだと思いました。

小鳥「ね、衣装はこんな感じでどうかな?」

穂乃香「わ、すっごいかわいいよ!!」

小鳥「よかった!これで作ってみるよ」

海美「小鳥、この…露出の多さは…」

小鳥「あ、えと…大丈夫、海美ちゃん可愛いし♪」

衣装を決めたり、手書きのポスターを配ったり…
ちょうどひと月後のライブに向けて、私たちは動きだしました。
曲も本当はオリジナルでやりたかったのですが、そこまでできる時間も人脈もなく、
かなり古い曲ですが、私たちが感動した、あの曲をやろうということになったのです。

穂乃香「…そういえばさぁ」ズゾゾ

ジュースを飲みながら穂乃香が口を開いた。

小鳥海美「「?」」

穂乃香「私たち大事なこと忘れてない?」

海美「大事なこと…ですか。」

小鳥「舞台の手配も、ビラも衣装も、曲もできてるよね」

海美「まぁ…観客については当日にしかわかりませんが…」

穂乃香「うーん…なんだろう…大切なもの……」

穂乃香「あぁ!名前だよ名前!名前決めてないよ!」

海美「園田海美ですが…?」

穂乃香「海美ちゃんの名前じゃないよ!私たちの、グループの名前!」

小鳥海美「「あー!!」」

むしろどうして今まで誰も気づかなかったのでしょうか…

穂乃香「どーしよー!そんな大事なことだったのにぜんっぜん考えてなかったよ!」

小鳥「うーん…私たちで考えるのがいいのかなぁ…」

海美「おばあさまのときは一般公募でμ'sという名前に決めたそうですよ」

サラサラと海美ちゃんが文字をノートに書く

穂乃香「…石鹸?」

海美「違います」

小鳥「たしか、音楽の女神様だったと思うよ」

穂乃香「か、かっこいい…」

穂乃香「だったらμ's next!とか?」

海美「先代の名前をそのまま使うのはいかがなものでしょう…」

穂乃香「そうだよねぇ」

小鳥「ねぇ、このμっていうのは何の文字なの?」

海美「これはどうやらギリシア文字のようです」

穂乃香「アルファベットじゃないんだ…」

穂乃香「だったらさ、その次の文字を使えばいいんじゃない?
    それだったら、ニュアンス的にも次世代だし、名前をそのまま使うわけ
    でもないしさ!」

海美「μの次の字ですと…ν(ニュー)ですね」

小鳥「ν's…」

穂乃香「う、悪くないんだけど思ったよりニュアンスが似てる…」

小鳥「だったらさ…まだなくても、いいんじゃないかな?」

穂乃香「え?」

小鳥「まだまだ私たちはきっと、スタートラインにも立てていないわけでしょ?
   それならさ、いっそ名前はなくて、スクールアイドルサークルでもいいん
   じゃないかな?」

海美「無名のグループなんて聞いたことないですが…」

穂乃香「なんだか私たちっぽいよね」

海美「そうですね。もっともっと上手になって、世間に飛び出してく時に、改めて
   考えるというのもありでしょう」

穂乃香「うん!いろんな意味で前代未聞だよ!それでいこう!」

こうして、私たちのグループ名は、なし、という形になったのでした。
何も描かれてない、真っ白な未来。その可能性。
そんな暗示にもとれる気がしました。

~~~~~~~~~

そしていよいよライブ当日。

十分に呼びかけを行ったかどうかは分からないけれど、来てくれた人達に失礼の
ないよう、全力でやります!

小鳥「き、緊張するね…」

海美「え、ええ。弓道の試合以上に緊張しています…」

穂乃香「…大丈夫だよ。」

穂乃香がぎゅっと二人の手を握る。


穂乃香「この日のために、今までやってきたんだから」

穂乃香「大丈夫!」

それを聞いて安心したのか、二人は顔をほころばせた。



ブー!

開幕のブザーが鳴った。

穂乃香「いくよ…!」


三人は手をつなぎ、垂れ幕が上がるのを見ていた。

穂乃香「……っ!」

3人の目に飛び込んできたのは、呼び込みをしてくれたクラスメート2人の姿だった。
そのほかの座席は、すべて―――空席だった。


クラスメート「……ごめん」

クラスメート「呼び込みはしたんだけど、みんな来なくて…」


3人は立ち尽くしたまま何も言えなかった。
小鳥と海美は、俯き、涙をこらえている様子だった。


小鳥「やっぱり…私たちじゃ…だめ…なのかな…」グスッ


一瞬、穂乃香の顔も強張ったが、すぐに表情を変え、口を開いた。


穂乃香「……やろう」

2人「「え…?」」

穂乃香「やろうよ!だって、この日のためにやってきたんだし」

客席の二人に向き合う。

穂乃香「それに、観客が二人も来てくれたんだもん」

クラスメート「「…!!」」

穂乃香「もちろん、舞台装置の2人もね!」

それを聞いて、海美も小鳥も顔がぱっと明るくなった。

小鳥「うん!やろうよ!」

海美「やりましょう!穂乃香!」

全員が所定の位置についた。

音響担当「…これくらい、大目に見てよね…っと」

音楽を流すボタンを押す前に、「全校放送」と書かれたボタンを彼女は押した。


そして音楽は流れだす。講堂内だけでなく、全校に。

3人『I say...Hey,hey,hey,START:DASH!!』

そう、この3人が選んだのは、初めてμ'sの映像を見たときに心打たれた曲。
μ'sの始まりの曲であり、そしてまた、彼女たちの始まりの曲でもある。

『うぶ毛の小鳥たちも
 いつか空に羽ばたく…』

放課後の校内に響き渡る力強い歌声。

部活の練習の手を止める者、勉強中のペンを置く者。
おしゃべりの最中に静かになる者、帰宅の足を止める者。

きっと最初は「なんだろう」という純粋な好奇心。
あるいは怪訝な顔。

しかしそのお世辞にも上手いとは言えないその歌に何故か聞き入る自分がいる
ことに皆気づく。

『明日よ変われ!
 希望に変われ!』

気がつけば皆、講堂に足を向けていた。
無意識か、それともこの気持ちの理由を確かめたいのか。



『悲しみに閉ざされて
 泣くだけの君じゃない』

気がつけばそれなりの人数が講堂へと集まっていた。
とても満員にはほど遠いが、それでも、人は集まっていた。

しかし、舞台の上の3人は気づかない。
自分たちの持てるすべてを出そうと、必死になっているのだ。


『信じてるよ…だから START!!』

出入り口にはまた別の影が来ていた。


ことり「思ったより形になっているんじゃない?」

穂乃果「そうだね、初ライブの私たちよりも上手だよ」

海未「それに、こんなに人は来ていませんでしたもんね」

穂乃果「期待はして、良さそうだよね」

ほほ笑みながら、その影は、遠くから見守っていた。



やがて演奏が終わると、ポツリポツリと拍手が起こり、大きいとは言えないが、
確かな喝采が、彼女たちに送られていた。

そこでやっと、自分たちの前に観客が来ていたことに気付いた3人であった。


穂乃香「…ありがとうございました!」

肩を揺らし息を切らしながらほほ笑み、穂乃香はお辞儀をした。


穂乃香「今日はあまりお客さんを呼び込めませんでした。
    でも、まだまだ私たちは諦めません。」

穂乃香「まだ名前もないし、とても人前に出せるものじゃないけれど…」

穂乃香「でも、きっと私たちは、ここを満員にして見せます!」

力強い声が講堂中を駆け巡る。

穂乃香「だから、応援、よろしくお願いします!!」

び拍手が巻き起こり、3人は頭を下げた。そしてそのまま幕が下がった。
思ったより良かったという声や、何も言わないで立ち去るもの、違う意図で
見ていたもの…
さまざまな人たちが講堂を出てきた。



???「ふふ、なんやおもろそうなことになってきたね」

???「カードが、この子たちはうまくやるって言うとるし」


???「古臭い曲ね…。私が作った方がよっぽどマシじゃないかしら」

???「ま、関係ないことだけど…」スタスタ


???「Плохой…」

???「こんなレベルで人前に出ようだなんて、ひどいものね」キッ


さまざまな思いを抱えた者たち。
もしかすると、そんな彼女たちも、可能性の欠片なのかもしれない…。
しかしまだそれは、浮き上がらない。芽吹く前の種。
穂乃香たちが越えていかねばならない壁は、まだまだ山のようにあるのだから。

~~~~~~~~~~~


穂乃果「…さて、まだまだ前途多難だね。どうやって前に進むのか…」

穂乃果「それでも―」

穂乃果「あなたたちが可能性を感じたのなら、進むべきだよ」

穂乃果「私たちからあなたたちへ、可能性のバトンは渡したからね」

穂乃果「ふぁいと、だよ」

――その後、彼女たちを中心に第二次スクールアイドルブームが巻き起こった。
レベルも敷居も上がっていった昨今のアイドル界で、気軽に会え、身近なアイドル
はとても新鮮に感じたのだろう。

火付け役となった音ノ木坂のアイドルの人気は凄まじく、音ノ木の入学希望者は3倍
近くになり、一つの社会現象にまでなった。おかげで学院の廃校は免れ、社会も、
子供たちに学びや遊びの場をという流れが生まれ、高校・大学についての見直しを
検討するにまで至った。

たった一人の女の子の、単純な思いつきがここまで社会を動かしたとは、誰も夢に
も思わなかったであろう。

そして、それにはあと1年以上の歳月と、まだ学院にいない人数も含め、他のメンバ
ーの参加を待たねばならなかった――


これは、そんな遠い遠い、一つの未来の可能性のお話。



おわり

~~~~~~~~~~~~~~

最後までありがとうございました。

内容がものすごく駆け足になってしまったのですが、時間と集中力の関係で
ここが限界でした…
めったにこういう作品は書かないので大変でしたが、少しでも面白いと思って
いただければ幸いです。

細かい描写とか、設定ももっと考えて書きたかったんですが、そこまでの力が私には
なかったようです…


また、以前に投稿しました

海未「ずっと傍に、いますからね」

も、百合物ですがよろしければ読んでやってください。

それではまた機会がありましたら。

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