陽炎「ブイン基地へ、ようこそ吹雪ちゃん」 (37)
はじめまして、こういうところに書き込むのは初めてです。
何か間違っているところがあれば、教えていただけるとありがたいです。
よろしくお願い致します。
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吹雪「うぅ、緊張するなぁ」
陽炎「大丈夫、このブイン基地は普通だから。」
吹雪「普通…」
陽炎「そうそう、司令も良い人だから、緊張することないって!」
吹雪「司令…司令官はどんな人なんですか?」
陽炎「それは、自分の目で確かめるといいよ。失礼しまーす!」
陽炎は、勢いよく執務室のドアを開けた。
提督「え、じゃあ望月ちゃんのパンツは何色なの?」
鬼怒「ピンク!?」
摩耶「てか、履いてないんじゃね?」
提督「マジか!」
望月「うっせぇ!!」ドガッ
提督「んが、なんで俺だけ!?」
吹雪「あ、あの…」
陽炎「大丈夫大丈夫っ!いつものことだから」
吹雪「いつもの…というか」
あの人が司令官?と陽炎に尋ねながら、
吹雪は眼鏡の艦娘に頭をひっぱたかれている男をおそるおそる指差した。
陽炎「そだよ」
吹雪「えー…」
陽炎「思ってたのと違う?」
吹雪「違うというかなんて言うか、おじさんだと思ってました」
陽炎「年は20代後半だったかな」
吹雪「あと、もう少しこう…キリッとした目つきで」
陽炎「いつもジト目ってわけじゃないよ」
吹雪「なんと言うか、恐そうな人かと」
提督「そんなことないよー」
吹雪「うわっ」
提督はいつの間にか、吹雪の後ろに立っていた。
提督「はじめましてだね」
吹雪「あ、あのっ」
提督「君が吹雪ちゃんだね、これからよろしく」
吹雪「はい、よろしくお願い致します」
摩耶「あ、アタシは摩耶」
鬼怒「軽巡の鬼怒だよー」
望月「…望月だよ、よろしくなー」
吹雪「よろしくお願いします」
提督「んで、さっそくだけど吹雪ちゃん。ここの案内をしてあげよう」
吹雪「いいんですか?」
提督「暇だからね」
吹雪「ありがとうございます」
提督「んじゃ、摩耶ちょん、鬼怒っちゃん、あとよろしく
そんで陽炎ちゃん、お疲れ様。」
陽炎「お疲れ様です」
提督「望月ちゃんは、一緒においで」
望月「え、なんで?」
提督「同じ駆逐艦だしね、せっかくだから」
望月「あー…しゃーないなぁ」
吹雪「あの、ごめんなさい」
望月「あーいいよいいよ、あれ(司令官)と一緒なのが嫌なだけだから」
摩耶「いつも一緒にいるくせに」
望月「うるさいよ。ほら、いくよー」
鬼怒「いってらっしゃーい」
吹雪「あの、望月ちゃん」
望月「んあ?」
吹雪「これから、よろしくね」
望月「ん、よろしくな」
提督、望月、吹雪の3人は執務室を後にした。
陽炎「って言うか、みんなここで何してたの?」
初雪「暇つぶし…」
陽炎「…いたんだ」
初雪「うん、ずっと…」
提督「吹雪ちゃんは何色だと思う?」
吹雪「え、えっとですねぇ」
望月「考えなくていいから」
吹雪「あの、ここは?」
提督「ん、戦艦の娘たちの部屋だね」
吹雪「戦艦…」
提督「会ってみる?これから一緒に戦うわけだし」
吹雪「いいんですか?」
提督「いいんじゃないの、誰かいる?」
望月「今いるのは、金剛さんかぁ」
提督「なるほど、残念だったね吹雪ちゃん、戦艦に会うのはまたにしよう」
望月「おーい」
提督「ちょ、待てよ」
提督はノックしようとする望月を止めようと、ドアの前に割って入った。
金剛「ハッ、その声は!」
提督「やべッ!」
部屋の中から声がするやいなや、ドアが勢いよく開かれた!
すみません、トリップとはどういうものですか?
金剛「HEY、提督ぅ!提督から来てくれるなんてぇ…あれ、提督は?」
望月「さぁ、扉の後ろとか?」
金剛「んー?Why、なんでそんな所にいるデース?」
提督「なんでだろうね、自分でも不思議」
金剛「ミステリーネ、ところでモッチーその娘は?」
望月「新人の吹雪ちゃんだよ」
吹雪「始めまして、よろしくお願いします」
金剛「ハーイ、よろしくネー」
提督「仲良くしたげてね」
金剛「まかせてネ、鼻血大丈夫?」
提督「大丈夫、んじゃまた」
金剛「待つネ、みんなで紅茶飲んでいきなヨ」ガッシン
提督「いや、吹雪ちゃんをって、痛ッ!離せ馬鹿力!」
金剛「みんなで飲んでくネ」グググゥッ
提督「腕をへし折る気か!?飲んでくから離してくんね!」
金剛「やったネ!」オラァ
提督「ウゴォ!な、何故一発入れたし…なにをするだぁ」
望月「英国生まれだからじゃねえの、あと日ごろの行い」
金剛「Sorry,うれしくてうっかり」
吹雪「う、うっかり?」
金剛「気にしないネ、どうぞー」
提督たちは金剛のおもてなしを受けた。
吹雪(紅茶、おいしかったなぁ)
提督「あいつ、本当は俺のこと嫌いだろ」
望月「なんでさ?」
提督「紅茶どんだけ飲ますんだよ、気持ち悪」
吹雪「10杯以上は飲んでましたね」
提督「最終的には、飲み干した矢先に注ぎやがって、
わんこそばかよ、うぇー」
望月「吐くなよぉ」
???「おぉぉぉうぇぇぇえっ!オエッ!!!」
望月「吐くなっつったろうがよ!」
提督「俺じゃないし」
望月が「嘘つくなよ」と言おうとすると、
近くのトイレから誰かがお腹をさすりながら出てきた。
隼鷹「あー気持ち悪ッ!もう、酒飲むの止めようかな………
無理だな、今ちょー飲みてーもん」
隼鷹「って提督じゃん、オエッ」
提督「オエッ、じゃねえよ!て言うか、お昼から飲んでもいいって言ったけど、
誰が吐くまで飲めって言ったよ!」
隼鷹「逆に聞くけどさぁ、あたしらが適度に抑えて飲めるとでも思ってんの?」キリッ
望月「キリッ、じゃねえし」
吹雪「お酒臭い」
提督「あたしらって、他に誰かいんの?」
隼鷹「おう、千代田と千歳ねーやん」
提督「千代田と千歳ぇ?」
ガチャンコ
望月「ん?」
奥の部屋から、誰かがぬるりと出てきた。
千歳「隼~?吐き終わっ…あら、提督~」
提督(ムムッこの感じ!)
提督「やあ千歳ねーやん、この娘は吹雪ちゃん、新人さんだよぉ!」
吹雪「えあっ、よろしくおねが」
提督「千代田にもよろしくね、それじゃ二人ともッ!」
隼鷹「え、もういっちゃうの?」
千歳「せっかくだから、飲んでいけばいいのにぃ」
提督「飲まない!」サラバッ
望月「ほら、行くよ吹雪ちゃん」
吹雪「は、はい」
千歳「えー」
吹雪「いいんですか?」
提督「一杯じゃすまないし、吐きたくないしっていうかさっきの二の舞的な」
吹雪「なるほど」
提督「ちなみにあの娘らは軽空母、他に正規空母とかいるけど、
そのうち会えるでしょう」
提督たちは足早にその場を去ったのだった。
千歳「ま、今回はいいかな」フフフ
吹雪(お酒すんごい飲んでたなぁ)
提督「ん、あれは…」
前方から、誰かがこちらに歩いてくる。
龍田「どうしたの天龍ちゃん、今日は機嫌が悪いみたいだけどぉ?
提督の顔見てないからかなぁ?」
天龍「ちがッ、確かにあいつのせいだけどよ」
龍田「ん~?」
天龍「最近さ、遠征ばっかだろ、なんて言うか物足りないっつーか」
龍田「うんうん」
天龍「たまには敵を倒すだけの目的で出撃したいっつーか、暴れたい」
龍田「プッ…ふぅん、遠征は嫌い?」
天龍「嫌いじゃねーけど」
提督「じゃあ、提督は?」
天龍「別にあいつのことも嫌いなわけじゃ」
龍田「よかったね」
提督「うん、よかった」
天龍「何がだよ」
天龍「って、てめぇいつの間に!?」
提督「提督に膝枕したい、ってところから」
天龍「言ってねぇ!」
提督「言ってたよねー龍田」
龍田「言ってたねぇ提督」
吹雪「望月ちゃん、お二人は?」
望月「軽巡の龍田さんと誰だっけ?」
天龍「天龍だ!」
龍田「提督、その娘はぁ?」
提督「新人の吹雪ちゃんだよ」
吹雪「吹雪です、よろしくおねがいします」
龍田「よろしくねぇ、龍田だよぉ。そしてこの娘が一休ちゃん」
天龍「天龍な!」
提督「ネコミミが特徴だよ」
天龍「ネコミミじゃねえ!」
望月「いちいちつっこまなくてもよくね、新右衛門さん」
天龍「一休どこいったよ!んもう、行くぞ!」
龍田「じゃあ私たち、遠征行って来るねぇ」
提督「気をつけてな」
望月「いってらしゃーい」
吹雪「がんばってください!」
龍田「ありがとぉ」
天龍「ったくよ…」
提督「そだ、来週でよかったら敵の撃破任務に出撃する?」
天龍「なんだよ」
提督「暴れたいんだろ」
天龍「うっせえ」
龍田「よかったねぇ」
望月「そうだね、源一郎ちゃん」
天龍「一休な!」
天龍は頬を膨らませながら、龍田は微笑みながら、その場を去っていった。
提督「お、今日はもう帰るの?」
ヲ級「暗クナッテキタカラ、帰ルヲ」
望月「気をつけてな」
ヲ級「ヲ、マタ」
提督「じゃあねぇ」
吹雪(えーとえーと、龍田さんと、天山…広吉さん、あれ?)
提督「ついた、ここが工廠だよ」
吹雪(今、誰か?)
提督「吹雪ちゃん?」
吹雪「ふぁ、はい」
望月「ここは、装備品を開発したり色々してるよ」
大淀(仮)「あら、提督」
明石「お疲れ様です」
提督「お疲れー、この娘は吹雪ちゃん、よろしくねー」
吹雪「よろしくお願いします」
大淀(仮)「私は大淀(仮)、任務の受付とか色々やってるのよろしくね」
明石「私は工作艦、明石です。傷ついた換装の修理とか色々やってます」
提督「体のこととか、気になることがあれば、明石さんに相談するといいよ。
ちゃちゃっと直してくれるから、色々と」
明石「そういえば提督、修理する気にはなりました?」
提督「へ、修理?どゆこと?」
明石「この前青葉ちゃんが言ってましたよ」
青葉『実はですね、提督は自分の声が嫌いみたいなんです。この前、
録音した自分の声を聞いて顔を真っ赤にしていました。
思ってた声と違ったみたいで、どうです明石さん、
提督の声を、もっと素敵な声にしてあげられませんかね?』プフっ
明石「って、まぁ修理っていうか改造ですかね、どうします?」
望月「うぷっ」
提督「…はっはは、なんのことだろう」
望月「だっっっせぇぇぇ!!!」ケラケラケラ
提督「おまっ…くそぅ、ていうか改造しないから」
大淀(仮)「素敵な声ですもんね」
提督「フォローはやめて、恥ずかしい」
提督「そして、吹雪ちゃん!君は何も聞いていなかった!
いいねッ…!」
吹雪「うえ、はい、何も聞いてません」
望月「バカなんじゃネーの」HAHAHA
提督「マジで、お願いね。あと、お前らもな」
青葉「おー、やっと見つました」
提督「ヌム!」
青葉「その娘が新人さんですね!」
吹雪「へ?」
青葉「ども、青葉です。こんにちは」
吹雪「ど、どうも」
吹雪(初めて会った気がシナイ)
青葉「さっそくですけど、司令官この娘を…あれ?」
提督「ふふふ…」
青葉「どうしました?」
薄ら笑いを浮かべる提督を不思議に思った青葉は、とりあえず辺りを見渡してみた。
そして、明石がいることに気づいた青葉は何かを察した。
明石「提督は、別に声を変える気は無いみたいですよ」
提督「そうなの、無いの」
青葉「あのですね…」
提督「フフフ…こんなに早く会えるとは思わなかったよ」
青葉「えーっとですね…」
提督「ごめんね吹雪ちゃん、提督さんはね、
ふふっ…ちょっと用事ができちゃったんだ」
青葉「今回のことは…」
提督「悪いんだけど、あとは望月ちゃんと一緒にね」
青葉「土下座したら、許してくれます?」
提督「許すと思う?」
青葉「………」
提督「………」
伊勢「ぶえっくしょーい!!!」
日向「おばさんか」
一瞬の静寂、それを打ち破った伊勢のくしゃみ!
青葉「スミマセッ」シュバッ
瞬間、適当な謝罪を述べつつ青葉はダッシュで逃げ出した!
提督「青葉テメェ!」
提督は鬼の形相で、そのあとを追いかけていった。
提督「野郎、ぶっ殺してやらぁ!」
吹雪「ザマァ…」ボソッ
望月「吹雪ちゃん、なんか言った?」
吹雪「はっ、いえ何も」
???「吹雪ちゃん?」
吹雪「へあ?」
???「ふふ、やっと会えたわね」
望月「おー、白雪じゃん」
吹雪「白雪ちゃん!」
吹雪が白雪と出会ってから何時間か経った後の執務室で、
望月は、提督が青葉を追いかけていった後のこと報告していた。
望月「ってなわけで、ここにいる吹雪型の娘らと出会えたわけよ」
提督「なるほどね」
望月「で、そっちはどうだったの?」
提督「逃げられたよ」
摩耶「あいつの逃げ足、異常だもんなー」
望月「摩耶ちょんも何かされたの」
摩耶「ちょっと真似してるところを、な」
提督「カーニバルダヨッてやつ?」
摩耶「うっせ」
提督「ていうか摩耶ちょんまだいたんだね」
摩耶「よく考えたらあたし、今日の秘書艦だったんだよね。
ま、仕事なんてしていないけどな」
提督「なるほどね。お腹すいた、食堂行こう」
望月「あいよー」
摩耶「そういや、吹雪のやつ大丈夫か?」
提督「大丈夫かって?」
摩耶「いや、まぁ、なんていうかここってさ…初めてのやつには刺激が強すぎるだろ」
望月「あぁ、まぁ大丈夫なんじゃない」
提督「友達も一緒だし大丈夫でしょう」
摩耶「それもそうだな」
吹雪「ん…んあ」
気がつくと、吹雪はベットの上にいた。適度にフカフカで、
白いシーツに白い掛け布団、それに白い枕。汚れが目立ちそうだ。
ついでにいえば、カーテン付きの二段ベットの下だった。
吹雪「ここは?」
目を擦りながらカーテンを開け、辺りを見渡す。向かいのベットにも、
カーテンがかかっていいたが、誰かいるのはわかった。寝息が聞こえる、雰囲気的には深雪だ。
吹雪(私、食堂で寝ちゃったのかな?)
頭の中がまだふわふわしていたが、なんとなく思い出してきた。
吹雪(食堂で、みんなとお話しながらご飯食べて、確か緊張が解けたなぁと思ったら急に…
みんなが運んでくれたのかな、悪いことしちゃったな)
吹雪(ん、トイレ行きたい)
ここが自分の部屋なのは分かったが、それ以外が分からなかった。
本当はトイレがどこにあるのか誰かに聞きたかったが、みんなを起こすのは悪いなと思った吹雪は、
静かに部屋から出て行った。
吹雪「きっと、近くにあるよね」
時間はわからないが消灯時間は過ぎているのだろう、廊下は暗かった。
完全な暗闇というわけではなく、淡いオレンジ色の電燈の光が吹雪を少し照らしていた。
吹雪「あった」
部屋から少し離れた場所にトイレがあった。近くにあってよかったが、
夜のトイレはかなり怖かった。
吹雪「ふう、早く戻ろう…ん?」
なんだか後ろに気配を感じた。
吹雪「まさかね」
そんなことは無い、幽霊とかそんなものは、と考えながら吹雪は後ろを振り向いた。
振り向く必要なんて無かったのだが、ちょっとした好奇心が体を動かしてしまった。
???「うぅぅぅ…」
吹雪「ひっ!」
見ちゃった。
距離にすれば、たぶん30メートル、そこには手の長い人型の影、
それがこっちに向かっていた。ふらふらと。
吹雪「え、え、こっちに来る」
???「そこにいるのは誰ですぅ?」うぅぅ
吹雪「あわわわ」
ブンッ、と影が片手を振ると、伸びた手(?)が吹雪に向かって来た!
吹雪「ひー!」
吹雪は、影とは逆方向に走り出した!大きな足音を立てて。
寝ている人を起こしてしまうかもしれないが、仕方が無い。
だって、怖いんだもん。
巻雲「はずした、というか秋雲じゃない?」
巻雲「うぅ~、秋雲はどこ~、眼鏡を返して~
巻雲は眼鏡が無いと明日も見えないのに~!」
吹雪「いない…なんだったの?」
追ってきていないことを確認した吹雪は、足を止め息を整えた。
だんだんと恐怖が薄れてきたので、辺りを見渡してみる。知らない場所だ、たぶん。
そもそも、逃げる途中に自分の部屋があったのだから、そこに逃げればよかった。
吹雪「うーん、困ったな」
来た道を戻るのは嫌なので、とりあえず吹雪は歩くことにした。
もしかしたら誰かに会えるかもしれない。それが無理だったら、
失礼かもしれないが部屋の中にいる誰かに助けてもらおう。
吹雪「みんな良い人だって、陽炎ちゃんも白雪ちゃんも言ってたし」
ドンッ!!!
吹雪「んきゃ!」
近くの部屋のドアから大きな音が!
ドンッ!ドドンッ!!ドドンドン!!!
吹雪「な、何!?」
???「夜戦!」ドンッ!
吹雪「うっ!」
???「夜ッ戦!!」ドドンッ!!
吹雪「んっ!」
???「やッせっんッ!!!」ドドンドンッ!!!
吹雪「ひー!」
吹雪はたまらず走り出した。怖すぎるんだもん。
神通「川内ちゃんやめて、夜だから、その、あまり騒がないで」
川内「だって夜なんだよ、夜戦だよ!ていうかなんで私らの部屋だけ、
鍵かかってんの!?」
神通「今日は夜の出撃予定は無いんでしょ」
那珂ちゃん「それに、鍵は川内ちゃんのせいだよ。勝手に夜の海に出ようとするから」
川内「だからって、もう3日連続で夜は寝てるんだよ!」
那珂ちゃん「夜は寝ようよー」
神通「提督も、週に1度は予定を組んでくれるって言ってたし、ね」
川内「1度じゃたんない、もう2人でいいや、ファイトしようよー!」
那珂ちゃん「うわ、変なスイッチ入った」
川内「まずは神通からァ!」クワァ
神通「んもう!」
神通の探照灯が川内の目を眩ませた!
川内「うおっまぶしっ」
神通「那珂ちゃん!」
那珂ちゃん「空中那珂ちゃんチョップ!」ナカチャン
川内「あがっ!?」バタッ
那珂ちゃん「ごめんね」
神通「川内ちゃん」
川内「うぐぅ…んー……
大きな星がついたり消えたりしてる、あはは、夜戦かなぁ?」Zzz
神通「川内ちゃん…」
吹雪「なんなの、もう!」
怖すぎる!このブイン基地は、初めての場所だからなおさらだ。
吹雪は、また全力で走っていた。もうどうすればいいかわからない。
部屋までの道がわからないし、そこらの部屋には何がいるかわからないし、
後ろから何か追ってきてるかも知れないし。
吹雪「誰でもいいから助けてー!」
迷惑かもしれないが、もう大声で助けを呼ぶしかなかった。
いや、呼ぶだけではいけない。もう、部屋の中に入ってしまおう。
怒られるかもしれないけど。
吹雪「た、助けて!」バタン!
吹雪は、目に入った近くのドアを開けた。
球磨「クマー」
多摩「ニャー」
木曾「…キ、キソー」
吹雪「…」
球磨「クマ?」
吹雪「あ、あの…」
木曾「見たな」
吹雪「すみま」
木曾「見やがったな!」
球磨「クマー!」
多摩「ニャー!」
吹雪「ひー!」ズダダダ
吹雪「人の形した熊と猫と、なんかいた!?」
吹雪「助けて!」バーン
ドーーーン!
吹雪「んわっ」
愛宕「ああん」
吹雪「で、でかい!ひー!」ズダダ
吹雪「助けれ!」バーン
陸奥「あら、第3砲塔が…なんか」
吹雪「ひー!」ズダダダ
吹雪「たしけて!」バーン
レッド・オクトーバー「次はどこに亡命しようかしら」
吹雪「ひー!」ズダダダ
吹雪「助けけ!」バーン
ホワイトベース「左舷の弾幕がうすいのよ」
吹雪「ひー!」ズダダ
吹雪「だ、誰か…助け…もう、あう!」
吹雪は何かにぶつかった。
提督「おーおー、どうしたよ吹雪ちゃん」
提督は、倒れそうになった吹雪を抱きかかえた。
吹雪「し、司令官」
提督「もしかして道に迷っちゃった?」
吹雪「はい…」
吹雪(助かった…)
提督「もーしゃーないなー。部屋まで送ってあげるよ」
吹雪「ありがとうございま…」
提督「さっきからバンバン音立ててたのは、吹雪ちゃんだったんだね。
まぁ、あとで俺からみんなには説明しとくから、安心して…どうしたの?」
吹雪「司令官、顔の、その、ほっぺたの」
提督「ん?」
提督は、吹雪に指摘された頬を触ってみた。
液体が手についた、赤い色の。
吹雪「あ、あわわわ」
提督「ぺろっ」
吹雪「ひっ」
提督「あー、これは」
吹雪(青葉さんの…返り血!)
吹雪「おぴっ」
提督「ケチャップだ。いんやぁ、3日連続でカレーはさすがに辛くってね、
今日はオムライスを食べたんよ、そんで摩耶ちょんがケチャップをドバァーっと」
吹雪「………」
提督「吹雪ちゃん、聞いてる?」
吹雪「………」
提督「寝ちゃったの?」
吹雪(普通じゃ…ない…ここ……ヴぁ…)
その後、なんやかんやで吹雪はこの基地に慣れた。
そして青葉は、油断しているところを提督と摩耶によって捕らえられ、
夜の川内とゴボウしばき合い対決の刑に処された。
何週間か後
初風「そう、吹雪さんね、よろしく」
吹雪「よろしくね」
初風「…」
吹雪(私と…私と、同じ目に遭わせるわけにはいかないよね…)
吹雪「あのね」
初風「ん?」
吹雪「今から司令官に会いに行くんだけどね」
初風「はい」
吹雪「基本的にはいい人だから。それに、司令官以外のみんなも」
初風「うん」
吹雪「いい人なんだけど、普通じゃないときがあるから…」
初風「?」
吹雪「あれ、なんかこの人変って思うときがあると思うけど、たぶん大丈夫だから」
初風「はぁ…」
吹雪「だけどね、私は普通だから…!」
初風「…?」
吹雪「私たち吹雪型はみんな普通だから、特に私は!」ガシンバッ
初風「んちょっ!」
吹雪は、初風の肩を力強く掴み、激しく揺らしながら、さらに続けた。
吹雪「だから、困ったことがあったら私を頼って!」
初風「やめて、首が…」ガクガクガク
吹雪「普通だから、私が一番普通だから!」
初風「は、は、は、はい」
吹雪「だから!」
吹雪は初風を強く抱きしめた!
吹雪「安心してね!」
初風「気持ちわ…はい…」
初風(何、この人…変)
終わり
終わりました。
何かおかしなところとかあれば、教えていただけると助かります。
ありがとうございます。
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■ SS速報VIPに初めて来た方へ - SSまとめ速報
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これは、読みましたが
前に質問したトリップに関しても載っていいたのに、見逃していました。
やってみます。
出来たかな
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