本スレでネタ見つけて、何となく書いてみる気になった。
本編IFワルプル後のほのぼの時間軸で描く。
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さやか「それって、それぞれで呼び方を交換してみようってことですか?」
まどか「ええっと、呼び方って名前のことですよね。わたしだったら、さやかちゃんとかほむらちゃんって呼んでるのを、誰かと交換……?」
マミ「ええ! そういうことよ。どうかしら? 面白いと思うの」ニコニコ
ほむら「どうかしら、といわれても、何故そんなことをしなければならないのかしら」
マミ「うっ。それは……」
マミ(もう二か月も組んでて、わたしはいまだにみんなのこと苗字にさん付けで呼んでるわ。それを打破したい……! けど、さすがにそんな情けない理由を言うわけにはいかないわ!)
マミ「ちょ、ちょっとした遊びよ? 魔女狩りだけでつながっている関係でもないんだし、少しくらいはこういう遊び心を持ってもいいと思うのよ!」
ほむら「ほんとうに、それだけ?」ジイー
マミ「え、ええ!」
杏子(マミのやつ、相変わらず嘘が下手だな)モグモグ
さやか(てかほむら、あんまりマミさんのこと追い詰めてやるなよ……)
杏子「まあ、いいんじゃねーの? 遊びだろ。別に躍起になって反対するようなことじゃねぇしさ」
ほむら「それは、そうだけど――」
マミ「そ、そうよね!」
ほむら「――やっぱり遊びにしても、確固たる理由が必要だと思うのよ」
マミ「え。あ、そ、そうかしら」
ほむら「ええ、そうよ」ファサ
杏子(前々から思ってたけど、こいつマミとさやかにはなぜかあたりが強いよなぁ。まどかにはだだ甘なくせに)
ほむら「だいたいあなたはいつもそうやって――」
さやか「……ねぇまどかー。もしあたしとまどかで呼び方交換になったらどんな風になるか、ちょっと試してみようよ」
まどか「え? う、うん、ええっと……さ、さやか!」
さやか「うんうん、何だねまどかちゃん♪」
ほむら「!」
まどか「えへへ。呼び捨てるのってちょっと緊張するね」
さやか「あははっ。あたしもまどかに呼び捨てられるのは新鮮だなー!」
ほむら「巴さん。やっぱりこの遊び、やりましょう。すぐにでも!」
マミ「え? あ、いいのかしら!」
ほむら「もちろんよ! 反対する理由なんて見当たらないわ!」
ほむら(私たち五人中三人は敬称なしに名前を呼んでるわ。つまり、高確率でまどかに呼び捨てにされる。悪くない、悪くないわ……!)
まどか「? ほむらちゃん、どうしたんだろう?」
杏子「気にすんな。あれはただのバカだ」
さやか「あははっ。じゃあさっそく、くじ引きでもしよっか」
~くじ引き結果~
さやか→ほむらの呼び方
ほむら→さやかの呼び方
まどか→マミの呼び方
杏子→まどかの呼び方
マミ→杏子の呼び方
ほむら「ありえないわ認めないわやり直しを要求するわ!」
さやか「ざーんねーん。くじ引きは絶対!」ニヤニヤ
ほむら「そもそも私とさやか、どっちも呼び捨てでたいして呼び方がかわらないじゃない! 遊びを面白くするためにもくじ引きのやり直しは絶対必要条件よ」
さやか「えー? 結構違うところあると思うよ。ねえ『暁美ほむら』?」
ほむら「……!」
杏子「ああ、そういやそんな呼び方してた頃もあったな。ま、あたしとさやかの呼び方が交換されるよりましだろ。マミの呼び方しか変わらないからな」
ほむら「あなたたち、私に何の恨みがあるというの……!」
さやか「なんという逆恨み」
ほむら「これじゃあ、一体何の意味があるというのよ……」
まどか(ええっと、マミさんの呼び方だから、苗字にさん付けでいいのかな?)
マミ(佐倉さんの呼び方だと、みんな呼び捨てね。ちょ、ちょっと緊張するけど距離を縮める良い機会じゃないかしら!)
杏子(……ん? あれ? よく考えてみれば、まどかの呼び方って……!)
杏子「ちょ、やっぱりあたしもやりなお――」
さやか「はい、それじゃ話もまとまったところで解散! それぞれ明日に向けてみんなの呼び方をシミュレーションしときましょう!」
――翌日――
まどか「おっはよー、仁美ちゃん。さや……じゃなかった。美樹さん!」
さやか「おっはよう、鹿目まどか」ファサ
まどか「あはは……。ショートじゃそれ、ちょっと無理があるよ。やっぱりほむらちゃんぐらい長くないと」
さやか「ありゃ。そう?」
仁美「おはようございます、まどかさん、さやかさん。……おふたりとも、なにかの遊びですの?」
さやか「うん。ちょっと知り合いで何人か集まって、呼び方交換するっていう遊び。ちなみにあたしは暁美ほむらだよ、志筑仁美」ファサ
まどか「さや――美樹さんみたいに仕草まで真似しなくってもいいんだけどね。ちなみに私は先輩のマミさんの呼び方なんだ」
仁美「あら、そうですの。わたくしも混ぜてくださればよろしかったのに……」
さやか「お、仁美も興味あるの?」
仁美「ええ、楽しいそうですもの」
まどか「そっかぁ。じゃあ、今度また機会があったら、仁美ちゃんともやってみよっか!」
~教室~
ほむら「……はぁ」
ほむら(なぜ、どうしてあんなことになったのかしら。四分の三。四分の三の確率でまどかに呼び捨てしてもらえたはずが、どうしてあんなことに。『暁美さん』なんて、いくつもの時間軸で経験した呼び方じゃない)
ガララ
仁美「おはようございます、ほむらさん」
ほむら「あら、仁美。まどかも。おはよう」
まどか「おはよう。あ、暁美さん!」
ほむら「……っ」
仁美「あら。やっぱりほむらさんも遊びに参加されてるんですね」
まどか「うん。暁美さんは、美樹さんの呼び方なんだ」
ほむら「まどか」ガシッ
まどか「へ? な、なに? ほむ、じゃなかった。暁美さん。いきなり肩をつかんで――」
ほむら「まどか。ほむらで、ほむらでいいのよ……! 私は、あなたにそんなよそよそしく呼ばれたくな――」
さやか「それじゃ遊びになんないでしょうが」ガスッ
ほむら「……あら。いたのね」
さやか「ふっふんー、いますよー。気が付かなかったの、暁美ほむら?」ファサ
ほむら「……その心の底から腹立たしい仕草は何のつもりかしら」
さやか「あたしなりの演出です!」
ほむら「……」イラッ
まどか「あはは。暁美さん。あんまり美樹さんのこと怒らないであげて?」
ほむら「……わたしはそんなに心の狭い人間ではないわ。『在校生』の言葉なんて、軽く聞き流せるわよ」
さやか「へ?」
ほむら「あらどうしたのかしら在校生。どうして愚かしいマヌケ面をさらしてるのかしら在校生」
さやか「え? いや、ていうか、在校生? なにその卒業式の答辞っぽい呼び方」
仁美「そういえば、ほむらさんが転校してきた当初、さやかさんはほむらさんのことを『転校生』って呼んでましたわね」
まどか「なるほど。それで暁美さん、美樹さんのことを在校生って呼んでるんだ」
ほむら「ええ、その通りよ。他に的確な呼び方もないから」
さやか「ちょ、それでも在校生はおかしいでしょう!?」
ほむら「黙りなさい在校生。そもそもからして転校生っていう呼び方からしておかしかったのよ在校生」
さやか「ぐっ。とことんやろうってわけだな暁美ほむらぁ……!」
仁美「……やっぱり楽しそうですの」
まどか「うぇひひ。そうだね」
~放課後~
さやか「学校も終わって、今日は巴マミの家に集合っ。予想外の暁美ほむらの呼び方にイラッとさせられたけど、この遊びの最大楽しみである二人が待ってる!」
ほむら「そうね在校生」ファサ
さやか「暁美ほむらぁ~?」
まどか「あっ。巴さんのお家に着いたね、美樹さん、暁美さん」
ほむら(まどかにさん付けで呼ばれるたびに、精神ががりがり削られていくわ……)
さやか「よし、それじゃあ!」
ピンポーン
マミ「いらっしゃい。え、っと、その、あの……さ、しゃやかっ、まりょかッ、ひょむら!」
まどか(マミさんかわいい)
さやか(マミさんかわいい)
ほむら(相変わらずめんどくさいわねコノヒト)
今日はここまででいいや。
今週中には終わらせる。
マミ「あうぅ……」シュン
まどか「だ、大丈夫ですよ、巴さん!」
さやか「そうですよ! もうちょっと、もうちょっとです!」
マミ「わ、わかったわ。さ、ささささや――」
まどか(マミさんかわいいなぁ)
さやか(マミさんかわいいよなぁ)
ほむら「ねえ在校生。とも――マミさんのことは、フルネームで呼ばないのかしら」
さやか「ん? 別にいつも巴さんって呼んでるんだからいいじゃん」
ほむら「ちっ」
まどか「ま、まあまあ。暁美さんもそれぐらいで……」
マミ「――さささや……えっと、みんな。とりあえず中に入って」
ほむら(結局逃げたわね)
まどか「お邪魔します」
ほむら「お邪魔するわ」
さやか「わたしも……って、あれ? 杏子はいないの?」
ほむら「……さやか。あなた、そろそろこの遊びに面倒になってきてるでしょう」
さやか「あー、別にいいじゃん。あたしの場合、ルール破ってるわけじゃないんだしさ。あんただって在校生呼びめんどくさくなってるでしょ」
ほむら「……うるさいわね」
まどか(わたしもちょっと苗字呼びは疲れてきたかも――)
マミ「ええっと、きょ、杏子、は、まだ来てないわ」モジモジ
まどか(――でもマミさんかわいいから続けよう)
さやか「んー? 魔女狩りとお菓子食べる居合は暇人の杏子が来てない……?」
ほむら「これは、逃げたとみて間違いないわね」
マミ「そうかしら。きょ、杏子は、そんな子じゃ――」
まどか「巴さん巴さん。わたしのことも名前で呼んでください!」
マミ「え? あ、ぇっと、ま、まどか!」
まどか「はい!」ニコニコ
ほむら「…………」イラッ
さやか(ほむらが面白い)
ほむら「いますぐに杏子を探しに行きましょう。あの子だけこの遊びから逃がすわけにもいかないわ」
さやか(完全に八つ当たりだこいつ……)
マミ「そのうち来ると思うんだけど……」
さやか「いや、まあ、たぶん逃げたっていうのはあたしも同意見なんで、探しに行きましょう」
~ゲームセンター~
杏子(ふう。さやかたちは下校してマミんちに集まったかな。ま、ここにいれば見つかんないだろ)
杏子「たっく。付き合られっかての」モグモグ
ほむら「まあ、付き合いきれないって気持ちは分からないでもないわ」
杏子「だよなぁ。マミのやつも変なこと思いつくよな」
さやか「そう? あたしは面白いと思うよ」
杏子「そうかぁ?あいつは昔っからどっかずれて……ん? んん!?」ビクッ
マミ「…………」
まどか「あはは……」
ここまで
マミ「杏子? なにか、言うことはあるかしら」ニコニコ
さやか(うわ、マミさんの笑顔、怖っ)
杏子「え、いや、その、マミ……」
マミ「マミ『さん』」
杏子「へ?」
マミ「マミ『さん』でしょう?」ニコニコ
ほむら(……口は挟まないのが賢明ね、これは。飛び火したらたまらなし)
杏子「い、いや、でもさ」
マミ「ほら。簡単じゃない。昔みたいにマミさんって呼んでくれればそれでいいのよ?」ニコニコ
杏子「ぐっ……!」
まどか(杏子ちゃんにまどかちゃんって呼んでみて欲しいなぁ)ワクワク
マミ「さ、恥ずかしがらないで?」
杏子「いまさらそんな呼び方できるかぁ、あほマミ!」ダッ
マミ「……」
まどか「あ」
ほむら「逃げたわね」
さやか「あちゃー」
マミ「ほむら、さやか。杏子を追いかけるわよ」ニコリ
ほむら「」ビクッ
さやか「」ビクッ
まどか「あ。じゃあ、わたしは巴さんの家で待ってますね」
マミ「うん、わかったわ。遠慮しないでくつろいでね」
~マミホーム~
まどか「お邪魔します……って、マミさんもいないんだけど」
まどか(みんなが杏子ちゃんを連れてくるまでに、何か準備しておこうかな。あ、でも、マミさんのお家だし……)
まどか「ううん。おとなしく待ってよう」
・
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さやか「杏子! あんたいい加減あきらめなよ! そもそもあんただって同意してたでしょうこの遊び!」
杏子「うっせーっ、バーカバーカ!」
さやか「あんたは小学生かぁあああああ! 絶対捕まえて『さやかちゃん』って呼ばせてやるわこの小卒!」
杏子「んだと中学生の何が偉いんだよアホのくせに!」
ほむら(何かしらこの小学男子みたいなやりとり。わたしもまどかと一緒に待ってればよかったわ……)
マミ「杏子? そろそろ諦めて? えいっ」ヒュッ
杏子「くっ。リボンを使ってきやがったなっ。ならこっちも!」ヘンシン
さやか「あいつ変身しやがった! ほむら、巴さん! こっちもだ!」ヘンシン
マミ「ええ!」ヘンシン
ほむら「えぇー」
まどか「マミさんたち、遅いなぁ」
まどか(杏子ちゃん、そんなに必死に逃げてるのかなぁ。ううん、ちょっと暇)
まどか「うん。やっぱり、軽くお掃除くらいはしよう」
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さやか「そこの赤いの止まれ! 赤信号のくせに生意気だ!」
杏子「うっせぇ青いの! 青信号だからって突っ走ってんじゃねーよアホ!」
マミ「レガーレ・ヴァスタアリア!」
杏子「うお!? ちょ、本気出すなよマミ!」
マミ「もうちょっとだったのに……」
ほむら「信号機トリオ。あんまり派手にすると街の人にばれるわよ」
杏子「あたしも含めんなよ! てか、お前らそこまでしてあたしを追いかけて何がしたいんだよ!?」
さやか「あんたにちゃん付けで呼んでもらいたい。そして思うがままいじり倒したい」
マミ「その、昔みたいに呼んでもらいたいくて……。ほ、ほら、懐かしいし!」
ほむら「早くまどかのいるところに帰りたいのよ。さっさと捕まりなさい」
杏子「ろくな理由がねえな!」
先週中に終わらなかった……orz
まあいいや。深夜にも続き投下する。
まどか「うーん、まだ帰ってこない、かぁ」
まどか(正直、ちょっと暇だなぁ。ぁ。眠気が)
まどか「だめ、ちゃんと起きてないと……」ウトウト
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杏子「よし、わかった! 話し合おう! な? あたしたちはもっとわかり合えるとはずだぜ、ほむら!」
ほむら「ちゃんをつけなさいこのデコ助。マミさんのリボンで縛られてさやかに抱えられてるくせに往生際が悪いわね。あなたはそんな物わかりが悪い子じゃなかったはずよ」
杏子「うっせぇ! ジタバタもしたくなるわこの状況!」
さやか「はいはい、わかったわかった。まずは『さやかちゃん♪』って呼ぶところから始めようね~」
杏子「ぶっ殺すぞ!」
マミ「どうしてたった一年でこんな乱暴に育っちゃったのかしら……。ね、杏子。昔みたいに『マミさん』って呼ぶところから――」
杏子「あんたに呼び捨てにされるとなんかゾッとする」
マミ「え」ガーン
さやか(急に真顔で言うなよ……ちょっとわかるけど)
ほむら(分かるわ。さすがに口には出さないけど)
マミ「そ、そんな……わたしは、ただ親密になれればいいなって思って……」ブツブツ
まどか「……」ウトウト
まどか(……ぁ。もう、ねむ)
まどか「……」zzZ
・
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杏子「いや、だからさ。正直、苗字だろうが名前だろうが、マミに呼び捨てにされるとすげぇ違和感があるんだよ」
マミ「ぇ? え? ええっと……でも、やっぱりお友達同士なら――」
杏子「マミ自身も今まで誰かを呼び捨てにしたことないだろ? 今まで友達もいなかごぶぅ!?」
ほむら「あら、さやか。簀巻きにされた杏子を落としちゃダメじゃない。受け身も取れずに落下してずいぶん痛そうよ?」
さやか「あはは、ごっめーん。でもほむらだって、地面に落ちた杏子をうっかり踏んづけちゃダメだよ?」
ほむら「あらごめんなさい。踏んづけてることに気が付かなかったわ」グリグリ
杏子「お、お前ら……あたしに何の恨みが……!」
ほむら「憶えておきなさい。世の中には言ってはいけないこともあるの。発狂されて無理心中とか、冗談じゃないわ」
さやか「そうそう。無神経はいかんぞ杏子。てかもう諦めなよ。とりあえずあんた、いったん気絶させるから。ていや」ビシッ
杏子「ぐッ」ガクリ
マミ「変……違和感がある……どうして……あら? きょ、ぁっと、佐倉さん、は、どうしたの?」
ほむら「眠くなったから寝てしまったようよ」
さやか「そうそう。それと杏子って呼び捨てにしといてくださいよ。まだ遊びは継続中ですよ?」
マミ「! うんっ。そうよね!」ニコ
今日はここまでー。
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