エレン「お帰り、アルミン!」
アルミン「ただいま!やっと帰ってこれたよ」
夜、男子寮に入ったアルミンは、全裸の仲間たちによって迎えられた。
先日のサシャ・ブラウス強姦未遂によって数日間営倉に投降されていたアルミンは、本日ついに解放されたのだ。
アルミン「ああ、やっぱシャバの空気はいいね。特にこの男子寮、イカ臭いニオイでプンプンだ」
ライナー「はははっ、アルミンがいなかった間本編は進めなかったが、ギャラリーがあるおかげで快適なオナニーライフを過ごせたからな」
アルミン「そうなのかい?てっきり先に進めているのかと思っていたよ」
マルコ「何を言っているんだい?僕たちは仲間じゃないか。それに、オナニーはみんなとやるからこそ気持ちいいものなんだよ」
マルコの言葉に彼らはうなづいた。
アルミン「みんな……」
アルミンは感動した。なんてすばらしい仲間たちなんだろうか。アルミンは彼らと出会うことができた運命を、神に感謝した。
ベルトルト「ところで、サシャにはちゃんと謝ったの?」
アルミン「もちろんだよ。営倉から出てから、真っ先にサシャの所に行ったよ」
ジャン「それで……許してもらえたのか?」
アルミン「うん、なんとかね。あのときほどサシャに感謝した日はないよ」
アルミンがサシャに謝罪したとき、彼女はこう言ったのだ。
サシャ「アルミン……あのときはきっと風邪でもひいてたんですよね。あまり長くない付き合いかも知れませんけど、私はアルミンがどんな人かわかっているつもりです。だからあのことは忘れて、これからも仲良くしてください」
なんていい人なんだろうか。おそらく、サシャの半分は優しさで出来ているのだろう。いつか四つ目の壁が建設されたなら、「ウォールポテト」と名付けよう。
アルミン「さあ、報告はこれくらいにしよう。僕たちにはやるべきことがあるだろう?」
そう言うと、アルミンは服を脱ぎ始めた。パンツから一本の糸がひいている。もう既に、彼の槍は研ぎ澄まされていた。
マルコ「おおっ、相変わらずの先走り汁だね。粘度が一級品だ」
アルミン「よしてくれ、照れるじゃないか」
アルミンは照れくさそうに笑った。
フランツ「もう出てるのかい?相変わらず早漏だなあ」
アルミンはフランツの言葉を無視した。
アルミンは全裸になると、一歩一歩、大地を踏みしめながらコンピュータの前へと歩きだした。
アルミンが腰を下ろすと、他の者も一斉に腰を下ろした。
アルミン「さあ、始めようか」
その言葉が合図となり、一同は戦闘態勢をとった。
『進撃の巨人~hな訓練もなんのその~』
『さて、誰と一緒に食べようかな?』
ニア1.ミカサ
2.サシャ
3.アニ
アルミン「今回は追加√はないみたいだね」
ライナー「そうか……もしかしたらクリスタが出るかもと思っていたんだがな……」
アルミン「がっかりするのはまだ早いよ。アニ√をクリアしたら、もしかしたら本当に出るかもしれないよ」
ライナー「!そ、そうだな!」
ベルトルト「今はクリスタよりもアニだよ」
アルミン「うん、その通りだ。じゃあ、進めよう」
1.ミカサ
2.サシャ
ニア3.アニ ピコ
『よし、あいつと一緒に食べようかな』
エレンは、一人で食事をとっている金髪の少女に近づいた。
エレン『ここの席座っていいか?』
少女は何も答えなかったが、エレンはそのまま隣に座った。
エレン『俺はエレン・イェーガー。お前は?』
アニ『……アニ・レオンハート』
エレン『アニか。これからよろしくな』
アニ『……あのさ、私今食べてるから黙っててくれないかな』
アニはそう言うと、また黙々と食べ始めた。
エレン『……』
エレンは気まずい気持ちになりつつも、黙って食べだした。
食事の量は成長期の彼らが食べるにしては少なく、エレンはすぐに食べ終わった。
エレンは、まだ食べているアニをぼんやりと観察していた。
切れ長のつり目に仏頂面、というよりも怒っているように見える。どう見てもキツい性格の女にしか見えなかった。
『実際、さっき黙れって言われたし……』
しかし、その点を除けば美人であることには間違いなかった。
エレンとずっと一緒にいたミカサも美人だが、それとはまた違った種類のものである。
アニは食事を食べ終わると、目だけを動かしてエレンを睨んだ。
アニ『あんた、さっきから何じろじろ見てるの?』
エレン『い、いや……別にじろじろ見てはないぞ……?』
本当は見ていたのだが、事実を言ったらまた冷たく言われそうなので、エレンは適当にごまかした。
また無言になった。エレンは、あまりの気まずさに挫けそうになった。
『な……何か話題を……』
すると、周りでは自分の希望する所属兵科の話題になっていた。
『こ……これだ!』
エレン『なあアニ?お前はどこを希望しているんだ?』
アニ『……私は憲兵団かな』
エレン『そうなのか。俺は調査兵団に入るつもりだ』
このとき、初めてアニはエレンに興味をもった目を向けた。
アニ『へえ、あんた変わってるね。何で?』
エレン『俺はウォールマリアのシガンシナ区出身でさ……見たんだよ、巨人をな……』
アニ『……』
エレン『あのとき、思ったんだ。あいつらはこの世にいちゃならねえやつらなんだと。だから、俺が一匹残らず駆逐してやるつもりなんだよ……』
アニ『……』
アニはため息をつくと、食器を持って立ち上がった。
アニ『まあ、巨人に喰われないようにせいぜい頑張りな』
そう言って、そのままどこかへ行ってしまった。
エレンが一人でぽつんと座っていると、ミカサとアルミンが近づいて話しかけた。
ミカサ『エレン……あの女は何?』
エレン『おう、二人とも。あいつはアニってやつだよ』
ミカサ『別に名前を聞いているわけじゃない』
エレン『?』
アルミン『エレンが自分から女の子に話しかけるのって珍しいね』
エレン『別に、なんとなく話しかけただけだよ』
そう言って、エレンは食器を片づけ始めた。
別の日 格闘訓練
『さて、相手を見つけなきゃな……』
エレンは訓練相手を求めて歩き回っていた。
アルミンを誘ったが、エレンとは力量の差がありすぎると言って断られた。
また、しばらくミカサとやったが、今度はこっちが赤子扱いでまったく相手にさせてもらえなかった。
しばらくエレンがぶらついていると、同じように一人でいる少女を見つけた。
早速、エレンは彼女に声をかけた。
エレン『おい、アニ。空いているなら俺と組まないか?』
アニはエレンに気づくと、そそくさと離れようとした。
エレン『おい、待てよ!逃げんじゃねえよ』
アニ『はあ……何でこっち来るの。私はサボりたいんだ。だから別の相手を探しな』
エレン『いいじゃねえか。アニは憲兵団になりたいんだろ?ちゃんとやらないと十位以内に入れないぞ』
アニ『この訓練は点数が低いんだ。ちゃんとやっているやつは、余程真面目なやつか、単なる馬鹿だよ』
エレン『それでも、憲兵団で働くなら、格闘術は身につけておいた方がいいと思うぞ?』
アニ『別に、私は立派な兵士になって治安を守ろうなんて思ってない。ただ、内地の特権を得たいだけ』
風が吹いた。アニの髪が、うつむいた彼女の顔を隠した。
アニ『それに、あんたは調査兵団になるつもりなんだろ?なら、それこそ格闘術は必要ないんじゃない?』
エレン『だからってやらない理由にはならないだろ。俺たちは兵士なんだから』
アニ『……あんたは真面目なうえに馬鹿のようだね。私の知ってるやつにそっくりだ』
近くで教官が歩いているのが見えた。遊んでいたやつらが、教官に頭突きをされていた。
エレン『ほら、教官から頭突きをもらいたくないならさっさとやろうぜ。いなくなるまででいいからさ』
アニ『……ふん』
アニはエレンの方に体を向けた。どうやらやってくれるようだ。
エレン『じゃあ、まずは俺が暴漢役だ』
エレンが得物を構えると、アニはファインティングポーズをとった。
エレン『やり方はわかってるよな?』
アニ『しゃべってないで、とっととかかってきな』
アニは眉間に皺を寄せて言った。
何を怒っているんだろうか。いや、もともとこんな顔だっけ。
エレンはいろいろ考えたが、やがて姿勢を低くすると、アニに襲いかかった。
突きつけられた得物をかわし、その腕を抑えて無力化する―――それが、本来のおおまかな流れだったが。
エレンが射程距離に入ったとき、アニは彼の脚に渾身のローキックをぶちかました。
エレン『い゛っ!?』
予想外の衝撃に、エレンは脚を押さえてその場で倒れこんだ。
アニは後ろを向くと、そのまま立ち去ろうとした。
エレン『おい、待てよ』
エレンがアニを呼び止めた。
アニが振り向くと、エレンが足を震わせながら立ち上がろうとしていた。
エレン『得物を奪うまでが訓練だ……まだ終わって……』
言い切らないうちに、アニが襲いかかってきた。
エレン『えっ!?うぐっ!』
アニの腕が蛇のように動き、エレンの首を抑えた。
突然のことに、エレンは反撃することができず、体が硬直した。
その隙をついて、アニは後ろからエレンの脚を蹴飛ばした。
エレンの体は宙を舞い、無様な姿で地面に叩きつけられた。
アニは奪い取った得物を投げ捨てると、今度こそどこかへ去っていった。
夜 食堂
エレン『ここ、座っていいか?』
今日も一人で食べているアニに、エレンはまた話しかけた。
アニは何も言わなかったが、勝手に隣に座ったのも先日と同じである。
エレン『すげえ技だったな。誰かに格闘術でも教わっていたのか?』
黙々と食事をしているアニに、エレンは尋ねた。
すると、アニは食事の手を止めた。
アニ『お父さんから……』
エレン『そうなのか』
アニ『どうでもいいんだよ、そんなことは』
エレン『えっ?』
アニ『こんな技術身につけていたって、この世界を生きていくためには何の意味もない』
アニは、独り言のようにしゃべり続けた。
アニ『父は現実離れした理想に酔いしれていた……そう、あんたみたいにね』
エレン『……』
アニ『そのころの私は、心底くだらないと思っていたけれど、父の言うことには逆らえなかった……』
アニはスプーンでスープをかき回した。そこに映る自分の顔をぼんやりと見つめた。
アニ『私は、もうこれ以上このくだらない世界でバカをやるのはこりごりなんだよ』
そう言うとアニは、スープを一気に飲み干した。
アニの顔は、どこか悲しみに暮れていた。
エレンはその顔を黙って見つめていた。
翌日 格闘訓練
エレン『なあ、今日も一緒に組んでくれよ』
アニがサボっていると、エレンが声をかけてきた。
アニは呆れたようにため息をついた。
アニ『あんたさ、昨日私が言ったことをもう忘れたの?私はこんな……』
エレン『今日はお前が暴漢役やってくれよ。ほら、渡すぞ』
アニの言葉を遮って、エレンは得物をアニに無理矢理握らせた。
アニの眉間に深い皺が刻まれた。
アニ『……そう。また蹴飛ばされたいようだね』
アニはそう言うと、エレンに襲いかかった。
しばらく休憩する。
今回は前回ほどギャグはない。から、期待している人には先に謝っておく。
私アニだけどさ、エレ、死に急ぎ野郎はとっととミカサと添い遂げればいいと思う。
私ミカサだけど今しがたうんこもらした
全員注目!>>42さんの模範解答が見れるぞ!
>>44
いや、あの、「うんこ」に対して「ひねって」という皮肉めいたレスでして、それ以上を求められてもどうのこうの(ry
今から再開する。
ちなみに、今日本番までいくことは絶対にないので、服は着ていた方がいい。
アニがエレンの射程距離に入る。
アニは、エレンの攻撃にすぐさま反応できるよう彼の動きに神経をそそいだ。
しかし、エレンはアニの腕を押さえようとはせず、彼女の脚に蹴りを放った。
アニは一瞬驚いたが、軽々と避けると、今度はアニが、エレンの足を払うように蹴った。
直撃をくらったエレンは重心を崩して仰向けに倒れた。
そして、無防備になったエレンの喉に、アニは得物を突きつけた。
エレン『うっ……』
アニ『ねえ……今のは何のつもり?』
エレン『何って……お前の技を真似してみたんだよ』
アニ『何で?』
エレン『……お前が楽しめるようになるかと思ってさ……』
アニ『は?』
エレン『お前さ、いつも周りが馬鹿にしか見えないみたいな顔をしているけどよ、その技を披露するときは、なんとなく楽しそうな顔をしてたからさ……』
アニ『……』
エレン『その格闘術を、お前はどうでもいいことって言ってたけどよ、本当は誇りに思ってるんじゃないのか?』
アニ『……』
エレン『だからさ、俺がお前みたいに強くなって張り合えるようになったら、お前ももっと楽しくなるんじゃないかと思っていたんだが……』
アニ『……ふん』
アニはエレンの喉に突きつけていた得物を下げ、立ち上がった。
今の彼女がどんな表情をしているのか、エレンからは見ることができなかった。
エレン『ところでどうだった、俺の蹴り技は?決まらなかったけど、いいセンいってたと思うんだが』
エレンは立ち上がって、服を叩きながらアニに尋ねた。
アニ『ふん……全然駄目、まったくなってない』
そう言いつつも、アニの顔はいつもより柔らかくなっていた。
エレン『何だよ、どこが悪いっていうんだ?』
アニ『……そんなにこの技が気に入ったんなら……』
フッとアニが一息ついた。そのとき、エレンは初めて彼女の―――かすかではあるが―――笑顔を見た。
アニ『教えてやってもいいけど?』
ニア1.ああ、よろしく頼むよ
2.え?やだよ
アルミン「これは考えなくてもわかるね」
エレン「2だな」
アルミン「何でそうなるの?」
エレン「だって蹴られるの痛いじゃん」
ジャン「そんなんだからお前は女心がわからねえんだよ」
エレン「でも俺にはもうミカサがいるし」
ジャン「……」
エレン「でも俺にはもうミカサがいるし」
ジャン「……」
エレン「でも俺には」
ジャン「やめろ!!」
アルミン「はいはい、先に進むよ」
ニア1.ああ、よろしく頼むよ ピコ
2.え?やだよ
エレン『ああ、よろしく頼むよ』
エレンはそう言って、手をさしだした。
アニ『何?その手は』
エレン『何って……ただの握手だろ』
アニはしばらくエレンの手を見ていたが、やがて軽くその手を握った。
アニの手は、大の男を蹴り飛ばすなど想像できないくらい、華奢でやわらかい、普通の女の子の手だった。
アニはすぐに手を離した。
アニ『私は中途半端なことはしない。泣き言吐いても意味ないから』
エレン『おう、望むところだ』
エレンが意気込んで言うと、アニは微笑んだ。それはすぐに消えてしまったが、いつもの彼女からは想像できない、少女らしい笑みだった。
ライナー「……」キュン
ベルトルト「……」キュン
『それから、俺はアニから格闘術の指導をしてもらった。
アニは言っていたとおり、手加減なんてまったくしなかった。それだけ自分の格闘術に誇りを持っているのだろう。
それでも、俺は途中で諦めようなんて思ったことは一度もなかった。アニに情けないやつなんて思われたくなかったからだ。
それに、自分が強くなっていくのを実感していくのも楽しいものだった。
それと、格闘訓練をしているとき、いつもは見せない顔をアニはよくした。その顔が、俺は好きだった。
どれくらいの月日が経っただろうか。アニともだいぶ張り合えるようになった。
アニは、もう俺に教えることはない、と言っていたけれど、それからもアニとはよく一緒に訓練した。
そうしなければ、アニと一緒にいれる時間が減ってしまうからだ。
いつからだろう。俺は、アニに対して特別な感情を持っていた』
夕焼けが景色を赤く染めていた。
訓練が終わり、訓練兵たちは疲れた足取りでそれぞれの寮に向かっていた。
しかし、しばらく経っても動かない影が二つ。
エレンはアニをただじっと、真剣な眼差しで見つめていた。一方そのアニはというと、何やら面食らった表情をしていた。まるで、信じられないことが目の前で起こったかのように。
もう、外には二人しかいなかった。
やがて、アニがおそるおそる聞いた。
アニ『あ……あんた、今何て言った?』
本当はエレンが何を言ったのか、アニは聞き逃していなかった。しかし、あまりにも突然のことで、自分の耳がおかしくなっていたのではないかと思ったのだ。
エレンは深呼吸をした。焦る気持ちを落ち着けて、決して噛んだりしてしまわないように。
十分に心の準備をすると、エレンはもう一度、その言葉を口にした。
エレン『アニ。俺、お前のことが好きだ』
アニは、自分の耳が正常であったことを理解した。
しかし、代わりに新たな問題が現れた。むしろ、自分の耳に問題があった方がどれだけよかっただろうか。
アニは顔をうつむかせると、できるだけ感情を抑えた声で言った。
アニ『何で?』
エレン『な……何で?』
エレンは困り果てた。
自分がアニのことが好きなのは本当だ。しかし、理由を聞かれると、どういうところに惹かれたのかを説明するのは難しかったからだ。
だが、覚悟を決めて告白したエレンには、ごまかしたり話をそらすという選択肢はなかった。アニの好感度を下げない、かつ自分の想いが伝わる言葉を必死に模索した。
エレン『その……強くて……綺麗で……以外と優しくて……優しくて……可愛い』
アニ『……』
静寂が二人を包んだ。
エレンは心の中で、自分の語彙力のなさを責めていた。もし、自分がアルミンのように頭の回転が速かったなら、もっとマシな言葉を言えたかもしれないのに。
アニ『何で?』
自己嫌悪に陥っていたエレンに、アニはまた呟いた。
『何で?……何が何でなんだ……?』
理解できないアニの問いかけに、エレンは必死に頭を働かせた。
『考えろ……いったい、アニは何を聞こうとしているんだ?』
しかし、その努力も虚しく、答えを見つけることができなかった。
エレンは申しわけなさそうに、チラリとアニを見た。
そしてエレンは、何でアニはそんなことを言ったのかを理解した。
目の前のアニは、今まで見たこともないような弱々しい表情をしていた。目を落ち着きなく動かして、自信なさげにうつむいていた。
アニは、エレンがどうして自分に惹かれたのかを聞いていたのではなかった。突然の告白に思考停止してしまい、簡単な言葉しか口に出なかったのだ。
このまま考えても仕方がないと判断したエレンは、アニに近づいて彼女の肩に手を置いた。
急に現実に引き戻されたアニは、体をビクンとはねさせた。
エレン『なあ、答えてくれよ。お前は俺のことどう思っているんだ?』
エレンは力のこもった目でアニを見つめた。
しかし、アニはまだ視線をキョロキョロとしたまま、話そうとはしなかった。口から出てきたのも、言葉にならない声だった。
だんだん、エレンは苛立ちを感じ始めた。肩に置いた手に、無意識に力がこもった。
エレン『黙ってないで何か言ってくれよ!別に無理して俺のことを好きって言わなくていいからさ!』
叫んだ瞬間、しまった、と思ったが、それでもアニは黙っていた。
しばらくの間、二人は黙りこくっていた。
するとアニは、か細い声で呟いた。
アニ『か……考えさせて……一週間以内には……答えを出すから……』
そう言って、アニはおぼつかない足取りで去ってしまった。
一人残されたエレンは、ためこんでいた息を一気に吐きだした。
『これは……喜んでいいことなのか?』
即答で断られなかったことを考えれば、脈は皆無ではないのだろう……と思う。
『それにしても、あの反応は何だったんだ……?』
明らかに普通ではなかった。しかし、エレンにはその理由がわかるはずもなかった。
エレンは、首を振って余計な考えを吹き飛ばすと、できるだけ前向きなことを考えながら寮へ向かった。
数日後の深夜 女子寮
アニは目を覚ますと、勢いよく飛び起きた。
息は荒く、額には大粒の汗が浮かんでいた。頬を触ると、涙の跡が残っていた。
ズキン、と頭痛がした。アニは思わず呻いて頭を抑えた。
周りを見渡すと、どうやら全員眠っているようで、しんと静まりかえっていた。
そんな時間に起きるのは、アニにとって珍しいことだった。
別に体調を壊しているわけでもなければ怪我で寝つけない訳でもない。
だが、アニにはその理由はなんとなく見当はついていた。
アニは先ほどまで見ていた夢を思い返した。
そこは湖だった。いや、湖というにはあまりにも広大だった。なんせ、水平線の彼方まで水で満たされていたのだから。
その上を小さな船がポツンと漂っていた。そこに自分ともう一人、エレンがいた。
自分が静かに佇んでいると、エレンが自分を正面から抱きしめた。
エレンの胸に自分の頭がすっぽりと包まれている。
エレンが自分の耳元で呟いた。何と言っていたかは思い出せないが、そのときの自分はとても幸せそうに見えた。
鳥の鳴き声が聞こえる。日が水平線へ沈もうとしている。
自分はエレンを抱きしめ返そうとはしなかった。物のように微動だにせず立ったまま、エレンに抱きしめられ続けていた。
覚えているのはそこまでだ。
アニは自嘲した。夢の中ではどれだけ幸せそうにしていても、現実はそんなことになるはずはない。
エレンとアニが共に幸せになることはない。何故なら、自分は彼―――彼らと違うのだから。
ズキン、ズキン、と頭が痛む。
アニは横になって、そのまま寝ようとした。しかし、頭痛のせいでまったく眠れそうになかった。
アニは頭まで布団を被った。しばらくその状態でいて―――ふと思った。
自分と彼らはどこが違うのだろうか。
彼らと一緒に訓練をした。彼らと一緒に食事をした。彼らと一緒に笑いあった。
しかし、些細な思想の差はあれど、明らかな違いは一つもなかった。
もしかしたら、自分も彼らと同じ存在ではないだろうか。
いつの間にか頭痛が治まっていた。
アニは布団から顔を出すと、改めて目を閉じた。
うとうとと眠気がやってきた。それに従ってアニは意識を手放した。
眠い。から、寝る。
一週間以内には再開する。
10時くらいから途中まで投下する。
数日後の夜 食堂
訓練を終えた彼らは、どこか嬉しそうな表情で食事をとっていた。
明日は休日である。命を落とすかもしれない訓練を日々行っている彼らにとっては、その時間は数少ない心身ともに休まる時なのだろう。
しかし、今のエレンにはそのような雰囲気など微塵も感じさせなかった。
『あの告白から今日で一週間だ……忘れてないよな……?今日答えてくれるんだよな……?』
告白をしてから、エレンは何となく気まずくて、今日までアニに話しかけることができなかった。
また、アニもエレンに話しかけてこなかった。
つまり、二人は一週間近く会話をしていないのだ。そのようなことは最近なかったので、エレンはずっとこの期間、落ち着くことができなかった。
だが、アニが約束を違えていなければ、それも今日で終わりのはずだ。
ほとんどの者が食事を終え、それぞれ寝室に向かっていたが、まだエレンは座ったまま動かなかった。
すると、突然後ろから肩に手を置かれた。
アニ『エレン』
エレン『うひょっ』
情けない声をあげながら、エレンは飛び上がった。
アニ『何やってんの?』
エレン『な、な、何でもねえよ!』
情けない姿を見られたエレンは精一杯虚勢を張った。
それに対して、アニは以前と変わらない様子だった。まるで、自分だけが悩んでいたかのようで、エレンはなんとなく不満に感じた。
エレン『それで……何の用だよ』
アニ『ああ、あんた明日暇?』
エレン『ああ……まあ、特に予定はないな』
アニ『ならさ、明日は私に付き合ってよ。いろいろ行きたい場所があるんだ』
エレン『はあ?』
アニ『どうなの?行くの?行かないの?』
エレン『……その前にさ、答えてくれよ』
アニ『何を?』
エレン『一週間前のことだよ。ずっと待ってんだぞ』
エレンは「告白」とは言わなかった。その言葉を口に出すのはなんとなく恥ずかしかったからだ。
しかし、そんな小さな葛藤などまったく気付かず、アニは事も無げに言った。
アニ『ああ、そのことね。明日言おうと思っていたんだけど』
エレン『明日!?まだ待たなきゃいけないのかよ』
アニ『別にいいでしょ。で、どうするの?』
この時、エレンは思った。
『アニと二人っきりでいろんな所に行くって……もしかして、これってデート……なのか?』
振るつもりの相手を普通はデートに誘うまい。ということは、これは脈があるということなのだろうか。
下降気味だったエレンの気分が上昇し始めた。
エレン『わかったよ。一緒に行こう』
翌日の朝、エレンが待ち合わせの場所に行くと、既にアニはそこにいた。
エレン『よう』
アニ『遅い』
エレン『まだ約束の時間前だぞ』
アニ『それでも女の子を待たせるもんじゃないよ』
エレン『なんだそれ』
軽口を言い合うのも久しぶりだった。エレンは、今日来てよかったな、と既に思い始めた。
エレン『じゃあ、行きたい場所を教えてくれよ』
アニ『待ちなよ。何か言い忘れてることがあるんじゃない?』
エレン『?何だ?』
アニ『それは自分で考えな。言っとくけど、それを言わない限り、私は動くつもりはないよ』
エレンは首をかしげた。いったいアニは何を言っているのだろうか。
アニ『ほらほら、早く何か言いなよ』
アニはその場でクルンと回った。
そういえば、アニの私服を見るのは初めてだった。
エレンは、アニの頭からつま先までじっくりと見た。
少し女の子っぽすぎるような気もするが、彼女のワンピース姿はよく似合っていた。
エレン『あ……』
アニ『何?』
アニは期待した目でエレンを見上げた。
エレン『アニ、今日も綺麗だな』
アニ『……』
アニは頬を赤く染めると、エレンの脚を軽く蹴った。
エレン『痛っ、何すんだよ』
アニ『うるさい』
エレン『何だよ、間違っていたのか?』
アニ『そうだよ。違う、全然違う』
しばらく、アニは顔を赤くしながら、エレンの脚をげしげしと蹴っていた。
やがて、アニは蹴るのをやめると、今度は小さな声で呟いた。
アニ『その……本当はうれしい……ありがとう……』
エレン『え、何だって?』
エレンは聞き返した。
また、アニはエレンの脚を軽く蹴った。
アニ『何でもない。ほら、さっさと行くよ』
『それから、俺たちはいろんな所を歩き回った。服や雑貨を見て回ったり、一緒に食事もした。
アニは、とても楽しそうだった。いつもは仏頂面だったその顔も、よく笑顔になった。
俺もとても楽しかった。
もし、これからもこんなことができるのなら、それはとても幸せなことだろうな、と思った』
…………………………
エレンは空を見上げた。
まだ十分に日は高いが、あまりギリギリに帰るのはやめたほうがいいだろう。
エレン『もうそろそろ帰らないか?』
そう言うと、アニはふてくされたような顔をした。
アニ『なんだい、まだいっぱい時間はあるじゃないか』
エレン『そりゃそうだけどよ……』
アニ『もっと楽しまなきゃもったいないよ。せっかくのデートなんだからさ』
そう言って、アニは微笑んだ。
『やっぱりデートだったのか……』
デートという言葉の誘惑は、エレンの兵士としての心構えをすっかりととろけさせた。
エレン『そうだな。もう少し遊ぶか』
アニ『ふん、そうこなくちゃ』
アニはまた、嬉しそうに微笑んだ。
ふと、エレンは遠くの方を見た。
アニ『どこを見てるの?』
エレン『ああ……ちょっとな……』
エレンの顔に物憂げな表情が浮かんだ。
エレン『あの壁の向こうに……シガンシナがあることを思い出して……』
アニ『……』
エレン『ウォールローゼも、今では平和なように思えるけど、それがいつまでも続くはずなんてあるわけがない。もし超大型巨人がまた現れたら、ここも俺の故郷みたいに……』
エレンは申しわけなさそうに頭をかいた。
エレン『今話すようなことじゃなかったな。すまん』
エレンはアニの顔を見た。
アニの顔は真っ青になっていた。さらに、何かに耐えているかのように、歯を食いしばって震えていた。
エレン『おい!大丈夫か!』
あまりにも急激な変化に、エレンは慌てて呼びかけたが、アニは答えなかった。
やがて、アニの瞳から大粒の涙が溢れ出した。
エレン『おい!どうした!?具合が悪いのか!?』
アニ『……だ……大丈夫……だか……ら……』
どう見ても大丈夫なようには思えなかった。
しかし、どう問いかけてもアニは「大丈夫だから」としか答えなかった。
エレンはどうすればよいのかわからず、アニの背中をさすることしかできなかった。
数十分くらい経って、ようやくアニは落ち着いてきたようだ。
しかし、アニの目と鼻はすっかり赤くなっていた。
アニ『ごめん……迷惑かけたね……』
エレン『いや……もう大丈夫か?』
アニ『ああ……』
二人は気まずい雰囲気になり、しばらく黙ってしまった。
『何で泣き出したのか聞いていいのか……?それとも、聞かれたくないことなのか?』
エレンが思い悩んでいると、彼の腕をアニがつかんだ。
アニ『今から行きたいことがあるからついてきて』
そう言うと、エレンの言葉を待たずに、無理矢理歩き出した。
二人が歩くにつれて、だんだんと人の気配が減っていった。
エレン『おい、どこ行くんだよ?』
エレンは聞いたが、アニは何も答えずにどんどん進んでいった。
仕方なく、エレンはアニのされるがままにした。
やがて、だいぶ街から離れたところにある建物の前で、アニは足を止めた。
エレン『ここは……宿か?』
アニ『そうだよ』
エレン『泊まれねえだろ。何考えてるんだよ?』
アニ『ここは連れ込み宿っていって……まあ、休憩のためのところだよ。だから泊まりはしないよ』
そう言って、アニは宿の中に入っていった。エレンもそのあとについて行った。
部屋の中は、宿にしてはかなり狭かった。まあ、アニが払った料金を見た限り、しょうがないことなのだろうが。
アニは、この部屋には似つかわしくない、やたら大きくしっかりとしたベッドに腰を下ろした。
エレンもその隣に腰を下ろした。
エレン『何でこんな所に寄ったんだ?』
アニ『誰にも見られちゃいけないから……声もここなら聞かれないし……』
アニはそう言って、しばらくうつむいて黙りこくった。
アニは躊躇しているようだった。おそらく、今からアニが言おうとしていることはとても重大なことなのだろう。
エレンは何も言わずに、アニが話し始めるのを待った。
アニ『あのさ……』
エレン『何だ?』
アニ『あんたは……巨人を憎んでるんだよね』
エレン『ああ、そうだけど』
アニ『もし、私が巨人の仲間だとしたら、どうする?』
エレン『は?』
ライナー・ベルトルト「!!?」
エレン『何わけわかんねえこと言ってんだ?』
エレンは呆れながら言った。それもそうだろう、人間が巨人の仲間になるはずがないのだから。
しかし、アニは依然としてうつむいたまま、ぼそぼそと独り言のように呟いた。
アニ『あんたたちとは違うんだ……私は仲間なんかじゃない……なのに……もう限界だ……』
エレン『アニ?さっきからどうしたんだ……』
アニはエレンと顔を合わせた。
アニは笑っていた。しかし、その笑顔には、不安や後悔といった、さまざまな負の感情がないまぜになっていた。
やっとエレンは、アニがただの冗談を言っているのではないと察した。
アニ『ねえ、私はあんたの仲間じゃない。敵、ただの敵。教えてよ、それを知ったあんたは……どうするの?』
エレン『……』
ニア1.殺す
2.お前が敵なわけがないだろ
3.お前は嘘が下手だな
一同「……」
アルミン「……何だこれ……?まるで意味がわからない……」
いきなりの超展開に、ほぼ全員が話についていけなかった。
しかも、今出てきた三つの選択肢。これを間違えたらとんでもないことになる気がする、アルミンはそう感じていた。
ライナー「どういうことだこれは……?」
ベルトルト「さあ……わからない……」
周りの人たちもざわついている。それほどまでにこの展開は、今までの話と比べて異質だった。
しかし、どれだけ異常であろうと、選択肢がある限りは彼らは進まなければならないのだ。
だが、彼らにはどれが正解かわからなかった。1は明らかな地雷だろう。しかし、2と3、どっちが天国でどっちが地獄か、まったく予想できなかった。
童帝・maruko降臨が来るか
アルミン(そうだ!マルコに……)
そう思ってマルコを見たアルミンは愕然とした。
マルコは頭を抱えてうなだれていたのだ。
いつもは謎の自信に満ちあふれていた彼であっても、今回の答えがわからなかったのだ。
マルコが今まで正解を導くことができたのは、彼はあらゆる状況を想定して自慰行為をしてたからだ。
実はミカサと遠い親戚だったという設定、性欲を持て余したミーナを調教するという設定、サシャにフランクフルトを毎日餌付けするという設定……彼の妄想の中では、自分はあらゆる状況を経験した百戦錬磨だった。
しかし、この状況はまったく考えたことがなかった。アニをオカズにするときは、逆レイプからの主導権奪取という流れが主だったからだ。
マルコは自分の不甲斐なさを責めた。どうして、今までこの設定の自慰をしてこなかったのかと。彼は拳を強く握りしめた。
アルミン「みんな、悩んでいても仕方がない。多数決をとろう」
マルコが当てにならない以上、その方法しかとることはできなかった。
多数決の結果、2を選ぶことになった。
1.殺す
ニア2.お前が敵なわけがないだろ ピコ
3.お前は嘘が下手だな
エレン『お前が敵なわけがないだろ』
アニ『何でそう言い切れるの?』
エレン『何でって……証拠がないだろうが』
まだ無意味な問答を続けようとするアニに、エレンは腹を立てた。
しかし、アニの顔から一瞬で感情が消え去った。
アニ『証拠を求めるってことはさ……証拠があったなら私を殺すってことだよね』
エレン『は?』
アニ『気にしなくていいよ。それが当たり前のことだろうから。今までがおかしかったんだ』
アニは指にはめた指輪をいじりだした。
アニ『よかったよ……あんたが普通の人間で……』
エレン『おい、さっきから何を……』
アニ『これで、私は戦士でいられる』
パチン、と音がした。
突然、画面が暗転した。
場面が切り替わった。プロジェクターには澄み切った空が映っていた。
『何だよ……』
遠くから怒号が聞こえる。
だが、そっちを見ようとしても体が言うことをきかなかった。
『今までのことは、全部嘘だったのかよ……』
画面の端から、ゆっくりと赤色に染まっていく。
やがて、雷鳴が轟いた。しかし、空はいまだに晴天である。
『こんなはずじゃなかったのに……』
少しずつ視界がぼやけていく。耳に届いてくる悲鳴や怒号も、うわーん、と反響して、やがて遠くなっていった。
意識が薄れていく中、地響きがそこら中で聞こえた。忘れもしない、あの絶望の始まりの音。
『くそが……ここで終わってたまるか……く……ちく……し……て…………』
もう空は真っ赤に染まっていた。
やがて、それさえも見えなくなり、エレンの意識は闇に覆われた。
『game over』
とりあえず一旦終了する。
続きは早ければ今夜、遅ければ一週間後に投下する。
アニのワンピース姿は絶対かわいい。間違いない。
8時半くらいから投下します。
といっても、また途中までだけど。
一同「……」
彼らは無言のままうなだれていた。
初めてのバッドエンド。今まで滞りなくセックスを視聴していた彼らにとっては、それはあまりにもダメージが大きかった。
コニー「なあ……本当に終わっちまったのか?」
現実を受け止めることができず、コニーは周りに尋ねた。
コニー「なあ……」
しかし、誰もそれに答えなかった。否、答えることができなかった。その余裕すらないほど打ちのめされたのだ。
コニーは自らの行為の無意味さを悟ると、彼らと同じようにうつむいてしまった。コニーの息子もションボリしてしまった。
ライナーは彼の肩に手を置いた。それは、無言の慰めであった。
ジャンは顔を覆った。あれだけ精一杯がんばったのに、現実は無情なのだ。
ジャン「終わっちまったな……なにもかも……」
アルミン「それはどうかな?」
ジャン「何だって?どういうことだアルミン」
アルミンはコンピュータを操作した。すると、プロジェクターに始めの画面が映った。
『はじめから』
『つづきから』
『ギャラリー』
ベルトルト「『つづきから』だって……まさか!」
アルミン「そうだよ。君が思っているとおりだ」
アルミンはスクッと立ち上がると、姿勢をピンと伸ばし、大きく胸を張った。
アルミン「君たちが話し合っているときに、僕はある行動を起こしていたんだ。それはセーブをすることだ」
エレン「セーブってなんだ?」
アルミン「セーブはね、その場面で一時保存することで、一度中断してもその保存したところから再開することができるシステムだよ」
ジャン「て……いうことは……」
アルミン「そう、まだ終わっていないんだ!」
トーマス「で……でも、もしもまたあんな終わりかたしたら、俺はもう耐えられない……」
トーマスは消えてしまいそうな声で言った。
トーマスだけではない、他にも大勢の者がうつむいたままだった。
幸せだけを与えるはずのコンピュータから受けた悲劇。温かい皮に包まれていた童貞には、あまりにも辛い出来事なのだ。たとえ希望がその先にあるとしても、恐怖が彼らの足を離さなかった。
アルミン(駄目だ……考えることを放棄してしまってる……)
興奮していたアルミンも、徐々に落ち込んでいった。
アルミン(せっかくみんなとオナニーするはずだったのに……まだ大丈夫だと思っていたのは僕だけだったのか……?)
脱落した者は諦めて、希望者だけで続きをするという選択肢もあった。
しかし、アルミン―――いや、彼らが望んでいるのはそんなものではない、孤独ではないのだ。一致団結して自慰することで得られる一体感、仲間との絆なのだ。
アルミンの眼から一筋の涙がこぼれ落ちた。
部屋の中は、まるで葬式のようだった。
もう終わりだ……誰もがそう思ったその時。
一人の童貞が立ち上がった。
マルコ「君たちはここで諦めるのかい……?君たちの性欲はそんなものなのかい……?」
マルコは彼らに問いかけた。
しかし、ほとんどの者は絶望の表情を浮かべたまま黙りこくっていた。
マルコは突然、ドン、と大きく足音をたてた。
突然の音に、うつむいていた彼らは驚いてマルコを見た。
マルコは、作戦通り自分に注目が集まったことを確認すると、自らの一物にまとわりついている包皮をトゥルンと剥いた。
あまり刺激を受けていないことがうかがえる薄桃色の亀頭から、ぬらぬらと先走り汁が溢れていた。光が反射し、彼のブレードが光った。
マルコ「僕の性欲は強い……君たちより強い……すごく強い!……ので、僕は……オナニーすることができる……例えば……一人でも……」
マルコは彼らの視線を一身に浴びていた。
しかし、マルコは萎縮しなかった。ここで負けたら、仲間を導く資格などない。
マルコ「君たちは……童貞なばかりか……無欲でインポだ……とても……残念だ……」
フランツ「俺は童貞じゃないよ」
マルコ「もうここで服を着ればいい……着て寝ろ」
マルコはプロジェクターに体を向けた。彼らは、マルコから確固たる意志を感じとった。
マルコ「オナニーしなければ……萎えるだけ。でも……オナニーすればイク。戦わなければ勝てない」
童帝キターーー(*´∇`*) マルコwww
マルコは演説を終えると、彼らの反応を待った。
彼らは呆気にとられていた。そして、諦めていた自分を恥じていた。
アルミンは立ち上がった。そして、静かで、しかし力強い声で最後の発破をかけた。
アルミン「さあ、一緒にオナニーするんだ。ここでやめたら、本当にインポになっちゃうよ」
始めは少しだったが、だんだんと彼らに静かな波紋が広がった。
ジャン「そうだな……ここでやめるわけにはいかねえよな」
ジャンはそう言うと、戦闘態勢に入った。
それに続いて、他の者も一斉に構えた。
そして、一心不乱に一物を刺激した。萎えてしまった男魂を全力で勃たせているのだ。
そしてついに、彼らの男魂は再燃を果たした。
アルミン「さあ、続きを始めよう」
ライナー「ちょっと待ってくれ。今から便所行きたいんだが……」
アルミン「わかった。なら待っているよ」
ライナーはベルトルトを見た。
二人の視線が交差する。ベルトルトは、ライナーが何かを伝えたいことを理解した。
ベルトルト「じゃあ、ついでに僕も行くよ」
アルミン「うん、いってらっしゃい」
エレン「早まってシコるんじゃないぞ」
二人は仲間たちに見送られて退室した。
しかし、彼らは便所には入らず、その前で立ち止まった。
ライナーは周りに人の気配がないことを確認すると、小声で言った。
ライナー「なあ、あれをやめさせたほうがいいんじゃないか?」
ベルトルト「な……何で?」
ライナー「言わなくてもわかっているだろ」
ベルトルト「……」
ライナー「あれには、何故かは知らんが、俺たちの秘密が記されている可能性がある……このままいくと、俺たちの正体がバレてしまうかもしれない」
ベルトルト「うん……」
ライナー「今ならまだ、そういう話だったですむ。だから戻ったら中止にさせるぞ」
ベルトルト「ど……どうやって?」
ライナー「部屋についたとき、足が滑ったとかで俺がコンピュータを蹴飛ばす。あいつらは怒るだろうが、秘密のためならそうするしかない」
ベルトルトは黙っていた。ライナーは、それを了承と判断した。
ライナー「じゃあ行くぞ。あまり席を外すとあやしまれるからな」
ベルトルトはライナーの腕をつかんだ。
ベルトルト「待ってくれ。僕は続きが見たい」
ライナーは驚きの表情を浮かべて振り返った。
ベルトルトは申しわけなさそうな顔をしていたが、彼の決意は固かった。
ライナー「お前……自分がを言っているのかわかっているのか?」
ライナーはベルトルトに聞いたが、彼は黙ったままだった。
ライナーはベルトルトの胸倉をつか―――もうとしたが、二人とも全裸だったので、代わりに乳首をつねった。
ベルトルト「うっ」
ライナー「ベルトルト……俺たちの使命を忘れていないよな」ギュー
ベルトルト「うっ、うん……」
ライナー「なら、どうすればいいかわかるだろ?」ギュー
ベルトルト「あっ、ああ……だけど……」
ライナー「ベルトルト……俺たちは戦士だぞ」ギュー
ベルトルト「だけど、男だ」
>乳首をつねった。
!?(°д°)ホモェ…
ライナーはベルトルトの眼を見つめた。
ベルトルトからは、わがままを言っている子どもの雰囲気は微塵も感じなかった。彼から感じたのは、初志を貫徹しようとする戦士の意志だった。
ベルトルト「僕は……ずっと前からアニの裸を見たいと思っていた……君も知っているだろう?アニが隠れ巨乳だということを」
今度はライナーが受けに徹する番だった。ベルトルトの乳首をつねったまま、彼の心の叫びを聞いていた。
ベルトルト「この機会を逃したら、きっと一生チャンスは訪れない……だから、僕は諦めたくない……アニのおっぱいを見たいんだ……」
二人はしばらく見つめ合った。
やがて、ライナーはベルトルトの乳首から手を離した。
ライナー「行くぞ」
ベルトルト「ライナー……」
ライナー「何つっ立っているんだ?アニのセックスを見るんだろ?」
ベルトルト「!ライナー……ありがとう……」
そして、二人は肩を並べて部屋に戻った。
アルミン「お帰り」
ライナー「すまんな、待たせてしまって」
アルミン「気にすることないよ。じゃあ、始めるよ」
『つづきから』 ピコ
アニ『ねえ、私はあんたの仲間じゃない。敵、ただの敵。教えてよ、それを知ったあんたは……どうするの?』
エレン『……』
ニア1.殺す
2.お前が敵なわけがないだろ
3.お前は嘘が下手だな
アルミン「じゃあ、3を選ぶよ」
一同は唾を飲み込んだ。彼らは期待と不安を感じていた。
1.殺す
2.お前が敵なわけがないだろ
ニア3.お前は嘘が下手だな
今日はここで終了。
次回は最後まで投下する。
一週間以内までにがんばる。
ちなみに、このエロゲを誰が作ったとか話に触れるつもりはないので。
今日の夜に投稿するつもり。
最後までエレアニ。
エレン『お前は嘘が下手だな』
エレンはそう言うと、強く握りしめられたアニの手を優しく包んだ。
アニの手が小さく反応した。
アニ『嘘じゃ』
エレン『お前は!』
アニがしゃべろうとするのを、エレンは無理矢理遮った。
エレン『お前は……人間だよ』
エレンの手に力がこもる。アニを見つめる彼の瞳には、有無をいわせぬ力が宿っていた。
アニは口を開こうとしたが、それに先んじて、エレンは早口で言った。
エレン『よく考えなくてもわかるだろ。お前はあんなにデカくねえし、知性の欠片もないやつじゃない。俺たちと何らかわりねえじゃねえか』
エレンは一度息を整えた。感情的にならぬよう気持ちを落ち着かせる。
エレン『お前は敵だって言ったけどよ、お前みたいな不器用なやつがスパイなんてできるわけないだろ』
それに、とエレンは続けた。
彼の頭の中で、さまざまな思い出が駆け巡る。彼女と過ごしたかけがえのない日々を。
エレン『お前は優しい奴だよ。すげえいい奴だ。ずっとお前を見続けた俺が言うんだ、間違いねえよ』
いつの間にか、アニの顔から表情が消えていた。
エレンは包んでいた手を離すと、優しくアニの体を抱きしめた。
エレンは、抱きしめたまま何も言わなかった。拙いながらも、言葉に出せることはすべて言った。これから伝えるのは、おそらくどうやっても言い表すことはできないだろう。
アニは、エレンに抱かれたまま微動だにしなかった。
エレンの体から温もりを感じた。心地よくて、とても安心する温かさだった。
その温もりに、彼女は覚えがあった。信じるという心、愛するという心。かつて彼女が与えられていたものだった。
でも、どうしてだろうか。今のアニには、まるで霧がかかったかのように、その相手が誰だったのかよく思い出せなかった。
エレンは、長い間アニを抱きしめていた。もし、これから何も起こらなかったなら、彼はずっとそのままでいただろう。
エレンの胸の中で、アニが身じろぎをした。やがて、か細い声で彼女は言った。
アニ『いいのかな……私なんかが幸せになっても……』
アニを抱きしめる力が強くなった。エレンは彼女の耳元で、力強く呟いた。
エレン『当たり前だろ……俺が幸せにしてやるよ』
アニの目からまた涙がこぼれ落ちた。今度の涙は、決して辛いものではなかった。
アニの心に温かな感情がわき上がる。それは、先ほどまでの彼女の葛藤を少しずつ、涙とともに流していった。
アニ『好き……好きだよ、エレン』
ついにアニは、ずっと隠していた心を口にした。戦士として生きるにはあってはならない感情。それでも、彼女は言わずにはいられなかった。
エレン『ああ……俺も好きだ』
アニは静かに泣いた。その涙は、彼女が苦しませていたものをゆっくりとかき消していった。
アニは泣きやむと、エレンの抱擁から離れて彼の目を見つめた。
エレンもまた、アニの目を見つめ返した。
アニは目を閉じた。
エレンはアニの顎を軽く持ち上げると、ゆっくりとキスをした。
まずは、唇の感触を確かめるように軽く押しつける。しっとりと濡れたそれは、初めて味わう柔らかさだった。
エレンは一旦唇を離して、顎を支えたままアニの顔を見た。
初めて会ったときは冷たくあしらった彼女が、今では自分とキスすることを求めている。エレンは感慨深く感じた。
エレンがしばらくアニの顔に見とれていると、アニの目が薄く開いた。そして、また閉じた。
アニが望んでいるとおりに、エレンはまたキスをした。
今度は唇のさらに奥まで、舌を使ってアニの口内を潜っていく。舌先が彼女の舌に触れると、アニは自ら舌を絡ませてきた。エレンもそれに呼応した。
水音をたてながら、お互いに自分の唾液を相手に与える。そして、代わりに相手の唾液を受け取り、よく味わったあと飲み込んで自分のものにした。
二人の唇が、まだ物足りなさそうに離れていった。
お互いに瞳を見つめ合う。
何も言わずとも、これからすることを互いに理解していた。
アニはベッドから立ち上がると、エレンに背中を向けた。
エレンもそれに続いた。
エレンは服を脱ぎ始めた。
後ろで衣擦れの音がする。しかし、エレンは振り返らなかった。
やがて、エレンは一糸まとわぬ姿になった。彼の一物は怒張し、ピクピクと脈うっていた。
既に、後ろから衣擦れの音もなくなっていた。
エレンは期待に胸を膨らませながら、ゆっくりと後ろを振り向いた。
そこには、何度も想像した裸のアニがいた。自分の裸体を隠そうともせず、むしろ見てくれと言わんばかりに立っていた。
鍛えられてしっかりと引き締まった肉体。白い肌。綺麗に処理されて無毛となっている女陰。どれも垂涎ものだった。
しかし、エレンの視線を釘付けにしたのはそれらではなく、小柄な体型にしては随分と成長した乳房だった。左胸にある小さなほくろがさらに立体感を感じさせた。
既に勃起していたエレンの一物が、一回り大きく膨らんだ。
アニはベッドの上に移って仰向けになった。ベッドがギシッと音をたてた。
エレンもベッドに移り、アニの上で四つん這いになった。
アニ『エレン……』
アニが恥ずかしそうに顔を赤らませながら言った。
エレン『何だ?』
アニ『もう一度、好きって言って……』
エレンはキス寸前まで顔を近づけた。
照れからか、アニは目を一瞬そらしたが、すぐにまたエレンの瞳を見つめた。
エレン『アニ、好きだ……お前が望むなら、何度だって言ってやるよ』
アニ『ありがと……私も好きだよ……』
アニは嬉しそうに笑った。
そして、二人はまたキスをした。
エレンはしばらくキスを堪能したあと、唇をつけたまま、つー、と、頬、顎、首筋、鎖骨へと流れていった。そして、目的地である豊満な胸へとたどり着いた。
目の前にある女性の象徴を見て、エレンはなぜか穏やかな気持ちになった。
エレンは左右の乳房をそれぞれつかんで広げると、その谷間に顔をうずめた。
そこはしっとりとしており、意外と汗くさかった。しかし、男の夢に包まれたエレンはまったくそんなことは気にせず、顔の横でそびえ立つ両の乳房で、何度も顔を圧迫した。
エレンは顔を離すと、今度は乳房そのものを楽しんだ。
指をあてると沈み、動かすととたぷんたぷんと揺れた。視覚的にも触覚的にも最高のものであった。
アニ『そんなに胸がいいの?』
エレン『ああ、最高だ。最高のおっぱいだ……』
アニ『そう。あんたの好きにしていいよ。この体はもうあんたのものだ』
じん、と足から痺れるような感覚がわき上がった。エレンは思わず身悶えした。
エレンは乳首に口をつけると、激しくむしゃぶりついた。もう一方の乳房は、手で揉みしだき、人差し指で乳首をこねくり回した。
アニは、始めはあまり反応がなかったが、時間が経つにつれて息を荒くし、身じろぎをした。指でつまむと、アニの乳首はコリコリと固くなっていた。
エレンは唇をつけたまま、また下へと流れていった。肋骨、へその坂を下り、手入れされた無毛の草原を横切ると、やがて秘所地へとたどり着いた。
エレンはまず、視覚、そして嗅覚でそこを堪能した。軽く開いた縦筋も、そこから放たれる独特なにおいも、初めてそれを感じるエレンにとっては、彼の劣情を十分に高ぶらせた。
エレンはアニの尻から太ももあたりに手を添えると、彼女の陰部に顔をつっこんで犬のように舐め始めた。
割れ目の下部から舐め上げていき、舌を軽く膣に挿入し、終わりにクリトリスを跳ね上げる。この一連の動作を、何度も何度も繰り返した。もちろん、尻や太ももをさするのも忘れていない。
アニ『くっ……ふん……』
クリトリスが刺激されるたびに、アニの腰が軽く持ち上がり、エレンの顔に押しつけられた。
アニは体が動かぬよう、下半身に力を込めた。それでも、クリトリスが跳ね上げられるたびに体が震えた。
しばらくして、アニは太ももでエレンの頭を挟んだ。乳房とは違うその柔らかさもまた、格別であった。
舌が疲れ、エレンはアニの女陰から離れた。
何度も弄ばれたそこは、エレンの唾液と、それ以上のアニの愛液で濡れそぼっていた。
アニ『今度は……私の番だね』
アニは起きあがると、猫のように伏せた。
エレンは後ろに手をついて、アニに向けて股を開いた。その間から、立派にそびえ立つものが現れた。
アニはそれに顔を近づけると、手で玉袋を下から持ち上げて、竿に頬ずりをした。
そして、玉筋から上へと舐め上げた。亀頭までいくと、舌先でチロチロと蛇のように尿道口を刺激し、一気に頬張った。
アニは音をたてながら、エレンの一物にしゃぶりついた。歯がエレンの一物に何度も当たったが、それもまた快感としてエレンに伝わった。
アニは途中でしゃぶるのをやめると、今度は舌で亀頭や裏筋をねぶった。そしてまた、一物にしゃぶりつくのを繰り返した。
エレンは天井を仰いだ。情けない声が出そうなのをぐっと我慢し、シーツを握りしめた。
アニは、空いている手を自分の陰部にさしのべた。
アニは口淫をしながら自慰を始めた。二人の陰部からは水音がなり続けた。
エレン『ああっ……アニ、出る……』
エレンは精液が迸りそうになっているのを、一物に力を込めて我慢した。
しかし、アニは依然としてしゃぶることをやめなかった。
エレン『お、おい……出るから……出るから……』
やめるように促そうとしたが、快感がエレンの言語中枢を焼き切ってできなかった。
アニは頭の動きをさらに加速させた。
エレンに限界がくる。これ以上我慢すると、一物が爆発しそうだった。
エレン『ああぁ……出る……ああ!』
限界まで溜め込まれた精液が勢いよく射出された。
濃い精液がアニの口内にへばりつく。それは、のどの奥にも届いてしまった。
アニ『ぶっ!ゴホッゴホッ』
アニはむせて、胸を拳で叩いた。
エレンは心配半分、呆れ半分でその様子を見ていた。
エレン『ほらな……だからやめときゃよかったのに』
アニ『う゛っ、うるさいよ……テンション上がってたのよ……』
アニは口の中に唾液を溜めると、嚥下して無理矢理それを飲み込んだ。
アニが何度かのどをならしているのを、エレンは興味深そうに眺めていた。
アニ『何?』
エレン『あ、いや……どんな味だった?』
アニ『……マズいよ。すごくマズい。しばらくはゴメンだね』
アニはエレンの股間をチラリと見た。あれだけの量を射精したのに、まだ勃起したままだった。
アニは仰向けになると、股を開いて自らの女陰を広げた。ピンク色の膣壁は、もう我慢できないと主張するようにヒクヒクと収縮していた。
アニ『ねえ、もうそろそろいいんじゃないかな……』
積極的に誘惑するアニに、エレンは戸惑いを隠せなかった。
エレン『お前……何かエロいな……』
アニ『……いやらしい女は嫌かい……?』
エレン『……いや、むしろいい』
エレンはそう言うと、アニの股の間に座った。そして、一物をアニの膣口へあてがった。
エレン『入れるぞ……』
アニ『ああ……早く……』
エレンの一物が、ゆっくりとアニの体内に飲み込まれていく。
アニ『くっ……ふっ……』
アニは思わず息を漏らした。握りしめたシーツに深く皺がよった。
エレンのモノが、奥深くまで挿入された。
アニが意識せずとも、勝手に膣が収縮をしていた。
エレン『くっ……大丈夫か……?』
エレンの手に力がこもる。もし、一度射精していなかったら、既に彼の一物は果てていただろう。
アニ『私のことなんて気にしなくていいからさ……早く思う存分突きなよ……』
アニは息を荒げながら言った。もう彼女は、待ち遠しくてたまらないのだ。
エレンは抽挿を始めた。
始めはゆっくりだったその動きも、だんだんと加速していく。
エレン『はあ……はあ……くっ……』
アニの膣内の締まりは、口淫の時とは比べものにならなかった。
エレンがそれに病みつきになるのは時間の問題であった。
アニ『はっ……い、いいよ……あっ……』
アニは突き上げられるたびに、全身に快感が走った。
自慰では決して得られないその感覚に、アニはもう心を奪われていた。
エレンは、自分の性欲のままに腰を振り続けた。今の彼には、絶頂に達することしか頭になかった。
アニの胸がたぷたぷと揺れる。アニは握りしめたシーツから手を離すと、自分の乳房を弄り始めた。
二人は快感を享受し、また、相手に与えあった。二人はともに初めてであったが、どうしたら快感を得られるかを本能で感じていた。
エレンの一物の固さが増した。追い討ちをかけるかのように、エレンはさらに抽挿を加速させた。
エレン『あああ……イク…イク……』
アニ『あっ……はっ…はっ…はっ……くうっ!』
エレンが射精する前に、アニが達した。
アニの膣壁が強く締まった。
エレン『うあ!……はああ……』
それに呼応して、エレンも射精した。
精液が、アニの子宮へと飲み込まれていく。
エレンは尿道に残った精液を出し切るように、二、三度抽挿した。
敏感になった亀頭が受ける膣壁の運動は、思わず震えてしまうほどの快感だった。
エレンは一物を引き抜き、大の字になって休憩を始めた。
エレンは荒い息をはいた。一物もだいぶ固さを失っており、これ以上続けるには時間が必要だった。
アニ『ねえ、なに休んでんのさ。まだ終わってないよ』
アニは体を起こすと、エレンの一物を愛撫した。
エレンの体がビクッと震えた。
エレン『待て、アニ……少し休憩をとらせてくれ……』
アニ『……ふーん』
アニは不服そうに顔をすると、自らの愛液でぬめっている彼の一物に舌を這わせた。
エレン『うっ……お前何を……』
アニ『あんたは休んでていいよ。私が勝手にやっとくから』
アニはそう言うと、エレンの一物を再び頬張った。そして、まだ残っていた精液を思いきり吸い上げようとした。
エレン『ああ!……くっ……ふうう……』
エレンは思わず腰を浮かせた。射精したあとに与えられるその刺激は、敏感になってしまったそれにとっては、あまりにも快感が強すぎた。
チュポッ、と音をたてて、アニが一物を口から出すと、再び固くなっていた。
アニ『ほら、続きをするよ』
アニはエレンの体をまたぐと、排泄のときのように腰を下ろし、自ら一物を膣に挿入した。
アニ『はああ……ふっ…ふっ…』
ベッドがギシギシと音をたてる。
アニが一心不乱に腰を上下に振り続けるのを、エレンは黙って見ていた。
アニの豊かな胸が勢いよく揺れる。その下に目をやると、自分の一物が音をたてながら出たり入ったりしているのが見えた。
アニは腰を振りながらエレンの胸によりかかると、キスをして舌を絡ませてきた。
アニの口には自分の精液がこびりついていることがエレンの頭によぎったが、拒絶はしなかった。
エレンはアニの体を抱きしめた。エレンの胸に柔らかい感触が押しつけられる。
今の彼女は、先ほどまでの絶望に支配されたような雰囲気は微塵も感じさせなかった。まるで別人になったかのように、エレンの体を求めていた。
アニは下半身を動かして、激しく肌を打ちつけた。
やがて、エレンは射精した。アニの子宮にさらに精液が溜め込まれる。
アニが一物を引き抜くと、そこから精液が垂れ落ちた。
アニ『うっ……ふう。すごい量だね』
アニはシーツに落ちた精液を指ですくって弄んだ。
エレンは体を起こして、自分の一物を見た。
もう三回も射精し、一度は萎えてしまったにもかかわらず、まだ勃起を保っていた。
理由はわからないが好都合だった。エレンは限界までやろうと思った。
エレン『アニ、後ろからやるから四つん這いになってくれ』
アニは言われたとおりにエレンに尻を向けた。
エレンはアニの女陰に一物をあてがうと、亀頭で縦筋をこすった。
今か今かと待っているアニは、その焦らしに身悶えした。
アニ『ふっ……ちょっと……何で入れてくれないの……?』
エレン『欲しいのか?』
アニ『……いじわる』
アニは甘えた声で言った。それは、エレンに対してこうかはばつぐんだった。
今度こそ膣口にあてがうと、エレンは挿入した。
エレンはアニの腰をつかむと、激しく抽挿した。
肌を打つ音が響く。アニの肉付きのいい尻が波打ち、汗が飛び散った。
アニの性感帯をちょうど刺激しているのだろうか、彼女は先ほどよりも強く反応した。
アニ『あっ…はあ……くっ……ううっ……』
アニはベッドに顔を埋めると、シーツを噛んで声を殺した。しかし、それでも喘ぎは漏れる。
アニ『ううぅ……んー……んー……!』
エレンはアニの背中に覆い被さると、後ろから胸を揉んだ。手の形に合わせて変形するそれに、エレンはさらに興奮した。
途中で、アニは達したのだろうか、体をビクンと震わせると、前に倒れこんだ。
しかし、エレンは決して引き抜こうとはせず、うつ伏せに倒れたアニの上から、執拗に抽挿を続けた。
アニ『ふーっ!ん゛あ゛ーっ!』
オーガズムに達して敏感になったアニは、声にならない叫びをあげた。
しかし、エレンはそれでも抽挿をやめなかった。
やがて、エレンが射精すると、アニはもう一度大きく体を震わせた。
エレンは一物を引き抜いた。
エレン『うっ……ふう。どうだった?随分気持ちよさそうだったが』
アニ『ああ……悪くないよ。でも……』
アニはゴロンと仰向けになった。
アニ『やっぱり、あんたの顔を見ながらする方が、私はいいかな』
アニは誘うように微笑んだ。
エレンはまた挿入したい気持ちがわき上がってきた。
自分の一物の具合を確認する。まだ十分に勃起しており、あと一回はいけそうだった。
エレンはアニに近づいて挿入の体勢に入った。
エレン『アニ、あともう少し頑張ってくれ……』
アニはコクリとうなずいた。
エレンは一物を奥深く挿入し、アニに覆い被さった。
エレン『はあ……はあ……はあ……』
あれほど射精したせいか、今回はなかなか達しなかった。
しかし、エレンは途中で萎えたりすることなく、無心で腰を振り続けた。
パン、パン、と乾いた音が響く。また、二人の結合部からは、かき混ぜられて泡立った精液が粘着質な音をたてていた。
部屋の中は、二人が分泌したもののにおいが充満し、それがさらに二人の劣情を煽った。
何度もこすられすぎて、アニは膣に痛みを覚え始めた。
しかし、興奮が快感を引き立て、それをかき消した。
アニの股の間を、エレンの一物は気の遠くなるほど抽挿を繰り返した。
アニはエレンの温もりに包まれながら、これからの生活を妄想していた。
自分たちはまだ子どもだ。おそらく、幾度も困難が待ち受けているだろう。
だけど、二人だったらきっと乗り越えられる。二人だったらきっと幸福になれる。
アニの胸は、温かい気持ちでいっぱいになった。
永遠にも思えるような時間、エレンは抽挿をし続けて、ようやく精液が立ち上る感覚を感じた。
エレン『アニ……イク、イクぞ……』
エレンは絞り出した精液を射出しようと、腰の動きを加速させた。
アニ『うん……あっ……きて……エレン……』
アニの膣壁がギュッと収縮し、彼の一物の手助けをした。
二人は、痛みにも似た強い刺激を感じた。それでも二人は、力を抜こうとはしなかった。
やがて、力を蓄えた精液が、尿道を駆けのぼった。
エレンは叩きつけるように奥深くまで挿入した。そして、精液が溢れ出した。
エレン『ぐっ!……くっ……』
アニ『あうっ!……あっ……はぁ……』
エレンは体を弓なりに伸ばし、奥深く、さらに奥深くへと射精する。
やがて、エレンは崩れ落ち、荒い息を吐きながらささやいた。
エレン『アニ……好きだ……これからも……ずっと一緒にいよう……』
アニ『うん……私も好きだよ……よろしく……ね……』
体力を使い果たしたエレンは、一、二時間程度仮眠をとることにした。彼の顔はどこかやりきったかのように満足げである。
その横で座っているアニは、体を抱えて震えていた。
アニ(今……私は何をしてた……?)
アニの女陰から精液が垂れた。それが、すべてを物語っていた。
自暴自棄になっていたとか、そんなくだらないことではなかった。
記憶を失っていたのだ。自分の秘密も、使命のことも、それから父のことも。
最近、それらのことがふと夢であるような感覚にとらわれることがあった。自分は、他の人となんら変わらない、ただの人間なんだと思ってしまうのだ。
その時の間は、自分の「戦士」としての人格が消え、代わりに「女」としての人格に移り変わった。
何でそうなってしまったのか。理由は明白である。
エレンがアニに告白したあの日から、彼女の歯車は狂い始めたのだ。
一人の女として幸せな人生を送りたい、そんな当たり前な―――しかし、アニが決して持ってはならない欲求が、彼女の人格を分裂させてしまったのだ。
アニはエレンの顔を見た。その瞳には、行為におよんでいた際に湛えていた恋情はどこにもなく、ただ恐怖だけが浮かんでいた。
エレンはアニを愛し、アニもまたエレンを愛している。しかし、彼が愛するほど、彼女の心を壊してしまうのだ。
『お前は……人間だよ』
エレンの言葉が、アニの頭の中で反響する。
アニの目から涙が溢れた。
アニはおぼつかない足取りで、脱ぎ捨てられた服を拾った。
『俺が幸せにしてやるよ』
アニは歯を食いしばった。立ち止まりそうな心を必死に動かした。
アニは戦士であることをやめてはならない。どれだけ心が折れようと。
何故なら―――
『約束してくれ……帰ってくるって……』
父と、約束したから。
エレンは目を覚ました。
まだ寝ぼけているのか、体を起こしてもしばらくぼんやりとしていた。
しかし、あることに気がつくと、目をカッと開いて辺りを見回した。
『アニが……いない!』
ベッドから飛び起き、すぐさま服を着て宿を出た。
もう既に、日は沈もうとしていた。
エレンは、不安を振りきるように、寮まで走り出した。
エレンが寮に着いたのは門限のギリギリだった。しかし、そんなことはどうでもよかった。
エレンは辺りを見回して、アニの姿を探し回った。
しかし、アニの姿はどこにもいなかった。
様子がおかしいエレンを気にして、ミカサは声をかけた。
ミカサ『エレン、誰を探しているの?』
エレン『アニは……アニは帰ってきたか?』
ミカサ『いや、見ていない。何かあったの?』
エレンはミカサの質問を無視して、走りだそうとした。それをミカサは片手で制した。
ミカサ『待って。どこに行くつもり?』
エレン『離せ!アニを探すんだよ!』
ミカサ『もう門限は過ぎている。今から外出してはいけない』
エレン『それでも行くんだよ!』
エレンが暴れていると、騒ぎに気づいた人が集まってきた。
それに気づいた教官が来たことで、とりあえずその場は収まった。
その日、アニは帰ってこなかった。翌日も帰ってこなかった。
アニは脱走兵とみなされた。
エレンは営倉で膝を抱えていた。
先日暴れ回ったことで、数日間の謹慎処分になったのだ。
エレンはあの宿での出来事を思い返していた。しかし、その目はどこか冷めていた。
『本当に、お前は嘘が下手だったな……』
実は、エレンはあの時、アニが言っていることが嘘ではないということを察していた。
だが、それでも彼はアニを求めたのだ。そして、自分と一緒にいるのなら、必ず幸せにすると言ったのだ。
それなのに、アニはエレンから離れてしまった。
『何でだよ……人を殺すのが、俺よりも大事なことなのか……?』
エレンは拳を握りしめた。
今のエレンは、哀しみは微塵も感じていなかった。彼が感じているのは、憤怒、そして憎悪―――。
『クソが……最低のクソ女だよお前は……あんだけ期待させといて裏切るなんてよ……どんなふざけた性格していたらそんなことができるんだ……』
拳を握りしめすぎて、爪が皮膚を破った。手から一筋の血が流れた。
『お前が奴らの仲間だというのなら……俺はためらわない。……駆逐してやるよ……』
エレンの眼光が鋭く光った。
数年後 ウォールマリアの巨大樹の森
その入り口から、点々と死体が転がっていた。
ある死体には上半身がなく、ある死体は木に叩きつけられてこびりついていた。
体が欠損していない死体は皆無だった。
死体は森の奥まで続いていた。数は五十は超えているだろう。
その死体がなくなったところに、少年と少女は立っていた。
エレン『アニ……お前はここまでだ』
エレンはブレードをアニの首筋にあてた。
エレンの体は大量の返り血を浴びていた。
アニは無言だった。
アニもまた返り血を浴びており、顔にはケロイドのようなものができていた。
エレン『人を殺すのは楽しかったか?』
アニ『……』
エレン『お前が殺したやつらの中には、俺たちの同期もいたんだぞ』
アニ『……』
エレン『人殺しの考えなんざわからねえが、どんな大義があってこんなことをしたんだ?』
アニ『……』
エレンはたたみかけるようにまくしたてた。しかし、アニは一切しゃべらなかった。
エレンがブレードを持つ手に力がこもった。
他にも言いたいことがあったが、エレンは話しても無駄だと判断した。
しかし、どうしても聞かなければならないことが一つあった。
エレン『なあ、アニ……教えてくれよ……どうして、俺のそばにいてくれなかったんだ……』
アニはまた無言だったが、エレンは言葉を待った。
そして、アニはポツリと呟いた。
アニ『父さんと約束したから……』
アニは指を自分の口元にもっていった。
エレンは振りかぶると、ブレードをアニの首に叩きつけた。
気だるさを感じていたアニの体が、ふと軽くなった。
森の向こうに透けて見える空は、雲一つない晴天だった。
アニ(そういえば、あの日もこれくらい晴れていたな……)
アニの頭の中で、さまざまな思い出が駆け巡る。
アニの目に、上下逆さまのエレンが映った。
その姿に、遠く離れたところにいる父の姿と重なった。
アニ(あれだけ……やったのに……)
父の言葉がよぎる。必ず帰ってきてくれ、と。
エレンの言葉がよぎる。ずっと一緒にいよう、と。
アニ(大事な約束……一つも守れなかったな……)
赤く染まった地面に、アニの首がドサリと落ちた。
切断面から血しぶきをあげ、アニの体が糸が切れた操り人形のように崩れ落ちた。
エレンの顔に、大量の返り血がかかった。
エレンは感情の抜け落ちた顔で歩くと、ひざまずいてアニの首を拾って、顔を見た。
エレンの中で、押し殺されていた感情が濁流のようにわき上がってきた。
『何で……人間を裏切って……仲間を裏切って……俺の心を裏切りやがったのに……』
エレンは唇を噛んだ。荒ぶる感情を爆発させないように、必死に力をこめた。
『何でそんな泣きそうな顔をしてるんだよ……』
エレンは必死に涙腺に力をこめた。やる前に、涙を流さないと決めたのだ。
頭痛がし、顔を真っ赤にしても、エレンは一滴も涙を流さなかった。
エレンはアニの首を地面に置くと、土を握りしめてそれを彼女の頭にかけた。
エレンは心の中で語りかける。
『あんだけのことをしたんだ……きっとお前は地獄行きだろうな……』
エレンは立ち上がって後ろを振り向き、歩き出した。
『安心しろ……きっと俺も地獄行きだ。だから……』
エレンの目に力が宿る。それは、戦うことをやめない餓狼の目。
『もし、あの世で会えたなら、今度こそ一緒にいような……』
エレンは二度と振り返らなかった。
エレンの頬に一筋の光が零れた。
『この美しき 残酷な世界では―――』
一同「……」
マルコ「……は?」
一同は呆然とした様子でエンディングを見ていた。
それもそうだろう。ハッピーエンドを期待していたら、いきなり生首を見せつけられたのだから。
ダズ「うっ……ちょっと便所行ってくる……」
ダズは口元を押さえて部屋を出た。他にも何人かが同じように退室した。
マルコ「ふざけるなよ……」
マルコは思わず床ドンした。それほどまでに、彼は怒りを感じていた。
マルコは、バッドエンドをトゥルーエンドと主張する考え方が嫌いだったのだ。
マルコは周りを見回すと、彼らはまだ呆然としていた。
彼らの息子は、すっかり元気をなくしていた。
周りの様子を見て、マルコは冷静さを取り戻した。
そして、ポツリと感想を呟いた。
マルコ「nice boat.」
翌日の朝、アニは胡散臭いものを見るような目つきで目の前の皿を眺めていた。
アニの皿には、こんもりとパンが積み上げられていた。
朝、アニが食堂に来たとき、しけた顔をした男子が渡してきたのだ。
アニ「何でなの?」
ミーナ「さあ……?」
サシャ「羨ましいです……もう私のブームは終わったのでしょうか?」
サシャはそう言って、パンを物足りなさそうにほおばった。
ちなみに、アルミンはサシャにパンを渡している。彼にとって、サシャは女神を超える女神なのだ。
アニ「いや……流石にこんなには食べられないよ……欲しければあんたらにあげるよ」
サシャ「わーい」
ミーナ「やったー」
ふと、アニはライナーと目があった。
ライナーはある合図を送った。
アニは少し訝しんだが、とりあえず了解の合図を送った。
その夜、営庭の人気のないところで、アニ、ライナー、ベルトルトの三人は集まっていた。
アニ「急に何で呼び出したんだい?あんまり関わらない方がいいだろうに」
ライナー「そうなんだが、少し気になることがあってな……」
アニ「それは?」
ライナー「お前の正体がバレている可能性がある」
アニ「何だって?それ、どこの情報?」
ライナー「詳しくは言えないが、これからも、今まで以上に注意を払ってくれ」
アニ「……あんたらは大丈夫なのかい?」
ライナー「それはわからんが……まあ、気をつけるにこしたことはないだろう」
アニ「……わかった。気をつけるよ」
ライナー「あ、それと……」
アニ「何?」
ライナー「お前って、左胸にほくろはあるか?」
アニ「は?」
一瞬で、アニは鬼の形相になった。
アニ「何?セクハラ?蹴り殺されたいの?」
ライナー「ま、待て!落ち着け!ちゃんと理由があるから」
ライナーは後ずさりしながら言った。
ライナー「その、104期の身体的特徴が載ってある資料を見つけて……その、それが正しいかを確認しようと思っただけなんだ」
アニ「……」
アニはライナーに近づこうとした足を止めた。
アニ「……あるよ」
ライナー「ほ、本当か?」
アニ「これ以上くだらないこと言ったら本当に蹴り殺すよ」
ライナー「あ、ああ」
ライナーは、顔は上に上げながらも、目線はアニの胸を凝視していた。
ライナー(本当にほくろがあるってことは……ミカサやサシャも……)
今まで自分たちが見ていたものが本物同然と知り、ライナーは興奮した。
アニは、ライナーの目つきがいやらしくなったのを感じとった。
帰ろうとしたとき、ふとベルトルトの視線に気づいた。
アニ「ベルトルト、あんたさっきからどこ見てんの?」
ベルトルト「おっぱい」
アニ「は?」
ベルトルト「あっ」
アニが目にもとまらぬで動いた。
まったく反応することができず、二人は宙を舞って地面に叩きつけられた。
まんぐりがえしで倒れている二人を、アニはゴミを見るような目で見た。
アニ「ねえ、ライナー、ベルトルト。今あんたらがどんな顔してるのか知らないけど、あんたら本当に気持ち悪いよ。多分……人類史上こんなに気持ち悪いことした奴はいないよ」
これだけのことを言われても、二人は反論しなかった。自覚があったからだ。
アニ「消えなきゃ……あんたらはこの世にいちゃいけない奴らだよ。一体なに考えてんの?本当に気持ち悪いよ。あんたらの気持ち悪さに溢れた面構えを思い出すだけで……吐き気がしてくるよ」
アニは吐き捨てるように言うと、そのまま寮へ戻った。
取り残された二人は、しばらく股の間から星空を眺めた。
すると、ベルトルトがポツリと呟いた。
ベルトルト「ツンデレっていいよね……」
ライナー「いや、デレてないだろ」
おわり
アニが見た夢は、『school days』最終話のnice boatを参考。
アニが夜起きたシーンは、『悲しみの向こうへ』の「静寂の闇に~頬の光」を参考。
アニの首を切り落としたシーンは、『悲しみの向こうへ』の「くり返す言葉~今途切れた」を参考。
イノセントブルーと悲しみの向こうへは両方とも好き。
ちなみに、1.殺すを選ぶと、2に似たような感じになる設定だった。無駄に長くなるから省いた。
次回は、最近忙しいので1ヶ月後くらいになりそう。
とりあえず考えているのは、露出プレイ、飲尿、お漏らし、アナルセックスあたりを書きたいと思う。
それらが嫌いな人は許して。
あと、五つ目のコンセプトは女性上位に決定。やるかわからないけど。
それじゃあ、またの機会に。
ミーナの尻ssもよろしく。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません