男「スタイリッシュおとぎ話」 (6)
【スタイリッシュ桃太郎……『その1』】
昔々……
ある所に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
すると、おばあさんが洗濯をしていると川の向こうから桃が流れてきました。
━━━━━ 否、それはさながら海豚をも上回る美麗さで。
━━━━━ 見るもの全てを魅了する様に水面を跳ねる桃がやってきたのだ。
婆「こ、これはぁ……!!」
桃「俺を家まで持っていきな、可愛い子ちゃん」
おばあさんは直ぐにその桃を持って帰りました。
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【スタイリッシュ赤ずきん『エピソード1』】
昔々……
ある所に、とても可愛らしい女の子がいました。
ある日、女の子のおばあさんは赤いビロードの布で、ずきんを作ってくれました。
そのずきんが女の子にとても似合っていたので、みんなは女の子の事を、『赤ずき ん』と呼ぶ様になりました。
ある日の事、お母さんは赤ずきんを呼んで言いました。
母「赤ずきんや、おばあさんがご病気になってしまったのよ……」
赤頭巾「まぁ、ならお見舞に行かなくてはなりませんね」
母「そうよ、このケーキと上等なブドウ酒を一本持ってお行き」
赤頭巾「それではいけませんわ、お婆様のお体を考えるならば、先ずはご病気を治す方法を考えるべきです」
赤頭巾「なので今から白魔法か何かを習得しますので、半日ほどお待ちください」
赤頭巾「どうせならばこの近辺の村の為にも診療所も開いてしまいましょう」
母「……え、えーと…ぁ、はい」
お母さんは心配そうに赤ずきんを見送りました。
【スタイリッシュ桃太郎『その2』】
爺「……不思議な桃じゃのう」
婆「ええ、そうなんですよ」
爺「とりあえず食べてみようか」
家に持ち帰ったおばあさんはおじいさんと共に、大きな桃を食べようとします。
しかし、おじいさんが桃を斬ろうとすると、桃がひとりでに割れてしまいました。
婆「!」
爺「!」
なんと……桃の中身は空っぽだったのです。
━━━━━ そう、老夫婦が認識した瞬間。
━━━━━ 既に勝敗は決していたのだ。
桃太郎「……今の間に可愛い子ちゃんが16回、ハンサムが14回死んだぜ」ボソッ
爺「なにやつ!!」
桃太郎「桃から生まれた……差し当たり、桃太郎ってとこかな…」
桃太郎「拙者にときめいて貰うでござる」
こうして生まれた子を、おじいさんとおばあさんは『桃太郎』と名付けました。
桃太郎(声:ルーベン・ラングダン)
爺(声:ルーベン・ラングダン)
婆(声:ルーベン・ラングダン)
赤頭巾(声:ルーベン・ラングダン)
母(声:ルーベン・ラングダン)
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