藤原肇「私とPさんのプロローグ」 (12)

ピーチチチチ…ギャアギャア

ガサガサ

P「ふぅ」ガサッ

P「スゥ……おーいっ! 肇ーっ、どこにいるんだァ~っ?!」


・・・。

P「やっぱ完全にはぐれちゃったかぁ…」ガサッ

P「日が暮れないうちに何とか合流しないとなぁ」

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(約半月前)


肇「はぁ…」

未央「おや?」

凛「肇…どうしたの、そんな物憂げな顔して……?」

肇「未央ちゃん、凛ちゃん、その…」


未央「あ、分かった! 恋煩いってやつですかね?」ニヤリ

凛「こら未央、からかっちゃ――」

肇「ええ?! ――あっ、いや、その私は別にっ!!」

未央・凛「…(分かりやすいなぁ)」

未央「――プロデューサー?」

肇「はい。この業界に入ってから、色々ご指導頂いているうちに、

 あの人に対して、単なる尊敬を超えた感情が……芽生えてきたような気がするんです」


未央「ほー、肇っちもそのクチでしたかい。プロデューサーの色男め、何と罪作りな奴」

凛「ふふっ、まあ分からないでもないけれど。……つまり肇はその事で悩んでいたわけなんだ」

肇「いえ、そうではなく……それで日ごろからの感謝の気持ちを込めて、何かPさんにお礼は出来ないかと、考えていた所だったんです」

未央「成程ねぇ、だったらデート! デートしかないでしょ?」

肇「…」

凛「乗り気じゃなさそうだね」

肇「実はこれまでも二人きりになろうと時間を見つけてはそれを試みたのですが――」

・・・


P『今日もお仕事お疲れ様。女子寮近くまでだが、送っていくよ』

肇『Pさん、今夜は桜が綺麗ですよ。今日の帰りはその…ちょっとだけ…寄り道して行きませんかっ?』

P『夜桜かぁ、そりゃ風情がありそうだ。いいよ、一緒に見に行くか』

肇『(…やった♪)』


~~~

肇『着きましたよっ。やはり聞いた通り、綺麗な咲き具合ですね』

P『そうだな。

――ん、まだ飲み騒ぎしている人がいるのか…って』


早苗『ほらほら飲んだ飲んだ~』

あい『…うっぷ、もう勘弁……』


P『』

肇『』

早苗『あっPくゥーん、お疲れさーん…って何固まってんの? カモーン! お姉さんが仕事疲れを癒したげるー』エヘラヘラ

あい『っぷ……駄目だ……早苗さんは強い……Pくん、交代してくれ』

P『えっ?! いやぁ…その…俺はこれから肇を女子寮まで送り届k――フガッ』ギュウ

早苗『送り狼? いけないなぁそんな事言っちゃあ……そんな狼さんはお姉さんの胸の中で咽び果てなさい!』ギュムムム…
\フグアアアア/

あい『すまないPくん…』ウプ…

肇『』

・・・


肇「――という」シュン…

凛・未央「あはは…」

未央「そうしたら、ここは未央ちゃんとしぶりんが一肌脱いじゃいますか」

凛「そうだね」

肇「えっ、良いんですか? ……だって、お二人だってPさんのこと」

未央「まあ、嫌いじゃないんだけど、むしろ好きですけどっ♪」チラ

凛「――プロデューサーの鈍感っぷりは筋金入りだからね…しかも間の悪さまで加わって…

たまにはいつもよりも積極的に攻めていくのも、ありなんじゃないかな…って」


肇「凛ちゃん…」

凛「…もちろん、最後に誰を選ぶかはプロデューサー次第だよ?」フフッ

未央「しぶりん、手伝うどころか…めっちゃ闘る気まんまんだね」

未央『まずは軽いジャブから打っていこうか……仕事中にお茶を出すとか!』

凛『そうだね』

~~~

P「…ふぃー、一丁あがりっと」ッターン!

肇「Pさん、その…お疲れ様ですっ」コト…

P「肇か。ありがと、ちょうどノド乾いてきたところだったんだ」

P「…」ズズッ

肇「…」

P「――そう言えば、肇にお茶を淹れてもらうのって、これが初めてかな? とっても美味しいよ」

肇「ほ、本当ですかっ?!」パァァ

P「ああ、本当だよ。これは一緒にお茶請けも欲しいとk――」


槙原志保「お茶請けと聞きまして!」バターン!

P・肇「えっ」

志保「周子ちゃんちの実家からお取り寄せの和菓子でーす♪」

P「……それでそんな格好を……あ、これもンまいなぁ」モグモグ

志保「えへへ、可愛いでしょ、このティーフレーバーメイドコス。結構気に入っているんです♪」フリフリ

P「お、おい……あんまりクルクル回るなよ……目のやり場に困るっての」

志保「ひゃっ?! も、もうPさんったら!」バッ

肇「…」

未央『なんの、だったら思い切って映画に誘うのはどうかな? 二人きりになるなら、定番でしょっ』

凛『そうだね』

~~~

肇「あ、あの…Pさん、これなんですけど…」

P「映画のチケット…来週公開の奴か。それがどうしたんだ?」

肇「知り合いと観に行く予定だったのですが、あちらが急に用事が入ったみたいで。それでなんですが」

P「俺がか? …そう言えば、最近忙しくって映画館に足を運んだことなかったなぁ……まあ、俺でよければ別に――」

小松伊吹「映画と聞きましてーっ!」ガチャ

肇・P「えっ」

息吹「やだなぁPったら、アタシの趣味忘れたの?」

P「ええっと……ダンスとかスケボー…だったような」

息吹「違うっ! あ、いやそれももちろん趣味の一つだけど……映画鑑賞もアタシの楽しみなんだよっ。最近Pったら、全然誘ってくれないんだから」


肇「あ、あの…伊吹さん、チケットは二枚しか……」

息吹「ノープロブレム! 自分のチケットは自分で買うからっ!」

肇「」

奏「どうしたの? そんなに興奮して」

息吹「Pが映画に誘ってくれるって」

P「待て、まだ行くと決まったわけでは」

奏「…ふぅん」チラ

肇「」パクパク

奏「(肇ちゃんたら……可哀想に…まあ、こうなったら伊吹ちゃんは止められないからね…)
じゃあ、私も誘ってもらおうかしら?」

肇「」


P「あ…はは……と言うわけだ、ここは皆で行こうか肇……なっ?」

肇「――はっ?! …は…はい…そうしましょうか……(うぅ…)」

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