美琴「私のHERO」(89)

歌詞に合わせて物語が進みます。
主に上琴、通行止めなど。

リクエストお待ちしてます。
曲名と歌手名。誰の話か。をお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370137852



こんなに近くで


とある日、美琴は一人ベンチに座り物思いにふけっていた。


美琴(アイツは何してるのかしら。)


思い出すのは、一端覧際でもまた誰かの為に戦っていた上条の事。
上条が誰かを助け、傷つき入院する。
その度に美琴は胸が締め付けられた。


美琴(あの日にこの想いに気づいちゃったから………きっと他の誰よりもアイツの事を知ったから………)


自分と妹達の為に一方通行に挑んだ8月21日。
自分のいない所でされた約束をし戦った8月31日。
侵入者と戦った9月1日。
後輩を、妹達を守る為危険な中飛び込んで行った9月。
友達を助けると共に戦った9月30日。


美琴(色々事件があったけど………気づいたのは………)


美琴が想い浮かべるのは、大怪我をおってなお病院から抜け出した所を見つけた時だ。


美琴(力になりたいと思った………アイツに傷付いてほしくなかったのよ。)


自分のせいで傷付いた時も"お前は笑ってていいんだよ"と言ってくれた。


美琴(アイツの優しさも………胸が苦しくなる………)


目に涙が浮かぶ。


美琴(こんなに近くにいるのに………どうしてただの友達なんだろう………)


目に涙を浮かべながら空を見上げる。


美琴(でも………どんなに強く想っていても………伝える事が怖いんだ………)


空が青からオレンジに変わる。



上条は補習の帰り、公園に立ち寄る。
ふと見ると、ベンチに座り空を見上げる美琴の姿があった。


上条(泣いてる………?)


上条から見ると、目に光るものが見えた。


上条「御坂?………いつもの元気がないな。」


考えるより先に言葉と行動に移す。
上条は話しかけながら美琴の隣に座った。


美琴(なんでよりによって今アイツがっっ)


上条が隣に座った瞬間、美琴はあくびをする。


美琴「アンタか。寝不足かしらね。あくびがでちゃって。」


言い訳のように話す美琴。


美琴(一番大切な人なのに………嘘つく今の私ってなんなのよ………)


自分が嫌になる。
心配する上条をなんとか納得させ、美琴も寮に帰宅する。


美琴(最近眠れないわね………)


上条の事を考える。
そのたび、胸が苦しくなり眠れぬ夜を過ごす。


美琴(初めて会ったあの夜に戻れたらいいのに………)


そして美琴は今日も眠れぬ夜を過ごす。



学校が終わり、美琴はまたいつもの公園に入った。
ベンチに座り空を見上げる。
空は青く、どこまでも続いてるようだった。


美琴(きっとこの想いを告げたらきっと………もう二度と笑顔にはなれないかもしれない………)


つい後ろ向きな考えに陥る。


美琴(でも………友達のままつくり笑いなんて………これ以上できないのよ………)


上条の事を思うだけで苦しくなるから。
それでも、凄くいとおしいから。


美琴「本当は………ずっと好きだったの………」


ポツリと呟く。


美琴「ずっと愛し続けてたの………」


届けたいけど………
届けられない気持ちを………
美琴は青い空へと囁いた。


美琴(やっぱり………強く想っていても………伝えられないよ………)


そしてまた涙を浮かべる。
大切な人を想って。

またでき次第投下!
2時くらいに予定です。
リクエストお待ちしてます。

乙です

リクエストって洋楽でもいいのでしょうか?

>>9
洋楽でもokです。
ただ和訳がっっ(ToT)

>>1です。
とりあえず出来た二曲投下!

オリオンをなぞる


上条はいつもの公園に着く。
ふとベンチを見ると、最近よく会う、気になる存在の美琴がいた。


上条(元気ないな………)


上条から見た美琴は、目に涙を浮かべ空を見ていた。
気付いた瞬間、上条は美琴に近づく。


上条「御坂?………元気ないな。」


上条の言葉に美琴は目を見開く。
きっと彼女は、自分が気付かないと思ったのだろう。


上条(顔見れば一瞬で分かるんだよ………)


なんとなくだが、美琴の顔を見ると分かる。
それでも彼女は言い訳をし、立ち去った。


上条(泣いたりするし………なんで何も言わないんだよ………)


彼女を救って、自分と共に戦ってくれた彼女。


上条(あぁ、そっか………俺は………アイツのヒーローになりたいんだ………)


本当に最初の出会いは分からない。
それでも、あの自販機で出会った事。
それからの数々の日々。


上条(なんか………ドラマみてーだな。)


思い出して上条は苦笑する。
彼女の事を想いながら帰宅する。



夜中、上条はインデックスを起こさないようにベランダに出る。


上条(俺は………御坂をどう思っている?)


ベランダから見える空は、深い深い闇。
自分の気持ちを見つめ直す。


上条(危険な目には遭わせたくない……… でも………近くにいたい。)


想って、苦笑する。


上条(繋がっていたいけど、離されたい………矛盾だらけだな俺………)


このまま時間が過ぎるのが怖い。


上条(ここで終わる筈がないのにな………)


自分の気持ちに少し気づいてしまったから。
このまま、美琴と過ごす時間が怖く感じる。


上条(きっと………切っても切れない関係なんだよな………)


今までの彼女との縁を。
だったら………


上条(俺が右手を伸ばすから………手を掴んでくれないだろうか………)


本当に笑えるくらいの青春だ。
以前の自分からは考えられないくらいに。
夢を見て、恋をして、あきれ返るような日々を纏う。


上条(俺が戦う意味を………アイツにもし伝わっているのなら………嬉しいんだ………)


何度よろけて、倒れたとしても。
彼女の笑顔が見たいから。
上条が見る空は深い暗闇だった。



繋がりたい。
離されたい。


上条(本当………アッチコッチな考えだよ………)


暗闇を見ながら上条はため息をつく。
気付かなければ良かったのかもしれない。
それでも、上条の心は楽になった。


上条(俺がいて………アイツが隣にいてくれたら………俺は幸せなんだ………)


美琴がいつも、隣を歩いてくれるから。
昨日までの日々をいとおしく思う。
気付いたこれからの景色はきっと、見たことのない物になるだろう。


上条(ここで終わる筈がないから………)


明日からの日々を想い上条は笑う。


………Fin

HERO【上条var,】


上条は最近悩む。


上条(ヒーロー………か………)


ふと言われた一言。
上条はただ、困っている人を見捨てられない。
それだけなのだ。


上条(俺はただの臆病で………怖がりで………誰も失いたくないだけなんだ………)


誰も失わず返る。
上条の信念が失われてく気がした。
考える度に、限界に突き落とされていく。


上条(俺は………ただの男だ………人間離れなんてしてないんだよ………)


スーパーマンなんかじゃないから。
誰かがこの悲しみから救ってくれるだろうか。
ハワイでの戦いにより、上条の信念が崩れた。
限界からまた一歩踏み出しても、ただそれだけだった。


上条(助けて………か………)


美琴が鉄橋で呟いていた言葉を思い出す。
彼女には、何度助けられただろう。


上条(アイツがいつも、背中を押してくれるな………)


美琴にとってのヒーローが上条なら、上条にとってのヒーローは美琴なのだろう。
ハワイの時、自分の人生も救って貰った気がしたから。




自分がずっと戦ってきた意味は何だろう。


上条(きっと………今までの不幸な人生を変えたかったんだよ………)


自分の為だと。
自分自身に問いかけていた。

上条は歩いて公園に着いた所で立ち止まる。


上条(ただの人間で………ただの男なんだよ………)


スーパーマンなんかじゃないから。
上条の声は誰かに届くのだろうか。


上条(誰かの為に、正しい事と信じて………人生の攻防戦だな………)


きっと自分達が生き残る為には、自分が助けないといけないから。


上条(まだ死ねねえんだよ。)


それでも一人、自分と同じ信念を持つ美琴は上条と共に戦う。


上条(俺のヒーローみたいだよ………アイツは………)


彼女と共に戦った日々。
自分の危険には、きっと彼女が来てくれるから。



そんな彼女や、自分を待っていてくれるインデックス。
彼女達がいるから。


上条(正しい事の為に俺は戦う。)


ヒーローは命を捧げる事を恐れない。
ヒーローが必要な時に助けてくれる。


きっとヒーローが必要だから。


上条「だから俺が戦う。」


右手を握りしめて呟く。
自分の為に。
守りたい人の為に。
信念を貫く。


………Fin

とりあえず終わり!
またでき次第投下します。


しかし………上手くいかないf(^_^;

>>1です。
少し投下!

HERO【一方通行var,】


寝室のベッドで横になる。
隣にはよく眠る打ち止めがいる。


一方通行(なンでコイツは………俺なンかと一緒にいるんだ………)


実際はまだそんなに経っていないのに、かなりの時間一緒にいる気がする。


一方通行(昔は………何を犠牲にしても良いと思ってたのに………)


自分なんかに笑いかけてくれる家族がいる。
愛すべき人が出来た。


一方通行(随分臆病になったな………)


それでもただ一人。
守りたい人がいるから。
どんなに汚れていても、人殺しでも。


一方通行(俺は………コイツ一人にとっての………)


ヒーローになりたい。
打ち止めがつまずいたり、転んだりするなら手を差しのべてやろう。
ただ一人の為のヒーローでいたいから。


一方通行(アホな考えだ………)


打ち止めの髪を優しく撫でる。



一方通行は実験の事を思い出していた。
簡単に命が捨てられていく。


一方通行(………そンなつもりじゃなかったンだ!)


レベル6になれば、誰も傷つけなくて済むと思ったから。
ギリッと唇を噛む。
その瞬間、寝ていた打ち止めが起きて、一方通行の手を握る。


打ち止め「アナタ、どうしたの?ってミサカはミサカは心配してみたり………」


自分の手を握る小さな手が一方通行の胸の痛みを溶かしていく。


一方通行「なンでもねェよ。メシ食うぞ。」


一方通行は打ち止めの頭をくしゃっと撫でる。
彼の腕に絡まる少女が凄く愛しく感じる。


一方通行(これからも………辛い事はあるンだろ。)


時に苦かったり、渋かったりするだろう。


一方通行(それでも………)


この笑顔の少女の傍にいたいと思う。



きっとこの残酷な時間の中で大人になったのだろうか。
今は、悲しくも切なくもない。


一方通行(こうしてく日常が………)


凄く嬉しくて、愛しい。
だから………


一方通行(ずっと………ヒーローでいてやる。)


ただ一人。
打ち止めだけのヒーローに。


一方通行(テレビみたいなヒーローにはなれねェけど………)


自分に笑顔を向けてくれるから。
だから………


一方通行(ヒーローになってやる。)


打ち止めの小さな手を引く。
その笑顔が嬉しいから。
つまずいたり、転んだりするなら手を差しのべてやろう。


一方通行「行くぞ!打ち止め!」



………Fin,

アルエ


ふと通った鉄橋の上。
そこには以前と同じように鉄橋から街を見る美琴の姿があった。
その顔は哀しそうな顔をしている。


上条(なんでそんな顔してんだよ………)


想って上条は美琴に近づく。


上条「何してんだよ。」


美琴は驚きながらも苦笑いをする。
目を拭い、寂しそうな笑顔で。


美琴「何?私は超電磁砲よ?夜遊びくらいで。」


その言葉は自分を強く見せるように喋る。
でも弱くて。
肩が少し震えている気がした。


上条「隣にいるから。」


そんな、強いけど弱い彼女に伝えたくなった。
それでも彼女は強気で、哀しい目をする。


美琴「私は一人で平気よ。」


強気で、笑顔で。
それでいて哀しい目。
その姿がやけに小さくて、愛しくなって。
上条は美琴を抱き締めた。


上条「お前が心に包帯を巻くなら、俺がそれをゆっくりほどいてやるから………寂しい時はさ、大声で泣けよ。そんな寒い所なんか、今すぐ出てこい。」


抱き締めた美琴は細くて、壊れてしまいそうで。
小さく小さく震えていた。



その小ささに凄く愛しく感じる。


上条(一緒に夕焼けを見て、一緒に居よう。)


強がっていても、本当はとても寂しいんだから。
抱き締めた腕に力が入る。
美琴の震えが大きくなった気がした。


上条「俺はいつでも傍にいるから。俺がこれからお前の傍にいるから。」


彼女は人より少し不器用なだけだから。
普通の女の子なのだから。
腕の中で震えていた美琴は呟く。


美琴「嬉しい時………どんな風に笑えばいいかわからなくなっちゃったのよ……」


心に巻いた包帯がゆっくりと解けていく。


上条「お前はさ、いつもみたいに………嬉しい時はさ、俺の前で両手を叩いて笑っててくれよ。」


超電磁砲だから。
超能力者だから。


上条「お前は笑っていいんだよ。泣きたくなったら泣いていいんだよ。」


中学二年生なのに。
ただの女の子なのに。



美琴「嬉しい時に笑えたら………哀しい時に泣けたら………」


震える肩。
それでも美琴は涙を流さない。
きっとそれが彼女の強さなのだから。


上条「泣いていいんだよ。涙も笑顔もさ………お前が生きてるって証拠だから。」


"ありがと"


今にも消えてしまいそうな声で彼女は呟く。


隣にいるから。
いつまでも傍にいるから。

手を繋いで歩こう。


上条「明日はさ、暖かい日だまりの中で一緒に手を叩いて笑おう。」



………Fin,

英雄【上条var,】


美琴が魔術師に狙われていると知って、上条は美琴を狙う魔術師と戦っていた。


上条(カッコつけてるつもりで得意になって………バカだな俺。)


泣かせたくないと思ったインデックスも、守ると誓った美琴も置いてきた。
本当に危険だから。
上条の周りは闇に覆われていた。


上条(今更………アイツが怖くてどうする!ここで足踏みしてるだけじゃ進まねえんだよ!)


守りたい人の為に上条は立ち向かっていく。
ふと以前悩んでいた時に土御門に言われた言葉を思い出す。


土御門『カミやん。男なら誰かの為に強くなれ。歯を食いしばって思いっきり守り抜け。転んでもいいんだ。また立ち上がればいい。』


ただそれだけ出来れば………



いつもはやる気のない顔。
美琴は一方通行に尋ねた事があった。


美琴『なんでアンタ達は、そんなに誰かの為に戦えるの?』


一方通行は考えながら答える。


一方通行『甘えつくしの自分が嫌いだから………』

『これはある男からの受け売りだがな………男なら誰かの為に強くなれ。ぶつかり合って精一杯やってみろ。泣いてもいい。また笑えればいい。』


美琴はそれを思い出す。
上条が自分の為に戦っていると知って。
きっと自分が行ったら上条は怒るかもしれない。


美琴「何弱気になってんのよ………私は。」


それでも守りたいから。
守られるだけは嫌だから。


美琴「黙って下向いてちゃ始まらないのよっっ!」


美琴は走る。
守りたい人に向かって。



上条は追い詰められていた。


上条(元々自分が巻いた種だろうがよっっ。)


思い出す夏休み最後の日。


『貴方と御坂さんはこれからも狙われ続ける!』


自分の責任だから。
約束したから。


上条(でも………そろそろヤバイか………?)


上条がそんな事を考えた瞬間、自身の後ろから青白い光が通り過ぎ、敵を捕らえる。
それはいつも見ている電撃で。


上条「御坂………?」


振り向くと美琴が電撃を纏いながら近付いてきた。


美琴「守られるだけは嫌よ。女だってね、意地があるのよ。見てるだけじゃ始まらないから!」


これが正しいと、言える勇気があるから。
美琴は上条の為に戦う。



彼女が一緒に戦うと言うなら。


上条「御坂を守る為にいくらでも強くなってやる!」


右手を握る。


上条「歯を食いしばって思いっきり守り抜いてやる!」


相手を見る。


上条「転んでもまた立ち上がってやる!」


大切な人の為に。
自分の為に。


美琴「アンタは私の………」


"英雄だから"


今日もまた彼らは大切な物の為に戦う。



………Fin,

>>1です。
とりあえず終了。
また夜にでも投下しにきます!


段々上手くいかなくなってきた(--;)
頭がビリビリしてます(笑)

それでは(^-^)/

お久しぶりです。
>>1です。
リアルが忙しかった………
とりあえず生存報告です。
夜あたり少し投下します!

スレ作成ありがとうございます!
皆上手いから自信ないの………
こんなんでいいのかなって>>1>>1はスランプ気味。

とりあえず、これからも宜しくお願いします!

>>1です。
少し投下ー!

負けないで


上条の部屋でインデックスと二人、テレビを見る。
ふとした瞬間、視線がぶつかる。


インデックス(今が幸せだから。)


自分を助けた時に、彼は記憶を失ってしまったから覚えてないけど。


インデックス(あの日私は恋をして………)


助けてくれた上条に恋をして。

インデックス(だから、とうまを信じて待つよ。)


負けないで
最後まで走り抜けて


インデックス(きっともうすぐ、離れないといけない時が来るから………)


どんなに離れてても


インデックス(心は傍にいるから………だからとうまは………)


自分の夢を追いかけて。



視線が合って、上条は想う。


上条(いつまでこの幸せな時間を過ごせるだろうか………)


自分は覚えていないけど、あの時の事を彼女は覚えているだろう。
いつもの太陽みたいな笑顔で輝いている彼女でいて欲しい。


上条(だから………)


これからどんな辛い事があっても。


上条(負けないで、最後まで走り抜けてくれ。)


いつか離れる時が来るから。
どんなに離れてても。


上条(心は傍にいるから)



何がおきたって、きっと平気だから。


インデックス(とうまが落ち込んでも………私がおどけて笑わせてみせるから。)


だから………


インデックス「とうま。インデックスはね、とうまの事が大好きだったんだよ?」


あの時好きになった彼はもういないけど。
今のこの彼も大切だから。


インデックス(傍にいるから。ずっととうまを見つめてるよ………)


離れてても心は傍にいるから。
心は繋がっているから。



上条(何がおきたって、へっちゃらな顔してやる。)


彼女の笑顔がみたいから。
どうにかなるさとおどけて見せよう。


上条「俺も………好きだったよ。」


彼女にそう答える。
大切な人に。


上条(離れてても………お前を見てるから)


ゴールはすぐ傍にあるから。
どんなに離れてても心は傍にいるから。


上条「行くか。インデックス。」


インデックス「うん。」



………Fin,

Sign


隣にいる彼女に、自分の気持ちは届いているだろうか。
ソファーに座り、打ち止めの頭を撫でる番外個体に。


番外個体「ねぇ第1位。ミサカに何か言う事ないの?」


ニヤニヤと笑う彼女に答える。


一方通行「いつもありがとな。」


彼女にはきっとこの想いは届いているだろう。
"ありがとう"と"ごめんね"が繰り返されてく。


一方通行「このありふれた時間が幸せなンだろゥな。」


目の前にいる彼女達が凄く愛しい。


番外個体「ねぇ一方通行。それはね、愛の仕業だよ。」


小さく悪戯に笑う。
素直じゃない言葉も態度も、彼女からのサインなのだろう。


一方通行「見落とさねェよ。」


もう何一つ見落とさないように。
彼女をよく見ていよう。



一方通行は番外個体の隣に座る。
そっと彼女の頬に触れる。


一方通行「たまに酷い言葉で汚し合って………俺は自分に嫌気がさしたりもする。それでも、オマエの優しさは分かってるから」


似てるけど、どこか違う。
だけど、同じ匂いがする。


番外個体「一方通行。ミサカはね、アナタの身体でも心でもなく、ただアナタを愛してるよ。」


僅かだって明かりが灯るなら。


一方通行「この時間を大切にしよう。」


彼女からのサインも。


一方通行「妹達からのサインも、もゥ見逃さねェ。そうやって暮らして行こう。」


木漏れ日が彼女に当たって揺れる。
過ぎた時間が残酷さを語る。



少し辛そうな顔の彼を見て番外個体は優しく彼の頬に触れる。


番外個体「ミサカ達にはさ、残された時間があるから………大切にしなきゃ。」


そう言って彼女は優しく笑う。


一方通行(コイツが見せるサインが俺を強くするから………もう何一つ見落とさねェ。そうやって、罪を背負って暮らして行くさ。)


頬を撫でられた手を一方通行は優しく包む。


一方通行「番外個体………」


彼女の名前を呼び、耳元で囁く。


"愛してる"



………Fin,

メルト


朝、黒子は目をさます。


黒子(目をさまして最初に思い出すのがあの殿方ですか………)


もう、気付いていた。
自分が尊敬する美琴の想い人に恋してしまった事に。


黒子(気分転換に………前髪でも切ってみましょうか。)


本当は彼に"どうした?"と聞かれたくて。
髪を結ぶリボンも変えてみる。
彼に可愛いと思われたくて。


黒子(わたくしは………バカですの………)


美琴の想いを知っているのに。
どこか期待している。


黒子(好きだなんて………絶対に言えませんわ。)


今では彼と目を合わす事など出来なくて。
彼が好きだから。



今日は1日晴れ。

天気予報を見て黒子は散歩に出る。
このまま部屋にいても、落ち着かないから。


上条「白井じゃねーか。」


後ろから好きな人の自分を呼ぶ声が聞こえる。
何気なく隣を歩く彼が好きで。


上条「うわっ!雨かよ………」


いきなり降る雨。
黒子は鞄から折り畳み傘を出す。


黒子「しょうがないから入れて差し上げますわ。」


こんな風にしか言えない自分。
きっと彼も失望しただろう。


上条「しょうがないから入ってやる。」


そう言って悪戯に笑う。
傘に入った二人の距離はあまりにも近くて。
息がつまりそうになる。
右手が触れて震える。


黒子(好き………なんですの………)



手を伸ばせば届く距離。


黒子(想いが届いてくれたら………)


上条を想うと涙が出そうになる。


黒子(もう………着いてしまいますのね………)


今は隣にいるのに、近くて遠い彼。
だから………


黒子(手を繋いで歩きたい………もうサヨナラしなくてはいけませんの?………抱き締めて………)


彼に言えない言葉を心の中で呟く。


黒子(なんて………言える訳ありませんの………)


………Fin,

石鹸屋


上条(俺は………)


自分の足元を見る。
自分を、他人を欺いていた嘘を。


上条(自分が慣れていけば………)


言葉は消える。
それでも………


上条(体に流れている物は………何一つ消えない。)


右手を見る。
以前の自分はどうだったのだろうか。
叫びたいけど叫べない。


上条(いつからこうなった?)


崩れた物の形を思い出せない。


上条(どこからこうなった?)


壊れた物を探す自分。



上条(いつか誰かが………この世界を変えてくれると思ってんのか?)


自分が歩いてきた道を。
たどり着く先を。


上条(んな訳ねぇだろぅが!)


拳を握る。


上条(自分が歩いてきた道だから………)


握った拳から血が出る。
僅かな痛みをもちながら、上条は立ち上がる。


上条(その叫びを聞くから。)


誰かが叫んだら助けに行こう。


上条(この体、この声、全てを使って。)


それがただ一つの歌になるから。
いつか消えて無くなっても。
いつか泡となっても。
いつか弾け消えても。


上条(きっと、後悔なんてしないから。)


自分がやった事はきっと、残るから。




Fin,

>>1です。
とりあえずここまで。

今少し余裕ができたから、以前書いてたSSの続きを作成中。
書き終わったら投下します。
さしかし、こんなんでいいのかなってなやんじゃうっ☆(笑)

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