ほむら「見滝原クエスト」(824)
変則台本形式
再構成物
分岐有
となります。
ほむらが若干アホの子と化します。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370215282
明滅していた意識が戻る。
そうだ、私はワルプルギスと対峙しているのだ。
早く起き上がらないと、そう思い体を起こそうとした。
「ッ! 嘘よ、足がッ!! 」
もはや痛みも感じない。
完全に右足の膝から下が『潰れていた』。
「くッ!! こんなことって。出来うる限り最高の戦力を整えたというのにッ!!」
零れるように私の口から言葉が落ちる。
危機的状況に陥ったことによって、饒舌になっているらしい。
状況を鑑みるに私に勝ち目はない。素直に、本当に素直に負けを認めるしかない状況だった。
「また繰り返すの?」
自問する。
「そうよ、なんだだって繰り返すわ」
自答する。
そして、盾に手をかける。
「待って、ほむらちゃん」
不意に、そんな声が聞こえた。声の主は私に意味を与えてくれた愛しい人。
「まどか? どうしてここに?」
また、このタイミングか。そんな諦観が頭をよぎる。まどかの足元にインキュベーターがいることがその諦観
を強く押し上げる。
「ごめんね、わたし。わたしだけの願いは見つけられなかったの」
何を言っているの、そう言おうと思ったけれど、声が出なかった。
「だから、ほむらちゃんの言っていたことを信じて『次』に願いを届けようと思うんだ」
「……」
「ねえ、キュゥべえ。じゃなかった、インキュベーター。本当のことを教えてほしいんだけど、ほむらちゃんが
ワルプルギスを倒せる可能性は本当にあるの」
まどか?本当に、何を言っているの?
「なんだい、そのことかい? 僕の見立てが正しければ。暁美ほむら、彼女がワルプルギスを倒せる可能性は
『ない』だろうね」
そんな。嘘よ、そんなのは嘘に決まっているわ。
けれど、本当は気づいていた。だけれど、認めたくなかったのだ。
「それなら、やっぱり私の願いは無駄にならないよ」
「そうだといいね、鹿目まどか。君はその魂を対価にして何を願う?」
「この世界を書き換えたい。愛と勇気でこの不条理を乗り越えられるように、この世界のシステムを書き換えた
い! 絶対の魔女を、倒されるべき壁へと作り替えたい!」
眩いばかりの光に包まれて、まどかが、『変わる』。
私が憧れた、あの姿。
私が忌避している、この姿。
そして何より、彼女が望んだその姿。
「ほむらちゃん、私の願いが世界のすべてを変える前に時間を戻して」
穏やかに微笑むまどかは私の盾に触れ、魔力を込めて『回した』。
「この弓と、それからリボン。ほむらちゃんに持っててほしいなって」
まどかの弓と、リボンを携えて時間の奔流に飲み込まれる。
「まどかあああッ!」
ここまでアニメ
------------
ここからドット
ほむら
「……。これは?」
ほむらの手には赤いリボンが握られている。
ほむら
「まどか。……切り替えないと」
ほむらがベットから立ち上がると見慣れない人形が目に映った。
ほむら
「これは?まどか、かしら」
そこにあるのは白いドレスを纏い少しだけ大人びた鹿目まどかの人形だった。
???
「ほむらちゃん!よかった、ちゃんと願いは繋がったんだね!」
ほむら
「この声は!まどかなの!?でも、どうして?」
まどか?
「うーん、そうだな。私はまどかなんだけど、まどかじゃないっていうか」
ほむら
「……。どういう意味かしら?」
まどか?
「えっと、ちょっと待ってね。意味の通る言葉に変換してみるから」
「『願いを叶えた私、つまり一つ前の世界での私。それが、この私の正体。そう言っていいんだと思うんだ。そ
れでね、この私はこれまで私を統べる私。ちょっと、分かりづらいかな。うんと、ほむらちゃんが出会ったすべ
ての私を内包するのが、この私!これで分かるかな?』」
ほむら
「……、つまり、私が繰り返し救おうとして失敗した数のまどかが前回の世界のまどかに全て接続された。そう
いう事でいいのよね?」
まどか
「うん。うん!そう、そういう解釈で概ねあってるはず。より正確に言えばこれまであった全ての可能性を内包
した私、なんだけどちょっとよく意味が通らなかいらね。オールオーケーだよ、ほむらちゃん!」
ほむら
「それで、そんなアナタがどうしてここに?というか、その姿は何?」
まどか
「これは私の憑代というか、なんというか。そもそもね、本当は私はこの世界に存在することが許されない存在
なんだ」
ほむら
「それは、恐らく私にも言えることだわ」
まどか
「うーんとね、そういう事じゃなくて、なんて言えばいいかな。そうそう、『相互干渉』だね。この私は、この
世界の私を内包していないの。だから今この世界にはまるっきり同じ性質を示す二つの魂が存在しているの」
ほむら
「つまり、この世界のあなたと今こうして話をしているあなたは確立された別の存在。だけれど、まったく同質
の存在。そういう事?」
まどか
「うんうん、そういう感じかな?」
ほむら
「それがどうして、こんな人形の姿を借りて私の病室にいるのかしら?」
まどか
「そうだね、それを説明しないといけないよね。一応体裁としてはこの世界の異物たる者の監視。ということに
なってるんだけど、私としてはほむらちゃんに課せられた運命のレールを壊してもらいたいわけで」
「早い話が、アドバイザーかな?」
ほむら
「それは、心強いわね。でも、監視っていうのはどういう事かしら?」
まどか
「うん。それについて説明しないといけないんだけど……。少しづづでもいいかな?」
ほむら
「構わないわ。できれば今すぐこの世界について全部聞きたいところだけれど、まどかがすぐに説明する必要が
ないっているのならきっとそうなんだと、納得しておくわ」
まどか
「そうだね!そういう事にしておいて!」
ほむらは魔法を使って、視力を回復させた!
魔力を10消費した!
!ほむらのグラフィックがメガほむからクーほむに変わった!
ほむら
「!!」
「まどか、ちょっと説明を」
まどか
「早速だね!この世界ではどんな人にも『ステータス』が存在するの。例えば、体力がいくつあって、魔力がい
くつあってだとか、そういうの。実際に見てもらえば分かりやすいと思うんだ」
ほむら
「見るって、どうやって?」
まどか
「簡単だよ!ちょっとだけ、正面に意識を集中してみて」
ほむらは鏡と睨めっこをするように意識を集中した!
ほむら
「えっ!?これね、この『ステータス』というのがそうなのね。それで、これをどうすればいいの?」
まどか
「簡単だよ!その文字の当たりを指でピッとね」
ほむらは言われた通りに指で空を押してみた!
ほむら
「体力、魔法力、力、素早さ、守り。ここまではいいね」
「ねぇ、まどか」
まどか
「何かな、ほむらちゃん」
ほむら
「この、魔女っていうステータスも、誰にでも見えるものなの?」
まどか
「あっ、もしかして???じゃなくて、魔女って表示されてるの?」
ほむら
「疑問符が使われてるところなんて一つもないわよ?」
まどか
「そっか、ほむらちゃんは全部知ってるんだもんね!それはいわゆる隠しステータスの一つだね。隠された真実
を暴き立てると、見えなかったものが見えるようになったりするんだよ!」
ほむら
「(ということは、全てが知られているという事ではないみたいね)」
「でもあれよね、まどか。疑問符が何のパラメーターになっているのかを『インキュベーター』の奴に聞いたら
、アイツら答えちゃうのよね?」
まどか
「その辺はばっちり対策済みだよ!ちゃんと、『隠しパラメーターは自分の力で見つけるのが通ってやつじゃな
いか』で濁す仕様になってるんだ!」
ほむら
「そ、そうなのね」
ほむらは思わず苦笑いが漏れる。
まどか
「それとね、その赤いリボンなんだけど……」
ほむら
「?」
まどか
「私との遠隔通信が出来るようになってるから、外に出るときはなるべく身に着けていてね!」
「それから、『いろんな人に話しかけるとそれだけ情報がたくさん得られる』からすれ違った人全員に話しかけ
てみようよ!」
ほむら
「えっ、えぇ。分かったわ。なるべく頑張ってみる」
!ほむらのグラフィックがクーほむからリボほむに変化した!
ほむらは病室を出た。
~一日目~
病院
ほむら
(今日で退院だから、お世話になった先生とか、看護師さんとかに挨拶しにいかないと)
ほむらはナースステーションへ向かった。
医者
「!」
「暁美さん、退院おめでとう!薬はちゃんと飲むんだよ?」
看護師
「これから大変だろうけど頑張ってね!」
「辛くても、諦めちゃダメよ」
「自信をもっていいんだぞ。ちゃんと胸張ってれば、なんてことはないさ」
沢山の人がほむらに声をかけてくれた。
看護師
「最近は何かと物騒だから十分気負つけてね!特に、『変な犬』とか『靴の入った寂びた鳥かご』なんかは近づ
かない方がいいって噂よ」
!情報、噂が更新されました!
ほむら
「今までお世話になりました」
ほむらは軽くお辞儀をする。
「元気でね」
「もうくんなよ!」
「怪我したらいつでもきなよ」
暖かい言葉が投げかけられた!
ほむらは病院を出て町へとやってきた!
ほむら
「取りあえず、エイミーね」
ほむらは高架下にやってきた!
ほむらは辺りを見回している。
トラックが目の前を通り過ぎる!
ほむら
「あっ!」
子猫が吸い寄せられるようにトラックの前に躍り出た!
カチッ!
!時間が止まった!
ほむら
「全くこの子はいつも危なっかしいんだから」
ため息をつきつつ子猫を抱き上げる。
トラックの目の前から四歩下がって歩道へと舞い戻る!
カチッ!
!時間が動き出した!
大きな音を立ててトラックが目の前を通過した!
???
「うわわっ!どいてどいてどいてぇ!」
見慣れない制服を着た少女がこちらに突っ込んできた!
派手な音が辺りに響き渡る!
ほむら
「いたた、あなた大丈夫?」
???
「ごめんなさい!怪我してない?」
ほむら
「私は大丈夫。それにしてももう少し周りを見ないと危ないと思うのだけど」
グゥ、と音が鳴る。
???
「だって、だって。おなかすいたんだよー!」
少女は目に涙を滲ませて叫んだ!
ほむらは困っている!
ほむら
(『いろんな人に話しかけるとそれだけたくさん情報が得られる』よね)
「良ければご馳走しましょうか?」
???
「!?」
「本当!?実は今お金持ってなくて、困ってたの!」
少女は目を輝かせている!
ほむら
「そこの喫茶店に行きましょうか」
!昴かずみがパーティに参加した!
~喫茶店~
ほむらは珈琲とペペロンチーノ
かずみはミックスジュースとオムライスを頬張っている!
かずみ
「いやぁ、助かったよ!ありがとう!!わたしの名前はえぇと」
「そう、昴!昴かずみ。よろしくね」
ほむら
「私は暁美ほむら、よろしく」
かずみ
「!?」
「暁美ほむら?素敵な名前だね!今度お礼をしたいからさ、よかったら連絡先を交換しない?」
ほむら
「構わないわ。ちょっと待って」
二人は端末を取り出した!
ピッ!
!昴かずみの連絡先を手に入れた!
ほむらはかずみと別れた。
!昴かずみがパーティから外れた!
ほむら
(日が暮れてきた。そろそろ、帰りましょう)
…
……
………
かずみ
「ただいまー!海香、カオル!」
カオル
「お帰り!」
かずみ
「あれ?海香は?」
カオル
「相当キテルみたい」
海香はキッチンで一心不乱に料理をしている!
かずみ
「スンスン。この匂いはイチゴリゾット!」
海香
「頭の中をイチゴリゾット!!(一度リセット)」
海香はヘブン状態だ!
カオル
「それでヒュアデスの暁の痕跡は見つけられた?」
かずみ
「うーんと、残滓が小さくなりすぎてて、今すぐどうにかは出来なさそうだよ」
カオル
「そっか、そっか。それなら定期的に様子見なきゃだね」
かずみ
「うん。それと、今日は人に会ったよ」
カオル
「ん?あたし達意外の知り合い?」
かずみ
「ううん。暁美ほむら」
カオル
「マジ!?」
かずみ
「本当だよ!聞いていたよりもいい子だったよ」
海香
「出来たぁ!!」
三人はテーブルを囲んで食事を始める。
二日目
朝
~ほむホーム~
まどか
「おはようほむらちゃん!」
ほむら
「おはよう、まどか」
まどか
「今日から登校だね!頑張って!!」
ほむら
「えぇ」
午前
~学校~
ほむら
(まだかしら)
『刺身こんにゃくにつけるのは酢味噌ですか、辛子味噌ですか!中沢君!!』
『どっちでもいいんじゃないかと』
『その通り!!男子はくれぐれもこんにゃくには辛子味噌じゃないといやとか言う大人にはならないように!!
女子はそんな男とは付き合わないように!!』
『駄目だったみたいだね』
『また、だね』
『あらあら』
『それじゃあ、転校生を紹介します』
『そっちが後回しかよ!』
『男子ですかッ、女子ですかッ!?』
『興奮しすぎ』
ほむら
(なぜかいつもよりもテンション高いわ)
和子先生
「暁美さーん、どうぞー」
ほむらはスライド式のドアを開いて教室へと入った。
ほむら
「暁美ほむらです」
(『いろんな人に話しかけるとそれだけたくさん情報が得られる』よね)
「……。よ、よろしく!だぞー?」
ほむらはウィンクをしつつ横ピースで痛かわいい子のポーズをとった!
クラス中に動揺が広がる!
「クール系かと思ったら電波系だったッ!」
「これはッ!圧倒的痛い子!!」
「なかなかにインパクトの強い転校生ですこと」
「あらあら、まぁまぁ」
「自己紹介が変!苦手なタイプだ!!」
ほむら
(止めて!そんなに圧をかけないで!)
「コホンッ。心臓の病気で入院していたので、勝手がわからないことも多いので、どうか仲良くしてください」
ほむらは今更ながらに取り繕った!
何者かの熱い目線がほむらを襲う!
ほむら
(……。まどかがこちらをじっと見つめている!?)
ほむらとまどかは暫し見つめ合った!
和子先生
「それじゃあ、暁美さんの席はソコね」
ほむらは示された席へと着席した!
~休み時間~
「暁美さん髪綺麗だね!どんなシャンプー使ってるの?」
「前はどんな学校に通ってたの?」
「今のパンツの色を是非」
無慈悲な暴力が中沢くんを襲う!
「そのリボンどうやって結んでるの?」
「部活とかはやらないの?」
ほむら
(そんなにいっぺんに聞かれても答えられないわよ)
「ごめんなさい。私、」
まどか
「暁美さん!休み時間には薬を飲まないといけないんだよね?」
ほむら
(救世主来た!やったわ私!でもなんで、こんなに溌剌としているのかしら?)
「そうなの。だから保険係の人に案内してほしいのだけれど」
まどか
「というわけでごめんね、みんな。暁美さん借りていくね!」
「ちぇー。でも、まどっちなら仕方ないか」
「ズルいぞまどっち!暁美さんを独り占めなんてー」
「後生だから下着の色を!」
「こっちゃ真剣なんだ!少し黙ってろ中沢ァ!」
~廊下~
ほむらはまどかの前を歩いている!
まどか
「暁美さん?」
ほむら
「ほむらでいいわ。で、何かしら?」
まどか
(なんだか、雰囲気違うなぁ)
「えと、リボン!お揃いだよね!」
ほむら
「!?」
「そう、ね。お揃いだわ」
(だって、このリボンはあなたのものだもの)
まどか
「なんか、初対面な気がしないなって思ったんだけど。もしかして、どこかで会ったことあるかな?」
ほむら
「鹿目まどか」
1「あなたは家族や友達を大切だと思ってる?」
or
2「まどかって素敵な名前ね。たおやかで流麗な感じがするわ」
下五多数決
投下ここまで
投下します
にしても満場一致で2だとは思わなかったぜ
ほむら
「まどかって素敵な名前ね。たおやかで流麗な感じがするわ」
まどか
「?」
「えへへ、なんだか照れくさいなぁ。でも、ありがとう!私ね、パパとママがつけてくれたこの名前が大好きな
んだ!」
!まどかからの好感度がアップした!
ほむら
「ふふふ、本当に素敵なであなたにピッタリな名前だと思うわ」
まどか
「!」
「ほむらちゃんの名前も、なんかこう燃え上がれーって感じでカッコいいよね!」
ほむら
「でも、名前負けしてるわ。だって私、情熱的じゃないもの」
まどか
「そんなことないよっ!ほら、自己紹介のときさ、すごく、その、ユニークだったよ!!」
ほむら
「……」
「お願い、あれは忘れて」
まどか
「そんなに恥ずかしがらなくても、かわいかったのに」
ほむらは全力で照れている!!
~放課後~
モブ子ちゃん
「暁美さん!暁美ちゃん!暁美っち!ホムラー、ほむっち、ほむほむゥッ!」
ほむっちほむほむ
「えぇと、何かしら?」
ほむらはあまりのテンションの高さに戸惑っている!
モブ子
「you-、storeの場所とか分かるのかい?」
ほむら
「えっ?えぇ、まぁ。一通りは分かるわ」
モブ子
「ч!つまんないの!そこは知ってても知らないふりして私に付き合うところでしょう」
ほむら
「えー、えぇー。何よそれ、なんなのよ、完全に言いがかりじゃないの」
ほむらのテンションががくっと下がった!
モブ子
「じゃあじゃあじゃあ!先っちょだけ!先っちょだけでいいからいっしょに帰ろう!」
!モブ子が同行者に加わった!
ほむら
「一緒に帰るのに先っちょだけとか、本当に意味が分からないわ」
通学路
ピッ!
「シュークリームがおいしいケーキ屋さんが新しくできたんだって!場所?そりゃもちろん駅前に決まってるさ」
ピッ!
「ギャハハ!Jリーグ終了のお知らせ!!」
ピッ!
「そう言えば見滝原中にテケテケが出るって噂知ってる?」
!噂が更新されました!
ピッ!
「いつだってヒーローってのは遅れて空からやってるらしいぜ」
街
モブ子
「そう言えばこのあたり、動く薔薇が出るって噂だよ」
!噂が更新されました!
ほむら
「!」
(遠隔通信でまどかと連絡を取りたいのに、取れない……)
「面白い話ね」
モブ子
「そんなことは置いておいて、ほむらっちょ!あそこのmarketに、入ろーぜぇ!」
ほむら
(この上なくウザい)
「マーケットって、ただの大型スーパーじゃないの」
スーパー
ほむらはじっと野菜を見つめている!
ほむら
(このじゃがいもはいいじゃがいも)
(フキノトウっていうのはどういう料理に使うのだろうか)
(アーリーレッドって格好よさげな名前なのに赤玉ねぎなのよね)
(安納芋がおいしそうだわ)
ほむらはキャットフードを眺めている!
ほむら
(ワルプルギスの夜を倒したらエイミーを飼いたい)
ほむらは惣菜コーナーを眺めている!
ピッ!
「半額弁当をかけた熱い戦いが今始まる!」
ピッ!
「この誇りに賭けて俺は弁当を取るぞー!」
ピッ!
「一人暮らしだとかった方が逆に安い」
ピッ!
「中学生のうちからこんなもの食べてちゃ育たないよ?」
ほむら
(今、完全に私のある部分を見て言ったわね)
ほむらはペタペタとない胸を触った!
モブ子
「じゃじゃーん!呼ばれて飛び出て私です!そんなほむぴょんにおススメがありますよぉ!」
モブ子はほむらを引きずって飲料コーナーにやってきた!
ほむら
「私に牛乳を飲め、と」
ほむらは怒りに震えている!
モブ子
「てへぺろ☆」
「ほむにゃんがおににゃんになる前にずらかるぜッ!」
!モブ子が同行者から脱退しました!
ほむら
(ようやく、まどかと連絡を取れるわ)
『まどか?』
まど神さま
『ほむらちゃん?無駄かもしれないけど、努力はしないと結果はついてこないんだよ!』
ほむら
『……筒抜けなのね。なんだか落ち込むわ』
まど神さま
『ちょっと、ほむらちゃ』
ほむらはあまりの遣る瀬無さに遠隔通信を強制遮断してしまった!
ほむら
(はぁ、牛乳。買って帰ろう)
レジ
ほむらは一リットルパックの牛乳を三本カゴに入れて並んでいる。
ほむら
「……」
ポトッ!チャリリリンッ!
レジに並んでいた少女が財布を落としてしまった!
「チッ!うぜーな」
「早くしろよ!」
ほむら
(あれはっ!呉キリカッ!)
(ということは、アイツもどこかにいるのかしら)
ほむらはあたりを見回した!
何処からか銀髪の少女が現れた!
ほむら
(美国織莉子!)
銀髪の少女はしゃがみ込んで小銭を拾うのを手伝いだした!
ほむら
「……」
1自分も拾うのを手伝う
or
2時間を止めてこの場で撃ち殺す
or
3見なかったふりをする
下五多数決
投下ここまで
投下します
それにしてもお前らはおりキリに何か恨みでもあるのか?
ほむら
(これは障害を取り除く最大の好機!)
ほむらは人目も気にせず魔法少女へと変身した!
!ほむらのグラフィックが制服から魔法少女服へと変化した!
カチッ!
時間が止まる!
まど神さま
『ねぇ、ほむらちゃん?本当にそれでいいの?』
ほむら
『えぇ、こうじゃないといけないわ』
まど神さま
『でも、それでも織莉子さんもキリカさんも、まだ魔法少女じゃないんだよ?』
ほむら
『それでも、よ。むしろ敵性がない今が排除するにはもっとも都合がいい』
まど神さま
『そっか。うん、ほむらちゃんがそうまでいうならもう止めない』
『だけど、覚えておいて。ほむらちゃんはこれから一生、二人の命の咎を背負って生きていくんだよ』
ほむら
『構わないわ。それで、あなたを救えるのならば』
まど神さま
『違うよ、そうじゃないんだよ。例え、どんな正義が、大義が目的があったとしても、人を殺すっていうのは抗
えないものだし、償えないものなんだよ』
ほむら
『例え、ワルプルギスを倒した後に、その付けを払わされることになったとしても、私は後悔しないわ。ただ、
あなたを救う。それだけよ』
まど神さま
『そうなんだね。ほむらちゃんの気持ちは分かったよ。私はもう引き止めない』
止まった時の中でほむらは銃を取り出すと、二発だけ弾を弾いた!
銃をしまうと、ほむらは牛乳の入ったカゴを持ち直して、変身を解いた!
!ほむらのグラフィックが魔法少女服から制服へと変化した!
カチッ!
時間が動き出す!
バァン!と大きな銃声が響き渡る!
「キャー!」
「ッ!?」
「なにこれ、ドッキリ?」
「この匂いは本物だろッ!」
ほむら
「……」
(これでよかったはず)
スーパーはパニックに陥った!
ほむらも騒ぎに乗じてスーパーを脱出する。
…
……
………
ファーストフード店
さやか
「アハハハハッ!まどかなにそれ!」
仁美
「さやかさん流石に笑いすぎですわ。ふふふっ」
まどか
「ひ、仁美ちゃんだって笑わないでよぉ」
さやか
「突然現れた謎の電波系完璧超人な美少女転校生!その転校生と実は夢の中で出会ったまどか!しかも、向こうもさりげなく知り合いのような素振りだった!」
まどか
「そ、そんなんじゃないってばぁ!」
さやか
「これはもうあれだね!完全に前世で何かあったとしか思えないよ!」
仁美
「!」
「ごめんなさい。もうこんな時間。やっぱり楽しい時間というのはすぐに過ぎてしまうものですね。お先失礼しますわ」
さやか
「今日は何のお稽古事?」
仁美
「今日は、合気道と隠密機動ですの」
さやか
「なんかまたわけのわからないことをやってるね」
仁美
「それでは、ごきげんよう」
さやか
「うん、また明日!」
まどか
「また明日ね!仁美ちゃん」
志筑仁美が席を離れて、家路へとついた!
さやか
「ねぇ、まどか。今日ちょっと寄りたいところあるんだけど……」
まどか
「また、CDショップ?全く上条くんも果報者だなぁ。こんな幼馴染に慕われてて」
さやか
「いや、えへへ。そんなんじゃないってば」
…
……
………
1キュゥべえを潰す
or
2帰って寝る
下五多数決
2を選ぶとマミさんルートをスキップします
投下ここまで
投下します
それにしても、おりキリ殺しちゃったせいでほむらちゃんにギャグさせ辛くなったじゃないか
ほむら
(そろそろインキュベーターを潰しに行きましょうか)
…
……
………
CDショップ
まどかはヘッドフォンをして音楽を聴いている!
???
『た、たすけて……』
まどか
「!?」
まどかはキョロキョロとあたりを見回した!
???
『たすけて』
まどか
「!!」
使っていたヘッドフォンを試聴器に戻すと、鞄を掴んで走り出した!
さやか
「?」
「まどか?」
改装中の二階テナント
まどかはあたりを見回しながら恐る恐る足を進める。
???
「あふっ、ちょっ。はふっ、ふぁ、ふぁふぁ」
ほむら
「ほら、ここがいいんでしょう。ここが、この卑しん坊め!」
まどかの目に飛び込んできたのは白い生物と、魔法少女姿の暁美ほむらだった!
まどか
「……」
「ほむら、ちゃん?何をしてるのかな?」
まどかは理解が追い付かない!
ほむら
「あら、鹿目まどかじゃない。二時間ぶりくらいかしら?」
???
「ちょっ、やめっ。あふんっ。本当にもう、うぅ、あっ、はぁ」
ほむらはタイツ越しにグリグリと謎の白い生物を踏みつぶしている!
まどか
「えっと、嫌がってるみたいだから止めてあげた方が……」
ほむら
「嫌がってる?あなたにはこれがそう見えるの?」
謎の白い生物は若干発情してる!
まどか
「……」
「あんまり人の趣味にどうこう言うのは良くないって分かってるんだけど、獣っていうのはちょっとあんまりな
んじゃないかなって」
ほむら
「鹿目まどか。勘違いしないでほしいのだけど、これはコイツがやってくれって私に懇願するから仕方なく、や
ってるのよ?」
ほむらはそう言いながら執拗に白い生き物をグリグリし続けている!
???
「ふぁ、ふぁぁっ!ダメダメダメッ!本当にもうだめだよっ!うふぁ、はぁん。くぅ、はぁぁぁぁん!」
ほむら・まどか
「……」
白い生物へと汚物を見るような視線が向けられる!
さやか
「えっ?これどういう状況?」
ほむら
「私が、この謎生物を踏みつけている現場を目撃された」
ほむらは端的かつ的確に状況を説明した!
ほむら
「付け加えるならば、さっきこの生物はヘブン状態に陥ったわ!」
ほむらは髪をかきあげて恰好をつけた!
ほむら・まどか・さやか
「……」
さやか
「まどか、あまり関わり合いにならないうちに帰ろうか」
まどか
「うん」
ほむら
「賢明ね。だけど、一つだけ言いかしら?」
「コホンッ!このことは他言無用よ?」
まどか・さやか
「……」
突如!奇妙な空間が場を侵食する!
ほむら
「こんなときに!」
!薔薇の魔女の使い魔たちが現れた!
まどか
「なに、これ?」
さやか
「うっ、うわっ!化け物!?」
ほむら
「私の後ろに隠れていなさい」
!鹿目まどかと美樹さやかが同行者に加わった!
暁美ほむらの攻撃!
軽機関銃をぶっ放した!
125! 120! 118! 126! 128! 115!
使い魔たちをやっつけた!
バラノマジョノカケラヲテニイレタ!
さやか
「た、助かったぁ」
ほむら
「いいえ、まだよ!」
!薔薇の魔女の使い魔たちが現れた!
暁美ほむらの攻撃!
軽機関銃をぶっ放した!
124! 118! 126! 120! 123! 116!
使い魔たちをやっつけた!
バラノマジョノカケラヲテニイレタ!
ほむら
「えぇい!きりがない!」
単発式の銃の軽快な発砲音が連続する!
マミ
「お行儀の悪い子がいるみたいね」
ほむら
「!」
さやか
「えっと、どちらさま?」
マミ
「自己紹介の前に、一仕事しちゃうわね」
「ほら、貴女も手伝って!」
ほむら
「え、えぇ。望むところよ」
!巴マミがパーティーに加わった!
!薔薇の魔女の使い魔が現れた!
マミ
「一気に片付けさせてもらうわね!」
マミの攻撃!
魔弾の舞踏!
250! 240! 260! 238! 254! 264!
248! 246! 258! 241! 262! 258!
使い魔たちをやっつけた!
バラノマジョノカケラヲテニイレタ!
まどか
「すごい!あっという間にやっつけちゃった」
マミ
「初めまして、私は巴マミ。あなたたちと同じ見滝原中の三年生よ」
???
「はっ!僕としたことがあまりの事態に失神してしまったよ」
さやか
「変態生物が喋った!」
???
「変態とは酷いなぁ。僕の名前はキュゥべえ。君たちにお願いがあって呼んだんだ」
まどか
「お願い?変態なのに?」
キュゥべえ
「酷い言われようだね。まぁ良いや」
「僕と契約して魔法少女になってよ!」
ゲシッ!
キュゥべえ
「あふんっ!」
マミ
「ちょっとあなた何をいきなりキュゥべえを踏みつけているの!?」
ほむら
「巴さん、といったかしら?こいつはこういう事をされると無上の喜びを感じるたちなのよ?知らなかった?」
まどか・さやか・マミ
「……」
キュゥべえ
「はぅわ!う、うぅぅ。あひんっ!」
ビクンビクンと震えている!
まどか・さやか・マミ
「……」
というわけで投下終了
マミルートがスキップされなくて本当に良かった。
マミほむマミほむ
やっべぇ曜日入れ忘れてるじゃん
というわけで投下します
三日目、金曜日
~朝~
ほむホーム
まど神さま
「おはようほむらちゃん」
ほむら
「おはようまどか」
(なんとなく、心がざわついて落ち着かないわ)
まど神さま
「昨日は大変だったね。よく眠れた?」
ほむら
「不思議ね、少し悪い夢を見たわ」
まど神さま
「それは、やっぱりしょうがないことだよ」
ほむら
「ありがとう」
まど神さま
「……」
!シーン回想に
『共通ルート、魔法少女の使命』
が追加されました!
~昼~
学校-教室
ほむら
「……」
(昼休み。食欲がまるでないわ)
マミ
『あっ、あー。暁美さん?』
ほむら
『何かしら、巴マミ?』
マミ
『昼休み、ちょっと時間あるかしら?』
ほむら
「?」
『ないこともないけれど、何か用?』
マミ
『そうね、ちょっと「話し合い」がしたいかな?』
ほむら
『そう。そういう事なら応じるわ。今から向うから待っていて。屋上でいいのでしょう?』
マミ
『よくわかったわね』
ほむら
『……。統計よ』
ほむら
(さてと、何が起こるのやら)
モブ子
「ほむほむ!一人かい?一人なんだね!?一人だと言って!!そして私と一緒にご飯食べようぜぇ!」
ほむら
「ごめんなさい、食欲はないし。先約が一件」
モブ子
「なんですとー。わたしからほむりんを奪ったのどこのどいつなんだ?」
ほむら
「飛び切り美人な三年生よ?」
モブ子
「ぐはぁ!年上かぁ。勝てない」
モブ子はなぜか膝をついて敗北宣言を掲げた!
学校-屋上
鉄の扉を開けると気持ちの良い風が吹き抜ける!
ほむら
「待たせたわ」
マミ
「急に呼び出したのはこっちだし、気にしないで」
ほむら
「えぇ、大丈夫。気にはしてないわ」
マミ
「そう、やっぱりつれないわね」
ほむら
「そんなことで拗ねないでほしいのだけど。それよりも、『話し合い』っていうのは何かしら」
マミ
「昨日のことで、貴女に敵意がないのは十分に分かったわ」
ほむら
「えぇ、ご理解いただけてうれしいわ」
マミ
「ワザとそう言うことを言う子だってことも、ね」
ほむら
「……」
マミ
「それを踏まえて、こう質問したいの。『貴女は一体何者なのか』と」
ほむら
「……。質問の意味が分かりかねるわね」
マミ
「白を切るつもりかしら?それなら、言葉を変えさせてもらうわね」
「『貴女は私の何を』知っているのかしら」
ほむら
「……。なかなか、面白いことを聞いてくるのね」
マミ
「いいから、答えなさい。回答によっては酷いわよ?」
ほむら
「……」
(どんな回答が、正解なのかしら。あなたが望んだ答えを言えばいいの?それとも)
「……。そうね、私はあなたの弱さと望みを知っているわ」
マミ
「そう、弱さと望み、ね」
ほむら
「勘違いしないでほしいのだけれど、私はあなたの強さは信頼しているわ。ただ、誰しも完璧になどなれはしない。それだけよ」
マミ
「……」
ほむら
「そこで、一つ提案があるのだけれど」
マミ
「聞きましょう」
ほむら
「私と組まない?」
マミ
「……。まだ、貴女を完全に信用したわけじゃないの。もう少し考えさせてもらえるかしら?」
ほむら
「構わないわ。ただし、一つだけ条件を付けさせてもらいたい」
マミ
「言って」
ほむら
「鹿目まどかと美樹さやか。この二人を魔法少女に勧誘するのを止めてほしい。出来れば、いいえ。可能な限り
二人をこちらに巻き込みたくないの」
マミ
「良いでしょう。でも、二人が本気で魔法少女になりたいと言ったら私は、私には止められないわよ。どこかで
それを望んでしまっているもの」
ほむら
「承知の上よ。少なくとも、魔女退治に連れまわしたりしなければそれで十分だわ」
「それに、その隙間を埋められるように努力するのも私の仕事だもの」
マミ
「!」
ほむら
「それじゃあ、そろそろ失礼するわ」
ほむらはドアを開けて屋内へと戻っていった!
投下ここまで
それはそうと、作中日曜日はフリータイムです
現在選択できるのは
1ソロで魔女退治
2まどかとお出かけ
3さやかとお出かけ
4マミとお出かけ(魔女退治込)
5何もしない
となってます。
土曜日分の投下終了までの多数決受け付けでス。
2と4ってだめ?
まどかとさやかを誘って一緒に行動
>>97
取りあえず一回目の日曜日なのでどちらか一人、お選びください
最も選ばれなかったキャラクターの皆さんも街中で遭遇することがあるかと思います
それでは投下します
~放課後~
学校-教室
ほむら
「……」
(そう言えば、私は志筑仁美とはあまり接点がなかったわね)
ほむらは無意識に志筑仁美の方を凝視している!
ほむら
(話しかけてみようかしら)
仁美
「?」
「暁美さん、何か私にご用でしょうか?」
ほむら
「!」
(な、なにぃ!鋭いわ、思ったよりもずっと鋭いわ!けれど、これはチャンスよね。ちょっとお話ししましょう
って言うだけの簡単なお仕事よ!)
仁美
「!」
(何か、とても驚いているようですわ。これはもしや、私に何か秘密の相談事が!?)
仁美は何かを勘違いしている!
仁美
「分かりましたわ!暁美さん、何も言わずに私についてきてくださいまし!」
ほむら
「!!」
(何かよくわからないけれど、察された!)
「えぇ、ありがとう?」
仁美
「という訳なのでさやかさん、まどかさん、今日はお二方だけで愛を育んでくださいまし」
仁美はワザとらしく手を目に当てている!
まどか
「?」
「!」
「だから、そんなんじゃないってばっ!仁美ちゃん!」
さやか
「そうだぞ、仁美ー。まどかだけじゃなくて仁美もあたしの嫁になるのだぁ」
仁美
「あらあら、まあまあ」
さやか
「事情はなんかよくわかんないけど、仁美がそう言うのなら任せるよ。転校生のこと頼んだよ?行こう、まどか」
まどか
「うん!仁美ちゃん、ほむらちゃんのことお願いね!また明日!」
「ほむらちゃんも、また明日!」
仁美
「えぇ、それではごきげんよう」
ほむら
「えぇ、また明日」
まどかとさやかは揃って教室を出て行った!
ほむら・仁美
「……」
二人は無言で見つめ合っている!
モブ子
「ほむらんとひとひとが目と目で愛を育んでいる?」
「またか、私はまたもや敗北者なのかぁ!」
モブ子は本日二度目の敗北宣言と共に教室を飛び出していった!
モブ子の叫びを聞いて二人は照れている!
ほむら
「取りあえず、帰りましょうか」
仁美
「えぇ、そう致しましょう」
!志筑仁美が同行者に加わります!
短いですが、投下終了です
今のところ
1が零票
2が七票
3が零票
4が二票
5が一票
でまどかルートが濃厚ですね
さやかちゃん人気なさすぎワロタ
多数決はまだ受け付けておりますのでご自由にー
それでは投下します
通学路
ピッ!
「近くの大型スーパーで殺人事件があったらしいよ」
ピッ!
「またせたな……!俺もようやく飛べる!」
ピッ!
「駅向こうにやたら気温が低いところがあるらしいよ?」
!噂が更新されました!
街
仁美
「駅向こうの再開発区域の近くにある喫茶店がお勧めですの。そちらにご一緒しましょう?」
!喫茶店で仁美とお茶しよう!
ピッ!
「聞いた?殺された子は二人とも中学生なんだって」
ピッ!
「全く衰えない、俺の体力は赫々と燃え続けるぜ!」
駅
仁美
「あちらの角を曲がった先ですわ」
ピッ!
「銀色の流星って噂知ってる?なんでも、目にもとまらぬ速さで走るんだって」
!噂が更新されました!
ピッ!
「廃ビルの中に薔薇園があるって知ってる?私が見たわけじゃないから本当なのかどうかは分からないけど、そ
ういう噂だよ」
!噂が更新されました!
ピッ!
「この店は知る人ぞ知る隠れた名店なんだぜ」
喫茶店 law-aion
店主
「いらっしゃい」
仁美
「ごきげんよう」
ほむら
「こんにちは」
店主
「お嬢が友達を連れてくるなんて初めてじゃないか」
仁美
「もう、そういう言い方は止めてくださいまし」
店主
「ハハハっ。どこでも空いてるから好きなところへどうぞ」
仁美
「そうさせていただきます。暁美さん、こちらへ」
ほむら
「えぇ」
二人は最奥の二人掛けのテーブル席に座った!
ほむら
「そう言えばさっき友達連れてくるのは初めてとか言われていたけれど……?」
仁美
「ふふふ。ここは、さやかさんにもまどかさんにも秘密の場所なんですの」
ほむら
「そんな大事な場所に私を連れてきてしまって良かったの?」
仁美
「えぇ、もちろん。それに、さやかさんもまどかさんも騒げるところの方が落ち着くと思いますし」
ほむら
「落ち着いた雰囲気のこのお店は肌に合わないんじゃないかと思って、といったところかしら?」
仁美
「ご明察です。それで、暁美さん何か心配事がお有で?」
ほむら
「えぇ、というか私何も言ってないのだけれどよくわかったわね」
仁美
「なんというか、悩み事があるんだけど言いだしづらくて相談できないときのまどかさんによく似ていたもので」
ほむら
「そんなに分かりやすかったかしら?」
仁美
「えぇ、とても」
仁美は上品に笑っている!
仁美
「本題に入る前に注文をしてしまいましょうか」
ほむら
「えぇ、そうね。このお店は珈琲と紅茶どちらがお勧めかしら?」
仁美
「どちらも、格別ですわ。なのでお好きな方をお勧めします。それと、フルーツケーキが絶品ですの」
ほむら
「そうなのね、それならアメリカンとフルーツケーキにしようかしら」
仁美
「すみませーん。注文をお願いしますわ」
…
……
………
ドリンクとケーキが運ばれてきた!
ほむら
「!」
「こ、これはっ!甘すぎず、だけれど、薄味過ぎずしっとりと柔らかなスポンジに綺麗に泡立てられたホイップ
クリームの喉越し、それに何より新鮮なフルーツがさっぱりとした甘さを引き立てている!」
仁美
「ふふふ、気に入っていただけたようで何よりですわ」
ほむら
「……」
「失礼。変なところを見られたわね。それにしても珈琲に合うように計算されたような素晴らしいケーキだわ」
仁美
「気に入っていただけたのならば、構いませんわ。喜んでもらえたみたいで何よりです」
「さて、そろそろお話してくださるかしら?」
ほむら
「……」
(なんだかノリで相談事があるみたいな空気になっているけれど、実際に相談できることなんて何もないのよね。
どうしようかしら)
ほむら
「!」
(事情は伏せて相談してみましょう)
「実は、私にはある目的があるの。期間はこれから一ヵ月の間。そして、私の目的は大勢の人に関係がある、
『ある出来事』」
仁美
「内容の詳細についてはお話いただけないんですのね」
ほむら
「えぇ。そういう約束というか、なんというか。言ってしまえばそういう事になってるわ。それで、もしもの時
に命を預けられる人を探しているの」
仁美
「それが、私ですの?それとも……」
ほむら
「ごめんなさい率直に言ってあなたに命を預けることは出来ない、そう思っているわ。だけれど、恐らく私の目
的に関わってくるであろう人たちのことならお願いできる。そんなところね」
仁美
「その人たちの名前をお聞きしても?」
ほむら
「鹿目まどかと、美樹さやか」
仁美
「お二人が?それは今日やたらに目配せをしていたこと、と関係がお有で?
ほむら
「えぇ、そうね。もう巻き込んでしまったから。本当なら少なくとも、もう少し遅らせるつもりでいたのだけれ
ど、下手を打ったみたいね」
仁美
「ならば、せめてお二人が何に巻き込まれているのかを教えてくださいまし」
ほむら
「ごめんなさい。それは言えないわ。いいえ、明かせないと言った方がいいわね」
「ただ、二人にはあなたに言えないだけの理由がある秘密を抱えている。それだけ知っていてほしいと思ったの」
仁美
「なるほど、結局何も話せない。ということは分かりましたわ」
ほむら
「……」
仁美
「いえ、お気になさらないでください。大丈夫ですわ。少し、寂しいですけれど事情があるのならしょうがない
ことです。私もさやかさんたちに内緒にしていることもありますし」
ほむら
「それで、物は相談なのだけれど」
仁美
「?」
ほむら
「時々でいいから、こうしてあなたと話がしたいのだけど。結局何も話せはしないのだけど、話せないことを相
談してもいいかしら?」
仁美
「!」
「私でよろしければ、是非お力になりますわ」
仁美は嬉しそうだ!
ほむら
「それなら私たちは秘密の友達、ね」
ほむらはウキウキとしている!
仁美は何かに目覚めそうだ!
仁美
「ハッ!いけませんわ。もうこんな時間!」
ほむら
「大変ね、習い事が多いっていうのは」
仁美
「えぇ、ですが志筑家のものとして弱音を吐くような真似は出来ないので」
ほむら
「愚痴位ならいつでも聞くわよ。それじゃあ、お勘定を済ませて解散にしましょう」
仁美
「えぇ、それなら是非お願いしますわ。それでは御機嫌よう」
!志筑仁美が同行者から脱退しました!
投下ここまで
信じられないことにまだ全体の十分の一くらいしか終わって進んでないんだぜ、これ
あとモブ子ちゃんがウザいのは諦めてくれ
>>121
日本語おかしかった
信じられないことに全体の十分の一くらいしか終わってないんだぜ、これ
だわ
よぉし!
張り切って投下しちゃうぞ!
駅
ほむら
「!」
魔力のうねりがソウルジェムを通してほむらに伝わった!
ほむら
「この反応、薔薇の魔女ね」
!反応は再開発区域の方から来ている!
ほむら
「近いわね」
再開発区域-廃ビル群
ほむら
「反応はこのあたりから強く出ているみたいね」
並び立つビルの群れの中から一際反応が強いヵ所へと向かっていく!
ほむらはビルの中へと入っていった!
再開発区域-火ビル内部
出入り口正面の階段近くに堂々と魔女の結界が開いている!
ほむら
「随分と挑発的ね」
ほむらは薔薇の魔女の結界へと踏み込んだ!
魔女結界-薔薇の魔女
一層目
!コマンドが結界探索モードに切り替わった!
ほむら
(使い魔がウヨウヨ沸いているわね。明らかに数が多いわ。なるべく使い魔は無視して本命をさっさと叩い
てしまいましょう)
まど神さま
『ほむらちゃん?今、魔女の結界にいるんだよね?』
ほむら
「?」
『えぇ、薔薇の魔女の結界を開いたわ』
まど神さま
『この世界では使い魔を倒すと「魔女の欠片」を魔女本体を倒すと「魔女の元」を手に入れられるの。そう
やって集めた欠片や元を使って強力な魔法武器を作ることが出来るんだ!だから、出来るだけ沢山使い魔を
倒して欠片を集めた方がいいんだよ!』
ほむら
『なるほど、いつの間にか盾に入っていたこれ(薔薇の魔女の欠片)はそういうものなのね』
まど神さま
『それと、結界の中で手に入れたものは自動的に盾の中に収納されるようになってるの!これはほむらちゃ
んだけの特権だけどね』
『それじゃあ、頑張ってね!!』
ほむら
「……」
(使い魔をちゃんと倒すと武器を盗み出してくる必要がなくなるのね)
!使い魔を倒しつつ第二層を目指せ!
ほむら
(構造は比較的、いやかなりシンプルみたい。どういう区分けなのかはよくわからないけれど、取りあえず
向こう側へ進めば良さそう)
ほむらは近くの使い魔にハンドガンで牽制した!
!薔薇の魔女の使い魔が現れた!
先制攻撃!
相手は怯んでいる!
ほむら
「!?」
(使い魔一匹を攻撃したと思ったらいつの間にか二列で隊列を作ってる八匹の使い魔と対面していた、です
って?)
ほむら
「まぁ、細かいことは気にしないことにしましょう!どうせ、物の数には入らないわ」
ほむらの攻撃!
軽機関銃をぶっ放した!
124! 128! 119! 114!
前列の使い魔を倒した!
後列の使い魔が前列へと繰り上がってくる!
使い魔の攻撃!
50! miss! miss! 44!
ほむらの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
ほむらの攻撃!
114! 120! 117! 119!
使い魔をやっつけた!
バラノマジョノカケラヲテニイレタ!×2
ほむら
「この調子でサクサク行きましょう」
!薔薇の魔女の使い魔が現れた!
…
……
………
使い魔をやっつけた!
バラノマジョノカケラヲテニイレタ!×8
ほむら
(取りあえず、このフロアの使い魔は一掃したわね)
ほむらは第二層目に移動した!
魔女結界-薔薇の魔女
第二層目
!使い魔を倒しつつ第三層を目指せ!
ほむら
「この層も、なにもなさそうね。取りあえず使い魔を全滅させましょう」
!薔薇の魔女の使い魔が現れた!
…
……
………
使い魔をやっつけた!
バラノマジョノカケラヲテニイレタ!×10
ほむら
「さっさと次に行きましょう!」
ほむらは第三層目に移動した!
…
……
………
~夜~
再開発区域-廃ビル群
マミ
「魔女の反応はこのあたりからね」
マミ
「!」
正面のビル最上階からOLらしき人が身を投げ出した!
!巴マミのグラフィックが制服から魔法少女服へと変化した!
飛び降りた女性の体をマミのリボンが支える!
マミ
「……」
(魔女の口づけを受けている。きっとストレスで心が弱っていたのね)
気を失った女性をゆっくりと地面に寝かせる!
マミ
「早いところ魔女を倒してしまいましょうか。行くわよ、キュゥべえ」
キュゥべえ
「合点承知の助だ、マミ」
マミ
「……」
「どこで覚えてきたの?」
キュゥべえ
「まどかと一緒に時代劇を見ていたんだ」
マミ
「……」
「そう、そんなことをしていたのね」
マミは呆れている!
…
……
………
魔女結界-薔薇の魔女
第三層目
!魔女をやっつけろ!
ほむら
(正面に扉が一つ。使い魔は無し。完全に誘っているみたいね)
扉を開けるとそこには広い空間が広がっていた!
空間の中央にいた黒い巨躯を持つ魔女が襲ってきた!
!薔薇の魔女が現れた!
ほむらの攻撃!
マシンガンをぶっ放した!
77!
81!
75!
70!
魔女の攻撃!
蔓が襲いかかる!
44!44!
魔力が体を修復する!
cure!30
ほむらの攻撃
デザートイーグルをぶっ放した!
strike!700!
魔女の攻撃!
鋏が襲いくる!
カッ!
ほむらは時間を止めて攻撃を回避した!
魔力消費!50!
魔力が傷を修復する!
cure!30!
…
……
………
薔薇の魔女をやっつけた!
バラノマジョノモトヲテニイレタ!
グリーフシードヲテニイレタ!
結界が崩壊する!
~夜~
再開発区域-火ビル内部
ほむらは結界から放り出された!
!コマンドが通常モードに切り替わった!
マミ
「暁美さん?」
ほむら
「!?」
「生憎と魔女は倒してしまったわよ?」
マミ
「そう、無事に済んだのね。それならいいの」
ほむら
「……」
「!」
ほむらはソウルジェムを浄化した!
ほむら
「もう一度くらいなら使えるわ」
ほむらはマミにグリーフシードを投げ渡す!
マミ
「……」
「ありがたく使わせてもらうことにするわ。ありがとう」
マミもソウルジェムを浄化した!
!巴マミからのの好感度がアップした!
マミ
「キュゥべえ。これ、お願い」
キュゥべえ
「合点承知の助だよ、マミ!」
ほむら
「……」
ほむらはキュゥべえを見つめている!
キュゥべえ
「踏んで下」
マミ
「駄目に決まってるでしょう!!」
ほむらは無言でキュゥべえににじり寄っている!
マミ
「暁美さんも踏もうとしないで!」
ほむら
「私は別に踏もうとしたわけじゃないわ。ただ、あなたに近づいただけよ」
マミ
「嘘おっしゃい!絶対にキュゥべえの方に近づいていたわ」
ほむら
「そんなことより、もういい時間なのだから早めに帰宅した方がいいんじゃないかしら?」
マミ
「……」
「話のそらし方が露骨ね。まぁ、その言葉には一理あるけれど」
ほむら
「なら早く帰りましょう」
マミ
「えぇ」
ほむホーム
ほむらは自宅に戻ってきた!
まど神さま
「お帰りほむらちゃん」
ほむら
「ただいま。そういえば、まどかはずっとここにいて退屈じゃないの?」
まど神さま
「?」
「!」
「私は時間に縛られていないから、そういう感覚そのものがないよ?」
ほむら
「それってどういう事?」
まど神さま
「うーん、私にとっては一秒も十秒も、十日も十か月も、十年も十世紀も同じだからね」
ほむら
「……」
「随分と気が長いのね」
まど神さま
「えへへ。ほむらちゃんは早く寝た方がいいよ!明日もきっと忙しいからね!」
ほむら
「そうさせてもらうわ。お休み、まどか」
まど神さま
「うん。お休みほむらちゃん」
よっしゃ!
投下ここまで
これにて三日目終了です
まだ三日あと、二十七日
乙です
ところで修復に魔翌力ってどのくらい消費するの?
次、少し遅れる
>>149
ステータスが↓こんな感じで
暁美ほむら
学生 魔法少女 Lv.28
体力 魔法力 力 素早さ 守り 魔女
340 8686 54 62 50 10
攻撃属性
物理 兵器
特種技能
時間停止 時間逆行 収納
兵器 操縦 戦略 開発 不屈
状態
無
魔力は
日付経過で200
結界侵入で50
一ターンにつき自動回復込みで50(戦闘開始一ターン目でワンキルすれば消費なし)
体力が0になったら一体力=一魔力で高速復帰可能(ただし、一ターン行動不能)
の消費を想定
グリーフシードの回復量は一回の使用で全回復
使用回数が2から5回
グリーフシード以外での魔力の回復手段は無し
一応設定はかなり固めてあるのでシステム的なのは放出可能です
比較対象が居ないと強さわからなくね
魔女の項目ってなに?
100で魔女化とか?
四日目、土曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
「……」
ほむらは寝ぼけてぼんやりとしている!
まど神さま
「おはようほむらちゃん!」
ほむら
「おはよう。でももう少し寝る」
起こした体をもう一度寝かせてしまった!
まど神さま
「駄目だよ!ほむらちゃん!!シャキッと朝は起きないと!!」
ほむら
「……」
まど神さま
「今日は半日授業でしょ?せっかくだから早く帰ってきてよ!」
ほむら
「……。えくれあ?」
まど神さま
「早く帰ってきてね?」
ほむら
「おーけー、よ」
~午後~
学校-教室
ほむら
(今日は早く帰って来いって言われた気がするわ。よく覚えてないけれど)
ほむらは鞄を抱えて席を立った!
まどか
「!」
「ほ、ほむらちゃん!!」
ほむら
「?」
「何かしら?」
ほむらは首を傾げている!
まどか
「今日は、午後から遊びに行くんだけど……」
「その、一緒に、行けたらな、って思って」
ほむら
「ごめんなさい。今日はこれから用事があるみたいなの。だから、一緒にはいけないわ」
「代わりと言ってはなんだけれど、明日この町を案内してくれないかしら?引っ越してきたばかりでお店の
場所もろくに分からないのよ」
まどか
「!!」
「そっか、分かった!それじゃあ、また明日、だね」
ほむら
「えぇ、何時にどこに行けばいいのかしら?」
まどか
「……」
「後でメールするから連絡先、交換しよ!」
ほむら
「ふふ、分かったわ」
二人は端末を取り出した!
ピッ!
!鹿目まどかの連絡先を手に入れた!
ほむら
「それじゃあ、また明日」
まどか
「うん、また明日!」
ほむらは、足早に教室から出て行った!
まどか
「さやかちゃーん、仁美ちゃん。振られちゃったー」
さやか
「いやいや、まどか。あんたは良く頑張ったよ。流石はあたしの嫁になる女だ」
仁美
「うふふ、ですが明日の約束は取り付けられましたし、上出来ですのよまどかさん」
…
……
………
ほむホーム
まど神さま
「帰ってきたね、ほむらちゃん!」
ほむら
「ただいま、まどか」
まど神さま
「早速で悪いんだけど、これ着て!あとそれからこの台本も読んでおいて!!」
ほむら
「……」
「全く騒々しいわね。何があっ」
「!!!」
三十センチほどの大きさだったまどかが百二十センチほどの大きさで動き回っている!
ほむら
「!?!?」
「えっと、まどか。その格好どうしたの?」
まど神さま
「この日のために三日間因果を溜め続けていたんだよ!」
バァーン!
ほむら
「……」
「ごめんなさい。意味が分からないわ」
まど神さま
「まぁ、細かいことは置いておくとして、合成だよ、ほむらちゃん」
「ご・う・せ・い」
ほむら
「合成?」
まど神さま
「ほむらちゃんは開発のスキル持ってるでしょう?」
ほむら
「?」
「スキル?開発?」
(確かに爆弾とかは自前で作っているけれど、そういう事じゃないのよね?)
まど神さま
「もしかして、ステータスの確認してないの?駄目だよ、自分のことはちゃんと確認しておかないと!」
ほむら
「えぇ。ちょっと見てみるわ」
ほむらは、ステータス画面を表示した!
ほむら
「なるほど、この横のタブで切り替えが出来るのね」
ピッ!
ほむら
「開発、開発。あったわ、開発」
文字に意識を向けると簡単な説明が表示された!
ほむら
(装備品やアイテムを作るために使う)
「それで、このスキルを試すために早く帰れってことだったの?」
まど神さま
「そう、そう!昨日、せっかく魔女の元を手に入れたみたいだからね!早く説明したかったんだ!」
イメージbgm
http://www.youtube.com/watch?v=QECYJeDCewg
あくまでイメージです
まど神さま
「それじゃあ、早速いくよぉ!」
ほむら
「暁美ほむらと!」
まど神さま
「アルまどさんの!」
ほむら・まど神さま
「合成クッキング!!」
ほむら
「……」
「って、なんなのこれは」
まど神さま
「いやぁー、雰囲気でるかと思って!」
ほむら
「まあ、良しとしましょう。それで、私はどうすればいいの?」
まど神さま
「取りあえず今日は薔薇の魔女の元と、薔薇の魔女の欠片を使って、薔薇のエンブレムを作りたいと思います!」
ほむら
「私はどうしたら?」
まど神さま
「取りあえず開発のコマンドを実行して!」
ほむら
「こうかしら」
ピッ!
ほむらはスキル“開発”を発動した!
突如、ほむらの前に作業用の台が現れた!
ほむら
「!?」
「流しとコンロまでついているわ」
まど神さま
「便利でしょう?レシピさえあれば特別な料理とかも作れるんだよ!」
ほむら
「それじゃあ、早速やってみましょう」
まど神さま
「まずは薔薇の魔女の元を一個用意します!次に薔薇の魔女の欠片を十二個用意します!」
ほむら
「今から出すわね」
ほむらは盾の中から必要な材料を取り出した!
まど神さま
「そしてぇ、薔薇の魔女の元を円で囲うように欠片を配置しますぅ!」
ほむら
「ちょうど、時計と同じ感覚になるわね」
まど神さま
「ウェヒヒ。そうだね。そして、この中心にほむらちゃんのソウルジェムをポーイ!」
ほむら
「!」
「ちょっといきなりなんてことをするの!?」
ほむらのソウルジェムが輝き始めた!
テッテレテッテレテーン!
暁美ほむらは薔薇のエンブレムを手に入れた!
まど神さま
「手に入れたエンブレムはステータスの装備欄から装着できるよ!」
ほむら
「ちょっとやってみるわ」
ピッ!
ほむらは薔薇のエンブレムを装備した!
左手人差し指にバラの紋様が浮かび上がる!
まど神さま
「ちなみに、それはステータスの+補正と攻撃に拘束を付加する効果があるの」
ほむら
「そうなのね。でもまどか、私のソウルジェムをいきなり投げるなんてひどいわ」
まど神さま
「ごめんね、ほむらちゃん。なんか乗りと勢いでつい」
ほむら
「そんなんで、私の命を弄ばないで!エロ同人みたいに!」
「エロ同人みたいに!」
…
……
………
ほむら
「合成ってかなり色んなものが作れるのね」
まど神さま
「まだまだ、氷山の一角にすぎないよ、ほむらちゃん!」
ほむら
「そうね、色々やり過ぎてもう日が暮れてしまったわ」
まど神さま
「『合成は何をいくつ作ってもキッチリ二パート分の時間』が経過するからね。やるなら放課後すぐに手を
かけないと時間が足りなくなっちゃうよ!」
ほむら
「覚えておくわ。それじゃぁ、今日はもう寝ましょう」
まど神さま
「うん。お休みほむらちゃん!明日の私とのお出かけ頑張ってね」
ほむら
「えぇ、お休み」
投下ここまで
次は日曜日
八票を獲得したまどかルートです
どうして誰もさやかちゃんに投票してあげなかったさ!
きっと泣いてるよ!草葉の陰で!
エロ同人みたいに!とかノリが気持ち悪い
寒いギャグがこのSSの売りだから…
乙です。
×魔女の元
○魔女の素 じゃない?アジノモトって言うし。
自分以外のステ見たいならパーティメンバーにするか
アナライズできるようになってねってことじゃね
まってる
>>169
寒いノリが好きなんだからしょうがないじゃないか!
言いつつ、違和感バリバリだけど
>>170
まさか、そこに気づくとは……天才か
好きなんだよね滑り芸
>>172
アウチ、やらかしてるね。
感謝。次から直します
>>174
その通りでございます
>>181
待たせてすまんね
まさかの返信過多である
それでは投下します
五日目、日曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
「……」
(今日はまどかと出かける日だ。頑張ろう)
まど神さま
「あ、ほむらちゃん起きたんだね。おはよう!」
ほむら
「おはよう、まどか」
まど神さま
「今日は頑張ってね!」
ほむら
「えぇ、へまをやらかさないようにするわ」
まど神さま
「そんなに気張らない方がいいと思うよ?それに私なら、そそっかしいほむらちゃんも見てみたいな、なん
て思ってたりして?」
ほむら
「いいえ、全力で恰好をつけてくるわ。あなたの前で弱い姿を見せる趣味は無いもの」
まど神さま
「ウェヒヒ、楽しんできてね!」
ほむら
「えぇ、いってきます」
~午前~
街―公園
ほむら
(メールによると待ち合わせはこの場所ね。時間は余裕をもって十五分前に到着したわ。きっと待たせたり
は……)
「!」
「まどか、おはよう。待たせてしまったかしら?」
まどか
「!!」
「ううん。今来たところ!えへへ、早速だけどどこからまわろっか?」
(言えない。楽しみ過ぎて三十分前から待ってたなんて言えない)
ほむら
「そうね。取りあえず服と日用品かしら?」
まどか
「うん!分かったよ!張り切って案内しちゃうからねっ!」
まどかは張り切っている!
!鹿目まどかが同行者に加わった!
ほむら
「えぇ、案内お願いね。まどか」
まどか
「!」
まどかはほむらの手を引いて歩き出した!
街―住宅街
ピッ!
「西に真っ直ぐ進むと大型のショッピングモールがあるよ」
ピッ!
「歩道橋の近くで不気味な門の幻覚が見えるって噂だよ」
!噂が更新されました!
ピッ!
「馬鹿めッ!これで終いだァッ!」
「この場所とこのタイミングだ、このタイミングが良いッ!」
ドギャーン
ピッ!
「そう言えば、最近このあたりドッペルゲンガーが出るって噂だよ?」
!噂が更新されました!
街―噴水前
まどか
「あのでっかい建物が目的地だよ!早く行こう!」
ほむら
「あまり引っ張らないで」
まどか
「あっ!えへへ、ごめんね?」
ピッ!
「今日は大道芸の人来てないなぁ」
ピッ!
「初恋はミルキーウェイの新刊まだかな」
ピッ!
「僕と契約して、みんな俺になればいいんスよ。なんちゃって」
ほむらは、大きな噴水を眺めている!
まどか
「この噴水って災害時の飲み水にも使えるようになってるんだって!」
ほむら
「知らなかったわ。まどかって意外と物知りなのね」
まどか
「えへへ。褒められちゃった」
街―ショッピングモール前
まどか
「ついたよ!ほむらちゃん」
ほむら
「ついたわね」
ほむらは建物を見上げている!
まどか
「この建物は八階建てなんだよ!それに、屋上でヒーローショーなんかもやってるんだ!時々たっくんと見
に来たりするの!あっ、たっくんっていうのは私の弟なんだ」
ほむら
「まどかは姉弟仲がいいのね。私は一人っ子だからなんだか羨ましいわ」
まどか
「まだ三歳だけど、自慢の弟だよ!」
ほむら
「それじゃあ、まどかの自慢の弟君にお土産を買って帰りましょう?」
まどか
「!?」
「そんな、気にしなくていいよぉ。でも、ありがとう!」
ほむら
「中、入りましょっか」
まどか
「うん!」
ショッピングモール―1F
まどか
「洋服なら四階と五階。日用品は三階だよ!」
“一階二階飲食店、三階日用品売り場、四階レディース婦人服、五階婦人服メンズ、六階子供服玩具、七階
宝石アクセサリー、八階本、屋上季節の催し物、地下一階二階駐車場”
ほむらは有名ハンバーガーチェーンに入ろうとした!
まどか
「ほむらちゃんって意外と食いしん坊?ご飯の前にお洋服を見ちゃおうよ!」
ほむら
「そうだったわね」
エレベーター
ピッ!
ほむらは四階のボタンを押した!
ピンポーン!
四階に移動した!
ショッピングモール―4F
ほむら
「……」
(こういうところに来るのはいつ以来だったかしら?)
ほむらは久しぶりの光景に呆気にとられている!
まどか
「!」
「ほむらちゃんはもしかしてこういうところに来るのは初めて?」
ほむら
「……」
「初めてではないけれど、最後に来たのはうんと昔だったから……」
まどか
「それじゃあ、一緒にお洋服を見てまわろっか?」
ほむら
「えぇ、けど今は少し持ち合わせがないから」
まどか
「大丈夫!見てるだけでもきっと楽しいよ!」
ほむら
「!」
「そうね、そうよね!」
ピッ!
色とりどりの洋服が陳列されている!
ピッ!
マネキンなのに露出度が高い!
ピッ!
大きめの女性用下着が陳列されている!
まどか
「ほむらちゃん。下着は体に合ったものを付けた方が……。気持ちは分かるけど」
ほむら
(ガーン!!)
ピッ!
ほむらは黒いカーディガンに目を奪われている!
まどか
「?」
「!」
「ほむらちゃん!それ試着してみようよ!」
ほむら
「……」
(これ、すごくかわいいわ。だけど、お金ないし。気に言っちゃってほしくなっちゃったりしたら……)
ほむらはカーディガンを見つめたまま動かない!
まどか
「ほむらちゃん?」
ほむら
「……」
「!」
「ごめんなさい。試着はよしておくわ。代わりに、その」
「今度、また買い物に付き合ってくれないかしら?」
まどか
「!?」
「うん!私でよかったらいつでも!」
まどかは浮かれている!
!鹿目まどかからの好感度がアップした!
…
……
………
~午後~
ショッピングモール―2F
ほむら
「今日は助かったわ、ありがとう。それにしても、ハンバーガーって時々食べると妙においしい気がすると
きってないかしら?」
まどか
「えへへ、どういたしまして。こういうところで食べるのはおいしいけど、やっぱりわたしはパパのご飯と
比べちゃうから……」
ほむら
「まどかのお父さんは料理が上手いの?」
まどか
「うん!いつもすっごくおいしいご飯を作ってくれるの!自慢のお父さんだよ!!」
まどかはニコニコと笑っている!
ほむら
「この後はどうしましょうか?」
まどか
「行ってみたいところとかってないの?」
ほむら
「行ってみたいところ?」
「……。特に思い浮かばないわ」
まどか
「じゃあ、その辺を少し見て回ろうよ!」
ほむら
「そうね、そうしましょう。何か意外な人物と出会ったりするかもしれないしね?」
まどか
「意外な人物?デート中の先生とか?」
ほむら
「ふふ、きっと喧嘩の真っ最中に遭遇するわよ」
まどか
「……」
「なんだか、凄くありそうなのが怖いね」
ほむら
「それじゃあ、」
1ケーキ屋さん
2図書館
3病院
「の方に足を向けてみたいわ」
下五多数決
投下ここまで
まどほむである。誰が何と言おうとまどほむである
どうやら私の中のまどかさんは隙あらば家族自慢をしてくるらしい
投下します
ほむら
「それじゃあ、見滝原総合病院の方に足を延ばしてみましょう?」
まどか
「病院かぁ、ほむらちゃんは心臓の病気で入院してたんだよね?」
ほむら
「えぇ、入院していた病院自体はここから少し離れた大学病院だけれどね」
まどか
「そうだったんだ!通りで見滝原病院で見たことがないはずだよ」
ほむら
「?」
「もしかして、知り合いが入院していたりするのかしら?」
まどか
「うん、実は。あっ、でも私のって、わけじゃないんだけどね」
ほむら
(上条恭介。この世界でもやはり入院しているみたいね)
まどか
「取りあえず、病院の方に行ってみよっか?」
ほむら
「えぇ」
街―公園
ピッ!
「まってー。キャっキャ」
「つかまえて、ごらん。フフフ」
子供たちがはしゃいでいる!
ピッ!
「どこで覚えてくるのかしら?」
「本当にねぇ」
ピッ!
青年は黙々とパントマイムをしている。
ピッ!
ほむら
(そう言えば、小学校のころは逆上がりが出来なさ過ぎて倒れたことがあったような)
街―街道
ピッ!
「このあたり、突然街灯が消えたりするんだって」
!噂が更新されました!
ピッ!
「ンンー。いい風が吹いてる」
ピッ!
「さながら、世界は映し鏡だ。誰も彼もが誰かに自分を映しこんでいる」
ほむら
「……」
(ちょっと理解できないわ)
街―大型立体交差点
ほむら
「……」
(ここにはあまりいい思い出がないわね)
ピッ!
「この間、このあたりでなんかドロッとしたものを見た記憶があるんだけど、ちょっと記憶が飛んじゃって
て曖昧だな。酔っぱらってたのかな?」
ピッ!
「このあたりは、事故があまりにも多いから立体交差点が組まれたんだって」
ピッ!
「これは噂なんだけど、人肉を貪る門の形をしたお化けがいるんだって」
!噂が更新されました!
まどか
「ほむらちゃん。そっちは風見野市だよ。病院は反対側だよ」
ほむら
「これはうっかり、だわ」
街―病院前
まどか
「ついたよ!ここが見滝原総合病院!」
ほむら
「結構大きいのね」
(知っていたけれど。というか、もう見慣れたものだわ)
まどか
「ξ」
「来たのはいいけど、ようもなく病院の中に入るのは駄目だよねぇ」
さやか
「!」
「あれぇ?まどかと転校生じゃん?こんなところでなにしてんの?」
まどか
「!」
「♪」
「さやかちゃん!いいところに来てくれたよぉ」
ほむら
「奇遇ね美樹さん。今、鹿目さんに町を案内してもらっていたところなの」
さやか
「ほほー。それで病院にいたわけだ。そういえば転校生は心臓の病気で入院してたんだっけ?」
ほむら
「えぇ、だからこの町の病院の場所は把握しておいた方がいいと思って早めに連れてきてもらったのよ」
さやか
「流ッ石、才色兼備の完璧転校生。抜かりないとはこのことですなぁ」
ほむら
「?」
(才色兼備?私のほかに転校生はいなかったはずだけど?誰のことかしらね)
まどか
「さやかちゃん。そんな大っぴらに褒められて、ほむらちゃんが困っちゃってるよ」
ほむら
「!」
「才色兼備って私のことだったの?」
さやか
「!?」
「うちのクラスにはほかの転校生はいないんだよ、ほむら」
ほむら
「褒められるってなんだか不思議な気分ね。取りあえずはありがとう?」
さやか
「なんで疑問形?」
ほむら
「?」
まどか
「ほむらちゃんって、やっぱりちょっと天然ボケ入ってるよね?」
「っと、そうだった。さやかちゃん!」
さやか
「ん?何、まどか」
まどか
「これから上条くんのお見舞いでしょ?」
さやか
「うん、まぁそうなんだけど」
まどか
「せっかくだから、ほむらちゃんを紹介してあげちゃダメかな?」
ほむら
(私自身が上条恭介と接触するのはあまりないパターンだわ。でもうまくいくのかしら?)
さやか
「……」
「恭介の奴今ナイーブになってるからなぁ。それに」
さやかはチラリとほむらを盗み見た!
さやか
(転校生すごい美人だし。でもちょっと抜けてるところがかわいいし。っていや、何を考えてるんだあたし
は。これじゃあ、まるで……)
まどか
「本当はね、そういう口実でほむらちゃんに病院の中を見せてあげたいんだけど、ダメかな?」
さやか
「!」
「そういう事なら、この不肖さやかちゃんが責任をもって協力しちゃいますよー!」
まどか
「♪」
「ありがとう!さやかちゃん!!」
ほむら
「ありがとう?」
さやか
「だから、なんで疑問形?」
病院―病室
さやか
「恭介ぇ!お見舞いに来たよ!」
恭介
「さやか、か」
さやか
「どうしたの。元気ないなぁ」
まどか
「上条くん、久しぶりだね」
恭介
「珍しいね、ありがとう鹿目さん」
さやか
「この扱いの差は何かな恭介」
恭介
「ごめん、ごめん。さやかにだって、感謝してるよ。ただ、さやかはいつも来てくれるから……」
さやか
「タハハ、いいって、気にしないでよぉ」
恭介
「それで、さっきから気になっていたんだけどそちらは?」
さやか
「!」
「ようやく気付いたようだね!この少女こそ噂の完璧転校生!暁美ほむらちゃんなのだ―」
ほむら
「初めまして、転校生の暁美ほむらよ」
恭介
「初めまして、僕は上条恭介。噂はさやかから聞いているよ」
ほむら
「どんな噂かは聞かないでおくわ」
恭介
「ははは、懸命だね。噂通りだよ」
さやか
「あたしの扱いっていったい……」
ほむら
「それにしても、あれね。上条くんって結構モテるんじゃない?」
恭介
「?」
さやか
「!?」
恭介
「そんなことはないと思うよ?僕の周りの女の子なんて精々さやか位なものだし」
ほむら
「むしろ、そのせいでほかの女の子がしり込みしてるかもしれないじゃない?」
恭介
「まさか、そんなことはないよ。大体僕とさやかは幼馴染なだけだし」
さやか
「……」
(転校生の奴、何が言いたいんだろう)
まどか
「!!」
「ほむらちゃん。もしかして、上条くんに……」
ほむら
「美形だとは思うけれど、そういう気持ちは無いわよ?それに、そんなことに執着する余裕もないもの」
まどか
「ξ」
「そっか、そうだよね」
ほむら
「えぇ。それよりもそろそろ私たちは失礼させてもらっていいかしら?」
まどか
「うん、そうだね。あんまり邪魔しちゃ悪いし」
恭介
「?」
「よくわからないけど、もう帰るのかい?」
さやか
「まどか!?何言ってんのぉ!恭介は気にしなくていいから、ね!」
恭介
「さやかはまだ帰らないのかい?」
さやか
「私は、うん。もう少しいるよ」
恭介
「それなら、先に二人を下まで送っていってあげなよ。僕のことは後でいいからさ」
さやか
「そ、そうだね!」
まどか
「♪」
「上条くん。さやかちゃん借りてくね!」
ほむら
「早く良くなるといいわね。そのうちに学校で会いましょう?」
恭介
「ははは、二人ともありがとう」
さやか
「ほらほら、二人とも早く行くよ!」
さやかは慌ただしく二人を病室から追い立てる!
病院―待合室
さやか
「二人とも何考えてるのさ」
ほむら
「?」
「いえ、別に何も?」
まどか
「♪」
「気にしないでさやかちゃん!さやかちゃんの気持ちは分かってるから!」
ほむら
「言葉にしなくても分かりあえるなんて、羨ましいわね」
まどか
「えへへ、照れちゃうな」
さやか
「ξ」
「おかしい、引っ掻き回すのはあたしの役目のはずなのにっ!完璧にまどかに引っ掻き回されてる!?」
まどか
「ほらほら、さやかちゃん。私たちのことはいいから早く上条くんのところに戻っていいんだよ?」
ほむら
「そうよ、早く、彼のところに戻ってあげなさい?」
さやか
「い、言われなくてもそうするよっ!」
さやかはたじたじだ!
街―病院前
ほむら
「美樹さんって普段の様子からは似つかわしくないほどに乙女なのね」
まどか
「本当にねぇ。恥ずかしくてソワソワしちゃうさやかちゃんはなんだかんだ言ってかわいいんだよ!」
ほむら
「まどか、落ち着いて。なんだかおっさんみたいになってるわ」
まどか
「えへへ、ちょっと興奮しちゃったよ」
ほむら
「それでまどか、次の行き先なんだけど……」
まどか
「?」
「大船に乗った気持ちで任せてほしいな!」
ほむら
「ふふ、お願いするわ。それで場所なんだけど――」
図書館
まどか
「ほむらちゃんはどんな本を読むの?」
ほむら
「えっと、そうね。普通に恋愛ものとか、歴史ものとか」
(本当は火薬と銃器の専門書以外はほとんど読んでないとか言えないわ)
まどか
「そっかぁ。私はね、現代ファンタジーとか、児童書とかが好きなんだけど」
ほむら
「魔法使いの奴とか、吸血鬼の奴とかかしら?」
まどか
「そうそう!あとは、たっくんと一緒に読む用の絵本も良く借りるの」
ほむら
「まどかは本当にいいお姉さんね」
まどか
「えへへ。照れちゃうなぁ」
仁美
「あらぁ。まどかさんと暁美さん、御機嫌よう」
ほむら・まどか
「!」
ほむら
「こんにちは志筑さん」
まどか
「仁美ちゃんこんにちは!」
仁美
「お二人でデートですか?もしや、百合の花を咲かせていらっしゃったのでは?」
ほむら
「?」
「言ってる意味がよくわからないけれど、今日はまどかに街を案内してもらっているの」
まどか
「仁美ちゃんはまた変な恋愛小説を借りに来たの?」
仁美
「まどかさん、変なとは人聞きが悪いですわ。百合と薔薇は恋人同士の蜜月ですのよ」
まどか
「……」
「仁美ちゃん、何言ってるのかわかんないよ」
仁美
「コホンッ。もう少しお話をしていたいところではありますけれど、少々時間がありませんので、失礼させ
ていただきますわ」
ほむら
「いつも大変なのね、また明日。志筑さん」
まどか
「たまにはゆっくり遊びに行きたいね、仁美ちゃん!また明日!!」
仁美
「えぇ、どうにか機会を作って是非に。それでは御機嫌よう」
仁美は足早に去っていった!
ほむら
「志筑さんって、お嬢様の割に妙にハジケタところがあるわよね?」
まどか
「あはは、そうだね。基本はお嬢様なんだけどね、螺子が緩いって言うのかな」
ほむらは窓の外を眺めている!
ほむら
「もう、日が暮れてきたわね。そろそろ帰りましょう?送っていくわ」
まどか
「もうそんな時間だったんだね。全然気がつかなかったよ」
…
……
………
街―街道
マミ
「魔女の反応はこの辺りかしらね」
キュゥべえ
「今日はどうかしたのかいマミ?随分と浮かない顔をしているじゃないか」
マミ
「……」
「そんなことはないわ。ただ、暁美さんを誘ったら一緒に来てくれたんじゃないかな、と思っていただけよ」
キュゥべえ
「もしかして、マミ。君は寂しさを埋められれば誰でもいいんじゃないのかい?」
マミ
「……」
「そんなことは、ないわよ。それに暁美さんに出会うと妙に踏まれたがるあなたにだけは言われたくないわ」
キュゥべえ
「勘違いしないでほしいんだけど、僕は何も好奇や興味であんなことをしているわけじゃないんだ。ただ、
彼女を見るとどうしても抗えない欲求に苛まれるというだけで」
マミ
「ξ」
「変態につける薬は無いわ。黙って私にくっついてきてくれないかしら」
キュゥべえ
「酷いやマミ。話を振ったのはそっちだろう?」
マミ
「……」
…
……
………
街―鹿目家前
ほむら
「今日はありがとう、おかげで助かったわ」
まどか
「ううん、気にしないでいいよ。私も楽しかったし!」
ほむら
「それならよかったわ。実はまどかが退屈してないかどうか不安だったの」
まどか
「そんなこと考えてたんだね、本当に気にしないでもいいのに」
ほむら
「その、人付き合いってあまり慣れていないから。気になっちゃうのよ」
まどか
「!?」
「それじゃあ、これから慣れていこうよ!手始めに私やさやかちゃん、仁美ちゃんと一緒にお出かけしよう?」
ほむら
「!」
「ふふふ、お手柔らかにお願いね」
まどか
「♪」
「うん!それじゃあ、また明日ね」
ほむら
「また明日」
ほむら
(魔女の気配が強い。これだけ気配を漂わせているのであればほっといても巴マミが倒すでしょうけれど、
様子を見ておきましょう)
街―大型立体交差点
ほむら
(結界はここね。誰かが開いた形跡があるわ)
ほむらは魔女結界を開いた!
!ほむらのグラフィックが制服から魔法少女服に変わった!
ほむらは芸術家の魔女の結界へと踏み込んだ!
魔女結界―芸術家の魔女
一層目
!コマンドが結界探索モードに切り替わった!
ほむら
「……」
(そう言えばこの魔女が私の運命の分岐点なのよね)
!謎の芸術品を回収しろ!
辺りはどろどろとした景観に包まれている!
使い魔が現れた!
…
……
………
使い魔をやっつけた!
ゲイジュツカノマジョノカケラヲテニイレタ!
ほむら
(これは、手?)
ほむらは芸術作品右手を手に入れた!
魔女結界―芸術家の魔女
二層目
ほむら
(なるほど、今の訳の分からないものを集めるわけね)
使い魔が現れた!
ほむらのウィックウォー!
194! 204!
185!
使い魔の攻撃!
56!
ほむらの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
ほむらのアーカディアン!
279!
使い魔をやっつけた!
ゲイジュツカノマジョノカケラヲテニイレタ!
ほむらは芸術作品左足を手に入れた!
魔女結界―芸術家の魔女
三層目
ほむら
(ここは使い魔が密集しているわね。正面突破すると時間がかかりそうだわ)
使い魔が現れた!
…
……
………
使い魔をやっつけた!
ゲイジュツカノマジョノカケラヲテニイレタ!×8
ほむらは芸術作品左手を手に入れた!
…
……
………
魔女結界―芸術家の魔女
五層目
ほむらは芸術作品頭を手に入れた!
魔女結界―芸術家の魔女
六層目
ほむら・マミ
「!」
マミ
「あら、暁美さん。こんばんわ」
ほむら
「やっぱりあなただったのね。巴マミ」
マミ
「私が先にいるって知っていて乗り込んでくるなんて良い度胸してるわね」
ほむら
「……」
1「実はあなたと一緒に魔女退治がしたくて」
or
2「消耗したところを背後から刺してやろうと思って」
下五多数決
投下ここまで
「ξ」
って何?
困った時とかに出るモヤモヤっとしたやつじゃね?
マミさんの縦ロールに見えて仕方ないのは内緒
ほむら
「実はあなたと一緒に魔女退治がしたくて」
マミ
「随分とかわいいことを言ってくれるのね。でも私がそれを信用すると思う?」
ほむら
「……」
(考えろ、考えるのよ。ホムガイバー)
マミ
「だんまりかしら?それならあなたをここに縛り付けて一人で戦うわよ?」
ほむら
「それなら、そういう事なら、私が戦えばいいんじゃないかしら?」
マミ
「……」
「言ってる意味が分かりかねるわね」
ほむら
「魔女とは私が戦う。あなたは後ろで私に銃口を向けていればいいじゃない。グリーフシードは山分けで構
わないわ」
マミ
「自分が何を言ってるかわかってる?」
ほむら
「私は知ってるわ、例え敵対者であろうとも他人の背中を刺すような真似は嫌うということを」
マミ
「……」
ほむら
「今度はそちらがだんまりかしら?」
「沈黙は肯定とみなすわよ?」
マミ
「えぇ、いいでしょう。あなたの戦いを見定めさせてもらうわ」
(分からない。この子が何を想ってこんなことを言ってるのかが、分からない)
ほむら
「そう、ゆっくりと見ていなさい」
!巴マミが同行者に加わった!
芸術家の魔女が襲いかかってきた!
マミ
「お手並み拝見と行きましょうか」
ほむらのレイニーブルー!
164!
bind!
芸術家の魔女は拘束されて動けない!
ほむらのアーカディアン!
314!+31!
芸術家の魔女の攻撃!
縛られて動きが鈍い!
60!
ほむらの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
…
……
………
芸術家の魔女は使い魔を召喚した!
芸術作品(右手、左手、胴体、右足、左足)が現れた!
ほむらの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
ほむらのルシファー!
158! 156! 163!
bind!bind!bind!
165! 126! 154!
bind!bind!bind!
芸術家の魔女は拘束されて動けない!
芸術作品の攻撃!
作品たちは縛られて動きが鈍い!
20!24!19!
ほむらの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
…
……
………
ほむらの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
マミ
(不審な点はまるでないわね。それどころか魔女の意識が私に向かうことが無いように立ち回っているよう
に視える)
ほむらのウィックウォー!
154!
161!
158!
芸術家の魔女の攻撃!
マミ
「きゃッ!」
(不覚ッ!この軌道は避けきれないッ!!)
ほむらはマミを庇った!
300!
contrition!
ほむらの体力が0になった!
ほむらの魔力が死んだ体を吹き返す!
resurrection!410!
ほむら
「……。怪我はないかしら、巴さん」
「いえ、巴マミ」
マミ
「……。ここまでされたら意地を張っている場合じゃないわね」
「私も戦うわ!」
!巴マミが同行者からパーティに移動しました!
ほむらとマミのシューティングローザ!
624!600!630!
芸術家の魔女たちをやっつけた!
ゲイジュツカノマジョノモトヲテニイレタ!
ゲイジュツカノマジョノカケラヲテニイレタ!×15!
結界が崩壊する!
~夜~
街―大型立体交差点
ほむらたちは結界から放り出された!
!コマンドが通常モードに切り替わった!
マミ
「暁美さん、その変な意地を張ってあなたに無理をさせたことは謝るわ。ごめんなさい」
!ほむらとマミのグラフィックが制服に変わった!
ほむら
「……」
「気にしないで。と言いたいところだけれど、流石に洒落にならないレベルで死にかけたわ。責任とって私と組みなさい」
マミ
「えぇ、しっかりと責任取らせてもらいます。だから早くソウルジェムを浄化しましょう?」
マミはほむらに近づいて、ソウルジェムを浄化した!
ほむら
「あなたも浄化しておきなさい」
マミ
「……」
「そうさせてもらうわね」
マミはソウルジェムを浄化した!
マミ
「後一回は使えそう。暁美さん、あなたが持っていて」
マミはグリーフシードをほむらに投げ渡した!
ほむら
「ありがたく頂戴しておくわ」
ツカイカケノグリーフシードヲテニイレタ!
マミ
「それじゃあ、暁美さん。また明日」
ほむら
「えぇ、また明日」
(チョロイッ!)
!放課後のマップ探索に巴マミを加えられるようになった!
投下ここまで
装備中のエンブレム貼っておきます
薔薇のエンブレム
攻撃に状態異常『拘束』を付加
ステータス+20%
アーカディアン-単体攻撃
ウィックウォー-三回攻撃
グウェント-前列攻撃
タイガーテール-縦列攻撃
レイニーブルー-単体拘束四ターン持続
ルシファー-全体拘束二ターン持続
シューティングローザ-巴マミと連携攻撃
連携攻撃以外は薔薇の品種からとっております
乙乙
無理を承知でステータスもっとグラフィカルにならないかな
頭に入って来ない
投下します
六日目、月曜日
「ねぇ、貴女。どうしてそんな風に笑っていられるの?」
「本当だよ!私たちを殺したくせにぃ」
「私たちはまだ、何も知らなかったのよ。なに一つだって」
「運命の歯車はまだ、廻りはじめてもいなかったって言うのにさ」
「ねぇ。貴女と私たち、同じよね?」
「自分たちの目的のためならほかの何かを切り捨てられる」
「本当だ!私たちは同じだねえっ!」
「まぁ、愛について無知な君は本質的に私とは違うかもしれないけどね」
「うん、でも、ま、あれだ、その、ささいだ」
「あなたにはそんな風に笑っている資格なんてないのよ?」
「本当は、自分でも気づいているのでしょう?」
「やっぱり、認めたくないかい?」
「きっとそうなのよね。だって、私たちと貴女じゃ覚悟が違いすぎるのね」
「だって、私には目的のためならばこの子を殺す覚悟があったものね」
「殺して置いて結局後悔する貴女とは違う」
~朝~
ほむホーム
ほむら
「……」
「夢、か」
ほむら
「まどか、おはよう」
ほむら
「?」
(まだ眠っているのかしら。珍しいわね。まぁ、いいわ。学校に行きましょう)
~放課後~
学校―教室
「――。以上でホームルームを終わります。最近は物騒な事件の噂が多いですから寄り道しないで家に帰る
ように」
ほむら
「……」
まどか
「ほむらちゃん?どうしかしたの?」
さやか
「転校生どったのー?今日は一日元気ないみたいじゃん?」
仁美
「暁美さん、あまり無理をなさっては駄目ですわよ?」
ほむら
「えぇ、大丈夫よ。ちょっと考え事をしていただけだから」
まどか
「何か悩み事?私でよかったらいつでも相談に乗るよ!」
さやか
「まどかは、転校生にべた惚れだなぁ」
まどか
「もう!茶化さないでよさやかちゃん!!」
仁美
「そうですわ、さやかさん。誰しも悩み事の一つや二つはあるものですわよ。さやかさんだって、お有でしょ
う?」
まどか
「えっ?さやかちゃんも何か悩み事があるの!?」
さやか
「いやいや、まどか今の違うでしょ?ほら、言葉の文っていうか?ってかおバカなさやかちゃんに悩みなん
てあるわけないじゃん!」
まどか
「えへへ、なあんだ、心配しちゃったよ。さやかちゃんって、意外と一人で悩んで突っ走って失敗しちゃう
タイプだからね」
さやか
「えっ?」
仁美
「そうですわね。さやかさんは意外とため込んでしまうタイプですわ」
さやか
「えぇーっ!なんかあたしの扱い酷くない!?」
ほむら
「♪」
さやか
「転校生もこの二人に何とか言ってやってよ。普段はあたしが二人を引っ掻き回す役なはずなのに!」
「って、あたしがこんな役回りになっちゃったのはほむらが転校してきたからじゃん!!」
ほむら
「あら?それじゃあ、私のせいだっていうのかしら?」
さやか
「いや、そうは言わないけどさ、でもなんか納得いかないー!!」
ほむら・まどか・仁美
「♪」
ほむら
「ありがとう、元気でたわ」
まどか
「だったら、今日は一緒に帰ろうよ!」
ほむら
「……」
「ごめんなさい、今日は先約があるのよ」
モブ子
「さっきから無視され続けていたのは悪意があったわけじゃないんだね!」
ほむら
「ごめんなさい、全然気がつかなかったわ」
モブ子
「ひゃっほぉう。さあ、帰るよほむほむ!」
ほむら
「あなたって本当にウザいわね。それじゃあ、また明日」
まどかたちは手を振っている!
街―通学路
ほむら
「連れ出して悪かったわね。もう、どこへでも好きなところへ行ってもらって構わないわよ」
モブ子
「えー、やだやだ!つれないこと言わないでよ。ほむぽむと一緒に帰るんだぁ!!」
ほむら
「……」
「私なんかよりももっと素敵な友達なんていくらでもいるでしょうに」
モブ子
「ほら、そうやって人を突き放してぇー。そんな態度だといつかまどっちたちにも愛想を尽かされちゃうよ?」
ほむら
「私はどうやらあなたを勘違いしていたようね。ただウザいだけの人だと思っていたわ」
モブ子
「酷い!まあ、ほむっちが庇護欲をかきたてるようなオーラを出してるのが全ての元凶であるとあちしはそ
う思いますけどね!!」
ほむら
「やっぱりウザいわ……」
モブ子
「やっぱり酷い!」
テテテテーテテンッ!テテテテーテテンッ!
ほむら
「ごめんなさい、ちょっと電話」
『はい、暁美です』
かずみ
『チャオ、かずみです!』
ほむら
『……。どちら様?』
かずみ
『酷いなあ。この間正面衝突して挙句ごはんまでご馳走して貰ったかずみだよ』
ほむら
『あぁ、あの時の図々しいお嬢さんね』
かずみ
『いい返せないのが悔しいぃ。っと、その汚名を返上するためのお礼がしたいんだった。明日の放課後とかヒマぁ?』
ほむら
『明日の放課後?えぇ、分かった予定、空けておくわ』
かずみ
『うん、じゃあそういう事で!待ち合わせ場所は明日電話するよ!』
ほむら
『そう、分かったわ。楽しみにしてる』
かずみ
『それじゃ、ほむらチャオ!』
ほむら
『えぇ、また明日』
プツッ、ツーツー
モブ子
「グヘヘ、ほむすけぇ今のは何処の子よぉ?」
ほむら
「この間ご飯をご馳走した腹ペコ少女よ」
モブ子
「友達?」
ほむら
「いえ、初対面だったけど?」
モブ子
「ほむりんって変人誘蛾灯?」
ほむら
「それをあなたがいうの?」
モブ子
「HAHAHA!……oh」
ほむら
「それじゃあ、また明日ね」
モブ子
「!」
「ほむ子がデレよったぁー!?」
ほむら
「本当にウザいわね、あなた」
モブ子
「ウェェイ!またね、ほむほむ!」
投下ここまで
>>245
http://upup.bz/j/my09846IAqYt6rujNL5yKQY.jpg
こんなんでいいでせうか?
ttp://www.chireki.com/geography/chart_r_2.htm
の変換機を利用させてもらいましたのことよ
胸囲がない
やり直し
守りのステータスは胸部装甲の差か
七日目、火曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
「……」
(昨日の夜もまどかは居なかったわね。どこに行ってしまったのかしら)
ほむら
「まぁ、本来いないのが当たり前なのよね」
「考えても仕方がないわよね。何せ相手は一秒と十世紀が同じとか言ってくる存在ですもの」
ほむら
「学校に行くとしましょう」
~昼~
学校―屋上
ほむらが屋上の扉を開くと先客がいた!
マミ
「あら、暁美さん。こんにちは、今からお昼?」
ほむら
「えぇ、少し一人になろうかと思ってここに来たのだけれど……」
マミ
「あら、それはごめんなさい。でも私も似たような理由だから勘弁してね」
ほむら
「今回はタイミングが悪かった、そういう事にしておくわ」
マミ
「なんなら一緒に食べる?」
ほむら
「生憎だけど、凝った昼食なんて用意していないわよ」
マミ
「私だって別に凝ってなんていないわよ。大概前日の夕食と同じだもの」
ほむら
「私はあなたほど料理が上手くないもの」
マミ
「?」
「まるで、私の料理の腕を知っている風ね」
ほむら
「!」
(失言、だったみたいね)
マミ
「まぁ、でもいいわ。気にしないでおいてあげる。それよりも」
マミはおいでおいでと手を動かす!
マミ
「早くこっちにいらっしゃい」
ほむら
「……」
「私の昼食はこれなのだけれど」
ほむらはいくつかの携帯食料を取り出した!
マミ
「暁美さんって、もしかして料理出来ない人?」
ほむらは首を横に振った!
しかし、説得力に欠ける!!
ほむら
「ちゃんと料理の出来る人に教わってそこそこなら作れるわ」
「ただ……」
マミ
「魔女退治に学校生活にで普段から料理を作る余裕がない?」
ほむら
「えぇ、その通りよ。実際は魔女退治というかとある目的を達成するために時間が惜しいだけなのだけれど」
マミ
「でも、時には息抜きも必要じゃないかしら?」
「ずぅっと根を詰めていると、気づかないうちに自分を追い込み過ぎてしまうわよ」
ほむら
「……」
「それに関してならば、あなただけには言われたくないわね」
マミ
「あら、何かしら?私が無理をしているとでも言いたいの?」
ほむら
「逆に問いたいのだけれど、今の自分はなんの仮面も被っていないと、本当にそう思っているの?」
マミ
「……」
ほむら
「ごめんなさい、過ぎた言い草だったわね。私のことを心配してくれるのは嬉しいのだけれど、あなたは自分を蔑ろにし過ぎるきらいがある、そう思っただけなの」
マミ
「あなたは本当に『何』を知っているのかしらね。是非教えてほしいものだわ」
ほむら
「『今はまだ』口を閉ざさせてもらうわ。そのうちに、時期が来ればおのずと結果が出るでしょうから」
マミ
「今はまだ、ね。なら、期待して待っていればいいのかしら?」
ほむら
「……」
「いえ、どちらかというと覚悟を決めておいてほしいのだけれど」
マミ
「……」
「それは、どんな類の覚悟かしら」
ほむら
「そうね、人を[ピーーー]。誰かの屍の上に立つ。そういう覚悟」
「心を抉る凄惨な真実に身を滅ぼさない、そういう覚悟」
「そして、何より。絶望を乗り越える『覚悟』」
マミ
「それはまた、大仰ね」
ほむら
「残酷な真実は止まることのない負の連鎖を引き起こすのよ。それは留まるところを知らず、伝番して人を
押し流す」
マミ
「激流に押し流されたその先は脱出不能の滝つぼでした、というところ?」
ほむら
「そんなところね。まぁ、今は置いておいてお昼を食べましょう?」
マミ
「そうね、昼休みは短いものね」
~放課後~
街―駅前
ほむら
「……」
ほむらは柱の影をじっと見つめている!
ほむら
「隠れているつもりなのだとしたら、憐れだわ。胸が丸見えだもの」
ほむらは悔しそうに呟いた!
マミ
「♪」
「バレテしまっては、仕方がないわねぇッ!」
ほむら
「ξ」
「ノリノリのところ悪いのだけど、これから人と会う約束があるから帰って頂戴」
マミ
「!」
「そんなぁ!せっかくチームを組んだのにそんなあっさり袖にしなくてもいいじゃない」
ほむら
「袖にするも何も、そこまで親しくないじゃないの」
「それより、そろそろ待ち合わせの時間なのよ。さっさと帰って頂戴」
>>265
ほむら
「ごめんなさい、過ぎた言い草だったわね。私のことを心配してくれるのは嬉しいのだけれど、あなたは自分を蔑ろにし過ぎるきらいがある、そう思っただけなの」
マミ
「あなたは本当に『何』を知っているのかしらね。是非教えてほしいものだわ」
ほむら
「『今はまだ』口を閉ざさせてもらうわ。そのうちに、時期が来ればおのずと結果が出るでしょうから」
マミ
「今はまだ、ね。なら、期待して待っていればいいのかしら?」
ほむら
「……」
「いえ、どちらかというと覚悟を決めておいてほしいのだけれど」
マミ
「……」
「それは、どんな類の覚悟かしら」
ほむら
「そうね、人を殺す。誰かの屍の上に立つ。そういう覚悟」
「心を抉る凄惨な真実に身を滅ぼさない、そういう覚悟」
「そして、何より。絶望を乗り越える『覚悟』」
マミ
「それはまた、大仰ね」
ほむら
「残酷な真実は止まることのない負の連鎖を引き起こすのよ。それは留まるところを知らず、伝番して人を
押し流す」
マミ
「激流に押し流されたその先は脱出不能の滝つぼでした、というところ?」
ほむら
「そんなところね。まぁ、今は置いておいてお昼を食べましょう?」
マミ
「そうね、昼休みは短いものね」
マミ
「いいえ、帰りません!子猫ちゃんの顔を一目見るまでは帰りません!!」
ほむら
(なんで、巴マミはこんなにも弾けてるんだろうか?)
ほむら
「……」
「はぁ、分かったわよ。相手に会ったらすぐに帰るのよ?」
マミ
「うふふ。それは子猫ちゃん次第ねっ!」
ほむら
「はぁ」
かずみ
「あーっ!おーい。ほむらー!!」
ほむら
「やっと来たのね。って、その荷物はなんなのかしら?」
マミ
「……」
「面白い偶然もあるものね」
マミはかずみを見つめながら呟いた!
かずみ
「?」
「ひょっとして、ミチルの知り合い?」
ほむら
「知り合いなの?」
マミ
「えぇ、以前少しね」
かずみ
「えぇっと、その時の私とは違うんだ」
マミ
「あなたは素質があったようだけれど、もしかしてなってしまったの?」
かずみ
「説明するのにすっごく時間を使いそうだから落ち着けるところ……」
「出来ればほむらの家に連れて行ってほしいな」
ほむら
「そう、ならそうしましょうか」
(どうしてこう、話がこじれるのかしら……)
ほむホーム
かずみ
「ほむら、お台所借りるねー!」
かずみはすっとんで行った!
ほむら
「いいけれど、食料の貯蔵なんてないわよ」
かずみ
「ノン!問題ないよ。ちゃんと自前で用意してきた!!」
ほむら
「あぁ、それであんなに大荷物だったのね」
かずみ
「エッヘン!ご飯をごちそうになったお礼にご飯をご馳走しようと思って!」
ほむら
「まさしく等価交換ね」
かずみ
「話は食べながらでいいよね?」
ほむら
「というか、私自身が全くついていけていないのだけれど」
かずみ
「実は私もなんだ」
ほむら
「……」
(当事者じゃないの?)
ガサガサ、ゴソゴソと居間から音が聞こえる!
ほむら
「ちょっと巴マミ!いきなり家探しとは良い度胸をしているじゃない!」
投下ここまで
正直かずみのキャラが全く分からん
マミさんが楽しそうで何よりです
>>274
楽しそうな巴さん書くのすごく楽しい
投下します
かずみ
「♪」
「完ッ成!」
かずみは綺麗に盛り付けた皿を机の上に並べていく!
ほむら
「ビーフストロガノフにシーザーサラダ。これはオニオンスープかしら?」
かずみ
「そう!ちなみにこれはアクトウワカルガノフって言って、食べた人の善悪を判別しちゃうんだ!」
ほむら
「食事のお礼にしてはあんまりじゃないかしら」
かずみ
「あはは!本当は普通のビーフストロガノフなんだけど、一度そう言う体で芝居を打ったことがあってね」
マミ
「食事の仕方にはその人の人生が顕れるっていう考えかしら?嫌いじゃないわね、そういうの」
かずみ
「♪」
「私たちは生きるためにご飯を食べる。野菜、お肉、お魚、いろんな命を食べて生きてる。だからさ、その
分まで精いっぱい生きる義務がある」
「昔の私は、そう聞かされて育ったみたい」
マミ
「?」
「それじゃあまるで、今のあなたは違うみたいじゃない」
かずみ
「うん。和紗ミチルは真実を知って絶望して死んでいったから」
ほむら
「!?」
(あの子は自分のことを昴かずみと名乗っていたわよね?それに……)
かずみはウィンクしてみせた!
マミ
「絶望して死んでいった?それはどういう意味?」
かずみ
「ミチルはね、『死にたがりのみんな』を助け出して仲間にしちゃった。『死にたがりのみんな』は全部で
六人。それにミチル自身を含めて七人でプレイアデス聖団って名乗ってた」
「だけど、その時のミチルは知らなかった。奇跡の代償がとても大きいということを」
ほむら
(やはりここで真実を話すつもりなのかしら……。だとしたら、妨害しないと。でも、どうやって……?)
かずみ
「そして、代償という秘密を抱えて消耗したミチルは、仲間たちの前から姿を消しちゃった」
マミ
「……」
かずみ
「そして最後の最後、ミチルは秘密を隠し通すことが出来なかったの」
「その秘密を覆すために残った六人は」
「『作り物の器』と『願いから生まれた純粋な魔法』最後に『魔女の心臓(コル・マレフィクス)』。この
三つを使って最初の私を作った」
ほむら
「!」
(魔女の力を人体に押し込めて新たに人を作り出す。まるでクローンね。いや、人造人間といった方がいい
のかしら)
マミ
「『最初の』ね」
かずみ
「うん、最初の私。そこからさらに十一回の失敗を重ねて辿り着いたのが今の私の元になった私」
「けどね、プレイアデスのみんなの計画がとうとう私に露見した」
「その時の私、どうしたと思う?」
マミ
「……」
ほむら
「……」
(まどかを救うために私は何度まどかを見捨てただろうか。正直考えたくないわ)
かずみ
「みんなを解放するために殺されようと思ったの」
マミ
「……」
「自己犠牲では何の解決にもならないわね」
かずみ
「そうだね、その通りだったよ」
「私の演技から聖団のみんなは総崩れ。その上暴走した一人が孵化ギリギリのグリーフシードをばら撒いて
幾十という魔女が一斉に孵った」
「そしてその子は魔法で総ての魔女を統合、管理下に置いて大型魔女『ヒュアデスの暁』を作り出したの」
ほむら
「……」
かずみ
「その時点で生き残りは私を含めて三人。三人とも限界ギリギリだった」
「その土壇場で私は漸く、今の私になった。キュゥべえと契約してね」
ほむら
(人造人間から人間へ、そしてすぐにゾンビへと、ね)
かずみ
「私の願いは『私を本物の人間にして』。その願いで今の私になった私は魔女を倒して彼女の最後を看取っ
た」
「だから、あなたがあったミチルと私かずみは同じだけど全くの別物。そういう事なんだ」
かずみ
「それじゃあ、改めて自己紹介するね」
「私は昴かずみ!かずみって呼んでね!!」
マミ
「……」
「私は巴マミ。よろしくね昴さん!」
かずみ
「ごめんね長話しちゃって。しかも無駄に重いの」
「って、二人とも全然食べてないじゃん!!食べて食べて!!」
ほむら
「いただくわ。っていうか、あなたは今の話をしながらよくそんなに食べすすめたわね」
かずみ
「えへへ、つい、ね」
マミ
「!?」
「このビーフストロガノフ、一から自作してるわねっ!?」
かずみ
「そうなんだ!分かる?」
マミ
「えぇ、市販のルーとは味のバランス感覚が段違いよ!!とってもおいしいわ」
ほむら
「本当ね、すごくおいしいわ」
かずみ
「いやー、照れるな。ありがとう!」
ほむら
「こちらこそありがとう、だわ」
マミ
「レシピを!是非レシピを教えてくれないかしらっ!?」
かずみ
「それは企業秘密なのだぁ。というか、喫茶店レパマチュカの立花さんに特別に教えてもらったからね。守
秘義務があるんだ」
マミ
「それは残念。ならば仕方がないわね、この味を覚えて帰ることにします!」
ほむら
「あなた、いつになく本気ね」
マミ
「私はおいしいものに対して情熱を燃やすのが好きなのよ!」
かずみ
「そうだね!食べることは何より大切だし、それがおいしければ幸福だよね!」
マミ
「えぇ、そうね!その通りだわ!!」
マミとかずみは固い握手で友情を深めた!
ほむら
(確かにおいしいものを食べるのは幸福だけれど、このテンションにはついていけない)
投下ここまで
ギャハハハ
最初の一週間終了のお知らせ!
ちょっと保守します
>>286
SS速報では保守の必要はないですのことよ
それと、コテハンはつけないのがマナーであり、ベターですことよ
それでは投下します
八日目、水曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
(そう言えば、結局かずみがなんで見滝原にいるのか、その理由を聞いていなかったわね)
ほむら
「まぁ、次の時に聞けばそれで問題ないでしょう」
(あの様子ならばきっと巴マミとも馬が合うだろうし、イレギュラーだとはいえ警戒する理由もなさそうね。
それに、結局彼女は魔女化のことは伏せてくれているわけだし)
ほむら
「今日もまどかは居ないけれど、きっとどこかで見ているのでしょうし張り切っていきましょうか!」
ほむらは鏡に向かって自分を鼓舞する!
街―通学路
ピッ!
「放課後になると、突然机が変な陣を作る教室があるらしいよぉ。そこに迷い込むと二度と出てこれないんだってー」
!噂が更新された!
ピッ!
「遺伝子に突き刺さるような演奏、俺もしてみてぇな」
ピッ!
「三年の巴先輩がスカウトに声かけられたらしいよぉ」
「ちょっとお高くとまってていけ好かないけど、美人だもんね」
ほむら
(巴さんとしては、お高くとまってるわけではないんだろうな)
~昼~
学校―教室
まどか
「ほむらちゃん!お昼ご飯一緒に食べよう?」
ほむら
「えぇ、構わないわ」
!ほむらは携帯食料を取り出した!
さやか
「……」
「転校生って、一人暮らしなんだっけ?」
ほむら
「?」
「そうだけれど、急にどうして?」
仁美
「しっかりと栄養のあるものを食べないと体調を崩してしまいますわよ、ほむらさん?」
ほむら
「?」
「七種類のビタミンとミネラルがたっぷり詰まった携帯食料よ?」
まどか
「ほむらちゃん!私のお弁当少し分けてあげるよ!だから、はいあーん」
ほむら
「ありがとう、まどか」
まどかの差し出した卵焼きをほむらは躊躇なく口に含んだ!
ほむら
「ふわっと、しっとりしていて程よい甘さが心地いい。おいしいわ」
仁美
「ほむらさん、これも召し上がってください」
ほむら
「これは、ミートローフね。中に入ってるピーマンとトウモロコシが良いアクセントになっていて飽きないおいしさね」
「ありがとう、おいしかったわ」
さやか
「ほら、転校生。私のとっておきのプチトマトをたべたまえー」
ほむら
「ん、プチッとした触感と、トマトの甘酸っぱさが心地いいわね。お世辞にも新鮮とは言い難いけれど、
おいしいわ。ありがとう美樹さん」
まどか・さやか・仁美
(食べることに対してとっても真摯だ)
ほむら
「そうね、明日は久しぶりにお弁当を作ってみようかしら」
まどか
「ご飯はちゃんとしたものを食べないとダメだって、パパが言ってたよ!」
さやか
「そうだぞ、転校生ー。あたしのお弁当でさえ、ほむらのそれよりはマシなんだから」
仁美
「ふふっ、今から明日の昼食が楽しみですわ」
ほむら
「それで、もしよかったらなのだけれど、」
「明日も一緒に食べてくれないかしら?」
まどか
「当然、そのつもりだよ!」
さやか
「そうだぞー、一緒に食べないなんて選択肢はないのだよ、転校生!」
仁美
「私たちは端からそのつもりでしたのに、ほむらさんったら」
ほむら
(なんでだろう。なんだかちょっと泣きそうだわ)
「それじゃあ、明日は本気でお弁当を作ってみるわ」
まどか
「それなら、わたしも頑張ってみようかなっ」
さやか
「おっ!やる気だねまどかー」
まどか
「頑張る!」
ほむら
「どっちがおいしいか志筑さんに審査してもらいましょうか?」
仁美
「ふふふ、私の舌は厳しいですわよ?」
さやか
「あれっ?あたしは?」
ほむら
「こういうのは雰囲気が大事なのよ、雰囲気が」
まどか
「さやかちゃんだと、ムードないもんね」
さやか
「仁美ー!二人がいじめるよー!!」
さやかは仁美に泣きついた!
仁美
「よしよし、ですわ。さやかさんも頑張ってお弁当を作って参加すればいいんですのよ」
…
……
………
かずみ
「にしても、見滝原は海香が言ってた以上に魔女の気配が濃いなぁ」
「キュゥべえ、いるんでしょう?」
キュゥべえ
「何か用かい?かずみ」
かずみ
「私はこの町の魔法少女じゃないでしょ?だから、なるべくならここの魔女を狩るのは避けたいんだけど、
どれくらい持ちそうなの?」
キュゥべえ
「マミやほむらが自由に動けるようになる放課後までは持つと思うよ。結界に刺激を与えなければの話だけどね」
かずみ
「そっか、じゃあ大人しくここで見張ってることにしよっかな」
かずみは何処からともなくビスケットを取り出した!
キュゥべえ
「君は本当によく食べるね」
かずみ
「生きることに対して貪欲なだけだよ」
…
……
………
~放課後~
街―通学路
ほむら
(さて、早いところかずみに接触しようかしら。
それならば、巴マミには悪いけれど、撒かせてもらうわね)
ほむらは振り返らずに走り出した!
後ろに隠れていたマミは慌てて追いかける!
街―噴水前
!巴マミに追いつかれないように昴かずみを探し出せ!
投下ここまで
地の文書きたい病にかかってました。
投下なの!投下なんだよ投下なんです三段活用!
というわけで投下します
ほむら
(走りながら電話……。そんなことをすれば、目立つわよねね。
なるべく目立たないように行動しながら、町の人にかずみの目撃情報を聞いてみましょうか。
どこか、巴マミに見つからないところで彼女に電話出来れば楽なのだけれど……)
ほむら
「……」
(視線を感じる)
ほむらはポケットから小さな鏡を取り出して、後方確認した!
ほむら
「!!」
鏡越しの巴マミの笑顔と目が合った!
街―住居区西側
ほむら
(と、取りあえず撒かないと!何かゾッとするわ)
街―住居区中央
ピッ!
「膝まで届く黒髪のセーラー服の女の子?うーん、見てないなぁ」
ピッ!
「毛先が跳ねまくってる髪の長いセーラ服の女の子?そんな子、いなかったよ」
ほむら
(一つのところに長くは留まっていられないわね)
巴マミがキョロキョロと辺りを探している!
ほむら
(見つからないうちに次に行かないと)
街―住居区東
ほむら
(会いたくはないけれど、キュゥべえに探させるのもアリかしら)
街―雑居ビル街
ほむら
(……。キュゥべえを使うとそこから巴マミに辿られる恐れがあるわね)
ピッ!
「あすなろ中学の制服を着た長い黒髪の女の子?
あすなろ中学の物かは分からないけど、見慣れない制服の女の子なら東の方で見かけたよ」
ピッ!
「小動物的な雰囲気の女の子?そんなことより俺とお茶しない?」
ほむら
(聞く相手を間違えたわ)
街―駅
ほむら
(巴マミは……。
近くにいるわね。多分、私には気づいてないだろうけれど、時間の問題ね)
ほむら
「!」
(魔女結界、近いわね。
巴マミは気づいているかしら?)
巴マミは辺りをキョロキョロと見回している!
ほむら
(あの様子だと、気づいてなさそうね。取りあえず、近くまでは行きましょうか)
再開発区域―廃ビル街
ほむら
(こっちの区域は駅向こうと比べると人が少ないから、ある意味探しやすいかもしれないわね)
再開発地区―立体駐車場
ほむら
(でも、探しやすいということは見つかりやすいという事でもあるのよね。気を付けた方がいいわね)
再開発地区―中央溜池
ほむら
(結界の魔力反応はこのあたりから出ているわね。多分、相当近い)
ほむら
「!」
かずみ
「♪」
「ほむら!」
かずみ
「?」
「あれ?巴さんは一緒じゃないの?」
ほむら
「えぇ、彼女抜きであなたと話がしたくて」
かずみ
「そっか、それなら結界の中の方が都合がいいよね?」
ほむら
「そうね、進みながら話しましょうか」
ほむらは魔女結界を開いた!
魔女結界―鳥かごの魔女
一層目
!コマンドが結界探索モードに切り替わった!
かずみ
「それで、話っていうのは?」
ほむら
「本題の前にいくつか確認したいことがあるのだけど……」
(ここで、ソウルジェムの真実について確認しておきたいわね。
でも、直接的な言葉を使わずにうまく聞きだせるかしら?)
かずみ
「?」
「それって、ソウルジェムのこと?それとも、魔女の出自のこと?」
ほむら
「!」
「そうよね、やっぱり知っているわよね。
あなたのおい立ち話を聞いた時点で予測は立っていたの、だけれどうまく大事なところを隠していたから確
証が掴めなくって」
かずみ
「実は私もほむらがそれを知ってるって言うのは知ってたんだ」
ほむら
「それ自体は私も気づいているわ。だけれど、どうやってそのことを知ったの」
かずみ
「実は、生き残った私の二人の友達のうちの一人が結構チートじみた能力の持ち主なんだよね。
大元の魔法は洗脳なんだけれど、その魔法で自分に強烈な自己洗脳を施して、すごい色んな魔法を使えるの
」
ほむら
「そう。それなら大方、未来予知の魔法でも使ったのでしょうね」
「でも、ならなぜあなたは一人でこの見滝原に来ているの?それが私が聞きたかったこと」
かずみ
「それは魔法の副作用なんだ。確かカオルがいうには、
『自分を洗脳するってことはアイデンティティを壊すってことだ。だから、この魔法を使うと元の海香に戻
るのに時間が掛かる。
無茶な自己洗脳なほど、長い時間が掛かるんだ。今回は相当に無茶苦茶な強度の洗脳になるから、短くとも
二週間は動けないだろうなぁ』
ってことらしいから、動けない海香の面倒をカオルに任せて私が一人でこっちに来てるの」
ほむら
「それで、目的は何かしら」
ほむらが妙に黒くなっている場所に足を踏み入れた!
かずみ
「危ない!」
かずみはほむらを突き飛ばした!
ドスン!
かずみ
「もっと気を付けないと、ダメだよ、ほむら!」
ほむら
「助かったわ、ありがとう」
「それで、あなたの目的は――――ッ!」
鳥かごの魔女が突如上から降ってきた!
バァン!
軽快な発砲音が響き渡る!
マミ
「もう!暁美さんってばなんで私から逃げるのッ!?」
ほむら
「ちょっと、かずみと二人で話がしたくて。その、言い辛いけれどあなたがいると話しづらいことなのよ」
かずみ
「そうなんだぁ。巴さんには絶対に分からない悩みってのもあるんだよ?」
かずみの視線はマミの胸元に注がれている!
ほむら
(くっ!)
マミ
「?」
「とっても気になるけれど、話は後回しよ!」
!巴マミがパーティに加わった!
鳥かごの魔女が襲いかかってきた!
…
……
………
かずみ
「二人とも力を貸して!」
メテオーラフィナーレ!
650!
670!
659!
鳥かごの魔女をやっつけた!
結界が崩壊する!
コマンドが探索モードに切り替わった!
かずみ
「えっと、なんだったっけ?」
「あぁ、そうだった。私の目的だったね!」
ほむら
「えぇ、そうそれよ」
マミ
「?」
かずみ
「この街にヒュアデスの残滓が辿り着いちゃってるみたいなんだよ」
ほむら
「あなた達が対峙したっていう大型魔女のことよね?」
かずみ
「そう、それ!」
「その魔女を倒すのが私の目的!」
マミ
「……」
ほむら
「つまり、私たちに協力しろと、そういう事かしら?」
かずみ
「出来れば手伝ってもらいたいけど、嫌な全然かまわないの」
マミ
「いいえ、手伝うわ。大型魔女なんて放っておけないもの」
ほむら
「あなたならそう言うと思っていたわ。私も賛成よ。いい前哨戦になるわ」
かずみ
「?」
「ありがとう!」
投下ここまで
かずみちゃん無双の始まりだよ!
ttp://upup.bz/j/my20460ufDYtsCe3aqFcG8A.png
ステータス置いておきますね
それとついでなので堂々と宣伝しておこう
ほむら「彼岸の計略」
マミ「心の温度」
html化したからよろしくね!
>>310
なぜ彼岸
>>313
気付かなかったわ
shigannと打とうとして
higannと打ったらしい
投下します
九日目、木曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
(昴かずみとヒュアデスの暁、か。また、面倒なイレギュラーが現れたものね)
「考えるべきはこの局面をどう切り抜けるかよね」
ほむら
「……」
「お弁当を作らないと」
~昼~
まどか
「ほむらちゃん!さぁ、お昼ご飯の時間だよ!」
さやか
「まどか張り切ってるねー!」
ほむら
「ふふっ、気合いなら私も負けていないわよ」
仁美
「それじゃあお手並み拝見ですわね」
ほむら
「……」
「!」
まどか
「ほむらちゃん、どうかしたの?」
ほむら
「屋上でっていうのはどうかしら?」
さやか
「屋上かぁ。勝負にはもってこいの快晴だしね!そうしよう!」
まどか
「私もいいと思う」
仁美
「私も異存はないですわ」
ほむら
「♪」
『巴マミ?今から屋上でお昼を食べるのだけれど、よかったら一緒に食べない?』
マミ
『貴女からの誘いなんて珍しいわね。是非ご一緒するわ』
ほむら
『まどかと美樹さやか、それからその友達の志筑仁美も一緒だけれど、平気かしら?』
マミ
『み、見くびらないで頂戴!知らない人と一緒にお昼を食べるのくらい、全然ヨユーよ!』
ほむら
『それじゃあ、屋上で待ってるわ』
ほむら
「それじゃあ、屋上に行きましょう?」
学校―屋上
ほむらたちは屋上に座り込んでお弁当を取り出した!
さやか
「よおし!それじゃあ早速始めますか!」
ほむら
「実はサプライズゲストを呼んでいるのよ。もう少し待ちなさい」
まどか
「それってもしかして、」
ほむら
「それは来てからのお楽しみよ」
屋上のドアが開いた!
まどか・さやか
「マミさん!」
ほむら
「こっちよ、お弁当は持ってきてるわよね?」
仁美
「?」
「ごきげんよう。ほむらさん、この方は?」
ほむら
「三年の巴マミ『先輩』よ。そうね、私のちょっとした知り合いってところかしら?」
マミ
「ちょっとした、とは随分な言い草じゃないかしら?暁美さん」
「初めまして、紹介に預かった巴マミよ。よろしくね」
仁美
「どうも、ご丁寧に。私、志筑仁美と申します」
マミ
「それで、これから何を始める気なのかしら?」
ほむら
「お弁当選手権」
マミ
「?」
ほむら
「お弁当選手権よ!」
…
……
………
???
「何の用さ」
キュゥべえ
「見滝原に現れたイレギュラーと巴マミの話は知ってるかい?」
???
「ふうん。何?あんたはアタシにそいつらを潰して来いとでも言いたいわけ?」
キュゥべえ
「そうは言わないよ。ただ、君はマミの昔馴染みだろう?話くらいはしておいた方がいいかと思ってね」
???
「いいよ、聞いてやるよ。はなしな」
投下ここまで
D・V・D!D・V・D!
私はほかのスレの>>1と違って書くのが遅い、すごく遅い。ので、一気に沢山は更新できない。
鈍いわたしの更新を見てるがいい。指でも咥えて見てろ
というわけで投下します
~放課後~
街―通学路
ほむら
「……」
(確か、かずみの話ではヒュアデスの暁は結界を必要としない強力な魔女。
ということは、一度顕現してしまえば場所の特定は容易なはずよね。
ならば、率先して探し回る必要はまるでないわね)
まどか
「!」
「ほむらちゃん?」
ほむら
「?」
「まどか?それに、美樹さんと志筑さんも。どうしたの?」
さやか
「どうしたの?って、あんたそれはこっちが聞きたいよ。いつもならとっくに帰ってるはずじゃん?」
ほむら
「そうだったかしら?最近は、……。そうね、巴さんと一緒だったから早くに帰宅していたわね」
仁美
「お昼の方ですわね。それで、今日は何故その巴先輩と一緒にお帰りにならずに、一人で黄昏ているのかと、そう思ったんですわ」
ほむら
「黄昏る、なんて恰好のいいものではないわよ。ただ、ちょっと考え事を。
気分的にはさながらフェルマーの最終定理に挑んでいた数学者のようにね」
さやか
「転校生、そういうのを黄昏るって言うと、あたしは思いますよー」
まどか
「あはは、それは完全に黄昏てるよほむらちゃん」
ほむら
「そうかしら?それで、黄昏ていた私に何か用でもあったの?」
まどか
「?」
「えぇと、ようはないんだけど……。もしかして……、迷惑、だったかな?」
ほむら
「?」
「いえ、そんなことはないわ。ただ、不思議に思っただけよ?」
さやか
「不思議って、ねぇ。友達に声をかけるのに理由がいるとは思えないんだけど」
仁美
「そうですわ。お友達なら声位かけるのが普通ですわね」
ほむら
「!」
「そ、そうね。普通だわ。それはとっても普通のことだわ」
(私はちゃんと友達と認識されていたのね。なんだか少しほっとしたわ)
まどか・さやか・仁美
「???」
ほむら
「三人はこれから帰りなのよね?」
まどか
「そうだよ?」
ほむら
「それなら、私も一緒に帰ってもいいかしら?」
仁美
「構いませんわ。というか、まどかさんは最初からそのつもりで声をかけたのでは?」
まどか
「うん!もちろんだよ」
さやか
「ほら、ほむら早くいこー」
!鹿目まどか、美樹さやか、志筑仁美が同行者に加わった!
街―住居区中央
まどか
「今日は折角だから、駅近くのファーストフード店でお茶していこっ?」
ピッ!
「知ってるか?木曜はスーパーで特売やってるんだぜ?この間まで営業停止してたけど、今日からまた店が開くんだぜ?」
ピッ!
「はぁ、年下の上司に怒鳴られるとか精神が削られる」
ピッ!
「ダイヤモンドダストの噂知ってる?なんか、クリオネが見れるらしいよ?」
!噂が更新されました!
街―住居区東
さやか
「そうそう、お店はもう少し向こう側なんだ。早くいこー」
ピッ!
「うわッ!ここで急所とかありえねぇ」
「ツメスナイパーにとって急所は必然だぜ?」
ピッ!
「キャッキャ!ライダーキィック!」
「キャッキャ!ちょーくーぶしんはざんー!」
ピッ!
「あらやだ、あらやだ!」
「もー、まったくもー。ねっ?」
街―ビル街
仁美
「そこの角の建物の二階ですわ」
ピッ!
「青い空!白い雲!灰色のコンクリ!眩い鏡張りのビル!……、ちくしょう眩しい!」
ピッ!
「え?生きてればいいことあるって?おじさんそんなひどい顔してたかい?」
ピッ!
「この間夜中に噴水の前で黄昏てたら、黒い生き物が仰山出てきて、びっくらこいたよ」
!噂が更新されました!
―ファーストフード店
ほむら
「私は珈琲だけでいいのだけれど、あなた達は何か食べるの?」
さやか
「私も炭酸だけでいいかなー」
仁美
「私はミルクティにしますわ」
まどか
「私はえっと、オレンジジュースと、それからハンバーガーも食べようかな、なんて」
ほむら
「それなら、私がポテトを頼んでもいいかしら?」
さやか
「おっ?流石完璧転校生!わかってるね」
ほむら
「美樹さん、そろそろその転校生っての止めてくれないかしら」
さやか
「転校生があたしのことをさやかちゃんって呼んでくれたら考えるよ」
ほむら
「……」
「ちょっと考えさせて」
さやか
「なにその反応ッ!?ちょっと傷つくよ?」
仁美
「コホンッ!お二人とも一先ずその辺にしておいてくださいまし。それと先に席を取っておいてくださいな。
私とまどかさんで注文を済ませてきますので」
ほむら
「志筑さん、それなら私が注文してくるので三人で席をお願いするわ」
仁美
「……」
「流石に暁美さん一人に任せるのは、それならば、私と暁美さんで注文することにいたしません?」
まどか
「えと、お願いしてもいいかな?」
ほむら
「えぇ、分かったわ。そうしましょう?」
さやか
「決まりだね、そいじゃまどか、行くよー」
…
……
………
~夜~
街―高層ビル屋上
まど神さま
「思ったよりも早かったなぁ」
キュゥべえ
「何やら不思議な気配を感じてきてみれば、君は何者だい?」
まど神さま
「こんにちはキュゥべえ。私が誰かって?近いうちにすぐに分かるよ」
キュゥべえ
「暁美ほむらよりもずっと興味深いイレギュラーがいるとはね」
まど神さま
「それはそうだよ。そもそも私はほむらちゃんと違って世界に『存在しない』存在だからね。だから、そろそろ還らないとといけないんだ」
キュゥべえ
「還るか、君とはもっと色々話をしたいと思ったんだけどね、残念だよ」
まど神さま
「私は、あまりお前たちとは話したくないかなぁ」
キュゥべえ
「つれないね」
まど神さま
「そんな必要ないでしょう?インキュベーター」
投下ここまで
台詞だけでがっつりシリアスを書ける人の頭のなかってどうなってるんですかぁ!?
気付いたら地の文書いてた時はちょっと焦ったよ、本当に
投下
十日目、金曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
「……」
「まどかぁ……」
…
……
………
~昼~
ほむら
(そろそろ美樹さやかのフォローに回らないと取り返しのつかない事態に進展するかもしれないわね)
まどか
「ほむらちゃーん。お昼食べよー!!」
ほむら
「今、いくわ」
~放課後~
ほむら
「……」
「ねぇ、美樹さん。少し二人で話がしたいのだけれど」
さやか
「?」
「転校生があたしに話?またまた、ご冗談を」
ほむら
「ちょっと真剣なことよ。茶化さないで」
さやか
「分かったよ。聞いてやろうじゃないの」
ほむら
「そう言ってくれると思ってたわ。ごめんなさい、まどか、志筑さん。美樹さんを借りていくわね」
まどか
「?」
「悩み事?良かったら私も相談に乗るよ?」
仁美
「まどかさん、暁美さんはさやかさんをご所望のようですし、ここは一先ず引き下がっておいて、
あとでさやかさんから聞き出すことにいたしましょう?」
まどか
「……」
まどかはほむらのことをジッと見つめている!
ほむらは焦っている!
ほむら
「違うのよ?えぇと、そう!この間ちょっと美樹さんに相談ごとを持ちかけられて、
それで、その答えというか、考えをまとめたというかなんというか、そういう事なのよ!」
ほむらはノリと勢いに任せた!
ほむら
『美樹さん、悪いんだけどちょっとだけ話を合わせて頂戴』
さやか
『まどかはああなると意地でも退かないからなぁ。しょうがないから付き合ってあげようじゃないか』
さやか
「そうなんだ。実はこっそり転校生に相談事をって、なんでバラしちゃうのっ!?」
ほむら
「そういう訳だから、まどかと志筑さんは先に帰っていて頂戴」
ほむらはさやかの襟首を掴んでその場から逃走した!
まどか
「あれは絶対に嘘ついてるよ」
仁美
「まぁまぁまどかさん。あとでゆっくりさやかさんからお話を聞けばいいではありませんか」
まどか
「ちゃんと話してくれるかなぁ?」
仁美
「きっと大丈夫ですわ。それとも、まどかさんはさやかさんが信じられないんですの?」
まどか
「そういう訳じゃないけど……。ほら、さやかちゃんって結構一人でなんでも抱え込んじゃうタイプでしょ
?」
仁美
「えぇ。そうですわね、その通りですわ。
だからこそ、今は大人しく引き下がって私たちがさやかさんをフォローしてあげないと、そう思いません?
」
まどか
「……」
「そっか、うん。そうだね」
仁美
「それでは、今日は二人で帰りましょう?」
まどか
「♪」
「仁美ちゃんと二人で帰るのはすごく久しぶりだね!」
仁美
「♪」
…
……
………
街―噴水前
さやか
「それで、転校生さ、あんな茶番までさせた用事ってなに?」
ほむら
「……」
(この捻くれ潔癖理想主義乙女は私の忠告、ましてや恋のアドバイスなんて絶対に聞き入れないし、
そもそも自分の気持ちにすら蓋をしてみて見ぬ振りをするだろう。とすると、)
さやか
「ねえ、あんたから引っ張ってきておいてだんまり?」
ほむら
「ちょっと、考えをまとめさせて」
さやか
「そこまで、見切り発車だったの!?」
ほむら
「……」
(最悪の事態を想定させる。でも、どうやって?
幻惑の魔法でも使えればさやかに上条恭介が絶望した時に自分が取りうる行動を自覚させつつ、さやかの本
心を引っ張り出せるのに!)
さやか
「……」
「そんな言い方、まるで私に打算があるみたいじゃん。あたしは恭介の弾くバイオリンの音色が好き。
その音をもう一度聞きたい。それだけだよ」
ほむら
「本当に、それだけ?」
さやか
「そうだよ!」
ほむら
「それじゃあ、もう少し突っ込んで考えてみて頂戴。彼の腕をあなたが魔法少女になることで治したと仮定
して」
さやか
「うん」
ほむら
「一生懸命リハビリを頑張った上条恭介は予定よりも一月ほど早く退院できるようになりました。
けれど、予定よりも一月も早く退院が決まったことによって、諸々の手続きの都合がうまくかみ合ってしま
い、
幼馴染であるあなたには完全に事後報告になってしまいました」
さやか
「そんな、アイツに限ってそんなことあるはず、」
ほむら
「仮定の話よ。さぁ、美樹さやか。あなたはそうなったらどう思う?」
さやか
「……」
「そんな言い方、まるで私に打算があるみたいじゃん。あたしは恭介の弾くバイオリンの音色が好き。
その音をもう一度聞きたい。それだけだよ」
ほむら
「本当に、それだけ?」
さやか
「そうだよ!」
ほむら
「それじゃあ、もう少し突っ込んで考えてみて頂戴。彼の腕をあなたが魔法少女になることで治したと仮定
して」
さやか
「うん」
ほむら
「一生懸命リハビリを頑張った上条恭介は予定よりも一月ほど早く退院できるようになりました。
けれど、予定よりも一月も早く退院が決まったことによって、諸々の手続きの都合がうまくかみ合ってしま
い、
幼馴染であるあなたには完全に事後報告になってしまいました」
さやか
「そんな、アイツに限ってそんなことあるはず、」
ほむら
「仮定の話よ。さぁ、美樹さやか。あなたはそうなったらどう思う?」
さやか
「……」
「寂しく思う。きっと、私なんてそんな程度だったのかなんて思うんじゃない?」
ほむら
「えぇ、きっとそうでしょうね。それじゃあ、もっと想像力を働かせて」
「今から少しきついことを言うけれど、しっかりイメージするのよ?」
さやか
「……」
「何さ、それ。今までのがきつくないっての?」
ほむら
「いいからしっかりイメージしなさい」
「あなたが魔法少女になってまで、自らの一生を捧げてまで回復を願った愛しの彼は、
あなたに振り向くことなく、別の女の子と添い遂げました」
さやか
「……」
ほむら
「どう思った?」
さやか
「別に、あたしは恭介に好きになって欲しくて、構ってほしくて、あたしを見てほしくて手を治すわけじゃ
ないもん。
笑って祝福するに決まってるよ」
ほむら
「……」
「愚かね」
さやか
「!?」
「何よそれ!」
ほむら
「愚かだといったのよ!笑って祝福する?そんなデタラメよく口に出せたものね!」
さやか
「それが、あたしの本心だ!何が悪い!」
ほむら
「そんなのが本心なんて、あるわけがないでしょう!」
さやか
「なんだよそれ!あんたとあたしを一緒にするな!」
ほむら
「えぇ、違うわ!私とあなたは全然違うわよ!でも、だから言うのよ!あなたは自分に嘘をついている!」
「だって、そんな完璧な人なんてどこにもいないでしょう!嫉妬の一つもすれば、憎悪の炎を燃やすかもし
れない!
それが普通でしょう?それが普通の女の子でしょう!」
「私や巴マミとは決定的に違う普通の女の子なのでしょう!?」
さやか
「!?」
「なんなのさ、何が言いたいのさ!転校生はぁっ!」
ほむら
「そんなの決まってる!後悔してほしくないのよ!自分を責めて破滅する姿なんて見たくないに決まってる
じゃない!」
さやか
「転校生……?」
ほむら
「……」
「最後に一つだけ。伝えておくわ」
ほむらは指にはめていたソウルジェムをさやかに差し出した!
ほむら
「ソウルジェムは私たち魔法少女の魂よ。この石が砕ければ私たちは死ぬ。
逆に言えば例え心臓が破裂しようと頭の半分が吹き飛ばされようと、
明確に死を認識しさえしなければ魔力を使っていくらでも修復が効く。いわば生きた屍よ」
さやか
「そんなこと……。キュゥべえは一言も言ってない」
ほむら
「あいつはそういうやつなのよ。大事なことでも聞かれなければ答えない」
さやか
「嘘、だよ。信じられない」
ほむら
「なんならアイツに、キュゥべえに確認してみればいいじゃない」
ほむらはさっと髪をかきあげた!
ほむら
「言いたいことはそれだけよ。長々引き止めて悪かったわね」
ほむらは背を向けて去っていく!
さやか
「ξ」
「いったい、なんなのさ……」
投下ここまで
追記
仁美のセリフ内に登場する『私』はわたくしとお読みください
同様に『何故』もなにゆえとお読みください
作中日曜日に一緒に出掛ける相手
下八多数決
1マミ
2まどか
3さやか
4仁美
5一人で過ごす
再投票
1さやか
2一人で過ごす
下3多数決
さて、
短いけれど投下します
十一日目、土曜日
ほむら
(昨日はあることないこと勢いに任せて、適当言い過ぎた気がするわ。
冷静になって今考えてみるとちょっと恥ずかしい)
ほむら
「まぁ、過ぎたことをあれこれ考えてもしょうがないわね。切り替えていきましょう。
大丈夫よ、きっとちょっと気まずくなるくらいのものだわ」
街―通学路
まどか
「さやかちゃん、どうかしたの?」
さやか
「いや、なんかちょっと転校生と顔を会わせづらいというか、なんといいますか」
仁美
「暁美さんと何かあったのですか?」
さやか
「ξ」
「いや、ちょっと話をしただけ、っていうか聞かされただけっていうか……」
まどか
「噂をすれば、だよ。さやかちゃん!」
ほむら
「……」
「おはよう。まどか、美樹さん、志筑さん」
ほむらは必要以上に微笑んだ!
まどか・さやか・仁美
「おはよう!」
まどか
「全然普通そうだよ?それどころかなんだか機嫌良さそうに見えるくらいだよ?」
仁美
「そうですわね」
さやか
「あっれー?おっかしいな??」
ほむら
「どうかした?何か顔についてるかしら?」
(作戦成功ね。題して何でもないふり作戦)
…
……
………
~昼~
ほむら
(今日は合成素材をやっつけてしまいたいわね。でも、美樹さやかの様子も気になる)
ほむら
「!」
(閃いたわ!今日は合成して、明日美樹さやかと一緒に出掛けましょう!そうしましょう!)
ほむら
「美樹さん!ちょっといいかしら?」
さやか
「……」
「えぇー、なに?」
ほむら
(なんだか、さやかのテンションが低いわね。というかなんか顔が引きつってる?)
「明日一緒に遊びに行きましょう!二人で!」
さやか
「……。やだ」
ほむら
「!」
「なんでよ!!なんでよ!!」
さやか
「えっ、ていうか、普通に考えて昨日の今日で明日遊びに行くとか色々おかしくない?」
ほむら
(ちょっと、動揺して変なこと言った気がするわ)
「……。それは、その、実は、昨日のことは、ですね。えぇと」
さやか
「……」
さやかは白い目をしている!
ほむら
「えと、ほら!なんていうか美樹さんともっと仲良くなりたくって、
でもちょっと空回りしちゃって……」
さやか
(あれ?この子ホントに転校生、なのか?なんか普段とキャラが違いすぎ。
演技か?演技なのかぁ?)
ほむら
(何か、壮絶に空回ってる気がするわ。けれど、もうひと押しってところかしら)
ほむら
「どうしても一緒に行くのは嫌ですか?」
ほむらは目を潤ませている!
さやか
「ξ」
「分かったよ、分かった。一緒に遊びに行こう」
(な、なんなの!?このまどかの頼りないオーラを数倍強力にしたような頼りないオーラはっ!?)
ほむら
(何とか、勢いで乗り切れたみたいね。それなら今日はもうさっさと帰りましょうか)
「それじゃあ、美樹さんまた明日。時間は。そうね、昼ごろに噴水前で」
さやか
(シレッと、戻っている!?)
「う、うん。分かったよ」
…
……
………
芸術家のエンブレムを手に入れた!
鳥かごのエンブレムを手に入れた!
……etcを手に入れた!
投下ここまで
このセリフを使うにはこの場面しか無いと思った
違和感は諦める
今月発売のキラマギを呼んでふと思った。
幽霊と契約した場合外付けのハードがないわけだけれどどういう扱いになるのだろうか、と
願いが成仏したいだったらソウルジェムを生みながら消えていくのだろうか、それともなった瞬間に消えるのか
願いが生き返りたいとかその辺だったらいいけどそうじゃ無いのならばどうなってしまうのだろうか?
色々考え出すと一本別のSSが仕上がる気すらする。
でもそんなオリキャラ出すならぶっちゃけオリジナルで書いた方が有意義な気がしますマル
そんなわけで投下ですよ八日!違う今日は十三日だ!
「知っている?悪いことをした人は裁かれないといけないんだよ?」
私が、悪人だと言いたいの?
「そうでしょう。この『人殺し』」
……。
「ねぇ、そうよね?殺したものね」
「そうだ、そうだ。お前は人を殺したんだよ」
「ねぇ、なんでそんなことして、平気で笑ってられるのさ」
「本当よね、私だったらとてもじゃないけれど、そんなことできないわ」
あなた達に私の何が分かるというの?
「人殺しの気持ちなんて分かりたくもないよ」
「だよね。あたしもだよ」
その顔で、その眼で、その声で、これ以上喋るんじゃない!!
十二日目、日曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
「夢、ね」
…
……
………
~昼~
ほむホーム
ほむら
(服は、制服でいいわね)
「別に、遊びに行くのに着ていく服がないわけじゃないんだからねっ!」
「はぁ、一人でくだらないことをやるのは止めましょうか。虚しくなるわ」
ほむら
「荷物は、全部持ったわね。時間は、五分前につけばまぁ、問題ないわね」
「それじゃあ、行ってきます」
街―噴水前
「よってらっしゃい、見てらっしゃい!」
「火吹きの弁天とは俺のことだぜぇ!」
「演技派パントマイマーJUN様の妙技に酔いしれなぁ!」
「俺は、マサトシ!人呼んで人型軟体生物だ!!」
ほむら
「……」
(なんなのこれ?)
さやか
「よっ、転校生。って、あんた制服かよ」
ほむら
「そう言うあなたは、私服なのね。普通にボーイッシュで面白味がないわね」
さやか
「ふふーん、あんたと出かけるのにわざわざオシャレしてくるほど間抜けじゃないからね!」
ほむら
「そう、なんだかそれはそれで寂しいわね。まぁ、そんなことより、この騒ぎは一体なんなの?」
さやか
「そんなことよりって、そんなことって」
ほむら
「別にどうでもいいと言ってるわけじゃないのよ?それよりも、この人たちは何者なのかしら?」
さやか
「あぁ、もしかして、転校生ここで大道芸大会やってるの見るの初めて?」
ほむら
「えぇ」
(というか、私が繰り返し続けた一ヵ月の中でこんな光景に出くわしたのが初めてだわ)
さやか
「一月に二回、ここはアマチュア芸人の人たちのために一般開放されてるんだ。それで、今日はその開放日ってわけ」
ほむら
「そうだったのね。まぁ、今はそんなことはどうでもいいのよ!」
さやか
(今日はこの流れ多いなぁ。実はこの子ちょっと無理しすぎて疲れちゃってたりするのかなぁ。
ちょっとは労わってあげた方がいいのかなぁ)
「あれ?というとこは、今日はここを一緒に見て回るってわけじゃないの?」
ほむら
「違うわ!私の目的はこんな冴えない芸じゃないのよ!」
ほむらはポケットから何かを取り出した!
ほむら
「これよ!風見野ドリームランドよ!!」
さやか
「えっ!?あの、普通に予約が取れる大人気遊園地の!?」
ほむら
「えぇ、その大人気遊園地よ!」
さやか
「そのテンション疲れない?」
ほむら
「疲れたわ。だからさっさと電車に乗って目的地に行きましょう」
街―駅
ほむら
「次の電車は、五分後ね。いいタイミングだわ」
ピピッ!
さやか
「転校生もちゃんとMAgiCa持ってるんだ」
ほむら
「えぇ、作っておくと何かと便利よね」
電車内
ピッ!
「ウケル、マジウケル!!」
「ねー、ウケルよね。マジヤバイ」
ほむら
(あんな少ない語彙だけでどうして会話が成立するのかしら)
ピッ!
「知ってるか?だいまおうからはにげられない!」
「こんなものがせいぎだっていうのか!?」
「クロコダイーン!!」
ピッ!
「トラウマテレビって知ってる?ううん。真夜中テレビじゃないってば」
!噂が更新されました!
ピンポーン!
「風見野ドリームランド前。左側開きます」
風見野市―ドリームランド
さやか
「さて、何から乗るの?」
ほむら
「絶叫系を網羅するわ!」
さやかはこっそり逃げ出そうとした!
ほむら
「逃げようったってそうはいかいないわよ」
ほむらはさやかの首根っこを?まえて引きずっていく!
ほむら
「キャアアアアアアア!」
さやか
「ギャァァァッァァァァァァァァァァッァアアアアアア」
ほむら
「ワアアアアアア!」
さやか
「ンギャァァッァアッァッァァァッァアアッァァ!」
ほむら
「高いわね!!!」
さやか
「高い高い高い!イヤヤァァァァァァッァアアアア!!」
ほむら
「ヤッホォォォォ!」
さやか
「(魂が抜け出ている!)」
…
……
………
ほむら
「楽しいわね!美樹さん!!」
さやか
「なんで、絶叫系だけで十三個も施設があるのよ!」
ほむら
「次はお化け屋敷六つよ!」
さやか
「お化け怖い」
ほむらは首根っこを掴んで引きずっていく!
さやか
「GYAAAAAAAAAAAA!!!」
…
……
………
ほむら
「初めて来たけどいいものね!ドリームランド!!」
さやか
「あたしはもういやぁ」
ほむら
「美樹さんは、やっぱり私と一緒じゃ楽しくないかしら?」
さやか
「いや、そういう訳じゃなくて……」
ほむら
「……」
「そんな、気を遣わなくてもいいのよ。寂しいけど、寂しいけど!」
さやか
「その、ね?」
ほむら
「?」
さやか
「あぁ、もう!」
「あたし!ジェットコースターもオバケもニガテなの!」
ほむら
「……」
「そ、そうだったのね。私てっきり美樹さんはそう言うのが好きだとばかり思ってたのよ」
さやか
「いや、自分でも思うよ?あたしがオバケ怖いとかキャラじゃないなとか、さ。でも駄目なもんは駄目なんだよ」
ほむら
「勘違いで苦手なところにばかり連れまわしてごめんなさい」
さやか
「いや、もういいよ?それより、ほら、違うの乗ろうよ!コーヒーカップとかゴーカートとかさ!」
ほむら
「……」
「ふと、思ったのだけれど、キュゥべえって神出鬼没で一般人には見えないどこからともなく現れる。ってオバケみたいよね」
さやか
「キュゥべえがオバケ?ないない、だってあんなにかわいい見た目してるじゃん」
ほむら
「?」
「トイレの花子さんだって見た目はかわいいじゃない?それにほら、雪女とかも、大概美しいって形容詞がつくでしょう?
それに――、」
さやか
「いーやーだー!聞かないー!」
ほむら
「それに、魔女も普通の人には見えなくって普段は見つからないところに隠れ潜んでるなんて、オバケっぽくないかしら?」
さやか
「魔女がオバケ?」
ほむら
「きっとそうに違いないわ!キュゥべえも魔女もオバケよ!」
さやか
「いやいや、嘘だよね?」
ほむら
「きっと間違いなくキュゥべえも魔女もオバケよ!」
ほむら
「キュゥべえはオバケに違いないわ!」
ほむらは清々しく言い切った!
ほむら
「キュゥべえはオバケ、キュゥべえはオバケ、キュゥべえはオバケ、キュゥべえはオバケ、キュゥべえはオバケ、キュゥべえはオバケ」
ほむらはさやかの耳元で囁き続ける!
さやか
「キュゥべえはオバケキュゥべえはオバケキュゥべえはオバケ」
ほむら
「ねぇ、美樹さやか。キュゥべえは何かしら?」
さやか
「キュゥべえはオバケ。オバケ怖い。キュゥべえ怖い」
さやか
「キュゥべえ怖いキュゥべえ怖いキュゥべえ怖いキュゥべえ怖いキュゥべえ怖い」
ほむら
(いよっしゃぁ!洗脳完了よ!これで当分キュゥべえには近づかないでしょうね)
ほむら
「それじゃあ、次はコーヒーカップにでも乗りましょうか?」
さやか
「ハッ、私は何を……?」
ほむら
「コーヒーカップ乗るんでしょう?」
さやか
「えっ?あぁ、うんそうだった」
ほむらはさやかに近づいた!
ほむら
「キュゥべえ」
さやかは
「!!」
「オバケ怖い」
ほむら
(ちょっとやり過ぎたかしら)
投下ここまで
お盆ですことよ
>>390
みんな魔女にならずに[ピーーー]ばワンチャンあるわけか…
ほむらかわえー
でもドット絵なんだよな?
BGMも8bitなんだろ?
>>407
幽霊の解釈の仕方にもよるだろうけど、私見を言わせてもらえば魔法少女は幽霊にはなれない
理由はソウルジェムが魂だから
死んでしまっても魂が残り続けるのが幽霊なわけだから、ジェムが砕けても魔女になっても自我を残したまま魂だけが残りつづけられる道理がない
そういう観点から見ると魔女って悪霊と同じようなものじゃん?
だから、幽霊になっても魔法少女になれるのは、魔法少女にならないまま死んでしまった資質持ちの女の子だけ、だと思うんだ
>>409
ドット絵の何が悪いのですかー!
ドットかわいいじゃないですかー!
ドットのイメージとしてはps初期のゲームな感じ
幻水とかその辺
>>410
よくお分かりで
前置きなげぇ
投下します
「懲りないねぇ。この人殺し」
「あなたの都合のいい未来を掴み取れるかしら?人殺しさん」
「頑張ってね、人殺し」
「なあに?その顔は?別に攻めているわけじゃないのよ?だって事実じゃない。この人殺しさん?」
お前たちは、なんだ。
私にはその程度では響かないわよ?
「おぉ、怖いね。でも、なんだ、図星を付かれて怒ったようにしか見えないよ」
言ってなさい。
潰して、あげる。
「うふふ、もう潰されちゃってるわよ」
「そうだね、私たちはもう殺されてるね!」
十三日目、月曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
「……」
(そろそろ、お菓子の魔女が出現してもおかしくないわよね)
「それにしても、美樹さやかは変なことになってないわよね?」
街―通学路
ピッ!
「この間病院でさ、チーズ食べてたの、チーズ。したら、ちっこいぬいぐるみに強奪されちゃってね?
意味わかんなくない?かわいかったんだけどさ」
!噂が更新されました!
ピッ!
「ヌハハハハハ!ドハハハハハ!ルァハハハハハ!!」
ほむら
(なんで一人で豪快に笑ってるのかしら?)
ピッ!
「ヤバイ!遅刻遅刻!って、アレ?なんで普通みんな歩いてるの?」
ほむら
「今七時半なので、一時間見間違えたんじゃ?」
「なぬっ!よかったよかった」
学校―教室
ほむら
(まどかたちは、まだね。ゆっくり考え事をするには人の少ない教室は都合がいいわ)
モブ子
「ほむポンぽむぽむ、今日は早いねぇ!!」
ほむら
「あなた、なんでこんなに早いのよ……」
放課後
街―通学路
マミ
「さあ!暁美さん、魔女探しに行くわよ!」
かずみ
「ささっ、早く行こう!」
ほむら
(この二人、すっごい親和性が高いわ)
「そうね、行きましょうか」
街―噴水前
ピッ!
「人面犬、人面犬。大人しい人面犬!ほらあっちに!」
!噂が更新されました!
ほむら・マミ・かずみ
「!?」
少女が指さした先に魔女結界が開いている!
ほむら
「もしかして、」
マミ
「えぇ、魔女の口づけを受けてしまっているわね」
かずみが突如手刀を振り抜いた!
ほむら・マミ
「!?」
かずみ
「?」
「取りあえず、気絶させたからさっさと魔女を倒しちゃおう!そうすればきっとこの人も悪い夢だと思って忘れてくれるって」
ほむら
「そうね、早く倒しましょうか」
ほむらたちは魔女結界を開いた!
魔女結界―イヌの魔女
一層目
!コマンドが結界探索モードに切り替わった!
ほむら
(この魔女は脅威判定Eの下っ端みたいな魔女ね。このメンバーならばとても負けそうにないわ)
!隠された犬のぬいぐるみを破壊しろ!
マミ
「……」
「使い魔の数が少ないわね。力の弱い魔女かしら?」
かずみ
「どんな魔女だって油断は禁物だよ。慎重に行こう」
ほむら
「的確かつ迅速に魔女を排除することだけを考えましょう」
ピッ!
ほむらはひっくり返ったおもちゃ箱を調べた!
ピッ!
ほむらは大きな貝殻を調べた!
ほむら
「きゃっ!」
貝殻の裏に苔がびっしり生えている!
ピッ!
ほむらは他とは違う色をした床を調べた!
ほむら
「それっぽいわね」
不細工ないぬのぬいぐるみが襲いかかってきた!
使い魔が現れた!
…
……
………
使い魔をやっつけた!
イヌノマジョノカケラヲテニイレタ!
景色が変わる!
女結界―イヌの魔女
二層目
ほむら
「結構意外なところにいるのね」
マミ
「もっとそれっぽいところにいると思った?」
かずみ
「思ったよー!茶色い地面って普通の地面じゃん!」
ピッ!
ほむらはくたびれた手袋を拾い上げた!
ピッ!
ほむらは積み上げられた藁に手を突っ込んだ!
ほむら
(意外と暖かい)
ピッ!
ほむらは首のとれた人形を掴み挙げた!
ほむら
「縁起でもない……」
マミ
「何か言ったかしら?」
ほむら
「いいえ」
ピッ!
ビックリ箱だった!
中から不気味なぬいぐるみが飛び出してきた!
使い魔が現れた!
…
……
………
使い魔をやっつけた!
イヌノマジョノカケラヲテニイレタ!
景色が変わる!
女結界―イヌの魔女
三層目
ピッ!
苗木から仄かな腐臭がする!
ピッ!
朽ちた看板から錆の匂いが漂う!
ピッ!
古い本からカビの匂いが流れる!
ピッ!
ほむらは壊れた犬小屋を覗き込んだ!
中から不格好なぬいぐるみが飛び出してきた!
使い魔が現れた!
…
……
………
使い魔をやっつけた!
イヌノマジョノカケラヲテニイレタ!
景色が変わる!
女結界―イヌの魔女
四層目
ほむら
「あのボロ小屋以外には何もないわね」
かずみ
「突ッ入ぅ!レッツゴー!」
マミ
「駄目よ。慎重に」
ほむらたちはゆっくり近づいて扉を開いた!
イヌの魔女が襲いかかってきた!
イヌの魔女が現れた!
ほむらのエルミア!
ほむらたちの回避がぐんと上昇した!
マミのティロフィナーレ!
492!
かずみのイルフラース!
かずみの素早さと力が上昇した!
イヌの魔女の攻撃!
miss!
127!
使い魔の攻撃!
miss!
miss!
miss!
…
……
………
かずみ
「二人とも力を貸して!」
メテオーラフィナーレ!
651!
664!
strike!1384!
イヌの魔女たちをやっつけた!
イヌノマジョノカケラヲテニイレタ!
イヌノマジョノモトヲテニイレタ!
魔女結界が崩壊する!
コマンドが通常モードに切り替わった!
ほむら
「おつかれさま」
マミ
「早くジェムを浄化してしまいましょう?」
かずみ
「グリーフシードは二人で使って?私はまだまだ大丈夫だから!」
かずみはソウルジェムを掲げた!
ほむら
「これはまた、随分濁ってないわね」
マミ
「あんなに魔法をバンバン使っていてこれだけしか消耗しない、なんてよっぽど魔法の効率化が上手いのね」
かずみ
「いやぁ、それが実は違うんだ。私の場合、願いが願いだけにどうもジェムが濁りにくいみたいなんだよねっ!」
マミ
「それにしたってこれは、相当よ」
ほむら
「その燃費の良さ羨ましい限りだわ」
マミとほむらはソウルジェムを浄化した!
マミ
「もう一回くらいは使えそうね。暁美さんが持っていて?」
ツカイカケノグリーフシードヲテニイレタ!
パーティを解散しました!
投下ここまで
芸術の紋章のステータス置いておきますね
芸術の紋章
通常合成で50%の確率で一ランク上のアイテムを作れる
ステータス+20%
エルミア-パーティ回避+2
ハン-自身回避+3.パーティ回避+1
エミール-パーティ回避+1.魔力障壁
ジョン-パーティ回避+1.物理障壁
肯定的な自己破壊-呉キリカと連携攻撃
パーティ攻撃+2.パーティ防御+1、敵全体攻撃-2
スキルの元ネタは贋作師
キリカさんしんでもうたやん
投下
十四日目、火曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
(そう言えば、昨日は結局美樹さやかの様子を確かめることが出来なかったわね。今日はそれとなく確認してみましょう)
街―通学路
さやか
「ゴメンゴメン!遅くなったー。おはよう、まどか!仁美!」
仁美
「ふふ、おはようございます」
まどか
「おはよう!」
キュゥべえ
「やあ、さやか。たまには僕も一緒に学校へ行こうと思ってね」
さやか
「ぃぃ、ぃ」
まどか・仁美
「?」
キュゥべえ
「どうかしたのかい?そんなに青い顔をして」
さやか
「いやああああああ!!」
さやかは走り出した!
まどか
「さやかちゃん?」
仁美
「私たち、何かしてしまったんですの?」
ほむらとマミが歩いてやってきた!
ほむら
「あぁ、もう!巴さん朝から鬱陶しいわ!」
マミ
「何よその言い草わ!ちょーっと体系がスリムでスレンダーで背が高くてスラッとしてて、
余分なお肉がついていないからって調子に乗ってるみたいね!!」
ほむら
「そんな減らず口はいいから取りあえず離れなさいよ!無駄に胸にくっついてる羨ましい脂肪の塊が暑苦しいのよ」
マミ
「調子に乗ってる美少女なんてこうしてやる!こうしてやるぅ!!」
ほむら
「ちょっと、こら!揉むな、揉むんじゃないわよ!」
ほむらは拳を振り上げた!
マミ
「痛い!もう何するのよ。ちょっとしたスキンシップじゃない」
ほむら
「それに対して鬱陶しいと言ってるのがまだ伝わってないみたいね!もう一発いきますか?今度は割と本気でいくわよ?」
まどか
「……」
「ほむらちゃん、マミさんおはようございます」
仁美
「まさか、暁美さんまどかさんだけでは飽き足らず二人目だなんて。いけません、いけませんわ」
ほむら
「おはよう、ってまどか敬語は止めて!お願い!そんな蔑んだ目で私を見ないで!」
マミ
「うふふぅ。そんな目で人を見る悪い子は揉むわよぉ!さあ、さあ、さあ!」
マミはまどかににじり寄る!
ほむら
「だから、やめなさい!」
ほむらは拳を振り下ろした!
マミ
「痛ぁい!もう、何するのよ」
ほむら
「むしろあなたが何をしているのよ。
こんな往来の多いところで朝っぱらからまどかに恥をかかせようとしてるんじゃないわよ」
キュゥべえ
「見えてるのに僕を無視するのは止めてくれないかな?マミ、ほむら」
まどか
(いつの間にか私の肩から降りてほむらちゃんの足の下に滑り込んでる……。
やっぱりキュゥべえが一番気持ち悪いなぁ……)
ほむら
『おまえに一々関わってたら私たちは不審者じゃないの』
マミ
『そうよ!こんなに人がいるのに独り言を呟いてる痛い人みたいになっちゃうじゃない!』
まどか
(テレパシーわたしにも聞こえてるよ……。っていうか、二人とも十分変な人だよね?)
仁美
「ささ、早く学校へと向かいましょう?先に走っていったさやかさんも心配ですから」
まどか
「うん、そうだね。早くいこっか、仁美ちゃん」
ほむら
「あっ!ちょっと待って!まどか、志筑さん!置いてかないで!
っていうか離れなさいよ巴マミ!くっつくなって言ってるでしょう!」
…
……
………
~放課後~
学校―教室
ほむら
「志筑さん、ちょっと相談事があるのだけれど……」
仁美
「♪」
「分かりましたわ、暁美さん。お話、お聞かせください」
ほむら
「それにしても、今日は美樹さんの様子が一日中おかしかったようだけれど、何か知っているかしら?」
仁美
「それが、私もまどかさんも心当たりがないもので……。原因が皆目見当がつかないんですの」
「だから、困ってしまって」
ほむら
「それなら、お互い情報交換といきましょう?」
仁美
「ふふ、そうですわね」
街―『喫茶店 law-aion』
仁美
「さて、それでは注文も済んだことですし、」
ほむら
「えぇ、本題に入りましょうか」
仁美
「話してくださいまし」
ほむら
「そうねぇ」
「現状、自身のキャパシティを大きく超える困難な問題に対面してしまったと舌ならば、志筑さんならどう対処する?」
仁美
「私一人では解決しきれない、問題という意味でよろしいのですか?」
ほむら
「いいえ。一人でではなく総合的に見て必要な人員をギリギリ集められるだけ集めたうえで、よ」
仁美
「段階的にはほとんど煮詰まってしまっていますのね」
ほむら
「えぇ、事態は切迫していると言っていいわね」
仁美
「私としては、まず始めに条件の見直しでしょうか」
ほむら
「勝利条件の見直し……」
仁美
「次に、別手段と可能性の模索、辺りになりますわね」
仁美
「そして最後に、計画の見直し、および破棄。その辺りです」
ほむら
「……」
「出来ないものは出来ないと素直に諦めろ、と」
仁美
「そうではありませんわ。
既存の手段、それまでの積み重ね、それらすべてを一度頭の中から取り払ったうえでもう一度計画を練り直すんですの」
ほむら
「……」
仁美
「可能性を否定することは思考錯誤を否定することですわ。
一見無駄なことでも存外に有効な手段になりうる場合もありますので」
ほむら
(可能性の追求と手段の模索。小さな穴を塞ぐように作戦を練り直してみるのも悪くないかもしれないわね)
ほむら
「貴重な意見をありがとう。少し考えてみるわ」
仁美
「どういたしまして。それで、さやかさんのことなのですが――、」
ほむら
「なんだか怯えて――、」
仁美
「ですわよね。どこか宙を見るような目で――、」
ほむら
「実は幽霊でも見てるんじゃ――、」
…
……
………
街―???
まど神さま
「随分と大きくなったんだね」
魔女?
「……」
何かかがまどかに降りかかる!
降りかかった何かはかき消された!
まど神さま
「私を餌にしたいの?残念でした。魔女の魔力じゃ私には届かないんだ」
「もっとも、私から干渉することも出来ないんだけどね」
魔女
「……ッ!!」
まど神さま
「でも、あなたがここまで大きくなっているということはそろそろ時間ってことだね。少し、寂しいかなぁ」
魔女
「――、ッ!」
まど神さま
「だから、無駄だってば。ねぇニコちゃん?」
投下ここまで
おかしい、段々キャラがおバカになっていく
まどオンにキリカちゃんやっと来たよ
さてと、投下します
十五日目、水曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
「……」
(気を引き締めておかないと、
そろそろ悠長なことはやっていられなくなってくるわ)
ほむら
「はぁ」
~昼~
学校―屋上
ほむら
(ここはぬるま湯ね。冷静に振り返るとよくわかるわ。
でも、だけれど、だからこそ心地いい。
浸って日和るな、目的を誤るな。私の目的はなんだ?)
ほむら
「私の目的はただ一つ。鹿目まどかを救うこと、それ以外は切り捨てなさい。暁美ほむら」
まどか
「ほむらちゃーん!早くお昼食べよー!」
ほむら
「今、いくわ」
~放課後~
街―通学路
マミ
「今日は少し用事があるから、あとで合流しましょう?」
ほむら
「えぇ、構わないわ」
!巴マミがパーティから脱退しました!
かずみ
「それじゃ、私と二人だね!」
ほむら
「えぇ、よろしく」
街―噴水前
かずみ
「反応あったー?」
ほむら
「見つからないわね。病院の方を見ておきましょうか」
かずみ
「オーケー!私はこの辺の土地よく分かんないから、場所の選定は任せるよ!」
ピッ!
「風見野の近くでフードを被ったちっこい人形が走り回ってるらしいよ?
モーター音とか全然しなくて凄い滑らかに動くんだってさ」
!噂が更新されました!
ピッ!
「うーん?ねぇ君子犬を見なかった?コーギーなんだけど、いつの間にかいなくなっちゃって……」
ほむら
「私もこのあたりで探し物をしてるので見つけたら声かけますね」
「助かるよ!ありがとう!」
!寄り道イベント子犬探しが開始されました!
街―住居区西
ピッ!
「そろそろカラスの繁殖期なんだよね。どうしたものかな」
ピッ!
「チョコパフェとイチゴパフェどちらが好み?」
ほむら
「うーん?どちらかというとチョ」
かずみ
「イチゴパフェ!!」
「そっか、それならはいどうぞ」
イチゴロッキーヲテニイレタ!
ピッ!
「キャッキャ、したあじをつけてやき、ここでちょうみりょう、すーぷをたしてにこむか、さぁ、めしあがれ」
「キャッキャ、メイジ@キッチン!」
ほむら
(料理漫画の真似か何かかしら)
街―公園
ほむら
(今日はなぜか人がいないわね)
ピッ!
!ほむらは子犬をみつけた!
…
……
………
街―噴水前
ピッ!
「わっ!見つけてくれたの!?ありがとう!!」
!寄り道イベント子犬探しが終了しました!
ほむら
「公園ぽつんといたので、もしかしたらと思って。合っててよかったです」
「これはほんのお礼!」
!ほむらの開発技能のランクが上昇した!
…
……
………
街―病院前
ほむら
「?」
「当てが外れたわ」
かずみ
「みたいだね、反応が全然ないよ」
ほむら
「他を当たりましょうか」
…
……
………
再開発地区―廃ビル街
ほむら
「魔力の気配はないわね」
かずみ
「驚くほどに、ね」
ほむら
「それどころか普通にあるべきはずの濁った負の気すらほとんどないのが気になるわね」
かずみ
「もしかして……」
ほむら
「何か、心当たりが?」
かずみ
「ヒュアデスの予兆かもしれない」
ほむら
「!」
(くっ!なんてことなの!?もう祈るしかないみたいね。お菓子の魔女が現れないことを)
…
……
………
病院―受付前
さやか
「お待たせっ、まどか」
まどか
「あれ?早いね。上条くんには会えなかったの?」
さやか
「都合悪いんだってさ。全くせっかく会いに来たってのに失礼しちゃうー」
まどか
(本当はすごく残念なんだろうなぁ)
「それじゃ、帰る?」
さやか
「うん、帰ろっかー」
街―病院前
まどか
「ねぇ、さやかちゃん。あれ、何かな……?」
さやか
「んー?なんかあった?どれどれ、」
まどか
「なんか光ってるよね」
さやか
「そだね。よく見てみよっか」
まどか
「もしかして、これってグリーフシードなんじゃ……?」
キュゥべえ
「そうだね。これは孵化しかけてる」
まどか・さやか
「!?」
さやか
(オバケ怖いオバケ怖いオバケ怖い!!)
まどか
「な、なんでこんなところに!?」
キュゥべえ
「もう、魔力が漏れ出している。結界が出来上がる前に早く逃げた方がいいよ」
さやか
「……」
(オバケ怖い。病院にオバケ、アレ?)
(ここには恭介がいる。気が滅入っているたくさんの人がいる。オバケな魔女はそういう人たちを好んで狙う。
ほっといたら駄目だ!でも、怖い。でも!!)
まどか
「さやかちゃん?」
さやか
「ξ」
(怖いけど!オバケ怖いけど!!でも、でも、このままほっとけないよ)
さやかはフルフルと首を横に振っている!
さやか
「このまま、ほっとけないよ!」
まどか
「さやかちゃん……」
(やっぱり突然出てきたキュゥべえを見て顔が青くなってるみたい。それにグリーフシードを見たときも青い顔してた……)
まどか
「そ、それならわたしがここ見てるよ……」
「だから、さやかちゃんはマミさんたち呼んでくれないかな?」
さやか
「!?」
「まどか……。あたしなら大丈夫!だから、まどかが呼んできてよ」
まどか
「でも!」
キュゥべえ
「それなら、僕も一緒に残ろう」
まどか・さやか
「!」
さやか
(キュゥべえと一緒は嫌だけど……。人の命には代えられないよ)
キュゥべえ
「結界の中に閉じ込められたとしても僕がいればマミ達とテレパシーを繋ぐことが出来るからね。君一人よりはよほど安全だよ」
まどか
「えと、それじゃあ急いで呼んでくるね!!」
さやか
「うん!頼んだよ!」
…
……
………
街―噴水前
ほむらの携帯が鳴りだした!
ほむら
『はい、巴さんどうかした?』
マミ
『見滝原病院に魔女が出たみたい。すぐ来て頂戴!美樹さんとキュゥべえが中に閉じ込められてるんですって!』
ほむら
「!!」
『分かったわ、すぐに行くわ』
ほむらは通話を切った!
ほむら
「さっきの病院に魔女が出たみたい。すぐに向か」
ほむら・かずみ
「!?」
ほむら
「嘘でしょ!?大きな魔力のうねりがッ!?」
かずみ
「ヒュアデスの暁!!」
ほむら
(くっ!なんでこうなるのよッ!)
かずみ
「私が一人で時間を稼ぐから、その間に二人で魔女を倒して早く応援に来てくれればいいよ!」
ほむら
1「そうさせてもらうわ。何とか耐えて」
or
2「巴さんならきっと一人でも大丈夫。私もこちらに加勢するわ」
下五多数決
先に言っときます。2選ぶと巴さん死亡でさやかちゃん魔法少女化
投下ここまで
先に結果知らせる二択って……
わざわざ破滅させることもあるめぇ
ほむら
「そうさせてもらうわ。何とか耐えて!」
!十五分以内にかずみに助太刀しよう!
街―住居区西
街―公園前
街―街道
街―立体交差点
街―河原
街―病院前
ほむら
「ここね」
ほむらはお菓子の魔女の結界へ踏み込んだ!
魔女結界―お菓子の魔女
一層目
!使い魔を倒さずに奥まで進め!
ほむら
(使い魔がウヨウヨしてるわね。時間が惜しいっていうのに!)
ほむら
(物陰に隠れながら進みましょう)
ガチャンッ!
ほむら
「キャッ!」
バタンッ!
ほむら
(扉に入ると別の扉から出てくるみたいね。うまく利用させてもらいましょうか)
ガチャンッ!
バタンッ!
バタンッ!
パカッ!
ほむら
(ここが一番奥ね、とすると)
ガチャンッ!
魔女結界―お菓子の魔女
二層目
!使い魔を倒さずに奥まで進め!
ほむら
(橋の向こう側、恐らくあのドアね)
ガチャンッ!
ガラララッ!
パタンッ!
バタンッ!
シャッ!
ガラッ!
スッ!
ピシャッ!
ガチャッ!
魔女結界―お菓子の魔女
三層目
ほむら
(あれはっ!)
ほむらは時間を止めた!
マミは茫然と魔女と対面している!
ほむら
「危なかったわ。巴さんを移動して、ついでにこいつの口の中に爆弾を放り込んでおきましょうか」
時間が動き出した!
BAMG!
マミ
「?」
「!?」
「暁美さん!?」
まどか・さやか
「マミさん!?」
ほむら
「油断し過ぎよ、巴マミ!大型の魔女が外にも出てるの、だからさっさとこいつを片付けるわよ」
マミ
「それはハードね。まぁ、やりましょうか!」
!巴マミがパーティに加わった!
お菓子の魔女が襲いかかってきた!
マミとほむらのシューティングローザ
690!684!700!
お菓子の魔女の攻撃!
140!130!
ほむらたちの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
cure!50!
…
……
………
ほむらのジョン!
ほむらたちの回避が上がった!
魔力障壁が形成される!
マミのトラッタミィト!
cure!cure!
250! 250!
お菓子の魔女の攻撃!
260!
ほむらたちの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
cure!50!
…
……
………
マミとほむらのシュウティングローザ!
strike!1340!712!698!
お菓子の魔女をやっつけた!
オカシノマジョノモトヲテニイレタ!
オカシノマジョノカケラヲテニイレタ!
グリーフシードヲテニイレタ!
結界が崩壊する!
まどか
「ほむらちゃん来てくれたんだね!」
ほむら
「ごめんなさい、まどか。今は時間が惜しいの。あなたは無事よね?」
まどか
「う、うん」
ほむら
「ならよかったわ。話はあとででお願い」
「時間がないわ!急ぐわよ!巴マミ!!」
マミ
「事情が呑み込めないのだけど?」
マミ
「!?」
「なんなの!?この馬鹿みたいな大きさの魔力のうねりはッ!?」
ほむら
「ヒュアデスが出たのよ!かずみが一人で足止めしてる!だから早く!」
マミ
「!」
「了解したわ!」
街―河原
街―立体交差点
街―街道
街―公園
ほむら
「巴さん、正確な魔力探知は出来るかしら?」
マミ
「任せて!」
「……」
「再開発地区の方よ!」
街―住居区中央
街―雑居ビル群
街―駅
再開発区域―廃ビル群
マミ
「高層街の方よ!」
再開発区域―繁華街
再開発区域―オフィス街
再開発区域―高層街
ほむら・マミ
「!」
ほむら
「思ったよりも、大きいわね!」
マミ
「今までで一番てこずりそうね!」
かずみ
「た、助かったぁ!」
投下ここまで
鳥かごのエンブレム
攻撃に状態異常『魅了』を付加
ステータス+20%
フォルテ-単体攻撃(魔法属性)
アレグリア-二回攻撃×2(魔法属性)
アクアレル-魅了付加全体中攻撃(魔法属性)
トラウム-全体強制魅了付加
チヴェッタンド-魅了付加単体強攻撃(魔法属性)
元ネタは音楽用語より
投下
…
……
………
まどか
「ねぇ、キュゥべえ」
キュゥべえ
「なんだい?」
まどか
「ほむらちゃんと、マミさんは強い魔女を倒しに行ったの?」
キュゥべえ
「そうだね。このワルプルギスを彷彿させる魔力のパターンは間違いなく大型魔女『ヒュアデスの暁』のものだ」
まどか
「ほむらちゃんたちは、大丈夫なの?」
キュゥべえ
「五分、といったところじゃないかな?勝てる、と断言ずることは出来ないね」
まどか
「そっか、そうなんだ」
さやか
「まどか?さっきから何言ってるの……?」
まどか
「ねぇ、キュゥべえ。わたしを二人のところまで連れて行ってくれないかな?」
さやか
「!」
「まどかッ!?あんた、自分が何言ってるかわかってる!?」
キュゥべえ
「構わないけれど、危険だよ?承知の上かい?」
まどか
「なんだか、よく分からないけどね、行かなくちゃって思うんだ。だからお願い!」
さやか
「本気なのまどか?」
まどか
「冗談でこんなこと、言えないよ……」
さやか
「分かった!あたしもついていくよ!怖いけど、すんごい怖いけどね!!」
まどか
「無理しなくてもいいんだよ?」
さやか
「……」
「まどかだけを危ないところへは行かせられないよ」
「だって、親友でしょ!」
まどか
「!」
「ありがとう!」
…
……
………
ほむら
「ここは少し人目に付きすぎるわね。あっちの貯水槽の方に誘導しましょう」
マミ
「そうね、何かあっても向こうなら被害が少なくて済むわね。そうしましょう」
かずみ
「そのことなんだけど……、ここ人がいないみたいなんだ」
ほむら
「人がいない?少ないの間違いじゃなくって?」
かずみ
「いないの!誰一人!この区域一帯に探索魔法をかけてみたんだけど……、まるで全然反応がないの!!」
マミ
「なんですってぇ!?」
ほむら
「でも、今は好都合ね。戦いつつ貯水槽に誘導して、そこから一気に叩きましょう」
ヒュアデスの暁が襲いかかってきた!
ほむら
「誘導が終わるまでは回避と防御に専念して!」
ほむらのエミール!
ほむらたちの回避が上昇した!
魔力障壁が形成される!
マミは防御の姿勢を取った!
かずみのカピターノポテンザ!
かずみの防御が上昇した!
ヒュアデスの暁は大胆に笑っている!
…
……
………
ほむらは盾を構えている!
マミのトラッタミィト!
cure!cure!cure!
250! 250! 250!
かずみは身を守った!
ヒュアデスの暁は火を噴いた!
70!
miss!
50!
ほむらたちの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
cure!60!
…
……
………
ほむら
「今よ!一気に移動して!」
ほむらたちは逃げ出した!
再開発区域―貯水槽
マミ
「ここからが本番ね!」
かずみ
「カンナ、あなたの憎しみはここでキッチリお終いにするから」
ほむら
「来るッ!」
ヒュアデスの暁が襲いかかってきた!
ほむらのエミール!
ほむらたちの回避が上昇した!
魔力障壁が形成される!
マミの魔弾の舞踏!
マミは反撃の構えをとった!
かずみのイルフラース!
かずみの速度が上昇した!
ヒュアデスの暁は空を薙いだ!!
miss!
120!counter!
100!
マミは反撃した!
82!
ほむらたちの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
cure!50!
cure!60!
…
……
………
かずみのリーミティエステールニ!
405!
ほむらのチヴェッタンド!
340!
ヒュアデスの暁を魅了した!
マミのティロフィナーレ!
487!
ヒュアデスの暁は火を噴いた!
攻撃がほむらに集中する!
miss!
150!
149!
ほむらたちの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
cure!50!
cure!60!
…
……
………
ほむらのレイニーブルー!
351!
ヒュアデスの暁を拘束した!
マミのクチーレ!
cure!280!
ほむらの体が修復される!
かずみのレグレッシオーネ!
fullcure!
かずみの体が完全に修復された!
ヒュアデスの暁は拘束されている!
ヒュアデスの暁の魔力が降り注ぐ!
ほむらに攻撃が集中する!
23!
24!
26!
22!
29!
28!
25!
25!
29!
ほむらたちの魔力が体の傷を修復する!
cure!30!
cure!50!
cure!60!
…
……
………
ほむら
「くっ!押し切れないッ!」
マミ
「ぐぅ、もう一息よ!」
かずみ
「!」
ヒュアデスの暁は高らかな笑い声をあげた!
うねる魔力が辺りを押しつぶす!
450!
450!
450!
ほむらの体力が0になった!
マミの体力が0になった!
かずみの体力が0になった!
!戦闘モードから通常モードに移行します!
かずみ
「強くなってる……。そっか、カンナの憎しみがほかの人の絶望を吸って、成長しちゃったんだね」
ほむら
「くっ、つよい!ワルプルギスほどじゃないとはいえ、それでもこれは――、!!」
マミ
「まだ、まだよ!!」
かずみ
「二人は少し休んでいて……。私の力、全部使うから、巻き込みたくないんだ」
ほむら
「?」
「いったいに何を?」
マミ
「早まらないで!」
かずみ
「ごめんね、絶望させちゃうかも」
!暁美ほむら、巴マミがパーティから脱退します!
かずみ
「私の源、私の根源、私を象る最初の力!」
かずみのオクリヴェネフィカェ!
かずみを魔女の力が包み込む!
ソウルジェムが限界まで濁った!
かずみの体が変化する!
かずみ
「思っだより、制御でぎぞう……、がな?」
両腕には化け物のような巨大な鈍色の爪!
柔らかな薄紫の衣装には禍々しい濃紺が斑に浮かび上がっている!
体の周りを大剣と杖、乗馬用の鞭に本とペン、最後にバールが飛んでいる!
足には毒々しいまでに凶悪な作りをしたスパイクを履き、頭に小さなテディベアを乗せている!
ほむら
「ゴフッ!ガフッ!ゴホ、ゴホッ!」
(凄いゴチャゴチャしてるわね)
ほむらは血を吐きながら呑気に考えた!
マミ
「――ッ!?」
(あの魔力のパターンは……、嘘よね?)
ヒュアデスの暁が襲いかかってきた!
かずみは力に任せて暴れ回っている!
278!
247!
264!
ヒュアデスの暁は火を噴いた!
0!
かずみはビクともしない!
…
……
………
!暗転!
まどか
「ほむらちゃん!マミさん!」
ほむら・マミ
「!?」
ほむら
「まどか!どうしてッ!?」
まどか
「どうしても、ここに来ないといけないって、そう思ったの」
さやか
「こういって聞かないからさ、諦めてあたしもついてきたよ」
ほむら
「美樹さやか、あなたがついていて、どうして!」
さやか
「まどかはこうなると頑固でさ」
キュゥべえ
「ところで、姿を現したらどうだい、いるんだろう?」
まど神さま
「ウェヒヒ、ばれちゃったかぁ」
ほむら・まどか・さやか・マミ
「!?」
さやか
「ちっこいまどかぁ!?にしてはなんか豪華だ……」
まどか
「(目を白黒させている)」
まど神さま
「そろそろ、私のお仕事も終わりにしないといけないからね」
ほむら
「それって、どういう――ッ」
まど神さま
「まずは、これッ!」
まど神さまは空に向けて光の矢を放った!
マミ・かずみ
「!?」
かずみ
「ヒュアデスの暁の魔力が萎んでいく?」
マミ
「これなら勝てるわ!」
まど神さま
「それで、あとはこれだね!」
まど神さまはまどかに近づいて、手を握った!
まどか
「!?」
「(口をパクパクさせている)」
まど神さま
「私はあなたに還らないといけないの。私はあなたという存在の一端から出来ているからね。元の物は元の場所へ、だよ?」
まどか
「う、うん」
二人は光に包まれた!
まどか
「なんだか、とても暖かい」
かずみ
「~~~~~っ!!体がもう、もだない」
かずみの姿がもとに戻った!
かずみ
「マミ、ほむら。あとは任せたぁー」
ほむら
「えぇ、あとは私たちで十分よ!」
マミ
「えぇ、そうね!」
ヒュアデスの暁が襲いかかってきた!
…
……
………
マミのティロフィナーレ!
499!
ヒュアデスの暁をやっつけた!
アカツキノエンブレムヲテニイレタ!
アカツキノグリーフシードヲテニイレタ!
ほむら・マミ
「やった!」
かずみ
「ほぉむらー!浄化してぇぇ」
ほむら
「今いく、わああぁ!?」
まどかはほむらに飛びついた!
まどか
「やったね!ほむらちゃん!!」
ほむら
「うん!ありがとう」
ほむらは微笑んだ!
投下ここまで
やった第三部完ッ!
嘘ですすいません、折り返しです
最後に設定訂正のお知らせ
マミスキル
×魔弾の舞踏-全体攻撃
○魔弾の舞踏-カウンター状態になる
無限の魔弾-全体攻撃
よって>>69の
マミの攻撃!
魔弾の舞踏!
は
マミの攻撃!
無限の魔弾!
になります
トリップがおかしなことになってますね。
失礼しました
詐欺予告です
愛鷹明後日
投下
十六日目、木曜日
~朝~
ほむホーム
ほむらは鏡に向かっている!
ほむら
「……」
(まどかの力添えがなければ、昨日は負けていたかしら?)
ほむら
「いえ、過ぎたことをグダグダと考えても仕方がないわよね」
ほむら
「……」
「駄目ね、こんな調子じゃ。あのまままどかの力無しで戦い続けていたら、きっと負けていたわ。
恐らく、アイツが。ヒュアデスの暁が、包括していた力はザラッと見積もってもワルプルギスの半分程度。
ならば、このまま戦力を整えたところで勝てる見込みはほぼゼロよ。
どうするの、どうすればいいのよ!」
…
……
………
マミ'sルーム
マミ
「キュゥべえ?いるんでしょう。出てきて」
キュゥべえ
「なんだい?マミ。そろそろ学校に行く時間なのにいいのかい?」
マミ
「学校よりも大切なことって私にはたくさんあるのよね。それに今日はもうお休みの連絡を入れちゃったわ」
キュゥべえ
「そうかい。君がそんなことを言うとは珍しいね」
マミ
「ねぇ、キュゥべえ。教えて」
キュゥべえ
「何をだい?」
マミ
「かずみさんのあの力は何?あの姿は、あの波長は、あの魔力はッ!」
キュゥべえ
「君の中でもう結論が出ている問いに僕が答える意味はあるのかい?」
…
……
………
マミ'sルーム
マミ
「キュゥべえ?いるんでしょう。出てきて」
キュゥべえ
「なんだい?マミ。そろそろ学校に行く時間なのにいいのかい?」
マミ
「学校よりも大切なことって私にはたくさんあるのよね。それに今日はもうお休みの連絡を入れちゃったわ」
キュゥべえ
「そうかい。君がそんなことを言うとは珍しいね」
マミ
「ねぇ、キュゥべえ。教えて」
キュゥべえ
「何をだい?」
マミ
「かずみさんのあの力は何?あの姿は、あの波長は、あの魔力はッ!」
キュゥべえ
「君の中でもう結論が出ている問いに僕が答える意味はあるのかい?」
マミ
「魔法少女の案内人たるあなたにだからこそ聞いているんじゃない!」
キュゥべえ
「君たちはかずみ本人から出生の秘密を聞いているのだろ?なら、何も難しい疑問でもないんじゃないかな」
マミ
「ねぇキュゥべえ。私昔からあなたに対して一つだけ思っていたことがあるの」
キュゥべえ
「唐突になんだい?今、こうして話していることと関係があるのかい?」
マミ
「えぇ、あなたって時々意図的に情報を伏せるわよね。それも、明言せずにはぐらかす、という形で」
キュゥべえ
「そうだったかな?よく覚えていないよ」
マミ
「ほら、また。あなたって、とても記憶力が良いじゃない?
それに、学校の先生なんかよりもよっぽど広く、深い知識も持ち合わせているわよね」
キュゥべえ
「マミの言う広く深いがどの程度のものかは測りかねるけれど、
そうだね、僕らが人の一生分以上の知識と記憶を持ち合わせているのは事実だ」
マミ
「やっぱりそうなのね。それじゃあ、そこを踏まえてもう一度聞くわね。
あなたが知っている魔法少女の中でこの間のかずみさんと同質、いいえこうじゃないわね。
かずみさんと同じように、『魔女と同質の力』を従えた、もしくは会得した魔法少女はどれだけかしら?」
キュゥべえ
「彼女と同程度の練度の力を保持していたのは凡そ一パーセントほどかな。
ただ、質の高低を考えなければ七割まで引き上がるね」
マミ
「ねぇ。それってつまり、魔法少女は魔女になるってこと?」
…
……
………
再開発区域―貯水槽
赤毛の少女
「なにさ、このアホみたいな魔力の残滓は」
キュゥべえ
「ようやく、決心がついたみたいだね」
赤毛の少女
「お前、ほんとにどこから湧いてくるのさ」
キュゥべえ
「酷い言い草だね。僕は魔法少女の居るところにいるだけだよ」
赤毛の少女
「どぉだかね。まぁ、どうだっていいさ。それより、昨日ここで何があった?」
キュゥべえ
「大型魔女『ヒュアデスの暁』が現れ、巴マミ、暁美ほむら、昴かずみが交戦し、勝利した。そんなところかな」
赤毛の少女
「暁美ほむらってのがイレギュラーだろ?昴かずみってのはどこのどいつさ?」
キュゥべえ
「かずみはあすなろの魔法少女さ。彼女が魔女の痕跡を追いかけて見滝原までやってきて二人と共闘したんだよ」
赤毛の少女
「ふーん、まっどうでもいいけどさ。全員生きてるの?」
キュゥべえ
「三人とも健在だ。かずみはこの後どうするのか分からないけどね」
赤毛の少女
「なに?この街にはまだ厄介の種が残っているとでも言いたいのか?」
キュゥべえ
「二週間後に来るんだよ。ワルプルギスの夜がね」
…
……
………
学校―教室
仁美
「今日はまどかさん、どうしたんでしょうか?」
さやか
「……」
「多分、風邪とかじゃないから心配はいらないと思うけど――、」
仁美
「あら?さやかさんは何かご存知ですの?」
さやか
「うーん。詳しく何がってのはわかんないけど、昨日いろいろゴタゴタしちゃってさ、その関係だと思うんだ」
仁美
「それは、私には教えていただけないことなんですの?」
さやか
「ごめん」
教室のドアが開いた!
和子先生
「はーい!それじゃみなさん席について!ホームルームを始めます」
「暁美さんと鹿目さんは今日はお休みです。美樹さん志筑さん今日の分のプリントとノートを二人にお願いしますね」
さやか
(転校生も休みなのかぁ)
仁美
(まどかさんと暁美さん、二人揃ってお休みとは少し気がかりですわね)
…
……
………
~放課後~
病院―廊下
さやかはドアの前に突っ立っている!
『――、――。』
『――ッ!――ッ!!』
『――。――、――』
『――、』
さやか
「……」
(そんな、恭介の腕はもう治らない?現代の医学じゃ無理?奇跡か魔法でもない限りは)
さやか
「奇跡、魔法……」
さやかは病室に入らずに踵を返した!
…
……
………
あすなろ市―御崎邸
かずみ
「ねぇ、どうしてもだめ?」
海香
「駄目よ!ワルプルギスに挑むなんて無謀すぎるわ」
カオル
「私と海香も一緒にいける状況ならまだしも、
今はかずみ一人しかまともに動けないんだ、流石にこれ以上は無茶させられない」
かずみ
「……」
「でも、それじゃあほむらたちのことは諦めろっていうの?」
海香
「……」
「わざわざ死ににいく必要なんてないでしょう?」
かずみ
「……」
「多分、マミはッ!巴マミはミチルの日記に出てきた魔法少女なんだよ?」
カオル
「会ったのか?巴マミに?」
かずみ
「会ったよ!一緒に戦った!ケーキも食べたし、ご飯も食べた!一緒に笑ったし、一緒にはしゃいだ!見殺しになんてしたくない」
カオル
「……」
海香
「でも、それはミチルの恩人であって、『かずみ』あなたの恩人ってわけじゃないでしょう?」
かずみ
「でも!マミがいなかったら『私たち』は出会えなかったし、私は生まれられなかった!」
海香
「……」
カオル
「海香……」
カオルは首を横に振った!
海香
「はぁ……。ただし、無理はしないこと。約束して」
かずみ
「魔女と戦うのに無理するななんてなんておかしいよ!」
カオル
「ハハッ、そりゃそうだな。なら……、無茶はほどほどにな?」
かずみ
「うん!」
投下ここまで
ささみサラダ
>「でも、それじゃあほむらたちのことは諦めろっていうの?」
それじゃ・あほむらたちのことは
と読むのを止められない
。λ
くそっ…スレの流れを一旦戻す!
ヘ○
|/
/ ボッ ヘ○ヘ
_|
\
ヘ○ ドッ
|/
/ ビッ
というわけで投下します
>>527
雰囲気台無しだけど間違ってないのが、うごごご
十七日目、金曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
(あまり学校を休むと余計なトラブルが増えるかもしれないわね)
「やることは山積みだけれど、取りあえず学校ヘはいかないと。そう何日も休んでいると不審に思われるもの」
ほむらは鏡に映った自分に向かって話しかける!
ほむら
「分かっているわ。分かってる」
(我ながら酷い表情だわ。もう少し、顔を洗ってから行きましょう)
…
……
………
~昼休み~
ほむら
「美樹さん、志筑さん。まどかから何か聞いている?」
さやか
「詳しくは、何にもー」
仁美
「私も、ですわ」
ほむら
「そう、なのね。何かあったのかしら?」
さやか
「相変わらず転校生はまどかにご執心だなぁ」
仁美
「あぁ、禁断の愛ですのね!いけませんわ、いけません。じゅるっ」
さやか
「あぁ、お嬢様が、舌なめずりなんてはしたないぞー」
仁美
「けれど、二日連続でお休みなんてまどかさんらしくありませんわね。どうしたんでしょうか?」
ほむら
「まどか……」
さやか
「心配だけど、気にし過ぎてもしょうがないよ、それよりさお昼食べよ」
仁美
「そう、いたしましょうか」
ほむら
「……」
「ごめんなさい、私はこれから少し用事があるの。だから二人で食べていて」
仁美
「あら?そうですのね。ふふふ、さやかさんと二人きりですわ」
さやか
「いやいや、昨日もあたしら二人きりだったじゃん」
仁美
「ふふふ」
ほむら
「それじゃあ、また後で」
仁美
「えぇ」
さやか
「なるべくゆっくり食べるよ」
学校―屋上
ほむら
「キュゥべえいるんでしょう?出てきなさい」
キュゥべえ
「何かようかい?暁美ほむら、君が僕を呼び出すなんて珍しいじゃないか」
ほむら
「巴マミは学校を休んでいるみたいね。お前は何か知っているんじゃないの?」
キュゥべえ
「マミは昨日の夕方から家に帰ってないみたいだね。どうやら真実がよほど衝撃的だったらしい」
ほむら
「?」
「!?」
「真実って、お前はあの人に何を吹き込んだ?」
キュゥべえ
「吹き込んだなんて、人聞きが悪いなぁ。僕はただ聞かれたから事実を答えただけだよ」
ほむら
「……」
「それはつまり、ソウルジェムが私たちの本体だってことを指しているのかしら?それとも、」
ほむら
「魔法少女が魔女になることを指しているのかしら?」
キュゥべえ
「驚いたなぁ、君はいったい何者だい?」
ほむら
「私のことなんて、どうでもいいわ。それより、よくもやってくれたわね」
ほむら
「用は済んだわ。目障りだから消えなさい」
ほむらはハンドガンを取り出した!
キュゥべえ
「そんな物騒なものを向けないでほしいな。分かったよ、無意味に潰されたくはないからね」
キュゥべえはどこかへと消えて行った!
ほむら
「……」
(優先すべきはまどか、それは絶対よ。その上で、出来ることなら巴さんも引き戻す。どうすればいいの)
「まどか、助けてよ」
…
……
………
街―ゲームセンター
まどか
「学校、さぼっちゃったなぁ。本当はいけないんだけど……、でもたまにはいいよね」
赤毛の少女が大きな筐体でダンスゲームに興じている!
まどか
「すごくうまいね!パーフェクトだって!!」
赤毛の少女
「!?」
「あんた、誰だ?学校はどうしたのさ、見るからに優等生ですって感じだけど」
まどか
「人を探してるの……。赤毛でポニーテールで、槍を持ってって、ロッキー咥えてる女の子なんだけど……」
赤毛の少女
「?」
「あんた、どこかで会ったか?」
まどか
「よく分かんないんだけど……、その子とお友達にならないといけない気がして、こんな時間から探しに来たの」
赤毛の少女
「自意識過剰かもしれないけどさ、それってアタシじゃない?」
まどか
「やっぱり?わたしもそう思って、声かけたんだ!」
まどか
「!」
「あっ、ごめんね。自己紹介してないよね。わたし鹿目まどか!」
赤毛の少女
「……」
「アタシは佐倉杏子、よろしくな」
杏子はそう言ってうんまい棒を差し出した!
…
……
………
再開発区域―雑居ビル屋上
マミ
「……」
キュゥべえ
「こんなところで何をしてるんだい?」
マミは何も言わずにマスケット銃を発砲した!
マミ
「なんでもいいじゃない。そんなことより、よくも、のこのこと私の前に姿を現せたものね」
キュゥべえ
「やれやれ。マミ、君もなのかい。分かったよ、退散しよう」
キュゥべえは闇に溶けるように消え失せた!
マミ
「……」
「魔法少女が魔女になるなら――、」
…
……
………
~放課後~
街―通学路
さやか・仁美
「また、明日」
ほむら
「えぇ、また明日」
ほむら
(今日は一人で魔女探しね。いいえ、それよりもまどかやさやか、マミの様子を探った方がいいのかしら?)
1まどか探し
2さやか探し
3マミ探し
下五多数決
投下ここまで
なんとか投下の間隔を戻したい
3以外だと犠牲者量産しそうだからあえて1で
戻したいと言ってるそばからこのざまとは情けない
もう少し待ってくださいお願いします
♪わたし待ーつーわっ いつまでも待ーつーわ
街―通学路
ほむら
「……」
「そう言えば、ヒュアデスの暁との戦いのときにマミが妙な反応をしていたような……?」
ほむら
(まどかも気になるけれど、今すぐに契約してしまうってことはなさそうよね。
ならば、ここはマミの方を優先した方がいいのかもしれないわね)
ほむら
「うん。まずはマミを探しましょう」
ほむら
「……」
(携帯の電源は切られてる、か。だとすれば、テレパシーにも応じないでしょうね)
ほむら
「足使って探すしかないのね。はぁ」
街―通学路
ほむら
「……」
「そう言えば、ヒュアデスの暁との戦いのときにマミが妙な反応をしていたような……?」
ほむら
(まどかも気になるけれど、今すぐに契約してしまうってことはなさそうよね。
ならば、ここはマミの方を優先した方がいいのかもしれないわね)
ほむら
「うん。まずはマミを探しましょう」
ほむら
「……」
(携帯の電源は切られてる、か。だとすれば、テレパシーにも応じないでしょうね)
ほむら
「足使って探すしかないのね。はぁ」
街―住居区中央
ピッ!
「不っ気味な、人形。不っ気味、な人形。崩れった工場で夢見るぞ。なんて、どこで聞いたんだったかな?」
!噂が更新されました!
ほむら
(今のマミは何を考えている?あの反応と似た反応をしていたときは過去に有ったかしら?)
「闇雲に探さないとダメかしらね」
ピッ!
「ザッ!バッ!ここの解釈はこっちがいいかな?バサッ!」
ピッ!
「ほう、面白い。なかなかに魅力的だ」
街―駅
ほむら
(無意識に魔女探しをしている可能性に懸けましょうか)
ピッ!
「この先の路地で妙に黒味がかった女の人を見たけど、全身タイツって感じはしなかったんだよなぁ」
!噂が更新されました!
ほむら
「!」
「この魔力反応は!再開発区域の方ね!」
再開発区域―廃駅
ほむら
「……」
「巴さん、何のつもりかしら?」
マミ
「ねぇ、あなたは知っている?」
マミは銃口をほむらに向けている!
ほむら
「……」
(ソウルジェムが魂だということ?それとも、いえ。恐らく魔女化のほうよね)
マミ
「だんまりかしら?それともわざわざ口に出さないと分からない?
私は確信しているのよね。あなたが総てを知っていると」
ほむら
「……」
「えぇ、あなたの想定する全ての範疇ならば恐らく、知っているわ」
マミ
「そう、それなら死んで頂戴。あなたを殺して私も死ぬわ」
!巴マミが襲いかかってきた!
ほむらは盾をかまえている!
マミの攻撃!
miss!
miss!
…
……
………
マミ
「……」
マミは黙ってほむらを見据える!
ほむらの攻撃!
124!
マミの攻撃!
miss!
miss!
…
……
………
ほむら
(さっきから、私に対して一発も当たってない?)
マミ
「……」
マミがマスケット銃を取り落した!
マミの戦意が喪失した!
マミ
「……」
「魔法少女が魔女になるなら、みんな死ぬしかないじゃない……。
だって、魔女になんかなりたくないもの。でも、でも――、
やっぱり、そんなのイヤよ。わたしだって、わたしだって誰も殺したくなんてないわ。
方法がなくったって、生きていたい。ずっとずぅっと、みんなと一緒に生きていきたいの!
でも、今死なないと私たちは魔女に、なる。なってしまう。
どうして、ねぇ――」
マミは膝をついて嗚咽を漏らす!
ほむら
「!!」
(巴さんが私たちと心中した時とは全然違う反応。状況が違えば、同じ問題に直面したとしても変わるのね。
それとも、この変化も世界の変化のせいなのかしら?)
ほむらは歩いてマミに近づく!
ほむら
「巴さん、馬鹿ですね」
マミ
「なによ、こんなときに。どうしろっていうの!」
ほむら
「いつか、魔女になるとして。それでも、生きたい今があるのなら生きればいいじゃないですか。
忘れろなんて、いえません。
でもずっと、ずぅっと人のために戦ってきた巴さんが幸せになれないなんて、なっちゃいけないなんてそんなことはきっとないです。
苦しくなったら、一緒に泣きます。寂しくなったら呼んでください。
ずっと一緒にはいられないけど、いつでも私に背中を預けてください。
あなたの後ろには私が立ちます。だから、私の後ろにいてくださいよ。巴さん」
ほむらは手を差し伸べた!
マミ
「……」
マミは無言でほむらを見上げている!
ほむら
(涙塗れで子犬のような上目使い。なんか、かわいい生き物がいるわ)
マミはほむらに抱き着いた!
マミは声をあげて泣いている!
…
……
………
ほむら
「さっきまで、泣いていたと思ったら、寝てる。どうしてくれよう、この先輩」
ほむら
「!?」
(マミのジェムの濁りが酷いわね。浄化しておかないと)
ほむらはソウルジェムを浄化した!
ほむら
(取りあえず、私の家に運びましょうか。人の家に勝手に入るのは気が引けるわ)
ほむらはマミをおんぶした!
…
……
………
ほむら
(連れてきて、寝かせたは良いのだけれど……。これじゃあ、私が寝るところがないわね。困ったわ)
ほむら
「せっかくだから、まどかに電話してみましょう」
ほむら
『こんばんわ。よかった、今日、学校休んでたから心配していたの』
まどか
『ごめんね!心配かけちゃって、体調は全然平気なんだけど……』
ほむら
「?」
『もしかして、さぼり?』
まどか
『えへへ、実は、』
『おい、こら!あにすんだ!人の食い物持ってくんじゃねー!』
『二人とも、少し大人しくしてー。電話中なんだよー』
ほむら
「!?」
(!?!?!?!?えっ?今のって杏子の声じゃ?)
『えと、もしかしてお客さん来ているの?邪魔しちゃったかしら?』
まどか
『ううん。気にしないで!そのなんていうか、成り行きでちょっと』
ほむら
『その、平気よね?』
まどか
『えぇと、どうだろう?』
ほむら
『ま、まどか?もう少し、危機意識を持つことをお勧めするわよ?』
まどか
『ふぇ?ううん?うん!こっちは大丈夫だよ!』
ほむら
「……」
(絶対にわかってないわよね?)
『なんだか、大変そうだから明日教えて頂戴。だから明日は学校に来て?』
まどか
『う、うん!明日はちゃんと学校行くよ!』
ほむら
『それじゃあね、まどか。それとキュゥべえにだけは気を付けて』
まどか
『キュゥべえ?今、家でお茶とせんべい食べてるけど、契約とも魔法少女とも言わないで黄門様見てるから平気だと思うなぁ』
ほむら
「……」
(まどかの家は今どうなっているの……?こわい)
『そ、そう。そうなのね。契約とか言い出したらちゃんとつまみ出すのよ?』
まどか
『大丈夫、大丈夫!また明日ね!』
ほむら
『また明日、まどか』
プツッ、ツーツー
ほむら
(ちょっと、意味が分からないわ)
「シャワー浴びて寝ましょう。畳に座布団敷けば布団の代わりに位にはなるわ」
ほむらは煤けている!!
投下ここまで
重要なところでメガほむ分が滲み出てくる。なんかそんなイメージらしいですよ
それにしてもこのシステムだとガチ戦闘かけねぇ
杏子出すタイミング間違えた気がする
お久しぶりです
反逆始まりましたね。速く見に行かねば!
投下します
十八日目、土曜日
~朝~
ほむホーム
ほむら
「……」
(あれ?なんで床で寝たんだっけ?)
ほむら
「?」
「なんだかいい匂いがする?」
ほむら
「あぁ、そうだったわ。巴さんを介抱して、寝るところが無くなったんだ」
ほむら
「それにしてもこの匂いは?」
薄紫のエプロンを身につけたマミが台所から姿を現した!
マミ
「あら、おはよう!ご飯出来てるわよ!」
ほむら
「……」
「えと、ありがとう?だけど、あなた人の家で勝手に料理してるんじゃないわよ」
マミ
「迷惑だったかしら?」
ほむら
「そういう問題じゃないでしょう。それにしても、作るだけの材料なんておいてたかしら?」
マミ
「もう空っぽよ!」
ほむら
「……」
「偉そうに言わないで頂戴」
マミ
「てへ☆」
マミ
「って、早く食べないと学校遅れるわ」
ほむら
「!!」
「そうだったわね。いただくわ」
…
……
………
街―通学路
さやか
「転校生!それにマミさんも!!」
仁美
「ごきげん麗しゅう、ですわ」
マミ
「美樹さんに、志筑さん、おはよう」
ほむら
「二人ともおはよう。まどかは来てない?」
さやか
「来るとしたらそろそろ来ると思うんだけど……、」
ほむら
「それなら、そろそろ来るはずね。昨日電話したら今日は来ると言っていたし」
仁美
「まぁ、まどかさんのご様子はいかがでした?」
ほむら
「まどかは普段通りだったわ。なんだか、周りの状況が混沌渦巻いている様子だったけれど」
さやか
「なにそれ。見たいような、見たくないような。っというか、まどかって実は結構肝が据わってるからなぁ。胆力があるっていうか」
ほむら
「そうは見えないけど、ここぞって時にすごく強いのよね」
仁美
「そうですわね。昔からここ一番って時には必ず成功させますものね。数は多くないですが」
まどか
「ごめーん。みんなお待たせ!心配かけてごめんね!!」
ほむら
「気にしないで。おはようまどか」
さやか
「無断で学校を休む悪い子にはお仕置きだぁ!」
さやかはまどかをくすぐろうとにじり寄る!
仁美
「心配しましたわ、おはようございますまどかさん」
マミ
「鹿目さんおはよう。ほらほら、揃ったら早く行かないと遅刻するわよ」
…
……
………
~昼~
学校―屋上
ほむらは扉を開けた!
ほむら
「さてそれじゃあ、美樹さん。話っていうのを聞かせてもらえるかしら?」
さやか
「あたし、魔法少女になる」
キュゥべえ
「それは本当かい!」
マミは鋭いサッカーキックを放った!
マミ
「お話の邪魔をするんじゃないわよ!」
キュゥべえは星になった!
ほむら
「それで、話の続きだけど」
さやか
「う、ん?」
(突っ込まない方がいいんだね。そうなんだよね?)
マミ
「魔法少女になるなんて、ダメよ、絶対」
ほむら
「そうね、私としても巴さんと同意見だわ。ただ、あなたがそう決めたのなら私は、止めない」
さやか
「それじゃあ――、」
ほむら
「だから、少なくとも、真実を知った上でその上で選んで。いいえ、決めてほしい」
マミ
「私たち魔法少女はね、
ソウルジェムが濁りきると魔女になるの」
さやか
「そんな、」
ほむら
「事実よ。私は『そうなる』光景を何度も見てきたわ」
ほむら
「だから、それを踏まえて決めて。絶望と抗いながら絶望に堕ちるか、悲劇的な現実を受け入れて一緒に生きて死ぬか」
さやか
「……」
マミ
「美樹さん……、」
ほむら
「巴さん」
マミとほむらはドアを開いた!
さやか
「……」
「それでも私は――、」
…
……
………
街―通学路
ほむら
「ごめんね、またせたわよねまどか」
まどか
「ううん。そんなことないよ!」
マミ
「それじゃ、今日は私一人で魔女退治してくるわね」
ほむら
「えぇ、お願い。多分こちらは、なんというか長丁場になると思うわ」
マミ
「それにしてもあの佐倉さんが見滝原に来ているなんて……」
まどか
「マミさんが心配することなんて何にもないです!」
マミ
「そうね、そうだといいわ」
マミは街へと消えていく!
まどか
「マミさん……」
ほむら
「色々、あるのよ」
まどか
「そう、だよね。今からその色々に決着をつけないといけないんだもんね」
ほむら
「えぇ、だから力を貸して。まどか」
まどか
「うん!」
…
……
………
鹿目邸
まどか
「ただいま!」
ほむら
「お邪魔します」
杏子
「おう、遅かったなー」
ほむら
「!」
(話は聞いていたし、予想していたけどやっぱり驚くわね)
杏子
「んで、あんたが噂のイレギュラーで間違いないな?」
ほむら
「えぇ、『初めまして』佐倉杏子。私は――、」
杏子
「暁美ほむら、だろ?知ってるよ。まどかと、それからキュゥべえの奴から聞いてるよ」
まどか
「二人とも、取りあえず上がって?ほら、玄関口だとちょっと人目にもつくし……」
ほむら
「!」
「ごめんなさい!無神経だったわ。
けど、そうね。もしかしたらまどかの家よりも私の家に来てもらった方が都合がいいかもしれないわね」
杏子
「そんなことを言われて、アタシがのこのこついていくと思うか?」
ほむら
「罠にかけるつもりならもうやってるわ」
ほむらが杏子の前から突然消え失せる!
バシュンッ!
ほむらが杏子の後ろから現れた!
ほむら
「こんな風にね」
杏子
「おい、い――」
まどか
「ほ、ほむらちゃん!!喧嘩はダメだよ!!」
杏子
「……」
「おい、イレギュラー。おまえの所に案内しな」
ほむら
「物わかりが良くて助かるわ」
…
……
………
ほむホーム
ほむら
「単刀直入に聞くわ。あなたの目的は何?」
杏子
「別にぃ?そうだねぇ、しいて言うならあんたとマミの奴の面でも拝んでおこうかと思っただけだよ」
ほむら
「本当にそれだけ?キュゥべえの奴に何か唆されたりしていない?」
杏子
「唆される?アタシがそんなたまに見えるか?
でも、そうだなぁ。もし仮にマミの奴が死んだなんて言われたらアイツの口車にも乗っちまうかもな。一応昔馴染だし」
まどか
「杏子ちゃん!!」
まどかは子犬のような目で見つめている!
杏子
「……」
ほむら
「じゃあ、佐倉杏子。あなたは私や巴さんと敵対する意思はない。そう捉えてしまっていいのね」
杏子
「あ?あぁ、まぁそうだね。潰しあう気はさらさらないよ」
ほむら
「それなら一つ頼みがあるのだけれど……」
杏子
「もしかして――、
本当に来るっていうのか?ワルプルギスの夜が」
ほむら
「!?」
「どうして、あなたが知っているの!?」
杏子
「キュゥべえの奴から聞いたのさ」
ほむら
「そう。そこ以外から情報が伝わることの方が稀よね。
それで、そのワルプルギスの夜を倒すのに手を貸してほしいのだけれど」
杏子
「……」
「手を貸すのは、構わないさ。
けど、こっちからも一つ条件を出させてくれ」
ほむら
「私に出来る範囲でなら。多少の無茶も多めにみるわ」
杏子
「その、だな」
ほむら
「……」
杏子
「マミの奴と、」
ほむら
「えぇ」
杏子
「マミの奴と、」
杏子
「マミの奴と仲直りするの手伝ってくれ」
ほむら
「……」
(杏子ってこんな子だったかしら?というか、なにこれ?どういう事なの?)
ほむら
「そんなことで構わないなら引き受けるわ。というか、その気があるならさっさと会いに行ったら良かったじゃない」
まどかが杏子に抱き着いた!
まどか
「偉い!よく言えたっ!頑張ったね杏子ちゃん!!」
まどかは杏子に頬ずりしている!
投下ここまで
待たせてしまって面目ない
面白い
でもせっかくゲーム形式なんだからもう少し選択する場面増やしてほしいかも
前回から三週間もたってるじゃないですか!やだー
>>589
当初の予定ではゲームブック的な進行をしていくつもりだったんだ
が、ノリと勢いでこんななっちゃったぜ!
参考意見として覚えておくことにします
というわけで投下します
十九日目、日曜日
~午前~
街―噴水前
マミ
「それで、暁――、ほむらさん、これはどういう事かしら?」
ほむら
「……」
「こうやって親睦を深めるのもいい機会になるんじゃないかと思って」
ほむらの後ろから杏子がそっと顔を覗かせる!
マミと杏子は見つめ合った!
杏子
「あの、マ――、」
マミ
「まぁ、良しとします。何を企んでるのかはあえて聞かないけれど、乗ってあげるわ」
マミはプイッと後ろを向いた!
杏子は若干涙目だ!
ほむら
「ほら、まだ始まったばかりなのよ。挫けずグイグイ行ってきなさい!」
ほむらは杏子の背中を思い切り叩いた!
杏子
「わととと!ま、マミ先行かないでくれ!一緒に、一緒に行こうぜ!」
杏子はマミを追いかける!
まどか
「大丈夫かな?」
ほむら
「……」
「なるように、なるわ。きっと」
…
……
………
街―図書館
さやか
「んー!図書館なんて、来るの久しぶり!それで、仁美。話って?」
仁美
「さやかさんには、意中の殿方がいますか?」
さやか
「?」
「なにさ、突然。うん、まぁいないこともない、ってか、その……」
仁美
「やはり、上条くん、ですわね」
さやか
「……」
「それって、仁美の言う話ってのに、何か関係あるの?」
仁美
「……」
「いえ、それほど関係があるとは言えませんわね。ただ、さやかさんの気持ちを確かめておきたくて」
さやか
「そっ、か。もしかして、仁美、あんたも」
仁美
「ふふ、さやかさんが何をおっしゃりたいのか分かりませんわ。
ただ、私は素直な気持ちを大事にしてほしいな、とそう思った次第ですのよ?」
さやか
「……」
「実はさ、今悩んでるんだよね」
仁美
「聞きますわ」
さやか
「仁美にこんなこと言ってもわけわかんないと思うんだけど――、」
…
……
………
~昼~
風見野―風見野ランド
まどか
「杏子ちゃんとマミさん、なんだかんだ仲良かったね」
ほむら
「えぇ、心配するほどのことでもなかったわね。ほら、今も二人でじゃれてるみたいだし」
マミと杏子はキャイキャイとはしゃいでいる!
まどか
「ほんとだね!」
ほむら
「二人とも、お待たせ」
まどか
「杏子ちゃんがハンバーガーと焼きそばにコーラだよね」
ほむら
「巴さんはアボカドとツナのチーズガレットとミルクティーですよね」
杏子
「おう!あんがと!」
マミ
「悪いわね、お願いしちゃって」
ほむら
「気にしないで。最初からそう言う予定だったから。ね、まどか」
まどか
「えへへ」
杏子
「早く食べようぜ!」
ほむら
「あっ、私のたこやき!」
杏子
「良いだろっ、六つも入ってるんだし」
ほむら
「まぁ、こんなことは予想済みよ。どうせあなたに食べられるだろうと思ってお好み焼きも買っておいて正解だったわ」
まどか
「それで、だったんだね」
マミ
「うふふ、それなら私も一つ頂くわ!!」
ほむら
「ちょっと!巴さんまで!?って、シレッとまどかまで食べないでぇ!!」
まどか
「ごへんね、でもほいしそぉだなって。あつつ」
ほむら
「大丈夫!?ほらお水飲んで?口の中火傷したりしてない?」
まどか
「♪」
「平気だよ。大丈夫。それより、おいしいね!」
…
……
………
街―駅
さやか
「……」
「あたし、どうしたいんだろう。もう、自分で自分が分かんないよ」
かずみ
「あっ!」
さやか
「?」
(なんか見覚えあるけど、思い出せない)
かずみ
「ほむらの友達だよね?ピンク髪の子のと一緒にいたよね?」
さやか
「!」
「あぁ、この間のでっかい魔女の時に戦ってた、?」
かずみ
「そうそう!あっ、そうか自己紹介してなかったね!昴かずみ、よろしくね!」
さやか
「あたしは美樹さやか。よろしく」
かずみ
「……」
「うーん?なんか悩んでる?」
さやか
「関係ないでしょ?」
かずみ
「関係、ある!だって、ほむらの友達でしょ?だったら私にも関係あるよ!」
さやか
「……」
「転校生は、友達じゃ、ないし。ただのクラスメートだよ。だからやっぱり関係ないじゃん」
かずみ
「!!!」
「そんな今にも死にそうな顔してる知り合いがいたら誰だってほっとけないよ!!」
さやか
「知り合いじゃない。あんたとアタシは他人だよ。だから、」
「知ったような口きかないで!!」
さやかは逃げ出した!
…
……
………
~夕方~
街―喫茶店
杏子
「今日は楽しかった!ありがとな!ほむらっ!」
ほむら
「気にしなくていいわ。最初はどうなるかと思ったけれど、ね」
杏子
「あたしは変わっちまったけど、あいつはきっといつまでも変わらないでいられるんだろうなぁ」
ほむら
「……」
「そんなことは、ない筈よ。変わらないものなんて、ないもの。だってこうして――、」
杏子
「?」
ほむら
「そんなことより、ワルプルギスの夜のこと、頼むわね」
杏子
「任せな!」
ほむら
「頼もしいわね。頼りにしてるわ」
ほむら
「話は変わるけど、あなた寝る場所はあるの?」
杏子
「二、三日はまどかの家に泊めてもらえるけど、そのあとは……」
ほむら
「決まってないのね。なら、私の家に来るといいわ。まぁ、食事には期待しないでくれるとありがたいけど」
杏子
「ほんとか!助かるよ!!」
ほむら
「気にしないで頂戴。あなたが近くにいると私にとっても、都合がいいのよ。だから、これは私の事情でもあるわ」
杏子
「……」
「アタシがいうのもなんだけどさ、あんた素直じゃないって言われねーか?」
ほむら
「……」
「さぁ、ねぇ」
マミ'sルーム
まどか
「えっと、その、マミさん……」
マミ
「佐倉さんのことかしら?」
まどか
「……」
「はい……。その、杏子ちゃんずっとずぅっと、気にしていたみたいなんです。
あんな別れ方するんじゃなかったって、ほんとは違うんだって、うなされてました。だから、だから――、」
マミ
「……」
「そっか、そうなのね。今日一日、一緒に過ごしてやっぱりあの子も私と一緒なんだなってなんとなくだけどね、気づいたわ」
まどか
「!」
「それならッ――!!」
マミはフルフルと首を振るう!
マミ
「でもね、だからこそ私から歩み寄るのはここが限界なの。
最後の一歩は佐倉さん自身が『私という過去』を乗り越えないといけないのよ。私は、そう思うな」
まどか
「……」
マミ
「佐倉さんにとっての私はね、先輩であり、師匠でもあり、何より一度捨てた自分に重なる存在でもあるんじゃないかしらね」
まどか
「期待、してるんですね」
マミ
「諦めたつもりだったんだけどなぁ」
投下ここまで
反逆のマミさんチートすぎです。
想定していたステ大きく超えてるじゃないですかー!
マジカルサイキッカー雨宮桜子☆
投下
『じゃあ、行くね。さよならほむらちゃん』
『みんな死ぬしかないじゃない!!』
『あたしはあんたたちとは違う魔法少女になる』
『足手まといとは戦わない主義だろ?ただ一つ守りたいものを最後まで守り通せばいい。……、それが正解さ』
二十日目、月曜日
~朝~
ほむら
「……」
「夢、ね。平気よ、夢だもの」
街―通学路
ほむら
「……」
「少し、早く来過ぎたかしら」
ほむら
「……」
「まどかにメールを送って先に教室に向かいましょう」
~昼~
学校―教室
まどか
「ほむらちゃーん!ご飯食べよー?」
ほむら
「……」
「ごめんなさい、少し用事があるの。だから、先に食べてて頂戴。もしかしたら昼休みいっぱいかかっちゃうかもしれないから」
まどか
「?」
「そうなの?……、あんまり無理しないでね?」
ほむら
「ありがとう。でも平気よ」
まどか
「さやかちゃん行こっ。あれ?仁美ちゃんは?」
さやか
「あぁ、うん。そだね」
まどか
「さやかちゃんも?」
さやか
「なにが?」
まどか
「なんでもないよ」
ほむら
「志筑さんなら、さっき足早に教室を出て行ったわよ?」
まどか
「そっか、そうなんだね。ありがと、ほむらちゃん」
ほむら
「それじゃあね」
まどか
「うん」
学校―空き教室
ほむら
「……」
(逃げ出してしまった)
街―通学路
さやか
「あれ?マミさん?」
マミ
「美樹さん、今帰り?ほむらさんは一緒じゃないの?」
まどか
「なんだか急ぎの用事があるみたいで、ってあれ?マミさん聞いてないんですか?」
マミ
「……」
「何か悩んでるのかしら?」
まどか
「もしかしたら、そうなのかもしれないです」
さやか
「……」
かずみ
「!」
「マミー!えっと、それからさやか!あとピンクの子!」
マミ
「!」
「あら、かずみさん。戻ってきたのね!」
かずみ
「うん!昨日ね」
まどか
「あのえっと、」
かずみ
「えっと、ほらこの間の魔女の時にあったでしょ?私はかずみ!昴かずみ、よろしく!!かずみって呼んで!」
まどか
「えと、わたしは鹿目まどか。よろしくね」
まどかとかずみは握手した!
さやかはこっそりと横を通り抜けた!
かずみ
「?」
「あれ?そう言えばほむらは?」
マミ
「多分、だけど逃げられたわ」
…
……
………
街―噴水広場
ほむらは淡い光に包まれている!
ほむら
「……」
ほむら
『あなたは一般人を魔法少女に誘導しているわ』
マミ
『それが面白くないの?』
ほむら
『えぇ、はっきり言って迷惑よ。特に鹿目まどかを魔法少女にさせるわけにはいかないの』
マミ
『そう、あなたも気づいているのね。あの子の資質に。
それで自分より強いものはいらないっていうの?まるで、苛められっこの発想ね』
ほむら
『あなたとは戦いたくないのだけれど』
マミ
『なら二度と会う事の無いように、努力して。話し合いで済むのはきっと今夜で最後になるだろうから』
ほむらは頭を振った!
ほむら
「大丈夫よ、今回はそんなことになってない
暗転
再開発区域―廃駅
ほむら
「……」
ほむら
『使いなさい。これ以上は潰れるわよ』
さやか
『何、企んでるのさ』
ほむら
『!!』
『いい加減にしなさい!他人を疑う余裕なんてないでしょう!』
さやか
『……』
ほむら
『あなた、このままだと死ぬわよ』
さやか
『いいよ、それでもさ。
あたしはあんたたちとは違う魔法少女になるって決めたんだ。
だから、あたしは誰かを見捨てたり、利用したりなんかしない。
それで、もし、あたしが魔女を殺せなくなったらその時にはあたしは用済みさ。
魔女に勝てないようなあたしなんてこの世界には必要ないでしょう?』
ほむら
『どうして、そうやって人の好意を無為にするのかしら』
さやか
『あんたが嘘つきだからかな。
考えても見てよ、何もかも諦めたような目をして、
からっぽの言葉を話すやつにあたしのためだなんて言われて、信じられると思う?』
ほむら
『……』
『あなたって鋭いわ』
ほむら
「なんで、こんな……、」
暗転
街―路地
ほむら
「っ、どうしてこんなところに……?」
杏子
『あたしの知ってる巴マミってやつは――ッ!!』
ほむら
『何も知らないからそんなことがいえるのよ』
杏子
『あんたにアイツの何が分かるんだ』
ほむら
『巴マミのことを分かってないのはあなたの方よ、佐倉杏子』
杏子
『はぁっ?何言って――、』
ほむら
『上辺だけのあの人しか見てない人に反論される筋合いはないわ』
杏子
『ッ!!』
ほむら
『別に、冗談で言ってるわけじゃない。今の彼女に会えばあなたの命まで危ないかもしれないわ。
巴マミはそういう事をしかねない要素を抱えているの』
ほむら
『!!』
『何のつもり?』
杏子
『見て分かんない?ついてくんなってことさ。
自分の目で確かめてくる。
もともと、あんたのことはそれほど信用してるわけじゃないんでね、当然だろ?』
ほむら
『あなたに死なれると困るのだけど』
杏子
『アタシの命くらいどうにでもなるさ』
ほむら
「今更、こんな。今回はうまくいってるわ!!」
街―路地
ほむら
「っ、どうしてこんなところに……?」
杏子
『あたしの知ってる巴マミってやつは――ッ!!』
ほむら
『何も知らないからそんなことがいえるのよ』
杏子
『あんたにアイツの何が分かるんだ』
ほむら
『巴マミのことを分かってないのはあなたの方よ、佐倉杏子』
杏子
『はぁっ?何言って――、』
ほむら
『上辺だけのあの人しか見てない人に反論される筋合いはないわ』
杏子
『ッ!!』
ほむら
『別に、冗談で言ってるわけじゃない。今の彼女に会えばあなたの命まで危ないかもしれないわ。
巴マミはそういう事をしかねない要素を抱えているの』
ほむら
『!!』
『何のつもり?』
杏子
『見て分かんない?ついてくんなってことさ。
自分の目で確かめてくる。
もともと、あんたのことはそれほど信用してるわけじゃないんでね、当然だろ?』
ほむら
『あなたに死なれると困るのだけど』
杏子
『アタシの命くらいどうにでもなるさ』
ほむら
「今更、こんな。今回はうまくいってるわ!!」
暗転
街―廃工場
ほむら
(おかしい、記憶が物切れになってる)
ほむらはとっさに首筋に手を当てた!
ほむら
(まさか、口づけを受けてる?そんなまさか)
工場の中には続々と人が集まってきている!
ほむら
「ッ!」
ほむらはとっさに奥の部屋へと駆けこんだ!
ほむら
(ハコの魔女の結界……。ということはやっぱり、)
ほむらは結界を開いた!
魔女結界―ハコの魔女
一層目
ほむらの頭の中に過去の記憶が流れ込む!
心が折れて暴走するマミ
願いに裏切られて破滅するさやか
引き寄せられて、引き込まれるように身を滅ぼす杏子
まどかを殺す白と黒
そして、幾度も死に続けるまどか
――――ッ!!!!
ほむら
「いや、いやぁぁぁぁあああああ!」
助けに来るのは
1まどか
2マミ
下三多数決
投下ここまで
まどっちが選ばれたら一緒に来るのは杏子の予定でした
というわけで投下
ほむらのソウルジェムだけが淡く輝いている!
…
……
………
魔女の結界に穴が開いた!
マミ
「!!」
かずみ
「ほむら!」
マミとかずみがやってきた!
マミ
「ほむらさん!!ほむらさんしっかりして!!」
かずみ
「マズイよ、ほむらの魔力が魔女の魔力と同調してるみたい」
結界内に点在するモニターにほむらのこれまでが映し出されている!
マミ
「こうなれば、あまりやりたくはないけれど仕方ないわ。
私の魔法でほむらさんの魔力と私の魔力を結び付けて引っ張り上げてみるわ!」
ほむらから見たマミの絶望が、
かずみ
「それじゃあ、魔女の相手は私がするよ」
さやかの絶望が、
マミ
「えぇ、悪いんだけどお願いね!」
杏子の諦観が、
かずみ
「ほむらのためだもん、頑張るよ!!」
まどかの自己犠牲が、
マミ
「さっさと目を覚ましなさい!ほむらさん!!一緒に泣いてくれるって言ったじゃない!
傍にいてくれるって言ったじゃない!背中を守ってくれるって言ったじゃない!!
こんなところで勝手に脱落するなんて許さないんだから!!」
ほむらの傷だらけの魂を蹂躙する!
┌┐
||
┌─┼┼─────────────────────┐
│ || ┌―――――――――――――――┼―┐
└─┼┼─────┼───────────────┘ |
|| | ┌―――┐ | |
|| └―――――――――┼―――┼―――┘ |
|| | | |
|| | ┌┼――――――――┼―┐
|| | └┼――――――――┼―┘
└┘ | | |
| | | now moving ...
| ―┼――――――――┼―――――――――――
| | |
└―――┘ |
???―深層入り口
ほむら
「……」
「ここは――、」
???
「こんにちは、わたし」
ほむら
「お前は、」
???
「そんな警戒しないで、傷つくじゃない」
ほむら
「お生憎様、そんな私みたいな恰好をした人に会ったら誰だって警戒するわ」
???
「……」
「まぁ、そりゃあそうよね。普通自分がもう一人なんて気味が悪いものね」
「だけどあなたは知っているはずよ。この感覚《わたし》を」
ほむら
「――ッ!!」
???
「あなたにとって最も忘れるこの出来ない、記憶だもの」
ほむら
「止めて」
???
「あなたが抱えるたった一つの希望、」
ほむら
「止めさない」
???
「そして、あなたを縛るたった一つの、」
ほむらは発砲した!
ほむら
「そんな言葉であの子の願いを、わたしの希望を踏みにじることは許さないわ」
???
「うふふ、怖いわね。でもわかってるはずよ。私がいう事は本当はあなたが思っていることだって、ね?」
ほむら
「いいえ、違うわ。私とあなたは良く似た別物よ。ただの紛い物でしかないあなたの考えなんて所詮聞くに値しないわ」
???
「そう思うのは勝手だけど、真実を見誤らないことね。感じているんでしょう?
罪悪感を」
ほむら
「例え、どれだけ傷ついてもあの子が救われるのならば私はそれで構わない」
???
「それをやさしいあの子が望んでいなくとも?」
ほむら
「えぇ。例えあの子を泣かせても、あの子だけは私が守る」
???
「流石私ね。あの黒い魔法少女のメンタリティにそっくりよ」
ほむらはもう一度発砲した!
ほむら
「あれは、私の敵よ!敵は排除する。当然でしょう」
???
「ふふふっ、きっと友達になれるのに」
ほむら
「ふざけたことを」
???
「まぁ、あなたの気持ちも分かったことだし、一度私は引っ込まさせてもらうわ。次に会うときが、最後よ?」
ほむら
「!!!」
ほむらとよく似た少女は闇へと消えた!
ほむら
「恐らく、ここは魔女の結界よね?ということはさっきのが結界の主?けれど、あれが魔女なのかしら?一体どういう……、」
ほむら
「なんにせよ、ここでこのまま悩んでいても仕方がないわね。きっと最深部に行けば全部分かるはずだわ」
…
……
………
ハコの魔女の結界が崩れる!
かずみ
「終わりぃ!!マミっ、ほむらは?」
マミ
「っ、どうなってるのよ!」
かずみ
「!?」
「な、何?どうしたの?」
マミ
「ほむらさんの魔力パターンを疑似的に再現して、シンクロさせたの。それで一度は安定したのよ!なのに、なのにこれはどういう事なの!!」
マミ
「キュゥべえ!出てきなさい!!」
キュゥべえ
「ヤレヤレ、近寄るなと言ったり出てこいと言ったり人間というのは本当に自分勝手な生き物だね。それで、何かようかい?」
マミ
「あなたは今の暁美さんの状態と似た状態になった魔法少女を知っている?」
キュゥべえ
「?」
「ふうん、これは、面白い。実に興味深いね。なにより、長いこと君たちを見てきたけれど、こんなことは初めてだ」
マミ
「そう、あなた達ですら心当たりがないのね。それならもう用は済んだわ。消えてくれるかしら?」
キュゥべえ
「君がそれを望むのならそうさせてもらうけど、いいのかい?僕らなりの見解ってやつを聞いておかなくって」
マミ
「何か、心当たりがあるのかしら?」
キュゥべえ
「君も気づいているんだろう?」
マミ・キュゥべえ
「……」
まどか
「マミさん!ほむらちゃんは?」
まどか
「!」
「ほ、ほむらちゃん!?」
まどかはマミに抱えられているほむらに駆け寄った!
杏子
「まどか!あんたがそんなに焦ったってしょうがないだろ!って、おいマミこれはどういう状況だ?」
マミ
「場所を移しましょうか」
マミはほむらを抱きかかえた!
投下ここまで
投下
ほむルーム
まどか
「マミさん、ほむらちゃんはどうなっちゃったんですか?」
マミ
「現段階で私が言えるのは、ほむらさんの意識が戻るかどうかの確証がないってことだけ」
杏子
「おい!それじゃあ、何もわかってないのと一緒じゃないのさ」
かずみ
「しょうがないじゃん!何故ってところがゴッソリ抜け落ちてるんだよ?私だってほむらのこと心配だけど!今は心配することしか出来ないんだよ」
キュゥべえ
「それをどうにかできるかもしれない、そう踏んで僕をここに招いたのだろう?」
マミ
「そうね、その通りよ。だから早くあなたたちの見解とやらを話してくれるかしら?」
キュゥべえ
「そうだね。マミ、ほむらのソウルジェムを見せてくれるかい?」
マミはベットに寝かされたほむらの指からソウルジェムを抜き取って宝石へと変化させた!
マミ
「ここに置くわね。ただし、手を出したらどうなるかわかっているわよね?」
マミはちゃぶ台の中央にほむらのソウルジェムをそっと置いた!
キュゥべえ
「そんな無駄なことをするわけないじゃないか。
このソウルジェム、どこか違和感があると思わないかい?」
ほむらのソウルジェムは中心だけが輝いている!
杏子
「見比べてみれば手っ取り早いだろ」
杏子は自らのソウルジェムを取り出した!
マミ
「これは、」
まどか
「真ん中だけ光ってる……?」
かずみ
「濁り方が偏り過ぎてるね」
杏子
「それになんか変だと思ったら、魔法少女の魔力パターンと魔女の魔力パターンが混じってるのか?こりゃぁ」
キュゥべえ
「その通りだ、こんな濁り方をするソウルジェムなんて僕たちでさえ初めて見たよ。それに普通、ここまで濁ってしまえばあとはもう孵化するだけのはずだ。
なのにほむらのソウルジェムは割れる気配さえ見せずにいる」
杏子
「はぁ?孵化?割れる?おいそれはどういう事だ?」
マミ
「私たちのソウルジェムは限界まで濁るとグリーフシードに変化して魔女を生んで消滅するそうよ?」
杏子の体をマミのリボンが拘束する!
まどか
「マッ、マミさんッ!?」
かずみ
「マミ!」
杏子
「マミ先輩ッ?どういう風の吹き回しだ?」
マミは拘束を解除した!
マミ
「その様子なら変な気を起こしたりはしなさそうね。ごめんなさい。ただの保険よ。こんなところで自殺されたり心中されたりしたら堪らなかったから」
杏子
「けっ、あたしはそんなことするのはもう卒業したよ」
マミ
「本当にごめんなさいね。それで、キュゥべえ続けてくれるかしら?」
キュゥべえ
「どうして君たちはそう忙しないのかな?まぁいいさ、説明を続けるよ。
つまり、この暁美ほむらのソウルジェムは限界以上の絶望を抱え込んでいるうえに、魔法を使うの十分な希望も賄えている。
器から溢れんばかりに湧き上がる絶望が器の中心に存在する小さく、それでいてとても強い希望に吸着して均衡を保っているんだよ」
まどか
「それって、どういう……?」
キュゥべえ
「つまり、ほむらの意識が希望に傾くのか絶望に傾くのかで未来が変わる」
かずみ
「それじゃあ、やっぱり私たちには何もできないの?」
マミ
「いいえ、そうじゃないのでしょう?」
キュゥべえ
「さてそれじゃあ、ほむらの意識は今どこにあるんだろうね」
杏子
「それは、どういう意味だよ?」
キュゥべえ
「そのままさ、ソウルジェムは君たちの魂を宝石の形に整えたものだからね。魂がこちらにある以上意識もまたこちらにあるんじゃないかな?」
マミ
「回りくどい言い方は止めてくれるかしら?ほむらさんのソウルジェムから感じられる魔女の魔力パターン、その正体についてあなたたちの意見を言って」
キュゥべえ
「そこまで推測が及んでいてどうして僕に意見を求めるのか、正直理解に苦しむのだけれど、簡潔に答えよう。
ほむらのソウルジェムの中央の輝き。これは恐らく世界で最小の魔女結界だろうね。
つまり、ほむらは世界で初めて魔法少女のままで魔女になった存在だ」
マミ
「そう、やっぱり。でも、それならばほむらさんの結界に私たちが介入することが出来るはずよね?」
キュゥべえ
「困難だろうね。けれど、魔法少女は条理を覆す存在だ。試してみるといい。生憎、僕らにはアドバイスのしようがないけどね」
マミ
「まぁ、当然ね。あなた達にはこの状況を解決する手助けをする必要なんてないものね」
キュゥべえ
「やけに棘のある物言いだね」
マミはキュゥべえにマスケット銃を突きつけた!
マミ
「悪いけど、あなたの相手をしている時間すら惜しいの。信用できないから、ここからいなくなって頂戴」
キュゥべえ
「全く、用が済んだら用済みってわけかい。本当に君たちは自分勝手だね。しょうがない」
キュゥべえは闇へと消えて行った。
マミ
「ほむらさんがいつまで持つかわからない以上早めに何か手を打ちましょう」
投下ここまで
乙
これは…
誰も死なないよな?
>>348
さやか
「そんなに難しい顔で、悩むほど重大なことなの……?」
さやかはなんだか心配になってきた!
ほむら
「……」
(あなたの希望と絶望が懸かっているというのに、呑気なものね)
(それはまぁ良いわ。取りあえず、少し探りながら考えを改めましょう)
さやか
「ねぇ、転校生?」
ほむら
「待たせたわね。それじゃあ、最初の質問」
「あなた、魔法少女にとても魅力を感じているでしょう?」
さやか
「……」
ほむら
「隠さなくてもいいわよ。願いは、そうね。上条恭介の腕の回復、といったところかしら?」
さやか
「何が言いたいの?」
ほむら
「彼の腕を治すことであなたは何を手に入れたいの?」
>>647
さて、
投下します
二十一日目、火曜日
~朝~
ほむホーム
杏子
「おい、ほむらに施した封印の魔法はどうだ?」
かずみ
「全ッ然、平気そう!ほむらが目を覚ましても目覚めないくらいには!」
杏子
「まぁ、アタシとマミが三時間もかけたんだ。一晩でほころびが出るような軟な作りにはなっちゃいないさ」
かずみ
「そう言えば杏子は学校いいの?」
杏子
「かずみつったっけ?あんたもそれは同じだろ?」
かずみ
「私はちゃんと許可貰ってるもん!」
杏子
「どうせ魔法使ったんだろ?」
かずみ
「ギクッ。どうして分かるのさ」
杏子
「そう言うのはアタシの元得意分野なのさ」
かずみ
「元?」
杏子
「それよりもさ、マミが戻ってくる前に準備終らせとかないとだぜ。予想だけど、あいつ午前だけで学校抜けてくるんじゃねーか?」
かずみ
「それだけほむらのことが心配なんだよ。それは私だって同じ気持ちだもん」
杏子
「アタシはコイツのことよく知らねーからさ、いまいちそう言うのにはピンとこないんだよね。
まぁ、それ以前に約束もあるし、生きててもらわないと困るんだけどさ」
…
……
………
学校―教室
まどか
「さやかちゃん。放課後に大事な用があるの」
さやか
「そんな改まって、どったの?」
まどか
「大事なことだから!逃げないでね!」
仁美
「あらあら、またお二人だけの秘密ですの?」
まどか
「……」
「ううん。そうだね、仁美ちゃんも一緒に」
仁美
「あら?よろしくって?」
まどか
「うん。その方がきっとさやかちゃんも逃げづらいだろうし」
仁美
(まどかさんが打算的だなんて、珍しいですわね)
仁美
「でしたら、私もしっかりとさやかさんを捕まえておきますわね」
さやか
「なんか、まどかが最近酷い気がするんだけど……」
まどか
「……」
「だ、だまらっしゃいッ!昨日だってこっそりいなくなってたよね?ねぇなんでそんなことしたの?
だから、今日は逃げられないようにしようと思うのは自然だよね!」
さやか
「うっ、なんかその、ごめん」
…
……
………
?の魔女の結界―一層目
ほむら
「これは、」
ほむらの眼前には不安定そうな足場が広がっている!
ほむら
「そこが見えないほど深いわね」
透明な足場はポカリと闇に浮いているようだ!
ほむら
「取りあえず、進めばいいのよね。その先にきっと答えがあるはず」
…
……
………
~昼~
ほむホーム
ガチャッ!
マミ
「失礼するわね!」
かずみ
「あれ?早いね。午後の授業は無いの?」
マミ
「そ、そんなのふけてきたに決まってるでしょ!」
杏子
「なっ?」
マミ
「普段の私のイメージをもってすれば半ドンで抜け出してくるなんて造作もないことよっ!」
かずみ
「?」
杏子
「お前、もしかしてハッチャケたマミしか知らねーの?」
かずみ
「いつもはこんな感じ、じゃないの!?」
マミ
「コホン。そんな人を年中ハイテンション女郎みたいに言わないで頂戴」
杏子
「アタシもあれを見たときは驚いたよ」
かずみ
「あれって?」
マミ
「……」
杏子
「マミの奴、クラスでは超お淑やかなんだぜ?」
かずみ
「?」
「うそぉ!」
マミ
「コホン!無駄話はそのくらいにしなさい!それよりも早くほむらさんの状態を教えて」
杏子
「それがさ、全然変わんないんだよ。はっきり言って不気味なくらいさ。
いくら封印をかけてるとはいえ揺らぎが小さすぎる。なんて言うか、自然に不自然だ」
マミ
「そう。変わっていない、のならまぁ少し安心かしら?」
かずみ
「安心できる判断材料なんか何一つないけどね」
杏子
「まぁ、不安がる判断材料も今のところ出てきてないけどさ」
マミ
「それじゃあ、今のところは静観ね。一応、策のおさらいでもしておきましょうか」
杏子
「そう言うと思ってさ、準備だけはしておいたよ」
マミ
「流石、私の元弟子ね」
杏子
「……」
…
……
………
?の魔女―六層目
ほむらは一人結界の中を進む!
ほむら
「不気味ね。いくらなんでも静かすぎるわ」
ほむらは後ろを振り返った!
ほむら
「!」
「なによ、これ」
ほむらの後ろには闇だけが広がっている!
ほむら
「後戻りさせる気は無いってことみたいね。まぁ、そんなことをする気なんか毛頭ないけれど」
ほむらは向き直って進みなおす!
…
……
………
~放課後~
学校―教室
「それではみなさん、気を付けて帰るように」
「ありがとうございましたー」
まどか
「さやかちゃん!仁美ちゃんついてきて!」
まどかはさやかの手を強く掴んだ!
さやか
「ちょぉっ、どこからそんな力がッ!?そんなことしなくっても逃げたりしないってぇー」
さやかはズルズルと引きずられていく!
仁美
「まぁ、まぁまぁまぁ」
まどか
「仁美ちゃんも茶化さないで!わたし真剣なんだよ!」
仁美
「あら?ごめんなさい、そんなつもりはなかったんですのよ」
街―ほむホーム前
さやか
「まどか?ここって……」
仁美
「『暁美ほむら』とありますから――、」
まどか
「そうだよ。ほむらちゃんのお家」
ピンポーン!
マミ
「待ってたわよ。あら?美樹さんと、それと志筑さんだったかしら?」
さやか
「マミさん?」
仁美
「御機嫌よう、巴先輩」
マミ
「取りあえず、中に入って頂戴」
ほむホーム
杏子
「まどかと、それと誰だ?」
かずみ
「まどかと、さやか!それに……、誰?」
まどか
「杏子ちゃん、かずみちゃん。ほむらちゃんのこと見ててくれてありがとう。
それと、紹介するね。さやかちゃんと、仁美ちゃん、わたしの友達だよ」
杏子
「おう!気にすんな。あたしら別に暇だし。んで、さやかと仁美っつったか。あたしは、佐倉杏子だ。まぁ、よろしく」
杏子はロッキーの袋を二人に差し出した!
かずみ
「私はかずみ!昴かずみ!ほむらの友達!よろしくね!」
仁美
「どうも、ご紹介に預かりました志筑仁美ですの。どうぞよろしく」
仁美は丁寧にお辞儀をした!
さやか
「……」
「美樹さやか。よろしく」
パンッ!とマミが手を叩いた!
マミ
「ここに来たってことは、暁美さんのことよね?」
まどか
「マミさん。私に説明させてください」
マミ
「……」
まどかとマミは暫し見つめ合った!
マミ
「分かったわ。それじゃあ、お願いするわね」
『何か、考えがあるのよね』
まどか
「ありがとうございます」
『一応……』
まどか
「さやかちゃん、仁美ちゃん。こっちに来て……。マミさんも一緒に良いですか?」
マミ
「えぇ」
ほむホーム―寝室
まどか
「見て。ほむらちゃんね、意識が戻らないの」
さやか・仁美
「!!」
仁美
「病院に連絡を!」
仁美は慌てて携帯電話を取り出した!
まどか
「ううん。無駄なの」
まどかは仁美の手をそっと抑えた!
まどか
「病院で見てもらっても理由なんか分からないよ」
まどかはほむらのそばへと寄ると何かを拾い上げた!
まどか
「さやかちゃんは、コレ見覚えあるでしょう?」
さやか
「!」
「もしかして、転校生の?」
まどか
「うん。そう」
さやか
「待って、まどか。それ早く浄化しないとまずいんじゃ……」
仁美
「?」
「……」
まどか
「ううん。もうマズイの、浄化出来ないの。でもね、これ以上は絶対に濁らないんだって。キュゥべえが言ってたよ」
さやか
「?」
まどか
「この中にほむらちゃんがほむらちゃんの魔女と一緒に閉じ込められてるんだって」
さやか
「!」
仁美
「?」
「あの、まどかさん。さっきから何をおっしゃっていますの?」
まどか
「仁美ちゃんはほむらちゃんから何か聞いてないかな?
なんでもいいよ。私たちのこととか、この町のこととか、何かそんな漠然としたこと」
仁美
「……」
「少しだけ」
まどか
「良かった。その、ほむらちゃんからはなんて?」
仁美
「『言えないだけの理由のある秘密』とだけ」
まどか
「そっか。キュゥべえ?」
キュゥべえ
「なんだい?まどか」
まどかは仁美を見つめている!
仁美
「?」
仁美は困惑している!
まどか
「キュゥべえ。もういいよ。ごめんね」
キュゥべえ
「全く、ようもないのに呼び出さないでくれるかな」
まどか
「だから、ごめんってば」
キュゥべえはスッと消えた!
仁美
「?」
「まどかさん?今のはどなたとお話を?」
まどか
「マミさんのお友達、かな?」
さやか
(変態で、オバケだけどね。にしても、本当に仁美には見えないんだなぁ)
まどか
「仁美ちゃんは多分ちんぷんかんぷんだよね。だけど、知っていて欲しいの。仁美ちゃんからは見えないものがわたしたちにはあるってことを」
仁美
「ここまで来て、やっぱり何も話せません、ですの?」
まどか
「ごめんね」
仁美は大きくため息をついた!
仁美
「……」
「分かりましたわ。何も聞きません、ですが私はこれで帰ることにします。……、暁美さんを起こす手立てに心当たりは?」
マミ
「心配ないとは言えないけれど、私が何とかするわ。そうねぇ、神さまに誓って」
マミは悪戯っぽくウィンクした!
仁美
「……」
「暁美さんをお願いします。それじゃあごゆっくり、さやかさん?」
さやか
「え?あぁ、うん。そんじゃね、仁美」
仁美は軽くお辞儀をすると、部屋を出て行った!
マミ
「さてと、美樹さん。要領は飲み込めた?」
さやか
「……」
「大体。魔女との戦いでなんかあったんですよね?」
まどか
「ほむらちゃんはね、今魔女になりかかってるの」
さやか
「う、そでしょ?」
マミ
「嘘というよりは、正確ではないとすべきね。正しく言いなおすならば、そうね。
このソウルジェムの中にほむらさんと、ほむらさんのなるであろう魔女が同居している状態ね」
さやか
「それって、転校生はもう魔女になってるじゃん!」
マミ
「まだよ。まだ完全に魔女に飲み込まれたわけじゃない。
この中で、ほむらさんの心が魔女に屈してしまったときが終わりの時よ。今はまだ大丈夫」
さやか
「それって……」
まどか
「うん。とってもギリギリ。綱渡り的だよね」
マミ
「だから、それを私と佐倉さんとかずみさんで何とかしようっていうのよ」
さやか
「転校生は助かるの?」
マミ
「……」
「助けるわ」
…
……
………
?の魔女の結界―十二層目
『誰も救えないわたしなんていらないよね?』
ほむら
「……」
『いつまで、そうしているつもり?そんなんじゃ、いつまで経っても結果は同じよ?』
ほむら
「……」
『ただ、あの子を助ける。そのためだけに――、』
ほむら
「……」
「うるさい!」
『吠えても無駄だよ?ここはそういう場所だもの』
『うふふ、うふふふふ』
ほむら
「――ッ!」
…
……
………
ほむホーム
マミ
「さてと。それじゃあ、二人ともソウルジェムを」
かずみ
「はい!」
杏子
「んっ」
ちゃぶ台の上にソウルジェムが三つ並んだ!
マミ
「それじゃ、手順を確認するわよ?」
杏子
「あんたの魔法であたしたちのソウルジェムをリンクさせる」
かずみ
「私の魔法でほむらのソウルジェムに入り口を作る」
マミ
「佐倉さんの魔法で私たちの魂を誘導して、わたしの魔法で結界の中へと繋ぎとめる」
マミ
「それじゃ、step1ね」
ふんわりとした黄色の魔力がソウルジェムを繋ぎ合わせる!
かずみ
「ん、んん、んんん!!」
かずみの魔力がほむらのソウルジェムを侵食する!
かずみ
「深く、深ぁく。もっともっと、勝手に開けちゃうけど許してね。暁美ちゃん」
かずみ
「?」
杏子
「おい、どうした?なんで泣いてるんだ?」
かずみ
「多分、ほむらが悲しがってるから、かな?
うん、見ぃつけた!」
マミ
「早く助けてあげないとね」
杏子
「人の心に土足で踏み込むってのは気が引けるが、恨むんなら自分を恨んでくれよな」
マミ
「それじゃ、行ってくるわね。二人とも」
三人のソウルジェムが強く輝いた!
三人の体から力が抜けてちゃぶ台にバタリと倒れ込んだ!
まどか
「ほむらちゃん……」
さやか
「……」
…
……
………
?の魔女―十五層目
ほむらは力なく歩き続ける!
ほむら
「……」
ほむら
(後悔と、輝きだけがわたしに寄り添って、追いかけてくる。もういやだ、でもまどかを、まどかだけは……)
砕けた心を引きずってほむらは前へと進み続ける!
ほむら
「まだ、まだ倒れられない」
ほむら
「?」
「まどか……?」
ほむらはふと後ろを振り返った!
ほむら
「気のせいね。ここには私だけしか、いるはずがないもの」
…
……
………
?の魔女の結界―最深層
???
「うふふ、まさかお客様が増えるなんて」
???
「存分におもてなししないとダメかしらね。ふふふ」
…
……
………
ほむホーム
まどか
「……」
「さやかちゃんは、魔法少女になりたいって思う?」
さやか
「マミさんにも転校生にもなるなって言われてるよ」
まどか
「こんなこと言いたくないけど、わたしも同じ意見」
さやか
「でもさ、どんな代償を払っても叶えたい願い、見つかっちゃったんだよね」
まどか
「……」
「いやだ、わたし嫌だよ。さやかちゃんが傷つくところなんて見たくないよ」
さやか
「そりゃあ、きっと後悔もするかもしれないし、もしかしたら絶望しちゃうかも」
まどか
「それなら――、」
さやか
「でも、やっぱりあたしはもう一度アイツのヴァイオリン、聴きたい」
まどか
「さやかちゃんが本気なら……」
さやか
「心配かけて、ごめん。マミさんにも、転校生にも、あのかずみって子にも、もちろんまどかにも、ちゃんと向き合うよ」
まどか
「さやかちゃん……」
…
……
………
?の魔女の結界―一層目
マミ
「(瞬きを繰り返す)」
かずみ
「これって、もしかして」
杏子
「どう考えても、落ちるだろうな」
三人は地面にぶつかった!
マミ
「痛たたぁ」
杏子
「あー、驚いた」
かずみ
「死ぬかと思ったよ」
マミ
「……」
「二人とも、早く降りて頂戴」
杏子
「だとさ、早くしろって」
かずみ
「わぁ、すぐ降りるよ」
杏子
「よっと。にしても、殺風景なところだな」
マミ
「そうねぇ。取りあえず、進むわよ」
かずみ
「早くほむらを連れて戻ろう!」
プレイヤーキャラは
1マミ
2杏子
下三多数決
投下ここまで
クリスマスネタ書きたい
クリスマスネタとはいったい
前略
生存報告だけ
>>678
杏子「メリークリスマス。今年はいい報告が出来そうだよ、親父」
別スレたてました
早々
>>679
?
みつかんないよ
ただ今再起動しています。
一日くらいお待ちください。
というわけで明日あたりから再始動です。
>>680
既にhtml化されてるので下記のurl
杏子「メリークリスマス。今年はいい報告が出来そうだよ、親父」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387960082/)
か
スレタイをグーグル先生に聞いてください。
さて、投下します
?の魔女―一層目
マミ
「奥へ、進むわよ!」
かずみ
「うん!」
杏子
「……」
「マミ、かずみちょっと待て。一回、深呼吸しようぜ」
かずみ
「なにさ、急に!」
マミ
「今は、一刻も早くほむらさんをっ!」
杏子
「だから! 一旦落ち着けっての。あんたら二人がそんな調子だと助けられるものも、助けられなくなるだろ?」
杏子
「今アタシらは使い魔の結界でも魔女の結界でもなくて、ほむらの『心』なんていう結界の中にいるんだ。
未知への警戒はもっともっと、しておいて損はないと思うぞ」
マミ・かずみ
「……」
かずみ
「そっか、そうだね。ましてここは『ほむら』の心の中。もしかしたら意地悪な仕掛けが満載だったり」
マミ
「もしかしたら、見られたくない記憶も……」
杏子
「アタシはあいつのことはよく知らないからさ、だからこそ多分アタシが一番冷静に判断できると思ってる」
マミ
「……」
杏子
「だから、進むか退くか。判断に迷ったら、アタシに選ばせてくれ。あんたらのために」
かずみ
「それは、ううん。それでほむらを助けられるの?」
杏子
「あいつを助ける。その目的は変わらないさ。ただ、あんたら二人はあいつのために命そのものを投げ出さないか不安なんだよ」
マミ
「……」
かずみ
「うぅ、それは……」
マミ
「分かったわ。私たちの命、佐倉さんの判断に預けるわね」
かずみ
「マミが任せられるなら、うん。任せる」
杏子
「はぁー。んじゃ進むか」
…
……
………
?の魔女の結界―最深層
ほむら
「……」
「ようやく見つけたわ。そして全部、全部、理解したわよ。そうでしょう『私』?」
ほむリリー
「ふふふ、思ったよりも早くついてくれたね、『私』。でも役者は揃ってないわ」
ほむら
「一つだけ聞かせて」
ほむリリー
「うふふっ、どうぞ」
ほむら
「私のソウルジェムはどこ?」
ほむらは左手の甲をさする!
ほむリリー
「ここにはそんなものないわ」
ほむら
「……」
「そう、答える気は無いのね」
ほむリリー
「そんなことないわよ。そもそも、あなたはここがどこかを訊ねるべきだった」
ほむら
「それじゃあ、ここはどこなのよ。答えはもう出ているけど、聞いてあげるわ」
ほむリリー
「ここはね、あなたのソウルジェムの中の世界なんだよ」
ほむら
「……」
「そう、じゃあ持ってるわよね。私のグリーフシードを」
もう一人のほむらは首を横に振った!
ほむリリー
「私はまだ魔女として完全に孵化したわけじゃない。だって、そうでしょう?」
ほむら
「……」
「問答をしていても、埒が明かないわ。だからせめて、自分で始末をつける」
ほむらは銃を構えた!
ほむリリー
「そうね、その方が私たちらしいわ。いいえ、『私』たち、らしいかしらね」
もう一人のほむらがさっと手を払うと、十四人の特徴的な少女たちが現れた!
ほむらは無言で引き金を引く!
投下ここまで
ほむらの記憶を?
1.覗く
2.覗かない
3.覗かされる
下三多数決
「覗かない」以外の選択肢だとマミのSGがマッハで濁りそうだ
やめたげて!ほむほむのSGの中で胃にきてゲロるのはやめたげて!!
>>693
ゲロイン型マミさん。そういうのもアリかと思います。
それでは投下
?の魔女の結界―四層目
杏子
「……」
「なんだこれ、静かすぎじゃない?」
マミ
「まだ何とも言えないわ」
かずみ
「でも、なんか窒息しそう」
杏子
「キュゥべえの話を信じれば、ここはほむらの魔女結界なんだよな。なのに、使い魔が一匹も見当たらない」
かずみ
「でも、うん。いないに越したことはないんじゃない?」
マミ
「使い魔が少ない魔女は二つに一つだわ。本体が使い魔を必要としてないか、本体に使い魔を生み出す力がないか」
杏子
「どちらにしても、厄介極まりない話だな。そりゃぁ」
マミ
「どちらにしても私たちは進むのよ」
かずみ
「当然!」
杏子
「二人とも、隊列変える。マミが殿で、アタシとかずみが前だ。マミはアタシらにリボンを繋いでおいてくれ」
マミ
「いいの?それだとあなたが矢面に立つことになるのよ」
杏子
「アタシは元々近接武器だし、ロングレンジの判断はあんたの方がずっと精度が高い」
かずみ
「適材適所、だね!」
?の魔女―最深層
ほむらに向かって十人の少女が襲いかかる!
ほむリリー
「ふぅん。その子たちには目もくれず私に仕掛ける、か。やっぱり『私』は分かりやすいね」
襲いくる少女たちを無視してほむらは引き金を引く!
ほむら
「……」
「この子達に攻撃させるばかりであなたは手を出さないのかしら? この、臆病者」
ほむリリー
「ふふっ、安い挑発ね。そんな挑発に喰いかかるのなんて、美樹さやか位のものだわ」
ほむら
「それは同意見だわ。だけど、だからと言って手を緩める理由にはならない!」
ほむらは止まらずに、追撃する!
ほむリリー
「でも残念。この子達を倒さないと、私には届かないわよ?」
ほむら
「……」
「関係ないわ。それよりも、気のせいかしらね。数が減っているようだけれど?」
ほむリリー
「気づくのが遅いのよ。そんな風に後手にばかり廻るから、何も、何にも成し遂げられていないのよ?」
ほむら
「だまりなさい!」
?の魔女の結界―六層目
杏子・マミ
「!」
杏子
「何か、来るッ!」
杏子は槍を構えた!
マミ
「かずみさんも、構えて!」
かずみ
「駄目! もう飲み込まれ始めてる!!」
杏子たちの目の前に四人の少女が現れた!
『三名様ご案内。ふふふ、ごゆっくり』
ほむらの深淵が三人を一飲みにする!
ミ::.、
|::::::〉
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γ::..、
. _,r''_::::ノ 彡 _
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'、::::` ヽ、
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『ほむら
「今回の魔女はこれまでとはわけが違うわ。だからあなたは手を引いて巴マミ」
マミ
「奥の二人の安全は?駄目ね。信用できるわけがないわ」
マミはリボンの魔法でほむらを拘束する!
ほむら
「くっ、こんなことしてる場合じゃッ!!」
マミ
「お互い様でしょう? 大丈夫よ、大人しくしてれば帰りには解放してあげる」
ほむらは結界の中に一人取り残された!
ほむら
(また、また、巴マミを救えない。きっと、あの魔女に喰われて、それで私は解放される。
まどかと、それから美樹さやかに怖気が走るようなトラウマを見せつけて、それなのに何もできない……。
結界の中で私が最後に見る巴マミはきっと食い荒されて原形もとどめないただの血飛沫と肉片だ。肉塊ですら、ない……)
ほむらの近くを使い魔が何食わぬ顔で通り過ぎる!
ほむら
(なんで、なんでなの。私はただ、まどかに助かって欲しいだけ。
そのためなら悪魔に魂を売り渡したっていい。何なら私の命をくれてやるからまどかだけは助けてよ……。
そしたら全部、全部。丸く納まるじゃない。私が死んで他の誰もが傷つかなくて済むのに……)
ほむらを繋いでいたマミの魔力が急速に萎む!
ほむらは首を横に振って走り出した!』
?の魔女の結界―八層目
杏子
「……」
「なん……、だよ。今のは」
かずみ
「ほむらの、記、憶?」
マミ
「(フルフルと首を振るう)」
杏子
「!」
「そうだッ!さっきの奴は!!」
かずみ
「ま、マミ?」
マミは大粒の涙を溢している!
杏子
「ハッ! 『マミ先輩』、まさかこんな程度でへばるなんてヌルイこといわないよねぇ!」
杏子はマミを掴み上げた!
マミは口元を抑えて首を振るばかりだ!
杏子
「チッ! アイツの事情はさっぱりわかんねぇけどさ、きっと一番つらいのはあいつだろ?
だから、あんたは進めよ。あいつのために進むって決めたんだろう?」
杏子が手を放すとマミはそのまま崩れ落ちる!
かずみ
「……」
「杏子、そんな言い方ってあんまりだ、」
ゆっくりと、マミは立ち上がる!
マミ
「そ、うね。そう、よね。ちゃんと連れ戻して、ごめんっていうわ。それで、ほむらさんの話、ちゃんと聞く」
マミ
「だから、そのために……。進みましょう」
かずみ
「マミ!」
杏子
「ったく、世話の焼けるやつだな」
『うふふ、美しいわ。でもでも、まだ終わりじゃないの』
四人の少女はいつの間にか杏子たちを囲んでいる!
`'守斧k、 込沙' 為心. 恢;ji}
`'守斧k、 {{、 .イ犱㌢ '. |j;遡
`''气会ュ。._ ! 逾≡斧i7Ⅳ ' . }7Ⅳ
`“'气会ュ。.,_ト、 逑丞圭i:刈 ィf秘、 焔リ
`¨“''气垈ュ。.,_ 逑丞圭j!圦 弋z少ァ 炒′
`“'气会ュ、 焔丞圭斧会ュ。.__,f´ /´
`'守心逑斧丞圭歪圭斧k /
`寸斧丞圭歪圭斧丞沁ュ。〆 /
\_ `'守斧丞圭歪圭爬了¨´ ∠ -‐
\__ `''寺斧丞圭歪;遡 /
ー―-气 j`寸斧丞圭7丞 〃
\ .′ Ⅵ斧丞圭7沁. .ィ:′
\ |! .′ 逑斧丞圭斧ハィ㌢
ヽ、 ヾ 、 j{ 斧k }斧丞圭歪圭Ⅳ _.。ュ=≠一
ヾ、 \__ ヽ ヽ!ヽ、_,.為秘 炸斧丞圭歪冽 _.。ュ≦7≦。.__
丶. ー―-气 \ ゞ辷沙' .イ斧丞圭歪圭洲竺≫''¨´ ̄ ̄ ̄
` ー- .._ ` ー-ュ。、 \ .。r今斧丞圭歪圭7l為'´
二ニニ≠一垈、 厶。ィ劣斧丞圭歪圭圭丞Ⅳ
` 、 ` ー- ._ Ⅵ≧=炸斧丞圭圭歪圭圭丞斧迦! ト、
\ \ ー-‐ `犱、為斧丞圭歪圭丞斧:才'"´ j }i沁
ヽ、 \ `“'气≧ュ。.為斧丞圭歪圭丞斧才´ィ示ミ .' 炸i}}
` ー- ._ ` ー- 、 `'守斧丞圭歪圭:圭丞ア´ 弋沙' .′ 刈Ⅳ
` 、 ` . ヽ `守斧丞圭歪圭7Ⅳ .′ .ィ劣jア
\___ \__ ト、`寸斧圭丞圭7:垈:ュ。.__,.ィ7 _,.イ7j㌢
\ ` . \`ヽ. ハヽ. `守斧於主丞圭竺歪j丞ュ。._。ュ≦為≦ュ。.,___
ヾー:‐:ュ。._`メ、Ⅵハ } ' . 逑於主丞圭竺歪圭丞斧主;才´¨¨ ̄ ̄ ̄ ̄
、 `¨'''冬z圦ヘ代j'. i } 於主丞圭竺歪圭丞斧7才´
ヾ ー― 一 ´`斧:tュ。.} !,.イj 冽丞圭歪竺歪圭丞7才´
` ー- - ィ釼歪恢; 刈淤主丞圭竺歪圭丞;j才´
、㍉. ヘ .ィ劣j歪ハ 刈逑7丞;ア´ `寸ヘ
寸心,.イ丞圭圭劣_為丞j:Ⅳ }劣k
ヾ弖三ニ≠-‐- 气丞圭j圦 _ ノヽ.為7:会ュ。
‐ `守圭逍t、 `''冬圭丞≧..,_
`'守会ュ、 \__
Ⅵ7ト ゞ \  ̄ ̄
′ Ⅵヘ、 ` ー- 、
Ⅵ沁、
Ⅵ;沁
`寸ハ
刈
『さやか
「あんたの言ってること、信用できないんだよね。杏子って子と組んで仲間割れさせようっていうの?」
まどか
「さやかちゃん、そんな言い方無いよ。それに、それこそ仲間割れになっちゃうよ」
ほむら
「みんな、キュゥべえに騙されてるんです……。なのに、なのに、」
マミ
「あ、暁美さん……」
まどか・マミ
「……」
まどか
「今日は一旦解散にしましょう。ねぇ、マミさん?」
マミ
「……。えぇそうね、それが良いわ。一度頭を冷やしましょう?」
まどか
「ほむらちゃん、帰ろ?」
マミ
「美樹さん、今日のところは、ね?」
ほむら
「……」
さやか
「マミさんがそう言うなら……」
ジジジッ、
杏子
「ちょっと、止めてくれない? なんでアンタはそんなに突っかかってくるわけ?」
さやか
「うるさいッ、うるさい、うるさいうるさいッ! あんたみたいな魔法少女を許せるわけないだろう!」
杏子
「はぁ、普段はマミの奴が一緒にいるからさ、こっちから手を出さないでやってるってのに。
わざわざそっちから喧嘩吹っかけてくるってんなら、殺しちゃってもいいよねぇ!」
ほむら
「ふ、二人ともやめようよ。こんなのおかしいよ。だって、私たちは魔法少女なんだよ?た、戦う必要なんてないよ」
さやか・杏子
「あんたは黙ってって!」
「いいから黙ってすっこんでな!」
さやかと杏子がぶつかり合う!
ほむら
(なんで、なんでこんなになっちゃうの?おかしいよ、こんなのって絶対おかしいよ)
ほむら
「うぅ、うううぅうぅう」
突如、何かが斬り合う二人を打ち抜いた!
マミ
「いい加減にしなさいッ!」
まどか
「こんなことがしたくて魔法少女になったの? さやかちゃん?」
ほむら
「巴さん、鹿目さん……」
ほむら
(私って弱い……)
ジジジッ
さやか
「アンタらにもッ! マミさんにもッ! まどかにだってッ!
あたしの気持ちなんてわかんないよ! 分かるわけないでしょッ!ハッ、アハハ、アハハハッ」
マミ・まどか
「美樹さん!」
「さやかちゃん!」
さやか
「だって、もう! もう、どうでもよくなっちゃったんだもん! ほんと、あたしって馬鹿ッ」
さやかのソウルジェムがグリーフシードを生んで消滅する!
魔女は吼えた!
杏子
「テメェ一体何なんだ! さやかに何をしやがった!」
まどか
「さやかちゃん! 私たちに気づいてぇ!」
ほむら
(みんな、混乱してる……。私が、私がやらなくちゃ……)
ほむら
「美樹さん……、ごめんなさい……」
ほむらはありったけの銃弾と爆弾で魔女を攻撃した!
魔女の結界が収束する!
杏子・ほむら
「くっ、こんなこっ」
「えっ」
杏子のソウルジェムが割れる!
ほむらの体をリボンが縛り上げる!
ほむら
「巴……さん!?」
マミ
「魔法少女が魔女になるならッ! みんな、死ぬしかないじゃないッ!!」
マミは銃口をほむらに向ける!
マミ
「あなたもッ、私も!!」
桃色の矢がマミのソウルジェムを射抜く!
まどか
「うぅぅ、もう、嫌だよ。こんなの……」
ほむら
「……」
ほむらは無言でまどかを抱きしめる!
ほむら
「大、丈夫……だよ。一緒に、ワルプルギスの夜を、倒そう……?」
二人は静かに涙を溢す』
?の魔女の結界―十二層目
マミ
「……」
「先に、進むわよ」
杏子
「お、おい。そんな、無――――、」
かずみ
「進もう? ここで止まったら何のためにここまで来たのか、分からなくなっちゃう」
杏子
「……」
「そうだな」
『お客様は、エチケット袋はお持ちですか? でも、まだまだだよ?』
『ほむら
「あなたはなんのために戦っている?」
織莉子
「私の世界を守るために」
ほむら
「そう、さよなら」
ほむらは躊躇なく引き金を引いた!
織莉子
「ッ!!」
織莉子は何かの欠片を射出した!
ほむら
「!」
「ッ!!」
そのまま織莉子の体はキリカの体に重なり、倒れる!
織莉子の射出した欠片はキュゥべえを吹き飛ばし、壁をぶち抜いた!
ほむら
(この世界なら、もしかしたら私は……)
???
「きゃあああぁっぁぁぁぁぁあ!!!」
ほむら
「!?」
ほむらの目には心臓を貫かれたまどかが映る!
ほむら
(こんな、こんなことってッ!!せっかく、舞台は整っていたのにッ!
もう、挑む前に無意味になるなんて……。許せない、許せない許せないッ!)
ほむら
「一度じゃ、殺したりないわ……」
ほむらの頬を渇いた涙が伝う』
?の魔女の結界―十五層目
杏子
「あいつ、一体何者なんだ……」
マミ・かずみ
「ほむらさん……」
「ほむら」
マミ
「詳しい、詮索は……、あと、よ。速く、進まなくちゃ。きっと私たちを待ってるから……」
『あはは、そっか知らないんだね、君たちは。私が、美国織莉子と呉キリカを殺しちゃったことを!!』
杏子・マミ・かずみ
「!?」
『あら、やっと反応してくれたね』
『でも、別にどうでもいいわ。頑張って、次で最後だから』
『ほむら
(見滝原の街がない。
学校も、駅も、住宅街も、公園も、本屋も服屋もファーストフード店も、喫茶店も、廃墟も裏路地も、何もかもが、ない)
ほむら
(それに、誰もいない。
まどかも、美樹さやかも、佐倉杏子も、巴マミも、まどかのご両親も、早乙女先生も、志筑仁美も、クラスの隣の席の子も、美樹さやかの思い人も、誰一人、誰一人)
ほむら
「ワルプルギスは、倒された。だけど……、これじゃあ倒した意味すらないじゃないの」
ほむら
(もはやこれは魔女と形容していいのかさえ、分からない。きっと、終末の樹だ。生命の樹の反転、神にも等しいものの形)
ほむら
「それでも、私は……、」
キュゥべえ
「戦わないのかい?」
ほむら
「私の戦場は、ここじゃないわ……」
ほむらは魔法を発動させた!』
?の魔女の結界―最深層
ほむリリー
「♪」
「ようこそ、お客人」
投下、ここまで
思った以上にマミさんの精神ダメージが酷くなった気がします
|ハ,_,ハ
|´∀`';/^l
|u'''^u;' |
|∀ ` ミ ダレモイナイ・・・
| ⊂ :, コウシン スルナラ イマノウチ
| ミ
| 彡
|''~''''∪
l^丶
| '゙''"'''゙ y-―, あ ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう
ミ ´ ∀ ` ,:'
(丶 (丶 ミ いあ いあ
(( ミ ;': ハ,_,ハ ハ,_,ハ
;: ミ ';´∀`'; ';´∀`';, ,
`:; ,:' c c.ミ' c c.ミ
U"゙'''~"^'丶) u''゙"J u''゙"J
/^l
,―-y'"'~"゙´ | それ るるいえ うがふなぐる ふたぐん
ヽ ´ ∀ ` ゙':
ミ .,/) 、/) いあ いあ
゙, "' ´''ミ ハ,_,ハ ハ,_,ハ
(( ミ ;:' ,:' ´∀`'; ,:' ´∀`';
'; 彡 :: っ ,っ :: っ ,っ
(/~"゙''´~"U ι''"゙''u ι''"゙''u
杏子
「お前、無事だったのか!?」
マミ
「佐倉さん。待って」
かずみ
「あなた、ほむらじゃないよね。誰?」
杏子
「……」
「アタシには違いが分かんねーけど、あいつは偽物なのか?」
マミ
「恐らく、ね。それに佐倉さんよく探知してみて、この魔力パターンは魔女の物だわ」
かずみ
「つまりッ! あなたこそがほむらの魔女だってことなんだよ!」
ほむリリー
「あら、存外とあっさりとバレてしまったわね」
三人は武器を構えた!
マミ
「本物のほむらさんはどこかしら? あなたを『殺したら』ほむらさんは戻ってくるの?」
ほむリリー
「あらら、怖いわねぇ。そんなあなたに朗報よ。あなた達のいう本物の私は、」
パチンッと指を弾いた!
ほむリリー
「この通り、眠ってもらっているわ」
豪華な椅子に座り目を閉じるほむらが突然現れた!
マミ
「ッ!?」
かずみ
「あなたがやったの?」
ほむリリー
「お互い手の内がバレバレだったから、思いのほか骨が折れたのよ」
マミ
「分かったわ。死んで頂戴ッ!」
突如!マミの後ろに使い魔の少女が現れた!
杏子
「おい、冷静になれ。頭に血が上り過ぎだッ!」
少女の攻撃を杏子の槍が防ぐ!
マミ
「……」
杏子
(嘘だろ。あんた、そんな表情もするのかよ)
かずみ
「どっちにしても、やることと出来ることは同じでしょ?」
杏子
「そうだな。あんたに怨みはねーが、覚悟しやがれ!」
ほむリリーが襲いかかってきた!
ほむリリー
「あなたたちに私を倒せるかしら?」
杏子の縛鎖の結界!
杏子の後ろに編み込み結界が敷かれた!
マミの魔弾の舞踏!
マミは反撃の構えをとった!
かずみのイルフラース!
かずみの速度が上昇した!
ほむリリーのマジカルランチャー!
miss!
42!
30!
杏子たちの魔力が体の傷を修復する!
cure!40!
cure!50!
cure!60!
…
……
………
かずみのカピターノポテンザ!
かずみの守りが上昇した!
杏子の鉄砕鞭!
394!
マミのトラッタミィト!
250!250!250!
ほむリリーのマジカル断頭台!
大きな刃がマミに襲いかかる!
350!
マミの魔力が体の傷を修復する!
cure!50!
…
……
………
ほむリリー
「なかなか、楽しませてくれるわね」
杏子
「ちっ、まだまだ余裕ですってか!?」
マミ
「挑発に乗っては駄目よ、佐倉さん」
かずみ
「きっと強がってるだけだよ! このまま押してこう!」
かずみのリーミティエステールニ!
388!
杏子の縛鎖の結界
杏子の後ろに編み込み結界が敷かれた!
マミのティロフィナーレ!
451!
ほむリリーのマジカルアイアンメイデン!
鉄の棺がかずみを中に引きずり込む!
330!
杏子たちの魔力が体の傷を修復する!
cure!40!
cure!50!
cure!60!
…
……
………
ほむリリー
「あぁ、もうつまんない。飽きちゃったわ」
ほむリリーのマジカル火あぶりの刑!
杏子たちを轟く業火が包囲する!
560!
550!
500!
杏子の体力が0になった!
マミの体力が0になった!
かずみの体力が0になった!
!戦闘モードから通常モードに移行します!
杏子
「ッ! ったく、まさかここまでやりづらいとはね」
マミ
「……」
かずみ
「こうなったら……」
杏子
「なんだ? 奥の手でもあるのか?」
かずみ
「うん、一か八かやってみる!」
マミ
「駄目よ。危険すぎるわ。ほむらさん自身にどんな影響が出るか分からないのに」
かずみ
「でも――ッ!」
ほむリリー
「話し合いは済んだかしら? 終わりにしてもいい?」
巨大な振り子斧が三人に襲いかかる!
マミ・杏子・かずみ
「――ッ!」
i
:
;
|
|
:
i
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|:
。
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o
.;
O
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,、 r ' ´ 。  ̄`¨'' ー 、、,,_
,、r ' ´ ゚ __,,,,,,,,、、、、゚ ,,,,,__ ・ `'' 、
,、r '´ ,、r゚ 。- '''¨´´ ̄ ゚ ・ ・  ̄``¨''' 。 、 `
,、r '´ ,,、、r -。゚ ー r'ゝ、_,r'ヾゝ-'´!、 ー 、、゚ ¨`ヽ 、
,、r'´ ,、r'´ ゞ'´ _,,,,、、、、、,,,,,_ ヾ・、゚ `゚ヽ。、 `ヽ、
r '´ , r'´ , r' ´。 .r゚、 _r'´ `ヽ . ,ゝ゚。 ヽ `ヽ、 ヽ
, r' ,r'´ ,r ' \`¨''`¨'' ‐ ''¨´''''¨´/ ヽ `ヽ、 ヽ、
r' ,i' ,i' `¨'' ー---─ '''¨´ ヽ 'i ヽ
{ { { } } }
'i, i, i, ノ ノ 丿
ヽ .ヽ ヽ、 , r'´ ,r' ,r'
`ヽ、 `ヽ、 `''' ー- 、、,,,,,,,,,,,, _ ,,,,,,,、、 r '´ ,、r'´ , r '´
ほむら
「……」
(誰かが、戦っている?)
ほむら
(あれは――、マミとかずみ、それに杏子も。なんで、彼女たちがここに? どうやって?)
ほむら
(今、私嬉しいって、思ったのかしら。必死に戦っている姿を見て。
マミもかずみも杏子もボロボロなのに、私のために一生懸命になってる姿に、嬉しいって)
ほむら
(何様なんだって感じよね。でも、ううん。だからこそ、助けないと。これは私の戦いだから)
ほむら
「……」
(体が、動かない。今、こうして目を醒ますことが出来たのも奇跡的かしらね)
ほむら
(三人で戦っていても足りない。そうだ、あれじゃ一手足りないのよ)
ほむら
(一手、一手よ。そうよ、一手。動きなさい、私の体。取り戻すのよ、私から『私』のコントロールを!)
ほむら
(私から『私』の……。そもそも、あの『私』はなにがしたい?
不自然だ。魔女として完全に孵化したいのならばさっさと私を殺して取り込めばいいはず……)
ほむら
「……」
ほむら
(何か、何かが、『足りない』?)
ほむら
(集中して、集中、集中――)
ほむリリー
「話し合いは済んだかしら? もう終わりにしてもいい?」
ほむら
「……」
(――ッ! そっか、そうなんだね)
振り子斧が三人の眼前でピタリと静止した!
ほむリリー
「?」
「なるほど、おはよう。眠り姫様?」
ほむら
「お生憎。そうなるのはあなたの番よ」
マミ
「ほむらさん!」
杏子
「ったく、手間かけさせやがって」
かずみ
「心配した!心配したんだよ!」
ほむら
「全く、こんなところまで追いかけてくるなんて……」
ほむら
「ありがとう」
マミはほむらを抱きしめた!
ほむら
「ちょっと、いきなり何するの。ビックリするじゃない」
振り子斧が突如砕け散った!
かずみ
「ほむらもマミも、顔真っ赤だね!」
杏子
「茶化してる場合じゃねーぞ。敵さんはやる気になってるんだし」
ほむリリー
「うふふ、ウフフフ。それじゃあ、二回戦目と洒落こもうかしら?」
ほむら
「その必要は、ないわ」
ほむらは髪をかき上げる!
ほむリリー
「なにを、言っているのかしら? あなた達は私から逃げられないわよ」
ほむら
「あなたが何を言ってるのよ。私はあなたから、いいえ。私は『私』から逃げる必要なんてないわ」
ほむら
「そうでしょう、『私』?」
ほむリリー
「……」
「そうね。その通りよ、『私』。でもね、もう遅いわよ? 遅すぎたのよッ!」
ほむリリーの手に九又の鞭が握られた!
ほむら
「……」
「いいえ。私は、まだ私の目的を諦めていないもの。遅すぎる、そんなことありえないわ」
打ち振るわれた鞭が霧散する!
ほむら
「私は『私』、あなたは私。ならば、あなたの力を私が制御できない道理はないわ」
ほむリリー
「流石は、『私』ね。いいわ、持っていきなさい。あなたの反転を」
ほむら
「ありがとう。それから、私はもう一人じゃないのよ」
ほむらは手を差し伸べた!
ほむリリー
「……」
「応援してるわ」
ほむリリーは手を取った!
辺りが眩い輝きに包まれる!
投下ここまで
投下
どうでもいいけど長台詞は好きです
二十二日目、水曜日
~早朝~
ほむホーム
ほむら
「……」
「戻ってきたのよね」
ほむらが辺りを見渡すと、まどかたち五人が机を囲んで眠っている。
ほむら
「心配かけたかしら……。でも、心配してもらえるっていいものね」
まどかが突然、頭を上げた!
まどか
「心配する方は気が気じゃないんだよ! ほむらちゃん!」
ほむら
「!?」
「お、起きてたの?」
まどか
「たまたま、今起きたところだよ。そしたらほむらちゃんの独り言が都合よく聞こえちゃって」
ほむら
「……」
「そういう事にしておきましょうか」
まどか
「……」
「本当だよ! わたし、嘘ついてない」
ほむら
「そんな顔しないで」
まどか
「なんだか、ほむらちゃん少し優しくなった?」
ほむら
「どうなのかしら。でも、少しスッキリはしてるわね」
まどか
「そっか」
ほむら
「……」
「少し、外歩かない?」
まどか
「?」
「うん。あっ、そっか。みんなを起こしちゃ悪いもんね」
ほむら
「じゃあ、行きましょうか」
まどか
「うん!」
街―噴水前
ほむら
「何か、温かいものでも飲む?」
まどか
「うーん。一緒に買いにいこ?」
ほむら
「そうね。その方がいいかもしれないわね」
まどか
「ほむらちゃんは、どんなのをよく飲むの?」
ほむら
「そうねぇ、基本は珈琲かしら。お茶はあんまり飲まないわね」
まどか
「そっか、わたしはあんまり外で買ったりしないからよく分かんないや」
ほむら
「まどかのお父さんがなんでも作ってくれるのでしょう? 羨ましいわ」
まどか
「そうなの! パパの作ったものは何でもおいしいからお外で食べたり飲んだりすると何となく物足りなくって」
ほむら
「家族を大切にするっていう意味でも、魔法少女になんかならない方がいいわ」
まどか
「大丈夫! 少なくとも、今はそんな気は無いかな?」
ほむら
「そう、なら良かったわ」
まどか
「そうだ! 今度うちにご飯食べに来てよ! みんなで食べたらきっと楽しいもん!」
ほむら
「そうね、うん。ワルプルギスを倒したらお邪魔しようかしら」
まどか
「それなら、みんなで一緒に遊びにも行こうね!」
ほむら
「それもいいわね。どこがいいかしら。遊園地とか、水族館とか?」
まどか
「動物園もいいかも! それから、町でウィンドショッピングとかっ、夏になったら海行こうよ! 海! みんなで水着を着てスイカ割とかするの!」
ほむら
「それは、楽しそう。そのためにも、頑張らないと」
まどか
「そのために、何か私の手伝えることがあったら何でも言ってほしいな。わたしは戦えないけど、それ以外のことならなんだってしたいなって……」
ほむら
「……」
「それなら、一つお願いがあるの」
…
……
………
~朝~
ほむホーム
ほむらとまどかは帰ってきた!
ほむら
「そう言えば、みんなして私の家に泊まっているみたいだけれど、親御さんにはちゃんと言ってあるのよね?」
まどか
「うん、平気だよ。私もさやかちゃんも連絡いれてあるから」
ほむら
「ならよかったわ。家出だとか言って大事になったら大変だもの」
まどか
「みんなみんな、心配してくれるんだよ?」
ほむら
「……」
「幸せよね」
マミ
「二人とも! 急にいなくならないで頂戴! ちょっと慌てちゃったじゃない!」
さやか
「そうだぞ、まどかー。さっきまで、マミさんがオロオロしてて大変だったんだから」
杏子
「あんなマミを見るのは久しぶりで、アタシとしては面白かったけどな」
かずみ
「もう! 杏子はなんでそうやってすぐ茶化すの!? 自分だって渋い顔してたくせに」
杏子
「別にアタシは渋い顔なんかしてなかっただろ!? 大体、そんな気にするほど縁が深いわけじゃないし!」
マミ
「もうっ! とにかく、心配したんだから!」
ほむら
「えと、その、考えが至らなかったわ。ごめんなさい」
まどか
「わわっ、わたしもごめんなさい」
さやか・かずみ
「分かればよろしい!」
マミ
「あっ! 私の台詞っ!」
ほむら
「……」
「まどか、向こう側に行ってもらえる?」
まどか
「?」
「マミさんの隣でいいの?」
ほむら
「えぇ」
ほむら一人とまどかたちが向き合った!
ほむら
「ただいま。みんなのおかげで帰ってこれたわ。ありがとう」
ほむらは深々と頭を下げた!
みんな
「おかえり!」
杏子
「というかさ、今さら言うのもなんだけどさ、あんたら学校行かなくていいのか?」
ほむら
「どうしましょう。いっそ、さぼる?」
マミ
「駄目よ。確かにいろいろ疲れてるけど、それとこれとは話が別だわ」
まどか
「そうだよ! あわわ、急いで準備しないと!」
さやか
「まどかもマミさんも真面目だなぁ。あたしはサボる気まんまんだったのに」
まどか・マミ
「駄目!」
ほむら
「遅刻ラインまであと何分かしら?」
さやか
「多分、二十分ってところ!」
まどか
「わたし、さやかちゃんと同じスピードでなんか走れないよ! デットラインは十分後だよぉ!」
四人は慌ただしく用意を始めた!
かずみ
「学校ないと気楽でいいねー」
杏子
「全くだ」
…
……
………
~昼~
学校―教室
仁美
「今日はてっきり、来ないものかと思っていましたわ」
さやか
「いやぁ、あたしはそのつもりだったんだけどねぇ」
まどか
「学校サボるなんて、よくないってば、さやかちゃん!」
さやか
「うちの嫁がこういいなさるからさ、頑張って急いだわけよ」
仁美
「それに、暁美さんも。目が醒めたようで、何よりですわ」
ほむら
「……」
「知っていたのね」
仁美
「えぇ。事情は分かりませんでしたが」
ほむら
「心配かけてごめんなさい。それと、心配してくれてありがとう」
仁美
「あらっ、ふふふ。いえいえ、友達の心配をするのは当たり前ですわ」
ほむら
「……」
「なんだか、こそばゆい感じがするわ」
まどか
「ほむらちゃん、もしかして照れてる?」
仁美
「顔も若干ながら赤くなっていますし、これは照れてますわね」
ほむら
「て、照れてなんかいないわ」
さやか
「転校生ってさ、なまじ肌が白くてきれいだからこういう時ごまかしきかないよね」
ほむら
「!」
「美樹さやかッ! あなたまでそういう事を!」
まどか
「ほむらちゃんってもしかして、褒められ慣れてない?」
ほむら
「むしろ、慣れてる方がおかしいわよ」
仁美
「さやかさん、とってもかわいいですわ。Very cute!」
さやか
「あはは、まぁそれほどでもあるっちゃ、あるけどー!」
まどか
「さやかちゃんカッコいいっ! よっ、乙女前!」
さやか
「いやぁ、本当のこと言われると、照れるなぁ」
ほむら
「これはむしろ、褒められてるというよりおだてられてるような?」
仁美
「細かいことを気にしてはいけませんわ」
まどか
「わたしもそう思うかな」
ほむら
「……」
「そういう事にしておきましょうか」
さやか
「あれ?あたし、遊ばれてた?というか、早くお昼食べよう?」
まどか
「うん、お昼食べよっか」
…
……
………
~放課後~
仁美
「それでは、私は習い事があるので」
まどか
「うん、また明日ね」
さやか
「よっ、お嬢様ッ! いつも大変だね」
ほむら
「えぇ明日また」
仁美は一人で帰路についた!
さやか
「さてと。まどか、転校生、この後少し時間いいかな?あたしから話があるんだけど……」
ほむら
「……」
「それは、巴さんも一緒の方がいいんじゃないの?」
さやか
「マミさんは……、本当はそうだけど。でも……」
ほむら
「そう思っているのならちょうどいいわ。今来たわよ」
マミ
「あら、お揃いね! 帰るのなら私もご一緒していいかしら?」
ほむら
「えぇ。丁度、美樹さんから大事な話があるみたいだから待ってたのよ」
マミ
「……」
「そう、決めたのね。それじゃあ、聞きましょうか」
…
……
………
街―ファーストフード店
ほむら
「それじゃあ、結論を聞かせてもらえるかしら」
さやか
「……」
さやかは一度深呼吸をした!
さやか
「あたし、魔法少女になる。
例え石ころに変えられたっていい、それでもう一度恭介のヴァイオリンを聞けるのなら、きっと後悔なんてしないと思う」
マミ
「美樹さん、そうじゃないのよ。そんな考え方じゃ絶対に――、」
ほむらがマミの言葉を遮った!
ほむら
「なにをどう考えようがあなたの勝手だけれど、これだけは言っておくわ」
ほむら
「どんなことになっても、あなたは必ず後悔するし、こんな願いなんて叶えなければよかったと思うでしょうね」
さやか
「!!」
「あんた、なんでそうやってっ!」
ほむら
「だって、当然のことだもの。当たり前に想像力が足りていないのよ。あなたは」
さやか
「だからって、そんな言い方無いだろ!」
ほむら
「別に、あなたの覚悟を否定するつもりはないわよ。さやか、あなたがそう決めたのならば好きにすればいい」
マミ
「ほむらさんッ!」
ほむら
「ただ、一つだけ誓ってほしい。本当の自分の気持ちに気づいて後悔してもいいし、憂鬱になってもいい。
最悪八つ当たりされたって私は構わないわ」
さやか
「あんた、何を?」
ほむら
「ただ一つ、ただ一つだけ。絶対に絶望に飲み込まれるような真似だけはしないで頂戴。
自棄になって命と希望を投げ捨てるようなことだけは、しないで」
まどか
「ほむらちゃん……」
ほむらとさやかの視線がかち合う!
さやか
「……」
「わかったよ、約束する。少なくともそこまでになる前にあんたに八つ当たりしに行くことにするよ」
ほむら
「うっとおしいけど、付き合ってあげるわ。ただし、手加減はしてあげないわよ」
さやか
「じゃあ、あたし行くね。願いを叶えに、さ」
まどか
「さやかちゃん? 私も一緒に行こうか?」
さやか
「気恥ずかしいから一人の方がいいかな」
まどか
「そっか、そうだよね」
さやか
「ごめんね、まどか。それと、マミさんとそれから、転、ほむら。ありがとう」
ほむら
「まさか、あなたにお礼を言われるとは思わなかったわ。それに、私は自分の言いたいこと言っただけよ」
さやかは一人、病院へ向かった!
ほむら
「さてと、それじゃあ私たちも行きましょう?」
マミ
「……」
「待って、ほむらさん。私、聞きたいことが沢山あるの。その、あなたの結界内で見た記憶とか、その、そういう事で……」
ほむら
「えぇ、私も丁度そのことについて話したいと思っていたの。というかあなたも一緒に来るんでしょう?」
まどか
「えぇと、ほむらちゃん?そういう事はちゃんと伝えないと……」
ほむら
「?」
「!」
「うっかりしてたわ。その、巴さんこれから話があるのでまた家に来てください」
マミ
「是非!」
…
……
………
ほむホーム
ほむら
「ただいま」
かずみ
「あっ、おっかえりー。待ってたんだよー!」
杏子
「ったく、放課後に買い食いとは感心しないね」
マミ
「お邪魔するわね。っというか、そういう事を佐倉さんに言われてもねぇ。なんたって、不良少女なわけだし?」
まどか
「お邪魔します! でも、マミさん違いますよ! 杏子ちゃんは不良少女じゃないです。不良っぽい少女ですよ」
マミ
「あら、そう言えばそうね。あくまで、不良っぽい少女よねぇ」
杏子
「アンタらアタシに喧嘩でも売ってんのか? アタシは不良少女でも不良っぽい少女でもないっつーの」
ほむら
「じゃあ、何少女なのかしら?」
杏子
「あ? そんなの決まってるだろ、魔法少女だよ、魔法少女」
かずみ
「えぇ、放蕩少女じゃなくって?」
杏子
「ったく、あんたもか!」
ほむら
「とまあぁ、からかうのはこのくらいにして、私から話があるのよ」
ほむら
「私自身のことなんだけど、聞いてもらえるかしら?」
杏子
「そんなに話したいなら、聞いてやらんこともないよ」
かずみ
「ほむらのこと、知りたい!」
マミ
「私は、それを聞くために一緒に来たのよ?」
まどかは無言でうなずいた!
ほむら
「少し、長い話になるんだけど、――――、」
ほむら
「心臓病の治療の経過を見ながら診察を続けるためにこの街にやってきた私は、運動もダメ、勉強もダメで劣等感に苛まれていたの。
それはもう、きっと傍から見て分かるほどに。鬱屈な気持ちで、登下校を繰り返す日々。
今日もダメだった、きっと明日もダメなのだろう。もう、いっそ死んでしまった方が楽なんじゃないか。
そんなことを考えていると、おや、どこからか声が聞こえてきてしまった。『死んじゃったほうがいいよね』と。気づけば目の前には魔女がいたわ。
大きな魔女、得体のしれない異空間で死を待つばかりの私。
そのときに二人の不思議な人が現れたの。
それは、私の恩人で、師匠で、たった一人の友達で。助けてもらった私はその人たちと少しだけ仲良くなって、救われたわ。
生きててもいいのかなって、そう思える位には。
だけれど、それも長くは続かなかった。来てしまったのよ。ワルプルギスの夜が。
二人は、果敢にワルプルギスに立ち向かって、それで街を半壊の被害に抑えて撃退に成功したの。
その二つの命と引き換えに。だから、私はその時に願った。『あの子に守られる私じゃなく、あの子を守る私になりたい』と。
そして、気がついたときには私は病室のベットで眠っていた。カレンダーを確認してみても、電波時計を確認してみても丁度一ヵ月前の日付に戻っていたわ。
私は自分の祈りによって時間を巻き戻した、そうとしか考えられなかったわ。
そして、私は再び二人に会うことが出来た。もう会えないのかと思っていたからその時は凄く、凄くうれしかったのよ。
それはもう、舞い上がっていたわね。それで、今度は三人で力を合わせてワルプルギスの夜を倒そうと思った。
そして、その思いの通りに何とか私ともう一人は生きてワルプルギスを退けることが出来たの。
だけれどね、そこで一つの秘密が明るみに出てしまったのよ。
みんなも知っているでしょう?『魔法少女は魔女になる』、それで私は気づいたの。キュゥべえにみんなが騙されているって。
僅かに残った魔力で私は時間を巻き戻したわ。それで、魔法少女の二人にそれを伝えた。
でも、その時には街に四人の魔法少女が居たの。私にとって大事な二人と、余所から来た魔法少女と私と同じ新米魔法少女。
私としてみればそれなりな付き合いがあったのだけれど、相手からしたら出会って二週間くらいの相手に『そんなこと』を言われても疑心暗鬼になるしかないわよね。
それで、起きてしまったのよ、悲劇が。私に戦い方を押してくれた師匠のような存在の魔法少女が、真実を知って暴走してしまった。
それで、それを止めるためにもう一人の子がその人のソウルジェムを砕いた。
そこからはもう転がるようにワルプルギスまで時間が過ぎた。
何とかワルプルギスを倒しても、残った大切な子は魔力が尽きて魔女化寸前。
私も魔女化寸前。全部を壊してしまおうかなんて覚悟を決めたときに、彼女は一つだけ残ったグリーフシードで私のソウルジェムを浄化してくれたの。
『キュゥべえに騙される前の私を助けてあげてくれないかな』って、私に後を託して。それで、その子が魔女になる前に私はその子のソウルジェムを砕いたわ。
それが初めての魔法少女殺し。
そのあとはどうにか破滅の未来を変えようと必死に足掻いたわ。
誰かを切り捨て、誰かを見捨てて、この手を血で染め、ただその子を救う。それだけに必死になった。
でも、何度やっても願いは叶わなかった。
何度かイレギュラーな世界に辿り着いたこともあったけれど、私の願いを叶えるほどのイレギュラーは起ってはくれなかった。
そうやって、辿り着いたのがここなの」
ほむら
「だから、お願い。誰も死なずに、魔女化もせずに、誰一人欠けることなく私と一緒に勝ち残ってッ!」
投下ここまで
長台詞好きなんです
さて、更新ですこと
二十四日目、金曜日
~夜~
ほむホーム
ほむら
「……」
「よし、これで全部ね。一、二、三、四。うん、ちゃんとあるわ」
ほむら
「さ、もう寝ましょう」
二十五日目、土曜日
~放課後~
街―河原
ほむら
「確か、この辺だって言ってたわよね」
ほむらは辺りを見回した!
ほむら
「あの黒いアホ毛は――、」
かずみ
「あっ、ほむら! 来たんだね!」
ほむら
「えぇ、それで二人はどんな感じ?」
かずみ
「あんな感じだよ」
杏子
「ほらっほらァッ、どうした? そんなんじゃハエも殺せやしないよ!」
さやか
「ッ! んなの、わっかんないでしょう!!」
杏子
「だっから、言ってんだろーが。不用意に踏み込みすぎなんだよッ!」
杏子の槍の石突が真下からさやかの顎を捉えた!
さやか
「★☆★☆★☆~ッ! ※※※☆★ッッ!」
杏子
「ほら、ぼさっとしてんな。さっさと起きな、続けんぞ」
さやか
「んッ、こんのぉ、これなら、どぉだぁ!!」
倒れた姿勢から低い姿勢で一気に杏子へとさやかが詰め寄る!
杏子
「そぉら、左だよッ」
杏子の多節根がさやかの右頬を正確に薙ぎ払った!
杏子
「だから、視野が狭いって何度も言ってるだろ? アタシらがこれから戦うのは超ド級の魔女だよ?
そんな、意識の甘さじゃ開始十秒でお陀仏だって言ってるだろ」
さやか
「ほ、ほんなほと、いったって、なかなかコツが掴めないんだってば」
杏子
「んまぁ、取りあえず回復魔法の練度は上がってきてるみたいで何よりだよ」
さやか
「あんたに何度も伸されたおかげでね。って、ほむら来てたんだね」
杏子
「ん?あぁ、いたのか。よぉ」
ほむら
「えぇ、ちょっと見学してたわ。にしても、才能ないわね。私よりはマシそうだけれど」
さやか
「なにそれ、皮肉?はぁ、なんでこんな子に育ったのかしら。お母さん嫌になっちゃうわ」
杏子
「おいおい、あんまり褒めると調子に乗るから勘弁してくれよ」
ほむら
「あなたたち、勘違いしてないかしら? 私って弱いわよ。燃費もいい方じゃないし」
かずみ
「使ってる武器も本物の火器だもんね」
ほむら
「えぇ、魔法で武器を作る余力がないのよ」
さやか
「ぇ? それって、え? えぇ?」
ほむら
「だから、頑張れば私よりもあなたの方がずっと強くなるはずよ? まぁ時間はかかるでしょうけれどね」
杏子
「それで、なんか用があるんだろ? さっさといいなよ」
ほむら
「対ワルプルギス用の資料を持ってきたのよ。これが、あなた達二人の分。こっちのがかずみの分ね」
ほむらは二人と一人に資料を渡した!
かずみ
「あれ? 私のは二人のとは違うの?」
ほむら
「えぇ、杏子に渡したのは主に接近用の資料よ。
ワルプルギスに近づいたときに気を付けないといけない使い魔と対処法に、本体の挙動の癖だとか、そう言うのを重点的にまとめてあるわ。
あなたに渡したのは攻撃性の高い使い魔と、本体の遠距離攻撃についてに重点を置いているわ」
さやか
「うへぇ、こんなに頭に入りきるかな?」
ほむら
「……」
「大丈夫よ、期待してない」
さやか
「酷い!」
杏子
「こっちは、アタシが担当するさ。あんたはまず足手まといにならない戦力を身に着けることが先決だろ?」
さやか
「うぅ、反論できない」
ほむら
「頼んだわよ、杏子」
杏子
「両立しないといけないのが先輩の辛いところだね。まっ、アタシにかかればその程度なんてことはないさ」
ほむら
「流石、心強いわね。それじゃ、私はまだ用事が残ってるから。そろそろ行くわね」
かずみ
「んじゃーね!」
ほむらは三人に背を向けて歩いていく!
杏子
「ほら、ボサッとしてないで続きやるぞ」
さやか
「今度こそ鼻を明かしてやる!」
かずみ
「がんばれー!」
…
……
………
街―噴水前
まどかは噴水を見つめている!
ほむら
「?」
「あら、どうしたの?」
まどか
「っ、ほむらちゃん。ううん、何でもないの」
ほむら
「……」
「そう、なのね。何かあるのならいつでも言ってくれて構わないから」
まどか
「!?」
「本当に、何でもないってば。それより、ほむらちゃんはどうしてこんなところに?」
ほむら
「これから巴さんに資料を渡しに行くところなの。そうだ、もし良かったら一緒に行かない?」
まどか
「うーん。邪魔じゃない?」
ほむら
「?」
「問題ないと思うけれど?」
まどか
「うん、じゃあわたしも一緒に行こうかな」
ほむら
「じゃっ、急ぎましょう? あまり遅くになると魔女退治に被ってしまうわ」
まどか
「そっか、さやかちゃんは杏子ちゃんとかずみちゃんに特訓つけてもらってるんだもんね。そうなるとマミさんとほむらちゃんが魔女探し担当?」
ほむら
「私は今ワルプルギス対策で手が回らないから巴さんに丸投げしてしまってるのよ。
だからそのお礼も兼ねてケーキでも買っていこうかと、思うのだけど……」
まどか
「!」
「それじゃあ、わたしいいお店知ってるから案内するね!」
ほむら
「うん、ありがとう。お願いするわ」
…
……
………
マミ'sルーム
マミの部屋にインターフォンの音が響く!
マミ
「はーい。今行きまーす」
マミは扉を開いた!
ほむら・まどか
「こんばんわ」
マミ
「あら、いらっしゃい」
ほむら
「ワルプルギス用の資料が整ったから持ってきたの。あとそれから……、」
マミ
「ありがとう、取りあえずあがって?」
まどか
「おまじゃしまーす」
ほむら
「失礼するわ」
マミ
「適当に座っていて、お茶入れてくるわね」
まどか
「わーい。楽しみー」
ほむら
「あっ、巴さん。お土産があるんですよ。これ、ケーキなんですけど」
マミ
「?」
「あら、ありがとう。でも、なんで今ケーキ?」
ほむら
「いえ、その。いつものお礼も兼ねて、魔女狩りも結構任せっぱなしにしてしまってるし……」
マミ
「気にしないでいいのに。どうせちょっと前までやっていたことと変わらないし。それよりほら、そろそろお茶が出来るから、ね?」
ほむら
(追い返されてしまった)
まどか
「お話出来た?」
ほむら
「ペ、ペースが、ペースが掴めないわ」
まどか
「あはは、それでお礼は言えた?」
ほむら
「まぁ、何とか……」
マミ
「お待たせー。紅茶と、それから持ってきてくれたケーキ」
まどか
「ありがとうございます」
ほむら
「ありがとう。それで、取りあえず先にこれを渡して置くわ」
ほむらは鞄から資料を取り出した!
マミ
「あら、これは……」
マミはペラペラと資料をめくる!
マミ
「うん、ありがとう。参考にするわね」
まどか
「♪」
「おいしそー、いただきます!」
ほむら
「……、いただきます」
マミ
「♪」
「どうぞ、召し上がれ」
ほむら
「……」
(おいしい。またこの人とこうやって話が出来るようになったんだなぁ)
まどか
「ほむらちゃん? どうかしたの?」
ほむら
「ううん。なんでもないわ」
マミ
「本当に? 何かあるなら遠慮しないで欲しいわ。それとも、いいにくい?」
ほむら
「いえ、その、少しほっとしただけだけなんです。だから、まどかも巴さんも気にしないで」
マミは頬を膨らませた!
マミ
「ほむらさんって、鹿目さんのことは名前で呼ぶのよね?」
ほむら
「?」
「そ、それが?」
マミ
「じゃあ、美樹さんは?」
ほむら
「……」
「さやか」
マミ
「佐倉さん」
ほむら
「杏子」
まどかはスプーンを滞りなく口へと運んでいる!
マミ
「かずみさん」
ほむら
「かずみ」
マミ
「じゃあ、私は?」
ほむら
「巴さん」
マミは再度頬を膨らませた!
マミ
「わたしだけ苗字にさん付けなんて、なんだか距離を感じるわ!」
ほむら
「……」
「巴先輩?」
まどか
「新鮮!」
マミ
「そうじゃなくって!」
ほむら
「それじゃ……、マミ先輩ッ!」
まどか
「なんか、杏子ちゃんっぽい!」
マミ
「ちょっと似てたわね。じゃなくて、もう少し気さくな感じで!」
ほむら
「わがままね。ま、マミさん」
マミ
「そうね、その辺りで妥協するわ。本当は、もう一歩ってところだけれど」
ほむら
「巴マミ、あまり調子に乗らないで頂戴。私があなたのことを何と呼ぼうと私の勝手でしょう?」
ほむらは髪をなびかせる!
まどかは思わず吹き出してしまった!
まどか
「ケホッ、コホッ、ケホケホ。きゅ、急にそんな格好つけてないでよほむらちゃん。お茶が喉に、エホッエホッ」
ほむら
「あぁ、まどか大丈夫? 背中さするわね」
マミ
「決まらないわねぇ。そうだほむらさん、今日の魔女狩りは一緒に行かないかしら?」
ほむら
「そうしたいところだけれど、ワルプルギスの対策をいろいろと詰めたいんです」
マミ
「言い方はあれだけど、気分転換も必要じゃないかしら?」
まどか
「あ、ありがとう。ほむらちゃん、もう落ち着いたよ」
ほむら
「そう?よかったわ。それと、気分転換なら今させてもらってるから……」
マミ
「あら? そうだったの」
ほむら
「えぇ、あなた達の顔見たらまたやる気になってきたから」
まどかとマミは照れている!
ほむら
「?」
「それじゃあ、そろそろ家に戻ることにするわね。まどかはどうするの? 帰るのなら送っていくわよ?」
まどか
「……」
「わたしは、もう少しいてもいいですか?」
マミ
「全然いいわよ? 何なら泊まっていく?」
まどか
「魅力的ー。でも、今日はうん。ちゃんとお家に帰ります。それじゃあ、そういう事だからバイバイね、ほむらちゃん」
ほむら
「えぇ、また明日。マミさんも、また明日」
マミ
「うふふ、またね」
小休止
再開
二十六日目、日曜日
~夕方~
街―噴水前
マミ
「美樹さんはどんな感じ? 順調? それとも、いまいち?」
杏子
「筋は悪くないんじゃねーの? ただ、アイツどうも馬鹿っぽい。冷静な視点ってのがあんまりにも欠けすぎてる、アタシはそう思うよ」
マミ
「そう。でも、私や貴女よりはよっぽど健全なのかもしれないわよ」
杏子
「健全だろーが不健全だろーが、最終的に生き残ったやつが勝ちだと思うね」
マミ
「そうかしら? 誇りに準じて願いに即して、そして何より格好よく死ねたらそれはそれで勝ちだと思わない?」
杏子
「惨めで、憐れで、泥をすすっても、それでも生きてりゃ、勝ちだと思うね。
だけど、死んじまったら全部が無になっちまう。
例えそれで誇りを守れても自分を守れないんじゃ、無駄だよ。無駄死にだ。そんなのはやっぱり負けと一緒さ」
マミ
「あら、平行線ね」
杏子
「あぁ、平行線さ。でも平行線でもいいじゃん。
だってずっとそばにいられるだろ。少なくとも交差して、遠ざかるよりはよっぽどいいよ」
マミ
「……」
杏子
「だからさ、きっとアタシらはもう交差することは出来ないと思うんだ。
だけど、つかず離れずの場所にはきっと立ってる。だからさ、背中は預けられなくても隣くらいにはいてもいいか?」
マミ
「そうねぇ、まあ、偶にならいいわよ。
たまには一緒に魔女を倒して、たまには一緒にご飯を食べて、たまには一緒に遊びに行く。そんな風な平行線な関係なら」
杏子
「ありがとう、十分だよ。平行線としては十分すぎるくらいさ」
マミ
「それじゃあ、当てにしてるわね。あと、そうね、うん。また、前を向いてくれて、ありがとう。かしらね?」
杏子
「アタシこそ、いつまでもそこにいてくれてありがとう、だろうな」
マミ・杏子
「じゃっ、また」
二十七日目、月曜日
…
……
………
二十八日目、火曜日
…
……
………
二十九日目、水曜日
…
……
………
三十日目、木曜日
~早朝~
『大雨特別警報、暴風特別警報が、発令されています。
住人の皆さまは直ちに避難してください。繰り返します、大雨暴風特別警報が発令されています――』
ほむホーム
ほむらは無言でドアを開いた。
ほむら
「どうせいるのでしょう? 出てきなさいインキュベーター」
フワリ、とキュゥべえが現れた!
キュゥべえ
「行くのかい?」
ほむら
「そのための準備、そのための作戦、よ」
キュゥべえ
「例え負けるとわかっていても、かい?」
ほむら
「愚問ね。コンマ以下の可能性を掴み取るための準備と作戦なのよ」
キュゥべえ
「ふうん、そうかい。それは楽しみだ」
ほむら
「ついてらっしゃい、特等席で見せてあげるわ」
ほむらはキュゥべえを踏みつけた!
…
……
………
~朝~
街
ほむら
「私が最後だったみたいね」
さやか
「ったく、遅いっての。やる気あんの?」
ほむら
「しょっちゅう空回りしてる人になんか言われたくないわね」
杏子
「ヤレヤレ、足振るわせて強がってる奴なんて、真面目に相手をするだけ損だぞ?」
さやか
「なにおう?」
杏子
「はぁ、これだからボンクラだっていうんだよ。せめて吠えるならもう少したってからにしてくれよな」
マミ
「はいはい、そのくらいにしておきましょうか。緊張してるのは分かるけど、そんなに堅くなってちゃ、十全に実力が出せないわよ?」
かずみ
「さぁ! 気を引き締めてこー!」
ほむら
「ほんと、頼もしいわね。あなたたち」
空間に纏わりつくような魔力が侵食する!
ほむら
「!」
「来るッ!」
5
煙と共に舞台の幕が開かれた!
杏子
「おいおい、マジかよ。いいねぇ、骨がありそうでなァ!」
4
壇上から使い魔たちが踊りだした!
かずみ
「このビリビリする感覚ッ! ヒュアデス以上の本物の化け物ッ!」
3
使い魔たちの後方に霞がかった巨体が姿を現した!
さやか
「――ッ!」
さやかは無言で剣を強く握りしめる!
2
こまごまとした使い魔を押しつぶしてワルプルギスの夜が姿を現す!
マミ
「見せ場の大一番に相応しいわね。手加減は、なしよッ!」
1
暴風が全てをひっくり返した!
ワルプルギスの夜が現れた!
…
……
………
火柱が辺り一面を焼き尽くす!
…
……
………
怒涛の使い魔たちがほむらたちを踏み潰した!
…
……
………
竜巻が全てをめくり上げる!
…
……
………
無数の閃光が障壁を貫通する!
…
……
………
煌めく白刃がほむらたちを切り刻んだ!
…
……
………
膨大な魔力の奔流が辺り一帯を押し流す!
…
……
………
ビルが礫のように周囲を制圧する!
…
……
………
ワルプルギスの体がひっくり返る!
…
……
………
魔力が流星となって襲いかかる!
…
……
………
暴風がアスファルトをめくり上げた!
ほむらの体力が0になった!
マミの体力が0になった!
かずみの体力が0になった!
さやかの体力が0になった!
杏子の体力が0になった!
…
……
………
街―廃墟東
さやか
「……」
杏子
「……」
「一応、生きてはいる、か。ほかの奴らは、どうなった?
くそっ、足が潰れちまってる、余計な魔法力は使いたくないってのに、やっぱさやかの奴をたたき起こすか?」
街―廃墟西
マミ
「……」
かずみ
「マミッ! 落ち着いてってば! 一度体制を立て直すよ!」
マミ
「落ち着くのはあなたの方よ。もうそんな段はとっくに過ぎてしまってるわ。
今はただ、戦うしかない。例えジリ貧だとしても」
かずみ
「だったら、余計に冷静にならないと! 撤退戦っていうのが一番神経を使うんだから」
マミ
「……」
「そうね、覚悟はいいかしら?」
かずみ
「野暮なこと聞かないでよっ!」
…
……
………
街―避難所
まどか
「ねぇ、キュゥべえ。ほむらちゃんたちは……、」
キュゥべえ
「芳しくない状況のようだね。はっきり言って絶望的だ」
まどか
「……」
キュゥべえ
「いいのかい?君が願えば状況は変えられる、全てを救うことが出るかもしれないよ?」
まどか
「っ、あなたはさ、力があるのに闘わないことは愚かだと思う?」
キュゥべえ
「愚かとは言わないよ。だけど、それじゃあその力はなんのためにあるんだろうね」
まどか
「……」
「そうだね。分かった、わたしを、ううん。私をみんなのところに連れて行って!」
キュゥべえ
「君にはその権利がありそうだ」
まどかは避難所の扉に手をかけた!
仁美
「まどかさん? ご両親が探しておいでですわよ?」
まどか
「仁美ちゃん。私ね、これから行くところがあるの。ううん、行かないといけないの」
仁美
「危険ですわ。外は大嵐ですのよ」
まどか
「それでも、今ここで逃げちゃいけないから」
まどかと仁美の視線が交錯する!
仁美
「一人で突っ走ってるときのさやかさんよりもひどい目をしてらっしゃいますわよ?」
まどか
「ごめんね?」
仁美
「ちゃんと、戻ってきてくださいね」
まどか
「うん。約束」
…
……
………
廃墟―中央
ほむら
「強い、思った以上だわ。本当に、自分の甘さを確認させられるッ!」
キュゥべえ
「いいや、暁美ほむら。まさか君が、君たちがここまでやるとは正直想定外だったよ。
だけれど、ここまでのようだね。流石にあれは避けられないだろう。僕もろとも直撃コースだよ」
ほむら
「……」
「いいえ、避ける必要なんてないわよ。だって――、」
直撃するはずだったビルが軌道を変えてほむらたちを避けた!
キュゥべえ
「!」
「まさか、ほむら君はッ!」
ほむらを中心に巨大な結界が組み上がる!
ほむら
「そうよ、まさにお前の思っている通りよ!」
キュゥべえ
「ソウルジェムの濁りを制御したっていうのかい? 魂と直結した±の極点を!」
ほむら
「そんな難しいことが出来るわけないじゃない。私がしたのは、ただ、受け入れた、それだけよ。
自意識を、欲望を、祈りを、願いを、無力感を、忌諱を、憎悪を、絶望を、そして何よりも、欲した希望を」
キュゥべえ
「だとしても、こんなことをしたら君が持たない。それでいいのかい? 僕たちとしては願ったり叶ったりではあるけどね」
ほむら
「なにを言っているのかしら、あなたも一緒よ?」
黒く染まりきったソウルジェムに無数の亀裂が走る!
ほむらを中心とした巨大な魔女結界がワルプルギスを飲み込んだ!
雲が千切れて、青空が広がった!
…
……
………
そして、
マミ
「……」
「?」
かずみ
「……」
「もしかして……、でもそれじゃあ――、」
杏子
「?」
さやか
「?」
「ほむらは?」
足音と共に桃色の頭がひょっこりと姿を見せる!
まどか
「はぁ、はぁ、はぁ。ほむら、ちゃん?」
さやか
「まどか! 避難所にいないと、ダメじゃん!」
まどか
「みんなは、勝ったの?」
マミ
「……」
杏子
「わっかんねぇ。こっちが聞きたいくらいだよ」
キュゥべえ
「どうやら、ワルプルギスの夜を排除することには成功したみたいだね」
かずみ
「それで、ほむらはどうなったの!?」
キュゥべえ
「ほむらがどうなったのかは僕にも分からない。何せ同行していた個体とのリンクが強制遮断されてしまったからね」
さやか
「……」
かずみ
「それじゃあ、やっぱり」
マミ
「心当たりがあるのかしら?」
かずみ
「ないことも、ないけど。でも、」
キュゥべえ
「君はこう考えているんじゃないかい。暁美ほむらが魔女になってワルプルギスを結界の中に引きずりこんだんじゃないか、と」
かずみ
「……」
杏子
「なんつう、無茶苦茶な」
キュゥべえ
「でも、それだと不可解な点が残るんだ。
いくら彼女の魔女が強大な力を持っていたとしてもワルプルギスがその結界を破れないなんてことはありえない筈だ」
マミ
「まさか、かずみさんと同じように魔女の力を?」
さやか
「?」
かずみ
「でもそれなら、余計に……」
杏子
「つーか、どっちにしろ魔女の痕跡がきれいに消えてるんじゃ、探しようがないだろ」
マミ
「……」
キュゥべえ
「そうでもないよ。ねぇ、まどか。君は暁美ほむらを救いたいとは思わないかい?」
まどか
「私には……、私には。出来ない……」
まどかは膝をついて涙を流す。
まどか
「約束、したんです。信じるって、結果が出るまでは希望を捨てないって」
キュゥべえ
「暁美ほむらは消えた。実証としては十分じゃないかな?」
まどか
「きっと、ほむらちゃんはまだ闘ってる。
ほむらちゃんが負けたって言い逃れが出来なくなるまでは、信じて待っていてって頼まれたんです。
それが、私の希望になるからって……」
マミ
「つまり、ほむらさんの結界を破ってワルプルギスの夜が次に現れるまで……」
さやか
「それって、いつ?」
まどか
「……、」
キュゥべえ
「予兆が出てから、ならば大体二週間ほどになるね」
杏子
「予兆が出るまでは一切感知できないってことだな」
キュゥべえ
「そうなるね」
まどか
「そんな、こんなのって、ないよ」
かずみ
「ほむら、ちょっと残酷すぎるよ。その優しさは、さ」
百日目
まどかの手記
戦いの爪痕となる瓦礫の山の撤去作業の見通しがようやくと立ったみたいでした。
これからも長い時間をかけてこの見滝原は復旧していくのでしょう。
私も、ようやくと始まった学校に通っています。
ついに日常が帰って来た。そんな感じがしました。
だけれど、その日常には一つだけピースが足りません。
マミさんも、やっと落ち着いてきたみたいです。杏子ちゃんとはちゃんと仲直りできたみたいでよく一緒に出掛けているみたいです。
かずみちゃんも時々遊びに来ます。
さやかちゃんと仁美ちゃんは私のことをよく気にかけてくれているみたいで、時々怖くなっちゃいます。
足りないものは、あなたですよほむらちゃん。
だから、待ってるよ。
end......
r― 、
ヾ ヽ ヽ _ ――-、
ノ } l r'::-::、ヽ \_,.ィ,
/ / / '"⌒ヾ:;{ / ミ´''ヾ''ミ、
ミ / 彡 ` | ミ:i; ミ ヘ ミ
ヾ、/ 彡 r 、 ヾ } キ {
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γ; ミ:キ: r' 、ヾ ` | l |
ミ::i{ ノ /⌒ヾリ / /' /
キ ` _,.) / / シ |
γi ミ;:/; { / / ミ;l{
ミ/:ミ r 、_,./ }/メ / ヾ-'" ノ/;
/^゙ ゞーメ γ; i{;ミ {:'シ
;i;ミ \_,.ィ ヾ}
\ ` ヽ /' ミ::、::彡 |
ミ:ヾ;. ミ;キ ミ::ヾ:::ヾ i:ミ
ヾリ }:|; }::::l:::::キ |l:{ `
ヽ ヾリ ` ,ノ::;/::::::{ ヾリ
| r';:i /::/::::::シ
r'、::゙\ ィ|、_ |;l〈 /::/::::::/ r -、 γ,
}:::\::::\ ミ::::l:::::ミ ` ミキ彡 ゙'ー-‐ ' ヾ, ヘ | l{
ヾ::::\::::\ ,.彡:::/::::メ | } l | ミキミ
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`ー--‐"
???
ほむら
「便利なものね。これなら永遠に戦い続けられる気がするわ」
キュゥべえ
「今の君はなんなんだい。魔女でも魔法少女でもない存在。いや、魔女と魔法少女の中間点ともいえる存在だ」
ほむら
「そんなもの、どうだっていいわ。だけど、そうね、しいて言うのならば、ホムンクルス、とでもなるんじゃないかしらね」
the end
完結です
読んでいただいた方々、長いことありがとうございました
エピローグはあるのかしら?
乙!
乙
おりキリ助かっていたら、また違った結末になったのかな?
このSSまとめへのコメント
良いんだけど、最後だけわからない
ホムンクルス??まさか、ほむンクルス!?