玄「私を使って練習してもいいのですよ?」(285)
東京。菫さんの借りているマンションの一室。
玄「弘世さん。お待ちどう様なのです」こと
菫「有り難う妹さん。でも申し訳なかったな…急に呼びだしたりして」
玄「いいのですよ。お姉ちゃんの彼女さんは私にとってもお義姉ちゃんみたいなものですから。それより冷めちゃうから早く食べてほしいのです」
菫「そうか……それじゃあ遠慮なくいただきます」ぱく…もぐもぐ
玄「どうですか?」どきどき
菫「うん。美味しい!妹さんは料理上手なんだな」
玄「えへへ…有り難うなのです……これでも奈良に居た頃は、専ら家事は私がやってたんですよ」
菫「そうか…はは、その様子だと妹さんも東京(こっち)の生活に慣れてきたみたいだな」
玄「はい。お陰さまで。大学でも同じ部のお友達も出来ましたし。それにこっちに来てから、弘世さんも色々と良くしてくれますし……/////」
菫「ふふ…そうか。でもその割には私の事は相変わらず『弘世』って呼ぶのだな」
玄「御免なさい…まだ…何処かちょっとだけ気恥ずかしいのです……」もじもじ
菫「いや…いいんだよ。変な事を聞いて済まなかった」
菫「それに私も『妹さん』なんて他人行儀に呼んでいるしな。まぁ私の事は好きな様に呼んでくれればいい」
玄「相変わらず…優しいんですね……」ぽぉ
菫「そんな事はないよ」はは
玄「一ついいですか?」
菫「……ああ」
玄「弘世さんはお姉ちゃんと同じ大学で、同じ麻雀部ですよね?」
菫「ああ…」
玄「そのお姉ちゃんは麻雀部の合宿に出掛けたのに、どうして弘世さんは行かなかったのですか?見たところ病気とかじゃなさそうですし……」
菫「……それは…だな…………」
菫<言えない…アレが原因で痴話喧嘩になって……それで気まずくなった上に、意地になって合宿に行くのを止めた…だなんて口が裂けても言えやしないよ……>うう…
玄「まぁ中々言い辛い事もあるでしょうから、これ以上は訊かないです」
菫「済まない…助かる……」ほっ
菫<アレ?ナンで私は謝っているんだ……?>
玄「では。質問を変えます。どうして私を呼んだのですか?」
菫「えっ……?」ぎくっ
玄「もしかしてお姉ちゃんよりも私に逢いたくなっちゃったのですか?////」
菫「う……それは……」ぎくり
玄「ふふ」にこにこ
菫<またしても言えない…宥と逢えなくて一人でいる寂しさを紛わす為に……宥の代りに妹さんを呼んだ。だなんて…言えやしない…言えやしないよ……>
玄「…………」にこにこ
菫「あ…あの……」
玄「まぁいいのです。私…本当は弘世さんに呼んで貰えただけで、チョット嬉しかったのですから」にこ
菫<うっ―――!>ドキッ
玄「だから、気兼ねしないで何時でも呼んで貰ってもいいのです」
菫「……そうか…本当に済まないな妹さん」
玄「なんのなのです」ふんす
……………………。
菫「ご馳走さま。とっても美味しかったよ」
玄「お粗末さまなのです。あっ弘世さん。お風呂の準備をしておきましから、もう少ししたら入って下さいね」
菫「っていつの間に!い…いやそこまでしてくれなくても……」
菫<と言うか…ここは私の家なのだが……まあいいか>
菫「それに入るなら、妹さんに先に入って貰わないと……」
玄「お気になさらず、先に入っちゃって下さい。その間に食器を洗って置きますから」
菫「いやいやいやいや本当にそこまで――――」
玄「いいんですっ!ふふ…こう見えても私は家事をするのが大好きなのです。奈良に居た時も、家事は専ら私がやっていたのです」ふふん
菫「だが……」
玄「私が好きでやっている事だから良いのです。それでも…ダメ……ですか?」じ…うるうる
菫「―――――っ!!……わ…分かった。お言葉に甘えて有り難くいただく事にするよ」はあ
玄「はいなのです」にこ
………………。
ざばー。
菫「ふぅ…宥の居ない夜なんて久し振りだったけど、妹さんのお陰で寂しい想いをしなくて済んだな……」
菫「少し世話焼き過ぎる感じもするが、感謝しないとな……」
ざばー。
菫<それにしても……>うつむき
菫<宥との『未来』の為に勇気を出してコレを付けたというのに……>
菫<コレが原因で擦れ違いが起こるだなんて……全く…皮肉な話だよ……」はは…
ガラ…。
菫「!?」びくっ!
玄「弘世さん…一緒に入ってもいいですか……」
菫「い…妹さん……どうして……」
玄「えへへ…一緒に入った方が楽し―――ええっ!!?」びくくっ!!
菫「―――――!!」はっ
ささっ
玄「ひ…弘世さん……あの…その…下腹部に付いてる『モノ』って…まさか……」
菫「いや…これは…その……」
玄「IPS棒(通称)なんですか!!!!!」
菫「――――――――っ……」がくっ
玄「!!?」はっ
玄「もっ…もしかしてお姉ちゃんとナニかあったのって……ソレのせいなんですか!?」
菫「いや!……それは…その……」
玄「言いたくなければ言わなくてもいいですけど……溜まったモノは出しちゃった方が楽になれる時もありますよ?」
菫「~~~~~~~―――――っ!!…………」かくん
菫「そうだよっこれが原因だよっ!」
玄「やっぱり…でも一体ナニが……」
菫「もう此処まで来たら、恥を忍んでぶっちゃけさせて貰う。だが――――」
玄「だが?」
菫「だが…その前に身体だけ流させてくれないか?流石にここでしかも裸で話すのはちょっと……」
玄「ですよねーですのだ」てへ
………………。
ぐびぐびぐび…ぷはー
玄「そんな一気飲みなんてして、大丈夫ですか?」
菫「いいんだよ!もう!!…………宥が…宥がさせてくれないんだよ……」
玄「させてくれない?」
菫「ああ。宥が『コレ』を怖がってさせてくれなくなったんだよ」
玄「はぁ…そうなんですか」
菫「そうだよ。宥との将来を見据えて、この夏休みに一念発起して、一世一代の覚悟で手術して取り付けたんだよ」
玄「はあ」
玄<そう言えば少し前に、一週間くらい姿が見えなくなったのはこの為だったのですか……>
菫「それなのに…コレを見せた瞬間、絶句されてしまってな……」
菫「それでもどうにか説得して試そうとしたのだが、私も宥も勝手が判らなくて、それで余計に怖がられて…拒絶されてしまったんだよ……」
玄<……ふぅ~む。一念勃起して、ふにゃっちゃったナンて言うボケは絶対に言えないのです>くわばらくわばら
菫「それでお互いに気不味くなってしまって……」
玄「なるほどなるほど~」
菫「私が勝手にやった事とはいえ…あそこまで拒絶されるなんてな……二人の為と思ってやったのに、正直…かなりショックだったよ……」はは…
玄「そんな事があったのですか……」
菫「はは…一人で勝手に突っ走って馬鹿みたいだな……おかしくて間抜けな話だろ?はは…笑ってくれてもいいよ……」ははは…
玄「そんな事無いのです!!」
菫「――――――!?」
玄「弘世さんが将来の事を思って、覚悟を決めて決断した事を、その勇気と愛情の想いをちょっと怖いからって無碍にするなんてちょっと酷いのです」ふんす
菫「妹さん……」
玄「私だったら…好きな人がそこまでしてくれたのなら、たとえ少し怖かったとしても、痛かったとしても…悦んで受け入れるのです」きっぱり
菫「妹さん…ありがとう……その言葉…本当に嬉しいよ……」じーん
玄「ですから――――」すっ
菫「えっ!?」びくっ
さわさわ
菫「妹さっ―――ソコはっ!?」びくびくっ
玄「こんな事だって出来ちゃうのです」さわさわ
菫「あっ…妹さん…それって……/////」
玄「そう言う事なのです」さわさわ
菫「そう言う事…って……私にはy――――」
ちゅっ
菫「ングッ――――」
玄「――――――――ンン…」
ぷはっ
玄「好きな人となら当たり前の事なのです」にこ
菫「妹さん……やっぱり駄目だよ……」へな
玄「ふふ…そんな事言ってココはもうこんな事になってますよ?」にぎ
菫「あっ!?//////」かぁぁ
玄「ふふ…相当我慢していたみたいですね?」
菫「~~~~~~―――――///////」ボッ
玄「ねぇ…弘世さん……さっきお姉ちゃんがコレを怖がっているって、言ってましたよね?」
菫「あ…ああ……」
玄「でも…使わないと弘世さん自身どうしていいか判らないんじゃないですか?」
菫「それは…そうだが……」
玄「ふふ…だったら私が……」
菫「えっ?」
玄「私を練習に使ってもいいのですよ?
菫「えっ!?」
菫「れ…練習って…妹さん……それって……」ごくり
玄「そーいうコトですよ?」
菫「で…でも私には宥と云う人が――――」
玄「ふふ…その≪お姉ちゃんの為≫にするのです。それなら寧ろ率先してやった方がいいんじゃないですか?」
菫「…………」
玄「それに…シタイんでしょ?使いたいんでしょう?」
菫「…………………………」こく
玄「それなら話は早いのです」
菫「あ…ああ」
玄「ふふ…ここじゃナンですからベッドに移動しませんか?―――――」
ここから先は暫くの間、お話上重要なシーンじゃないのでキンクリします。
……………。
ベッドの中。キンクリ後。
菫「妹さん…その…痛みとか大丈夫か?」
玄「はい。始めはちょっと痛かったですけど……」
玄「でも…弘世さんに抱かれて…包まれて……弘世さんを受け入れられて…あったかい気持ちの方がずっと強かったのです」にこ
菫「~~~~///////」どきっ
玄「弘世さんはどうでしたか?私…気持ち良かったですか?」
菫「うん…………とても……気持ち良かったよ/////」かぁ
玄「!!」だき
菫「妹さ―――」
玄「えへへ…とっても嬉しいのです」ぎゅう
菫<うう…この妹さん可愛過ぎる……>
菫「玄さん」
玄「はい」
菫「その……もう一回いいかな?コイツが言う事を聞かなくて//////」
玄「はい。何度だっていいですよ――――――」にこ
朝。
雀「ちゅんちゅん」
菫「……ん…んん……」ぱち
菫「朝…か……いつのまにか寝て――――」はっ
菫「そうだ…私は昨日――――」
玄「弘世さん起きましたか?朝ご飯もう出来てますよ」
菫「い…妹さん……昨日は…その済まない……私は欲望のままに貴女を――――」蒼褪め
玄「何を謝ろうとしているのですか?」むっ
菫「それはだって……」
玄「私が望んでの事なんですよ?それか…もしかしてお姉ちゃんに対してですか?」
菫「そんな……」
玄「それに昨日の行為は、将来の為の『練習』なのです。だから弘世さんが罪悪感を感じる様な事は何もないのです」きっぱり
玄「それに……練習とはいえ私自身…好きな人に……弘世さんの腕に抱かれて幸せだったのです」にこ
菫「妹さん…そこまで私の事を……でも…いつから……?」
玄「私が東京に来て、お姉ちゃんから弘世さんを紹介された時…最初は見た目で綺麗だけどちょっと怖い人かなって思ったのです」
玄「でも…直ぐにとても優しい人だとすぐに分かって…それから段々と気になる様になっていって……」
玄「お姉ちゃんの彼女さんだって判っているのに……ダメだって判っているのに…いつの間にか好きになってしまっていたのです」
菫「そうか……そうだったのか」
玄「だけど…これなら…≪練習≫なら……いいですよね?」
菫「それは…………わ…分かった……あくまでも練習として…なら……」
玄「だからこれからは…好きな時に好きなだけ私を練習に使って下さいね」にこ
菫「妹さん……」
玄「あと…これから弘世さんの事を菫さんって呼んでもいいですか?」
菫「ああ。勿論だ。昨日も言ったけど私の事は何と呼んでくれても構わない」
玄「菫さん…それだったら、これからは私の事も名前で読んでほしいのです」
菫「ああ。わかったよ。玄さん」にこ
玄「!!菫さん…嬉しいのです」にこ
翌々日。
玄さんの部屋。
ピンポーン。
テレビドアホン越し。
玄「あっお姉ちゃんっ!!」
菫「!!?」ささっ
玄「今行くね!お姉ちゃん」たたっ
玄<えーと…菫さんの靴を仕舞わないと>ささ
ガチャ。
宥「玄ちゃん。今帰ったよ」にこ
玄「お帰りなさいお姉ちゃん」
宥「ふふ…ただいま玄ちゃん。とは言っても同じマンションだけど、借りている部屋は違うんだけどね」
玄「はは…そうだねお姉ちゃん」
宥「そうだ。はい玄ちゃん…これお土産」さっ
玄「ありがとうなのです、お姉ちゃん。でも…上がっていかないの?」どきどき
玄<正直に言って今上がられると状況的にちょっと不味いですのだ>はらはら
宥「うーんそうしたいのは山々なんだけど……ねえ玄ちゃん」
玄「はい。何ですか?」
宥「菫ちゃんどこに居るか知らない?」
玄「!?」どきっ
宥「ん?どうしたの玄ちゃん。もしかして知っているの?」
玄「いっいえ…知らないのです……」どきどき
宥「そう…携帯は繋がらないし……行きそうな処で連絡が付きそうな処は全部してみたんだけど…捕まらなくて……」
玄「…………」
宥「それで…同じマンションの玄ちゃんなら…もしかしてって…思ったのだけど……」
玄「御免なさいなのですお姉ちゃん……」
注=松実姉妹と弘世さんは同じマンション内の別々の部屋で暮らしているという設定になっております。
宥「ううん…玄ちゃんが悪いわけではないから気にしないで」にこ
玄「でもお姉ちゃん。てっきり菫さんもお姉ちゃんと一緒に、合宿に行ったと思ってたのですけど、違うんですか?」
宥「……う…うん。ちょっとあって…菫ちゃんは行かなかったんだ……」
宥<あれ?今ちょっと……違和感みたいなモノを感じた様な気が……?>はて
玄「何があったのかは知らないけど、菫さんは優しい人だけど、あんまり甘えっぱなしだと、何時か離れちゃうかもなのですよ?お姉ちゃん」
宥「……う…うん……そうだよね玄ちゃん……一回部屋に戻ってもうちょっと探してみるね」
玄「はいなのです」
宥「それじゃあ玄ちゃんまたね」
玄「またなのです」ふりふり
バタン。
玄「もういいですよ。菫さん」
ガラガラ。
菫「はぁナンかどっと疲れたよ」
玄「よくよく考えて見れば、菫さんがお風呂場に隠れる事も無かったし、菫さんの靴を隠す必要もなかったのです」
菫「そうだな…堂々としていればよかったな……」
玄「ナニも疾しい事もしてないのですし」
菫「……そ…そうか……」
玄「そうなのです。私はお姉ちゃんの妹だから、その彼女さんと一緒に居たって問題無いのです」
玄「それに、アレもあくまでも、菫さんが私を使ってお姉ちゃんの為に≪練習≫するのであって、全く後ろめたい事は無いのです」にこ
菫「そ…そう…だな……」
菫<……この子は本気でそう思っているのか?>ゾッ
玄「それで菫さん……昨日もしましたし…今日も『練習』…しますか?///////」
菫「……いや…今日は止めておくよ。宥も帰って来た事だし、良くは聞こえなかったけど私を探している様だったしな。早く帰らないと」
玄「そうですか……」しゅん
玄<やっぱり菫さんはお姉ちゃんの事……ううん…当たり前か…菫さんにとっての私は恋人の妹で…ただの練習台なんだから……>じわ…
菫「ん?どうしたんだ玄さん?」
玄「ううん…何でも無いのです」えへへ
菫「それじゃあ帰るから……」さっ
玄「菫さんっ―――!!」ぐい
菫「わっ」
ちゅっ
菫「んぐっ!?」
くちゅくちゅ……
玄「えへへ…今日は軽め練習なのです////////」てれ
菫「そうか…玄さん……じゃあまた」
玄「はいまたなのです」にこ
バタン。
玄「お姉ちゃん…ホントは私…どうしたらいいのかな?……」
…………。
菫さんの部屋。
宥「もう…部屋にも居ないし連絡付かないから…探しちゃったよ」むぅ
菫「まぁ連絡付いたんだからよかったじゃないか。こっちだって宥が帰ってきた事も知らなかったし……」
菫「それに……連絡をくれるとは思わなかったから」
宥「そうね…あんな事が有って、菫ちゃん合宿に参加しないなんて言い出して……私も意地になって一人で参加して……」
菫「でも楽しかったんじゃないか?」
宥「それは…そうだけど……でも…幾ら周りが見知った顔でも……それでも菫ちゃんがいない夜は寂しかった。菫ちゃんの事ばかり考えてた」
菫「そう思ってくれていたなんて嬉しいよ」ふふ
宥「菫ちゃんは寂しくなかったの?」
菫「いや…そんな事はないよ……ただ思いの他な……」
宥「ただ?……何かあったの?」
菫「いや…何も無いよ…練習をしてただけだよ、練習を……それで気を紛らわせていたんだ」
宥「ふーん…練習熱心なのは知っているけど……そうだっ。今からご飯作るから菫ちゃんお腹空いているでしょ?」
菫「そうだな…今日は食べ損なったから……でもいいのか宥?帰って来たばっかりで疲れているだろうに」
宥「それ位大丈夫だよ。じゃあ今から支度しちゃうね」
……………。
菫・宥「「いただきます」」
菫「…………」もぐもぐ
宥「どう菫ちゃん…おいしい?」
菫「ああ…おいしいよ」
宥「そう。よかった」
菫「やっぱり…玄さんの方が……」ぼそ
宥「えっ?何か言った?」きょとん
菫「いや…何でも無いよ……何でも……」
宥「そう……」
菫「そう言えば前に宥が何年か前に、お母さんを亡くしたって、話をしてくれた時があったけど……」
宥「うん」
菫「それからは家事とかはどうしていたんだ?」
宥「うーん。家事とかは私より寧ろ玄ちゃんがやる事が多かったかな…正直に言ってあの子の方が家事をするのが好きで、得意みたいだから……」
菫「そうか……」
宥「でも、私だって菫ちゃんの為に、家事の勉強をしたんだからね」
菫「そうだったのか…そうだな、ありがとう宥」にこ
宥「うん」にこ
………。
夕食後。
宥「ねえ菫ちゃん…あの事なんだけど……」
菫「……IPS(通称)の事か?」
宥「う…うん……正直に言ってやっぱり見るのも未だ怖いの……でも…何時か慣れる様になるから、絶対なるから……だから――――」
菫「ああ。分かった。無理しなくてもいいから、その時まで私はずっと待っているから」
宥「うん…ありがとう菫ちゃん……」
菫「今日は合宿帰りで疲れているだろうし、自分の部屋に戻った方がいい」
宥「いいの?菫ちゃん」
菫「ゆっくり休めばいい」
宥「ありがとう菫ちゃん……菫ちゃんは本当に優しいね」
菫「いや。そんな事はないよ……そんな事は…………」
菫<本当に…………そんな事は……優しくなんてないんだよ…私と言う奴は……>
……………………。
一月後。とある駅前。
やえ「それじゃあ巽またね」ふりふり
由華「はい。先輩もどうか気を付けて」おじぎ
やえ<…………さて…巽も見送ったし帰ると……ん?あれは…もしかして……>どきっ
やえ<ひっ弘世さん!?それに一緒にく出を組んで歩いているのって……松実さんの妹の松実 玄!?>
やえ<で…でも弘世さんは松実さんと……いや…松実 玄は松実さんの妹だから別に……姉の彼女に向ける表情(かお)にしては貌がどうにも……>
やえ<メスの貌をしている気がする>
やえ<でもあの二人どこに行くのだろうか……>ふむ
やえ<そっちには確か……あっあの建物に入って……でも二人が入って行った建物って…まさかっ!?>ぎょっ
やえ<ほっホッ―――ホテルーーーー!!?>ほ、ほーっ、ホアアーッ!!ホアーッ!!
やえ<そんな…自分の彼女の妹とラブなホテルになんて……ど…どういう?>どきどき
やえ<はっ!!そう言えば松実さんに、合宿の時に相談されたっけ……>
やえ<最初は言葉を濁してはぐらかし気味だったけど、お酒を飲ませたら話し始めて……こんな事を言っていたな>
やえ<弘世さんと夜が上手くいってないって……不安な事が有って相手をしてあげられなくて…どうしたらいいって……>
やえ<私はあの時、そんな事で関係が壊れる様なら、別れた方が良いなんて半分冗談で返したけど……>
やえ<でも…合宿前の…夏休み前はそんな感じは微塵も無かったし……二人は付き合い始めて一年以上になると云うのに…………>はっ!!
やえ<も…もしかして…………そうか…≪そう言う事≫か……>ニヤリ
翌日。
大学の麻雀部の活動終了後。
校門前にて。
菫「さて…宥。今日はどこ行こうか」
宥「うん…そうね……」
やえ「あっ…一寸、弘世さんっ」
菫「ん?どうした小走さん」
やえ「ちょっと話したい事があるの」
菫「私にか?」
やえ「ええ…貴女によ」にこ
菫「分かったじゃあ手短にこれから私は宥t――――」
やえ「昨日…駅前のホテルでナニしてたの?」ぼそ
菫「!!?」どきっ!!
宥「?」
宥<菫ちゃん随分驚いているみたいだけど…小走さんは何を耳打ちしたのかな?>
菫「…………す…済まない有…急用ができたから…きょ今日は先に帰ってくれないか?」あせあせ
宥「……?うん…分かったよ菫ちゃん。じゃあ先に帰るね……」
麻雀部部室。
やえ「流石にこの時間になると誰も居ないわね……ま、だからこそ此処にしたのだけど」ふふ
菫「それで…こんな処に連れ出して、私をどうしたいんだ?」
やえ「……嫌なら断ればいいのに、のこのこ付いて来た人が何を言っているのだか」ふっ
菫「そ…それは……」ぐぅ…
やえ「あーでも付いて来たって事は、やっぱりそうだったんだ?」
菫「やっぱりって……そうだ!証拠は…証拠はあるのか?」
やえ「証拠?何の?」
菫「何のって……その…君が言っていた私と玄さんがホテルに入ったのを目撃したという証拠だよ!」
やえ「私…誰と何て言ってないのに……」にや
菫<しまった!!>はっ!
やえ「へぇ~やっぱりそうだったんだ……」にやにや
菫「――――――――~~~―――っ!!」ぐぬぬ
菫「で…でもあれはその…れ…練習で……」
やえ「練習?」
菫「……い…いや…何でも無い……」
やえ「??可笑しな事言うのね……」ふぅむ
やえ「まあ…何でもいいわ。まぁ…ぶっちゃげると証拠なんて無いわよ。吃驚している内にホテルに入っちゃったから……」
菫「それじゃあ――――」はっ
やえ「でも…自分から白状するなんて…弘世さんしっかりしている様で案外抜けているのね」ぷっ
菫「だが…証拠がない以上、私を脅迫する事は出来ないぞ?」
やえ「じゃあ松実さんに言っちゃおうかな?そうしたら恐らく彼女は妹に問い質すでしょうね」
菫「玄さんが否定すれば何も問題はない」
やえ「ふふ…そうね。でも……あの時の様子だと松実 玄の方が積極的だったし、あの表情から見て、相当に貴女の事が好きみたい見えたけど?」
菫「……………」
やえ「だから…迫られたら案外すぐに、貴女との情事を認めちゃうかもしれないわね」
やえ「松実さんから貴女を奪う為に」ニヤリ
菫「!?」
菫「くっ…何が目的だ!?金か!?」
やえ「お金って……私はそこまで低俗じゃないつもりよ。それに脅迫する心算もさらさら無い」ふぅ
菫「それじゃあ何を?」
やえ「IPS棒(通称)」
菫「!?」ぎくぅ
やえ「松実さんがね…合宿の時に私に相談してきたの」
菫「宥が?」
やえ「ええ…最初はそれとなくはぐらかす様な感じだったんだけど、酔わせてみたら、不安が有って貴女との夜が上手く行ってない、なんて云う事まで話してくれたわ」
菫「……………」
やえ「私は彼女に、そんな事で二人の中がどうかなるなら、距離を置いた方が良いなんて、答えていたけど……」
やえ「でも…付き合って一年以上も経つ貴方達が、今更何を悩んでいるのかと思ってけど……そう云う事ならまぁ合点がいくわ」
菫「…………くっ」
やえ「その表情(かお)を見る限り図星の様ね」ニヤッ
やえ「ふふ…今日の部活の時に、松実さんに貴女の事を訊いてみたの。そしたら――――」
やえ「あれから菫ちゃんが前と同じ…ううん前よりも優しくなって、私に気を使って夜も無理に求め無くなってくれた……なんて嬉しそうに返してきたのよ」
やえ「知らぬは本人ばかりなりって、正にこの事を言うのね」ぷっ
菫「――――――」
やえ「全く滑稽な話よね、優しくなったのは後ろめたい事があるから。求め無くなったのは自分の≪代わり≫を見付けたからなんだもの」あはは
やえ「しかもその相手が、大事な大事な≪実の妹≫なんだもの。こんなお粗末でおぞまs――――」
菫「黙れっ!!それ以上言うな!!脅迫するならさっさと用件だけ言えばいい」ぎり…
やえ「そんなムキにらなくても……だからさっきも言った様に脅迫じゃないわよ……しいて言えばお願いかな?」
菫「お願い……?何でもいいからはやk――――」
やえ「試させて」
菫「えっ?」
やえ「だから貴女が着けたIPS棒(通称)を試させてほしいって言っているの」
菫「!?ど…どういう……」
やえ「一年前…私が貴女に告白したのは流石に覚えているでしょう」
菫「ああ……」
やえ「その時に貴女は松実さんとお付き合いをしているから、付き合う事は出来ないって私を振った事も……」
菫「…………ああ」
やえ「でもね……私…今でも貴女の事……」
菫「えっ!?」どきっ
やえ「それに――――」ずいっ
菫「!?」
やえ「私……あなたのコレにも興味があるの……//////」さわ
菫「あっ!!?///////」あふぅ
やえ「ふふ……」さわさわ
菫「や…やめ……//////」かぁぁ
やえ「やめない」ぐにぐに
菫「あ…ああ……駄目だ!こんな処でなんて……」はぁはぁ
やえ「そんな事言って…スカート越しでも大っきくなってるが丸判りよ?」
菫「―――――~~~~ッ……//////」かああ
菫「でも…それでも駄目だ。君には巽さんと云う大事な人がいるだろう?//////」
やえ「由華の事?確かに彼女の事は大切に思っているわ。でもそれはあくまでも、可愛い後輩として妹みたいな存在としてよ?」
やえ「決して恋人関係では無いし、ましてや肉体関係なんて全く無いわ」
やえ「貴女と違ってね」ニヤ
菫「―――――――くっ!!」
菫<この女は…なんて…蔑み、勝ち誇った目で射抜く様な視線で私を視るんだ……>
やえ「ふふ…」ぬぎっ
菫「!?」
菫「ちょっ何を!?//////」
やえ「私は松実姉妹みたいに大きくはないけど……でも小さいなりに張りが有って形もいい筈よ?」ぬぎぬぎ
ぷる…
やえ「ねえ…キレイでしょ?///////」かぁ
菫「――――――!!」
やえ「ほら…触ってみて」ぐい
菫「あっ!?」もみゅもみゅ
やえ「んっ…どう?キモチイイでしょ?」はぁはぁ
菫「あ…ああ……」こく
やえ「ふふ…良かった」にこ
菫<宥や玄さんの様な…むちむち柔らかボディもいいけど……小走さんのこのスレンダーでハリの有るぷにぷにロリボディも凄くいい……>はーはー
やえ「これでもまだ試す気にならない?」
菫「だ…駄目だよ……やっぱり……」
やえ「ここまでさせといて、まさかナニもしない気なの!?」
菫「も…もういいだろ……じ…自分を大事に……」
やえ「はぁ弘世さんって私が思ってたよりもずっとヘタレだったのね」はぁ
菫「――――――――!!!!」プチン
やえ「もういいw――――」
菫「…………言うな…」ぼそ
やえ「えっ!?」
菫「私をヘタレって言うなーーーー!!!!!」がばっ
やえ「きゃあ!!」がばっ
菫「そんなに犯られたいならっ!お望み通り犯ってヤルよ!!!」くわっ
ずりっ
やえ「ちょっ…ちょっとヤメ―――ああっ!!?///////」
お話上重要…以下略
以下略後。
やえ「あ……はあっはあっ……」
菫「はぁはぁはぁ……」
やえ「全く…人をうつ伏せに麻雀卓に無理矢理押しつけて……後ろから容赦なく突きまくって私の初めてを奪うなんて……」
やえ「弘世さん…誠実そうに見えて一皮剥けば、獣欲の塊の様な…けだものだったのね」はぁはぁ
菫「…………ナンとでもいえ」はぁはぁ
やえ「それにこの卓は、普段は松実さんがよく使う卓なのにね……ふふ…松実さんこの沁みを見てナンだと思うのかしらね?」くすくす
菫「――――!?そんな…宥……また私は…ああ……」がくがく
やえ「やれやれ…ホントに見境の無い獣(ひと)ね…あなたは……」
やえ「それに…私…初めてなのに…あんなに激しくされて、ひりひりするし…まだ痛いし……でも」
菫「?」
やえ「私のナカがすっごく悦んでるの……ふふ…だから『また』宜しくね…弘世さん…いえ菫」
菫「!?ど…どういう……」ぎく
やえ「まさか…こんなにしておいて…これだけでお終いだとか思ってないわよね?菫」
菫「そ…それは……」
やえ「それにヨカッタでしょ…ワタシノカラダは?」
菫「うう……………」こく
やえ「ふふ…正直ね。これからも私の相手をしてくれたら……コノ事もアノ事も黙っていてあげるから…いいわよね、それで?」
菫「――――――――ッ!!………」かくん
やえ「ふふ…これからが愉しみね…菫」にこ
…………。
自宅マンション内。
菫<どうして……こんな…事に……私は……わたしは……>ふらふら…
菫<わああああああああーーーー!!!!!>がくがく
菫<宥に対する罪悪感が…身体を締め付け……それ以上にこの湧き上がる言い様のない感情を…何かにぶつけたがっている……>ぐわんぐわん
菫<私はどうすれば……ああ…こんな時に一人でいる事なんて出来ない……>
菫<心が様々な感情の激流で、一人でいたらどうにかなってしまいそうだ……>
菫<私を助けてくれ……宥……玄さん……>
菫<どうすればいい――――――いや……どうしたいんだ――――――>
菫<私は―――――――>
ピンポーン。
ガチャ。
菫「…………………」はーはー
玄「どうしたのですか?菫さん。そんな貌して……」
菫「玄さん!!!」がばっ
玄「きゃっ!?」
菫「れ…練習させてくれ……頼む…このままではどうにかなってしまいそうだ……」ぎゅう
玄「……何があったのかは判らないですが……いいですよ。私でよければ気の済むまで練習してくれればいいのです」にこ
菫「有り難う…玄さん……」はーはー
以下略
宥さんの部屋。
宥「菫ちゃん遅いな……」はぁ
宥「今日は二人で外食する予定だったのに……そんなに大事な話だったのかな?」
宥「でも…その分、今日は腕によりをかけて晩御飯を作っちゃった……」
宥「菫ちゃんにはあの事とかで悪い事しちゃってるし、これ位はしておかないとね」ふふ
宥「菫ちゃん…喜んでくれるかな?……」
宥「はぁ……今頃どこで何をしてるのかな……菫ちゃん……」
宥「ああ…もう早く…早く帰って来ないかな……菫ちゃん……」テーブルにつっぷしてセルフでうでまくら
玄さんの部屋。
略後。
菫「いきなりで済まなかった玄さん……」
玄「それは構わないのですが…何があったのですか?」
菫「それは……」
玄「言いたくない事があるのは仕方ないのです…言いたくなった時に言ってくれればいいのです」
菫「済まない……でも…玄さんはこんな……ヘタレの私のどこが良かったんだ?」
玄「えっ?そうですね…前にも言いましたけど、優しいところ……」
玄「それにちょっと甘えん坊なところにエッチなところ……それにちょっとヘタレな処も含めてみーんな大好きなのです」にこ
玄「それに……なによりも私を求めてくれるところなのです」ぎゅっ
玄<お姉ちゃんじゃなくて…私を……>
菫「玄さん……玄さんは本当に優しいのだな……」
玄「ふふ…そんな事は無いですよ。だから…菫さんは変に考えずにずっと…ずぅっとそのままの菫さんでいて下さいね」にこ
一月後。
玄さんの通う大学近くの喫茶店。
?「お待たせだし」
玄「ううん…私も今来たところだから…華菜ちゃん」
店員「いらっしゃいませ」
華菜「華菜ちゃんはアイスティーだし」
店員「アイスティーお一つですね。畏まりました」
玄「急に呼び出しちゃってごめんね」
華菜「気にするなだし。でも玄がわざわざ連絡をして呼び出してくるなんて珍しいし」
玄「そう…かな?」
華菜「最近、ちょくちょく部活を休む時があるし…ナニかあったのか?」
玄「うん……その…相談って言うか……ちょっと聞いて欲しい事が有るのです……」
華菜「そ…それで、玄はその好きな人と面識はあるのか?」チュー
玄「うん……彼女さんとも面識があるの……」
華菜「!?」
華菜「その好きな人とはどこまで……」どきどき
玄「…………その人とは……既にお…お肌の触れ合い回線を開いてしまったのです……//////」かぁぁ
華菜「!!!!????」ぶー!!
玄「!?」
華菜<あまりの衝撃にスプラッシュマウンテンしてしまったし!>ごほごほ
玄「かっ華菜ちゃん大丈夫?」
華菜「だ…大丈夫…だし……」ごほごほ
玄「ごめんね華菜ちゃん。吃驚させちゃったかな?」
華菜「い…いや……ホントに大丈夫だから気にするなだし……」ごほごほ
玄「ここは私が出すから、もう一つ好きなの頼んでいいよ?」
華菜「ホントに!?」
玄「うん。話を聞いてくれるんだもん。それ位当然なのです」にこ
華菜「それなら遠慮なく……そう言えば玄が頼んだのって?」
玄「レモンスカッシュだよ。最近、急に好きになってよく飲んでいるのです」
華菜「そうか…うーんでも華菜ちゃん酸っぱいの苦手だし……じゃあ……」
華菜「すいませーん」
店員「はい」
華菜「メロンソーダひとつ下さいだし」
店員「畏まりました」
店員「お待たせしましたメロンソーダです」
華菜「ありがとうだし」
華菜<そ…それにしても……>ちゅー
華菜<こ…これがあの……NTRと言う奴なのか!?>どきどき
華菜<それにしても……身近で…それも玄の様な子が……世の中判らんもんなのだし……>うーむ
玄「どうしたの華菜ちゃん?飲みながらボーとして」ほえ
華菜「あっいや…ごめんだし。それで…その人とはデートとかもしたりするのか?」
玄「うん…する事もあるけど……彼女さんの事もあってあんまり出来ないのです」
玄「だから…やっぱり練s……その…エッ…エッチな事をする方が多いんだ……/////」
華菜「!?」ぶー!!
玄「!?」
華菜<立て続けのぎょ…仰天発言にまたグレート・ムタばりに毒霧を吐いてしまったし……>ごほごほ
華菜<それにしても、こ…これが世に言うセフレってやつなのか?……>ゴクリ ちゅー
玄「特にここひと月くらいは…その……ほぼ毎日しちゃってるの」えへへ
華菜「!?」ぶー!!
玄「!?」
華菜<立て続けにザ・グレートカブキばりに毒霧を吐いてしまったし……>
華菜<ん?そう言えば両方ともグレートって付いてるし、やっぱり華菜ちゃんはグレートだし!!>どやっ
玄<どうして華菜ちゃんはジュースを吹いてドヤ顔になってるの?>はて?
華菜<だけど…ほぼ毎日だなんて、キャプテンの上埜さん体操に迫る勢いだし……>ウエノサンウエノサン
華菜<まあ…それは置いといて……>こほん
玄「?」
華菜「それで…玄は今後その人とはどうなりたいし?」
玄「……うん…ホントの事を言うと…その人と大手を振ってお付き合いしたいのです」
玄「ずっと…ずうっと一緒に居たいと思っているのです……」
華菜「玄……」
玄「でも…やっぱり彼女さんの事を考えると、赦されない事なのかな……」えへへ
華菜「華菜ちゃんはやっぱり、人のモノを盗る事は悪い事だと思うし」
玄「そうだよね…やっぱり悪い事だよね……」しゅん
玄「でもね…華菜ちゃん……私…その人の事がそれでも好きなの……」
玄「あの人に抱かれる度に……触れ合う度に……あの人の優しさ弱さを知る度にどんどん好きになっていくの……あの人の温もりを求めてしまうの……」じわ…
玄「駄目だと判っていても……それでも……それでも……」ぽろぽろ
華菜<玄…そこまで……>
玄「華菜ちゃん……私…どうしたらいいのかな?」ぐすっ
華菜「…………玄、その人は結婚してるのか?」
玄「ううん。流石に結婚はしてないよ」
華菜「そうか……それで玄…改めて、その人の事はどれ位好きだし?」
玄「どれ位って……判らないよ……判らない位に好きなのです……」
華菜「殺したい位?」じっ
玄「えっ!?」ドキッ
玄「ど…どういう?……」どきどき…
華菜「どうしても自分のモノにならないのなら、殺してしてでも自分のモノにしたい位って事だし」
玄「それは……」
華菜「それ位に…奪った相手にどれだけ恨まれようが、構わない覚悟がある程に好きなのだとしたら……それはそれで仕方ないと思うし」
玄「華菜ちゃん……」
華菜「玄はどう思っているし?」
玄<……………………………………うん>こく
華菜「答えが出たのか?」
玄「……えへへ…まだちょっと判らないけど…でも華菜ちゃんのお陰で、少し判った様な気がするのです」
華菜「それはよかったし」にかっ
玄「華菜ちゃん…ありがと―――――うっ!?」うぷっ
華菜「!?どうしたしっ!!」
玄「……ちょっ…ちょっとごめ…ん……トイレ――――」だだっ
華菜<玄…大丈夫かな?……それにしても話が重い上に生々しくて……玄には、あんなコト言ったけど実は華菜ちゃんテンパッてるし……>どきどき
…………。
玄「おまたせ」
華菜「玄…もう大丈夫なのか?」
玄「うん…もう大丈夫。へへ…疲れてるのかな?最近、身体がだるくなる事が多くて……今みたいに気分が悪くなるのはあんまりないんだけど……」
華菜「玄……」
玄「あっでも今はもうホントに大丈夫だから……心配かけてごめんね華菜ちゃん」ぺこり
華菜「それならいいけど……あんまり無理をしたらダメだし」
玄「うん…」
玄<私…やっぱり無理……してるのかな……>
華菜「とにかく…よく考えて、それでどんな結果になったとしても…後悔をしない選択をして欲しいと、華菜ちゃんは思ってるし」
華菜「麻雀なら切った牌で、たとえ振り込む事になったとしても、それでも納得できる打ち方をして欲しいと言う事だし」
玄「そうだね……ありがとう華菜ちゃん。華菜ちゃんに相談してホントに良かったのです」にこ
華菜「これからもナニかあったら、華菜ちゃんに相談すればいいし」どやっ
玄「うん。その時はまた華菜ちゃんに聞いて貰うのです」にこ
玄<私は……どうすれば…どの牌を切ればいいのかな?……菫さん…お姉ちゃん……>
その日の夜。
大学近くの居酒屋・
やえ・由佳・堯深・宥「「「「かんぱーい」」」」カチャーン
堯深「このメンバーで女子会をやるのも久しぶりですね」ずず…
やえ「そうねぇ…夏休みの合宿以来かしらね…って、渋谷はいつも焼酎の緑茶割を呑んでるわね」
堯深「ええ…好きですから」ずず…
やえ「巽は巽でビール一辺倒」
由佳「ええ。私はビール党員ですから」ぐびぐび
由佳「そういう先輩はシャーリー・テンプルが好きですね。ふふ可愛いですよ?」
やえ「ばっ違うわよ!これはウォッカの入りのダーティー・シャーリーなんだから、まったく勘違いしないでよねっ」
由佳「これは失礼しました」ぐび
由佳<うふふ…先輩…やっぱりカワイイ……>ふふ
やえ「まったく…松実さんは松実さんで相も変わらずホットワインだし」
宥「だって…あったかくておいしいんだもん。色もあったか~いし」くぴくぴ
やえ「まあ…それはいいとして。松実さん、すみ…弘世さんは今日もいないの?」
宥「うん…菫ちゃん今日も何か用事があるって……」
やえ「そう……合宿にも参加しなかったし、部活も休みがちだし……一体どうしたのかしらね?」
由華「ねえ渋谷。弘世さん高校の時もそうだったのか?」
堯深「ううん。あの人は真面目が制服着ている様な人だったから、そんな事はなかったよ」ずず…
由華「そうなのか……確かに合宿の前まではそんな事無かったな……」ふむ
やえ「案外…どっかに遊びに行っているのかもしれないわね?」
宥「あ…遊びって……どんな?」ふるふる
やえ「それは…ほら?≪そっち≫の方面のよ」ニヤリ
宥「そっちって…そんな……」ふるふる
やえ「だって松実さん…合宿の時に私達に相談した時から、まださせてあげてないんでしょ?」
宥「それは……だって菫ちゃん…求めて…来ないし……」くぴくぴ
やえ「こう云う時はよくあるの?」
宥「そんなにでもないけど…でも……電話をしても出て来ない時が多いし、そう言う時は妹の玄ちゃんもいない時が多いからちょっと寂しいの」
やえ「ふ~んそうなのか……」
由華「案外…その松実 玄と密会してたりして?」
やえ「!?」どきっ!
堯深「…………」ずず
宥「え…?そ…そんなことはないよ。だって三人でよくごはんも食べたりするし……」
やえ「そうね。流石にそれは飛躍し過ぎだな巽?変に不安を煽る様な事は言わない」
由華「そうですね……松実さん変な事言って済みませんでした」ぺこり
やえ<巽め……変に勘ぐられる様な事を言わないでよ>ふぅ
やえ<それに……菫も…やるんだったら、もうちょっと上手く立ち回りなさいよね>はぁやれやれ
やえ「だけど松実さん。真面目な話。彼女の事を本当に大事に想うなら、少しの『おいた』位は赦してあげた方が良いと思うよ?」
宥「それは……で…でも……」
やえ「彼女だって欲求の捌け口が必要なんだから、無理に抑えると爆発して、壊れちゃうかもしれないわよ?色々な意味でね……」にや
宥「………………」
やえ<うーん?ちょっとまずったかな?ちょっと探りを入れるだけの心算だったけど、これは少し、軌道修正しないといけないかも知れないわね……>
やえ「まあそう心配しなさんな。変に考え込まずに、でんと構えて待っていればあとで何とでもなるわよ」
宥「う…うん……そうだね」
やえ「それに優しくしてくれているんでしょ?」
宥「うん…前も言ったけど、菫ちゃんはずっと優しい……私を大切にしてくれている」
やえ「はいはいご馳走さま。それなら全然大丈夫かな?」あはは
やえ<確かに…大事にはされているわね…大事には……>ふふっ
由華「……………?」
堯深「……………」ずず…
堯深「でも…もし本当に浮気とかだったら?」
やえ「!?」どきっ
宥「!?」びくっ
由華「…………」ぐび
やえ<せっかく軌道修正しかけたのに…いきなり何蒸し返すの!このお茶メガネは!?>
堯深「もし私の彼氏が浮気なんてしようものなら…私だったら彼のアレをハーベストしますけどね」ずず…
宥「!?」どきっ
由華「!?……」ぐび
やえ<!?こいつは自分をアベサダならぬシブタカとでも言いたいのか!!>ぐぬぬ
堯深「ふふ…冗談ですよ。そもそも弘世先輩は女性ですからね……ねぇ小走さん?」
やえ「お…おう……って何で私に訊くのよ!?……さては渋谷。お前既にかなり酔っぱらってるのか?」
堯深「そんな事無いれふよ?」ずず…
やえ「今何杯目?」
堯深「4杯目」
やえ「ペース早!?」がびーん
やえ<ふむ…今は判らないけど…どうもこの子も菫を狙っていた節があるからな>
やえ<酔っぱらっての発言…いや酔っぱらっての発言だからこそ油断ならないわね>
宥「…………………」くぴ
尭深「ふふ……」ずず…
尭深「こんな事言ったすぐ後で何ですが…松実さん」
宥「ん?どうしたの堯深ちゃん?」
尭深「弘世先輩の事ですが…松実さん、申し訳ないですが近い内にまたお借りする事になると思いますので」ずず…
宥「あの恒例の虎姫OB会とかいう?」くぴ
尭深「ええ。まあ…OBとは言っても、まだ現役の淡ちゃんも呼んでいる位ですから、いい加減なものなのですが……また先輩をお借りしてもいいですか?」
宥「うん。その位なら全然いいよ。本人も楽しみにしているし」にこ
尭深「有り難う御座います。また本人に連絡すると思いますので」ぺこり
宥「うん。わかったよ」
やえ<よしっここらで話題を変えよう>ぐっ
やえ「話は変わるけど、来年は私達と菫を入れた5人で、インカレ団体戦優勝狙って行くつもりだし、私はそれだけの実力もあると思っている」
由華「はい」こく
尭深「……」こく
宥「…………」
やえ「だから松実さんも、菫も私達と一緒に頑張って貰わないとね」にこ
宥「……………うん」
やえ「まあ、みんなそれぞれ色々な事があるとは思うけど。今日のところはそれも忘れて取り敢えず愉しんで呑みましょう!!」
やえ「そう言う訳でもう一度」
やえ・由華・尭深・宥「「「「かんぱーい」」」」
カチャン!!
その頃の玄さんの部屋。
玄「えへへ…菫さんの腕枕はとっても気持ちいいのです……//////」
菫「そうか…そう言って貰えるとこっちも嬉しいよ」にこ
玄「///////……ねぇ菫さん……今日ぐらいはこのまま泊ってくれるのですか?お姉ちゃんは部活の人と飲み会に行っているのですよね?」
菫「ああ。その通りなんだけど…宥は必ずその日の内に帰って来るから、残念だけど、ここに泊る事は出来そうにないな」
玄「でも……」
菫「宥は帰って来たらきっと私の部屋を訪ねるから、こんな時間に開ける訳にはいかないんだよ」
玄「そんなにお姉ちゃんの事が気になるのですか?」
菫「宥は私の大事な彼女なんだ当たり前だろう?」
玄「今でもやっぱり私なんかよりも……お姉ちゃんの方が大事なんですね……」
菫「玄さん……私の見たところ最近どうも疲れ気味な感じだし、練習も控え気味にした方が良いのかな?」
玄「そっそんな事はないのです!私は大丈夫なのです!!」ぶんぶん
菫「……それならいいのだが……くれぐれも体調には気を付ける様にな。玄さんが病気でもしたら宥も心配するだろうし……」
玄「はい…なのです……」しゅん
玄<どうしてここでお姉ちゃんの名前が出て来るの……>
菫「さて…そろそろ着替えるかな……」すっ
玄「あっ……」
菫「玄さんはそのままでいいから。ゆっくり休んでいればいい」はきはき
玄「もう…行っちゃうのですか……」
菫「ああ。さっきも言った様に、宥が帰ってくる前に帰らないと」
玄「シャ…シャワーくらい浴びて――――」
菫「いや…同じマンション内だし、自分の部屋で浴びる事にするよ。それじゃあ――――」
バタン。
…………。
玄<……菫さんはやっぱり私の事を練習の相手…ううんお姉ちゃんの妹としか見てくれてないんだ……>じわ…
玄<分かってた…分かってたつもりなのに……そんな当たり前の事なのに……>ぽろぽろ
玄<どうして…こんなに苦しくて哀しいの……>ぽろぽろぽろ
玄<教えて下さい…菫さん…………お姉ちゃん……―――――!!!>
玄<うわっ――――うわぁああああああああああああぁ―――――>
玄<あああアアアアああ――――うっ!!>がばっ
玄<気持ち悪―――――>たたっ
洗面所。
玄「うぇぇぇぇ―――」
…………。
玄「また…気持ち……悪く………―――――!!!」はっ
玄「も…もしかして……私―――――」
数日後の夜。
宥さんの部屋。
宥「うーん。テレビ付けてもあんまり面白いのやってないなー」プツン。
宥「菫ちゃんも虎姫OB会があるって言って出掛けちゃったし……」
宥「玄ちゃんと一緒にご飯食べよと思って電話したけど…繋がらないし……」
宥「仕方ないからもう一人で作って食べちゃったし……」はぁ
宥「菫ちゃん…早く帰って来ないかなぁ……」
宥「菫ちゃん……菫ちゃんはいつも私を大事に…大切にしてくれてる……」
宥「でも私は……そんな優しい菫ちゃんに甘えてばっかりで…菫ちゃんに何のお返しも出来ていない……」
宥「最近よく菫ちゃんが、私の知らない何処かへ行っちゃう事が多いけど私がとやかく言う資格なんて無いよ……」
宥「こんなんじゃ……駄目だよね……」
佐天「完結しててもつまんない奴も多いんだね……」
初春「本文がよくても、後書きや合いの手で興醒めするのもですね」
初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」
初春「百番煎じのSSは、書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねえ」
初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」
初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」
佐天「初春?」
宥「何時までも菫ちゃんに甘えてるだけじゃ駄目……何時までも怖がってちゃ駄目……」
宥「アレだって菫ちゃんの大事な一部分なんだもん。私は…菫ちゃんの全部を愛したい……」
宥「…………うん。決めた」
宥「私は菫ちゃんが帰って来たら、勇気を出して今日こそ菫ちゃんの全てを受け入れる」ぐっ
宥「だから菫ちゃん……」
宥「早く帰って来て―――――」
♪私だけを私だけを抱き締めて欲しいの――――
宥「!!あっ電話が鳴って……尭深ちゃん?珍しいな……それに今、菫ちゃん達とOB会してる筈なのに何だろ?」
ポチ
宥「はい。もしもし……」
尭深『あっ松実さんですか?弘世先輩にどうしても繋がらなくて、松実さんに連絡させて頂いたのですが……』
宥「え………?」
尭深『?……どうしました?』
宥「……い……いえ……何でも無いよ?それでどうしたの?」
尭深『はい。今度のOB会の事なんですけど……』
尭深『皆の都合を訊いたら明日しか都合が付かなくて、急遽明日に決まったって伝えておいて頂けますか?』
宥「………………………」
尭深『急な事ですし都合が付いても付かなくても、出来る限り早く連絡してほしいんです。付く場合は詳細を――――って松実さん?……』
宥「……………………………うん……≪判ったよ≫菫ちゃんに伝えとくね?」
尭深『あっ…ちょっ……松実さn―――――』
プツン……
宥「合宿から帰ってきた頃から、菫ちゃんは前よりも優しくなって…私の身体も無理に求めてこなくなった……」
宥「でも…その頃から連絡が付かなくなる事が多くなった……ううん…菫ちゃんだけじゃない玄ちゃんも同じ……」
宥「そう言えば……あの時に感じた違和感……」
宥「そうか……あはは…≪そう言う事≫だったんだ――――」
同じ頃。玄さんの部屋。
ベッドの上。
玄「えへへ…菫さん練習をいっぱいシタだけあって、とっても上手になったのです」にこ
菫「そうか……ありがとう玄さんのお陰だよ…」
玄「うん……」ぎゅっ
玄「えへへ…菫さんあったか~い」ぎゅ~
菫「ふふ……」なでなで
玄「菫さん…ちょっとお願いがあるのです」
菫「玄さんが私に改まってお願いなんて珍しいな…いいよ何でも言ってくれればいい」
玄「はい…あの…練習なんですけど……菫さんも上手になりましたし……」
玄「此処の処やっぱり少し体調がよくないので……少し休ませて貰ってもいいですか?」
菫「そうか……私も玄さんの体調の事は気に掛けてはいたんだ。私もその方が良いと思っていたところだよ」
玄「ありがとうなのです…でも……」
菫「でも?」
玄「練習しない分……その代わりじゃないですけど……これからは出来る限り私の側に居て欲しいのです……」
玄「最近…一人でいるのが凄く不安になる時が有って……」
玄「ずっとじゃなくてもいいのです…時間が出来た時に、菫さんが私の側に居てくれたら……それだけで安心するのです」
菫「そうか……ああ。分かったよ。私も出来る限り時間を作るから」にこ
玄「菫さん…えへへ……とっても嬉しいn―――――」
?「ねぇ」
玄・菫「「!?」」ビクッ!!!
?「二人ともこんなところで」
菫「ゆ――――」
宥「ナニしてるのカナ?」
菫「宥…………」
玄「お姉ちゃん…………」
菫「宥…か…鍵は掛けた筈なのにど…どうやって中に?」
宥「もしもの時の為に、玄ちゃんとお互いの部屋のスペアキーを作っていたの。勿論、使ったのは初めてだけど」
玄「チェーンも掛けていた筈なのに……」
宥「チェーン?ああ…それなら……」すっ
玄・菫「「!!」」びくっ
宥「玄ちゃんも持っているでしょう?コレも≪もしも≫の時の為にお父さんが持たせてくれた、特注の鋸を使ったの」
宥「コレも初めて使ったけど…小さいのに凄くよく切れて吃驚しちゃった」にこ
玄・菫「「―――――」」ぞくっ
宥「そんな事はどうでもいい。私が知りたいのはどうして、OB会に言っている筈の菫ちゃんが、玄ちゃんの部屋のベッドの上で裸で抱き合っていたかと言う事」
菫「ゆっ宥!ち…違うんだっ!これは…その練習で――――」
宥「練習?ゴメンね菫ちゃん。ベッドの上で…裸で抱き合いながら可笑しな事を言われても、今の私には理解できないの」
菫・玄「「はっ//////」」かぁぁ
…………。
宥「それで玄ちゃん。イッタイ≪ドウイウコト≫ナノカ訊かせて貰えないカナ?」
玄「……それは――――」
菫「とっとにかく玄さんは悪くないんだっ。これは全て私――――」
宥「菫ちゃん」
菫「うっ!!――――」
宥「菫ちゃん。ちょっと静かにしてくれないかな?私は今、玄ちゃんとお話がしたいの」
菫「宥……」
宥「菫ちゃん。菫ちゃんには後できっちりお話をしたいから、今は自分の部屋に戻ってくれないかな?」
菫「それは……」ちら
玄「……………」こく
菫「……………」こく
菫「……分かった。宥…玄さんとの話が終わったら、私の部屋に来てくれ」すっ
宥「…………うん。分かったよ菫ちゃん」
バタン。
宥「で…玄ちゃん。≪ドウイウコト≫なのかお姉ちゃんに教えて貰えないカナ」ニコ
玄「………………IPS棒(通称)」ぼそ…
宥「!!?」
玄「折角、菫さんがお姉ちゃんとの未来の為に、覚悟を決めて勇気を振り絞って、決断したと言うのに……」
玄「お姉ちゃんはその想いを…覚悟を受け入れられず拒否したのです」
宥「………………」
玄「その所為で菫さんは悩み、自信を無くしてしまったのです」
玄「だから私は少しでも菫さんの力になりたくて…本当の意味でひと肌脱いだのです……」
宥「……………」
玄「菫さんに自信を取り戻して貰う為に……ううん…それだけじゃない」
玄「私があの人を求めてくれていたから、練習と称して私が望んで……あの人に抱かれたのです……」
宥「―――――――!!」バッ
パァン!!
玄「――――――!?」ビリッ ひりひり
宥「どんな理由があるにしても、人の大切なモノを盗ってはいけないって、お母さんに教えて貰わなかったの?」
宥「意地汚いドロボウ猫の玄ちゃん」サゲスミノマナザシ
玄「――――――――――!!」キッ
玄「…………ヘタレ」ぼそ…
宥「?」
玄「菫さんの全てを受け入れられなかったお姉ちゃんは、菫さん以上のヘタレなのです。そんなお姉ちゃんに!あの人の事でとやかく言われたくなんてない!!」
玄「たとえ…お姉ちゃんがあの人の恋人だったとしても……あの人がお姉ちゃんを愛していたとしても……」
宥「!?」
玄「私ならあの人の全てを受け入れられる。愛おしく思える……それが出来ないお姉ちゃんになんか、私は負けないのです」
宥「…………玄ちゃん……」
玄「それだけじゃない!私は……私はあの人の…菫さんの―――――」
宥「?」
玄「赤ちゃんを授かっているのです―――――」
宥「!!!!???」
宥「な…何を言っているの?玄ちゃん……」ドウヨウ!
玄「何をって……だから私のお腹の中には、私と菫さんの赤ちゃんがいるって言っているのです」にやぁ
玄<ホントはもう少し後になってから宣言する心算だったけど、こうなったらもうここで言うしかないのです……>
宥「……そんな…うそ…嘘よ……」よろ
玄「私はお姉ちゃんに嘘なんか付いた事は無いのです」どや
宥「――――そうだっ病院は?ちゃんと病院で検査したの?」
玄「病院には行ってはいないけど、今までそれらしい徴候が有って、妊娠検査薬を使ったら陽性だったのです」
宥「そ…それじゃあまだ判らないわ。ちゃんとした病院で調べないと……」
玄「……分かったのです。そこまで言うのなら明日にでも、お姉ちゃんと菫さんも一緒に病院まで付いて来てほしいのです」
宥「~~~~~~―――――……っ!!」
玄「それとも、真実を知るのが怖い?」
宥「そ…そんな事はないよ……分かった一緒に行くよ…玄ちゃん」ふるふる
玄「ふふ…この子は私と菫さんの未来を繋げてくれる、懸け橋……えへへ……私達の大切な幸せへと導く愛の結晶……」さすさす
宥「………………」
玄「ふふ…お姉ちゃん。実は私もう未来の人生設計をしているんだよ?」
宥「人生設計?」
玄「うん。先ずは私と菫さんがお父さんに挨拶に行くのです」
玄「お父さん…私とお姉ちゃんが上京する時、凄く心配していたから、すっごく怒ると思うんだ……」
宥「……そうね…勘当されちゃうんじゃないかな?」
玄「ふふ…菫さんと一緒ならそれでもいいけど」にへへ
宥「…………」ギリィ…
玄「でも……こう言えばきっと許してくれると思うんだ――――」
宥「何て言うつもりなの?」
玄「私と菫さんは今すぐ、吉野に帰って二人で旅館を継ぐって」ニヤァ
宥「何を言って……それに菫ちゃんや菫ちゃんの親御さんのこt―――――」
玄「お父さん……吃驚すると思うけど、菫さんならきっと気に入って貰えると思うのです」
玄「そして…私と菫さんとで、旅館でお客さん相手に麻雀を打ったりして……」
玄「菫さん美人さんだから、ソレ目当てにお客さんがたくさん来て益々繁盛しちゃうかもです」へへ……
宥<……玄ちゃんそんな事まで考えて……でも玄ちゃん、あなたは菫ちゃんの事しか見えてないのね……>
玄「だからお姉ちゃんは、松実館の事は私達に任せて、あったかい熱川バナナワニ園にでも就職すればいいのです」
宥「玄ちゃん……」
玄「ここまで言えば判ると思うけど、この子がいる限り、菫さんは私のモノなのです」さすさす
宥「玄ちゃん本気なの?仮に本当に妊娠していたとして、本気で産む気なの?」
玄「勿論なのです。その覚悟もとっくに出来ているから」
玄「お姉ちゃんと違ってね――――」
宥「そんな簡単な話じゃないわ。それに菫ちゃんがそんな話を受ける訳が――――」
玄「菫さんは優しいのです……そんな菫さんが私の事を見捨てる訳が無いのです」
のですとサゲスミノマナザシみたいなのをやめて
IPSはiPSにしてくれたら
読みやすい
宥「見捨てるって……」
玄「そんな事になったら私は……私は――――――」
宥「?玄ちゃ――――」
玄「いえ……何でも無いのです……」
宥「そう……玄ちゃんのお話を、大体分かったわ。でも―――それでも私は菫ちゃんを誰にも玄ちゃんに渡したくは無いの」
宥「私はどんな事が有っても、今でも菫ちゃんの事を愛しているから……」
玄「お姉ちゃん……分かったのです。じゃあお姉ちゃんは今から、此処で話した事を菫さんに話して、その上で菫さんに決めて貰うのです」
宥「……それはいいけど、玄ちゃんは一緒に来ないの?」
玄「私は此処で待ってるよ。私は菫さんの≪優しさ≫を信じてるから……」
宥「……分かった…じゃあ菫ちゃんの処に行くね」
玄「≪終わったら≫菫さんに此処に来るように言ってね、お姉ちゃん」
宥「うん。判ったよ…玄ちゃんじゃあ……」
バタン。
菫さんの部屋。
菫「―――――――!!」
宥「……………」
菫「まさか…玄さんに……私の…ほ…本当なのか?……宥?」ガクガク
宥「分からない……玄ちゃんは検査薬で調べたらしいけど、本当の事は判らない。本人は確信している様だけど……」
菫「そんな…私は……」はっ
宥「……………」ぐぐ…
宥<宥が手を振り上げて……当然だよな…私は――――」
バッ
菫「――――――」ぐっ
ピタッ
菫「………!?……何故…止めr――――!?」
照が絡んだ四角関係のSSも面白かった
宥「――――――」ぽろぽろ
菫「ゆ…う?……」
だき…
菫「!?」
宥「ごめんね……ごめんね菫ちゃん……」ぽろぽろ
菫「どうしたんだ宥?叩かないのか?悪いのはどう考えてm―――――」
宥「ううん…私が……私が菫ちゃん以上のヘタレだったのが原因だから……」
宥「私が怖がらずに受け入れられていたら…こんな事にはならなかった……それなのに菫ちゃんを叩ける訳がないよ……」
菫「宥……いや…どんな理由があろうと悪いのは、宥でも玄さんでもなく……自分の欲望に流されてしまった私だよ……」
菫「だから…私は幾ら叩かれ罵しられても文句は言えないし、寧ろ当然の事だ。宥が謝る事なんて何も無いんだよ」
宥「菫ちゃん……」
菫「私は……何処かおかしくなってしまっていたんだ……今…やっと目が醒めた気分だよ……はは…もう取り返しが付かないと思うが……」
宥「もう取り返しが付かないって…どう云う……事なの?」
菫「私は宥を裏切り…玄さんには取り返しが付かない事をしてしまった……」
菫「こうなってしまった以上もう宥とは一緒に居られないし……玄さんにはそれなりの誠意を…責任をとらないといけない……」
宥「……何を言っているの?菫ちゃん……そんな勝手な事を言わないで」きっ
菫「宥……」
宥「もし…本当に玄ちゃんに菫ちゃんの赤ちゃんがいたとしても……それでも私は菫ちゃんの事が好きなの…愛しているの……」ぽろぽろ
宥「どうしようもない位に……それなのに私は……」
菫「宥……」
宥「菫ちゃん…私が上京するのを決めたのは貴女がいたから……出不精で引っ込み思案な私を弓を引く様に、私の手を引っ張ってくれたから」
宥「私は麻雀でも最後に射抜かれたけど……私の心もずっと前から菫ちゃんに射抜かれていたの……」
宥「だから私はこんな事で…ううん何があっても菫ちゃんと別れたくなんてないよ……」ぽろぽろ
菫「こんな事って……だが私は――――」
宥「菫ちゃん……」すっ
しゅる…
菫「!?宥…何脱いで……」
宥「私…本当は決めてたの……今日、菫ちゃんが帰って来たら……菫ちゃんの全てを受け入れるって……」
菫「宥……」
宥「だから…もしかしたら最初で最後になるのかもしれないけど……菫ちゃん…私を…抱いて下さい///////……練習なんかじゃなくてね」にこ
菫「宥……無理しなくt――――」
がばっ
菫「!?」
宥「無理なんかじゃないよ……私が望んだ事だもん……だから……」ぎゅっ…
菫「…………本当に…いいのか宥……」
宥「うん」
菫「愛してるよ宥……」
宥「私もだよ…愛してるよ菫ちゃん」ちゅっ
以下略。
…………………。
菫「宥……その…身体とか大丈夫か?」
宥「うん…大丈夫だよ。寧ろどうして今までしなかったんだろうって……こんなに満たされて幸せな気分に浸れるのにって」にこ
宥「愛する人を受け入れ、抱かれる事がこんなに幸せな事だって……何でもっと早くこうしなかったのだろうって……ふふ私ってほんとバカだね」ぎゅっ
菫「宥……」
宥「でも…もう駄目なのかな……」
菫「私はずっと前……今になって気付いた。やっぱり宥……何よりも誰よりも貴女の事を愛している…離れる事なんて出来ないと……」
菫「馬鹿は私の方だ……目の前に貴女がいたのに、一時の感情でとんでもなく愚かな事をしてしまった……」
菫「宥を傷付け……玄さんも傷付けた挙句に、取り返しのつかない事をしてしまった……」
菫「それでも私は……もう何が有っても宥…貴女を離さない…離したくないんだ。愛してる愛してるよ宥」ぎゅう
宥「ありがとう菫ちゃん。私も菫ちゃんの事ずっとずっと愛してるから……だからもう離さないで……」ぎゅっ
>>182
そのタイトルをくわしく
…………………
宥「菫ちゃん行くのね……」
菫「ああ。玄さんとも話し合わないといけないしな……」
宥「菫ちゃん……私は最初にこの事を知った時、菫ちゃんも玄ちゃんも赦せなかった……」
菫「…………」
宥「でも…一番許せないのは、こんな事になる原因を作ってしまった私自身……」
宥「ねえ…菫ちゃん……私たちみんなが幸せになるって事はもう出来ないのかな?……」
菫「……うん…そうできるといいな」こく
宥「菫ちゃん……菫ちゃんがどんな選択をしても、どんな結末になっても、私は菫ちゃんに付いて行くだけから……だから必ず帰って来てね…菫ちゃん」ぎゅっ
菫「ああ。必ず貴女の元に帰るから、此処で待っていてほしい」ぎゅっ
宥「はい。でも、早く帰って来てね菫ちゃん」ふふ
菫「分かった。じゃあ行って来る」
宥「いってらっしゃい」
バタン。
…………。
菫「とは言え勇んで出てきたものの……」ふー
菫「……いざ話を付けるとなると、どうにも落ち着かないな……そうだな音楽でも聞くか」
ピッ
♪かーなーしみーのーむーこーえとー
菫「やっぱり…この曲を聴くと落ち着くな……」ふぅ
玄さんの部屋の前。
菫「さて…行くか―――」すっ
ピンポーン
ガチャ……
>>191
探したが分からんかったわ…
照がクロチャーに性的な悪戯とかしたりする内容で
スレタイはクロチャーがなんか叫んでたと思う
………………。
玄「菫さん…ちょっと遅かったですね……」
菫「済まない…大事な事だったからな……」
玄「そうですよね…えへへ私は大丈夫なのです。だから菫さんは取り敢えずソファにでも掛けていて下さいね」にこにこ
菫「ああ。失礼する」すっ
玄「もう、そんな他人行儀にならなくても……それでお姉ちゃんからは…聞いているのですよね?」
菫「ああ…」
玄「それでこれから、どうするのですか?」にこにこ
菫「これからって…私は――――」
玄「ふふ…私はもう決めているんですよ?」
菫「えっ?」
玄「奈良に戻って出来るだけ早く結婚して、それで私達で旅館を継ぐのです。それなら私のお父さんも赦してくれると思うのです」にこにこ
玄「それで、私と菫さんと、このお腹の子と……ううんもっといっぱい子どもを作って、幸せに暮らすのです」にこにこ
>>199
照「あ゛あ゛あ゛あ゛(ry」か玄「じゃあ死んでください!今すぐ!」
だった気がする 合ってるかは知らね
菫「…………………」
玄「どうですか菫さん?私達にはもうこれしかないと思うのです」にこにこ
菫<玄さん……そこまで…でも………>ぐっ
菫「玄さん。その事なんだが……」
玄「はい。何ですか?」にこにこ
菫「玄さん……今回の事は本当に申し訳ないと思っている」
玄「えっ?赤ちゃんが出来た事ですか?だったらべt――――」
菫「だけど私はやっぱり宥と別れる事は出来ない。だから玄さんと結婚する事は出来ないんだよ……」
玄「えっ?……ナニを言っているのかよく判らないのですが……」カタカタ…
菫「済まない玄さん……全ての責任は私が持つ。だから先ず病院に行ってちゃんと検査して、それでもし本当に妊娠していたらその時は――――――」
>>202
そうそう!それだそれ!
玄「じゃあ死んでください!今すぐ!」っていうやつ
「玄 照 死 ss」とかで検索しても何故か出なかった
玄「菫さん!!」かぁ!!
菫「!?」
玄「どうしても私と一緒にはなれないと……」わなわな
菫「済まない……私にはやっぱり宥を愛しているんだ。他の誰よりも……玄さん…よりも」
玄「――――――――!!!」
菫「出来る限りの誠意は尽くす。だから玄s―――――」
玄「…………どうしても私じゃ駄目なんですか?やっぱりお姉ちゃんが良いんですか?」
菫「ああ…私はどうしても宥が一番なんだ……だから――――」
玄「分かりました……ちょっと…………お茶淹れて来ますね…………」ふら…
菫「玄さん……」
がちゃがちゃ…
玄「菫さん……」
菫「ああ。早かっt――――――」
キラッ
菫<それは――――>
ダッ!!
菫「……玄さn――――――」
玄「サヨナラ…ううんマタナノデス」
グサッ
菫「がっ!?玄さ……」かはっ
菫<刺され…たのか?……>
玄「酷いのです!!自分だけお姉ちゃんと幸せになろうだなんてっ!!!」
菫<そうか……それが玄さんの……>
玄「私は―――――――」
グサッグサッ……
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
菫「がはっ!!」
玄「菫さんが悪いのですよ……それにお友達の華菜ちゃんがこう言ってくれたのです――――」
玄「コロシテデモテニイレタイホドスキナヒトガ、ジブンノモノニナラナイノナラ、コロシテデモテニイレテモイイッテ――――――」
菫<い…意識…が……そうか…私は……此処で死ぬのか……そうだな…仕方ない…私はそれだけの事をしたのだから……>
菫<練習などと人が聞けば詭弁にしか聞こえない言葉に甘え、宥を裏切り玄さんを利用して彼女の優しさに肢体に溺れてしまった……>
菫<私は罰を与えられてしかるべきだ…だが…宥を不幸にしてしまった……私は彼女を幸せに出来なかった……それだけが―――――>
すっ
玄<えっ!?……私の頬に手を?>
ぺた…
菫「済ま…ない――――――――――」
玄<菫さん…何て優しくて哀しい貌…………>
する……
かくん
玄「……………!!」はっ!!
玄「菫さん!!菫さん!!!」
ゆさゆさ…
菫「…………………………」
玄「私…私は……菫さんを………菫さんを!!!」がくがく
玄「……あぁ…すみ…菫さ……ああ―――――ぁ…アアアアアアアアアアああ――――――――」
みすった串の調子がおかしい
……………………………。
宥さんの部屋。
宥「菫ちゃん遅いな……私も玄ちゃんに―――――」
♪あーなーたをただあなたーをただ
宥「玄ちゃん?……はい」
玄「お姉ちゃんゴメンね
サヨナラ」
プツン―――
プー………
宥「えっ!?」
宥「な…何が……」はっ
宥「菫ちゃん!!!!!」がたっ
ばっ!!
玄さんの部屋。
宥「……あ…ああ……菫ちゃん…………」フルフル…
宥「ああ―――あああああああアアアアアアああ―――――――――!!!!!」
………………………
マンションの屋上。
ぎぃぃ。
玄「お姉ちゃん…よく私がここに居るって判ったね……」
宥「菫ちゃんを刺して、血塗れの筈なのに着替えた様子もないから、外に行ったとは考え難いし。そう考えたら屋上(ここ)しかないから」
玄「さすがお姉ちゃん。抜けてる様で抜け目ないね」
宥「いえ…私は間抜けも間抜け大間抜け。だってこんな事になるまでナニも知らなかったのだもの……」
玄「お姉ちゃん……」
宥「ねえ…玄ちゃん。どうして病院に行くまで待てなかったの?」
玄「それはっ!!だって菫さんがっ!菫さんがっ!!私が孕んでいようがいまいがお姉ちゃんを択ぶ何て言うから!!!」
宥「嘘…だからだよね?」
玄「えっ!?」
中に誰も・・・
宥「玄ちゃんが菫ちゃんの子を妊娠しているなんて嘘なんか付かなければ、こんな事にならなかったのに……」
玄「そんなっ!?嘘じゃ!嘘じゃないよお姉ちゃん!!私は本当に……」
宥「嘘……或いは玄ちゃんの思い込みね…だって菫ちゃんの恋人じゃない玄ちゃんが、菫ちゃんの子どもを宿らせる事なんて出来ないもの」
玄「――――!!私だって……私だって…菫さんの恋人になりたかった…でもあの人にはお姉ちゃんがいたから……無理だと思ってた…でも!!」ぽろ…
玄「たくさん練習してその≪成果≫が実って……これでやっと菫さんと一緒になれると思ったのに……それなのに―――――」ぽろぽろ
宥「その話はもういいわ…でも何でこんな処に居るの?自首とかする気は無かったの?」
玄「私は…もうこの世に居られない。菫さんを失って…お姉ちゃんを裏切って……」
玄「それならあっちの世界で、菫さんともう一度やり直して、お腹の子とそれにお母さんと一緒に今度こそ幸せになるのです……」
宥「そう…玄ちゃんの考えそうな事だね……でも…菫ちゃんはまだここに居るよ」
すっ。
玄<ベンチの上にスポーツバッグを置いて……>はっ
玄「≪ここ≫に居るって……」
宥「ふふ…開けてみて……」
玄「……………」ゴクリ…
ジー
玄「!!!!?」ガンッ!!!
玄「そんな…菫さんの……ああ…ああああ――――…………」がたがた
宥「私も菫ちゃんと離れるのが寂しかったから連れて来ちゃった」
玄「お姉……ちゃん……………」ふるふる
宥「でもね…玄ちゃん。玄ちゃんを向こう側へ送るのは、玄ちゃん自身じゃなくてお姉ちゃんなの。ソレモモウ、キマッテイルコトナノ」ニコォ…
玄「えっ!?」
宥「そうじゃないと……」すっ
玄「のこぎr――――」
宥「私の気が済まないから!!!!」ダッ!!
玄<!?はy――――――>
宥「またね…玄ちゃん」スッ
玄「首筋n―――――」
ズバッ!!
プシュー
玄「あっ…ああ……あああ………」くらっ
玄「おね……………――――――」
バタン。
宥「私は…みんなが幸せになれる方法を、みんなで考えようとしていたのに……駄目で早とちりな玄ちゃん……」
宥「もう…何もかも遅いし意味も亡くなってしまったけど……」
宥「玄ちゃん……今からお姉ちゃんが、本当に赤ちゃんがいるのか調べてあげるね」にこ
ギコギコギコ……
ぐちゃ…みち…ぶしゅっ……
宥「………………」ふぅ…
宥「ほら…やっぱり…玄ちゃんの思い込みだったんだね……」
宥「玄ちゃんの胎(なか)には誰も居なかったよ……」
……………………。
宥「ゴメンね菫ちゃん……こんなにしちゃって。ちょっと寒いよね……私あまり力持ちさんじゃないから、こうするしか無くって」ぎゅ…
宥「ふふ…でもこうすれば、ちょっとはあったかいかな?」
宥「でも大丈夫。すぐ私も一緒に逝くから……だから向こうの世界で、今度こそ一緒に幸せになろうね。菫ちゃん……」にこ
宥「ふふ…わたしもちょっと寒くなってきちゃった……でも大丈夫だよ菫ちゃん――――」
玄「―――――――――――――――――――」
宥「こうして玄ちゃんのナカに手を入れるとね……ふふ…ほらね――――」
すっ…じゅぼ
べっとり…ぼたぼた……
宥「えへへ……ほらね…」
宥「玄ちゃん…あったか~い」
おしまい。
取り敢えず。ここまで読んで下さった皆様。
有り難う御座いました。
……………………。
玄「」
宥「」
菫「夢の続きはゆっくり見るといい。一人でな」
実はもう一つオチを考えてたので、今からそっちを書かせて頂きます。
>>207から
玄「菫さん……」
菫「ああ。早かっt――――――」
キラッ
菫<それは――――>きっ
ダッ!!
菫「―――――!!」さっ
玄「!?」ボフン
菫「やれやれ。やっぱりか」はぁ
玄「くそぅくそぅなのです―――!!」だっ
菫「はっ」びしゅっ
玄「あっ……」ぽろ…
菫「シャープシュート!!」
ごちん!
玄「あいたー」さすさす
菫「全く…思い詰めて、こんな馬鹿な真似をするなんて……」やれやれ
玄「だって…だってなのです……わああああああああーーーーん」ぼろぼろ
菫「玄さん。もう少し私の話を聞いてほしい。もし今度、病院に行って玄さんの妊娠が確定したら。私は……その子を認知する心算だ」
玄「ふぇ?」きょとん
菫「申し訳ないが宥がいる以上、玄さん一緒になる事は出来ない。それでも玄さんが生みたいと言うのなら、私も出来る限りその子の面倒をみる心算だ」
玄「菫さん……」
菫「勿論。自分がどれだけ自分勝手で無計画な事を言っているのか判っている心算だ。でも、私は本気なんだ」
菫「私だって自分の子が可愛くない訳が無いし、勿論、玄さんの事も本当に大切に思っている」
菫「だから宥に…そして貴女達の親御さんや、私の親にどれだけ殴られ、蔑まされようとも赦しを得る心算だよ」
玄「菫さん……本気で言っているのですか?」
菫「ああ……私は本気だ。私はそれだけの事をしたのだから当然だよ。だから玄さん。玄さんもよく考えて決断してほしい」
菫「私は出来る限り玄さんの想いを尊重するし、責任を取らせて貰う心算だから」
玄「……そうですか…分かったのです……少し考えさせて貰うのです」
…………………………。
菫<その後、病院で検査をした結果、玄さんの妊娠が確定>
菫<その上で玄さんは「仕方ないのです」と私の非常識で世間体ガン無視の私の提案を受け入れてくれた>
菫<そして玄さんは、やはり産む事を選択した>
菫<そしてこの顛末を説明すると、宥にはため息を吐かれ、二人のお父さんと私の両親には白い目で見られつつ散々に説教された上で、どうにか赦しを得る事が出来た。もし私が男だったら、ボコボコにされていたに違いないが……>
菫<そんな贖罪と巡礼の日々がやっと終わった頃。今度は宥の妊娠が発覚。私は再び贖罪と巡礼の旅に出る事になった>
菫<その後。麻雀部も大きな大会が終わっていたので、宥共ども退部>
菫<事情を知った部員というか渋谷にシャープシューターならぬシュワーヒッターですね。なんて茶化される始末だった>
菫<そして二年時のカリキュラムが終了すると同時に、私と宥、そして玄さんも退学>
菫<私達とその家族との話し合いの結果。私達は全員松実館に身を寄せる事になった>
菫<そして宥と玄さんは出産と育児の為に静養し、私は松実館で旅館の仕事を覚えつつ、地元の大学に旅館経営を学ぶ為に編入した>
数年後。
松実館の裏玄関。
玄「じゃあそろそろ行くのです。菫さん、お姉ちゃん」
宥「行ってらっしゃい。玄ちゃん」
菫「うむ。気を付けてな」
玄「はいなのです」
?「おかーさん。いってらっしゃい」
?「玄おばさん。お気を付けて」
玄「うん。世紫花(よしか)に幸葉(ゆきは)ちゃんも、もうすぐ学校だから気を付けるのです」にこ
世紫花「うん!」こくっ
幸葉「はい」こく
玄「ふふ…二人ともいい子なのです」にこにこ
玄「お姉ちゃん。菫さん。世紫花の事、よろしくお願いします」ぺこり
宥「うん」
菫「とはいっても、送り出すだけなんだがな」はは…
玄「あっもう時間…じゃあホントに行って来まーす」がら…
ダッ
宥・菫「「行ってらっしゃい」」
幸葉・世紫花「「いってらっしゃーい!!」」ふりふり
玄「はーいなのですー夕方には帰るからねーーー」たたっ
菫<私が松実館に身を寄せて早数年――――>
菫<その間に私は宥と結婚し、子どもが生まれ、ここで働きながら大学で旅館経営を学ばせて貰って無事に大学を卒業>
菫<そして今では支配人見習いと言う、よく判らない役職に付かせて貰っている>
菫<そして子育てが一段落した宥が私と入れ替わりで大学に編入。そして今は玄さんが旅館を継ぐ為に専門学校に通っている>
菫<お義父さん……社長は玄さんに旅館を継がせる事を決めている様で、私は松実家に転がりながら≪弘世≫の性のままなのも、そう云う事なのだろう>
菫<云うなれば私は正真正銘、マスオさん状態なのであった>
菫<勿論。私も宥も玄さんが旅館を継ぎ、私と宥は全力で彼女をサポートする事に関しては当然である事も承知している>
菫<そう言う訳で、私と宥の子の幸葉も、玄さんとの子の世紫花も健やかに育ってくれている>
菫<私がしてしまった事を考えると、その内罰が当たるじゃないかと思う程に順調で怖い位だ>
菫<だが…これから先、私はどうなろうと、幸葉と世紫花にはこの世界で穏やかに幸せの葉と花を拡げて欲しいと思う>
菫<今の私が幸福ではないなんて事は絶対ないが、それでもこの二人には普通の恋愛をして、普通に結婚をして普通に幸せな家庭を作って貰いたいと切実に思う>
菫<それさえ叶えば何も言う事は無い…………――――>
宥「…nたあなたっ!」
菫「はっ!?」
宥「どうしたのあなた?ぼうっとして」
菫「い…いや何でも無いよ、なんでも……」はは
宥「もう幸葉と世紫花ちゃんの登校時間だから……」
菫「ああ…そうだな」
宥「それじゃあ幸葉、世紫花ちゃん気を付けて行って来てね」
菫「二人とも。気を付けてな」
幸葉「はい。お父さんお母さん―――」
世紫花「うんっ。菫お父さん宥おばさん」
幸葉・世紫花「「行ってきます!!」」
菫・宥「「いってらっしゃい」」
菫「幸葉と世紫花がとても仲が良くて本当に良かったよ」
宥「異母姉妹で母親が私と玄ちゃんなんだから当然だよ?」
菫「ああ…そうだな。宥と玄さんを見てると本当にそう思うよ」
宥「うん」にこ
グサッ…
菫「え?…」
??「」
菫「て…照?」バタッ
完
宥「……ねぇあなた…」
菫「ん?どうした宥?」
宥「あの事があって…最初に菫ちゃんからお話を聞いた時はどうなるかと思っていたけど……案外うまくいくものね……」
菫「まぁな…もしかしたらあの時、私は死んでいたのかもしれないしな……」
宥「えっ!?死ぬ?」ぎょっ!?
菫「いや…何でも無いよ。お義父さん達の理解と、お前と玄さんが仲良くしてくれるお陰だよ」
宥「ふふ…私と玄ちゃんは姉妹だよ…ただ……同じ人を好きになっただけだから……嫌い合う理由なんて無いよ?」
菫<いや…だからこそ何だが……この姉妹はやはり凄いな……私が…たった一、二度打っただけなのに気になって仕方なくなる訳だ>ふふ
宥「ん?どうしたのあなた?」
菫「いや……何でも無いよ…何でも」
宥「もう…変な菫ちゃん」むぅ
菫「でもこれだけは言える……私はこうして良かったって……幸せだって」にこ
宥「うん…私も幸せだよ。菫ちゃん……」にこ
宥「玄ちゃんも…早くいい人が見付かるといいのに……お父さんもちょっと心配してるし……」
菫「そうだな……」
菫<正直に言うと……玄さんの結婚に関しては、複雑なんだが……そんな事を言える立場ではない事は重々承知している>
菫<そう云えば、この前、虎姫OBの連中が、私を冷やかしに泊りに来た時……>
菫<照と渋谷が玄さんと子どもたち、特に世紫花と幸葉に異常とも云える程の興味を示していたな……>
菫<玄さんは兎も角……子どもたちには正直あまり会わせたくは無いな……>
宥「mれちゃん―――菫ちゃんっ!!」
菫「はひっ!」
宥「またぼうっとして……もう」むぅ
菫「いや…済まないちょっと考え事をな……」
宥「まあいいですけど…そろそろお仕事の時間だよ?」
菫「ああ…そうだな。それじゃあ今日も一日頑張っていこう!」びしっ
宥「はいっ」ぴしっ
>よしか
熱い巨乳好きの遺伝子を感じる
>>268
「触りたいんですっ!」ってことか
…………………。
宥「あな…弘世さん、もうすぐお客様がお越しになられますよ」
菫「ああ…そうだったな。ええっと…男性8人か……また麻雀目当ての御客様かな?」やれやれ
宥「ふふ…今は他に誰も居ないから菫ちゃんって呼んじゃうけど、菫ちゃん美人さんだから、しょうがないよ?玄ちゃんや私もだけど」てへぺろ
菫「私は戸籍上は性別は「女」ではあるけど続柄は「父」「夫」になっているけどな……」
宥「菫ちゃん目当てで来るのは男性のお客様だけじゃなくて、若い女性客も多いんだけど……」
菫「……そんな事は無いよ。でも…まぁこれで売り上げが上がってくれるなら…有り難い事かな?」
宥「うん…そうだよ。私達も従業員の皆さんも食べていけるならこんなありがたい事は無いよ?」にこ
菫「ああ…そうだな」
宥「うん」にこ
菫<私達……少なくとも私は幸運にもこれ以上望めぬ程の幸せを手に入れる事が出来た。そして――――>
菫<願わくば……この幸せが幸葉と世紫花にも与えられます様に……>
もいっこおしまい。
おまけ。
更に10年後。
長野市。官舎。
やえ「ちょっと話が有るんだけど」
?「ん?どうしたの母さん」
やえ「うん…今度の異動でまた転勤する事になって……」
?「また?まあ仕事上仕方のない事だと思うけど……で、今度はどこなの?」
やえ「ええ。奈良の吉野ってトコよ。母さんの生まれ故郷の。アンタも小さい頃住んでいたのよ?」
?「住んでたって…赤ん坊の頃の事なんて覚えてナンか無いよ。物心ついた時はもう東京だったし……」
やえ「そうねえ…吉野はここよりも更に田舎だし、アンタもここの生活になれたでしょうし、アンタはここに居てもいいのよ?それ位の蓄えはあるから」
?「いや。俺も付いて行くよ。なんたって母さんは女手一つで俺を育ててくれたんだし、凄く苦労をした事も知ってる……」
?「だから母さんに、その事には凄く感謝している心算だよ」
やえ「……………アンタ……」じーん
?「と言うか母さんは見た目は若いんだから、今からでも婚活しても俺は良いと思うよ?」
やえ「なに言ってんのよ?まったく……それに見た目には余計だから」
?「はいはい。まあ好きにして下さい。でも俺はそんな母さんをちょっとは尊敬してるんだぜ?」
?「へぇ…そう思ってくれてたんだ?嬉しい事言ってくれるわね……でもまあ女手一つって言っても、身から出た錆びなんだけどね……」はは…
?「…………」
一回でできたわけか
やえ「だからアンタは私みたいにならない様に…誠実に生きて欲しいって≪誠≫って名前にしたのだから、あんまりあっちに行って変な事しないでよ?」
誠「何言ってるの母さん?俺は元から誠実な男だよ?」
やえ「ははは…そうだといいけどね」
誠「あーそうですか。まったく……まあいいや。それはいいとして……実は…ちょっと吉野って聞いて何故か気になったんだ」
やえ「ほーう。まあ吉野は田舎だけどいいところだから、なれたら気に入ると思う」
?「ああ……ナンか知らないけど、愉しみになってきたよ」
誠<……何だろう?何故かとても面白いくて、愉しい事が起こりそうな気がするんだよなぁ……へへ…愉しみだなぁ吉野……>ニヤァ…
本当におしまい。
くぅ~疲れましたが、これで全部おしまいです。
ここまで読んで下さった方、支援して下さった方々、
本当にありがとうございました。
それでは。
もうちょっとだけ続くんじゃ
>>279
これ以上続くと、オリキャラがメインと云う事態に陥ってしまうので流石に止めておきます
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