京子「綾乃に名前で呼んでほしい」(137)
京子「みんな知ってると思うけど、私は綾乃にフルネームで呼ばれてるわけです」
結衣「そうだな」
ちなつ「嫌われてるんじゃないですか?」
京子「や、やっぱりそう思う?」ズーン
京子「……はぁ、いろいろ迷惑かけてるもんなぁ」ハァ
あかり「京子ちゃんのこと嫌いだなんて、そんなことないよぉ!」
あかり「ただの冗談だって。ね、ちなつちゃん?」
ちなつ「そ、そうですよ!そんなガチヘコミするとは思わなくって」アセアセ
京子「ほんと?」
ちなつ「ホントにホントですっ」
京子「だよねー!というわけで、今日のごらく部は
私がどうやって綾乃に名前で呼んでもらえるかを考えるよ!」
結衣「めんどくさいやつだな」
京子「誰かー、何かいいアイディアないー?」
ちなつ「仕方ないですね、>>5なんてどうです?」
逆に綾乃を名字で呼ぶ
ちなつ「仕方ないですね、逆に杉浦先輩を名字で呼ぶなんてどうです?」
結衣「なるほど、綾乃にも似たような気分にさせる作戦か」
あかり「いきなりよそよそしい呼び方になるのもちょっと杉浦先輩がかわいそうな気もするけど」
あかり「でも、京子ちゃんの悩みももっともだし」
ちなつ「あかりちゃんには反対されるかと思ったけど……、これで決まりですね!」
京子「うん!お手軽に試せるし、ナイスだよちなつちゃん!」
ちなつ「ふふん、私にかかったらざっとこんなもんですよ」
京子「うんうん!それじゃお礼のちゅっちゅを」ンー
ちなつ「い・り・ま・せ・ん!!」
京子「ああん」
結衣「まあ、明日実行してみたらいいよ。何かあったら私がフォローしてやるし」
京子「あんがと、結衣~」
あかり「それじゃ明日結果聞かせてね?」
【翌朝 2-5教室】
京子「おっはよー!」
結衣「おはよう」
綾乃「あ、おはよう、船見さんと、歳納京子」
千歳「おはよう、歳納さん、船見さん」
結衣(さっそくいくか?)
京子(いくぜ、綾乃ぉ!)
京子「おはよう、千歳」
京子「おはよう、杉浦さん」
千歳「……!?」
綾乃「>>11」
おはよう、わたしだけの京子
綾乃「おはよう、わたしだけの京子」
結衣「!?」
千歳「綾乃ちゃん!?」タラー
京子「へ」
京子「……」チラ
結衣(こっちみんな!)フルフル
京子「……あ、あの、あやn、コホン、杉浦さん、今なんと?」
綾乃「もうっ、聞こえなかったの?こう言ったのよ」
綾乃「わ・た・し・だ・け・の……京子!って」ニコ
京子「……ちょ、な、何言ってんの///」
京子(ど、どうしよう、いきなり目標達成しちゃったよ!)
京子(それどころか私だけのとか……、ど、どうリアクションしたらいいんだ!?)
京子「>>19」
結婚しよう
京子「結婚しよう」
千歳「歳納さん!?」ブバッ
結衣「京子!?って千歳大丈夫か!?」
千歳「ふ、船見さん……、うち、いつのまにかリアルな妄想世界に入ってたみたいや……」ニコ
結衣「いや現実だから!……現実だよな?どうしちゃったんだこれ」
綾乃「京子……、その言葉、そのまま受け取ってもいい……、のよね?」
京子「え」
京子(とりあえず綾乃のテンションにあわせたリアクションしてみたんだけど)
京子(綾乃マジっぽいじゃん!)
京子(ノリで言っただけとか言えないよね)
結衣「結婚ってお前……、したくてもいろんな意味でできないだろ」ハァ
京子(おお!結衣、ナイス!)
綾乃「大丈夫よ船見さん、>>26」
給料三か月分の証拠を出しなさいよね///
綾乃「大丈夫よ船見さん。京子、給料三か月分の証拠を出しなさいよね///」
京子「え?」
結衣「たしかに婚約指輪は給料の三か月分って聞くけど」
結衣(何が大丈夫だったんだ?)
京子「きゅ、給料って言っても……、コムケの売上げくらいしか」
綾乃「それでいいわ、ね、京子、婚約指輪ほしいな?」
京子(上目遣いでおねだりする綾乃かわいい……///)
京子(って)
京子「え、えっと、まあ、婚約かどうかはともかく指輪買うくらいなら」
京子(なんでもいいから、なんとかこの場を収めたい)
綾乃「ほんと!?嬉しい!ありがとう京子!」ギュウ
京子「ちょ、いきなり抱きつくとか///」
千歳「天国やわぁ」ダクダク
結衣「千歳ー!!」
【ごらく部】
あかり「それでそれで?昨日の作戦はどうなったの?」
京子「うん……、京子って呼んでもらえたよ」
ちなつ「やっぱり私の作戦がよかったんですね!」
京子「はは、そうだねー」
あかり「あれ?うまくいったのに元気ないねぇ」
結衣「それがカクカクシカジカで、変な方向に」
あかり「結婚!?す、すごいねぇ」ドキドキ
ちなつ「あかりちゃん、そこはいいから」
ちなつ「あれですかね、杉浦先輩、名字で呼ばれたのがショックで一時的に混乱したとか?」
結衣「それが放課後まで京子ラブなままだったんだよ」
京子「どうしよう、ちなつちゃん、あかりぃ」
あかり「……まず京子ちゃん自身は、杉浦先輩にアタックされてどうなの?」
京子「え?そ、そうだなぁ、>>34」
あかりが一番好き
京子「え?そ、そうだなぁ、あかりが一番好き」
あかり「え///」
京子「だから、綾乃の気持ちは嬉しかったけど、正直困ってるんだ……」
ちなつ「きょ、京子先輩さりげなく告白とかすごいですね」ドキドキ
京子「……告白?私、今嬉しいけど困ってるって言っただけだよね?」
結衣「いやお前、あかりが一番好きって行ってたぞ」
京子「ちょ……!それ心の声!みんなエスパーかよ!?」
ちなつ「しっかり口に出してましたよ……」
京子「ま、マジで……?」
結ちな「マジで」コクコク
京子「うわぁ、ちょっとぉ、心の準備できてないんだけど!///」
京子「……」チラ
あかり「!」
あかり「……///」モジモジ
ちなつ「なんだこれ」
ちなつ「京子先輩にはもう好きな相手がいる以上、杉浦先輩にはかわいそうだけど
諦めてもらうしかないですかね」
結衣「待ってちなつちゃん。あかりの気持ちも確かめておかないと」
結衣「ほら、相思相愛だって伝えたほうが説得力が出るだろうし」
ちなつ「そうですね!さっすが結衣先輩!素敵なアイディアです!」
ちなつ「それじゃあかりちゃん!京子先輩のことはどう思ってるの?」
あかり「え!?」
京子「……」ドキドキ
あかり「え、えっとぉ、>>46」
あかりは京子ちゃんのお母さんと恋人どうしだから
京子ちゃんとは付き合えないよぉ
あかり「あかりは京子ちゃんのお母さんと恋人どうしだから
京子ちゃんとは付き合えないよぉ」
京子「」
ちなつ「え?ちょっとあかりちゃん?何を言ってるのかな?」
あかり「もうっ、ちなつちゃんてばちゃんと聞いててよぉ」プンスカ
あかり「あかり、実はね、京子ちゃんのお母さんと恋人同士なの」
あかり「京子ちゃんのことは好きだよ?幼馴染として」
あかり「好きな人の娘として」
ちなつ(うわぁ、めんどくさいことになりそう)
ちなつ(聞かなきゃよかった)
結衣「で、でもさっき京子を見て顔赤らめてたじゃないか!」
あかり「えへへ、だって、恥ずかしいそうにしてる京子ちゃん、
親子なんだねぇ、あの人の照れた顔に似てて……///」
結衣「ああ……、そうなんだ」
あかり「だからあかりにとって、京子ちゃんは娘みたいなものなの。
京子ちゃんの想いには応えられない……、ごめんね」
京子「>>57」
綾乃とエッチする
京子「綾乃とエッチする」
結衣「京子!?何言ってるんだいきなり!」
ちなつ「けっこう大胆なんですね京子先輩」ドキドキ
あかり「ダメだよ京子ちゃん!まだ中学生なんだから、え、エッチなんて」
京子「ほっといて!振られた心をなぐさめてくれるのはもう綾乃しかいないの!」
ちなつ(それはそれで酷い話だよねー)
京子「心も身体もなぐさめてもらうの!」
京子「綾乃のところに行ってくる!指輪買う約束してたんだから」
あかり「待って京子ちゃん」
京子「あかりなんてお母さんのところに行けばいいじゃん!」
あかり「……ぅ」
京子「みんな、追いかけてこないでね!」タッタッタ
ちなつ「いいんですか?」
結衣「……ちょっと心配だけど、そっとしておこう。
あいつヘタレだから、きっとそのなんだ、エッチなことなんてできないだろうし」
あかり「京子ちゃん……」
【生徒会室前】
ガラッ
綾乃「あら、京子!待っててくれたの?」
京子「えへへ……、うん」
京子「ほら、指輪買うって約束してたじゃん?」
綾乃「ふふ、約束守ってくれるのね、嬉しい。それじゃ行きましょ」
千歳(……うちは出て行かないほうがよさそうやな)
櫻子「あれ歳納せんp」ムグッ
千歳「ごめんな大室さん、もうちょっと待っててな?」ボソッ
向日葵(わけありっぽいですわね、私も黙っておきましょうか)
京子「でも指輪を買うって言ってもここら辺じゃ大したお店ないよ?」
綾乃「私のよく行く雑貨屋さんに行きましょ?」
京子「じゃあ、そこでいっか。綾乃はどんな指輪がほしいの?」
綾乃「>>64」
いちごの指輪
綾乃「いちごの指輪がほしいかな」
京子「あはは、かわいいな」
綾乃「子供っぽいとか思ったでしょ?」
京子「ううん、きっと綾乃に似合うよ。あったらいいね」
綾乃「この前行った時はあったから、きっとまだあると思う」
綾乃「あ、それより、綾乃って呼んでくれてる……」
綾乃「今朝は名字で呼んでたのに」
京子「ああ……、あれは、うん、まあいいじゃん」
綾乃「よくないわよ、本当に驚いたんだから……」
京子「私のほうこそビックりだよ。あれだけお願いしても呼んでくれなかったのに、
いきなり京子って呼んでくれるし」
京子「それにその、わ、私だけの京子だとか言ったり……」
京子「なんかおかしかったよね、綾乃。私が名字で呼んだから?」
京子「それとも……」
綾乃「>>70」
友達だからです、女の子同士は…ねえ
綾乃「友達だからです、女の子同士は……ねえ」
京子「え、どういうこと?」
綾乃「だから、友達同士なんだもの、名前で呼ぶのは当たり前だって気付いたの」
京子「でも今まで呼んでくれなかったじゃん」
綾乃「そうね……。私ね、今まであなたを妙に意識しちゃってたの」
綾乃「なんだか名前で呼ぶのが気恥ずかしくて」
綾乃「でもね、今朝、あなたに名字で呼ばれた瞬間いろいろなことが分かった」
綾乃「いきなり他人行儀な呼ばれ方をして、私が一方的にあなたに入れ込んでる滑稽さ、とか」
綾乃「それに気付いたら、一気に熱が冷めたみたいに冷静になれて」
綾乃「私とあなたはただの友達で、名前を呼ぶことも、軽口をたたくのも
特別なことじゃなくて、いたって普通なんだって」
綾乃「そう思ったら、おかしいわね、本当に普通に名前で呼べちゃったし」
綾乃「冗談も言えちゃった」
綾乃「変に意識してた私がいけなかったのね。女の子同士なんておかしかったのよ」
京子「綾乃……」
綾乃「でも指輪がほしいって言うのは本当よ?」
綾乃「あなたとはこうやっていっしょにお買い物とかしたことないんだもの」
綾乃「友達として、今までしてこなかったこと、たくさんしましょ?」
綾乃「あ、私もあなたに指輪をプレゼントするから」
綾乃「これからもよろしくねって意味を込めて」
綾乃「ふふっ、貰うだけじゃないから安心してね?」
京子(バカみたい。綾乃になぐさめてもらうとか)
京子(なにやってるんだろ、私)
綾乃「京子?静かだけどどうしたの?」
京子「>>78」
綾乃なんて知らない!私には結衣がいるから!
京子「綾乃なんて知らない!私には結衣がいるから!」
綾乃「ちょ……、京子?」
綾乃「なにか悪いことしちゃった?」
綾乃「自分では、今までと違って普通に話せたと思ったんだけど……」
綾乃「ごめんなさい、京子。私に悪いところがあったなら言ってくれると嬉しい」
京子(なんだよ、謝らないでよ……)
京子(私が勝手に思い込んで、泣きつこうと思って)
京子(勝手に逆ギレしてるだけなんだからさ!)
京子「おっきな声出してごめん、今日は帰るね」タッタッタ
綾乃「京子……」
【綾乃の部屋】
綾乃(何がいけなかったんだろう……)
綾乃(友達同士として普通に接することが出来たと思ったのに)
綾乃(……千歳に相談してみようかな)
ピッ
千歳『綾乃ちゃん、どしたん?あ!わかった、歳納さんのことやろ?』
綾乃「うん、そうなの。カクカクシカジカで急に帰っちゃって」
千歳『……そっか』
綾乃「どうしたらいい?私、何が悪かったのかわからなくて……」
千歳『>>86』
女の子に目覚めたら良いのよ
千歳『女の子に目覚めたらええんよ』
綾乃「女の子に……目覚める?」
千歳『って言うより、ちょっと前の綾乃ちゃんに戻る言うたほうがええんかな』
千歳『ストレートに言うで?綾乃ちゃん、歳納さんのこと好きやったやろ?』
綾乃「え?え?」
千歳『まあ、答えを聞くまでもないんやけど。最近歳納さんのことを綾乃ちゃんの好きな人って
表現しても否定せんかったもん』
綾乃「……」
千歳『さっきの話聞くに、今朝の歳納さんに名字で呼ばれたことで
歳納さんへの熱が消えて、友達でいるほうが正しいって思たんやな?』
綾乃「ええ」
千歳『でも歳納さんは、綾乃ちゃんの「私だけの京子」とか婚約指輪とかを真に受けてしもたんよ』
綾乃「え?でもあれは、私なりの軽口というか冗談というか。
ほら、そんな感じでいちゃついてる友達同士とか見かけたし」
千歳『それでも、歳納さんは恋心のようなものと捉えたんよ、きっと』
綾乃「……。だから、私が京子のことを友達として接するって話したら怒っちゃったのね」
千歳『怒ったとはちゃうような。まあ、そこらへんは歳納さんに聞かな』
千歳『とりあえずまとめるで?』
千歳『綾乃ちゃんは歳納さんを友達と見るようになった』
千歳『歳納さんは綾乃ちゃんが自分に対して恋心を抱いていると思った』
千歳『だから綾乃ちゃんと自分の認識のズレにショックを受けた』
千歳『大雑把に言うとそんな感じやろか』
綾乃「ああ、だからさっき女の子に目覚めたらいいって言ったのね」
綾乃「そうすれば、京子の期待に応えられるから」
千歳『せや。でも、それじゃ歳納さんとは仲直りできるかもしれへんけど』
千歳『今度は綾乃ちゃんが無理することになるかもしれへん』
千歳『綾乃ちゃんが歳納さんを本当にただの友達だと思とるのか』
千歳『そう思い込もうとしとるんか』
千歳『綾乃ちゃん、自分の心の中に問いかけてみて?』
千歳『どっちにしても、うちは綾乃ちゃんの選択を応援するだけや』
綾乃「千歳……」
綾乃「私は……、>>93」
貴方が好きなのよ、千歳
綾乃「私は……、貴方が好きなのよ、千歳」
千歳『……え』
千歳『うちのことが……、好き?』
綾乃「……そうよ」
千歳『いきなりそないなこと言われても』
綾乃「京子と仲直りしたいのは本当よ?」
綾乃「でもそれは、友達として」
千歳『……』
綾乃「ねえ、千歳。どうしてそんなに親身になってくれるの?」
千歳『そ、それは……、友達やし』
綾乃「本当?」
千歳『……当たり前やないの』
綾乃「いつもそう。千歳は私を支えてくれた」
綾乃「時には、私自身より、私の本心を理解してくれてたこともある」
千歳『……』
綾乃「女の子に目覚めろって言うのなら」
綾乃「私は千歳に恋したい」
綾乃「昨日まで京子に想いを抱いていながら、今日は千歳だなんて」
綾乃「自分でも軽薄だと思うけど、他でもない千歳だから」
綾乃「嘘偽りの無い気持ちを伝えたかった」
綾乃「困らせてごめんね?」
綾乃「でも千歳の正直な気持ちを聞かせてほしいの」
千歳『綾乃ちゃん……』
千歳『うちは……、>>101』
これからも友達でいましょう
千歳『うちは……、これからも友達でいよ?な?』
綾乃「……。そっか」
千歳『ごめんな、綾乃ちゃん』
千歳(うちは今の関係が一番好きなんよ)
千歳(綾乃ちゃんの想いを受け止めたら、もっと素敵な関係になれるかもしれへん)
千歳(ううん。きっとなれる……)
千歳(でも、怖い。今の関係を壊してしまうのがたまらなく怖いうちがいる)
千歳(いくじなしなうちを許してな……、綾乃ちゃん)
綾乃「謝らないで。千歳がちゃんと答えをくれて、嬉しかったわ」
綾乃「明日から、また私の一番の親友でいてね?」
千歳『親友……、ふふっ、なんだかもったいない言葉やな』
綾乃「親友くらいいいでしょ?あらためて言うのってけっこう恥ずかしいのよ?」
千歳『ふふ。せやな。明日からまたよろしく、綾乃ちゃん』
綾乃「よろしくね、千歳」
千歳『あ、歳納さんのことはどないしよ』
綾乃「京子には私からもう一度話をしてみるわ」
綾乃「私からのせいいっぱいを伝えてみる」
千歳『せやね。今の綾乃ちゃんならきっと大丈夫』
千歳『今までよりも頼もしく見えるで』
綾乃「見えるって電話なのに?」
千歳『もう、綾乃ちゃんたら、揚げ足取ったらいややわ~』
綾乃「ふふっ、ごめんごめん。それじゃまた明日」
千歳『うん。また明日』
ピッ
綾乃「……振られちゃった」
綾乃「短すぎる恋だったなあ」
綾乃「……」
綾乃「ダメダメ!くよくよしてられないわ。京子と話をしないと!」
【公園】
京子「綾乃……、訳わかんなかっただろうなぁ」ハァ
京子「いきなりキレて、結衣がいるからどうとか」
京子「あー!恥ずかし!」
京子「あんなこと言っちゃったことも恥ずかしいけど」
京子「綾乃になぐさめてもらおうとした自分が恥ずかしすぎる」
京子「……」
京子「結衣がいるからとか言っても、その結衣やちなつちゃんたちを
拒絶して出て行ったのは私だからなぁ……」
京子「家に帰ろっかな」
京子「あ、今はお母さんに会いたくないや……」
京子「どうしたもんかなぁ……」
京子「はぁ……」
~♪
京子「あれ?携帯が鳴ってる……、綾乃?」
京子(どうしよう、出たほうがいいかな。>>110)
出る
京子(……出よう)ピッ
綾乃『あ!出てくれた……、よかったぁ』
京子「綾乃……、どしたの?」
綾乃『さっきのことで、ちょっと話がしたいなって』
京子「ああ、あのことなら、ちょっと私が情緒不安定だっただけでさ」
京子「なんていうの?同人誌のネタが思いつかなくて
最近ちょっとイラつきぎみだったんだよね」
京子「だからついつい綾乃にやつあたりしちゃった。ごめんね☆」
京子「帰ったら小魚食ってイラつかないようにするからさ」アハハ
綾乃『……京子、私はね、ちゃんとお話したいの。お願い』
京子「……」
京子「会っても、他に話すことないし」
綾乃『あなたにないなら、せめて私の話を聞いて?』
京子「……わかった」
京子(携帯に出たって事は結局、私もその話に付き合うつもりだったんだもんね)
京子「今公園にいるからさ、悪いけど来てくれる?」
綾乃「おまたせ」ハァハァ
京子「なに?走ってきたの?」
綾乃「だ、だって……はぁ、早く話したかったんだもの……はぁはぁ」
京子「あははっ、まったく綾乃は……。ほんといつも一生懸命だよなぁ」
京子「ちょっと待ってて、飲み物買ってくるから」
綾乃「おしるこは嫌よ?」
京子「はいはい、レモンティでしょ?」
――
―
綾乃「ふーっ、おいしい」
京子「落ち着いた?」
綾乃「ええ。ありがと」
京子「……で?話したいことって?」
綾乃「まずは謝らせてほしいの」
綾乃「私の冗談であなたを振り回してしまってごめんなさい!」
綾乃「いつも見ていたあなたの様子だと、ああいうの好きなのかなって」
綾乃「ほら、吉川さんにいろいろアプローチしてるの見かけるし」
京子「ああ……、うん。嫌いじゃないよ?」
綾乃「でもそれがよくなかったのよね」
綾乃「あなたとは、本当に仲良くなりたかった」
綾乃「もっと親しい友達になりたかった」
綾乃「でも空回りしちゃって……」
京子「もういいよ」
綾乃「よくない!」
京子「いいんだよ。綾乃は全然悪くない」
京子「悪いのは私」
京子「まったくもう……」
京子「綾乃が一生懸命話してくれるから、私も応えないわけにはいかないじゃん」
京子「これから話すこと、綾乃に嫌われることかもしれない。それでも聞いてくれる?」
綾乃「京子……。ええ、聞かせて」
京子「私ね、今日振られちゃったんだ」
綾乃「え?」
京子「あかりのことがね、ずっと好きだった」
京子「子供の頃からずっと」
京子「でも……、あかりには恋人がいてさ」
京子「ほんとにませてるよねえ、あんな顔してもう恋人がいますって」
京子「ショックだった。本当にショックだった」
京子「ショックで目の前がくらくらするとかって、本当にあるんだね」
京子「くらくらする頭の中で、綾乃の顔がね、見えたんだ」
京子「だからすがりついたの」
京子「生徒会室の前で待ってたのは指輪の約束のためじゃない」
京子「綾乃になぐさめてもらいたいって」
京子「そういう理由なんだ」
綾乃「そうだったの……」
綾乃「でも、それは私を頼りにしてくれたってことでしょ?嫌ったりなんて……」
京子「あの時、綾乃が私を好きだって思い込んでたからさ、
嬉しいけど困る、どうしたらいいんだろうって考えてたんだよ」
京子「それがあかりに振られた途端、綾乃にすがるなんて……」
京子「どれだけ恥知らずなんだって」
京子「どれだけ綾乃をバカにしてるんだって」
京子「指輪を買いに行くとき、いきなりキレたのは」
京子「綾乃に裏切られた気分になったから」
京子「勝手に自分が好かれてるって勘違いしてたくせにね」
京子「裏切られたっていう思い込みと、勘違いしてた恥ずかしさ」
京子「それを綾乃にぶつけただけ」
京子「最悪だよね。ほんと、自分が嫌になるよ」アハハ
京子「幻滅したでしょ?」
京子「綾乃にもっと親しくなりたいなんて思ってもらえるような奴じゃないんだよ、私は……」
京子(雨?ああ……、私泣いてるのか)
京子(いつのまに地面なんか見てたんだろ。……そっか、綾乃の顔を見るのが怖いんだ)
綾乃「京子、顔を上げて?」
京子「でも……」グスッ
綾乃「あげなさい!」
京子「は、はいっ!」バッ
グイッ
京子「え?」
綾乃「ほら、かわいい顔が涙でぐしゃぐしゃじゃない」
綾乃「拭いてあげるからおとなしくしててね」
京子「う、うん……」
綾乃「はいっ、これでいいわ」
京子「……ありがとう」
綾乃「どういたしまして」
京子「……」
京子「なんでそんなに優しくしてくれるの?」
京子「怒って……ないの?」
綾乃「ちょっと前の私なら怒ってたかもね?」
京子「それってどういう……」
綾乃「私もね、さっき振られてきたの」
京子「え!?振られたって、誰に!?」
綾乃「……千歳」
京子「千歳、か……」
綾乃「あの子にはいつも支えられて、助けられて……」
綾乃「私を優しく見守ってててくれて……」
綾乃「今回の一件で、大切な人だって気付いたの」
綾乃「でね、その勢いで告白しちゃったら……」
綾乃「振られちゃった」
綾乃「短い恋だったなぁ。気付いてから振られるまで数分ってところね」
綾乃「だからね?あなたの気持ち、わかるの」
綾乃「誰かにすがりつきたい、なぐさめてほしいって気持ち」
綾乃「すごくわかる……」
綾乃「だから自分をそんなに責めないで」
綾乃「誰だって心が弱ったら、誰かにすがりたくなるもの」
綾乃「たとえ他の誰かがあなたを責めても、私が口出しさせないわ」
綾乃「だってこれは、あなたと私の問題なんですもの」
綾乃「私がいいって言うんだから、あなたもうじうじ自分を責めない」
綾乃「ね?」
京子「……あやのぉ!」ポロポロ
綾乃「あらら、また涙が。仕方ないわね、また拭いてあげる」
京子「……ありがと」グスッ
綾乃「ふふっ」
京子「な、なに?」
綾乃「いえ、あなたが昔泣き虫だったっていうのが信じられなかったけど」
綾乃「今なら信じられそうだなって」
京子「い、今のは綾乃がやさしくしてくれるから泣いちゃっただけであって……」
綾乃「はいはい、泣き虫京子ちゃん」
綾乃「落ち着いた?」
京子「うん……」
京子「……」
綾乃「どうしたの?」
京子「あの……」
京子「私も……」
京子「私も綾乃ともっと仲良くなりたい!」
京子「たくさん遊びたい!」
京子「……ダメ、かな?」
綾乃「……」
綾乃「いいに決まってるでしょ!」ニコッ
京子「ほんとっ!?」パァ
京子「わーい、綾乃大好きー!」ギュウ
綾乃「こらっ、抱きつかないの!///」
京子「いいの!友達同士のスキンシップなんだから」ギュウ
綾乃「まったく、泣いたカラスがなんとやら、ね」
綾乃「これもあなたらしさなのかもね」クス
京子「なんか言ったー?」
綾乃「なーんにも」
京子「ねえ、綾乃のよく行く雑貨屋さんてまだ開いてるかな?」
綾乃「そうねえ、もう少しなら開いてると思うけど……、どうして?」
京子「今日はさ、綾乃が名前で呼んでくれた特別な日だもん」
京子「そして、思ってることをぶつけあって
友達として今までよりちょっと近づけた日」
京子「だから記念に指輪買おうよ!」
綾乃「京子……」
綾乃「ふふっ、そうね。いいアイディアじゃない」
綾乃「それじゃ、おそろいのいちごの指輪、いいわね?」
京子「うん!」
綾乃(あなたと並んで歩く道)
綾乃(手を繋いで歩く道)
綾乃(昨日までのドキドキはないけれど)
綾乃(とても優しい気持ちになれる)
綾乃(京子)
――
―
京子(もう少しでお別れの道)
京子(家に帰るのは憂鬱だけど)
京子(私には頼もしい友達がいてくれるから)
京子(だから――きっと大丈夫)
京子(綾乃)
――
―
京子「ね?綾乃」
綾乃「なに?京子」
京子と呼んでくれるその声が
とても暖かくてくすぐったい
京子「えへへ、なんでもなーい」
おわり
なんとか無理やり京子と綾乃の話にもっていけて
スレタイ詐欺にならなくてよかった
これでよかったかどうかとかは考えないことにする
付き合ってくれた人ありがとう
このSSまとめへのコメント
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