憧「福路さん・・・」華菜「キャプテンは渡さないし!」(118)

<阿知賀女子学院 麻雀部部室>

憧(福路さん・・・・)ハァー..

憧(インハイの練習に付き合ってもらった時に見たあの笑顔・・・・可愛かったなー・・・・)

憧(あれこそ『清楚』ってやつ?おしとやかで控えめながらも、すっごい魅力的で・・・)ホゥ

憧(今までは、しずのキュートな笑顔が一番好きだったけど・・・)

憧(福路さんに微笑みかけられたあの瞬間のときめきは・・・・過去に感じた事ないほどの衝撃だったなぁ・・・)

憧(・・今でも思い出すだけで・・・・すっごくドキドキする・・・)ポー..

宥・玄・灼・穏乃「・・・・・」

玄「・・・さっきからずーっとあの調子だね」ドラー..

灼「何か考え事してるみたいだけど・・・」

宥「悩みがあるのかな?」フルフル

穏乃「1人で考え込まないで私たちに言えばいいのに」

憧(・・・・・この気持ち・・・・抑えられない・・・ならいっその事・・)ドキドキ..

穏乃「よっし、私が一肌脱いで・・・」

憧「・・・よし!!」

穏乃「ぅわ!ビックリした」

憧「ん?どしたの?」

穏乃「い、いや・・・憧が急に大声出すから・・・」

憧「ああ・・・ごめんごめん、気合入り過ぎちゃって」

穏乃「気合?」

憧「うん!あたしこれから長野行ってくる!」

穏乃「ほぇ?」

玄「あの・・・部活は・・・」ドラー?

憧「ごめん!ちょっと大事な用があるの!じゃね!」

憧(思い立ったら即行動!福路さんに告白しよう!)ダダッ..ガチャバタン!

宥・玄・灼・穏乃「???」

【長野】

<風越女子高校 校門前>

憧「・・・・・・」ニオウダチ

女生徒A「あはは!それ風越だね~」

女生徒B「でしょー?」

憧(さて、どうやって福路さんと会おうか・・・ここでずっと待つのも悪くはないけど・・・)ムム

憧(練習の時に、携帯番号を交換してなかったのは痛いな・・・)

憧「・・・・!」ア!

憧(そうだ!鶴賀の蒲原さんなら知ってるかも!早速・・・って・・・お?)

華菜「・・・・」テクテク

憧(あれは・・・池田さんだ!ラッキー!)

憧「池田さぁ~ん!!」オオーイ!

華菜「?・・・・あれ、あんたは阿知賀の・・・」

憧「どうもでーす♪」エヘー

華菜「なんで長野にいるんだし?」

憧「ぃやー、ちょっと福路さんに用事がありまして」

華菜「キャプテンに?」ピク

憧「ええ」

華菜「・・・・どんな内容?」

憧「え?あはは・・・そのー・・・・告っちゃおうかなって///」

華菜「に゛ゃ!?」ピョーン!

憧「?」

華菜「ちょ、何言ってるし!」

憧「だって・・・あたし福路さんが好きっぽいってゆーか・・・//」

華菜「ぽいならやめろし!」

憧「・・・・じゃあ好き」

華菜「もっとやめろし!」

憧「どうすりゃいいのよし」

華菜「真似すんなし!」ナゥー!

憧「・・・・・・」

華菜「・・・・・」

憧「で?福路さんに会いたいんですけど」

華菜「・・・・・それは・・・えと・・・そう、あれだ」

憧「?」

華菜「あ、諦めな。キャプテンはあんたみたいなタイプ、多分苦手だし」

憧「む、何よそれ」

華菜「キャプテンはきっと・・・あたしみたいな図々しい子が好みで・・・似合ってるし」

憧「は?意味分かんない・・・・けど、それはあたしにとって好都合かも。あたしも十分図々しいから」

華菜「な、何だって?」

憧「なんせ、幼馴染のみんなと一緒に和と再会するために、全国常連の晩成高校を蹴って、当時麻雀部すら無かった阿知賀に入学するくらいだもん」

華菜「ぐぐ・・・」

憧「仲良くなったら年上相手でもタメ口だし」ヘヘーン

華菜「バカな・・・いくら文化系の部活だからって先輩にタメ口なんて・・・っていうか現在進行形であたしにタメ口だし!」

憧「まぁねー」

華菜「うぅ・・・でもあたしの図々しさをなめるなし!色々図々しいんだかんな!」

憧「へぇ・・例えばどんなの?」

華菜「キャプテンに『華菜』って、下の名前で呼ぶ事を提案したし!それで今現在『華菜』って呼ばれてるし!」

憧「ふ、ふーん・・・名字呼び徹底派っぽい福路さんを相手に・・やるね・・・・・」

華菜「あと県予選決勝、後半戦南3局で、1位と約12万点差の4位、しかももう親はなし。この状態でも勝利を諦めなかったし!」

憧「うっ・・・それは凄いメンタル・・・確かに図々しいくらい・・・」

華菜「ほらみろ!あたしのが図々しいな!これでキャプテンはあたしに夢中!」カカカ

憧「くっ!安心するのはまだ早いよ!」

華菜「んん?」

憧「あたしが、これからもっと図々しくなっていけば挽回だって十分可能だし!」フン!

華菜「なにおう!?」

憧「福路さ・・・美穂子さんはあたしがもらうから!」

華菜「ば、ばっきゃろう!キャプテンを下の名前で呼ぶなし!」

憧「ほらね?もう図々しさが上がった」

華菜「ぐぐぐ・・・」ワナワナ..

憧「もうあんたと同等の図々しさを得たかも」クカカ

華菜「ふんっ!ならあたしがさらに図々しくなれば・・・」

貴子「池田ァ!!!!!!!!!!!!!!!!」

憧「ひっ!!」ビクーン!

華菜「コーチ・・・?」クルッ

憧「っ・・・なんて馬鹿でかい声出してんのよ・・・1メートルも離れてないのに・・・」キーン..

華菜「と・・・三尋木プロ!?」

咏「どもー」ヒラヒラ

憧「へ?なんで三尋木プロがここにいるんです?」

咏「まぁ、ちょっとした仕事でねー」

貴子「色々と計画している事があってな」

憧「そうなんですか」

貴子「・・長野まで足を運んで頂くのは心苦しいのですが・・・」チラ

咏「気にしなぃ気にしなぃ」アハハ

貴子「ありがとうございます」

憧(風越のコーチ、三尋木プロが相手とあって気を遣ってるみたい・・・甘いね。あたしならもっと図々しく出来るよ)フン

咏「君は阿知賀の新子さんだね」

憧「え?あたしの事知ってくれてるんですか?」

咏「ん。インハイで阿知賀の試合解説したしねぃ。知らんけど」

憧「どっちやねーん」(咏の袖をファサと撫でる)

咏「へ?」

貴子「な・・・・」

華菜「おお!?」

華菜(トッププロ相手になんて馴れ馴れしさ!)

憧・咏・貴子・華菜「・・・・・・・」

憧「いやー、しかしあれですよね。今年の夏は暑かったですねー」

華菜(しかも自然に会話を続ける事で、さっきのファサを無かったかのようにして・・・こいつ・・・やるっ!あたしも負けてられないし!)

咏「・・・あ、うん。言われてみたらそうかもね。・・・知らんけど」

華菜「どっちだ~~し~~」(咏の袖口に手を入れたり出したり入れたり出したり)

咏「ぅわ!わぁぁ!なになに!?」パタタ

貴子「いきぇ、池田ァ!!!!!!!!!やめろぉ!無邪気過ぎるぞ!!」オロオロ

憧「!?」

憧(三尋木プロの内面世界に手を入れる!?なんて図々しさ・・・)グヌヌ

華菜「・・・本物のプロをこんな近くで見られるなんて幸せです」ソンケイ!

咏「お、お?・・そう・・・」

貴子「・・・・」ホッ

華菜「・・・はい!・・・すごいなぁ・・・」ボー

憧(袖口に手を突っ込まれて動揺した心を、『尊敬されたよやった嬉しい感』で幸せな出来事だったと塗り替えるなんて・・・この池田・・・出来る!!)

貴子「・・・それよりも・・・・池田ァ!!!!!!!!!!!!!!!」

咏「っ!・・あのさ、トーン落としてくんね?耳がビビビってなっから」フサギー

貴子「す、すいません・・・・池田ァ・・ボーっとしてないで・・・ほら、ちゃんと挨拶しとけ」

華菜「あ、こ、こんにちは。池田 華菜です」ペコリ

咏「こんにちは~・・・この子?君が可愛がってるの」パタタ

華菜「へ?」

貴子「か、可愛がってませんよ」

咏「ふぅ~ん」ニマニマ

貴子「うぅ・・・//」

華菜「?」

貴子「な、何を見てる!もう、遠くへ行け!」サレ!

華菜「は、はい」

咏「さてと・・それじゃ私は帰るよ。じゃねー」パタパタ

貴子「あ、はい。ありがとうございました」ペコリ

咏「あーい」

憧(それにしても・・・・)チラ

華菜「コーチは怒ってばっかだし・・・」

憧(三尋木プロの袖口に手を入れる度胸・・・・池田が言う通り、美穂子さんの好きなタイプが図々しい子だとしたら・・・何か手を打たないとまずいね)

華菜「・・・・・」チラ

憧「・・・・」フゥーム

華菜(急に黙って・・・・あれはなんか良からぬ事を企んでる顔だし・・・あたしからキャプテンを奪う、とか)ゾゾ..

華菜(こいつ・・・キラリと光る図々しさを持ってるし・・・下手したらあたしよりも図々しく成長するかも・・・そしたらキャプテンは・・・)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<??県 断崖絶壁>

ザッパーン!

美穂子『華菜・・・ごめんなさい・・・私、この子と共に歩む事に決めたわ』

憧『ぐぇへええへ!!!美穂子は貰ったぁ!ぶるぅぅああ!』ダラー..

美穂子「ああぁん!新子さんのよだれが私の服を溶かして・・・このままじゃ・・・・マル秘が・・・///」イヤーン!

華菜『CAPTAAAAAAIN!!!!!』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

華菜(うぅ・・・・想像しただけでへこむ・・・・・でもこの可能性はゼロじゃないし、なんとかしないと・・)ハァァ

華菜「・・・・・・」

華菜(・・・・待ってるだけじゃ・・・きっとダメだ・・)

憧「・・・・・・・」

憧(・・・美穂子さんと付き合うために、あたしが取るべき行動は・・・・)

華菜(・・キャプテンと付き合うために、あたしが取るべき行動は・・・・)

咏「んじゃ、私は帰るんで」

貴子「はい、お疲れ様でした」

咏「あいあーい」テクテク

憧・華菜「・・・・・・」

咏「さーて帰ろ帰ろ」カランコロンカランコロン

憧・華菜「・・・・・・」ニヤリ

【東京】

<○○マンション ○△□号室>

咏「ふんふふーん♪」カチャッ!

咏「ただいまーっと・・・・はー、疲れた」

憧「ホントですよねー」

華菜「駅から結構歩くもんね」

咏「っ!?」クルッ!

憧「わー、いい部屋」

華菜「うんうん・・・あたしも将来こういう部屋に住みたいし」

咏「ちょっと!なんで君らがいんの!?」

憧「へ?三尋木プロの後をついてきたからですけど」

華菜「うん」

咏「えええ!!?」

憧「三尋木プロ、カラコロカラコロゆっくり歩いてるから尾行しやすかったですよ」

華菜「EASYだし!」

咏「いやいやいや!尾行ってそれはさすがに・・・私も一応、顔も名前も知られてるし、住所バレるとか困るんだけど」

憧「大丈夫。誰にも言いませんよ」ニッコリ

華菜「口は固いし!」

咏「それはありがとうだけども・・・・なんで後をついてきたの?」

憧「うん・・・その話はお茶を飲みながらしましょう」オジャマシマース!

咏「え?え?」

華菜「その方が落ち着いて話せるし。お邪魔しまーす」クツ ポンポーン!

咏「・・・っ・・靴飛んでる!ちゃんと脱いでよ・・・って、あああ!両方とも裏にガム付いてるし!もぉお!!」ナオシ ナオシ

<リビング>

憧「あたしがお茶淹れるから池田は・・・」

華菜「華菜さんって呼べし!」

憧「呼べしってどんな日本語?・・・・あ!・・・読売ジャイアンツの4番でキャッチャーの○○慎之助。名字は?」

華菜「?阿部だし」

憧「『あべし』って言わないのかよ」フン!

華菜「くだらない事言ってんなって。・・・このスナック菓子でいいか」

咏「ああ!それ楽しみにとっておいた・・・・」

華菜「今こそパーティー開けするし」ボンッ!ツィー...

咏「・・・いいんだけどさ・・・はぁ」

憧「はいお茶。茶葉の量がわかんなかったから適当に淹れたよ」コト

咏「うわ!見るからに濃いよこれ!茶葉何杯入れたの!?」

憧「ん?ええい、ままよって目閉じたままやったから知らないです」

咏「もぉぉおお!意味わっかんねー!」

憧「こういうところで稼がないと鍛えられないですからね」フフ

憧(並大抵の図々しさじゃ華菜に勝てないし。三尋木プロ相手に図々しさを鍛えて美穂子さんを振り向かせないと)グッ!

咏「何言ってるのさ・・・あーあ・・・急須がパンパンだ・・・」

華菜「本当だ・・色も真緑・・・」ガッシリ パリポリ..

華菜(憧の考えは読めてるし。ここで修行してあたしの図々しさを超えようとしてるんだろ?でも甘い!逆に突き放してやるし!)

咏「もうお菓子食べてる・・・つーか、パーティー開けしたのに、袋を抱きしめながら1人で食べるのかぃ・・・」

憧「ま、いいじゃないですかー。飲みましょ」コポポポポ...

華菜「ほあ、みひほいふほほふあっへふあっへ(ほら、三尋木プロも座って座って)」

咏「・・・・うん」スワリ

華菜「・・・・手がベタつくな・・・」フキフキ

咏「わぁーあ!!カーペットで拭くなよもぉお!!」パタータ!

憧「くっ・・・先にやられた・・・」

咏「・・・なんか不穏な発言が・・・ってそれより・・・ほらこれ、箱ティッシュあるから!」コレコレ!

華菜「ありがとうございます」ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!

咏「ボッボしすぎだよ!」

華菜「さて・・・指拭き完了!」フキフキ

咏「もー・・・・・カーペット・・・ちょっと拭けば大丈夫かな?」サッササッサ

華菜「ゴミ箱は・・・あった。ティッシュを丸めて・・・・・シュウ!」フェイダウェイジャンプシュート!

咏「え?」

ピュー..ガソッ..

華菜「・・・本棚と壁の隙間に入ったし」チェ

憧「ぷっ・・・」

咏「何してんの!?」

華菜「ウェイダウェイだし」

咏「投法が知りたいんじゃねー!」パタータ!

憧「フェイダウェイでしょ」

華菜「あ、そうだ。フェイダウェイだし」

咏「どっちでもいーよ!」パタタ!

憧「まぁまぁ、お茶飲んで落ち着いてください」グィィー!

咏「むぁっ・・ごくご・・・・苦ぃ・・・しアゴ持って無理矢理飲ませるなぃ!」パタパタ!

憧「あーあー・・こぼしてますって。ほら、ティッシュ」ハイ

咏「ん・・・ありがと・・・」フキフキ

華菜「拭いたら丸めて」

咏「え・・・う、うん」クルクル

華菜「フェイダウェイ!早く!急いで!」

咏「お、おお!」シュート!

ピュー..ガソッ

憧「・・・ハロゲンヒーターの隙間に入った」

咏「わああ!スイッチ入ってないけどなんか怖い!回収!」

華菜「もう・・・ノーコンここに極まれりだし・・・よいしょ・・・ゴミ箱に・・・ポイと」

咏「あ、ありがと・・・」

華菜「お礼はいらないし」ヘヘン

咏「・・・・ねぇ、本棚の裏に入ったやつも回収してよ。私じゃ手が届かないしさ」

華菜「・・・さっ!一段落ついたところで、これからの事を話し合おう」

咏「本棚・・・」

憧「それが今、一番大事だね。後は全部些末!」

咏「・・・・ほんだな・・」シュン

憧「まず、光熱費と家賃は今まで通り三尋木プロが払うのは確定として」

華菜「うんうん」

咏「・・・・・・?」

憧「あたしらはせめて家事の分担、後は親に頼んで食費を出してもらうってのがいい形かなって」

華菜「ふむ。いい感じだし」

咏「え?・・・・え?」

憧「合鍵は華菜とあたしで1個ずつ持つと」

華菜「異議なしだし!」

咏「ま、待って!なんかすっげー嫌な予感がすんだけど・・・」

憧「直感は大事って言いますね」

咏「う、うん。2人の会話を聞いてっとさ、まるでうちに住むみたいに聞こえたから気になってね」

華菜「ま、住むのは決まってるんですけど、役割分担が・・・」

咏「ストップ!!」

憧・華菜「?」

咏「・・・・・なんでうちに住むんだい?理由を聞かせてくれないかな?」

華菜「いや、いきなり家まで押しかけるなんて図々しいかな、と思って・・・」

咏「思って?」

憧「だったらさらにワンステップ上を目指して、もう一緒に住んじゃおう!・・という訳です」

咏「わっかんねー!最近の10代の思考回路が全然わっかんねー!!」

華菜「まぁまぁ、落ち着いて。お茶でも飲んで下さい」ホラ

咏「苦いからいらないよ!それよりどうして・・」

華菜「安心してください!何もせずに住まわせてもらうなんて考えてないです!ちゃんとお手伝いとかしますし!」

咏「いやいやいや・・・そう言われても」

憧「あ、料理ならほんの少し出来るんで任せてください!」ドヤ!

華菜「あたし、洗濯なら完璧だし!」

咏「・・・・えっと・・」

憧・華菜「家事全般はお任せを!!」

咏「・・・・・・」

憧・華菜「・・・・・」シンケーン

咏「・・・・・ほ、本気・・・なんだ?本気でうちに住むつもり・・・?」

憧・華菜「はい!!」

咏「・・・・・・・・・」フゥー..

憧・華菜「・・・・」

咏「・・・・じゃあ・・・私も真剣な話をするけどさ・・・・あの、ね・・・・・これは内緒なんだけど・・」

憧・華菜「?」

咏「私・・・つ、付き合ってる人がいるのさ」

華菜「ヒューヒュー」

憧「古いなー」

咏「で・・・ね?一応私はプロ雀士だって結構知られてるから、その・・・外でイチャイチャとか出来ないんだよねぃ」

憧「わかります」

咏「し・・しかもさ・・・お、おかしいかもだけど、相手は・・・・その・・・女の人・・でね」

憧「?・・・当然では?」

華菜「うん」

咏「そ、そうなのかい?・・・おー、それはなんか・・・元気づけられる」ホォ

憧「続けて」

咏「うん。でね、相手も・・・顔が知られてるっていうか・・・」

華菜「もしかして・・・針生アナ?」

咏「な、なんでわかるの!?」

華菜「なんとなく」

憧「うん・・一見アンバランスながらも、確かにいいコンビだし・・実はちょっと怪しいなーとは思ってた」

咏「そ、そう・・・・ふーん。やっぱりそう見えちゃうんだねぃ・・・///」パタパタ

憧「で?咏さんがえりさんと付き合ってて・・・それで?」

咏「ちょっと・・・ダブルでいきなり下の名前・・」

華菜「いいから続けて!あなたが喋ってる途中でしょうが!」

咏「・・・・なんなんだよ・・・どうなってるんだ君たちの世代は・・・情緒不安定かい?」

憧「ほらほら、続きを聞かせてくださいよ」

咏「うん・・・・・でね、付き合ってるって事はさ・・・・・その・・・」モジモジ

華菜「ふんふん」

咏「色々とさ・・・したいっていうか・・・・営む訳さ」

憧・華菜「あ・・・・///」カァア

咏「・・・何を、ってのは言わなくてもわかるでしょ///」

憧「う、うん・・・弁当屋経営な訳ないし・・・・せ、性行為・・・でしょ?」

咏「そっ・・そんなにはっきり言うんじゃないよ・・・でも・・・まぁ、うん・・・否定・・・するつもりもないかな・・・知らんけど//」

憧「・・・っ・・想像したら鼻血が・・・ティッシュティッシュ・・・」フキフキ

華菜「じゃあ過去にこの部屋で・・・・・」

咏「う///」

華菜「という事は・・・インマイルームじゃなくて・・・淫靡マイルームだし!」

憧「・・・・高2が真顔で何言ってんの?」ハナズポ

華菜「う、うるさいし!」カァァ

咏「・・・・・でね?そういう訳だから・・・・ここに住まれるとさ・・・」

憧・華菜「あ・・・・」

憧・華菜(恋人と2人きりで過ごすべき空間に、あたしたちがいる・・・・)

咏「・・・・・」ウン..

憧・華菜(なんて図々しい!!パーフェクト図々!!)オオォ..

咏「・・・・わかってくれた?」

憧「うん!この家にお世話になります!」

咏「わかってねーし!」

華菜「真似すんな~~し~~」(咏の袖口に手を入れたり出したり)

咏「わわ!それやめろぉ~!」アワワ..

憧「シュウ!」フェイダウェイジャンプシュート!

咏「散らかるからやめろよぉ!ほらー!また本棚の裏に入ったああぁ!」モー!

華菜「気にするなし!」(咏の袖口に手を入れ、出す時に手を振動させる)

咏「新技ぁあ!袖が波打って変な感じ!って・・・落ち着け~!!」パタタ!

―――――

咏「・・・・・とにかく、うちに住むのは無理だって。君らは学校もあるでしょ?」

憧・華菜「・・・・・・」

咏「それに私もさ、1人になりたい時もあるし」

華菜「・・・・自慰・やる日ぃーですか」

憧・咏「・・・・・・」

華菜「・・・・・・・」

咏「君は・・・おっさんかい?」

華菜「いえ・・・・」

憧「・・美穂子さんの前でもそういうの言うの?」

華菜「・・・調子乗った時とか、たまーに・・」

憧「どんな反応?」

華菜「ものすごい苦笑い・・・・苦笑いの真芯って感じ」

憧「・・・やっぱり」

華菜「・・・・・・・」ハァー..セツナイ..

咏「・・・・・ま、それはアレとして・・・わかるっしょ?」

憧・華菜「・・・・」

咏「ね?」

憧「・・・・わかりました」

咏「・・・・・本当に?」

華菜「はい・・・住む以外の方法を思いつきました」

咏「・・・・・・その方法とやらを聞かせてくれるかな?」

憧「祝日の前日と、金曜土曜のみ泊まるという形にします」

咏「やっぱりわかってねー!!」

憧「えー?」

華菜「正しい意見だし」

咏「正しいも何も・・・思考回路に刺したコンパスの針の位置がおかしいんだよ!」

華菜「??」

咏「『三尋木プロの家に住む』っていう訳のわっかんねー場所に針を刺すから他の案もおかしな答えになるんだって!」

憧「そう言われてもね・・・」

華菜「こっちは妥協案を出してるのに・・・こんな頑なななな態度とは・・・」

咏「『な』が多いなぁ・・っていうかこっちが悪者!?あのね、まず人の家・・」

ピンポーン

咏「ん?・・・誰だ?・・・・えりちゃんから来るって連絡はないし」フーム

憧「はい三尋木です」カチャ

咏「勝手に応対!」ワァ!

憧「わかりました。今開けます」ピッ..カチャ

咏「・・・・誰なの?」

憧「宅配ピザ屋さんです」

咏「へ?・・・・頼んでないけど」

華菜「あたしが頼んだし」

咏「ええ!?」

憧「いいタイミングだったね、お腹空いてたし。・・・咏さんもそうでしょ?」

咏「それは・・・確かにお腹減ってるけど・・・・」

華菜「ならバッチリだし!」ヘヘン!

憧「・・・そろそろ来るかな?華菜、行こう」

華菜「おう」

咏「?行くって・・・お金払うのは1人でも・・・」

憧「ううん、1人暮らしの女性の部屋を男の宅配員に見せる訳にはいかないって事です。華菜と玄関前で受け取ります!」

咏「・・・・気を遣ってくれてありがと。でもそこに神経いくなら他の世間的な常識・・」

憧「シッ!奴が来る・・・」

咏「いや、呼んだんじゃんか・・・」

華菜「早く行くし!」タタタッ..

憧「うん」タタッ

咏「・・・・・」

咏(あれ?2人が玄関前で受け取るって事は・・・外に出てる隙に鍵を閉めちゃえば・・・)

憧「・・・・・華菜。一応、咏さんの靴をドアに挟んで、完全には閉まらないようにしておこう」

咏「!」ドキ

華菜「おう!」ササッ

咏「いやいや・・・そんな・・・締め出したりなんてしないよ」アハハ

憧「・・・・・」ジー

咏「ほんとほんと・・・うん、絶対しないから」

憧「ですよねー♪」スタタ

咏「・・・・・・」

咏(ふー・・・確かに締め出すのはやり過ぎだよねー・・・うん・・・・やり過ぎ・・・か?)ウーム

宅配員「ピザお待たせしましたー!」

咏(あ、来たみたい・・・)

咏「・・・・・ピザ、か・・」

咏(1人暮らししてから初めて食べるなー・・なんかちょっとテンション上がる)ホワーン

バタン..カチャ!

憧「さぁ食べるぞ~♪」テクテク

咏(戻ってきた。何頼んだのかな?)

華菜「L寸4丁お待ち!」ヘイ!

咏「デッケェ!ゼッテーいらねぇーし!」パタタッ!

憧「何そのリズム、気持ちいいね。熱戦・列戦・超激戦みたい」

華菜「古いなー」

咏「大体なんで4枚って発想になるのさ・・・1人1枚でも多いのに・・・」

憧「・・・・トッププロだからたくさん食べるかなって・・」

咏「トッププロをどんな概念だと思ってるの・・・」モゥ

華菜「・・・考えてみれば、咏さんって小っちゃいし、食べないよなぁ・・・」

咏「う・・・気にしてるのに・・・」

憧「あっ、図々点を・・・」

華菜「へへん!」

咏「?」ズーズ..??

憧「・・っと、今は点数の事は忘れて、冷める前に食べましょ」

咏「・・・だね、食べよっか。・・・あ、お金」

憧「?払っときましたよ」

咏「うん、だからその分を今渡すよ」

憧「いいですって」

咏「そういう訳にはいかないよ。年下の・・しかも女子高生におごらせるなんて」

憧「大丈夫ですよ。対価として、色々頼み事するつもりですから」

咏「それならなおさら払うよ」

憧「ええ~・・・・ピザ代だけで永遠の貸しを作ろうと思ったのに」

咏「永遠て・・図々しいなぁ」

華菜「!!」

憧「ふっ・・・口走らせの術・・・」

咏「?」

華菜「ぐぐぐ・・・」

咏「ほら、お金」

憧「いいですって。対価もなしで。これはあたしたちから新居祝いという事で」ニッコリ

咏「賃貸だしちょい前から住んでるけど・・・本当にいいの?」

憧「もち!むしろこれはこれで図々しい」クク

咏「?」

華菜「くっ・・・早速食べて、手をベッチャベチャのギットギトにするし!」パカパカ

咏「やめてくれよぅ・・・そこまで几帳面な性格じゃないけど、カーペットで拭くとか本当嫌だから」

憧(図々点を取り返そうと必死だね・・・ならば・・・)テクテクゴソゴソ

咏「・・・どしたん?」

憧「ほら、これ」ジャジャーン

咏「あ・・・・本棚の裏に入ったティッシュ・・・」

華菜「む?」

憧「あたしが咏さんのために回収したよ。新子 憧、ゴミ箱に捨てるね」ガソッ

咏「ありがとー」パタタン♪

憧「どういたしまして」ニコー

華菜(わざとらしいアピールで図々点を得る・・か・・・)

華菜「・・・そんな手法も使うんだ・・・」グム

憧「押すだけじゃノンノン。北風と太陽理論・・・引き出しの多さが勝負をわけるからね」

華菜「好敵手だし!」メラメラ

咏「?」ハグハグ..チーズ ニョーン

1時間後―――

憧「ふー・・・・もう食べらんない・・」

華菜「L寸4枚完食なんて夢物語だったし・・・」

咏「そりゃそうだよ・・・はぁ・・・こんなにたくさん食ったの久々・・」

憧・華菜・咏「・・・・・・」

咏(なんか・・・まったり・・・・)

♪~

憧(ん?何の音?)

?『お風呂が沸きました』

憧「あ、お風呂か」

咏(え・・・って事はもう結構な時間だ・・・・)

華菜「1番風呂は咏さんだし!」

憧「!早速太陽理論を・・・ならあたしが2番目に入る!」

咏(明日は平日だし・・・・この子たちを帰さないと)

華菜「っ!2番目は譲れないし!入浴剤を全種類混ぜるんだっ!」

憧「なんて事を!成分同士がケンカしちゃうじゃん!」

咏(しまったなぁ・・・女の子なんだから、ちゃんと家族に連絡したか確認するべきだったな・・)

華菜「・・・・・咏さん?」

憧「どうしたんですか?急に黙って・・・」

咏「あのさ、今日ここに来る事を家族の人たちにちゃんと伝えてある?」

憧「ええ。三尋木プロの家に住むつもりだから東京に行くと言ってあります」

咏「・・・・ご家族はなんて?」

憧「意味がわからない、と」

咏「よかったまともで」ホッ

華菜「あたしも、東京に行くとは伝えてあります」

咏「そ。じゃあ今から帰るって連絡しなよ」

憧・華菜「え?」

咏「・・・・あのね、君たち明日学校っしょ?」

憧・華菜「いいえ。創立記念日です」キッパリ

咏「騙されるかぁ!」パタ!

憧「それより、ベタベタの手でガラステーブル触っていいですか?」

咏「それよらねーし、よくないよ!とんでもねえ提案しないでくんない!?」

華菜「ならガラステーブルの上でピザを食べて、事故でベッチャリになる感じでいこう」

咏「やめろよぉ!・・っていうかさ、本当に・・・もういい時間だからお家に帰りなって。駅まで送ってあげるから・・」

憧「・・・・うぅ・・・」

咏「学校休む訳にもいかないっしょ?」

華菜「・・・それは・・・確かに・・・」

咏「・・・ね?」

憧「・・・じゃあ・・・今日は帰りますけど・・・・さっきも言ったように、今度泊まりに来ていいですか?」

咏「・・・なんでそんなにうちに泊まりたいのか、全然わっかんねーけど・・・うん、いいよ。たまーに泊まりにおいで」

憧「っ!・・・ありがとうございます!やった!」

華菜「ありがとうございます!」

咏「ん。じゃあ今日は帰ろう?」

憧「はーい!」

華菜「・・・・そういえば、巷ではお土産で『東京ばな奈』というものがあると聞く・・・」

咏「・・はいはい、買ったげるから。ていうかあれだけピザ食ったのにまだ入るのかい・・・」

華菜「やった!ありがとうございます!」ワーイ

憧「うぅ・・あたしのバカ・・・詰めが甘い・・タイミングを逃した今、どんなに食べたくても東京ばな奈は買ってもらえない・・咏さんはそういう人だ・・・」

咏「人聞き悪すぎだよっ・・・1人だけ買わないなんてないから安心しなって」

憧「どうもでーす♪」ニッコリ

咏「ったく・・」クスッ

2人を送った後―――

<リビング>

咏「ふぃー・・・どっと疲れたー・・・」グダー

咏(最近の子ってあんなに遠慮ないもんかねぇ?)

咏(ノリか知らんけど、まさか東京駅で『よいではないか』をやられそうになるとは思わなかったよ)ハァ

咏(目立ちまくっちゃって恥ずかった・・・ツイッターで呟かれまくっただろーなぁ・・・)

咏「・・・・・・」

咏(でも・・なんかちょっと学生時代を思い出して懐かしい感じもしたなー)パタパタ

咏(・・・なんだかんだ騒がしかったけど、たまにはこういうのも息抜きになっていいかもねぃ)フフッ

1ヶ月後―――

<リビング>

華菜「よし!ハーフ&ハーフの、ど真ん中から食べるし」

憧「ちょっ・・・ならあたしは全部の具だけ食べる!」

華菜「それはやりすぎだし!」

咏「・・・ったく」クス

咏(泊まりに来るとは言っても、うちまで遠いし、頻繁には来ねーだろうなって・・そんな風に思ってた)

咏(でも2人は毎週欠かさず、金曜土曜と泊まりに来た。なんでだろこれ?・・騒がしいし、落ち着かねーとも思うんだけど・・・・・ちょっと楽しい)フフッ

咏(ものすげーズケズケ踏み込んで来たかと思えば、結構優しいとこあったり・・・ほんっとわっかんねー子たち)ハムハム

憧「そうそう!でね、宥姉のマフラーが納豆にバサーって掛かっちゃって、『あったかくなくさい』とか言ってさ」

華菜「あ!それみはるんも似たようなのあったよ!ラーメン屋で、メガネが曇るから外そうとしたら間違えてスープの中にチャポンって」

憧「わー、ベタつくし嫌だろうなぁ」

華菜「うん。『メガネラーメンなんて最悪だよ』って。あと『ニンニク入れた私を恨む』とも言ってた」パクパク

咏「それわっかるわー」

憧「おお!わっかんねーからの脱却!これは華菜でいうところのぉー?」

華菜「華菜ちゃんだす!」

憧「そう!『だし!』からの脱却だ~」パチパチパチ!

咏「いや意味わっかんねーから」アハハ

咏(しっかし・・・気付けばこうして3人で過ごす時間が割と好きになってんだよなー、私)

咏(学生のノリってやつかな?なんか心地いい)チーズ ニョーン

憧「あ、それで?どうわかるんです?」

咏「・・んとね、私、普段扇子持ってんだけど、ご飯とか食べる時はしまっとくんだよね。でもさ、たまに置きっぱのまま食べちゃって」

憧「ああー・・・」

咏「カレーうどんとかポタポターって垂らしちゃって『うわー』なんて事あるよ。あれヘコむんだ・・・」パクパク

憧「やっぱりみんなそうなんだ~!あたしも前に似たような事あってさ、散歩中に髪ゴムを落としちゃったんだけど、そこに犬のフンが・・」

咏・華菜「食事中!!」

憧「あぅ・・・そうだった、ごめんなさい。・・・でもZZ(図々)点獲得」

華菜「これZZ点か?」

咏(・・・たまに出る、訳わっかんねー会話も相変わらずだ)クス

憧「この後は何しよっか~?」

華菜「咏さんに、こないだのジグソーパズル再挑戦してもらうとか?」

咏(この2人が来るようになって、えりちゃんとイチャイチャする時間は減ったけど、それがちょうどいい具合に飢えを刺激して燃えるんだよねぃ)ハムハム

憧「お、いいね。今度はもっといい場面でバラバラにしちゃおう!」

華菜「だんだん怒られないラインがわかってきたし!」

咏(正直、今の関係に文句はないし、このまま続くのもいいかなって思うけど・・・)

咏「・・・・・」

憧「咏さん?」

華菜「どうしました?」

咏「・・・うん」

咏(・・・・こないだえりちゃんと決めたあの事を・・・・2人に話して、わかってもらわないと)ヨシ!

憧・華菜「あ」

咏「・・・・・・・」スゥ..

憧「口の周りにチーズ付いてる。拭きますよー」フキフキ
咏「・・・あのね、今日はだいじにゃままひむぐぐ」フカフカ

華菜「お、先越された」

咏「あ、ありがと」

憧「いいえー♪・・・シュウ!」フェイダウェイジャンプシュート!

ガサッ!

咏「わ。ちゃんとゴミ箱に入った」パタタ!

華菜「ナイスシュートだし」

憧「あー・・・意思に反して上手くなっちゃったなー。うっとうしい場所に外したいのに」

咏「私その意思嫌いだよ」

憧「でも逆にバスケ部の人たちにしたらZZ発言か」

華菜「ちっ、気付いたか・・・」

憧「気付いてて言わないって・・・やっぱ華菜もZZだね」

咏(って、それよりも!)

咏「あのね!今日は本当に大事な話があるんだよ」

憧「・・・・・」

華菜「大事な話・・・」

咏「うん。・・・ちょっと待ってて」スタスタ..

憧・華菜「・・・・・」

華菜「・・・今がチャンス!咏さんが座るところにブーブークッションを仕掛けるし」

憧「わ・・真剣な雰囲気だって察してるはずなのに・・・さすが華菜」

華菜「へへっ、憧には負けないし!」セーット!

憧「放屁音を開幕のファンファーレにするのはZZ・・・とは違う気もするけど、アリだね」

咏「・・・お待たせ」スタスタ

憧・華菜「うん・・・・あ」

えり「ど、どうも・・・」

憧「!?えりさん・・・」

華菜「淫靡マイルームの常連・・」

えり「え?」

咏「き、気にしないでいいよ//」パタッタ!

憧「・・ま、とにかく座ってください」ドゾ

えり「あ、はい」スワリ

華菜「咏さんもほら・・・ぷぷ・・・」

咏「・・・・うん」ブーブークッション ツカミ

憧「あ」

咏「てぃ」ポイッ..ヒュー..ブボボッ..ペタン

華菜「あたしの奇策が破られた・・・」

咏「・・・こないだレストランでやられてから警戒は怠らないようにしてるんだよっ」スワリ

華菜「あはは・・・なるほどー・・・」

咏「・・・・・」

えり「・・・・」

憧(う・・・・なんか緊張感が・・)ゴクリ

咏「あの・・ね、私たちが付き合ってるって事は2人に話したよね」

憧・華菜「はい」

咏「それでね、その・・・・こないだえりちゃんと話して決めたんだけど」

憧「・・・・」

咏「・・・同棲・・・する事にしたんだ」

華菜「同性だけに?」

えり「・・・・・」

咏「今えりちゃんが住んでるマンションを引き払って、うちで一緒に住もうって決めてさ」

華菜「はい」

憧(完全に流されたけど、傷付いてないって思わせようとしてる!・・・ZZ!!)

咏「・・・・私ね、君たちと一緒に過ごす時間は楽しくて好きだよ。だからこれからも遊びたいと思う。でも今後は泊まりとか・・・」

♪~

華菜「あ、電話だし。・・・・みはるんから?・・・・もしもし」

咏「今出るのかぃ!?」パタンダ!

憧(華菜らしい)フフッ

華菜「・・・・えっ!?・・・・うん・・・・うん・・・・わかった・・・・ありがと。・・・じゃあ」ピッ

咏・えり「?」

華菜「はぁ~・・・・」シューン

憧「・・・どしたの?」

華菜「ちょっと・・・近くに」

憧「?」ソソソ

華菜「・・・・キャプテンが、清澄の部長と付き合う事になったって」ヒソヒソ

憧「っ・・マジ!?」

華菜「そうらしい・・・・前から怪しかったんだけど、最近急接近して・・・キャプテンから告白して・・・それで・・」

憧「・・・・そんな・・・」

咏・えり「?」

華菜「はぁあぁ・・・・キャプテン・・・」

憧「・・・・結局・・・あたしたちがやった事って・・・・なんの意味も無かったのかな・・・」

華菜「あ・・・・・」

憧「たくさんZZを溜めたけど・・・・もう・・・・」

憧(・・・華菜と過ごす理由も・・・・無くなって・・・)

華菜「っ!それは違うし!」

憧「っ!?」

華菜「確かに憧はライバルで、ZZ王座を脅かす強敵だったけど・・・あたしは憧と一緒に遊んでて楽しかった!」

華菜(2人で競い合って・・・笑い合って過ごしてきたのは絶対無駄じゃないし!)

憧「華菜・・・・」

華菜「憧はどうなんだよ!?」

憧「あたしは・・・・・・っ・・あたしも楽しかった!」

華菜「だろ!?だったら意味が無いとか・・・悲しい事言うなし!」

憧「華菜・・・・」

華菜「この先だって!あたしと一緒にZZを溜めるんだよ!そしたらず~っと楽しいし!」

憧「華菜・・・」

咏「えっと・・・怪しい雲行き・・」

華菜「考えてもみな・・・・これから咏さんたちはこの家で同棲するんだよ?」

憧「あ・・・・」

華菜「・・・・」

憧「そんな場所に・・・あたしと華菜が割って入って、4人で暮らす・・・」

咏「んん!?」

憧「それってすっごく・・・・」

憧・華菜「ZZ!!!」

♪~(Futuristic Player イントロ)

咏「あれ?なんか・・・・すっげー嫌な予感がしてきた・・・」

えり「え、ええ・・・私も感じてます・・」

華菜「わかったろ?憧!確かにキャプテンが清澄の部長と付き合うのはショックだった・・・でも!」

憧「うん!局地的な物の見方に囚われて落ち込んで、未来を否定する・・・そんなのって・・・」

憧・華菜「ZZじゃない!!!」

咏「なんだこの感じ!?わっかんねーけど、このままだと何かが終わりそう!まだ私の話、途中なのに!」パタパタ!

えり「ど、どうしたら・・」オロオロ..

憧「また一緒にはしゃごう!そして・・・ZZを溜めようよ」

華菜「うん!」

憧「住むんだ・・・咏さんとえりさんの愛の巣に・・・華菜と!!」

♪Image 加速していく未来に~

キャスト

高鴨 穏乃    悠 木 碧

新子  憧     東 山 奈 央

松実  玄     花 澤 香 菜

松実  宥     M A K O

鷺森  灼     内 山 夕 実


福路美穂子   堀 江 由 衣

池田 華菜    森 永 理 科

久保 貴子    山 田 み ほ

三尋木 咏    松 岡 由 貴

針生 えり     藤田 由美子

女生徒 A     中 田 譲 治
女生徒 B
ピザ配達員
風呂焚き声

咏「わあ~!!なんか知らんけど、幕を引かれてる感がヤベー!どうなるんだよぉ!!うう・・・えりちゃぁあん!」ダキッ!

えり「ぅわ!咏さん///」ギュ..

憧・華菜「・・・・・・」

憧・華菜(・・・・・それにしても・・・)

憧(華菜と一緒にいられないって感じた時の不安は・・なんだったんだろう?)
華菜(憧と一緒にいられないって感じた時の不安は・・なんだったんだろう?)

憧(・・・それに、華菜とこれからも遊べるって思った時の、この感情は・・・もしかして)
華菜(・・・それに、憧とこれからも遊べるって思った時の、この感情は・・・もしかして)

憧・華菜「・・・・・・」

憧・華菜(・・・もし・・・この気持ちが『そう』であっても『そう』でなくても・・・・関係ないよね)

憧・華菜(ただ、前向きに進んで自分のやりたいようにやるだけだし!・・なんたって・・・あたしたちは図々しいんだから!!)

咏「わっかんねー!全てがわっかんねー!!」

【完】

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