―CGプロダクション 事務所
多田李衣菜(以下李衣菜)「って何ですか!?すごいロックっぽいじゃないっすか!」ムギュー
モバP(以下P)「またずいぶんと懐かしいな……まあ古い曲だよ。ほら離れろ」
李衣菜「えーもっと教えてくださいよ!教えてくれなきゃ話せませんよー?」ムギュー
P「やめろ強くするな色々当たってるんだよ!分かった分かった俺が分かる範囲でなら教えるから!」
李衣菜「へへっ、ありがとうございまーす♪」パッ
P「やれやれ……。うーんそうだな、すいませんちひろさん、ちょっと会議室借ります」
千川ちひろ(ちひろ)「はいはい、早めに戻って来てくださいねー」
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―CGプロダクション 会議室
P「さて……まず李衣菜は『完全無欠のロックンローラー』について何を知ってる?」
李衣菜「菜々さんが鼻歌で歌ってた部分のリズムだけしか知りません!菜々さんは曲名教えてくれたあと走っていっちゃって……」
P「何してんだあの人……。完全無欠のロックンローラーはアラジンってグループの曲で……いいや、とりあえず映像見るか」
李衣菜「はい!」
……
…………
………………
P「……とまあこんな歌だ」
李衣菜「おぉ……ロックですね!」キラキラ
P「ロックンローラーって単語にときめいただけじゃないのか?」
李衣菜「ち、違いますー!ほら、『強い相手に滅法強いぜ』ってまさにロックじゃないですか!ビー・バップ・ハイスクール的な!」
P「お前妙に古いもん知ってるんだな」
李衣菜「菜々さんに全巻貸してもらったんですよ」
P「あのさぁ……」
李衣菜「あの、いくつか分からない言葉があったのできいてもいいですか?」
P「おう」
李衣菜「『ポマード』って何ですか?」
P「整髪料の一瞬だな」
李衣菜「ヘアスプレーみたいな?」
P「ヘアスプレーは整髪料が乾いて固定するんだけど、ポマードは油で髪と髪をくっ付けて固定するんだ。だから濡れてるみたいな見た目になる」
李衣菜「へぇ……」
P「油性と水性ってのがあるが基本的に油で固定してるのは変わらん。水性は油性に比べて熱に強くて水で落としやすい……らしい。俺は油性しか使ったことないけど」
衣菜「Pさんも使ってたんですか!?」
P「……はい次の質問どうぞー」
李衣菜「むー、教えてくださいよー。えっと、『俺ってバリバリかー?』のバリバリっていうのは?バリヤードのニックネームですか?」
P「お前中身菜々さんじゃないだろうな……。『イケてる』ってことだな。お前の言うロックみたいな感じだ」
李衣菜「わ、私のロックはそんな単純じゃないですよ!もっとこう、ぶわーっとして、見た人が眼を離せなくなっちゃうような……」
P「HAHAHA」
李衣菜「もー!真面目に聞いてくださいよー!」バシバシ
P「ごめんごめん悪かったって。他に質問は?」ナデナデ
李衣菜「ふ、ふん。今回は許してあげます。『ナナハン』って確かバイクのことですよね?」
P「排気量750ccの大型バイクの俗称だな。700が『ナナ』、50が100の半分だから『ハン』だ。昔は限定解除試験ってやつを受けないと乗れなかったからナナハンライダーは憧れの的だったんだぜ?」
李衣菜「おお……Pさんも乗ってたんですか?」
P「……まあ一応な」
李衣菜「ウッヒョー!!もしかしてー、今でもそのバイクを乗り回してたりするんですか!?」
P「いや、美世に引き取ってもらったよ。アールエスも歳だしな」
李衣菜「アールエス?」
P「カワサキの750RSってバイクのことだ。形式名はZ2だからゼッツーとか呼ばれてたはず」
李衣菜「へぇ……でも残念だなー。Pさんとツーリング出来るのかと思ったのに」
P「どのみち長いこと乗ってないから無理だって……ほら、質問は?」
李衣菜「あ、はい!『マブイねえちゃん』の『マブイ』ってどういう意味なんですか?」
P「美人とかお洒落な女性を指す形容表現ってところかな。まー素直に可愛いって言えない年頃だったのさ」
李衣菜「じゃあPさん!私マブイですか?」
P「可愛いな」
李衣菜「そ、そうですか?へへ……ってそうじゃないです!私はロックなんですよ!」
P「やっぱり可愛いじゃないか(呆れ)」
李衣菜「もー、Pさんは私が如何にロックを体現しているかを理解してませんね!」
P「はいはいロックロック」ナデナデ
李衣菜「も、もう!いつまでも撫でたら許されるなんて思わないでくださいよ!今回は特別ですからね!」
P「優しいなー李衣菜はー。後質問はないか?」ナデナデ
李衣菜「むふふー……♪ あ、『ツイスト』っていうのは……」
P「ツイストダンスのことだな」
李衣菜「……えっと」
P「ツイストダンスってのは上半身は正面に向けたまま下半身を捻るダンスのことだ。ツイストってのは捻るだからな」
李衣菜「……ん、んー?」
P「まあ言葉じゃ分かりにくいよな……ネットで検索したら結構動画出てくるし、見たらいいさ」
P「ついでにあの辺のを軽く説明すると『ジルバ』と『サンバ』ってのは社交ダンスの一種で、『ドドンパ』ってのは昭和の日本歌謡曲のジャンルだな。東京ドドンパ娘とか聞いたこと……流石にないか」
李衣菜「へえぇ……。ドドンパっててっきりドラゴンボールかと思ってました」
P「そりゃどどん波じゃねーか。というか本当よく知ってるなお前……それも菜々さんか?」
李衣菜「いや、これは奈緒ちゃんから教えてもらいました」
P「あー」
P「これでとりあえず分からない言葉は無くなったか?」
李衣菜「はい!ありがとうございます!」
P「まあこれで分かったと思うが、この曲はロックって感じじゃないぞ。どっちかっつーと竹の子族的な……」
李衣菜「そうですか?」
P「え?」
李衣菜「硬派を気取りながらも女の子にいっぱいフラれて、その挙げ句無視されるようになって」
李衣菜「自慢のナナハンで女の子を誘ったら強面の人と喧嘩になって、いつもコブだらけなんて」
李衣菜「散々ですけど」
李衣菜「格好良い生き方ではないですけど」
李衣菜「ボロボロでも、自分が、自分こそが主役だって胸を張るこの歌は」
李衣菜「……たぶん、ロックだと思います」
P「……まさか李衣菜にロックを教えられるなんてな」
李衣菜「あー酷い!私は私の感性を大切にですね……」
P「……いつの間にか、型に嵌めて考えてるようになってたんだな……」
李衣菜「……だから私のロックは……ってちょっとPさん、聞いt」
P「李衣菜」
李衣菜「へ?」
P「ロックだな」ナデナデ
李衣菜「……!そう、そうなんですよPさん!私はPさん次第で、どんなロックなアイドルにもなれるんです!」
P「ああ、型に嵌まらない、嵌まってなんかやらないロックを見せ付けてやろう!」
P李「「目指せ!トップアイドル!!」」
ガチャッ
ちひろ「遅いです」
P「すいません」
―数日後 CGプロダクション 事務所
李衣菜「ねえねえPさん!『我が良き友よ』ってどんな歌なんですか?」
P「菜々ァ!」
安部菜々(以下菜々)「な、ナナはリアルJKだからよく分かりませーん!」
李衣菜「え?でもさっき菜々さんが歌って」
菜々「あーあーあー!ナナ、電波がピピッときちゃいましたー!メルヘンチェーンジ!」タタタッ
P「待てー!ちょっと最近自爆し過ぎだー!」タタタッ
李衣菜「え、ちょっとPさーん!教えてくださいよー!」タタタッ
ちひろ「……ふ、ふふふ……ついに許可もなく行きましたか……ふふふふふ……」
というお話だったとさ
李衣菜が可愛すぎるからボディタッチしたりバードキスしたりする話書くはずだったのにどうしてこうなったよ
あと選曲は趣味です
菜々さんごめんね
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