照「菫、あの女は誰?」(245)

照「菫の何?」

菫「松実さんのことか。ただの友達だけど……」

照「友達…? 本当にそれだけ?」

菫「当たり前だろ。私にはお前だけだ、照」

照「………菫」








照「う そ つ き」

みたいな感じでオナシャース

菫「……嘘? 何のことだ」

照「私、見た。確かに見た。この間、二人仲良く温泉旅館から出てきてたよね」

菫「…温泉旅館?」

照「菫の嘘つき。バカ。アホ。マヌケ。浮気性」

菫(ああ、そういうことか……)

菫「いや、照。あれは違うんだ」

照「今さら言い訳? 菫、見苦しい」

菫「はっ…?」

照「それでも私は器が大きい。だからその言い訳をきちんと聞いてあげる」

菫「……」

照「それで何が違うの?」

菫「…もういい」

照「え?」

菫「確かに今さら言い訳するなんて器が小さいよな。それが誤解だとしても言い訳は見苦しいな」

照「いや、あの、その…なんで菫が不機嫌になっているの」

菫「別に不機嫌ではないけど悲しいな。恋人に信じてもらえないのは…」

照「だって、私は見たよ。菫が嬉々としてあの女と旅館から出てくるのを」

菫「はぁー…」

照「どうせあの女と泊まったんでしょ」

菫「……もうそれでいいよ」

照「……菫の浮気者」

菫「……それを言うならお前は何なんだよ」

照「何が? 私は菫と違って浮気なんてしていない」

菫「最近、淡とベタベタくっつきすぎじゃないのか?」

照「……淡は後輩。仲が良いのは当然。そんなことを言うなんてやっぱり菫は」

菫「器が小さい、か? それだけじゃない。この間、松実さんの妹と一緒に歩いていたよな」

照「あれは違」

菫「なんだ言い訳か? 見苦しいな」

照「うっ…」

照(菫とあの女の仲を聞いていただけなのに……)

照「菫は私のことを信じてくれないの?」

菫「それは私の台詞だ。お前とて私のことを信じてくれてないのだろう」

照「……私は菫のことを信じてる」

菫「信じてないから浮気を疑うんだろ」

照「……それは…だって…」

菫「……なんだ?」

照「菫は美人でモテるから………」

菫「私は全然だ。お前の方が可愛くて美人でモテるだろ」

照「むっ……菫の方が超絶美人で男女問わずにモテる…」

菫「お前それ本気で言ってるのか? 照の方が世界最高の美人で老若男女問わずモテるに決まっているだろ」

照「……菫は自分の美貌を分かっていない」

菫「……それはお前の方だ、照」

照「だから誰も彼もが菫を放っておかない。皆が群がってくる」

菫「……お前はやっぱり私のことを信じてないな」

照「……菫のことは信じてる」

菫「いいや、信じてないだろ。それにお前は私のことを何も分かってない」

照「……私は菫のことを信じているし、菫のことなら何でも分かる」

菫「私のことを分かっているのなら、浮気を疑うようなことを言うわけがない」

照「……っ」

菫「それに私が浮気する理由は何だ」

照「それは、私にはあの女みたいに胸に脂肪の塊はない」

菫「だから浮気したとでも言うつもりか?」

照「…うん」

菫「随分と失礼だな。私を下半身でしか物事を考えられない野蛮な生き物と一緒にするな、バカ」

照「別にそんなつもりはない」

菫「私はお前だから好きになったんだよ、照」

照「………菫」

菫「そもそも私は同性愛者というわけではないからな」

照「……え」

菫「さっきも言っただろ。私はお前だから好きになったんだよ」

照「……すみ」

淡「テルビアンというやつだね!」

菫「………」

照「………」

淡「あれ?」

咲「淡ちゃん、ダメだよー」

咲(折角、私が色々と手を回して二人を破局させようとしたのに…また失敗)

淡「ごめんね、サキー。それじゃーごゆっくり」

淡(テルは絶対に渡さないよ、スミレ)


菫「なんだったんだ」

照「さぁ…」

照(なんで咲が東京に…)

菫「………」

照「………」

菫「…帰るか」

照「…うん」

その日の夜、一面を菫の写真に覆われた照の部屋。

照「菫、かわいい」

照(ああもう、菫。菫菫菫菫菫菫菫菫菫菫菫菫菫―――――)

照(菫には私以外の女は不要)

照(だけどあの女を消せば、菫に嫌われるかもしれない)

照(どうしよう)

照「すみれ…」

照(……菫の美貌に惹かれるのは仕方のないことだと思う)

照(だけど菫の優しさに付け込み、菫を私から奪おうとするなんて―――許せない)

照(許せない、許せない、許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない―――許さない)

照(ね、菫)

等身大の菫の人形を抱き寄せ、ベッドに寝転がる。

照(ああ、菫。私の菫。かわいい)

照(菫。菫、好き。大好き。愛している)

抱きしめる等身大の菫人形の膨らみに顔を埋め、最愛の彼女に対する想いを胸の内に爆発させる。同時に狂気の思案を脳裏に巡らせる。

照(……菫。この想いが成就した。その矢先に菫を奪われるなんてことは絶対に阻止する)

照「ふふ、ふふふふふ……」

菫の等身大人形の頬を撫で、恍惚たる笑みを浮かべる。

照(菫、大丈夫だよ。二人の世界に踏み込んできたあの女を排除してあげる)

照(私には菫以外の人間は不要。菫にも私以外の人間はいらない―――)

翌日。通学路。

照「菫、おはよう」

菫「ああ、照か。おはよう」

照「菫、昨日はごめんね」

菫「大丈夫だ。気にしてない」

照「……良かった。菫に嫌われたら私生きていけない」

菫「ふふっ、大袈裟だな」

照「菫は私に嫌われたらどうなる?」

菫「んー、どうなるんだろうな。とりあえず悲しむかな」

照「…それだけ?」ボソッ

菫「…え?」

照「いや、なんでもない。それじゃあ学校に行こう、菫」

菫「ああ、そうだな。行くぞ、照」

照「うん」

その頃。

咲「部長、そういえば新しい女の子が欲しいとか言ってましたよね」

久「んー、そうね。正直、最近は何か物足りないのよねぇ」

咲「刺激的なことをしてみませんか?」

久「……刺激的なこと?」

咲「はい。多分、ある意味では部長にとっての初体験にもなるんじゃないですか?」

久「……その内容は?」

咲(……食いついてきた)

咲「簡単なことですよ。私のお姉ちゃんの恋人を―――寝取ってみませんか?」

久「!?」

咲「後輩の姉の恋人を寝取る。多分、背徳感が凄いと思いますよ…?」

久「…それは本気なの?」

咲「勿論ですよ、部長。丁度、白糸台には私の身内がいるのでコネで練習試合をセッティングしますよ」

久「………」

咲「どうです、やってみませんか?」

久「面白そうね。その話、乗ったわ」

咲「流石、部長」

咲(これで練習試合の最中は、私お姉ちゃんにべったり張り付いておけばいいだけだよね。部長だったら数時間あれば余裕のはず………今度は失敗しないよ)

その日の放課後、白糸台の麻雀部の部室。

監督「急遽、今週の日曜日に合同練習を行うことになった」

照「合同練習?」

菫「どこと?」

淡「多分、臨海とかじゃないかな」

尭深「……」

誠子「随分いきなりですね」

監督「相手の学校は清澄高校。宮永、お前の妹の学校だ」

照「!?」

淡「…サキの学校と合同練習するの?」

淡(今度は何を企んでいるんだろ、サキ)

その日の夜。菫の写真に覆われた室内に照はいた。

菫の半裸の写真がプリントされた抱き枕を抱きしめ、どこかの部屋が映し出される画面を前に座っている。

その画面の映像は静止画のように変化がないまま無音の状態が続いていた。

照「……菫。遅い。何しているの?」

照(お風呂かな)

照(菫のお風呂…)

照(………今度はお風呂にも仕掛けよう)

その時、目の前の映像に変化が生じた。
襖を開ける音が無音を破り、寝間着姿の菫が画面に映った。

照「……きた」

照「菫…」

照(寝間着姿の菫もかわいい)

映像の中の菫は、勉強を始める。

照(流石、私の愛する菫。こんな時間から勉強をはじめるなんて偉い)

照(菫かわいい。もうかわいい。無茶苦茶にしたい。目茶苦茶にしたい)

照「…っ…んっ…ふぁ…すみれ…っ」



照「―――……ふぅ」

時は経ち、日曜日。

清澄高校との合同練習の当日。

白糸台の校内に周囲の生徒たちとは異なる服装の少女が五人、歩いている。

彼女たちは長野県にある清澄高校の麻雀部に属する生徒だ。

本来はもうひとりいるのだが―――何でもこの日はどうしても外せない予定があるらしい。

咲「京ちゃんの外せない用事ってなんだったんだろ」

咲(念のために京ちゃんも弘世さんにあてがうつもりだったのに…)

優希「あの犬は龍門渕に行くとか言ってたじぇ」

まこ「ほう、そりゃあれじゃのう。彼氏にでも会いに行ったんじゃな」

和「吐き気がしますね」

久「それで、咲。本当に良いのよね」

声を抑え、彼女は咲に問い掛ける。その声の大きさに合わせ、咲は言葉を返す。

咲「勿論ですよ、部長。お姉ちゃん以外の女は不要なので、全員食っちゃっていいですよ」

久「そうね。なら、渋谷さんも貰っちゃおうかしら」

咲「あー、分かってるとは思いますけど部長。弘世さんを寝取るのを忘れずに」

久「分かってるわよ、咲」

咲「それなら良いです」



和(咲さん。あんなにコソコソ部長と何を話しているのでしょうか…)

―――白糸台の麻雀部の部室。そこに清澄高校の五人はいた。

久「ふふっ、突然の合同練習の申し入れを受けていただき感謝します」

菫「こちらこそ本日はよろしくお願いします…」

二人の部長が堅苦しい挨拶を交わす中、一年生の二人の魔物たちは互いにコソコソ話していた。

淡「サキ、今回はどんな狡猾な方法を使うつもり?」

咲「狡猾だなんて酷いよ、淡ちゃん。私は普通に正々堂々頑張るだけだよ」

淡「………」



和(また咲さんがコソコソ話を…)

清澄が挨拶を終え、座る卓を決める際に二人は同時に動き出した。

久「もし良かったら私と打たない?」

菫「ああ、そうだな。良いぞ。それじゃーあとの二人は…」

照に視線を向け、それを二人の部員に遮られた。

部員A「あの、弘世先輩。良ければ組んでいただけませんか?」

部員B「お願いします!」




咲「お姉ちゃん! 一緒に打とうよ」

照「ん、分かった。あとの二人は…」

菫に視線を向けるが、それを二人の女子が遮った。

淡「あーずるいよ、サキ。私もテルと打つ」

和「私も是非、お義姉さんと打ってみたいです!」

麻雀描写はキンクリ

まこ「今回ばかりはワシは関係ないぞ!」

優希「いきなり立ち上がってどうしたんだじぇ」

まこ「い、いや、ちょっと過敏になりすぎとったようじゃな」

優希「?」

尭深「………」ズズー

尭深(はふぅ……今夜は海藻スープにしようかな)

途中休憩。

咲「お姉ちゃん、あったかい」

淡「テルーあったかいね」

照「離れて…」

照(菫の元に行きたいけど、行けな…)

照は菫の方に視線を泳がせ、見てしまった。楽しそうに清澄の部長と雑談をする菫の姿を―――

照(…………………………なにあれ)

照( な  ん  な  の  あ  れ  は  ?)

照(なんでそんなにピッタリくっついているの…?)

照(なんで手を握られて頬を染めてるの……?)

照(菫、私の菫。どうして、私の菫とそんなに仲良くしているの………?)

照(            )

照(あの女)

照(私の菫に色目を使っている)

照(許さない、許さない、許さない、許さない、許さない、許さない―――許さない)

菫たちの途中休憩。

菫「…ふぅー」

菫(照たちも休憩に入ったか。相変わらず仲が良いな)

菫(はぁー…羨ましいな。私も淡たちみたいにもっと積極的に照と……)

久「どうしたの? 疲れた?」

菫「いや、そういうわけではないが…」

久「ふーん、もしかして悩み事?」

菫「……まぁそんなところだ」

久「そう」

久(…なるほど。ふふっ、これは難しそうね)

久(こういう堅物にはまず)

久「ちょっと手を見せてくれるかしら」

久(軽いボディータッチから入る)

菫「…手? 別に良いけどいきなり何だ」

菫の手を取り、その手の平を凝視する。

久「この間、占いの番組をやってたのよ。それでちょっとあなたの悩みを占ってみようと思ったけどダメね。まったく分からないわ」

菫「…占い?」

久「そっ、手相占いとかいうやつよ」

菫「ふふっ、手相占いで悩み事とかは分からないだろ」

久「それもそうよね」

久(そして、次にちょっとしたことを褒める)

久「それにしても弘世さんの指の皮が厚いわね。こんなになるなんて、いっぱい練習したんでしょうね」

久(こういう生真面目な相手には、努力を認めるような褒め言葉が一番効果的なのよね)

菫「ま、まぁな。というかそんなにジロジロ人の手を見るな。何か恥ずかしいだろ」

久「クスッ、別に良いじゃない。こんなに綺麗なんだから恥ずかしがることはないと思うけど…?」

菫「ふふっ、ありがとう」

時は流れ、合同練習は終わりを迎えた。

途中に挟んだ休憩などで菫と久のふたりは急速に仲を深め、互いに名前で呼ぶ間柄になっていた。

菫「それじゃー今日はありがとな、久」

照「…え」

久「ええ、菫。また今度遊びにくるわね」

照「……………………………………………………………………………………………………………」

咲「お姉ちゃん、じゃーねぇ」

咲(ふふ、ふふふふふふ。どうやら計画は順調に進んだようだね、部長)

咲(もうあんなに親密になるなんて流石は部長)


淡「………」

淡(なるほど、そういうことね。何が“正々堂々頑張る”よ。手段がえげつないね、サキ。どうせ菫にフラれて傷心するテルを慰め、そのまま恋仲に縺れ込むつもりなんだろうけど、それは上手くいくかな)

その日の夜。菫の写真に覆われた部屋の中に光の失せた生気のない眼光を目の前の映像に向ける照の姿がある。

彼女は無表情のまま視点を移動させる。その先には、珍しく菫以外の女の子の写真が張り付けてあった。

それは清澄高校の部長の写真を拡大したポスターのようなモノだった。

ただ、そのポスターには大量のダーツの矢が刺さっている。

照(私の  菫  奪うの  許さない)

照は無表情のまま再びダーツの矢を投擲する。その矢は竹井久の左胸に刺さった。

照(      )

照(菫  私  どうすればいい)

照(私は菫が好き。大好き。愛している)

照(私は菫の為になら何でもできる)

照(菫 菫 菫 菫 菫 菫 菫 菫 菫 菫 菫菫菫菫菫菫菫菫菫菫菫菫菫菫―――――スミレ)

照(―――――)

照「―――菫」

等身大の菫の人形を抱き寄せ、愛でるように優しく撫でる。

照「ああ、菫。うん、分かっているよ。菫は何も悪くない。悪いのは私の菫を奪おうとする女たち」

照「大丈夫。菫は心配しないでいい。私が何とかしてあげる」

照は等身大の菫人形の額に軽い口づけをする

翌日。白糸台の三年の教室。ホームルームの時間。

菫「…はぁー」

菫(何をしているんだろう、照。もしかして風邪でもひいたんじゃ…)

菫(だけど学校にも連絡はなかったみたいだし…)

菫(心配だな。それに…)

菫(……照。会いたい)

その頃、宮永照は他県の高校の敷地内に無断で侵入していた。

照「………」

照(ここが阿智賀。私たちの間に踏み込んできた虫けらの所属する学校―――)

照(―――麻雀部はどこにある)

瞬間、学校の要所に巨大な鏡が現れたような錯覚が全ての生徒の脳裏に過ぎった。が、ほとんどの生徒は今の錯覚を気にも止めずに次の行動を始める。

ただ、ひとりを除いては……

玄「ッ!?」

玄(い、今のは…あの時の感覚)




照(―――――麻雀部。見付けた)

阿智賀の麻雀部の部室。今年のインターハイ団体戦の第三位に入賞するほどの実力がある阿智賀の部室。そこに狂気を瞳に宿した無表情の宮永照が入ってきた。

普段、この朝の時間帯には部員がいるはずもないのだが、照魔鏡に本質を探られるという感覚を二度も受けた松実玄は、何となく部室に足を運んでいた。

玄「わぁ、やっぱり宮永さんだ!」

照「………」

照(これは―――あの女の妹―――)

照「………松実宥はどこ?」

玄「へ、お姉ちゃん? お姉ちゃんは多分授業中だよ」

照「そう」

照(     )

照は胸の谷間から超強力な催眠スプレーを取り出し、松実玄に吹きかけた。

玄「あ…」

彼女は意識を失った

屋上。風に煽られる照は松実玄を鎖で縛り、屋上から吊す。そこに松実宥がやってきた。

宥「…ッ 宮永さん、玄ちゃんを返して下さい」

照「…………」

宥「宮永さん!」


照「      」


>>170
1.菫に近付く全ての女を惨殺した後に菫を監禁する

2.菫に近付く全ての女を惨殺した後に菫と心中

3.菫に近付く女に関わるもの全てを惨殺した後に菫を監禁する

レイプで勘弁してやる

>>170
この場合は安価下の2を採用なのか、
それとも菫に近付く女全てをレイープした後に菫に惨殺されるのか、それともレイープした後に菫を監禁するのか

>>178

レイプ監禁でオネシャス

照は玄を吊す鎖を持つ手を少し緩める

照「松実宥。私がこの手を離せば、どうなるか分かる?」

宥「っ…な、なにが目的なんですか」

照「脱いで」

宥「え…」

照「聞こえなかった? 今この場で服を脱いで」

宥「な…なんで……宮永さん…菫さんと付き合ってるんじゃ…」

照「私の菫の名前を気安く呼ばないで、あなたは私の言ったことだけを実行すればいいの」

宥「ッ……分かり、ました」

宥はマフラーを外し、制服を脱ぎ始める。この寒空の中、いつも以上に体を震わせつつも服を脱ぐ

ガタガタ震わせる体を必死に押さえ込み、声を搾り出す。

宥「あ、う、寒、い…だ…だけど…これで玄ちゃ…助けて…くれる…だよね…」

照(それか、その脂肪で私の菫を誘惑して―――許さない)

照(あなたのことを徹底的にいたぶってあげる)

照「私は言うことを聞かないとこの手を離すと言っただけ。誰も松実玄を助けるなんて言っていない」

宥「っ…そんな…」

照は鎖を屋上のフェンスにキツく結び付ける

照「大丈夫。皆、入ってきていい」

瞬間、ガチャと屋上の扉が開き、ぞろぞろと人がなだれ込んでくる。

宥「!?」

「久しぶりやな、阿智賀の……、それにしても流石はチャンピオン。今日のも凄い極上品やな」

「ちゃちゃのんじゃがホントに良いんかのう」

「阿智賀の松実宥さんを犯せるなんてちょーうれしいよー」

「あらあら、この寒空の下に裸なんて可哀相ね。私が温めてあげるわ」

「―――――――」

「―――――」

「―――」

宥「こ、これは」

照「二度と菫に近付かせない。皆、いつものようにやっていい」

「「「「わー!!」」」」

宥「ひっ!」

照「道具は適当に置いておく。好きに使って構わない」

宥(な、なな、なに、なんで)ガタガタ

「流石はチャンピオンや。ウチはこれ使うで」

「準備が良いのう。ちゃちゃのんはこれを使わせてもらうかの」

「ふっ、道具を使うなど、にわかのすること。私は小三の頃から道具は使わんよ」

「確かにそうね。私も今日は玩具を使いたい気分じゃないわ」

「わたしはこれを使うよー」

照「あと、松実玄のことも好きにして構わない」

「よっしゃ、久しぶりの姉妹丼や」

「ちゃちゃのんは姉妹丼ははじめてじゃ」

宥「ッ、そんな、そんなの話が違っ、んっ、やっ、触らないで―――!」

照(次はあの清澄の部長のところか)

宥「んっ、やぁ、そんなとこ、だめ」

照(許さない)

照(―――絶対に許せない)

照は玄を引き上げ、屋上を後にした。

照(全部、全部全部、全部全部ぜーんぶ、菫に近付く者は壊してやる)ゴッ

照「ふふ、ふふふふふふ。待っててね、菫。私たちの世界を侵す虫けらは全部排除してあげる―――」

数時間後。長野の清澄高校の屋上。竹井久と宮永照が対峙していた。

久「あなたが私に何の用かしら」

照「…………用件は分からないの?」

久「菫のこと?」

照(            決定       )

照(この女は壊す。壊す。壊す。壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す―――)

その頃、東京の白糸台高校の三年の教室では、午後の授業を受けてる弘世菫は、音信不通になってる照のことを心配していた。

菫(照、どうしたんだろ。さっき先生に聞いてみたけど、連絡はないらしい)

菫「………」

菫(今日、帰りに照の家に寄るか)

菫(お見舞いの品は何がいいかな)

菫(あの店のシュークリームとか…)

菫(喜んでくれるかな―――)

一方、長野の清澄高校。久は冷や汗をかいていた。

福路「これは一体どういうことですか」

久「えっと、それは、その」

一「ボクだけだって言ってたから透華を諦めたのに」

久「だから、ね。落ち着いて」

加治木「それを言うなら私もだ。私もモモのことを傷付けてまで…」

久「ちょっ、その」

まこ「これはどういうことじゃ、部長。ワシだけだと」

久「わ、私は悪くない!私は皆のことを平等に愛し―――」


照(あとは清澄の部長のこの修羅場をカメラに収め、録音した音声をマスコミに流せばいいだけ)

照「それじゃあ、さようなら」

照は清澄高校の屋上を後にした。

さらに数時間後。夜。東京の宮永家の前。

菫(ちょっと遅くなったが、何とかあの店のシュークリームは買えた)

菫(……照。大丈夫かな)

菫はインターホンを鳴らすが、物音ひとつしない。

菫(何だ、寝てるのか…?)

菫(……心配だな。ちょっと中の様子を確かめるか)

菫は合い鍵の場所を知っていたのでそれを使い、悪いと思いつつも照の家に入った。

菫(えーっと、たしか照の部屋は)

菫(ここか…)

照の部屋の前に立ち止まり、菫はドアノブを握る。

菫(よしっ)

そのままドアを開けた―――

菫「……え」

目の前の光景に菫は思わず言葉を失った。

一面に自分の写真が張り付けられ、自分を模したであろうフィギュアがところせましと並べられ、さらに液晶画面に映る自分の部屋

菫「………」

呆然と立ち尽くす菫の肩がぽんと叩かれた。それだけのことに菫の肩がビクリと跳ね上がる。

照「……菫。勝手に人の家に入るのはあまり感心しない」

菫「て、る?」

菫「な、んだこれは…」

照「……菫。菫は私のことを好きなんだよね?」

菫「質問に答えろ、照。なんだ、この部屋は」

照「私も菫のことが好き。大好き。愛している」

菫「照!」

照「好きな人を身近に感じたいと思うのはいけないこと?」

菫「…っ」

照「いけなくないよね。この部屋は私の菫に対する想いが詰まっている。いや、私の愛はこんな小さな部屋に収まるものではない。
本当なら菫が欲しい。菫の全てを私のものにしたい。菫に私の全てをあげたい。
だけどそれにはまだまだ私たちは幼すぎた。だから待った。
でも、もういいよね。菫、好き。大好き。愛している。だから私と一緒に暮らそう。誰もいない山奥で私と一緒にずっと、ずっとずっと」

菫「……照」

照「なに?」

菫「……私は今のままの、普通の恋人同士という関係がいい。だから、ごめん」

照「なんで謝るの? ああ、そうか。財源が心配なんだね。大丈夫。菫と一緒に暮らすための蓄えならもう十分あるよ。だから心配しないで、菫」

菫「……っ」

照「どうしたの、菫」

菫「ごめん、照。今日はもう帰る」

照「    え    」

菫「……また明日」

照(なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで――――――)

照(なんでそんな顔をするの、菫。なんで私を置いていくの、菫。菫の帰る場所は私のところだよ)

照(………ああ、そうか。素直になれないんだね、菫。かわいい。でも大丈夫。菫の本心は分かってるよ)

照は後ろから菫に抱き着き、薬品の染み込ませたハンカチで菫の鼻と口を覆い、

菫「…ッ―――」

眠らせた

照「おやすみ、菫」

どこかの山奥にある廃れた洋館の地下室。そこに朦朧とした意識のまま運び込まれ、菫は身動きを完全に封じられた。

両足には重い鉄球を繋がれ、両手には鎖が巻き付けられている。さらに逃げ出せないように地下牢に幽閉されていた。

菫「……照。どうしてこんな」

照「これは菫に対する罰でもあるんだよ。私以外の女とあんなに仲良さそうに…」

菫「……っ」

照「でも安心していい。私もずっとここにいるから、ずっとここで菫を愛で続ける」

菫「………」

照「菫、愛しているよ」



終わり?

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