モバP「プロダクションを建てて二か月ちょっと……」(149)

P(アイドルのプロデュースに夢見てプロダクションを建てて二か月ちょっとがたった…。)

P(所属アイドルが佐城雪美、小早川紗枝、浜口あやめ、喜多見柚の四名…。)

ちひろ「………」カタカタ

P(フェスエントリー申請まで、あまり時間がない…。)

ちひろ「Pさん、お知り合いからメール来てますよ。」

P「えっ!あ、ありがとう確認するよ。」

P(ま、まさか!?)カチカチ

『 P君お疲れ様。

  以前、あなたに頼まれていたものが見つかったわ。
  私は年末年始も会社に居るから
  好きな時に取りに来てちょうだい。

                      和久井 留美』

P「………………」

前に立てたモバP「プロダクションを建てて二か月……」 というスレの続きです。

sssp://img.2ch.net/ico/ahya_xmas_2.gif
>>1さんへまたは代行を依頼した方へ
貴方のしている事は場違いです。速やかに消え去って下さい。
なんで勝手に語り出すのですか?ただの画像、動画、自分で作ったであろうつまらない文章を貼り出すのですか?
ここvipは貴方のブログでは無いのです。日記帳でもメモ帳でも無いのです。もうvipに来ないで下さい。
貴方「たったらかく 淡々と 書き溜めが 一人でも聞いてたら 需要があれば とりあえず 経緯を スペックを」
単発「支援 見てる はよ 詳しく」
本当に鬱陶しいのです。毎日毎日邪魔でしょうがないのです。
叩かれてもわざわざ続けて楽しいですか?単発と慣れあって楽しいですか?
vipじゃなければ駄目ですか?そうじゃないでしょう?
お好きなだけ馴れ合える貴方にぴったりの「ニュー速vip+」という板がありますよ
http://hayabusa3.2ch.net/news4viptasu/
そこに行き二度とvipに戻って来ないで下さい。
今すぐvipから出て行って下さいお願いします。

ちひろ「Pさん?」

P(………来たかっ!)

ちひろ「Pさん?これどういう事ですか…」

P「すいません、俺すぐに出かけないと!」

ちひろ「え、でも今日仕事納めですよ!事務所の大掃除とか納会とかどうするんですか!?」

P「それはちひろさんで何とかしてください!」

ちひろ「えぇ!?なんとかって!?」

P「とりあえず、俺もう出ますから!後は宜しくお願いします!」

ちひろ「あっ!ちょっと待って下さいよ!」

ダッダッダッ! バタン!

ちひろ(あんな活動的なPさんを見るのも初めてだわ…。)

和久井留美「それで、早速押し掛けてきたわけね…。」

P「すいません、いてもたってもいられなくて…。」

和久井「私は別にかまわないけど…。とりあえず、頼まれていたものはこれよ。」

P「ありがとうございます!」

和久井「そんなに喜んで…。こんな事するのはいくら私の立場でも駄目なのよ。」

P「す、すいません…。今回は無理を言ってしまって。」

和久井「本当にわかっているのかしら…。」

P「もちろんですよ。でも、こんな事を頼めるの和久井さんしかいませんでしたから…。」

和久井「これで私がクビにでもなったらどうするの?」

P「その時はうちでアイドルやりませんか?」

和久井「ふふっ、それも悪く無いわね…。」

P(………和久井さんならいつでもいけると思うけどな。)

ガチャッ!

P「お疲れ様です。今戻りました。」

柚「Pサン、おかえり!」

雪美「……P……お帰り…。」

ちひろ「Pさん、お疲れ様です。帰ってきてくれてよかったです…。」

P「あれ?二人ともどうしたんだ?今日から年始までオフのはずだぞ?」

柚「アタシは紗枝チャン達と違って家が近いから遊びに来ただけだよ!」

雪美「……私……も……」

P(そういえば、この二人は実家から通ってたな…。)

柚「Pサン、今日お仕事無いんでしょ?バトミントンでもしよっか!」

ちひろ「いや、せっかく事務所に来たなら大掃除を手伝って貰わないと…。」

雪美「……私…は……こっちが良い……」ヒョイ

ちひろ(水道管ゲーム……、雪美ちゃん、年の割にはチョイスが渋いわね……。)

P「俺はすぐに出ないといけないから悪いけど付き合えないよ。」

ちひろ「えっ?また出て行くんですか?」

P「えぇ、ちょっと今から出張に行ってきます。何泊になるかは今の所わかりませんが…。」

ちひろ「………わかりました。気をつけて行ってきて下さいね。」

柚「ねね、Pサン。付いて行っていい? なんか楽しそうだし♪」

P「駄目だ、今回は仕事なんだよ。」

雪美「……どこに……行くの…?」

P「信州だよ。ちひろさん、雪美達をお願いしますね。それじゃ行ってきます。」

バタンッ

ちひろ「……さて、私達は大掃除を始めましょうか。」

柚「…………」

雪美「…………」

ちひろ「あれ?二人ともどうしたの?」

雪美「……ちひろの…机に……ペロツーが……」

ちひろ「え?あっ、ちょっとペロツー。私の机に乗っちゃ駄目よ。」ニャー

ガチャッ

ちひろ「…………」

ちひろ「しまった、逃げられたわ………。」

ガチャッ

拓海「うーっす、雪美達が走って行ったけど何かあったのか?」

ちひろ「良い所に来たわ、今から大掃除しましょう!」

拓海「はぁ!?何でだよ!」

----- 長野県 信州

P「着いたか、長い時間電車に乗ってるとやっぱり疲れるな…。」

P「それにしても凄い雪景色だ、東京じゃまずお目にかかれないぞ。」

P「おっと、そういえば朝から何も食べて無かったな。」

P(せっかくだから何か食べていくか。)

?(こんな所にギターケースを持ったスーツ姿の人……。)

P(信州と言えば蕎麦だよな…。)

?(あんなに考え込んで……、何を企んでいるんだろ…。)

P(仕事だけど、こういう息抜きも必要だよな…。)ニヤリ

?(悪い事考えてそうだなぁ……。)

P(さて、そうと決まればさっさと店を探すか。)

?(怪しい!追いかけないと!)

店員「お待たせしましたー。ざる蕎麦です。」

P「外は寒いがやっぱり蕎麦はざる蕎麦に限るな。」

?(こんな寒い日にざる蕎麦なんてよく食べるなぁ…。)

P「いっただっきまーす!」ズルズル

?(あったかいのにしとこっと…。)

P(さっきから誰かに見られているような気がするな…。)

?(危ない!今こっちを見てたかな……?)

P(………………)

?(ば、バレてないよ……ね?)

----- 一方その頃……

ブゥーン

原田美世「へー、Pさんが信州にねぇ…。」

雪美「……うん……気になる……」

柚「ねね、Pサンって長野に知り合いいるのかなぁ?」

美世「あたしは聞いたことないかな。」

雪美「……美世……おなか減った……」グゥー

美世「ん?確かにもうそろそろそんな時間だね。」

柚「美世サン!あそこのサービスエリア寄っていこーよ!」

美世「え、また?これで3回目の寄り道だよ?」

柚「へへっ!せっかくなんだから楽しんで行かないと!」

雪美「………………」グゥー

美世(Pさんっていつもこんな苦労してるのかしら?)

美世(それにしても、いきなり長野までの運転手をさせられるとはね…。)

美世(Pさんにしっかりメンテしてもらわないとワリに合わないかな…。)

----------

P(………気のせいじゃなさそうだな。)

?(………………)コソコソ

P(他のプロダクションの回し者か?まさかな……。)

?(………あ、曲がり角を曲がった……。)コソコソ

?(急がないとっ!)ダッダッダッ

ガシッ

P「俺に何か用か?」

?「あっ………。」

?(ま、待ち伏せされてた……。)

----- 喫茶店

店員「お待たせしました。コーヒーとケーキセットになります。」

P「はぁ……、じゃあ俺の見た目が怪しいってだけでついてきたのか。」

?「だって、スーツ姿にギターケース持っている人なんて珍しいもん!」

P(珍しいからって何でついてくるんだ……。)

P「ここには仕事で来ているだけだよ、ギターケースは趣味のもんだしな。」

?「本当?信用できるのかな?」

P「何で俺が問い詰められてるかわからないけど、この名刺が証拠だよ。」

?「モバイルプロダクション代表 P……」

P「そういうわけだ、ある人をスカウトをするためにここに来たんだ。」

?「…………ねぇPさん、長野は初めてだよねっ?」

P「ん?そうだな今回が初めてだよ。」

?「道案内がいると思わない?」

P「いや、別にいらないけど…。」

?「任せて!しっかり目的地まで連れて行くからっ!名付けて人探し大作戦!」

P(聞いちゃいないな……。)

P「そう言えば、君の名前は?」

あずき「あずき!桃井あずきだよっ!」

P「そうか、あずき。悪いけど人探し大作戦はお断りしておくよ。」

あずき「プロジェクトHの方が良かった?」

P「………………」

----------

P(結局、変なのに付きまとわれてしまった……。)

あずき「ところでPさんはどこに向かうつもりなの?」

P「温泉街の方だよ。」

あずき「温泉だったら良い所知ってるよ?」

P「いや、温泉に入りに来たわけじゃないんだ。」

あずき「温泉街に行くのに?」

P「言ったろ、スカウトしに来たって。」

あずき「そんなに凄い人なの?」

P「凄い才能を持ってるけど、個人的な興味の方が強いかな……。」

あずき「ふーん……、じゃあしっかりと作戦を練らないとね!まずは作戦名!」

P「会いに行くのに作戦なんているのか?」

あずき「何事も作戦を練るのは大事だよっ!」

P(作戦ねぇ……。)

----- 一方その頃……

柚「いっただっきまーす!」

雪美「……いただき…ます……」

美世「………はーい。」

柚「美世サンは食べないの?」

美世「あたしは良いかな……、食べると眠くなっちゃうし。」

美世「ところでPさんは信州のどこに向かったの?」

雪美「……………」

柚「そういや、知らないかなぁ………」

美世「え!?そうだったの?」

雪美「……P…は……どこに…いるの?」

柚「美世サンは何か知らないの?」

美世「あ、あたしは知らないよ。」

柚「んー、困ったね…。」

美世(Pさんにメールしとこう…。)

----------

あずき「到着ぅ!」

P「ここが温泉街か……。」

あずき「Pさん!早速お目当ての人に会いにいこっ!」

P「あぁ、そうだな。」

prrrr……

P(ん?美世からメール?)

美世『Pさん、今どこにいるの?』

P(『仕事で信州の温泉街に居るよ』っと、いきなりどうしたんだろう。)

あずき「どうしたの?」

P「ん?いや、知り合いからメールが来ただけだよ。」

あずき「ふーん……、ところで、どこに行けばいいの?」

P「ここに居る事は確かなんだけど、詳細な居場所は知らないんだ。」

あずき「じゃあ、ここからプロジェクトHが始まるんだよねっ!一緒にがんばろっ!」

P(当たり前のようについてきてるけど、家とか大丈夫なのか…?)

----------

P「ここみたいだな。」

あずき「人に聞いたらすぐだったね。有名な人なのかな?」

P「……まぁ、有名と言えば有名だろうな。」

あずき「スカウト大作戦実行だねっ!がんばるぞっ!」

P「一つ言っとくが、あずきはついてくるなよ。」

あずき「えぇ!?なんでー?」

P「仕事だから当たり前だろ、部外者を連れていくわけにはいかないよ。」

あずき「ここまで一緒に頑張ってきたのにっ!」

P(勝手についてきただけだろ……。)

P「とにかく、話が終わるまでどっかで時間潰しててくれ。」

ピンポーン

?「………はい。」

P「初めまして、私モバプロのPと申します。」

?「…………帰って下さい……。」ブツッ

あずき「門前払いだね……。」

P(まいったな、ここまでとは……。)

あずき「もう一回押してみる?」

P「あの感じじゃ、食い下がっても逆効果だろう。」

P「今日は宿を探さないといけないし、少し時間をおいて出直そう。」

あずき「Pさん!ここはプランBでいこっ!」

P「プランBってなんだよ?」

あずき「プランB!…は考えてなかった…。」

P「………………」

P(しかし、この状況だと望みは薄いな……。どうしたものか……。)

あずき「Pさん?」

P(あまりゆっくりしている時間も無い…。年明けまでにケリをつけないと……。)

あずき「………………」

P(何とかして会う方法はないか……いてっ!。)ボスッ

あずき「やったぁ!命中ぅ!」

P「雪玉か……、やりやがったな!」ポイ ポイ

あずき「いたた!Pさん手加減してよっ!」ボスッ ボスッ

P「人が考えてる時に邪魔するからだよ。」

あずき「お返しだよっ!」ポイッ

P「そんなとろいのに当たるかよ!」ヒョイ

?「ぎゃん!」ボスッ

?「うぅ…痛いですぅ~。どうしてこんなことに……。う、うぇ~~ん!!」

P(なんで裸の女の子がいるんだ……。)

あずき(痴女ってやつなのかな……。)

----------

?「コート貸して頂いてありがとうございます~。暖かいです~。」

P「いや、別にかまわないけど…。」

あずき「Pさん……、警察に行った方がいいんじゃないかな?」

P「そうだな…、何かの事件に巻き込まれたっぽいし……。」

?「け、警察は勘弁して下さい~!!」

P(なんでだよ……。)

P「ところで君はなんで裸で路地裏にいたんだ?」

?「そ、それはぁ……」

あずき「誰かに襲われたとか?」

?「実はぁ、私サンタなんですぅ…。」

P「サンタ??もう28日だから、クリスマス終わってるぞ。」

?「それがぁ、プレゼントを配り終わって寄り道に道に迷ったんでな休憩がてら温泉に入ってたら…」

?「荷物を全部取られちゃったんですぅ!」

あずき「…………」

?「トナカイもソリも服も全部持っていかれましたぁ……うぇ~~ん!!」

P(コメントしづらいな……。)

あずき「Pさん、どうするの?」

P「と、とりあえずこの子の服を買いに行こうか。君の名前は?」

イヴ「イヴ…イヴ・サンタクロースですぅ……。」

P「そうか、俺はPって言うんだ。」

あずき「桃井あずきだよっ!」

P「お金は貸しておくから、とりあえず服を買いに行こう。そんな格好じゃ危ないしな。」

イヴ「ぐすっ……。すみません……」

----- 一方その頃……

雪美「……美世……ここは?」

美世「信州の温泉街だよ、Pさんはここに居るみたい。」

柚「うわー凄い雪が積もってるね!」

美世(年末のせいか道が混んでて到着が大分と遅れちゃったな…。)

美世「帰りが遅くなるといけないから、あんまり滞在できないね。」

柚「えっ?泊まりじゃないの?」

雪美「………………?」

美世「………嘘でしょ?」

柚「Pサン見つけるまで、帰れないよぉ!」

雪美「……はやく……探そう……」クイクイ

美世「あの…、家に連絡しなくて大丈夫なの?」

柚「友達の家に泊まるって言ってるから大丈夫だよーっ!」

雪美「……私……も…メアリーの…家に泊まる…っていった…。」

美世(泊り確定か……。)

美世「………と、とりあえずPさんに連絡するね。」

ピポパポ

おかけになった電話は電波の届かないところか電源が…

ピッ

美世(繋がらない………。)

柚「美世サン、早速Pサンを探しに行こうよ。」

美世「それより、先に宿を探さないといけないかな。この寒空で車中泊は避けたいから…。」

雪美「……温泉……に…行くの…?」

柚「へへっ、それも楽しみだね!」

美世「こうなったら私も覚悟を決めてゆっくり温泉を楽しもうかな!」

----- 洋服店

イヴ「あ、暖かいですぅ~♪ 拾ってもらった上に、こんな素敵な服まで…」

イヴ「うぅ、Pさん。本当にありがとうございます~!!」

P「気にするな、素っ裸の女の子を放置して行っても寝目覚めが悪いしな。」

あずき「Pさん見て見て!お色気大作戦っ!ちらっ!…って刺激つよい?」

P「何をやってるんだよ…。」

あずき「試着してみたんだよ!Pさんも和服着てみるっ?」

P(………寒くないのかな?)

あずき「色っぽい……ですか?」

P「……………」

イヴ「うわ~、あずきさん色っぽいですねぇ~」

あずき「大人っぽく……できたかなっ?」

P「……あぁ、そうだな。良い感じだと思うぞ。」

あずき「えへへっ!作戦、大成功ねっ!」

P「まぁ、とりえあず着替えて来い。俺もそろそろ宿を探さないといけないからな。」

----------

イヴ「どうでしたか~?」

P「ここも空いてないらしい。」

あずき「いきなり泊まりってのも中々難しいと思うよ?」

P「っていうか、二人とも何でついてきてるんだ?」

あずき「えっ?温泉に泊まるんじゃないの?」

イヴ「わ、私はその~、行く場所が……」

P「ま、まぁイヴはともかくあずきは家があるだろう?」

あずき「作戦の途中で帰れないよっ!」

P「作戦って……、そういう問題じゃないだろ?」

あずき「いーやー!あずきもついてくっ!」

P「駄目だ!お前は帰るんだ!」

イヴ「ケ、ケンカはよくないですよぉ……」

あずき「あーあ、せっかく絶対に泊まれる旅館知ってるのにっ!」

P「………どこだそこは?」

あずき「その前に何か言う事あると思うけどな?」

P「………一泊だけだぞ……。後、ちゃんと家に連絡しとけ……。」

あずき「そうこなくっちゃっ!」

イヴ「うぅ……Pさん、すみません~」

P(そういや、この二人宿泊費なんて持ってるわけ無いよな…。)

P(後で銀行行かないと予算が足りなくなりそうだ…。)

----------

P(こんなところあったんだな……)

イヴ「うわ~、良い旅館ですねぇ~」

あずき「えへへっ!あずきを信用して良かったでしょ?」

P(安い上に設備も中々、温泉付きとはたまげたな…。)

あずき「………Pさん?」

P「ん?あぁ、そうだな良いところだよ。ありがとうな、あずき。」

あずき「あずきの事、見直したでしょっ?」

P「見直したよ…。っと部屋はここか。三人部屋になっちゃったけど、我慢してくれよ。」

イヴ「私は別にかまいませんよぉ~」

あずき「あずきも大丈夫だよ!」

ガチャッ

P「おぉ、綺麗な和室だな。」

イヴ「今日は野宿だと思ってたから、感激ですぅ~。」

あずき「よし!荷物も置いた事だし探検大作戦を開始しようよっ!」

P「俺は別に行くところがあるから二人で行ってくると良いよ。」

あずき「うん、じゃあイヴさん!行こう!」

イヴ「は~い!Pさん行ってきますね~。」

P「いってらっしゃい。」

ガチャッ

P「さて、お金をおろしに行かないと。」

P(しかし、彼女のあの拒絶の仕方………。和久井さんに貰った資料は本当だったみたいだな……)

P(でも、ここまで来て諦めるわけにもいかないか。)ガタッ

P「いてっ!」

P(ギターケースに足をぶつけてしまった…。)

P(……見知らぬ地で路上ライブってのもアリかな。一応持って行こう。)

----- 一方その頃……

柚「宿が見つかって良かったね。」

雪美「……歩き……疲れた……」

美世「結構回ったからね…。早く温泉に入ってゆっくりしたいかな。」

雪美「……その前に……ゲームコーナー……」

美世「はいはい、ちょっとだけだよ?」

柚「へへっ!温泉と言ったらゲームコーナーだよね!」

あずき「イヴさん、次はゲームコーナーで対戦だよっ!」

イヴ「あずきさん~、待って下さい~!」

柚「アタシ達以外にもゲームコーナーに興味を持つ人がいたんだね。」

雪美「…………?」

美世(レースゲームあるかな……。)

----------

P「何とかATMが見つかって助かったな。」

P(それにしても、結構遠くまで来てしまった…。早く旅館に戻らないと。)

P(雪も降ってるし、このままじゃ風邪を引くな……。)

P(ん?この張り紙は……?)

『目指せ優勝!温泉のど自慢大会!』

P「へぇ、のど自慢大会ね…、開催日は明日か。」

P「時間があったら覗いて見るかな。」

「♪~」

P「なんだ、歌が聞こえる…。」

「♪~」

P「………この歌声はまさか!?」

----------

?「♪~」

P(間違いない……彼女は……望月聖か……。)

聖「!?」

P(昼間は門前払いを喰らったけど、こんな所で会えるとはな。)

聖「……誰ですか?」

P「邪魔をしてすまない、歌声が聞こえたもんでついね…。」

聖「………………」

P「良かったら、その、続きを聞かせてくれるかな?」

聖「あなたは……わたしの歌、聞いてくれますか……?」

P「あぁ、お願いするよ。」

聖「♪~」

P(………何だ、さっきと全然違うぞ。)

P(歌っている歌は同じなのに、何というか心に響かない。)

聖「♪~……」スゥッ

聖「…どう……でしたか?」

P「さっきと違う、正直な感想だよ。」

聖「……………」

P(去年のクリスマス、一夜だけ人々の前に現れ姿を消したアイドル…。)

P(姿を消した理由は定かでは無いが、噂では所属していたプロダクションとの揉め事が原因。)

P(その事がどこかで引っかかって、彼女は人前で歌う事に抵抗を感じているのだろうか…。)

P「……俺も一曲歌わせてもらって良いかな?」

聖「…………はい」

P(ギターを持ってきたのはラッキーだったな…。)

P「リクエストは?」

聖「………………」フルフル

P「そうか、じゃあこれでいくかな…。」

P「♪~」

聖「!?」

P「♪~」

聖「……………」

P「♪~……」スゥッ

聖「良い歌です……初めて聞きました。」

P「そうか、気に入ってもらえて何よりだよ。」

聖「もっと…、聞かせてもらって…良いですか?」

P「あぁ、かまわないよ。」

----------

P「……これで一通りかな。」

聖「…………」

P「良かったら、君が歌ってみるかい?俺が演奏するからさ。」

聖「……歌っていいの?」

P「もちろん、俺が歌うよりも君が歌う方がずっと綺麗に聞こえるさ」

P「曲はどうする?」

聖「一番最初に……聞かせてくれた歌を……歌いたいの」

P「一回歌っただけだけど、大丈夫か?」

聖「うん、なんだか私の声……あなたに…届けたいから……」

P「……わかった、じゃあ行くよ。」

聖「♪~」

P(驚いたな…、一度聞いただけなのに歌詞まで完璧に覚えてる…。それにこの歌声…、これが彼女の本当の歌声か……。)

聖「♪~……」スゥッ

P(彼女が人に伝えたいと思うだけでこうも違うとはな……。)

聖「……どうでしたか?」

P「良い歌だったよ。それしか言えないかな。」

聖「…………」

聖「今夜は星が綺麗……。雪も静かに降り積もって……世界が静けさに包まれたみたい……。」

聖「いつもこんなに静かなら、わたしの声……届くのにな……。」

聖「Pさんも……そう思いますか?」

P「………何で俺の名前を?」

聖「昼間に……家に来てくれましたよね?」

P「気づいていたのか…。」

聖「私を……また、アイドルに?」

P「そう思ってたけど、その前に一つだけお願いがあるんだ。」

聖「…………?」

P「明日、のど自慢大会が近くで開催される。それに出てみないか?」

聖「なんで……ですか?」

P「そうだな理由は出てみたらわかるさ。」

聖「…………」

P(駄目か……?)

聖「二つ……条件があります。」

聖「一つ目は大会では……Pさんがさっきの曲を演奏してくれませんか?」

聖「もう一つは……もう少しだけPさんの演奏で歌わせてください」

P「……わかった、お安い御用だよ。」

ぱっつんじゃない!!

----- 一方その頃……

チャポン

美世(ゲームセンターで知り合った子達と温泉に入るとはね……、これも旅の醍醐味なのかな。)

あずき(何とかしてPさんを振り向かせる作戦を考えないと…)

柚「とりゃっ!喰らえ―!」バシャバシャ

雪美「………………」バシャバシャ

イヴ「わぁ~、雪美さん、柚さんやめてください~!」

美世「二人とも、温泉で騒いじゃ駄目だよ!」

あずき「そう言えば美世さん達は東京から来たんだよね?」

美世「うん、そうだよ。まぁ偶然だけど…。それがどうかしたの?」

あずき「あずき達も今日は東京から来た人と行動してるから、偶然だなと思って…。」

美世(東京から?……まさかね。)

柚「ねね、後で皆で卓球やろうよ!」

イヴ「賛成ですぅ!」

雪美「……私……も……」

>>48 実は言われるまで四人全員パッツンということに気づいて無かったんです…

----------

P「ただいま」

イヴ「お帰りなさい~」

あずき「お帰り―、遅かったね?」

P「あぁ、ちょっと寄り道をしていたからな。二人はもう温泉には入ったのか?」

あずき「うん、ほっこりしてきたよ!」

イヴ「お先に頂いてきました~、良いお湯でしたよ~」

P「そうか、俺も入ってくるとするかな…。」

あずき「Pさん。その前に明日の作戦だよ!」

イヴ「明日はどうするんですかぁ?」

P「急な話だが、明日俺はここで開催されるのど自慢大会に出る事になったんだ。」

イヴ「のど自慢大会ですかぁ~。」

あずき「Pさんが歌うの?」

P「歌うのは俺じゃないよ。俺はただの演奏者として参加するつもりだからな。」

あずき「あれ?じゃあ誰が歌うの?Pさんの所のアイドル?」

P「まさか、うちのアイドルは誰も来てないよ。歌うのは望月聖。今日昼間に尋ねた家の子だよ。」

あずき「え!?いつの間に!」

P「あぁ、それはだな……」

----- 説明中 -----

イヴ「そんな事があったんですね~。」

あずき「その聖ちゃんって言うのはアイドルなの?」

P「元アイドルだな、一日だけだけど。」

あずき「渋谷凛ちゃんや島村卯月ちゃんみたいに凄いのかな……?」

P「俺はトップアイドルにも負けないくらいの輝きを持っていると思うよ。」

あずき「……ねぇねぇ、あずきもついていっていい?」

イヴ「あの~。私も一緒に行っていいですかぁ?」

P「別にかまわないぞ。観客としてだけどな。そのつもりなら明日は朝から行動するから今日は早く寝た方が良い。」

あずき「はーい!」

P(それにしてもあずきのやつ、アイドルに興味があるのか……?)

----- 翌日…

P「よし、皆集まったな」

聖「Pさん……この人達は?」

P「紹介するよ、桃井あずきとイヴ・サンタクロースだ。」

あずき「おねがいしますっ!」

イヴ「お願いしますぅ~」

P「二人ともこっちが昨日話した聖だ。」

聖「宜しく……お願いします。」

P「歌う人は聖で演奏者は俺でエントリーしてあるから、この二人は観客だよ。」

聖「……そうなんですか。」

あずき「うん、聖ちゃんのステージ楽しみにしてるよっ!」

イヴ「い、一生懸命応援します~っ!」

P(さて、会場に向かうとするか……。)

----- 一方その頃……

雪美「……美世……今日は……どうするの…?」

美世「んー、相変わらずPさんがどこに居るかわからないからね…。」

柚「Pサンどこに行ったんだろ?」

ペロン

美世「キャッ!な、なに!?」

雪美「……トナカイ……」

柚「うわぁー、アタシ初めて本物見たよ!」

美世「な、何でこんな所にトナカイが…。」

?「あー、知らない人に迷惑かけちゃ駄目ですよ!」

雪美「……もこもこ……」

柚「このトナカイ鼻水垂れてるよ!面白っ!」

美世(この二人といるせいか、それともPさんの立場にいるせいか…)

美世(何か昨日から落ち着く暇がないな……)

?「すみません、さっきまでは大人しかったんですけど急に…。」

美世「いえいえ!大丈夫ですよ!ちょっとびっくりしただけなんで…。」

トナカイ「フゴッフゴッ」

雪美「……美世……助けて……服…噛まれてる…」

柚「この子、雪美ちゃんに凄くなついてるみたいだね?」

?「もしかして彼女はこの子の飼い主でしょうか?」

雪美「……………」フルフル

美世「少なくともあたし達は無関係かな…。ところであなたは?」

茄子「あ、申し遅れました私鷹富士茄子って言います。」

美世「あたしは原田美世、この二人は柚ちゃんと雪美ちゃんって言うの。」

雪美「……………」ペコッ

柚「よろしくー。」

トナカイ「フゴッフゴッ」

雪美「……柚……助けて……また服…噛まれてる…」

柚「このトナカイは茄子サンのペットじゃないの?」

茄子「それが違うんですよ、この子は昨日拾ったんです。」

美世「拾った!?トナカイを?」

茄子「そうなんです、彷徨っているところを偶然…。」

柚「じゃあ、やっぱり飼い主がいるのかな?」

茄子「そうなんでしょうけど…、見つからないんです……。」

美世「あの、良かったらあたし達も手伝おうか?」

茄子「えっ!?良いんですか?」

美世「うん、あたしも人を探しているところだからついでで良ければだけれど…。」

茄子「是非お願いします!ふふっ、私、運が良いです!」

トナカイ「フゴッフゴッ」

雪美「……P……助けて……」グスッ

----- のど自慢大会会場

P「もう少しで俺達の出番か。」

聖「……………」

P(本来の調子じゃなさそうだな…。)

P「聖、やっぱり人前で歌う事に抵抗があるか?」

聖「………わかりません。」

P(歌いたくないわけじゃないが、わだかまりは消えないまま…、そんな感じだな…。)

P(荒治療になるが、このチャンスにかけるしかない。)

スタッフ「18番の望月聖さんと演奏者の方、そろそろですが準備は良いですか?」

P「は、はい。大丈夫です。行こうか、聖。」

聖「………はい。」

----- のど自慢大会会場

茄子「なんだか凄い所に迷いこんじゃいましたね。」

美世「へぇー、のど自慢大会か。何とも温泉街らしいイベントだね。」

柚「へへっ、Pサンが出てたりして!」

雪美「……P……いるの…?」

美世「流石にそれは無いと思うけどな……。」

トナカイ「フゴッ!」ダッダッダッ

茄子「あ!トナカイさんが!」

美世「え!?こんな人の多い所じゃ危ないよ!」

キャー!

柚「もう遅かったかもね…。」

雪美「………………」

あやめちゃんの出番はありませんか?

>>62 でるのはもうちょっと後です

トナカイ「フゴッ!フゴッ!フゴッ!」

イヴ「うぅ、ブリッツェン!会いたかったですぅ~!」

あずき「び、びっくりした…。」

柚「あれっ?あずきチャンじゃん?」

あずき「柚ちゃん!それに皆も!」

美世「そのトナカイってもしかして…。イヴちゃんのだったの?」

イヴ「はい~!美世さんありがとうございますぅ~!」

美世「いや、あたし達がみつけたわけじゃないんだけどね…。」>>62

茄子「ふふっ、でも飼い主が見つかって良かったです。」

ブリッツェン「フゴッ」

雪美「……イヴ……そのトナカイ……」

イヴ「ブリッツェンは雪美さんにお礼を言ってますよぉ~」

あずき「何て言ってるの?」

イヴ「えーっとぉ……」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「『雪美殿、手荒な真似をしてすまない。あなたから我が主の匂いを感じたものでな…』」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「『しかし、皆のおかげで、こうして再会する事ができた。協力感謝する。』って言ってますぅ~」

雪美「……わかった………」

柚「へぇー、ブリッツェンって紳士なんだね。」

あずき「なんにせよ、再会大作戦は成功だねっ!」

茄子「飼い主がこんなに早く見つかるなんてラッキーでした!」

美世(えっ!?このハナタレトナカイ、絶対そんな事言って無いよね!?)

雪美「……あずき達…は…何してたの…?」

あずき「アイドル大作戦を見に来たんだよっ!」

柚「知り合いが参加してるとか?」

イヴ「そうなんですよぉ~、もうそろそろ出てくるはずなんですけど…。」

司会『次はエントリーナンバー18番!望月聖さんです!曲はオリジナル曲です!』

あずき「聖ちゃん、Pさん頑張れー!」

イヴ「頑張って下さい~!」

雪美「!?」

美世「えっ!?あずきちゃん、今Pさんって?」

あずき「うん、あずき達と一緒に行動してた人だよ。」

柚「良く見たら後ろでギター持ってるのPサンじゃん…。」

茄子「お知り合いなんですか?」

柚「アタシ達、Pサンを探しにここまで来たんだよ!」

イヴ「えぇ!?そうだったんですかぁ?」

美世(もう、Pさん……。何やってるのよ…。)

------- ステージ上

P「……聖、行けるか?」

聖「……頑張ってみる」

P「よし、じゃあ行くぞ!」

司会『それでは、お願いします!』

聖「♪~」

P(駄目だ……、本来の力の10%も出て無いんじゃないか…?)

P(どうする?このままじゃ……)

聖「♪~……!?」

P「聖?」

聖「………………」

司会『望月さんどうしたのでしょうか?歌うのをやめてしまいました。緊張のせいでしょうか?』

P「聖?どうした、大丈夫か?」

聖「もう……声が出ません。」

P「………………」

聖「Pさん……私どうしたら?」

聖「Pさんとなら……歌えると思ったのに……」

聖「また、自分の歌が………利用されているだけなんだって」

聖「そう思うと………声が……出ないんです……」

P「………………」

P「……聖」ムニッ

聖「P、Pひゃん!?……痛いでひゅ…頬を引っ張らないで下ひゃい…」

P「笑え」

聖「………え?」

P「歌が好きなんだろう?自分の歌で皆を笑顔にしたかったんだろう?」

P「笑えよ、今その願いが叶うステージに立っているじゃないか」

P「下手でも良い、失敗しても良い。そん時はいくらでもカバーしてやるさ。」

P「だから……、昨日の夜に聞かせてくれた、君の歌をまた俺に聞かせてくれ。」

聖「…………」

司会『あの?大丈夫でしょうか?』

P「………………」

聖「………大丈夫です」

P「行けるか?」

聖「Pさん……隣で……聞いてください……」

P「当たり前だ、特等席でしっかり聞かせてもらうよ」

聖「心を込めて歌いますから……ちゃんと聞いてくれなきゃ……嫌ですよ……」

----- 観客席

聖『♪~』

イヴ「うわぁ~、聖さんの歌、凄い綺麗ですねぇ~。」

茄子「本当、素敵ですね~。」

雪美「………これ…P……の曲?」

柚「そうだね、Pさんの曲だよ。アタシも久々に聞いたかな…。」

美世(一時はどうなるかと思ったけど……)

美世(すごいな……これがアイドルか……)

あずき「…………」

あずき(あれがトップアイドルにも負けないくらいの輝き……)

あずき「……あれに勝つ作戦なんて……思いつかないよ……。」

------- ステージ上

聖「♪~……」スゥッ

ワーワー パチパチ ワーワー パチパチ

聖「………どうでしたか?」

P「最高のステージだったよ、良い物が見れた。」

聖「皆が笑顔になって………私…嬉しいです……。」

雪美「……P……」ダキッ

P「え!?ゆ、雪美じゃないか?どうしてここに?」

柚「へへっ!アタシもいるよっ!」ダキッ

P「ゆ、柚まで!?っていうか離してくれ!」

美世「ごめん…、Pさん。止められ無かったよ……」

P「美世!?」

司会『あのー、すみませんが後がつかえてますので…。』

P「は、はい…すぐに降ります…。」

-------

P「……つまり、俺を追ってここまで来たってわけか。」

柚「そう言う事だよ、探すの苦労したんだから!」

雪美「……P……やっと会えた…」

P「そう言う事じゃないだろ、美世にまで迷惑かけて。」

美世「まぁまぁ、Pさんあたしは別に大丈夫だから。」

イヴ「Pさんのお知り合いだったんですねぇ~。」

聖「Pさん………この人達は?」

P「あぁ、そうか聖は初めて会うんだな。」

----- 自己紹介中 -----

美世「茄子ちゃんに出会ってから全て上手く言った気がするかな」

茄子「ふふっ、私、運の良さにはすっごく自信があるんです。」

P「……そういえば、あずきはどこに行ったんだ?」

イヴ「あれ?さっきまで一緒に居たんですけどぉ~?」

P「………………」

聖「Pさん………」

P「ん?どうした?」

聖「歌の奥にある…伝える事の意味を知ったのは……Pさんのおかげ……」

聖「私、Pさんとだったら……もう一度アイドルに……なりたいです。」

P「……あぁ、もちろんだ!必ず聖の輝けるステージを用意するさ!」

聖「Pさん……私…頑張ります。」

柚「あれ?聖チャンってアイドルになるの?」

P「そう言う事だな、これからは皆の仲間だよ。」

聖「皆さん……宜しくお願いします。」

柚「うん、よろしくー。」

雪美「……P…は……渡さない……」

聖「えっ?……は、はい…。」

イヴ「なんだか良くわかりませんけど、良かったですぅ~。」

茄子「感動的な瞬間なんですねー。」

美世「まぁ、これであたしの苦労も報われたかな…。」

------ 駅前

P(俺達はその後、聖の家に行きアイドルとしての契約を済ませてきた。)

P(親御さんは最初反対したが、聖の強い意志もあり何とか話をまとめる事が出来た。)

P(忙しい二日間だったが、聖は無事うちのアイドルになってくれたわけだ…。)

イヴ「Pさんとも、ここでお別れなんですねぇ…。」

P「そうだな……。俺も戻らないと行けないからな…。」

茄子「皆さんとは今日初めてお会いしましたが、離れるのは何だか寂しいです…。」

P「二人はこれからどうするんだ?」

茄子「私は東京の方に初詣に行こうと思っていましたので、今から東京に向かいます。」

P「あれ、そうだったのか?それなら俺達も東京に行くから一緒に行くか?」

茄子「えっ?良いんですか?」

P「あぁ、美世の車はでかいから一人増えても大丈夫だよ。」

茄子「ふふっ、じゃあお願いできますか。」

P「わかった、美世は車で待っててくれてるから行ってくると良いよ。」

茄子「はいっ、ありがとうございます。」

P「イヴはどうするんだ?」

イヴ「わ、私はどうしたら良いんでしょうか~!」

イヴ「ブリッツェンには会えましたけど、荷物は帰ってきてませんし…。」

ブリッツェン「フゴッ……」

P「……なぁ、イヴ。俺、実は困っている事があるんだ」

イヴ「は、はい?何でしょうか?」

P「実はうちのプロダクションで雑用のアルバイトを募集しているんだけど全然集まらなくってさ。」

P「3食寝床着きで時給も結構いい条件だと思うんだけどな、なんでなんだろうな?」

P「どっかに働き者はいないかなぁって思っててさ。」

イヴ「………P、Pさん!わ、私がそれやりますぅ!」

P「おっ、ホントか?助かるよ!イヴが手伝ってくれるなら安心だ。」

イヴ「う、うぇ~~ん!!Pさん、ありがとうございますぅ!」

ブリッツェン「フゴッ!フゴッ!」

P(ちひろさんには後で説明しとかないとな……)

美世「Pさん、そろそろ出発するよ?イヴちゃんに、茄子ちゃん。これ以上は増えないよね?」

P「そうだな、もう大丈夫だと思うよ」

美世「ブリッツェンと聖ちゃんはどうするの?」

P「もう年末だから聖は年明けに合流する予定だな。」

P「ブリッツェンは今から知り合いに連絡してトラックで運んでもらうよ。」

美世「流石にブリッツェンは車には乗らないからね……」

P「………美世、済まないけど雪美達を連れて先に帰っててくれるか?」

美世「えっ?Pさんはどうするの?」

P「俺は少し寄る所があるから、電車で帰るよ。」

美世「………わかった、そのかわり帰ったらあたしの身体キッチリメンテしてよね。」

P「わかったよ……、でも今回はホントに迷惑かけたな。」

美世「ううん。Pさんも気をつけてね。」

P「あぁ、行ってくる。すまないが皆を頼むよ。」

P(さて、あいつはどこにいるんだ……?)

------ あずきの家

あずき「…………」

あずき(聖ちゃんの歌凄かったな……)

あずき(トップアイドルって皆あんな子ばっかりなんだろうな……)

あずき(渋谷凛ちゃん、島村卯月ちゃん、本田未央ちゃん……)

あずき(あずきもニュージェネレーションの三人みたいに輝きたかったな……)

あずき(Pさんに着いて行けばアイドルになれると思ってた……)

あずき(あずきの魅力を分かってもらえたらアイドルになれると思ってた……)

あずき(でも、見向きもしてくれなかった……)

あずき(あずきじゃ駄目なのかな……)

あずき「……ぅ……うぅ……」ジワッ

あずき「勝手に期待して……バカみたい……一人で舞い上がって作戦立ててさ……」ボロボロ

あずき「うぅ…Pさん……なんで…あずきをみてくれないのぉ……」

あずき「Pさぁああん……」ボロボロ

ガチャッ

P「……何で泣いてんだ?」

あずき「!?」

P「あっ、すまん、ノックするの忘れてたよ。」

あずき「え!?な、なんでここにいるの?」

P「えっ、いや…。あずきのお母さんに案内されたからだけど?」

あずき「…グスッ……そうじゃなくて…」

P「あずきを探しに来たんだよ、勝手に居なくなるなよな…。」

P「探しまわったけど結局家に帰ってるし、家探すのも苦労したよ…。」

あずき「……あずきに…用なんてないでしょ?」

P「……あるよ、忘れ物をしたからな。」

あずき「………忘れ物?」

P「あずき、俺がここに来た目的は知ってるか?」

あずき「聖ちゃんをスカウトするためじゃないの……?」

P「そうだな……、でも俺はここに来て思わぬ出来事に遭遇したんだよ。」

あずき「……………」

P「桃井あずきと言う輝く原石を見つけた。」

あずき「!?」

P「率直に言う。あずき、うちのプロダクションでアイドルにならないか?」

あずき「………嘘?」

P「ホントだよ。」

あずき「……でも……聖ちゃんみたいに歌は上手く無いよ?」

P「そんな事気にしてたのか?それはあずきの魅力とはまた別だろ。」

P「昨日、着物を試着していたよな。」

P「あの時、正直俺はあずきに惹かれていた。」

P「その時思ったよ、あずきには人を引き付ける魅力があるって事に…。」

あずき「………あずきもトップアイドルになれるかな?」

P「あずきならいけるさ、なんなら俺が作戦を立ててやる。」

あずき「ふふっ、Pさんが考えてくれる作戦があればあずきは完璧よっ!」

P「そうか、じゃあ?」

あずき「あずきのアイドルデビュー大作戦開始ね!」

あずき「……ねぇPさん、この作戦名どう?なんか大ウケしそうな気がするでしょ!」

P「………俺はプロジェクトAの方が良いと思うぞ」

------ 年末の事務所……

P(そんなこんなで予想外の6人目としてあずきがアイドルになる事が決定した。)

P(あずきは元々アイドルになりたかったらしく、親御さんも協力的になってくれて助かった。)

P(これで、聖という強力な戦力にあずきという切り札も加わりフェスでの勝負に希望が見えてきたわけだ…。)

P「これで今年の仕事も終わりだな……。」

イヴ「お疲れ様ですぅ、お茶入れましたよぉ。」

茄子「イヴさんありがとうございます~」

雪美「……P……遊ぼ……」

P「おっと、その前にこれをしないとな…。」ドサッ

茄子「あれ?何ですかそれは?」

P「ん?うちのアイドルの紗枝の実家から貰ったんだよ」

雪美「……何が……入ってるの……?」

P「蟹だな、結構量があるから。せっかくだしカニ鍋でもしようかと思ってな。」

茄子「年越し蕎麦じゃないんですね?」

P「まぁ蕎麦は別で食べたら良いだろ……。」

ガチャッ

拓海「うーっす、ここって年末も空いてんだな?」

雪美「……P……殻が……」

P「雪美の分は俺が取ってあげるよ。」

茄子「カニなんて久々に食べましたね~。」モグモグ

イヴ「お、美味しいですぅ~」モグモグ

ブリッツェン「フゴッ!」

拓海(ここ一応会社だよな!?なんでこたつで鍋食ってんだこいつら!?)

------

雪美「……P……あーん……」

P「はいはい、あーん」

雪美「……美味しい……」モグモグ

拓海「にしても、やっぱり変わった会社だよなココ」モグモグ

拓海「また、新しい奴も増えてるし…」

イヴ「拓海さんもよくいらっしゃるんですよね?宜しくお願いしますぅ」モグモグ

茄子「私は初詣までお邪魔してるだけなんです。」モグモグ

拓海「まぁ、アタシも人の事は言えねーけどよ。」パキッ

P「ところで拓海は何でここに来たんだ?」

拓海「年末で暇だったからペロツーの顔を見に来ただけだ」モグモグ ニャー

拓海「っていうか、なんだよPと雪美が背もたれにしてるトナカイは?」

P「あぁ、イヴと一緒に働いてくれているブリッツェンだよ。」モグモグ

イヴ「ブリッツェンは私のお友達なんですよぉ。」

拓海「背もたれにして良いのかよ?」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「『P殿は我が主の命を救ってくれた恩人…、恩義には恩義で答えなければなるまい…』って言ってますぅ」

P「ブリッツェンは義理堅い奴で助かるよ」

雪美「……ブリッツェン……のおかげで…暖かい……」

茄子「ふふっ、相変わらず言う事がカッコいいですね~。」

拓海「おかしいだろ!?絶対そんなに喋ってねーよこいつ!」

拓海「ふぅー、食った食った。しかしカニが食えるとはラッキーだったな。」

P「まだまだあるから、皆が帰ってきたらもう一回やるか。」

雪美「………楽しみ……」

P「そうだな、皆で鍋を食べるのは楽しいな。」ナデナデ

雪美「……うん……」ニコッ

茄子「ごわ~んごわ~んごわ~ん。」

イヴ「どうしたんですか?茄子さん?」

茄子「ふふっ、もうすぐ日付が変わるので除夜の鐘のマネです♪」

P「ホントだいつの間にかこんな時間なんだな……」

P「せっかくから皆でカウントダウンでもするか?」

雪美「……わかった……」

茄子「良いですね、やりましょう~!」

イヴ「カウントダウンなんて初めてですぅ!」

拓海「チッ、しゃーねーな付き合ってやるか……。」

全員「3!2!1!」

バンッ

和久井「P君!大変よ!」

茄子「……………」

雪美「……びっくり……した……」

イヴ「あわわ………」

拓海「なんなんだよ!」

和久井「え?何なのこの空気?」

P「ど、どうしたんですか、和久井さん?年越しと同時に登場なんて…。」

和久井「そ、そうだわ、P君に重要な事を言い忘れてたのよ。」

和久井「あなた、このままじゃフェスに参加できないわよ!」

P「え?どういうことですか?」

和久井「この資料の一番下を見て頂戴。」

P「これって参加規約ですよね………あっ!」

和久井「そういうことよ……。」

P「し、しまった!完全に忘れてたぁーーーーー!!」

------ 1/5 事務所……

P「さて、自己紹介も終わったところで、皆には年明け早々集まって貰ったわけだが…」

ちひろ「こうやってみると事務所に居る人数がかなり増えましたね…。」

雪美「………暖かい………」ニャー

紗枝「やっぱりおこたはほっこりしますなぁ…。」

あやめ「かなり大きいこたつですね、皆さんが入ってもまだ余裕はありますよ!」

柚「Pサン!ミカンむいてよ!」

聖「誰かに……足蹴られました……。」

あずき「皆集めて何するの?年明けの作戦を考えるのかなっ?」モグモグ

木場真奈美「やれやれ、年明けそうそうにここに来る事になるとはね……。」

拓海「オイ!あずき!アタシのむいたミカン取るんじゃねーよ!」ニャー

イヴ「拓海さんには私のミカンあげますよぉ。」

美世「な、なんか凄いとこにきちゃったな……。」

ブリッツェン「フゴッ……」

ちひろ(関係無い人まで何人かいるのは相変わらずね……)

紗枝「ところで、Pはん。急に皆を集めてどないしたんどすか?」

P「それはだな……、年末に和久井さんがきて俺達がフェスに参加できないって言われたんだよ…。」

ちひろ「えっ!?大問題じゃないですか?どうしたんですか一体??」

P「決まって無いんですよ………」

柚「何か決まってなかったっけ?」

P「ユニット名とリーダーが決まって無かったんですよ!」

真奈美「ふむ……、言われてみればそうだね……。」

P「そうなんですよ…、というわけで皆でユニット名とリーダーを決めようかと集まってもらったんだ。」

雪美「……P…が…決めないの…?」

P「皆の事だから皆の意見も聞かないといけないだろ?」

P「とりあえず、まずはリーダーを誰にするか決めようか。」

あやめ「うーむ、わたくしは紗枝殿が適任と思いますが…。」

紗枝「う、うちどすか?」

あずき「ねぇねぇ!あずきのリーダー大作戦って、どう?」

P「うん、俺は最初は紗枝かなぁと思ったんだけどリーダーには特別なルールがあるんだ。」

美世「特別なルールってなにかあるの?」

P「うちのメンバーは当初5人を予定していたけど、奇跡的に6人になったわけだ。」

P「つまりフロントメンバーを交代する事ができるんだが、リーダーは交代できない。」

真奈美「リーダーは常にLIVEバトルに参加し続けないといけないってわけか…。」

P「そう考えると誰が適任かわからなくなるんだよな…。」

柚「Pサン!良い方法があるよ!これを使えば良いんだよ!」

P「ん?何だこりゃ?長いコップにピョッキーが入ってるだけじゃないか?」

柚「このチョコピョッキーの中に一本だけイチゴピョッキーが入ってまーす!後はわかるよね?」

拓海「良いんじゃねーか?グダグダ考えるよりわかりやすくて?」

P「結果は神様に任せるってわけか……。よし、やってみるか!」

P「じゃあ皆、恨みっこなしでいっせ―のーで!で引くぞ。」

「いっせ―のーでっ!!」

美世「あたしははずれだね。」

真奈美「私もチョコピョッキーだな。」

紗枝「うちもちょこどすなぁ。」

聖「チョコ……です。」

柚「アタシもチョコだよ。」ポリポリ

拓海「チッ!イチゴじゃ無かったか。」

あやめ「わたくしもハズレです。」

イヴ「私も違いますぅ。」

あずき「あずきもはずれ……、失敗だなぁ。」

P「俺もはずれみたいだな……」

ちひろ「ちょっと待って下さい!なんで関係無い人まで引いてるんですか!!」

真奈美「まぁまぁ、ちひろ君。ほんの冗談じゃないか。」

ちひろ(それで決まったらどうするつもりなのかしら………)

P「じゃあ、いったい誰がイチゴピョッキーを引いたんだ?」

雪美「……P……」クイクイ

P「ん?どうした雪美?」

雪美「……私…が…引いた…」

あやめ「本当ですね!ということは雪美殿がリーダーでしょうか?」

P「ルールだとそうなるな……」

紗枝「ふふっ、うちは雪美ちゃんでええとおもいます。」

柚「アタシもゆきみんでオッケーだよ!」

あずき「あずきも雪美ちゃんでいいかな。」

聖「私も……大丈夫です。」

ポスン

P「で?雪美は何で俺の膝の上に座るんだ?」

雪美「……リーダー……だから……」

柚「じゃあアタシはサブリーダーとしてPサンの隣に座ろっカナ!」

紗枝「う、うちも…Pはんの隣に座ります!」

P「リーダーは雪美に決まったが次はユニット名だな……」

ちひろ「こっちは難しいですね、イメージに合うような名前を考えないと…。」

P「そういう意味ではこっちが本番ですね、なるべく皆に意見を出してもらわないと…。」

あずき「んっふっふー、あずきに良い作戦があるよ?」

P「どんな作戦なんだ?」

あずき「名付けて、残り者には福がある大作戦!」

あずき「皆がそれぞれつけたい名前を紙に書いて、この袋に入れて一枚づつ取っていって…」

あずき「一番最後に残ったのに決定!どうどう?」

美世「んー、わかりやすい決め方だね…。」

イヴ「でも、確かに最後に残ったのは縁起が良さそうですねぇ~」

ちひろ「い、良いんですか?」

P「イヴの言うように縁起が良さそうだし、それに良い名前になりそうな気がしますね…。」

P「そうと決まれば、皆この紙に自分の思うユニット名を書いてくれ。」

ちひろ「はぁ……、変な名前にならなければ良いですけど…。」

P「よし、皆書いてくれたな。今から引いて行こうか。一枚目ってことは第11位になるのかな?行くぞ!」ヒョイ

フレイムファイヤー

雪美(………………)

紗枝(こ、この名前は流石にちょっと嫌どすなぁ……)

あやめ(こ、コメントが浮かばない名前ですね……)

柚(うわぁー……)

聖(炎と……炎?)

あずき(ひょっとしたらこれになってたかもしれないんだよね……)

真奈美(アイドルのユニット名だよな……)

拓海(なかなか、イケてる名前じゃねーか……)

イヴ(皆さん固まってますぅ……)

美世(こういう時どういう反応したら良いんだろ……)

ちひろ(アイドルのユニット名にこんな名前つける人の顔が見たいわ……)

P「くそっ!最下位か……」

「えっ!?」

P「はい、次、10位行きまーす……」ヒョイ

愛怒流(あいどる)

P「………………」クシャクシャ ポイッ

拓海「オイッ!無言で捨てるなよ!」

P「えー………」

ちひろ(Pさん凄くめんどくさそうな顔してるわね……)

拓海「何かコメントしろよ!!」

P「当て字とか無いと思います。じゃ、次行くぞ。」

拓海「P!テメェぶっ飛ばすぞ!」

美世(拓海ちゃんに胸倉掴まれても動じないPさんって凄いな……)

イヴ「た、拓海さん。私は良い名前だと思いますぅ~」

P「でもこのネーミングセンスは無いと思いますぅ~」

ブリッツェン「ブホホホホホッ」

柚「…………プッ」

ゴチン ゴチン ゴチン

P「…………」プスプス

ブリッツェン「…………」プスプス

柚「な、なんでアタシまで……」プスプス

拓海「ったりめぇだろ!」

紗枝「もう、今のはPはんも悪いどすえ?」ナデナデ

P「痛てて…、まぁ、次行こうか第9位」ヒョイ

あずきのトップアイドル大作戦 アンド etc

あずき「9位かぁ……」

あやめ「え、エトセトラですか?」

P「あずきとその他大勢ってことだな……」

聖「これは……ちょっと」

あずき「えっ?良くないかな?良いユニット名だと思うけど?」

美世「あずきちゃん以外に良さわからないのはいただけないかもね……」

P「続けていくぞ第8位」ヒョイ

ピョッキーズ

P「……これは、柚かな?」

柚「正解!でも8位なんだね。」

P「柚の名前の付け方は単純だからな。」

真奈美(Pに人の事は言えないだろう……)

イヴ(Pさんも負けて無いと思いますぅ……)

雪美「……かわいい……名前……」

柚「ゆきみんに気に入ってもらえてよかったよ!」

P「それでは第7位」 ヒョイ

ブレーメン

聖「それは私……です。」

P「ブレーメンの音楽隊か、良い感じだけどあれって4匹じゃなかったっけ?」

真奈美「うむ、ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリだな」

P「この中だとニワトリはあやめって感じだな。イヌは紗枝かな?イヌっぽいし。」

あやめ「わ、わたくしはニワトリですか!?」

紗枝「う、うちそんなイヌみたいどすか?」

P「ネコは雪美だな、そのまんま。柚はロバだ。」

雪美「……ニャー……」

柚「なんか残り物をあてはめられた気がするなぁ…」

あずき「ねぇねぇ!あずきは?」

P「あずきは……なんでもいいや。」

あずき「えっ!?そんなの酷いよっ!」

ちひろ(考えるのがめんどくさくなったのね……)
聖(聞かなくて……良かった…)

P「結構進んできたな、第6位」ヒョイ

フルスロットル

美世「あたしのやつだね」

P「うん、これは良い名前なんだが……」

聖「………………」

紗枝「どうしはったんどすか?」

雪美「………………?」

P(この3人はどう見てもフルスロットルって感じじゃないよな…)

P「聖、紗枝、雪美。エイ!エイ!オー!ってやってみてくれないか?」

聖「エイ………エイ……恥ずかしいです…」

紗枝「えい、えい、おー。こうどすか?」

雪美「…エイ…エイ……オー…」

P「…………」

美世「Pさんの言いたい事は良くわかったよ…」

P「やっと半分か…、第5位」ヒョイ

伊賀忍軍

P「………………」クシャクシャ ポイッ

あやめ「ち、ちょっと待って下さい!拓海殿と同じ扱いですか!?」

拓海「あやめ!テメェそれはどういう意味だよ!」

P「っていうか、忍者があやめ一人しかいないだろ……」

あやめ「うぅ……言われてみればそうですね」

P「あえて書きなおすならこうだな…」

アイドル たまに 忍者

あやめ「なんかそれだとわたくしだけ別みたいになってませんか?」

P「そんな事は無いと思うがな、あやめは忍者として充分魅力的だよ。」

あやめ「P、P殿……あははっ……う、嬉しいです。」

ちひろ(全然フォローになって無い気がするわ……)

P「もうすぐベスト3だな、第4位」ヒョイ

シンデレラガールズ

真奈美「おや、残念……。良い名前だと思ったんだがね。」

P「何か今までで一番しっくりきますね。」

イヴ「わぁ~、素敵な名前ですねぇ~」

聖「私は……これで良いと思います…」

ちひろ「でも、ルールだとこれにならないんですよね…」

P「んー、良い名前だけに特にコメント思い浮かばないな…。」

P「いよいよベスト3だ!第3位」ヒョイ

サンタクロース

イヴ「あっ、それは私ですぅ~」

P「サンタクロースは男じゃないのか?」

イヴ「私、サンタだけど女ですよぉ~」

P「言われてみれば……」

ちひろ「でも、Pさん。フェスは4月ですよ?」

P「そうなると時期外れのサンタクロースだな…。」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「『ふむ、ではP殿。 Spring Santa Girls 何て言うのはいかがかな?』って言ってますぅ」

P「まぁありっちゃありだけど、どの道これには決まらないからな…。」

ちひろ「ブ、ブリッツェンってホントにそんな事言ってるんですか??」

美世(あ、同じ事思ってる人がいた……)

拓海(だよなぁ、絶対そんな事言って無いよなぁ……)

P「じゃあ最後の2枚!第2位」ヒョイ

はんなり

紗枝「うちのやつどすなぁ。」

柚「はんなりってどういう意味なの?」

P「ん?確か上品って意味だったはず」

紗枝「あら、Pはんしってましたん?」

P「紗枝の話してるうちにちょっとづつ覚えていっただけだよ。」

紗枝「ふふっ、でもPはんがわかってくれはるとなんや嬉しおすなぁ。」

P「……そういうもんか?」

紗枝「そういうもんどすえ?」

P「まぁ、それで紗枝が喜んでくれるなら良かったよ……」

真奈美(ほう…、彼が照れるとは珍しい物が見れたな……)

雪美「……………」ムスッ

P「さて、これに決まるんだな。第1位!」ヒョイ

ニクキュー

P(これは駄目だろ……)

紗枝(うち、イヌとネコは好きやけど……)

あやめ(に、ニクキューってあの肉球なんですよね……)

柚(次はニクキューの皆さんです!とか言われて登場しないといけないのかな……)

聖(これで……決定なんでしょうか……)

あずき(この作戦考えたちょっと前のあずきをぶん殴りたくなってきたな……)

真奈美(流石にこれは擁護しようがないな……)

拓海(どうするんだこの空気……)

イヴ(うぅ……ニクキューアイドルですかぁ……)

美世(Pさんが絡むとやっぱりまともにならないのね……)

ちひろ(だからやめとけって言ったのに……)

P「これは誰が書いたんだ?」

雪美「……P……」クイクイ

P「ん?どうした雪美?」

雪美「……私………」

柚「えっ!?じゃあまたゆきみんなの?」

あやめ「雪美殿の強運には驚かされますね…」

あずき「あずきもこれは予想外だよ…」

雪美「…P…が…引くなら……必ず…私を…選ぶから……」

紗枝「ふふっ、雪美ちゃんはおませさんどすなぁ……」

雪美「……紗枝……には……負けない……」

紗枝「ふふっ、何の事ですやろ……」

聖「Pさん……私達はニクキューなんでしょうか?」

P「そう言う事になるな……」

P(ん?まだ一枚紙が残ってる……)ヒョイ

P(これは………)

柚「Pサン、どしたの?」

P「……あぁ、まだ一枚紙が残ってたよ。」ピラッ

The Wird Flowers

柚「……これって。」

真奈美「ほう……、どこかで聞いたことある名前だが、なかなか良いじゃないか。」

美世「野生の花達って意味なのかな?」

イヴ「でも、もう皆さんの分は出ましたよねぇ?」

拓海「誰が書いたんだこれ?」

Wird・・・?

>>123 素で間違えました…。「wild」で。

ちひろ「……私ですよ」

P「ち、ちひろさんだったんですか?」

ちひろ「どんな厳しい環境にも負けず、強く鮮やかに咲く色とりどりの野生の花」

ちひろ「みんなにもそうあって欲しいと思いましたから……。どうですかね?」

雪美「……私…は……かまわない……」

あやめ「良いですね!わたくし気に入りました!」

紗枝「うちらにぴったりかも知れまへんなぁ。」

聖「私も……良い名前だと…思います。」

あずき「あずき達のトップアイドル大作戦の開始だね!」

柚「……………」

あずき「柚ちゃんどうしたの?」

柚「………アタシも良いと思うな!Pサンもそう思うでしょ?」

P「………決まりだからな、皆も気に入ってるし俺に異論は無いよ。」

ちひろ「ふふっ、決定ですね。」

P「よし!じゃあユニット名は『The Wild Flowers』、リーダーは雪美だ。」

P「この6人で3カ月後のフェスを戦っていくからな!」

雪美「…Pとの…約束……果たす…」

あやめ「P殿! わたくしのステージ見逃したらお仕置きですよ!」

紗枝「Pはん、気張って参りますえ~」

柚「アタシの晴れ舞台、Pサンちゃんと見ていてよ♪」

あずき「Pさんと一緒にトップになる作戦は継続中だもんねっ!」

聖「Pさんと出会った雪の夜、私忘れません……でも、もっと想い出……これからも一緒に作ってください!」

P「あぁ、皆で頑張って行こう!」

真奈美(ふふっ、良いチームだ……。)

ちひろ(これなら本当に……勝てるかもしれないですね…。)

ガチャッ

P「ただいまー。」

ちひろ「お疲れ様です。お仕事も大分と増えましたね。」

P「うん、今日はもうちょっとしたら事務所を閉めようか。」

ちひろ「フェスのメンバーが揃って良かったです。6人集まるとは思いませんでしたが…。」

P「聖はともかく、あずきとの出会いは本当に偶然でしたからね。」

P「これから合宿もありますし、皆には頑張ってもらわないといけませんね。」

ちひろ「Pさん、私何だかイケそうな気がしてきました。」

P「俺は最初からそのつもりでしたよ…。」

ちひろ「ふふっ、流石ですね…。」

P「頑張りましょう、次はフェスです!」

P(本当の戦いはここからだな…。)

おわり

今回もお付き合い頂いた方々、支援頂いた方々。ありがとうございました。

次回がフェスになるので次回で終わる予定です。

と、思ってたのですが想像以上に長くなったこの話の

没ネタも結構たまってるので暇があったら没ネタ集を投下するかもしれません。

何にせよ、年末までのどっかで投下します。

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