鬼灯「四季映姫ですか。私はあまり詳しくないので他を当たってください」
小判「そんな殺生なぁ。鬼灯様しか頼れる人がいないんでさ!」
鬼灯「知りません。何度も言いますが、私があなたの首をねじりきるのが面倒なのでお断りします」
小判「相変わらずひでぇことおっしゃる」
小判「でも報道部負けられねぇんでさ! うわさによると美人って話だからぜひとも取材をしてみてぇんですぜ。それに他のやつらの圧力も強くなってきたし」
小判「お願いします。この命をかけても!」ぐいぐいっ
鬼灯「9つあるうちのひとつをもらってもぜんぜんうれしくありませんし、そもそもあなたの命に価値なんてありません」
鬼灯「分かりました。案内しましょう。そのしつこさは嫌いではない」
小判「さすが鬼灯様。なんだかんだで協力してくれる。もしかしてうわさのツンデ
ドゴンッ
鬼灯「もう一回同じこと言ったら、生皮剥いで三味線にしますよ。あなたの命よりは価値がありそうなんで」
小判「き、肝に銘じておきます」ダラダラ
小判「やっぱり鬼灯様ついて来るんスね」
鬼灯「一応監視します。それに私も幻想郷閻魔庁にはあまり詳しくないので把握しておきたいのですよ」
小判「幻想郷っていったいなんなんでさ?」
鬼灯「地上で数箇所しかない私たち人外が普通に住める場所ですよ。今度唐瓜さんと茄子さんを連れて行くつもりです。もちろんあなたは連れて行きません」
小判「先に釘刺されちゃしかたねぇなぁ」
鬼灯「ここです」
小判「普通の閻魔庁よりは小さいと」
鬼灯「十王以外の例外ですからね。地獄もお金には困ってるので大きな建物は建ててあげられないんですよ」
小判「なるほど。地獄の沙汰もなんとやらっていうからなぁ」
鬼灯「地獄の沙汰は金ぐらいじゃなんともなりませんよ。昔と違って供養が簡単になりましたからね」
小判「世知辛ぇなぁ」
小町「お、いたいた。鬼灯様~!!」
小判「あれは?」
鬼灯「小野塚 小町さんです。死神をしながら補佐官をやっています。サボり癖があるらしいのですが仕事が出来る上に、あの篁さんのお孫さんですからね。あまり文句を言う人がいないのです」
小判「鬼灯様は文句言わないんですかい?」
鬼灯「………あの人一日で終わらせる仕事量、うちの閻魔大王の倍なんですよ。だからサボってるときは怒りますが、あまり強くは怒れない。せいぜい素手ではたくぐらいでしか」
小町「鬼灯様の叩くって普通に死人でるレベルですよ。どうも井戸が似合う男ナンバー1 小野篁の孫、小野塚 小町です!」
小判「ん? 小野と小野塚?」
小町「親の代で改名したからね。小野は地上での苗字だからっていうんで」
小判「あぁ、なるほど」
小町「んじゃ、のんびり四季様に会いに行こうか」
鬼灯「急いでください。暇ではないので」
小町「鬼灯様ものんびりしたほうが良いと思うんですけど」
鬼灯「仕事中にのんびりしてる奴は等しく死ねばいいんですよ。かと言ってがんばりすぎて過労死するやつも死ねばいいのです」
小町「………ごめんなさい」
映姫「どうもご無沙汰しております鬼灯様」
小判「ん? 四季映姫さんの方が身分は上なんじゃないのかい?」
映姫「一応そうですが、私は正式じゃない上に、鬼灯様のほうが年齢がよっぽど上ですので。ところであなたが今回取材するのですか?」
鬼灯「彼女が四季映姫・ヤマザナドゥです。十王ではないので名前に王は含まれません。あと私が知っていることといえば、雑誌の結婚したくないランキング女性編の一位をとっていることでしょうか。おめでとうございます」
小町「くすくす」
映姫「はい!? 初耳なんですが!?」
鬼灯「どうやら仕事以外でも説教をしてくるので男性女性問わず嫌われているようです」
小判「四季映姫は嫌われ者っと」さらさら
映姫「ちょっとやめてください!! 本当マジでお願いします!!」
小町「じゃあ今回、プラスになるような記事書いてもらえばいいんじゃないですか?」
映姫「お願いします。取材に協力しますので」
小判「みんなの印象を変えるような記事………いいねぇ。記者魂に火がつくってもんさ」
小町「よかったですね。結婚できない女じゃなくなりますよ(そういえば結婚できない男は鬼灯様だよなぁ)」
鬼灯「なにか」
小町「なんでもないです!!」
小判「じゃあ貴方から取材するンで、お願いします」
小町「へ? あたい? いいけどさぁ」
小判「小野篁様の孫ってはなしニャンだけど」
小町「そうだよ。結構似てるでしょ?」
鬼灯「いえ、髪が天パじゃないので」
小町「うちのじっちゃん天パ本体ですか?」
鬼灯「………………」
小町「悩まないでください」
鬼灯「………………7割天パ」ボソッ
小町「うちのじっちゃんは10割じっちゃんが本体です!!」
小判「鬼灯様取材の邪魔しにゃーでくだせぇよ」
小判「あー、でも孫ってことを主張すると七光りとかの印象つきそうだしにゃあ。それはそれで面白いんだけど今回の企画は好印象だしなぁ」
小町「あ、ならあたいすごい特技あるよ」
小判「?」
小町「距離を操れる」ドヤァ
小判「つまりそれはどういうことでさ?」
小町「瞬間移動!!」シュンッ
小判「!? 一瞬であんな遠くに?」
鬼灯「彼女は生まれつき距離を操れるのです」
小判「そりゃすげぇ」
小町「でも、この高速移動に普通に対応して襟つかんでくる鬼灯様のほうがすごいと思うけど」
小判「それでもすげぇものはすげぇ。書くネタになる」
小町「いやぁ」テレテレ
映姫「私はまだですか?」ドキドキワクワク
小判「えっとじゃあお願いします」
映姫「私の能力は白黒をつける能力です」
小判「………地味」
映姫「なっ!」
鬼灯「一見地味ですが、彼女に白黒つけられたらもう覆すことはできないという非常に面倒くさ、すごい能力です。たとえば彼女が小判さんのことを犬と決めれば、それはもうくつがえません」
映姫「あと記事になりそうなことといえば、あ、私実は地蔵菩薩様の娘です」
小判「にゃ!?」
鬼灯「娘といっていいのかは分かりませんが、地蔵が信仰心を集め彼女になったらしいです」
小判「やはり親の七光り」
小町「あたいは違うよ」
映姫「私だって違います。真面目な性格とこの能力がかわれて閻魔になったのですから」
小町「真面目というか生真面目というか、ルールから外れたことはどんな些細なことでも説教してくるよ。あとだからジャーナリストとか大嫌いみたい」
映姫「小町!」
小町「すみません」
小判「なんだか好感度上げるのは無理な気がしてきた」
映姫「そんな!!」
小判「仕方ねぇ。こうなったら奥の手を使うしかないでさぁ」
映姫「奥の手?」
小判「取材は全面的に協力してくれるのですかい?」
映姫「えぇ、それで好感度が上がるのであれば」
小判「それじゃあ一日密着取材をさせていただきますぜ」
鬼灯「一日あけることはさすがに無理ですが、許可は下りましたし」
小町「………あたい知らない」
映姫「ふっふっふ。これで人気上昇間違いなしですね!!」
ゴッ!!
小判「なんでニャー………」
鬼灯「はい。シメておきました」
小町『いやぁ、うちの四季様のグラビアとかマジ洒落にならないんで。協力した四季様も悪いんですけど』
小判「人気は上がったはずニャのに」
鬼灯「信用と引き換えにですね」グリグリ
小町『回収してるんですけど如何せん数が多くて』
鬼灯「………小判さん。全部回収してきてください」
小判「そんなこと無理でさぁ。過労死するんで」
鬼灯「大丈夫です8回までは死ねるのですから。それとも今ここで無意味に残機を削られるのがいいのなら面倒ですがやってあげますよ」グリグリ
小判「………はい。回収してきます」
おわり
ダメだー
鬼灯様、唐瓜、茄子が幻想郷に行く編を書く前に全巻見直してきます。
このSSまとめへのコメント
鬼灯の冷徹と東方が好きでコラボがあるといいなと思ってたところなのでありがとうございます。
鬼灯の冷徹と東方かぁ…。その組み合わせがあったとは…;
霊夢と鬼灯さんの絡みあればいいなー
けーねと白澤さんとか…ハクタク繋がりで