ほむら「素晴らしき日々」(137)

ほむら(私の世界は酷く狭い)

ほむら(この真っ白でなにも無い病室と、四角く区切られた空だけ)

ほむら(訪れるのは病院の先生と看護師の人たちだけ)

ガチャ

?「あ」

ほむら「え」

?「間違えた。失礼しました~」

パタン

ほむら「…」

数日後

ほむら(あの時の子。私と同い年だったな…)

ほむら(背が高めで、活発そうで…)

ほむら「どういう子、なんだろう…?」

ブルッ

ほむら(お手洗い行こう)

病室前

ほむら「ふぅ…」

ほむら(すっとした)

パタパタ

ほむら「……っ!?」

ほむら「ケホッ…ケホッ…っっ」

ほむら(胸…苦しい…)

ほむら(ナースコール…誰か…)

?「どうしたの!?大丈夫?」

ほむら(あ…この子…)

フッ…コテン

?「ちょっと、ねぇ!?」

病室

ほむら(あれ…私…)ボー

?「あ、気が付いた?」

ほむら「え?」

?「いや~目の前でいきなり倒れた時はビックリしたわ」

?「一応、薬で抑えてあるからもう大丈夫だろうって先生が。どっか痛いとかない?苦しいとか」

ほむら「あなた…この前の…」

?「この前?」

ほむら「えっと…間違えて、私の病室に…」

?「あぁ!?あの時の!」

?「なんか、すっごい偶然だね」

?「あたし、美樹さやか」

さやか「よろしく!」

さやか「えっと、焼美さんだっけ?」

さやか「ダメだぞ、無理しちゃ!」

ほむら「あの…」

さやか「うん?」

ほむら「私…焼美じゃない…です」

さやか「え?暁美?だって、表に名前が…」

パタパタ、ガチャ、チラ、パタン、パタパタ、ストン

さやか「これ、なんて読むの?」

ほむら「暁美、です。暁美…ほむら…」

さやか「へ~これ暁美って読むんだ」

さやか「よろしくね!ほむら」

ほむら「あ…名前…」

さやか「あ、もしかして。呼び捨てとか嫌だった?」

ほむら「そんなこと。私、もうあんまり家族以外じゃ名前読んでもらえないので…その、恥ずかしくて」

さやか「え?だって友達とか」

ほむら「…」

さやか(聞いちゃまずかったかな…)

ほむら「私、治療のためにこの病院に越してきて…周りは知らない人ばっかりで」

ほむら「けど…別に前の街でも友達いたわけじゃなくて…」

さやか「じゃあ!あたしが、友達第1号だね」

ほむら「え?」

さやか「あたしが、ほむらの友達になる」

さやか「毎日お見舞いに来るよ!」

ほむら「そんな…悪いですよ」

さやか「いいのいいの。あたしが来たくて来るんだから、あんたはそんなの気にしなくていいの」

ほむら「……」

さやか「こういう時は、素直にありがとう。でしょ?」

ほむら「ありがとう…ございます。美樹さん…」

翌日

コンコン

さやか「やっほー!」

ほむら「いらっしゃい。美樹さん」

さやか「さっそくさやかちゃんが来ましたぞ!」

ほむら「あ、その制服」

さやか「これ?見滝原中学の制服だよ」

ほむら「可愛い…」

さやか「そんな可愛いだなんて、さやかちゃん照れますなぁ!」

ほむら「え?あ、いえ…そうじゃなくて…」

さやか「うん。わかってた、制服の事だよね?わかってたよ、うん」ドヨーン

ほむら「へ?あの、え…美樹さんもその…可愛い、ですよ?」

さやか「もう!そんなお世辞言われたってうれしくないからね!」プンプン

ほむら「私も、着てみたいな」

さやか「退院したら、ほむらってうちの学校通うの?」

ほむら「いちおうそのつもりです」

さやか「そっか!じゃあ、早くよくならないとね」

ほむら「はい」

さやか「そいえば聞かなかったけど、ほむらの病気ってどんなのなの?」

ほむら「えっと…心臓の」

さやか「重いの?」

ほむら「そんなこと無いですよ?」

さやか「なんだ、そりゃとかった!」タハハ

ほむら「ふふ」

ほむら「…」

さやか「うーっす!」

ほむら「こんにちわ」

さやか「はぁ、よっこいしょっと」

ほむら「美樹さん、おばあさんみたい」

さやか「そらあんた、年寄り臭くもなりますよ」

ほむら「なにかったの?」

さやか「あー…うん。ちょっとさ」

ほむら「?」

ほむら「ところで、美樹さんって私のところに来てくれる前から病院に来てましたよね?」

さやか「ぐっさぁー!?」

ほむら「ふぇ!?」

さやか「今、ぐっさ刺さった」

ほむら「あの…」

さやか「いやま、まさにその話だったから」

ほむら「じゃあ、そのケガで入院してる幼馴染のお見舞いに?」

さやか「まぁね。なのにあいつ、『さやかは僕をいじめてるのかい?』だって!?」

さやか「こっちが、どんな気持ちで…」

ほむら「ふふふ」

さやか「なによ?」

ほむら「その上条さんのお話をする美樹さんすごくキラキラしてて」

さやか「あたしがぁ?」

ほむら「恋っていいなって」

さやか「バッ!ちょっ、違うって!!///」カァァ

さやか「あたしは別にそんな…///」

ほむら「私も恋がしてみたいです」

さやか「まさか3日目にして、ほむらにからかわれるとは…」

さやか「そういえばさ、あんたご両親は?」

さやか「なんかぜんぜんここって人の気配って言うか生活感が無いんだよね」

ほむら「両親は、遠くにいます…私のために働き詰めで…」

ほむら「たまに電話と、ケータイでメールのやり取りをするくらいで」

さやか「…」

さやか「ほむら、あたしともメールしよう?」

ほむら「え?」

さやか「病院じゃ電話とかあんま使えないけど、メールくらいなら打てるでしょ?」

ほむら「まぁ、はい」

さやか「じゃあケータイかして?」

スッ、カチカチ

さやか「ほい、送信っと」

ほむら「わぁ!」

さやか「暇な時、いつでもメールしてよ。待ってるから」

ほむら「はい!」

朝・通学路

まどか「おはよー!」

仁美「おはようございます」

さやか「おはよ、2人とも」

ブブブブブ

さやか「おっと」

カチカチ

ほむら『おはようございます。そっちは今、通学途中ですか?』

さやか「お、早速来たな?」

まどか「さやかちゃん、メール?」

さやか「ん?まぁ、ちょっとね」ニヘヘ

さやか「近いうちに、2人にも紹介するよ」

授業中

さやか「」ボー

男子生徒「どういうことだよ…美樹のやつ死んでるじゃねぇか」ボソ

男子生徒「よく見ろ。寝てるだけだ」ボソ

ブブブブブ

さやか「うひゃぁ!?」ビクッ

ビクッ…ザワザワ

先生「美樹、廊下」

さやか「はい」

放課後

さやか「今日はさんざんだった」

まどか「てぃひひ、お疲れ様」

さやか「じゃあ、あたし病院行くから」

まどか「うん。また、上条君?」

さやか「うん?ん~まぁそんなとこ」

さやか「じゃあね」フリフリ

まどか「うん。また、明日」フリフリ

病室

さやか「おっす!」

ほむら「こんにちわ」

さやか「コホンッ」

ほむら「?」

さやか「ほ~む~ら~!」

ほむら「え?えぇ!?」

さやか「あんたの所為で、酷い目にあったぞ!」

コチョコチョ

ほむら「あははは、ちょ、美樹さ、あはは、待って、わけわか、あははははは!」

ほむら「ごめんなさい」

さやか「まったく。いつでもメールしろとは言ったけど、授業中はさすがに困るよ」

ほむら「はい…」

ほむら「?あれ、でも授業中に寝てたのは美樹さんの…」

さやか「んん?」ニジリ

ほむら「ひぃ!?な、なんでもないです」

さやか「わかればよろしい」

ほむら「でもやっぱり…納得できない…」ブツブツ

さやか「ほむら、屋上でも行こっか?」

ほむら「え?」

さやか「なんか、気が滅入っちゃったよ」

さやか「ちょっとだけだからさ」

屋上

さやか「夕日が綺麗だね」

ほむら「あなたが好き?」

さやか「それは、月」

さやか「にしても、ここの庭園はよく整備されてるね。相変わらず」

ほむら「そうなんですか?」

さやか「え?来たこと無いの?」

ほむら「あんまり病室から出ませんから」

さやか「ふぅ~ん。あたしだったら、あんなとこの閉じこもってるのはヤダなぁ」

ほむら「夕日を直に見たのもすごく久し振りです」

さやか「ここはよく見えるよ。街の中でも高台にあるからね」

さやか「街も、夕日も」

さやか「座ろっか」

ほむら「はい」

さやか「…」

ほむら「…」

ほむら「美樹さんは、どうして私に声を掛けてくれたんですか?」

さやか「別に…あたしってバカだからさ。あんまり深く考えないんだ」

ほむら「そうなんですか」

さやか「あ、でも1個だけ」

さやか「ほむらが可愛かったから」

ほむら「か、可愛いって///」

ほむら「私、地味だし野暮ったいから…」

さやか「うんまぁ、でもそこがあたし好みって言うか。けど、メガネやめて髪解けばもっと可愛いと思うんだけどな」

ほむら「そんなこと無いですよ」

さやか「そんなことあるぞぉ、ほら。後この控えめな胸とかさぁ」サワ

ほむら「ほむぅ!?」

さやか「え?」

ほむら「え?」

さやか「あんた今、『ほむ』って言った?」

ほむら「い、いいいい言ってないです!」

さやか「いや、言ってでしょ。ほれ」サワ

ほむら「ほむっ!?」

さやか「ほら言った、絶対言った、100パー言った」

ほむら「うぅぅ。子供の頃の癖で…抜けないんですよぉ」

ほむら「両親が『ほむら』って呼ぶから、初めて覚えた言葉が『ほむ』で、それから物心つく頃まで『ほむほむ』って…」

さやか「あはは、ほむら可愛い!萌ポイント発見」

ほむら「うぅぅぅ…///」

さやか「じゃあ、ほむらのあだ名はほむほむだ」

ほむら「えぇ…そんな安直は」

さやか「可愛いぞぉ~ほむほむ」ナデナデ

ほむら「~~~//////」カァァ

さやか「あはは、赤くなってる」

ほむら(それからも美樹さんは、毎日のように病室を訪れてくれた)

―――――
―――


さやか「ほむほむ~!」

ほむら「それ、やめてくださいよぉ///」

さやか「えぇ~良いじゃん可愛いもん」

ほむら「もう…」プンプン

さやか「前と比べると、ずいぶん表情豊かになって」

ほむら「美樹さんが、毎日からかうからです」

さやか「はいはいっと。はい、頼まれてた本」

ほむら「ありがとうございます」

ほむら「あの、屋上に行きませんか?」

さやか「ほむらからお誘いを受けるとわ。気に入っちゃった?」

ほむら「はい!」

屋上・昼

さやか「他の人もチラホラいるね」

ほむら「休日の昼間ですからね」

さやか「おお、やっぱ街がよく見えるな」

ほむら「しょっと」ストッ、ペラ

さやか「それ、さっきの?」

ほむら「はい」

さやか「ほむらは本好きだね」

ほむら「はい。時間を潰すには調度いいですし」

さやか「あたしは、音楽聴くとかゲームやってるほうが好きだな」

ほむら「ふふ、現代っ子ですね」

さやか「今度持ってこようか?」

ほむら「はい。楽しみにしておきます」

ほむら「最近、毎日が楽しいです」ペラ

さやか「ん?」

ほむら「美樹さんに会うまでは、ただ1日を無為に過ごしてるだけだったけど」ペラ

ほむら「今は、世界が全部色付いて見えてキラキラ光って見えて」ペラ

ほむら「これも全部。美樹さんのおかげです」パタン

ほむら「本当に、ありがとうございます」ニコ

さやか「じゃあ、そろそろその『美樹さん』ていうのやめよっか」

ほむら「え?」

さやか「『さやか』って呼んでみてよ。『さ・や・か』」

ほむら「あ、え…///」

さやか「ほれほれ」

ほむら「さ………樹さん///」

さやか「誰だそりゃぁ~」グテェ

さやか「まぁ、これはおいおい矯正していくとして」

さやか「なんで、いきなりそんなこと言うの?」

ほむら「え…」

さやか「最近のほむらは明るい。けど、なんか無理して明るく振舞ってる気がする」

さやか「なんで?」

ほむら「それは…」

さやか「言えないの?」

ほむら「今晩」

さやか「ん?」

ほむら「今晩、もう一度ここに来てください」

さやか「え…」

ほむら「院内には入れるように、取り計らっておきますから」

さやか「…」ジッ

ほむら「…」

さやか「わかった」

病院・夜

さやか「ホントに入れた…」

さやか「さて、ほむらはっと」

ガチャ、バタン

ほむら「来てくれましたね」

さやか「うん」

さやか「あのさ、なんで…」

ほむら「見てください…月が綺麗ですね?」

ほむら「さやかさん」

さやか「!?」

さやか「ほむら…」

ほむら「お願いがあります」

ほむら「最初で最後の、たった一度のお願い」

さやか「お願い?」

ほむら「はい。私に…」

ほむら「恋をさせてください」

さやか「……え?」

ほむら「ダメ…ですか?」ウル

さやか「ダメって言うか…あたし達、女同士だし…あたしは…」

ほむら「上条君ですよね…」

さやか「うん……」

ほむら「あはは、そうですよね。ごめんなさい、こんなバカなことお願いして」スッ、グシグシ

さやか「ほむら……」グッ

さやか「いいよ。今夜だけ、あたしとほむらは恋人だ」

ほむら「さやかさん…」

ほむら「ありがとう…ございます」ポロポロ

さやか「あはは、もう。そんな泣いちゃダメだよ」

さやか「せっかくの、可愛い顔が台無しだぞ」

ほむら「はい…」グシグシ

さやか「あ~あ。でもこんなことなら、もっと可愛い服選んでくるんだった」

ほむら「いいじゃないですか。私なんて入院着用のパジャマですよ?」

さやか「あは、お互い初デートがつまんない衣装になっちゃったね」アハハ

ほむら「そうですね」クスクス

さやか「で、どうしよっか?」

ほむら「少し、歩きませんか?」

さやか「歩くっても、ねぇ…」

ほむら「いいじゃないですか。月夜の晩に、花壇の花を見ながら歩くのも」

さやか「ほむらはロマンチストだなぁ」

ほむら「女の子はロマンチックなのに憧れるんですよ?」

さやか「こいつめ…」あたしは女じゃないと

さやか「あ~…じゃあ」スッ

ほむら「はい」ギュッ

さやか「///」

ほむら「///」

スタスタ

さやか「確かにこのシチュは良いわ」

ほむら「でしょう?」

さやか「でも、ホント月が綺麗だね」

ほむら「はい」

さやか「明かりがなくても、花も、ほむらの顔もよく見えるよ」

ほむら「///」

さやか「あ、ええと…///」

さやか「こ、この花はなんて言うのかな!?」

ほむら「それはペチュニア」

さやか「へぇよく知ってるね。花言葉は?」

ほむら「えっと、『あなたといると心が和む』…」

さやか(しまった!地雷引いた)

さやか「じゃ、じゃあこの花は?」

ほむら「ベゴニアですね」

さやか「花言葉は?」

ほむら「……『幸福な日々』」

さやか「ほむら?」

ほむら「…」

ほむら「さやかさん。もう1つだけ、わがままを言って言いですか?」

さやか「うん。もう、いいよ。さやかちゃんなんでも聞いちゃう」

ほむら「キス……してください」

さやか「は、はぁ!?」

ほむら「さやかさん…」

ダキ、ギュウッ

さやか「ちょ、ほむら。あんたホントにどうしたのよ!?」

ほむら「…」ギュゥゥ

さやか「ほむら…」

ほむら「…」プルプル

さやか(震えてる…)

さやか「…」ギュ、ナデナデ

ほむら「あ…」

さやか「ほむら、顔、上げて」

ほむら「さやかさん?」

さやか「…」クイッ

ほむら「………ッ」

チュッ

さやか「こ、これでいいでしょ!?///」

さやか「あたしの、ファーストキスなんだからね!///」

ほむら「はい…はい、はい…!」ポロポロ

ほむら「ありがとう、ございます…ありがとう…」ポロポロ

さやか「ほむら…泣いて…」





ほむら「これでもう、思い残すことはありません…」ポロポロ





さやか「え……?」

さやか「は?え、なに?どういう…」

ほむら「私、明日遠くの病院に転院するんです」

さやか「え、そ、そうなの?」

ほむら「はい。治療はここで受けてたんですが手術は別の病院で受けるので」

さやか「な、なんだそんなことか。さやかちゃんビックリしちゃったよ」

ほむら「助かる見込み…無いんです」

さやか「え…」

ほむら「お医者様が言うには、仮に成功してもずっと病院暮らしは免れないだろうと」

さやか「は?なに言ってんの?意味わかんない、あんたは身体よくなったら一緒に学校に通うって、そういったじゃん」

さやか「そう約束したじゃん!?」

ほむら「…」フルフル

ほむら「なにも感じることの無かった、毎日に光をくれたあなた…」



ほむら「この白い世界での出来事が、私の人生で一番の思い出となりました…」



ほむら「書き割りのようにチープで…夢のような時間…」



ほむら「けれど、そこであなたと過ごした時間は…私にとって…本当に…・」

メガほむペロペロ(^ω^)















ほむら「素晴らしき日々でした」

さやか「待って、待ってよ!ねぁ!?」ポロポロ

さやか「あたしたち、今恋人同士でしょう?」

さかか「彼氏ほっぽっといてどっか行く彼女とかいる!?」

さやか「これからじゃん、これから、うぐ…ほむら、退院してさ…」

さやか「あたしの、友達…紹介して、みんなで登校とか、お弁当とか…」

さやか「修学旅行とか、スキー教室とか楽しいこといっぱい…」

さやか「なのに、なんで…なんでぇ…」ポロポロ

ほむら「さやかさんが見せてくれた夢、とても素敵でした」

ほむら「あなたに出逢えて、本当によかった…」ポロ

ほむら「本当に…」ポロポロ

さやか「よくなるよ。手術、絶対成功する!だから…」

ほむら「無理ですよ。奇跡か魔法でも無い限り…」

さやか「あるよ!奇跡も!魔法も!あるんだよ…」グス

ほむら「そうですね…もしそうなら、それはとても素敵ですね」

さやか「約束しよう」グシグシ

ほむら「約束?」

さやか「手術って、どのくらいかかる?」

ほむら「前後の日取りを考えても3週間くらいは…けどどうして?」

さやか「なら、3週間後の今日、またここで会おう」

ほむら「また…会う…」

ほむら「会えるの?本当に、また…」

さやか「会えるよ。だから、約束」

ほむら「…わかりました。約束です」グシ

さやか「うん。約束だよ」

ギュッ

べぇさん出番や

手術当日

さやか(ほむらの手術、今日だっけ…)

さやか(大丈夫かな…)

さやか「くっ…」

バタバタ、ガチャッ、バタン

さやか(ジッとしてたらどんどん嫌なほうに考えちゃう)

タッタッタッタッ

さやか「はぁ…はぁ…」

さやか「あれ?ここ、教会……?」

さやか「ボロボロだけど」

ギィ、バタン

さやさやペロペロ(^ω^)

さやか「うわ、ボロボロ…」

?「よう。参拝かい?」

さやか「え?」

?「見ての通りここは廃屋だ。なんの用だい?」

さやか(あたしと同い年くらい?)

さやか「えっと、祈りに…」

?「ふぅん。物好きもいたもんだな、くうかい?」スッ

さやか「食欲…ない…」

?「そうかい」

?「あたしはもう行く。後は好きにしな」

さやか「…」

あんあんペロペロ(^ω^)

さやか「十字架…あたし、キリスト教じゃないけど…」

さやか「お願い神様、ほむらを助けて」ギュ

さやか「あの子ずっと1人で病気と戦ってて…友達になれたのに…」ポロポロ

さやか「あたし、あの子が苦しんでるの知りもしなかった」

さやか「今も、なんにも…出来ないけど…ほむらのために、一生懸命祈るから…だから」

さやか「どうか、ほむらを助けてください」

―――――
―――


?「あんなに一生懸命祈ってるんだ」

?「一度くらい、叶えてやれよ」

?「神様」





奇跡は……起きなかった

おいおい

メガほむペロペロ(^ω^)

約束の日

あの子は現れなかった。

あたしは、日が暮れて病院を追い出されるまでずっとあそこであの子を待ってたい。

不思議と、涙は出なかった。

自分にとって暁美ほむらという存在はその程度のものだったのだろうか?

違う。泣いたら、泣いてしまったら。それはあの子ともう会えないということを認めてしまうことだから。

あたしはあれからしばらく経った今でも、たまにあの屋上の庭園に足を運ぶ。

あたしとあの子が初めてデートをした。あの花畑に。

たとえ、あの子がいないいない日常でもあたしは生きていく。

あの子の事を忘れないために。

あたしは忘れない。

あの子のことも、あの子のとの約束も。

絶対に。

さやさやペロペロ(^ω^)

和子「卵とは、固焼きですか?半熟ですか?はい、中沢君!」

中沢「ど、どっちでもいいんじゃ…」

和子「その通り。どっちでもよろしい!後、転校生を紹介します」

まどか「そっちが後回しなんだ…」ティヒヒ

和子「さぁ。暁美さんいらっしゃい」

さやか「!」ピクッ

スタスタ

ほむら「あ、暁美ほむらです…よろしくお願いします///」

さやか「ほむら!?」

ビクッ…ザワザワ

まどか「さ、さやかちゃん?」マドマド

さやか「ほむら、ほむらだ…」ジワッ

安心したから寝ます

ヨロヨロ…ギュウッ

さやか「本当に、ほむら…なんだよねぇ」ポロポロ

ほむら「はい。ほむら、暁美ほむらです。焼美じゃないです」ポロ

さやか「ほむらだ…」

さやか「この、地味な三つ編も…野暮ったいメガネも…照れ臭そうなはにかんだ笑顔も…全部…」

さやか「ほむらぁ…あああぁぁぁぁ!!」グズグズ

さやか「会いたかった。会いたかったぁぁぁぁ!!」

ほむら「ごめんなさい。遅くなって、さやかさん…ごめんなさい」ポロポロ

さやか「あ、たし…もう、いいよね?いっぱい我慢したから、もう…泣いてもいいんだよね?」

ほむら「はい。泣いてください」

さやか「うわあああぁぁぁぁぁ、ああああぁぁぁぁ」ポロポロ

ほむら「いっぱい泣いて、そしたらまた笑ってください」ギュゥ

ほむら「私に光をくれる」

ほむら「私の大好きな笑顔で」


おわり

おわりです
読んでくれた方ありがとう
誤字脱字遅筆すみません
ぶっちゃけ、スレタイのシーンが書きたかっただけです
改めて、ありがとうございました

ちなみに自分は管理世界の人じゃないです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月24日 (火) 00:39:45   ID: 5AeP6Ukf

ほんと、この世はなぜか不条理だ

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