まる子「『多重人格になる』の巻!」 (422)

すみれ「…あんた起きてたの?」

まる子「私だってたまには早起きするさ」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1381923110

すみれ「それで朝からアニメ?」

まる子「テレビつけたら、たまたまやってたの」

すみれ「しかも男の子向けのアニメじゃない?」

まる子「うん。何か男子の間で流行ってるらしいよ」

すみれ「ふーん」

【教室】

ガラッ

まる子「おはよう!たまちゃん!」

たまえ「…おはようまるちゃん…随分早いね?」

まる子「トイレに起きたら、目が冴えちゃってさ。しかも朝からアニメやってたんだよ」

はまじ「もしかしてそれって遊戯王?」

まる子「そうそう!」

ブー太郎「ああ、確か朝に再放送やってたブー」

はまじ「さくらもデュエルすんのか?」

まる子「まさか。難しそうだし、あたしゃあいいよ」

はまじ「それに再放送はそこまで話、進んでねえもんな」

ブー太郎「今日見た内容って何だブー?」

まる子「靴を賭けて闇のゲームをした話」

はまじ・ブー「あー」

たまえ(闇のゲームって何だろう?)

はまじ「マジで最初の方だな」

まる子「でもカッコいいよね?普段は気弱な苛められっ子が、あんなに強くて賢い男になるなんて」

ブー太郎「確かにブー」

はまじ「憧れるよな。『もう一人の僕』って」

まる子「もしかして、その内『苛められっ子の遊戯』と『強い遊戯』が意志疎通できるようになるの?」

はまじ「ああ、最初遊戯は闇遊戯の存在を知らなかったっけ」

ブー太郎「分かるようになるブー」

まる子「『もう一人の僕』か…いいなあ。あたしももう一人の私が欲しいよ」

たまえ「まるちゃん、それって…」

まる子「だってさー」

まる子「宿題やお手伝いしなくちゃいけない時、もう一人の私にお願いすれば楽じゃん」

はまじ「さくら頭良いな」

ブー太郎「凄いブー」

まる子「いやあ、あはは」

キートン「おめでたい連中である」

まる子「どうすれば『もう一人の私』が作れるかな…そうだ!」

まる子「おーい!長山君!」

長山「あ、どうしたの?」

はまじ「お前、どうしたら『もう一人の俺』を作れるか知ってるか?」

長山「えっと、クローンの事?」

ブー太郎「違うブー」

はまじ「自分の中に、自分とは違った人格を作る方法だよ」

長山「ああ、多重人格の事?」

まる子「それって、店屋物か何か?」

長山「違うよ。多重人格障害。正式な名前は解離性同一性障害って言うんだ」

はまじ「病気みたいな名前だな」

長山「心の病気だからね」

長山「多重人格って言うのは、自分の中に別々の役割を持つ自分が沢山いる事だよ」

まる子「へぇ、沢山?」

ブー太郎「どうすればなれるんだブー?」

長山「なれるというか、原因はね」

長山「小さい頃のトラウマが原因の事が多いんだ」

長山「嫌な体験をしたのに、それを体験したのは自分じゃないと思い込む事がきっかけだったりするんだよ」

はまじ「でも遊戯は千年パズルを完成させたら、多重人格になったぜ?」

長山「あれは漫画だしね。それに多重人格と言うよりは、憑依かな」

まる子「今からでも多重人格になれる?」

長山「とんでもない!ならない方が良いよ」

長山「それに、多重人格になるとしたら、余程ショックな出来事に遭遇しなくちゃ…」

まる子「ショックな出来事ねぇ?」

たまえ「まるちゃん、やめなよ?病気って言ってたし」

まる子「えー?でも便利じゃん」

たまえ「でも」

キーンコーンカーンコーン

ガラッ

丸尾「起立、注目。礼!」

生徒「おはようございます!」

先生「おはようございます」

丸尾「着席!」







まる子(解離性…なんだっけ?)

まる子(多重人格で、いっか)

まる子(病気って言っても、どうせ大した事ないんでしょ?)

まる子(もう一人の私か…くく、例えば)

まる子(分からない問題を答えなくちゃいけない時)

まる子(勉強できる丸尾君や長山君みたいな人格に頼めばいいし)

まる子(ドッヂボールの時だって、運動神経の良い大野君や杉山君みたいな人格がいれば頼もしいし)

まる子(嫌いな食べ物だって、小杉みたいのがあたしの中にいれば、困らないしね。くく…)

まる子(あたしって、天才)

キートン「ただのアホである」

【さくら家】

まる子「いだああい!わああああん!」

ドタドタドタ…ガラッ

すみれ「どうしたの?!」

さきこ「グスッ…うぅ…」

すみれ「まあ、お姉ちゃんまで。一体どうしたんだい?」

まる子「お姉ちゃんが打ったあ!」

さきこ「だって…まる子が!!」

-夕食-

ヒロシ「虎馬?なんだその生き物は?動物園には連れて行かねえぜ?」

まる子「そうじゃなくて、トラウマ。一生心に傷を残すようなショックな出来事だよ」

友蔵「どうしてまる子はトラウマを作ろうと思ったんじゃ?」

さきこ「むしろ私の方がトラウマになったわよ」

さきこ「私の…ぐすっ…大事な秀樹のプロマイドを折り曲げるなんて…うぅ…」

すみれ「お姉ちゃん、泣かないの。あとで新しいの買ってあげるから」

まる子「いいなぁ。お姉ちゃんばっかり」

さきこ「誰の所為だと思ってるの!」ギロッ

まる子「ゔ…」

まる子「あー…えっとね。あたしはお姉ちゃんに起こられて、トラウマを作って多重人格になろうとしたのさ」

ヒロシ「なにぃ?多重人格ぅ?」

まる子「自分の中に、別の人格が沢山いる事」

友蔵「何でまた、別の人格が欲しいんじゃ?」

まる子「便利だから」

まる子「自分がしたくない事を代わりにしてくれる人格があったら、楽でしょ?」

すみれ「何バカな事言ってるの」

まる子「お母さんだって、ご飯作ったり掃除したりする時に別の人格がいたら楽じゃん」

まる子「もう一人の自分に頼んで、気が付いたら全部終わってるんだよ?」

すみれ「でも私の体が疲れるのは変わらないだろ?」

まる子「まあ、それは…」

すみれ「それに食材をどう使ったのか、どこまでどう掃除したのか分からないのは困るわ」

まる子「うー…お父さんは?」

ヒロシ「俺も御免だね。俺の人生は俺のもんだ。他の人格にくれてやるかっつーの」

まる子「お姉ちゃんは?」

さきこ「私もやあよ。嫌な事も経験しなくちゃ、人間成長できないでしょう?」

まる子「じゃあ、おばあちゃん!」

こたけ「私も残り少ない人生だしね…」

まる子「そんなぁ…おじいちゃんは?!」

友蔵「うむ、実はのう。わしは多重人格なのじゃ」

まる子「ええ?!」

友蔵「わしの中にはまる子が可愛くて仕方がないわしと、まる子が可愛くて仕方がないわしがおるんじゃ」

ヒロシ「一緒じゃねえか」

すみれ「まる子。お姉ちゃんのプロマイド代、あんたの小遣いから引いとくからね」

まる子「げっ…つまり」

すみれ「一週間、お小遣いなし」

まる子「そんなぁ…トホホ」

キートン「自業自得である」

キートン「次の日」

【教室】

まる子「あ、たかし君と関口がデュエルしてるねぇ」

たまえ「男子の間で流行ってるもんね」

たかし「えっと…次は関口君の番だね…」

関口「…くそっ」

がターン!

関口「やってられっかよ!」

たかし「あ…僕のカードが」

はまじ「おい関口!負けそうだからって逃げんのかよ!」ガシッ

関口「はあ?何だよ!」

たかし「僕は、大丈夫だから…」

関口「だってよ。はまじ、分かったらその汚い手を放せって」

はまじ「何だと?!」

ブー太郎「はまじ!やめろブー!」

まる子「そうだよ!こんな奴相手にしたって、一銭にもならないよ!」

はまじ「くそっ」

たかし「…」

たまえ「たかし君、大丈夫?」

たかし「うん…平気だよ。これくらい」

まる子「たかし君こそ、遊戯っぽいのにね…ねえ、たかし君?あんたの中に闇たかしはいないのかい?」

たかし「え゙?」

キートン「流石のたかしもドン引きである」

たかし「ああ、遊戯みたいなもう一人の強い自分って事ね」

はまじ「確かに、たかしは最初の頃の遊戯みたいだな」

ブー太郎「じゃあ、関口は城之内かブー?」

はまじ「ちげえねえ!」

まる子「ああ、あの不良ね」

たまえ(どうしよう…全く話についていけない…)

まる子「ねえ、たかし君?優しいのは分かるけど、もうちょっと言い返すなりしてみたらいいんじゃない?」

たかし「無理だよ」

たかし「僕は生まれつきそういう性格だし…」

まる子「あんた、それは単なる言い訳だよ?」

はまじ「そうだな。そろそろ何とかしないと、お前爆発すんじゃねえの?」

たかし「僕が?まさか…」

ブー太郎「そのまさかだ、ブー」

たまえ「あまり脅したら可哀想だよ…」

まる子「あ、でもこういうのはどうだい?」

まる子「自分の中に、もう一人の自分を作って、何かされた時に言い返して貰えばいい」

たまえ「でも、そんなに簡単に作れるものじゃないって…」

まる子「何も本当にもう一人の自分を作る訳じゃないよ」

まる子「もう一人の僕『ごっこ』だよ!」

たかし「ごっこ?」

ブー太郎「どういう事だブー?」

まる子「もう一人の自分がいるつもりになって、振る舞っていれば、そのまま関口に言い返せるかもしれないよ!」

はまじ「お!いいな!」

ブー太郎「おいらも作りたいブー!」

まる子「じゃあ、みんなでもう一人の自分を作って後で見せ合おう!」

はまじ「おー!」

ブー太郎「おー!」

たまえ「わ、私は遠慮するわ」

たかし「えっと…僕も」

はまじ「駄目駄目!今回はお前の為に考えた事なんだからな!」

ブー太郎「強い闇たかしを考えるんだブー!」

たかし「闇って…えぇ…」

キーンコーンカーンコーン

先生「今日は皆さんに大事なお話があります」

先生「最近、この辺りで変質者が出没しているそうです」

先生「何人もの下級生が被害に遭っているようですので」

先生「皆さんも帰りは遅くならないようにして、数人で固まって行動するように心がけて下さい」

まる子(変質者、ねぇ?)

まる子(まあ、そんな事より『もう一人の自分』を考えなくちゃ)

まる子(どうせなら、あたしと正反対の方が良いのかな?)

まる子「…」

まる子(髪は長くて、歌も上手。あ、百恵ちゃんと友達なんちゃってぇ)

まる子(違う違う!これじゃあ、単なる妄想だよ!)

まる子(もっとこう…実用的な…)

まる子(ああ!そうか、閃いた!!)

-昼休み-

ブー太郎「おいら知らなかったよ。変質者が出てたなんて」

まる子「あたしも」

はまじ「俺、知ってたぞ」

はまじ「下級生の女子の首を絞めるんだとさ」

まる子・ブー「ええええ?!」

まる子「そ、それって…死」

はまじ「いや、殺されてないんだってさ」

まる子「そう、良かった…訳でもないかな?」

ブー太郎「それで、どうなるんだブー?」

はまじ「特に何も?」

まる子「え?」

はまじ「首絞められて気絶させられるだけ。数時間して目が覚めたら、誰もいないんだってさ」

はまじ「何でか被害者の女子より、その親の方がショックを受けてるらしいぜ」

まる子「そうなの?怖いねぇ…相手の顔は分かってないのかい?」

はまじ「何でも紙袋を頭に被ってるらしいぞ」

まる子「ぷはは!何で紙袋なの?息もしにくいでしょうにw」

ブー太郎「笑い事じゃないブー!」

たまえ「…」

ブー太郎「おいらには、妹のとみこがいるから心配だブー」

たかし「…下級生が襲われてるって言ってたもんね」

たまえ「…」

はまじ「ほんと、何が目的なんだよって感じだよな?」

まる子「たーまちゃん?」

たまえ「うわっ!ビックリした…なあに?」

まる子「さっきから上の空だったからさ…怖いの?」

たまえ「そりゃあね」

はまじ「しかし、そんな君達!安心したまえ!」

はまじ「私こそは弱気を挫き、強気を助ける正義の味方!『超ハマ魔神』がいれば!変質者なんかあっという間に捕まえてやる!」ビシッ

まる子「カッコ良く決めてるけど…」

たまえ「そこは『弱気を助け、強気を挫く』でしょう」

ブー太郎「あーあ、はまじと被ったブー」

まる子「え?じゃあ…」

ブー太郎「おいらはこの赤白帽を、こう被ると!」

シャキーン

ブー太郎「説明しよう」

ブー太郎「おいらは赤白の境目を内側に折り曲げ、つばを天井へと向ける形に変形させた赤白帽を被る事によって」

ブー太郎「宇宙のパワーを集め、ワンパンで地球を破壊できる程の力を得るんだ、ブー!」

一同「……」

キートン「呆れて物も言えない」

ブー太郎「はまじ!一緒に変質者を捕まえようブー!」

はまじ「あ…ああ!そうだな!」

まる子「ちょいと、二人とも!やめなよ、危険だよ!」

たまえ「そうだよ!相手は何人もの女子の首を絞めて…」

はまじ「そんな怒んなよ。そこまで本気じゃねぇから」

まる子「もう、心配させないどくれよ!」

はまじ「あ、たかしは?どんな自分を考えた?」

たかし「えっと…まだ考えがまとまらなくって」

ブー太郎「何だ。残念だブー」

まる子「分かった。じゃあ明日期待してるね!」

たかし「え゙」

たかし(誤魔化そうと思ったのに…)

はまじ「さくらは、どんな自分を考えたんだ?」

まる子「えっとね…『コモモ』」サッ

たまえ「わあ、可愛い女の子の絵」

まる子「へへ、ありがとう」

ブー太郎「でも、ちょっと意地悪そうだブー」

まる子「お?流石ブー太郎、目の付け所が違うね」

まる子「『コモモ』はとっても悪い子なの」

たまえ「悪い子?」

まる子「そうそう。あたしはいい子の『ももこ』」

まる子「『いい子のあたし』はお母さんのお手伝いや宿題をしたいのに、『悪い子の私』が邪魔してくるって、言い訳が出来るでしょ?」

はまじ「なるほど」

ブー太郎「そういう考えもあったブー」

たまえ「まるちゃん…あの」

まる子「大丈夫。『コモモ』はたまちゃんには優しいんだから」

たまえ「…」

【さくら家】

すみれ「まる子!!」

まる子「なあに?お母さん?」

すみれ「なに呑気にテレビ見ながら煎餅食べてんの!」

すみれ「どうして雨が降ってたのに、洗濯物を取り込んでくれなかったの!」

まる子「あー…」

まる子「あたしは取り込もうと思ったんだけどね。もう一人の悪い私に邪魔されたんだよ」

すみれ「はあ?もう一人の私?あんたは一人だけでしょうが」

まる子「そうじゃなくて、あたしの中にいるもう一人の私が…」

すみれ「いい加減にしなさい!」

まる子「ひっ」ビクッ

すみれ「次はぶつよ」

まる子「ひぃ…うぅ、ごめんなさい!」

【廊下】

まる子「はあ、散々な目に遭ったよ」

まる子「お母さんには通用しなかったから、おじいちゃんに…」

さきこ「まる子」

まる子「うわあ!」

まる子「ビックリした!どこから現れたのさ!」

さきこ「…あんたね、本当にこれ以上はやめといた方が良いよ」

まる子「え?」

さきこ「ジキル博士みたいになるんだから」

まる子「磁器?何だいそれ?」

さきこ「ジキル、博士よ」

さきこ「良い人間のジキル博士は、自分の中にある悪い気持ちを切り離したくて、ハイド氏という別人格を作ったの」

さきこ「ハイド氏は悪い人格だから、ジキル博士が絶対にしないような、出来ないような酷い事も平気でするの」

さきこ「そしてだんだんと、ジキル博士はハイド氏を制御出来なくなっていくの」

まる子「…どうして」

さきこ「別人格、だからしゃない?私とあんたは別人格でしょ?まる子に私の行動が制限できる?」

まる子「出来ない…」

さきこ「一つの体を共有するジキル博士にとってはもっと難しかったでしょうね」

まる子「お姉ちゃん…」

さきこ「何よ?」

まる子「その、ジキル博士は最後にどうなっちゃうの?」

さきこ「自殺するの」

まる子「!!」

さきこ「あんたもそうやって遊び半分に多重人格とか言ってると、酷い目に遭うよ」

まる子「はは…まさか」

さきこ「それだけだから、じゃあ」スタスタ

まる子「…大丈夫だよね?」

キートン「次の日」

【通学路】

たまえ「まるちゃん、おはよう…あれ?顔色悪いよ、大丈夫?」

まる子「大丈夫…お姉ちゃんに怖い事言われてさ」

たまえ「怖い事?」

まる子「もう多重人格になりたいなんて、言わないよ」

たまえ「…そうだね!それが良いよ」ニコッ

【教室】

山田「ぎゃはははははーww」

前田「ちょっと山田!やめなさいよ!」

ガラッ

まる子「みんな、おっは……ぎゃああああ?!」

たまえ「え?まるちゃん、どうし……きゃああああ!!」

山田「さぐらーw穂波ーwおはよーだじょーww」

まる子「あんた!何で服着てないんだよ!」

たまえ「うぅ、やだぁ…」

まる子「ほら、男子!山田を止めるんだよ!」

はまじ「えー?面白いじゃねぇか?」

ブー太郎「ぎゃはは!ウケるブー!」

まる子「全然、ウケないよ!」

まる子「丸尾君!何とかしてよ!あんた学級委員でしょ!」

丸尾「そうです!私は学級委員です!」

丸尾「つきましては、事が収まったら次回の選挙はズバリこの丸尾末男…丸尾末男に投票をよろしくお願いします!」

たまえ「投票でも何でもするから!早く何とかしてー!」

丸尾「合点承知の助でしょう!」

丸尾「山田君!今すぐ走り回るのを止めて、服を着るのです!」

山田「いやだじょーw」

丸尾「い、嫌だ?!」

丸尾「君は学級委員であるこの私の言う事が聞けないと言うのですか!」

山田「だっておいら、山田じゃないじょーw」

まる子「!」

山田「おいらの中の、もう一人の自分だじょーw」

山田「だから裸でも全然恥ずかしくないじょーw」

丸尾「山田君!」

まる子「もう一人の自分って…何で山田が?」

たまえ「…まるちゃん」

山田「おいらはおいらじゃないじょーw」

ガラッ

まる子「あ、たかしく…」

たかし「…」スタスタ

まる子「?」

スタスタスタ…

山田「あはははwおwたかしじゃないかw」

山田「そんな怖い顔してどうし…」

バチーンッ!

まる子「!」

たかし「…」

しーん…

山田「」

山田「あはははw痛いじょーw」

まる子「山田!」

はまじ「大丈夫か!」

たまえ「ほっぺが真っ赤に腫れてるよ!保健室に行った方が良いよ」

山田「あははははww」

はまじ「おい、たかし!何も殴る事ないだろ!」

ブー太郎「山田に謝るブー!」

たかし「」ギロッ

はまじ・ブー「!」

まる子「や、やめよう…今日のたかし、何だか変だよ」

たまえ「私、先生呼んで来る!」タタッ

関口「たーかーしーくーん?」

たかし「…」

関口「おいおい、どうしたんだよ?イメチェンか?それともデビューって奴?」

たかし「…」

関口「それで強くなったつもりか?苛められっ子の癖に?」

たかし「…」

関口「」ぶちっ

関口「シカトこいてんじゃねえぞ!」ガッ

まる子「ひっ、たかし君胸ぐらを掴まれちゃったよ!」

たかし「…んな」

関口「ああん?」

たかし「触んなつってんだ、よ!」ガツンッ

関口「い゙だあぁぁ…あ、ああ…あう…」ポロッ

関口「は…歯が…ああ…」ダラダラ…

ブー太郎「たかしの頭突きで、関口の口が血だらけだブー…」

関口「い゙でえ…い゙でぇよ…があ゙ぢゃん…」

たかし「はは…死ねよ、ハゲ」ゲシッ

関口「げほっ」

たかし「はは…あはは…」ゲシゲシッ

関口「うっ」

たかし「ぎゃはははは!!」

ドカッバキッボキボキッ

関口「」

はまじ「くっ」タタッ

まる子「はまじ!」

はまじ「やめろ、たかし!それ以上やったら、関口が死んじまう!」

たかし「うぜぇ…」ボソッ

ガラッ

大野「で、昨日の日韓戦のPKで…う…何だこりゃあ」

杉山「…あの血だらけで立ってるのって、もしかして」

まる子「大野君!杉山君!たかし君を止めとくれ!」

杉山「げ、マジでたかしか?」

大野「何があったんだよ」

たかし「…」

タタタタッ

たまえ「お待たせ!先生連れて来たよ!」

先生「たかし君!」

先生「落ち着いて下さい。穂波さんから話は聞きました」

先生「関口君に苛められていたそうですね」

先生「気が付いてあげられなくて、すみませんでした」

先生「でも暴力でやり返すなんて…」

たかし「嘘つ き」

たかし「嘘だろ。本当はたかしが苛められているのを知っていた」

先生「それは…」

たかし「あんたは知っていた筈だ」

たかし「知ってて放置した理由は、言うまでもなイよな?」

先生「…」

たまえ「…」

キートン「後半へ続く」

続きは明日書きます。







はまじ「さっきの凄かったな」

ブー太郎「関口もたかしも連れてかれちゃったブー」

まる子「仕方ないよ。あんな事になっちゃったし…たまちゃん、大丈夫?」

たまえ「え?」

まる子「怖い顔してたよ」

たまえ「あれ?そう?」

まる子「あれが『もう一人のたかし』か…まさに闇たかしの名に相応しい人格だったね」

たまえ「まるちゃん、不謹慎だよ」

まる子「それに山田だよ。何で『もう一人の自分』何て言い出したんだろう」

はまじ「あー…それは…」

ブー太郎「ブー…」

まる子「なに!山田にも話したってぇ?」

はまじ「そんなに怒るなよ」

ブー太郎「山田はちょっと裸で走り回ってただけだブー」

たまえ「だからそこを責めてる訳じゃなくって…」

まる子「他にもたかし君みたいになる人が出たら大変でしょうが!」

はまじ「あー…」

ブー太郎「…」

はまじ「昨日、公園でもう一人の自分ごっこしてて…」

ブー太郎「山田に何してるかしつこく聞かれたブー」

はまじ「話した相手は山田を含めて6人」

ブー太郎「『藤木』と『永沢』と…」

藤木(もう一人の自分か…卑怯じゃない自分…)

藤木(いや!出来れば笹山さんみたいな自分がいいなあ)

藤木(僕の中に笹山さんがいたら、どんなに癒されるだろう)

キートン「ここにも危ない奴が一名」

藤木(ふふ、そうだったらずっと一緒にいられるし)スリスリ

永沢「藤木君…」

藤木「あ゙…永沢君」

永沢「気持ち悪いな。何で自分の腕を撫でているんだい?」

藤木「えっと、これは…」

永沢「大方君の事だ。自分にもう一人の自分がいれば良いなんて考えていたんじゃないか?」

永沢「自分じゃ出来ないような事を他の人格にさせたり、手に入らない物を擬似的に手に入れようとか考えてるんだろう?」

藤木「な、何でそれを」

永沢「やっぱりそうなのか。卑怯な君らしいね」

藤木「そんな…卑怯なんて、僕はただ…」

ざわざわ…

冬田「もう一人の自分って知ってる?」

とし子「さっきのたかし君の事?」

冬田「私ももう一人の自分が欲しいなぁ」

とし子「ああ、分かる。たかし君、怖かったけど…別人になるってどんな気分なのかな?」

丸尾「ズバリ!軽率でしょう!それ以上、たかし君の話をするべきじゃありません!」

花輪「そうだよ、ベイビー達」

花輪「君達はそのままの君達で十分魅力的さ」

みぎわ「花輪くぅん」

花輪「うぐ…みぎわ君…なんだい?」

みぎわ「違うわぁ…みぎわじゃなくって…『マリー』って呼んで?」

みぎわ「ね?フェルセン伯爵?」

花輪「え゙」

花輪「一体、何の事だい…」

みぎわ「私、思い出したの!前世はフランス女王マリー・アントワネットだったの」

みぎわ「そして花輪はその恋人フェルセン伯爵だったのよ!」

花輪「話が飲み込めないよ…」

みぎわ「ふふ、覚えていないのも無理ないわね」

みぎわ「私が処刑されたショックで、記憶がなくなってしまったのね」

丸尾「マリーアントワネットが処刑された時点でフェルセン伯爵は生きています」

丸尾「処刑されて記憶がなくなったとすれば、フェルセン伯爵は記憶喪失のまま生きた事になりますよ」

みぎわ「うっさいわね!その時点で記憶がなくなったんじゃなくて、生まれ変わる時に記憶を引き継がなかったって意味よ!」

丸尾「うっ」

みぎわ「外野は黙ってて!」

まる子「うわー…」

まる子「えっと、話した相手は『藤木』、『永沢』と?」

はまじ「『みぎわ』には話したって言うか、聞かれた。あとは『大野』、『杉山』」

ブー太郎「でも大野と杉山は興味なさそうだったブー」

まる子「はは、あの二人らしいね」

たまえ「話した相手は6人でも、たかし君の事件でみんなに知れ渡った感じだね」

まる子「ねぇ…放課後たかし君の家に寄ってみよう」

たまえ「え?」

はまじ「でもあいつ、家に戻ってるかな?」

ブー太郎「行くだけ行ってみようブー。ああなったのは、おいら達の責任でもあるブー」

たまえ「…」

【たかしの家】

ピンポーン

はまじ「たかしー」

ブー太郎「いるかブー?」

しーん…

まる子「いないのかなぁ?」スッ

たまえ「あ、まるちゃん!」

ガチャ

まる子「…鍵がかかってないね」

たまえ「ちょっとまるちゃん駄目だよ!勝手にお邪魔しちゃ」

まる子「だって返事がないなんて、心配じゃないか」

はまじ「そうだけど…」

ブー太郎「待てよ!さくら!」

スタスタスタ…

ガチャ

まる子「たかし君、いないの?い…」

たかし「……」

はまじ「あ、たかし。いたなら返事し…」

ブー太郎「二人とも、どうしたブー?」

たまえ「…ひっ?!」

たまえ「きゃああああああ!!」

たかし「…え」

はまじ「お前!何て事してんだよ!」

ブー太郎「お、おばさん!だい…ひぃ…死んでるブー!」

たかし「何で…」

たかし「違う…ぼ、僕じゃない!」

まる子「じゃあ、その手に持ったナイフは何なんだいっ」

たかし「あ…ああ…違うんだ…」

はまじ「そのナイフをこっちに向けるな!」

たかし「ちが、ちが…ああ…うわああああ!!」

グサッ

たかし「あは…違う…こノ手が…」

グサッブシュッブチッ

まる子「自分の手を包丁で…う…うえぇ…」

たまえ「誰か!救急車!」






【警察署】

すみれ「まる子!」タタッ

まる子「お母さん!」

すみれ「まる子…」ぎゅうっ

すみれ「警察から電話が来た時、心臓が止まるかと思ったわ」

すみれ「丁度、変質者について話を聞いてた所だったから」

まる子「お母さん…たかし君が」

すみれ「聞いたわ。大変だったわね」

まる子「うぅ…お母さーん!」

まる子「たかし君は…たかし君じゃなかった。まる子達の所為だ」

すみれ「どういう事?」

まる子「たかし君はずっと関口に苛められてた。でも優しいからやり返せなかったんだ」

まる子「だからやり返せるような『もう一人の自分』を作るように言ったんだよ」

すみれ「まさかそんな事で…」

まる子「じゃなくちゃ、たかし君があんな…自分のお母さんを殺すなんて…うぅ…」

すみれ「…」

まる子「私が、たかし君に『もう一人の自分』を期待してる何て言わなければ…」

すみれ「まる子の所為じゃないわ」

すみれ「たかし君は限界だったんでシょうね」

まる子「?」

すみれ「たかし君は限界だだだだったんデしょウね」

まる子「ひっ!」

すみれ「どうしたの、まる子?」

まる子「えっと、何でもない…目の錯覚かな」ゴシゴシ

すみれ「今日は疲れたものね。帰ってゆっくり休みましょう」

まる子(お母さんの顔が、歪んで見えたけど)

まる子(…疲れてる所為だよね?)

続きは夜に投稿します。

【さくら家】

友蔵「まる子!」

まる子「おじいちゃーん!」

友蔵「よくぞ無事で!」ぎゅうっ

まる子「うわーん!」

さきこ「たかし君、一命は取り留めたんでしょ?どうなるのかしら」

ヒロシ「決まってるだろ。頭のおかしい奴は精神病院行きだ」

すみれ「お父さん!」

こたけ「まる子の同級生の子なんだよ!」

友蔵「そうじゃそうじゃ!」

さきこ「うちのクラスでも、たかし君の変わりようが話題になったよ」

さきこ「思い出したくないだろうけど、詳しく教えてくれる?」

まる子「実は…」

さきこ「なるほど、本当にジキル博士とハイド氏ね」

まる子「六年生まで話が広まってるんだ…」

さきこ「多分学校中のみんなが知ってるよ。うちのクラスの男子も…」

すみれ「お姉ちゃんのクラスでも何かあったのかい?」

さきこ「何かって程じゃないんだけど」

さきこ「うちのクラスの男子がふざけて『もう一人の自分』ごっことか言って、真似しててさ…」

まる子「ええ!!」

すみれ「怖いね…特にお姉ちゃんの学年は問題児や性格の悪い子が多いから…」

さきこ「うん…」

ヒロシ「何だよ、たかが『ごっこ』だろ?」

友蔵「その『ごっこ』で人が死んどるんじゃよ!」

まる子「…」

さきこ「明日の朝の全校集会は、その話が出るでしょうね」

さきこ「そこで、先生が上手く鎮静化出来ればいいんだけど…」

まる子「…お姉ちゃん?」

さきこ「そんな不安そうな顔しないの」グシャグシャ

まる子「うわあ!髪がボサボサになっちゃう!」

さきこ「ふふ、まる子はそうやって間抜けな顔だけしてたら良いんだから」

まる子「間抜けな顔って言わないでよ!もう!」

キーとン「次゙の日」

チュンチュン…

まる子「…朝だ」ぱちっ

まる子「起きなくちゃ」

さきこ「まる子」

まる子「お姉ちゃん…随分早いね?」

さきこ「…」

さきこ「あんた、お腹痛くない?」

まる子「え?別に」

さきこ「頭は?」

まる子「痛くないよ?」

さきこ「鼻声じゃない?」

まる子「もう!さっきから何なのさ!」

さきこ「…」

さきこ「今日学校休みなさい」

まる子「…え?」

さきこ「そうしなさい」

まる子「何で休まなくちゃいけないのさ?」

さきこ「あんたの為よ」

すみれ「まる子ー、お姉ちゃーん!朝よー!」

まる子「あ、お母さんが…」

さきこ「ほら、早く!布団に潜って!」バサッ

まる子「え?うわあ!」

すみれ「まル子ー、お姉チゃーん。朝よー」

ガラッ

すみれ「あら、お姉ちゃん。起きてたのね?」

さきこ「…」

まる子(ずる休みなんかしようとしたら、お母さんに叱られちゃうよ!)

すみれ「まる子はまだ寝てるのかい?」

さきこ「…寝た」

すみれ「……ああ、ソう」

まる子「!」

さきこ「私、もう少ししたら学校に行くから」

すみれ「分かっタ。ご飯は?」

さきこ「いらない」

すみれ「そう?行ってラっしゃイ」

ガラッ…パタン

まる子「…」

ガバッ

まる子「お姉ちゃん…今の、なに?」

さきこ「バカ、声を抑えなさい」

まる子「どうしちゃったの?お母さん、昨日から何か変だよ?」

さきこ「…」

まる子「ねぇ…答えとくれよ」

さきこ「…それは、私の役目じゃない」

まる子「へ?」

さきこ「お願いだから、まる子」

さきこ「今日は外に出ないで、家で寝てなさい」

まる子「嫌だよ。あんなお母さんと一緒に家にいるなんて」

さきこ「我が儘言わないの!」

まる子「」ビクッ

まる子「で、でもぉ…うぅ…怖いんだもん」

まる子「お姉ちゃんだけが頼りなんだよぅ」

さきこ「…まる子?」

まる子「うぅ…ひっぐ…」

さきこ「布団に横になって?」

さきこ「そう。それからゆっくり目を閉じるの…」

まる子「こう?」

さきこ「そう」ポン…ポン…

まる子(何だかこのリズム…)

さきこ「…ねーんねーん、ころーりーよー」

まる子(懐かしい…)ウトウト

さきこ「おこーろーりーよー…」

まる子(安心する…)

まる子(そっか)

まる子(今日のお姉ちゃん、何だか優しいからか…)

まる子(まるで『別人』みたい…)






~~~~~~~~~~

まる子「此処はどこ?」キョロキョロ

まる子「暗いけど…目が慣れてきたね」

まる子「…あそこにいるのは、誰だろう?」

まる子「ねぇ、あんた…ああ!」

たかし「さ、さく…」

まる子「ぎゃああ!殺される!」

たかし「違うよ!僕はそっちのたかしじゃないよ!」

まる子「え?そっちのたかし?」

たかし「僕は普通のたかし…」

まる子「闇たかしじゃない方?」

たかし「闇…まあ、そうだね。僕は『苛められっ子』のたかしだよ」

まる子「へぇ?じゃあ闇たかしは?」

たかし「今、暴れてる」

まる子「え゙」

まる子「そんな!あんた止めなくて良いの?!」

たかし「止めるって言ったって…僕は…」

まる子「もしかしてあんた!自分のお母さんが殺されるのを指をくわえて見てた訳じゃないだろうね!」

たかし「…」

まる子「うっ」

まる子「黙ってないで、何とか言ったらどうだい…」

たかし「だって、その通りだもの」

まる子「そうじゃなくって、そんな風に言われたら、私が悪者みたいじゃん」

たかし「…ごめん」

たかし「僕はそういう役割だから」

まる子「役割ってねぇ。あんた昨日もそう言ってたけど、そんなの誰が決めたのさ?」

たかし「えっと…」

まる子「あんたには意思って物がないのかい?」

たかし「それは…」

まる子「ジキルとハイドって知ってる?」

たかし「うん」

まる子「ジキルは、ハイドが言う事聞かなくて大変だったけど、最後は止めたんだよ?」

たかし「…自殺だけどね」

まる子「あ、そうだった!別にあたしゃあ、たかし君に死ねって言った訳じゃあ…」

たかし「ぷっ、分かってるよ。さくら、ありがとう」

たかし「そうだね、僕……あ」

まる子「どうしたの?上なんか見て」

たかし「…もう一人の僕が、落ちて来てる…あとさくらの」

まる子「落ちて?いや、それより『さくらの』って言った?!」

たかし「ちが、そう言った訳じゃ」

まる子「言ったじゃん!しっかり『さくらの』って!」

たかし「う…」

まる子「何かあったの?」

たかし「!」

まる子「…此処は私の夢だよね?」

まる子「じゃなくちゃ、病院にいるたかし君と会える筈がないもの」

たかし「うん…」

まる子「じゃあ、どうしたの?今、何て言いかけたの?」

たかし「その、」

たかし「さくらのお姉ちゃんが…あぶ…あ、あ…」

まる子「お姉ちゃんが?!お姉ちゃんがどうしたの!!」

たかし「うぅ…言えないよ」

まる子「そこまで言っといて!また役割とか言うんじゃないでしょうね!」ユサユサ

たかし「意地悪で教えないんじゃなくて!言えないんだよ!」

まる子「でも兎に角お姉ちゃんが大変なんだね?今すぐ起きなくちゃ!」

たかし「………」

たかし「どうやって?」

まる子「あ゙…そう言えば」

たかし「それに、さくら?お前は起きねえ方が良い」

まる子「どうしてさ?」

たかし「…此処、居心地よくねぇか?」

まる子「まあ、そう言われれば落ち着くような」

たかし「元々はさくらのいた場所だからな」

まる子「え?」

まる子「意味が分からないよ」

たかし「意味なんて分かる必要ねえ」

まる子「…あんた、たかし君なんだよね?」

たかし「紛れもなく俺だよ」

まる子「…」

たかし「どういう訳か、お前はこの場所を脱出したラしいけど」

たかし「なあ、俺にも出口を教えてクれよ?」

まる子(やっぱり!闇たかしだあ!)ダッ

ダダダダダダッ

たかし「おいおい、逃げるのかよ?」タタッ

まる子(うぅ、声が追って来てる!)

まる子(嫌だよ!何でこんな夢)

たかし「おーい、さくら?鬼ごっこかー?」

まる子(怖いよ怖いよ!!)

まる子「ん?あっちに明かりが…」

たかし「待てよお゙、ぎャははハハは!!」

まる子「テレビだ!」

TV『ま゙る…ガ……ごっヂ』

まる子「そっちに行けば、いいんだね!」ダッ

ダダダダダダッ

たかし「へえ、テレビねえ…よくやったぜ!さくら!」

まる子「うわあ!追い付かれ…へ?」シュンッ

たかし「テレビの中に消えやがった!やっぱり此処が出口か」

たかし「じゃあ、俺も一丁外で暴れて」ガンッ

ガシャーン!

たかし「あちゃあ…」

たかし「俺とした事が、勢い余って壊しちまった」

たかし「まあ、いい。此処は奥だが、制限も緩いようだし」

たかし「探せば出口はいくつでも見つ………邪魔するけど」

たかし「…ちっ」

たかし「しゃしゃり出て来んじゃねぇよ」

たかし「苛められっ子は、お家でガタガタ震えてな」

たかし「君が、僕の役割を決めるな…」

たかし「…邪魔すルよ」

たかし「邪魔゙するヨ」

たかし「邪魔すすすすすルよお゙ぉ」

たかし「ちっ、さくらめ。余計な事吹き込みやがって」

たかし「お前ば…カアささささんの、ガ ダギ」

~~~~~~~~~~

ドタッ

まる子「いたぁ…」

たまえ「大丈夫、まるちゃん?」

まる子「え?たまちゃん?此処は…」

たまえ「此処はって…体育館でしょう?」

まる子「ええ?!」

まる子「だって…私、家の布団で寝てて、夢を見てた筈なのに…」

たまえ「なに言ってるの?今は全校集会で校長先生のお話の最中でしょう?」

笹山「さくらさん大丈夫?気分でも悪いの?」

まる子「えっと…大丈夫だよ」

まる子(本当に学校の体育館だ)

まる子(さっきまでのは夢なんだよね?)

まる子(でも今、私が学校に来てるとすると、どこからどこまでが夢だったんだろう?)

校長「それから、最近出没する変質者についてです」

校長「変質者は君達に何をするか分かりません」

校長「怪しい人を見かけたら、自分達で確かめようとせずに直ぐに逃げて下さい」

校長「それから…」

城ヶ崎「相変わらず校長先生の話って、長いわね」コソッ

笹山「うん。でも変質者は怖いわね」コソッ

城ヶ崎「変質者についての情報は重要だけど、このままじゃ誰か…」

バターン!

城ヶ崎「やっぱり…誰か貧血起こすと思った」

まる子(あれ?あっちの方向は…)

たまえ「六年生の列かな?今、抱えられて出て来たのってもしかして」

まる子「!」ダッ

まる子「お姉ちゃん!」

さきこ「ま゙ルゴ…どうシて…」

まる子「どうしたの?!お姉ちゃん!」

さきこ「逃げ…あぐ…あづ…あづ…あ…あ…」

まる子「!」

まる子(そう言えば、たかし君がお姉ちゃんが大変って言って…)

まる子(違うよ!あれは夢だ!夢なのに、どうして…)

さきこ「あ゙あ゙ぁあ゙あ゙…あ゙あ゙あ゙…あ゙」

さきこ「だず……ま゙」スッ

まる子「ひぃ?!」サッ

さきこ「……」

先生「さくらさん!」

まる子「せ、先生…」

先生「クラスに戻りなさい。お姉さんなら大丈夫ですから」

まる子「でも…」

クスクスクス…

まる子「え?」

六年生「」クスクス

まる子「な…何で笑ってんだよ!」

先生「さくらさんっ」

まる子「だって!お姉ちゃんが倒れたのに、お姉ちゃんのクラスメイトがみんな笑ってるんだよ?!」

まる子「先生!怒ってよ!」

先生「…」

六年生「先生、怒ってよ」クスクス

六年生「先生、怒ってよ」クスクス

六年生「先生、怒ってよ」クスクス

六年生「先生、怒っデよ」クスクス

六年生「先生、怒ってヨ」クスクス

六年生「先生、怒ッテよ」クスクス

まる子「何だよ!真似しないでよお!」

六年生「誰の所為だと思ってるの?」

六年生「どうして倒れたと思う?」

六年生「人殺し」

六年生「人殺し」

六年生「人殺し」

まる子「う…あ………ア゙…」

たまえ「まるちゃん!」

たまえ「先生に言われたでしょ!クラスに戻ろう!」ぐいっ

まる子「うぅ…怖かった…怖かったよぉ…」

【教室】

ブー太郎「さくらの姉ちゃん、大丈夫かブー?」

たまえ「心配だね」

まる子「…うん」

はまじ「うわ…」

ブー太郎「ん?何だブー?」

はまじ「あれ、ヤバくないか?」

まる子「…あれって?」

藤木「ふふ、和子」

藤木「可愛いよ。好きだよ」

藤木「本当?嬉しい…私も藤木君の事…凄く好き」

藤木「え?じゃあ、僕達両思いだね」

藤木「うふふ、藤木君と付き合えるなんて夢みたい…」

藤木「夢なんかじゃないよ」

藤木「え……きゃっ」ぎゅうっ

藤木「ほら感じるだろう?僕の温もりを」

藤木「そ、そんな…みんなが見てるわ」///

まる子「ヤバいどころの騒ぎじゃないよ…」

ブー太郎「自分で自分の体を抱き締めて、顔を赤らめてるブー…」

たまえ「…」

はまじ「あ、城ヶ崎が行ったぞ!」

城ヶ崎「ねえ?」

藤木「私、藤木君の事、とっても好き」

藤木「でも僕の方が好きだと思うけどね」

藤木「え?違うわよ。私の方がずーっと大好きよ」

藤木「僕の方がもっと…山よりも高く海よりも深く」

藤木「愛してる」

藤木「もう、愛してるなんて…卑怯よ!」///

藤木「そんな卑怯な僕を好きになったのは君だろ?和子」

藤木「あん…もう…」

城ヶ崎「いい加減にしてくれる!」

藤木「!」

藤木「な、何だよ城ヶ崎さん…」

藤木「やだ、姫子ったら、その、今の見てた?」///

城ヶ崎「あんたが、私を呼び捨てするな!」バンッ

藤木「!」

藤木「あ、あの…どうしたの姫子?私、何か怒らせるような事した?」

城ヶ崎「ふざけてるの?その真似止めてよ!今すぐに!」

藤木「うっ…うぇ…ぐすん…何でそんな酷い事言うの」

藤木「和子に何て事を言うんだ!君等友達じゃなかったのか?!」

城ヶ崎「だからっ」

笹山「姫子、もういいよ」

城ヶ崎「和子!だって、こいつ…」

笹山「好きにさせておけばいいよ」

城ヶ崎「…ふんっ」

藤木「クスン…姫子」

藤木「和子、泣かないでおくれよ。僕がいるだろう?」

藤木「藤木君…」

藤木「僕ら、一生一緒だよ」

藤木「うん…離さないでね」

はまじ「うわあ…こいつは重症だな」

まる子「こういう時は一番に、永沢の嫌みが入るんだけど…今日、永沢は?」

ブー太郎「そう言えば、朝からいないブー」

たまえ「他にも何人か来てない子がいるよ」

まる子「本当だ。どうして…」

ガラッ

とし子「…」

まる子「あ!とし子ちゃん、おはよう」

とし子「おはよう…」

たまえ「何だか元気ないね…あれ?」

まる子「どうしたの?その左腕の包帯は」

とし子「…」

はまじ「それに眼帯も」

ブー太郎「ものもらいかブー?」

とし子「違うの…ちょっと」

まる子「交通事故にでも遭ったのかい?」

とし子「えっと…ごめんなさい。言えないの」

まる子「?」

とし子「あなた達を巻き込みたくないもの…」

まる子「巻き込みたくないって、どういう」がしっ

シュルル…

まる子「あ!ごめん!腕を掴んだ所為で包帯が…」

シュルルルル…

とし子「………」

まる子(何だい?包帯の下に怪我が出てくるかと思ったら…)

まる子(へったくそな落書きじゃないか)

まる子(まるで、腕に巻き付いてる蛇みたいだけど…)

とし子「…」

まる子「…ごめん、とし子ちゃん」

とし子「我こソは!夜の女王『リリス』」

とし子「封印を解いたのは誰か?」

まる子「な、どうしたの?とし子ちゃん!」

たまえ「駄目だよ、まるちゃん。下がって!」

とし子「下がルな」

まる子「とし子ちゃん!正気に戻ってよ!」

とし子「そなタが…我の封印を解きし者゙か?」

とし子「褒美にこの体をやろウぞ」

まる子「そんな…褒美なんて…」

とし子「この体は我には不要゙。しかシ我の封印されテいた体だけあって、高い魔力が宿っでお る」

とし子「そレだけに、美味だ」ガブッ

まる子「ひっ!」

とし子「遠慮せずずずずず、そなたも食すとイい」

とし子「」ガブッガツッ

はまじ「え?」

ブー太郎「うっぷ…げぇ…」

とし子「」ブチッ

たまえ「……あ」

とし子「」クッチャクッチャ

まる子「ぎゃああああ!!」






続きは明日にします。

-HR-

先生「皆さんに残念なお知らせがあります」

先生「土橋さんは先程、病院で息を引き取ったそうです」

まる子「ぐすっ」

たまえ「まるちゃん…」

先生「話は聞きました。学校で『もう一人の自分』なるものが流行っているそうですね」

先生「自分の願望を実行したり、嫌な事を引き受ける人格を望むのは、単なる『逃避』です」

先生「皆さんの人生は皆さんの物です。そんな物に頼らずに、自力で困難に立ち向かう事が、とても大切なんですよ」

ガラッ

永沢「……」

まる子(永沢…今、登校してきたんだ)

永沢「…」ふらっ

まる子(足元も目の焦点もおぼつかないね)

まる子(大丈夫かな?)

永沢「せ…せんセい」ふらっ

先生「永沢君…」

永沢「良い事言いまスね…流石゙、『先生』だ」

先生「永沢君…席に着きなさい…」

永沢「僕、考えたンでずよ…やっぱり僕だっででででででで自分の人生を歩みだい゙…良い事゙でショう?」ふらっ

永沢「もうごんな役目、いヤだだだだ」

先生「それ以上、私に近付…」

永沢「これデも食らえ!」ジャキッ

カチッ

ボオオオオオ!!

先生「あ、あづ…あづい!!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙?!!」ゴロゴロッ

先生「あ゙あ゙ァあ゙ぐあ゙ぁ………」ゴロ…

先生「」

メラメラメラ…

まる子「先生が…」

たまえ「燃えて…」

永沢「あはは…うわはハは!凄ぇナ火炎放射器!」

たまえ「まるちゃん!逃げるよ!」ぐいっ

まる子「あ!たまちゃん!」

永沢「逃ぃがァスぅかァ、ざぁグぅらぁ…」ジャキッ

ボオオオオオ!!

まる子「ひいいい?!」タタッ

永沢「穂波 め…」

「きゃあああ!」

「逃げろおお!」

永沢「ぞ う ダ」

永沢「減らそウ」

ボオオオオオ!!

永沢「こん゙なに」

ボオオオオオ!!

永沢「いらナい」

ボオオオオオ!!

こけっ

笹山「いたっ…足が…」

藤木「大丈夫かい、和子?」

笹山「あ、藤木く…」

藤木「何で永沢君があんな事を…」

藤木「分からないよ。それより早く安全な場所へ逃げよう!」

藤木「君の事は、僕が守るから!」

藤木「……うん!」タタッ

笹山「あ…何でぇ…」

永沢「減らス」

笹山「や、やめて…」ガタガタ

永沢「消エろ」ジャキッ

笹山「いや…」

永沢「」カチッ

笹山「い゙……」

まる子「あ!」タタタッ

たまえ「まるちゃん!前見て走って!」タタタッ

まる子「だって今の、笹山さんの悲鳴じゃあ…」

たまえ「今は自分の心配だけして!」

「うわああああああ!!」

バンッ!

まる子「?!」

まる子「窓の外…人が落ちて…」タタタッ

ひゅーーーん…

バンッ

まる子「…落ち」タタタッ

バンッ バンッ ドシャッ

たまえ「……」タタタッ

大野「うぐっ…」バタッ

まる子「あ!大野君!」

たまえ「きゃっ、お腹から血が出てるよ!」

大野「これくらい、かすり傷だよ。それより」

杉山「この野郎。よくも大野を」

山根「……」

まる子「山根!あんたが大野君を刺したの?!何でそんな事っ」

山根「山根?誰そレ?」

山根「ソう…ああ、ボク山根?」

まる子「!」

まる子(顔が歪んだ…さっきのお姉ちゃんや永沢みたいに…)

山根「僕も考えたんだよ。もう一人の自分」

山根「大野君や杉山君のように強く逞しく爽やかな自分」

山根「ちょっとした事でストレスを感じて胃腸が痛くならないようなメンタルと自信」

山根「そう。もう一人の僕は…そうあるべきダ」

山根「僕がソうなれば、二人は要らナい」

山根「だが ら、消ス」

大野「…」

杉山「…」

山根「なあ?さぐららら?」

まる子(何で私にそんな事を…)

山根「僕はそうなれれば他には興味ナい」

杉山「だってよ、穂波!さくらを連れて逃げろ!」

まる子「え?」

たまえ「行くよ!まるちゃん!」タタッ

まる子「ちょっと!」タタッ

まる子「たまちゃん!どこに行くの?!」

たまえ「まるちゃんの家に帰るのよ!」

まる子「でも下駄箱はそっちじゃ」

たまえ「今は、こっちが下駄箱なの!」

まる子「!」

バシッ

たまえ「………」

まる子「何で…下駄箱はそっちじゃないとか、言うの?」

たまえ「…」

まる子「たまちゃんは、知ってるんだね?」

まる子「どうしてこうなったのか…全部知ってるんだね?」

たまえ「まるちゃん、あのね…」

まる子「教えてよ!」

まる子「何でか、永沢も私を狙ってるようだし…」

まる子「お母さんも変だったし…お姉ちゃんも倒れたし…」

まる子「全部私に関係してるんでしょ?!」

たまえ「…」

まる子「お願いだから、教えてよ!」

たまえ「…言えないよ」

まる子「何でさ!」

たまえ「まるちゃんの為よ」

まる子「!」

たまえ「私はまるちゃんの親友でしょう」

たまえ「親友の私を、信じてくれないの?」

まる子「…………ごめん」

たまえ「」ピクッ

まる子「どうしたの?たまち…わあ?」ぐいっ

たまえ「こっち!」ダッ

まる子「え?どうしたのさ!何で急に走って…」

ドドドドドド…

まる子「ひっ!あ、あれって…大きな豚?ううん、違う?」

モ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!

たまえ「あれは、前田さんだよ!」

まる子「前田さん?!」

前田「モ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!」ドドドッ

まる子「うっ牛だ…牛の骨格に、前田さんの生皮を被せたような…うぇっぷ…」

たまえ「まるちゃん!見ちゃ駄目!」

まる子「うわあん!追って来てる!」

前田「モ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!」ドドドッ

まる子「何で前田さん、あんなに怒ってるんだよお!」

たまえ「そんな事いいから!逃げるのに集中して!」

花輪「やあ、お困りのようだね。セニョリータ」

まる子「あ!花輪君!助けとくれ!前田さんに追われとるんだよ!」

前田「モ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!」ドドドッ

まる子「うわあああ!追い付かれるぅ!」

たまえ「…何とかできる?」

花輪「オーケイベイビー。僕に任せてよ」バッ

まる子「え?真っ赤なハンカチ?」

花輪「レディに手荒な真似はしたくないけど…」

前田「モ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!」ドドドッ

花輪「オーレイ!」サッ

前田「モ゙オ゙オ゙オ゙オ゙?!」ズサーッ
まる子「!」

まる子「す、凄いよ花輪君!」

前田「モ゙オ゙オ゙オ゙オ゙…な゙んで、邪魔…スる…」

前田「ぞいづ…所為 デ私達は…」

花輪「さくらさんを恨むのは筋違いだよ。ベイビー」

前田「モ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!」ドドドッ

花輪「オーレイ!」サッ

前田「モ゙オ゙オ゙オ゙オ゙?!」ズドンッ

たまえ「壁に、ぶつかって気絶しちゃった…」

まる子「凄い!こんな事出来るなんて!」

花輪「ふふ、以前じいやに教えて貰ってね」

まる子「花輪君!良かったら、一緒に逃げよう!」

ビシッ

まる子「?」

ピシピシッ

まる子「壁に、ひびが…」

ピシピシッ

花輪「前田さんがぶつかった所為かい?」

ピシピシッ…ビシッ

たまえ「違うよ!まるちゃん、逃げるよ!」ダッ

ドカーン!

みぎわ「ざーぐーらーサーん…」ゴロゴロ!

花輪「うっ」ダダッ

みぎわ「な゙ーんーでーわーだーじーのー花輪ぐんにィ…」ゴロゴロ!

まる子「ぎゃあああ!!」ダダッ

たまえ「まるちゃん!しっかり!」ダダッ

まる子「だって、みぎわさんが、大きな…」

まる子「大きな生首に…」

みぎわ「マり゙ーア ントワねットは…斬首刑ナのよ?ぞんな、事も…知ら知らららららナいの?」ゴロゴロ!

まる子「あ!分かれ道だ!」

たまえ「…花輪君!」

花輪「分かってるよベイビー」

たまえ「まるちゃん、こっち!」ぐいっ

まる子「え?花輪君、別の道に行っちゃったよ!」

たまえ「…いいの」

みぎわ「あ゙あ゙あ゙ぁん゙…やっど…二人っきリね」ゴロゴロ!

花輪「そうだね!ゆっくり話をしたいから止まってくれないかい?」

みぎわ「だだだだだめよ!ぞんな、事したら花輪君またにげるでシょオ゙ォ?」ゴロゴロ!

花輪「…おっと行き止まりか…万事休すだね」

みぎわ「はーナーわーぐゥん…一つに、なり゙まシょおおおおおおお!!」ゴロゴロ!!

花輪「……」

ゴロゴロゴロ!

ゴロゴロゴロ!

ゴロゴロゴロ!



プチンッ

まる子「はあ…花輪君、大丈夫かな?」タタッ

たまえ「…大丈夫。花輪君なら逃げられたよ」タタッ

まる子「なら良いんだけど…ぎゃっ!」ドタッ

城ヶ崎「きゃあ!」ドタッ

たまえ「まるちゃん!大丈夫?」

まる子「いたたた…ごめんよ城ヶ崎さん」

城ヶ崎「ううん、私も急に出て来たから…」

まる子「この教室に隠れてたの?」

城ヶ崎「そうよ。良かったら、一緒に隠れない?」

まる子「え?良いの?」

たまえ「まるちゃん!」

たまえ「早く帰らなくちゃ…」

まる子「いいじゃないか。ずっと走りっぱなしで疲れてるんだし…」

笹山「あ、姫子!悲鳴が聞こえたけど大丈夫?」ヒョコッ

城ヶ崎「うん、大丈夫よ」

まる子「…え?笹山さん、あんた無事だったの?」

笹山「えぇ、何とかね」

笹山「間一髪で、彼に助けられたの…」///

城ヶ崎「ちょっとこんな時にのろ気ないでよ」

笹山「だって好きなんだもん。藤木君のご ど」

藤木「はは、照レるなァ」

まる子「?!」

まる子(笹山さんの首が…藤木の肩から生えてる?!)

城ヶ崎「あーあ、和子がとられチゃった」ムスッ

まる子(なのに城ヶ崎さんは、肩から生えてる笹山さんをまるで本物みたいに接して…)

まる子「ひ、ひぃ…ひゃあああ!!」ダダッ

たまえ「ま、まるちゃん!」

まる子「あうあう…あぁ…いヤだぁ!!」ダダッ

ず リ  ずずず

ば  リリ

ずァばばば ずバリィ

まる子「?!」

丸尾「ズバリ!私達は!」

丸尾「ズバリ!人間を!」

丸尾「ズバリ!辞めるでしょう!」

まる子「ひぃいいい?!」ダダッ

まる子(全裸の丸尾君が床にバラバラに散らばってる!)

小杉「も゙っも゙っも゙っどぉ…」

まる子「う!」

まる子(小杉の口が脇腹まで裂けて、涎の所為でナメクジが歩いた痕みたいだよ!)

たまえ「待って!まるちゃん!」ダダッ

まる子「うわああん!もう嫌だよぉ…ぎゃあ!」ドンッ

山田「あははw痛いじょーwさぐらw」

まる子「ぎゃああ!山田だあ!」

山田「お゙?何で泣いてるんだじょー?ww」

まる子「山田だあ!普通の山田だああ?!」

たまえ「山田!まるちゃんをそのまま捕まえといて!」

山田「了解だじょーw」

まる子「ぎゃあああ!!」

【理科準備室】

たまえ「まるちゃん、落ち着いた?」

まる子「うん…迷惑かけてごめん」

たまえ「仕方ないよ。こんな状況だもの」

山田「あははwさぐら、ぎゃあって言って、泣いてだじょーw」

まる子「あんたはこんな状況だってのに、変わらないね…」

たまえ「じゃあ、私はちょっと外を見てくるよ」

まる子「え?危険じゃない?!また前田さんやみぎわさんみたいのが出て来たら…」

たまえ「大丈夫よ。私はこの学校の構造をよく知ってるからね」

たまえ「いざとなったら抜け道を使って逃げられるしね」

まる子「…」

たまえ「大丈夫よ、まるちゃん」

まる子「たまちゃん…」

まる子「戻っテ来 る?」

たまえ「もちろんだよ。親友をいつまでも一人にさせる訳ないでしょう?」

山田「おいらもいるじょーw」

たまえ「あ、ごめんごめん。忘れてた訳じゃないのよ」

ガラッ

たまえ「じゃあね」

まる子「気を付けてね…」

バタンッ

ガラッ

まる子「!」

たまえ「…言い忘れてた」

まる子「何だい?」

たまえ「………絶対に、此処から…動かないデね?」

まる子「頼まれたって動きたくないよ!」

たまえ「そ……なら、いいけど…」ちらっ

山田「おいらも動かないじょーw」

たまえ「…絶対 ヨ?」

バタンッ

タタタタタッ…

まる子(たまちゃん、どうしたんだろう?)

まる子(何だか分かんないけど、怖かった…)

山田「……」

山田「じゃあ、さぐらw行ぐじょーw」

まる子「え?この部屋から動くなって言われたばかりじゃない!」

山田「大丈夫大丈夫wそんなに動かないじょーww」スタスタ

ギイッ…

まる子「こ、これって…」

山田「この部屋の、下に行くだけだじょーw」

まる子「床に隠し扉?よくもまあ、こんな所知ってたね」

山田「おいらは穂波以上に、この学校を知ってるんだじょーw」

山田「ほら、さぐらw行ぐじょーw」

まる子「…駄目、行けないよ」

山田「どうしてだじょー?ww」

まる子「たまちゃんが、絶対動くなって言ったし…」

山田「気にするなじょーw」

まる子「でもたまちゃんは親友だよ!裏切るなんて、そんな…」

山田「………親友?」

山田「さぐらwあの穂波を親友の穂波だと、どうして思うんだじょー?ww」

まる子「え、どうしてって…」

山田「この……この状況の原因も、教えてくれないのに?」

まる子「それは…」

山田「『まるちゃんの為』」

まる子「!」

山田「大方、そんな事で誤魔化したんでしょ?」

まる子「…」

山田「わた…」

山田「…おいらは、本当の事を言うじょーw」

まる子「…本当の、事?」

山田「知りたかったらついて来るんだじょーw」ピョンッ

まる子「あ!待っとくれ!」ピョンッ

ちょっと休んでから、再開します。

【床下】

まる子「はあ…床下にこんなに長い…はあ…螺旋階段があったなんて…」

山田「あははwさぐら、もう疲れたのかじょーw」

まる子「そりゃあ、ずっと階段を下ってるからね…下が全然見えないけど、どのくらいかかるのさ…」

山田「じゃあ、近道するじょーw」

まる子「え?近道なんてあったのかい?だったら最初から言ってよ…」

まる子「え?何だい山田…何であたしを担ぐのさ?」

山田「そんなの決まってるじょーw」

まる子「ちょっちょっ!ストップ!確かに近道だけど、まさか…」

山田「真ん中を行っくじょーw」

ポイッ

まる子「ぎ…ぎゃあああ!!」

ヒューン…

まる子「お落ちてる!落ちてるぅ?!」

山田「あははw落ちてるじょーw」

まる子「あんたよく笑ってられるね?!」

まる子「落ちたら、死んじゃうでしょおお?!」

山田「死なないじょーw」

ヒューン…

まる子「死なないー?!」

山田「だってこれは…」

ヒューン…

山田「さぐらの…」

ヒューン…

山田「夢だじょーw」シュタッ

まる子「えぇ?!」ベチャッ

まる子「いだだ…夢の割には痛いじゃないか…」

山田「でも死ななかったじょーww」

まる子「う…そうだね。この高さから落ちたって言うのに…え?」

まる子「階段がなくなって…夕焼けが…」

まる子「あたし達、いつの間に外に出たんだい?」

山田「外じゃないじょーw」スタスタ

まる子「あ、夢なんだっけ…て!待っとくれ!」タタッ

まる子「夢って言うなら、いつから夢なんだい?」

山田「それはさぐらも知ってる筈だじょーw」

まる子「知らないから聞いてるんでしょうが!」

スタスタ…

まる子「それに、どこに行くつもりなんだよ?」

山田「さぐらの通ってた、保育園w」

まる子「はあ?」

まる子「私は保育園に通った事なんてないよ?」

山田「あるんだじょーw少しの間だけw」

まる子「何であんたがそんな事って…あんたはあたしの夢の中の山田なんだっけ?」

山田「さぐらのおばあちゃんが肺炎で入院した一時期、保育園に通ってたんだじょーw」

まる子「うーん…全く覚えてないねぇ?」

【保育園】

わいわい…

まる子「もう夕方だってのに、子供が沢山いるよ」

山田「思い出したかじょー?w」

まる子「さっぱり思い出せないよ」

まる子「…あれ?」

まる子「あの帽子…私が小さい頃被ってた帽子にそっくりだね」

山田「…」

まる子「帽子の子、一人で砂いじりしてるけど…」

山田「年度途中で一人だけ入ってきたから、まだ友達がいないんだじょーw」

まる子「それにしたって、混ぜての一言で済む話じゃん」

まる子「あんなに羨ましそうに女の子達のグループ見つめてさ……え?」

まる子「女の子達のグループに、帽子の子が混ざってる…なのに?!」

まる子「さっきの帽子の子は、相変わらず一人でいるよ!どういう事?」

山田「分裂したんだじょーw」

まる子「分裂って…アメーバじゃあるまいし」

まる子「あ、砂場の帽子の子。今度はサッカーしてる男子を見てる」

山田「おー!あの男の子凄いじょーwどんどんドリブルで相手を抜いてるじょーw」

まる子「本当だ。凄い運動神経だね。末はメッシかロナウドか」

まる子「おっと三人にマークされて、堪らずパスを出したね…その先には…えぇ?!」

まる子「また…帽子の子」

山田「お!帽子の子が蹴ったじょーwゴールだじょーww」

まる子「砂場に一人、女の子達のグループに一人…合計三人…」

山田「あっちにもいるじょーw」

まる子「教室にもいた!保育園の先生に絵本を読んで貰って、甘えてる…」

まる子「何で…」

山田「……」

まる子「ん?一人でいる帽子の子に、誰かが近づいて行ったよ?」

山田「大きな子だじょーw」

まる子「しかも関口みたいに、意地悪な顔だね…ああ!」

まる子「あいつ!帽子の子を苛めてるよ!」

まる子「可哀想に…こらー!苛めるなー!」

山田「さぐら、大丈夫だじょーw」

まる子「大丈夫って、あの子は誰かに遊ぼうと声もかけられないような内気な子だよ?!」

山田「見てれば分かるじょーw」

まる子「でも…あっ!」

まる子「…苛めっ子が…帽子の子になってる」

まる子「帽子の子が、帽子の子を苛めてる…」

山田「防衛本能だじょーw」

まる子「防衛本能?」

山田「苛められてる自分を受け入れるのは、結構ストレスなんだじょーw」

山田「苛められてる帽子の子の後ろ、見るんだじょーw」

まる子「あ、またもう一人帽子の子がいて…我関せずで砂弄りしてる」

山田「帽子の子は『被害者』と『加害者』と『第三者』に分裂したんだじょーw」

山田「帽子の子は、<<苛められているのは自分じゃない>>と思い込む事で、苛められている事実を否定してw」

山田「それでも残るストレスを、<<苛めている側なんだ>>と思い込んで、極限に減らそうとしたんだじょーw」

まる子「分からないよ…一体、どういう事なんだよ…」

山田「<<楽しそうなグループに声をかけられない>>」

山田「だから社交的な自分が生まれた」

山田「<<スポーツをしたいけどみんなの足を引っ張らないか不安>>」

山田「だから運動神経の良い、男の子の自分が生まれた」

山田「<<先生に甘えたい>>」

山田「だから甘え上手な自分が生まれた」

まる子「ちょっと、待ってよ!」

まる子「全然訳が分からないよ!」

まる子「うわあ!いつの間にか子供がみんな、帽子の子になってる!」

山田「……」

すみれ「まる子ー!!」

まる子「え…お母さ」









「「「「はあーい!!!!」」」」

ドドドドドド…

ドタドタドタ…

タタタタッタッ…



幼まる子「おかあしゃーん!」トテトテ

まる子「?!」

幼まる子「おかあしゃん、遅い…」

すみれ「あれ?まる子が最後?お友達、みんな帰っちゃったの?」

幼まる子「…そうだよ。まる子も早くお家に帰りたい」

すみれ「今日はまる子の好きなハンバーグだからね」

幼まる子「やったあ!ハンバーグハンバーグ♪」

まる子「……」

しーん…

まる子「何で、あんなにいた帽子の子がいなくなってるのさ」

山田「さっきお母さんと一緒に帰ったじょーw」

まる子「じゃあ、まるで…帽子の子が全部、私みたいな…」

山田「そうだじょーw帽子の子はさぐらだじょーw」

まる子「!」

山田「さぐら、そろそろ思い出すんだじょーw」

まる子「思い出すって、なにをさ…」キョロキョロ

山田「さぐら…逃げるのかじょー?w」

まる子「帰るだけだよ!たまちゃんが心配してるし…」

山田「穂波『達』は信用ならないじょーw」

まる子「なっ!」

山田「あいつらがしようとしている事は、単に問題を先伸ばシにするダけ…」

まる子「あ…山田の顔が歪んで…」ゴシゴシ

まる子「…消えた?」

???「下だよ」

まる子「!」

まる子「え!どうして小さい頃の私が…」ゴシゴシ

幼まる子「そろそろ自分を取り戻そう?」

幼まる子「折角まる子は、まる子としてこの世に生を受けたんだから」

まる子「な、何の事だい…」

まる子「これは…夢なんでしょう?」

幼まる子「夢だよ」

幼まる子「でも現実でもあるよ」

まる子「……」

まる子「…違う」

まる子「そんな筈…ない…」

幼まる子「逃げてばかりいても始まらないよ」

幼まる子「今なら、まだ間に合うよ」

まる子「ちが…」

幼まる子「本物の味方もいるんだよ。早く、目を覚まして」

まる子「……違う…ちが…ちががっががががが」

幼まる子「まるちゃん!気をしっかり持って!」

まる子「はは…あ゙はははハは!嘘だ!」

幼まる子「嘘じゃないよ。まるちゃん」

まる子「その姿をやめろ!」ぎゅっ

幼まる子「うっ…」

幼まる子「まるちゃん…首、苦しい…」

まる子「私は私だ!おかシイのはお前゙だだだだ?!」ぎゅうぅ

幼まる子「う…手……放し…」

まる子「……はあ…」ぎゅうぅ

幼まる子「あ…ぐ…」

まる子「はあ…はあ…」ぎゅうぅ

幼まる子「…ちゃん…もう、や…」

まる子「はあ…はあ…」ぎゅうぅ

幼まる子「ぁ……」

まる子「はあ…はあ…」ぎゅうぅ

幼まる子「」

まる子「………」ジュルッ







まる子「はっ!」

山田「…」

まる子「や、山田!」ダッ

山田「…」

まる子「…山田?ひぇっ…死んで…」

山田「」

まる子「どうして…」

まる子「…私が…殺したのぉ?」ガタガタ

野口「あーあ、やっちゃったね」

まる子「えっ?!」バッ

まる子「野口さん?!いつからいたの!」

野口「最初からさ。キッキッキッ…」

まる子「最初って」

野口「最初は最初さ。ずっと一緒にいたじゃないか…」

まる子「…」

野口「それにしても、どうしてよりによって山田を殺っちゃったのかね…」

野口「あーあ…可哀想に…」

まる子「わざとじゃないの!わざとじゃないんだよ!」

野口「そうかい。キッキッキッ…」

まる子「ぐっ…それに、これは夢なんでしょう?!」

野口「夢だよ」

まる子「どうやったら夢から覚めるんだよ!」

まる子「もう嫌だよ!どうしたらいいか教えてよ!」

野口「嫌だね」

まる子「何で意地悪言うのさ!」

野口「意地悪じゃないよ。私はいつも見てるだけ」

まる子「…教えてくれネェと」

野口「そのナイフで私を殺す?」

まる子「え?!何であたし、ナイフなんか握って…」パッ

カランカラン…

野口「キッキッキッ…」

野口「さくらさんの殺意が現れたんだよ」

まる子「あたしゃあ、そんな事…」

野口「内に秘める殺意さ…山田を殺したのとはまた別物だがね」

野口「表に出ようと大分もがいてるね。中で邪魔されてるようだけど」

まる子「何の話だよ!」

野口「私とした事が、少しお喋りが過ぎたようだね」スッ

まる子「待って!野口さんどこに行くの!」ダダッ

まる子「夢から覚める方法、教えてよ!」ダダッ

野口「キッキッキッ…」すぅ…

まる子「野口さ…野口さん!!」ダダッ

ガラッ

たまえ「ただいま、まるちゃ…」

まる子「のぐ…う、わああ?!!」ドンッ

続きは明日にします。

【理科準備室】

まる子「あいたたた…」

たまえ「う…どうしたの?動かないでって言ったのに、扉に向かって走って来るなんて…」

まる子「え?扉に向かってって…え?此処って」

まる子「理科準備室?いつの間にあたし、戻って来たの?」

たまえ「…」

まる子「あ!山田は!」

山田「…」

たまえ「えっ?!山田!!」ダッ

山田「」

たまえ「…何て事……山田が、死んでる」

まる子「う…あ、あたしが…」

まる子「あたしが…殺しちゃった…」

たまえ「まるちゃん…」

まる子「でもわざとじゃないんだ!信じとくれ!」

たまえ「…分かってるわ」

まる子「!」

たまえ「事故だった。そうでしょ?」

まる子「そ…そう!事故だよ!山田は、事故で」

たまえ「大丈夫」

たまえ「大丈夫」

たまえ「大丈夫」

たまえ「大丈夫だ よ」

たまえ「まるちゃんは、なーんにも心配いらない」

たまえ「私が何とかするよ」

たまえ「だって、私達は親友だもん。ね?」ニコッ

まる子「たまちゃん…」

たまえ「校内を調べて来たんだけど、まるちゃんをどうにかしようと思っているのは二割以下かな?」

たまえ「他はまるちゃんを家に帰して欲しいって、言ってるよ」

まる子「そうなの?家に帰ればいいんだね?」

たまえ「そうだよ。まるちゃんにとって『みんな』は怖いと思うから、通る道からは避けて貰う事にしたから」

まる子(あれ?)

まる子(どうしてたまちゃんは、こんなにこの状況に詳しいの?)

まる子(山田はここを夢だと言っていたけど、どこからどこまでが夢なんだよ?)

まる子(これも夢?よく考えれば、何もかもが現実じゃあり得ない事だったし)

まる子(夢って、寝てる間は夢って分からないけど…今も、もしかして)

まる子(山田はたまちゃんを信用ならないって言ってた)

まる子(でも夢の中とは言え、たまちゃんを疑いたくない…)

まる子(だって、私達は親友なん だモん)

たまえ「…でもね」

たまえ「私はどっチでも良イの」

まる子「!」

たまえ「家に戻ったっテ、目が覚めだって、結果は変わ゙んナい」

たまえ「みんなは外に出たら終゙わるって思っでるけド」

たまえ「もゔ手遅れ、ダよお゙お゙?」

たまえ「…ドミノは倒レちゃったんだも゙ん゙」

まる子「た、たまちゃん?」

まる子「今、言った事って…」

たまえ「…え?」

たまえ「あ!違うの!今のは私じゃなくてっ」

たまえ「『コモモ』が!」

まる子「?!」

たまえ「待って!まるちゃん違うの!」

まる子(何でだよ?!)ダダッ

まる子(何でたまちゃんまで!)ダダッ

はまじ「お…さ クらじゃ、ねえが?」

ブー太郎「駄目だ、ブー…ささささくらに見られルなって。穂波 が」

まる子「ひぃっ?!」ダダッ

ブー太郎「ほら、怖がっててて…逃げでったブー」

たまえ「はまじ!ブー太郎!まるちゃんを止めて!」

たまえ「みんな!まるちゃんを止めてー!!」

まる子(あれが、はまじとブー太郎?何で、あんな姿に…)

まる子(おぇっ…う…思い出すだけで、吐きそうだよ)

まる子(これは夢だ!絶対に夢だ!)

ピンポンパンポーン

『お呼び出しを致します』

『三年四組さくらももこさん、三年四組さくらももこさん…』

『至急、職員室まで来て下さい』

『********から、お電話が入っています』

まる子「!」

まる子「職員室?」

たまえ「まるちゃん駄目!」

まる子(駄目って事は、行けって事だね!)ダダッ

たまえ「まるちゃん!駄目えええ!!」

まる子(職員室…学校構造がおかしくなってるようだから、いつもの場所にあるとは限らないけど…)

まる子(このまま逃げながら、どこにあるか分からない職員室に行けるのかな…)

ヒロシ「おい、まる子」

まる子「お父さ…ぎゃっ!」

ヒロシ「おいおい。親の顔見て悲鳴あげるたあ、どういう了見だ?」

まる子「だって、あんた…首から下はどうしたのさ?」

ヒロシ「相変わらずデリカシーのねえ奴だな」

まる子「お父さんには言われたくないよ」

まる子「しかも、燃えてるし…」

ヒロシ「あー?そう言えばそうだな」

まる子「まるちゃーん!」

まる子「そうだった!追われてるんだった!」

ヒロシ「そうかそうか、頑張れよ」

まる子「お、お父さん!職員室ってどこだか知らない?」

ヒロシ「職員室ぅ?」

ヒロシ「職員室は…上だよ」

まる子「上?上だね?!」ダッ

ヒロシ「ただし、絶対に下に飛び…」

たまえ「待ってええええ!!」ダダッ

ヒロシ「……あーあ、俺知らねえぞ」

まる子「はあ…」ダダッ

まる子「うぐっ…」ダダッ

まる子「ひい…」ダダッ

バターンッ!

【屋上・職員室】

まる子「やっと…ついたよ…」

プルルルッ

ピンポンパンポーン

『お呼び出しを致します』

『三年四組さくらももこさん、三年四組さくらももこさん…』

『至急、職員室まで来て下さい』

『********から、お電話が入っています』

プルルルッ

まる子「電話…出なくちゃ」ガチャッ

『…る……ん……ね……と……て…』

まる子「たまちゃん?」

『お……いて……ねが……か……』

まる子「たまちゃん?!本物のたまちゃんだよね?!」

まる子「まる子はここにいるよ!」

まる子「助けてよおお!」

バターンッ!

たまえ「…やっと追い付いた」

まる子「ひっ…来るな!」

たまえ「逃げないでよ」

たまえ「一体、どうしちゃったの?」

まる子「どうかしてるのは、そっちの方じゃん!」

まる子「みんな変になって…それで…」

たまえ「変ってなあに?何の事?」

まる子「!」

はまじ「そうだよ。何の事だよ」

ブー太郎「突然走り出したりなんかして、どうしたんだブー?」

丸尾「全く、いい迷惑でしょう」

小杉「早く戻って給食食おうぜ」

冬田「それに、屋上って立ち入り禁止だし…」

城ヶ崎「そうよ。危ないから戻りましょう?」

まる子「…みんな」

まる子「そうか。あたし、夢を見ていたんだ…」

まる子「電話に出たから、やっと目が覚めたんだね」ヘナッ

まる子「良かった」

まる子「良かった」

まる子「良かった」









ボオオオオオ!!

城ヶ崎「ぎゃああアあ?!」

ブー太郎「あづづヅづづ?!いだああアァあ!!」

まる子「…何で」

永沢「あは…あはははハはは!」

永沢「やっど、見つケ たぞ…ざぁぐゥらあああ…」

まる子「ひぃっ!」

永沢「どうじで笑っデ、 られる?」

永沢「火、怖さ……笑ウ?笑エる?」

永沢「お前に、僕のあの時の恐怖と絶望が分かるか?」

まる子「悪かったよ!だから…」

永沢「思い出゙せ」ジャキッ

たまえ「永沢!」ドンッ

永沢「いだ……あ…俺の、火炎放射…」

たまえ「これでも食らえ!」カチッ

ボオオオオオ!!

永沢「ぎゃああああ!!」

永沢「あづあづづづづづづ!!」ゴロゴロッ

永沢「わ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙?!」ゴロゴロッ

まる子「ひっ…あぁ…」

永沢「あづ…まる…」ゴロ…

まる子「!」

永沢「助けテよ…置いて行かなイでよ…」メラメラ…

まる子「…え?」

さきこ「行かないで…怖イよぉ…」メラメラ…

まる子「お、お姉ちゃん…」

さきこ「ま る ご どうじて」メラメラ…

さきこ「あんたは生きてるの?」メラメラ…

まる子「!」

まる子「う…あ……うわああっ?!」

まる子「ひぃ、あああっ?!」

まる子「ごめんなざいごめんなざい!!お姉ちゃん!!」

まる子「あたし死にたくなかった!」

まる子「死に゙だくながったの゙!」

さきこ「あんなによくしてあげたのに…」

まる子「ごめんなざいごめんなざいぃ?!」

さきこ「私がこの世で最後に見たのは」

さきこ「あんたの後ろ姿だよ…」

まる子「死に…ごめ…ごめぁ…あぐ…あっ…ぎぎぎギぎぎ…あがが…」

たまえ「まるちゃん!」

まる子「」ビクッ

たまえ「まるちゃん!しっかりして!」

まる子「はっ…お姉ちゃん許してえぇ!!」

たまえ「まるちゃん…」

まる子「お姉…」

バチンッ

たまえ「まるちゃん!!」

まる子「…あれ…はあ、お姉ちゃんは」

たまえ「まるちゃんのお姉ちゃんは此処にはいないよ」

まる子「でも、さっきまで…」

まる子「…もしかして今のも、夢?」

たまえ「うん、そうよ」

まる子「夢だったの…良かった…」グスッ

たまえ「そうよ。もう心配いらないよ」ぎゅっ

まる子「たまちゃん…うぅ…良かった…」

たまえ「永沢も死んじゃったしね」

たまえ「もう、火は怖くないでしょ?」

たまえ「お姉ちゃんも怖くないでしょ?」

たまえ「大丈夫よ。もう分離させたから」

まる子「う…あぅ…」

たまえ「…どうして後ずさるの?」

まる子「これ以上……来ないどくれ!!」

グラッ…

まる子「え?うわあ!!地震?!」

たまえ「く…」

グラグラ…

たまえ「丸尾君!今、誰が出てるの?!」

丸尾「分かりません!」

たまえ「分からないって!何でよ!」

丸尾「新しい人なんでしょう!」

丸尾「しかも次々変わっています!」

たまえ「何て事なのっ…このままじゃ…」

まる子「……」

まる子「何で、本当に…こんな事に…」

まる子「私は、ただ…ちょっと楽したかっただけなのに…」

たまえ「まるちゃん…それ以上、下がったら屋上から落ちちゃう」

まる子「う…」ちらっ

まる子(本当に高い…下が全く見えないよ)

まる子「じゃあ…質問に答えて…」

たまえ「答えれば後ろに下がらない?」

まる子「うん」

たまえ「答えられる範囲ならいいよ。何でも聞いて」

まる子「此処は夢?」

たまえ「夢、みたいなもの」

まる子「どうしたら夢から覚めるの?」

たまえ「覚めない方が良いよ」

まる子「覚めると、どうなんの?」

たまえ「…」

まる子「覚めると、どうなんの?!」

たまえ「分からないよ!」

たまえ「でも…夢から覚めない方が幸せに決まってるわ」

まる子「じゃあどうして山田は起きた方が良いって言ったのさ!」

たまえ「私が知りたいくらいだよ!」

たまえ「ずっと協力してきたのに、山田『達』がどんなつもりで言ったんだか…」

まる子「じゃあ…」

まる子「じゃあさ…」

まる子「…あんた、誰?」

たまえ「!」

たまえ「なに、言ってるの?」

たまえ「私は、『たまえ』」

たまえ「まるちゃんの親友の『穂波たまえ』だよ…」

まる子「違う!あんたはたまちゃんじゃない!」

まる子「偽者だあ!!」

たまえ「!!」

たまえ「偽も…にせ…」ポロッ

たまえ「にせ…に゙せせぇ…」ポロポロ…

たまえ「に゙ぜぇ、ぜせセ、せ…」ポロポロ…

たまえ「………」

たまえ「…偽者な訳ないじゃない。私はたまチゃん」

たまえ「まるちゃんが、望ンだ。たまちゃんデしょう?」

まる子「!」

たまえ「独りぼっちのまるちゃん」

たまえ「可哀想なまるちゃん」

たまえ「大きな穴を埋める為の、1ピース」

たまえ「それ ガ わたシ」

まる子「…」

たまえ「ああ!もう!コモモ!」

たまえ「どうして邪魔するの!」

たまえ「ごめん…でも私、まるちゃん嫌いなんだもん」

たまえ「まるちゃんは私の親友なのよ!」

たまえ「そんなに怒らなくても…」

まる子「…はは」ふらっ

まる子「もう駄目。もう無理」ふらっ

まる子「もう限界…」ふらっ

たまえ「まるちゃん!危ないよ!」

まる子「どーなったって、いいや」

はまじ「さクら!早まルな!」

大野「…死 ぬぞ」

冬田「やめ テ…私、死にたクない」

たまえ「やめて!今は制御出来てないの!」

たまえ「こんな状況で落ちたら、本当にまるちゃん死んじゃうよ!!」

まる子「はは…いいよ」

まる子「これで死のうが、生きようが…」

まる子「この悪夢から覚めれば……それで」ピョンッ

たまえ「!」

たまえ「まるちゃあああああああああん!!」

まる子「…」

ヒューン…

まる子「…落ちてく」

ヒューン…

まる子「これで夢から…」

ヒューン…

まる子「覚めるのかなあ?」









どしゃっ!

ちょっと休んでから再開します。

まる子「いったぁ……うわあ、鼻血が…」ボタッ

まる子「しかも足首捻ったようだね…動けない…」

まる子「…此処は?」

【線路】

パアアアアア!!

まる子「…電車だ」

まる子「電車がこっちに向かって来てる」

パアアアアア!!

まる子「そうか、夢か」

パアアアアア!!

まる子「高架橋の上で、たまちゃんが手を振ってる…」

パアアアアア!!

まる子「降り返さなくちゃ…」

まる子「おーい、たまちゃーん…」

まる子「…はは」

キキイイイイイ!!

まる子「これで…」

キキイイイイイ!!

まる子「今度こそ」

キキイイイイイ!!

まる子「夢から覚めますように」




『 マ る ぢ ャン 』


ゴキゴキゴキッ

グルグルッギュウゥ…

ビュッブツッ

ブチンッ







まる子「う…うぅん…」ぱちっ

【病院】

まる子「…ここ、病院?」

まる子「今度こそ…夢から覚めた?」ギシッ

まる子「体が…上手く動かない…」

まる子「痛いし、視界も暗いよ…あ、片目にガーゼが当てられてるからか」ギシッ

まる子「ん?」

まる子「ガーゼに触れない?」

まる子「何で?」

まる子「……」

まる子「あ」

まる子「あ、ああ、あああああ…」

まる子「あ゙ぅヴぁぁああ?!」

まる子「ぎぐあぶあああだあああ?!」

まる子「えぎいいいええぇっ?!」

ガラッ

看護師「さくらさんっ!」

まる子「ひぃあああああ!!ない!ないいいい?!」

看護師「落ち着いて下さい!さくらさん!」

まる子「手、手、てててててああああ」

看護師「話が通じないっ」

ポチッ

『はい、どうなさいましたか?』

看護師「特別病棟3号室のさくらももこさん。目を覚ましたけど、錯乱状態です!」

看護師「至急、応援お願いします!」

まる子「ひひっひっ…左腕もおお?!」

看護師「落ち着いて…」

ガラッ

医者「さくらさん!」

まる子「なんでででで?!」

まる子「ごんなァ!私、こんな゙事なら、起ぎだぐ」

医者「さくらさん!もう大丈夫ですからね」

まる子「」ギョロッ

医者「大丈夫ですよ。気分の落ち着くお薬打ちますからねぇ」ニコッ

まる子「た、たまちゃん…」

医者「!」

まる子「何でたまちゃん…何で何で何で?!」ガタガタッ

医者「…大丈夫、落ち着いて」

まる子「何で、おばさんに…」ズリッ

ドターンッ!

医者「まるちゃん!」

まる子「あ…何でぇ…」

まる子「何で左足まで、ないのさああ…」

まる子「いや…ああ…」モゾモゾ

まる子「やあああ…」モゾモゾ

まる子「嫌だよおぉ!!」ビタンッビタンッ

医者「押さえて!」

看護師「はい!」

まる子「起きたくながった…」ビタンッ

まる子「ごんな事なら、起ぎだぐ、ながっだあああああああ?!!」ビタンッビタンッ

医者「まるちゃん!ごめん!」チクッ







まる子「!」ガバッ

まる子「あった!」

まる子「良かった、あったよ。あたしの右手」スリスリ

まる子「あったよ、あたしの左腕と左足」スリスリ

まる子「本当に酷い夢だったよ…」

カツンカツン…

たまえ「まるちゃんにとって、夢ってなあに?」

まる子「たまちゃん!あ…何で柵の中にいるの?」

たまえ「柵の中にいるのはまるちゃんだよ」

まる子「ええ?!本当だ…」

まる子「何でこんな所に…出しとくれよ!」

たまえ「それは出来ないよ」

たまえ「だって危険なんだもの」

まる子「危険って!何が危険なんだよ!」

たまえ「まるちゃんの所為で学校中が大変なんだよ?」

まる子「え……あれは、夢じゃ」

たまえ「…やっぱり、まるちゃんにとって都合の悪い物は、みんな夢なのね?」

たまえ「此処は夢みたいな物だよ?」

たまえ「でも現実でもあるの」

まる子「それじゃあ分からないよ!」

たまえ「…単純に言えば、まるちゃんの深層世界だよ」

まる子「深層、世界?」

たまえ「心の中って事」

たまえ「まるちゃんは解離性同一性障害…つまり『多重人格』なのよ」

まる子「な…何で…」

たまえ「あれ?分からない?」

まる子「分からないよ…私、小さな頃にトラウマなんて」

たまえ「覚えてないの?まあ、当然かな?まるちゃん、直ぐに分離させちゃったもんね」

たまえ「最初、まるちゃんは普通に表に出て、生活する事もあったみたい」

たまえ「人格も山田『達』を含めて数えるくらいしかいなかったしね」

まる子「……」

たまえ「だけどまるちゃんはある日突然、完全に眠っちゃった」

たまえ「余程ショックだったんでしょうね?」

たまえ「『穂波たまえ』の引っ越しと、自宅全焼で家族が焼死した事が」

まる子「え…」

たまえ「自分の中に親友と家族の人格を作り出して、25年も引きこもるくらいに」

まる子「にじゅうご…」

たまえ「まるちゃんは、本当は今年34歳なのよ」

まる子「そんな…」

たまえ「…」

たまえ「まるちゃんが起きちゃったのは、オリジナルの彼女の所為ね」

たまえ「しかも別の人格の記憶をテレビを通して見ちゃって、一番まずい事に興味持つなんて…」

たまえ「まるちゃん、ツいてなかったね」

まる子「待ってよ!」

まる子「分かったよ。あたしが悪かった…多重人格とかもう言い出さないし、夢なら夢でも良い!」

まる子「だから、此処から出しとくれよ!」

たまえ「…無理だよ」

まる子「そこを何とか!」

たまえ「みんな今回の事でよく分かったの」

たまえ「ここはまるちゃんの深層世界だから、まるちゃんが近くに居るとちょっとした不安や行動がドミノ倒しみたいな悪影響を起こすの」

たまえ「25年間、色々あったけど、今回みたいに消えたり生まれなり、役割が変わる人が続出したのは初めてよ?」

たまえ「まあ、ドミノだったら、やり直せるんでしょうけど…此処はそうもいかないから」

まる子「うぅ…お願いだよ。たまちゃん…」

まる子「助けてよ。私達、親友でしょ…」

たまえ「…」

たまえ「たまちゃんなら、死んジゃったよ」

まる子「!」

まる子「じゃあ、あんたは…」

たまえ「私は『コモモ』。気付かなかったの?」

まる子「たまちゃんは?たまちゃんを出してよっ!」

たまえ「だーかーら、たまちゃんは死んじゃったんだって」

たまえ「屋上からまるちゃんが飛び降りて、直ぐに後を追ったんだよ?」

まる子「え、」

たまえ「まるちゃんが死ななかったのは、寸ででたまちゃんが線路の真ん中から体を避けたから」

たまえ「電車が迫る恐怖や手足が引き千切られる痛み、大量の出血の中でも意識を保って、まるちゃんを守ったんだよ」

まる子「……」

たまえ「偽者でも、たまちゃんはまるちゃんの『親友』だったんだよ」

たまえ「そういう事だから」

たまえ「じゃあね」

まる子「!」

たまえ「まるちゃんは深層世界の奥の奥底の、この場所にいてね?」

たまえ「二度と起きてこないで」

たまえ「出られないだろうけど」

まる子「待っとくれ!お願いだから、待っとくれえ!!」

まる子「一人にしないでよ!!」

たまえ「たまちゃんを…グスッ…奪われた私に、よくそんな事頼めるよね?」

まる子「そ、それは」

たまえ「…一人じゃないよ?」

たまえ「私がいるよ」

まる子「え…たまちゃん?」

たまえ「違うよ。私は『タミー』」

たまえ「新しく生まれたコモモの親友なの」

まる子「……」

たまえ「落ち着いたら遊ぼうね」

たまえ「いいの?」

たまえ「だって私は、コモモの親友だもん」

たまえ「!」

たまえ「何して遊ぶ?」

たまえ「何しようね?」

たまえ「うふふ」

たまえ「あはは」

まる子「たまちゃん…」

カツンカツン…

まる子「いやだ…」

まる子「いやだよ!!」ガシャンッ

まる子「たまちゃん!!まる子を一人にしないで!!」ガシャンッ

カツンカツン…

まる子「うぅ…おがあ゙ざん!おどうざん!」ガシャンッ

カツンカツン…

まる子「おね゙えぢゃん!おじいぢゃん!おばあぢゃん!」ガシャンッ

まる子「うわあああ!嫌だあああ!!」ガシャンッ

まる子「一人は、嫌だあ!!」ガシャンッ

まる子「一人は、嫌だよおお!!」ガシャンッ






まる子「グスッ…うぅ…誰か」

まる子「何で、あたしがこんな目に…」

まる子「あたしが、何したっていうのさ…」

ガサガサ…ガサ…

まる子「な、何の音?」

ガサガサ…

友蔵「まる子や…」

まる子「おじいちゃん?!」

まる子「うわああん!寂しかったよ!」ぎゅうっ

友蔵「わしもじゃ!」ぎゅうっ

まる子「しかしおじいちゃんは、よくこの場所に来れたね?」

友蔵「ふふ、出るのはほぼ不可能じゃが、来るのは割と簡単なんじゃよ?」ナデナデ

まる子「え?そんな…大丈夫なの?」

友蔵「いいんじゃ。まる子と一緒にいられるなら、本望じゃよ」ナデナデ

まる子「……」

まる子「あの…おじいちゃん」

友蔵「なんじゃ?」ナデナデ

まる子「その…手…」

友蔵「手が、どうした?」ナデナデ

まる子「う…放しとくれ!」ドンッ

友蔵「どうしたまる子?」

まる子「おじいちゃん、何か変だよ!」

友蔵「変なのはまる子の方じゃろ?」

まる子「……おじいちゃんは」

まる子「どっちのおじいちゃん?」

友蔵「…わしは」

友蔵「『まる子が可愛くて仕方がないわし』じゃよ」ジュルッ

まる子「ひっ!」

友蔵「本物の、まる子は何十年ぶりじゃろう…はあ…」

友蔵「奴等に邪魔されて近寄れんかったから、ずっと代用品で我慢してたんじゃよ?」

友蔵「ほら、笑っておくれ…はあ…」

友蔵「そうだ、服を脱ごうか…はあ…」

まる子「い、嫌だよおお!!」

まる子「何で脱がなくちゃいけないんだよ!」

友蔵「裸なんて、全然恥ずかしくないんじゃよ…はあ…」ジリッ

まる子「こ、来ないどくれ!」

友蔵「はあ…はあ…」ジリッ

まる子「うぅ…」

友蔵「はあ…細い首だね…」ジリッ

友蔵「後で少し、絞めさせておくれ…」ジリッ

まる子「?!」

友蔵「久しぶりじゃが初めてじゃあるまいし、怖がる事はないじゃろう?」ジリッ

友蔵「わしも加減は心得てるし…」ジリッ

友蔵「はあ…はあ…まる子ぉ…」ジリジリッ

まる子「い……」









まる子「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

終わり。

多重人格についてはよく知らんので、適当です。

ありふれた話になりましたが、最後まで書けて良かったです。

レス、支援ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月29日 (水) 03:14:05   ID: copFA-l3

ゲーム化予定とか

2 :  SS好きの774さん   2014年02月23日 (日) 21:15:09   ID: zuP7Ubt6

多重人格関係なくね?w ただ、狂ってるだけじゃねえかw
トラウマになりそうですw!?(涙)

3 :  SS好きの774さん   2014年09月04日 (木) 00:46:17   ID: 2S619jg9

怖いよおおorおおお。・゜・(ノД`)・゜・。

4 :  SS好きの774さん   2014年12月25日 (木) 06:31:42   ID: BM_qiEBy

最後にいい終わりかたしてくれればよかったのに…
でも、これはこれでなかなかいい

5 :  SS好きの774さん   2015年03月07日 (土) 19:30:04   ID: RL8ARbal

やっぱゲーム化は難しかったのか
再読したけど面白い

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom