!?

チンパンジーの顔はすでに苦悩の涙で汚れていた。
もっとも本当に汚れたのはゴリラの純潔であったが。
目の前でゴリラの堕ちていく姿をみながらチンパンジーの体は崩れ落ちる。

チンパンジー「や、やめろ…ゴリラを離せ…」

そう喚くもののそのような言葉で猿がゴリラを離すはずがない。

ゴリラ「お願いいいい!!!!やめれえええええ!!!!」

猿「おいおい、そんなこと言ったらまた指がお前の頭のを毛づくろいしたくなっちまうだろうが!!」ｶﾞｯ

ゴリラ「んあああああ!!!!!!」

猿「おいコラ!!どこが気持ちいいか言ってみろ!!」

ゴリラ「…気持ちいいの…」

チンパンジー「ゴリラ!?」

ゴリラ「猿の毛づくろいで頭気持ちよくなってるのおおおおお!!!!」

猿「ははははは!!!!!!こいつ遂に堕ちやがった!!」

チンパンジー「ゴリラアアアア!!!!!」

ゴリラ「ごめんねえええ!!!チンパンジーごめんねえええええ!!!!!」

猿「さらに激しくしてやるよおっ!!!!」

ゴリラ「いやだあああああ!!!!」

チンパンジー「このやろおおお!!!!」ﾀﾞｯ

猿「!?」

チンパンジー「許さねええええ!!!!」

ﾊﾞｷｲｲｲｲｯ

それはチンパンジーの圧倒的…圧倒的パンチッ!!!!
チンパンジー、憎き敵の猿の顔面に一発入れるッ!!!!

猿「ごが…が…」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

これは他の者にとっては小さな一発、だがチンパンジーにとっては大きな一発!!
猿、無様に敗北ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ゴリラ「チンパンジーっ!!」

ゴリラ「ごめんねえええ！！！ごめんねチンパンジーイイイイイ!!!!」

チンパンジー「はぁっ…はぁ…っ」

「い、いいってことよ…」

ゴリラ「…へぇ」ﾆﾀｧ

ﾄﾞｺﾞｵｵｵｵｵﾝ

チンパンジー「!!」ｻｯ

突然のゴリラからの一撃!!
チンパンジーには予想不可能の事態!!

チンパンジー「…どういうことだゴリラ」

なんだこれはwww

!?……!?

続けたまえ

ゴリラ「ごめんねえええ？私あの猿の洗脳にかかっちゃったんだあああああ」

チンパンジー「洗脳…だと！？」

ゴリラ「あの猿はねえええええ。毛づくろいをした相手を操る能力」

「『断罪されし洗脳』(サイコメトルジャッジメント)でねえええ」

ゴリラの言葉は無機質で、酷く冷たく感じた。

チンパンジー「ゴリラ…今助けてやるからな」

そう呟くとチンパンジーはゆっくりと動きだし、のそりのそりとゴリラに近づく。まるで檻の中にいるナマケモノのように。

なんだよ断罪された洗脳って

効果無さそうだぞ

なんだこれは・・・
とてつもなくカオスな雰囲気を感じるぞ・・・

だんだんと動きを早めて行く。
一歩、一歩と踏み出すたびに早まる速度。
重い足取りは少しずつゴリラに近づく。
チンパンジー「ゴリラあああああ!!!!!」ｺﾞｯ

ゴリラ「ツィンパンズィイイイイイイ!!!!!!」

チンパンジーはそう叫ぶとゴリラの後ろに回り込む。

チンパンジー「毛づくろいしてやるっっっ!!!!!」

ゴリラ「い、いつの間に!?」

チンパンジー「うおおおおおおお!!!!!」ｶｯ

ﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻﾓｻ

ゴリラ「あ…」

ゴリラがよろける。

チンパンジー「思い出せ!!思い出せゴリラああああああ!!!!!!」

ー思い出したー

私たちは…私たちは…