蘭「コナン君って私がピンチの時って呼び捨てするよね?」(640)

蘭「親しき仲にも礼儀ありやぞ坊主」

あゆみ「コナンくん、いなくなっちゃった…」

光彦「コナンくんは引っ越しただけじゃないですか」

あゆみ「でも…また会えるのかな…」

元太「会えるだろ、心配すんなあゆみ!」

あゆみ「灰原さんもいなくなっちゃったし…」

光彦「2人一気に引っ越しは確かに不自然ですねぇ」

元太「家の事情だろ、仕方ねーじゃん」

あゆみ「寂しいなぁ」

光彦「あゆみちゃんには僕らがいますよ!」

元太「そうだぞあゆみ!お前落ち込み過ぎだ」

あゆみ「…ねぇ、今日毛利探偵事務所に行かない?」

光彦「またですか?」

元太「行ってもコナンはいねーって」

あゆみ「そうだけど…なんか…」

光彦「…仕方ないですね、行きましょう」

あゆみ「ありがとう、光彦くん」

光彦「いやぁ…へへ」

元太「俺も行くよ!」

あゆみ「ありがとう」

元太「もっと喜べよ」

あゆみ「(コナンくん…)」

女子「あゆみちゃーん、一緒に遊ぼー」

あゆみ「あ、うん、じゃあ放課後にね」

元太「おう」

光彦「…あゆみちゃん元気ありませんねぇ」

元太「あゆみは本当コナン好きだったからなー」

光彦「えっ、元太くん気付いてたんですか」

元太「あたりめーだろ」

光彦「元太くんですら気付く程と…」

元太「うるせぇ」

光彦「冗談ですよ冗談」

元太「お前も落ち込んでただろ」

光彦「えっ」

元太「灰原がいなくなったから」

光彦「な、なんてこと言い出すんですか!」

元太「ふん、お前もわかりやすいんだよ」

光彦「~!」

元太「で、結局またあゆみにしたんだろ」

光彦「そんなことないです!」

元太「だからわかりやすいんだって」

光彦「もう!やめてくださいよ!」

元太「わかったよ、うるせぇ」

光彦「はぁ…元太くんいつから気付いてたんですか?」

元太「わりと最初から」

光彦「えっ」

元太「だいたいな、俺の成長は無視されすぎなんだよ」

光彦「え?」

元太「なんだよ、いつもいつもうな重ってばかじゃねーの」

光彦「?」

元太「いや、お前がわかりやすかったって話」

光彦「はぁ…恥ずかしい」

あゆみ「光彦くん、元太くん、行こう」

元太「おう」

光彦「行ってなにするんですか、あゆみちゃん」

あゆみ「…わかんない」

元太「あー…、まぁとりあえず行くか、な?あゆみ」

あゆみ「…うん」

光彦「ですね、行きましょうか」

あゆみ「ねぇ…コナンくんって外国に行ったんだよね?」

光彦「はい、ご両親がお迎えに来られて、一緒に海外へって」

あゆみ「どこの国へ?」

元太「そういや聞いてねーな」

あゆみ「…どこなんだろ」

光彦「そういえば、灰原さんも海外だとか…」

あゆみ「国は?」

光彦「さぁ…」

あゆみ「…やっぱり」

元太「どうしたんだよ、あゆみ」

あゆみ「…2人とも、おかしいよね」

光彦「なにがですか?」

あゆみ「不自然だもん」

元太「お、着いたぞ」

あゆみ「…行こう」

光彦「大丈夫ですか?あゆみちゃん」

あゆみ「うん…こんにちはー!」

小五郎「あ?なんだお前たちか」

光彦「こんにちは」

元太「こんにちは」

小五郎「コナンはもういないぞ」

元太「わかってるよ」

光彦「わかってますけど…」

蘭「あれ!みんなどうしたの?」

あゆみ「蘭さん…」

光彦「蘭さん!いやぁつい、足が向いてしまったというか」

蘭「そうなんだ、ごめんねー今から出かけるからなんのお構いもできないけど」

光彦「いえいえ」

蘭「ゆっくりしてってね!じゃあバイバーイ!」

小五郎「ゆっくりしてって、ここは学童じゃねーぞ」

光彦「元気ですねぇ、蘭さんは」

小五郎「ケッ、浮かれてんだよ」

あゆみ「(なんで…?元気なの…?)」

元太「なんで浮かれてるんだ?」

小五郎「あの小僧か帰ってきたとかなんとかでな」

あゆみ「(だから…元気なの?)」

元太「あの小僧って?」

光彦「新一さんのことなんじゃ?」

あゆみ「(新一さん…)」

小五郎「小僧は小僧だ、ケッ」

光彦「やっぱり!新一さん帰って来たんですね!」

元太「良かったじゃねーか」

あゆみ「…ひどい」

小五郎「ん?」

あゆみ「ひどいよ…コナンくんいなくなっちゃったのに…」

光彦「あゆみちゃん、どうしたんですか?」

元太「お前、泣いてんのか?」

あゆみ「蘭さんは…コナンくんがいなくなったことより」

あゆみ「新一さんが帰って来た方がおっきいんだ…」

元太「あゆみ」

あゆみ「ひどい…コナンくんのこともう忘れたんだ…」

光彦「あゆみちゃん…」

小五郎「…いなくなったって言っても、死んだ訳じゃないしな」

あゆみ「そうだけど…でも…」

小五郎「親の元へ帰って行ったんだ、これが普通、本来あるべき形なんだよ」

小五郎「面倒みてたガキと待ってた幼なじみじゃあな」

元太「子供相手に言い過ぎじゃねーの」

小五郎「なんとでも言え」

あゆみ「…コナンくんはどこへ行ったの?」

小五郎「だから、親のとこだよ」

あゆみ「違う、どこの国?」

光彦「あゆみちゃん…」

小五郎「海外は海外だよ、国名までは知らん」

あゆみ「なんで?聞かなかったの?」

小五郎「出て行くガキの行き先なんていちいち聞かねーよ」

元太「ガキって言うな、コナンだ」

あゆみ「海外…」

小五郎「大人にはよくあるんだよ、海外って言やぁ十分なんだよ」

光彦「コナンくんのご両親も海外としか言わなかったんですか?」

小五郎「そうだよ」

あゆみ「…大人って冷たい」

小五郎「お前たちにはそう見えるかも知れねーが、これが普通なんだよ」

元太「普通普通うるせぇよ、行こうあゆみ」

小五郎「なんだと?」

光彦「元太くん!すみません毛利さん」

小五郎「ケッ、さっさと帰れよ、仕事の邪魔だ」

元太「光彦」

光彦「今行きますよ、お邪魔しました、では…」

小五郎「…ったく、これだからガキは」

小五郎「大人は寂しくないって平気で思ってんだからなぁ」

小五郎「たまったもんじゃねーよ」

小五郎「しかしまぁ、蘭にはちょうど良かったかもな」

小五郎「あの小僧が帰ってきて」

ピンポーン

小五郎「お、依頼人だな、仕事仕事」

小五郎「…ったく、これだから大人ってやつは」

光彦「元太くん!あんな態度は良くないですよ!」

元太「うるせぇ!」

あゆみ「ひどいよね…」

光彦「あゆみちゃん…」

あゆみ「コナンくんの引っ越し先も知らないなんて…」

元太「なんか隠してんじゃねーの」

あゆみ「蘭お姉ちゃんも…あんなに元気で…」

光彦「元気なのは、新一さんが帰って来たんだから仕方ないですよ」

光彦「きっと、寂しい気持ちは僕たちと一緒ですよ」

あゆみ「そうかな…」

あゆみ「でも…コナンくんの名前すら出さなかったもん…」

光彦「あー…」

あゆみ「今まで、あんなに一緒にいたのに…」

元太「胸くそ悪いよな」

あゆみ「やっぱり…ひどい…コナンくん…」

光彦「あ、あゆみちゃん」

元太「泣くなよあゆみ」

あゆみ「だって…」

元太「もう今日は帰ろうぜ」

光彦「そうですね、毛利さんも知らないとなると…」

元太「あゆみ、帰るぞ」

あゆみ「灰原さんは?」

光彦「えっ」

あゆみ「灰原さんはどこ行っちゃったのかな…」

光彦「灰原さんも海外って…」

あゆみ「博士は知ってるのかな」

元太「灰原は博士のとこで暮らしてたしな」

あゆみ「ねぇ、博士のとこにも行ってみようよ」

光彦「今からですか?」

あゆみ「うん…私、知りたい」

元太「でももう暗いぞ」

光彦「うーん…確かに今からではちょっと…」

あゆみ「だめ?お願い…」

光彦「うっ…いk」

元太「仕方ねーな、行くか」

あゆみ「ありがとう、元太くん」

光彦「…元太くん…」

元太「なんだよ」

光彦「良い所持っていきましたね!」

元太「?」

あゆみ「元太くん、光彦くん、ほら早く」

元太「焦るなよあゆみ」

光彦「あゆみちゃんにはニコニコとしてて欲しいですね」

元太「あーあー、ナイト気取りかよ」

光彦「そんなのじゃないですよ!」

あゆみ「もう、なに話してるの?」

元太「光彦が~」

光彦「元太くん!」

あゆみ「どうしたの?へんなの」

光彦「先に行きましょうあゆみちゃん!」

あゆみ「ほんとへんなの…あれ?」

光彦「どうしました?」

元太「なに止まってんだよ」

あゆみ「…」

光彦「なに見てるんです?」

あゆみ「…」どき

元太「なんだよあゆみ…あっ」

光彦「なにが見えるんですか?」

あゆみ「…」どきどき

光彦「ん~?あっ、蘭さんと新一さん!」

元太「こんなタイミングで…」



蘭「もう~!新一ぃ~!」

新一「いってーな」



光彦「仲良いですねぇ~」

元太「あゆみ…」

あゆみ「…」どくん

光彦「いやぁ、やっぱりお似合いですねぇ」

あゆみ「…(あれ…)」どくん どくん

光彦「ラブラブでうらやましいですねぇ」

元太「黙れよ光彦!」

光彦「なんでそんなに怒るんですか」

あゆみ「…(あれ…わかる…)」どくん どくん

あゆみ「…(きっと…コナンくんだ…!)」どくん どくん

あゆみ「はぁ…はぁ…」どくん どくん どくん

元太「あゆみ、どうした?大丈夫か?」

光彦「あゆみちゃん?」

あゆみ「…あ…(2人は気付かないの…?)」どくん

元太「あゆみ?」

あゆみ「…なんでもないよ…大丈夫…」どきどき

光彦「そうですか?」

あゆみ「うん、ごめん…ちょっと…びっくりして…」

光彦「確かに、あんなに楽しそうだとびっくりしますよね」

元太「あゆみ…」

あゆみ「あの…新一さん…ちょっと…変じゃない?」どきどき

光彦「変と言いますと?」

あゆみ「なんか…さ」

元太「別に?もともとそんな知らねー人だしな」

光彦「僕も変だとは思いませんね」

あゆみ「そう…?」

光彦「あゆみちゃんは何が変だと思うんですか?」

あゆみ「えっ…なんか…知ってる人みたいって…」

元太「話に聞いてたからじゃねーの?」

あゆみ「…そうかもね…ごめん…」

元太「あゆみ、お前本当に大丈夫か?」

光彦「心配ですよ」

あゆみ「…大丈夫だよ」

光彦「あゆみちゃん、やっぱり今日はもう帰りましょう」

元太「そうした方がいいな」

あゆみ「…でも」

元太「博士のとこは明日でもいいだろ」

光彦「そうですよ、あゆみちゃん休んだ方がいいですよ」

あゆみ「…うん、わかった…」

面白いな
続きが気になる続けろ下さい

光彦「あゆみちゃん、家まで送りますよ!」

あゆみ「…いい、大丈夫、一人で帰れる」

元太「ほんとかよ」

あゆみ「家ここから近いし…今日はありがとうね」

光彦「いえいえ、いいですよ」

あゆみ「また、明日ね」

元太「おう」

光彦「…あゆみちゃん相当ショック受けてましたね」

元太「まぁ、あんなもん見せられたらな」

元太「俺だって面白くねーよ」

光彦「蘭さん楽しそうですね…」



蘭「新一ぃ!」

新一「わりぃわりぃ」

蘭「もう!今度は連れていってよね!」

新一「あーそのうちな」

蘭「そのうちってなによぅ!」



元太「なんか胸くそ悪いな」

あゆみ「(新一さんを見て…私…コナンくんだと思った…)」どきどき

あゆみ「(なんでかな…なんか…わかる…)」どきどき

あゆみ「(新一さんが…コナンくん…?)」どきどき

あゆみ「(そんなことってあるの…?)」どきどき

あゆみ「(でも…コナンくんだって…思ったもん…)」どきどき

あゆみ「(コナンくんだって…)」どきどき

あゆみ「…博士に聞いてみよう…」どきどき

あゆみ「博士なら…科学者だし…なにか…」どきどき

ピンポーン

あゆみ「博士…」どきどき

ガチャッ

博士「お!どうしたんじゃこんな時間に?」

あゆみ「博士、あのね、コナンくんがね、海外に行ってね、でも今ね」

博士「?まぁ、中に入ってまずは落ち着きなさい」

あゆみ「うん…」

博士「で、コナンくんがどうしたんじゃ?もう引っ越ししたろう」

あゆみ「…どこの国へ行ったか知ってる?」

博士「はて…どこじゃったかのう、なにしろ急じゃったから…」

あゆみ「…博士も知らない…」

博士「うん?」

あゆみ「…ねぇ、博士…あの…」

博士「なんじゃ?」

あゆみ「コナンくんと…新一さん…に、似てるよね…?」

博士「!コナンくんと新一くんがじゃと?」

博士「いーや、似とらんよ、新一くんは新一くん、コナンくんはコナンくんじゃ」

博士「(鋭いのう…)」どきどき

あゆみ「…そうだよね…」

あゆみ「コナンくんの居場所…誰も知らないのはどうして…?」

博士「うん?」

あゆみ「みんな…口を揃えて海外海外って…そればっかり…」

博士「それは…ご両親が迎えに来て…」

あゆみ「毛利探偵事務所でもわからなかったの」

博士「うむ…」

あゆみ「なんで…誰も知らないの?知らないで…平気なの?」

博士「…決して平気では…」

でもあゆみちゃんはあのOPのキャプの反復横飛びの残像が再生されて笑っちゃう

あゆみ「今までずっとすぐ近くで暮らしてたのに!」

あゆみ「行き先もわからない引っ越しなんてあるの!」

博士「落ち着いて…」

あゆみ「なんで!コナンくん!コナンくん!」

宮野「どうしたの?博士…あ」

博士「灰…いや、宮野くん…」

あゆみ「え…?」

博士「いや、あの、コナンくんのお友達でな」

宮野「…そう…」

あゆみ「博士…」どきどき

博士「あ、こちらは…宮野くんだ」

宮野「…初めまして」

あゆみ「…(また…)」どくん

博士「ここで研究を手伝ってくれることになったんじゃ」

あゆみ「…」どくん

博士「わしの助手じゃ」

宮野「助手なんかじゃないわ」

博士「そう怒らんでくれ…こちらはあゆみちゃんじゃ」

あゆみ「…(わかる…)」どくん

宮野「あゆみちゃん?もう遅いわよ、お家大丈夫?」

あゆみ「…(この人…)」どくん

博士「そうじゃのう、とりあえずお家に連絡したらどうじゃ?」

あゆみ「…(きっと…灰原さん…)」どくん どくん

宮野「…あゆみちゃん?」

あゆみ「…(コナンくんも灰原さんも…)」どくん どくん

あゆみ「…(海外へ引っ越したんじゃないんだ…きっと…)」どくん どくん

あゆみ「…(新一さんと…目の前の…宮野さん…)」どくん どくん

あゆみ「…灰原さん…?」どくん どくん

宮野「(この子…)」

博士「えっ…?」

宮野「誰?灰原さんって」

博士「そうじゃよ、宮野くんは灰原くんのことは知らんのじゃ」

あゆみ「…灰原さんでしょ?」

宮野「違うわ」

あゆみ「うそ…だって…私…わかるもん」

博士「何を言っとるんじゃあゆみくん」

博士「灰原くんと年もなにもかも違うじゃろう」

あゆみ「大人に…なっちゃったんでしょ…?」

宮野「違うわ、私は宮野しほよ」

博士「そうじゃよ」

あゆみ「だって…灰原さんだもん…なんか…わかるんだもん…」

宮野「…(やっかいね…)」

博士「灰原くんとコナンくんがいなくなって、あゆみくんも寂しいんじゃな」

博士「だからそういうことを考えてしまうんじゃろう」

あゆみ「私…さっき新一さん見て…コナンくんだって…思った…」

博士「!」

宮野「…(工藤くんまで…)」

あゆみ「2人とも…海外へ引っ越して…行き先わからないし…」

あゆみ「大人になっちゃったから…そういうことにしたんじゃないの…?」

あゆみ「お願い…教えて…!」

博士「いや、あゆみくん…そんなことは…」

宮野「いいわ」

博士「な!?」

宮野「教えてあげるわ、本当のこと」

博士「宮野くん!」

宮野「知りたいんでしょう?」

あゆみ「うん…教えて…」

宮野「…江戸川くんのことなら聞いてるわ」

あゆみ「…」どきどき

宮野「ご両親が迎えに来て、今はイギリスにいるんでしょう?」

あゆみ「え…?」

宮野「そして、私は宮野しほ」

宮野「最近ここに来たばかりの研究者、灰原って子は知らないわ」

あゆみ「…そんな…結局それ…?」

宮野「それって?こっちは本当のことしか知らないわよ」

宮野「子供の妄想に付き合ってる暇なんてないの、くだらないわ」

博士「宮野くん!」

宮野「博士は黙ってて」

あゆみ「…」

宮野「だいたいね、本気で私を灰原って子だと思ってるの?」

宮野「ありえないでしょう?」

あゆみ「でも…」

宮野「私はそう感じたんだもん…って?」

あゆみ「…」

宮野「自分が感じたことが全て、そして本当のこと…子供の思いそうなことね」

あゆみ「は…博士は…科学者だし…」

宮野「人の成長を操る薬?発想も本当に子供ね、本当にくだらない」

博士「宮野くん、言い過ぎじゃよ」

あゆみ「でも…本当に…思ったんだもん!」

宮野「ほらね、思ったんだもんってまた言った」

あゆみ「…」

宮野「妄想まくし立てて泣いてちゃ世話ないわ」

あゆみ「博士、私も大人になる薬ほしい」

博士「な、なんじゃと?」

宮野「呆れた…まだ言うのね」

あゆみ「うまく言えないけど…私思ったんだもん」

あゆみ「灰原さんだって…コナンくんだって…」

あゆみ「今もまだ…思ってるもん!」

宮野「ばかね…」

あゆみ「博士、お願い!」

宮野「大人になる薬なんてのんでどうするつもりなの?」

宮野「学校は?友達は?家族は?家は?」

宮野「そういうことも何も考えてないんでしょう」

あゆみ「それは…」

宮野「大人になる薬なんてないけどね、考えが全部子供なのよ」

あゆみ「それでも…いいもん!」

宮野「…」

あゆみ「また…灰原さんやコナンくんと出会えるなら…」

あゆみ「それでもいいもん!家族と会えなくなっても…」

宮野「馬鹿なこと言うんじゃないわよ!」

博士「宮野くん!」

あゆみ「!」びくっ

宮野「家族と会えなくなっても…ですって?」

宮野「それがどういうことかわかってるの?」

あゆみ「…わかって…る…」

宮野「わかってないわ、だからそう言えるのよ、わかってない子供だから」

あゆみ「私は…コナンくんや灰原さんが…好きだから…」

宮野「それで家族と会えなくなってもって?馬鹿よ」

宮野「家族と会えなくなることの意味を重みを、なんにもわかってない!」

博士「宮野くん、相手はまだ子供じゃよ」

宮野「子供だから聞かせるのよ!」

宮野「家族のいる大切さをわかってない子供に!」

あゆみ「…でも…コナンくんも灰原さんも大切なんだもん!」

あゆみ「私には……帰る!」

博士「あゆみくん!」

博士「…どうしたんじゃ哀くん…らしくもない」

宮野「哀じゃないわ、宮野しほ」

宮野「博士、送ってきてあげて…」

博士「うむ…宮野くん休んでたらどうじゃ」

宮野「…早く」

博士「わかった」

ガチャッ

ブロロロ

宮野「…はぁ…」

宮野「灰原、哀…」

宮野「あなたどこ行っちゃったの?」

ガチャッ

博士「ただいま」

宮野「…おかえり」

博士「起きとったのか」

宮野「…あゆみちゃん、泣いてた?」

博士「そりゃもう、可哀相なくらいに」

宮野「そう…」

博士「ありゃ言い過ぎじゃろう」

宮野「いいのよ、あれくらいで」

宮野「もう灰原哀も江戸川コナンも戻ってこないんだもの」

宮野「ここにもう来たくない!ってくらい嫌われた方が」

宮野「すぐ忘れられるから…その方がいいのよ」

博士「じゃがのう…」

宮野「まだ、子供なんだし…引きずらなくていいのよ」

博士「うむ…しかし、あゆみくんは鋭いのう」

宮野「えぇ…」

博士「びっくりした、本当に」

宮野「小さいと言えども女は女ってことね」

博士「うん?」

宮野「女の勘は、女にしかわからないのよ」

光彦「おはようございます、あゆみちゃん」

あゆみ「おはよう」

元太「なんだ、朝から暗いな」

あゆみ「そうかな、大丈夫だよ」

光彦「今日は博士のとこに行きましょうね」

あゆみ「…うん」

元太「博士も灰原のこと知らなかったりしてな」

光彦「そうなるともう迷宮入りですね…」

あゆみ「そうだね」

元太「海外かぁ」

光彦「いえ、蘭さんに聞くと言う手もありますよ!」

あゆみ「うん」

元太「どうせ知らないって言われるだろ」

光彦「わかりませんよ!毛利さんはうっかり屋だから、」

光彦「聞いたことを忘れてるだけかもしれませんよ!」

あゆみ「そうだね」

光彦「しっかり者の蘭さんなら覚えてるかも!」

元太「あんなに浮かれてんのにか?」

あゆみ「そうだね」

光彦「確かに浮かれてますが…」

あゆみ「うん」

元太「あゆみどうした?」

あゆみ「えっ」

光彦「さっきからなんだか上の空ですよ」

あゆみ「あ、ごめん…」

元太「考え事か?」

あゆみ「えと、ちょっとね…」

光彦「あ、先生来ましたね、じゃあまた後で」

あゆみ「うん…」

園子「ら~ん~」

蘭「ん?どうしたの?園子」

園子「かー、相変わらずウキウキねぇ」

蘭「えっ、どうしたのよー」

園子「待ちに待った旦那のご帰還だもんねぇ」

蘭「ちょっ、もう園子!」

園子「はぁーうらやましいわー」

蘭「もう!そんなんじゃないってば!」

園子「あらまぁ必死になっちゃって」

蘭「園子!」

園子「こんなに蘭がウキウキじゃあ、眼鏡のガキんちょもないてるわね」

蘭「え?」

園子「あんなに蘭姉ちゃんに懐いてたのに」

蘭「あぁ、コナンくん」

園子「うそ、もうその程度なの?」

蘭「なにが?」

園子「あのガキんちょいなくなってあんまり経ってないのに」

蘭「そりゃ寂しいけど…」

園子「旦那への喜びの方が強いのね…」

蘭「もう!」

園子「旦那への愛が強いのか、ガキんちょへの愛が薄いのか」

蘭「やめてよ園子!」

園子「やれやれ」

蘭「園子ったら…あ、新一ぃ!」

園子「また旦那のもとへですか」

新一「んー?」

蘭「今日ご飯どうするの?」

新一「あーテキトーに」

蘭「それじゃだめでしょ!もう、作ってあげるから…」

園子「…本当にガキんちょ泣くわね、こりゃ」

児童「帰りのあいさつをしましょう」

児童「先生さよーならぁ」

先生「はい、さようなら」

あゆみ「…」

光彦「あゆみちゃん、行きましょう」

元太「行くぞ」

あゆみ「うん…」

元太「なんだ?行きたくないのか?」

あゆみ「そんなんじゃなくて…決心がつかなくて…」

光彦「決心?」

元太「なんの決心だ?」

あゆみ「あ、えと、行く決心っていうか…」

光彦「大丈夫ですよ、僕らがついてますから!」

元太「そうだぞ、俺たち少年探偵団だろ」

あゆみ「うん…ありがとう」

光彦「じゃあ、行きましょう」

あゆみ「うん…」

元太「博士家にいるかな」

光彦「いると思いますよ」

元太「灰原の保護者だったんだし、知ってるよな、たぶん」

光彦「おそらく…でも博士もうっかり屋ですからね」

あゆみ「ねぇ」

元太「?」

あゆみ「家族と会えなくなるって…どんな感じなんだろう?」

光彦「家族が死んじゃうってことですか?」

あゆみ「死んじゃうっていうか…ただ単に、会えなくなるって…」

あゆみ「あと、友達とか…」

元太「まぁ寂しいだろうな」

光彦「でしょうね、耐えられませんよ」

元太「それにさ、俺たちって、当たり前だけど生まれたときから家族がいるだろ」

光彦「そりゃそうですよ」

元太「家族のいない世界を知らねーじゃん」

あゆみ「…」

光彦「親もお姉ちゃんも僕たちより先に生まれてますからね」

元太「死ぬにしろただ会えなくなるにしろ、やっぱこわいよな」

光彦「寂しいって気持ちが大きいですけどね」

あゆみ「そうだよね…」

元太「思い出の中でしか会えなくなるなんてつまんねーよな」

光彦「元太くん…」

元太「なんだよ」

光彦「元太くんもなかなか言いますね」

元太「うるせぇ」

あゆみ「(思い出の…中…)」

元太「あゆみいきなりどうしたんだよ?」

光彦「なにかコナンくん達と関係があるんですか?」

あゆみ「えっ」

あゆみ「関係あるっていうか…」

あゆみ「コナンくんも灰原…さんも、ずっと家族と離れてて」

あゆみ「…今頃やっと一緒にいるのかなって思ったらさ…」

あゆみ「…寂しいけど、これでいいのかなって…」

元太「あゆみ…」

あゆみ「思い出の中で…会えるし…」

光彦「じゃあもう博士のとこには行かないんですか?」

あゆみ「うん…私が言い出したのに…ごめんね…」

元太「お前が前向きになったらそれでいいよ」

光彦「そうですよ!僕はあゆみちゃんのためなら…」

元太「おっ?」

光彦「…」

あゆみ「ありがとう、元太くん、光彦くん」

あゆみ「またね」

元太「おう」

光彦「また明日!」

あゆみ「…(2人とも…ごめん…)」

光彦「なんか、あゆみちゃん変でしたね」

元太「うーん…」

光彦「大丈夫、ですかね…」

元太「…うーん…」

光彦「元太くん…」

元太「わかんねーけど、たぶん大丈夫だろ」

光彦「だといいですけど」

元太「たぶんな、たぶん」

ピンポーン

あゆみ「…」どきどき どきどき

ガチャッ

博士「あゆみくん…」

あゆみ「博士、大きくなる薬、ちょうだい」

博士「そんなものはないんじゃよ」

あゆみ「…お邪魔します」

博士「あっ、これ、あゆみくん!」

あゆみ「お邪魔します!」

志保「…」

あゆみ「…大きくなる薬、ちょうだい」

志保「…まだそんなこと言ってるの?」

あゆみ「…ちょうだい」

博士「あゆみくん、ないんじゃよ」

あゆみ「ある!」

志保「ないわ、子供の空想を満たすような薬なんて」

あゆみ「あるもん、お願い」

志保「帰りなさい」

あゆみ「だって、新一さんはコナンくんだし…あなたは灰原さんだもん!」

志保「…」

博士「あゆみくん…」

志保「黙って」

あゆみ「わかるの、同じ人だって…」

あゆみ「私、コナンくんが好きなんだもん!」

あゆみ「だから私を大きくして!」

あゆみ「蘭さんと同じステージに立たせて!」

志保「…同じステージ?」

あゆみ「子供じゃ…相手にされないもん…」

志保「わかってるじゃない」

あゆみ「お願い…好きなの…灰原さん…」

志保「…」

あゆみ「コナンくんのいない世界なんてやだよぅ…」

あゆみ「灰原さん…お願い…」

志保「…」

あゆみ「お願い!灰原さん!」

志保「(私を灰原哀って…全然疑ってなんかないのね…)」

あゆみ「お願い!」

志保「(この子…)」

志保「あなたがそんなに、江戸川くんを好きだったなんてね」

あゆみ「は、灰原さん…!」

志保「そうよ、私が灰原哀…今はもう、宮野志保だけどね…」

博士「哀くん…」

あゆみ「やっぱり、やっぱりそうだったんだ…灰原さぁん!」

志保「…言っちゃった…」

あゆみ「灰原さんなんだよね、灰原さん」

志保「そうだけど、違うの、私は元々宮野志保なの」

あゆみ「…?」

志保「灰原哀が大きくなったんじゃないのよ」

あゆみ「だから私を大人にして!」

博士「あゆみくん……」

コナン「おっちゃん……実は俺、新一なんだ」

小五郎「知っていたさ。とっくにな…」

原作この展開絶対あるよな?
なんだかんだで小五郎って登場人物の中じゃ一番強いらしいし
何回も麻酔打たれてたら抗体とか出来てそう

てすてすてすてす

なんだこれ

あゆみ「…宮野志保…」

志保「そう、灰原哀の方が偽名…元々の姿がこれなの」

あゆみ「じゃあ、灰原さん…は…?」

志保「…あなたの言う灰原哀はもういないの」

志保「あなたの言う、灰原哀だった私ならいるけど…」

あゆみ「そう…なんだ…」

博士「哀くんは嘘をついてた訳ではないんじゃ」

あゆみ「わかってる」

志保「…江戸川くんもよ」

あゆみ「…あ」

志保「そういうことね」

あゆみ「じゃあ、もうコナンくんもいないんだね…」

志保「えぇ」

あゆみ「…へんなの」

博士「なにがじゃ?」

あゆみ「どうして…蘭さんは気付かないのかな…?」

博士「新一くんを信じとるからじゃないのか?」

あゆみ「そうかな…」

志保「博士は頭はいいけど所詮男だしもうおじいちゃんだものね」

博士「ぐぬぅ」

あゆみ「…新一さんしか見てないから…」

志保「…でしょうね、盲目的」

あゆみ「それでも、あんなにコナンくんと一緒にいたのに…」

志保「仕方ないわ、私たちじゃなにもできないもの」

博士「よくわからんのう」

あゆみ「…コナンくん…」

志保「…それでも、同じステージに立ちたい?」

あゆみ「えっ」

志保「江戸川くんは工藤新一として元の姿に戻ったのよ」

あゆみ「うん」

志保「毛利蘭の幼なじみというポジションにもね」

あゆみ「…」

志保「あなたが大きくなっても、江戸川くん…いえ、工藤くんにとっては知らない人よ」

あゆみ「…わかってる」

志保「それでも大きくなってみたいの?」

あゆみ「…私は…気付いたもん…」

志保「…」

あゆみ「蘭さんは…気付かなかったけど…私は…気付いたもん」

博士「じゃがのう、あゆみくん…」

志保「博士は黙ってて」

あゆみ「大きく、なりたい」

あゆみ「蘭さんに、私負けない」

志保「(この子…)」

志保「…江戸川くんじゃないのよ?」

あゆみ「…」

志保「今から出会うのは工藤新一よ」

あゆみ「それでもいい、一緒だもん」

志保「…わかったわ」

あゆみ「えっ」

志保「大きくしてあげる」

あゆみ「えっ!」

博士「哀くん!」

あゆみ「えっ、え…いいの!?」

志保「なによ、大きくなりたいんでしょう?」

博士「哀くん、そう簡単に決めては…」

あゆみ「簡単じゃない!」

博士「…むぅ」

あゆみ「本当に…?」

新一「角が生えた幼なじみより、ロリの方が全然いいわ。そのままの君を愛してやんよ」

志保「…なによ」

あゆみ「本当に…大きく…なれるの?」

志保「目の前に証拠があるのに?」

あゆみ「だって、灰原さんが元の姿に戻った薬でしょ?」

あゆみ「わたしは…今が元の姿だもん…」

志保「それもそうね」

あゆみ「…ほらぁ」

志保「でも大丈夫よ、心配しないで」

志保「一度江戸川くんに使ったことある薬だから」

あゆみ「…そうなの」

博士「本気か?2人とも…」

志保「黙ってて」

博士「…」

志保「もう一度聞くわよ、覚悟はあるのね」

志保「どんな結果になっても」

あゆみ「…うん」

志保「わかったわ…」

志保「先に言うけど、1日で効果はきれるから安心して」

あゆみ「1日?」

志保「そう、1日だけ」

あゆみ「なんだぁ…元太くんたちにさよならしてきたのに…」

志保「それくらいして欲しかったのよ」

あゆみ「安心した」

志保「ちょっとつらいだろうけど、我慢してね?」

あゆみ「…?」

志保「…覚悟はいい?」

あゆみ「うん!」

博士「(なんだからぴゅたじゃのう…)」

ぱく

あゆみ「!!!」

志保「…」

あゆみ「うっ…!」

あゆみ「(体がっ、体が熱いよぉぉおお!!!!)」

博士「大丈夫かの…」

志保「まだいたの?早くでてって」

博士「…」

パタン

あゆみ「(ああっ!!!死んじゃう…!?)」

志保「大丈夫、落ち着いて、服脱がすわよ」

あゆみ「~!!!」

裸になって服用しないとあれじゃないか

志保「…あら」

あゆみ「う…うっ…」

志保「…大丈夫?これでも着なさい」

あゆみ「…?」

志保「私の白衣、大きさはどう?」

あゆみ「…(あ、あれ…)」

あゆみ「…ぴったり…」

志保「あなた、綺麗じゃないの」

あゆみ「…え?」

志保「鏡見てみなさいよ」

あゆみ「…(もう大きくなった…?)」

志保「ほら」

あゆみ「…わぁ」

あゆみ「(これが私!?なんか…あれ…)」

あゆみ「か、かわいい…」

志保「自分で言っちゃって…素直ね」

あゆみ「わ、わぁー、足長い!」

あゆみ「思ってたより、スタイルもいい!」

あゆみ「わぁ…灰原さんありがとう!」

志保「いいえ」

志保「こんな可愛い子だったら、工藤くんもなびいちゃうかもね」

あゆみ「わぁ…えへへ…」

志保「明日の、夜までよ」

あゆみ「あ…」

志保「今夜はもう泊まりなさい、ご両親に連絡して」

あゆみ「うん」

志保「明日の学校は…博士がなんとかするわ」

あゆみ「ありがとう、灰原さん」

志保「あなたの気持ちが強いから…」

志保「あなたなら、工藤くんを動かせるかもって、ね」

あゆみ「(灰原さんも…)」

志保「ほら、早く電話なさい」

あゆみ「うん…」

志保「部屋はあっちよ、行きましょう」

あゆみ「…」

志保「あ」

志保「博士ーっもういいわよーっ」

ガチャッ

博士「わしの家なのに…」

あゆみ「どうしよう…大丈夫かな…」

あゆみ「灰原さんは適当に制服っぽい格好してたら大丈夫って言ってたけど…」

あゆみ「やっぱり帝丹高校前じゃ目立つよ~」

あゆみ「ジロジロ見られるし…うぅ…」

あゆみ「早く来てコナンくん…」

あゆみ「違った、工藤くん…」



蘭「もう~新一ぃ~!」



あゆみ「あっ…あれ…来たかな?」

新一「朝からうるせーな」

蘭「なっ…そんな言い方ないでしょー!」

あゆみ「(やっぱり!コナンくんだ!違った、工藤くん!)」

新一「寝不足なんだよ」

蘭「どうせまた推理小説でも読んでたんでしょ!」

あゆみ「(どうしよう…早く声かけないと…)」

新一「いちいちうるせーなぁ…」

蘭「この推理オタク!」

あゆみ「(あ…行っちゃう…待って…!)」

あゆみ「コナンくん!!!」

あゆみ「(あ…)」

新一「…え?」

蘭「…」

あゆみ「(うわぁ、どうしよう!やっちゃった!!)」

あゆみ「いえっ…あの…ちょっと…」

あゆみ「(みんな見てるよ~!)」

あゆみ「ちょっと…知り合いの子に…似てて…びっくりして…」

新一「…へぇ、コナン知ってんの?」

蘭「ちょっと新一…」

蘭「(誰?この女…)」

あゆみ「あっ、うん…」

新一「俺も知ってるよ、メガネの子供だろ?」

あゆみ「うん!そうなの!最近…引っ越して…」

新一「あー…」

蘭「ちょっと新一、遅れるよ?行こう」

新一「それで、俺を見て思い出したの?」

蘭「ちょっと新一!」

あゆみ「うん…えへへ、びっくりさせちゃってごめんね…」

あゆみ「(わたしのバカバカ!せっかくのチャンスなのに!)」

蘭「新一、行こう」

男子「どうしたんだ~工藤~?」

新一「あ?」

男子「お!めっちゃ可愛い子じゃん、新一紹介しろよ」

男子2「お前にはもういるだろ~」

蘭「ちょっと…もう」

新一「うるせー」

あゆみ「(わ、わ、どうしよう…)」

男子「ねぇねぇ、どこ高校?」

あゆみ「えっ、あの…」

新一「お前らどっか行け!」

蘭「(なんなの?新一…そんな知らない子に…)」

新一「ちょっとここ離れようか」

蘭「…!?」

あゆみ「え、いや、あの…学校…は…?」

新一「いーっていーって」

男子「お前、奥さんの目の前でナンパかよ」

男子2「毛利が泣くぞ~」

蘭「…新一…!!」

新一「夫婦でもなんでもねーよ、行こう」

蘭「新一ぃ!!」

あゆみ「わっ…いいの?…怒ってるよ…」

新一「いいからいいから、泣くくらい、コナンのこと寂しいんだろ?」

あゆみ「えっ」

新一「ずっと泣きそうな顔だし」

あゆみ「あ…(ばれてる…)」

新一「思い出話で良ければ付き合うよ、な?」

あゆみ「…ありがとう…」

あゆみ「(コナンくんでも…新一さんでも…)」

あゆみ「(やっぱり、優しいね…)」



男子「可愛かったな~」

男子2「お前あの子知ってる?」

蘭「…知らない」

男子「ばか、お前触れんな」

蘭「…(新一の奴ぅ!)」

蘭「(誰よあの女!知らない女にうつつ抜かして!)」

蘭「(戻ってきたらギッタギタにしてやるんだから!)」

園子「ん~?…どうしたの」

男子「校門前で工藤が知らない女の子と学校サボってどっか行ったんだよ」

男子2「しかもすんげぇ可愛い子」

園子「…それであんな殺気立ってるの」

男子「こえー」

園子「蘭~そうカリカリしないでさ~」

蘭「園子」

園子「まぁ工藤くんには工藤くんなりの付き合いがあるんだから」

蘭「わかってる!」

園子「交流範囲にまで口出せないって」

蘭「そうだけど、勝手なこと言わないで!」

園子「なによ」

蘭「新一は、京極さんみたいなド真面目とは違うの!」

園子「ふ~ん」

蘭「アイツは…お、幼なじみだから…心配なだけで…」

蘭「俺のドリルは天を突くドリルだ」

園子「…わかった」

蘭「園子…」

園子「ちょっとは蘭も頭冷やしな」

蘭「私が?」

園子「そうよ、蘭が新一くんの帰りをずっと待ってたのは知ってるけど」

園子「だからと言って全部を掌握する権利は蘭にはないよ」

蘭「わ、わかってるわよ!」

園子「たとえ、彼女や奥さんでもね」

蘭「…」

園子「じゃ」

蘭「(園子まで…!)」

新一「どうぞ、好きなの選んで」

あゆみ「いいの?」

新一「うん、たくさんしゃべってお腹すいたろ?」

あゆみ「ありがとう、じゃあ…お子様プレ…」

新一「?」

あゆみ「(しまった!今は見た目高校生!)」

あゆみ「ートの国旗可愛いよねぇ!私ハンバーグセット」

新一「わかった、ライスでいい?」

あゆみ「うん」

新一「すみませーん」

あゆみ「(私…なんか自然にしゃべってる…嬉しい!)」

新一「さてと、注文OK」

あゆみ「あ、ありがとう…」

新一「いえいえ」

あゆみ「…えへへ…」

新一「(この子…可愛いな、なんか…)」

あゆみ「…?」

新一「(純粋な感じが…)」

あゆみ「どうしたの?工藤くん?」

新一「あ、いや…」

新一「(でも、油断はできない…)」

新一「(俺…コナンの知り合いにこんな子はいなかった…)」

あゆみ「(なんか…見られてる?)」

新一「あのさ」

あゆみ「はいっ」

店員「お待たせしました、ハンバーグセットのお客様」

あゆみ「あ…はい」

店員「どうぞごゆっくり」

あゆみ「あ!国旗!」

新一「あぁ、さっき店員さんに頼んだんだ」

あゆみ「うそぉ…嬉しい!ありがとう!」

新一「いやいや」

あゆみ「えへへ、おいしい」

新一「良かった」

あゆみ「…えへへ」

新一「君は…誰?」

あゆみ「えっ」

新一「本当に、コナンの知り合い?」

あゆみ「…うん…」

新一「本当に?」

あゆみ「…本当…」

新一「…」

あゆみ「私、あやしい?」

新一「いや…」

新一「(正直…あやしい…けど…)」

新一「(なんか、この子…すごく気になる…)」

新一「(って何やってんだ俺…)」

あゆみ「…ごめんなさい」

新一「ん?」

あゆみ「ごめんね…」

新一「なにが…」

あゆみ「…ありがとう、短い時間だったけど…楽しかった…」

新一「えっ?あっ」

あゆみ「ありがとう…忘れないから…」

新一「ちょっと、待って!」

ガシャァン

新一「アッチィ!!」

カランカラン

新一「あちー!行っちゃった…」

新一「なんだ?なんだってんだ?」

新一「いや、探すしかねぇ…!」





あゆみ「あ~もう私のバカ!」

あゆみ「コナンくんの名前出しちゃうからこうなるのよ!」

あゆみ「…でも…嬉しかったな…」

あゆみ「国旗、なんて…」

蘭「あ」

あゆみ「…あ…」

あゆみ「(うわ、やばい!)」

蘭「ちょっと!」

あゆみ「はい…」

蘭「あの、新一の知り合い?」

あゆみ「えと…コナンくんの…」

蘭「今まで新一とどこにいたの?」

あゆみ「えと…」

蘭「私、新一の幼なじみなんだから、嘘つかないでよ?」

あゆみ「あの…ただ、しゃべって…」

蘭「(なんなの…?)」

蘭「…新一は?」

あゆみ「…さっき別れました…」

蘭「別れたって!?付き合ってたの!?」

あゆみ「ち、違います…」

あゆみ「(こわいよぅ…)」

蘭「新一は?」

あゆみ「わ、わかんないです、さっきバイバイしたから…」

蘭「…そう」

あゆみ「(うわぁ~見られてるよぅ~)」

蘭「(可愛い…?どこが)」

蘭「とにかく、もう新一には近づかないで」

あゆみ「…はい」

蘭「わかってる?」

あゆみ「わかってます…」

蘭「もう会わないでってことよ」

あゆみ「…どのみち…」

あゆみ「もう、会えないもん…」

蘭「…ちょっと」

あゆみ「…(工藤…新一…くん)」

蘭「ちょっと!聞いてるの!?」

あゆみ「きゃっ」

新一「蘭!」

蘭「新一!」

あゆみ「あ…(みつかっちゃった…)」

新一「お前何してんだよ」

蘭「し、新一が心配だったから…新一の場所を聞いてただけよ…」

新一「こんなにびくびくさせてか?」

蘭「!?(この子をかばうの!?)」

新一「大丈夫か?」

あゆみ「あ…はい…」

蘭「この子、最初からこうだったわよ」

蘭「私びくびくさせてないから!」

新一「蘭、あっち行っててくれ」

蘭「な!?」

新一「ききたいことがあるんだ…お前がいちゃ話にならない」

蘭「な…なによ…!」

蘭「そんな知らない子になに聞くっていうのよ!」

あゆみ「(どうしよう…けんかしてる…)」

あゆみ「(私のせいで…)」

新一「静かにしろ、蘭」

蘭「…!(泣けばいいと思ってるんじゃないの!?)」

あゆみ「ご、ごめんなさい…」

新一「大丈夫だから」

蘭「もう!知らない!バカ新一!!!!!」

蘭「(バカバカバカバカバカ!!!)」

あゆみ「…ごめんなさい」

あゆみ「私のせいで…誤解させちゃって…」

新一「大丈夫だよ、あいつはちょっと、思い込みが激しいだけだから」

あゆみ「そう…」

新一「それより…本当にコナンの知り合い?」

あゆみ「…」

新一「俺のこと…本当に知らない?」

あゆみ「…新一くんのことは…知らない…」

新一「…」

あゆみ「…(あ…)」

新一「…あのさ」

あゆみ「…(ち、近いよぅ~…なんで!)」

新一「連絡先、教えて」

あゆみ「え?」

新一「あの、また、コナンのこととかさ…」

あゆみ「(新一くん…)」

新一「だめかな?」

新一「(とりあえず、今は連絡先を…って、俺…)」

あゆみ「…」

新一「…」

あゆみ「だめ…」

新一「えっ」

あゆみ「だめだよ、もう…会えなくなるのに…」

新一「会えなくなるって…?」

あゆみ「…ごめんなさい」

新一「どういうこと?」

あゆみ「私…本当にコナンくんの知り合いだよ」

あゆみ「でも、新一くんのことは…今日まで知らなかった」

新一「…」

あゆみ「今日、本当に楽しかった、ありがとう」

新一「本当にもう会えない?」

あゆみ「うん…私には会えないよ…少なくとも10年くらい」

新一「10年?」

あゆみ「ありがとう!さようなら!」

新一「待って!」

あゆみ「蘭さん!待たせてごめんね!お幸せに!」

蘭「!(バレてた…)」

新一「蘭!?」

あゆみ「(さよなら…)」ダッシュ

新一「ちょっと待って!」

蘭「新一、もうさよならって言われたじゃない」

新一「あ…」

蘭「ほら、行っちゃったし、ね?」

新一「…コナンの知り合い…」

新一「あと10年会えない…少なくとも…」

新一「…10年…私に会えない…「私」に…?」

蘭「もう、なにブツブツ言ってるの新一」

ピ──── 新一 ────ン!!

新一「そうか、わかったぞ!」

蘭「なにが?」

新一「…やってくれるよなぁ…灰原…」

新一「確かに、あと10年は会えないな…」

蘭「なに言ってるの」

新一「…いや、まぁ…」

新一「10年ありゃ、いろいろあるだろ」

新一「待っとくか、一応な」

蘭「もう、私…もう待てないんだからねっ新一ぃ!」





あゆみ「はぁ…はぁ…」

ピンポーン

一方、小学校では

元太「なんで博士があゆみの席に座ってんだよ」

博士「ワ、わたし、あゆみよ」

志保「…おかえり」

あゆみ「た、ただいま…」

志保「走ってきたの?」

あゆみ「ちょっとね…」

志保「どうだった?工藤くん」

あゆみ「えっ…」

志保「会ったんでしょ」

あゆみ「うん…すごく、素敵だった…」

志保「そう」

あゆみ「コナンくんだけど…コナンくんじゃなくて…」

あゆみ「新一くんだけど…時々コナンくんも感じたの」

志保「(新一くん、ねぇ…)」

あゆみ「すごく…楽しかった…」

志保「そう」

あゆみ「夢みたいだった…」

志保「…そろそろ時間ね」

あゆみ「灰原さん…ありがとう…」

志保「いい夢見れたならなによりよ」






数日後

ピンポーン

志保「…博士ー」

志保「いないのね…」

ガチャッ

志保「…あら」

新一「よっ」

志保「あの子ばらしちゃったのね」

新一「最後の最後にな」

志保「まぁあの子らしいわ」

新一「びっくりしたぜ、ほんと」

志保「綺麗で?」

新一「それもあるな、もう蘭がカンカン」

志保「あら、そんなに?」

新一「あぁ」

志保「それで?何の用?」

新一「いや…幼なじみって、みんな、いろいろ言うけどさ」

新一「家族みたいな感じなんだよ、俺にとってはもう」

志保「それで?」

新一「だから…まぁ…とりあえず、二十歳になるまでは待ってるってこと」

志保「…」

新一「そう伝えといてくれよ、な?灰原」

志保「人を伝言板代わりにしないことね」

志保「自分で直接言いなさいよ」

新一「だって、最後まで言わなかったってことは会いたくないってことだろ?」

志保「…名探偵の名が泣くわね」

新一「なんだよ」

志保「別に、女心はさっぱりなのね」

新一「うるせー」

新一「いや、やっぱり言わない方がいいか…」

新一「むこう十数年縛っちゃうもんな…」

新一「あーわかんねー」

志保「…彼女が大人になるまで、私が相手してあげましょうか?」

新一「はぁあうぃえ?」

志保「…冗談よ」

新一「びっくりさせんなよ」

志保「…」

新一「やっぱ…言わないでいい、うん」

新一「十数年ありゃ…いろいろかわるもんな…」

志保「いいの?」

新一「あぁ、勝手に待っとくよ」

新一「推理や考え事でもして過ごしとくさ」

新一「名探偵だからな」

志保「ばか」

○年後

園子「どうしたの蘭?元気ないわね」

蘭「元気なんてでないわよ…」

園子「ふ~ん、新一くんは?」

蘭「…来ないって」

園子「ちっ、ドレス姿見せたかったのに」

蘭「なんかデジャヴ…」

園子「それで元気ないのね~」

蘭「はぁ…」

園子「いい機会じゃない、周り見なさいよ」

蘭「え~?」

園子「蘭はずーっと新一くんばっかり見すぎたのよ」

蘭「…」

園子「もっと周り見て、視野広げなさいよ」

蘭「…そうね」

園子「以上、花嫁からのアドバイスでした」

蘭「…園子、おめでとう…本当にきれい」

園子「えへへ…」

京極「(園子さん…!!美しい…!!)」

蘭「…新郎もほら、隙間から見てるし…」

園子「真さんったら…」

蘭「(いいなぁ~)」

園子「というか、新一くんなんで来ないの?」

蘭「知らない、誰かの誕生日なんじゃない?」

園子「そうなの?」

蘭「ケーキ買ってたし」






ピンポーン

新一「…」

ガチャッ

新一「…待ってた」

あゆみ「…うん」

新一「二十歳の誕生日、おめでとう」

「一角獣殺人事件」

終わりのつもりだった。尻切れごめんなさい。
↓おまけend

あゆみ「ありがとう…」

新一「…」

あゆみ「…」

新一「入って」

あゆみ「うん…」

新一「俺、もうおじさんだろ?」

あゆみ「ううん」

新一「…」

あゆみ「10年以上経って…やっと会えたね」

新一「あぁ」

あゆみ「もう…海外、行かないでね?」

新一「行かない、約束する」

あゆみ「…えへへ…」

end

光彦「コナン君童貞じゃないんですか!?」

コナン「ああ!ハワイで親父にな!」

>>497
みてみたら内容気になりすぎワロチ
ちょっとOVA借りてくるかな

>>583
前後もあるだろ

>>553だけど…
蘭endにしなかったのは、幼なじみ同士くっつくのがいやだったんだ
好きな人に異性の幼なじみいてちょっと嫉妬してしまうから
このSSで「乙」とか「楽しかった」とか言ってもらえて嬉しくて、
ついでになんか言えそうな気分になったから告白してくる
やる気と勇気をありがとう
こっそりお礼

さらに応援まで…本当にありがとう
結果報告する
とりあえず5分ドライブこぎつけた
今来るの待ち
遅い

>>591
久々にIDで元素記号集めようか

ちょっとこのスレ来てくれないか

このスレの流れ完全ガイド

スレ序盤
「構ってちゃん死ねよ」「なんでVIPに立てるの?」「興味ないです」「日記にでも書いてろカス」「リア充死ね」「塩こそ至高」 ←いまここ
しばらく叩きが続いた後
「俺は聞くぜ」「聞いてやるから早く話せ」「書き溜めてこいよ」←こいつらがID真っ赤にしてスレに居座る

スレ中盤
「ちょwwwワロタwwww」「テラ武勇伝wwwwwww」「日付変わるから酉頼む」
「俺も似た経験有るわ・・・or俺の場合は・・・(以下こいつも自分語り)」×複数

電話「今北産業」 →>>1の話が終わる→「乙!これからも頑張れよwww」「乙」「またスレ立てて近況報告してくれよwww」

↓ここで分岐
>>1「残ってたら結果報告するわ」
保守の嵐
「おいまだ来てねえのかよ」
「保守」「ほ」×多数

>>1戻る
>>1「ただいま 保守サンクスwww」
「お帰り」「戻ってきてたwwww」

しょうもない話を少々誇大して>>1が語って 終 わ り
運が悪いスレの場合パー速にスレが立つ

どうしたらいいのか…もう終わってしまった
振られたかどうかわかんない
グレーゾーン…

整理もかねて報告

メールでドライブをこぎつけた
セブンのデザートが欲しいとのことで買う
ついでにおまけのデザートも買う
>596書いた後に合流
すぐにデザート渡す

「2つもいいの?ありがとう」
「私これすごく好きなのー」
「今もう食べていい?」
とニコニコしながら言ってるの見てたら、
「好きです、付き合ってください」
ってなんか自然と言っちゃった

そしたら「えっ?あっ?…た、食べられない…」
って言い出して、キョロキョロして、
「ドキドキが大変なことに!緊張!」
って言い残して、車から降りてった

書いてたら振られてる気がしてきた…
ショック

>>598
行ってきました

俺も脈なしだと思う…フォローないし
ドキドキしてたのはこっちだよ

友達としての期間が長かったから、空気壊したくないっての当たってるかも…
そして携帯にフォローのメールは入りません、うぉぉおお

22歳って若い方?もう流す歳?
大学4年って考えたら、流す歳かな…

メール来てて…まとまりました。

さっきはごめんね、もう帰っちゃったよね?
本当に本当にごめんなさい

といったメールから始まって、今まで全く男として見てなかったとw
だからついびっくりしすぎてしまったとw
でもこれからは男として見るから、またドライブ誘ってとw
ゆっくりゆっくりでお願いしますとw

7年…長かった…
おぉぉおお神よ!!!!!!!
みんなよ!!!!!!!
ありがとう!!!!!!!
これからまた頑張る!!!!!!!

つまりオッケーだったのか!!、!
よかったなぁ!!!wwwww
いや、ホント変わった女もいるんだなwwww
大切にしてやれよ!

夜中だけど踊り出したいくらいだw
コナンよありがとう!SSありがとう!
レスありがとう!セブンありがとう!
デザートありがとう!車よありがとう!
うぉぉおおおwww

>>619
いや本当変w普通ではなかったw
大切にするわ、ほんとありがとう!

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