マミ「まもののエサよ!」(459)

──魔女結界

ゲルトルート「アー」ドーン

マミ「あれが魔女よ」

さやか「うわ……グロっ」

マミ「そんな事言わないの。魔女とだってお友達になれるんだから……今からそれを見せてあげるわ!」

まどか「え?え?」

マミ「はっ!」ブン

さやか「あれ……肉!?」

マミは ゲルトルートに まもののエサをあたえた。
ゲルトルートは すこしだけ マミになついた!

ゲルトルート「~♪」モグモグ

マミ「おいしい?よかった……今よ!グリズリー!もろばぎり!」

グリズリー「クマー!」ザシュッ!

ゲルトルート「!?」ズズゥ……ン

まどか「あ……あれ?友達になるんじゃ……。」

マミ「これでいいのよ。殴り合った先に真の友情が成立するの」

ゲルトルート「……!」グググ

さやか「魔女が立ち上がった!」

マミ「もう大丈夫よ。仲間になりたそうな目でこちらをみているわ」

ゲルトルート「……。」キラキラ

さやか「目!?どこが目なんですか!」

ゲルトルートは なかまになりたそうにこちらをみている……。

マミ「さあよろしく、あなたは今日から私たちの仲間よ」

ゲルトルート「~♪」

ゲルトルートが なかまになった!

さやか「スルー!?」

まどか「景色が戻っていく……。」

マミ「彼女が私たちの仲間になったからね」

ゲルトルート「~」フリフリ

マミ「へぇ、ゲルトルートっていうのねあなた」

さやか「言葉わかるんですか?」

マミ「ええ……はっ!」

バギュン!

ゲルトルート「!?」チュイン

まどか「な……何!?」

ほむら「魔女から今すぐ離れなさい……危険よ」

マミ「この子はもう私たちの仲間よ。危険なんかじゃないわ!」

さやか「い、いきなり拳銃撃つなんて……本物だよね、あれ」

ゲルトルート「──!」プンプン

ほむら「仲間?なにを言っているの……あなたは」チャキッ

マミ「危険ではないと証明するしかないようね……ゲルトルート、あなた魔女ならアレできるわよね?」

ゲルトルート「~!!」シュンシュンシュン……。

ほむら「……!」

まどか「ま、魔女が……ちっちゃくなっちゃった!」

マミ「これで私が魔女と意志疎通できること、彼女が無害なことは証明されたはずよ。それでも満足できないなら……こちらもそれなりの対応をとらせてもらうけど?」

グリズリー「クマー」

ほむら「……わかったわ。しかしその魔女が危険を及ぼすことがあったら、私は容赦しない」タタタッ

マミ「行ってしまったわ……まあ、信用してもらえないのも無理はないわね」

まどか「信用してもらうのが難しいって……魔女がそばにいることですか?」

マミ「それもあるけど……本来、魔法少女は魔力を使うとソウルジェムが濁っていくわ。そこで、魔女を倒すことで魔女の卵『グリーフシード』を得て、ソウルジェムの穢れを取り除くの。」

さやか「でもマミさん、魔女倒さないで仲間にしちゃいましたよね」

マミ「そう、そこが問題なの。私のグリーフシード回収方法はちょっと特別で……だから他の魔法少女には誤解されてしまうの」

まどか「特別?」

マミ「まあ……明日教えてあげるわ」

──翌日、校舎裏

中澤「あ、あの……話って?」

マミ「えっとね、これ……食べて」

中澤「に、肉……?」モグモグ

マミ「……ティロ・フィナーレ(物理)!」ゴスッ

中澤「うぐっ!」バタッ

マミ「……私、これから行くところがあるの……ついてきてくれる?」

中澤「つ……ついていかせてください!」

なかざわが なかまになった!

──マミ家

マミ「さてと、これから二人に説明しなきゃね」

まどか「ちょ、ちょっと待って……なんで中澤くんがいるんですか?」

マミ「あれ……知り合いだった?今回は彼の協力も不可欠なの」

さやか「協力って……!」

中澤「がんばります!マミさん!」

マミ「いい心がけね、じゃあ早速いくわよ」

ゲルトルート「~。」モジモジ

中澤「!?」

まどか「あ……!」

さやか「(魔女……マミさん、何で?)」

マミ「中澤くん……この子、どんな風に見える?」

中澤「か、かわいいです……すごく」ドキドキ

まどさや「!?」

マミさんSSで良作しらない?

マミ「どんなふうに?」

中澤「とても上品そうで……でも年は僕と同じくらい、ですかね……。」

まどか「マミさん、中澤くんはどうしちゃったんですか?」

マミ「中澤くんは私の友達になったの。そうすると、魔女の本当の姿……魔女になる前の姿が見えるようになる」

さやか「魔女に、なる前……?」

マミ「実は……魔女の正体はソウルジェムが濁りきった魔法少女だったのよ!」
まどさや「な、なんだってー!」

ゲルトルート「~~///」カアァッ

マミ「あらあら……中澤くん、彼女、恥ずかしがっちゃったわよ?」

中澤「え!?あっ……ごめん」

ゲルトルート「──」

中澤「いやいや、お世辞じゃないよ……僕は中澤っていうんだ、よろしく」

さやか「か、会話してる……。」

ゲルトルート「~~」モジモジ

中澤「え?『そんなこと言われるの初めてだから照れちゃった?』意外だな……。』

ゲルトルート「──」

中澤「家の人以外の男との接点があんまりなかったんだ……なるほどね」

マミ「話が盛り上がっているところ悪いけど……ちょっと場所を移すわよ」

まどか「え?どこにいくんですか?」

マミ「命が産まれる場所……『ほしふりのほこら』」

──ほしふりのほこら

QB「やあマミ!はいごうするのかい?」

さやか「あれ!?アンタこの前の……!」

まどか「キュゥべえ!」

マミ「キュゥべえはほしふりのほこらの管理もしているの」

QB「まどか、美樹さやかと一緒のようだけど……同性のはいごうはできない」

まどか「え!?ち、違うよ!」

マミ「今日は彼らをはいごうしたいの」

QB「なんだ……『なかざわ』と『ゲルトルート』をはいごうするんだね?一度も見たことのない魔物が生まれそうだよ!」

マミ「はい」

QB「はいごうには一晩かかるけどいいかい?」

マミ「はい……さあ二人とも、この部屋に入って」

中澤「え?は、はい……。」

ゲルトルート「……。」

バタン

まどか「マミさん、あの部屋……なんですか?」

マミ「聖なる部屋よ。二人はこれからあそこで一夜を過ごすわ……そして、部屋の中にはHな気分になるお香が焚かれている。二人きりの男女に……何も起きないはずないでしょ?」

さやか「それ、聖なる部屋っていうより性なる部屋じゃ……。」

マミ「思ってても言わないの。さあ、もう朝までやることがないから、二人は明日の朝早くにここに来なさい」

まどか「はい……。」

マミ「気をつけて帰るのよ」

じいさん「おなじ せいべつ どうしでは はいごう できんぞ!」
ほむら「チッ・・・・・・」

中澤「け……けっこう狭いな」
ゲルトルート「……。」

中澤「あ、あの……さ」
ゲルト「……中澤くん、も?」
中澤「……やっぱり、君も?」

ゲルト「う、ん……私、身体が変……熱いの。でもどうしたらわからなくて……!」

中澤「ゲルトルートちゃん……!」

ゲルト「中澤くん……お願い、近くに、いて」ギュッ

中澤「な、な……!で、でも僕たち、会ったばかりだから!こういうの、あの、その……!」

ゲルト「……私ね、人間じゃないんだ」
中澤「え……?」
ゲルト「人を惑わし、不幸にする魔女。でも……久しぶりに人間の男の子と……中澤くんと喋って、私、幸せな気分になっちゃったの」

中澤「……。」
ゲルト「私は不幸を呼ぶ魔女なの。本当は中澤くんと一緒に楽しくなる権利なんてないはずなのに……!」
中澤「魔女とかどうとか……君は君なんだから、そんなのはどっちでもいいんじゃないかと!」ガバッ
ゲルト「きゃ!?」

中澤「一目惚れだ。付き合ってくれ」

ゲルト「は……はい!」

>>13
マミ「燭台壊してハート稼ぐのは一苦労ね」とか
マミ「タッチ!」パァン ドンキー「ホッホッホッハッハッハ」とか
マミ「悪いけど、一揆に決めさせて!」とか

──翌朝、ほしふりのほこら

まどか「おはようございます、マミさん」

マミ「よく来たわね二人とも。さあこれを見て」

さやか「扉が……開いてる?」

マミ「あの二人はどこかに去っていったわ。これを残してね」

まどか「これは……?」

マミ「黒くて小さい方はグリーフシード、魔女の卵。そしてこの大きな卵は……二人の愛の結晶よ」

さやか「え!?まさかそれって……!」

QB「二人の子供さ。孵化には一晩かかるけど、孵化するかい?」

マミ「はい」

さやか「魔女の卵と二人の産んだ卵は……何が違うんですか?」

マミ「いいところに気づいたわね。グリーフシードはゲルトルートが魔女として抱えていた絶望の結晶。これが絶望で満たされると魔女が産まれる。でももう一つは……幸せの結晶よ」キリッ

え、あ……はい

中澤くんはどこに行ったんだろう…。

>>38
円環の理に導かれたんだろ

QB「彼女は今、絶望から希望を、幸福を見出した……その感情の相転移は強いエネルギーを生む。今は魔女でも魔法少女でもない……普通の少女に戻っている」

マミ「そう。魔女になってしまった魔法少女を希望で満たし、普通の女の子としての幸せを見つけてあげる……それが魔法少女としての私の使命なんだと思う」

まどか「すごいや、マミさん……!」

マミ「もっとも、今回みたいにアッサリいくケースは稀だけど……。」

さやか「ということは今までに何件も解決してるんですね!さすがマミさん!恋愛相談の達人!」

マミ「や、やめてよ……照れるわ」

まどか「そういえば、中澤くんは?」

マミ「卵を残してどこかに去っていったわね……。いくら普通の女の子に戻ったといっても、魔法少女は戸籍の上では行方不明、もしくは死亡扱い。二人で一緒にいれる場所を探しにいったのよ、きっと」

まどか「(学校どうするんだろう……。)」

──翌日、学校

キーンコーンカーンコーン

早乙女「昨日から中澤くんが家に帰ってないそうです。誰か何か知ってたら先生に教えてくださいね?」

まどか「……さやかちゃん」

さやか「……言わないでいてあげようよ」


──放課後、校門前

まどか「あ、マミさん」

マミ「あら二人とも、待っててくれたのね」

さやか「だって今日、あのタマゴが孵化するんですよね!一緒に見に行きたいと思って!」

マミ「ふふ、そうね……行きましょうか」

男子A「あ、巴さん、お帰りですか?」
男子B「お疲れ様です巴さん!」
男子C「おいおまえら、巴さんのお帰りだぞ!道をあけろ!」
男子連中「応!」ザザザッ

まどか「……ま、マミさんって男子に人気なんですね」

マミ「念のため……『友達』は多めにいるから」

──ほしふりのほこら

マミ「キュゥべえ、卵の様子はどう?」

QB「丁度いいところに来たね。もうすぐ産まれるよ、ほら」
まどか「あ……タマゴが、孵る……!」

パキパキパキ……パカッ!

子供「ピキー!」

さやか「わ……か、かわいいじゃん」

QB「どうやら元気な女の子のようだね。名前をつけてやってくれないか、マミ」

マミ「そうね……ゲルトルートと中澤くんの子供だから、『ゲル澤』ね。よろしく、ゲル澤」

ゲル澤「ピキー!」

まどか「うわぁ……。」

さやか「それで、これからどうするんですか?」

マミ「そうね……ゲル澤をはやく実戦慣れさせたいし、そろそろパトロールに行かなきゃね」

まどか「生まれたばっかりのゲル……この子だけで大丈夫なんですか?」

マミ「いえ、グリズリーもいるから、もしもの時はお願いするわ」

グリズリー「クマー」

さやか「……こいつも、魔女の子供なんですか?」

マミ「そうだとも言えるし、そうでないとも言えるわ。魔女と人間がまぐわって生まれた子供のことを『魔物』というの。魔女でも、人間でもない存在。でもこの子だって魔女や私の友達から見れば普通の男の子なのよ」
グリズリー「クマー」

まどか「(熊にしか見えない……。)」

──病院前

マミ「キュゥべえのしっぽが反応してる……魔女が近くにいるわね!」ピコンピコン

さやか「マミさん!あれ……!」

マミ「グリーフシード……孵化しかかっているわね、これが孵化したら多くの人が結界に巻き込まれてしまう……いくわよ!」ギョイーン

まどさや「「はい!」」

マミ「急がないとね……病院で結界が開いたら悲惨よ。多くの人が犠牲になる」

さやか「(病院……恭介──!)」

まどか「さやかちゃん?」

さやか「なんでもない……。」

ほむら「待ちなさい、巴マミ」
さやか「!?」
まどか「ほむらちゃん!」

マミ「……暁美さん?」

ほむら「手を引きなさい。今回の魔女は今までとわけが違う」

マミ「……悪いけどそうも言ってられないの。急がないと多くの人が犠牲になることくらい、あなたにもわかるでしょう?」

さやか「そうだ!こっちは急いでるんだよ!」

ほむら「……人々の安全は私が保証するわ」

マミ「そう簡単に……信用できると思って?ゲル澤!」

ゲル澤「ピキー!」シュルシュルシュル

ほむら「何!?これは……動けな……!」ビシッ

マミ「やったわねゲル澤!初仕事なのによく頑張ったわ!」
ゲル澤「ピキー!」

マミ「さあ、いくわよみんな!」

さやか「はい!」

マミ「ゲル澤、この調子で頑張ってね」ナデナデ

ゲル澤「ピキー!」

まどか「……。」


ほむら「ちょ、待ちなさい!待……!」

スタタタタタタ

ほむら「(ゲル澤って、何よ……。)」

──魔女の部屋

シャルロッテ「……。」

マミ「魔女……来たわね」

さやか「あれが、今回の……。」

ゲル澤「ピキキー……。」

マミ「大丈夫よゲル澤、使い魔を倒してあなたのレベルも上がっているわ」

ゲル澤「ピ……ピキキー!!」シュババババ!!

まどか「鋏!」

マミ「うまい、360°に張り巡らせれば……避けられないわ!」
シャルロッテ「……。」ドスドスドスッ!

さやか「いった!」
ズ ル リ ……!

まどか「え……?」
マミ「しまった、本体は別に……!避けて、ゲル澤!」

ゲル澤「ピキ……!」ガタガタ

マミ「(ダメ……間に合わない!)」

──ブシュッ

マミ「……え?」

ゲル澤「ピ、キ……?」

シャルロッテ「ア、ア……!」ブシュウ……!

さやか「ゲル澤は無事だ!」

さやか「あ、あれ!あれは……!」

マミ「……ふふ、そうね……一人だけいたわね。誰よりも速く動ける人が……!」

グリズリー「クマー!」

マミ「『しっぷうづき』……良く、間に合ってくれたわ」

ゲル澤「ピキ……。」
マミ「ゲル澤、あなたはもう下がって……よく頑張ったわ」ナデナデ

シャルロッテ「──!」グワッ!

グリズリー「クママー!」ガシッ!

まどか「グリズリーが……魔女のアゴを押さえた!」

マミ「チャンス!」ポイッ

マミは まもののエサを シャルロッテにあたえた。
シャルロッテは すこしだけ マミになついた!

マミ「逃げて、グリズリー!」

グリズリー「クマッ!」ササッ
ガチン!

シャルロッテ「~♪」モグモグ

さやか「間一髪……。」

マミ「仕上げよ!ティロ・フィナーレ(物理)!」ボゴ!

グリズリー「クマー!」ザシュッ!

シャルロッテ「──!」ズズ……ン

まどか「た……倒した」

シュウウウウ……。

マミ「あ、魔女が消えていく……ダメだったかしら」

さやか「ダメ?」

マミ「魔女は必ず仲間になるわけじゃないのよ。こうやってそのまま消えることもある」

まどか「そうなんだ……。」

ピョコッ

マミ「……ん?本体が出てきた、小さい身体の方が起き上がって……!」

シャルロッテは なかまにしてほしそうに こちらをみている。

マミ「あ……!」パアァッ

さやか「やりましたね!マミさん!」


シャルロッテが なかまになった!

マミ「さあ、結界を閉じて……お願い」
シャルロッテ「……。」バッ

シュウウウウ……。

さやか「おぉ、景色が戻っていく……!」

ほむら「巴、マミ……あなた」ググッ

マミ「暁美さん。この魔女はもう私の友達よ。危害を加えないと約束するなら、拘束を解いてあげるわ」

ほむら「……わかったわ」

マミ「話が早くて助かるわ……ゲル澤」

ゲル澤「ピキー」シュルル……。

ほむら「魔女と意志疎通をするなんて有り得ない……巴マミ、あなたは一体……?」

マミ「……そうね、いい機会だから話しておきましょうか。私が魔法少女になったときの話を」

まどか「え……?」

マミ「私ね、交通事故に遭ったの……そのせいで両親は死んだ」

まどか「え……!?」

マミ「私は奇跡的に生き残ったけど、学校のみんなは全員私に気を遣ったり、距離を取ったりして……私はそれに耐えられなくて、気づいたら一人になってた」

さやか「そんな……。」

マミ「頼る人もいなくって……どうしたらいいか分からなくなったとき、キュゥべえが私のところにやってきた。だから契約したの」

ほむら「……どんな願いを?」

マミ「『こんな寂しい思いは、もういやだ……幸せになりたい』って」

まどか「それで……。」

マミ「ええ。私は人間界から隔絶され、孤独な魔女を縁結びする能力を手に入れたの」

さやか「マミさんにそんな過去が……!」

マミ「まあ、願いが叶ったかって言われると……正直、微妙なところだけど」

まどか「え?」

マミ「確かに魔女と友達になれるし、何時でも側に誰かいるから……孤独ではなくなったわ、でも……結ばれた魔女は、みんなどこか遠くに行ってしまうの。友達を幸せにするためには、別れなければいけない……辛いわよ、結構」

さやか「あ……。」

マミ「それに魔女を殺さない私の能力は、他の魔法少女とは噛み合わない。魔法少女との協力も成り立たないの」

ほむら「魔女を倒さなければ……グリーフシードは手に入らないものね」

マミ「だから……私の側には誰も残らないの。結局、ひとりぼっちなのかな……私」

まどか「……そんなことないです!」

マミ「え……?」

まどか「私たちがいますよ……ほら、私とか何の取り柄もないけど魔法少女でも魔女でもないから、マミさんのところからいなくなったりしないですし……。」

マミ「鹿目さん……!」ウルッ

まどか「ね?さやかちゃん」

さやか「え?あ、うん……。」

まどか「……?」

ほむら「(巴マミ……どうやら今回の彼女は、相当なイレギュラーのようね)」

──翌日、上条恭介の病室

上条「治らないんだよこの腕は!奇跡でもない限り!」

さやか「……あるよ!奇跡も魔法もあるんだよ!」

──ほしふりのほこら

QB「やあマミ、今日はなんの用だい?」

マミ「はいごうをお願いしたいの」

まどか「はいごう?もしかして……その二人ですか?」

マミ「ええ、ゲル澤とグリズリー……昨日ゲル澤が助けられてから、どうも妙な雰囲気になったらしくって……。」

ゲル澤「ピ、ピキ……///」

QB「グリズリーとゲル澤をはいごうするのか。一晩かかるけどいいかい?」

マミ「はい……そういえば美樹さんは?」

まどか「上条くん……幼なじみの男の子のお見舞いだって」

マミ「……ふーん」

QB「さてと……僕はちょっと仕事だ」ピョコン

マミ「また契約?そんなことしなくても私がこうしてるだけでエネルギー得られてるんでしょう?ほどほどにしなさいよ」
QB「そういうわけにもいかないよ、まだまだ回収ノルマには全然届いていないからね。悪いけどほしふりのほこらを見ていてくれ」

マミ「わかったわ」

QB「そうそう、まどかも……気が向いたら契約してくれないかな」

まどか「え!?私は、しないよ……絶対に」

QB「それは残念だ。それじゃ」スッ

まどか「……約束したもんね、マミさんと」

マミ「え……?」

マミ「それじゃあ、ここは私が見てるから……鹿目さんは先に帰りなさい」

まどか「でも……。」

マミ「いいから。お家の人が心配するわよ?」

まどか「あ……はい。それじゃ……また明日来ます」

──帰り道

まどか「……家の人、か……マミさん……。」テクテク

仁美「~♪」フラフラ

まどか「あ、あれ……仁美ちゃん?どうしたのこんな時間に!」

仁美「あら、鹿目さん……私、これからとても素敵な場所に向かいますの!」

まどか「素敵な、場所……?」ハッ

まどか「(魔女の、くちづけ……!)」
仁美「そうだ、鹿目さんもぜひご一緒に!そうですわ、それが素晴らしいですわ!」

まどか「え?ちょ、ちょっと……!」

──廃工場

まどか「(なし崩しでここまでついて来ちゃったけど……どうしよう!絶対危ないよ……マミさんに頼む!?でもまだ、卵が……!)」

男「……。」ドバドバドバ

まどか「え……あれって!」

詢子「『いいかまどか。世の中には『間違えて混ぜちゃいけないモン』ってのが存在する。』血統を間違えたばっかりにジャミラスが出来るはずがデッドペッカーになっちまうみてーに……扱い方を間違うと便利な道具も人殺しの道具になっちまう』

まどか『あの見た目で悪魔系なんだよね……ジャミラス』

詢子『だから、よーく覚えとけ……これとこれは混ぜたら大変なことになる。間違えるなよ、まどか』

まどか「あれって……!」ハッ

>>109
修正
×詢子『血統を間違えたばっかりにジャミラスが出来るはずがデッドペッカーになっちまうみてーに……扱い方を間違うと便利な道具も人殺しの道具になっちまう』
まどか『あの見た目で悪魔系なんだよね……ジャミラス』

○詢子『ようがんまじんとひょうがまじんの血統系統を間違えたばっかりにゴールデンゴーレムにならなくなるみてーに……便利な道具も扱い方を間違えると人殺しの道具になっちまう』

まどか『……ずるいよね、マスターテト』

今ググったら順序逆でもジャミラスできる仕様みたい
新発見

まどか「止めなきゃ……うぐっ!?」ボゴッ

仁美「どうしましたの!?鹿目さん」

まどか「あ、あれ止めなきゃなきゃ……みんな死んじゃうよ!」

仁美「えぇ、そうですわ。私たちは素敵な世界に旅立ちますの!そのためには、生きている身体なんて邪魔なだけですわ」

まどか「な……何言ってるの、仁美ちゃん」

仁美「鹿目さん、あなたにもすぐにわかりますから」

まどか「……離して!」ガッ!

仁美「うっ!?」ドタ

まどか「それを混ぜたらみんな死んじゃうんだよ……混ぜたらもう戻せないんだよ!?」ダダダダダ ガシッ

まどか「わああああっ!」ガシャアアアン!

まどか「はぁ……はぁ……間に合った……。」

男「……それをすてるなんてとんでもない!」

まどか「え……!」
「それをすてるなんてとんでもない」「それをすてるなんてとんでもない」「それをすてるなんてとんでもない」ゾロゾロ

まどか「い……いや……!」

まどか「きゃああああっ!」ダダダッ バタン!

ドンドンドン!ドンドンドン

まどか「はぁ、はぁ……助けて、誰か……マミさん……!」

グニャアアア……!

まどか「魔女の、結界……嘘……!」

使い魔「キャハハハハハ!」

まどか「ひ……はぁ、はぁ……たす、け……!」

ガシッ

まどか「あ……!」

使い魔「キャハハハハ」グググ……!

まどか「嫌ああああああ!」グニョーン

ザン!ザンッ!!

使い魔「ギャ!?」ズバッ

まどか「きゃ!」

さやか「大丈夫、まどか!」

まどか「さやかちゃん!?」

エリー「……。」

さやか「あれが魔女……これで、終わりだぁぁぁぁぁッ!」ドスッ!

エリー「……!」パキパキパキ……ブシュウウウ!!

まどか「あ……!」

さやか「はぁ、はぁ……やった!」

グニャアアアア……。

まどか「……さやかちゃん、どうして魔法少女に……?」

さやか「……じっとしてられなかったの」

まどか「え?」

さやか「恭介の腕……もう治らないんだって」

まどか「え……?」

さやか「でも、私が魔法少女になれば、なんとかなる……例え、いつか魔女になるとしても、私……じっとしてられなかった」

まどか「さやかちゃん……。」

さやか「……そんな顔しないでよ、初めてにしちゃ上手くやったでしょ?」

まどか「あ……ありがとう、さやかちゃん」

ほこら「美樹、さやか……。」

まどか「ほむらちゃん……!」

ほむら「契約してしまったの?真実を知りながら……!」

さやか「……退けない時ってさ、アンタにもあるでしょ?あたしは、今がその時だったんだよ……。」

ほむら「例えあなたが奇跡を起こしても、上条恭介はそれを知る由はない。あなたは……。」

さやか「言わないで、あたしはいいんだ、ただ……恭介の演奏がまた聴きたいだけだから」

まどか「さやかちゃん……。」

修正

×ほこら「美樹、さやか……。」

○ほむら「美樹、さやか……。」

──翌朝、ほしふりのほこら

まどか「おはようございます、マミさん」

マミ「おはよう鹿目さん……浮かない顔してるわね、何かあった?」

まどか「……実は、ちょっと……。」

マミ「相談があるなら乗るわよ……あっ、卵が孵るわ!」

ピキッ……パキパキパキ!

子供「ビコーン」

まどか「わぁ……!」

QB「丁度生まれたようだね、元気な男の子だ」

マミ「キュゥべえ、帰って来てたの?」
QB「たった今ね。さあ、その子に名前をつけてあげるといい」

マミ「そうね、ゲル澤とグリズリーの子供だから……ゲルググね」
ゲルゲグ「ビコーン」

まどか「あの、二つ目の『グ』はどこから……。」

マミ「そのほうがカッコいいじゃない」

まどか「……。」

マミ「──それで、相談って?」

まどか「はい、実は……さやかちゃんが、魔法少女に」

マミ「え……!そう、まさか美樹さんが……できれば止めたかったけど」

まどか「さやかちゃん、このままじゃ……魔女になっちゃうんですか?」

マミ「落ち着いて、そんなにすぐに魔法少女は魔女になったりしないわ。でも心配なことが……。」

まどか「心配?」

マミ「魔女になったなら私が救ってあげられるけど……美樹さんが魔女との交戦で死んでしまう可能性もある。実戦経験の浅い彼女が一人で生き残るのは厳しいわ。かといって、私と一緒に来るとグリーフシードが手に入らない」

まどか「ど……どうするんですか?」

マミ「……放課後に話すわ。美樹さんを私の家につれてきて」

まどか「は、はい」

──放課後、マミの家

まどか「来ました……マミさん」

さやか「……おじゃまします」

マミ「よく来たわね……早速だけど美樹さん、あなたは魔法少女になったこと……後悔してる?」

さやか「いいえ、私は……魔法少女になってよかったと思ってます。後悔なんて、あるわけない」

マミ「そう……あなたは、少しでも長生きしたいと思う?」

さやか「……当たり前です」

マミ「ならば……今すぐこの街を離れなさい」

さやか「え!?」

マミ「勘違いしないで、このままこの街にいてはグリーフシードも手に入らず、魔法少女としての正しいノウハウも得られない……生き残れないのよ」

さやか「じゃあ、私はどうすれば……!」

マミ「……隣町に、佐倉杏子という魔法少女がいるわ。巴マミの紹介といえばわかるから……彼女から魔法少女がどういうものか……学んでらっしゃい」

──隣町

さやか「……あんたが佐倉杏子?」


杏子「あ?何の用だよ……あんた」ムシャムシャ

さやか「あたしは美樹さやか、マミさん……巴マミの紹介でここに来た……あたしに、魔法少女としての生き方を教えて」

杏子「マミの?ったく、マミも厄介ごと押し付けてくれるよ……。」スタスタ

さやか「あ、あの……。」

杏子「……ついて来な」

──路地裏

さやか「あの、ここって……?」

グニャアアアア……。

さやか「え……魔女の結界!」

杏子「アンタの実力をこれから見てやる。あの魔女を一人で倒してみせな」

さやか「は……はぁ!?」

杏子「倒せたならそれでよし、負けて死んだなら、しょせん……この先も生き残るなんて無理さ」

さやか「くっ……やればいいんでしょ!」ダッ!

杏子「さて……お手並み拝見といこーか」モグモグ

使い魔「ピキー!」

さやか「邪魔!」ザシュッ!

使い魔「ピキー……」スパンッ

さやか「さあ、この調子でどんどん……ん?」

パカッ

さやか「あ、穴!?なんで……きゃあああああ!!」ピゥーー

さやか「……痛!オシリ打った……。」ヒリヒリ


魔女「ニンゲンニナリタイ」

さやか「あれが魔女?速攻で……いくよ!」スウゥ……ギュン!

魔女「ニンゲン……。」
さやか「やあぁぁぁ!」ズバババッ!

魔女「……!」スパパパァン!

さやか「やった!」

魔女「……ホイミ」シュウウウウ……。

さやか「な……!切った魔女が、元通りに……!」

魔女「ニンゲン……ニンゲン」シュルルルル!

さやか「あ……触手!しまっ……!」シュルルルル

魔女「ニンゲンナリタイ」

さやか「うぅ……くっ、離せ!離してよ……!」

ギリギリギリギリギリ

さやか「うぐ……苦し……ぐっ」カハッ

ギリギリギリギリギリ

さやか「(ダメだ、抜けられない……あたし死ぬのかな、ここで……恭介……!)」

ジャキン!ジャキィン!!

魔女「!?」スパパァン!
さやか「けほっ、けほっ……何?魔女の、触手が……。」

杏子「やれやれ……見てらんないよ」シュタッ

さやか「あんた……。」

杏子「手本見せてやるよ。そこで見てな」ジャキッ

魔女「ホイミ」シュウウウ

さやか「魔女の傷が治る!」

杏子「それが……どーした!」ザシュ!

魔女「……!」スパパァン!

魔女「ホ、ホイ……!」

杏子「回復させる前に叩けば……敵じゃねーんだよ!」ドスッ!

魔女「……!」シュルル!

杏子「スピードも……油断しなけりゃ捕まるスピードじゃねー!」ドシュウ!

魔女「ニン……ゲン」シュウウウ

さやか「倒した……。」

杏子「ふー……グリーフシード一丁あがりっと」

さやか「……助けられちゃったね」

杏子「……。」

さやか「はは、ダメ、だったね……結局。この先、生き残れないのかな、あたし……!」

杏子「……あんた、あたしがさっき言ってたこと、アドバイスだって事に気づいてた?」

さやか「……え?」

杏子「回復前に叩く。油断すれば捕まるスピードじゃない。早く覚えな。これから当分、あの魔女と戦うことになるんだからさ」

さやか「……え?」

杏子「このまま誰かが面倒見てやんなきゃ……アンタ、どうするつもり?色々教えてやるから……明日から通いなよ」

さやか「え……!あ、ありがとう!」

杏子「……ったく」

ちょっとごはんたべてきます

ぷるぷる ぼく わるい まじょ じゃないよ

──翌日

さやか「やっぱり、敬語とか使ったほうがいい……です……か?」

杏子「ん、あ……いいよ。なんか背中の辺りがカユくなるから」

さやか「わかった。よろしく、杏子」

杏子「それじゃ早速……魔法少女としての生き方を教えてやり」

さやか「うん……あ、あれって使い魔じゃない!?」

杏子「ほっとけ、使い魔はグリーフシードを落とさない。相手したっていいことはなんもないんだ」

さやか「でも、放っておいたら人が死ぬんでしょう?」

杏子「そこがミソだよ。何人か人を殺した使い魔は魔女に成長し、グリーフシードを孕む。使い魔は大元と同じ魔女になるんで狩る方法も確立できる。そいつらを倒すのが一番安定して生き残る手段だ」

さやか「……そんな、こと」

杏子「ん?」

さやか「間違ってるよ!他の人を犠牲にして、こんな……。」

杏子「……あんたさぁ、何勘違いしてんの?」

さやか「え?」

杏子「逆に聞くけど、あんたに他人を助ける余裕があんの?昨日魔女にやられかけてたあんたが魔力を無駄遣いして生き残る余裕があるってーの?」

さやか「う……それは」

杏子「人助けできるほど、魔法少女に余裕なんかねーんだよ。間違ってるとか言う前に、まず自分の状況を考えな」

さやか「う……ごめん」

杏子「……あんたの願いが何かは知らねーし、聞く気もない。でも魔法少女になっちまった以上は自分が生き残ることだけ考えろ。他のことは考えんな」

さやか「……それは、それだけはできないよ」

杏子「あ?」

さやか「あたし……大事な人のために、願いを使ったんだ……考えないなんて……できない……!」

杏子「……はぁ、あんたもそのクチか」

杏子「いいか?魔法ってのは徹頭徹尾自分のためにあるもんなんだ。それを肝に銘じときな」

さやか「そんなことない!私はただ恭介の腕が治って欲しかっただけ……!」

杏子「……人のための願いなんて、ろくな事になんねーんだよ」ギリッ

さやか「え……?」

杏子「なんでもない。アンタも変な考えは捨てなよ。魔法少女に出来ることなんて、ホント……限られてんだからさ」

さやか「(人のために何かを願うのが……間違ってるっていうの?私はそうは思わないよ……絶対に)」

──翌日、昼休み

マミ「美樹さん、どう?調子は」

さやか「……マミさん、私が……魔法少女が他人のために何かを願うのって……何かをするのって、間違ってるんですか?」

マミ「……佐倉さんに何か言われたのね」

さやか「……はい」

マミ「確かに、魔法少女は大変よ。魔女と戦い続けなければいけないし、グリーフシードの気配りをしなければいけない」

さやか「う……。」シュン

マミ「……それでも、人のために出来ることはあるわ。美樹さんの考えは間違ってはないわよ」

さやか「あ……!」パァ

マミ「でもね、佐倉さんの考えも一方では正しい……いえ、あの子の場合そう考えてしまうのも仕方ない事なのよ」

さやか「……どういうことですか?」

マミ「それは……。」

──隣町

杏子「さ、今日は実戦に入るよ。魔女相手だから気を抜くんじゃ……どうしたのさ?」

さやか「……あの、さ……聞いたんだ、あんたの事……マミさんに」

杏子「なっ……マミの野郎……話しやがったのか!?」

さやか「……うん。あんたの願いも……その後、どうなったかも」

杏子「~~っ」クシャクシャ

さやか「あの、私……。」

杏子「いーよ、聞いちまったもんは気にすんな。その代わり、ヘンに気を使ったりしないでよ?」

さやか「あ……うん」

杏子「調子狂うな、もう……ほら、さっさと行くよ!」

──魔女結界

杏子「獲物は前と同じヤツだ。うまくやりな」

さやか「……うん」ダッ!

魔女「ニンゲン……!」シュルルルル

さやか「(魔女の攻撃は……油断しなければ当たるスピードじゃない!)」スッ……!

杏子「……。」

さやか「やあぁぁっ!」ザシュ!

魔女「……!」スパァ!

さやか「……まだ終わってない!間髪入れず……。」

魔女「ホイ……。」

さやか「ぶった切る!回復の隙なんて与えない!」ザシュ!ドス!ガシュ!グシャア……!

魔女「ニンゲンニ……ナリタイ」シュウウウウ


さやか「はぁ、はぁ、やった……倒した!倒したんだ……!」

杏子「……。」フッ

こうして、無事自分の力でグリーフシードを得ることができたさやか。

しかし、それとは別の問題が差し迫っていた……!

──数日後

仁美「──私、上条恭介くんのことをお慕いしておりますの」

さやか「……え?」

仁美『──1日だけ待ちますわ。抜け駆けはしたくありませんもの。その間にさやかさんが後悔しないよう……気持ちを伝えるか伝えないか、決めてください』


杏子「来たかさやか……今日もボチボチいくよ……さやか?」

さやか「……杏子……!」ウルッ

杏子「……どうした?さやか……。」

さやか「……どうしよう、私……!」ブワッ

杏子「お、おい……どうした!?」

さやか「仁美に恭介を……取られちゃうよう!」

杏子「い……一から話せ!まるで意味が分からんぞ!」

まるで意味が分からんぞ!

杏子「──なるほどね。このままじゃ別の女に好きな男を取られるけど、このままじゃどうしようもない、と」

さやか「だってあたし……いつ魔女になるか分からないんだよ?そんな身体で恭介に抱きしめてなんて……キスしてなんて言えない……!」

杏子「じゃあいっそ、その男の手も足も潰しと自分のモノにしちゃえばいいじゃん」

さやか「な……何……!」

杏子「言ったでしょ?魔法ってのは徹頭徹尾自分の為にあるモンなんだ。いちいち他人のこと考えてたら……幸せになんてなれるわけないじゃん」

さやか「……あたしは、恭介を自分の所有物にしたいわけじゃない!あたしは……!」

杏子「……じゃあアンタはどうしたいんだ?何のために、そいつの腕を治したんだ?」

さやか「あたしは……ただ」

杏子「……自分のためだろ?」

さやか「違う!」

杏子「違わない!『他人のための願い』なんつーのはな、所詮自分が満足感を得るためのエゴなんだ!それをわかるんだよ!」

満足させてもらおうか・・・・・・

修正

×杏子「じゃあいっそ、その男の手も足も潰しと自分のモノにしちゃえばいいじゃん

○杏子「杏子「じゃあいっそ、その男の手も足も潰して自分のモノにしちゃえばいいじゃん

杏子「『他人のための願い』と言えば聞こえはいいけどな!結局何が幸せかなんてわかんないんだよ!その願いでその人が幸せになるかなんて!」

さやか「だって、恭介は腕がもう治らないって……!バイオリンをまた弾きたいって!」

杏子「だからって頼んだか!?お前に腕を治せって!口で言ってることと本当のことは……違うかもしれないじゃねーか!」

さやか「そんなわけ……そんな、わけ……!」ダッ!

杏子「さやか!」

杏子「……はぁ。熱くなっちまった……。らしくねーな、ホント」

杏子「……はぁ」クシャクシャ

──電車内

さやか「私は、違う……自分のエゴのためじゃ……!」

ショウさん「いやーしかしダメだね女ってやつは。冷静になってモノ考えるってことしねーんだから」

ホスト「ホントっすよね、ちょっと調子づくとすぐ手作りのプレゼントとか持ってきて『あなたが喜ぶと思って』だとか。だーれが、そんなモンより金貢いでくれたほうがよっぽど嬉しいっての(笑)その辺ショウさんは上手いっすよねー」

ショウさん「なーに、甘やかさなきゃいいのよ。犬かなんかだと思って躾りゃ、あっちの方から自然と──」

さやか「──!」ゾクッ

さやか「(『喜ぶと思って』プレゼントした物が、全く無意味だったって、こと……?結局、女の人のエゴだったって、こと……?じゃあ、私)」

さやか「どうすれば、いいの……?」

──夜、見滝原駅

さやか「……」ブツブツ

杏子「はぁ、はぁ……こんなトコにいたのか、探したよ。まさか電車に乗ってたなんてさ……悪かったよ、あたしが言い過ぎた」

さやか「……し、……れば、いいの」ブツブツ

杏子「……ん?お前、なに言って」

さやか「あたし、どうすればいいの……?あたしはただ、恭介が幸せになって……そして、そんな恭介を見てる……それが私の幸せだって思ってた」

杏子「……。」

さやか「でも、仁美に言われて気づいた……あたしは恭介に愛されたいんだって。そこから、ちょっとおかしくなった」

さやか「今まで恭介のためにやってた事が、全部自分のエゴを満たすためにやってたことなんじゃないかって思い始めてきて……あんたの言葉とか、いろんなので……確信しちゃって」ゴポ……!

杏子「ちょっと待て、お前のソウルジェム……真っ黒だぞ!どうしたんだよ!それ!」

さやか「今まで、私が、やってたことって、なんだったんだろうね……全部ムダじゃん。あたしって……。」

ピシッ

さやか「ほんとバカ」

パ キ ン

杏子「さやか──!」

ドォォォォン!!

オクタヴィア「……。」

杏子「あれは……さやかか!?くそっ、マミに知らせねーと……!」

さやか「……。」

杏子「(さやかの、身体……。)」

杏子「悪いな、さやか……置いていくけど、許してくれ」

オクタヴィア「……オォォォォォン!!」

杏子「すぐに戻ってくるからさ……おりゃあ!」ズパアァッ!

──シュタッ!

杏子「はぁ、はぁ……なんとか結界の外に出れたか……早くマミに知らせねーと!」

外道 インキュベーター

──マミ家

杏子「マミ!大変だ!」

マミ「佐倉さん!どうしたの一体……ただ事じゃないわね!」

杏子「さやかが……さやかが、魔女に……!」

マミ「……そう……佐倉さん」

杏子「なんだよ……早くしないと!」

マミ「慌てる必要はないわ。むしろよかった……美樹さんはまだ生きてる。魔女なら私の領分よ。なんとかできるわ!してみせる!」

杏子「マミ……。」

マミ「佐倉さん、美樹さんが今まで生き残ってこれたのは……あなたのおかげよ。ありがとう」

杏子「……礼を言われる筋合いはないよ、私は……頼んだよ、マミ」

──見滝原駅

杏子「……ここにさやかがいる。移動してなきゃな」

グニャアアア──

マミ「どうやらそのようね──来る!」

バタン! バタンバタンバタンバタン!!

グワッッ!!

オクタヴィア「オォォォォォォン!!」

マミ「……一人ぼっちでそんなところにいるのは、寂しいでしょう?私たちと一緒に来ましょう……美樹さん」

オクタヴィア「──」シュババババ!!

杏子「車輪!多いぞ……結界で防ぐか?」

マミ「大丈夫よ!お願いシャルロッテ」
シャルロッテ「アグー」バクバクバクバク

杏子「た、食べちまいやがった……!」

マミ「さあ行くわよ!」

マミ「ゲルググ!しっぷうづき!」

ゲルググ「ビコーン」ザクッ!

オクタヴィア「!?」ブンブン

ゲルググ「ビコーン!?」フワッ

マミ「ゲルググが振り落とされたわ!シャルロッテ!」

シャルロッテ「──」ビシュ!

ゲルググ「!」ボスッ

マミ「ナイスキャッチ!私も……それっ!」ブンッ

マミは オクタヴィアに くんせいにくをあたえた。
オクタヴィアはすこし マミになついた!

オクタヴィア「~♪」モグモグ

マミ「よし!ティロ・フィナーレ(物理!)」ボゴ!

オクタヴィア「!? !?」

マミ「まだあげるわよ、ほら」

マミは オクタヴィアに くんせいにくをあたえた。
オクタヴィアはすこし マミになついた!
オクタヴィア「~♪」ガツガツ

マミ「ティロ・フィナーレ(物理)!」ボゴォ

オクタヴィア「!?」ボグン

杏子「お、おい……。」

マミ「さあ、お肉よ」

マミは オクタヴィアに くんせいにくをあたえた。
オクタヴィアはすこし マミになついた!
オクタヴィア「~♪」モグモグ

マミ「ティロ・フィナーレ(物理)!」ボグ

オクタヴィア「~ッッ」ジタバタ

杏子「な、なにしてんだよ……。」

マミ「何って……お肉あげないと仲間になってくれないから」

杏子「(えげつねぇ……。)」

マミ「そろそろとどめよ……シャルロッテ!たかくとびあがる!」

シャルロッテ「──」ピョーン
オクタヴィア「!?」

ズ ル リ……!

シャルロッテ「──!!」

ゴッチィィィィィン!!

杏子「ず、頭突き……!」

マミ「補食しちゃったらしたら仲間にできないから……。」
オクタヴァ「……。」ヨロヨロ……バタ

マミ「さあ、美樹さん……私と一緒に来るなら……あなたの悩み、解決してあげるわよ」

さやか「!」ガバッ

オクタヴィアが なかまにしてほしそうに、こちらをみている……。

マミ「……決まりね、任せて!」

オクタヴィア「オォォォォン!!」
杏子「よかった……さやか」

オクタヴィアが なかまになった!

>さやか「!」ガバッ
もう戻ってんじゃねえかwww

──マミ家

オクタヴィア「──!」ジタバタ

マミ「ふんふん、自分と友達の好きな人が同じで、明日告白すると言われた」

オクタヴィア「~~!」ジタバタ

マミ「気持ちを伝えようにも恥ずかしいし、いつ魔女になるかわからない身体だしで……気づいたら色々考えちゃって、魔女になってた、か」

オクタヴィア「……。」

杏子「ごめんな、さやか……酷い事言って」

オクタヴィア「!──!」ブンブン

マミ「気にしてないそうよ」

杏子「そうか?よかった……なあマミ、これからどうすんのさ?」

マミ「……ねえ美樹さん、その人の名前は?」

オクタヴィア「上条恭介」
マミ「わかったわ、ありがとう……さて、明日は忙しくなりそうね」

──翌日、学校

マミ「……あなたが上条恭介くん?」

上条「え?は、はい、そうですけど……なにか」

マミ「……美樹さんを助けたいと思う?」

上条「どういうことですか?さやかが昨日から家に帰ってないっていうのは聞いていたけど……何かあったんですか?」

マミ「ええ。今美樹さんは大変な状態になっているわ。そして……助けられるのは貴方しかいない」

上条「……なにか知っているんですか?」

マミ「質問してるのはこっちよ。やるの?やらないの?」

上条「……やります。さやかは、大事な友達なんだ……!」

マミ「はぁ、友達か……まぁいいわ、なにも言わないでこれを食べて」

上条「なんですかこれ、肉……むぐっ!」ガッ

マミ「ティロ・フィナーレ(物理)!」ゴッ

上条「うぶぇ!」バタ
マミ「さ……ついてきて」

上条「はい……!」

かみじょうが なかまになった!

ちょっとお風呂入ってくる

あと>>275は脳内補正しておいてください

           _,,..-――-...._
          ,..::''" : : : /⌒: : : : : `ヽ、
      / : : : : : : : i: : : : : : : :`、 : :\
     ,:': : : : : : : :/ : i: : : : :i: : : :ハ: : : : ヽ
     /: : : : /: : :/ : /{: : : : :i: : : : :i : : ゙,: ヘ
    /: : : : :i : : :i: ィ⌒i ト、: i: :i : :_i_ : : i : ハ

    /: : : : : i : : :i ム斗云ミ\iヽ}、∧ヽ: } : : i
   / : : : : : i : : :i〃然(_,      j/ミx :ノ: : : :i
   / : : : : : : i: : : i!{;;じミj       fl|(j }} / : : :}
  ノ/{ :i: : :゙、:゙、: : i弋;;;ノ      {Jタ j:/:i : : :j
      i i: : : :`、゙、 iつ /`''ー-  ゙''゙ ハ :i : i j!
     ヾ\ : : \: :i、 乂__ ノ  ⊂ノ:iノ}: j:/
         \トミ>、i^く≧┬rr ''サ~∨ !:/
          ζ/⌒''ー`~'フュ      j/
           //⌒/''"⌒`ヾ~ヽ
            //:::::/): :: :: :: :: :: ノ
          / \:::ヽミ==''"゙ii~!
    ,..- ''"  / <、ノノ>、ー :ji {、
   /     / / ヒ__ノ   ノヾミ、
  ./    / /、/r弋_,,r‐ヒ"_i┘::ヾ
 / --‐~⌒ ,..イ:::`^~^''"`"::::::::::::::\

      r≦、;;;:::/斗7/=テ7-‐''7三㌢
      `ミヲミ彡7⌒∨::ノミ回ァ''"

             /   /~7  /
          _r=ミ、/ /   /
        {⌒、::Y〉 r==、
        7::::::::::)  {、:::::::〈

           `ー‐''"  廴::::::::)

──ほしふりのほこら

まどか「マミさん、大事な話って……?」

上条「あれ?鹿目さん……なんでここに」

まどか「上条くん!?」

マミ「さあ上条くん、美樹さんはここよ」

オクタヴィア「……。」モジモジ

まどか「え、これが……さやかちゃん?まさか……!」

マミ「(詳しい事情は後で話すわ)」

まどか「(は、はい……。)」

QB「やあマミ、かみじょうとオクタヴィアをはいごうするんだね?一晩かかるけどいいかい?」

マミ「はい……さあ二人とも、この部屋に入って」
オクタヴィア「……。」オズオズ
上条「……わかりました」バタン
まどか「あの、マミさん。さやかちゃんは……?」
マミ「彼女は見ての通り……魔女と化したわ。」

まどか「──!」
マミ「今私に出来るのは、彼女が救われる手助けをすることだけ……鹿目さん、願ってあげて。彼女の幸せを」

まどか「……はい」

上条「さやか、心配したんだよ?どうしてたんだよ今まで」

オクタヴィア「恭介……あのね……私……迷惑だったかな?」

上条「え?」

オクタヴィア「私がやってたこと……お見舞いに行ったり、CD持ってたり……恭介の側にいたり、全部……私、恭介の近くにいないほうがよかったのかな……?」

上条「……なんでそんな風に思うのさ?」

オクタヴィア「……よく考えたら、今まで私のやってきたことって……恭介のこと、全然考えてあげられてなかったなって。CDの時も恭介の気持ち、わからないで傷つけちゃったし……私、私……!」

上条「なんだ……まだそんな事気にしてたの?」

オクタヴィア「……え?」
上条「あれは……僕も悪かったよ。僕、荒れてたし、普段から音楽好きだって言ってたし……さやかに理不尽なことしちゃった。お互い様だったんだよ」

オクタヴィア「……うん」

上条「……はあ、やっと言えた」

オクタヴィア「え?」

上条「ずっとモヤモヤしてたんだ……このこと」

オクタヴィア「い、いいんだよ私!気にしてないよ……。」

上条「またそんなこと言って……さやかはそういうこと後で気にして引きずるの、知ってるよ」

オクタヴィア「あ……。」
上条「何年の付き合いだと思ってるんだよ。理解してないことより、理解してることのほうが……よっぽど多いよ」

オクタヴィア「……。」

上条「どうしたの?」


オクタヴィア「(一番理解して欲しいことは……理解してもらって、ない……よ)」

オクタヴィア「……。」

上条「どうしたんだいさやか?黙って……。」

オクタヴィア「……なんでもない」

上条「なんでもなくはないだろ……さやか、顔色が悪いよ?」

オクタヴィア「……なんでもないって言ってるのよ!」バッ!

恭介「……なんで、なんでさやかは自分のことになると、いつも肝心なところを隠すんだよ!」

オクタヴィア「……!」

恭介「言葉にしなくちゃ……伝わらないこともあるだろ!」

オクタヴィア「私……!」
恭介「……さやかの事だから、また余計なこと考えちゃってるんだろ?話してくれよ、力になるから」

オクタヴィア「(言葉にしなくちゃ……伝わらない……。)」

オクタヴィア「(すぅ、はぁ……深呼吸!)私……恭介のことが……好き」

恭介「……え?」

オクタヴィア「わからない?あたしは恭介のことが好き!」

恭介「さやか……えっと……?」

オクタヴィア「……わかったわ!伝わるまで言ってあげる!恭介!
好きだァー!恭介!愛しているんだ! 恭介ー!
ずっとずっと前から 好きだったんだ!
好きなんてもんじゃない!恭介の事はもっと知りたい!恭介の事はみんな、ぜーんぶ知っておきたい!恭介を抱き締めたいのよ!潰しちゃうくらい抱き締めたーい!心の声は心の叫びでかき消してやる! 恭介ッ! 好きだ!
恭介ーーっ! 愛しているんだよ!
あたしのこの心のうちの叫びを きいてくれー! 恭介さーん! 気づいた時から、あたしは君の虜になってしまったんだ!
愛してるってこと!好きだってこと!あたしに振り向いて! Look at me!
恭介があたしに振り向いてくれれば、あたしはこんなに苦しまなくってすむんです。優しい君なら、あたしの心の内を知ってくれて、あたしに応えてくれるでしょう
あたしは恭介をあたしのものにしたいんだ! その美しい心と美しいすべてを!
誰が邪魔をしようとも奪ってみせる!
恋敵がいるなら、今すぐ出てこい! 相手になってやる!仁美ィ!
でも恭介があたしの愛に応えてくれれば戦わない、あたしは恭介を抱きしめるだけ!恭介の心の奥底にまでキスするよ!
力一杯のキスをどこにもここにもしてみせる!
キスだけじゃない!心から君に尽くします!それがあたしの喜びなんだから!
喜びを分かち合えるのなら、もっと深いキスを、どこまでも、どこまでも、させてもらいます!
恭介!君がツンドラの中に素っ裸で出ろというのなら、やってもみせる!」

上條「( ゜д゜)」











上條「( ゜д゜)」

オクタヴィア「はぁ、はぁ……!」
恭介「さ、さやか……。」
オクタヴィア「これが……あたしの気持ちだよ、恭介……いつまで経っても気づいてくれないんだもん……!」ポロポロ

恭介「さ、さやか……!」

オクタヴィア「ごめんね、気持ち悪いよね……こんな姿で、こんなこと言って……忘れて」

恭介「……気持ち悪くなんかない!」

オクタヴィア「……え?」
恭介「さやかは、気持ち悪くなんかない……気持ち悪くなんか、ないッ」

オクタヴィア「恭介……今の私にも、そう言ってくれるの?」

恭介「もちろん。さっきのは少しびっくりしたけど、君は僕にとって……大切な存在だ」

さやか「恭、介ぇ……!」ギュッ

恭介「わっ……。」ドキン

さやか「恭介……恭介ぇ……!」

恭介「……今までごめん、さやか……僕はッ」ギュッ

さやか「あ……恭介!?」

恭介「言っただろ?君は大切な存在だって……。」

さやか「~~っ!」カァァッ

マミ「はぁ、やっと始まった……じれったいわね、あの二人」ス……。

まどか「あ……のぞき窓、閉じちゃうんですか?」

マミ「これ以上覗くのは野暮でしょう?それより、これが美樹さんとの最後の別れよ」

まどか「……ええ、わかってます。さやかちゃん、幸せになってね……!」グスン
マミ「明日には子供が産まれるだろうから見に来なさい……それじゃ、また明日」

まどか「……はい」

──翌日から

仁美「上条くんも昨日から家に帰ってないそうですの」

まどか「へ、へぇ……。」

仁美「さやかさんも帰ってないようで……心配ですわ……。」

まどか「そ、そうだね……。」

──ほしふりのほこら

マミ「よく来たわね鹿目さん!もうすぐ産まれるわよ」

まどか「本当ですか?ん?あなたは……?」

まどか「ん……あたしは佐倉杏子、魔法少女だ。ちょっとさやかとは縁があってさ。あんたはさやかの友達?」

まどか「あ……うん」

杏子「そっか……おっ!」

パキ……パキパキパキッ!!
子供「オーン!」

まどか「これが二人の子供……。」
QB「元気な女の子だよ!マミ、名前を決めるんだ」
マミ「そうね……美樹さんの魔女の時の名前『オクタヴィア』と『上条恭介』からとって……。」

マミ「『おかき』で決まりね」

>>345
ミス

×──翌日から

○──翌日

>>345

ミス

×まどか「ん……あたしは佐倉杏子、魔法少女だ。ちょっとさやかとは縁があってさ。あんたはさやかの友達?」

○杏子「ん……あたしは佐倉杏子、魔法少女だ。ちょっとさやかとは縁があってさ。あんたはさやかの友達?」

おかき「オーン!」

まどか「でもまあ、可愛いな……。」

杏子「そうだな……昔の母親によく似てるよ」

マミ「さてと」

QB「はいごうするのかい?マミ」

マミ「ええ。ゲルググとシャルロッテをお願い」

まどか「え?あの二人も?」

マミ「えぇ。あの二人もなんだか最近妙な雰囲気で……。」

まどか「へぇ……。」

シャルロッテ「──///」

ゲルググ「ビコーン///」

QB「はいごうには一晩かかるけどいいかい?」

マミ「はい……それじゃ二人とも、ほこらに入って」

シャルロッテ「……。」トテトテ

ゲルググ「ビコーン」バタン

まどか「2日連続ではいごうかぁ……。」

マミ「できるなら……幸せになってほしいもの」

シャルロッテ「ふー」トテッ

ゲルググ「ビ、ビコーン」

シャルロッテ「あはは、そんなに緊張しなくってもいいよ」

ゲルググ「あ、はい」

シャルロッテ「ね……なんで、あたしなのかな?」

ゲルググ「え?」

シャルロッテ「ん……あたしを選んだ理由。聞きたくってさ。」

ゲルググ「それは……シャルロッテ姉さんは生まれたときからずっと一緒で、頼れるし……可愛いし」

シャルロッテ「……ふふ、ありがとう。そんな事言われたの、初めてだよ」

ゲルググ「は、はあ……。」

シャルロッテ「あたし、魔女になる前はずっと病院にいて……誰かに頼られる事も、可愛いだなんて言われることもなかった。」

ゲルググ「姉さん……。」

シャルロッテ「でも、今こうやってゲルググ君にそう言ってもらえるんなら……魔女も悪くないかなって、えへへ……変かな、あたし?」
ゲルググ「へ、変なんかじゃ!」

シャルロッテ「……ねぇ、ゲルググ君……しよ?」

ゲルググ「!!」ビコーン

シャルロッテ「ゲルググ君……。」ギュッ


ゲルググ「し、シャル姉さん……。」ギュ

シャルロッテ「ん……もって、強く……ぎゅーってして?」

ゲルググ「え?こ、こう……?」ギュウウッ

シャルロッテ「うん……あたし、近くで感じてるよ……ゲルググくんのこと」

ゲルググ「……あったかいです、姉さんの身体……!?」

チュッ

シャルロッテ「ん、ちゅ……んむ……ちゅう」

ゲルググ「~~!?」

シャルロッテ「ん……ぷは……我慢、できないや。あたし」

ゲルググ「ね、姉さん……?」

シャルロッテ「ゲルググくんのはじめて……いただきますしちゃうね。じっとしてて……。」

ゲルググ「……はい」ゴキューン

──翌朝

まどか「マミさん!産まれましたか!?」

マミ「今産まれるところよ……ほら!」

パキパキパキ……ポン!

子供「グポーン」

まどか「わぁ……お父さんそっくりだね」

マミ「そうね、名前は……シャゲルググ……うーん、収まりが悪いわね、シンプルに『シャゲル』で決まりね」

シャゲル「グポーン」

まどか「(いつもの三倍くらい危ない……。)」

──屋上

マミ「藪から棒にこんなところに呼び出して……どういうつもり?暁美さん」

ほむら「……もうすぐ、ワルプルギスの夜がこの街に来る」

マミ「ワルプルギスの、夜……?」

ほむら「あなたがクラスの男子生徒を行方不明にしたことや、まどかを毎日どこかへ誘い込んでいることについてはこの際もう言及しないわ。ただ……ワルプルギスの夜を倒すのに協力して」

マミ「……バレてたのね」

ほむら「ええ」

マミ「それはいいとして……今までの態度から一転、一方的に協力しろだなんて……随分と虫のいい話じゃない?」

ほむら「……気にいらないなら頭も下げるわ……どうしても協力がいるの。今のあなたの力が」

マミ「……詳しく聞くわ」

マミ「──なるほど、ワルプルギスは普通の魔法少女では到底太刀打ちできない力を持っている、暁美さん一人では勝てない……。」

ほむら「そう……だから不確定要素、魔女の協力を得る力を持つ、あなたの協力を得たいの」

マミ「……協力してあげてもいいけど、条件があるわ」

ほむら「……条件?」

おかき「オーン」

シャゲル「グポーン」

ほむら「……魔女」ザッ

マミ「落ち着いて、彼らに敵意はないわ。暁美さんへのお願いっていうのは……二人の特訓よ」

ほむら「特訓!?」

マミ「ええ。この二人は生まれて間もなく、戦うための能力が少ない……だからあなたがそれを育ててほしいの」

ほむら「できるの?私に……。」

マミ「そこを頑張るのがあなたの腕の見せどころよ。私じゃ甘やかして話にならないから……それが力をかす条件。わかった?」

ほむら「……やるだけ、やるわ」

こうして、厳しい修行の日々が始まった……!

──ほむホーム

ほむら「……とは言うものの、何をすればいいのか……とりあえず装備を整えましょう」

ほむら「とりあえず、おかきには剣ね。今持ってるのより強そうな……日本刀なんてどうかしら。鉈の重さに剃刀の切れ味……。」

おかき「~!」グググ……ドテッ

ザグッ!

ほむら「危なっ!床が……どうやら重かったようね……シャゲルは……とりあえずライフルでも持たせておきましょう」

シャゲル「グポーン」

──夜、魔女結界

エルザマリア「……。」デデーン

ほむら「さて、あなた達に教えることはもう何もないわ。あとは実戦あるのみよ」

シャゲル「グポーン」ズギュン!!

エルザマリア「!?」ダァァン!

ほむら「本体に命中、なかなかの精度よシャゲル……でも問題はこの後」

エルザマリア「……。」シュバババババ!!

シャゲル「グ、グポーン!」ズギュン!ズギュン!

ほむら「……単発のライフルじゃ大量の触手には対抗できない。かといって放棄して戦う術はまだない……なら、どうするか」

ジャキィン!ズババババッ!
おかき「オーン!」

シャゲル「グポーン!」
ほむら「そう、あなたが助けに入る……見事なさみだれぎりだったわ、おかき」

おかき「オーン!」ギュン!

ほむら「懐に入った……しかし迂闊すぎるわね。どうすればいい?」

エルザマリア「……。」シュババババ!

おかき「オ、オーン!」

ズギュン!ズギュン!ズギュン!

エルザマリア「……!」ボトボトッ

おかき「オーン……!」

シャゲル「グポーン!」
ほむら「そう、あなたがサポートしてあげれば懐に入れる……さあ、決めなさい」

おかき「オーン!」ズババッ ザシュ!

シャゲル「グポーン!」ズギュン!ズギュン!

エルザマリア「──!!」ズドォォォォン!!

シュウウウウ……。

ほむら「……初めてにしては上出来ね。今の感触よ」

おかき「オーン」

シャゲル「グポーン」

──マミ家

ほむら「……とりあえず訓練を終了したわ」

おかき「オーン!」

シャゲル「グポーン!」

マミ「あら、一回りたくましくなって……レベルも上がったみたいね」

ほむら「(レベル……?)」

マミ「ありがとう暁美さん。私は私で準備を整えることができたわ」

ほむら「……準備?」

マミ「ええ、それじゃあ……ワルプルギスの夜に会いましょう」

──ワルプルギスの夜、当日

マミ「さて……来るわね」



ほむら「一つ質問したいのだけど……佐倉杏子は?」

マミ「彼女を知っているの?佐倉さんには声をかけてないわ。隣町にいれば巻き込まれないだろうし……わざわざ巻き込む必要もないもの」


ほむら「……ということは、私とあなたの二人だけということね」

マミ「……いえ、もう二人いるわ」



おかき「オーン!」
シャゲル「グポーン!」
ほむら「フッ……そうね」



ワルプルギス「キャーッハッハッハッハッハッハ!!」

ほむら「……来る!」

シャゲル「グポーン」ズギュン!ズギュン!

ワルプルギス「キャハハハハハハ!!」チュイン!チュイン!

マミ「弾丸が通らない!」

ほむら「奴の防御が堅牢すぎるのよ……!」バシュウウウウ!!

マミ「ロケットランチャー!」

ズドォォォォン!

ワルプルギス「キャハハハハハハ!!」

ほむら「……やはり無傷」

マミ「く……シャゲル!接近戦でもろばぎり!おかきもフォローに回って!」
シャゲル「グポーン!」ギュン!

おかき「オォーン!」

ワルプルギス「アーッハハハハハ!」

シャゲル「グポーン!」ズシャア!

マミ「直撃……やった?」
ワルプルギス「……アッハハハハハハ!!」グワアアッ!!
シャゲル「グポーン!」ビュン!

マミ「ああっ、シャゲル!」

ヒュウウウン……!

マミ「落ちる……おかき!」

おかき「オォーン!」ギュン!

ガシッ!

おかき「オーン!」

シャゲル「グ、グポーン……。」

マミ「ナイスキャッチ!」

ほむら「……油断しないで!後ろ!」

おかき「オーン?」

ワルプルギス「キャハハハハハハ……!」グワアアアッ

おかき「……!」

ワルプルギス「アッハハハハハ!!」ズバババババ!!
おかき「……!!」ガガガガガッ!

シャゲル「グポーン!」ヒュルルル……ドゴォォン!

マミ「二人とも!」

ほむら「くっ……!」ギリッ

おかき「……。」

シャゲル「……。」

ほむら「二人は、戦闘不能……!」

マミ「く……こうなったら私のティロ・フィナーレ(物理)が火を吹くわ!」シュタッ!

ほむら「待って……無謀よ!」

マミ「ティロ・フィナーレ(物理)!」ゴン!
ほむら「……ダメ、全然効いてない……!」
ワルプルギス「キャハハハ!!」ブワアアッ!!
マミ「きゃあああっ!」ズガアアアン!!

ほむら「巴マミ!」
マミ「う、く……!」ガク
ほむら「素手ではどうしようもないわ、なにか策を……!」
マミ「策なら打ったわ……倒した後の為の策だけど」

ほむら「え?」

ワルプルギス「~♪」

ワルプルギスは マミにすこしだけなついた!

ほむら「これは……!」

マミ「さっき、しもふりにくを食べさせておいたの……こうしなきゃ倒したあと……仲間にならないでしょう?」

マミ「はぁ、はぁ……!」ガクン

ほむら「巴マミ!」

マミ「大丈夫よ……まだ諦めるのは、早いわ……まだ!」

ワルプルギス「キャハハハハハハ!!」ズガガガガ!!

マミ「瓦礫……避けきれるか怪しいわね、この身体じゃ」

ほむら「……巴マミッ!」ドン

マミ「え!?」


ほむら「……っ!」ガガガガッ!

マミ「暁美さん!私の身代わりになって……。」

ほむら「私のことは気にしなくていいわ……ワルプルギスを、倒して……守って、まどかを……!」ガク

マミ「……暁美さん」

ワルプルギス「キャハハハハハ!!」

マミ「……ワルプルギスの夜」グググ……!

マミ「負けるわけには、いかないわッ……!」

マミ「(とはいえ、仲間も倒れ……戦う力も残ってない。私はどうすれば……!)」

──「マミさん!」「私たちの魔力をおくります!」

キュイイイン!

マミ「これは?身体の傷が、癒えて……。」

ゲルトルート「お久しぶりですマミさん、この姿で会うのは初めてですね」

中澤「大丈夫ですか、マミさん!」

マミ「中澤くん、ということはあなた……ゲルトルート!?」

ゲルトルート「私だけじゃないですよ!」

ゲル澤「マミさんがピンチだって聞いて……お母さんと一緒に駆けつけちゃいました!」

グリズリー「クマー!」

シャルロッテ「もう、大丈夫?マミ」

ゲルググ「育ててもらった恩……返しにきましたよ!」

マミ「あなたたち……でも、もう魔力は残ってないはずじゃ……それにどうやってここが……!」

QB「それは僕が教えたからだよ」

マミ「キュゥ……べえ?」

QB「いくら元に戻ったといえど、彼女達は元々魔女まで成長した魔法少女だったんだ。わずかながら、体内に魔力の残滓が宿っている……彼女達とまぐわった人間も然りだ。その魔力を一点に集めればワルプルギスの夜もあるいは」

マミ「……でも、なんで?キュゥべえ……あなたは、私が魔女になったほうがエネルギーが回収できるんじゃ……!」

QB「……君が魔女になって得られるエネルギーよりも、君が魔女を人間に戻して得られるエネルギーのほうが長い目でみると大きい。君に死なれると困るんだ」

マミ「キュゥべえ……!」グス

QB「さあ、泣いている暇はない。君が戻した魔女の数は、こんなものじゃないはずだろう?」

マミ「え?ということは……?」

QB「全員に声をかけておいた。全員来るかどうかはわからないけどね」

「マミさん!あの時は人間に戻してくれてありがとう!」「がんばれ、マミさん!私たちも力を貸すから!」ゾロゾロ

マミ「みんな……私のこと、覚えてたのね」ウルッ

さやか「元魔法少女、さやかちゃん参上!マミさん、絶対に……絶対に生きて帰ってください!そして、あたしの娘を……守って!」

恭介「あなたが、さやかの恩人……僕達の娘をお願いします!」

マミ「二人とも……えぇ!」

杏子「ったく、あたしは本職の魔法少女だってのに……こういうところに呼ばないのは水臭いよ、マミ」

マミ「佐倉さん!」

さやか「杏子!」

杏子「幸せそうで何よりだよ、さやか……ごめん、あの時は」

さやか「ううん、私……全然気にしてないから」

杏子「……ありがと。さあ、マミに力を貸すぞ!みんな!パワーを一つに!」

全員「いいですとも!」

シュウウウウウ……!

マミ「みんなの……みんなの魔力が、一つに集まってくる!身体が軽い、力が湧いてくる……今なら……もう何も怖くない!」

QB「魔力がオーバーロード寸前だ……放つんだ、マミ!ワルプルギスを!」

マミ「えぇ、みんなの魔力の……想いの結晶……いくわ!」シュゴォ……!

マミ「……マダンテ!」

ぼうそうした まりょくが──

ワルプルギス「アハ?」

──ばくはつを おこす!

ゴゴゴゴゴ……!

ワルプルギス「ガ、ガ、ガ……!」ゴゴゴ

マミ「く、う……!」

ゲル澤「あの魔女……耐えてるよ!」

ゲルトルート「そうね……このまま押し切ればマミさんの勝ち、耐え抜けば……魔女の勝ちといったところね」

ゲル澤「そんな……マミさん、がんばれ!」

さやか「そうだよ!マミさんは私達の希望なんだ!」

シャルロッテ「がんばれ!マミ!」

「がんばれ」「もう少し!」「勝ってください!」

マミ「もう、少し……!」グググ

ワルプルギス「アググ……!」ゴォッ

マミ「ぐ……っ!押し切ってぇぇぇーーっ!」

ワルプルギス「ア──」カッ!

チュドォォォォン!!

マミ「……はぁ、はぁ……!」ガクン

杏子「マミ!」

マミ「大丈夫……よ。それより……。」

ワルプルギス「……。」ゴゴゴ

ゲル澤「ワルプルギスの夜!わたしたち、ダメだったの……?」

ゲルトルート「いいえ、あれは……。」

ワルプルギスは なかまになりたそうにこちらをみている……。

マミ「……いいわよ。私と一緒にいらっしゃい、あなたの幸せも見つけてみせる」

ワルプルギス「ア……アッハッハ!」

ワルプルギスが なかまになった!

──エピローグ

戦いは終わった。
私は今まで集めたグリーフシードを利用し、魔法を駆使して傷つき倒れた三人をいやしていた。
美樹さんを含む元魔女たちは、姿を消していた。束の間の再開だったけど、また会えたこと……とても嬉しかった。

それから、暁美さんは……。

ほむら「……つまりはいごうをすると、魔女から人間に戻るというわけね」

マミ「まあそういうことね」

ほむら「……もし私が魔女になったら、まどかとはいごうしてくれない?」

マミ「ごめんなさい、同性のはいごうは出来ないの」

ほむら「むぅ……。」

……前より、少しだけ打ち解けることができた。

そして、私はというと……。

QB「おかきとシャゲルをはいごうするんだね……一晩かかるけどいいかな?はい」

……結局、やってることは以前と変わらなかったりする。
佐倉さんも、鹿目さんも……以前と変わらず元気で何より。

ワルプルギス「キャハー……。」シュン

マミ「羨ましいの?ワルプルギス……大丈夫、あなたならすぐにいい相手が見つかるわ」

ワルプルギス「キャ……キャハハハ!」パァァッ

結局のところ……私達が変わったと思っても、世界はなんにも変わっていないのだ。
……今まで会った人達とは別れても繋がっていることがわかったし。

そうして、私は今日も魔女を探す。
自分にしかできない、いつもの使命をこなすために。

マミ「いい?ワルプルギス。あなた強すぎて一撃で魔女倒しちゃうから、必ず私の合図で攻撃してね」

ワルプルギス「キャハ」コク

マミ「いい子ね。私の合図は常に一つ、これをあげること……これをあげないと魔女が仲間になってくれないの。合図のサインは……。」

マミ「まもののエサよ!」

終わりです
支援ありがとうございました

今回は短めに済ませようと思ったのになんだか徹夜してました
即興ってこわいね

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