花子「トイレの花子だし」 【ゆるゆり】 (54)

ガチャ

花子「ただいまー」

シーン――――

花子「……」

花子(そうだったし、今日は櫻子も撫子お姉ちゃんも家に帰るの遅いんだったし)

花子(じゃあただいまって言わなくて良かった?)

花子(いやいや、家に帰ったらただいまを言うのが当たり前だし)

花子(当たり前の事を普段から心がけないと、バカの櫻子みたいになっちゃうし)

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シーン――――

花子「……」

花子(花子一人だけだと家の中がいやに静かだし)

花子(……いつもよりだだっ広く感じてちょっと心細いかも)

花子「……!」ハッ

花子(この年にもなって、なんでこんな幼稚な事考えてるんだし!バカみたいだし!)



花子「…………」





花子「――それにしたって今日は、やけに家の中の静かさが気になるような……」

シーン――――

花子「…………」ゾワッ

花子(は、はやく荷物を置いて牛乳飲むし)タッタッタッ




ートイレー

花子「………………」ジー

本「~~~~~~」

花子(はぁ、家のトイレはやっぱり落ち着くし)ペラッ

花子(そもそも櫻子のせいで家の中に一人落ち着ける場所が少なすぎ)

花子(唯一鍵の付いた、プライベートの保障されてる個室最高だし)フンフフーン

花子(誰にも許可なく侵入されないこの時間は、我が家で貴重な花子一人だけのユートピアだし)ペラッ

コン コン コン

花子(あっ、誰か帰って来た!)

花子(うっかりちょっとくつろぎ過ぎたし)

花子(トイレを求めて扉を叩いている人がいたら、さっさと外に出るのが当然だし)

ガチャガチャガチャ

花子(すぐに支度したら出るからちょっと待――)




           ドン





ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!


ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

花子「!?」ビクゥ

――ピタッ

シーン――――

花子「…………」プルプル

花子(パ、パンツをもし今はいてたら、完全に濡れ濡れのおもらし状態だったし……!)

花子(このそそっかしさは完全に櫻子……!)

花子(ふざけんなし……!空気読めし……!)

花子(便座にきっかり腰かけてなかったら大事故起きてたとこだし……!)

花子(慌て急いでるにしても、いくらなんでも限度ってものがあるし……!)

シーン――――

花子「…………」

花子(よくよくちゃんと考えてみればそれはおかしいし)

花子(普通まず櫻子は、鍵が掛かってる事から中に人がいると考えるはず)

花子(あるいは櫻子が例外的に、中に誰もいないけどカギが閉まっている状態だと判断したとする)

花子(そのどちらであるにせよ、櫻子の単純な思考パターンから導き出されるその後の行動はただ一つ)

花子(扉を叩くなりしながら、とりあえずは大きな声を出して中に誰かいるかを尋ねるはずだし)

花子(だけどさっきは扉が激しく連打されるばかりでこちらを呼ぶ声はなかった)

花子(つまりこの連打は、中に誰かがいる事を確信した行為、言い換えれば櫻子の悪戯という事になるし)

シーン――――

花子(……なるほどなるほど、そっちがあくまでその気ならこっちにも考えがあるし)

花子(どうせ櫻子の事だから、何事かと花子が外を見ようと扉を開けた瞬間、わっと驚かすつもりに違いないし)

花子(息を限界まで潜めてじっと隠れてやる……!)

花子(いつになるかはわからないけど、お姉ちゃんか誰かが帰ってきたら外の櫻子にも動きがあるはずだし)

花子(誰かが帰って来た事にこっちが気づけるかはわからないけど、そこは神経を研ぎ澄ませるし)

花子(さっきいつも騒がしいはずの櫻子の帰宅に気付けなかったのは、きっと本を集中して読んでたからだし)

シーン――――

花子「……」

花子(自分の呼吸をする音が、そっと耳に響いて聞こえるような静寂ってなんか怖――)

<ガッシャーン!

花子「!?」

花子(えっ……、い、悪戯にしてはちょっとしゃれにならなそうな音が多分居間の方から……?)





「 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ 」

花子「!?!?」

花子(えっ……?)

花子「…………」ゾワッ

花子(…………え?)

花子(ど、どうして家の中から)









花子(見知らぬ男の声が、したんだし……?)

シーン――――

花子「………………」ガタガタ

花子(こ、こんなの何かの間違いに決まってるし)

花子(家の外の大きな叫び声を、何故か家の中から聞こえたように花子が勘違いしただけだし)

花子(だって……、だって……)



「――あ゛ー、あ゛ぁ゛ー」ギシ ギシ



花子「…………」ガタガタ ガタガタ

花子(や、やっぱり今度も近くから男の声が聞こえたし……!)

花子(――しかも床がきしんでるって事は、声の主は今現在家の中を歩いてる……)

ギシ ギシ

ピタッ

シーン――――





             ドン!





花子(あ――)

バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!

バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!

バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!

バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!

バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!


花子(やめ――)


バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!

バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!

バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!

バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!

バンバンバンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!バンバンバンバンバン!




花子「ぅ…………ぁ……」ガタガタガタ

花子(怖くて、思わず声が……)

花子(もう、ダメだし、これ以上は声を抑え――)

今日はここまで

現行のあかりが突如炎の力に目覚めるっていうアホな話の続きを書こうと思ったら
なんとなく気分転換に別のを書いてた
何を言ってるのかわからないと思うが俺にもわからない




      櫻子『――――――――――』




 

花子「……?」

花子(なんで突然頭の中に櫻子の声が……?)

花子(あまりに怖すぎて、脳が現実逃避を……?)

花子(それにしたってどうして櫻子が……)




    櫻子『や―――は――な―』




 

花子(え?なんだし?)

花子(何言ってるのかよくわからなかったから、もう一回言えし)

花子(……って、この非常事態、空想の中の櫻子に話しかけてる場合じゃ――)

櫻子『だからさー、やれやれ、花子はいつまで経っても幼稚なお子様のままだなー、って』ケラケラ

花子「……」

櫻子『これしきの事ですぐに怖くなって叫んじゃうなんて……』

花子「……」

櫻子『出来の悪い妹で、お姉さんはとても悲しいよ!はっはっは!』ドヤァ

花子「……」

花子「ぅぐ」ギリッ

花子(櫻子うっざ……!)

花子(強く噛み過ぎて唇思わず噛み切っちゃったし)

花子(……だけど、ちょっとだけ冷静になれたし)

シーン――

花子(今ここで声を出すのは得策じゃないし)

花子(扉が頑丈で本当に良かった)

花子(何も希望が完全に断たれた訳じゃないし)

花子(今の所、男にこちらの存在を気づかれていない可能性はまだ残されてるし)




櫻子『現在進行形で困っている憐れな花子に、櫻子様が特別に超絶有り難いお言葉を授けてやろう』

櫻子『今何よりも大事なのは、こういう時自分が、何をすべきかだけを真剣に考える事だよ?わかる?』

花子「…………」イラッ

花子(……イメージの中でも人をイライラさせるとか、櫻子は本当に最悪だし)

花子(気のせいか普段の櫻子よりも、頭の中の櫻子の方が数倍賢そうな気がするし)

花子(櫻子はホントにいっつもバカで、ダメダメの神様の失敗作だし)

花子(……でも、こんな時に一番しぶとく生き残りそうなのは)

花子(櫻子みたいな、果てしなく神経が図太い奴)

花子(だから花子も今だけは――)





            ガチャ




ガチャガチャ! ガチャガチャ! ガチャガチャ! ガチャガチャ! ガチャガチャ! ガチャガチャ! ガチャガチャ! ガチャガチャ!



花子「…………!」

花子(って、そんな急に心がけようとした所で無理だし!)

櫻子『……おっ?つまり花子は、櫻子様に負けたと認める訳だな?』

花子(は?)

櫻子『だってそうじゃん、櫻子様みたいな人間的極致に達するのは到底無理だと、今思ってたじゃん』

花子(物は言いようだし……!)

櫻子『まぁ、櫻子様みたいな立派な存在になるなんて、どこまでもお子様な花子には不可能だから仕方ない』

花子「……」ムカッ

花子(いいし!そこまで言うなら意地でもやってやるし!)


花子「……」



花子「…………」




花子「………………」

「いぃっ、ひっ……、ひっひぃー、っひ……」

花子「…………」ビクッ

花子(我慢、我慢だし……)

花子「……」

花子(家に誰か帰って来た時、コイツと鉢合わせるだろうけど大丈夫かな?)

花子(撫子お姉ちゃんなら……、大丈夫な、はずだし、というかそう思いたいし)

花子(櫻子は……)

花子(ヤ、ヤバいし)

花子「……」アセアセ

花子(櫻子はバカだから、家中の男に無防備なまま自ら近づいてくかもしれないし)アセアセ

花子(ど、どうするし、もし櫻子がこの状況で帰ってきちゃったら……)アセアセ

櫻子『?』

櫻子『案ずるな!私に任せろ!』デデーン

花子「…………」

花子(……櫻子の事は、今の私にはどうしようもない)

花子(そう、私が今出来るのは、せいぜい必死に息を潜めて隠れてる事くらいだし)

花子「……」

花子(どうかバレていませんように……。バレていませんように……)

櫻子『大船に乗ったつもりでいろよ!花子は絶対私が守ってやるからな!』ドヤァ

花子「……」

花子(ふふっ、たとえ妄想だとしても、こういう時だけは櫻子の無神経さを思うと微かに頼もし――)

今日はここまで

今日中に終わらせようと思ったら、先の終盤書いてて詰まったので
先にここまではOKだろうというとこまで投下
明日こそは終わるんじゃないですか?多分

ー次の日 学校 給食ー

あかり「流石にそろそろこの時間する事なくなってきたねー」

ちなつ「毎日色々やってきたもんね」

向日葵「櫻子、今日は何か特別なの用意してたりはしませんの?」

櫻子「何も用意してないよ」

櫻子「珍しい話のタネなら一応あるけど」

あかり「へー、話して、話して」ニコニコ

櫻子「……あー、まあいっか」

向日葵「それってもしかして、他人に話すのに何か抵抗がある話だったりします?」

向日葵「櫻子にそんなデリケートな感性があるとは正直思えませんけど」

櫻子「でりけーと?でりしゃすの仲間?」

向日葵「突然何言ってるんですの、あなたは」

櫻子「一々向日葵の言う事気にしてたらやってられないから、さっさと話すね」

向日葵(一々気にしてたらやってられないというのは、こっちのセリフですわ……!)

櫻子「えっと、簡単にまとめるとね、昨日さー、包丁持った男が勝手に家に入って来たんだよ」

櫻子「花子が帰ってから鍵閉め忘れてて、それで入って来ちゃったみたい」

櫻子「終わり」





ちなつ あかり 向日葵「「「……えっ?」」」




ちなつ「…………櫻子ちゃん、流石にそれは冗談だよね?」

櫻子「冗談……、じゃないけど私は直には見てないよ、その時花子しか家にいなかったし」

向日葵「むしろそっちの方がマズいじゃありませんの!?」

あかり(向日葵ちゃんも知らなかったんだ)

あかり「その事って向日葵ちゃんにも言わなかったんだね」

櫻子「だって昨日の内にあっさり解決したし、私が見た訳でもないから実感わかないし」

櫻子「なんでも近所の人が偶然通りかかったら、いきなり家の中から大きな音がしたんだって」

櫻子「で、なんだと思って我が家の方に目を向けたら、玄関のドアがこれでもかと開けっ放しになってた」

櫻子「これはおかしいぞって、勇気を出しておそるおそる中を覗いてみた」

櫻子「うわー!」

ちなつ あかり 向日葵「」ビクッ

櫻子「ヤバいのがいるぞ、って遠くまで一目散に逃げて警察に通報した」

櫻子「花子はトイレにずっと隠れてて無事だった」

櫻子「男の人はおクスリ?のせいで、自分が何をしてるかわからなくなるくらいおかしくなっちゃてたんだって」

櫻子「駆けつけた警察の人たちが、まだ家の中をゆっくり歩きまわってたおかしな人を呆気なく捕獲した」

櫻子「終わり」

向日葵(給食の時間に聞く話としては濃すぎますわ)

あかり「うう、あかりちょっと気分悪くなってきたよぉ……」

櫻子「マジで?あかりちゃん大丈夫?」

あかり「うん、大丈夫だとは思う。心配してくれてありがと櫻子ちゃん」

ちなつ「そんな怖い話聞いちゃったら、今日怖くて寝れないかも……」ゲッソリ

ちなつ「……それはともかく花子ちゃんが無事で本当に良かったね」

櫻子「うん、鍵のかかったトイレの個室で息を潜めてたから助かったみたい」

櫻子「元はといえば運が悪かったのもあるけど、家にあっさり入って来れたのは玄関の鍵をかけてなかったせい」

櫻子「防犯意識を持つってのは大事なんだよ、皆もこの話を教訓にして戸締りとかはきちんとやろうね」

向日葵「話だしのインパクトから予想以上に月並みな結論に最後落ち着きましたわね」

櫻子「そんなこと言われても」

あかり「じゃあ事件そのものの影響自体は何も残らなかったんだね、良かったぁ」ホッ

櫻子「…………」

櫻子「うーん、本当にそうかなぁー?微妙だなぁー」ゴニョゴニョ

ちなつ あかり 向日葵「「「?」」」

ゆるゆりに男は出てこないだろ

ー大室家 玄関ー

櫻子「ただいまー」

花子「おかえりだしー!」ダダダッ

櫻子「うおっ、いきなりなんだよ、びっくりさせんな!」

花子「び、びっくりする方が悪いんだし!」

櫻子「ねーちゃんは?」

花子「まだ帰ってきてないし……」

櫻子「ふーん、そっか。まあいいや、私、向日葵の家にこれから行ってくるね、じゃ」

花子「……」

花子「は――も――けし」ゴニョゴニョ

櫻子「うん?何だって?」

花子「……!」グッ

花子「だ、だから!花子もこれから一緒に連れてけし!」

櫻子「……お、おう」

ーお風呂ー

櫻子「フンフフンフフーン」ゴシゴシ

ガラッ

花子「……」

ピシャ

花子 櫻子「………………」

櫻子「は、入ってますよ、まだ」

花子「そんなの見ればわかるし」

花子 櫻子「………………」

櫻子「で――――」

花子「何も言うなし」

櫻子「で――――」

花子「何も言うなし!」

花子 櫻子「………………」

花子「背中洗ってやるし」

櫻子「いや、いいです」

花子「だから櫻子もこっちの背中洗えし」

花子「少なくとも花子がお風呂浸かり終わるまでは、浴室に一緒にいろし」

花子 櫻子「………………」ゴシゴシ

櫻子(……なんか知らんが超恥ずかしいから逃げよう)

櫻子「あっ、あんなとこにUFOが!」バッ

花子「はっ?」ジトー

櫻子「あ……、あんなとこに……、UFOが……」オロオロ

花子「わかったからはやく座れし」

櫻子「……」ストン

花子 櫻子「………………」ゴシゴシ

櫻子(どうしてこうなった)

ートイレ前ー

櫻子「うへえ、トイレまで付き添いかよー」

花子「やかましいし、黙ってろし」カァ

櫻子「……」

櫻子(下手に弄れない雰囲気がなんともやり辛い)

櫻子「じゃあ、しゃーないから私、扉の前で待ってるからはやく済ませて」

花子「そうなると、花子個室の中で一人になっちゃうし」

櫻子「うん」

花子「だから入れし」

櫻子「……うん?」

花子「もちろん目を瞑って、口を閉じて、鼻を塞いで、耳を塞げし」

櫻子「……鼻と両耳ってしっかり塞ぐには、私の二本の腕じゃ足りない気がするんだけど」

花子「じゃあ、花子が両耳を塞ぐから鼻は櫻子が自分で塞ぐし」





ートイレー

花子 櫻子「…………」

花子「ちゃんと言った通りになってる?」

櫻子「うん」

花子「口は開くなし」

櫻子「ひどい」

花子 櫻子「………………」




櫻子(何も聞かないように何も聞かないように何も聞かないように何も聞かないように――)



櫻子(……って、これじゃ息出来ないんですけど!?)

ー櫻子部屋ー

櫻子(はあ……、予想以上に花子がおかしい)

櫻子(疲れたから色々な事は明日考えよう……)

ガチャ

花子「……」

櫻子「えっ、まさかまたトイレ?」

花子「ち、違うし!そんなんじゃないし!」

花子「……」

花子「……」モゾモゾ

櫻子「なんで普通に私のベッドの中に入ってきてんの」

花子「花子のベッドに今から二人で入って暖めるよりは、こっちの方法のほうが省エネだし」

櫻子「いや、そういう話してるわけじゃないんだけど」

花子「そんなのはこっちも百も承知だし」

花子 櫻子「…………」ギュゥ

櫻子「……」

櫻子(わかってるなら帰れよ……!)

花子「おやすみだし」

櫻子「お、おやすみ」

花子 櫻子「…………」

櫻子(だから自分のベッドに帰れよ……!)

ー数日後 居間ー

櫻子「花子が凄くおかしい」

撫子「と、いうと?」

櫻子「前まではあんなにべったりする子じゃなかった」

撫子「これでももっと小さい頃は櫻子に結構べったりしてた時期もあったんだよ?」

櫻子「何歳?」

撫子「0歳から1歳くらいまでの間はまず間違いない」

櫻子(みじかっ!)

撫子「……あの子も事件のショックが大きいんだよ、閉じた空間に一人でいるのが怖いんだと思う」

撫子「あんたもお姉ちゃんなんだから、ちゃんと受け止めてやりな」

櫻子「……ここ数日は、私にくっついてる時間の方が多いよね、ねーちゃんより」

撫子「そうだね」

櫻子「おかしくない?ねーちゃんの方がテキザイテキショでしょ?」

撫子(意味ちゃんとわかって使ってんのかな……?)

撫子「櫻子は花子の事嫌い?」

櫻子「え?なんでそんな話になるの?」

撫子「嫌いじゃないんでしょ?」

櫻子「まあ……、嫌いでは……、ないよ」ボソッ

撫子(ホント櫻子は素直じゃないんだから)

撫子「じゃあ、いいじゃん」

櫻子「良くない!」

撫子「……もしかして花子がついてくると、ひま子との二人っきりラブラブタイムが減るから嫌とか?」

櫻子「はあ?向日葵かんけーねーし!ねーちゃんのバカ」

撫子「ハイハイ、ゴメンゴメン」

撫子(まあそんな事で妹を邪険にするような奴ではないとは、私も思ってるよ)

櫻子「…………ていうか向日葵と二人っきりラブラブタイムってなんだよ!」

櫻子「私達犬猿の仲なんだから!」

櫻子「嫌々私が毎日向日葵と一緒にいてあげてるんだけど!」

撫子「突っ込み遅くない?」

撫子(邪険にはしない、バカだけど)

撫子「それじゃなんで、花子がひっついてくる事をそんなに気にするの?」


櫻子「………………」


櫻子「わかんない」

撫子「じゃあ、いいじゃん」


櫻子「………………」


櫻子「やだー!」

櫻子「テキザイテキショー!、テキザイテキショー!」ジタバタ


撫子(メンドくさいな……)

撫子「あのね、花子曰く、不安な時に櫻子が近くにいた方が安心出来るんだって」

櫻子「ふぇ?」

撫子(有事の際にはなんだかんだいって、櫻子が一番しぶとく生き残りそうだから)

撫子(その気持ちは私にも少しわからなくはない)

撫子「良かったじゃん」

櫻子「何が?」

撫子「だってそれって、お姉ちゃんとして花子に認めてもらえてるってことでしょ?」

撫子(本当は加えて、櫻子の近くにいてあげないと、何かあった時に凄い心配って矛盾した事も言ってたけど)

撫子(言わなければ何も問題ない)

櫻子「なるほど……、なるほど……」

櫻子「つまりねーちゃんよりもお姉ちゃんしてるって事?」 

撫子「櫻子は数倍お姉ちゃんやってる、数倍お姉ちゃんやってるよ」

櫻子「なるほど……、なるほど……」ウムウム

櫻子「……よしっ!」

ガチャ

撫子「…………」

ダダダッ

ハナコォー!

ギャー!イキナリナンダシー!

テレルナ、テレルナー!

キ、キモチワルイシー!


撫子「……」

撫子(よし、漫画でも読もっと)

撫子「………………」ペラッ

撫子「………………」ペラッ

撫子(……妹に思ったよりも頼られないのって、少しへこむな)ズーン

撫子(筋肉でも、つけようかな)ズーン

ー櫻子部屋 夜中ー

花子「zzzzz」スースー

櫻子(花子が一人でまた寝られるようになるまでこれ続くのか)

花子「zzzzz」スースー

櫻子(……ちょっと悪戯しても、罰は当たらないよね)

櫻子「……」ワキワキ

花子「zzzzz」グピー

櫻子「……」

撫子『櫻子は数倍お姉ちゃんやってる、数倍お姉ちゃんやってるよ』

櫻子「……」

櫻子(悪戯は、明日でいいや)

櫻子「……おやすみ、花子」

花子「zzzz」グピー

終わり

今日の所悩んで泣く泣く書き直した、仕方ないね
花子櫻子の仲良しに持って行きたかったのでホラ―パート?は別にどうでもよかった
その割に読み直すと思ってたよりは怖かった

HTML化さっさと依頼してきます

>>34
幽霊は出なかったけど
ゆるゆりの中で存在がもはやオカルトになりつつある男が出て来たっていうわかりにくいネタ
消えたあかりちゃんのお兄さんとかいう都市伝説ね……

没にしたのは駆けつけた警官の前で男が包丁で自殺――重くなり過ぎるので無かった事にした

とりあえず花子花子したかった

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