続・八幡「ぼくはきれいな八幡」雪乃「」 2 (1000)

ガガ文庫 渡航 「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」SS


希望があったので、書くことにしました。
プロットはまだ未完成で、着地点を探りながらの見切り発車となりますが、いましばらくおつきあいを…

更新は、少し遅くなると思います、すいません(汗

前スレ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1344462867

ごめんね。今晩、暇みつけて書くわ

葉山「…やぁ、雪ノ下さん。来たんだな」

雪乃「ええ、こんにちは葉山くん。ついさっきね」

以前ほどの刺々しさはなくなったが、未だ微妙な距離感で挨拶を交わす幼なじみ同士。そこに第三者が割って入る。

三浦「雪ノ下さん、ヒロイン役のくせに随分と遅い登場ね。さすが大物ってカンジ?」

雪乃「あら、御機嫌よう三浦さん。役もない部外者なのに、休日返上で練習に参加してくれるなんて、よほど暇なのね。その熱意に免じて、今からでも役を宛てがってあげましょうか? 森の木の役なんてどうかしら。引立て役が板についた貴女にはお似合いだと思うのだけれど」

何故か上機嫌で、ニヤニヤ笑いながら絡んできた三浦優美子の嫌みを、にこやかに切って捨てる雪乃。

三浦「………!!」

敵意剥き出しで睨みつけてくる三浦と、それを軽やかに無視して辺りを見渡す雪乃。葉山以外の面々は視線を合わせないよう、遠巻きにしている。

雪乃「…葉山くん、比企谷くんを見なかったかしら?」

葉山「…いや、少し前までその辺りで作業してたみたいだけど。さっきから見てないな」

三浦を宥めていたところに声をかけられ、少し戸惑った表情で応える葉山。

雪乃の視界の外で、戸部がぎくりと身体をこわばらせたのを見咎め、海老名が不審な表情を浮かべた。

三浦「…はっ、そんなに気になるんなら、首輪でもして手に繋いでおいたら?」

雪乃「……………ふむ」

三浦「…ちょっと、さすがに冗談だし」

キョトンとした顔で三浦の言葉に反応したあと、「それもいいわね」という表情で黙り込んで真面目に検討している雪乃。三浦もさすがに若干ヒいた様子でツッコむ。周囲も勿論ドン引きである。

雪乃「…まぁいいわ、余所を当たってみる。ごめんなさい、お邪魔したわね」

髪をかきあげ、振り向く背中越しに

三浦「……何事もなく、見つかるといいわね、ヒキオ」

その顔に浮かんでいるのは嘲笑、だった。

海老名「……優美子?」

戸部「………」

八幡「……ゆ、結衣?」

結衣「……………」

暗闇に、少しずつ目が慣れてきた。おそらく、倉庫に転がっていた物だろう。結衣はカ−テンのような布地を身体に巻き付けていた。熱に浮かされた様な目で近づいてくる結衣の様子に、思わず後ずさる八幡の腰と背中が、何かにあたる。振り向くと、木製の看板のような物が退路を断っていた。よく見ると、何か大きな文字で書かれている。

「突き進め 若人 燃やせ 青春の熱き 血潮」

八幡「…何だこれ」

体育祭の立て看板だった。

しばし呆然とした次の瞬間…胸の中に、何かが飛び込んで来ていた。

しばし休止。誰かみてる?

八幡「……うお?!」

体当たりのような勢いで飛び込んできた結衣を、胸で受けとめた。背後で看板が軋む。必死の表情で見上げてくる瞳の中で、光が揺れていた。

八幡「……ゆ、結衣」

結衣「ヒッキー……ううん、違う、そうじゃなくて……は……ひ……ひ……比企谷、くん……あたし……あたし、ずっと伝えたかったことが」

八幡「……結衣、いいから、まず落ちつけ」

結衣「……お願い、聞いて!! あたし……あたし……!!」

そのとき、看板の端があたり、頭上からぐらりと角材の束が倒れかかってきた。

結衣「……あ」

八幡「危ない!!」

とっさに結衣を抱え込み、体を捻る。
ガラ・ガタガタ!…どさっ

自分の体を下敷きに床のマットの上に倒れこみ、倒れこんできた角材を回避した。


八幡「……ふう。大丈夫か?」

息を吐き、体の上の結衣を見上げる。

結衣「……うん、ありがとう。また、助けて貰っちゃったね」

八幡「……た、大したことはしてねぇよ。いちいち気にすんな。それより、その格好なんとかしろ」

熱っぽく潤んだ瞳を直視できず、視線を逸らした。体に巻き付いた布地も、解けかけていた。

体を起こそうとして…その肩を抑えこまれた。
ぎょっとして、再び顔を見上げる。

結衣「…………好き」

かすれたような声で、ささやくのが聞こえた。

顔に、何か熱いものが触れる。結衣の眼から零れ落ちた涙が、八幡の頬を濡らしていた。

今晩はここまで。また明日から週末にかけて溜まってたぶんを消化していきます。

更新します

15続き

八幡「…………!!」

結衣の下で、電撃に打たれたように八幡の肉体が硬直した。

結衣「……ゴメンね、こんなこと言われても…困るよね…でも」

暗い倉庫の中で、俯いた瞳は髪に隠されて見えない。

ただ、告げられた言葉と、涙を見た衝撃と、触れる素肌の熱さが、八幡の意識を麻痺させている。

きゅっ、と服の襟を掴んで結衣が続ける言葉を、どこか遠くから響く音のように感じた。

結衣「ずっと…貴方のことが好き、でした」

頭が真っ白で、激しく聞こえる鼓動は、自分のものか、それとも結衣のものなのか。

この沈黙は、何分続いているのか、それとも数秒程度なのか。それすらも曖昧で口の中はカラカラに乾き咽喉がヒリつく。

何か言わなければ、答えを返さなくてはああでも何を言えばいいんだよいやまて落ちつけ比企谷八幡うろたえるんじゃあないッ!ドイツ軍人はうろたえないって俺ドイツ軍人じゃなくてただのぼっちだったわ。

そう、俺はぼっちだ。ただの、よく、訓練されたぼっちだ。

八幡「…………ゆ、結…衣」

ようやく、咽喉の奥から声を絞り出した。

頭はまだ混乱し、何を言えばいいのか定まらない。それでも、なんとか声を出したことで、金縛りが解けた。

抑え込まれたまま、そっと、自分の手を持ち上げる。その手で…そっと、結衣の頬に触れた。

はっ、と顔を上げた結衣と、視線が合う。その瞳の中には、期待と、拒絶されることへの怖れと、興奮、混乱、さまざまな想いが渦巻いていた。

八幡は、今更ながら当たり前のことに気付く。

こいつも…いっぱいいっぱいなんだよな。

結衣「ヒッキー……」

八幡「………………」

結衣を見上げながら、八幡が小さく息を呑む。

結衣の手が、八幡の手をそっと包み込んだ。言葉もなく、暗闇のなかでただ見つめ合う。


……むかし、中学になるかならない頃だ。かわいい女の子に呼び出されて告白される…そんな場面の妄想を、ほかの思春期の男子がするように自分もしていたように思う。

しかし、その後、多くの痛々しい経験から学習した。俺の人生には、そんな場面は訪れない。ありとあらゆるトラップが教えてくれた。

じゃんけんで負けた罰ゲームの告白も、女子が代筆した男子からの偽のラブレターも。今となっては笑い話だ。

なかでもとりわけ最悪の罠は、誰にでも向けられる優しさというやつだった。最初から嫌われて距離をとる以外、回避のしようがない。


だが、それすらももはや克服した。護身完成、もはや、徒な期待に惑わされたり振り回されることはない。

…ほんの数か月前まで、そう思っていた。

すんません。学会発表やら担当が増えたりで、現在進行形でせっぱつまってんすよ!!(汗
おまけに上司にここで書いてることがバレそうになった。間一髪で誤魔化したけど。

ぼちぼちほとぼりもさめてきたのでこっそり更新していきます。

92続き

しかし自分の人生には絶対に訪れないと決めつけていたシチュエーションに、今まさに遭遇している。

……よりによって、このタイミングで。この世界はまだまだ驚きに満ちたものらしい。だがもう、油断しない。

だからこのゲームでこの比企谷八幡に精神的動揺による操作(コントロール)ミスは決してない!と思っていただこうッ!

いまなら突然、静先生が結婚すると聞かされても驚かない自信がある。

むしろその後で、すぐに破談になったと聞かされるところまで予想しているレベル。


…益体もない妄想をもてあそぶ、現実逃避気味の意識を無理矢理に引き戻す。


………言うべき答えは、決まっていた。 結衣が本気で…本当に、自分を好きだと思ってくれているのは、疑う余地はない。

だが、それをわかっていても。わかっているからこそ…自分は、言わなければならない。

…頬に落ちた涙の熱が、拡散していく。不安そうな瞳で間近からこちらを見ている結衣をみた。


ざ く ん !!


胸に、包丁を刺されたような感覚が、八幡の呼吸を止める。知り合ってからこれまでの、いろいろな結衣の表情が脳裏に再生される。

拗ねたような顔、呆れ顔、上目使いでこちらの様子を伺っている表情、照れ笑い、憂い顔、幸福そうな、笑顔。そして、泣き顔。

いま、この瞬間も自分をじっと見下している、この……


ずきん、ずきん、ずきんと、胸の痛みはどんどん強くなっていく。


それでも。それでもだ!!


八幡「ゆ、ゆひ」

ミスした。しょっぱなから噛んだ。

結衣「………」

少女は無言のまま、こちらを見ている。その様子をみてすこし、落ち着いた。

ひとつ咳払いして、八幡は、告白に対する答えを……切り裂いた胸の傷から抉り出すように、口にした。


八幡「……俺は、お前の今の気持ちには、応えられない」


目を伏せる。結衣の顔を、正面から見られなかった。どんな顔をしていいかわからない。

結衣が今、どんな表情をしているかわからない。胸を刺す痛みが、八幡を責めたてる。

卑怯者。このひきょうもの。


薄暗い倉庫の中でつづく、沈黙と痛み。

八幡は耐えた。泣き言は心の中でも言わない。結衣の方がずっと痛いはずだ。

結衣「……わかってた」

感情の起伏を感じさせない、一見落ち着いた声音で結衣が呟いた。

八幡「……………」


結衣「……ゆきのんのことが、好きなんだよね?」

八幡「……!!」

はっと顔をあげた八幡が、言葉を発する前に。


結衣「…みてたもん!! サイゼでのことも、こないだの部室で話してたのも!!」

結衣が、泣きながら叫んだ。

結衣「……あたし、ヒッキーも、ゆきのんのことも、ずっとみてたし。もう、お互い好きあってるのバレバレだったし!」

結衣「…ううん、その前から、いつかそうなるんじゃないかって思ってた。ずっと、怖かった!!」

結衣「……何度も、諦めようかっておもったよ。あ、あたし、ヒッキーのこともゆきのんのことも大好きだもん。険悪になるくらいなら、身を引こうって…

   いつもみたいに、空気を読んで、笑ってやりすごそうとしたけど、でもできなかった!!」

結衣「だって、ずっと好きだったんだもん! あたしの方が、先に好きになったんだもん!! ヒッキーにもあたしのこと好きになってほしくて、
   ずっとあたしのことだけ見ててほしくて…」


結衣「でも、どうしていいかわからないし! あ、あたし、ゆきのんみたいに美人でも、頭よくもないし。料理だって、ヘタクソだし!!」


八幡「……結衣、もういい!!」


おもわず結衣の肩をつかみ、制止しようとする。



いったんとめ。今日中にまた、結構すすみますよ…

結衣が、身をよじったせいで、指が結衣の身体に巻かれた布地にひっかかった。

する…と、そのまま解けて…八幡の身体の上に、落ちた。

薄闇のなかに、ぼう、と白い裸身が浮かぶ。

八幡「………ご、ごめん?!!」

八幡が動揺で身体を捻ったため、上に乗っている結衣がまたバランスをくずした。

前のめりに倒れかかる結衣の身体を咄嗟に、前に突き出した両手で支えようとする。


結衣「あ……っ」

むにゅん

八幡「」


……気がつけば上からのしかかられつつ、思い切り、両手で結衣の胸を揉む体勢になっていた。

いまからエヴァQみてきます。また深夜更新よてい

両手に感じる重みと柔らかさに、意識を塗り潰される。鼓動と呼吸が定まらない。結衣は、切なそうに潤んだ瞳で、何も言わずこちらを見ている。

ヤバい。ヤバいヤバいヤバい。このままだと理性がトぶ。 この体勢はまずい。 まず、離れないと!!
意志力を総動員して、手を離し、身体を起こそうとした。

結衣「ヒッキー…がまん、しないでいいよ」

ぎちぃ!

そっと、耳元でささやかれた言葉に、八幡の身体が固まる。

結衣「あたし、こんなことしかできないもん。卑怯かもしれないけど、それでもヒッキーのこと…ヒッキーに、あたしを好きになってほしいんだもん」

八幡「………!!」


結衣「……あたしを、好きにしていいよ。これで、付き合って、なんて言わないから。でも、お願いだから……少しでもいいから、あたしの方を見て? あたしを…好きになってよ」


八幡「……結衣!!」

結衣「……あっ!」


結衣の身体に手を回し、そのままぐるん、と上下の体勢を入れ替えた。今度は、八幡が結衣を見下ろすかたちになる。

吐息が熱い。頬はかっかと火照り、どっどっどっ…と、鼓動がやたら耳に響く。八幡が、やたら真剣な顔で結衣を見下ろしている。八幡の呼吸も、結衣と同じように乱れていた。

八幡が、自分の上着のボタンをはずしだすのをみて、一瞬、身体が強張った。やっぱり、怖い。初めては、痛いっていうし…しかし、強く目を閉じ、必死でその恐怖を押し[ピーーー]。八幡の手が、自分に触れる瞬間を待つ。


パサ…

結衣「……?」


手ではなく、何か布のような感触が肌に触れた。何かと思い、そっと目を開けると、


八幡「…ふん!!」ゴキン!

倉庫内に落ちていた金づちで、八幡が自分の脛を強打していた。

自分の身体を覆っているのは、八幡の上着だ。

八幡「〜〜〜〜〜!!」

声にならない声を上げて悶絶する八幡。

結衣「……な、何やってるのヒッキー?!!」

突然の奇行に、目を丸くして叫ぶ。

八幡「……な、何やってるって?」ズキズキ

八幡が、ゆっくりと結衣の方に振り向く。


八幡「……それは、こっちの台詞だ、この馬鹿」

結衣「…ひ、ひどい!! 確かにあたし、ゆきのんみたいに賢くないけど…」

八幡「そゆこと言ってるんじゃねぇよこの大馬鹿!!」

結衣「う〜〜、バカバカ言わないでよ!! それなら、ヒッキーだってバカじゃん!!」

八幡「うるせえ、馬鹿って言うやつが馬鹿なんだよ!!」


結衣「…え、ごめん…て、あれ? なんかおかし…」

八幡「ああ、そうだよ、俺もお前も大馬鹿だ。好きになって…? そんなもん、最初から好きだったに決まってるだろ」

結衣「…えっ」

いまさら、みてるひといる?

八幡「…好きだし、尊敬してる。すごく、感謝してる! 大事に思ってるよ!!」

結衣「……」

八幡「……でも、だからこそ!! 今のお前の気持ちには応えられない……たとえ、雪乃のことがなくてもだ!!!」

結衣「……どうして?」

八幡「誰に唆されたかはきかないけど、これはお前のアイデアじゃないだろ? お前、見た目に反して中身は呆れるくらい清純だからな」

結衣「な…う、うれしいけど、見た目に反してとか言うな!! それに、あたしの考えだもん」


八幡「震えて涙流してたたくせにムリすんな。それに……お前、自分を卑下しすぎなんだよ!!」

結衣「……そ、それこそ、ヒッキーに言われたくないよ!!」

八幡「うるせぇ!! ぼっちの俺と違って、お前には友達がたくさんいるだろ……いつだって空気読んで、周りに気をつかって、俺みたいな奴にも優しくして……」

結衣「……ヒッキー」

八幡「…俺も雪乃も、お前の優しさにずっと救われてた!! 誰が何と言おうが、お前は俺なんかよりずっと凄いやつだよ」

結衣「…うっ」
結衣が、溢れてきた涙を拭う。

八幡「…今、俺が言っても説得力はないだろうが、お前はすげぇいい女だよ。本来、俺なんかが足元にも寄れないくらいな。そんないい女が…」

息をひとつ吐いて、目を伏せた。

八幡「……自分を卑下して、付き合ってくれなくてもいいからとか、そんな安売りするようなこと、言うなよ。それじゃ、『都合のいい女』になっちゃうだろ…」

結衣「…つ、都合がいいなら、乗ったらいいでしょ。ヒッキーが、怒ること、ないじゃん」


八幡「…あん?」


いわゆる、据え膳でしょ、と続ける結衣を、じろりと睨む。


八幡「……据え膳だろうがなんだろうが、食うかどうかは自分で決める。
……嫌いなんだよ、そういうの。誰かにお膳立てされて、お前の焦りにつけこんで…
ここで、流されてお前を抱いたら、きっと後悔する。 お前にも、雪乃にも顔向けできなくなる。だから…」

目を閉じ、拳を握りしめた。

結衣「………」

八幡「………」

薄闇の中で、二人とも無言だった。


やがて、結衣がくすくすと笑いだした。

結衣「………ヒッキーは本当に…どこまでいっても、ヒッキーなんだね」

そういうと、寂しげに微笑む。

八幡は、何か言おうとして…何も言えなかった。

結衣「……後ろ、向いててくれる?」

無言で頷き、結衣に背を向けた。手をポケットに、跳び箱に寄りかかりながら天井を見る。

背後から、衣服を身に着ける音が聞こえてきた。


結衣「……ねぇ」

八幡「……ああ」

結衣「……さっき、はっきり答えてくれなかったこと、もう一度聞いていい?」

八幡「…………!」

ピク、と身がわずかに固まる。


結衣「……ゆきのんのこと、好きなの?」

しばしの沈黙の後、ひとつ息を吐いて、答えた。


八幡「……ああ、好きだ。もう、自分を誤魔化せないくらいに」

結衣「……どうして?」

八幡「……どうして、か」

その短い問いに、どれだけの意味が込められているのか。

八幡「……今はまだ、うまく答えられない。 あいつのすべてを理解できているとも思えないし、俺が…あいつの隣を歩んでいけるのかもわからない」

どうしようもなく孤高で、どうしようもなく気高い。
どうしようもなく強く、またどうしようもなく儚い。
どうしようもなく鋭利で、どうしようもなく脆い。
どうしようもなく正しく、どうしようもなく間違っている。
どうしようもなく真直ぐで…どうしようもなく、美しい。

そんな彼女の在り方を…

八幡「……きっと、それはずっと変わらないだろう」

人間が理解しあえるなんていうのは幻想だ。愛も恋も、容易にうつろう、儚い感情だ。信じるに足りない。
星に手を伸ばしても、決して届きはしないように。人の心と心の間にも、きっと何光年も隔絶した距離がある。
八幡は、今でもそう思っている。

だが、それでも…自分が雪乃に抱いているものが身勝手な幻想なのだとしても。
この想いがいつか儚くうつろい散り去ってゆく陽炎のようなものなのだとしても。
人間は所詮、孤独なものであり、いつか、この道は分かたれてしまうのだと知っていても。

八幡「それでも……俺はあいつの在り方を見て、愛しいと思う。道が交わらなくても、同じ方向を見ていたいと思う。あいつに出会えて、心から良かったと思う」

…どこかで、かすかに何かが軋むような音がした。

ごめん、とりま限界。だが…公約は…げふ

よんだぁぁぁ!! おもしれぇぇぇ!!
ヒッキーかっこえええええ!!!

…うん。でも、このSS的には、もういろいろ矛盾が^^;

とりあえず、ここまで書いたのでプロットどおりに完結させます。
そして、6巻読んだら、次回作も書きたくなってきた

残された葉山達のグループは、まだ練習を続けていた。

海老名「……ユイと比企谷くん、帰ってこないね?」

葉山「……そうだな」

海老名「雪ノ下さん、合流できたのかな」

三浦「さぁ、知らね。見つけられてたら…面白いけどね」フッ

海老名「………優美子?」

戸部「…………」ソワソワ

海老名「……戸部くん、何か知ってるの?」

戸部「お、おぉ?! い、いや、何も知らねーし!!」ギクゥ!

海老名「…………そう」


ひとつ頷くと、立ち上がる。

海老名「あたしもちょっと、探しに行ってくるね」

海老名「………比企谷くん? おーい!」

外に出たところで、早足でこちらに向かってくる八幡の姿を発見した。心なしか焦った表情で落ち着きなく周囲を見回していたが、声をかけると、こちらに気づいたようだ。

八幡「………海老名さんか。悪い、雪乃を見なかったか?」

海老名「雪ノ下さん? さっき、比企谷くんを探してまわってたけど…会わなかったの?」

八幡「………ああ。こっちには戻ってきてなかったか?」

海老名「…うん、そのあとは見てないけど…比企谷くんは? ユイと一緒だったんじゃないの?」

八幡「………」それには答えず、更に顔色を蒼白にして頭をがしがしと掻く八幡の姿を見て、訝る海老名。

ふと、八幡の視線が海老名の背後をとらえ、停止した。海老名も思わず振り向く。


八幡「……戸部」

戸部「……よ、よー比企谷くん」

少しひきつった顔の戸部に、八幡が近づいていく。

戸部「それで、その……どうだった?」

おそるおそる、といった感じで囁きかける戸部の問いに答えず、八幡は淡々とした声で逆に尋ねた。

八幡「………あの女はどこだ?」

戸部「……えっ」ギク

八幡「お前が首謀者じゃないのは、わかってる」

三浦「………あーしに、何か用?」

海老名「…優美子」

戸部の後ろから、三浦優美子が現れる。

八幡「………三浦」

正面から視線がぶつかる。傲然と立つ三浦優美子に向かって、真直ぐ歩いていく八幡を、海老名と戸部は息を呑んで見つめた。

八幡「……(ボソッ)」

…八幡は、三浦の脇をそのまま通り過ぎた。すれ違いざま、何かを囁き、それを聞いた三浦が、困惑した表情を浮かべ振り向く。

三浦「………はぁ?! あんた何言って……」

八幡「………頼むよ、三浦」

三浦「………………………ほかに何か、あーしに言いたいことがあるんじゃないの?」


一瞬だけ、八幡は立ち止った。しかし振り向かず

八幡「……ねぇよ、何もな」

とだけ呟くと、そのまま去ってゆく。


三浦「……………わかったよ」

三浦優美子は溜息をひとつ吐くと、自分の髪を手で払った。

海老名「…………優美子、戸部くん、説明してくれるよね?」ニッコリ

戸部「……………」

キョドりながらボスの様子をチラチラ伺うキョロ充。

炎の女王は、珍しく覇気の失せた表情で腕を組んで無言だった。

海老名「………優美子。ことと次第によっては、いくらあんたでも」

三浦「…………わかった。海老名、ついてきて」


戸部「優美子、お、俺は……」

三浦「おめーは、ヒキオに手を貸してやりな」

戸部「………わ、わかった」


戸部があわてて、八幡の去った方に追随する。途中、ちらちらと海老名の方へ視線を向けていたが、海老名は無視した。


海老名「………さっき、比企谷くんに何を言われたの? あんた、何をしたの?」

三浦「………結衣についててやってくれって。 あーしは………」

体育倉庫へ向けて歩き出しながら、三浦優美子は説明した。

「………背中を、押してやったんだよ」



雪乃の姿は、どこにも見つからなかった。

ごめん、今日短いですがここまで。明日以降、最後のヤマに突入します。あと10日以内、できたら1週間くらいで完結めざしますが

例によって予定は未定!!

さ、さすがにそれはない、ないとおもう!!(汗

「結衣は気分が悪くなり、三浦や海老名の付添で帰宅した。雪乃もそれに同行した」

事情を知る者には箝口令を布き、他の参加者にはそう説明した。不審に思ったものもいたようだが、結衣の調子が悪かったことは周知であったので、一応の納得は得られたようだ。

結衣は翌日、学校を休んだ。担任には「風邪で」と連絡があったようだ。

八幡はあれから、結衣とも雪乃とも顔を合わせていない。仮に会っても、どういう態度をとればいいのかわからなかった。
劇の発表を1週間以内に控え、奉仕部はバラバラになってしまった。

海老名「比企谷くん」

昼休み、自分の席から窓の外をぼうっと眺めている八幡に海老名が声をかけてきた。

八幡「…ああ」

海老名「…大丈夫? 顔色が悪いけど」

八幡「……そうか? いつもこんなもんだろ」

海老名「………あの、ね。平塚先生が、授業が終わったらすぐに職員室に来るようにって。聞きたいことがあるんだって」

八幡「……ああ、わかった。サンキュ」

礼を言うと、また視線を窓の外に向ける。しばらくして、ふと気づくと、海老名はまだそこにいた。真剣な表情で、八幡をじっと見つめている。

八幡「……まだ何か用か?」

海老名「……うん。あたしも、ちょっと話があるの。少し、付き合ってくれない?」

八幡「………ここじゃできないような話か?」

海老名は、頷いた。

海老名「……大体、予想はつくでしょ?」

八幡「………………わかったよ」

八幡は溜息をひとつ吐き、立ち上がった。

海老名に導かれて屋上に出る。天気は、秋晴れだった。爽やかな日差しが、今の八幡には少し鬱陶しく感じられる。

屋上には、先客がいた。反応からして、どうやら八幡と海老名の到着を知っていたようだ。

八幡「…………三浦か」

三浦「…………」

三浦優美子は、無言で八幡に視線を向けている。八幡も無言でその視線を静かに受け止めた。

海老名「……ほら、優美子」

海老名が、優美子をつつく。それに促され、三浦が口を開いた。


三浦「………あんたに、いくつか聞きたいことがあるんだけど」

海老名「……優美子?」

海老名の声が、少し低くなる。八幡は、何か言おうとする海老名を片手で制した。

八幡「………何だ?」

三浦「………何で、ユイを振ったの? つーか、何様?」

八幡「………俺には、あいつの気持ちを受け入れる資格がない」

三浦「………は、何それ。気持ち悪ぃ」

海老名「…優美子、あんたね、いい加減に……」

八幡「海老名さん、いいって」

激昂しかかる海老名を、淡々とした声で抑える。


三浦「……それで、あの女と付き合うんだ? でも、もう難しいんじゃない? なんか気まずくなってるんでしょ今」

三浦の声が、嘲りの色を帯びる。

八幡「ああ、そうだな」

八幡の反応は、あくまで平静だった。

三浦「………何スカしてんだよ。あーしにムカついてんだろ?! 何とか言ってみろこのタ●無し!!」

八幡「…………」

三浦「童○のイ●ポ野郎!!」

パァン!!

屋上に乾いた音が響く。

三浦の正面に立った海老名が、無言で頬を張っていた。

鬱陶しいでしょうが、もし見てくれてる人がいたら、反応くれたほうが筆がすすみますわー

残響が消え、屋上に静寂が戻る。海老名は頬を紅潮させながら、三浦をキッと見つめている。
少し呼吸が早くなっていた。三浦は、打たれた頬を抑え、視線をそらしたまま無言。

いずれも、普段の彼女たちからは想像もつかない姿だった。


それから目を逸らし、屋上の縁まで歩いていきながら、八幡がようやく口を開いた。

八幡「……今更お前を責めてもどうにもならないだろ」

海老名「…比企谷くん」

八幡「……それに、別にお前が悪意でやったとは思ってない。雪乃に対する普段の意趣返しもあったんだろうけどな。
   結衣に協力してやろうと思ったのは本当だろ」

三浦「…………」

三浦は、無言で俯いていた。

八幡「……お前は横暴で単純なだけで、別に悪人じゃない」

三浦「んだとテメェ!」

八幡「だから、今の状況を見て、多少の責任を感じてるんだろ。でも、本当にお前のせいだとは思ってないから」

三浦「………………」

八幡「……お前はきっかけになったかもしれないけど、元々、いつこうなってもおかしくはなかった。俺も雪乃も、ただ、そこにある爆弾を見て見ぬふりしてただけだ。
    ………もしお前が結衣をけしかけなかったら、俺も雪乃も、あいつの痛みから都合よく目をそらしたままだった」


風がフェンス越しに屋上を吹き抜ける。海老名も、三浦も無言。八幡の指が、金網をぎゅっと掴んで撓ませた。

八幡「そのまま俺と雪乃がくっついたら、あいつは祝福してくれたかもしれない。そして……きっと陰で泣くんだろう」

海老名は、顔を伏せた八幡が歯を軋らせる音を聞いた。

八幡「あいつ一人に傷を押し付けて、排除して……それでめでたし、めでたしか」

海老名「比企谷くん、でもそれは……」

八幡「…ああ、きっと、誰だってそうしてる。幸福な世界を享受している裏で、傷ついている誰かのことなんて
   意識から排除して……」

八幡の口元には笑みがはりついていたが、それは海老名の目にはまるで泣いているように見えた。

八幡「……そして、きっとお前らリア充は美化して言うんだろう。その傷も、いつかきっと思い出になる。成長の糧になると」

海老名「……比企谷くん」

八幡「……いや、『お前ら』じゃないな。今となっては、俺も自他ともに認める立派なリア充なんだから」

ほんとうに。まったく。

 『—青春とは嘘であり、悪である。青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺く』

じつに、そのとおりだ。


八幡「リア充……爆発しろ」

ちょと風呂はいってきますが、もう少しだけ更新予定。

…ちょっとだけ、プロット修正中。
次回、葉山くん登場。海老名さん歓喜の展開へ。

にしても死亡フラグは山ほど立ててもらってますが、「とっとと書け」以外の感想がたまに欲しくなるんスよ!

…いやまぁ。さんざん引き延ばした自業自得ですし、愛想尽かされてないだけありがたいですが(^^;
明日もたぶん深夜更新。

暫し時間が過ぎ、八幡に痛ましい視線を向けていた海老名が声をかける。

海老名「……これから、どうするの?」

八幡も、顔をあげ、その問いかけに答えた。

八幡「……最悪、結衣や雪乃が戻ってこない場合も考える。代役を立てる必要があるだろうな」

八幡は振り向いて、海老名と三浦の方を見た。

八幡「…悪いけど、そのときは海老名さんと、三浦に頼むことになると思う。劇の最初から関わっていて内容も理解してるし、
   役が今のところないからな。ほかに考えられない」

海老名「………わかった。万が一のとき、だね。優美子もそれでいいよね?」

三浦「…………ああ」

ともに、頷く。

八幡「……悪いな。そのときはだいぶ無理して貰うことになる」

海老名「それはいいけど…でも、そうなったら」

海老名が、起こりうる状況への危惧から眉をひそめた。そのようなことになれば、混乱は免れない。

関係者には事情を詮索されるだろうし、結衣や雪乃へのあらぬ噂や中傷も起きるだろう。


八幡「……口裏を合わせて、証言してくれ。葉山にも頼む」

海老名「……証言? なんて?」

三浦「………?」

海老名、三浦も八幡の意図が分からず、不審げな表情を浮かべる。

八幡は、説明した。

八幡「———…………」

海老名「……比企谷くん、きみ……」

三浦「……ヒキオ、あんた」

説明の内容を聞いた二人が、驚愕して八幡を凝視する。


八幡「……この説明が一番、傷が少なくて済む」

海老名「……雪ノ下さんとユイにとってはそうでしょうけど、きみは? 最悪の汚名を着ることになるよ」

八幡「…かまわない。慣れてるからな」

じっと自分の方を見つめ、確認する海老名に淡々とした声で答える。

海老名「……全校のヒーローから、もともとの空気どころじゃない、全校生徒の敵に転落するんだよ?」

八幡「……上がったり下がったり、波瀾万丈だな」

海老名「……比企谷くん!」

皮肉そうな微笑を浮かべ、他人事のように韜晦する八幡の肩を海老名が掴む。

海老名「……きみは、本当にそれでいいの?」

八幡「…三浦や、海老名さんにもたぶん、わからないだろうけどな」

八幡の顔には、微笑が浮かんでいた。

八幡「……本当のぼっちの世界ってのは、もともと自分自身だけで完結してるんだよ。他人にどう思われようと…空気扱いだろうと、嘲笑や陰口をたたかれようと今更関係ない」

海老名「……でも!」

八幡「……もともと、今の立ち位置の方に違和感があったんだ。俺は、周囲から持ち上げられるような人間じゃない。孤立して、罵倒されるている方が相応しい人間だ。
   …ずっと、どこかでそう感じていた。だからだろうな、こうしようと決めて、むしろ、どこか安堵しているんだ」

海老名「どうして?! 比企谷くん、なにも悪いことなんてしてないでしょう!」

いつも飄々とした海老名がここまで感情を露わにするのを、八幡は初めて見た。三浦は、無言でこちらを…睨みつけるような視線で見ている。


八幡「………」

すこし、いき苦しい。フェンスに囲まれた屋上から、空に視線を移した。雲のない、綺麗な秋晴れの空。どこまでも高く青い…

八幡「……今回の劇が終わったら、俺は奉仕部を辞めると思う」

海老名「………!」

三浦「………」

もはや言葉もなく、八幡の肩に手をかけたまま、蒼白な表情で八幡の顔を見ている海老名。
三浦は口を一瞬開きかけ……結局何も言わず、八幡を凝視している。


八幡「誰も悪くない…多分、そうなんだろう。俺も、雪乃も、結衣も…周囲の誰もこうなることなんて望んでなかった」

淡々と、八幡は続ける。

八幡「でも、望んでいようと、いなかろうと、全員が負った傷をなかったことにはできない。一旦リセットして、一番マシな
   状況に持っていくには、それ以外考え付かなかった」

海老名「……比企谷くん、ウソついてるよね?」

八幡「……嘘じゃない。本気で…」

海老名「…そうじゃない。辛くないっていうそのフリが…ウソでしょう?」

八幡「……………」


三浦「……やっぱ、アンタのこと理解できない。何考えてんの…それのどこが、一番マシな状況なのよ」

八幡「……俺も雪乃も、今更、結衣の痛みを見て見ぬふりはできない。でも、もうどうしようもない」

三浦「…だから?!」

八幡「……せめて、平等に傷と痛みを分け合う。罪の意識を抱えたまま幸せになんてなれない。罰を受けて消さなきゃ…先へ進めないんだ」

こんな空の下で、どうしてこんなにいき苦しいのだろう。

八幡「つらいのは…本当につらいのは、ぼっちに戻ることなんかじゃない。そんなもの、屁でもない。
   本当につらいのは、怖いのは、俺なんかのためにあいつらがお互いを無くすことだ」

海老名「……比企谷くん」

八幡「…雪乃にとって結衣は、小学校より後、きっと初めてできた友人…親友なんだ。
   結衣にとっても、雪乃は…お前らとはまた別の意味で、かけがえのない、特別な存在だった」

奉仕部に入ってから、ずっとみてきた。3人で、同じ時間を過ごしてきた。だから、いやというほど知っている。

八幡「お互い受けた傷をなかったことにはできなくても、やり直すことはできる。でも、そのためには俺が邪魔だ。
   
   俺を二人の間から排除すれば……」


漸く、呼吸を弛めることができた。

八幡「……また、親友に戻れる」
   

きっと、そう…あってほしいというのは、身勝手な思いかもしれない。だが、雪乃なら、この願いを理解してくれる。結衣も、空気を読んでくれる。そう、信じる。


海老名「…やっぱり、おかしい。納得できないよ。先へ進むって、何一つ進んでないじゃない。」

八幡「……………」

海老名「仮に、百歩譲って、あの二人がまた友達になれたとして、比企谷くんはどうなるの?」

八幡「…また、元の世界に戻るだけだよ。誰にも関わらず、誰も傷つけない…それがぼっちの生き方だ」

八幡は微笑みながら海老名の手を握り、そっと肩から外す。
そして、そのまま後ろに退がり、伸ばされた手から自ら距離をとった。

もう一度踏み出そうとする海老名を、視線で抑える。その瞳の中にあるのは、明白な感謝と…断絶の意志。

海老名「……怖くないの? 孤独な世界から、やっと日の当たる世界に出てきて……また元の場所、ううん、もっと暗いところに突き落とされようとしてるのに」

八幡「…大丈夫だよ。以前とは違う」

八幡は、目を閉じた。

八幡「雪乃は、こんな俺を愛しいと言ってくれた。もう一緒には居られなくても、あいつがくれた光が俺をずっと照らしてくれる。

結衣も、こんな俺を好きだって言ってくれたんだ。その温もりがあれば、もう凍えることはない」

瞼の裏に、確かに輝く星が見える。
八幡は、幸福な気持ちで目を開けた。


八幡「…まして今は、お前たちまで俺のことを知ってくれた。十分だよ ……俺は幸せだ」

俺も書きたいが、まだなんじゃ……すまんのう

読み返した。今更だが、プロットはさておき文章がところどころ粗いなぁ…(汗

どこまでいけるか続きかきます。

静「……それを信じろというのか?」

八幡は、職員室に呼び出されていた。隅にあるテーブルで話を聞くのは、いつぞやと同じ、奉仕部顧問の静と、演劇部顧問の鶴見、前部長 小田原の3人。

先日、雪乃と結衣が急にいなくなった本当の事情を訊きたい……そういわれて、八幡が説明した内容。

それを聞いて、静は呆れたように溜息を吐き、小田原と鶴見は八幡を無言でじっと見ている。

八幡「……信じろもなにも、事実ですから」

『それぞれに対して好きだ、付き合いたいとか言って二股かけようとしていたのがバレた。詰られて、両方に愛想を尽かされた』

……それが、八幡の説明だった。

鶴見「……どうしてそんなことを?」

八幡「いや、最近、球技大会とかで活躍してちょっとモテてたもんで、調子に乗ってたんですよ。今更ですが心を入れ替えて薔薇色の青春を目指そうと思って……そんで、とりあえず手近なところから攻略していこうかな、と」

小田原「ふーん……そりゃ最低だねぇ。もし、本当なら、だけど」

八幡「……本当ですよ。まぁ、今は反省してます。もっとうまくやるべきだったなって。二兎を追うものは一兎をも得ずってことですかね? まぁ、今後に教訓をいかしますよ」

我ながらひどい大根役者だ。これで騙される女子なんて果たしているのだろうか? 八幡は心中で苦笑する。

静「……もういい。よせ比企谷。本当の事情を話せないというのなら、これ以上は聞かない」

静が痛ましそうな表情で制止した。八幡の戯言を信じている様子は皆無だが、ある程度、想像がついている様だ。

八幡「…………」

静「……あの二人は、戻って来そうなのか?」

八幡「……わかりません。代役は、一応手配しました」

静「君はどうするんだ?」

八幡「……劇は予定通りやり遂げるつもりです。その後は……」

静「……そうか」

いえー、ハッピーエンドだいすきー!!

……いやでも、バッドエンドの名作もあるよね。

すまん

またせたな、こっち書くよ

今日は、練習に参加しなかった。あとのことは小田原に頼んであるが、主役ヒロインを含め中核たる奉仕部の全員が不参加という事態は、明らかな異常をほかの参加者に感じさせるだろう。
いざとなったら……と三浦や海老名に頼んでおいた、八幡の説明した事情。それが全校に広まるのは時間の問題かもしれない。

事故の後、定期的に受診しているクリニックの帰り。
何度か通りかかった交差点の前で佇む。思わず雪乃の姿を探してしまうが、もちろん、見つからなかった。

また、一人に戻った。
そんな考えが、心に浮かんできた。

クリニックの待合室で流れていた音楽の旋律が、耳にリフレインしている。どこか懐かしい、けれどさびしいメロディー。
あの曲はなんだったか……待っている間、ぼんやり考えていた。今、思い出した。
たしかサイモン&ガーファンクルの、「サウンド・オブ・サイレンス」だ。


「Hello,darkness my old friend.I've come to talk with you again.
 こんにちわ、僕の古い友だち、暗闇よ。また君と話をするためにやって来た。」


信号が青に変わる。歩き出した。



「Because a vision softly creeping.Left its seeds while I was sleeping.
 何故なら、幻影がそっと忍び込んで、私が眠っている間に種子を残していったから。」


多くの人とすれ違う。見知った顔は誰もいない。



「And the vision that was planted in my brain Still remains.
 そして、私の脳細胞の中に植え込まれた幻影は、今なお息づいている。」


誰とも視線を合わせず、ただ黙々と足を進める。


「With in The Sound Of Silence.
 静寂(沈黙)の音の中で。」



これから、どこへ行こうか。


「比企谷」

……誰かから、名を呼ばれた。顔を上げる。

どこかで見た公園。……そうか、あの晩、雪ノ下の家から走り去って、いつの間にか来ていたあの公園だ。

八幡「……こんなところでなんの話だ? 葉山」

葉山「……見当はついてるんじゃないか、比企谷」

呼び捨てだった。普段の、穏やかで爽やかな態度と明らかに異なる表情、強い視線。葉山隼人の姿からは明らかな怒気が感じられた。

葉山「優美子と姫菜から、話を聞いた」

八幡「……そうか。なら、そういうことだ。俺から付け加えることは何も」

葉山「比企谷!!」

ない、と続けようとして、葉山の怒声に妨げられた。

葉山「お前は、お前の優しさは、間違っている!!」

八幡「……間違っている、か。ああ、そうだな。そうだろうよ」

口元を歪めながら肯定する。そうだ葉山、お前はいつだって正しい。
自分は間違っている。そんなことはとっくに知っている。ずっと、間違って、間違って、間違い続けてこの有様だ。

その笑いがカンに障ったのか、葉山に胸倉を掴まれる。

葉山「どうして、お前は……」

その後に何と言おうとしたのか。葉山は、結局それ以上は言葉を続けず、ただ八幡を睨みつけるだけだった。視線が、交錯する。その目の中には、怒りと……悲哀も確かに含まれていた。

八幡「……それでも、結局、これが一番誰も傷つかない方法だ。そうじゃないのか、葉山」

すみません…どちらかといえば、お仕事の方が年明けでまた忙しくなってきてまして(汗

でも、ちょっとだけ更新しようかな。

葉山「……ふざけるな比企谷!!」

これが、たった一つの冴えたやり方だよ。そううそぶく八幡を葉山が怒鳴りつける。

葉山「お前の……その理屈には、お前自身が含まれていない。お前は余りにも傲慢だ……自分が傷を負えばそれでいいと思っているんだろう?! そんな訳があるか!! お前が傷を負えば、お前を大事に思っている人間……結衣も雪ノ下さんも、等しく傷つく。何故、そのくらいのことがわからない?!」

胸倉を掴む腕に力がこもる。八幡は、奥歯をかみしめた。

八幡「……だとしても!! 現実に誰も傷を負わない方法なんて、もうどこにもないんだよ!! 誰かが傷を負って排除されるしかないなら、俺が引き受けるのが一番正しい!! そうだろう?!」

葉山「……何度でも言うぞ、お前は間違ってる!!」

八幡「じゃあ、てめえならどうすんだよ葉山ァ!!」

2人の少年は互いに犬歯と生の感情をむき出し、真向からにらみ合った。

葉山「………逃げずに、話し合えよ!!」

八幡「話し合えば、何か変わるのか?! 今更何もなかったことにできるのかよ!! どう綺麗ごとを言って誤魔化そうが、誰かがババをひく構図は変わらない。お前の言う通りにすれば……」

八幡は、俯き、声を震わせる。

八幡「……あいつらは、それぞれ責任を感じて自分が身を引こうとする。結局3人ともバラバラだ。そうなる前に……」

葉山「……そうなるとは限らない、やってみなければ……」

八幡「……いい加減にしろ!! お前に……お前みたいな人間には所詮分からないんだよ!!」

先刻から、空が急に曇り出していた。一雨、くるかもしれない。

八幡「俺のやり方が間違っている、傲慢だ……そんなことは言われなくてもわかってる! だとしても、俺はこれ以外やり方を知らないんだよ……! 孤独と痛みを引き受けて、耐えることでしか誰も救えない。間違っているとわかっていても、他の方法なんて思いつきゃしねぇんだ……」

八幡は血を吐くように呻いた。葉山も、八幡を睨みつけたまま……しかし言葉を継げずいったん黙る。

八幡「お前みたいに、誰からも簡単に好意を勝ち得て、みんなが幸せな世界の中にいる人間にはきっと理解できない。自分が間違ってるのは知ってる。けど、どうすればこうならずに済んだ? 答えなんてあるのか? そもそもの間違いを問うなら……」

八幡は一瞬沈黙する。

八幡「……所詮、こうなると決まっていたのなら。俺は、最初からあいつらと関わるべきではなかった」

葉山「……比企谷ぁ!!!」

八幡が、その言葉を口にした瞬間、葉山が激昂する。鳩尾のあたりに、衝撃と熱い痛みが生じ、呼吸が止まった。

八幡「ぐ……ぉ……は……葉山……てめぇ……!」

葉山隼人の拳に腹部を貫かれ、たまらずその場に蹲る八幡。いつかの伊勢原のパンチとは比べ物にならない痛みだった。

地を這いながら葉山を睨み上げる八幡。その視線を、葉山も真っ直ぐ睨み返した。

葉山「お前が……お前がそんなことを言うな!」

葉山「……俺には分からない? ああ、確かにそうだ! なら……ならお前に! お前には俺の気持ちがわかるのか?!」

葉山が、いつも温厚で爽やかな笑顔を絶やさない葉山隼人が、八幡を睨みつけながら叫んだ。

八幡「…………」

少しふらつきながら立ち上がる。視線はぶつかり合ったままだ。



すみません、せっぱつまってるので短いがここまで。今晩、続きかきます。

お待たせした。

葉山「……5年間だ」

それは、彼女が心を凍らせてから、再び笑えるようになるまでの時間。

葉山「この5年間、俺がずっと取り戻したいと願って、あがいて! ……結局できなかったことを、お前はやって、くれたんだぞ……」

震える声で、拳を握りしめる。

葉山「俺が、どんな気持ちでそれを見ていたと思う! どれほどお前に嫉妬したか、わかるか!!」

八幡「……………」

殴られた部分を押さえ、荒い呼吸を整えながら、その視線を受け止めた。

葉山「そのお前が!! 関わらなければよかったなんて、自分のやったことを否定するな!! お前が……いい舞台にしたいと言った彼女の言葉を、舞台の練習が楽しいと笑った笑顔を……そう、言えるように、笑えるようになった彼女を、間違いの結果だなんて言うなよ……ッ」

ぽつり、ぽつり、と滴が落ちてきた。
……ついに、雨が降り出したようだ。

八幡「……俺に、どうしろってんだ」

葉山「考えろ! 早々に見切りをつけて諦める前に、もっとあがけよ!! お前も含めて、全員がバラバラにならずに済む方法を探せよ!!」

八幡「だから、それが非現実的な綺麗ごとだってんだよ!! これ以上俺にかまうな!!」

葉山「綺麗ごとで何が悪い!! お前のためじゃない、うぬぼれるな!!

   彼女の……『雪乃ちゃんのため』だ!!」

それは、5年前を最後に封印した、幼馴染の呼び名。

八幡「………そんなに、大事なら………自分で…守りやがれ……!」

ギリ、と歯ぎしりしながら八幡が言う。

葉山「……それが出来るくらいなら………誰がお前に頼むか……!」

同じく、歯ぎしりしながら葉山が睨みつける。

雨足は、どんどん強くなってきていた。

八幡「自分にすらできないことを、人に押し付けんな、葉山!!」

殴りかかった拳は、前腕でガードされる。

葉山「自分にしかできないことがあると分かっているくせに、逃げるな比企谷!!」

ふたたび胸倉を掴まれる。ボディに膝蹴りを喰らった。急所はわずかにずれている。

八幡「わかったようなことを……!! 俺だってそんなことができればそうしてる。お前にどれだけ買いかぶられても今の俺には、これが限界、精いっぱいなんだよ!!」

こちらも掴み返し、額に頭突きをお返しする。葉山が、呻いて僅かによろける。こちらも目に火花が散り鼻の奥にしびれる感覚があった。

雨の中で、互いに胸をつかみ合った状態でにらみ合う。

葉山「自分が傷つけばいいなんていうのは、逃げじゃないのか?! 今のお前に無理だっていうのなら、ここで変われ。成長しろ!」

腕力は、葉山の方が上だった。体を捻って振りほどこうとするが、敵わない。

八幡「……人に言われて、ハイ、わかりましたとすぐに変われると思ってんのか?! アホか!!」

右腕を引きはがした、と思ったが、途端に葉山が態勢を入れ替え、懐に飛び込んでくる。バランスが崩れ、体を持ち上げられた。

葉山「自分だけで無理なら、周りを使え! 俺も、優美子も姫菜も、何だろうとやってやる……それさえイヤだっていうんなら」

八幡「………!!」

天地が逆転した。

葉山「……甘えるな!!」
八幡「ふざけんな、クソ!!」

地面に一本背負いで叩きつけられ目の前が暗くなるが、最後の力で目の前の葉山の頭部を引き寄せ、もう一度頭突きを喰らわせた。その衝撃と火花を最後に、意識がブラックアウトする。

…気が付くと、ベンチに横たわっていた。雨は止んでいる。ぬれ具合からして、それほど長時間の気絶でもなかったようだ。上着とズボンはそこそこ濡れているが、下着はさほどでもない。 頭の方向に、人の気配を感じた。

葉山「……気が付いたか」

八幡「……葉山」

首をめぐらせると、葉山が同じベンチにもたれて座っていた。額を濡れたハンカチで抑えている。少し、赤く汚れていた。

葉山「……少し、額を切った」

八幡「……そうか」

互いに、無言。

葉山「…………比企谷」

八幡「……わかったよ。なんつーか、色々と萎えた。ケンカにも負けたことだしな。勝者の言うことに従って、できる限りあがいてみる」

葉山「……………すまん。いろいろと、悪かった」

八幡「よせよ。ぶちのめされて、謝られたんじゃ余計惨めだろ」

苦笑する。

葉山「……なら、謝罪は撤回する。頭突きはずいぶん痛かったぞこの石頭」

八幡「お互い様だ」

同時に、吹きだした。

太陽が、雲間から顔を見せている。

葉山「……さて」

葉山が立ち上がった。痛みにわずかに顔をしかめるが、足元は確かだ。八幡の方に、手を伸ばす。

八幡はそれを掴もうとして……一瞬、動きを止め、また手を引っ込めた。

葉山「……比企谷?」

八幡「……立ち上がるのに、手は借りない。自力で起き上がれるから、お前はとっとと行っちまえ」

しっしっ、と手を振り、体を半分起こしながら、舌を出して見せた。

葉山「……そうか、好きにしろ」

葉山が差し出した手を閉じながら苦笑する。

八幡「……葉山」

葉山「なんだ?」

八幡「やっぱりお前とは、仲よくできんわ」

中指を立ててFuck youのサイン

葉山「……ああ、同感だ」

親指を下に向け Go to Hellのサインをそれぞれ交し合い、互いに笑った。

「できることがあれば、連絡をくれ」

そう言い残し、背中越しに手を振って葉山は出ていく。

「……けっ!」

八幡はそう返事を返し、葉山を見送ると再びベンチに倒れこんだ。

今日ここまで。間が空いてすみませんでした。

逆光で、一瞬誰だか分らなかった……徐々に目が慣れてくる。

紫がかった長い黒髪、くっきりした目鼻立ち。一瞬、想い人かと錯覚する。だが、彼女がランドセルを背負っているのはおかしい。

八幡「……ルミルミか?」

留美「……やっぱり八幡だった。こんなところで、何をしてるの?」

逆さまの視界の中で、留美がじっとこちらの目を見詰めながら同じ質問を繰り返した。

ケンカでボコボコにされてベンチに横たわりながら、小学生女子に見下ろされている。 ドMなら歓喜モノの構図かもしれない。


八幡「……あー、なんだ。空を眺めてたのさ」

留美「ふうん……何か変わった物でも見えた?」

八幡「……とりあえず、今はお前のパンツが見えそうだな。あんまり不用意に人を見下ろすもんじゃないぜ」

スカートをはいてるときなんか特にな、と内心で付け加える。

留美「な……ヘンタイ! バカ!!」

たちまち赤くなって後ずさり、前を押さえる留美。笑っていると。

ランドセルを手に持って殴りかかろうとしてきたので、八幡は慌てて飛び起きた。

八幡「おいよせ。これ以上頭部に衝撃を与えるな…いつつ」

ランドセルをなんとか両手で受け止めるが、急な動きに伴って走った痛みに顔をしかめる。

留美「……怪我してるの?」

八幡「……ま、ちょっとだけな。だから殴んな」

留美「……もしかして、イジメ?」

八幡「お?! ぜ、ぜんぜんいじめられてなんかないろ!」

留美「……ホントに、ホント?」

八幡「……ホントだから、そんな心配そうなツラすんな。 まぁ、ちょっとした兄弟喧嘩みたいなもんだ」

はい、お待たせしました。今から書くよ

留美「……兄弟喧嘩?」

八幡「……いや、やっぱりないな。あいつが兄弟とか」

兄にせよ弟にせよ、あんな出木杉くんが兄弟だったらイヤすぎる。 ……ふと、雪乃のことを思い出した。

おそらく、雪ノ下陽乃という完璧な姉を持つ彼女は、常に今 八幡が想像したようなプレッシャーを感じてきたのだろう。

……その気持ちや苦悩は、他人である八幡には結局想像することしかできず、そしていくら想像しても本当にわかることはできない。

そのことに限らず…

俺には結局、何もわかっていなかった。わかっていると錯覚していた。雪乃のことも、結衣のことも。

そして、わからない。これから、どうすればいいのか。

留美「……八幡」

ふと気づくと、留美が心配そうな表情でこちらを見ていた。

留美「……苦しいの?」

八幡「ん、ああ、悪い。考え事してただけだ…そんなに辛気臭い顔してたか?」

留美「うん、目が死んでた」

八幡「……それは割と、いつものことだな」

苦笑する。小学生にまで気遣われるようではどうしようもない。


留美「何があったの?」

八幡「……ま、高校生にもなると、色々あるんだ」

留美「……話してよ」

八幡「……大丈夫だって、心配するな」

留美「……八幡」

ひどく真剣な表情で、こちらを見詰めてくる瞳を直視できず。思わず視線を逸らす八幡。

留美「……前に、八幡は私を助けてくれた。だから、恩返しがしたいの」

小学生で、何の力にもなれないかもしれないけど、話を聞いて、一緒に悩むくらいはできるかもしれない。

留美は、そう続けた。その真剣な表情が、眩しかった。

八幡「ルミルミ……」

留美「ちょっと待ってて」

留美はそういうと、ててっ、と公園の入り口の方へ走っていき……すぐに戻ってきた。その手に、何か持っている。


留美「……はい」

そういって、にこりと笑いながらこちらに渡してきたのは、MAXコーヒーだ。自販機で買ってきたらしい。

八幡「……ルミルミ、これ……」

留美「この間の、お返し。私の、おごりだから」

そういうと、八幡の隣に、少し距離を置いて腰かけた。

八幡「………………サンキューな、ルミルミ」

手の中の缶が、暖かい。プルタブをおこして中身に口をつけると、甘さと熱が、じわりと冷えた体にしみていった。

見上げる空が、青い。その様子を見ていた留美が、えへへ……と照れ臭そうに隣で笑った。

留美「………もう一度、やりなおす。素直に今の気持ちを伝えて、また、友達になろうって言う」

具体的なところはほとんどぼかしながら…行き違いから人間関係がおかしくなったことや、今の自分のあり方に罪悪感を持っていることなどを、小学生にもわかりそうな表現で伝えた。留美ならどうするか? と聞いてみると、そんな答えが返ってきた。

留美「……詳しいことは分からないけど、八幡は、本当はまた仲良くしたいって思ってるんでしょ?」

八幡「………………」

留美「だったらまず、他の人達とちゃんと話して、そう言えばいい。一度バラバラになったって、また、やり直すことはできる。前と同じじゃなくても、すこしギクシャクしても、新しく作り直すことはできる。 ……私も、そうだったもん。八幡に助けてもらったおかげで……何もかも、なかったことにはできないし、同じものにはならないと思うけど」

八幡「………そうだな」

八幡は、立ち上がった。服は汚れたままだが、いつのまにか痛みは消え、身体も軽くなっていた。MAXコーヒーのお陰かもしれない。

八幡「やってみるわ。 ………なんか、楽になった気がする。 あんがとな、ルミルミ」

留美「………うん!」

八幡が笑いかけると、留美も嬉しそうに笑みをかえした。


手を振って留美を見送った後……八幡も公園を出て、歩き出す。 あの夜の記憶をたどりながら、近くにあるはずの雪乃のマンションへ。

はい、かきますよ

記憶をたどって、歩くこと暫し……というよりも、日中に見上げればその建物は公園から目視できていた。
何しろ、雪ノ下雪乃の入居するタワーマンションは近隣で最も高い建築物だ。

エントランスから、雪乃の部屋を確認。呼び出しのベルを鳴らそうとして……一瞬、躊躇する。
せめて、電話なりメールなりを事前にするべきだったかもしれない。
だが……何を、どう言えばいいのかわからない。家の前までやって来たこの土壇場になっても、まったく思いつかなかった。

……やはり、直接顔を見て、話そう。そうしなければ、何も始まらない。自分のことより前にまず、雪ノ下が今、どんな
気持ちでいるのか。それを知らないことには、何かを決めることもできない。

数秒の葛藤を経て、八幡は覚悟を決めた。呼び鈴のボタンを押す。数秒の間をおいて、二度。

「……はい」

消え入りそうな声で応答があった。

八幡「……雪乃、俺だ」

雪乃「……比企谷、くん?」

八幡「……ちょっと、話をしたいんだ」

雪乃「………」

八幡「長居をするつもりはない。 ……少しだけ、顔を見せてくれないか」

雪乃「……しばらく、待ってもらえる?」

八幡「ああ」


待つこと数分。自動ドアが開く。

雪乃「……どうぞ」

案内に従ってエレベーターに乗り込み、15階で降りて雪乃の部屋の前へ。

今度は迷わず、インターホンを鳴らした。しばらくして、がちゃがちゃと鍵を開ける音がする。


……今更だが、ひどい格好だ。心中で溜息をつく八幡。先ほど、葉山と取っ組み合いをしたままの恰好だ。

泥などはできるかぎり落としたが、上着はまだ微妙に湿っているし、皺が寄ってよれよれ。頭髪も乱れているだろう。

……だが、まぁいい。今更だ。 格好をつけてもしょうがない。


……ドアが開き、雪乃が姿をみせる。その顔は相変わらず美しかったが、顔色はやや白かった。

八幡「……よ……よお」

なんとなく、中途半端に片手をあげて間抜けな挨拶をする。

雪乃「………比企谷くん、どうしたの? それ」

八幡の姿を見て、雪乃が目を丸くして絶句する。憂いの色を帯びていた表情が、驚きに変わっていた。 

週末当直&救急当番でしてな…えらい目にあった……

さて

……30分後。

八幡は、雪ノ下雪乃宅の浴室内で湯に浸かっていた。

八幡「……浴室まで広い。なにこの、高級感」

家に上がるつもりすらなかったのに、どうしてこうなった。現実逃避気味に天井を見上げ、水滴の数を数えて気を落ち着かせようとする。

雪乃「比企谷くん、湯加減は大丈夫?」

……曇りガラスのドアの向こうから、家主に声をかけられ、身体が硬直した。

八幡「は、はい。たいへん、結構なお点前で……」

雪乃「……お茶を用意しておくわね。 下着は今、乾かしているから、ゆっくり温まっていて」


八幡「い、いや待ってくれ。そんな、気を遣わなくていいですからホントに!!」

……本当は、ただ、顔を見られればそれでいいと思っていた。そして、何も心配するなと、自分が何とかするからと言ってやるつもりだった。

八幡にも、雪乃の……親友に「恨む」と言われるのを聞いてしまった……その心痛は、ある程度は理解できる、と思っている。

だが、実際には顔を合わせた途端、何も言う前に強引に家に引きこまれ、湿った上着を脱がされた。

知らない間にできていた擦り傷の手当を受けながら何があったのかを聞かれ、ところどころぼかしながら説明する。

雪乃の反応は、

「…………そう」

という一言だった。

実際に雪乃の顔を見たとき……色々な感情が一度にあふれてきて、心がずきり、と痛んだ。ほとんど、泣きそうになったが、なんとか堪えた。

この部屋に来るたびに泣いていたら、雪乃の性癖がまた悪化してしまう。

その痛みの正体は、ようやく会えたという安心や、その表情から察せられる彼女の心痛への共感や……

あえて、言葉にすれば「やっぱり、このひとが好きだ」「一緒に居たい」という思いだった。八幡は今や思い知った。

自分はもう、どうしようもなく、あれほど警戒していた「恋」という感情に囚われている。

無理矢理抑えようとしても、やはりできなかった。誤魔化そうという小細工こそ、欺瞞だ。

雪乃「……そのままでは、風邪をひくわ」

と風呂に叩き込まれ、現在に至る。 ……曇りガラス越しで会話しながら、「あの時」のことについては、どちらも口にしなかった。


雪乃「……この、ハンカチ」

ハンガーにかけようとしていた八幡の上着のポケットの中から出てきたのは、パンダのパンさんの刺繍入りのハンカチ。言うまでもなく、雪乃の持ち物だ。

八幡「……拾ったんだ。返すよ」

どこで、とは言わない。

雪乃「………………」

八幡「………………」

天井に溜まった水滴が、ぽたり、と落ちた。

雪乃「………少し、話を聞いてくれる?」

八幡「………ああ」

ごめん、当直明けの体力限界につき……

最近忙しくて、一時期ほど更新できてないけど

すくなくともゆきのんパート終わるまではこちらに専念するよ。

ああ、ワイ、研修医やで。勝ち組かはともかく。

更新します。

雪乃「……以前、話したかしら。私、昔からよくほかの女子に『恋愛相談』を受けることがあったの」

雪乃が話し始めた。互いに背を向けた状態で、ガラス越しに聞こえる声に八幡は耳を傾ける。

雪乃「べつに、相手は友人でもなんでもないのだけれどね……」

八幡「……ああ、『女子の恋愛相談は牽制のために行われる』だっけか?」

雪乃「ええ、そう。領有権を主張するようなものよ。聞いた上で手を出せば、泥棒猫扱いで女子の輪から外されるし、なんなら向こうから告白してきても外されるわ」

八幡「…………」

雪乃「……実際、そんなことが何度もあったの。親しくもない女子に相談という名目で釘を刺されて、何とも思っていない相手の男子に告白されて。 めちゃくちゃに非難される……」

雪乃「……正直、とても迷惑だったし、バカバカしくてやってられなかったわね。 『あなたたちが付き合おうとフラれようと興味はないから、私を巻き込まないでほしい』……そう思ってた」

天井からまたひとつ、水滴が落ちた。

雪乃「………本当に、何度も、あったのよ。そんなことが……」

八幡「……雪乃」

声が震えているように聞こえるのは、浴室の中にいるから、ではない。

雪乃「でも、べつに何を言われても、理不尽だとは感じても傷ついたりはしなかった。私自身には、後ろめたいことなんて何もなかったもの。……そして、こんな茶番が女子の『友情』とかいうものの本質なら、友達なんていらないって……」

雪乃が、小さく息を吐いた。

雪乃「……どうして、こうなってしまったのかしらね。 由比ヶ浜さんは、私にとって、数年ぶりにできた……本当の、友達、だったのよ」

うつむき、自分の身体をきゅっと抱きながら懺悔する雪乃。

雪乃「彼女が、比企谷くんに好意を抱いていることを、私は知っていた。 ……だから、言い訳はできないわ。 由比ヶ浜さんを、私は……裏切った。 親友と思っていた、思ってくれていた相手の気持ちを、都合よく無視して…… 友情よりも、自分の気持ちを優先したのよ。汚い、わよね…… 憎まれても、当然だわ」

八幡「……………」

お前が悪いわけじゃない。 そう言おうとして……八幡は声を出せなかった。


雪乃「……それだけじゃ、ないのよ。 本当に、救いがたいのは………私、わたし、は………」

雪乃「……う、嬉しかったの。 比企谷くんが、由比ヶ浜さんの告白をはっきりと断って、私のことを好きだと言ってくれたのを盗み聞きして……とても、この上なく……どれだけ強調しても足りないくらい、幸福感に満たされたのよ」

背後で、雪乃が崩れるように座り込む気配を感じた。

雪乃「……ちゃんと、分かっていたのに。貴方と、由比ヶ浜さんのどちらもが、ひどく傷ついていることも、これまでの3人の関係が崩れてしまうことも、分かった上で、私は………」

雪乃「傷ついて、傷つけて、居心地のいい関係を壊しても………それでも、貴方が迷わずに私を選んでくれたのを見て。 もう他に何もいらない……そう思ってしまうくらいに……幸せだった」

雪乃が、大きく息を吐く。

雪乃「大事な、『親友』を裏切って、傷つけて……大切なものを奪い、それを自覚しておきながら」

じゃあ、書く

雪乃「……比企谷、くん?」

今日は、いろいろなことがあった。あり過ぎた。一度はすべてを切り捨て、ずぶ濡れになり、叩きのめされ、なんとか立ち上がって、今……裸になった自分の心の中を底から浚って、出てきた言葉。

八幡「雪乃……俺は、やっぱり、お前のことが好きだ。エゴも、欠点も、全部含めて……お前の、生き方が、その、在り方が愛しいと感じる。 ………一緒に、居たい。ずっと、お前の傍に居たいと、そう思う」

雪乃「…………………………」

八幡「救いがたいのは、俺も、同じだ。俺たち、全員がそうだ。だけど……」

以前、海老名姫菜と交わした会話を思い出す。三角関係について。あのとき、自分は何と言ったのだったか。

……どうやっても、抑え込めない気持ちを全員が自覚してしまったのなら。互いの醜い部分も理解しあって、傷つくことも傷つけられることも含めてあらゆる覚悟を決めたのなら。

八幡「その気持ちを、なかったことにすることなんて、できない」

八幡「全員が思いに蓋をして関係を維持していくことは、もしかしたらできたかもしれない。だけど俺は……やっぱり、否定したくないんだ。結衣の決断も、俺が、それに対して出した答えも。そして、今の気持ちも」

扉の向こうで、雪乃は無言だった。

八幡「何度問い直したって、違う答えは出せない。この痛みも、俺たちのエゴも、都合よくなかったことになんてできない。だけど……」

八幡「……出した答えを、『間違っている』とは、言いたくない」

……ああいやだ。八幡は、心中でひとりごちた。

自分は、やはりいろいろと毒されて、変えられつつあるのかもしれない。この状況はどうだ……これではまるっきり………の主人公みたいじゃないか。 まぁ、今更か……

痛みだらけで、身勝手で、最低で……それでも……それでも、あえて言おう。

俺の、俺たちの青春ラブコメは間違っていない。

いちおう、今日はまだ更新いくつもり。ちょっと待っててね。

ただいま。さて、もうちょっとだけいこう

雪乃「………………」

雪乃は、無言だった。何を思っているのか、八幡にはわからない。

……人の心が、目に見えたなら、誤解もすれ違いもなく、こんな痛みも感じないで済むのだろうか。

まぁ、そうなったとして、それがいいことかどうかはわからないが。


だが、どのみち現実には、人の心は目に見えない。主観という名のフィルターを通じて朧に覗き見、想像することができるだけだ。

この、浴室の入り口で雪乃と自分を隔てている曇りガラスのように。


八幡は、首を捻って入り口の方を見た。


……ガラッ


曇りガラスのドアが、当たり前のように開き、冷気が流れ込んできた。

開けた人物と、目が合う。


八幡「………」


雪乃「………」

八幡「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ?!!」


八幡の悲鳴が、浴室に響いた。


(続く)

今日はここまで。

ごめん、まだ書類仕事がおわりません(汗

八幡「ゆ、雪乃、お、お前ぇ?!!」

雪乃「ち、違うの!! 待って、誤解よ比企谷くん!!」

一瞬、呆然と互いの顔を見詰めた後、八幡はパニくって首まで浴槽につかり、掴んだ洗面器を頭からかぶろうとする。

雪乃は真っ赤になって前に突き出した両手を振り、必死で弁解しようとしていた。

ちなみに、雪乃はちゃんと服を着ている。


八幡「………ご、誤解って?」

背を向けて洗面器を被った状態から、おそるおそる雪乃の方を振り向く八幡。

雪乃はまだそこで俯いている。



雪乃「……その……うまく、説明できないのだけれど……今……発作的に……」

八幡「…………」

雪乃「あ、貴方の、近くに行きたくなったの。ガラス越しではなく、直接、正面から向かい合って……顔を見て、声を、聴いて……それから……」

雪乃は、そこで黙り込み、真っ赤になった。

雪乃「ごめんなさい! 少し混乱していたの。すぐに出ていくわ」

八幡「雪乃!!」

反射的に伸ばした八幡の手が、雪乃の左手を掴んだ。

雪乃が、はっと振り返る。視線が合った。その瞳が、潤んでいた。 

2秒……3秒……八幡は、雪乃の心の雫を、汲みだしたように思えた。

そっと、その手を引き寄せた。雪乃が、瞳を閉じる。唇が触れた。2度目のキス。

今度は、八幡の方から、自分の意志で、雪乃にくちづけた。

ごめん、ここまで。寝ます。

お待たせしました。久しぶりに更新いっくよ

時間が止まったような感覚。数秒か、数十秒か……重ねあった唇をどちらからともなくそっと離し、至近距離で見つめ合った。

神の作った彫像のように整った美貌がピンク色に上気し、潤んだ瞳で八幡の顔を見つめている。ほとんど現実離れした美しさ。

だが、絡み合った指から伝わる熱が、その口から零れる吐息が、これが現実だと八幡に伝えていた。

言葉もない。声を出せない。ただただ愛しく、切なかった。 …同時に、禁忌に触れるような、畏れがある。





雪ノ下 雪乃という存在には、高嶺の花、などという陳腐なものではなく、喩えるなら未踏峰の断崖絶壁の中で下界を見下ろしつつ咲く花というか、いっそ聖地の神殿の祭壇の上に納められている聖剣というか、そんな中二的な形容をしたくなる神秘的な雰囲気がある。


……俺に、資格があるのだろうか。 この、あまりにも美しい、貴い存在に触れる……


雪乃は、何も言わずこちらを見詰めている。様々なものの入り混じった感情が、その瞳に浮かんでいる。

本能的な欲求が、身体の奥から湧き上がってこようとする。それに、理性が必死で抗っていた。


こんなにも醜くて、身勝手で、下卑た欲望を抱えた 八幡(オレ)に、愛してもらえるような、受け入れてもらえるような資格が、ほんとうに、あるのか……?


無意識に、そんな葛藤が心中を苛む。


雪乃が、微笑んだ。 そして、呟く。


雪乃「……比企谷くんの、その瞳……とても……」

雪乃「……とても、きれい」

八幡「………え?」

雪乃「…………あ///」

あまりに意外な言葉を聞いて、数秒、意識が真っ白になる。 

……次の瞬間、はっと我に返り、あらためて、客観的な現在の状況を認識した。 

……ひとの家の浴室。こっちは全裸。すなわちフ●●ン。

急に乱入されて、出ていこうとするのを思わずとめて……キスした。今。


八幡「………う、うわ! す、すまん!!」

雪乃「い、いいえ! こちらこそ!!」

掴んだままだった手を思わず離し、湯船に肩までつかる。雪乃も同時に我に返り、反発する磁石のように、さっと離れた。

八幡「…………………………」

心臓がどっどっどっどっ…と早鐘のように打っている。

雪乃「………………////」

互いに背を向けあい、再び無言。湯船から溢れた湯が、排水口に消えていく。

八幡「………な、なぁ」

雪乃「…な、何かしら」

雪乃は、背を向けてはいるがまだ、出ていこうとはしていない。

八幡「……さ、さっき、何て言ったんだ? よく、聞こえなかった」

何か、あまりにも意外な言葉が聞こえた気がするんだが……

雪乃「………………恥ずかしいからあまり繰り返したくないのだけれど、仕方ないわね」

八幡「わ、悪い」

雪乃「……きれいだと、そう言ったのよ。 私を見つめていた、貴方の、その瞳が」

八幡「え?なんだって?」

雪乃「^^」



八幡「ぎゃぁあああああ?! やめて、やめて! 耳なし芳一になっちゃう!!」

両耳を掴んで、引っ張られた。 難聴キャラは雪ノ下さんには通用しませんでした。

銭湯いってきます。

八幡「い、いや……でも、さすがにそれはない。自分で言うのも何だが」

むしろ、お前の目が腐ったんじゃないかと疑うレベル。だが、雪乃は笑いながら言った。

雪乃「バカね……美的感覚なんて主観でしかないのよ? つまり、あなたと私の二人しかいないこの場では私の言うことだけが正しいのよ」

八幡「……………………雪乃」

OK、待たせてすまない。でも、ちょっとだけだ。

雪乃「……私は、虚言は吐かないことにしているの」

八幡「失言も暴言もあるけれど、か……?」

雪乃「ええ、そうね」

雪乃は、クスリと笑って肯定した。いつかの焼き直しのような会話。

雪乃「……部室で初めて会った時のこと、憶えてる?」

八幡「……ああ」

『造作はともかく、あなたのように腐った魚のような目をしていれば〜〜〜』

八幡「……いやもう、ホント容赦ない暴言をいただきました」

雪乃「……あのときは、あれが本心だったのよ」

苦笑気味の八幡の述懐に、バツが悪そうに弁解する雪乃。

八幡「じゃあ、今は?」

その問いの返答は

背後から、八幡の首に回された腕。

八幡「……ゆ、雪……///」

背後から、雪乃に抱きしめられていた。





抱えられた頭に、雪乃の胸が当たっている。鼓動が伝わってくる。

八幡「……服が汚れちゃうだろ」

もう少しマシなことを言えないのか……自分の絶望的なコミュ力に心中で舌打ちする。

雪乃「別に、かまわないわ」

八幡の耳元で、雪乃が愉しそうに囁いた。

雪乃「貴方と一緒に居られるのなら、そのくらい、なんでもない」

…………………!!!

八幡の心臓が、一瞬、止まった。


雪乃「それに、比企谷くんは汚れてなんかいないわ……醜くも、ない。目鼻立ち云々ではなくて、私は……」

浴槽の湯より、雪乃の抱擁が温かかった。

雪乃「貴方の心根を、その、在り方、生き方を……きれいで、貴いと、愛しいと思う」

……だから、と雪乃が続ける。

浴槽に、ぽたり、と雫が落ちた。

雪乃「……貴方が、好きよ……比企谷くん」

すんません。今晩はここまで。次回のテーマ「美女と野獣」

ぽた、ぽた、と、浴槽に雫が滴り落ちていく。八幡は、震える声で雪乃に言った。

八幡「……ごめん、しばらく、目を閉じていてくれないか」

雪乃「………ええ」

雪乃は八幡の頭を抱きしめたまま、微笑みを浮かべて目を閉じた。

静寂の中で、雪乃の鼓動と、浴槽に八幡の涙の雫が落ちる微かな音だけが響く。


八幡「………あの時、『美女と野獣』のラストシーンについて話したのを覚えてるか?」

雪乃「……ええ。 貴方は、嫌いだと言っていたわね」

雪乃がクスリと笑う。

それは、八幡が記憶を失う事故の直前に交わした会話。

『何で、野獣のままじゃいけねぇんだよ。ヒロインは、醜い野獣を、そのままの姿で愛したんだろ? じゃああのラストは、
   皆から疎まれる野獣の姿のままで幸福になってこそのハッピーエンドじゃねぇか』


雪乃「……今でも、意見は変わらないの?」

八幡「…………わかんね。けど、今は……あの時よりも、野獣の気持ちが理解できる気がする」

雪乃「……そう」

今晩まだもう少しいきますが、ちょっと間が空きます。

お待たせしました。 いけるとこまで更新します

八幡「俺は多分、忌み嫌われる野獣の姿に自分を重ねていたんだろう」

 
 …もし、醜い姿のままでも愛してくれるひとが現れたなら。変わることができるのだろうか?


八幡「……俺は、あのラストが嫌いだった。誰からも愛されないと絶望している主人公の前に、醜い姿を受け入れて、理解してくれる誰かが現れて……生まれ変わることができる。 ……ひどいご都合主義だ。現実にはありえないおとぎ話だって」

静かな浴室に、八幡の独白の声だけが淡々と響く。雪乃は、黙って耳を傾けていた。

八幡「けど多分……憧れの気持ちもあったんだと思う。 ……それを認めたくなかった。 最後に野獣が変身する場面は、それまでの野獣が否定されているみたいでイヤだった」

八幡「……今になって考えれば、皮肉な話だと思うよ。 野獣が変わることができたのは……自分の姿を否定して変わりたいと思ったからじゃない。 自分はずっと野獣の姿のままでもいい、ヒロインには幸せでいてほしいと思って、彼女を解放したからだ」

雪乃「………そうね」

雪乃が、八幡を抱く腕の力をわずかに強める。

八幡「野獣が、醜い自分を受け入れて、ヒロインが醜い野獣を、そのままの姿で愛してくれたから……野獣はきれいな姿に生まれ変わった」

そっと触れた指を、雪乃の手が柔らかく包みこんだ。

ずっと、変わらずにいると決めていた。 安易な変化を、成長だなんて呼びたくなかった。 いつか変わってしまうことを、怖れていた。

だけど……

八幡「雪乃……俺は、変わってしまったんだろうか。変わってしまっても……いいんだろうか」

雪乃がクスリと笑う。

雪乃「……野獣のように疎まれても、王子のように崇められても」

懺悔のような八幡の問いかけに、雪乃は微笑みながら、歌うように答えた。

雪乃「貴方の芯にあるものは、きっと変わらない。他人の見る目がどう変わっても……私にとって比企谷くんは、比企谷くんのままよ」

一時中断。呼び出されたのでいってきます。

すみません、お久しぶりです
GW中大分働いたのでようやくまとまった時間がとれました、いやー研修医は奴隷ですね^^;
書き溜めてはないですが今から投下し始めます


ああ……周りにどんなに変わったって言われても、自分がどんなに変わったと思っても、どうしても心の底にあった俺の独りよがりの考え方
ちっぽけなプライドだけど、誰になんと言われても隠し通して殻を被せてたこの俺自身

そんなめんどくさい殻をガンガンと有無を言わせずこじ開けてくれる
こんな俺のことを、俺の考え方を、認めてくれる
やっぱり俺はこの人が好きだ……

八幡「雪乃…」

雪乃「ふふっ、いつまでもお風呂に入ってたら逆上せちゃうわ、そろそろ上がりなさい?」

八幡「あ、あぁ、でもその前に…」

雪乃「?」

八幡「ありがとな、それと…………これからもよろしく…」

雪乃「えぇ…こちらこそ…………大好きよ」

雪乃は一瞬目を見開かせた後、微笑んだ。
…あぁ本当こいつは綺麗だ、こんなの反則だ、体が勝手に動いちまう。

八幡「雪乃…」ザパァ

雪乃「もう、また?」クスクス

湯船から立ち上がるなり体が濡れてるのも忘れ雪乃を抱きしめてしまった。……不可抗力だ。こんなに魅力的なのが悪い。

しかし雪乃もまた、体が濡れるのを厭わず抱きしめ返してくれた。

八幡「あー、今俺絶対顔真っ赤だわ、雪乃の顔が見たいけど見れない」

雪乃「ふふっ、私はそんなあなたの顔も見たいけれど………じゃあいい方法があるわ。見ないでもお互いをすごく感じることが出来る方法。……それには目を瞑って顔をこっちに向ける必要があるの、瞑ってくれる?」

そんなことを言われたら瞑るしかないでしょう。瞑って顔を向けた瞬間______先程よりも互いに心も体も近い距離で、本日二度目のキスをした。

____それから3分程だろうか、お互いに抱きしめ合いながらどちらともなくキスを繰り返していた。

顔真っ赤で恥ずかしいとかそんなんもうぶっとんでますよ。だって雪乃さんが真っ赤で潤んだ瞳で見てきてめっちゃ可愛いんですもの。
そりゃ目に焼き付けなきゃいけないでしょう!
リア充っていつもこんな素晴らしいことしてるの?なんなの?
あ、でも俺の雪乃が一番可愛いから素晴らしいことやってる度合いでは俺が一番なんですけどね。


しかしそんなことを考えてる間に問題が発生している。
俺も心根は腐っていても体は健康優良男児なのだ。

……そう、さっきから俺の八幡大菩薩が反応しているのだ。これはまずい。
ふっ、口では嫌がっていても体は正直だな。
まさかこの台詞を自分に対して使う時が来るとは…らめぇっ感じちゃう!


そしてこれが一番の大問題だ。
さっきまで微笑みを湛えながらこれ以上ないくらい真っ赤であった目の前の雪乃の顔が、たった今何かに気付いて_____目を見開き口を真一文字にし……さらにさらに真っ赤になってしまった。

八幡「あ、あのこれはだな……生理現象というか、こんな状況じゃ致し方ないといい…」

言い訳をしようとすると早口で目の前の子が被せてくる

雪乃「あ、あ、あの、は、ひ、ひ、比企谷君、そ、そうよね、男性ですものね、こ、こういう時はこうなっちゃうものなのよね。わ、わかってるわ、私の試験での学年一位の科目には保険体育も含まれているもの。えぇ、えぇだから知ってるわ、確か教科書の第4章に載ってわ。一般的な男性は興奮状態にあると男性きが………」

八幡「わー!落ち着け!俺が落ち着いてないからこうなってるのはわかるが落ち着け!」

俺も腰を押し付けながらのこの状況で何を言えばいいのかはわからずあわあわとしてしまっている。
しょうがないじゃない!腰を引くと逸物が見られちゃうの!恥ずかしいじゃない!DTなめんじゃないわよ!何よ!
だがそうこうしている内に雪乃の方が少し落ち着いてくれた。…さすがの状況適応力。

雪乃「ふぅ、ご、ごめんなさい、少し取り乱してしまったわ」

八幡「い、いや、非があるのは完全にこっちだしな…」

雪乃「で、でもこれってその………」

八幡「……?」

雪乃「その、私でこの状態になってくれたと言うことでいいのよね」

八幡「」

雪乃「___仕方ないから責任をとるしかないわね…仕方ないわね」


あ、大事なことなので二回言ったんですね、わかります。
駄目だこいつ、全然落ち着いてねぇ。

八幡「いや、雪乃、責任とかじゃなくてな。とにかく落ち着け、いいから落ち着け」

雪乃「そ、そうは言ってもさっきから私の下腹部に当たっているものがどんどん大きく反応しているのだけれど」

八幡「」

八幡「ぐ、そりゃそうだろ、こんなに魅力的な子と思いも通じ合えてキス出来てるんだから」

雪乃「み、魅力的…」テレテレ

場を抑えようとしたら開き直るしか出来なかった。そして相手は照れていた。思いは通じても意思が通じない。助けて。


雪乃「……いい?比企谷君」

雪乃「あのね、私、今すごい幸せ…だって、お互いにようやく素直になって気持ちが通じあえたんだもの。」

八幡「…」

雪乃「だからかはわからないけれど、冷静に行動出来ているか不安だけれど」

雪乃「こういうことも素直にするべきなのだと、思うわ。もう気持ちを騙すのはいやだもの。比企谷君は違うの?」

…そう言われたら言い返せないだろうが。
ちくしょう反則だ、卑怯だ。まあ間違いなく冷静には行動出来てないけどな……腹を括るしかないか。不可抗力とは言え元はといえば据え膳を出したのも俺だし…

八幡「いいんだな?いや、違うか。わかったお互いに素直に行動しよう。約束だ。…ま、受け入れるかどうかは別だけどな」

はいはいツンデレツンデレ、どうして素直になりきれないんでしょう。

雪乃「えぇ、約束」ニコッ

…可愛い。やっぱり反則だ。

しかし八幡Jrを相手に押し付けながら何をカッコつけているんだ俺は…今の笑顔でさっきよりも元気だし…

雪乃「そ、それじゃあ、この、お腹に当たっている、その、それをどうすればいいのかしら。……ま、まずは見てみないとわからないわね、見せなさい。」

おお、命令になったぞ…
素直になるって相手に命令することなの?僕わからないよ。
しかし男に二言はない。…気持ちの準備はさせて欲しいけど………雪乃さんの目がそれを許してくれそうにはないですね。残念ですね。

八幡「よ、よし、ならどうするか、一回離れればいいか?それで俺が立ってればいいか?」

雪乃「え、えぇ、それでいいと思うわ。それでお願い」

八幡「う、うし、せーのでいくぞ、せーの!」バッ

雪乃「」バッ




雪乃「ほ、ほふ……」ジー

八幡「」

八幡「な、なあ雪乃、やっぱりやめに…」

雪乃「で、でも、その、男性は一度出さないと収まりがつかないのでしょう?」

八幡「いや、我慢すれば」

雪乃「あなたはもう沢山我慢してきたもの。もっとわがままでもいいのよ。さらに私の前でくらい、ね」

顔は優しい笑みを湛えていますが有無を言わせない気迫を感じました。見やすいように自然な動作で目の前に膝立ちになってますしおすし。私、比企谷八幡はもう諦めます。


雪乃「な、なんか教科書と違って本物はすごいのね、すごいビクビクしてて別の生き物みたいと言うか……さっきまですごい勢いで私に当たってたけど痛くはないの?」

八幡「」

雪乃「?」

八幡「…いや、痛くはなかったです。むしろ…何でもないです。」

雪乃「何かしら、むしろ?」ニコッ

この人こんな時までSなんですけど、言葉攻めとか使ってくるんですけど

八幡「…柔らかくて気持ち良かったです」

雪乃「そう、…無抵抗の女の子に自分のソレを押し当てて喜ぶなんて変態なのね、比企谷君は」

八幡「」

雪乃「どうしたのかしら、何も反論がないなんて認めたようなものよ?」クスクス

八幡「………お前にだけだよ」ボソッ



雪乃「…」カァッ

雪乃「………そう、なら別に構わないわね」


そして話を変えるように、恥ずかしさを紛らわすように、雪乃は


「…………触ってもいいのかしら?」と真っ赤な顔で言って来たのであった。

バレんの早過ぎわろた
>>1さっさと書いておくんなまし

……さて

雪乃「……比企谷くん?」

雪乃からの呼びかけに、我に返った。どうやら、暫くの間、白昼夢のようなものを見ていたらしい。

八幡「あ、ああ。大丈夫だ」

目許を拭って、振り返る。

雪乃「……………」

雪乃の顔が、真っ赤になっている。その視線の先に気づいて……

八幡「……す、すまん!!」

雪乃「わ、私こそ!!」

雪乃の腕が絡んだ状態から慌てて立ち上がろうとして……バランスが崩れた。雪乃が足を滑らせる。


つるっ

雪乃「あ……」

八幡「……え」

絡み合ったまま、のしかかるような体勢で浴槽に転落する。ばちゃぁん!!という派手な音と飛沫が飛び散り、浴室に湯気がたちこめた。

雪乃「……………」

八幡「……………その、」

互いに、紅潮した顔で見つめあっている。八幡はもとより全裸だが、雪乃も、髪の毛、さらに、部屋着まで完全に濡れてしまっていた。身体のラインが浮き上がり、うっすらと下着まで透けてしまっている。

それに気づいてしまい、八幡は思わず息を呑む。雪乃の顔が、さらに赤くなった。


八幡「わ、悪い。俺のせいで、ずぶ濡れになっちまったな」

微妙に視線を逸らす。

雪乃「い、いえ……比企谷くんのせいではない……けれど、その……」

言葉を切り、俯いてモジモジとしている雪乃に、怪訝な視線を向ける八幡。

雪乃「ぬ、脱いだほうが……い、いいのかしら」

八幡「」

八幡「……い」

いやいやいや! ちょっと待て! と言おうとするが、つっかえて声も出ない。

雪乃「ご、ごめんなさい。率直なところ……今日、いきなりこんな状況になるなんて、思っていなくて……その……もちろん、比企谷くんのことは本当に好きだし、将来的にはそういった関係になるのも吝かではないのだけれど……正直まだ、心の準備が……」

顔を伏せたまま、ぽそぽそとした声で何やら弁解している雪乃。

八幡「ゆ」

雪乃、落ち着け。いいから落ち着け。と言おうとするが以下略。

雪乃「ひ、避妊の用意もしてないし」

八幡「」

もはや言葉もない。

雪乃「……で、でも、あなたがそんな状態で、もし、どうしても我慢できないって言うのなら……な、なんとかして」

こんな時間にひっそりと

固まったままごくり、と唾を飲み込み

八幡「……ゆ、雪乃!」

喉の奥からかすれた声を絞り出す。

雪乃「……は、はい!」

互いに、真っ赤な顔で、見つめ合った。


八幡「……あ、改めて……いや、な、何度でも言うけど、俺はお前が好きだ。ずっと一緒にいたいって思ってる。本当だ」

うるさいくらいに自分の鼓動を感じる。頭の中がぐちゃぐちゃのまま、思いの丈を言葉にした。

雪乃の瞳が、まるで泣き出しそうに潤む。

雪乃「……あ……」

八幡「ま、待ってくれ……もう少し、最後まで言わせてくれ」

口を開きかけた雪乃の言葉を、八幡の余裕のない声が遮った。


八幡「……正直に言うけど、お前を今すぐにでも抱きたいし、ひとつになりたい。お前を、俺のものにしたい!」

雪乃「…………///」

浴槽の中で雪乃の細い体を引き寄せ、強く抱きしめながら耳元で囁く。雪乃は、無言だった。表情は見えないが、抵抗する様子はない。細い吐息が漏れるのを感じる。

ほんの数秒、そうしてから。

八幡「………けど、だけど……!」

必死で歯を食いしばりながら、そっと、身体を離す。

八幡「俺は……今このまま、お前を抱くことは……付き合ってくれって言うことも、まだ、できない……!!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月10日 (火) 06:16:36   ID: ZJgUPYs1

続僕はきれいな八幡3って出てるんですか?

2 :  SS好きの774さん   2013年11月14日 (木) 17:23:34   ID: O-jue90Q

これで終わり?

3 :  SS好きの774さん   2013年11月30日 (土) 01:37:41   ID: ESSOUr7Y

義輝はよ!

4 :  SS好きの774さん   2013年12月09日 (月) 06:50:21   ID: 5kgjUNDZ

続きはあるのですか?

5 :  SS好きの774さん   2013年12月10日 (火) 17:05:02   ID: 9VoWu6Fy

未完結じゃんよ( ゜д゜)

6 :  SS好きのDK   2013年12月11日 (水) 00:40:10   ID: C2S61FPw

すごいムラムラするなぁ、でもすごくいい物語だと思う。

7 :  SS好きの774さん   2013年12月17日 (火) 18:57:42   ID: KA1p6dsm

I ask for a continuance. (>_<)

8 :  SS好きの774さん   2014年01月07日 (火) 11:47:05   ID: GisXUR_k

これ大事なレスが飛んでるじゃん

9 :  SS好きの774さん   2014年01月09日 (木) 02:15:01   ID: IYEge0iF

お願いだから続き書いてください寝れない

10 :  SS好きの774さん   2014年01月19日 (日) 15:49:57   ID: Qvzjshy1

これの続きってどこで見れますか?

11 :  SS好きの774さん   2014年01月24日 (金) 14:21:03   ID: mLp3MC99

亡いんですか..........?

12 :  SS好きの774さん   2014年02月01日 (土) 01:39:06   ID: JR3QY6EY

これで終わりじゃないよな...?
誰か知らないか?

13 :  SS好きの774さん   2014年02月15日 (土) 02:33:57   ID: jJjYX_eo

いいssだ
研修医ってのも大変そうだが
がんばってくれ^^
続き期待してるよ!

14 :  SS好きの774さん   2014年03月16日 (日) 10:18:21   ID: RNOZekal

頑張れ!

15 :  SS好きの774さん   2014年03月20日 (木) 20:17:15   ID: PXHO4yAq

ほんと読んでて楽しいです!
がんばってください!

16 :  SS好きの774さん   2014年03月27日 (木) 09:36:24   ID: UNeMnR8G

続きないの?

17 :  SS好きの774さん   2014年04月26日 (土) 21:32:33   ID: oBvvi8Ov

待つ事はや半年、続きがきたかと思いきやもう読んでますよ…
義輝さんこの生殺し具合相当なSっ子ですね…>_<…

18 :  SS好きの774さん   2014年06月17日 (火) 12:05:26   ID: mU75Z1YQ

続きはよー(涙目

19 :  SS好きの774さん   2014年06月24日 (火) 18:59:04   ID: qBq6n4Iz

ほんとに続きないんですか(+_+)

20 :  SS好きの774さん   2014年06月30日 (月) 17:55:13   ID: hcYS-Uoj

続き書いてください

21 :  SS好きの774さん   2014年08月24日 (日) 21:50:52   ID: fZFrIW2M

書いてくれ

22 :  Alius   2014年10月30日 (木) 17:25:38   ID: 7GQ5KTE9

最高に面白いから書いてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!

23 :  SS好きの774さん   2014年11月01日 (土) 22:46:40   ID: 6T3QV4xp

続きをはやくお願いします

24 :  SS好きの774さん   2014年12月15日 (月) 00:56:59   ID: jm0bw9vZ

お願いします
受験勉強どころじゃないです

25 :  SS好きの774さん   2015年06月17日 (水) 08:36:38   ID: dYAhCpFr

三浦ゴミカスすぎだろ
殺意沸いたわw

26 :  SS好きの774さん   2016年07月22日 (金) 02:16:07   ID: IrKrPW5h

研修医って頭いいんでしょ?賢い奴でもこんな痛い文書くのはちょっとホッとした。

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