弟 「……お姉ちゃんを甘やかすだけの簡単なお仕事です?」(936)

弟 「……何これ?」

姉 「アルバイトの求人広告」

弟 「……えっと、年齢・経歴不問、と」

姉 「はい、わが社は広く人材を求めています」

弟 「……資格:弟」

姉 「はい、それ以外は要りません」

弟 「狙い撃ちじゃねえか」

弟 「……仕事内容は主に買い出し等の雑務全般」

姉 「私のして欲しい事を察するクリエイティビティもある仕事です」

弟 「…要するに気を利かせろ使いっぱ、と」

姉 「アルバイトなんて所詮どこもそんなもんです」

弟 「世知辛いね」

姉 「世知辛いです」

姉 「他にも食事準備や朝の目覚まし等も仕事内容です」

弟 「殆どおさんどんみたいだな…」

姉 「そんな事はありません。クリエイティブなお仕事です」

弟 「と言うかあんまりいつもしてるのと違いませんね」

姉 「弟なんて所詮どこもそんなもんです」

弟 「世知辛いね」

姉 「世知辛いんです」

弟 「……食事補助有り?」

姉 「はい、買い出しのお菓子や食事の相伴等であなたの食生活をサポートします」

弟 「やっぱり、いつもと変わりませんね」

姉 「特別に食後のデザートにお姉ちゃんがつきます」

弟 「……デザートには冷蔵庫にリンゴがあります」

姉 「お姉ちゃんも今が食べご……」

弟 「リンゴがあります!」

弟 「……報酬は仕事結果により増減?」

姉 「はい、頑張ればその分だけ増えるのでインセンティブになります」

弟 「具体的には?」

姉 「基本給が時給3お姉ちゃんチュッで」

弟 「……おい、待て」

姉 「頑張り次第によってはそれが倍にもなり」

弟 「…良いから待て」

姉 「あっ、ちなみに5お姉ちゃんチュッで1お姉ちゃんチュウになります」

弟 「違う! そんな事は聞いてない!」

姉 「そしてなんと『10お姉ちゃんチュウ』で『1お姉ちゃん今日は帰りたくないの…』になります」

弟 「…帰りたくないも何も、ここがアンタの家だよ」

姉 「………」

弟 「………」

姉 「あっ、ちなみにここで言う『帰りたくないの…』の意味は…」

弟 「黙れ、説明せんでよろしい」

とりあえず待っててやるから

姉 「あとアルバイトからの正社員採用もあります」

弟 「……正社員?」

姉 「つまり永久就職ですね」

弟 「……ほぼ奴隷の領域」

姉 「確かに人生の墓場とか監獄とかとも喩えられますね」

弟 「………」

姉 「あっ、ちなみにここで言う『永久就職』と言うのは…」

弟 「良いから説明せんでよろしい」

姉 「…と言う訳で見事合格となります」

弟 「あれ? えっ? 何? 合格って何?」

姉 「はい、おめでとうございます。採用させていただきます」

弟 「面接? 面接だったの? 今の面接だったの? ねえ?」

姉 「それではよろしくお願いします。明日からいらしてください」

弟 「あれ? これ労働者側に拒否権ないの? 違法だよね? ね?」

姉 「ちなみにお姉ちゃんは今日の晩御飯はすき焼きが良いです」

弟 「うん。そんな事は聞いてないし、材料ないし、思い切り即日で働かせる気だね」

弟 「---と言うような事が昨日あってな」

幼 「あはは… そりゃ大変だね…」

弟 「全くだよ…」

幼 「だから朝から何か疲れてたんだ?」

弟 「……朝起こす時も既に起きてるのに全然起き上がろうとしなくてさ」

幼 「それで?」

弟 『姉ちゃん、早く起きてよ。遅刻するよ?』

姉 『……ムニャ…グーグー』

弟 『ちょっと! 寝たふりしてるの分かりやすすぎるから!』

姉 『…ムニャ…童話ではお姫様は口付けで目覚めるとか…グーグー』

弟 『…お前は姫か? 姫か? 姉だろ!! ふざけた事を言ってないで早く起きろ!』

姉 『ムニャムニャ…今なら誰も見てないノーカウント…』

弟 『姉ちゃんがバッチリ薄目開けて見てんのわかってんだぞ!?』

幼 「…それは、また、朝からご苦労様で」

弟 「……ああ。ありがとう。もう、その後も全然起きようとしないんだよ…」

幼 「…で、結局おはようのキスはしちゃったの?」

弟 「……まさか。流石にそこまでしないよ」

幼 「……じゃあ、どうやって起こしたの?」

弟 「えっと、その後…」

姉 『……グーグー…ムニャムニャ…』

弟 『…もう! 姉ちゃん!』

姉 『ムニャムニャ…早くしないと遅刻するから早くして…グーグー』

弟 『お 前 が 言 う な ! ! !』

姉 『……寝てるから聞こえないグースカピー』

弟 『…聞こえてるだろ!? って言うかグースカピーとか実際はどんな寝息だよ!?』

弟 『畜生! もう知らん! 先に行くから勝手に寝てろ!』

姉 『……グーグー』

弟 『って、然り気無く腕を掴むな!? 離せ、って痛い!? 痛い!!』

姉 『……しくしく…グーグー…』

弟 『寝たふりしながら泣き真似して更に腕に力をこめるな!? おかしいだろ!! 行動に整合性を持たせろ!!』

姉 『……しくしく…グーグー…』

弟 『って、本当に痛い!? どんだけ握力あるんだよ!! ゴリラか…ぎゃあ!!!』

姉 『………』

弟 『折れる!! 折れる!! すんませんでした!! 嘘です!! 冗談です!!』

弟 「……その跡がこれ」

幼 「何か指が細いからよりホラーな感じに残ってるね…」

弟 「……握撃が出来るかも知れんね、あれは」

幼 「あはは、かも知れないね…」

弟 「俺にしてみれば、本当に笑い事じゃないから笑えない…」

幼 「……で、結局その後どうやって起こしたの? 今日もお姉さん、一緒に来てたよね?」

弟 「ああ。その後、こっちも実力行使に出たんだ」

幼 「……実力行使?」

弟 「そう」

幼 「えっと、と言うと、窓から投げ捨てたり、お風呂に沈めたり?」

弟 「怖っ!? してないよ! 全然違う!! 何か発想が怖いよ!?」

幼 「えー? そうかな? これぐらいしても良いんじゃない?」

弟 「駄目に決まってんだろ!? 若干、今、俺の幼馴染みへの見方が変わったよ!?」

姉 『……グーグー』

弟 『……はぁ、わかった』

姉 『ムニャムニャ…お代はこちらにどうぞ…』

弟 『違げーよ! そう言う意味じゃない! 唇を突き出すな!』

姉 『……?』

弟 『ったく……よっこらせっと!』

姉 『……!?』

弟 『危ないし、寝てるって言い張るなら暴れるなよ?』

姉 (……こ、これはお姫様抱っこ!?)

幼 「……で、リビングまで移動させてご飯まで食べさせてあげた、と?」

弟 「ああ。昨日はすき焼きの代わりに鍋をしたから今朝はその残りで雑炊にしたんだ」

幼 「…食べさせやすくて良かった、と?」

弟 「おう。蓮華ですくえるからな。これが不幸中の幸いってやつか」

幼 (…だから、あの人、今朝はご機嫌に『余は満足ぞよ』とか姫ごっこをしていたのか)

弟 「ただ、別にここまでは若干面倒臭いけど、まぁ、良いんだ」

幼 「良いの!? それで別に良いの!? 菩薩か? お前は菩薩か!?」

弟 「え、あ、うん? 何、急に大きい声出して?」

幼 「…えっ? あ、いや、ちょっと菩薩が現れたのかと思って驚いただけ…」

弟 「菩薩…? よくわからんが普段あんまり幼馴染みは大きい声を出さないからこっちが驚いたよ」

幼 「……あ、あはは、ごめんね? 何か錯乱してキャラ崩壊したよ、ハハ…」

弟 「ここまでは程度の差こそあれ普段もたまにあったから、まぁ、良いんだ」

幼 「あ、うん、普段からあったんだ… 何か大変だね…」

弟 「ああ、大変だった。 …で問題はこの後にあって」

幼 「……何?」

弟 「……何か俺、勝手に雇われただろ?」

幼 「……うん、勝手に雇われたね」

弟 「…そうしたら『雇ったからには雇用者は正当な対価を支払う義務がある』とか言うんだよ」

幼 「………」

姉 『正当な対価を支払わなければならないのです』

弟 『いいよ、別に。多少、手間がかかったけどいつもと大差ないから』

姉 『いいえ。 駄目です。役所に見つかったら注意を受けます。労基法違反です』

弟 『うん。まず労働契約の時点でそこまで考えてくれたら嬉しかった』

姉 『週刊誌にすっぱ抜かれたら評判もがた落ちです』

弟 『それ以前に落ちる評判が無い』

姉 『だから、支払います。弟も正当な対価ゆえ遠慮せずに受け取ってください』

弟 『…あの、受け取り拒否出来ませんか?』

幼 「……受け取り拒否は?」

弟 「受け取り拒否を拒否だそうです」

幼 「……報酬は?」

弟 「出来高で×2で更に本日二倍ポイントデーらしくて一気に『12姉チュッ』らしいっす」

幼 「…初日からポイント二倍デーなの?」

弟 「…そうらしい。って言うかポイントって明らかに給料の制度ではないだろ…」

幼 「『正当』って言葉を100回位辞書で引き直した方が良いかもね…」

弟 「…ただ、報酬とは言ってたけど給料とは一度も口にしてないんだよな、姉ちゃん…」

幼 「……詐欺の才能があるかもね」

弟 「…でも報酬自体は週払いらしい」

幼 「…つまり、それまで延々閻魔帳に報酬を書き積み上げていくのね」

弟 「今日から毎日ポイント二倍デーな気がしてならない」

幼 「………」

弟 「………」

幼 「ブラック企業?」

弟 「もう初日から俺は限界かもしれない」

幼 「……まぁ、ちょっと羨ましいかも」

弟 「…こちらはいつでも替わる準備は整っております」

幼 「いや、それはちょっと遠慮するけど…」

弟 「遠慮せずに!! 遠慮すんな!! 本当に頼む!!」

幼 「いや、涙目で懇願しないで… 怖いから…」

弟 「……何か週末を考えるとノイローゼになりそうで」

幼 「でも、何か『愛されてる』って感じするじゃん? 私は一人っ子だから少し羨ましいな」

弟 「……俺は『愛されてる』んじゃなくて『遊ばれてる』んだよ」

幼 「…そうかな?」

弟 「そうだよ。確かに嫌われてないし、どっちかと言えば、まぁ、好かれてるかもだけど」

幼 「………」

弟 「でも、あれはただ、からかって、俺が焦ったりどぎまぎするのを楽しんでるだけだよ」

幼 「……それがわかってるなら何で焦るの?」

弟 「…そりゃ、姉ちゃんって俺をからかうためなら何するかわかんないし」

幼 「……し?」

弟 「…そ、それに、身内が言うのもあれだが…結構…か、可愛いし…」

幼 「……へぇ」

弟 「…い、いや、別にそんなやましい気持ちは全然無いが! 無いが、しかし…」

幼 「………」

弟 「…うっ…そ、そんな眼で俺をみ、見るなっ!」

幼 「……ヘンタイ」

弟 「俺は変態じゃない!!」

幼 「………」

弟 「……うぅ」

幼 「……ふふ♪ 嘘だよ♪ ちょっとからかっただけだよ」

弟 「……むぅ」

幼 「でも、お姉さんの気持ちが少しわかるかも。弟って何か困らせたくなるよね」

弟 「……お前ら、趣味が悪いぞ」

そして俺は大学に行くのでこの後は誰かにバトンを渡そうと思うので思い思いにやってくれ
姉スレ最近少ないから建てたが正直>>10位までしかアイデアなかったすまんこ

試験は未だだがレポートはあるのである

ちくっと待ってね
意外と綺麗にまとめたつもりになってたから全然先を考えてなかった

姉 「止めて!? 燃やさないで!!」

弟 「んー? あー、ハイハイ…」

姉 「だから止めてって! 後ろからハンマー近づいてるって! 超ヤバイから!?」

弟 「あー、…そう言えば今日の晩御飯何食べたい?」

姉 「本当どうでも良いからPKファイヤーやめ…チックショオオオ!!!」

弟 「昨日の鍋で冷蔵庫の中を一掃したから今日のメニューは何でも良いのです」

姉 「……そんな事よりお姉ちゃんに優しい弟が欲しい」

弟 「……あー、これ以上は流石に俺には無理だわ。ごめんな」

姉 「そもそも! わが社の被雇用者たる君が、雇用者たる私への接待プレーも出来ないとはどう言うことか! どう言うことか!」

弟 「…手を抜いたら抜いたで『馬鹿にすんなー!?』とか言って怒るくせに」
姉 「当たり前です! 接待麻雀でも然り気無く相手を持ち上げ、負けて損した以上に営業利益に加算させねばなりません!」

弟 「大人って難しいね」

姉 「難しいのです。わざと負けたとわかろうものなら場が白けて取引先との関係も台無しです」

弟 「…御無礼、ロンです」

姉 「本当に御無礼だよ!! お姉ちゃんは痛く傷ついたので晩御飯はハンバーグが良いです!」

姉 「うん。やはり弟の作るハンバーグは美味しいのです」

弟 「そりゃ、どうも」

姉 「シェフを呼べ! 超美味しいです!!」

弟 「俺がシェフだよ」

姉 「……弟の手についた汗やら青春の情動やらで若干ほろ苦いです。美味しいです」

弟 「ちゃんと手は洗ってるから。苦いのは少し焦げただけだから」

姉 「…あっ、ちなみにここで言う青春の情動ってのは」

弟 「言わんでよろしい。食事中だバカヤロー」

弟 「もう何か俺は駄目かもしれんね」

幼 「今さら何を言ってるの。大丈夫だった例がないじゃん」

弟 「………」

幼 「良いけど、朝から見てる方の気が滅入りそうな顔はやめて欲しいかな」

弟 「………」

幼 「……? どうかした? 弟に顔を見つめられると不整脈になりそうなんだけど?」

弟 「……最近あちこちでいじめが頻発してる気がする」

幼 「……?」

弟 「………」

幼 「…えーっと、今日もクラスは仲良く平和な一日でした、まる…っと」

弟 「朝から今日の分の学級日誌を書くな。あと真実を記せ。帰りの会の議題にすんぞ畜生」

幼 「……心労やらなんやらでPTSDになりそうだ、と?」

弟 「……ああ。だが、もし俺が精神疾患で入院したら三割位はお前の責任だと思ってくれて構わない」

幼 「……!? 弟がそんなになるまで私に焦がれていたなんて…」

弟 「……素晴らしく都合の良い脳みそしてんな、おい」

幼 「……何? 違うの?」

弟 「違わないわけがない! …ってアタタ!? 足踏まないで! 足の甲は人間は鍛えられないっす!」

姉 『…のんでぇ~のんでぇ~のまれてぇ~のんでぇ~♪』

弟 『…えらくご機嫌だけど、そんな時にその曲をうら若き女性が口ずさむのは何かがおかしい』

姉 『んっふっふー♪』

弟 『まぁ、良いけど… 何書いてんの?』

姉 『ひ・み・つ』

弟 『ろくな予感がしないから俺も知りたくないから別に良いや…』

姉 『…そしてぇ~弟はぁ~静かに眠るのでしょお~♪』

弟 『……俺はまだ未成年だぜ?』

幼 「…で表紙にしっかり『閻魔帳(ハート)』って書いてあったと」

弟 「ああ… ラメで綺麗に加工までしてあった…」

幼 「……そう」

弟 「あれはわざと落としたに違いない…」

幼 「…お姉さんって弟の嫌がることに常に全力投球するよね」

弟 「…ああ。やたら敏感に気付くし、その為に決して労を惜しまない…」

幼 「本当に活き活きと目を輝かせるもんね…」

弟 「もう週末までにあの謎のポイントがどれくらい貯まっているのか検討もつかない…」

幼 「ポイントの基準すらよくわからないしね…」

弟 「あの会社、ブラックだから会計監査とか無いんです…」

幼 「収支報告書も虚偽記載かどうかすらわからない…」

弟 「すべては藪の中…」

幼 「健全さの欠片もない企業体質だね…」

ちくっと外れます

弟 「だから、もう週末を思うと夜も眠れない…」

幼 「…それであんな不景気な顔してたんだ?」

弟 「…重いと思って目が覚めたら、姉ちゃんが上に覆い被さってる夢をみるくらい眠れない」

幼 「…いや、しっかり寝てるじゃん。夢の中ですら寝てるじゃん。寝過ぎなくらいだよ」

弟 「もう一人で歩いてても足音が二人分聞こえる気がするもん…」

幼 「…どこの雛見沢? 頭に寄生虫が居るんじゃないの?」

弟 「…後ろを振り替えると姉ちゃんが電柱に隠れた気がして」

幼 「…あっ、そっち? それはまず間違いなく居るよ? 寄生虫じゃなくて後ろにお姉さんが居るよ?」

幼 「あっ、だったらさ… そんなに悩んでるならさ…」

弟 「……ん、何?」

幼 「えっと… 週末うちに遊びに来れば良いんじゃない? あの… 泊まりで…?」

弟 「…泊まり!? いや、でも…」

幼 「ほら、昔はよくそうやってたしさ? …ね? うちのお母さんも最近は弟が顔を見せないって嘆いてたし!」

弟 「えっと…」

幼 「…ね?」

弟 「……いや、やっぱり遠慮しとく。急にお邪魔しても悪いし」

幼 「それは大丈夫だよ。お母さんとか『もっと弟を連れてきなさい』って言ってる位だし」

弟 「…うん、ありがとう。でも、ゴメン。今のは建前だ。実際はポイントの積み立てが二週間になるのが怖い…」

幼 「……確かに」

弟 「…そして何より逃げることで姉ちゃんの不興を買うのが怖い…後でどんな仕返しがあるかわからない…」

幼 「……それは言えてるかも」

弟 「…だろ? だから折角の申し出だけど断るよ。ありがとな?」

幼 「……それは別に良いんだけど」

弟 「……けど?」

幼 「…それって何て言うか、弟って奴隷体質みたいな所あるよね?」

弟 「……言うな。自覚はあるんだ。でも世の中の弟なんてきっとこんなもんだ…」

幼 「…世知辛いね」

弟 「…世知辛いんです」

弟 「……月日は光陰矢のごとしと申しまして」

姉 「…一日千秋ってまさにこの事だと思うのですよ」

弟 「一生来るなと思う日ほどそれに至る時間の流れは速くて」

姉 「楽しみ待ち焦がれる日ほど時は遅々として進まず」

弟 「時計を見てはいっそのこと止まってしまえと溜め息をつき」

姉 「時計を見ては秒針の止まっているような遅さに溜め息をつき」

弟 「……そして、もうやって来てしまったのだ」

姉 「……でも、ついにやって来たのです」

姉・弟 「「金曜の放課後が」」

姉 「……さーて、今日は何の日気になる日」

弟 「…名前も知らない日ですから」

姉 「何とも素敵な日になるでしょう」

弟 「………」

姉 「…何とも素敵な花も咲くでしょう?」

弟 「………」

姉 「………」

弟 「…あの木を切り倒してしまいたい」

姉 「さて! 弟、今日は何の日でしょう!」

弟 「……知らん」

姉 「ヒントは弟にとってすっごく嬉しい日です!」

弟 「そうだ!今日はラピュタの日だ!」

姉 「そうです! 今日は弟の初めての報酬が貰える日です!」

弟 「………」

姉 「この一週間頑張ってきた弟へのご褒美です。土日を使って甘受して下さい」

弟 「バルス! バルス! 今日という日よ無くなってしまえ!」

弟 「ゆとり教育の馬鹿! 子供に週休二日与えても堕落するだけ! 即刻土曜開講すべき!」

姉 「…あれは子供の都合じゃなくて教員の都合だから仕方ないね」

弟 「馬鹿! 働け公務員! 税金払わないぞ!」

姉 「弟はまだ自分で納税してないでしょ?」

弟 「うわぁ、堪忍だぁ、堪忍だ! 許してくんろ!」

姉 「いや、そんな踞るほど喜んでいただけてこちらとしても幸いです」

弟 「違えよ。土下座だよ。ジャパニーズ土下座だよ。低頭平身して沙汰止みを願ってんだよ」

姉 「何を卑屈な。今週の弟の働きは素晴らしかったですよ。面をお上げなさい」

弟 「……そう思うならもう少し報い方ってあると思うんだよ、俺は」

姉 「ですので今週は何と『435姉チュッ』も貯まっています。よく頑張りました」

弟 「意義あり! 意義あり! 不正記載されています! 数値が明らかにおかしいです! 早急に監査を要求します!」

姉 「請求を却下します。」

弟 「おかしいです! 不正です」

姉 「不正はなかった」

弟 「不正だよ! 不当裁判だよ! 審理のやり直しを請求します!」

姉 「あっ、ちなみにこれは『8姉今日は帰りたくないの…』と『7姉チュウ』に変換されます」

弟 「人の話を聞けよ!? あと、どんだけ帰りたくないんだよ! 帰れよマジで!!」

姉 「では、報酬の受け取りとなります。一週間お疲れ様でした」

弟 「…えっ? ちょっ? 離して? ヤバイって! …って、姉ちゃん細いのに本当に力強いな!!」

姉 「……はいはい暴れないで」

弟 「誰か!? 誰か助けて!!」





弟 「………」

姉 「………」

幼 「はい、そうです。私が噂のマルサの幼馴染みです」

姉 「………」

弟 「…グッジョブと言わざるを得ない! ナイスタイミング! 出来る女はやはり違う!」

幼 「…西に虚偽記載あれば立証し、東に脱税あれば取り押さえる。いかな嘘をも許しません」

姉 「ぐぬぅ…」

弟 「ナイス監査! ナイス監査! カッコイイ!」

弟 「俺にはあの玄関のチャイムが福音に聞こえたよ。流石幼馴染み!頼りになる!」

幼 「まるで空からはぐれた天使の様だなんて言われたらさすがに照れる」

弟 「うん、そこまでは言ってないから照れんでよろしい」

姉 「抜かった… あんなチャイムなんて放って置けば良かった…!」

弟 「ガサ入れみたいに体を滑り込ませ、有無を言わせずに現場に踏み込む姿まさにマルサ! カッコイイ!」

幼 「天空から舞い降りるように現れ可憐に佇む姿はまさに天使なんて言われたら流石に照れる…」

弟 「うん、そんな事は言ってないから照れんでよろしい」

姉 「…で! 本日は何故いらしたんですか? 何かご用件ですか?」

幼 「……そうですね」

姉 「こちらは取り込み中ですから早く済まして幼馴染みさんにはお帰りいただきたいのですが!」

幼 「いやですね、他人行儀で。昔みたいに『幼ちゃん』って呼んでくださいよ、お姉さん」

姉 「いいえ。そんな気安い言葉は失礼でとてもとても。あと、私は貴方のお姉さんではありませんので悪しからず」

幼 「あら、弟のお姉さんですから『お姉さん』と呼ばせていただいてますので、申し訳ありません」



弟 (……帰りたい。ここではない何処かへ帰りたい)

弟 「………」

幼 「ホホホ」

姉 「ホホホ」

弟 「……本当に怖いから二人ともやめて。目が笑ってないから」

幼 「………」

姉 「……むぅ、仕方ない …んで、今日は幼ちゃんは何しに来たの? 珍しいね」

幼 「そうですね。この家に上がったのも久しぶりですしね」

弟 「最近、幼馴染みと二人で遊んだりしないからな。学校ではよく話すけど」

幼 「別に避けてる訳じゃないんだけどね。どうしても男女で別に遊ぶようになっちゃうもんだね」

弟 「まあ、家は近いけど別にお隣さんってわけでもないしね」

幼 「ね」

姉 「……そんなもんなの?」

弟 「みたいですよ?」

幼 「そうですね」

姉 「で、結局、何をしに来たの?」

弟 「…うん。救われた事に受かれてたけど、そう言えばお前、何しに来たんだ?」

幼 「えっと、まあ、つまり今日はそれこそ旧友を温めようと…」

姉 「…まさか」

弟 「……?」

幼 「はい、まあ、平たく言えば『お泊まりに来ちゃいました!』ってことです…」

ねりゅ

俺も学校だ、すまんね

保守すまんね。昼に来るはずだったが予定が狂った
ちくと待ってね

ちなみに検討じゃなく見当だから受験生は間違って覚えるなよ

姉 「幼ちゃんは?」

弟 「客間に布団を出したから、それにシーツなり何なりつけて寝床の準備してる」

姉 「…あんたは手伝わなくて良いの?」

弟 「……手伝おうとしたら『乙女のうんたらかんたら…』と言われて追い出された」

姉 「………」

弟 「乙女も何もあの布団出したの俺なんだけどな」

姉 「……そう、別にどうでも良いけど」

弟 「ああ。本当にどうでもいいな」

弟 『……お泊まり?』

幼 『…うん。たまにはこう言うのも良いかな、って。昔みたいに、ね?』

弟 『ま、別に悪かないけどさ…』

姉 『いえ、悪いです。とても悪いです』

幼 『……突然お邪魔しちゃって迷惑だった?』

姉 『迷惑です。超迷惑です。お姉ちゃんは許しません』

弟 『……いや、むしろ助かった。何か逆に気を使わせたみたいですまないな』

幼 『ふふ。別に気にしないで良いよ』

姉 『異議あり! 異議あり! 不当な介入です! 令状はあるのか!』

幼 『……令状?』

弟 『やることなすこと不当なお前が何を言うか。図々しいにも程がある』

姉 『それはそれ。これはこれ。裁判の原則です。被告人にも権利はあるのです』

弟 『無辜で善良な俺の権利も守ってもらいたいもんだが』

姉 『とにかく! いざとなればこちらはリアル公権力による排除も辞しません! 住人の許可なしの侵入は犯罪です!』

弟 『一緒に姉ちゃんも逮捕してくんないかなぁ』

幼 『……許可ですか?』

姉 『そうです! 許可です! 両親の居ないこの家に入りたくば私の許可をとりなさい!』

弟 『俺の許可はどうでもいいのか』

姉 『さあ! はやく!』

幼 『…えっと、あの、お姉さん、今日こちらに泊まりた…』

姉 『許さーん!! 私の目の黒いうちは幼ちゃんにうちの敷居は跨がせん!!』
弟 『話を聞く気すらねえな!』

姉 『当たり前です。不当な弾圧には負けません! 徹底抗戦です!』

幼 『……そうですか。あっ、でもですね…』

姉 「でも既に両親の許可が降りてたー」

弟 「根回しが良すぎる。未来を見据えたその行動。巧みです」

姉 「実は令状持ってんじゃーん」

弟 「幼馴染み、なんと言う孔明。見事に上げて落とした」

姉 「うちの親の赴任先の連絡先知ってるとか正直予想外デス」

弟 「何かあった時のために親同士で連絡がとれるようになってたそうです」

姉 「流石、昔からの顔馴染みのご近所さん」

弟 「考えてみればそれくらい当然だよね」

飯のち風呂

何かうまくまとまらないからちょっと待ってね

妹のシャンプーでチン毛洗ったら世界が嫉妬するチン毛になった

校長「みなさんが静かになるまで2分41秒かかりました」
教師「さすが校長だ・・・・・・こんな短時間で全校生徒を始末するなんて・・・・・・」

神輿担いだ事あるやつちょっとそいや








誤爆

弟 『……確認がとれました』

姉 『……お母さん、何て言ってた?』

弟 『一言だけ「面白そうな事になってんじゃん… が・ん・ば・れ(笑)」と』

姉 『……左様ですか』

幼 『ご両親の居ない家に勝手に上がり込むのも失礼かと思いまして事前に連絡をしておきました』

姉 『………』

幼 『あ、大丈夫です。ちゃんと着替えとかも用意してきたので』

姉 『別に誰もそんな事を心配していない』

幼 『そうですか?』

弟 『あまりの手回しの良さに全俺が幼馴染みには油断するなと囁いている』

すまん寝落ちしてた
でも楽になったからぬるぬると行く

姉 「しかもマイ枕まで持参とは…」

弟 「『私、枕かわると眠れないんですよね~』って心底どうでも良い」

姉 「そんな繊細な感じアピールされても今さら遅いどころか、図太さが目立ってむしろ逆効果だと思うんですよ、私」

弟 「ああ、全くだ」

幼 「そうですか? 私は可愛い所もあるもんだと思うんですが?」

弟 「………」

姉 「………」

幼 「どうしました?」

弟 「……いつから居たし」

幼 「つい今しがた。ベッドメイキングも終わったので」

姉 「全然気付かなかった…」

弟 「…って言うか自然に会話の流れに入って来んな」

幼 「何となく自己弁護しておいた方が良いかなって」

弟 「むしろ逆効果だし」

幼 「そう?」

弟 「言っとくがここ最近で俺のお前に対する認識がえらい変化してるからな? 主に悪い方向に」

弟 「いーい湯だなぁアハハン、いーい湯だなっと」

弟 「……ふぅ、入浴は良いね。文化の極みだよ」

弟 「誰が、言ったか風呂は心の洗濯と。何か心が本当に洗われる気がするよ」

弟 「姉ちゃんと幼馴染みもしっかりと心まで洗って欲しいもんだ」

弟 「………」

弟 「あの二人が入ったら湯船が真っ黒になるかも知れんな…」

弟 『……まぁ、良い。俺はそろそろご飯の用意するから向こうで64でもして遊んでなさい』

幼 『この時代にまだそんな過去の遺物が…』

弟 『うるさい! 名作だって多いんだ! 64が嫌ならドリキャスもあるぞ』

幼 『それはセガ・サターンとどっちが良いのか判断しかねるね…』

弟 『なら素直に64で大乱闘でもしてなさい。言っとくが姉ちゃんは恐ろしく弱いから苛めたい放題だ 』

姉 『私のファルコンパンチをなめんな!? 幼ちゃんなんて一撃で二回殺して余りあるんだから!』

弟 『一撃で二回死なないし、そもそも明後日の方向に撃つから掠りもしないんだけどなー』

幼 『うーん… えっと確かにスマブラでお姉さんをイビって遊ぶのも面白そうだけど…』

弟 『お前のそう言う正直な所、良いと思うわー』

姉 『って言うか私はやられ役決定なの? ねえ?』

幼 『…何て言うかお姉さんは香港映画で主人公の修行後に最初に出てきて瞬殺されるだけのやられ役?』

姉 『結局やられ役って言ってるじゃん!? 何故カンフー映画に例えたし!?』

幼 『えっと、何か、出てきた瞬間に「あっ、コイツそう言う役だな(笑)」ってわかるじゃないですか? そんな感じです』

弟 『…うん。あんまり言うと場外乱闘が起きそうだからちょっとオブラートに行こうぜ?』

幼 『…まぁ、でもそれはまたの機会にしとこうかな』

弟 『……?』

幼 『ほら、今日は急にお邪魔して迷惑かけたじゃん? だからそのお詫びに私が晩御飯をご馳走しようかなって』

弟 『別にそう言うの気にしなくても良いのに。って言うか何を今さらって言う』

幼 『うん。でも一応気持ちだけでも…ね?』

姉 『はい! はいっ! そう言うのズルいと思います! 魂胆見え透いててあざといと思います!』

弟 『なんのこっちゃ? よくわからんが姉ちゃんも人の好意を勘繰っちゃ失礼だぜ?』

姉 『その好意のベクトルは確実に私には向いてないし!』

幼 『じゃあ、お台所借りるね』

弟 『ああ。でも、台所の勝手がわからないと困るだろ? だから手伝うよ』

幼 『…もう。それじゃお詫びにならないでしょ? 良いから弟は楽しみに待ってて』

姉 『何この会話? 何この会話? 何か腹立つんですけど?』

弟 『…でも食器の場所とかわからないだろ?』

幼 『……そうだけど』

姉 『ねぇ、ちょっと?』

弟 『料理は段取りが大事だから慣れないところで作ると苦労するよ? 遠慮しなくても良いから』

幼 『……でも』

姉 『あれ? 私は無視? ねぇ、無視? 何これ、二人の世界? 私をもうちょっと構っても良いと思わない?』

姉 『うん。わかった! 妙案を思い付いた! 私、良いこと思い付いた!』

弟 『ま、あんまり気にすんな? 別に俺は毎日やってるし料理自体嫌いじゃないし』

幼 『……えっと』

姉 『聞いてよ! さっきからずっと私の扱いが酷いと思うんです!』

幼 『………』

弟 『……何さ?』

姉 『何でそう「どうせ、ろくでもない事言うんだろ?」って顔すんの!?」

弟 『…自分の貧相な胸に聞いてみるが良』

姉 『……えっ? 聞こえない? なんだって?』

弟 『……その慈愛に満ちた可憐な胸に手を当てて振り返ってみてはと愚考する次第です、はい』

弟 「そして彼女は言った。『私が手伝いましょう。これで万事が解決です!』と…」

弟 「………」

弟 「やっぱりろくな考えじゃなかったじゃん! あの人が料理出来んのか弟である俺すら謎だわ!」

弟 「と言うか本人に聞いても『気合いだけは十分です!』って不安過ぎる! 気合いで料理は出来ん!」

弟 「幼馴染みもそんなのがアシスタントで良いのか!」

弟 「…それ以前にお詫びと言うなら姉ちゃんにも手伝わせてはいけないのではないか?」

弟 「………」

弟 「幼馴染みは姉ちゃんには詫びる気はサラサラ無いのか?」

弟 「いや、待て、俺は今まで重要な事を見逃していたぞ?」

弟 「………」

弟 「そもそも幼馴染みは料理出来んのか?」

弟 「あの態度から普通に料理は出来るものと考えていたが、あいつは料理出来んのか?」

弟 「………」

弟 「そう言えば中学の頃に調理実習でフライパンを燃やした班があったような…」

弟 「………」

弟 「いや、まさかね? まさかそんな事はないよな?」

弟 「………」

弟 「……すっごく風呂から出たく無くなってきたんだが、おい」

幼 「……何かお風呂場の方から絶叫が聞こえるんですけど大丈夫ですかね?」

姉 「昔から一人きりになって暴走するとあんな感じなの。気にしなくて良いわ」

幼 「はぁ、それはまた難儀な」

姉 「ふふ。私の手料理が食べられるから嬉しくて興奮してるのよ、きっと」

幼 「……そうですね。私の料理を心待ちにしてるんですね」

姉 「………」

幼 「………」

姉 「……ねぇ、幼ちゃん?」

幼 「お姉さん、皮剥きの手が止まってますよ?」

姉 「…あ、うん。ごめん…」

幼 「………」

姉 「………」

幼 「……で、何ですか?」

姉 「……えっ? あ、えっと、幼ちゃんは…あの幼ちゃんは…」

幼 「……はい、私が何ですか?」

姉 「あの、幼ちゃんは弟の事が…えっと…好き、なのかな、って」

幼 「………」

姉 「…どうなのかな?」

幼 「…お姉さんはどうだと思いますか?」

姉 「……えっと、少なくとも嫌いでは、ないよね?」

幼 「はい。少なくとも嫌いではないですしどちらかと言えばポジティブ側ですね」

姉 「………」

幼 「ま、でも、それにならお姉さんだってそこに当てはまりますよ?」

姉 「……私に意地悪ばっかりするのに私の事は嫌いじゃないの?」

幼 「はい。嫌いな人にはあんな事したり言ったりはしませんよ。関わりたくはないですからね」

幼 「そう言うお姉さんは弟の事をどう思ってるんですか?」

姉 「……えっ? どうって…」

幼 「…当然『家族として』って意味合いで聞いてるわけではないですよ?」

姉 「……えっと」

幼 「……答えられませんか?」

姉 「………」

幼 「…まぁ、良いです。別に今は苛めたいわけではないので」

姉 「………」

幼 「でも、それでしたら私もこれ以上は答えません。教える必要もないですから。お姉さんで勝手に解釈して下さい」

幼 「………」

姉 「………」

幼 「ほら、お姉さん、また作業してる手が止まってますよ?」

姉 「あっ… ごめん…」

幼 「ネギが切れたら味噌汁椀に入れといてください」

姉 「……うん」

幼 「………」

姉 「………」

幼 「……まったく、弟は長風呂ですね。いつまで入ってんでしょうね」

ねりゅ

弟 「良かった… 本当に良かった…」

姉 「お姉ちゃんの料理が食べれて嬉しいからってそんなに喜んじゃって…」

幼 「まったくです。私の料理が美味しいからって何も目を潤ませなくても…」

弟 「………」

姉 「そのお味噌汁はお姉ちゃんが作ったんです!」

幼 「…私のとった出汁に味噌と豆腐とネギを入れただけじゃないですか」

姉 「『出汁をとった』って単に昆布を鍋に放り込んだだけじゃん!」

幼 「少なくとも『味噌汁は任せて!』と意気込んでインスタント味噌汁を作ろうとしたお姉さんよりマシです」

弟 「お互いに足を引っ張りあうな。食べれるレベルで良かったと喜んでるだけで大して美味しくないから気にすんな」

弟 「チョーウマイ! チョーオイシイ!」

姉 「そっか! 良かった!」

幼 「喜んでもらえて安心した…」

弟 「………」

姉 「おかわりあるから遠慮せずに食べてね?」

幼 「うん。いっぱいあるけど残さず食べてね?」

弟 「……わかった。食べるから机の下で脛を蹴るの止めてくれるかな、二人とも」

姉 「……?」

幼 「…え、なんのこと?」

弟 「……何か味噌汁が涙の味がするぜ!」

本当に本当に本当にアイデアが出ないまとまらないウボアアアア
すまん

弟 「ぼーくアルバイトー!!」

姉 「私、弁護士!」

幼 「私は宇宙飛行士です」

弟 「チックショー!! なんだこの格差社会!!」

姉 「ニート乙」

幼 「甲斐性なしはちょっと嫌かな」

弟 「ニートじゃないやい! 働いてるよ!! 生産してるもん!!」

姉 「まあ、頑張って小銭稼いで下さいよ(笑)」

幼 「社会には弟みたいにあくせく働く人も必要なんだから…頑張って?」

弟 「うっさい!! 人生ゲームごときで威張るな!! 今に見ておれ!! 今に見ておれ!!」

姉 「………」

幼 「………」

弟 「買ってて良かった株券・証券!! 貴様らは額に汗して働いておれば良いのだ!!」

姉 「なんと言うネオニート」

幼 「そんな非生産的な労働で稼ごうなんて、たとえお天道様が許してもこの私が許しません」

弟 「何とでも言うが良いさ! 所詮世の中は金だ! 真の勝者が誰かもうすぐわかるわ!」

姉 「……あ、幼ちゃん? そろそろラピュタが始まるんじゃない?」

幼 「あっ! 本当ですね。もうすぐ始まっちゃいますよ」

弟 「おいいいい!? 何を自然な感じにPSの電源切ってんの!?」

姉 「はいはいバルスバルス」

幼 「その年でたかがゲームごときにムキになって恥ずかしくないの?」

弟 「お前らこそゲームで負けそうになって電源を落とすとか恥ずかしくないのか!?」

姉 「ふはは、人がゴミのようだ!」

幼 「………」

弟 「もう、鬼ごっこは終わりかい?」

幼 「………」

弟 「バルス!」

姉 「目が、目がぁ~」

幼 「……何やってんの?」

弟 「ラピュタ放映後恒例のムスカ追悼式典?」

幼 「いや、疑問形で返されても… 何か二人とも愉快な姉弟だね…」

姉 「…ふぅ。さっぱりさっぱり…って、あれ? 弟は?」

幼 「お姉さんがお風呂に入ってる間に寝てしまいました」

姉 「へえ、いつもはこの時間はまだ起きてるのに」

幼 「なんでも『心労が今日だけでパネェ事になってるから、もう寝て今日と言う日を終わらせる』だそうです」

姉 「…何か心配事でもあるのかしら?」

幼 「さあ? 弟も結構チキンもとい繊細な所がありますからね。よくわかんないです」

姉 「…でも、こんな湯上がり美人を見れないなんて勿体ない」

幼 「…普段見れない私の火照った体を見て、つい何かを催したんですかね?」

姉 「そっか、そっか」

幼 「……あれ、お姉さん、どちらに行かれるんですか?」

姉 「…ちょっとお手洗いに」

幼 「そうですか。あ、ちなみに弟の部屋は鍵がかけてあるみたいで入れませんよ?」

姉 「……ヤダナ本当ニ御手洗イダッテ」

幼 「そうですか」

姉 「………」

幼 「………」

姉 「……ちなみに、なんで幼ちゃんがそんなことを知ってるのかな?」

幼 「………」

姉 「…ねえ?」

幼 「……そんな細かい事ばかり気にしてると大きい人間にはなれないですよ?」

姉 「…別に良いもん。大きくなれなくても良いもん」

幼 「…だから胸も大きくならないんですよ?」

姉 「そんな事ないもん! 今からが成長期だし! だいたい胸とか関係ないし!」

幼 「裏表の無い人間って言いますけど、お姉さんも胸か背中かわからないですね?」

姉 「わかるよ!! この控え目ながら確かに存在感のある膨らみが見えないのか!?」

幼 「…あ、ああ! 確かに表にはありますね! ……鎖骨が」

姉 「チクショー! 今に見ておれ!! 今に見ておれ!! 幼ちゃんなんてすぐに追い抜いてやるんだから!!」

幼 「……別に良いじゃないですか? 胸の大小なんて些細な問題ですよ?」

姉 「……幼ちゃんだって別に大きくないくせに」

幼 「こんなものは無駄にあっても意味がないのです。偉い人にはそれがわからんのです」

姉 「………」

幼 「それに自分の好きな人がそれに満足してくれればそれで問題はないんですよ」

姉 「………」

幼 「………」

姉 「……弟は」

幼 「……はい?」

姉 「……やっぱり弟は、胸の大きい子が、好き、なのかな?」

幼 「…どうしてそんな事を聞くんですか?」

姉 「………」

幼 「…だいたいお姉さんが知らないのに私が知るわけないじゃないですか」

姉 「……ごめん」

幼 「……まぁ、仮に巨乳好きだったら後で徹底して再教育しておきますから安心して下さい」

姉 「……幼ちゃん?」

幼 「…今度は何ですか?」

姉 「……もしもだよ? もし仮の話で」

幼 「……もし仮に?」

姉 「うん、もし仮に、弟と幼ちゃんが付き合ったりしても私は怒ったりしないと思うの」

幼 「……何ですか、急に?」

姉 「他の人に弟を盗られたくないけど、幼ちゃんなら、幼ちゃんなら私は許せると思う」

幼 「………」

姉 「…私は二人とも好きだから、さ。きっと納得できると思う」

幼 「………」

幼 「……そうですか」

姉 「……うん」

幼 「そうですね。じゃあ、私も仮定の話をしましょうか」

姉 「……?」

幼 「もし私が弟が好きで、弟をどうしても手に入れたいと仮定するならば」

姉 「……うん」

幼 「その時はたとえお姉さんがどう思おうと、何をしようと気にせずに奪います」

姉 「………」

幼 「こんなものは当人同士の問題で外野なんて関係ないんでお姉さんも私に気を使わなくても良いです」

姉 「………」

姉 「そっか… すごいね幼ちゃんは… 真っ直ぐだしすごく強い…」

幼 「…違いますよ。単にワガママで強情なだけですよ」

姉 「ううん。なんかすごく格好良いしキレイ… 私なんか全然駄目だもん」

幼 「………」

姉 「強くなりたいって思ってもただ強がるだけで、いざとなるとすぐに逃げて誤魔化しちゃう…」

幼 「………」

姉 「私、すごく幼ちゃんが羨ましい…」

幼 「……私は今までお姉さんがすごい羨ましかったですよ」ボソッ

姉 「…えっ? 何?」

幼 「…何でもないです。ただの独り言です」

悪いが今から出掛けなきゃならん
少なくとも日付が変わるまでは戻らん
本当すまん

>>1だがすまん。まだまだかかる

すまんまだ帰れんのだ…

幼 「……お姉さんの様子がおかしい?」

弟 「ああ。何て言うか最近は前に比べてまともなんだ…」

幼 「………」

弟 「……何かあったのかな?」

幼 「…わかんないけど、おかしいのかまともなのかはっきりしてよ」

弟 「……いや、何て言うかまともなのがおかしいって言うか、基本的に姉ちゃんって無茶苦茶じゃん?」

幼 「……自分の姉に対してえらくヒドイ言い様だね」

弟 『ほら! 姉ちゃん! 起きて! 遅刻するよ!』

姉 『……むぅ、抱き締めてキスしてくれたら起きるかもしれないー』

弟 『もう! 毎朝毎朝バカな事を言ってんじゃないぞ!』

姉 『やだぁ! じゃないと起きないもん!』

弟 『ワガママばっか言うなよ! 変な事言ってないでさっさと起きる! 置いていくぞ!』

姉 『………』

弟 『……ん? 姉ちゃん?』

弟 「素直に起きるんだ…」

幼 「それで素直に起きてる部類なんだ…」

弟 「…その後もワガママ言うときも、俺が困りそうな事を見つけた時もどこか遠慮がちにやるんだ」

幼 「……遠慮がちながらもちゃんとやるんだね」

弟 「でも、何て言うか躊躇いがちで、いつもがフルスイングだとしたら、最近はバッティングセンターでバントしてる感じで…」

幼 「躊躇っても、ちゃんと一球一球コツコツと当てていくんだね…」

弟 「……どうしたらいいんだろ?」

幼 「…むしろ何がいけないのかが私は知りたいよ」

弟 「何て言ったら良いかさ、不自然って言うか…」

幼 「………」

弟 「まともって言っても、姉ちゃんにしてみたらまともじゃないんだよ…」

幼 「………」

まだまだ帰れないが隙を見て
しかしまた去る。いつ家に辿り着くかは未定。すまんね

終わったから今から帰還

戻ってきたけと少しだけ寝かせてほしい。意識が飛んでる
すまん
保守ありがとな

|∧∧
|・ω・`) そ~~・・・
|o④o
|―u'


| ∧∧
|(´・ω・`)
|o   ヾ
|―u' ④ <コトッ




| ミ  ピャッ!
|    ④

すまん本当にありがとう
起きて書いてたら二度寝したのは内緒

よし
風邪引かないうちに頼むわ

幼 「でも、弟にしてみれば…」

弟 「…俺にしてみれば?」

幼 「弟してみれば今まで面倒臭かったお姉さんの相手が簡単になって良いじゃん?」

弟 「そりゃ、そうだけど…」

幼 「普段から『鬱陶しい~』とか『いい加減にしろ~』とか言ってるじゃん?」

弟 「…そうだけどさ。そうだけど、違うんだ。そうじゃないんだ」

幼 「………」

弟 「上手く言えないけどこれじゃ…嫌なんだ…」

弟 「…とにかくこれじゃ、嫌なんだ。上手くは言えないけど嫌なんだ」

幼 「………」

弟 「……どうすりゃ良いのかな?」

幼 「……意味わかんない」

弟 「ごめん… 何だか上手く説明出来なくて…」

幼 「…違うよ、そう言う意味じゃない! だいたい何でそんな事を私に聞くの!?」

弟 「えっ…!? 何でって、そりゃ…」

幼 「私は弟のお母さんじゃないんだよ!? それくらい自分で考えなさいよ、バカ!!」

弟 「ちょっ!? 何、怒ってんの!? って言うかどこ行くの!?」

幼 「トイレだアホー!!」

弟 「なあ、鳩君逹… 俺はどうすりゃ良いんだと思うかい?」

鳩 「クルッポー」

弟 「姉ちゃんは相変わらず元気ないし、幼はあれから口利いてくれないし…」

鳩 「ポッポッポッポッ」

弟 「しかもワケわかんないから、他の友達にも相談してみたのに何かそいつにもキレられるし…」

鳩 「クルッポッポッポッ」

弟 「『この野郎!! ウゼェ自慢してないでさっさと死ねよ!!』って意味不明じゃね?」

鳩 「ポッポッポッポッポッ」

弟 「……はぁ、みんな本当に意味わかんないよ」

鳩 (いいから早くエサくれよ、バカ)

おざわ 「なあ、鳩君… 俺はどうすりゃ良いんだと思うかい?」

鳩 「クルッポー」

おざわ 「石川ちゃんは相変わらず元気ないし、検察はあれから口利いてくれないし…」

鳩 「ポッポッポッポッ」

おざわ 「しかもワケわかんないから、他の議員にも相談してみたのに何かそいつにもキレられるし…」

鳩 「クルッポッポッポッ」

おざわ 「『この野郎!! ウゼェ自慢してないでさっさと死ねよ!!』って意味不明じゃね?」

鳩 「ポッポッポッポッポッ」

おざわ 「……はぁ、みんな本当に意味わかんないよ」

鳩 (いいから早く辞職しろよ、バカ)

弟 「姉ちゃんなんてここ最近に至っては自分で起きるんだぜ? 笑っちゃうよな…」

鳩 「ポッポッポッポッポッ」

弟 「今朝なんて俺が起きたら、先に行くって書き置きがあって家にはもう居なかったんだぜ?」

鳩 「クルクルポッポッポッポッ」

弟 「俺が今まで朝に苦労してたのは何なんだって話だよ… 起きれんじゃん…」

鳩 「ポッポッポッ」

弟 「何だか前より帰るのも遅いし、家に帰って来ても自分の部屋にこもってるし…」

鳩 「………」

弟 「いったいどうしたんだよ、姉ちゃん… 心配になるだろうが…」

鳩 (おい、エサをくれる気はないのか? おい?)

ご飯休憩

弟 「やあ、鳩君逹。今日も元気にやってるかい?」

鳩 「………」

弟 「俺は…あんまり元気じゃないぜ? ここ最近君達以外とまともに話してないんだ…」

鳩 「………」

弟 「姉ちゃんは何だか俺を避けて、どんな絶好球が来ても最早バントすらしないし…」

鳩 「………」

弟 「幼馴染みはいくら話しかけても冷たい目で『あっそ』って言うだけで怒ったままだし…」

鳩 「………」

弟 「男友達どもなんか近付けば『お前なんぞ男女共通の敵じゃ!! くたばれボケ!!』って蹴ってくるし…」

鳩 「………」

弟 「もう、何かこれはいじめかも知れんね。俺が社会から爪弾きにされてる感じがする…」

鳩 「………」

弟 「今は君達だけが俺の心の支えだよ…」

鳩 「………」

弟 「……はぁ、どうしたら良いんだろうなぁ」

鳩 (…エサくれないならどっか行かねえかな、コイツ)



子 「お母さん、あの人、さいきん毎日鳩さんたちとお話ししてるね! 何をお話してるのかなぁ?」

女 「やめなさい! 危ないからあっち見るんじゃありません!」

姉 「……ん?」

幼 「…お姉さん、ちょっと今、よろしいですか?」

姉 「…っ、幼ちゃん!? どうしてここに!?」

幼 「…少しお話したい事がありますので。それと図書室では静かにした方がよろしいかと…」

姉 「…あ、うん。ごめんね…」

幼 「別に私は構いませんが他の人の迷惑になるので…」

姉 「…うん。じゃ、ちょっと図書室の外に出て話そっか…」

幼 「…はい」

姉 「外で立ち話するには少し寒い時期になってきたね…」

幼 「そうですね。ついこの前まで茹だるように暑かったのに…」

姉 「もう、秋も終わりか… 冬になったらもう受験まで秒読みだよ。嫌になっちゃうな」

幼 「お姉さんでも入試は不安なんですか? 成績も悪くないって聞きましたけど…」

姉 「入試は水物って言うしね。みんながギリギリの所で頑張ってるんだから気は抜けないよ」

幼 「…そういうものですか」

姉 「うん。それにこの不安は合否だけじゃなくて、もっと漠然とした未来に対する不安なんだと思う」

幼 「……未来に対する不安?」

姉 「そう。未来がまだ思い描けないから、想像出来ないから不安なの。スゴく近い未来でも自分がどうなっているのかがわからないから」

姉 「しかも受験が目の前に迫るほどより近い未来が見えなくなる。合格するかしないかで未来が変わるから」

幼 「………」

姉 「でも、本人逹は拙いながらも妄想した未来を実現するために必死で勉強をしなきゃいけないの」

幼 「………」

姉 「それ以外にしようがないからね。その不安を紛らわすためにも一心不乱に勉強するの」

幼 「………」

姉 「でもね、だからこそ終わってしまえばたとえ落ちてもガッカリするけど同時に安心すると思う。あと一年は未来が見えるから」

幼 「そんなもんですか」

姉 「うん。多分そんなもんだと思う。そりゃ絶対に落ちたくないとも思うけどね」

幼 「…だからお姉さんは最近は弟をあまり構わないんですか?」

姉 「……えっ?」

幼 「受験勉強が忙しくて弟なんかに構ってられないって事ですか?」

姉 「………」

幼 「…だからお姉さんは弟と遊ぶより今は勉強を優先してるとでも言うんですか?」

姉 「……そりゃ、そうだよ。勉強だって大事なんだから…」

幼 「…なら、ちゃんと受験が終わってしまえば元通りになるんですか?」

姉 「………」

幼 「…違いますよね? たとえ合格してもこのままでいるつもりですよね?」

姉 「………」

幼 「…このまま距離を置いてしまおう、そう考えてませんか? 違いますか?」

姉 「………」

幼 「もしかしたらそれ以上に遠くの大学に行ってしまおう、それで物理的に距離を置こう、そう考えてませんか?」

姉 「………」

幼 「その為にはここからは通えないレベルの所に行かなきゃいけない。だから今、必死に勉強してるんじゃないですか?」

姉 「………」

幼 「お姉さん、違いますか?」

姉 「………」

ヨネさんキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!

昨日は寝落ちだすまんね
しかも今から学校だ。多分来れるのは夜遅くなってからだ。すまない

保守ありがとう
ちくっと待ってね

幼 「……そうなんですね?」

姉 「……なんでそこまでわかるの? …弟が何か言ってたの?」

幼 「…さっき机の上に大学の赤本があったのが見えたんです。それで、もしかしたらと…」

姉 「そっか、それでか… 図書室に来るとは思ってなかったからちょっと油断しちゃったかな…」

幼 「………」

姉 「でも、弟が知らないんだったらまだ内緒にしといてね?」

幼 「………」

姉 「私もね、そろそろ自立しなくちゃって思ってたんだ…」

幼 「………」

姉 「だからね、丁度良かったの。これを機会に弟離れが出来るって」

幼 「………」

姉 「…弟もこんな迷惑で手のかかるお姉ちゃんにずっと振り回されてちゃいけないよ」

幼 「………」

姉 「もっと友達と遊んだり、幼ちゃんとお話したり、たまには勉強したり…」

幼 「………」

姉 「たまには女の子とデートしたり… 自分のやりたいことやらなきゃ駄目だよ…」

姉ちゃん・・・・・・・・(´;ω;`)

姉 「でもね、私が居るとそれを邪魔しちゃうの」

幼 「………」

姉 「弟って優しいからいつもワガママな私の相手をしてくれるの。『仕方ないな』って苦笑いしながら傍に居てくれるの」

幼 「………」

姉 「だから、つい、私はそれに甘えちゃう。それがスゴく居心地が良いから」

幼 「………」

姉 「でも、それじゃ駄目。私に弟の時間を奪う権利なんて無いもの。だからそれももう終わりにするの」

姉「シエンティーナ」

弟「えっ 何が?」

幼 「……本当にお姉さんは自分勝手な人ですね」

姉 「…うん、そうかもしれないね」

幼 「…そうです。弟の為って言いながら結局は自分の為に弟を捨てて逃げてるだけです」

姉 「………」

幼 「……でも、そんな事をしても無駄です。意味ないです」

姉 「……えっ?」

幼 「…弟は必ずお姉さんを追っていきますよ。来年アイツはアナタの大学を目指します、絶対に」

姉 「………」

幼 「アイツはきっと自分の姉がなんで遠くの大学に行ったかなんて考えもしません」

幼 「ただ、その代わり死ぬ気で勉強して絶対に受かりますよ。…絶対です」

幼 「…アイツはそんな事でアナタを諦めるようなヤツじゃないです」

姉 「……えっ」

幼 「心の距離、物理的な距離… それがいったい何だって言うんですか?」

姉 「……でも」

幼 「…アイツは、あの鈍感はそんなものに負けてへこたれるようなヤツじゃないですよ」

姉 「………」

幼 「確かに今のままでは到底届きません。でもアイツは死ぬ気で足りないなら本当に血ヘドを吐くほどやります。アナタの為なら…」

幼 「お姉さんは最近、弟を避けてるそうですね」

姉 「う、うん。でも、それは仕方なくて…。でも全く話してないわけじゃ…」

幼 「なら、私と弟が喧嘩してるの知ってますか?」

姉 「…えっ? うん。そるは、この前、お夕飯の時に弟がそんな事言ってた」

幼 「……何て?」

姉 「幼ちゃんがいくら話し掛けても冷たくあしらわれるって…」

幼 「そうですか。でも、いつも私が何と言って話しかけられるかご存知ですか?」

姉 「ううん、そこまでは…」

幼 「『昨日も姉ちゃんが元気が無いんだ、どうしよう…』です。毎日そうやって話しかけてくるんですよ?」

姉 「………」

そるではなくそれだ
ヴォルニカルヴァイパーでも撃ってろ

いじめられる弟欲しい。。

>>611
(*´ω`*)ノ

幼 「私が何かしらで不機嫌なのは承知なのに、毎回そう聞いてくるんです」

姉 「………」

幼 「より不機嫌になりますよ。はっきり言って『知るか!』って話です」

姉 「………」

幼 「…でも、それは今に限った話ではないんですよ? 今までもずっとそうでしたから」

姉 「……えっ?」

幼 「…疲れた顔をして、困った顔をして、嬉しそうな顔をして、楽しそうな顔をして、弟はずっとアナタの話ばかりするんですよ?」

姉 「………」

幼 「毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日そうやって… 私の前でずっとアナタの事ばかり話すんですよ!?」

幼 「…この前、お姉さんは私に弟の事が好きかと尋ねましたよね?」

姉 「………」

幼 「ええ、そりゃ、好きです。大好きです。見ればわかるでしょう?」

姉 「………」

幼 「本当にどこが好きかわからないけど、弟の全てが好きで」

姉 「………」

幼 「弟の笑った顔が好きで、困った顔が好きで、怒った顔も、泣き顔さえも好きで」

姉 「………」

幼 「…アナタの事を教えてくれるアイツのキラキラした顔が何より大好きで!」

姉 「………」

幼 「アナタにこのどうしようもない気持ちがわかりますか!? 理解できますか、ねぇ!?」

ふろ

幼 「…わからないですよね」

姉 「………」

幼 「…こっちも別に『わかった』なんて言って欲しくないので良いんですけど」

姉 「………」

幼 「でも、私にはお姉さんの事はわかりますよ? 尋ねても居ないのに逐一教えてくれる人が居ますから」

姉 「………」

幼 「きっと私は誰よりもアナタを知ってますよ。もしかしたらあの鈍感な弟よりも…」

姉 「………」

幼 「もしかしたら適当な理由を付けて自分の気持ちから逃げようとしてるアナタよりも…」

幼 「…だから私はアナタの事が羨ましいし憎らしくなる」

姉 「………」

幼 「…だから私はアナタの事が可哀想だと思うし悲しくなる」

姉 「………」

幼 「冗談めかして弟を誘惑して。失敗して、安堵すると同時に本当にがっかりする。その繰り返し…」

姉 「………」

幼 「…誘惑するだけで自分から手を出さないのは、アナタにそれだけの覚悟が出来ないから」

姉 「………」

幼 「でも、勇気がでないからって…」

姉 「………」

幼 「だからって弟を私に押しつけて逃げる? いい加減にして下さいよ」

姉 「………」

幼 「何が『幼ちゃんになら弟がとられても納得出来る』ですか。ふざけないで下さいよ」

姉 「………」

幼 「私はアナタなんかに貰う義理はありません。アナタから貰うんじゃなくて奪うんです。勘違いしないで下さい」

姉 「………」

幼 「だからアナタが逃げて、宙ぶらりんの廃棄物を残されてもこっちだって困るんですよ」

姉 「………」

幼 「だから逃げないで下さいよ、この卑怯者」

姉 「……本当に臆病で卑怯だよね、私」

幼 「…そうですね、本当にチキンで卑怯者ですね」

姉 「…しかもおどけて誤魔化してた筈が、見透かされて、これじゃ本当の道化みたいだね」

幼 「…はい、本当に滑稽です」

姉 「……うん、でも、そりゃ、私だって、私だって弟の事が好き。大好き…」

幼 「………」

姉 「……だけど、だからってどうすれば良いのよ… どうすれば良いのよ…!!」

幼 「………」

姉 「『逃げるな』って、なら、どうすれば良いの!? どうしようもないじゃない!!」

幼 「…どうすれば良いか? そんなもんは自分で考えて下さいよ。甘えないで欲しいです」

姉 「…なっ!?」

幼 「本当に弟といい、姉といいどうしてアナタ達姉弟は私に聞くんですかね」

姉 「…だってそれはアナタが!!」

幼 「別に私が何をアナタに言おうと勝手でしょう? でも、同時にアナタがその後にどうしようとそれはアナタの勝手です」

姉 「………」

幼 「別に私の言うことを聞く義理なんてないです。当たり前です。気に入らなければ何処へでも好きに行って下さい」

姉 「………」

幼 「私はそれでは気に入らないですが、それならそれで勝手にやりますから、どうぞ」

幼 「でも、私がアナタなら… 私ならそんな事は絶対にしない」

姉 「………」

幼 「前にも言ったじゃないですか。『こんなものは当人同士の問題だ』って」

姉 「………」

幼 「だから、これだってそうです。姉弟だって事がどうしたんですか?」

姉 「………」

幼 「アナタの気持ちはどうなんですか? アイツの気持ちはどうなんですか? 重要なのはそこじゃないんですか?」

姉 「………」

幼 「重要なのはそこで他は些事です。邪魔なモノはただのノイズです」

姉 「………」

幼 「ノイズが気になるならそれを何とかすれば良い。最初から駄目だと言うのは悲観以前にただの怠惰です」

幼 「弟はお姉さんの事が好きです。大好きです。これは絶対です」

姉 「………」

幼 「弟は鈍感魔神だからそれすら気付いてないかも知れませんが…」

幼 「…でも、私が、アイツが大好きな私が言うんですから間違いありません。絶対にです」

姉 「………」

幼 「だから私は本当にお姉さんが憎くて羨ましくてどうしようもないんです…」

姉 「………」

幼 「…でも、それでも同時に好きなんです。弟が大好きなお姉さんが」

姉 「………」

幼 「…だからもう逃げないで下さい。これはアナタが憎い私と、お姉さんが好きな私からのお願いです…」

姉 「……そっか、ありがと。本当に幼ちゃんは真っ直ぐでカッコイイね…」

幼 「…そんな事は無いです。ただ、恐ろしくワガママで頑固なだけです」

姉 「…ふふ。前も同じ事を言ってたね?」

幼 「…事実ですので。それに実際はこんな事を言っててもそんなに強くなれてません。口先だけです」

姉 「そう…?」

幼 「そうです。さっきの小言も実際には誰に向かって言っていたのかわからないくらいですよ…」

姉 「……?」

幼 「でも、これで私も踏ん切りがついた気がします。だからお姉さんも頑張って下さい」

姉 「…ん? よくわかんないけどそうね」

姉 「可愛い幼ちゃんの頼みとあらば断れないかな? それに弟も寂しがるだろうしねっ」

幼 「……はぁ、全く」

姉 「んー? どうかしたぁ?」

幼 「…そうやって何かしら理由付けと言うか、言い訳しないと気が済まないのは良くない癖ですよ?」

姉 「…うっ、言い訳じゃないよー?」

幼 「言い訳です! 小心者と言うか何と言うか… さっきの私の説教聞いてました?」

姉 「…生憎、右耳から左耳までは直通となっておりますので」

幼 「…でしたら、今度は左耳から詰め直してあげますよ。ちゃんと中間の脳に引っ掛かるように!」

姉 「よ、幼ちゃん? 顔がちょっと怖いよ? 可愛いお顔が台無しだよ?」

ハイパーお説教タイムも終わった事だしねるぽ

今日も学校に行く作業が始まるお
すまんね。でも今日は夕方には帰れる予定

帰ってきたらガッされていた…
何を言ってるかわかると思うがつまりそういうことだ…
幻覚とか超スピードとか多分そんなものだ
だからちくっと待ってね

姉 「ただいまー!!」

弟 「…ん? お帰り姉ちゃ…うぼあああ!?」

姉 「ほらほらお姉さんのご帰還ですよ? 熱い抱擁とキスで迎えなさい!」

弟 「えっ!? はっ!? 何!? 何なの急に!? 殺人タックル? ついに俺を殺る気なの!?」

姉 「ヤる気です。ほらほら、ここにムチュッとするだけ三秒じゃん? 注射より短い!」

弟 「だから何だよ!? 意味がわからんだろ!! しないから!!」

姉 「そしたらお姉ちゃんがそのままムチャ…チュルチュルチュパ…っとお返ししますよ?」

弟 「別に要らないよ! って言うか何か擬音が卑猥だよ!!」

姉 「ほら取り敢えず一回ムチュッとね? 駆けつけ一発ってヤツデスよ?」

弟 「言葉捏造すんな!! 取り敢えずっておかしいだろ! お前が取り敢えず落ち着け!!」

姉 「…つべこべとウルサイ弟ですね? 帰ってきたらキスをする。これ世界の常識」

弟 「海外ドラマに毒されすぎだ! もっと和風に慎ましやかに行こうぜ?」

姉 「……えっ? 弟ってドレスより白無垢派だったの?」

弟 「…違えよ。全然違う。何の話だよ、それ…」

姉 「…文金高島田ってみんなカツラ被ってるのかな? それともお姉ちゃん髪伸ばした方が良い?」

弟 「そんなの知らないよ! 何の話してんだよ!?」

姉 「ご飯にする? お風呂にする? それとも…お・姉・ち・ゃ・ん?」

弟 「今、何か色々とすっ飛ばした! 過程が色々飛んだけど取り敢えず最初と最後の選択肢は有り得ない!」

姉 「…じゃあ、弟はお姉ちゃんとお風呂でヌルヌル入浴?」

弟 「お前は風呂に何しに行くんだ! ヌルヌルになったら意味ないだろ! さっぱりしなきゃ意味ないだろ!」

姉 「…うん。さっぱりもするよ? ヌルヌルした後でさっぱりするよ?」

弟 「ウルサイわ! 上手い事言ったつもりか!」

弟 「………」

姉 「お姉ちゃんはストレスが溜まってるんじゃ! 受験勉強とか諸々でストレス溜まってるんじゃ!」

弟 「…本当、姉ちゃんってワガママだよな」

姉 「ワガママで結構! さっ、早くこのストレスを鎮めたまえ!」

弟 「………」

姉 「……?」

弟 「………」

姉 「……弟?」

弟 「…本当に俺がどれだけ心配したかわかってんの? 急にそっけなくなって… 冷たくなって…」

姉 「………」

弟 「何で元気無いんだろって… 何かあったんじゃないかって…」

姉 「……うっ、ごめん」

弟 「…ったく、『ごめん』じゃねえよ、この馬鹿姉が…!」

姉 「……うぅ」

弟 「…で、心配してたら急に元に戻って『ストレス溜まってる』って? こっちのがストレス溜まってるは!」

姉 「…ごめん。本当にごめん…」

弟 「…ったく。この馬鹿姉! 顔上げてこっち向け」

姉 「……?」

弟 「…いいから! …早くしろ!」

姉 「…ん? おと……んぐっ!?」

弟 「………」

姉 「―――!?」

弟 「…ぷはっ、はぁ…、これで満足か、馬鹿姉め」

姉 「き、キス…!? えっ、何で…!? えっ!?」

弟 「…お前がしろって言ったんだろ!! 『何で?』も何もあるか、馬鹿!!」

姉 「えっ!? 嘘っ!? えっ!? えーっ!?」

姉 「…えっと、えーと」

弟 「ほら、これで満足か駄姉!」

姉 「…えっ? あっ! うん! うんっ!!」

弟 「だったらもう二度と手間かけさせんな。二度と心配させんな。いつも絶対元気でいろ」

姉 「……うん! …うん!!」

弟 「何かあったら俺にちゃんと言え。俺がそれを絶対ぶっ飛ばす。だからちゃんとお前はいつも笑ってろ。絶対だ」

姉 「…うん! 約束する。弟が居るなら私は絶対に笑ってられる」

弟 「……ふんっ、でもこんなのは今回だけだからな! 勘違いすんなよ!!」

姉 「…うん。わかってる… ありがと、弟♪」

弟 「…ふんっ」

姉 「エヘヘー♪」

弟 「………」

姉 「~♪」

弟 「……もう、良いだろ? 離してよ? 晩御飯作れないだろ?」

姉 「ふふっ、やーだぁ♪」

弟 「何でだよ! もう、その、い、言われた通りにしただろ!? いいから放せって!」

姉 「駄ー目♪ 絶対放さないもん♪」

弟 「いや、いいから放……って、痛い!! 痛い!! 肋骨やら何やらがミシミシと!?」

姉 「ウヘへ―♪ 弟ぉ♪」

風呂のち飯、処によっては米を炊くのに時間がかかるでしょう

今までは姉だけだったのが幼まで加わって鳩に相談エンド希望

弟 「姉ちゃん、マジで!! マジで痛いから!! 折れちゃう! 肋骨折れちゃう!!」

姉 「…こら! …もう暴れないの♪ よっ、と!」

弟 「腰払いっ!?」

姉 「……ほ~ら、弟ぉ? お楽しみの時間ですよ~?」

弟 「…いや、本当に洒落にならないから! マジで!! 上からどいて!!」

姉 「嫌~♪」

弟 「ね、姉ちゃん!? か、顔が近いって!! 体もそんなに密着させないで!?」

姉 「うふふー♪」

姉 「そ・れ・に♪ 事前に『ムチュッ』とやったら『ムチャ…チュルチュルチュパ…』ってお返しするって言ったじゃん?」

弟 「………」

姉 「言ったじゃん?」

弟 「……そんな気もしないでもないような」

姉 「だーかーら、ちゃ~んと、お返ししなきゃ、ね?」

弟 「ひぃっ!? お助け! 本当に勘弁して下さい!! 決して、そういうつもりは…!!」

姉 「勘弁してあげないもんね~ …覚悟なさい♪」

弟 「んーーーっ!? …んっ!? んーーー!!!」

弟 「………」

姉 「ふふん♪ ふん♪ ふん♪」

弟 「もうお婿に行けない…」

姉 「大袈裟ねぇ… 第一お婿なんかには行かせないから大丈夫♪ 私と一緒に居れば良いの」

弟 「……っ。勝手に言ってろ!」

姉 「素直じゃないなぁ……それに引き換え、弟の息子さんは素直な子みたいですけどねぇ?」

弟 「はあっ!? バカ!? やめろ変態!! どこ見て話しかけてんだ!?」

姉 「弟ぉ? お姉ちゃんの太ももに当たってるこれはいったい何なのかなぁ?」

弟 「違う!? それは違う!! 全然そう言うんじゃないぞ!?」

姉 「ほらほら♪ 観念しなさい! お姉ちゃんは素直な子の方が好きだなぁ♪」

弟 「やめろ!! それは洒落にならん!! マジで洒落にならんぞおおっ!?」

姉 「ほら、暴れない! ちょっと天井の染みを数えてれば終わるから…」

弟 「いや、駄目! 馬鹿! 変態!! それだけは駄目!!」

姉 「ふふ~ん……って、あれ? これだけは駄目って事はキスまでは良いの?」

弟 「………」

姉 「おやぁ~?」

弟 「うっさい! さっきもう散々しただろ! もうどうでも良いわ!!」

姉 「本当に素直じゃないなぁ? ふふ♪」

弟 「…って言うかなんでそんなに力が強いんだよ!? そんな細身で有り得ないだろ!?」

姉 「…お姉ちゃんを舐めるなし。お姉ちゃんは弟の為なら百万馬力出るのです!!」

弟 「どこのアトムだよ! って言うかどこが俺の為なんだよ!? 俺の為を思うなら止めろよ!!」

姉 「…大人の階段のーぼる~ 君はまだシンデレラっさ~♪」

弟 「ちょっと何を無視して歌ってんの!? 誰かこの人とめて!! 誰かたーすーけーてー!!」

姉 「無駄無駄♪ ここには他に誰も居ないから叫んでも誰も来な…」


幼 「天誅!」

姉 「おのれ内蔵助!?」

幼 「火曜サスペンス劇場『幼馴染みは見た』」

弟 「流石、幼馴染みさん! そこらの凡愚とは役者が違います!」

幼 「事件が起きる前に解決するのが一流です。終わってから追い込むのが二流、崖に追い込むのが三流です」

弟 「本家にすらダメ出しとは流石です! カッコいい!!」

幼 「あとエッチなのはいけないと思います」

弟 「もっとこの駄姉に言ってやってください!! マジ幼馴染みさんリスペクト!!」

姉 「って言うかなんで幼ちゃんがここに居るのよ!」

幼 「南に助けを求める叫びあらば行って口を塞ぎ、北に嘆きの悲しみあらば寒いから行かない」

弟 「理由になってないし全然助けてない!! まさに自由奔放!!」

幼 「とどめをさすのが何より好きで、寒いのが何より嫌い」

弟 「まさに外道!!」

姉 「……って、あれ? それ、私のカバン?」

弟 「……ん? 本当だ。何で幼馴染みが持ってんの?」

幼 「……さっき、お姉さんが話し終えた瞬間ダッシュで帰るからじゃないですか!」

姉 「…あ!」

幼 「…嫌な予感はしたので一応鞄を持って行く口実があればと思いましたが的中しましたね。鍵も空いてましたし」

姉 「…くっ! また、しくじってしまった…」

弟 「流石、幼馴染みさん!!」

ごめん寝落ちかましてた
別に焦らしてるわけではないのだがすまんな

姉 「でも! でも、今のは明らかに濡れ場期待のシーンだった! 二時間ドラマなら温泉入浴シーンだった!」

幼 「最近はそう言うシーンを入れるの多くないですよ? 視聴者層はそう言うの求めてないんです」

姉 「そんなことない! 若い女性のうなじが映るの興奮します!」

弟 「そうだ! そうだ! 興奮するぞ!」

姉 「あんたは黙ってなさい!!」

弟 「今、同意したのに!?」

幼 「…今や主なターゲット層は高齢の主婦層です。CMで見ればどこをターゲットとしてるかわかります」

姉 「だからどうした!!」

幼 「…昔みたいに全ての層を食い付かせようとエロスで場繋ぎするのは流行らないんです。攻め所を集中放火です」

姉 「何だそれ! 何だそれ! お姉ちゃん納得できない! 船越が居れば良いのか!?」

幼 「良いんです。船越さんが居れば数字とれるから良いんです」

姉 「チクショー! だから擦れた大人は嫌いだぜ! あの頃のトキメキを返せ!」

弟 「そうだ! そうだ! 若い女性の入浴シーンを返せ! もう誰得な入浴シーンは要らないんじゃ!」

姉 「幼ちゃんはもっと空気を大事にすべきです! 事が終わってから恥ずかしそうに出てくるべきです!」

幼 「……空気など読むな!」

姉 「日本人の古くからの伝統を頭から否定すんな!」

弟 「そう言う我が道を往く姿…惚れ惚れとします!!」

幼 「……えっ!? そ、そうかな…?」

姉 「若干照れんな!! そう言うキャラじゃないだろ! 今更遅いんじゃ!」

幼 「…新規路線も開拓ですよ? 何か一本で経営していけるほど今の世界は甘くないんです」

姉 「だいたい話の流れ的にもう幼ちゃんの出番は終わりです! 赤く染まる教室で一人黄昏てれば良いんです!」

幼 「先生! お姉さんが私の事をハブにしようとしてます! そう言うのいけないと思います!」

弟 「…そう言うの先生に言われても困ります。当人同士で話し合って解決して下さい…」

姉 「だってどう考えても幼ちゃんは身を引くシーンです! なけなしエールを送って立ち去る負け犬もとい敵役です!」

幼 「………」

姉 「…うっ!? な、何ですか?」

幼 「……確かにお姉さんにハッパをかけましたが勘違いしないで下さい」

姉 「……?」

幼 「あれは私があの状況が釈然としなかったから言ったまでです」

姉 「……でも、あれは」

幼 「…だから別にお姉さんが弟と成就して欲しいなんてこれっぽっちも思ってませんよ?」

姉 「なっ…!?」

幼 「最初から言ってたじゃないですか? 『私は頑固でワガママなだけです』って。お人好しではありませんよ?」

姉 「なっ…!? なっ…!?」

幼 「それに『他の人が何をしようがどう思おうが欲しければ奪う』とも言いました。ノイズなんかにもう立ち止まりません」

幼 「……だから、ねぇ、弟?」

弟 「…はっ!? えっ!? 何!? そこで俺に話が回って来るの!?」

幼 「……私はもう遠回しに言ったり、思わせ振りな態度は取らない」

幼 「そもそもこの鈍感魔神にそんな事しても無駄だってわかってたんだけどね…」

姉 「………」

幼 「私だってただの女の子なんだから… 度胸だって思われてるほどないんだから…」

姉 「………」

弟 「…えっ? 何? 何の話してんの、今?」

幼 「……でも私も、もう覚悟出来たよ」

弟 「……?」

幼 「……弟? 私はあなたが好きです。……だから私のモノになりなさい」

もう無理寝る
あと少しで終わりだがキリが良いんで…

追いついた
需要あるかわからんが抽出して読む人用>>1のIDまとめ

2010/01/14(木) ID:9q2itw8lO
2010/01/15(金) ID:aBq7BSeTO
2010/01/16(土) ID:eFp/aBKyO
2010/01/17(日) ID:SRcXG59AO
2010/01/18(月) ID:75KBFzZFO
2010/01/19(火) ID:jqCs3RWdO
2010/01/20(水) ID:c/HB1rbmO

保守

毎度すまんね
さぁ終わらそう

弟 「…やあ、蟻さんたち。君たちは今日も真面目で偉いね」

蟻 「………」

弟 「世間では五月病なんて言葉が飛び交ってるのに君たちはそんなものとは無縁だね」

蟻 「………」

弟 「鳩君たちなんて公園の暇なご老人からパン屑を貰うだけのニートなのに、それとは大違いだ」

蟻 「………」

弟 「…あいつら最近では俺が公園に現れただけでポッポッポッと逃げやがる」
蟻 「………」

弟 「あの容量の少ない脳ミソに俺を記憶しやがったらしい。鳥頭の分際で生意気な…」

蟻 「………」

弟 「体温と心の温かさは反比例するね… 恒温動物じゃ駄目だよ、やっぱり」

蟻 (オレタチノナカマフムナ! コノデクガ!)

弟 『……えっ?』

幼 『聞こえなかった? なら何度でも言うよ。私はあなたが好き。だから私のモノになりなさい』

姉 『………』

弟 『…えっと、マジ?』

幼 『マジです。大マジです。』

弟 『…うっ。そんな事を急に言われても…ねぇ? 困るって言うか…』

幼 『…別に今の弟の気持ちなんてどうでも良い。とにかく、取り敢えず私のモノになりなさい』

弟 『俺の気持ちどうでも良いの!? そこが一番重要じゃね!?』

幼 『…いいんです。今はどうあれ、将来絶対に私を好きになるようにさせるから』

弟 『…っ!?』

幼 『…だから私のモノになりなさい。遅いか早いかの違いだけです。ほら!』

弟 「それにしても、もう、あんな告白だか脅迫だかわかんないような出来事から半年経つのか…」

蟻 「………」

弟 「何でまた急に… そんな素振り欠片も見せてなかっただろ…」

蟻 「………」

弟 「…しかしながら、漢らしもとい豪快な告白だったな。俺の内なる乙女がキュンとしたもん」

蟻 「………」

弟 「…幼馴染みって結構モテるだけあって、まあ、なんだ? 可愛い部類だし? 嫌いじゃ無いけど…」

蟻 「………」

弟 「…むしろ好きって言っても過言でも無いような気もしないでも無いかもだが」

蟻 「………」

弟 「……本当、何で断ったんだろ、俺」

弟 『……っ!?』

幼 『…ほら!!』

弟 『いや、そりゃ俺だって幼馴染みの事は嫌いじゃないよ? むしろ好きなくらいだが、でも…』

姉 『………』

幼 『なら良いじゃん。付き合うとか恋愛なんて多分初めはそんなもんだよ』

弟 『何かさめてるな… 夢がないって言うか…』

幼 『最初から好感度最大ならその後は落ちるだけだよ。まず付き合ってみるってのも手だと思うよ?』

弟 『…何か上手く言いくるめられてる気がするが要するに試してみて駄目なら別れれば良いと?』

幼 『そういう事。…でもこっちは逃がす気なんて毛頭無いけどね?』

姉 『………』

弟 『うっ… 自信満々だな… って、ん?』

姉 『………』

弟 『……ねぇ、ちゃん?』

弟 「………」

蟻 「………」

弟 「…そりゃ、あんな姉ちゃんを見たら、な?」

蟻 「………」

弟 「…いっつもやかましい姉ちゃんが黙り込んで、顔真っ青にして、今にも泣きそうなんだもん」

蟻 「………」

弟 「足はガクガク震えてるし…」

蟻 「………」

弟 「俺のシャツの裾握ってる手なんか力入れすぎて真っ白になってんだもん」

蟻 「………」

弟 「まっ、仕方ないか… あ、でも、別にブラコン姉ちゃんの為に断ったわけじゃないからな!」

蟻 「………」

弟 「半端な気持ちで付き合ったら申し訳ないだろ!? そう言う事だから勘違いすんなよ!?」

蟻 (ナンナンダコレサッキカラヤカマシイ)

弟 『……ったく』

姉 『あっ… 手…』

弟 『…冷たい手してんな。それに何でそんな顔してんだよ? 笑ってろって言っただろ? 辛気臭い』

姉 『……ごめん』

幼 『………』

弟 『…幼馴染み、やっぱゴメン。俺はそう言う半端なのはあんまり好きじゃないや』

幼 『………』

弟 『…お前の気持ちはスゴく嬉しい。嬉しいし俺も多分お前の事は好きだ』

幼 『………』

弟 『でも今は付き合うとかそう言うんじゃないんだ。上手く言えないけど、俺が納得出来ないって言うか…』

幼 『………』

弟 『だからゴメン。俺はお前の気持ちに応えられない』

幼 『………』

幼 『……やっぱりそっか』

弟 『…ゴメン』

幼 『まっ、だいたい予想通りだけどね? 初めから勝算は薄そうだなって思ってたし』

弟 『………』

姉 『………』

幼 『あっ! でも、これから先、私のモノになりたくなったら直ぐに言ってね? 可及的速やかに!』

弟 『…ああ。わかった』

幼 『約束だよ? ちゃんと弟から言うんだよ?』

弟 『大丈夫。そうなったら迷わずそうする』

幼 『ま、予想通りだけど、フラれると結構ツラいね? これは想像以上かな?』

弟 『………』

姉 『……幼ちゃん』

幼 『んじゃ、今日は遅いし取り敢えず帰ろうかな? …それじゃ、またね?』

弟 『……すぐそこだけど気を付けて帰れよ』

幼 『うん。ありがと。じゃあ、お邪魔しましたぁ。失礼します』

風呂のち飯
今日はパスタになるでしょう

姉 『………』

弟 『…さっ、早く晩御飯作んないとな!』

姉 『……良かったの?』

弟 『…ん、何が?』

姉 『………』

弟 『…今日は姉ちゃんの好きなハンバーグだぜ? 挽き肉が安かったんだ』

姉 『………』

弟 『……姉ちゃん?』

姉 『………』

姉 『…ゴメンね、弟』

弟 『…何の事かは知らないけど姉ちゃんに謝られる筋合いはないよ』

姉 『……うん。そっか。あと、ありがと』

弟 『…別に姉ちゃんの為じゃないよ。自惚れんな』

姉 『…ふふ♪ そっか。あ! あとね、もうひとつ… 大事な事…』

弟 『……ん、何だよ?』

姉 『……大好き』

弟 『……知ってるよ、バーカ』

弟 「ったく、世話のかかる姉ちゃんだろ? 泣くなって言ってるのにすぐ泣きそうになるんだよ」

蟻 「………」

弟 「…しかも、超ワガママだしな」

蟻 「………」

弟 「……前にも増して甘えん坊になったし」

蟻 「………」

弟 「……ま、イヤじゃないけどな」

蟻 「………」

弟 『おい! 姉ちゃん起きて! 学校遅刻するぞ!』

姉 『むぅ… あと二、三時間したら起きるからぁ…』

弟 『全然起きる気ないな!』

姉 『若しくは、弟がチュウしてくれたら起きるかもしんない…』

弟 『いい加減にしろ! 昨日まで起こさなくても起きれてただろ!』

姉 『…昨日は昨日、今日は今日。ほら、早くしてぇ』

弟 『何それ!? 超納得出来ないんだけど!!』

姉 『…早くしなきゃ学校遅刻しちゃうよー?』

弟 『だから、それをお前が言うな!!』

弟 『………』

姉 『ほら、は・や・く♪』

弟 『しない! 絶対にしないからな!!』

姉 『…良いじゃん。減るもんじゃなし。昨日あれだけしたのに…』

弟 『…っ!? あれは無理矢理やったんじゃん! さ、最初の一回以外は…』

姉 『一回も二回も三回も変わらないって。さぁ、早く早く!』

弟 『……くっ』

姉 『ほれほれ♪ してくれないとお姉ちゃんは起きないよぉ?』

姉 『ほらほらっ』

弟 『………』

姉 『はやくー!』

弟 『……い、一回だけだぞ?』

姉 『はーい。わかったわかった♪』

弟 『………』

姉 『まだー?』

弟 『……くぅっ!』


幼 『寝耳に水を垂らすと本当に飛び起きるそうです』

姉 『ひゃうんっ!!?』

姉 『幼ちゃん!?』

幼 『そうです私が「何度でも甦るさ!」でお馴染みの幼馴染みです』

弟 『……何で』

幼 『あ、うちで預かってる鍵を使って入ったから不法侵入ではないよ?』

弟 『…いや、鍵使っても不法は不法だから』

幼 『あ、ちなみに私は「諦める」なんて一言も言ってないからそこは誤解無き様に』

姉 『幼ちゃんって…本当に強い子だね…』

幼 『前も言ったセリフを若干呆れ気味に言わないで下さい』

姉 『……でも』

幼 『それに前にも言ったじゃないですか? 「欲しいモノがあったら何がどうだろうと奪う」って』

姉 『………』

幼 『……それに私は頑固でワガママなんです。ちょっとやそっとじゃ諦めたりしません』

姉 『………』

弟 『………』

幼 『…だから、そこん所は覚悟しといてね、弟?』

弟 『……えー、それはちょっとイヤかもー』

幼 『なら、早く私のモノになりなさい。…いつでも待ってるからね?』

寝落ちしてるのに気付いてヤバイヤバイと思ってまた気付いたら二度寝してた
ちょっと待ってね

弟 「よく周りからの冷やかしで『今日も夫婦でご登校ですか!』ってあるじゃん?」

蟻 「………」

弟 「あの冷やかしと言うか若干怨念がこもったようなやつ」

蟻 「………」

弟 「…でも幼馴染みの場合は『今日も夫婦で登校です』って自分から言うんだぜ?」

蟻 「………」

弟 「外濠から埋めて既成事実にしようとしてんの… クラスの世論がパねぇ事になってんの…」

蟻 「………」

弟 「…女のやり口って何か怖くね?」

蟻 (…イイカラハヤクドケヨ、コウゲキスルゾ)

弟 『…え゛っ? コレナニ?』

幼 『ん~? 見てわかんない? お弁当だよ?』

弟 『……いや、それはわかるけども』

幼 『あ! もちろん手作りだよ? 朝にちょっと早起きして作ったんだよ?』

弟 『……うわぁ』

幼 『…ちなみに返されても私の分は別にあるから棄てる事になっちゃうかなぁ』

弟 『………』

幼 『それって勿体ないよね? 環境にも良くないし合理的でもないね』

弟 『……合理的にしたければ、俺の意見を先ず聞こうぜ?』

幼 『まぁ、もう作っちゃったし過ぎたことを悩んでも仕方ないよ? ほら遠慮せずに食べてね?』

弟 『……イタダキマス』

幼 『あ! あと、明日からちゃんと毎日持ってくるからね! たとえ受け取らなくても!』

弟 『………』

弟 「…何あれ? 女って超怖いな? しかもイマイチ美味しくなかったし!」

蟻 「………」

弟 「しかも、どこから話が漏れたかは知らんが帰ったら姉ちゃんがその事を知ってんの…」

蟻 「………」

弟 「『安心して下さい。明日からはお姉ちゃんがお弁当を作ります!』って…」

蟻 「………」

弟 「…俺は何に安心すれば良いんだ? むしろ話聞いてるなら弁当は要らないって判断しろよ…」

蟻 「………」

弟 「こうして昼休みにはあんまり美味しくない弁当箱が二つ並ぶと言う素直に喜べない時間と化したわけで…」

蟻 「………」

弟 「…まぁ、最近は慣れて来たのか味も向上したし、多少は情けがあるのか互いに量は少な目にしてくれてるけどな?」

蟻 「………」

弟 「…ただ周りの目が背中に突き刺さるんだよ。それだけでお腹いっぱいだよ…」

目というか視線だな
今までも色々間違いあるけどこれはちょっと修正

弟 「でも姉ちゃんもそんなバカな事ばっかりしてるけど難なく大学生になっちゃったな…」

蟻 「………」

弟 「去年、庭でどっかの赤本燃やして焼き芋してたような人なのに…」

蟻 「………」

弟 「『あの赤本で焼いた焼き芋は美味しかった。流石メチャ難しいだけはある!』とか何とか…」

蟻 「………」

弟 「良いのか大学? あんなん受からせて? …まぁ、確かに美味しかったけどさ…」

蟻 「………」

弟 「…そう言えば野焼きって禁止されてたような気がしないでもないが大丈夫だったのか、アレは?」

弟 「…ん?」

蟻 「………」

弟 「…はい、もしもし? 姉ちゃん? もう講義終わった?」

蟻 「………」

弟 「…えっ? 今? ちょっと外で友達と話してた所」

蟻 「………」

弟 「…うん。真面目で働き者なヤツ。多分、好みのタイプは女王様系?」

蟻 「………」

弟 「…えっ? 幼馴染み? …ああ。ちゃんと言われた通り今日は撒いてあるよ」

蟻 「………」

弟 「…うん。大丈夫」

蟻 「………」

弟 「…え、マジで? でも、せっかく大学の見学に行くんだから大学の食堂で良かったじゃん…」

蟻 「………」

弟 「…いや。そう言う事じゃ… まぁ、良いけどさ… あ! でも、俺、制服のままだけど大丈夫?」

蟻 「………」

弟 「…はいはい。わかった。ま、普通気にしないか」

蟻 「………」

弟 「…どこ行けば良いの?」

蟻 「………」

弟 「…うん。わかった。それじゃ、今からそっち行くわ」

蟻 「………」

弟 「…はいはい。じゃ、また、後でね?」

蟻 「………」

弟 「………」

蟻 「………」

弟 「……ま、蟻君たち。俺もさ…」

蟻 「………」

弟 「…クラスメイトどころか学校中からの視線が若干痛かったり」

蟻 「………」

弟 「…男友達に近寄っただけで泣かれて、謎に怒りの鉄拳が飛んできたりしたり」

蟻 「………」

弟 「…幼馴染みの悪い笑顔を見ると悪寒が走るけど、ちょっと楽しかったり」

蟻 「………」

弟 「…姉ちゃんは手がかかって面倒臭くて仕方なくて、でも、まぁ、好きだったりするけど…」

蟻 「………」



弟 「…俺は元気でやってるし、結構楽しいんだぜ?」

姉 「………」


姉 「…あ、もしもし、弟? うん、今、終わったよ? 何してたの?」


姉 「…お友達と?」


姉 「…女王様? あっ、そう言えば幼ちゃんは?」


姉 「…本当に大丈夫なの?」


姉 「…そっか。良かった。大学の近くでディナーが美味しいって噂のお店があるから予約してあるけどそれ二人分しかしてないからさ…」


姉 「…良いの! 良いの! 今日はお姉ちゃんが奢っちゃうから! 気にしないで!」


姉 「…ん? 大丈夫じゃないかな? そんな『カードはプラチナからしか認めませんよ?』なんてお店じゃなさそうだから」

姉 「…そうそう♪ 気にしない気にしない♪」


姉 「…ん? 場所? うーん… じゃ、大学の最寄り駅の近くの喫茶店で」


姉 「…うん。多分私の方が早く着くから中に入って待ってるね?」


姉 「…うん。はいはい。じゃあ、またね」


姉 「………」

5月7日 (晴れ)

今日も待ち時間はこのノートを開いてみる。日記みたいな日付の下には相変わらず私の下手くそな文字が踊ってる。
でも読み返してみるとその下手くそな文字は本当に愉しくて踊ってるように、毎日の出来事を綴ってるんだ。
ちょっと照れて『閻魔帳』なんて表紙に書いてみたけど、今になって思うと少しカッコ悪い
…弟はこれを見てビビってたから、まあ、いいけど!

この日記帳をつけ始めてから色んな事があった。嬉しい事も、悲しい事も。
一回はもう捨ててしまおうとゴミ箱に放り込んだこともある。
その時はえらく幼ちゃんにお世話になってしまったが無事再開できて良かった。幼ちゃんありがと
お陰で今は楽しい事でいっぱいだよ。これにはそれが全部書いてある。
悲しい時に見返して笑顔をくれる。
凹んだ時に見返して元気をくれる。
挫けそうな時に見返して勇気をくれる。

でも、そのページももう終わり。これ以上書けないや。せっかく今日はお外で待ち合わせたデートだってのに酷いなぁ。
放課後、喫茶店で待ち合わせして、街を歩いて、お洒落なレストランでご飯を食べる。
そんなホコリを被ったステレオタイプみたいなデートだけど今はそれがスゴく楽しみだから、まぁ、勘弁してやろう。
さて、何か向こうから見慣れたのが歩いてくるし、もう書けないからこれでこの日記も終わりか…
でも、ようやくこの『閻魔帳』も埋まったことだし弟に何て言って苛めてやろうか?
…うーん、ポイントカードは満了だし弟は私のモノって事で納得して貰うかな?一生、弟はお姉ちゃんと一緒に居るって事で!




終わり

保守とか支援とか諸々ありがとうございました
やっと終わった長かった
丸々一週間かかってるじゃねえか

パルフェって俺は知らんから不思議なもんだ
って言うか>>724とか俺、読まれ過ぎだろ。蟻までは予想できなかったみたいだが当たり前か

ニヤニヤした数日であった、㌧

幼「そう、それが人を傷つけることになっても」

幼「私が私であるために、私らしいことをしよう」

幼「姉ちゃん・・・ごめんね」


変わらない距離が、想いが、今の私には辛すぎる。

さようなら・・・弟

>>784
2010/01/14(木) ID:9q2itw8lO
2010/01/15(金) ID:aBq7BSeTO
2010/01/16(土) ID:eFp/aBKyO
2010/01/17(日) ID:SRcXG59AO
2010/01/18(月) ID:75KBFzZFO
2010/01/19(火) ID:jqCs3RWdO
2010/01/20(水) ID:c/HB1rbmO
2010/01/21(木) ID:tb8GOvwxO

意外と反応があって驚きだ
遅筆で悪かったと思ってるが考えながら携帯で打つのは厳しいから勘弁しといてくれ

あと誤字についてだが思い出せる限りで
離す→放す 受かれる→浮かれる
とか色々あるが受験生は二次試験で真似しないように。浮かれずに受かれ

書き終えて嬉しいと言うか安堵感はあるが、それ以上に試験勉強してないとかレポートが白いとか不安要素の方がヤバい
でも更にそれ以上にちゃんと寝られるのが嬉しい

ちなみに話の設定の方で弟が鈍感なのは姉に色々されすぎて単に男女の好悪がよく判らないって感じ
元からバカなのもあるが書いてるうちに段々バカになっていった。だって>>15位しか最初考えなかったんだもの
仕方ないね

話の中では姉ちゃんが一番普通の人。一番変人は弟。間違いない
あと鳩の人じゃないし次回作も予定してない。懸賞なんて出そうものなら袋叩きにあいかねない
あと読んでくれてありがとう。批判も結構助かるから忌憚無くお願い

と、まあ、言いたいことは言ったから何か聞きたいことあるなら聞いてけ

姉ちゃんはわりとスペック高いよ
ただ若干精神的に弱い部分もある

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