エレン「ほれ。花」(20)

エレン「ほれ、花」

エレン「ほらリナリアっていう花だ」

アニ「…なに?くれんの?」

エレン「アニ花が好きだろ?いつも訓練終わりに花を見にくるじゃないか」

アニ「別に好きってわけじゃないけど…ありがとう。貰っておくよ」

エレン「おう。ならまた明日な」







アニ「ふ…ふっ ん!…ふ」

エレン「今日も自主練か」

アニ「!…あぁ、最近あんたの蹴り技の上達がよくなったからね。こうして練習してんのさ」

エレン「俺も今日から練習に
参加するよ」

アニ「へぇ~まぁ、いいけど」

エレン「みてろよ。すぐ抜かしてやる」

アニ「やってみな」





エレン「はぁ、はぁ、これを毎日やってんのかよ…さすがにばてたぞ…」

アニ「まぁね…今日は気合入れすぎたかも…」

エレン「あ、そうだこれ。今日はチューリップだ」

アニ「ん、悪いね。ありがとう。部屋にでも飾っておくよ」


女子寮

クリスタ「あれ?このキレイな花どうしたの?」

アニ「バカからの贈り物だよ」

サシャ「コニーですかね」モグモグ

アニ「あいつじゃないよ」

サシャ「今日はチューリップですか。この間はリナリアでしたよね?」

アニ「あぁ、たしかそんな名前のやつだったな…」

クリスタ「ん?アニ…それ以外になにか花もらった?」

アニ「たしか…オシロイバナとスノードロップかな」

クリスタ「え…それってもしかして…」

サシャ「えぇ。私もきづきましたよ!」

アニ「なにか意味でもあるのか?」

クリスタ「えぇっとね…チューリップとかの花言葉って知ってる?」

クリスタ「チューリップもリナリアもね。片思いしてるよ。って感じの花言葉なんだ」

アニ「…え?」

サシャ「ということは、そのおバカさんはアニに恋してるってことなんですよ!」

クリスタ「うんうん!やったね!」

アニ「ウソ…本当に?」

サシャ「はい!」

アニ「私…どうしたらいいのかな?」

クリスタ「つきあっちゃいなよ!」

アニ「え!無理だよ。恥ずかしい…」

サシャ「アニでも照れることあるんですね」モグモグ

アニ(どうしよう…あいつの事好きだけど…私には使命があるし…)

アニ(でもあいつが私のこと好きだなんてね…うれしいなぁ…)

エレン「よお、アニ」

アニ「…またきたの?悪いけど今日は練習しないよ」

エレン「そうなのか?なら少し話して帰るか…なぁ…その…横にいていいか?」

アニ「…えぇ」

アニ「今日はどんな花をくれるの?」

エレン「今日はなバラっていう赤い花なんだ」

アニ「ふぅん…キレイだね」

アニ「…花言葉とかあんの?」

エレン「…」

エレン「…あなたを愛してます…だ…」

アニ「そう…」

エレン「…」

アニ「…」

エレン「ごめん…」

アニ「なんで謝るの?」

エレン「気持ち悪いかなって思ってさ…」

アニ「そんなことないよ…嬉しいかな」

エレン「本当か?」

アニ「…あぁ…私はウソはつかないんだ」

エレン「良かった…」

アニ「花の…いい香りがするね」

エレン「この近くに花がたくさんはえてるんだよ」

アニ「へぇ…」

エレン「俺が毎日サボらずに水をあげたからな。とてもキレイに咲いてるぜ」

アニ「そうかい…」

エレン「…」

エレン「もっと近くによってもいいかい?」

アニ「…えぇ」

肌寒い風と優しい花の香りが2人を包む。
2人は肩を寄せ合い宿舎に背中を見せ花畑を見つめていた。

お互い言葉も交わさず、ただただ 一緒に時間を過ごしている。
それだけで2人はなにかが満たされる気持ちでいっぱいだった。

エレン「好きだ…アニ…誰よりも…何よりも…」

アニ「お願いがあるの…」

エレン「なんだ?」

アニ「私は今ならあんた達に軽蔑されるような事をする…それは私の本心じゃない…それでも、私のことを愛せるの?」

エレン「あぁ…もちろんだ。」

アニ「そっか…」


エレン「…」

アニ「…」







少女は夢をみる。

平和な世界で誰にも邪魔されず、愛する人と一緒に花を愛でる。

夜には愛する人とシチューを食べ楽しくすごしたい。

昼にはピクニックにいきたい。

いっぱい笑ってそしてたまに喧嘩して。



そんな普通な夢を少女は見る。

手には少年から握らされたスターチスの花をもって。


薄暗い水晶の中で少女は人しれず涙をながす…




おしまい。

もし批判がないようならこれからSSかいていこうかと思うんだけど…

大丈夫かな?

なんで短編にしたのかな~?

長編にしてほしかった!

うぅ…

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年10月19日 (土) 10:57:29   ID: tcDHIVy-

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