勇者「『安価絵日記』で」 巫女「魔王討伐でございます」 (978)

【ルール説明】

1、『安価絵日記』には毎日、その日に達成すべき『課題』が『31文字以内』で浮かび上がる。

2、それが達成できれば、必ず『最善の未来』が約束される。

3、もし達成できなかった場合は、『最悪の未来』が訪れる。

4、『安価絵日記』は『勇者』しか使えず、『勇者が関わること』しか表示されない。

5、『巫女』は『課題』を達成するために必要な全てを用意することができる。

6、『安価絵日記』の全49頁を使い切った者には、『神の褒美』が与えられる。



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〜勇者の家〜


扉「コンコン


勇者「?」

勇者(誰だろ、こんな朝早くに……?)

勇者「はーい、ただいまー」トテテ


扉「ガチャ


少女「……」

勇者「えっとぉ……どちらさまでしょうか?」

巫女「わたくし、巫女と申します」

勇者「はぁ。……あっ、えと、ボクは勇者ともーしますっ!」ペコッ

巫女「……」

勇者「?」

巫女「こちらに、勇者様は2人いらっしゃるのでしょうか」

勇者「へ? ボ、ボクだけですけど……」

巫女「……」

巫女「情報によると、勇者様は男性のはずです。貴女の性別は女性。わたくしの探している勇者様ではございません」

勇者「あの……ボク、いちおう、男なんですけど……」

巫女「……」

巫女「信用に足る言葉ではございません。証拠を提示してください」

勇者「ええっ!? 証拠ですかっ!?」///

勇者「えと、で、でも、そのぉ……」モジモジ///

巫女「失礼致します」ムンズ

勇者「ぴぃっ!?」ビクッ!! ///

巫女「男性器を確認致しました。では、勇者様に通達がございます」

勇者「うぅ……もう、おむこにいけない……」///

巫女「今日より、魔王討伐へと旅立っていただきます」

勇者「———え?」



勇者「魔王、討伐……ですか?」

巫女「はい。王国からの命令でございます」

勇者「たしかにボクは勇者ですけど……なにひとつ取り柄のないボクなんかより、もっと良い人がいるんじゃないでしょうか……?」

巫女「行きたくない、ということでございますか?」

勇者「い、いえ! 滅相もないですっ!」

巫女「そうでございますか。では、勇者様にはこちらをお渡し致します」スッ

勇者「……これは、えっと、魔道書ですか?」

巫女「はい。『安価絵日記』という、最古の魔道書でございます」

勇者「『安価絵日記』……?」

巫女「全49頁からなるその魔道書は、ごく近い未来のうち、『最善の未来へと至る方法』を絵と文字で映し出すのでございます」

巫女「幾百、幾千通りもの未来から、『最善』だけを」

勇者「は、はい……」

勇者(もうちょっとゆっくりしゃべってくれないかな……)

巫女「たとえば。「自分の飼い犬を殺す」という文字と、勇者様が飼い犬を殺しているイラストが映し出された場合……」

巫女「それを実行すれば、確実に『最善の未来』が約束されるのでございます」

勇者「そ、そんな……それじゃあ、わんちゃんが可哀想だよ……」

巫女「そう思うでございましょうが、それはむしろ逆。飼い犬を殺さなければ、より悲惨な未来が待っているのでございます」

巫女「飼い犬が村を滅ぼす病原菌を運ぶ……じつは飼い犬ではなく、なりすましていた魔物であった……」

巫女「それがこの『安価絵日記』の力なのでございます」

勇者「へ〜。すごい本なんですね」

巫女「そのすごい本を使用できる唯一の存在が、勇者様なのでございます」

勇者「!」

巫女「ちなみにわたくしは、『安価絵日記』に映し出された『最善の未来へと至る方法』を『実現するための力』を勇者様に宿すことができるという能力なのでございます」

巫女「『安価絵日記』に『隣村で暴れている熊を殺す』と出た場合、勇者様がそれを容易に実行するための力を、わたくしが勇者様に与えるのでございます」

勇者「じゃ、じゃあ……!」

巫女「はい。勇者様が『安価絵日記』を使い、わたくしをそれを実現させる……そうすれば、常に『最善の未来』を掴み取り続けることができるのでございます」

勇者「す、すごい……」ドキドキ

巫女「しかし、これには1つ、大きなデメリットがございます」

勇者「でめりっと?」

巫女「はい。この『安価絵日記』を使用して『最善の未来へ至る方法』を映し出したにも関わらず、それを実現させなかった場合……」

巫女「『最悪の未来』が実現してしまうのでございます」

勇者「最悪の……未来……?」ゾクッ

巫女「ですがご安心ください。そうならないために、わたくしがおります」

巫女「ともに『最善の未来』を掴み取り、そして魔王を倒しましょう」

勇者「は、はい……! よろしくおねがいしますっ!」ペコッ




勇者「これが『安価絵日記』……けっこう、薄いんですね」ペラペラ

巫女「全49頁でございますので。ちなみに、49頁全てを使い切ると、『神の褒美』が与えられると言われております」

勇者「かみの、褒美?」

巫女「それがなんなのかまでは、わたくしにもわかりかねますが」

巫女「では早速ですが、『安価絵日記』の1頁目をめくってみてくださいませ」

勇者「は、はい」ペラッ

勇者「見た感じ、普通の絵日記帳みたいですね……」

巫女「ええ。しかし1頁につき、文字欄のコマ数が『31文字』分しかございません。ですので、文字だけでは判じかねる部分はイラストで判断するのでございます」

巫女「勇者様、ご覧下さい。『最善の未来へと至る方法』が、浮かんできましたよ」

勇者「……」ドキドキ



——————・・・


1ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは安価下扱いとなります。

↓+1

エロあんまり得意じゃないけど頑張る系スレ主で。

グロは得意系スレ主。



安価絵日記『巫女とせっくす』


勇者「」

巫女「イラストを見るに、わたくしと性交を行えば課題達成でございますね」

巫女「1頁目だけあって、達成が容易なもので助かったでございます」

勇者「せ、せ、せせ……」プシュー ///

巫女「どうか致しましたか? 勇者様」

勇者「な、にゃんで、そんなに冷静なにょ!?」///

巫女「?」

勇者「だって、ほら、えっと、そういうのは……好きな人と……」モジモジ///

巫女「勇者様。これは魔王討伐のための、立派な儀式なのでございますよ?」

勇者「え、え……?」

勇者「そっ、そう、だよね……仕方ないんだよね、うん。わがまま言ってごめんなさい……」

勇者「あうぅ、でもぉ……」ソワソワ ///

巫女「んっ」チュッ

勇者「んむっ!?」///

巫女「んっ、んちゅ、ちゅる……」

勇者「ん、はっ、んちゅ……やめ、やめへぇ……」ポー ///

巫女「?」

勇者「ちょ、ちょっと、待って……あの、頭がね、ポーってしちゃって……」トローン ///

巫女「……」グイッ

勇者「あっ……?」ギシッ

巫女「巫女の能力で、感度が上がっているのかもしれないでございますね」

巫女「」ペロッ

勇者「あんっ!」///

巫女「首、敏感なんでございますか?」

勇者「わ、わかんない……けどぉ……」

巫女「首筋、鎖骨、胸」ツツツ…

勇者「〜〜〜っ!」ピクン ///

巫女「乳首……れろっ、んむ、ちゅっ」

勇者「あっ、あっ、あぁっ!」ビクッ

巫女「」カリッ

勇者「———っ!!」ビクンッ ビクンッ

巫女「わかりました。勇者様は全身が敏感なのでございますね」

勇者「はぁ、あはぁ、ま、まっへぇ……」///

巫女「待ちません。けれど、絵日記はあれで今日の分でございますので、まだまだ時間はたっぷりございます」

巫女「ゆっくり……可愛がって差し上げます。勇者様?」フゥッ

勇者「あひっ!」ゾクゾクッ

巫女「うふ。本当に敏感でございますね」


勇者「巫女ちゃん……いじわる……」ウルッ

巫女「泣かないでくださいませ、勇者様」ペロッ

巫女「涙……しょっぱいでございますね。ほら」チュッ

勇者「んんっ……はっ、んむ……ちゅっ……」トロン…

巫女「んちゅる……勇者様。もうここ、限界なのではございませんか?」サワッ

勇者「っ!!」ビクン

巫女「触っただけでイっちゃいそうでございますね。これでは、挿入など、とてもとても……」

巫女「」シュルッ

勇者「……?」


リボン< シュルシュル、キュッ!


勇者「あっ……ひぅう……!?」

巫女「根元をきつく縛りました。これで、すぐに出ることはなくなったでございますね」

勇者「み、みこ、ちゃ……!」パクパク

巫女「乳首もいじめて欲しいのでございますか?」レロッ

勇者「ひぃん!? やめ、いま、いま全部敏感なのぉ……!」

巫女「全部でございますか? それなら……」

巫女「こうやって、全身を擦りつけ合ったら……どうなってしまうのでございますか?」ズリュッ、シュリュッ

勇者「あ、あ、ひ、や、やぁ……!」ビク、ビク、

巫女「ましてや、性器同士など……」ヌチョッ、ヌチョッ、

勇者「———っ!!!」ビグッ

勇者「いやああああっ!! イク、イク、イクゥゥ!!」ガクンッ

巫女「うっ……体に覆いかぶさっているのに海老反りになるとは」

勇者「みこちゃんっ! イク、イってる! イってるのにイけないのっ!!」ギュゥゥ

勇者「おねがい、はじゅして! リボンはじゅしてぇ!!」

巫女「……そうでございますね。では、おねだり、できますか?」ピトッ

勇者「おねだり……?」ハァ、ハァ、

巫女「どうしてほしいのか、なにがしたいのか、それをわたくしに報告して頂けますか?」

勇者「あ、あぅ……」///

勇者「はずかしい……よぉ、巫女ちゃん……」

巫女「けれど、もう苦しいのは嫌でござますよね? それに、今さっき、品のないことを連呼していらっしゃいましたよ?」

勇者「……ぅぅ」///

勇者「ボク、の……おちんちんの……リボンを、はずしてください…………イかせて、くださいっ……!」///

巫女「よくできました」チュッ

勇者「んっ、むっ……ぷはっ……えへ、ちゅー、すき……」ポー ///

巫女「そうでございますか。では、リボンを外します」

勇者「う、うん……!」///


巫女「挿入してから、でございますが」ズニュッ…

勇者「———っ!!」パチッ

勇者「か、かっ……あたま、パチパチって……」ガクガク

巫女「ん……ふぐっ……」プルプル

勇者「……?」

巫女「ふーっ、ふーっ……」

勇者「巫女ちゃん……血が……」

巫女「わたくしも、初めてでございますので……」

巫女「けれど、痛みがなくなってきました。『課題』を達成するための、巫女の力なのでございましょうか……」チュッ

勇者「んっ……ちゅる」チュッ

巫女「動きます、よ……」ヌチュッ

勇者「あひぃ!?」

巫女「ふっ、ふっ、ふっ」ヌチョ、ヌチュ、ニチャ、

勇者「あ、あーっ! あああっ!!」ビクッビクッ

勇者「イってる! イきっぱなしだからぁ! ひぃん!!」

巫女「は、初めて、なのに……もう、イキそうで、ございます……」ヌチュ、ヌチョ、

巫女「これ、巫女の力だけじゃ……ない、かもぉ……」ビクッビクッ

巫女「エッチな子に、なっちゃった、かも……!」ヌチュヌチュヌチュッ!!

巫女「もう……イ、くっ……イク、イク、イク———!」スッ グイッ!


リボン< シュルッ


勇者「っ!!」

巫女「イクゥゥゥ!!」ビクン!!

勇者「———っ!!」ドピュッ

勇者「〜〜っ」ビュルルッ、ビュルルッ!!

巫女「あ、ふ……お、お腹が……たぷたぷしてる……いっぱい……」サスッ

勇者「ハァ、ハァ、ハァ」ズリュッ

巫女「あっ、今抜いたら……」

ゴポッ、ブピュッ、ビュルッ……

巫女「あは……こんなに……おもらし、しちゃった……」トロン…

勇者「」スッ

巫女「え?」

勇者「次は、ボクの番……」

勇者「だよねっ!」パンッ!

巫女「ひぎっ!?」

勇者「すきほうだい、やってくれたよね!」パンパンパンパン!!

巫女「あっ、あっ、あぁっ!?」ビクビクッ


勇者「おっぱいも!」モニュッ モミッ

巫女「いっ、あぅ、あぁん!」///

勇者「」カリッ

巫女「———っ!」ビクンッ

勇者「ちゅっ、ちゅぅぅっ」

巫女「あ、あ、きす、キスマーク、ついちゃう……」///

勇者「もう、キスマークだらけにしちゃうんだからっ!」チュゥゥ

勇者「」パンパンパンッ!!

巫女「んひぃぃ!!?」ビグッ

勇者「ボク、怒ったんだから! 巫女ちゃんがやめてって言うまで、絶対やめないんだから!」

巫女「や、やめ……んむっ!? んっ、ちゅ……」

勇者「」モニュ、モミ…

勇者「」ギリッ

巫女「んむぅぅううう!!?」ビクッ

勇者「ぷはっ……ほら、イけ、イっちゃえ!」パンパンパンッ!!

巫女「イク、イク、イク……イクゥゥ!!」ビクンッ、ビクンッ!

勇者「うぅっ……!」ドピュッ、ビュルッ、ビュルルッ!!

巫女「———あ、はっ」

巫女「……はいってるぅ……いっぱい……」

勇者「はぁ、はぁ、はぁ……」

勇者「どう、する……? もうやめとく?」

巫女「……」

巫女「ん」///

勇者「もう。えへへっ」///

勇者「ん」チュッ

ギシッ



巫女「どう考えてもやりすぎたでございます……おそらく感度も性欲も、巫女の力でかなり高まっていたのかと……」

勇者「……次からは、気を付けないとね……」

勇者「そうだ。これでいったい、なにが『最善』になったの?」

巫女「どうやら東の国の戦争が回避されたようでございます」

勇者「えぇ!? なんでっ!?」

巫女「わたくしには、なんとも……。バタフライエフェクトというものでございましょう」

巫女「……それに、わたくしはそれがなくとも……『最善』だと……思うでございます」ギュッ

勇者「う、うん……」///

〜勇者の家・朝〜


勇者「ぅ……?」パチ

勇者(なんか……いい匂い)

巫女「おはようございます、勇者様」

勇者「! そっか、昨日から……」

勇者「ごはん、作ってくれたのっ?」

巫女「はい」

勇者「あ、ありがとう」///

勇者「……いいのかな、昨日から魔王討伐しなきゃいけなくなったのに、こんなにのんびりしてて……」

巫女「一日中情事に耽っていただけのように見えても、これは立派な魔王討伐の旅でございます」

勇者「う……そ、そう、なんだ……」///

勇者(巫女ちゃんの顔をまともに見られないよぉ……)カァァ ///

巫女「『安価絵日記』はその日1日のできごとを示します。ですので、なるべく朝に開いて確認した方がよろしいかと存じますが」

勇者「う、うん、そうだねっ!」

勇者「こ、今度は勇者っぽい『課題』が出るかな?」

巫女「……わたくしはべつに、昨日のでも……」ボソッ

勇者(聞こえてるよぉっ!)///

勇者「えと、2頁目……」ペラッ

巫女「文字と絵が、浮かび上がってきたでございます」

勇者「ええっと……」




——————・・・


2ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは安価下扱いとなります。

↓+1


安価絵日記『巫女とせっくす』


勇者「え、ええっ?」///

巫女「昨日と同じ、でございますね」

勇者「あぅぅ……」///

巫女「この後、どのようなことがあるかわからないでございます。できるうちにやっておいたほうがよろしいかと」

勇者「う、うん……そう、だね」///

巫女「では」


手錠「カシャン


勇者「……」

勇者「巫女……ちゃん? なにこれ? なんでベッドのポールに、ボクを……」

巫女「足も……」カシャン

巫女「これで勇者様は身動きが取れないでございます」

勇者「うん……それはそうだけど」

巫女「では服を脱がして……」シュルシュル

巫女「やはり、勇者様のお体はとても可愛いでございますね」ペロッ

勇者「あんっ……」ピクッ ///

巫女「女の子みたいな声。それに体も筋肉質ではなく、むちっとしておりますので女の子じみてございますね」レロッ、チュッ、チュパッ

勇者「やぁん、そ、そういうこと、言わないでぇ……んっ」///

巫女「かわいい乳首……。ずっと吸っていたら、おっぱいが大きくなるのでございましょうか」チュゥゥゥ!

勇者「んひっ!? ぁあ! だめぇ……ボク、男の子だからぁ……」

巫女「そうでございますね。もう、こんなになってございますからね」サワッ

勇者「っ」ピクッ

巫女「これを、どうしてほしいでございますか?」

勇者「あ、ぅ……」カァァ ///

巫女「おねだり、していただけますか?」

勇者「……」///

勇者「……くの……んちんを……」ゴニョゴニョ ///

巫女「聞こえないでございます」ペロッ

勇者「くひっ!? ボ、ボクの、おちんちんを……巫女ちゃんの、お、おまんこに……挿れさせて、くださいっ……!!」カァァ ///

巫女「よく言えたでございますね」

勇者「……もうほんとに、おむこにいけないよぉ……」カァァ ///

巫女「」ペロッ、チュッ、チュルッ

勇者「んっ、巫女ちゃ……なん、で、乳首ばっかり……? ボクちゃんと、おねだり、できたよ……?」

巫女「」スッ


アイマスク「 シュルッ


勇者「巫女ちゃん……!? な、なに、これ!? なんでこんなこと……真っ暗で……」


巫女「」チュゥゥ

勇者「ひぐっ、あ、はっ……乳首吸っちゃ、やぁ……!!」ゾクゾク

巫女「」スタスタ

勇者「巫女ちゃん……? どこ? どこ行っちゃったのぉ……?」


ガチャッ


勇者「なに、今の音!? えっ!? 玄関のドアを開けたんじゃないよね!? ち、違うよねっ?」

勇者「巫女ちゃん、なんとか言って!? おねがいだからぁ!」

勇者「ひぅ!? か、風が入ってきてる……だめ、ダメ! こんなの見られちゃったらボク……!!」

勇者「みごぢゃん……グスッ……おねがいします……こんなのやだぁ……やだよぉ……」ポロポロ


アイマスク「 スッ


勇者「あっ……え?」ポロポロ

巫女「扉は少しだけ開けて、すぐに閉めたのでございます。風は、わたくしが息を吹きかけておりました」

勇者「え、あ……」

巫女「いじわるして、申し訳ございません……泣かせるつもりはなかったのでございます」チュッ

勇者「んっ……んん、ちゅるっ……ちゅっ……ぷはっ」///

巫女「お詫びに、とっても気持ちよくなれるものを差し上げます」スッ

勇者「?」

巫女「これを乳首に付けると……」


振動石「 ブブブブブブブブッ


勇者「あひっ!?」

巫女「おちんちんはリボンで縛ってから付けましょうね?」シュルシュル

勇者「やらぁ! リボンやだ!」フルフル

巫女「こうしないと、すぐに出てしまいますので」キュッ

勇者「んっ!」

巫女「これで心置きなく、気持ちよくなってくださいませ」ピトッ

振動石「 ブブブブブブブブブッ

勇者「ひ、ぎっ……んああああああっ!!」ビグンッ、ビグンッ

巫女「また海老反り……ほんとに可愛い。そんなに気持ちいいのでございますか、勇者様?」

勇者「きぼちぃぃ!! きぼちいいけど……くひぃん!? こわいっ! 飛んじゃう!! あぎっ!?」ガチャガチャガチャッ!!

巫女「そんなに暴れたら、手首が傷ついてしまうでございます」ギュッ

勇者「イかしぇてっ!! イキたいれすっ!! みこちゃん!!」ポロポロ

巫女「……」

巫女「はむっ」

勇者「———っ!!?」ビグンッ!!!


巫女「んっ、んっ、んん、んっ!」ジュボ、グチュ、ジュプ、

勇者「いやああああああああああっ!!!」ビグッ、ビグッ

巫女「とりまふよ、ゆうひゃひゃま! りぼん、とりまふ!」ジュポ、ジュプ、ジュプ

勇者「とってぇ!! イかせてっ!! おねがいひますっ!!」ガシャン、ガシャンッ

巫女「イっへくらはい!!」ヂュゥゥゥゥ!!


リボン「 シュルッ


勇者「ひゃあああああああああっ!!」ドピュッ ビュルルルッ ビュルルルッ!!!

巫女「んぶっ!? ごぼっ、ぶっ、んんっ……ぐぶっ……」ゴキュッ、ゴキュ、

勇者「———ぁぁ……」クタッ…

巫女「んくっ、んっ…………」コクッ、コクッ

巫女「ぷはっ……変な、味でございます」

巫女「でもこれが……勇者様の味……」///

勇者「」

巫女「勇者様、気を失ってしまったのでございますか?」

巫女「では、続きは起きてからということで……手錠を」


手錠「 カシャンッ カシャンッ


巫女「いじめて申し訳ございません、勇者様。勇者様が、あまりにお可愛くて……」ナデナデ

勇者「あやまっても許さないもん」

巫女「えっ」

勇者「」ガバッ

巫女「きゃっ!?」ギシッ

勇者「ボク、昨日、巫女ちゃんにいじめられたとき、ちゃんと怒ったよね?」グッ

勇者「それなのに巫女ちゃん、そうやってまたボクのこといじめるんだ……」

巫女「ゆ、ゆうしゃ、さま……?」ビクビク

勇者「……おしおき、しなきゃ」ボソッ

勇者「手錠、アイマスク……」カチャカチャ

巫女「ゆ、勇者様!? なにを……!!」///

勇者「四つん這いになって」グイッ

巫女「あっ……」

勇者「」ズプッ!!

巫女「———っ!?」

巫女「そ、んな……いきなり……深いぃ」クテッ

勇者「お尻あげて」バチーン!!

巫女「ああっ!?」ビクン

勇者「巫女ちゃん、いま、すっごく締まったよね?」

巫女「……っ!」フルフル


勇者「」ベチーン!

巫女「ひぎっ!?」

勇者「もしかして、痛くされるの好きなの?」

巫女「そ、そんなこと……」カァァ ///

勇者「ふぅん? じゃあ、こうやって」ズプッ

巫女「ぎっ!? そ、こ……違う……あな……!!」

勇者「お尻をほじられて叩かれて、それで突かれても、全然気持ちよくないよね?」パンパンパン!!

巫女「んひぃぃぃぃ!! ……ぎ、もち、よく、ない、れすぅ♡」ビグッ、ビグッ

勇者「アイマスク外してみよっか」シュル

巫女「おっ、お゜っ、んおぉおっ……!」トローン

勇者「うわあ、すっごい顔だよ? とろけきってる……」パンパンパン

勇者「ほら、犬みたいなかっこで、お尻ほじられて……イっちゃえ!!」バチーンッ!!

巫女「———」

巫女「くひぃぃい!? イクゥゥゥッ!!!」プシャッ

勇者「うくっ」ビュクッ、ビュクッ

巫女「〜〜〜っ♡」ブシャァァアアア

勇者「……」

巫女「ゆ、しゃ、さまぁ……」クタッ

勇者「……」ヌリュッ

巫女「ぁ、ぅ」ブピッ、コポ…

勇者「ほんとのおもらし、しちゃったね」

巫女「も、しわけ、ござぃ……せん……」ピクッ、ピクッ

勇者「もう、いじわるしない?」

巫女「……はぃ……」

勇者「そっか。じゃあゆるしてあげる」ギュッ

巫女「……ゆぅ、しゃ」スッ

勇者「んっ」チュ





勇者「なんでだろ……ほんとになんでだろ……」ブツブツ

巫女「ですから、巫女の力で性欲やノリも強化されているのでございます。ですので普段の勇者様らしからぬ行動もとってしまうのかと」

勇者「ボク、あんな子じゃないもん……」カァァ ///

巫女「わたくしも、あんな子ではございません」

勇者「そうなの? いじめられたいから、ボクにいじわるしてるんじゃないの?」

巫女「ち、ちがいますっ」///


〜勇者の家・翌朝〜



巫女「順調に世界平和に貢献しておりますね、勇者様」

勇者「昨日のえっちは、なにに貢献したの?」

巫女「世界最大の大河の大洪水を未然に防ぎました。8千人の死者と2万人の行方不明者を救ったのでございます」

勇者「し、知らない間にすごいことしてたんだボクたち……えっちしてただけなのに……」

巫女「これが『安価絵日記』の効力なのでございます」

巫女「ご飯の味はいかがでございますか?」

勇者「うん、すっごく美味しいよ! ありがとう」ニコッ

巫女「左様でございますか」

勇者「えへへ。じゃあ、『安価絵日記』を開くね?」パラパラ

巫女「はい。お願い致します」

勇者「えっと、なになに……?」





——————・・・


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安価絵日記『巫女が陰部性転換し、勇者が気丈な巫女の金玉を潰れるまで拷問』



勇者「……え」

巫女「これも比較的容易に達成が可能でございますね」

勇者「え、いや、でもこれって……!」

巫女「まずは陰部に性転換を……」

巫女「」…ニョキッ、ボロン

勇者「っ!!」

巫女「そして拷問道具を……」ガシャガシャ

勇者「こ、こんなの使うの……?」ゾクッ

巫女「拷問というくらいでございますので。このイラストにも、このように」

勇者「ほんとだ……」

巫女「では、お願い致します。外に声は漏れないようになっておりますので、ご心配なく」

勇者「……」

勇者(そう、だよね。えっちしただけで大河の洪水を防ぐ魔道書だもん……)

勇者(これをやらなかったら、たくさんの人が死んじゃうんだよね……!)

勇者「手錠で繋ぐね」

巫女「お願い致します」


手錠「 カシャンッ カシャンッ


勇者「……」

巫女「では」

勇者「うん……」

勇者(巫女ちゃんのおちんちん……おっきい)サワッ

巫女「っ!?」

勇者「」ナデナデ コシコシ

巫女「あ、の、勇者様っ……んっ、なにを……」ピクン ///

勇者「」ギュゥゥ

巫女「ひぎっ!? かっ、痛っ……」

勇者「痛い?」

巫女「……痛……く、ありません……っ!」

勇者「……」

勇者「」チュッ

巫女「あっ……」///

勇者「」スタスタ

勇者「それじゃあ、始めるよ?」スッ

巫女「鞭……でございますか」

勇者「うん。とりあえず、見た目一番痛そうじゃなかったから……」


勇者「やっぱり怖い……よね」

巫女「いいえ。世界のためでございますから。……それに」

勇者「?」

巫女「勇者様になら、なにをされても……大丈夫でございます」ニコ

勇者「っ」

勇者「行くよ!」スッ


鞭「 ヒュォッ パシィィィィイイン!!!!


巫女「」

勇者「……あ、外しちゃった。ほかの部分に当たらないように気をつけすぎちゃった」

勇者「よし、もっかい……」

巫女「ハーッ、ハーッ、ハーッ」カタカタカタ…

勇者「……」

勇者「巫女ちゃん、やっぱり……」

巫女「」フルフル

巫女「大丈夫、で、ございます……」ニコ

勇者「……」

勇者「ごめん、巫女ちゃん!!」ブンッ


鞭「 パシィィィィイイン!!!


巫女「ぎっ、ひぎゃああああああああああああああッ!!?」ガクンッ

巫女「あぎ、ぃうううううっ……!!」ガシャガシャ!!

勇者(裂けて、血が出てる……一発だけで……)

巫女「ふぅぅううううっ、ふうぅぅぅ、ふーっ、ふーっ!!」ガクガクガク

巫女「だぃ、だいじょ、ぶです……ふーっ……つづけて……ヒック……ください……」ポロポロ

勇者「……巫女ちゃん……」

勇者「ごめんっ!」ビュオッ パシィィィィイン!!

巫女「がっ!? ひぐぅぅうううううっ!! ひぃあああああ!!」ガシャン、ガシャンッ

勇者「っ」パシィィィイン!!

巫女「ぎぎ、が、ごほっ、げっほ!! ぅぁあ゛あ゛っ!!」ポロポロ

勇者「」パシィィィン!!

巫女「ぉおお゛お゛お゛……ぶ、おぇえええ゛え゛っ!!」ゴボッ ビチャビチャッ

勇者「……」ポロポロ

巫女「げっ、ごぶっ…………も、やだ……死…………助け……」ビグッ、ビグッ

巫女「…………」ギリリッ

巫女「…………つ、づけ……て」ニコ…

勇者「う、」

勇者「うわあああああっ!!」ビュオッ


パシィィィィィイイイインッ!!!!



ブシュッ!!


巫女「———がっ、かっ……」ガクン、ガク、ガクンッ!!

勇者「っ」グリッ


グチュッ


巫女「———」プツン

巫女「」ガクッ

勇者「……」ポロポロ

巫女「」チョロロロ…

勇者「……」グシグシ


手錠「 カシャンッ カシャンッ


勇者「」ズル…ズル…

巫女「」グタッ…

勇者「」ポロポロ




巫女「……んっ」

勇者「」ギュゥゥ

巫女「勇者、様……?」

勇者「ごめん、なさい、ごめ、さい、ごめんなさい、ごめんな、い、ごめん……」

巫女「」ギュッ

勇者「!! 巫女ちゃん、目が覚め……!!」

巫女「ありがとうございました、勇者様」ギュゥゥ

勇者「ボク、あの、ごめんなさい……ボク……」ポロポロ

巫女「正直、もしかしたら勇者様は途中でやめてしまうのではないかと思っておりました」

巫女「そうしたら、いくら勇者様でも、わたくしは軽蔑しておりました」

巫女「最後までやり抜いてくださって、ありがとうございました」ナデナデ

勇者「うっ……うぅわああああああああああああんっ!!」ギュゥゥ

勇者「うあああああああああああんっ!!」ポロポロ

巫女「『課題』が終われば、巫女の力で傷はすぐに消えます。だからもしこれから、こういうことがあっても……遠慮なくお願い致しますね」ギュッ

巫女「勇者様」チュッ


〜勇者の家・朝〜


巫女「……」パチッ

勇者「あ、巫女ちゃん。おはよう」ニコ

巫女「!?」ガバッ

巫女「も、申し訳ございません! すぐに朝食を……!!」バッ

勇者「朝ごはんは、作ったよ?」

巫女「ぁ……」

巫女「寝坊してしまって、申し訳ございません……」シュン

勇者「ううん。時計を見て? 巫女ちゃんはいつも通りの時間に起きたよ」

勇者「ボクが巫女ちゃんのために、朝ごはんを作りたかったからやったんだよ」

巫女「……!」

巫女「もしかして、昨日のことを気にして……」

勇者「巫女ちゃん、疲れてると思ったから」

巫女「……あ、ありがとう、ございます」///

勇者「」ニコ

巫女「で、では、昨日は巨大隕石の衝突も防いだことですし、今日も『安価絵日記』を確認いたしましょう!」

勇者「ああ……もう、そんな規模になってたんだね……」

勇者「ええっと……?」パラパラ





——————・・・


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↓+2


安価『巫女の全身の穴という穴に鉄の杭を差す』



勇者「ええっ!?」

巫女「……」

勇者「ああ、ついに巫女ちゃんが黙っちゃった……」

勇者「あ、でも、ほら。イラストを見る限りだと、目とかには刺さなくていいみたいだよ?」

勇者「うまくやれば、痛くないかも!」

巫女「なんにせよ、やるしか道はございません」スッ


鉄杭「 ジャラララッ ガシャン


巫女「それに、わたくしがターゲットのうちはまだ楽でございますから」

勇者「うぅ……代わってあげたい……」

巫女「いいえ、勇者様にこんなことをさせるわけにはまいりません」

巫女「では、お願い致します。『課題』が達成できたときは、わたくしが合図しますので」

勇者「う、うん。わかった……」シュラッ

勇者「う……意外とおっきいかも。『刺す』んじゃなくって『差す』んだよね。先っぽが丸まってるし」

勇者「それぞれ太さと長さが全然違う……これ、入れる場所間違えると、あとで困っちゃうかも」

勇者「じゃあ、この一番太いやつは、口に。……あーん」スッ

巫女「あーん…………あがっ……むぐ……」ググッ…

勇者「けっこうぎりぎりだったね……あごが疲れないうちに、次行っちゃおう」

勇者「全部で8本かぁ……あ、この小指くらいの2本は鼻かな?」スッ

巫女「……っ」フイッ ///

勇者「ごめんね、ちょっと女の子としてはイヤかもしれないけど……我慢してね」ズリュリュ…

巫女「ん、む……」///

勇者「息できる?」

巫女「んん」コクッ

勇者「あ、よだれが垂れちゃってる」クイッ

巫女「」///

勇者「はやくしないとね。……えっと、この細いのは……耳かな?」スッ

巫女「んむっ」ビクッ

勇者「耳の中を傷つけないように、でも抜けちゃわないように、そーっと……」スススッ

巫女「んっ」ゾクゾクッ

勇者「……」

勇者「」クリッ、カリカリッ

巫女「んっ、んんっ♡」ゾクゾク

勇者「」フーッ!

巫女「むぐっ!?」ビクンッ ///

巫女「んんーっ!!」ペチペチ ///



勇者「ご、ごめん巫女ちゃん! 反応がかわいかったから、つい……」ススッ

巫女「んっ、んふっ」ゾクゾク

勇者「巫女ちゃん、耳が弱かったんだね……覚えとこっと」

巫女「」///

勇者「えっと、残り3本だけど……」

巫女「んむっ……」

勇者「うん、お股をこっちに向けて、自分で足を広げてくれる?」

巫女「むぐぅ……」カパッ ///

勇者「スカートとパンツを下ろして……」スルッ

勇者「どっちの杭も、かなり太いなぁ……ほぐさないと」クニッ

巫女「んんっ!?」

勇者「しっかりほぐしてから入れないと、中を傷つけちゃうかもだからね」グニッ、クチッ、ニチャッ、ヌチョッ

巫女「んふ、ふっ、んんっ♡」ヒクヒク

勇者「それにしても、最後の1本はどこに差すんだろう? 耳かきみたいな細さだけど……」クチュクチュクチュクチュ!

巫女「———っ♡」ビグッ、ビクン

勇者「あ、そろそろいいかな? じゃあ、まずは前の穴から……」ズッ

巫女「ふーっ、んんっ……んぉ、むぐ、ぅぅ……!!」ズリュリュリュ…

勇者「さすがに太いね。押さえてないとどんどん出てきちゃうし……」

勇者「次は後ろの穴」ズニュッ

巫女「んんんーーーっ!!?」ビグッ

勇者「うわっ! 巫女ちゃん、もしかしてとは思ってたけど……」

巫女「んっ、んっ、んんっ♡」ズリュリュリュ…

勇者「おしりの方が弱いんだ……えへ、かわいい」ヌポヌポヌポ!

巫女「んぐぅぅぅ!?」ビグッビグッ

巫女「んっくぅぅぅぅううう!?」プシャァァ

勇者「あ……」

巫女「んふーっ、んふーっ……」ピクピク

勇者「そっか、この細い杭は……」ニチッ

巫女「んぎっ!?」ビグッ

勇者「おしっこの穴にいれるためのだったんだ」ズニュニュ…

巫女「———っ!? っ!? ッ!?」ヒク、ヒクッ

勇者「なかなか奥に入らないなぁ……」

勇者「お尻をいじれば緩くなるかな?」ヌポヌポ

巫女「んんーーっ!? んむぐ、んんっ!?」ガクガク

勇者「あ、入ってく入ってく! やった! おまんこのも押し込んで……」グイッ

巫女「んんんーっ! んぅ、んぐ、んぐ……!!」

巫女「んっぐぅぅぅぅうううう!!!」 ビグンッ、ビグンッ、ビグンッ!

勇者「あ……イっちゃったね、巫女ちゃん」


巫女「んふーっ……んふーっ……」ピク、ピク

勇者「えへ、かわいい」ナデナデ

勇者「もう全部抜いていいんだよね?」ヌポッ、ヌプッ、ヌポン…

巫女「ぁ……ぅ……」ショワワワワ…

勇者「ちょっと、巫女ちゃんがボクをいじめたがる気持ちがわかったかも」チュッ

巫女「……ぅ」トローン ///

勇者「でもちょっとやりすぎちゃったかも……とりあえず、いろいろ出しちゃったからお風呂に入ろ?」ヒョイッ

巫女「……」グッタリ


・・・・・・


巫女「」ツーン

勇者「み、巫女ちゃん、機嫌直して? ごめんね、調子に乗っちゃって……」

巫女「」ツンツーン

勇者「巫女ちゃんが気持ちよさそうだったから、ついうれしくなっちゃって……」

巫女「」///

巫女「……反省してございますか?」

勇者「うん! それはもう!」

巫女「……」

巫女「じゃあ、今回だけ特別に……」

巫女「」チュッ

勇者「!」///

巫女「これで、許してさしあげます……」プイッ


〜勇者の家・朝〜


勇者「魔王討伐の旅が始まってから、5回目の朝を迎えたわけだけど」

巫女「早いものでございますね」

勇者「うん……ねえ、気づいてるかな。ボクたち一回も外に出てないし、巫女ちゃんは毎日全裸になってボクになにかされてるんだよ?」

巫女「……はい」

勇者「いや、うん。じつを言うと、弱いボクが旅に出てもあれだから、これは嬉しかったりするんだけどね」

勇者「それに、巫女ちゃんの作ってくれるごはん、すっごくおいしいし」ニコ

巫女「実感はないかもしれませんが、最近、世界的に命を落とす人の数が急激に減少しているのでございますよ」

巫女「それもこれも、勇者様のおかげでございます」

勇者「それから、巫女ちゃんのね」

勇者「それじゃあ、今日も『安価絵日記』を見てみよっか」

巫女「はい」

勇者「ええっと……今日は5頁目、だよね」パラパラ





——————・・・


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↓+2


外出。明日の朝9時から再開。


安価絵日記『野外でセックる』



勇者「…………」

巫女「セックる、というのはイラストを見る限りセックスのようでございますね」

勇者「う、うん。それはわかるけど……」

巫女「野外、ならどこでもいいのでございましょうか?」

勇者「イラストでは、この村の公園でやってるみたい……」

巫女「では、そこへ参りましょうか、勇者様」

勇者「……ちょ、ちょっと、心の準備が……」

勇者「あっ、そうだ! 夜にやったほうが、人目につかなくっていいんじゃないかなっ?」

巫女「このイラストでは太陽が出ています。なるべく細部まで再現したほうが安心でございましょう」

勇者「あぅ……」///

勇者「どうしよう、知り合いに見つかっちゃったら……。ボク、ただでさえこの村で立場ないのに……」

巫女「?」

勇者「けど、世界を救うために———ボクはお外でえっちするよっ!」

巫女「その意気です、勇者様」

勇者(なんだかとっても間違ってるような気もするけど、考えたら負けだよねっ!)///




〜勇者の村〜


勇者「公園はあっちにあるんだ。昔はよく、そこで友達と遊んでたなぁ」

巫女「左様でございますか。その公園には人目につきにくい場所はあるのでございましょうか?」

勇者「うん。普通に遊んでたら目も向けないような隅っこに、かなり生いしげってる茂みがあるの。そこがいいかな」

巫女「なるほど。あまり長引かないようにしなければなりませんね」

勇者「むぅ。巫女ちゃんがいじわるしなければ、早く終わるもん!」

巫女「左様でございますか」

勇者「そーだよっ。そもそも……」



幼馴染「勇者? あんたなにやってんの?」



勇者「! ……幼馴染」

幼馴染「人様の顔を見て、そんなあからさまに嫌な顔すんじゃないわよ、失礼ね」

勇者「ご、ごめん……」

幼馴染「まったく、あんたは相変わらずダメダメみたいね。そんなんだから、いつまで経っても魔王討伐に出かけないのかしら? 勇者のくせに!」

勇者「……あはは……」

巫女「……」

巫女「勇者様、もう行きましょう。この女と話すことなど、なにもございません。時間の無駄でございます」

幼馴染「はぁ……!? ちょっとあんた、初対面の癖に随分な口の利き方じゃない! っていうか誰よあんた! 勇者とどういう関係なの?」

巫女「パートナー、でございます」

幼馴染「———は?」

勇者「パ、パートナーって……巫女ちゃん」///

巫女「事実でございましょう」

勇者「言い方ってものがあるでしょ」///

巫女「さぁ、時間が勿体ないでございます。早く参りましょう」グイッ

勇者「う、うん」

勇者「幼馴染、ばいばい。……あと、魔王討伐のことは任せて。もう目処はたってるから」スタスタ

幼馴染「」ハッ

幼馴染「ちょ、ちょっと、さっきのどういう意味よ!? ちょっとーっ!!」


〜勇者の村・公園〜



勇者「け、結構、子供がたくさんいるね……」ビクビク

巫女「誰にも見られないように、茂みの奥へと移動致しましょう」コソッ


茂み「 ガサガサ、ガサガサッ


勇者「……うん、気づかれてない。みんな遊びに夢中だね」

巫女「では、服を脱ぎましょう」ヌギヌギ

勇者「……うぅ……世界のため、世界のため……」ヌギヌギ

巫女「人目につかない場所とはいえ、青空の下で風にさらされながら生まれたままの姿になるというのは……背徳的でございますね」

勇者「ね、ねえ、万が一のためにロングコートも着てきたけどさ……」

勇者「ほんとに全裸にならなきゃいけないのかなぁ……? こんな、人のたくさんいる野外で……」

巫女「イラストでは全裸でございましたので、なるべくそうするべきかと」

勇者「あぅ……こんなの、変態さんだよぉ……」プルプル

巫女「……」ジー

勇者「?」

巫女「勇者様の体、とってもお綺麗でございます」ツツ…

勇者「ひゃんっ!?」ビクッ

勇者「あっ!」バッ

勇者「」キョロキョロ

勇者「……はぁ……い、いきなりびっくりさせるの、だめだよ……」ドキドキ

巫女「失礼致しました。しかし、木漏れ日に映える肌の、絹のようなきめ細かい美しさ……水着次第では、女性に混じっても一切違和感はございませんね」

巫女「いえ……むしろ女性より女性らしい体つき……」

勇者「やめてぇ……気にしてるんだから……」///

巫女「その体を好きにできるというのは、わたくしの役得でございますね」ズイッ

勇者「あっ……」ポスッ ///

巫女「……押し倒されて、胸の前で手を丸めて、瞳を潤ませて……」

巫女「かわいすぎでございます、勇者様」チュッ

勇者「んっ……んむ……」ギュゥゥ

勇者「えへ、やっぱり……ちゅー、すき……」トローン ///

勇者「もっとぉ……」ギュッ

巫女「ちゅっ……んちゅ、んっ……」

勇者「んんっ……ちゅる、ちゅっ……」

勇者「ぷはっ……。巫女ちゃん、今度はボクが上」グイッ

巫女「?」ゴロン

勇者「おっぱい……かわいくって、やわらかいね」ムニュ、モミュ、

巫女「んっ」ピクッ


勇者「ちゅっ、ちゅぅぅ」

巫女「んんーーっ!」ビクッ、ピクン

勇者「れろっ、ちゅる……」

勇者「」カリッ

巫女「んひぃ!?」ビクッ

勇者「巫女の力で敏感なのはわかるけど……あんまりおっきな声出すと」

巫女「あっ」バッ

勇者「……」

勇者「それとも、ほんとは見つかってみたいって思ってたりする?」ボソッ

巫女「そん、なこと……」ゾクゾク

勇者「こうやって耳元でしゃべられるの、好き?」

巫女「べ、べつに……」///

勇者「はむっ」

巫女「ひっ!?」

勇者「ちゅぱ、ちゅっ、れろっ」

巫女「んっ、いっ、耳、いやぁ……」ゾクゾクッ

勇者「巫女ちゃん、かわいい」ボソッ

巫女「っ!!」

勇者「ボクなんかより、ずっとずっと女の子らしいよ。かわいいし、きれい……」ギュッ

巫女「〜〜っ♡」ゾクゾクッ

勇者「えへ。巫女ちゃん、すっごくえっちな顔してるよ。とろけちゃってる……」チュッ

巫女「んむっ……」///

勇者「ね、巫女ちゃん……そろそろ、挿れていい?」

巫女「……はい。来て、くださいませ……」ギュッ

勇者「———行くよ」ヌチュ…



幼女「おねえちゃんたち、はだかでなにやってるの?」ガサガサ



勇者「———」

巫女「———」



幼女「このまえ、夜おきたら、おとーさんとおかーさんがおんなじことやってたよ?」

幼女「それ、なぁに?」

巫女「ぁ……えっと……」

勇者「もしかして、お父さんたちに弟か妹がほしいって言わなかった?」

幼女「いった! なんでわかるの?」

勇者「これは大人のおままごとでね……これをすると、弟や妹ができるんだよ?」

幼女「そーなの!?」

勇者「うん」

巫女(勇者様、よく咄嗟に……)

巫女(———っ!?)ビクッ

勇者「」ヌチュ…

巫女(なぜこのタイミングで、挿入を続行して———!?)ゾクゾクッ

勇者「今、かくれんぼしてるの?」

幼女「うん!」

勇者「そっか、じゃあ、静かにしてないとね」

幼女「しーっ、だよ?」

勇者「うん。しーっ、だね」

巫女「……っ、ふーっ、ふぅーっ……」ギュゥゥ

幼女「おねえちゃん、どうかしたの?」

勇者「大人のおままごとはね、いろいろ大変なんだよ」

勇者「それと、このことは誰にも内緒だよ? じゃないと、弟や妹が来てくれなくなっちゃうから」

幼女「えー!? じゃあこれも、しーっ、だね!」

勇者「うん、おねがいね」ナデナデ

勇者「」ズルルッ…

巫女「くっ……ひ……」ギュゥゥ

幼女「」ジー

勇者「」ズニュニュ…

巫女「〜〜っ♡」ゾクゾクッ


 「こうさーん! 見つかってない人、出てきてー!」


幼女「あっ! じゃあね、おねえちゃんたち!」

勇者「うん、じゃあね」

幼女「しーっ、だよね?」

勇者「うん。しーっ。お願いね」

幼女「はーい」トテテ


茂み「 ガサガサッ



勇者「……」

勇者「」チラッ

巫女「はぁーっ、はーっ……」ビクッ、ビクッ

勇者「子供に見られてイっちゃったんだ……巫女ちゃん」

巫女「だってぇ……勇者様が……」///

勇者「巫女ちゃんは、ちょっぴり変態さんだもんね?」ギュッ

巫女「そ、そんなこと、ない、です……」///

勇者「じゃあ、動くよ?」

巫女「」コクッ

勇者「ふっ、ふっ……」ズニュッ、ズリュ、ズニュッ!

巫女「あっ、んっ、ぅあっ」ギュッ

巫女「勇者様、勇者さまぁ……!」ギュゥゥ

勇者「うっ……やっぱり、巫女の力で、感度が上がってるから……もう……」パチュ、パチュッ

巫女「わたくしも…………勇者様、一緒に……」クチュ クチュ クチュ

勇者「うん、うん……イこ、一緒にイこう……!」グチュ、グチュ!

巫女「ひぅ、あ、あっ、あっ、イク、イきますっ……!!」パンパンパンッ

勇者「巫女ちゃん! イk」パンパン…



幼馴染「勇者ーっ? どこ行ったのよー?」



勇者「!?」ビクッ

巫女「!」

  幼馴染「公園に行ったって聞いたんだけどなぁ……」キョロキョロ

勇者「ど、どうしよう……!? 幼馴染が来ちゃった! とりあえず服を着t」

巫女「」グイッ

勇者「えっ?」ポスッ

巫女「」グチュッ、グチュッ、グチュッ

勇者「んひっ!?」

  幼馴染「ん?」ピクッ

勇者「巫女ちゃ……なにして……んむっ!?」

巫女「ちゅっ、んちゅっ……」パチュパチュパチュ!!

勇者「んん———っ!!」ビグンッ

巫女「んむぅっ!!」ビグンッ

勇者「ぁああっ……!!」ドピュッ、ビュルル、ビュルルッ!!

巫女「……んっ……んふっ」ゾクゾク




幼馴染「」ガサガサッ

幼馴染「!!」

幼馴染「あんたたち、こんなところで———」



幼馴染「———なにやってたの?」

勇者「えっ? べつに……ねっ?」

巫女「はい。べつに」

幼馴染「?」

幼馴染「っていうか……さっきも思ったけど、あんたたち、冬でもないのにロングコートなんか羽織って暑くないの?」

勇者「むしろ涼しいくらいだよ」

巫女「ええ、ほんとに」

幼馴染「そうかしら……?」

勇者「さて、そろそろお腹も減ったし帰ろっか、巫女ちゃん!」

巫女「はい。今日はハンバーグに致しましょう」

勇者「やったぁ!」

幼馴染「ちょ、あんたたち一緒に住んでるわけじゃないでしょうね!?」

勇者「一緒に住んでるよ? 巫女ちゃん、すっごく料理が上手なんだ」

巫女「恐縮でございます。ちなみに5日ほど前から同棲を始めました」

幼馴染「どっ……!?」

巫女「それに、同棲初日から———」

勇者「わぁー! わーわー! そういうのは言わなくていいから! はやく行こ!」ギュッ

巫女「ふふっ、はい」

幼馴染「ちょっと! まだ話は終わってないんだからぁ! 待ちなさーい!!」


〜勇者の家〜



扉「 バタンッ ガチャッ


勇者「……」

勇者「…………はぁぁぁ……危なかったぁ」ヘタッ

巫女「間一髪、でございましたね」

勇者「もぉーっ! 巫女ちゃんがあの時、服も着ないで えっちを続行したからでしょっ?」

勇者「おかげでロングコート以外の服、全部公園に置いてきちゃったじゃない!」

勇者「……なんで、あんなことしたの?」

巫女「かくれんぼの子供の時の、意趣返しでございます」

勇者「うぅ〜……見つかっちゃったらどうするつもりなの……」

巫女「むしろ、見せつけたかったのかもしれません」

勇者「えっ?」

巫女「……」

勇者「……あぅ……そ、それって……」///

巫女「さて、どうでございましょうか」プイッ

巫女「それよりも、お風呂に入ってくるでございます。公園からここに着くまでの間、ずっと股から勇者様のが垂れてございましたので」

勇者「ええっ!?」///

巫女「巫女の力で、勇者様の精力も強化されて射精量が凄まじく、歩くたびにお腹がちゃぷちゃぷと音をたててございます」

勇者「……あぅ」///



〜勇者の家・朝〜


勇者「家から出る『課題』が、こんなにスリリングだったなんて……」

巫女「確かに、人目を気にする必要がある『課題』は体力を消耗するでございますね」

勇者「あれって、もし見られたら記憶とか消したりできないの?」

巫女「見られたあとでは不可能でございます。しかし、見られる前になら、出来事を記憶する能力を弱めることで、記憶を曖昧にさせて誤魔化すことは可能でございます」

巫女「ただしその場合、なにが『安価絵日記』に『違反』と判断されるかはわかりませんので、なるべく『課題』は自力で達成するのが望ましいのでございます」

勇者「そっか……じゃああの時幼馴染に見つからなくって良かったぁ……」

巫女「見られても構わなかったでございます。身を粉にして世界を救っていらっしゃる勇者様に、あんな暴言を吐く女には」

勇者「あはは……まぁ口が悪いのは、昔からの付き合いだからだよ、きっと……」

勇者「よし、じゃあ今日の『安価絵日記』を見よっか!」

巫女「はい」

勇者「今日は6頁目だね……」パラパラ

勇者「えっと……」





——————・・・


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安価絵日記『さっきの幼女を暴力的にレイプして処女喪失させる』



勇者「うっ……」

巫女「さっきの幼女とは、昨日の公園で出会った彼女でございましょうか?」

勇者「こんなの……ひどすぎるよぉ……」

巫女「……それは、たしかに。わたくしがターゲットなら、まだ良かったのでございましょうが」

勇者「そんなことはないけど、でも……さすがにこれは……」

巫女「しかし勇者様」

勇者「……うん。わかってるよ……。やらなきゃ、世界が危ないんだよね……」カタカタ

勇者「……世界のために……あんなちっちゃな女の子を……」ガクガク

巫女「勇者様」ギュッ

勇者「!」

巫女「今日の出来事は、彼女の記憶にはほとんど残らないのでございます。夢であったと思える程に」

巫女「体のダメージも、事が終わったら回復致します」

巫女「大丈夫……大丈夫でございます」ギュゥゥ

勇者「……巫女ちゃん」

勇者「迷っちゃってごめんね。ボクはもう大丈夫だよ」ニコ

勇者「ありがと、巫女ちゃん」



〜幼女の家〜


幼女「あ、いらっしゃーい!」

勇者「おじゃまします」

巫女「お邪魔致します」

幼女「えへ、あがってあがって! いま、ジュースもってきてあげる!」トテテ

勇者「……できた子だね」

巫女「ご両親が不在というのは都合がよかったでございますね」

勇者「『弟や妹のつくり方を教えてあげる』って……すごく犯罪的な言葉でおうちに招いてもらっちゃったね……」

巫女「事実、これから犯罪を犯すのですが」

幼女「」トテテ

幼女「おまたせっ! じゃあ、あたしのお部屋にいこ!」ニコッ


〜幼女の部屋〜



勇者「へ〜、まさに女の子って感じのお部屋だね」

幼女「えへへぇ。かわいいでしょっ?」

勇者「ぬいぐるみがいっぱいあるね」

幼女「えっとね、この子がポン太くんで、こっちがミー子ちゃん! こっちがワン助くんでぇ……」

勇者「みんな名前があるんだね」ニコッ

巫女「勇者様」コソッ

勇者「?」

巫女「巫女の力で、彼女に細工を施しました。見ていてくださいませ」

勇者「う、うん……わかった」

幼女「えっとぉ……あっ! ペンギンだから、ぺん吉くん! えへ、ちょっとわすれてたかも。ごめんね、ぺん吉くん」ナデナデ

巫女「」スタスタ

幼女「? どーしたの、おねえt」



バギィッ!!!



勇者「えっ!?」

幼女「———っ!?」

幼女「」ガシャァァアン!!

巫女「……」

勇者「ちょ———ちょっとなにやってるの巫女ちゃん!? そんな、いきなり、あんな本気で顔を殴るなんて……!!」

巫女「突然 顔を殴られて。吹っ飛んで本棚に叩きつけられて。それで、あの子は今、どういう反応をしてございますか?」

勇者「え?」


幼女「っ、ぁはっ♡ あっ♡ ぅぅ♡」ビクッ、ビクッ


勇者「———っ」


巫女「痛みや嫌悪感が、快感に変わるように細工致しました」

幼女「にゃに、これぇ……♡ おまた、へん……へんなかんじぃ……♡」トローン

巫女「ですので、こうやって手の甲を踏みつけてやっても……」グリグリ

幼女「ひゃああああああっ!! にゃにこれ!? あっ、あっ、ああああっ!!♡」ビクッ、ビクッ

巫女「このように、快感しか感じることはございません」

勇者「……!!」

巫女「ただし、優しくしてあげたりすると嫌悪感は弱まり、つまり快感も弱まり、ただ辛いだけになってしまいます」

巫女「この子のことを思うなら、なるべく暴力的にレイプしてあげなければならないのでございます」

幼女「はっ、あ、いっ……」ピクピク

勇者「……」

勇者「ありがと、巫女ちゃん」ガシッ

幼女「ふぇ?」グイッ

勇者「ほら、これ咥えて」ジュポッ

幼女「むごっ!? んんんっ!? ごぼっ、おごぉ……!!」ジュポッ、ジュポ、ジュポッ!!

勇者「痛いのがいいなら……乳首も苛めてあげないと」ギュゥゥ!!

幼女「———んぎぃぃいぃぃぃぃぃいいいい!!?♡♡」ビグンッ

勇者「……イっちゃった。ちぎれそうなくらい乳首を抓っただけで」

巫女「実際にちぎってしまっても、あとで治しますのでご安心を」

勇者「うん。とりあえず、ボクも一回……」ジュポジュポジュポッ!!

勇者「んっ……!!」ドピュッ、ビュルルルッ、ビュルルル!!

幼女「んごがっ!? ごぼぼ、んぐっ、ぉううっ!?」ゴポッ、ゴポポッ

勇者「あれ、飲みこめてない……?」

巫女「足を持って逆さ吊りにしてくださいませ。そのままでは窒息で死にます」

勇者「ええ!?」グイッ

幼女「うぅえっ……」ブラーン

幼女「うぶっ!? げっ、うげぇぇえええええっ!!」ビチャビチャッ!

巫女「……ふむ。おそらくこれで大丈夫でございましょう」グイッ

幼女「ヒュー、ヒュー、ヒュー……♡」ビグッ、ビグッ

巫女「ん。吐いた瞬間に漏らしておりますね。よほど気持ちよかったのでございましょう」

巫女「口からも鼻からも吐瀉物を吐いて、小便と涙が顔を伝っているのに…………なんて幸せそうな顔でございましょうか」

勇者「……な、なんかボク、怖くなってきた……」

巫女「目標はレイプではなく、レイプによる処女喪失でございます。まだこれは、勇者様の良心の準備運動でございますよ」

巫女「これから幼女をベッドに大の字で拘束し、さっきの細工を切って、処女貫通を致します」

勇者「えっ!? それじゃあ痛いんじゃ……」

巫女「『課題』はレイプ。彼女が嫌がっている必要があるやもしれません。彼女が気持ちよかったら、もしかするとレイプとみなされないかも……」

巫女「さっきのように、酷いことをするのを心がけてくださいませ。今のは、そのための練習だったのでございます」

勇者「……うぅ……わかったよ……。なるべくすぐに終わらせるからね、幼女ちゃん」ナデナデ

幼女「……っ、……」ビグッ、ビグッ…



・・・・・・


幼女「———う」ガシャッ

勇者「あ、起きたかな?」

幼女「? なに、これ……うごけないよ……?」ガシャガシャ

勇者「ベッドの四方向に手錠で縛ってるからね。さて、じゃあ始めるね?」スッ

幼女「え? え? な、なに?」

勇者「ごめんね」バチンッ

幼女「!?」

勇者「」バチーン!!

幼女「い……いたい!! なんで、なんでほっぺた ぶつのぉ!?」ウルッ

勇者「」パチーン!!

幼女「ぃぎっ……!?」

勇者「さっきと同じように、乳首を抓るよ」ギリギリッ!!

幼女「ひぃぃいい!? いたい!! いだいいだいいだい!!!」ガシャガシャガシャ!!

勇者「」パチーン!

幼女「いっ!?」

勇者「静かにしてね。さけんだら、また叩くから」

幼女「っ……!!」

幼女「ぅぅううううう〜〜〜!!」ポロポロ

勇者(唇を噛んで、声が出ないようにして泣いてる……)

勇者(でもごめんね。そろそろ……)ヌチュッ

幼女「っ?」

勇者「挿れるよ」ギチッ

幼女「いぎっ!? やめて! いたい! いたいよぉ!!」

勇者「」バチーンッ!!

幼女「っ!! ふっ、ふぐっ……ヒック……ぐぅぅうぅ……」ガシャガシャ

勇者「うわ、さっきのアレでヌルヌルとはいえ……キツすぎ……っ」ギチギチッ

幼女「〜〜〜っ!!?」ガシャガシャガシャ!!!

勇者「えいっ!」


ブチッ




幼女「———」


勇者「あ」

幼女「いだぁぁああああああああいっ!!! いだい! おねがいやめでぇええ!! いだいのぉ!!!」

勇者「」バチーンッ!!

幼女「やだああああ!! たすけてぇええ! パパぁあああママぁあああああ!! たすけでぇえええええ!!!」

勇者(血の量がけっこうすごい……それにもう、叩いても意味ないね……)

勇者「……ごめん、もっと奥まで入れちゃうね」ギチギチギチッ

幼女「ひぎぁぁああああ!!? ごめんなさいっ!! ごめんなさい、ごめんなさい!! もぉゆるしてぇえええ!!」

勇者「これ以上は、入らないか」コツン、コツン

幼女「ぎっ!? いやああああああああ!! いだいのやだああああああ!!」ガシャンッ、ガシャンッ!!

勇者「手錠のせいで、手首から血が……皮がめくれちゃってる。……すごい力なんだ」ゾッ

勇者「早く終わらせないとっ」

勇者「えいっ、えいっ」ジュボッ、ジュプッ、ジュポッ!!

幼女「ああああああああああああああああッ!!!!」ガチャガチャガチャ!!

勇者「キツい……おちんちんが、ちぎれちゃいそう……」

勇者「けど、これならすぐに終わりそう……!」

幼女「やらああああああ!! しんじゃう!! しんじゃうからああああああああ!!!」ガチャッ、ガチャンッ!!

勇者「うっ、イク、イクよっ!!」

幼女「やめでぇぇえええええええええええええ!!!」ガチャガシャガシャ!!

勇者「ううっ!!」 ドピュッ!! ビュルッ、ビューッ、ビューッ!!

幼女「——————」ガクガクガクッ

勇者「うぅ……」

勇者(……これで、終わったかな……)

幼女「かっ、かかっ……」ガクガク

勇者「うわ、お腹パンパン……。もう妊娠してるみたいになっちゃってる……」スリスリ

幼女「ぅ、おぶっ……」ギクンッ、ビグッ、

勇者「おちんちん、抜くね?」ズルルッ

幼女「ぉ、ぁ……」ゴポポッ、ブピュッ、ブプッ、ドロォ…

勇者「白目剥いて、泡吹いちゃってる……」ナデナデ

勇者「ああ、手首なんか血まみれだし……爪が手のひらに刺さっちゃってる……」

勇者「治せるんだよね?」

巫女「はい、すぐに。後片付けを致しましたら、帰りましょうか。ここまでの彼女の記憶はすべて曖昧になるので、この記憶はすべて夢だと思うでございましょう」

勇者「……」

巫女「勇者様?」

勇者「……ごめん巫女ちゃん。やっぱり、痛めつけるだけ痛めつけて帰るのは、ちょっと気が引けるかも……」

巫女「?」



・・・・・・


勇者「どう? 気持ちいい?」パンパンパンッ!!

幼女「んおぉお゛お゛っ!!♡ きぼちぃぃぃいい゛い゛♡♡ きぼちぃぃよぉぉおお!!♡♡」ジュプッ、ジュポッ、

勇者「そっか。こうやって、弟と妹ができるんだよ。まだ幼女ちゃんは子供だから無理だけどね」パンパンパン

幼女「ころもほしぃぃ!! おとなっ、はやくおとなになって、こどもほしいのぉぉおお!!♡♡」ジュボジュポッ!!

勇者「そっか。じゃあ立派な大人になって、たくさん子供を作れるといいね」ギリギリッ、ギュゥゥ

幼女「くひぃぃぃいいいっ!!?」ビグンッ!!!

勇者「そんなに乳首抓られるの好き?」パンパンパン

幼女「しゅき♡ らいしゅきぃぃ♡ ぁはっ、きもちぃからしゅきぃぃぃい♡♡」ビグッ、ビグッ

勇者「そっか。じゃあそろそろ、子供の種あげるね? いいかな?」

幼女「ほしいぃっ!! こどものたねちょーだいっ!!♡ あたしのおまんこにちょーだぁいっ♡♡」

勇者「行くよ……!!」ギリギリッ

幼女「———っ♡♡」

勇者「うっ……!!」ドピュッ、ビュルルルッ、ビュクッ、ビュルッ!!

幼女「かっ、くひっ、ぁぁああああっ♡♡」ガクンッ、ビグンッ

幼女「こどもぉ……ころもいっぱいぃぃい♡」ピクッ、ビクッ…

勇者「うん。大人はこうやって子供を作るんだよ。わかった?」ナデナデ

幼女「わ、かったぁ……♡」ヒクヒク

勇者「まぁ、夢ってことになるんだけどね。このことは、しーっ、だよ?」

幼女「しーっ、わかったぁ……ないしょにしゅるぅ……こんな、きもちぃのは、みんなにはないしょ……」トロ…

幼女「あたしと……おねえちゃんだけの、ひみつ……えへへぇ♡」ウトウト

幼女「…………zzz」パタッ

勇者「よし、これでおっけー」

巫女「優しいのか酷いのかわかりかねる行為でございますね。幼女おまんこに女の悦びを叩き込むとは」

勇者「そ、それは言い方の問題でしょっ?」///

巫女「しかし、このように記憶ではなく体にすり込んだことは、体が覚えてしまいます。今日の出来事は夢ということにできても、この子はずっと、このエロい体で生きていくことになるかもしれないでございます」

勇者「……えっ?」

巫女「あくまで可能性の話でございますが」

勇者「……」チラッ

幼女「……おまんこに……こどものたね……えへへぇ……zzz」ビュル、ゴポッ、

巫女「おしっこのように精子を漏らしながら、おまんこをヒクヒクさせてございますね」

勇者「……」

勇者「巫女ちゃん」

巫女「なんでございましょう?」

勇者「今日も世界を救ったねっ」

巫女「はい、左様でございますね」


〜幼女の家〜


母「ただいまー」ガチャ

幼女「ママ、おかえりー!」トテテ

母「ただいま、幼女。ちゃんとお留守番できた?」

幼女「うん!」ニコ

母「そう。……あら、これからおでかけ?」

幼女「うん! 公園にいくの!」

母「もうすぐ暗くなるわよ? お友達でもいるの?」

幼女「えへへ。えっとね……」

幼女「それはね、しーっ、なの」ニコッ

幼女(公園の草のとこ……あのおねえちゃん、またいないかな……)ドキドキ

幼女(なんか、へんな夢みて、おまた、へんだから……)クチュ…




〜勇者の家・朝〜


勇者「気を付けないと……。巫女の力に流されて変なことするのはいい加減やめないと……」

巫女「よろしいのではないでしょうか。勇者様が最後に快感を教え込まなければ、彼女は女性恐怖症にでもなっていたかもしれません」

巫女「少なくとも、なんらかのトラウマを植え付けていた可能性は大いにあったと思うのでございます」

巫女「それを快感の記憶で塗りつぶしたのですから、勇者様の行動は間違ってはいなかったかと」

勇者「うぅ、やめて……フォローしないで……またやらかしちゃうかもしれなから……」

巫女「勇者様のいいところも悪いところも、その優しさでございますね」

勇者「そうかなぁ……」モグモグ

勇者「ゴクン。ごちそうさま、今日も美味しかったよ」ニコ

巫女「左様でございますか」

勇者「えっと、それじゃあ『安価絵日記』を確認するね」パラパラ

巫女「これで7回目でございますね」

勇者「全49頁だから、ちょうど7分の1なんだね」

巫女「文字と絵が浮かび上がって参りました」

勇者「えっと、なになに……?」




——————・・・


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↓+3


諸注意。

・3人以上から苦情を受けた人の書き込みは、それ以降 全スルー。各自全力で空気を読み、気遣い合うこと。

・『安価絵日記』以外の安価は一切しないので、「まずは仲間探し」とか書くと@が全部仲間を決めるので注意。……それでも面白くなるようにはするけども。

・『最善の未来』を選び続けているので、じつは魔王なんて大した驚異ではない。

・それまでガチ展開だったのがエロ展開になるのは(読者離れするので)困るが、このスレは最初からエロ展開なので、@はあんまり気にしてない。……でも@の文章エロくないし需要ねーだろ……。


安価絵日記『複数の幼女サキュバスに陰部男体化した巫女と一緒に散々犯される』



勇者「えっ……あ、あぅ……」///

巫女「リスクの少ない『課題』でよかったでございますね」

勇者「そ、それは、誰にも見られないし、ボクたち以外に害はないけど……」

勇者「サキュバスって、えっちなことする悪魔、だよね……?」モジモジ ///

巫女「はい。しかし指定のサキュバスは幼生なので、性技は稚拙と見ていいでしょう」

勇者「そっか、よかった……」ホッ

巫女「ちなみに一節によると、『加減』を知らない幼生サキュバスは成熟したサキュバスよりも容赦がなく、その分相手を壊してしまうことが多いのだとか」

勇者「えええっ!?」///

巫女「ご安心ください、全てが終わったら、後遺症や心身のダメージなどは全てリセットされるようにプロテクトをかけておきますので」

巫女「では、陰部男体化して……」ニョキッ

巫女「サキュバスを召喚致しますね」

勇者「う、うん……」ビクビク

巫女「」スッ



魔法陣「 パァァァァァ!!



淫魔s「」ニュッ ニュニュッ

淫魔A「やったぁ、ひさしぶりに召喚してもらえたぁ♪」

淫魔B「わーい! いっぱい遊んじゃおうねっ!」

淫魔C「……どっちも女の子?」

淫魔D「魔法でおちんちん生やしたんだ? おねえちゃんたち、そんなにサキュバスとえっちなことしたいの?」クスッ

淫魔E「今回は長持ちするといいなぁ♪」


淫魔s「「とにかく、いただきまーす♪」」ガバッ



勇者「ひゃうっ!?」ドサッ ///

巫女「っ」ドサッ



淫魔A「えへ、じゃあさっそく」チュッ

勇者「んむっ……んっ、んんっ!?」ゴクッ

勇者(うぅっ!? な、なんか唾液がすっごく甘い……! それに、おいしい……)トローン ///

淫魔A「あーあ、淫魔の体液飲んじゃった♪」

淫魔B「もう私たち無しじゃ生きていけない体だねっ!」

淫魔C「……ずっと、いっしょ」

淫魔A「ほら、おねえちゃんのおちんちん、もうこんなに硬くなってる……よっ!」ツンツン

勇者「あひぃいい!?」ビクンッ

淫魔A「あはは! そうだよね、淫魔の体液をあんなに一気に飲んじゃったんだもんね!」

淫魔B「これ、挿れちゃったりしたら絶対壊れちゃうよね」

淫魔A「じゃあ別のとこをイジって、慣れさせよっか?」

淫魔B「賛成ー!」

淫魔A「じゃあ私はお口ね!」チュッ

勇者「あっ、んんっ……んちゅっ……」///

淫魔B「私は乳首!」クリクリ

勇者「んん〜〜〜っ!?」ビグッ

淫魔C「……お尻の穴」ペロッ

勇者「んぐっ、んんーーっ!!」ビュルルッ、ビュルッ

淫魔A「あー!? もう出ちゃったの!?」

淫魔B「もったいないな〜。床に出たのはCにあげる。私はお腹に出たのをいただき♪」ペロッ

勇者「んひっ!?」ビクッ

淫魔C「……濃くて、おいしい」ペロ、ペロ

淫魔A「私のぶんはー!?」

勇者「あ、ひぐっ、うぁっ……」ビグッ、ビグッ



淫魔D「んっ……ほら、もっとしっかり舐めて?」グイグイ

巫女「んぅ……」ペロッ、チュッ、チュルッ

淫魔E「あはっ! こーんなちっちゃい子に顔面騎乗されておちんちんから汁出しちゃうなんて、おねえちゃん変態さん?」ギュッ

巫女「ぎっ、ひぁあああああああっ!?」ビグッ、ビクン

淫魔D「ちょっとー! いまいいとこだったんだけど!!」

淫魔E「ごめーん。だって2人でお楽しみなんでずるいんだもん」

淫魔D「いまおちんちんイジったら壊れちゃうでしょ? 慣れるまでがまん!」

巫女「ぅ、あっ……」ヒクヒク

淫魔E「ちぇ。いいよ、じゃあお尻の穴でもイジってよっと」スッ

巫女「ぁ、だ、だめっ!」

淫魔D「E! ストップ!!」

淫魔E「えいっ!」ニュプッ

巫女「———っ!!」

巫女「イックぅぅぅううううう!!」ドピュッ

淫魔E「あ、もったいない!」パクッ

巫女「ひぎっ!?」ビグッ

巫女「いやあああああああああああっ!!」ビュルルッ、ビュルルッ!!

淫魔E「んんっ、んふっ♡」ゴクッ、ゴキュッ

淫魔D「E! はやくおちんちんから口を離して! これ壊れちゃうやつだから!!」

淫魔E「へっ?」パッ

巫女「ぅぁああああっ、ああああっ、ふーっ、ふーっ……」ガクガク

淫魔E「あは、おねえちゃん、もう全身からいろんなの垂れ流しになってるね♪」ペロペロ

巫女「あっ、あっ……」ビグッ

淫魔D「まったく……とりあえず今はおっぱいでがまんして! 乳首には触っちゃダメだからね?」

淫魔E「はーいっ!」



淫魔A「ええっ、うそぉ!? おねえちゃん、おにいちゃんだったの!?」

勇者「はぁ、はぁ……」コクッ ///

淫魔B「うっそぉ。信じられない……それなのに、こんなエッチな体してるんだ?」スリスリ

勇者「あんっ!」ピクッ

淫魔C「……男の人だって言うんなら……」

淫魔A「うん、だよね……もう」

淫魔B「もうがまんできないっ!!」ガバッ

勇者「ひゃっ!?」

淫魔A「ああっ、今の声、それに表情! すごいよ、すごい!」

淫魔B「きっとおにいちゃんは、犯されるために生まれてきたんだよ!」

勇者「そんなこと……ぎぃっ!?」ビクッ

淫魔A「んむっ、んんっ、んぐっ、」ジュポジュポジュポ

勇者「あぎ、ぎ、ひぃんっ!?」ガクガク

淫魔B「うっわー。Aがフェラでこんなにがっついてるとこ初めてみた……」

淫魔C「……食道まで届いてる」

勇者「いやあああああああああっ!! お、おがしくなるぅううっ!!」ガクンッガクンッ

淫魔B「もう壊れちゃってもいいや! 私も我慢できない!! 乳首いただき!」チュゥゥウ!!

淫魔C「……お尻」ペロッ、クニッ、クチュッ

勇者「っ———!!!」ドピュッ!! ビューッ、ビュルルッ、ビュルルッ!!

淫魔A「んぶっ!? ぐっ、んぐっ……」ゴボッ、ゴプッ

淫魔B「わぁ、いいなー! すっごい量! 私にもちょーだい!」チュッ

淫魔A「んちゅっ、じゅるっ、くちゅっ」

淫魔B「じゅるるっ、ちゅっ、ちゅるっ」

淫魔B「んんんっ! おいしい……♡♡」ゾクゾクッ

淫魔A「クチュクチュ……Cはいらないの?」モグモグ

淫魔C「……」チュッ、クニクニ、チュルッ

勇者「……あー……ぅぁあ、あ゛あー……」ピクッ…ピクッ…

淫魔A「ほんとCはお尻の穴舐めるのすきだよねー」

淫魔B「でもこの、とろっとろの顔……すてき♡」チュッ

淫魔A「もう目の焦点があってないね。舌もしまえないみたい。かーわいいっ♡」チュッ

勇者「……ぅぁ……」ピクッ…ピクッ…



淫魔E「あはは、やっぱり! このおねえちゃん、お尻が弱いんだぁ!」ジュポジュポジュポ

巫女「———っ!!♡」ビュルルッ ビュルッ!!

淫魔E「んー♡」ゴキュッ、ゴクンッ

淫魔D「もう壊さないようにっていうのは無理かなぁ……じゃあ、もう挿れちゃおっと」スッ

淫魔E「えー!? ずるくなーい!?」

淫魔D「順番よ。それに、そんなにお尻がいいならおちんちん生やして掘っちゃえばいいでしょ?」

淫魔E「あ、そっかぁ!」

淫魔E「んっ、んん……」ニョキ

巫女「はーっ、はーっ……ま、まって……」

淫魔D「残念、またないのでした♪」クチュッ…

淫魔E「待ちませーん♪」ズプッ…

巫女「やめ———」

淫魔D「挿・入!」ジュポッ!!

淫魔E「こっちも、挿・入!」ズプッ

巫女「ひっ———ぎぃぃいいいいいいいいいいいいい!!?」パチ、パチッ

淫魔D「あはっ! 白目剥いてる! 痙攣すごーい!」ジュプジュプジュポッ

淫魔E「ほらほら、イっちゃいなよ!!」パンパンパンッ!!

巫女「かっ、イって、イってるからぁっ!! やめ……」ビュクッ、ビュルッ

淫魔D「お腹がぱんぱんになるくらいは出してもらわないとねー?」

淫魔E「それ終わったら、次私の番ね♪」

巫女「———っ、———!!」ガクン、ガクン



勇者「んむーっ!!! んむぐーっ!!!」ガクン、ガクン

淫魔C「……腕、入った」ズリュ、ズリュ

淫魔B「うわー。わざわざ淫魔の唾液を染み込ませてると思ったら、お尻の穴を弛緩させてたんだ……えぐいなぁ」パチュッ、パチュッ

淫魔A「んちゅっ、んっ、んんっ」チュゥゥ

淫魔B「こっちもこっちで、そんなに唾液流し込んだら脳みそ溶けちゃうって。ひどいなぁ」パチュパチュ

淫魔C「……Bも、尻尾でおちんちんの根元縛って挿入してる」

淫魔B「だって、出しちゃったら交代だもん。もっと楽しみたいでしょ?」チュブッ、パチュッ

淫魔B「でも、そろそろ出しちゃおっかな♪」パチュパチュ

勇者「———っ!!」ガクガクガク

淫魔B「A、ちょっと口離して」

淫魔A「ん? はいっ」パッ

淫魔B「おにいちゃん、イキたい?」

勇者「イギたいっ!!! イかしぇてぇぇ!!」ポロポロ

淫魔B「あははっ! サキュバスの子供まんこでイキたいのっ? どぴゅどぴゅ射精したいのっ?」パチュ、パチュ、

勇者「したいれす!! おねがいしましゅぅぅぅっ!!」ポロポロ

淫魔B「こぉんなちっちゃい子供に、泣きながらイかせてだなんて……プライドないんだね、おにいちゃん♪」

淫魔B「でもかわいいから、イかせてあげる♪」パチュパチュパチュ!!

淫魔A「泣き顔かわいい〜〜♡ ほら、イっちゃえー!!」ギュゥゥ

淫魔C「……イっちゃえ」ズンッ!

淫魔B「いっぱい出してね♪」シュルッ

勇者「———」

勇者「イグゥゥゥぅぅうぅううううッ♡♡♡」ドピュッ!!

淫魔B「あ♡ あぁっ♡ すごっ、すっごい量♪」ビュルルルッ、ビューッ、ビューッ!!!

淫魔C「……お腹膨らんでる」

淫魔A「抜いた瞬間、出てきたのちょうだい!」

淫魔B「だめ! これは私の分! Aも自分で搾精すればいいでしょっ?」

淫魔A「えーっ!? Bのケチ! いいもーん! ほらおにいちゃん、次は私とだよ! 泡吹いてないで起きて!」ペチペチ

勇者「」ピクッピクッ

淫魔C「……壊れた?」

淫魔A「でもしばらくは射精できるし、大丈夫だよっ! 淫魔の体液で勃ちっぱだし! 挿入〜♪」ニュプッ

淫魔B「むぅ。このおにいちゃん好きだったのになー。もったいない」チロッ

淫魔C「……この次、私」

淫魔B「じゃあその次私ね! 三週はしようねっ!」

勇者「……ぁ……ぁぁ」ガクッガクッ


・・・・・・



勇者「……ん」

巫女「目を覚まされましたか」

勇者「あれ……? ボク、なんで……」

巫女「サキュバスたちは、もう帰ったようでございます」

勇者「!!」

勇者「そ、そうだ、ボクたち……」///

巫女「過ぎたことは忘れましょう。本来なら1ヶ月は残る淫魔の体液の効果も、事前のプロテクトで完全に抜けておりますので」

勇者「サキュバスって、すっごいんだね……ボク、二度と会いたくない……」

巫女「もう少し成熟してくると、壊れない程度に、しかし自分に依存する程度に、快楽漬けにするらしいのでございますが……」

巫女「とにかくこれで、『安価絵日記』の『課題』は達成でございます」

勇者「そう……だね。うん、よかった……としておこっか……」

勇者「疲れたね……朝に始めたはずなのに、もうすっかり暗くなってるし……。今日はもう寝よっか」

巫女「おーらい、承知致しました。体力は回復したはずなのに、腰が立ちませんし……」ガクガク

勇者「わっ、ほんとだ……ベッドまで這ってこう……」ズルズル

巫女「……はい」ズルズル



〜勇者の家・朝〜



勇者「夢精しちゃった……。昨日のことは、ボクの心に大きな傷を残したみたい……」

巫女「朝起きたら下着がぐっしょりだったのはわたくしだけかと思って、不安になったでございます」///

勇者「うぅ……巫女ちゃんのごはんだけが癒しだよ……」クスン

巫女「そういえば、今日でわたくしがここを訪れ、そして住み始めてから1週間になったわけでございますね」

勇者「そっか、そうだね。1週間前のちょうど今頃、巫女ちゃんがあのドアを叩いたんだったね。なんか感慨深いや」

巫女「魔王討伐の旅に出て、1週間……」

勇者「溜まったのはボクの女性経験値くらいのものだね……あと、この家ちょっとえっちな匂いしない?」///

巫女「それはわたくしも思っておりました」スンスン

勇者「まぁでも、これでちゃんと世界に貢献できてるんだよね?」

巫女「それは確実に。昨日の件のおかげで、異世界からこの世界へと7人の邪悪な王が流れてくるのを阻止できました」

勇者「それはそれは……映画3本分くらいの濃度だね……」

勇者「魔王はどうなってるのかな?」

巫女「さぞ困惑していることでしょう。各地で暴れまわっていた凶暴な魔物たちが、次々と姿を消しているのでございますから」

勇者「あれ、これもしかして旅に出なくても魔王討伐できちゃうの?」

巫女「それは『安価絵日記』次第でございましょう。もし49頁内の『最善』で魔王が生きていれば、魔王が生きていることが『最善』ということになるのでございます」

巫女「最悪、『神の褒美』を魔王に対して使うことも検討する必要がでてくるやもしれませんが」

勇者「『神の褒美』か……なんなんだろうね?」

巫女「それはわかりかねますが……とにかく今は、前に進むより他に道はございません」

勇者「……うん、そうだね。じゃあ……」パラパラ

勇者「今日の『安価絵日記』は……」





——————・・・


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安価絵日記『幼なじみを、気づかれないように電車で痴漢』



勇者「幼馴染を……!?」

巫女「彼女のことでございますか。気づかれないように……とは、このイラストを見る限りでは……いまいち判りかねますね」

巫女「痴漢しているという事実を? こちらの存在を? こちらの素性を?」

巫女「そして、彼女が電車に乗るタイミングが今日、来るのでございましょうか?」

勇者「幼馴染は、王国の道場に週2回通ってるよ。都合よく、今日がその日だったと思うな」

巫女「今日がその日でなくとも、巫女の力でなんとしても電車に乗せてみせますが」

勇者「ねえ、巫女ちゃん。なんだかノリノリに見えるんだけど、ボクの気のせいだよね?」

巫女「さて、どの程度まで気づかれないように痴漢致しましょうか……。あまり気づかれなさすぎて痴漢と認識されないのも困りものでございますし……」

巫女「いろいろなパターンを、様々な能力で試してみるのが得策でございましょう」

勇者「おねがい、ボクの言葉を聞いて? 巫女ちゃん? もしもーし」

巫女「では参りましょう、勇者様。勇者様を悪く言う、あの女を懲らしめに」ザッ

勇者「ちがうっ! ちがうよ!? ボクたちは世界を救いに行くんだよ!? ちょっと落ち着こっか巫女ちゃん! 巫女ちゃーん!?」




〜王国行き電車内〜

ガタンゴトン……ガタンゴトン……



幼馴染(……)キョロキョロ

幼馴染(なんか今日はやけに混んでるわね……座れそうもない、か)

幼馴染(ううん、何事も修行と思えって師匠が言ってたじゃない。たかだか2時間立ってるだけのこと、辛いと思ってちゃダメよ!)

幼馴染(目をつむって、片足で立って、吊り革に掴まらずに、バランスを取ってみよう……)

幼馴染(わ、意外と難しいかも……あ、でも慣れるとそうでもないな……)ヨロヨロ

幼馴染(……?)

幼馴染(なんか、スカートの中が変な感じ……)

幼馴染(———!?)バッ

幼馴染(な、んでっ……!? 私、今日パンツ穿き忘れてたっけ!? そ、そんなはず……)

幼馴染(!! ブ、ブラも無い!? なんで!?)

幼馴染(なにこれ……!? なにが起こってるの!?)

幼馴染(そんな、下着を着け忘れるなんて……そんなバカなことが……)

幼馴染(ッ!?)

幼馴染(靴下!! 絶対さっきまで穿いてたはずの、お気に入りの靴下がない!!)

幼馴染(〜〜っ!!)キョロキョロ

幼馴染(誰かから、何かされてる……ッ!! なんて手の込んだ痴漢なの!?)///

幼馴染(お、落ち着くのよ私……冷静に……武闘家は、クールに熱くなるのよ……この熱さは犯人を見つけた時に解放するとして……)

幼馴染(これは王国まで特急だから、途中で降りたりはできない……なら車両移動しかないわね)

幼馴染(といっても、どっちに移動しようかしら。前か、後ろか……)

幼馴染(っ!!)バッ

幼馴染(下に着てたシャツが無くなって、上着のボタンが全部外されてる……!!)

幼馴染(あれっ!? バッグはどこに行ったの!? 財布も! 定期も!!)

幼馴染(そ……そんな……これじゃ、どうやって家に帰れば……)

幼馴染(ううん、負けちゃだめよ私!! 痴漢は必ずこっちを見ている! そしてそいつが私の荷物を持ってる!!)

幼馴染(絶対に見つけ出して、荷物を取り戻して、人前に出られない顔にしてやるんだから……!!)

幼馴染(まずは、先頭車両まで歩いて怪しい人物を探しt)ガクンッ

幼馴染(っ!? なに、これ……両足が手錠で……あれ、靴もいつのまにか無い!?)ガチャガチャッッ

幼馴染(えっ!? 両手も後ろ手に繋がれてる!! こ、これじゃあシャツの前を押さえられない……素肌を晒しちゃうっ!!)カチャカチャッ

幼馴染(ノーパンノーブラに素足で、お金も切符も荷物もなくて、服をはだけさせて両手足拘束して電車に乗ってるなんて……)

幼馴染(車両が混んでるからまだ誰も気づいてないけど、こんなの見つかったら変態だと思われちゃう……!!)

幼馴染(こ、こんなことして、何が楽しいの……!? っていうか、なにをしたらこんなことができるの!?)

幼馴染(気づいたらこんな姿でした、なんて……絶対駅員さんに信じてもらえない……!!)

幼馴染(どうしよう……もう、近くの人に助けてもらおうかな……)

幼馴染(ううん、誰が犯人かわからないんだもん……そんなの無理よ……)

幼馴染(こんな姿を写真に撮られたら、もう逆らえなくなっちゃうし……)


ローター「 ヴィィィイイイイ……

幼馴染「ひっ!?」

幼馴染(っ……なにこれ!? お股に変なの取り付けられてる……!!)

幼馴染(音、他の人に聞こえてないかな……!? こ、これ……こんなの見られたら、もう人生終わる……!!)

幼馴染(絶対に声なんか出せない…………のに……!!)

幼馴染「……っ……ぁ……ぁん……」プルプル ///

幼馴染(声……抑えられないっ……こんな変態みたいな格好で苛められちゃってるのに……!!)///

幼馴染(こんなのでイっちゃったら……ほんとに……っ!!)プルプル

幼馴染(……ほんとにぃ……ッ……!!)

幼馴染「〜〜〜っ!!」ビグン、ビクッ、ビクッ

幼馴染「フーッ、フーッ……」プルプル

幼馴染(イ……イっちゃった…………もう、私、ダメだ……)///

幼馴染(こんな辱めで気持ちよくなっちゃう変態なんだ……)///

幼馴染(ほら、もう全裸にされちゃってる……きっともう、気づいてる人は気づいてる……)ウルッ

幼馴染(私……終わっちゃったんだ……)ポロポロ

幼馴染「グスッ……うわあああああああんっ!!」ポロポロ

女「?」

幼馴染「わああああああああんっ!!」ポロポロ

女「……あの、どうかしたんですか?」

幼馴染「エグッ、だって、服が……ヒック……私ぃ……」ポロポロ

女「服がどうかしたんですか?」

幼馴染「……え?」グスッ

幼馴染「あれ? えっ? えっ?」バッ バッ

女「えっと、そのバッグもあなたの?」

幼馴染「……は、はい……あ、あはは……なに、これ。……夢だったの……?」

女「?」

幼馴染「ごめんなさい、ちょっと寝ぼけ……ひぃんっ!?」ビクッ

女「大丈夫!? どこか痛いの!?」

幼馴染「んっ……だい、じょうぶ……んっ……れす……♡♡」プルプル

女「誰か! 席を変わってあげてください!」

「ど、どうぞ」

女「ほら、立てる? しっかりね!」

幼馴染「すみ、ません……あひっ……あり、がと、ござぃ、ますっ…………♡♡」プルプル

幼馴染「んんっ!!」ビクッ、ビクッ

幼馴染(夢なんかじゃ……ない……まだ、続いてる……!!)

幼馴染(しかも、今度は服着てるけど……みんなに見られながら……!!)///

幼馴染「……ィ……くっ……///」ビクッ、ビクンッ!!



・・・・・・



『終点、王国〜、王国〜。お忘れ物にご注意ください』



女「ほら、立てる?」

幼馴染「らい、ちょうぶ、れすっ……1人で、いけます、から……///」ピクピク

女「そ、そう……? 無理しないでね?」

幼馴染(た、立てるわけないよ……下着もスカートも、シートまで……グチョグチョだもん……)///

幼馴染(だめだ……今日はこのまま折り返して帰ろう……道場なんか行ってる場合じゃないよ……)

幼馴染(駅に着いた途端、ローターも消えちゃうし……もういいや、忘れよう。雨に降られたとでも考えよう)

幼馴染(よし、もうすぐ折り返しが出発する。早く帰って、シャワー浴びて寝よう……)


扉「 プシュー…


幼馴染(ドアが閉まって電車が———)

幼馴染(———)

幼馴染(待って!! あの痴漢は、この電車から降りたの!?)


扉「 ガコン…


幼馴染「……ひぃんっ!? あっ、あっ♡ また、また始まっちゃう♡」///

幼馴染「んっ♡……も、もぉ、ゆるひてぇ……♡」トローン ///



ガタンゴトン……ガタンゴトン……



〜勇者の村〜


巫女「いやはや、とても楽しい『課題』でございましたね」ツヤツヤ

勇者「すっごい容赦なかったね、巫女ちゃん……」

巫女「なにをおっしゃいます。直接手を下したのは、あくまで勇者様ではございませんか」

巫女「それに彼女の周囲は、わたくしが作り出した人型ゴーレムで外部からの視線をガードしていたではございませんか」

勇者「あの人型ゴーレム、事情を知らない幼馴染にとっては苦痛でしかなかったよね……」

勇者「それにしても、幼馴染が王国駅で降りないでもう1ラウンド延長したときはビックリしたね」

巫女「武闘家のような体育会系の女は、総じて淫乱なのでございますよ」

勇者「とんでもない言いがかりだよ……体育会系の女の子にも幼馴染にも失礼だよ……」

勇者「幼馴染は、そんなえっちな子じゃないよ」

巫女「公衆の面前で、あのようにローターでよがってしまうような彼女がでございますか?」

勇者「あ、そういえばあのローター、回収するの忘れちゃったね」

巫女「噂をすれば、あちらに彼女が」

勇者「あ、幼馴染だ。もう村に帰ってきたんだ。早かったね」

巫女「ローターの行方は、彼女に直接聞いてみるというのはいかがでございましょうか?」

勇者「やめてあげなよ……心臓止まっちゃうよ。さすがに駅から出たら。すぐに外して捨てちゃったでしょ」

勇者「……ん?」



幼馴染「」フラフラ…

幼馴染「」ビクッ、ビグッ

幼馴染「」ヨロヨロ…

幼馴染「」ビクン、ビクッ…



巫女「これはこれは……」

勇者「……」

勇者「……ほんとに、えっちな子なのかもしれないね」



〜勇者の家・朝〜


勇者「おふぁよぉ……」ウトウト

巫女「勇者様、お目覚めになられましたか。朝食の準備が整ってございます」

勇者「いつもありがとね、巫女ちゃん」

巫女「いえ、お気になさらず。わたくしが好きでやっていることでございますので」

勇者「思えば、1日1回、49頁ってことは、ボクたちって1ヶ月半も一緒にいることになるんだね」

巫女「……」

巫女「数字にしてみると、意外に短いのですね……」

勇者「え?」

巫女「……」

勇者「……そうだね。1ヶ月半が過ぎたら、もうこんな騒がしい日々は送れないんだね」

勇者「でも、静かに暮らすのも、いいものだと思うな」

巫女「!!」

勇者「いただきます。……もぐもぐ。うん、やっぱり巫女ちゃんのごはんは美味しいね」ニコ

巫女「……」

巫女「左様でございますか」ニコ

勇者「きっと辛い『課題』も待ち受けてるだろうけど、なんとか2人でやっていこうね」

巫女「勇者様となら、大丈夫でございますよ」

勇者「じゃあ、早速今日の『安価絵日記』を確認してみよっか」パラパラ

勇者「ええっと……9頁目は……」





——————・・・


9ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは安価下扱いとなります。

↓+3


今日はここまで。明日も午前から再開。

一応勉強はするけど、NTRは超絶嫌いなので上手く書けなかったらごめん。

おやすみです。

ん〜。しゃーない、こういうのはやりたくないんだけど……喧嘩が始まってもあれですし。


今後は@が安価してから、より早かった3つ(人が少なくて3つ集まらない時は15分以内)のアイデアのうち、コンマ下2桁の数字が00に一番近いやつを採用します。

……わかりにくいかな……。うん、まあ、やってみたらわかると思います。


ってことでよろしくです。あんま揉めんといてくださいね。揉めると@は泣くからね。


安価絵日記『あの幼女の母親を、幼女の父親から目の前で寝取って家庭崩壊させる』



勇者「…………」

巫女「勇者様、勇者様。すごい顔になってございますよ」

勇者「ああ、うん、ごめんね……」

勇者「いや、でもこれはさ……」

巫女「心中お察し申し上げますが、ご安心ください。所詮は『夢』にしてしまえばいいだけのことでございます」

勇者「うぅ……それはそうかもしれないけどぉ……」

巫女「勇者様は本当にお優しい方でございますね。……しかし大丈夫でございますよ。すべては『最善』へと向かっておりますので」

巫女「あまり深いことは考えずに、『課題』をクリアしてくださいませ」

勇者「す〜……は〜……」

勇者「っ」パンパン

勇者「よしっ! 世界のため!! ボク、がんばるよ!」

巫女「はい。わたくしもお供致しますよ」ニコ


〜幼女の家〜


幼女「いらっしゃーい! あがってあがって!」ピョコピョコ

勇者「おじゃましまーす」

巫女「お邪魔致します」

幼女「ママはまだ帰ってこないから、あたしの部屋にいこ?」グイグイ

勇者「う、うん。そうだね。そんなに引っ張らなくても、だいじょうぶだよ?」

幼女「えへへ。おねえちゃんたちが来たの、なんか初めてじゃないような気がするなぁ♪」

勇者「そ、そう? ボクはそんなことないけどなぁ……あはは……」


〜幼女の部屋〜


幼女「それでね、こっちがワニ蔵くんで、こっちがコン太郎くん!」ニコニコ

勇者「へえ、そっかそっか。ところで幼女ちゃん…………ちょっと、近くない?」

幼女「?」ニコニコ

幼女「そーかなぁ? ねえ、おねえちゃんのおひざにのっていい?」スリスリ

勇者「あの、何回も言ってるけど、ボク男の子なんだよ?」

幼女「うん、しってるよ?」

勇者「そ、そう……ちなみに名前は勇者だよ」

幼女「そーなんだ! それで、おねえちゃんのおひざにはのってもいいの?」

勇者「……いいよ」

幼女「わーいっ!」ポスッ

勇者「もう。一人っ子だから、甘えんぼさん なのかな?」ナデナデ

幼女「えへ。パパもママも、あんまりおうちにいないから……おねえちゃんと、もっといっしょにいたいな……」キュッ…

勇者(……!!)

勇者(そういえばあの日も、幼女ちゃんのご両親はいなかった。もしかして共働きで、なかなか家に帰れないのかも……)

勇者「だから、弟や妹がほしいの?」

幼女「うんっ! そしたらね、あたしが面倒みてあげるの! それでね、ぜったい、さみしくさせないの!」

勇者「……」

勇者「幼女ちゃんは、えらいね」ナデナデ

幼女「えへへ、そうかなぁ? じゃあ、弟も妹も来てくれるかなぁ?」

勇者「うん、きっとね」

幼女「やったぁ! あ、でも……」

勇者「?」

幼女「おねえちゃんとの子供でも、いいよ?」ジッ…

勇者「」

幼女「……おねえちゃん?」

勇者「あは、あはは。なかなかのジョークだったよ……」

幼女「ジョークじゃないもんっ!」

巫女「勇者様」

勇者「ん?」

巫女「彼女の母上が帰ってまいりました。ご準備を」

勇者「そっか。うん、わかった」

幼女「ママになにか用なの?」

勇者「ん? うん、ちょっとね。世界を救わないといけないから……」ナデナデ

巫女「ですので、少しだけ眠っていて頂きます」スッ

幼女「あ……れ?」フラッ

勇者「よっ、と。ベッドに寝かせて……」ポスッ

勇者「じゃあ、行こうか」

巫女「はい」


〜リビング〜


母「あら? 勇者ちゃんじゃない、どうしたの?」

勇者「え、えと、おじゃましてます。幼女ちゃんにお呼ばれして遊びに来たんですが、幼女ちゃんが寝ちゃいまして……」

母「あらあら、ふふ、あの子ったら」

母「ちょっと待ってて頂戴。いまお菓子を出すわね?」

勇者「あ、お気遣いなく」

母「もう、子供は遠慮なんてしなくていいのよ」クスッ

母「そちらは、ガールフレンドかしら?」

勇者「え!? あ、あぅ……」///

巫女「勇者様のおうちに居候させていただいております、巫女と申します。以後お見知りおきを」ペコッ

母「あら、ご丁寧にどうも。幼女の母です。それじゃ、そっちで座って待っててね」

勇者「はい」

巫女「……勇者様、お知り合いなのでございますか?」

勇者「同じ村だから……でも、ちょっと顔を合わせただけだよ。幼女ちゃんのお母さんだってことすら知らなかった」

巫女「左様でございますか。いえ、それを確認してどうということではございませんが」

巫女「巫女の力で、すでに細工は施し終えております。今頃彼女は、湧き上がる情欲と戦っている頃でございましょう」

勇者「それをボクが突っついてくればいいの?」

巫女「はい。さらに、勇者様の体液によってさらに発情するような細工も致しました。今の勇者様はサキュバスも同然でございます」

勇者「言いたいことはわかるけど、そこはインキュバスって言って欲しかったな……」

勇者「うん、とにかく行ってくるよ」

巫女「ご武運を」


〜キッチン〜


母「はぁ、はぁ……急にどうしたのかしら……私ったら」///

母「欲求不満……? 最近ご無沙汰だったから……」

母「どうしましょう……こんなんじゃ、あの子たちの前に出られないわ……」

勇者「おばさん」

母「!!」ビクッ

母「あ、あら、どうしたの勇者ちゃん……ふふ、待ちきれなかったかしら?」

勇者「うん。もうがまんできないんだ」スッ

母「えっ?」

勇者「」ギュッ

母「っ!? ど、どうしたの勇者ちゃん……おばちゃんをからかうものじゃ、ないわよ……?」

勇者「冗談なんかじゃ、ないよ……?」ギュゥゥ

勇者「ずっと……ずっと、こうしたいって思ってたんだ」

母「———え?」

勇者「前から、おばさんのこと気になってた……こうしたいって思ってた……けど、結婚してるんだからって思ってがまんしてたんだ……」

勇者「でも、もうダメなんだ。がまんできないよ」ギュゥゥ

母「ちょ、ちょっと待って! 私は妻だし、母親なのよっ? それに、もうこんなにおばちゃんだし……」

勇者「そんなこと、関係ないよ」スッ

勇者「」チュッ

母「!?」

勇者「んっ……ちゅっ、んちゅ……」

母「んんっ!? んむっ……!!」

勇者「ぷはっ。……ボク、誰よりもおばさんのこと想ってる……寂しい思いもさせないよ」ジッ

母「け、けど、私には、夫が……」

母「———」ドクンッ…

母(あ……れっ……? なに、この……♡)ゾクゾクッ

母(ほしい……おちんぽが、ほしい……)ソワソワ

勇者「旦那さんとは、よくヤってるの?」スリスリ

母「い、いえ……ここ数カ月、ご無沙汰なの。だから……だからぁ……」トローン ///

勇者(あれ……? おかしいな、幼女ちゃんは、この前、2人がえっちしてるところを見たって……)

勇者(まあ、いっか。あんまり深く考えちゃだめだ。ボクは『最善』を選び続けるんだから……)

勇者「おばさん。服……脱いで?」

母「えっ? こ、ここで……?」///

勇者「うん。できるよね?」

母「……は、はい……わかったわ……///」シュル、シュル…

勇者「きれい……」

母「そ、そんなこと…………んむっ!?」///

勇者「んっ……んむっ、ちゅ、ちゅる……」

母「ん……んん〜〜っ!?」ビクンッ


母(なに、なんなの、これ……!? 勇者ちゃんとキスするたびに、頭がトロトロになっちゃう……!!♡)ゾクゾクッ

母(もうなんだっていい! 気持ちよくなりたいっ! 勇者ちゃんのおちんぽを突っ込んで欲しいっ!!)///

勇者「ねぇ、ほしい?……」カチャカチャ

勇者「……これが」ボロンッ

母(———)プツンッ

母「ほしいっ!! ほしいのぉ!!」ガバッ

勇者「うわっ」ドサッ

母「んちゅっ、ちゅっ、じゅるるっ……!!」ジュポ、ジュポ

勇者「う、あぁ……そんなに激しく……!」

母「おいひぃ、おいひぃのぉ……♡♡」ジュプッ、チュブッ、パチュッ

勇者「んっ……おばさん、かわいい。……動物みたい」ナデナデ

母「ちょぉらい……勇者ちゃんのみるく、ちょぉだい……っ」ジュポッ、ジュプッ、グポッ

勇者「んんっ……おばさん、イク、イクよ? 残さず飲んでねっ?」グッ

母「来てっ! 喉の奥に、ぶちまけてぇっ……!!♡」ジュルッ、ジュプッ、ジュポッ

勇者「イ……くぅっ……っ!!」ビュルルルッ!!

母「んぐぶっ……!! んぐ、んんっ、んくっ……」ゴキュッ、ゴクッ…

母「———っ!?」ドクンッ…

勇者(これで3回目……。もう、えっちのことしか考えられない頭になってるかな……)

勇者「お・ば・さん♡」ギュッ

母「んひっ!?」ビクッ

勇者「旦那さんなんか捨てちゃってさ、ボクといっしょになろ? ……ボクはおばさんを寂しくさせたりなんかしないよ?」ボソッ

母「……っ♡」ゾクゾクッ

母「ら、らめぇ……わたひは……奥さんだかりゃぁ……」トローン

勇者(まだ理性があったんだ……もうガタガタだけど。もう、こんなのヤなんだけど、しょうがないなぁ……)

勇者「じゃあ、もうボクのおちんちん、いらないんだ? 今おばさんのおまんこに当たってるんだけど……いらないんだ?」スリスリ

母「いるっ!……ほ、ほしいぃ……それは、いるのぉ……♡」ビクッビクッ

勇者「わがままなんだね? でもダメだよ。奥さんなら、旦那さん以外のおちんちん挿れちゃだめじゃない? そうだよね?」

母「……そう、だけど……でも、でもぉ……」

勇者「じゃあ、嘘でもいいから、私は旦那よりもおちんちんが大好きです……って言えたら、挿れてあげる……」

勇者「ここに、ね!」グチュグチュグチュッ!!

母「あひっ、あっ、あああぁぁっ……!!♡」ガクンッ、ビクッ

勇者「ほらっ! もっと深いとこまでぐちゅぐちゅかき回して欲しくない?」グチュグチュッ

母「ほしい、ほしいにょぉ……♡♡」トローン

勇者「じゃあ……」ピタッ

母「あっ……」

勇者「聞かせて? おっきな声で……」ギュッ

勇者「ボクはおばさんのことが、世界で一番大好きだよ?」ボソッ

母「…………っ!!」ビクッ

母「……わ、たし……は……」プルプル


母「わたし、は……だんな、より……おちんちんが、だいすきですっ!!」///

勇者「よく言えました」ズブッ!!

母「———くひぃぃぃいい!?」ビグンッ

勇者「あは、挿れただけでイっちゃった。これ、壊れちゃうかな?」パンパンパンッ

母「あぁああ゛あ゛あ゛っ!! おが、おがしくにゃるぅぅううう!!」ガクンッガクンッ

勇者「イキっぱなしだね、おばさんっ……! うっ、締めつけが……」

勇者「おばさん、ほんとにあんまりえっちしてないんだね。おまんこ綺麗なまんまだし……」

勇者「乳首も、ピンク色だね」ギリリッ

母「ひぎっ!?」ビグッ、ビグッ

勇者「またイった。乳首抓られてイクとこも同じなんて……さすが母娘だね」チュッ

勇者「今日は旦那さんが帰ってくるまで……ううん、帰ってきてからも、ず〜っと気持ちよくしてあげるね」ギュッ

母「あっ、あっ、イク、またイクぅぅっ!!」ビグンッ

勇者「聞こえてるのかな……? まあいいや」

勇者「旦那よりもボクのおちんちんの方が大事って言えるたびに、気持ちよくしてあげる」

勇者「言えなかったら、ずっとお預け。ずぅ〜っとね。自分でイクのもダメ」

勇者「はい、今から始め」ズルルッ 

母「ああっ……!」

勇者「そんな悲しそうな顔しないで? あの言葉を言えばいいだけなんだから。……それだけで、頭の中がパチパチするくらい気持ちよくしてあげる」

勇者「もう、人間に戻れないくらいに。おちんちん以外なにも考えられないようにしてあげる」グリッ

母「あぎっ!?」ビグッ

勇者「じゃあ、おばさんの覚悟が決まるまで、ボクはあっちで……」スタスタ

母「まってっ!」

勇者「……」ピタッ

母「……」プルプル

勇者「自分で足を、めいいっぱい開いて……すっごくえっちなポーズだね」

勇者「それで……どうするの?」

母「……っ」

母「私は———」



〜幼女の家・夜〜


父「ただいまー」ガチャッ

父(今日は家にいるのか。ってことは明日は1日中いないから……またできるな)

父「ん? なんかリビングが騒がしいな。靴も多いし……お客さんか?」


扉「 ガチャッ


父「ただいm…………えっ?」

母「おが、おがえりなしゃい、あにゃたぁ♡♡」

母「でも……あひっ……お夕飯は、んっ、まだ、作ってないのぉ……」

母「わたし、もう、このおちんぽ無しじゃ生きられないからぁぁぁ……」ビグッ、ビグッ

母「しあわせ、わたし、いま、とっても幸せにゃのぉぉ……♡」

父「」ヨロッ

幼女「……」ズポズポズポ

母「くひぃぃぃい♡♡ 幼、女、激ししゅぎぃいっ!!」ビグンッ

幼女「……」ズポズポズポ

父「これは……なんだ……!?」

勇者「幼女ちゃんは催眠で操ってますけど、奥さんは自分の意思でこうなったんですよ?」

勇者「どう、おばさん? おもいっきりソファで開脚して、旦那さんにボクと繋がってるとこ丸見えにされて……」

勇者「娘にお尻の穴責められて、どんな気持ち?」

母「き、きもちぃれすっ!!」

勇者「こうやって乳首抓られるの大好きなんだよね?」ギュゥゥ!!

母「んあああ゛あ゛っ!! だいしゅきぃ! イク、イグ、イッグぅぅううううっ!!」プシャァァアアア

娘「……」ピチャッ

勇者「あーあ、娘にかけちゃって……いけないんだ」ギュリッ、ギュゥゥ、グリッ

母「はひっ、ごめんにゃさいぃぃ♡ あっ、あっ、ちくびぃ、とれちゃう……♡♡」ビグッ、ビグッ

父「……っ」


母「あなたぁ、ごめんにゃさいぃぃ……もうわたし、この人のものだからぁ……」トローン ///

母「この人は、わたしを、さびしくさせないからぁ……」///

父「う、わ……」フルフル

父「うわああああっ! ああああああああっ!!」ガチャッ

父「」ドタドタドタッ バタンッ!!

勇者「…………」

勇者「どう、巫女ちゃん? 『課題』は達成?」

巫女「そのようでございますね。『安価絵日記』の魔力が落ち着きましたので」

勇者「そっか……はぁ」ズルルッ

母「あっ……」

母「おそうじ、お掃除しましゅ……」ペロッ、クチュッ

娘「……」ズポズポズポ

母「んんっ!! あっ、あっ、またイク、イクぅうううう!!」ビグンッ ビグッ

母「」バタッ

母「はーっ♡ はーっ♡ ……しあわせ、しあわせれすぅ……」ヒクヒク

娘「……」ズポズポズポ

母「お゛お゛っ……あっ……」ビグンッ ビクッ

勇者「もういいよ、幼女ちゃん」

娘「……」ピタッ

巫女「さて……あの彼にも、しばらくしたら洗脳状態で家に帰ってきて、ベッドで寝るように暗示をかけてございます」

巫女「これですべて、夢ということになるでございましょう」

勇者「はぁ……もう、疲れた」グテッ

巫女「1日中、発情した彼女を調教してございましたからね。お疲れ様でございました」

勇者「うん……後片付けして帰ろう」

巫女「はい」

勇者「……これでよかったのかなぁ……世界のためとはいえ……」

巫女「勇者様。わたくしが初日に説明したことを覚えておいででございますか?」

勇者「?」

巫女「すべては『最善』なのでございますよ。世界にとっても、個人にとっても」



〜勇者の家・翌朝〜



扉「 コンコン


勇者「? だれだろ?」トテテ


扉「 ガチャ


母「おはよう、勇者ちゃん」ニコ

勇者「あ、おはようございます、おばさん。おひさしぶりです」

母「……そうよねぇ、お久しぶりのはずなのよねぇ……」

勇者「っ」ドキッ

母「昨日ね、私たち家族3人の夢に勇者ちゃんが出てきたのよ」

勇者「へ、へぇ……どんな夢だったんですか?」

母「あ、ぅ、それは言えないけど……」///

母「とにかく、そのおかげで、うちの旦那の浮気が発覚して大変だったのよ」

勇者「浮気……?」

勇者(あっ! おばさんがご無沙汰なのに、幼女ちゃんが夜中にえっちを見たっていう……!!)

母「けど、それって今朝旦那から言い出してきてくれて、浮気相手ともすっぱりわかれて土下座されちゃったのよ」

勇者「それで旦那さんは、おばさんに寂しい思いをさせていただろうと言って……」

母「そうそう、すぐに寝室へ……って、なにを言わせるのよ、もうっ」///

母「悪夢のショックで新しいプロジェクトの妙案も浮かんだらしくって、それが成功すれば職場で部下を持てるようになるんですって。これでもう、私は働かなくてもよくなりそうだわ」

勇者「幼女ちゃんも、寂しい思いをしなくてすむわけですか」

母「……ええ、ほんとにあの子には……今まで寂しい思いをさせちゃったわ。……あら、なんで幼女のことを……?」

勇者「あ、あははっ! 今までの分、一緒にいてあげないと、ですねっ!」

母「ええ、そうね。これからは、今までの分まで家族一緒の時間を過ごそうと思うわ。今度3人で動物園に行くことになってるのよ」

勇者「それはよかったですね」

母「ふふ、これも全部、勇者ちゃんのおかげよ♪」

勇者「夢の中の、ボクですけどね」

母「そういうわけだから、はい、これ。和菓子を作ったから、食べて頂戴?」ニコッ

勇者「ありがとうございます」

母「それじゃあ、またねっ!」


扉「 バタン




勇者「……」

巫女「よかったでございますね、勇者様。これで……」

勇者「……」ポロポロ

巫女「勇者様……?」

勇者「よかったぁ……ボク、世界のために……グスッ……あの家族に、ただひどいことをしちゃったのかもって……」ポロポロ

巫女「……勇者様は、お優しすぎでございます」ニコ

勇者「あの旦那さんの顔が……ヒック……頭から、離れなくって……」グスッ

巫女「だから、昨日はあまり眠れなかったのでございますか?」ギュッ

勇者「……っ」コクッ

巫女「すべては『最善』へと向かっているのでございます。大丈夫、大丈夫でございますよ」ポンポン

勇者「うん……、ありがと、巫女ちゃん」ギュゥゥ

巫女「さぁ、朝食も食べ終えたことでございますし、『安価絵日記』を確認致しましょう。朝しかできないことだったら、困りものでございますからね」

勇者「……うんっ」コクッ

勇者「今日の頁は……」パラパラ

勇者「これだねっ」






——————・・・


10ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。


↓+5までで、5つ埋まらなかった場合は12時25分まで。コンマ下2桁が00に近いものを採用。



安価絵日記『最近近くで暴れている山賊(女)を退治(意味深)』



勇者「……山賊、かぁ」

巫女「イラストの山賊は、どうして勇者様の靴を舐めているのでございましょうか」

勇者「この(意味深)っていう注釈が腹立たしいね……」

巫女「この辺りで山賊がいるという話はご存知でございますか?」

勇者「うん。この辺りじゃそこそこ有名だよ。そこの山を通ると、あれよあれよと身ぐるみ剥がされちゃうんだって。だからあそこを通らなくちゃいけない商人さんたちは困ってるらしいんだ」

勇者「ボク、勇者なんだから、なんとかできたらって思うんだけど……ボクは弱いから……」ウルッ

巫女「それも今日まででございます。件の山賊を退治し、この一帯に勇者様のお力を示しましょう」

勇者「ええっ!? いいよ、そういうのは……こっそり退治しちゃお?」

巫女「勇者様には、功名心や名誉欲はないのでございますか?」

勇者「いいんだ、ボクは。誰よりも弱くていいんだよ……強くちゃいけないんだ」

巫女「?」

勇者「なんにしても、山賊は許せないね。いこっか、巫女ちゃん」ザッ

巫女「承知致しました」スッ


〜山賊の山〜


勇者「退治って、具体的にどうすればいいんだろ?」

巫女「身も蓋もない言い方をさせていただけば、手っ取り早いのは殺害でございましょう」

勇者「そ、それは……」

巫女「はい、それはもちろん勇者様にできるはずもございませんので、ここは無難に近隣の村の警備に引き渡すのがよろしいかと」

巫女「無論、今まで好き勝手暴れてきた山賊風情が、しかも女が、どのような仕打ちを受けるのか……想像は容易でございますが」

勇者「……そういう、ものなの?」

巫女「ここら一帯に名を馳せるくらい暴れていたのなら、相応の仕打ちをしなければ、怯えてきた民衆は納得致しません」

巫女「物騒な言い方をしてしまえば、『処刑』でございますね。心の処刑」

勇者「……」ブルッ

勇者「なるべく、話し合いで解決したいな」

巫女「またそのようなことを……事ここに至って、話し合いで解決できるような人格を望むのは無謀でございます」

勇者「で、でもぉ……」

巫女「……まあ、試すだけならタダでございますね」

勇者「!!」パァ

勇者「えへ、巫女ちゃん大好き!」

巫女「…………ズルイ方です、勇者様は」ボソッ ///



山賊「やいやいやいっ!!」



勇者「!」

巫女「!」

山賊「ここを通るたぁ、なかなか肝の据わったお嬢ちゃんたちだねぇ!」

山賊「お望み通りに素っ裸にしてやるから覚悟しな!!」

勇者「もしかして、あの人かな?」

巫女「女性、山賊、そしてこの山。イラストの外見とも一致してございますので、間違いないかと」

勇者「そっか。じゃあ巫女ちゃん、おねがい」

巫女「どの能力で、身動きを封じたものでございましょうか」

勇者「幼馴染を痴漢したときの能力でいいんじゃないかな?」

巫女「承知致しました」

山賊「オイ!! この私を無視するたぁいい度胸じゃねぇか!」

山賊「身の程を思い知らせてやるぜっ……!!」ギュオッ!!



・・・・・・



山賊「……」ボロッ

勇者「それで……このおねえさん、どうしよっか?」

巫女「話し合いで解決、という勇者様のお慈悲も無駄でございましたね」

巫女「自業自得でございますので、このまま簀巻きにしてどこかの村に投げ込みましょう」

山賊「ナニモンだ、お前ら……私が手も足もでないなんて、こんなことが……」

勇者「このおねえさん、えっちな体してるから……あぶなくないかな?」

巫女「最低限食事は与えてもらえるはずでございます。山賊稼業の報復としては、まだマシな方でございましょう」

山賊「オ、オイ、なに物騒な話してんだお前ら……!?」

勇者「なんとか更生させられないかな?」

巫女「思っていたよりずっと屑な人格でございましたし、無理なのでは?」

山賊「する! 更生するよ! だから見逃してくれ!!」

勇者「うーん。ちょっと信じられないかも。……どう思う?」

巫女「ダウト、でございます」

勇者「ぎるてぃーだね」

巫女「このままこの場所に放置しておいても、この外見でございますから山賊だと気がつかれるでございましょう」

勇者「いちおう、『山賊です』って張り紙しとこっか」

巫女「男に見つかったら悲惨な目に遭うでございましょうね」

勇者「熊に見つかるよりはいいんじゃないかな?」

山賊「ほ、ほんとに更生する!! なんでも言うこと聞くから、助けてくれ!! 頼む、お嬢ちゃんたち!」ジタバタ

勇者「ん〜…………」

巫女「如何いたしましょう? わたくし的には、完全にダウトなのでございますが」

巫女「『なんでも』言うことを聞くらしいでございますよ? ここは『安価絵日記』のイラストのように……」

勇者「ええ〜っ!? アレやるの!?」///

山賊「……?」

巫女「心の底から更生するつもりなら、できるはずでございましょう」

勇者「ん〜。まあ、ついでに洗脳もしておこっか。おねがいね、巫女ちゃん」

巫女「承知致しました」

勇者「ってことで、はい」スッ

山賊「……オイ、なにしてんだ……足なんか向けて」

勇者「舐めて、きれいにして」

山賊「ハァ!?」


巫女「なんでも言うことを聞くのでございましょう。それを試させていただきます」

山賊「グッ……く、こんな、こんなこと……」プルプル

勇者「べつに、無理してやらなくってもいいよ?」

山賊「う、うるせぇ!」

山賊「や……やってやらぁ……」///

山賊「んっ……」ペロッ、ペロ…

巫女(悪意や攻撃の意思を胸に秘めた瞬間、強烈な目眩に襲われるように……洗脳)

巫女(……ついでに、他人に靴を舐めさせてもらうこと以外で満足感や性的快感を得られないように……洗脳)

山賊「んぅっ!?」ビクン ///

勇者「どうかした?」

山賊「な、なんでもねぇよ!!」///

山賊(なんだ……この感じ……)///

山賊「んっ、はっ、れろっ、ちゅ……」

勇者「……」ジー

山賊「ハァ……ハッ、ハァ……」///

山賊(なんで、こんな……おかしいだろ……!?)

山賊(靴舐めさせられて……気持ちいいなんて……!!)///

山賊(ヤバ……もぉ、イ、イk)///

勇者「うん、もういいよ」スッ

山賊「えっ……!?」///

勇者「?」

山賊「いや……なんでも、ねぇよ……」カァァ ///

勇者「じゃあ、拘束を解いてあげるね」シュルシュル…

山賊「……」

巫女「仕込みは終了致しました。『安価絵日記』の魔力も落ち着きましたし、帰りましょう勇者様」

勇者「うんっ!」

勇者「じゃあね、山賊のおねえさん。もう悪さしちゃだめだよ?」

山賊「……あぁ……わかってるよ……」プルプル ///



〜勇者の家〜



勇者「巫女ちゃーん」

巫女「なんでございましょう?」

勇者「幼馴染に聞いたんだけど、山賊のおねえさんが、あの山でなんかやってるらしいよ?」

巫女「? ……しかし『安価絵日記』によれば、もう退治は終わったはずだと……」

勇者「ううん、山賊稼業じゃなくって。……もともとあの山は野獣とかが多くて、商人さんたちもあんまり通りたくなかったんだって」

勇者「でも、あの山を通らないと近くの町まですっごく遠回りなっちゃうから、いやいや通ってたらしいよ」

巫女「そこへ山賊が現れて、さらに危険な山になっていた……と」

勇者「けど山賊のおねえさん、今度は奪ったものをなるべく返しながら、ボディーガードみたいなことをしてるんだって。野獣や魔物から商人さんたちを守って、その見返りをもらうってかんじらしいよ?」

巫女「あの山賊、腕は悪くなかったようでございますからね。なるほど、そのようなことを始めたのでございますか」

勇者「けど、ちょっと変な噂もあるんだって」

巫女「変な噂……でございますか?」

勇者「山賊のおねえさんが要求する見返りはお金じゃなくって、食べ物と、それから…………」

勇者「靴を舐めさせろって言うらしいよ」

巫女「……」

勇者「なんでなんだろうね? ボクのあれで、へんなスイッチが入っちゃったのかなぁ……?」

巫女「……」

巫女「山賊の考えることは、さっぱり理解が及ばないものでございますね」ニコッ


〜勇者の家・翌朝〜



勇者「んみゅ……?」パチ

勇者「おふぁよ……みこちゃん……」ウトウト

巫女「おはようございます、勇者様。起こしてしまいましたか」

勇者「……おそうじ?」

巫女「はい。勇者様が眠っていらっしゃるので、拭き掃除だけでございますが」

勇者「ごめんね巫女ちゃん、そんなことまでやらせちゃって。ボクも手伝うよ」

巫女「いえ、お気になさらず。それより朝食を持ってまいりますね」スッ

勇者「……」

勇者「巫女ちゃんはいい奥さんになりそうだなぁ……」

勇者「……」

勇者「」///

巫女「お待たせ致しました。…………勇者様? 熱でもおありになるのでございますか? お顔が……」

勇者「う、ううん!? ちょっと変なこと考えちゃっただけだからっ!」

勇者「さ、さーて、今日の『安価絵日記』はっと……!!」アセアセ

巫女「?」

勇者「ええっと……?」パラパラ






——————・・・


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巫女とデート

やる気のない鍛冶屋の一人娘に、立派な鍛冶屋になる決意をさせる

@も「>>141」が一番近いなって一瞬思ったけど、言われてみれば「>>140」も近いっちゃ近いなと思ったので、「>>140」で。


安価絵日記『巫女とデート』


勇者「———デっ……デートぉ!?」

巫女「!」

勇者「デートって……それは、その、恋人同士が、やるもので……」///

巫女「すでに肉体関係でもあるというのに、今更でございますね」

勇者「あぅ……」///

巫女「良いではございませんか、今までのものに比べれば平和的で」

勇者「そ、そうだね、そうだよね。一緒にいるだけでいいんなら楽だね」

巫女「……しかしわたくし、こういったことには疎いので、どうすればいいのか……」

勇者「ボクも、こういう経験ないから……」

勇者「とりあえず、誰かに聞いてみよっか」

巫女「はい」



幼馴染「は?」ピキピキ

勇者「いや、だからデートってなにするのかなぁって。幼馴染なら、そういう経験あるでしょ?」

幼馴染「……殺されたいの?」パキッ ボキッ

勇者「ええっ!?」

巫女「やはりこの女に聞くのは間違いだったのでございます、勇者様。ほかを当たりましょう」

巫女「どうせ体の関係だけ密接で、デートなどしたことがないのでございましょう」

幼馴染「はぁああああああっ!?」ビキビキ

勇者(それ、ボクらにブーメランなんだけどなぁ……)

幼馴染「デ、デートくらいしたことあるわよっ!! あれでしょ、手を繋いでぶらぶら歩いたり、買い物したり、綺麗な景色みたり!!」

勇者「わあ、なるほど……たしかにそれっぽいね」

巫女「そんなものが楽しいのでございましょうか?」

勇者「好きな人となら、なにしても楽しいってやつなんじゃないかな?」

巫女「なるほど」

幼馴染「それで……その……なんで急にそんなこと聞いてきたのよ?」チラッ

勇者「いや、えっと、うん。なんでもないよ」

巫女「聞くことは聞きましたし、行きましょう勇者様」ギュッ

勇者「あっ……手を……」///

勇者「う、うん」キュッ ///

幼馴染「」

勇者「えっと、ありがと幼馴染。助かったよ。ばいばい!」ニコッ

幼馴染「」

巫女「手、暖かいのでございますね」スタスタ

勇者「えへ、昔からよく言われるんだぁ」スタスタ



巫女「なんとはなしに歩いてはいるものの……特にどうということはございませんね」

勇者「……」

巫女「勇者様?」

勇者(さ、さっきから、ボク、すっごくどきどきしちゃってる……)///

勇者(顔……赤くなってないかなぁ……)///

勇者「」チラッ

巫女「?」

勇者(巫女ちゃん、べつに気にしてないみたい……もしかして、ぜんぜんなんとも思ってないのかな……?)ズキ…

勇者(ううん……ふつうは、そう、だよね……今までのことだって、『安価絵日記』の『課題』だから、えっちとかもしてたわけで……)

勇者(魔物1匹倒せないボクなんか……)ウルッ

勇者「っ」フイッ

巫女「勇者様? どうかなさいましたか?」

勇者「な、なんでも、ない……」

勇者「……ご、ごめんね、なんかボクばっかり変に意識しちゃって……そうだよね、これは『課題』なんだもんね……」

勇者「」パンパン

勇者「よし、がんばってデートするぞっ!」

巫女「……」



巫女(意識って……もしや勇者様、こうやってわたくしと手を繋いで歩いていることで……)

巫女(それって、つまり……)///

勇者「そうだよね、『課題』なんだもんね。……変に意識するのは、おかしいもんね」ブツブツ

巫女(……『課題』だからデートしてる……)ズキ…

巫女(どうしてでございましょう……さっきまでなんともなかったのに……)

巫女(とても……嫌な気分……)

勇者「巫女ちゃん?」

巫女「は、はいっ!?」

勇者「ごめんね……すぐ、終わるようにがんばるから」ニコ…

巫女(……!!)

巫女(……なんて、ぎこちない笑顔……。そんなにわたくし、つまらなそうな顔をしていたのでございましょうか……)

巫女「い、いえ、時間はたっぷりあるのでございますから、ゆっくりとデートを楽しみましょう!」

勇者「……うん……ありがとね」

巫女(ち、違うのです勇者様……。わたくし、そんなつもりでは……)

勇者「……もう、手はつながなくていっか……」スッ

巫女「あっ……」

勇者「……」

巫女「……」


〜隣町〜


勇者「やっぱりうちの村なんかより、ずっとりっぱだね」キョロキョロ

巫女「左様でございますね。ここで買い物をするのでございましょうか?」

勇者「うん、そうしよっか。なにかほしいものはある?」

巫女「いえ、特には……」

勇者「……うん、そうだよね。ボクら、さっきデートしようってなったんだもんね」

勇者「でもね、ボクは買い物をするためだけに町にきたんじゃないんだよ?」

巫女「?」

勇者「ほら、あそこ」スッ

巫女「……なるほど」

勇者「ね? 『いかにも』ってかんじのカップルが歩いてる。あの人たちをマネしながら町を歩いてみよっか」

巫女「流石は勇者様でございます」

勇者「えっへん! ……えへへ」

巫女(相変わらず、笑顔はぎこちないままでございますが……)ズキ…


・・・・・・


男「あ〜ん♪」スッ

女「あ〜ん♡」パクッ

男「おいしい?」

女「男くんが食べさせてくれたから、最高っ!」

男「こいつぅ〜」



勇者「……あれってほんとにお手本とすべきカップルなのかな?」

巫女「……」

巫女「あ、あ〜ん」スッ

勇者「えっ!? ボクが食べさせられるの!?」

巫女「勇者様、これは意外に恥ずかしいので、できれば早く食べていただきたいのでございますが……」///

勇者「あ、うん、ごめんねっ!」

勇者「あ〜ん」パクッ ///

巫女「お味はどうでございましょう?」

勇者「……」モグモグ

勇者(は、はずかしいのと緊張で、味なんてわかんないよぉ……)///

巫女「……」

巫女「やはり、こういったことはカップルでないと楽しむことはできないのでございますね……」

勇者「!!」

勇者「あ……あ〜んっ」スッ

巫女「え?」

勇者「あ〜んっ!」///

巫女「……あ、あ〜ん」パクッ ///

巫女「……」モグモグ

勇者「どう? 味、わかる?」

巫女「い、いえ。正直、あまり」

勇者「だよね。ちょっと、緊張しちゃって……」

巫女(そういうことでございましたか……わたくし、深く考えもせず早とちりを……)

勇者「えへ。でも、どきどきしちゃった……ちょっと、こういうのっていいかも」ニコッ ///

巫女「!!」

勇者「?」

巫女「……よかった」ニコッ

巫女(いつもの、笑顔だ……)




女「これカップル限定ドリンクだって! ね、飲んでみようよ!」

男「そうだな。すいませーん! このカップル限定アツアツラブラブドリンクくださーい!」



勇者「……オーダーするのが拷問みたいな名前だね……」

巫女「店員を呼んでから、こっそりオーダー致しましょう」

勇者「そうだね。……すみませーん!」

店員「はーいっ!」トテテ

勇者「えっと、追加のオーダーで……この……カップル限定アツアツラブ……ください」

店員「はい、かしこまりました! カップル限定アツアツラブラブドリンクでございますねっ!!」ニコッ

勇者(いやあああああああああああっ!!!)ガバッ ///

巫女「……」///

店員「あれれ? 申し訳ございません! こちら、カップル限定でございますので、女性同士でのご注文はご遠慮させていただいております」

勇者「あの……ボク、男ですから」

店員「ええっ? またまたぁ〜。うふふ、まあ、そういうことにしておきましょう! 性癖は人それぞれですのでっ!」ニコッ

勇者「…………」

店員「では、少々お待ちくださいねっ!」

店員「オーダー入りまーす! カップル限定アツアツラブラブドリンク1つー!」

勇者「〜〜〜っ!!!」プルプル ///

巫女「……っ」///


・・・・・・


勇者「なかなかこないね、あのふざけたドリンク」

巫女「はい。もう結構待っていると思うのでございますが……」

勇者「あっちは……」チラッ

勇者「あれ!? もういなくなってる! 飲みおわって帰っちゃったんだ!」

巫女「早く追わなければ、カップルらしい行動をトレースすることができなくなってしまいますね」

勇者「うぅ〜、ドリンクなんて、すぐできちゃうでしょ……? なにしてるんだろう……」ソワソワ

店員「大変お待たせしましたぁ〜! カップル限定アツアツラブラブドリンクでございまーす!」コトッ

勇者「……っ」///

巫女「もうだいぶ慣れてきたでございます……」

店員「ご注文はお揃いでしょうかぁ? では、失礼しまぁす!」トテテ

勇者「……これが、カップル限定アツアツラブラブドリンク……」

巫女「これ、ただのグラスに注がれたピンク色のジュースにしか見えないのでございますが」

勇者「ボクにもそう見えるよ。どうやって飲むんだろ、これ。なにかカップルらしい飲み方があるんだろうけど……」

巫女「たしかに……ただ回し飲みするだけでは、カップルらしいとは言えませんね。相手に飲ませる、というのは?」

勇者「それぜったいこぼしちゃうよね……う〜ん、カップルらしい……恋人らしい……」

巫女「!」

勇者「なにかわかった?」

巫女「いえ、あの……」///

勇者「?」

巫女「……」///

巫女「……口移し……とか」///

勇者「……!!」


勇者「いやいやいや! それは……」

勇者「……いや、う〜ん……でも、もしかしたら……」

巫女「……」

巫女「っ」グビッ

勇者「巫女ちゃん!?」

巫女「んっ」

勇者「え、えと、えっと、あの……」///

巫女「んっ!」///

勇者「……よ、よし、ボクらはデート中なんだからっ!」スッ

勇者「んっ」チュッ ///

巫女「んむっ、ちゅっ……」チュクチュク

勇者「んくっ、んっ」ゴクッ、ゴクッ

勇者「ぷはっ……」

巫女「ど、どうでございましたか?」///

勇者「う、うん……なんていうか、巫女ちゃんの味っていうか……そんなかんじかな」///

巫女「では、次は……」

勇者「うん……」スッ

店員「あのぉ……」

勇者「!?」

巫女「!」

店員「も、もうしわけございません……こちら、専用のラブラブストローでございます……」

店員「こちらで飲んでいただくのが、このドリンクの仕様と申しますか……」

店員「ですので、あの……口移しは、ご遠慮下さい……」///

勇者「出よう、巫女ちゃんっ!!」ガタッ ///

巫女「はい、今すぐにっ!!」ガタッ ///



勇者「あぅ……あのカップル、見失っちゃったね」

巫女「左様でございますね。これはもう、自分たちで考えてみるしかなさそうでございます」

勇者「『安価絵日記』はどう? もう十分いちゃいちゃしたんだから、魔力はおさまってるんじゃないかな?」

巫女「! ……えっと」

巫女「……」

巫女「まだ、でございますね」

勇者「ええ〜!? こんなにがんばったのに!」

勇者「どうすればいいんだろう……キスだってしたのに……」ズーン

巫女「……」チラッ

巫女「やはり、途中で手を離したのがいけなかったのかと」

勇者「うぅ、やっぱりそれかなぁ。ごめんね、迷惑かけちゃって……」

巫女「いえ、迷惑だなんて。……あるいは、手をつなぐよりも」ギュッ

勇者「わわっ!?」///

巫女「あのカップルのように、腕を繋ぐほうが効果的かもしれません」

勇者「そうだね、あんまり時間もないし、恥ずかしがってもいられないかぁ……」ギュッ

巫女(!!)///

勇者「よぉし、ここからは考えられるかぎりのイチャイチャをつくすぞーっ!」

巫女「はい、勇者様」ニコ

巫女(……)

巫女(……申し訳ございません、勇者様……)

巫女(『課題』が未達成だ、などと嘘をついてしまって、申し訳ございません)

巫女(わたくしは、悪い子でございます……)ギュゥゥ ///



〜夕陽の丘〜


勇者「どうかな、ここからの眺めは?」

巫女「……きれい……」ポー ///

勇者「えへ。気に入ってもらえてよかった」ニコ

勇者「ちょっと歩いてくるのはしんどいけど……ここから見える夕陽は、思わずうっとりしちゃうでしょ?」

勇者「ここは、ボクと、親友と、幼馴染。3人しか知らない絶景スポットなんだ」

巫女「!」

巫女「」ギュッ

勇者「……巫女ちゃん?」

巫女「……」

巫女「今度は、わたくしと勇者様、2人しか知らない場所を作りましょう……!」ギュゥゥ ///

勇者「……巫女ちゃん、顔赤い」

巫女「夕陽のせいでございますから……」///

勇者「えへ。そっか」

勇者「たぶん、デートの最後で、こんな美しい場所に来たなら……」

勇者「恋人同士は、きっとこうするんじゃないかな……巫女ちゃん」ギュッ

巫女「……勇者様」スッ

勇者「……」スッ


〜勇者の家〜



勇者「無事『課題』達成できてよかったぁ……。あそこまでやらなきゃいけないなんて、けっこうシビアだったね」

巫女「そ、そうでございますね」フイッ ///

勇者「?」

勇者「そういえば村に帰ってきてから、ボクらを見るみんなの目が、なんかおかしくないかな?」

巫女「特に、あの女が憎しみの視線を送ってきておりましたね」

勇者「なんだったんだろ? もしかして、手をつないだまま帰ってきたからかな?」

巫女「あまり気にするようなことでもございませんよ、勇者様」

勇者「う〜ん。そっかなぁ」

勇者「まぁ今日はたくさん歩いて疲れたし、早めに寝よっか」

巫女「はい」



・・・・・・



勇者「ほんとに寝ちゃうんだもんなぁ、巫女ちゃんったら」

巫女「……」

勇者「はぁ……やっぱり意識してたのはボクだけかぁ……」

勇者「あれは『課題』を達成するための演技……ってことか。あんなに熱演されちゃ、そりゃ勘違いしちゃうよ……」ナデナデ

巫女「……」

勇者「えへ。でも、演技でも…………ちょっと、嬉しかったな」

勇者「おやすみ、巫女ちゃん」カチッ

勇者「……」

巫女「……」

巫女(おやすみなさいませ、勇者様……)///



〜勇者の家・朝〜



勇者「……はぇ?」パチ

巫女「スー…スー…」ギュゥゥ

勇者「巫女ちゃん……? ボクに抱きついて寝てる……意外と寝相悪いのかな?」ナデナデ

巫女「んぅ…………だい、すき……」ニヘラ

勇者「っ!?」ドキッ

勇者(うわー、うわー! 巫女ちゃんの笑顔かわいいっ!!)///

勇者(いつもはクールな感じで、だから笑顔も控えめなことが多いんだけど……)

勇者(今のは年齢相応にだらしなくって、すごかった……写真におさめたい)

勇者(……誰に大好きって言ったのか、すっごく気になるけど……ボクが気にしていいことじゃないよね……羨ましいなぁ、その人)

巫女「……ん……」パチ

勇者「あっ……おはよう、巫女ちゃん」

巫女「ゆぅ……しゃ、さま……」ポー

巫女「……」

巫女「!?」ガバッ

勇者「わっ!?」ビクッ

巫女「ももももうしわけございません、勇者様っ!!」///

勇者「え、いや、だいじょうぶだよ?」

巫女「す、すぐに朝食の準備をばっ!!」ダダッ

巫女「ひゃああっ!?」ガッシャーン

勇者「巫女ちゃーん!?」

勇者「……」

勇者「かわいいなぁ」ボソッ

勇者「……あ、そうだ。今日の『安価絵日記』を確認しとこっと」バサッ

勇者「今日は、13頁か」パラパラ

勇者「ええっと……?」





——————・・・


13ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。


↓+5までで、5つ埋まらなかった場合は19時10分まで。コンマ下2桁の数字が小さいものを採用。

うおお、書き終わらんです。投稿は明日の午前になると思われます。

と、思ったけど、もういいや。すいません、投下しちゃいます。


@は「読むSS」は欝展開嫌いだけど、「書くSS」は欝展開上等です。

だから無謀な安価とかだと、普通に死人が出る可能性もあるので注意。


安価絵日記『大人数のために少人数を切り捨てる正義の味方になれ』



勇者「……?」

勇者「なに、これ……」

勇者(切り捨てるって……見捨てるってこと? 誰かを見捨てるのに、正義の味方なの?)

勇者(それって、勝つためには手段を選ばない、みたいなものじゃないのかな……)

勇者(このイラストは……病院? 監獄? この浮かんでるのはなに……?)

巫女「勇者様?」

勇者「巫女ちゃん、これ見て」

巫女「今日の『課題』でございますか?」スッ

巫女「……これはまた、いつになく抽象的でございますね」

勇者「どうすれば、『課題』を達成したって言えるんだろう?」

巫女「実際にその状況に出くわし、『課題』の指示通りの決断を行えばよろしいかと」

勇者「でも、これがどこの建物かなんてわからないし……」

勇者「あっ」

巫女「はい」ニコ

巫女「そのための、巫女の力でございますよ。勇者様」


〜呪われた町〜



勇者「……巫女ちゃん、ここ?」バサッ、バサッ

巫女「そのはずでございます」

勇者「町全体が薄暗いね……まとわりつくような霧……」バサッ、バサッ

勇者「とりあえず、降りてみよっか」ヒューン

勇者「よっと」バサバサッ!

巫女「っ」スタッ

巫女「町の住人たちがこちらを伺ってございますね」

勇者「あはは……翼を生やした男が降り立ったら、それは気になるだろうけどね」バサッ

勇者「んんっ……!!」シュルシュルッ

勇者「よし、翼もしまったし、病院をさがそっか」

巫女「はい。上空から見た限りでは、あちらの方角かと」

勇者「うん、行ってみよう」



〜病院〜


巫女「まるで廃病院でございますね」

勇者「ぜったい夜には来たくない場所だね……」

勇者「え〜っと……どっちに、イラストの病室と患者がいるのかな?」キョロキョロ

巫女「勇者様、あれをご覧下さいませ」

勇者「?」


『関係者も立ち入り禁止』


巫女「よほど入られたくない場所のようでございますね」

勇者「……みたいだね。行ってみよう」

看護婦「そっち行っちゃだめーっ!!」

勇者「!?」ビクッ

巫女「?」

看護婦「そうだな、もし、そんなことになっては大変だ……」

勇者「え? え? 誰と話してるの?」キョロキョロ

巫女「周囲には誰もおりません。独り言……でございましょう」

看護婦「ひどいなぁ、独り言だなんて! こんなにたくさん『いる』のにー!」ニコニコ

勇者「!? ボクたちともしゃべってたんだ……」

看護婦「まあ、私のこんな姿を見て怯える気持ちはわかるけどね!」ニコニコ

勇者「……巫女ちゃん、なんのこと言ってるのかわかる?」

巫女「いいえ……わたくしには、彼女がただの美少女ナースにしか見えないでございます」

勇者「ボクも……」

勇者「ねえ、看護h」

看護婦「うるさァァァいッ!!!」

勇者「ひっ!?」ビクッ

巫女「!!」ビクッ


看護婦「今、私たちが喋っているのだ!! ゴチャゴチャ口を出すなッ!!」


看護婦「…………」

看護婦「ごめんね、みんなうるさくって。それで、おねえさん、今、何を言いかけてたの?」ニコッ

勇者「え? えっ……?」

巫女「勇者様、この娘、普通ではありません。まともに相手をすると日が暮れるでございます」

巫女「1つ、お尋ねしたいのですが……この病院で、一番危険な患者はどちらにいらっしゃいますか?」

看護婦「うん、それはもちろん、そこの『関係者も立ち入り禁止』の廊下の先……あの開かずの病室だよっ!」ニコニコ

巫女「どうにかしてお会いすることはできませんでしょうか?」

看護婦「うるさいと言っているだろう!! ……しかしまあ、たしかにその通りだ」

看護婦「おねえさん。あの子に会うなんて、自殺行為以外のなにものでもないよ?」

巫女「どのような症状なのでございましょう?」

勇者(よくふつうにお話できるなぁ、巫女ちゃん……。あの人、目がやばいよ……ボクたちの『向こう』を見ちゃってる……)

看護婦「えっとね、なんか不思議生物に変わっちゃう呪いにかかってるんだっ!」

看護婦「なに? いや、そんなことはないだろう。……うるさいな、黙っていろ」

看護婦「それでね、その不思議生物の呪いは、呪いにしては珍しく『感染』するの! だから閉じ込めとかないといけないんだよ!」

巫女「呪いが……感染?」

看護婦「なんて言うんだっけ? ……ん? ああ、そうだったな、すまない。接触感染って言うらしいよっ! 触ったらダメなのっ!」

勇者「えっと、とにかくこの先に、その呪いの子がいるんだよね?」

勇者「巫女ちゃんは危ないからここで待ってて。巫女の力で無敵状態のボクだけで行ってくる」スタスタ…

巫女「お気を付けてくださいませ」

看護婦「わかっている!! ねえおねえさん、危ないよ!? ほんとにやばいんだって! 病室の扉を開けるのだって、もし『アレ』の体の一部でも外に出てきたら、この町も、その近くの町も全部終わっちゃうんだよ!」スタスタ

巫女「大丈夫でございます、勇者様を信じt」スッ

看護婦「私に近づくなァァァ!!!」バッ

巫女「」ビクッ

看護婦「とにかく、戻ってよおねえさん! こっちに来て!」

看護婦「む、いや、私は嫌だぞ。あそこには近づきたくない。バカを言うな……!!」

勇者「大丈夫! ぜったいに外には出さないから!」

看護婦「もー! だめなんだってばー!!」

看護婦「死にたいのかッ!!! そこへは近づくなッ!!!」

勇者(この廊下の突き当たりの……鍵とか鎖だらけでゴチャゴチャになってる、あの部屋かな? あそこからなにかが出てきたら、ここらへんの町が全部終わる……?)

勇者(病室のドアは開けないで、空間移動で部屋に入ろう……)



ヒュンッ!!




〜病室〜


勇者「———」

赤子「……」

勇者(あ、赤ちゃん……!?)

勇者(普通の病室だ……窓がないこと以外は……)キョロキョロ

赤子「……お兄さん、だれ?」

勇者「!!」

勇者「え、えっと…………ボクは、勇者」

赤子「そう。ボクは赤子だよ」

赤子「お兄さんは、ボクを殺しに来たのかい?」フワッ

勇者(空中に浮かび上がってる……!?)

勇者「いや、殺したりは……。……するかもしれないけど……」

赤子「あはは、正直だね。お兄さん」フワフワ

赤子「そっか。やっと、来たんだね」

勇者「?」

赤子「この町がどんな場所かは知っているかい?」

勇者「……ううん、なにも」

赤子「ここは……この町は呪われているんだよ。すごく簡単に説明すると、バカな黒魔術師が手違いで召喚した悪魔が、ボクらを呪ったのさ」

赤子「忠告しておくけど、この町の霧が呪いの原因だ。72時間以上吸わない方がいい。手遅れになるからね」

勇者「どこかに引っ越せばいいんじゃないの……?」

赤子「言っただろう、手遅れだって。この町の住人は全員、霧の外に長時間出ることはできないのさ。もって12時間ってところかな」

赤子「そして、唯一この霧の外に出ることができるのが———ボクだ」

勇者「!」

赤子「だからこそ、危険なんだ。ボクはときどき、自分を制御できなくなる。もしも外の世界に解き放たれれば……大げさじゃなく、世界の人口が5%くらい減るんじゃないかな?」

勇者「———っ!?」

赤子「けど、死ねた5%の人たちはラッキーなほうさ。死ねずにボクの肉片に侵食されて異形に変われば、もっと被害は拡大するだろう」

赤子「ボクに寿命はない。いつかこの病院も朽ちてしまうだろう」

赤子「その前に、『対処』をしなければならないだろう?」

勇者「対処って……まさか……」

赤子「そうさ」

赤子「ボクを殺しておくれ」



勇者「……なにか、他に方法は……」

赤子「あればよかったんだけどね。まあ、あったとしても……今、ボクの目の前にある方法が一番手っ取り早いからさ」

勇者「…………」

勇者(『安価絵日記』には、この子を救えと書いてあったわけじゃない。だから、巫女の力ではこの子は救えない……)

勇者(なによりも、救えじゃなくて、切り捨てろっていう『課題』だから……この子を救っても『最悪の未来』が……)

勇者(選択肢はない……巫女の力で、この子を『切り捨て』て、世界を救わなくちゃいけない……!!)

赤子「なにを迷うことがあるのかな? 言っておくけど、ボクがこの姿のうちに殺しておいたほうが楽だよ? ちなみに攻撃されたら異形化するから、一撃で全部消し飛ばしたほうがいい」

勇者「……未練とか、そういうのはないの?」

赤子「未練? そうだなぁ。この姿で成長が止まったからね……せめて歯が生え揃うくらいには成長してみたかったかな」

赤子「そんなこと聞いても、殺しづらくなるだけじゃないのかい?」

勇者「……」

勇者「人を殺すのが、『正義の味方』のやることなのかな……」

赤子「悪を殺せば正義だろうさ」

勇者「キミは悪なの?」

赤子「間違いなく悪だよ。この世界に迷惑しかかけないような存在だからね」

勇者「でもそれは、全部、呪いのせいでしょ……?」

赤子「ボクは悪くないけど、ボクの運が悪かったね。転生ってのがあるのなら、次はもっとマシな場所に生まれてみるとするよ」

勇者「……こんなの、納得してるの?」

赤子「ボクが死ぬことの必要性は納得してるよ。じゃなきゃ、みっともなく泣き喚いて抵抗しているさ」

勇者「ボクは……納得できない……!!」

赤子「おいおい、じゃあなにしにここに来たんだい?」

勇者「……」

勇者「そうだ。信じるんだ。『最善』なんだよね? これで間違いなく『最善』になるんだよね?」

赤子「?」

勇者「この子にとっても『最善』なんだから、殺しても生き返ったりとかするんだよね? そうなんだよね?」

勇者「……」

勇者「ごめんなさい。ボクはキミを切り捨てるよ……」スッ

赤子「……そうかい」

勇者「なにか、言っておきたいことはある?」

赤子「う〜ん……そうだね」

赤子「……」

赤子「殺されるのが、キミでよかった」

赤子「ボクなんかのために、そんなにぐちゃぐちゃに泣いてくれるような人に出会えたことは、ボクの短い人生において『最善』だった」

赤子「ありがとう」



看護婦「おい、縁起でもないことを言うんじゃない。……なに? そんなわけないだろう。いや、それはもう終わらせた。心配するな」

巫女(この人と一緒にいると、わたくしの頭までどんどんとおかしくなっていくような気がするでございます……)

巫女「!!」

巫女(『安価絵日記』の魔力が落ち着いた……! やったのでございますね、勇者様!)

看護婦「ん?」

勇者「……」

巫女「勇者様! よかった、ご無事だったのですね!」ダッ

勇者「……」

巫女「勇者……様……?」

勇者「……ウッ、ヒック……ぅぅうううぅ〜〜〜っ!!!」ポロポロ

巫女「……っ!!」

勇者「うわあああああああああああああああんっ!!!」ポロポロ

巫女「勇者様……!!」ギュッ

勇者「うわああああああああああああんっ!!!」ギュゥゥ

巫女「大丈夫っ! 大丈夫でございますっ!!」ギュゥゥ

巫女「勇者様! 今は何も考えてはいけません! 家に帰ることだけ考えてください!!」ギュゥゥ


看護婦「……」

看護婦「馬鹿、野暮なことを言うな」

看護婦「2人っきりにしてやるさ。私は宿直室に行っているぞ」スタスタ


巫女「大丈夫です勇者様! さあ、この町から、はやく出ましょう!!」

勇者「うわあああああああああああああああんっ!!!!」



〜勇者の家〜



勇者「スー……スー……」

巫女「」ナデナデ

巫女(おかしい。『課題』は達成したというのに、勇者様に『最善』が訪れないだなんて……)

巫女(いいえ、なにかは起こっているはず。それをわたくしたちが気づいていないだけなのでございましょうか……?)

巫女「なんにせよ……」ナデナデ

巫女「勇者様。勇者様はわたくしが支えます。なにに代えても……」

勇者「スー……スー……」ツツー…

巫女「泣かないでくださいませ、勇者様」フキフキ

巫女「きっと『最善』は起こっているはずでございますから……」ギュッ

勇者「スー……スー……」



〜勇者の家・朝〜


巫女「おはようございます、勇者様。朝ごはんの用意は整っております」

勇者「……うん。ありがと……」

巫女「さあ、シャキっとしてくださいませ。かわいいお顔が台無しでございますよ?」

勇者「……うん」

勇者「ごめんね、今、ちょっと食べ物食べられそうにないかも」

巫女「では、お粥を用意致します。せめて一口だけでも食べてくださいませ」

勇者「……わかった。ありがとね、巫女ちゃん」

巫女「勇者様にはわたくしがついております。『最善の未来』である今、勇者様がそんなに落ち込む理由はないはずなのでございます」

巫女「きっと、勇者様も気がついていないような『最善』があるはずです」

巫女「わたくしを信じてくださいませ」ギュッ

勇者「…………」

勇者「心配かけてごめん、ボクは大丈夫だよ。『安価絵日記』をとってくれるかな……?」

巫女「どうぞ」スッ

勇者「……」パラパラ






——————・・・


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あ、死ぬの幼馴染じゃなくて勇者なんだ。あぶねっ。

投下は明日の午前からお昼にかけてです。

おやすみなさい。

って幼馴染の方か。お風呂で勇者死亡エンドの構想練り終わったのにー。

あ、あと巫女の力で勇者が生き返ることはありません。即スレ終了です。


安価絵日記『錯乱し巫女を刺そうとする幼馴染を死をもって止めろ』



勇者「…………」

巫女「あ……あ……」

巫女「あの、勇者様……えっと」

勇者「っ」ダッ

巫女「勇者様!?」

巫女「くっ……お待ちください!」ダッ


扉「 ガチャッ


勇者「」ダダッ…

巫女「勇者様ぁ!!」ダダッ

巫女「どちらへ行かれるのでございますか、勇者様! そちらには山しかございません!!」

勇者「ついてこないでよっ!!」

巫女「今の勇者様をお1人にするわけにはまいりません!!」

勇者「いいから1人にして!!」

巫女「……っ!」

巫女「『最善』はきっと訪れます!! わたくしを……!!」

勇者「信じられるわけ無いでしょ!! あの赤ちゃんだって死んじゃったんだよ!?」

勇者「人を殺して『最善』だなんて思えるわけないじゃない!!」

勇者「そんなの勇者のするべきことじゃないでしょ!?」

巫女「し……かし……」

勇者「もういやだよ!! だから勇者になんてなりたくなかったんだ!!」

勇者「幼馴染が死ぬこと以上に『最悪の未来』なんてない! もうボクの前に現れないで!!」

巫女「……っ……」

巫女「……」

巫女「……巫女の……力を、お渡しします……」パァァ…

巫女「どうか……お気を付けて……」

勇者「」ダダダ…

巫女「……うっ……」ガクッ

巫女「グスッ……うぅぅ……」ポロポロ

巫女「……お気を……つけて……」ポロポロ

〜勇者の家〜



巫女「……よかった」

巫女「『錯乱し巫女を刺そうとする幼馴染を死をもって止めろ』」

巫女「この文章とイラストだけでは、『誰の死をもって』止めるのかまではわかりません」

巫女「勇者様が、自分の死をもって止めようと考えてしまわなくて……本当によかったでございます」


扉「 コンコン ガチャ


幼馴染「ちょっと、さっきあんたたちが喧嘩してるの見たんだけど、なにがあったの?」

巫女「……べつに。大したことではございません」

幼馴染「ねえ、あいつ、『怒って』なかった?」

巫女「?」

幼馴染「あいつが怒ると、ちょっと大変なことになるんだけど……さっきの喧嘩って、あいつが怒るようなタイプの喧嘩?」

巫女「いえ……取り乱してはおりましたが、怒ってはいなかったかと」

幼馴染「そ、そう……ならいいんだけど」ホッ

幼馴染「それより! あんたはあいつの、こ、恋人なんだから……ちゃんと支えてあげなきゃだめじゃない!」

巫女「恋人……?」

幼馴染「えっ? 違うの?」

巫女「恋人では、ございません。あくまで魔王討伐のパートナーでございます」

幼馴染「いや、魔王討伐って……なにもしてないじゃない」

巫女「しているのでございますよ。いろいろと」

巫女「そしてどうやら魔王討伐を続けるためには……わたくしか、あなたか、どちらかが死ななくてはならないようなのでございます」

幼馴染「……はぁ?」

巫女「一応聞いておきますが、あなたは自分が死ぬことが幸せだと、『最善』だとお思いでございますか?」

幼馴染「そ、そんなわけないじゃない! 何言ってるのよ!?」

幼馴染「そんなこと思う人間、いるわけないでしょ!?」

巫女「……そうでございますか」

巫女「勇者様はおっしゃいました。あなたが死ぬこと以上に『最悪の未来』など存在しないと」

幼馴染「な……なによ、それ……」///

巫女「ですので、あなたが死なないで、勇者様も死なないというのが『最善』ということでございます」

巫女「そしてわたくしは、勇者様が『最善』と思うことならば、わたくしもそれが『最善』だと思うことができるのでございます」

幼馴染「……あんた、さっきから何言ってんの……?」

巫女「おそらく、あなたに蘇生効果を付与してから殺せば、それで解決はできるのでございます」

巫女「この件は、前回の一件とはタイプが違います。蘇生させても問題はないのでございましょう」

巫女「しかしたとえ蘇生するとしても、勇者様にそのようなことができようはずもございません」

巫女「ですので……」チャキ

幼馴染「……ちょっ!?」

巫女「あなたが錯乱してわたくしを刺すことを、先にわたくしが死ぬことで阻止したいと思います」

幼馴染「あんたさっきから何言ってんの!? おかしくなっちゃったの!?」

巫女「そう思っていただいて結構でございます」


巫女「勇者様のためならば———」

幼馴染「ハァッ!!」ガッ

巫女「!?」ドサッ

幼馴染「素人じゃ、さすがに武闘家の踏み込みには対応できなかったようね。このナイフは没収!」

巫女「か、返してください!!」

幼馴染「馬鹿言うんじゃないの! 勇者が、身近な人が自殺して『最善』だとか思うはずないでしょ!?」

幼馴染「あんた1週間以上もいっしょにいて、そんなこともわからないの!?」

巫女「……っ」

幼馴染「……まあ、あんたもさっきの喧嘩で冷静じゃなくなってるだけよ。ちょっと落ち着きなs」

幼馴染「———」ドクンッ…

幼馴染「……ぅう」フラッ

巫女「!!」

巫女(まずい、錯乱が……! もしこのままわたくしが刺されたら、『最悪の未来』が……!!)

幼馴染「ぅぅうああああああああっ!!」ダッ

巫女「———っ!!」

巫女(勇者様……っ!!)ギュッ

ヒュンッ

幼馴染「きゃっ!?」ドガッ ガシャァン!

幼馴染「」ガクッ…

巫女「……え?」

魔物の死体「」ドシャッ

巫女「っ!?」

勇者「またせてごめん」

巫女「勇、者様……? あの、これは一体……」

勇者「幼馴染を操ってボクのことを襲おうとしてた、自称、魔王軍の過激派幹部……なんだってさ、そいつ。勝手にそう言ってただけかもしれないけど」

魔物の死体「」

勇者「だから幼馴染が錯乱して、巫女ちゃんを刺そうとするのを止めたんだ。……そいつの『死をもって』ね」

勇者「『安価絵日記』はどうなってるかな?」

巫女「!」

巫女「えっと……魔力が落ち着いてます……『課題』達成でございます!」

勇者「」ギュッ

巫女「っ!?」///

勇者「ボクもこっそり2人の話を聞いてたけど……幼馴染の言うとおりだよ! 巫女ちゃんが死んで『最善』とか思うわけないでしょっ!?」ポロポロ

勇者「巫女ちゃんのばかっ!!」ギュゥゥ

巫女「あ、え、えっ……?」///

勇者「どうしてもって時は、幼馴染を蘇生する覚悟はきめてたよ……ほんとに他に方法がなくてどうしようもない時の最後の手段だったけど」

勇者「わがまま言って迷惑かけて……ひどいこと言って傷つけて……ほんとにごめんね」

巫女「…………っ」ギュッ

巫女「おかえりなさい、勇者様ぁ……」ギュゥゥ


〜勇者の家・夜〜



勇者「おかわり!」

巫女「よ、よくお食べになりますね、勇者様……」

勇者「うん! だって全部吹っ切れたからっ!」

巫女「……そう、でございますか」

勇者「あの赤ちゃんのこともね」

巫女「!!」

巫女「そうなのでございますか……?」

勇者「うんっ! どういう『最善』か、やっとわかったんだ。巫女の力で、ボクの家と、その周りの『生き物の反応』を探してたら、偶然ね」

巫女「?」

勇者「」スタスタ

勇者「」ギュッ

巫女「……っ!? きゅ、急にどうなさったのでございますか……? わたくしのお腹に抱きついて……」

勇者「えへへ。あの赤ちゃんね、こう言ったんだっ」

勇者「『転生ってのがあるのなら、次はもっとマシな場所に生まれてみるとするよ』……って」

巫女「……?」

勇者「あの子が、『ここ』が『最善』だって思ってくれたってことだよ」

勇者「次はぜったいに、幸せにするからねっ!」ギュゥゥ

巫女「———っ!!!」///

巫女「そ、それって、もしかして……!!」///

勇者「うん。巫女の力があるうちに、お腹の子には、何個もプロテクトをかけておいたよ。無茶な『課題』が出ても、この子が無事でいられるように」

勇者「ボクたち、いろいろ順序が逆になっちゃったけど……」

勇者「幸せになろうねっ!」ニコッ

巫女「……っ!!」///

巫女「はいっ!!」ニコッ


〜勇者の家・朝〜



勇者「スー……スー……」ギュゥ

巫女「ふふっ。これでは起きて朝ごはんの用意ができないでございます」ナデナデ

巫女「かわいい寝顔……。こうして見ると、本当に女の子みたいでございますね」ツンツン

勇者「んにゅ……」モゾモゾ

巫女「昨日はお互いのことをずっと話し合っていて遅くなってしまいましたし……もうちょっと寝かせて差し上げますか」

勇者「みこ……ちゃん…………しゅきぃ……」ニヘラ

巫女「……」ツツー

巫女「ティッシュ、ティッシュ……」キョロキョロ


・・・・・・


勇者「うわぁ、寝てるあいだずっと抱きついてたなんて……恥ずかしいよぉ……」///

巫女「大変お可愛くていらっしゃいました」

勇者「ひゃああっ、忘れてぇ……」///

勇者「そ、そんなことより『安価絵日記』だよっ!」

巫女「はい」ニコニコ

勇者「うう、笑顔がサディスティックだよぉ……」パラパラ

勇者「えっと、今日の『課題』は……」





——————・・・


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安価絵日記『詐欺しまくった女占い師を男衆に輪姦させ一生彼らの肉便器にする』



勇者「またこういう『課題』かぁ……」

巫女「死人が出ないだけマシでございます」

勇者「そ、そうかなぁ……」

巫女「あまり深く考えないでくださいませ。もう、勇者様が泣いているところを見たくはありません」

勇者「……」///

巫女「まずは、その占い師のところへ移動致しましょう」

勇者「うん。なんにしても、まずはどんな人かを確認しておきたいし」

巫女「では」ギュッ

勇者「っ」///


ヒュンッ


〜占いの町〜



ヒュンッ


勇者「ここ?」

巫女「そのはずでございます。女占い師を探しましょう」

勇者「うん!」

勇者「あんまり便利さに慣れると怖いんだけど……巫女の力で探しちゃおっか」キュィィン

勇者「……ん。たぶんこの人かな? あっちに行ってみよう!」

巫女「流石でございます、勇者様」

勇者「……」

巫女「……? どうかなさいましたか?」

勇者「う、ううん、なんでもないよ」

巫女「?」

勇者(勇者『様』っていうのは、今のボクたちの関係だと、なんかむず痒いからやめて……なんて、恥ずかしくて言えないよぉ……)///


〜女占い師の館〜


勇者「うわぁ、詐欺占い師にしては、すっごい立派なお店だね……」

巫女「そう思わせることで、詐欺師だという疑いを抱かせないようにしているのでございます」

勇者「あ、なるほど……」

巫女「それに汚い金での成り上がりほど、下品な贅沢を好むものでございます」

巫女「では行きましょう、勇者様」

勇者「うん! えへへ、巫女ちゃんも試しに占ってみてもらえば?」

巫女「時間の無駄でございますよ」


扉「 ガチャ


占い師「いらっしゃい、勇者ちゃんに巫女ちゃん。すでに2人分、お茶を用意しているわ」ニコッ

巫女「……! わたくしたちの名前を……」

勇者「ボクたち、もうこの部屋に入ったから……その盗聴イヤホン外してもいいよ?」

巫女「……なるほど、さきほどの会話を聞かれていたのでございますか」

占い師「……」

勇者「あと巫女ちゃん、そのお茶飲まないでね? へんなお薬入ってるから」

巫女「承知致しました」

勇者「それから占い師さん、ボク男だから、勇者ちゃんって呼ぶのやめてね」

占い師「……あなたたち、ここへ何しに来たの?」

勇者「ちょっと占い師さんが、いけないお仕事してるって聞いたから、お顔を見にきたの」

巫女(山賊のときも思いましたが……相手が犯罪者だと、結構容赦ないでございますね、勇者様……)

占い師「な」

勇者「なんの証拠があって?」

占い師「……そ」

勇者「その程度の心理誘導でいい気にならないことね」

占い師「……い」

勇者「いったい何者なの、あなたたち」

占い師「———」ゾクッ

勇者「えっと、いろいろあって、今のボクはけっこうなんでもできるから……隠し事はできないとおもうよ?」


勇者「べつに、占い師さんを逮捕しちゃおうとかそういうわけじゃないんだ。ただ、占い師さんがどんな人なのかを見に来ただけだよ」

占い師「私が、どんな人か……?」

勇者「どうして詐欺なんてするの? それで傷ついたり、困ったりする人がいるのはわかるよね? それなのに、なんで?」

占い師「……」

占い師「じゃあ、あなたは今まで一度だって人を傷つけたことはないのかしら?」

占い師「人なんて生きてるだけで傷つけ合ってるような生き物じゃない! 黙ってればひたすら傷つけられるようなこんな世の中で!! そんな綺麗事なんて通用しないのよ!!」

勇者「……虐待」ボソッ

占い師「っ!!」ビクッ

占い師「……そう、よ。12歳で家を出るまで、私は毎日両親に虐待され続けて、何度も死にかけた。占い師になるために修行して、やっと店を出そうってなった時に……汚い大人に騙されて、あり金全部を失った!」

占い師「所詮、世の中は騙し合いなのよ! 騙される奴が悪い! だから私は、私を騙してくれた大人たちに感謝してるわ! いい社会見学ができたからね!!」

占い師「ただ家で寝てるだけで食事にありつけるような、子供のあなたたちに……私の生き様をつべこべ言われる筋合いはないわ!!」

占い師「帰って! ほら、帰ってよ!!」グイグイ

勇者「…………」

勇者「……寂しいんだね、おねえさん。おねえさんは、ただ愛してほしいだけなんだ……」ジッ

占い師「っ!!」

勇者「けど、次のお客さんの言葉は信じてあげてね? 本気だから」

占い師「出てけぇぇえええええっ!!!」


扉「 バタンッ!!!


勇者「……」

巫女「勇者様、大丈夫でございますか?」

勇者「……えへ、大丈夫。もう泣いたりしないよ」ニコッ

巫女「あの、最後の言葉はどういう意味だったのでございますか?」

勇者「うん。だいたいわかったから……」

巫女「?」

勇者「さ、いこっか」

巫女「行くって……どちらへ?」

勇者「占い師のおねえさんに騙された人たちのところにだよ」

勇者「きっと……これが『最善』なんだよね?」



〜占い師の館〜



占い師「……胸くそ悪いわ……朝に来た2人組……」

占い師「占い師でもないくせに、人の心にずかずか踏み込んで来て……!!」

『……寂しいんだね、おねえさん。おねえさんは、ただ愛してほしいだけなんだ……』

占い師「……っ!!」


扉「 コンコン


占い師「!!」ビクッ

占い師(やば、盗聴してなかった! 準備もしてない!)


扉「 ガチャ


男A「……」

占い師「———」

占い師「……男、さん……!?」

男A「天使様の言ったとおりだった。ここが『本店』なんだね」

占い師(天使様……?)

男A「あれからいろんなところを探したんだよ。俺が出会ったのは露店だったから、探すアテがなくて困ったよ」

占い師(足がつかないように、露店で詐欺してたんだもの……)

男A「俺の時は結婚詐欺だったけど……その占いは詐欺じゃなくて本物なのかい?」

占い師「……なにしに、来たの?」

男A「想像つかない?」

占い師「……つくに決まってるわ。騙された男が、騙した女を探してたってことは……」

男A「そうだ。つまり……」

男A「キミを愛している! 結婚してくれ!!」

占い師「…………」

占い師「ええっ!?」

男A「騙してその気にさせたからには、責任を取るべきだ。盗んだものは、返さなくては」

男A「けどお金なんかいらない。キミの本物の愛がほしいんだ!」

占い師「え、え、えっ!? なに、なんなの、どういうこと!?」

男A「愛しているんだ! 一生大事にする!!」

占い師「———っ!!」

占い師(愛してる、だなんて……そんなこと、冗談でも言われたことない……)

占い師(こんな話、あるはずない……どうせ、私を騙そうとして……)

『けど、次のお客さんの言葉は信じてあげてね? 本気だから』

占い師「……」


占い師(たとえ騙されてるとしても、いっか……嘘でも愛してくれるなら、私は……)

男A「結婚してくれっ!」

占い師「」///

占い師「う、うん。わかっt」

    ・ ・
男A「俺たちと!!」


占い師「……」

占い師「うん?」


扉「 バンッ


男B「やあ、やっと会えたね! 占い師ちゃん!」

男C「世界中駆けずり回ったよ! まさか占い師の町にいるとは盲点だった!」

占い師「!?」

男A「占い師ちゃんの結婚詐欺に遭った、俺たち3人……誰がキミにふさわしいのかを、入念に話し合い、殴り合い、そして結論を出した!」

男B「みんなこんなに愛してるんだから、1人に絞ることはないじゃないか!」

男C「3人で占い師ちゃんを養い、幸せにしてみせるよ! だから我々3人と結婚してくれ!!」

占い師「」

男A「どうしたことだ、占い師ちゃんが固まっている……」

男B「こうなったら、天使様に言われたことを実践するしかあるまい!」

男C「ああ! 『愛は行為で示せ』だね! 上等じゃないか! 3人がかりで、占い師ちゃんをメロメロにしてやるぞ!!」

占い師「きゃあっ!? 天使様って誰!? なに!? なにする気なの!?」

男A「キミをどれだけ愛しているかを、行動で教えてあげるのさ!」チュッ

占い師「んむっ!?」

男B「おい、ズルいぞ!」

男C「そうだそうだ! そういうのは公平にじゃんけんでだな……」

占い師(なに、これ……なんでこの人の唾液、甘いの……?)

占い師(それに、これ飲むたびに……お腹の奥がきゅんきゅんする……♡♡)///

男B「しかたない、では俺はおっぱいを」ムニッ

男C「じゃ、下のお口を……あれ、もうぐちょぐちょだぞ?」クチュッ

占い師「んひぃっ!!♡」ビグンッ

男A「こんな淫乱ボディだとは……」

男B「天使様が言っておられたのは、このことだったのか……」

男C「よし! 占い師ちゃんが俺たちの愛をわかってくれるまで、3人で愛を伝え続けるぞ!」

占い師「あっ、あっ♡ ちょっと……ちょっとまってぇ……♡」ビグッビグッ


扉「 ガチャ


勇者「どうですか、調子は?」バサッ

男A「おお、天使様!」

男B「順調です! やっと占い師ちゃんも俺たちの愛を受け入れてくれました!」

男C「ほら、こんなに自分から求めてくれてますよ!」

占い師「お……おちんぽぉ……ちょーらい……♡」ピクッ ピクッ

勇者「そうですか。ちょっと離れててください」スタスタ

占い師「……ぁ……天使……翼……?」

勇者「おねえさん、5時間ぶりくらいだね。どう? 今、幸せ?」

占い師「しあわせれすぅ……もぉ、おちんぽしか、いらにゃいぃ……♡♡」ビグッ ピクッ

勇者「あの3人は、ほんとにおねえさんのことを愛してるよ。きっとこれから一生、大切にしてくれるよ」

占い師「いっしょう……これから、いっしょう……」

勇者「うん。だからもう、詐欺なんてやめちゃいな? これからは、こうやってお家で気持ちいいことをして、愛されてるだけでいいんだ」

勇者「言い方を変えれば……肉便器ってやつかな?」

占い師「にく、べんき……なりゅぅ、なりますっ……いっしょう、きもちぃこと、しましゅ……♡」

勇者「」チラッ

巫女「」グッ

勇者「そう。もう詐欺なんてしなくてすむね、おねえさん。もう誰も、おねえさんを騙したりなんかしないよ?」

勇者「おねえさんをぜったい騙さないみんなに、愛されて生きていけるね。幸せかな?」

占い師「しあわせっ! しあわせれすっ!!」トローン ///

勇者「そっか。じゃあ、ばいばい」スッ

勇者「みなさん、このおねえさんを一生大事にしてあげるんですよ?」

男A「もちろんです!」

男B「世界一幸せにしてみせます!!」

男C「お任せ下さい、天使様!!」

勇者「任せました」ニコッ


扉「 ガチャ バタン


勇者「……はぁ」

巫女「お疲れ様でございました、勇者様」

勇者「毎回思うよ。これでよかったのかなって」

巫女「勇者様以外がこの『課題』をやって、これ以上の結果を残せるとは思えません」

巫女「普通にやれば30分で終わるところを、こんなに手間暇かけるあたりは、流石は勇者様だと感心致します」

勇者「もう、そういうのはいいってば」///

勇者「それにしても、『天使様』かぁ。言葉を疑われることがなくって、けっこう便利だったね」

勇者「まあ、翼を生やして目の前に降り立っただけなんだけど」

巫女(なまじ勇者様の姿が美少女だからこそ、だと思いますが)

巫女「では勇者様」

勇者「うん。帰ろっか」バサッ


〜勇者の家・朝〜



勇者「よぉし、お掃除終わりっ!」

巫女「たいぶ片付いたでございますね」

勇者「えへ、こんなに本格的にお掃除したのは久しぶりかも!」

巫女「今まではどうしていたのでございますか?」

勇者「部屋の整理整頓はよくするんだけど、お掃除はあんまり……」

勇者「だからときどき、幼馴染がきてチェックしてくれるの」

巫女「む。……では、これからはわたくしにお任せ下さいませ」

勇者「えへ。なんかいいなぁ、こういうの。家族って感じがする」

巫女「そういえば、勇者様の家族はどうされたんでございますか? どうやらずっと1人暮らしのようでございますが」

勇者「あれ、『安価絵日記』はどこやったっけ?」キョロキョロ

巫女「え? あ、はい、こちらに……」

巫女(……地雷だったのでございましょうか)

勇者「それじゃあ、今日の分を確認するねっ!」パラパラ

勇者「ええっと今日は……」






——————・・・


16ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。


↓+5までで、5つ埋まらなかった場合は17時05分まで。コンマ下2桁の数字が小さいものを採用。

今書いてみてるけどさ、これって『最善』なストーリーの転がし方だと物語終了するよね?w べつにいいですけど。

王子と魔姫の恋が『成就』するということは、公に2人の関係が認められることを意味するよね?

つまり王や魔王も2人の恋仲を認めるということになり、人間と魔物の架け橋となる2人のために、両勢力は争いを休停して、その後2人の関係が良好なら人魔は親和するんじゃないかな?

……って思ったんですが。

いえ、再安価はよっぽどじゃない限りしないつもりなので、このまま行きます。一応、このスレ終わるかもよ、と宣言したかっただけです。

それでは書いてきますね。

いつ書き終わるのかさっぱりです。明日の正午ごろ、書けてるとこまで投下しようかなって思います。

それでは〜。


安価絵日記『人間の王子と魔物の姫の、禁じられた恋を成就させる』



勇者「……」

勇者「」ブワッ

巫女「勇者様!?」

勇者「苦節16日……ボクはこれを待っていたのかもしれないよ……」ポロポロ

巫女「勇者様の優しさに、ついに『安価絵日記』が応えたようでございますね……」ゴクリ…

勇者「よし、がんばろう! すっごくがんばろう!!」

巫女「お、落ち着いてくださいませ勇者様」

勇者「ボ、ボク、こういう禁断の恋とか、身分違いの愛とか、そういうの、すごく好きなんだ……///」ドキドキ

巫女「そのようでございますね。瞳の輝きが5割増しでございますので」

勇者「えへへっ、じゃあどうするか考えよっか!」ニコニコ

巫女(どうしたものでございましょうか……勇者様の笑顔が眩しすぎます)///


〜王宮・王子の寝室〜


王子「……」

王子(あれから、早3週間……)

王子(お忍びで世界を巡っていた僕と、魔王城から抜け出してきた魔姫とが出会い、別れてから……もうそんなになるのか)

王子(僕は世界各地を観光するのが趣味で、彼女はいつも魔王城に閉じ込められていた。だから僕が話す広大な世界の話に、彼女はとても惹かれていた)

王子(彼女は図書館で本を読んで過ごす時間が多く、僕は体を動かしていることのほうが多かった。だから彼女の深い知識や高度な魔法に触れて、僕はとても感動した)

王子(付き人を追い払い、僕たちは2人で同じ部屋に篭もって、昼も夜もひたすら互いの知識を披露し、互いの興味を満たしていった)

王子(そして僕たちの関心が、相手の知識ではなく、『相手』へと向かうのに、そう時間はかからなかった)

王子(結局、手を触れることすらなかった僕たちだけど……互いの目を見れば、もう言葉はいらなかった。僕たちは、恋してしまったんだとわかった)

王子(だが彼女は、彼女を探しに来た魔物に連れて行かれてしまった。おそらく、これまで以上に厳重に監視され、もう魔王城から出ることなどできはしないだろう)

王子(それに、僕たちは互いに敵対する勢力の次期トップ……いわゆる禁断の恋ってやつだ)

王子(この気持ちを諦めるなんてできっこないが、果たしてなにがどうなったら、この恋は成就するというんだ……)


紙「 カサッ


王子「……?」

王子「なんだ、この紙は?」ピラッ

王子「白紙の手紙……?」

王子「……!!」

王子(宛先が、『魔姫』となっている! どういうことだ!?)

王子「っ」キョロキョロ


ペン「 カタンッ コロコロ…


王子「っ!!」

王子「……『書け』というのか……?」

王子「まさか、届くのか……?」

王子「……」

王子「いいだろう……なにがなんだかわからないが、僕の気持ちが彼女に届くのなら……」

王子「これに賭けてみよう……!」


〜魔王城・魔姫の寝室〜



魔姫「……」

魔姫(もう、3週間だよ……)

魔姫(ずっと閉じ込められてた反動で、つい出来心で魔王城を飛び出して、あの人に出会えてから……今日で3週間)

魔姫(魔王城からじゃ、近くの町にだって念話は届かないし……。あれから魔王城の外どころか、図書館以外にはどこへも行かせてもらえない)

魔姫(今までは外の世界を見たい、感じたいって思ってたのに……今では、あの人に会いたい、話したいってずっと思ってる)

魔姫(……王子くん)

魔姫(3週間前に会った私なんか、忘れちゃってるかな……。ううん、あの人はそんな人じゃない。それに、あの目……心が繋がってる感じがした……)

魔姫(もう一度会いたい……顔を見たい、声を聞きたい……けど、多分もう……)


手紙「 カサッ


魔姫「!!」ビクッ

魔姫「……」キョロキョロ

魔姫(さっきまで、あんなのあったかな……?)トテテ

魔姫「なんだろ、これ?」ペラッ

魔姫「———っ!?」

魔姫(王子、くん……から……!?)///

魔姫「」トテテ


ベッド「 ポフッ

布団「 バサッ


魔姫「な、なにこれ、なにこれっ!? ほ、ほんとに王子くんからの手紙かな!?」///

魔姫「夢みたい……! 夢、じゃないよね!?」ツネッ

魔姫「痛いから夢じゃないっ! えっと、じゃあ、読んでみよう……! ///」カサカサッ

魔姫「……」ピタッ

魔姫(もしも……)

魔姫(もしも、私が期待しているような内容じゃなかったら……?)ゾワッ

魔姫(……怖い……そんなことになったら……)ジワッ

魔姫(けど、読まないと……王子くんが書いてくれた、お手紙なんだから……)

魔姫(信じなきゃ……王子くんを……!!)ドキドキ


手紙「 ピラッ




魔姫へ


 この手紙がどういうものなのかはわからない。だからこれが君に届いているのかもわからないが、『まさか』ということもある。だから、僕の気持ちをこれに綴ろう。

 あの時、直接口に出して言うことはなかったが……僕は君に恋している。僕の自惚れでなければ、僕たちは互いに想い合っていたはずだ。

 あれから3週間、僕は君のことを考えなかったことはない。どうにかして再び会えないものかと頭を悩ませていた。僕たちの身分の違いは理解しているが、それでも、どうしても諦めきれないようだ。この気持ちを忘れようとさえできなかった。

 君の今の気持ちが僕と同じかどうかなんてわかりっこないが……そうだったら嬉しい。もし気持ち悪いと思うのなら、どうかこの手紙を握りつぶしてくれ。

 いつか答えを聞ける日を、楽しみにしているよ。どうかそれまで、元気でいてくれ。


王子より   本の蝶へ





魔姫「……」

魔姫「…………すぅ〜〜〜……」


布団「 パサッ


魔姫『きゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!!!♡♡♡』

魔姫(君に恋してるだってぇっ! 諦めきれないだってぇっ!!)/// ボスボスッ

魔姫(私だって王子くんのこと忘れたことなんてないんだからぁっ!!)/// ボフボフッ

魔姫(こんなの握りつぶせるわけないよっ! 額縁に飾って家宝にするよっ!!)///

魔姫(それに、この最後の『本の蝶』って……)



・・・・・・


———回想———


魔姫「きゃああっ!?」ガタッ

王子「ん? ああ、虫か。カマキリだね」

魔姫「おねがい、それどっかにやってぇ!!」プルプル

王子「はは、虫が嫌いなの?」

魔姫「見るのもダメなのっ! おねがい、どっかやってぇ!」グスッ

王子「わかったよ」ヒョイッ、ポイッ

魔姫「……捨てた?」ウルッ

王子「うん、もう大丈夫だよ」ニコッ

魔姫「あ、ありがと……」///

王子「魔姫は『本の虫』だっていうのに、虫が苦手なんだね」クスッ

魔姫「わ、私を、虫とか言わないでっ! ゾワゾワするから……」

王子「そうかい? じゃあ、蝶とかはどうだい?」

魔姫「チョウ?」

王子「ああ、そうさ。蝶っていうのは美しさの比喩によく用いられる虫でね。花びらのような羽根で花畑をひらひらと彩る様は、とてもいいものだよ」

魔姫「そうなんだ……私、虫の図鑑には触りもしないから、虫のことは何にも知らないの……」

王子「……」

王子「僕も、魔物っていうのは、恐ろしい存在ばかりだと思って、触ろうとも知ろうともしていなかった……」

魔姫「?」

王子「さしずめ君は、『本の蝶』ってところかな」

魔姫「本の……蝶?」

王子「魔姫は僕にとっての『蝶』だから。…………なんて、ちょっとキザすぎたかな?」ハハハ

魔姫「それって……」///

魔姫「……うん。虫でも、王子くんが好きな虫なら、いいよ……」///

魔姫「私は『本の蝶』だね」ニコッ


——————



魔姫(この手紙を書いたのは、間違いなく王子くん……! それを知らせるために、最後に『本の蝶』って書いてくれたんだっ!)

魔姫(それに王子くん、たくさんの会話の中で、あれを覚えてくれてるなんて……!)///

魔姫「えへ、えへへぇ」/// デレデレ

魔姫「けど、この手紙はどうやって届いたんだろう? できればお返事書きたいんだけど……」


手紙「 カサッ

ペン「 カタンッ


魔姫「!」ビクッ

魔姫「え、えっと……誰かいるの……?」キョロキョロ

魔姫「誰かしらないけど、その、ほんとにありがとうっ! じゃあ、お返事書くね?」

魔姫「うぅ、意外と紙が小さいなぁ……それに1枚しかないし。よし、別の紙で練習しよう……!」

魔姫「な、なに書けばいいんだろう……とりあえず、王子くんからのお手紙へのお返事と、私の気持ちと……」

魔姫「……私の気持ち……」

魔姫「///」ボンッ!



〜王宮〜


王子「なぜです、父上!!」

王「なぜもなにもあるか! 魔王軍との因縁は古来から続くものだ!!」

王子「その愚かな慣習を断ち切る時が、今なのです!!」

王「お前の母親は、魔物に殺されたのだぞ!? それを、たかが小娘一匹に情が移っただけで、許すというのか!?」

王子「許すも許さないもありません! たしかに凶暴な魔物も、中にはいます! けれどそうでない魔物だってたくさんいる……彼女がその1人です!!」

王子「母上を殺した魔物は許せませんが、それは野獣のように理性のない魔物だったと聞きます。彼女とは違う!!」

王「同じだ! そうやってお前に取り入り、利用してこの国を攻め落とす心づもりに決まっている!!」

王子「彼女はそんなことしません!!」

王「わかるものか!!」

王「とにかく、魔王軍との休戦も停戦、絶対にしない! かならず魔王と、その血筋は滅ぼしてくれるわ!!」

王子「〜〜〜っ!!」

王子「失礼します!!」


扉「 バタンッ!!!


王子「……っ」

王子(父上の石頭め……!!)ドガンッ

王子(どうする……どうすれば、彼女に会える……)


手紙「 カサッ


王子「ん……?」

王子「っ!!」バッ

王子「まさか……!!」ガサガサッ

王子「やっぱり、魔姫からの返事!!」

王子「……」キョロキョロ

王子「内容は……?」ドキドキ



手紙「 ピラッ




王子くんへ


 お手紙届きました。あの時知れなかった王子くんの気持ちが知れて、私はとても嬉しかったです。

 私も、王子くんのことを■■■ 大好きです。私も確証はなかったけど、王子くんとは心が繋がっているような感じがありました。この3週間、ずっとずっと王子くんのことを考えてたんだよ。

 いま私は魔王城から出られないけれど、いつか必ずお父様を説得して、絶対に王子くんに会いに行くから。

 だからその時は、私を王子くんの■■■■に

 えっと、やっぱり大事なことは手紙じゃなくって、直接会った時に言いたいから……

 その時まで、待っててください。お願いします。結婚とかしちゃ、やだよ?

 また会える日まで、どうかお体に気をつけてください。


魔姫より   





王子「———っ」

王子「よっしゃッ……!!」グッ

王子(僕の自惚れかもしれないって思ってたけど……よかった、そんなことはなかったんだ!)

王子(2箇所、塗りつぶされてるところがあるな……。光に透かすと微妙に見える……)

王子(1つめは……『愛して』、かな? 愛してるって書こうとして、やっぱり恥ずかしくなって塗りつぶしたのか……なんて愛らしいんだ)

王子(2つめは……『お嫁さん』だな。やばい、かわいすぎるぞ魔姫。他の女なんかと結婚するはずないだろうっ!)

王子(ふふ、モチベーションが再び湧いてきた……!!)ギラギラ

王子(僕は必ず父上を説得して、人魔の友好の架け橋となってみせる!!)





〜魔王城〜


魔姫「お父様、お願いです!」

魔王「ダメなものはダメだ。いくらお前の頼みでもな」

魔姫「良いではありませんか! どうせ今まで、私の頼みを聞いてくれた試しなんてないのですから!」

魔姫「私を外に出すか、人間と停戦するか、どちらかを選んでください!!」

魔王「どちらもダメだ。なにがなんでも認めん」

魔姫「〜〜〜っ!!」

魔王「いいか、お前の母親は、人間に殺されている。私は絶対にそれを許さん」

魔姫「それは、たしかに許しがたいです。しかし、あの人は違います! 絶対にそんなことはしません!」

魔王「そんなことは知らん。とにかくダメだ。人間は、人間同士でだって殺し合いをするような野蛮な種族だ。お前を接触させることは、もう永遠にない」

魔姫「……ぉ、とう……さまの……」プルプル

魔姫「お父様の、ばかぁーーー!!!」

魔姫「ばかばかばかっ! もう知らない!!」ダッ


扉「 バタンッ!!!


魔姫「……」

魔姫(お父様のわからず屋……!)

魔姫(私のことなんてそっちのけで、いっつも仕事仕事と言って……そのくせ、私をこの城に閉じ込めておくんだから!)

魔姫「……」チラッ

付き人「」コソッ

魔姫(監視されてる……私が逃げようとしたら捕まえられるように。多分、あと3人くらいは監視が付いてる)

魔姫(きっと私なんて、時期魔王にすらされないで政略に利用するつもりしかないんだ)


扉「 ガチャ バタン


魔姫「落ち着ける場所は、この私の寝室だけだよ……」

魔姫「どうしよう……どうすればいいんだろう」


手紙「 カサッ


魔姫「!!」

魔姫「もしかして、また!!」ダッ

魔姫「やっぱり!! 王子くんからの返事だぁ!!♡」カサッ

魔姫「えへへ♪」ガサガサ

魔姫「なになに……? ……僕も愛して……他の女性と結婚なんて……会えた時に大切な話がある……」

魔姫「きゃああああっ♡♡」ボスボス

魔姫「また城から抜け出してでも、王子くんに会ってやるんだから……!!」メラメラ

魔姫「もうすぐお昼だね。とりあえず、もう一度返事を……」


扉「 コンコン



魔姫「っ」ビクッ

魔姫(手紙を隠さないと……!)カサッ

魔姫「だ、だれ?」


扉「 ギギギ…


勇者「……」スッ

魔姫「?」

勇者「……はじめまして。魔姫様」スッ

魔姫「あなた、誰? 見ない顔ね。その翼……天使?」

勇者「じゃあ天使とでも呼んでください。今までその手紙を運んでいたのは、ボクなんです」

魔姫「えっ!?」

魔姫「と、とにかく入って! 扉を閉めてっ!」

勇者「そんなにあわてなくても、外の見張りにはちょっと眠ってもらってますよ」

魔姫「!」

勇者「ボクは訳あって、あなたと王子様の恋を成就させなければならないんです」

勇者「それで今まではコソコソと動いていたんですけど……なにせ期限が今日中ですから、このままずっと郵便配達してるわけにもいかないんです」

勇者「もう12時をまわりました……あと半日しかありません。いきなりこうやって顔を見せなかったのは、まずボクの力と目的を信用してもらいたかったからです」

勇者「ボクのことを信用して、この手を取ってくれるなら……」

勇者「この城からあなたを連れ出して、直接王子様と会わせてあげます」

魔姫「———っ!!」///

勇者「どうしますか? 必要なら、もう一往復くらい手紙を運んでもいいんですけど……あなたのはしゃぎようからして、手紙は本物だとわかってもらえたんじゃないでしょうか?」

魔姫「み、見られてたんだ……」///

勇者「厳重な警備を軽々抜けて、王宮の王子様の寝室と、魔王城の魔姫様の寝室を行ったり来たりしてるんです。だから、2人を城から連れ出して、どこかで会わせるなんて簡単ですよ」

勇者「おねがいします、ボクを信用して、この手を取ってください」スッ

魔姫「……」

魔姫「どんな手を使っても、私は、王子くんに会うって決めたの……!!」

魔姫「それが、天使や悪魔の手でもね!」スッ

魔姫「よろしく、天使ちゃん。私を王子くんに会わせて!!」ギュッ

勇者「はい……かならずっ!」ニコッ



〜王宮・王子の寝室〜


扉「 コンコン


王子「誰だ?」


扉「 ガチャ


勇者「……」スッ

王子「!」

勇者「はじめまして。ボクは」

王子「もしかして、勇者……かい?」

勇者「!?」ビクッ

王子「いや、その翼……勇者ではないか」

王子「すまない、父上に見せてもらった勇者の顔写真にそっくりだったもので……」

王子「それで、君は誰で、僕に何の用なんだい?」

勇者「……」

勇者「魔姫様を、魔王城から連れ出しました」

王子「———」

王子「……なん、だって……?」

勇者「今まで王子様と魔姫様の手紙を運んでいたのは、ボクなんです」

勇者「あなたと魔姫様の恋の成就……それがボクの目的です。そのために、魔姫様をとある場所へと運びました」

王子「とある場所?」

勇者「あなたたちが親睦を深めた宿屋……と言えば、わかりますよね?」

王子「……なるほど、あそこか」

勇者「まだ魔王城も騒ぎになってはいませんが、それも時間の問題かもしれません」

勇者「王子様は、ボクを信用してついてきてくれますか?」

王子「……どうして、僕たちの恋を応援しようとしているんだ?」

王子「信用するかどうかは、それ次第かな」

勇者「……」

勇者「誰だってそれは望みますよ。あなたたちの恋の成就は、人間と魔物の長く続く争いの終わりなんですから」

勇者「ボクは世界を、平和にしたいんです」

王子「……なるほど」

王子「いいだろう。どっちみちここまで来れるということは、僕を無理やり連れて行くことだってできるんだろう?」

王子「僕を魔姫に、会わせてくれ」

勇者「はい。まかせてください」



〜宿屋〜


王子「魔姫!!」ギュッ

魔姫「王子様!!」ギュッ

勇者(感動の再会だっていうのに、手を握るだけかぁ。この人たちピュアだなぁ……///)キュンキュン

王子「会いたかったよ……ずっとこの時を待ってた」

魔姫「うん……! 私もずっと、楽しみにしてたよ」///

勇者「すいません、できれば、お2人のこれからのことを話し合ってほしいんですが」

魔姫「これから?」

王子「そうだ、魔姫。君に伝えたいことがある」

魔姫「っ!!」///

王子「手紙にも書いたが、僕はほかの誰かと結婚するつもりなんてない。君以外考えられないんだ」

王子「ほかの誰と話していても、こんなに胸が高鳴ったことはない……」

王子「答えは今すぐじゃなくていい。ゆっくり考えてくれ」

王子「僕と、結婚を前提にお付き合いしてほしい……!!」

魔姫「よろこんでっ!!」///

王子「……!!」

魔姫「そんなの、3週間のうちにゆっくり考えたよ。もうとっくに、答えは出てる」

魔姫「私も王子くん以外の人と一緒になるなんて、考えただけでゾッとするよ。私の隣には、ずっと王子くんにいてほしいの」

魔姫「大事にしてね、王子くん」ニコッ ///

王子「必ず幸せにする……!!」ギュッ

魔姫「……もう幸せだよぉ」ギュゥゥ

勇者「///」キュンキュン

勇者「あとは、これを国王や魔王に認めさせるだけですね」

勇者「説得の目処はたってますか?」

魔姫「いいえ、お父様ったら頭が固くて……」

王子「うちも、そんなところだよ」

勇者「じゃあ、普通じゃ絶対にできない説得方法を試してみますか?」

王子「?」

魔姫「?」



〜魔王城〜


魔王「……あの子には困ったものだ……」フゥ

魔王「どうしたものか……」


扉「 コンコン


魔王「誰だ」


扉「 ガチャ


王子「……」スッ

魔王「……人間?」

王子「魔姫さんと、お付き合いさせて頂いている、王子です」

魔王「———っ」

魔王「なんの用だッ!!」バッ

勇者「!!」バッ


パキィィイイイン!!!


魔王(私の魔法を相殺しただと!? あの小娘、何者だ……!!)ギリッ

勇者(なにこの魔法、強すぎ……っ!!)ビリビリ

王子「……っ」

王子「今、魔姫さんは、僕の国の王宮へと向かっています」

魔王「なっ……なんだとォ!?」ガタッ

王子「目的は僕と同じ……僕と魔姫さんのお付き合いを認めてもらうための、説得です!」

勇者「分裂したボクも魔姫様についていってるので、安心してください。さっきのでボクの力を、ちょっとはわかってもらえたと思います」

魔王「……」

魔王「それで……説得とな?」

王子「まず1つ伺いたいのですが……どうして魔姫さんを、この城に閉じ込めておくのですか?」

魔王「閉じ込める? 違うな。外の世界は危険に満ちている。そんなところへ、娘を出すわけにはいかん」

魔王「私も公務で忙しい。だから外に連れ出すのは、貴様ら人間に殺された、我が妻の墓参りの時だけだ」

王子「……魔姫さんから聞いています。人間の間でも話題になっていた通り魔に殺されたのだと」

魔王「私は決してそのことを忘れない。我が妻の無念と怒りを、貴様ら人間に思い知らせてやる!!」

王子「僕の父も、そう言っていました」

魔王「……なに?」

王子「僕の母は、魔物に殺されました。僕が4歳の時のことです」

魔王「!」

王子「だから、魔物は全て敵で、滅ぼすのだ、魔王軍を根絶やしにするのだ、などと馬鹿なことを言っています」

王子「そんな教育を受けてきたものだから、僕も魔物は悪い存在なのだと疑い無く育ってきました」

王子「魔姫さんと出会うまでは」

魔王「……」



王子「魔姫さんはあなたのことを嫌っている……いや、違いますね。嫌われていると思っている」

王子「城に閉じ込める、お願いは聞いてくれない、次期魔王を継がせる素振りを見せない……」

王子「けどそれは、あなたが魔姫さんを本当に大切に思っているからこそなのでしょう。奥様の二の舞にさせたくないあまり、過保護になりすぎている……ただ、それだけ」

王子「人間を全て支配下に置けば、ようやく安心して魔姫さんを外に出せる。魔王はなにかと狙われるから、できれば継がせたくない。そうやって娘さんを守っているのでしょう」

王子「そんなあなたと、僕たちが! わかりあえないはずはありません! たしかに一部の人間は暴走し、同胞を殺すこともあります。けれどそれは、本当に稀有なケースです」

王子「健やかに育った人間は、そんな醜い行為を嫌悪し、罰します。あなたの奥様を襲った通り魔は、最高刑に処されました」

王子「僕はあなたの奥様にお会いしたことは、残念ながらありませんが……さきほどあなたが言ったように、人間たちへ憎しみや怒りを向けているのですか? 僕の勝手な想像ですが、あの誰よりも優しい魔姫さんの、そのお母様が………そのようなことを望んでいるのですか?」

魔王「……さきほどからペラペラと……」

魔王「知った口を聞くなッ!!」バッ

王子「!」

勇者「くっ」バッ


バギギギギギッ!!


王子「っ!!」

魔王「そうやって、その小娘に守られているような貴様に、娘を任せられるかッ!!」

魔王「娘を城から出したいのなら!! この私の城以上に安全な場所を用意してみせろ!!」

王子「……」

王子「たしかに僕は、あなたほどの力はありません」

王子「ここ以上に安全な場所なんて、まずないでしょう。ここに魔姫さんを置いておけば、安心でしょうね……」

王子「———あなたは」

魔王「……なに?」

王子「では魔姫さんは、安心していますか? ここでの暮らしに。城の外に出られない現状に」

王子「やはり僕には、この城での魔姫さんの表情や気持ちを知るすべはありませんが……」

王子「世界で一番安全なこの場所にいるよりも! 魔姫さんは、僕の隣にいる時の方が『安心』してくれていると、僕は確信しています!!」

魔王「!」

王子「それでもやはり、どうしても魔姫さんをこの城から出したくないと言うのなら……」

王子「僕をこの城に住まわせてください!!」

王子「そして———」

王子「魔姫さんを、僕にください!!」


とりあえずここまで。

すまぬ……すまぬ……



〜王宮〜


王「これは一体、何事なのだ……」

魔姫「……」

覆面天使「……」

魔姫(よ、よく考えたら、これってお義父様へのご挨拶なんだ……どきどきしてきちゃった)ドキドキ

覆面天使(さすがに王様にはバレそうだから変装してきたけど、これぜったい心証悪いよね……)ドキドキ

魔姫「お初にお目にかかります。私、魔王の娘で、魔姫と申します」

王「……うむ、お主のことは、息子から嫌というほど聞かされている」

魔姫「……」///

王「して、その怪しげな天使にこの部屋の近衛兵を全員倒させて、私を一体どうするつもりなのだ?」

魔姫「今、王子くんは魔王城で、お父様……魔王とお話しに向かっています」

王「!?」

魔姫「こちらの天使ちゃんもついて行ってるので、ご安心ください」

覆面天使(いや、魔王様いきなり攻撃してきたよ……ちょっとやばいかも……がんばってね、魔王城のボク……!!)ヒヤヒヤ

魔姫「私たちの目的はただ一つ……私たちのお付き合いを、認めていただくことだけです!」

王「……なんだと?」

魔姫「王子くんのお母様を、魔物が殺したということは聞いています……それは本当に申し訳ございません。私たちの制御が行き届いていないばかりに……」ペコッ

魔姫「しかしここ最近は、私たちでさえ手を焼いていた凶暴な魔物が次々と力を失っていて、きっと近い将来、魔王城がすべての魔物をコントロールできる日がきっと来ます!」

魔姫「私の父は、魔物と人間の長きにわたる因縁よりも、愛した妻を殺されたことをモチベーションに侵略を行っています」

魔姫「その気持ちは私もわかりますし、それは似た境遇のあなたが、一番わかるのではないでしょうか」

王「……」

魔姫「魔物と人間の溝は深く、歩み寄りも一筋縄ではいかないことばかりでしょう」

魔姫「しかしそれにかかる長い年月も、多くの苦労も、これから魔物と人間が争い続けて犠牲となる者たちの深い悲しみに比べれば、些細なものではないでしょうか!」

魔姫「もう、私たちのような思いをする人たちを、これ以上増やさないためにも!」

魔姫「魔物と人間は手を取り合うべきなのです!」

魔姫「そしてそのための第一歩、模範として! 人魔友好の架け橋として!」

魔姫「私と王子くんの交際を、認めてください!」

魔姫「お願いしますっ!!」ペコッ

王「……っ」


王「……」

王「お主……魔姫といったか。歳は見た目通りか?」

魔姫「王子くんの1つ下です」

王「そうか。その歳で よくもまあ、敵陣本拠地まで乗り込んで、臆せず、胸を張って言葉を紡げるものだ」

王「なにがお主にそこまでさせるのか……」

王「愛ゆえに、か?」

魔姫「///」

王「息子は……王子は、自分の考えをしっかりと持ち、昔からよく私に反抗していたが……」

王「まさか、こんな世界規模の反抗をされるとは、夢にも思わなんだ」

王「王子は魔王を説得できると思うか?」

魔姫「……お父様は、とても頭の固い方です」

魔姫「けれど、王子くんなら……きっと、お父様の心を動かしてくれると信じています!」

王「……そうか」

王「私の答えは、『保留』だ」

魔姫「……?」

王「魔王の判断に任せよう。魔王が首を縦に振ったときは……」

王「好きにするが良い。私はもう、何も言わぬ」

魔姫「……っ!!」パァ ///

王(まったく、あやつも隅に置けぬ。旅の中で、ちゃっかりとこんな娘を捕まえておるのだからな)

王「しかしそうなると、勇者に任せた魔王討伐は取り消さなければならんな……」

魔姫「勇者?」

王「『蛹事件』で、10体しかいないとされる希少魔物の『蛹』を皆殺しにして絶滅させたと言われている少年だ」

魔姫「!!」

王「とにかく、彼を使わずに済むのならそれに越したことはない。まだ、魔王の結論はわからんが……」

王「私も、息子の力を信じておるからな」ニッ

魔姫「……はい!」ニコッ


〜魔王城〜


勇者「魔姫様が、国王の説得に成功しました。魔王様が交際を認めれば、こちらも認めるとのことです」

王子「そうか、やってくれたか! さすがは魔姫だ!!」

魔王「…………」

魔王「私は、この目で見たものしか信じない。だから、貴様がさきほど言った、姫の『安心』という言葉は、戯言にしか思えん」

王子「……」

魔王「だから、それが本当かどうか、この目で確認しようではないか」

王子「……?」

魔王「王宮へ向かうぞ。案内しろ」ザッ

王子「!」

王子「は、はい!!」


〜王宮〜


王「……」

魔王「……」

王子「……」

魔姫「……」

魔王「おい、王子よ。魔姫が安心しているようには見えんぞ。どうなっている」

王子「こ、この空気で安心できるような者はいないでしょう……」

魔姫「……安心とは?」

魔王「こやつが、魔姫は安全な魔王城にいる時よりも、自分の隣にいる時の方が安心していると のたまったのだ」

魔姫「……」///

魔姫「そ、それは事実です……」///

魔王「そうか。ならいい」プイッ

魔姫「……え?」

王「時に……お主らは、どこまで進んでいるのだ?」

王子「……」

魔姫「……」

王子「はぁっ!?」///

魔姫「ふぇっ!?」///

魔王「そうだ、どこまで進んでいるのだ……事と次第によっては……」ギロッ

王子「ま、まだ手を握ったくらいで……いや、少しだけ抱き合ったりも……」

魔姫「けどそれは、感極まった抱擁で、お父様が怒るようなアレでは……!!」アタフタ

王「……ふむ。健全なお付き合い、といったところか」

魔王「命拾いしたな……」

王子(キスしてたら死んでたかもな……)ゴクリ

王「魔王よ。まさかお主とこうやって、同じテーブルを囲う日が来るとは、夢にも思わなかったぞ」

魔王「それはこちらとて同じこと。貴様のことはよく知らぬ。今宵はじっくりと、腹を割って話す必要があるな」

王「……」ゴゴゴゴゴ

魔王「……」ゴゴゴゴゴ

王子「こ、こんな空気の場所にいられるか! 魔姫、行こう!」グイッ

魔姫「あっ」///

王「こら、どこへ行くのだ! ここに座っておれ!」

魔王「娘に妙なことをしたら承知せんぞ!」


〜王子の寝室〜



魔姫「こ、ここが王子くんのお部屋……///」キョロキョロ

王子「なにも面白いものはないけど、まあ、くつろいでくれ」

魔姫(緊張で、それどころじゃないよ……)///

魔姫(このお部屋、微かにだけど王子くんの匂いがする……すごく落ち着く……)

魔姫「すー、はー……」

王子「?」

王子「なんだか今日一日で、随分と大変なことになってしまったな」

魔姫「そうだね。昨日までは、もうずっと会えないのかなって……不安で眠れなかったのに」

王子「僕もずっとベッドの上で、どうしたものかと悩んでいたよ」

魔姫「でもこれからはずっと、こうやって……」ピトッ

王子「!」

魔姫「触れられるんだね……」///

王子「……そうだね」キュッ

王子「こうやって、君の手に触れることを何度夢に見たことか……」

魔姫「……」

魔姫「はしたないって思わないでね?」ギュッ

王子「!!」

魔姫「私は、手に触れるだけじゃなくって……こうやって抱きついたり、したいって思ってたの……」ギュゥゥ

王子「……僕もだよ」ギュッ

王子「こんなに幸せでいいのかな……現実味が薄れるくらい幸せだ。夢なんじゃないかって怖くなる」

王子「夢かどうか、確かめる術なんて知らないけれど」

魔姫「……」

魔姫「1つだけ、あるよ。夢かどうか確かめる方法」

王子「え?」

魔姫「ねえ、私が図書館でず〜っと読んで、憧れてた絵本ではね?」///

魔姫「眠りから覚めないお姫様は———」

王子「!」

王子「……」スッ




魔王「……〜〜〜っ!!」ギリギリ

王「魔法で覗き見とは、趣味が悪いのではないか?」

魔王「うるさい。そう言いつつ一緒に覗いているのは誰だ」

王「まったく、温室育ちにした覚えはないのだが……なにかとクサい台詞回しは誰の影響なのだ」


扉「 コンコン


王「!」

魔王「!」


扉「 ガチャ


覆面天使「」スッ

王「……お主はさっきの……魔姫の付き人か」

魔王「王子の護衛もしていたぞ。私の魔法を防ぐとは、何者なのだ?」

覆面天使「」スタスタ

王「?」

覆面天使「」ペラペラ

王「それは……『安価絵日記』!?」

覆面天使「」ズイッ

王「……?」チラッ


安価絵日記『人間の王子と魔物の姫の、禁じられた恋を成就させる』


王「———っ」

王「お、お主は……!!」

覆面天使「」クルッ

覆面天使「」スタスタ


扉「 ガチャ バタン


王「……」

魔王「なんだ? 今のはどういうことだったのだ?」

王「…………どうもこうもない」


王「我々は全員、あやつの手のひらの上で踊らされていた、ということだ……」



〜勇者の家〜


巫女「お疲れ様でございました、勇者様」

勇者「ただいまぁー!」ギュッ

勇者「ほんっとに疲れたよぉ……転移魔法を連発して、王宮と魔王城を行ったり来たり……」グタッ

巫女「今日はもう、お休みになってくださいませ」ギシッ

勇者「……」

勇者「もう『安価絵日記』は……いらないかも」

巫女「左様でございますか」

勇者「うん。もう人間と魔物が争うこともなくなると思うし……だから魔王討伐の必要もなくなる」

勇者「『勇者』もいらなくなるんだ」

巫女「『安価絵日記』が不要となれば、『巫女』も不要でございますね」

勇者「あははっ、ボクたち、すっかりお役御免になっちゃったね」

巫女「それが『最善』なのでございましょう。すでに世界中の魔物は気性が大人しくなり、人間たちの悪意も薄まっています」

巫女「世界に、平和が訪れたのでございますよ」

勇者「そっか———平和かぁ」

勇者「そんな世界でなら……ボクたちも、お腹の子も」

勇者「幸せに暮らせるかな」

巫女「はい、もちろんでございますっ!」ニコッ

勇者「……」ニコッ

勇者「ボク、とっても幸せだよ……これ以上ないくらい」

巫女「わたくしもでございますよ。何しろここは、わたくしたちが築き上げた『最善の未来』でございますから」

勇者「えへ、そうだったね」

勇者「これで、ボクたちの旅は終わりだけど……」

勇者「ボクたちの物語は、ずっと続いていくんだよねっ!」ギュッ

巫女「はいっ!」ギュッ







1、完。

2、つづく。



↓+3



ちょっと休憩で。あの、まじでしばらく太陽の光を浴びてないんで、出かけさせてください。なんか体の調子がおかしい……。

ついでに、どうやって続けるか考えてきます。

『蛹』の生き残りとかを敵にすれば楽なんだけど、この子は敵にしたくないなぁ……



えっと、まあそういうことですので。お夕飯を食べたら再開します。

要望とかも、書くだけタダですので!

もう一つの世界! もう一つの安価絵日記! この発想はベリーグッドっしょー!

とか思ってスレ開いたら、これだよ……フヘヘ……

そんな感じでいきます。

でも平和的にいきたいと思います。スレの趣旨が趣旨ですからね。



要望を見ると、どうやら『敵』がほしい感じでしょうか。

新章の冒頭を書き終わったら、多数決で敵を決めるかもしれません。

では書いてきます。

あれ、確認してみたら11ページが抜けてました。

最終的に使ったのは15ページまででしたね。すいません。

次は16頁からでお願いします。

ごはんたべてきます。その前に、冒頭導入を投下しときます。


・・・・・・


『ねえねえ。巫女ちゃんにとっての『最善』って、なあに?』

『そうでございますね……やはり勇者様と一緒に生きていけることでございましょうか』

『あぅ……。も、もぉ、それはその、大前提っていうか……当たり前っていうか……』

『では、勇者様にとっての『最善』とは、なんなのでございますか?』

『えっとね。ボクって影では『最悪の勇者』とか呼ばれてるんだ。役立たずだし、危険だから』

『そう、だったのでございますか……?』

『うん。だから今まで、人を助けられたことなんて、ただの1回だってなかったんだ』

『……』

『それなのに、巫女ちゃんや『安価絵日記』のおかげで、役立たずのボクでも、人を、世界を救えたんだっ!』

『左様でございますね。すべて勇者様の功績でございます』

『えへ。ほとんど巫女ちゃんのおかげだよ。……うん、それでね。だから、この平和になった世界では、もう叶わないことかもしれないけれど……』

『?』

『ボクの力で、もっとたくさんの人たちを幸せにしてあげたいな』


・・・・・・


〜森〜


勇者「———」パチ

勇者「……え?」ムクリ

勇者「ここ、どこ?」キョロキョロ

勇者「たしか、ボク……ボクの家で、巫女ちゃんといっしょに寝てたはずなのに……」

勇者「どうしてこんな森に……」

勇者「ん? ……安価絵日記だ。これもいっしょだったんだ……」

勇者「うぅ……と、とにかく人を探そうっ! ここがどこなのかを確かめないとっ!」

勇者「巫女ちゃんは大丈夫なのかな……」

勇者「とりあえず、太陽のある方角に、ひたすら歩いてみようっ!」



〜??の村〜



勇者「や、やっと人のいそうなとこに着いた……2時間くらい歩いたんじゃないかな」ゼェゼェ

勇者「けど、やけにひっそりしてるなぁ。ヒト気がないっていうか……」キョロキョロ

勇者「あのぉ! ごめんくださーい!」

勇者「…………」

勇者「やっぱり誰もいないみたいだなぁ。廃村なのかな?」テクテク

勇者「あーのー!! すーみーまーせーんっ!!!」


扉「 バァンッ!!


少女「うるさぁぁああああいっ!!」

勇者「ひゃあっ!?」ビクッ

少女「聞こえてるわよ!! なに!? なんの用なの!?」

勇者「え、あ、あの……」

少女「わかってるわよ、どうせ火事場泥棒にでも来たんでしょ!? 出て行きなさいよ! さもないと酷い目見るわよ!!」チャキッ

勇者「わわっ!? ちょっと落ち着いて! その剣を下ろして!!」

少女「さあ、さっさと出て行っt」

少女「———っ!?」

勇者「?」

少女「アンタ、それ……その本……!!」


勇者「え? キミ、『安価絵日記』を知ってるの?」

少女「アンタ何者なの!? どうしてそれを持ってるの!? どこで拾ったの!?」ユッサユッサ

勇者「ちょ、肩、揺すらないでっ! 話す、話すから!!」ガックンガックン

勇者「えっと、ボクは勇者なんだ。この『安価絵日記』で世界を平和にしたんだけど……それで布団に潜って、朝起きたら……森の中にいた」

少女「世界を……平和にした……?」

勇者「あはは、こんなこと言っても信じられないかな。けど『安価絵日記』を知ってるなら、その効果も知ってるんじゃない?」

少女「『課題』を達成すれば、『最善』が約束される……」

勇者「うん。15頁もかかっちゃったけど……国王と魔王が和解して、王子様と魔姫様が結ばれたんだ。……あれ、これってまだ言っちゃダメだったかな?」

少女「『課題』が達成できなければ、『最悪』が訪れる……」

勇者「うん、でもボクたちは———」

少女「だから……」


少女「私たちが『失敗』したせいで、この世界は終わっちゃったのよっ!!」


勇者「———え?」

少女「あれを見て!」バッ

勇者「……? 石像?」

少女「人間よ! ついこの間まで普通に生きて、活動していた、正真正銘の人間!!」

勇者「ええっ? えっと、どういうこと?」

少女「3日前、私たちは『課題』を達成できなかった……その瞬間、空に昇っていた月が異常な光を放ち始めた」

少女「24時間降り注いだその光を浴びた生物は残らず石化……。この世界の生物の、約半数がその被害に遭ったと言われてるわ……」

少女「そこの石像は、私と一緒に世界を救おうと『安価絵日記』を開いた『勇者』よ……。名前は、女勇者」

女勇者『』

勇者「……っ」

少女「『課題』に失敗した瞬間、『安価絵日記』は燃え尽きて消滅してしまったわ。それに『勇者』が石化したら、もうどうしようもない……」

少女「けどアンタが『勇者』で、それが『安価絵日記』だっていうんなら……」

勇者「!」

勇者「ということは、もしかしてキミは……!」

少女「ええ」

神子「この世界の『神子』よ」


〜女勇者の家〜



神子「ホントにアンタみたいなちんちくりんの女に、世界が救えたの?」

勇者「えっと、その前にいろいろと誤解を解いておくべきだと思うんだけど、ボクはおt」

神子「ちょっとアンタの『安価絵日記』を見せてみなさいよ」バッ

勇者「あっ!」

神子「どれどれ……?」ペラッ



安価絵日記

1P『巫女とせっくす』

2P『巫女とせっくす』

3P『巫女が陰部性転換し、勇者が気丈な巫女の金玉を潰れるまで拷問』

4P『巫女の全身の穴という穴に鉄の杭を差す』

5P『野外でセックる』

6P『さっきの幼女を暴力的にレイプして処女喪失させる』

7P『複数の幼女サキュバスに陰部男体化した巫女と一緒に散々犯される』

8P『幼なじみを、気づかれないように電車で痴漢』

9P『あの幼女の母親を、幼女の父親から目の前で寝取って家庭崩壊させる』

10P『最近近くで暴れている山賊(女)を退治(意味深)』

11P『巫女とデート』

12P『大人数のために少人数を切り捨てる正義の味方になれ』

13P『錯乱し巫女を刺そうとする幼馴染を死をもって止めろ』

14P『詐欺しまくった女占い師を男衆に輪姦させ一生彼らの肉便器にする』

15P『人間の王子と魔物の姫の、禁じられた恋を成就させる』



神子「…………なにこれ」

勇者「う、うん。言いたいことはすごくわかるけど、なにも言わないで……」

神子「幼女を暴力的にレイプ!? 家庭崩壊!? 幼馴染を殺せ!? 一生肉便器!?」

神子「これ全部やったの!? アンタ、あ、あ、頭おかしいんじゃない!?」

勇者「うわぁ……ここにきて、そんな正論を言われるなんて思ってなかったよ……。ボク、世界を救ったのに……」

勇者「あとちなみに、レイプの記憶は消したし、家庭崩壊はすぐ丸く収まったし、幼馴染は殺してないよ。『最善』なんだから、全部うまくいくようになってるんだよ」

神子「そ、そうなの……?」

勇者(一生肉便器にはしたけど……)

勇者「とにかく、ボクも元の世界に戻りたいし、キミも終わらせちゃった世界を元通りにしたい……」

勇者「利害の一致ってやつだねっ!」

神子「そうね。ふん、アンタみたいな頼りないのでも一応『勇者』みたいだからね。使えるものは使ってやるわよ!」

勇者(あれ、なんでボクの方が立場が下みたいになってるんだろ……)



神子「さ、早く『安価絵日記』を開きなさいよ! ちゃっちゃと世界を元通りにするわよ!」

勇者「う、うん。それじゃあ……」ペラペラ






——————・・・


16ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

@がドン引きした安価は無効扱いになることがありますので要注意。



↓+5までで、5つ埋まらなかった場合は20時50分まで。コンマ下2桁の数字が小さいものを採用。


安価絵日記『好きな漫画の1シーンを再現』



勇者「……好きな漫画?」

神子「結構簡単なのが出たわね。ほら、ちゃっちゃとやっちゃうわよ」

神子「ほら、じゃあ私が時間を止めてナイフを投げるから、アンタは……」

勇者「いや、ちょっと待って!? おかしい! 全体的におかしいよっ!」

神子「……なによ?」ムッ

勇者「あのね、『安価絵日記』っていうのは、『勇者に関すること』しか表示されないの。だから当然この場合も、『勇者が』好きな漫画って意味なんだよ?」

神子「……?」

勇者「ええー……そんなことも理解してなかったの……? そんなんだから……」

神子「う、うるさいわねっ!」ゲシッ

勇者「痛っ!?」

神子「アンタごときが私に偉そうにしないで! いいから、さっさと好きな漫画を教えなさいよ!!」

勇者(あぅぅ……巫女ちゃんに会いたいよぉ……)クスン


・・・・・・


神子「それもダメよ! そんなのダメに決まってるでしょ!!」

勇者「なんでぇ!? いいじゃないべつに! ハチクロは名作だよ!? きゅんきゅんするよ!?」

神子「そんななよなよした漫画、認めないわ! もっと熱い漫画にしなさいよ!」

勇者「ごめん、ボクあんまりそういう漫画知らないんだ……幼馴染の家にあった漫画ばっかり読んでて……」

神子「ったく……ジャンプ系の漫画は知らないの?」

勇者「ごめん、そういう男の子っぽい漫画は……」

勇者「……あっ!」

神子「なに? 思い出した?」

勇者「ぬ〜べ〜なら昔、親友の家で読んだことあるよっ! あれってたしか、ジャンプ系だよね?」

神子「そうよ。まったく、そういうのも読んでるんじゃない! さっさと思い出しなさいよね、このノロマ!」ゲシッ

勇者「あぅ……ボクの人権はあっちの世界に置いてきちゃったのかなぁ……」

神子「それで、どのシーンなのよ? 鬼の手が真っ二つになるところ? 絶鬼と戦うところ? 岩天狗を鬼の力で圧倒するところ?」

勇者「いや、あの……怒らないでね……?」ビクビク


〜氷の教会〜



勇者「わぁぁ♡ すごいすごいっ! ほんとに氷でできた教会だぁ!!」キラキラ

神子「……あっそ。よかったわね」

神子「あのさ、本気でこのシーンがやりたいわけ? だって、キ、キ、キスするのよっ!?」

勇者「えへ。この氷の教会で結婚式できるんなら、キスくらい我慢するよ。巫女ちゃんも多分許してくれるはずだよね? だってこれは、予行練習だしっ!」

神子「我慢ってなによ!」ゲシッ

勇者「ぎゃんっ!?」

神子「我慢してやるのはこっちだっての! ふん、キスくらいなによ! ちゃっちゃとやって、ちゃっちゃと終わらせるわよ!!」ズカズカ

勇者「もぉ、ムードって言葉を知らないの……?」

勇者「……あと、なんでボクがウエディングドレス着てるの……?」



勇者「内装も氷だぁ……! すっごい綺麗……♡」キラキラ

神子「ふん。ガラスだろうが氷だろうが、一緒でしょ。なによこの椅子。お尻が凍っちゃうじゃない!」ゲシッ

勇者「…………はぁ」

神子「なによ、そのため息は」

勇者「なんでもないよ。なんでも」

神子「ならちゃっちゃと始めるわよ」バッ


シュンッ


勇者「おぉー。観客と和尚さんが出現した……」

神子「それで、どうするんだっけ?」

勇者「声に出す台詞はほとんどないよ。「誓います」だけ。あとは指輪の交換をして、誓いのキスだね」

神子「なんだ、簡単ね」

勇者(ほんとはそれまでの思い出を振り返って思いを馳せるんだけど……言ってもやらないだろうし)

勇者(けどボクはしっかり役に入り込もっと。『課題』違反になっても困るし、なによりこんな素敵な場所なんだもん。練習でも本気でやりたいからっ!)

神子「じゃ、やるわよ」

勇者「うん!」



和尚「南無阿弥陀仏。あー病めるときも健やかなるときも」

和尚「なんじら互いに愛しあうことを誓いますか」

神子「誓います」

勇者「誓います」

和尚「コホン。えー、では指輪の交換を」

神子「」スッ

勇者「」スッ

勇者(これであとは、誓いのキスだけ)

勇者(この間に、走馬灯のようにいままでの大冒険の思い出が脳裏をよぎるんだよね……)

勇者(あれ、やば、ほんとに涙でてきちゃった……)ウルッ

神子「……」

勇者(もうキスしてもいいのに……どうしたんだろ)

神子「コイツは女、コイツはノーカン……」ブツブツ

神子「」チュッ

勇者「」チュッ



ワァァァァアアアアア!!


「お幸せに、二人とも」「ちくしょー、やるじゃねーか」

「「「神子ー、がんばれよー!」」」

「「「勇者ー、しあわせにー!」」」


勇者(いいなぁ、こういうの……元の世界に戻ったら、絶対結婚式やろっと……)ウルッ

神子「」ゲシッ

勇者「あうっ!?」

神子「『安価絵日記』の魔力が落ち着いた。ほら、ちゃっちゃと帰るわよ」

勇者「…………はぁ」


〜女勇者の家〜



勇者「……どうしよう。着替えがない」

神子「はぁ? ああ、そういえば、別世界から来たんだっけ。女勇者の借りればいいでしょ。私はそうしてるわよ」

勇者「いや、それはちょっと……」

神子「言っとくけど、今まともに機能してる店なんてほとんどないわよ。かといって、他の家から借りるのもダメだからね」

勇者「それはたしかに、家主が石化してるからって勝手に持ってくのは悪いけど……」

神子「いいじゃない、女勇者はおしゃれだから、結構たくさん服もってるわよ? あの子の代わりに世界を救おうとしてるんだから、服くらい貸してくれるってば」

勇者「あぅ……」チラッ

女勇者『』

勇者「あれ?」

神子「なによ?」

勇者「この子の左腕、石化が解けてない……?」

神子「嘘っ!?」バッ

神子「ほ、ほんとだ……冷たいままだけど、皮膚の質感になってる……」プニプニ

勇者「さっきの『最善』で、『最悪』を少し打ち消せたんじゃないかな?」

神子「ええ……。けど、世界中の災害を未然に防いでもいるわね。その余った分で、借金をちょっとずつ返してるって感じかしら」

勇者「どのくらいかかるかわからないけど、この世界を平和にできる頃にはきっと、みんな元通りになってるよ」ニコッ

神子「……そうね。それに、魔物たちの石化も解けちゃうなら、こうやってちょっとずつ戻っていったほうが都合がいいかも」

神子「『最善の未来』で魔王が力を失ってから、魔物の自由が戻れば……ちょうどいいわね」

勇者「えへ。この調子で、みんなの石化を解いて、世界を平和にしようねっ」ニコッ

神子「ふん、せいぜい足を引っ張らないことね! ちゃんと役に立ちなさいよ?」

勇者「…………うん」




〜女勇者の家・朝〜



神子「……ん?」パチ

勇者「あ、起きた?」

神子「……なにやってんの、アンタ?」

勇者「なにって、朝ごはんを作ったんだよ?」

神子「ふーん、殊勝な心がけね」

勇者(まぁほんとは、冷たい床じゃ眠れないから早めに起きちゃって、仕方なく作ったんだけどね)

神子「味は……まあ及第点ってとこかしら」パクパク

勇者(ボクが席に着くのを待たないし、いただきますも言わないし……)

勇者(……女勇者って人は、どうやってこの子を扱ってたんだろ)

神子「『安価絵日記』は確認したの?」

勇者「え? ううん、一緒に確認しようと思って、まだ……」

みkお「なにやってるのよ、ノロマね。早く確認しなさいよ!」

勇者「……うん」パラパラ

勇者「えっと、今日の『課題』は……」






——————・・・



17ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

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安価絵日記『やる気のない鍛冶屋の一人娘に、立派な鍛冶屋になる決意をさせる』



神子「ふーん。なんだ、これも簡単ね。洗脳しちゃえばいいんじゃない」

勇者「決意をさせるって言葉のニュアンスだと、洗脳はちょっと微妙かな。最終手段にしておこうよ」

神子「はぁ? アンタ、なに生っちょろいこと言ってんの?」

勇者「洗脳じゃ、長続きしないんだから……世界を救うのも大切だけど、まずこの鍛冶屋の娘さんを救うのも同じくらい大切だよ」

勇者「付け焼刃の洗脳じゃ、すぐにやる気のない状態に戻っちゃう。それじゃあこの子にとっての『最善』とは言えないよ」

神子「やる気のない奴は、埋もれちゃえばいいのよ。自業自得ね。いつだって力のある人が助けてくれるとは限らないんだから」

勇者(そんな言葉を、ボクに助けてもらってるキミから聞くとは思わなかったよ……)

神子「ま、神子の力はあげるから、そんなに言うんだったらアンタが1人でやってきなさいよ。私は寝てるからさ」

勇者「…………はぁ」

勇者「わかった。1人で行ってくるね」

神子「……そう」



〜鍛冶屋〜


勇者「ここ……だよね」

勇者「あの、ごめんくださーい!」

勇者「……」

勇者「どなたかいらっしゃいませんかー?」

勇者「…………」

勇者(まあ、生物反応を探知してるから、奥の部屋でゴロゴロしてる女の子がいるっていうのはわかってるんだけどね)

勇者「入りますよー」ズカズカ


襖「 ガラッ


鍛冶「んぐっ!?」

勇者「おじゃまします」

鍛冶「……」モグモグ、ゴクンッ

鍛冶「ちょっと、なに勝手に人んち入ってるのかな?」

勇者「それはごめんなさい。呼んでも反応がなかったので」

勇者「ところで、昼間から何をしてるんですか?」

鍛冶「なにってそりゃあ、お煎餅を齧りながらゴロゴロしてるんだけど?」

勇者「……そうですか」

勇者「その石像は……?」

鍛冶「お父さん。私を庇って、あの光を浴びちゃった」

勇者「……あぅ、ごめんなさい」

鍛冶「え? あはは、優しいんだねキミ。別に気にしてないよ。それに、お父さんが石化して悪いことばっかりじゃないし」

鍛冶「毎日毎日、私に鍛冶屋としての技術を叩き込もうとしてくるんだよ。もう参っちゃうよね。私に鍛冶屋なんて向いてないってのに」

勇者「……どうして向いてないんですか?」

鍛冶「そりゃあ、飽きっぽいからだよ。こういう職人仕事っていうのは何十年も続けてこそでしょ? そんなに続くわけないない」

鍛冶「それに女がやるにはかなりの重労働だしね」

勇者「けど、女の人で鍛冶屋っていう人もいますよ?」

鍛冶「それはそれだよ。才能ってやつでしょ」

勇者「……」

鍛冶「ところでキミは、ここに何しに来たの?」

勇者「え? えっと、それは……」


剣士「おーい、誰かおらんかー?」

鍛冶「あっ……」

鍛冶「はい、こちらに」トテテ

剣士「また刀が折れちまった。頼むぜ」

鍛冶「はい、かしこまりました」

剣士「それじゃ、3日後くらいに取りに来るぜ。じゃ、よろしくな」スタスタ

鍛冶「はい」ペコッ

鍛冶「……またか」

勇者「ボクのときは、出てこなかったのに……」プクッ

鍛冶「あはは、ごめんね。あの人はお父さんのお得意様でね。お父さんが元に戻ったとき、仕事が無くなってたら怒られちゃうからね」

勇者「お仕事、引き受けちゃってだいじょうぶなんですか?」

鍛冶「ちょっと……大丈夫じゃないかもだけど」

鍛冶「まあ、なんとかしてみるよ」

勇者「……」

勇者「ボク、なにかお手伝いできませんか?」

鍛冶「え? いや、それはさすがに……」

勇者「あなたの力になりたいんですっ!」

鍛冶「……!」

鍛冶「あ、ありがと。でも、なにかできることはある?」

勇者「鍛冶のお仕事とかはわかりませんけど……今だけ、ボクはいろんな能力がつかえます!」

勇者「こうやって、鉄のコップを……溶かして、べつの形に変えたりとか……」グニャグニャ

鍛冶「おおおっ! すごいすごい!」

勇者「えへへ」///

鍛冶「けどそれ、私がお父さんにあげた誕生日プレゼント」

勇者「ひゃああっ!? え、えと、すぐに元にもどしますっ!!」

勇者「えっと、こっちがこうなってるから、ここがこうなってて……」ワタワタ

鍛冶「あは、あははっ! 冗談冗談。それはただのコップだよ」

勇者「ええっ!? もー、ひどいですよっ!」///

鍛冶「ふふ、ごめんごめん。うん、キミの力とやる気はわかった。それじゃあ悪いけど、手伝ってもらっていいかな?」

勇者「! ……は、はいっ!」パァァ


〜鍛冶工房〜


鍛冶「これで、竈から鉄を取り出すと……」スッ

勇者「うわぁ! オレンジ色に光ってる! 綺麗ですねっ!」キラキラ

鍛冶「あはは、そんなに瞳を輝かせてもらうと、嬉しくなるね」

鍛冶「そんで、鉄は熱いうちに打てってね」カーン、カーン、カーン

勇者「あぅ……すっごい熱気……怖いですね」

鍛冶「うん、ぶっちゃけ私も怖い。あとめっちゃ熱い」カーン、カーン、カーン

鍛冶「……はぁ。やっぱりうまくいかないかぁ」

勇者「どこがダメだったんですか?」

鍛冶「うん? ほら、刀身が滑らかじゃないでしょ。もっとツルッとしてないと、切れ味が悪いんだよ」

勇者「ちょっとイジってもいいですか?」

鍛冶「?」

勇者「さっきのコップを作り替えたみたいに……」

勇者「金属のでこぼこをツルツルにして……」グニャッ

鍛冶「おぉ……!!」

勇者「えっと、こんな感じでどうですか?」

鍛冶「すごいねキミ。火なんか使わないでも刀を作れるんじゃないの?」

勇者「どうなんでしょう。でも、これはボクの力じゃないですから……」

鍛冶「?」

勇者「これで完成でいいんですか?」

鍛冶「ああ、うん。十分な出来だと思うよ! 私がやるよりもずっと……」

勇者「これで、完成で、いいんですか?」ジッ

鍛冶「…………ああ、そういう意味ね」


鍛冶「大人気ない、とか思わないでね。私、大人じゃないし」

鍛冶「ぶっちゃけ、さっきのキミの力を見たとき、すごくやる気がなくなっちゃったんだ。職人が何年もかけて至る境地に、初めて刀製作に携わった子供が、完璧な刀を作っちゃうんだもん……」

鍛冶「鍛冶師なんて必要ないんじゃないかって思っちゃうくらい……」

勇者「あなたのおとうさんは、それについてはなんて言ってるんですか?」

鍛冶「え?」

勇者「魔法で刀を作れるこんな時代に、わざわざこんな手間暇かけて、何年も何十年も修行を積んで、それで食べていくことを……おとうさんはどう思ってるんでしょう?」

鍛冶「……さ、さぁ。そんなこと、考えたこともなかった……」

勇者「そして、さっきの剣士さんは、どうしておとうさんの刀にこだわるんでしょうか? 他の鍛冶屋じゃなくって、この鍛冶屋の、おとうさんの刀に」

鍛冶「……!!」

勇者「今みたいに、魔法で表面だけ整えて綺麗に見せることは、いくらでもできると思います。けど、それはほんとにすごい刀なんでしょうか?」

勇者「鍛冶さんは、おとうさんの鍛えた刀と、今ボクがちょちょっと整えた刀が……同じに見えますか?」

鍛冶「……ううん、ぜんぜん違うよ」

勇者「きっとあの剣士さんもそう言うと思います。それと、ボクが整えた刀を売ろうとしたら、多分もうあの剣士さんはこの鍛冶屋に来てくれなくなると思います」

勇者「たとえでこぼこでも、鍛冶さんが打った、心のこもった刀の方が……剣士さんが求めてる刀に近いんじゃないかなって」

勇者「えへへ。なんか、とっても生意気言っちゃってごめんなさい。でも……」

鍛冶「ううん、いいんだ。ありがと」

勇者「?」

鍛冶「そっか。そうだったんだ」

鍛冶「ねえ、お嬢ちゃん。私これから、夜中までずっと鎚を振るつもりだから、帰ってもいいよ?」

勇者「じゃあ、残って見ててもいいですか?」

鍛冶「あはは、うん、キミならそう言うと思った!」

鍛冶「なら付き合ってもらおっかな! よぉし、せっかくだし、あの剣士さんを唸らせるような刀を作っちゃうよ!!」

勇者「はいっ!」ニコッ


〜女勇者の家〜


扉「 ガチャ


勇者「……」スッ

神子「ちょっと、こんな時間までどこ行ってたのよ!? もう夜中の2時よ!?」

勇者「わ、起きてたんだ。……えへへ、ちょっとね……」

神子「『安価絵日記』の魔力はとっくの昔に落ち着いてたわよ!? だから洗脳でもしてやればいいって言ったのよ!」

勇者「ううん、ボクはやっぱり、そうは思わないな」

神子「はぁ?」

神子「あれ、アンタ……その刀はどうしたのよ?」

勇者「現時点での、娘さんの最高傑作だよ」シュラッ

神子「……なによ、それ。全然下手っぴじゃない」

勇者「うん。でこぼこだし、切れ味も良くないかな」

勇者「でもね、そこらへんでたくさん売ってるような刀よりも、ずっとすごい刀なんだよ?」ニコッ

神子「……?」

勇者「それより、どうしてこんなに遅くまで起きてるの?」

神子「っ!! アンタが、なかなか帰ってこないからでしょっ!!」

勇者「?」

神子「『最悪』を『最善』で帳消しにするために頑張ろうってのに、アンタがどこぞで野垂れ死んでたら台無しでしょ!? そんなこともわかんないの!?」

勇者「ごめん、心配かけちゃって……」

神子「心配じゃないわよ、バカじゃないの!? っていうか、なんでこんなに遅くなったのよ!?」

勇者「行きは神子の力で飛んでいったんだけど、帰りは神子の力は使えないから……」

神子「ま、さか……歩いて、帰ってきたの……!?」ザワッ

勇者「? うん、そうだよ?」キョト

神子「こんな真っ暗な中で、世の中が混乱してて野盗も多いのに、アンタみたいな華奢な子が何時間もかけて歩いてきたの!?」

勇者「うん」

神子「……信じられない。ほんとバカね……」

神子「……」

神子「今度からは私もついて行かないとダメね。アンタ、いつ死ぬかわかったもんじゃないもの。死ななくても、男に乱暴されたりだってするかもしれないんだから」

勇者「べつに、ボクなら乱暴されたっていいよ。それより、キミが一緒にいてもボクじゃ守れないから、やっぱり明日からもボク1人の方がいいんじゃ———」


パンッ


勇者「———えっ?」ジンジン

神子「明日は2人で行く。はやく風呂入って寝なさい。毛布だけ貸してあげる。以上、おやすみ」スタスタ

勇者「え、あ、あの……」ヒリヒリ

神子「おやすみ」モゾモゾ

勇者「……あ、うん。おやすみなさい」

神子「……」


〜女勇者の家・朝〜



神子「……ん」パチ

神子「……」チラッ


朝ごはん「


勇者「スー……スー……」

神子「……朝ごはん、私の分しかないじゃない……食べ終わった食器もないし」

勇者「……っ」ブルルッ

神子「髪、しっかり乾かさないで寝たのね。……なんでドライヤー使わないのよ、バカ」

神子「……」

神子「……いただきます」



・・・・・・



勇者「あ、おはようっ!」ニコッ

神子「ふん。私より遅く起きるなんていい度胸してるわね」

勇者「えと、ごめんね。……あ、『安価絵日記』を確認するね!」

神子「ええ」

勇者「うーんと、今日の『課題』は……」ペラペラ

勇者「これだねっ!」





——————・・・



18ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

@がドン引きした安価は無効扱いになることがありますので要注意。



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神子とセックス

昨日安価して速攻寝て、今スレ開いたので、この場合は>>306を書く事になります。夜中に安価してくれた人ごめんなさい。

あと、石化光線は現在も降り注いでいるわけではありません。説明不足でごめんなさい。


安価絵日記『神子とセックス』



勇者「あ……」

神子「はぁぁああああああっ!?」

勇者「えっと……」

神子「イヤ! ぜったいイヤ!! 死んでもイヤ!!!」

勇者「まあ、うん、気持ちはわかるけど……」

神子「っていうか女同士で、セッ……スとか、できるわけないでしょ!?」

勇者「いや、ボク男だから」

神子「…………え?」

勇者「うん」

神子「お、おとこ……?」

勇者「うん、男」

神子「…………」

勇者「ごめん、何度も言おうとしたんだけど、タイミングを逃しちゃって……」

勇者「もしかして気づいてて、それで嫌がらせされてるのかなって思ったから、わざわざ言ったりもしなかったんだけど」

神子「……」プルプル

勇者「あ、あのぉ……?」

神子「っ」ダッ

勇者「ちょ、どこ行くの!?」ガシッ

神子「離しなさいよ! 触んないで!!」ゲシゲシ

勇者「痛い! お、落ち着いてってば! 気持ちはわかるけど、でもこれ『安価絵日記』の『課題』なんだからっ!」

勇者「その子の石化を解いて、世界中の石化も解いて、『最善』にするんでしょ!?」

神子「……っ!!」

神子「……」

勇者「だって、また『最悪』になったら、こんどこそ世界が終わっちゃうよぉ……みんな死んじゃう……」ウルッ

勇者「まだ時間はあるから……ゆっくり気持ちを整理して? おねがい……」ポロポロ


神子「……手、離して」

勇者「う、うん」パッ

神子「……」

神子「アンタの世界では、1頁目からいきなり、コレが出たのよね?」

勇者「うん。その時は、巫女ちゃんにいきなり襲われるみたいな感じで始まって、ずっとリードされてたよ」

勇者「ボクも巫女ちゃんも初めてだったけど、世界のためだからって割り切ってた」

神子「……そう」

神子「私、こういう経験ないから……だから、初めてっていうのは、特別なのよ……」

神子「そんなにスパッと割り切れないわよ……」

勇者「うん、女の子はとくにそうだよね。世界のためっていっても、好きでもない、会ったばっかりの男に抱かれるなんてね……」

神子「……」

勇者「あ、そうだ。ちょっと神子の力をちょうだい?」

神子「な、なにするつもりよ?」

勇者「いいから。だいじょうぶ、ひどいことはしないよ」

神子「……」

神子「ほら」パァァ

勇者「えへ、ありがと。それでね、神子の力で……」キュィィィン

神子「!! これって……」

勇者「うん。ボクの体が女の子になって、キミの体が男の子になった」

勇者「会ったばかりの男に抱かれるんじゃなくて、会ったばかりの女を抱くって構図になったよ」

勇者「男の子と女の子の、心の構造も入れ替えたから……これでちょっとは抵抗感が薄れるんじゃないかなって……」

神子「……ふん、そんなに変わんないわよ」プイッ

勇者「あぅ……そっか……」シュン

神子「でも」

勇者「?」

神子「でも、アンタの気持ちだけは、ありがたく受け取っとくわ」

神子「それに免じて、特別に……アンタを抱いてあげる」

勇者「!」パァァ


神子「それで、どうするのよ?」

勇者「えっちなんて、おまんこで射精すればおっけーだよ」

勇者「だから、準備ができたらすぐに挿れるよ」ギシッ

神子「は? ちょ、ちょっと……」

勇者「いいから、だいじょうぶ。キミは寝てるだけでいいんだよ」ニコッ

勇者「まずは、勃たせないとね」チュッ

神子「っ!?」ビクッ

勇者「ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅる……」

神子「や、やぁ……ちょっと、まって!」

勇者「?」チロチロ

神子「なんか、へんだから……へんな感じ……」

勇者「だいじょうぶ、こわくないよ。ほら、体の力を抜いて」ニコッ

神子「……う、うん」

勇者「ボクの手を握ってて。気持ちよくなるだけだから、安心して。……ね? じゃあ、さっきよりゆっくり続けるね」

勇者「はむっ……ちゅぱ……れろっ」チラッ

神子「……っ……んっ……」///

勇者(前の世界で学んだことは、性感を操作すると、気が大きくなっておかしな行動をとりだすってこと)

勇者(だから今回は、えっちな気分になったり、むやみに気持ちよくなるようにはしない)

勇者「んむっ……ぷはっ。…………ほら見て、こんなにおっきくなったよ」ニコッ

神子「はっ、はぁっ、はぁっ……はじめて見た……」

勇者「それじゃ、挿れるね」スッ

神子「えっ?」

勇者「?」

神子「いや、なんでも……ない……」

勇者「そう? じゃあ……」クチュ

勇者「……ふっ……ぐっ……!!」ニチッ

勇者「ぎぃぃ!!」メリメリッ

神子「ちょ、ちょっと! やっぱりアンタ、全然濡れてないじゃない!! そんなの、ただ痛いだけに決まってるでしょ!?」

勇者「だい、じょうぶ……だいじょうぶ、だから……」プルプル

勇者「すぐ、終わらせるから……」ニコ…

神子「!!」

勇者「すー、はー……」グッ

神子「ちょっと待t」

勇者「ふっ!!」ズンッ



ブチッ



神子「あ……あぁ……」

勇者「———っ!!」ガクガク

勇者「……ぎっ……!!」ズリュッ ズリュッ

神子「まだ動かなくていいからっ! ちょっと休みなさい!」

勇者「でも、やっと濡れてきたよ……? あはっ……」ポロポロ

神子「それはアンタの……血でしょ……」

勇者「すぐ、終わらせるから……すぐに……」ポロポロ

神子「……なんで、そこまで……」

勇者「ボクが、なんとかしなきゃ……」ニコ…

勇者「巫女ちゃんがいないんだから、ぜんぶ、ボクがなんとかしなきゃ……ボクがみんなを助けなきゃ……」ズチュッ、ズリュッ

神子「……っ」

勇者「うぅ、ううぅぅ!!」パチュパチュパチュパチュ!!

神子「うぁっ!? 激しっ……」

勇者「うぅぅぅっ!!」パチュパチュパチュ!!

神子「な、なんか来る! なんかっ……!!」

勇者「出してっ! 中に!!」パチュパチュパチュ!!

神子「んひぃ!? あ、あ———っ!!」

神子「———っ!!」ドピュッ!!

勇者「……っ」ビュルル、ビュルルッ!!

神子「あ……ああ……」クタッ

勇者「」ズリュリュッ

勇者「」ゴプッ、ブピュッ、タラー…

勇者「毛布、貸して……」フラッ

勇者「」パサッ

神子「ちょ、ちょっと……アンタ大丈夫なの……? 頭から毛布なんか被って……」

勇者「グスッ……ヒック……」プルプル

神子「……!!」

勇者「……ウッ……グスッ」プルプル

神子「……」



勇者「……」フキフキ

神子「ねえ、アンタ」

勇者「」ビクッ

勇者「なぁに?」ニコッ

神子「……無理しないでもいいわよ。私が怖くなっちゃったんでしょ?」

勇者「そ、そんなこと……」

神子「手を握っただけでも」

勇者「———」ガクン

神子「ほら、足が震えて、立ってられなくなっちゃうじゃない……」

勇者「ち、違っ……これは、その……」

神子「じゃあどうして男の体に戻らないのよ?」

勇者「それは……女の子と同じ屋根の下なんだから……」

神子「嘘。ほんとは、男の人のアレを見るのが怖いんでしょ?」

勇者「……」

神子「……とにかく、今はゆっくり休みなさい。今日はベッド使っていいから」

勇者「え……それは」

神子「いいから。これは命令よ。また昨日みたいに引っぱたかれたいの?」スッ

勇者「ひっ!?」ビクッ

神子「……冗談だから、そんなに怯えないでよ……」

勇者「っ」トテテ


ベッド「 ポスッ

布団「 バサッ


勇者「」プルプル



神子「……もともと気が弱いのに、あんな無茶をして……トラウマになっちゃったのね」

神子「明日には治ってるといいんだけど……」

勇者「……巫女ちゃん……巫女ちゃん……グスッ……巫女ちゃん」プルプル

神子「……」



〜女勇者の家・朝〜



神子「……ん」パチ

勇者「あ、おはようっ」ニコッ

神子「……おはよ」

勇者「あーっ!! 初めて挨拶が成立したねっ!」ニコッ

神子「はぁ? そうだったかしら?」

勇者「そうだよぉ! はい、朝ごはんできてるよ!」スッ

神子「……いただきます」

勇者「めしあがれ♪ えへ、いただきますって、初めて言ってくれたねっ!」ニコニコ

神子「……」

神子(なんだ、いつも通りじゃない。心配して損しちゃった。昨日のは、ただ痛かったからパニックになってただけなのね)

勇者「えへ、巫女ちゃんほどじゃないけど、われながら上出来かも♪」モグモグ

神子「はっ、はっ、」ムズムズ

神子「はくしょんっ!!」

勇者「」ビグッ


朝ごはん「 ガシャァァン


神子「!」

勇者「あっ……あはは。ごめんなさい。すぐ片付けるね」ニコ…

神子(……アイツが女勇者の服を着てるのは、いつものことだけど……)

神子(いま、屈んだとき……胸があった……!!)

神子(平気なフリしてるだけで、やっぱり……)

勇者「……」

勇者「あ、そうだ! 『安価絵日記』を確認しなきゃっ!」ニコッ

神子「……ええ、そうね」

勇者「えっとぉ……♪」ペラペラ

勇者「今日は、これだねっ!」ニコッ






——————・・・



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文字数オーバーは無効扱いとなります。

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↓+5までで、5つ埋まらなかった場合は13時00分まで。コンマ下2桁の数字が小さいものを採用。


ごめん、プレイしたことないから書くの結構時間かかります。あとごはんたべてきます。


安価絵日記『東方神霊廟のクリア  EXはご自由にどうぞ 』



勇者「東方神霊廟……って、なに?」

神子「シューティングゲームね」スッ


パソコン「 シュンッ


勇者「パソコンで できるの?」

神子「ええ。もうすでにダウンロードしてある状態になってるはずだから、ちゃっちゃと始めちゃいましょ」

勇者「ごめんね、ボク、ゲームとかよくわかんないんだけど……」

神子「ふん、そんなこったろうと思ったわよ。私は経験者だから安心しときなさい」

勇者「う、うん。ごめんね」

神子「じゃ、始めましょうか」カチカチッ



勇者「わあ、いい音楽だねぇ……!」ウットリ

神子「そうかしら? まあ、音楽に定評があるらしいけど、私にはよくわかんないわ。ゲームに集中してたら聞こえないし」

勇者「そ、そっか……」

神子「まあクリアってだけならハードモードとかじゃなくてもいいんだし、かなり簡単よ?」

勇者「そうなの?」

神子「アンタ、ちょっと試しにイージーモードでやってみなさいよ」

勇者「ええっ!? あぅ、でもボク、ぜんぜんわかんないよ……? ボクなんかよりも……」

神子「『課題』は『勇者が』やらなきゃいけないんでしょ?」

勇者「あぅ……そっか、そうだよね……」

神子「ほらほら、ここに座る!」ガシッ

勇者「———」ガクン

神子「あ……」

勇者「あはは、あれ、なんだろ、足が、震えて……」ガクガク

神子「……まあ、ゲームは座っててもできるわよ。ほら、ここが決定で、これが上下左右で……」

勇者「うん、えっと、こうやって、次の画面に進む……」

勇者「これはキャラクターってやつかな?」

神子「そうね」

勇者「わ、『巫女』だってっ! この子にしよっかなっ!」

神子「巫女ならもう1人、こっちの子もいるわよ」

勇者「あれ、ほんとだ。赤い子は、どういう子なの?」

神子「才能だけで生きてるような子ね。お金に執着して、敵にはかなり容赦がなくて、一緒に行動してる人を仲間だとは思わない性格」

勇者「……。緑の子は?」

神子「神の子孫ね。かなり天然で、人の言葉を真に受けたり、勘違いで行動しちゃう性格。でも比較的まとも」

勇者「ちなみに、この黒い子と白い子は?」

神子「盗っ人と通り魔」

勇者「……じゃあ、この緑の子で」

神子「そう。ちなみに私もその子を使ってるから、教えるにはちょうどいいわね。じゃあイージーモードで始めましょ」

勇者「うん!」


勇者「このキーを押しっぱなしで射撃、このキーで移動する……」

ピチューン

勇者「あっ、あっ……また……」

ピチューン

勇者「だ、だめ、そこは……ああああっ!!」

ピチューン

勇者「……おわっちゃった……」ウルッ

神子「はぁ……ほんとにダメダメね。ちょっとお手本見せてあg」

勇者「も、もっかいっ! もっかいだけいいっ?」

神子「え? いいけど……」

勇者「えへへ、ありがと♪」ニコッ

神子「っ」トクン…

勇者「よぉし、次こそは……」

ピチューン

ピチューン

ピチューン

神子「……天性のヘタクソね」

勇者「……」グスッ

勇者「むだに時間つかってごめんなさい……神子の力でクリアしちゃおっか……」ポロポロ

神子「……」

神子「」ナデナデ

勇者「ひゃっ!?」ビクッ

神子「せっかくだから、もうちょっとやってみなさいよ」

勇者「え……で、でも……」ウルウル

神子「いいのよ。まだ時間はあるでしょ? ほら、私が教えてあげるから」ギュッ

勇者「う、うん……ありがと」///

神子「まずこのゲームはね、パターン化が大事なの。敵が出てくる位置が毎回同じでしょ?」

勇者「ほんとだ……気づかなかった」

神子「だから、ここに敵が来るのがわかってるから、先回りしてこうやって……」

勇者「わあ、すごいすごいっ!」キラキラ

神子「あと、画面の奥に行くとアイテムが勝手に集まってくるでしょ? だから残機とかボムも増やせて、クリアしやすくなるの」

勇者「なるほど……」

神子「あんまり自機ばっかり見てないで、ちょっと全体をぼやっと見るようにしなさい。高速ショットと低速ショットの使い分けも意識して……」

神子「そう、そうよ。上手上手」

勇者「わっ、わっ……やったぁ! クリアできたぁ!」

神子「いや、まだ1面の中ボス倒しただけだからね……」



勇者「とうとう最終面……」ドキドキ

神子「ふん、そこそこ上手くなったんじゃない? まあ、もう日が暮れちゃったけど」

勇者「えへ、神子ちゃんのおかげだねっ!」ニコッ

神子「!!」

勇者「?」

神子「名前……初めて呼んだわね」

勇者「あっ、ごめんね。馴れ馴れしいかなって思って、なるべく呼ばないようにしてたんだけど……つい」

神子「ふん。いいわよべつに。この世界のために貢献してるんだから、名前を呼ぶくらいなら、特別に許してあげる」

勇者「ほんとっ!?」パァァ

神子「そ、そんなに嬉しそうな顔するようなことかしら……意味わかんないわっ」プイッ

勇者「えへへ。だって、うれしいんだもん」ニコニコ

神子「ほら、ボスが出てきたわよ」

勇者「あれ、このボス……『神子』だって」

神子「そうね。べつにいいでしょ、名前が同じでも」

勇者「う、うん……」

神子「ねえ。ちょっと、なんで攻撃しないのよ? やられちゃうわよ?」

勇者「……お、怒んない?」ビクビク

神子「怒るわけないでしょ! なにしょーもないこと言ってんのよ! ちゃっちゃと倒しなさい!」

勇者「あぅ、ごめんなさい……」



勇者「やったぁー!! クリアしたー!!」ピョンピョン

神子「ったく、もう夜の10時じゃない。かなりヒヤヒヤしたわよ……」

勇者「ごめんね、余計な時間をとらせちゃって……」

神子「ふん、いいわよ。どうせ『課題』が終わったら一日中暇なんだし」

勇者「あ、見て! 女勇者ちゃんの石像が!」

女勇者『』グラッ

神子「!」ガシッ

神子「足の石化が完全に解けたから倒れたのね」

勇者「これからはベッドに寝かせてあげよ?」

神子「そうね、それがいいわ。でも3人で寝るのは、ちょっと狭いわね……」

勇者「え? 3人?」

神子「……き、昨日、毛布だけで寝てみて、あんまり眠れなかったのよ!」

神子「これでアンタの体に支障が出て『課題』に影響しても困るし……それに、今のアンタは女の子だから……今日からは、アンタもベッドで寝ることを特別に許可してあげるっ! 感謝しなさい!!」

勇者「う、うん……ありがと」

神子「……アンタ、私の体に触れないみたいだけど……女勇者を真ん中に挟めば大丈夫?」

勇者「うん、たぶん……」

神子「そ、そう。じゃあちゃっちゃとお風呂に入っちゃいなさい! 私は後片付けするから!」

勇者「後片付けならボクg」

神子「なぁに?」ギロッ

勇者「っ」ビクッ

勇者「お、お風呂、入ってきます……」

神子「ふん」

神子「……」

神子「……お疲れ様、勇者」ボソッ

勇者「え? 今……」クルッ

神子「///」プイッ


〜女勇者の家・朝〜



勇者「あぅ……目がしょぼしょぼする……」ウトウト

勇者「」チラッ

神子「スー……スー……」

女勇者『』

勇者(うん、まだ寝てる。音をたてないように、こっそり動かなきゃ)

勇者(まず、このピンクのパジャマから女勇者ちゃんの私服に着替える。たしかに女勇者ちゃんはおしゃれさんみたいで、たくさん服があって助かるなぁ)

勇者(おちんちんを想像しただけで、お股と胸がキリキリ痛くなる……たぶん、まだ男には戻れないなぁ……)

勇者(まあもともと女の子として扱われることのほうが多かったし、見た目はなんにも変わらないけどね)

勇者(お着替えがおわったら、朝ごはんを作らなくちゃ。あっちの世界では巫女ちゃんに任せっきりだったから、けっこう早起きはつらいなぁ)

勇者(朝ごはんを作ったらラップをかけて、部屋の整理とお掃除を軽く済ませておこう)

勇者(時間が余っちゃったな……あ、そうだ、またノロマって怒られないうちに、『安価絵日記』を確認しとこっと。もしかしたら1人でできるものかもしれないし)

勇者(えっと、今日は……うわ、ついに20ページ目に突入したんだ……!)

勇者(今日の『課題』は……)






——————・・・



20ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

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安価絵日記『神子を控えめで清楚な大和撫子にする』



勇者「……」

勇者「」チラッ

神子「スー……スー……」

勇者「」トテテ

勇者「神子ちゃん、神子ちゃん」ヒソヒソ

神子「んんっ……?」パチ

神子「あれ、勇者……?」ポケー

勇者「『安価絵日記』の『課題』、簡単そうだからやっちゃうね。神子の力をちょうだい?」

神子「んー。はい」パァァ

勇者「えへ。ありがと」ニコッ

神子「それで、『課題』ってどんな……」ウトウト

勇者「えいっ!」キュィィィン

神子「っ!?」ドクンッ…

神子「……」

勇者「ど、どう? なにか変わった……?」ドキドキ

神子「変わる……とは、なにがかしら?」

勇者「!!」

神子「あら、今日も朝ごはんを作ってくれたのね。いつもありがとう」ニコッ

勇者「あぅ……だ、だいちょぶです……」///

神子「そう。それじゃあ少しだけ、他のお部屋に行ってくれないかしら?」

勇者「?」

神子「男の人に寝巻きを見られるのは……はしたないから……///」カァァ

勇者「あ、ご、ごめんねっ! すぐ出てくからっ!」トテテ


扉「 ガチャ バタン


勇者「……///」ドキドキ

勇者(ちょ、ちょっとだけ、だけど……雰囲気が巫女ちゃんに似ててドキドキしちゃった……)///

勇者(いつも睨んでるみたいな鋭い目が、あんなに優しそうになるなんて……ぜんぜん違う人みたい)///

勇者(あぅ……すっごくヒドイけど、ボク、神子ちゃんはずっと、あのままがいいなぁ……)



神子「お待たせして、ごめんなさいね」

勇者「い、いいえ……」

神子「それじゃあ、勇者くんの作ってくれた朝ごはんをいただきましょうか」

神子「いただきます」ペコッ

勇者「い、いただきますっ」ペコッ

神子「」モグモグ

勇者「……」モグモグ

神子「」モグモグ

勇者(いつもなら、口の中にごはんがあっても平気で喋ってるのに……今日はぜんぜんしゃべらない……)


・・・・・・


神子「ご馳走様でした」ペコッ

勇者「ごちそうさまでした……」ペコッ

神子「今日も、とっても美味しいごはんをありがとう」ニコッ

勇者「あぅ……そんなこと……」

神子「謙遜しないでもいいのよ。本当に、いつも感謝しているんだから」

神子「いつも、勇者くんには酷いことを言ってしまってごめんなさいね。本当は、あんなことを言うつもりはないの……」

神子「けど私は昔から素直になるということが苦手で……つい、強気な態度で誤魔化しちゃうところがあるの」

神子「本当は、勇者くんのことを悪く思ったりなんてしていないから、誤解しないでね? 勇者くんのことはとっても信頼してるんだから」

勇者「……は、はいっ」///

勇者(あぅ……やりずらいよぉ……)///

勇者(けど、多分これはおべっかだよね。神子ちゃんがボクなんかを信頼してるはずないし)

神子「勇者くんにはいつも助けられてばかりいるわよね」

勇者「そ、そんなことは、ないよ」

神子「いいのよ。事実なのだから」

神子「これからは、私がもっと勇者くんのことを支えてあげないとって考えているの。だから、いつでも私のことを頼ってね」ニコッ

勇者「は、はい……」


神子「今日の『課題』は、もう済ませてしまったのよね?」

勇者「うん!」

勇者(『安価絵日記』の魔力が落ち着いたかどうかはボクにはわからないけど……多分もう終わったよね)

神子「それじゃあ、村の外に出てみない?」

勇者「村の……外?」

神子「ふふ。勇者くんに見せたい場所があるの。きっと喜んでくれると思うわ」ニコッ

勇者「うん、それじゃあ……」

神子「決まりね。私について来て」


・・・・・・


勇者「うわあ〜〜〜っ♡」キラキラ

神子「ふふっ、やっぱりね。氷の教会であんなにはしゃいでたんだもの。この広大な花畑に感動しないはずはないと思ったわ」ニコッ

勇者「すごいすごいっ! 村の近くに、こんな綺麗な場所があったなんて……!」///

神子「残念ながら、多くの虫たちは石化してしまっているの。だから、この花畑の名物である蝶の乱舞は見られないけれど……」

神子「それでも、一見の価値はあったでしょう?」

勇者「うん! ボク、元の世界に戻っても、この景色をずっと忘れないよ!」キラキラ

神子「…………」

勇者「神子ちゃん? どうかした?」

神子「い、いいえ、なんでも」ニコッ

勇者「そう?」

勇者(えへ。そういえば夕陽の丘で、巫女ちゃんと2人だけの景色を探すって約束したんだっけ……)

勇者(元の世界に戻れたら、いっしょに世界中を旅しようね……!!)ワクワク

神子「……」



勇者(花畑を堪能したから、今は森を抜けて女勇者の村に戻る途中なんだけど……)

勇者(なんでだろ……花畑からずっと、神子ちゃんの元気がない……)チラッ

神子「……」トボトボ

勇者「あの、神子ちゃん?」

神子「えっ? な、なに?」ビクッ

神子「」グキッ

勇者「あ、危ないっ!!」ガシッ

神子「きゃっ!?」ギュッ


勇者「ひゃああっ!?」ズザザザッ!!


神子「うっ……急斜面から落ちて……」ズキズキ

神子「!」

勇者「ぅ……」グタッ

神子「勇者くん!?」

勇者「だ……だいじょうぶ……? 神子ちゃん……」ググ…

神子「ゆ、勇者くん……頭から、血が……そんな、私の下敷きになって……」ゾッ

勇者「えへ、だいじょうぶだよ、これくらい。ちょっと枝で切っただけだから」

勇者「それより、神子ちゃんのロングスカートが枝で破れて、大変なことになってるよ?」

神子「っ!!」バッ ///

勇者「ほら、ボクのショートパンツを穿いて?」ヌギヌギ

神子「!? け、けど、そうしたら勇者くんが……」

勇者「あはは、ボクはいいんだよ。元は男だし、気にしないよ」

勇者「でも神子ちゃん……その足は……」

神子「……挫いてしまったみたい。歩けそうにないかも」ズキズキ


勇者「そっか。じゃあ、はい」スッ

神子「……勇者くん、それは?」

勇者「おんぶ」

神子「け、けど……」

勇者「恥ずかしいかもしれないけど、今は女の子同士だから我慢してくれないかな……? おねがい……」

神子「……」

神子「///」ギュッ

勇者(……こんな時にも、足が震えちゃう……。けど、今はそんなこと言ってる場合じゃないんだ……!!)ギリッ

勇者「くっ……うぅ……!!」グググ…

神子「勇者くん、体が震えて……」

勇者「だい、じょうぶ……だいじょうぶ、だから……」プルプル

勇者「それよりボク、土地勘がないから……どうやったら女勇者の村に戻れるかを指示してくれないかな?」ニコ…

神子「……っ」

神子「まず、あっちへ迂回して。あの緩やかな斜面を登って、徐々に元の高さまで戻りましょう」

勇者「うん、わかった。しっかり掴まっててね」

神子「……はい」

神子(……なんて華奢な体……それに、ずっと細かく震えてる……)

神子(それなのに、どうしてこんなに、この背中は安心するのかしら)

勇者「……はぁ、はぁ、はぁ」ザッ、ザッ、ザッ

神子(なんなのかしら、この気持ち……女勇者ちゃんに対してとも違う、胸が暖かくなるような……)

神子「///」ピトッ


〜女勇者の家〜



勇者「とりあえず今は湿布で我慢してね。巫女の力を使えるようになったら、すぐに治しちゃおう」ニコッ

神子「ありがとう、勇者くん」

勇者「ううん。ボクなんて、これくらいしかできないから」

神子「そんなことないわ。勇者くんはなんでもできるのね」

勇者「……」

勇者「ボクは、なんにもできないよ。1人じゃなんにも……」

神子「それなら、私と2人なら…………世界だって救えるかしら?」

勇者「!」

勇者「えへ。そうだね。前の世界でも、ボクたちは2人で世界を救ったんだ。だから今回もきっと、だいじょうぶだよ」ニコッ

神子「」ニコッ

勇者「よーし、そろそろ寝よっか! 毛布だけ貸してね?」

神子「え?」

勇者「明日には戻ってるだろうけど、今はまだ大和撫子だからね。男といっしょのベッドは嫌でしょ?」

神子「あ……」

勇者「それじゃ、おやすみ」ニコッ

神子「あの、べつに私は……」

勇者「まず毛布を2つに畳んで、それからここをこうして……」

神子「……」

勇者「よしっ! 毛布寝袋の完成! これで床で寝るのも苦じゃないねっ!」モゾモゾ

勇者「おやすみ、神子ちゃん!」

神子「……おやすみなさい」シュン


〜女勇者の家・朝〜



神子「昨日はよくも勝手に、私を洗脳してくれたわね……?」グニグニ

勇者「あぅ……ごめんなひゃい……」グリグリ

神子「昨日のあれは……あれよっ! 洗脳されてたから言った、嘘ばっかりだから! そこんとこ勘違いするんじゃないわよ!」

勇者「わかってるよぉ、ボクなんかが信頼されてるわけないことくらい……」

神子「……」ゲシッ

勇者「痛っ!? え、なんで蹴ったの……?」ウルッ

神子「なんとなくよ!」

神子「ほら、さっさと『安価絵日記』を開きなさいよ!!」

勇者「もう……わかったよ」パラパラ

勇者「えっと、今日の『課題』は……」






——————・・・



21ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

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安価絵日記『勇者がいろんな男たちとセックス』



勇者「———ぁ」

神子「こ、こんなのって……」

勇者「はっ……はぁ、はぁ、はぁ……」カタカタ

神子「ちょ、ちょっとアンタ、大丈夫!? 呼吸がおかしいわよ!?」

勇者「やだ、やだぁ……こんなの……」フルフル

神子「……っ」

神子「お、落ち着いて! とにかく、呼吸を整えなさい!」

勇者「…………」

勇者「神子、ちゃん……」

神子「な、なによ? どうしたの?」

勇者「ボクに、神子の力、ちょうだい……」

神子「なにするつもりなの……?」

勇者「いいから。おねがい……」

神子「……わかったわよ」パァァ

勇者「ありがと」

勇者「どうしても、見られたくないから……ごめんね」キュィィィン

神子「え……」クラッ

神子「」バタッ

勇者「……」

勇者「自分自身を洗脳」キュィィィン



〜山奥〜



戦士「おいおい、ほんとにこっちで道あってんのか? すげー山奥に来ちまってんぞ?」

魔法使い「うるさい。口じゃなくて足を動かせ!」

戦士「だーから足を動かしつつ口も動かしてんだろうが!! お前まさか道に迷ったんじゃねーだろーな!?」

魔法使い「いま地図と場所を照らし合わせてるんだ、黙っていろ!!」

武闘家「ちょ、ちょっと2人とも、おちついてよぉ……こんなところで喧嘩しないで?」

戦士「……チッ」

魔法使い「ふん」

武闘家「うう、でもたしかに、そろそろ食料も尽きちゃうし、どこかには出ないと……」

武闘家「!?」ピシッ

魔法使い「なんだ、これは……」ピシッ

戦士「体が……動かねぇ……」ピシッ


ガサガサッ


勇者「……」スッ

戦士「な、なんだあの女」

武闘家「敵、かな……?」ビクビク

勇者「」スタスタ

魔法使い「どういうつもりだ? なにが目的……んむっ!?」チュッ

戦士「!?」

武闘家「ひゃああ」///

勇者「お兄さんたち、ごめんね。記憶は残らないし、終わったら近くの人里に送ってあげるから……」

勇者「ボクと、えっちして」ニコッ


魔法使い「お、おいお前、何言ってるんだ!」///

戦士「もしかして、ここらの野盗にヤり捨てされて壊れた、とか?」

勇者「なにも聞かないで。とにかく、えっちしてくれればいいの」ジー… ボロン

魔法使い「おい、やめろ!」

勇者「……えへ、おっきい。はむっ」

魔法使い「うぁ!?」

勇者「んっ、んぐ……」ジュル、ジュポッ、ジュボッ

魔法使い「やめ……」

魔法使い(なんだこれ……口の中がうねってる……!? こいつの口の中はどうなっているんだ!?)

魔法使い「も、もう……!!」

勇者「うん、だひていいよ」ジュプジュプッ

魔法使い「うっ!!」ドピュッ ビュルッ、ビュルッ

勇者「んぶっ……ごきゅ、ごくっ、んくっ……」

勇者「えへ。おいしい♡」トローン

魔法使い「はぁ、はぁ……」

勇者「」スッ

戦士「うおっ!? か、体が勝手に……」

勇者「あなたはボクのことを気持ちよくして? ボクの体液を飲めば、きっとすごいことになれるよ?」クスッ

戦士「くっ……」ペロペロ

勇者「ん、んんっ……」///

戦士(なんだ、こいつの愛液……すげえ甘い……)

勇者「あなたもおいで?」スッ

武闘家「うわっ!?」グイッ

勇者「んちゅっ、ちゅる……んっ……」

武闘家「んんー!? んっ、んむっ……」

武闘家「ぷはっ……にゃ、にゃにこれ……ぽかぽかしゅる……」トローン

勇者「あは、おちんちん勃ったのに、皮かぶってるね? かわいい」ツン

武闘家「ひゃあああっ!?」

勇者「あなたは手で可愛がってあげる。それで、あなたは……」

魔法使い「!」

勇者「また口ね♡ はむっ」

魔法使い「ううっ、出した、ばっかだろ……!」

勇者「最初のちゅーで、ボクの唾液を流し込んだもん。一晩中だっておっけーでしょ?」ジュプッジュプッ

勇者「あなたも……」スッ

武闘家「ひゃあっ!? だ、だめぇ! おちんちん、今おかしいからっ!!」

戦士「んちゅっ、ちゅっ……じゅるっ……」

勇者「挿れたくなったら、挿れてもいいからね♡」

戦士「!!」

勇者「穴はちょうど3つあるから……みんな、ボクの体で気持ちよくなっていってね……♡」トローン


〜女勇者の家〜



神子「———っ!!」ガバッ

神子「……勇者? 勇者!?」

神子「『安価絵日記』の魔力が……落ち着いてる……!?」

神子「家にはいない……じゃあどこに行ったのよ……!!」


扉「 ガチャ


神子「っ!! ……勇s」

勇者「……」

神子「———勇、者……? なに、それ……」

神子「アンタ、その服どうしたの……!? それに傷だらけじゃない……!!」

勇者「……えへ。途中で野盗が来て、いろいろされちゃった。服だけはやめてって言ったんだけど、こんなに破かれちゃったよ。ごめんね」

勇者「自分にかけた洗脳も途中で解けちゃうし、『課題』を達成したせいで神子の力が使えなくなるし、もうさんざんだよ。あはは」

勇者「ごめん、床が精液で汚れちゃうから、バスタオル持ってきてくれないかな? お風呂まで行きたいんだけど……」

神子「……アンタ、大丈夫なの……?」

勇者「え? なにが?」ニコッ

神子「———」ゾクッ

神子(なんて……空っぽな笑顔なの……)

勇者「がんばったあとのお風呂は気持ちいいだろうなー」ニコニコ


・・・・・・


神子「ちょっとアンタ、床にそのまま寝るつもりなの!? 今日はほんとにベッドで寝ときなさい! なんなら私が床でいいから!」

勇者「え? いいよ、遠慮しないで? いまボク、そういう気分なの」ニコッ

神子「……ならせめて、毛布とか……」

勇者「床がいいんだ」ニコニコ

神子「……っ」

勇者「それじゃあ、おやすみっ!」ニコニコ

神子「……お、おやすみ……」



〜女勇者の家・朝〜



勇者「女勇者ちゃんの復活まで、あとちょっとだねっ!」

神子「そうね。あと1回くらいで石化が解けそうだわ。もう首から上しか石化は残ってないから」

勇者「それってつまり、『最悪』を『最善』で返済し終えたってことだよね?」

神子「ええ。石化以外の災害も、『最善』に向かって収束しつつあるわ。世界の平和まで、あと一息ね」

勇者「えへへ、がんばろうねっ」ニコッ

神子「ええ……そうね」

勇者「それじゃあ『安価絵日記』で、今日の『課題』を確認しようっ!」ニコニコ

勇者「ええっと……今日の課題は……」ペラペラ

勇者「これだねっ!」





——————・・・



22ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

@がドン引きした安価は無効扱いになることがありますので要注意。



↓+5までで、5つ埋まらなかった場合は20時15分まで。コンマ下2桁の数字が小さいものを採用。


安価絵日記『一緒に勾玉作り』



勇者「勾玉作り?」

神子「これはまた……平和なのが出たわね」

勇者「勾玉って、どうやって作るの?」

神子「石とか水晶とかを削って形を整えて、穴を開ける……それだけよ」

勇者「へぇ、面白そうだねっ!」

神子「材料を召喚して……と」ジャラジャラッ

勇者「これが水晶?」

神子「それは琥珀。いろんな材質があるのよ」

勇者「ふぅん」ジャラジャラ

勇者「何個作ればいいのかなぁ?」

神子「どうかしら。とりあえず、試しに1個ずつ作ってみましょ」

勇者「うんっ!」



神子「ふーん、結局琥珀にしたのね」

勇者「うん。神子ちゃんの緑の石はなに?」

神子「これは翡翠よ。綺麗でしょ?」

勇者「うん。透けてないんだね。模様が綺麗……」

神子「これを研磨機で徐々に削っていくの」ジョリジョリ

勇者「えへ。なんか工作みたいで楽しいねっ!」

神子「ふん。私はそんな子供みたいなことは思わないけどね」

勇者「えー? またまたー」ニコニコ

神子「アンタ、ちょっと性格変わった?」

勇者「?」



勇者「見て見て! いい感じじゃないかな、これ!」

神子「ふん。まあまあね。けど私のだって負けてないわよ。ほら」

勇者「ずいぶん尖ってるんだね。そういう形が好きなの?」

神子「べつに。こっちの方がいいかなって思っただけよ」

勇者「?」

神子「アンタのは随分と丸っこいのね?」

勇者「うんっ! これで、あとは穴を開けるだけだよね?」

神子「この千枚通しみたいな器具で、まず穴を開けるのよ。そうしたら、このドリルみたいな錐を使うの」

勇者「うう……結構固いかも……」ギリギリ

神子「ちょっと、そんな持ち方じゃ怪我しちゃうわよ。こうやって……」ギュッ

勇者「!」///

神子「こ、こうやるのよっ! わかった!?」///

勇者「……う、うん」///


勇者「できたぁー!」

神子「完成ね」

勇者「えへへ、上手にできたよっ!」

神子「そうね、なかなかなんじゃない?」

神子「でも、ここからが一番大事な工程なのよ?」

勇者「え?」

神子「願いを込めるの。こうやって両手で包み込んで、祈るように……」

神子「それで、勾玉は本当の意味で完成したと言えるのよ」

勇者「願いを……込める」

勇者「」スッ

神子「」スッ

勇者「…………」

神子「…………」

勇者「できた?」

神子「ええ。そっちも終わったようね」


安価絵日記「 パァァ!!


勇者「『安価絵日記』が……!」

神子「光ってる……!?」


女勇者『』

女勇者「」

女勇者「……うっ……?」

勇者「石化が、完全に解けた……!」

神子「女勇者ぁ!!」ガバッ

女勇者「うわぁ!? 神子ちゃん!? あれ、なにこれ、どうなってるの……?」

神子「よかったぁ……グスッ……もう、一生会えないのかと思ったじゃない……ばかぁ!」ギュゥゥ

女勇者「えっと、心配かけちゃったみたいだね。ごめん」ナデナデ

神子「勇者っ! 全部アンタのおかげよ! ホントにありが……」

勇者「……」スゥゥ

神子「……アンタ、なんで体が、透けてんのよ……!?」

勇者「えっと……多分だけど……」

勇者「『勇者』は世界に2人もいらないってことなんじゃないかな?」

神子「……っ!!」

勇者「『安価絵日記』も透けてる……どうやら、この世界も『最善』になったみたいだね。ボクもお役御免みたいだ」

神子「ちょ、ちょっと待ちなさいよぉ……! こんな急にお別れなんて、おかしいじゃない!!」

神子「もうちょっといなさいよ! だって、ここは『最善の未来』なんでしょ!? それなら、アンタがいなくなるのはおかしいじゃない!」

神子「だって、私は———」

勇者「神子ちゃん。これあげる」

神子「……アンタが作った、勾玉?」


勇者「えへへ。これね、最初から神子ちゃんにあげるために作ってたんだ。この色も、形も、神子ちゃんのために選んだんだよ?」

勇者「神子ちゃんはもうちょっと、この琥珀みたいに透明になったほうがいいと思うな。大和撫子のとき、すっごくかわいかったから」

神子「かわっ……!?」///

勇者「ああ、今の神子ちゃんが かわいくないってことじゃないよ? もっと素直になったらいいのにって思ったってこと」

勇者「それから、この勾玉みたいに もうちょっと丸っこくなってね?」クスッ

神子「よ、余計なお世話よっ!!」///

神子「……んっ」スッ

勇者「……神子ちゃんの勾玉? くれるの?」

神子「私も、アンタにあげるために作ってたのよ……。アンタは逆に、透き通りすぎよ。純粋なのもいいけど、この翡翠みたいに もうちょっと染まりなさい!」

神子「それから、丸すぎるのよアンタは! もっと自分を押し通していくことも覚えなさいよね! だから、シャープな勾玉にしてみたのよ!」

勇者「ぷっ、あははっ! おんなじこと考えてたんだぁ」

勇者「じゃあもしかして、込めた願いも同じかもね」

神子「願いは言うと効果がなくなるから、心に秘めときなさい」

勇者「うん、わかった」ニコッ

神子「……」

神子「ねぇ、ほんとにこれでお別れなの……?」

勇者「それが『最善』のはずなんだよ」

神子「そんなの納得いかないわよ……。私と、一緒にいなさいよっ……!」

勇者「……ごめん。待ってくれてる人がいるから」

神子「……」

神子「ふん。この私を振るなんて……せいぜい後悔しないことねっ!」

勇者「えへ。最後まで神子ちゃんらしいんだから」ニコッ

勇者「もうほとんど消えちゃってる……時間みたいだ」スゥゥ

神子「……元気でね」ウルッ

勇者「うん。みんな、幸せにね」シュゥゥ

勇者「」フッ

神子「…………」

女勇者「……神子ちゃん。今の子は、いったい……?」

神子「……」

神子「この世界を救ってくれた『勇者』よ」



〜勇者の家〜



シュンッ


勇者「」スタッ

巫女「あら、勇者様。どちらへ行ってらしたんでございますか?」

勇者「えっと、うん。ちょっと別の世界を救いに」

巫女「それはご苦労様でございました。お疲れでございましょう」

勇者「えへ。ほんと、すっごく疲れちゃったよ。それに、たくさんひどい目にも遭った」

巫女「けど泣かなかった。……でございますか?」

勇者「えへ。ちょっとだけ、泣いちゃったけどね」

勇者「でもなるべくがまんしたよ? えらいでしょ」

巫女「はい。しかし、この世界で、この家で、このわたくしの胸でなら、泣いてもいいのでございますよ?」

勇者「そうなの?」

巫女「はい。むしろ泣かないといけないくらいでございます」

勇者「そっか。泣かないといけないんじゃ、しょうがないね」

勇者「あ、でもその前に、どうしてもがまんできそうにないんだけど…………ちゅーしてもいい?」スッ

巫女「はい。それも、むしろしないといけないくらいでございます」

勇者「んっ」チュッ

巫女「んっ」チュッ

巫女「お帰りなさいませ、勇者様」ニコッ

勇者「えへへっ! 巫女ちゃん、ただいまっ!!」ポロポロ





1、めでたしめでたし。

2、まだ終わらんのだ。



↓+5


あの鬼畜安価地雷原の中を、キス一回と童貞喪失だけで乗り切った神子はマジですごいですね。勇者の献身ありきの成果ですが。


じゃあ続けたいと思います。


〜???〜



勇者「んんっ……?」パチ

幼女「ぬおっ!?」ビクッ

勇者「……あれ? あれれ? おかしいなぁ」キョロキョロ

幼女「……?」

勇者「ボク、こんなピカピカ豪華な場所のふかふかベッドで寝てたっけ……?」

幼女「これ、おぬし。余を無視するでない」ペチペチ

勇者「もしかしてボク、誰かにさらわれちゃった……?」

勇者「いや……現実逃避はやめよう。正直、なにが起こってるのかは、ほとんどわかってるし……」

勇者「また『安価絵日記』が手元にあるってことは……つまりそういうことなんだよね……?」

幼女「おい! やはりこやつの持っていた本は、『安価絵日記』で間違いなかったぞ! 至急、『御子』を呼んで参れ!」

女性「ほいほーい♪」トテテ

勇者「御子?」ピクッ

幼女「おお、ようやく余の言葉に反応を示したか! もしや耳が聞こえぬのかと肝を冷やしたぞ」

勇者「御子(みこ)って……どういうこと?」

幼女「その前に。そなたの持っているそれは、『安価絵日記』で間違いないのだな?」

勇者「うん。もう22頁も使っちゃってるけど」

幼女「な、なんと……22頁……!?」

幼女「では、やはりそなたは……!!」

勇者「うん。『勇者』だよ」

幼女「……」

勇者「ところで、お嬢ちゃんは……」


扉「 ガチャッ




女性「『御子』を連れてきたよー」グイッ

御子「……」フラフラ

勇者「え……? なんであんな、奴隷みたいな格好を……」

女性「奴隷ってか、捕虜ってかんじかなー」

勇者「捕虜?」

幼女「……異界の『勇者』よ。頼む、この通りだ!」バッ

幼女「どうか我々を助けてほしいのだ!!」

女性「ん。このとおりー」ペコッ

勇者「え、えっ、どういうことなの……?」

幼女「奴らは、手段を選ばぬ非人道的な方法で我らに攻撃してきた。そのせいで、この世界は致命的な打撃を受けている……」

幼女「この危機を脱するには、そなたの力と『安価絵日記』が必要なのだ!」

幼女「頼む……! この世界を救ってくれ!!」

勇者「……えっと、よくわかんないけど、わかった。世界を救うよ」

幼女「!!」

勇者「えへ。たくさんの人を救うのが『勇者』の役目だからね。キミのことも、救ってみせるよ」ニコッ

幼女「そうか……!!」ウルッ

幼女「では『御子』とともに、さっそく世界救済に従事してくれ! 我らも全力でサポートする!」

勇者「ボクは勇者。よろしくねっ!」ニコッ

幼女「余は魔王。よろしくたのむぞっ!」ニコッ

勇者「———ん?」

魔王「側近よ! 『御子』をここへ!」

側近「ほいほーい」グイッ

御子「……」フラフラ

勇者「え? え? あれ、ちょっと待って? いま……」

魔王「では勇者よ。あの狂った人間どもの破壊した世界を、我ら魔王軍とともに救済しようぞっ!」

勇者「ど、どういうことなのーっ!?」



魔王「人間と魔族は、水と油。相容れぬ存在だ。その例に漏れず、この世界でも我らは争っていた……」

魔王「基本的に人間は魔族に能力で劣る。なればこそ魔道具や兵器を用いるのだが……それでも奴らは、我らとの実力差を埋められなかった」

魔王「そこで奴らは『安価絵日記』を持ち出したのだ」

魔王「しかし余はそれを見越していた……先代である父上が、最古にして最凶の魔道書だと常々口を酸っぱくしておったからな」

魔王「だから余は先手を打ち、『御子』を攫ってやったのだ。そうすれば『安価絵日記』は使用できぬ。完璧な計画のはずであった……」

魔王「……しかし」

魔王「まさか、どうせ負けるならと、人間側が『安価絵日記』を失敗覚悟で発動して世界を滅ぼそうとするとは思わなんだ……!」

魔王「3日前、世界が『口を開けた』のだ。文字通り大地が裂け、『口』が現れた。そして、人も魔物も全てを飲み込んでしまった」

魔王「『口』は世界各地に出現し、多くの生き物を飲み込んでいった。彼らがどこへ行ったのかは、誰にもわからぬ……」

魔王「概算であるが、人間の3割、魔族の7割が飲み込まれたと言われている……」

魔王「人間側は『大災害』を想定して対処や避難の準備が万端であったが、当然我らはそうはいかぬ」

魔王「どこかへ消えた同胞たちを取り戻すため、そして『口』によって徐々に生命力を吸われて滅び行くこの世界を救済するため、そなたの力が必要なのだ、勇者よ……!!」

勇者「えっと、ボクを呼んだのはキミなの?」

魔王「呼んだ? いや、余が気づいたときには、魔王城の前に倒れておった。文献で見た『安価絵日記』を持った少女を見て、ひと目でピンと来たのでな。余の寝室に運んだのだ」

勇者「そっか……」

勇者「うん、事情はわかったよ。キミたちに協力する」

魔王「本当か!?」

勇者「ただし、1つ条件がある」

魔王「な、なんだ……?」ゴクリ

勇者「全部おわったら、人間たちとの争いはやめて、仲良くすること」

魔王「!!」

魔王「し、しかし、それは……」

勇者「おねがい、魔王ちゃん」ジッ

魔王「う、あ……うぐぐ……」

魔王「……わかった。その条件、呑もう……」ガクッ

勇者「えへ。ありがと、魔王ちゃん」ニコッ

魔王「このままでは世界が終わってしまうのだ。それくらいは妥協しよう……」

勇者「だいじょうぶ。きっとそれが、『最善』だから」ニコッ



〜勇者の寝室〜



魔王「寝るときは、この部屋を使ってくれ」

勇者「うわぁ……すっごいキラキラな部屋だね……」

魔王「それから、『御子』も同じ部屋に置かせてもらおう。ここと牢屋は遠いのでな」

御子「……」

勇者「もぉ、魔王ちゃん? 御子ちゃんだって、世界を救うためには必要不可欠なんだよ? せめて、ボクと同じくらいの扱いはしてくれないかな?」

魔王「……むぅ。勇者がそう言うのであれば、別の部屋をあてがうが……」

御子「……」キュッ

勇者「? ……なんでボクの服を、掴んでるの?」

御子「……」

魔王「この部屋でいい、ということではないか?」

勇者「そうなの? 御子ちゃん」

御子「……」

魔王「幽閉中に心を閉ざしてしまったようでな。そういうわけだから、どのように扱っても構わぬぞ」

魔王「では、なにか入り用であったら、気兼ねなく申し付けてくれればよい。では、余は先ほどの部屋に戻っておるぞ」スタスタ


扉「 ガチャン


勇者「……えっと、御子ちゃん、でいいんだよね?」

御子「……」

勇者「立ってるのも疲れるでしょ? ほら、ベッドにでも座って?」

御子「……」

勇者「……うーん。えいっ」グイッ

御子「……」ポスッ

勇者「とりあえず無理やり動かせば、座ってはくれるんだね」

勇者(でも『課題』が出てから、御子の力を貸してくれなかったら大惨事なんだよね……)



勇者「御子ちゃん、きっとキミは、大変な目に遭ったんだよね。心を閉ざしちゃうくらい……」

御子「……」

勇者「『安価絵日記』のことは、もちろん知ってるよね? この『課題』をこなせば、『最善の未来』を手にすることができるんだ」

勇者「きっとその未来では、御子ちゃんはもう一度笑えているはずだよ」ニコッ

勇者「人間も魔族も、みんな手を取り合って笑い合える世界になるんだ。ボクはこれまでに2回、世界を救った」

御子「……」

勇者「おねがい。ボクにみんなを、この世界を……そして、キミのことを救わせて……!!」

勇者「そのためには、ボクとキミの力を合わせなきゃいけないんだ!」

勇者「一緒に世界を救って! おねがいっ!!」キュッ

御子「……」

勇者「……」

勇者(……だめ、かな……)


御子「……」ツツー…


勇者「!!」

勇者「御子ちゃん……ボクに力を貸してくれるね? 一緒に、世界を救ってくれるね?」

御子「…………」

御子「」コクッ

勇者「ありがとう……!!」ウルッ

勇者「それじゃあ、早速だけど『安価絵日記』を使ってみるね?」ペラペラ

勇者「ボクたちの最初の『課題』は……」






——————・・・



23ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

@がドン引きした安価は無効扱いになることがありますので要注意。

この投下から20分後に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。



↓+6まで。

うぃ。では今日は解散で、明日再開したいと思います!

お付き合いありがとうございました!


安価絵日記『大災害によって怪我などをしている魔物たちをできるだけ助けろ』



勇者「わあ、めずらしい! こんな、直接人の役に立つような『課題』が出るなんて!」

御子「……」

勇者「御子ちゃん、早速だけど御子の力をボクに……」

御子「……」

御子「」パァァ

勇者「えへ。ありがとっ!」ニコッ

勇者「じゃあいっしょに、たくさんの人を助けに行こっか!」キュッ

御子「……」

勇者「あ、その前に」パァァ

御子「……」シュンッ

勇者「えへ。かわいい服でしょ? あんな奴隷みたいな服じゃかわいそうだしね。体もきれいにしておいたよ」

御子「……」

勇者「それじゃ、行こう! しっかり掴まっててね!」バサッ



〜エルフの里〜



勇者「あそこかな? 建物がたくさん崩れちゃってる」バサッ、バサッ

御子「……」ギュゥゥ

勇者「よっと。到着」

エルフ「ん? 貴様ら何者だ? 人間……いや、翼が……」

勇者「おねがいします。ボクは怪我を治す能力があります。もし傷ついている人がいるなら、ボクに助けさせてください!」

エルフ「お前のような素性の知れない奴を里に入れるわけにはいかない。これはエルフの里の掟だ」

勇者「……。おにいさん、左腕が折れちゃってるね」

エルフ「ああ、この前の大災害で……」

勇者「もう治したよ」

エルフ「……は? あれ、痛くない……それにちゃんと動k」

勇者「ごめん、勝手に入るね!」バサッ

御子「……」ギュッ

エルフ「うわ、おい待て!!」

勇者「おじゃましますっ!」ギュンッ

勇者(生物探知で診療所みたいなところを見つけた……! あそこだ!)

勇者「御子ちゃん、空間移動で診療所に入るね?」バサッ、バサッ

御子「……」ギュゥゥ

勇者「じゃあいくよ?」


シュンッ


勇者「よっと」スタッ

御子「……」スタッ

医者エルフ「うお、なんだ君たちは!? に、人間か!?」

勇者「この部屋の人たち、みんな治しちゃいますねっ!」パァァ

患者エルフ「……うぅ……あったかい」シュゥゥ

医者エルフ「バカな……人間がこんな高度な魔法を……」

勇者「次は待合室の人たち!」パァァ

医者エルフ「な、何者なのだ、君たちは……!?」

勇者「ええっと……魔王様に召喚された天使ですっ!」バサッ

医者エルフ「て、天使……!?」

勇者「他に、この里で重傷な人はいませんか?」

医者エルフ「え、あ、ええと、族長の家の娘が、動かせないほどの重体なのです……」

勇者「わかりましたっ! 急いでますから、これで失礼しますっ!」

医者エルフ「お、おい待t」

勇者「」シュンッ



〜族長の家〜



族長「……はぁ、はぁ……」パァァ

エルフ娘「お父さん……もう無理しないで? ずっと寝てないでしょ……」

族長「お前を死なせはせん……ぜったいに……」パァァ

エルフ娘「お父さんまで死んじゃったら、この里はどうするの? ダメだよ、命を無駄にしちゃ……」

勇者「いいえ」シュンッ

御子「……」スタッ

族長「!?」

エルフ娘「?」

勇者「無駄じゃありませんでしたよ。ここまで命をつないでくれて、ありがとうございますっ!」パァァ

族長「何者だ、お主たち!?」

勇者「それは診療所のお医者さんに聞いてください」パァァ

エルフ娘「……あれ……苦しくなくなってきた……」

族長「!?」

勇者「……けっこうあぶなかったみたいですね……こんなに時間がかかるなんて」パァァ

勇者「でももうだいじょうぶ。治りましたよ」

族長「ほ、本当か!? エルフ娘、体の具合はどうだ!?」

エルフ娘「……っ」ググ…

エルフ娘「すごい、起き上がれた……!」

族長「!!」

族長「ありがとうございます!! このご恩は必ずや……」

族長「……?」

族長「あの2人はどこへ……?」



・・・・・・


勇者「おねがいします、治させてください!」

狼男「それ以上、この村に近づくな! 殺されたいのか!!」


・・・・・・


勇者「えへ。それじゃあ、次のところへ行きますね!」

狼男「……すまない。本当にありがとう……」


・・・・・・


竜「何者だ貴様たちっ!!」バサッ、バサッ

勇者「うわああっ!?」バサッ、バサッ


・・・・・・


勇者「これで王子様も王女様も大丈夫ですよ」ニコッ

竜王「……あとで魔王城に顔を見せる」


・・・・・・


スライム「うぅ……お水が足りないよぉ……」

勇者「えぇー……? こういうのはどうすればいいんだろう……」


・・・・・・


勇者「よかった、泉の水をここまで引いてくればよかったんだね」

スライム「ほんとにありがとうっ! いつかぜったい恩返しするからねっ!!」


・・・・・・



勇者「はぁ、はぁ、はぁ……」パァァ

勇者「これで……みんな、だいじょうぶ……」ヨロッ

勇者「」ガクッ

妖精「天使様!?」

勇者「もう……夜中の12時になったんだ……」

勇者「魔王城に帰らなきゃ……魔王ちゃんたちを心配させちゃう……」ググ…

御子「……」

勇者「御子ちゃん、しっかり掴まっててね……」バサッ

御子「……」ギュゥゥ



〜勇者の寝室〜



勇者「今日はおつかれさま!」

御子「……」

勇者「あはは、できるだけってことだから、『安価絵日記』制限時間ギリギリまでがんばっちゃったね」

勇者「ほんとならボクだけで行くべきだったのかもしれないけど、御子ちゃんにも、ちゃんと人助けをしてるんだって実感してもらいたかったから、連れ回しちゃったんだ。ごめんね?」

御子「……」

勇者「ああいう『課題』ばっかりじゃないし、ときには辛い『課題』が出ることだってあるけど……」

勇者「きっとボクらなら、いっしょに乗り越えていけるよっ!」ニコッ

御子「……」

勇者「よし、それじゃあ今日はいろんなとこを飛んだし、お風呂に入ってきちゃおっか?」

御子「……」

勇者「御子ちゃんの体は、朝のできれいにしたけど、汗もかいちゃっただろうし」

勇者「けど1人でだいじょうぶ? ちゃんと体洗える?」

御子「……」

勇者「うーん、だいじょうぶじゃなさそうだなぁ……」

勇者「じゃあそれは明日、側近さんあたりに任せちゃうとして、今日は早く寝ちゃおっか」ニコッ

御子「……」

勇者「じゃあさっき魔王ちゃんへの報告のついでに、御子ちゃんの部屋を教えてもらったから、案内するよ。……ついてきて?」グイッ

御子「……」グッ

勇者「……え?」グイッ

御子「……」ググ…

勇者「ちょ、なんで立ち上がってくれないの? はじめてだね、そんなに意思をむき出しにするの……」ググ…

勇者「この部屋がいいの?」

御子「……」

御子「」コクッ


勇者「そっか。じゃあボクが御子ちゃんの部屋に……」ガクンッ

御子「……」ググ…

勇者「……」ググ…

勇者「も、もしかして、いっしょの部屋がいい?」

御子「……」

勇者「じゃあボクは床で寝るから、御子ちゃn」

御子「……」グイグイ

勇者「……あはは。うん、じゃあ、いっしょに寝よっか」ニコッ

御子「……」

勇者「ほら、ベッドに入って?」モゾモゾ

御子「……」モゾモゾ

勇者「もしかして、こういうちゃんとしたところで寝るのって久しぶりだったりする?」

御子「……」

勇者「あんな布みたいな服着せられてるくらいだもんね……」ナデナデ

御子「……」

御子「」ギュッ

勇者「!」

勇者「……そっか。こうやって人間とお話するのも久しぶりなんだ」

勇者「さみしかったんだね……」ナデナデ

御子「」ギュゥゥ

勇者「おやすみ、御子ちゃん」ニコッ

御子「……」ギュゥゥ



〜魔王城・食卓〜



魔王「勇者よ、そなたのために、最高の朝餉を用意させたぞ!」ドヤッ

勇者「……ありがと。でも、魔王ちゃん?」ニコッ

魔王「なんだ?」ニコッ

勇者「ボクと御子ちゃんの席を交換するね?」

魔王「なっ……なにを言っておるのだ!? それでは……」

勇者「ボク、言ったよね。御子ちゃんはボクと同じ扱いをしてって」

魔王「う、うむ……」

勇者「次、御子ちゃんのごはんがパンの欠片と水道水だけだったら…………ボク、怒るから」ジッ…

魔王「……す、すまぬ。いますぐ勇者と同じものを用意させる……」

魔王「側近!」

側近「ほいさっさー。もー、だから勇者くんは絶対怒るって言ったのにー」

魔王「料理長がゴネたのだ! 捕虜のために腕を振るいたくないとっ!!」

勇者「魔王ちゃん。御子ちゃんはもう、捕虜じゃなくって『御子』なんだよ?」

勇者「御子ちゃんの機嫌次第で、世界は『最善』にも『最悪』にもなるんだよ。それを忘れないでね」

魔王「……う、うむ」ウルッ

勇者「御子ちゃん、もうちょっと待っててね」ニコッ

御子「……」

勇者「そうだ、ついでに『安価絵日記』を確認してよっか」パラパラ

御子「……」

勇者「今日の頁は……24頁!? うわあっ、もう半分くらいまで来てたんだ!」

勇者「えっと、今日の『課題』は……」






——————・・・



24ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

@がドン引きした安価は無効扱いになることがありますので要注意。

この投下から20分後に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。



↓+6まで。


安価絵日記『御子と魔王に種付け』



勇者「———っ!!」

御子「……」

魔王「今度はどんな『課題』が出たのだ? 余にも教えるがよい!」ピョコピョコ

勇者「……はい」スッ

魔王「どれどれ……」

魔王「……」

魔王「///」ボンッ!!

勇者「またこういうやつかぁ……」

魔王「こ、こんにゃ『課題』も出るのか!? 今まで出た『課題』を見せてみよ!!」///

勇者「見ないほうがいいと思うけど……はい」スッ



安価絵日記


1P『巫女とせっくす』

2P『巫女とせっくす』

3P『巫女が陰部性転換し、勇者が気丈な巫女の金玉を潰れるまで拷問』

4P『巫女の全身の穴という穴に鉄の杭を差す』

5P『野外でセックる』

6P『さっきの幼女を暴力的にレイプして処女喪失させる』

7P『複数の幼女サキュバスに陰部男体化した巫女と一緒に散々犯される』

8P『幼なじみを、気づかれないように電車で痴漢』

9P『あの幼女の母親を、幼女の父親から目の前で寝取って家庭崩壊させる』

10P『最近近くで暴れている山賊(女)を退治(意味深)』

11P『巫女とデート』

12P『大人数のために少人数を切り捨てる正義の味方になれ』

13P『錯乱し巫女を刺そうとする幼馴染を死をもって止めろ』

14P『詐欺しまくった女占い師を男衆に輪姦させ一生彼らの肉便器にする』

15P『人間の王子と魔物の姫の、禁じられた恋を成就させる』

16P『好きな漫画の1シーンを再現』

17P『やる気のない鍛冶屋の一人娘に、立派な鍛冶屋になる決意をさせる』

18P『神子とセックス』

19P『東方神霊廟のクリア  EXはご自由にどうぞ 』

20P『神子を控えめで清楚な大和撫子にする』

21P『勇者がいろんな男たちとセックス』

22P『一緒に勾玉作り』

23P『大災害によって怪我などをしている魔物たちをできるだけ助けろ』

24P『御子と魔王に種付け』


魔王「……な、な、なぁ……!!」///

御子「……」

勇者「あはは……昨日みたいに心温まる『課題』は、なかなかないんだよ……」

勇者「ごめん、こんなの見せるべきじゃなかったよね」パタンッ

魔王「こ、こんなことを、今まで続けてきたのか……そなたは」

勇者「不潔でしょ? うん、これが『勇者』の世界の救い方なんだ……」

勇者「……ごめん」

御子「……」

魔王「……」

側近「おまたせー。あれ、私を差し置いて内緒話? 私もまーぜーろーよー♪」

魔王「側近」

側近「んぁ?」

魔王「今から余は、勇者との子作りを行う。邪魔が入らぬよう見張りを立てよ!」

側近「!」

勇者「!」

魔王「余の部屋に行くぞ、勇者」グイッ

勇者「い、いいの……?」

魔王「良いも悪いもない。これは世界のためなのだっ! 余の個人的な感情で、同胞たちを危険に晒すわけにはゆかぬっ!!」

勇者「……!!」

勇者「さすがは、魔王様だね」

魔王「ふん、今頃気づきおったか?」

勇者「けど、手が震えてるよ?」

魔王「……ならば、もっと強く握るがよい」

勇者「……うん」キュッ


〜魔王の寝室〜


ベッド「 ギシッ…


魔王「学問の一環として、子を成す方法は知っておるが……実践はない。経験豊富であるそなたがリードするがよい」

勇者「うん。じゃあ、まず……」ギュッ

魔王「!」

魔王「これは、どういう効果があるのだ……?」

勇者「魔王ちゃんの震えが止まるまで、こうやっとくんだよ」ポン、ポン

魔王「せ、背中をぽんぽんするでない。眠くなるであろう……」

勇者「なんなら、寝てるあいだにぜんぶ終わらせちゃおっか?」

魔王「……それは、いやだ」

魔王「初めては、きちんと覚えておきたい……」

勇者「……」ナデナデ



・・・・・・



勇者「もう、いいかな?」

魔王「う、うむ」

勇者「じゃあ……」チュッ

魔王「///」チュッ

勇者「んっ、ふっ……」チュッ、チュル…

魔王「んむぅっ!?」///

魔王(勇者の舌が、余の口の中に……!? それに、なんなのだこれは……唾液が、甘いぞ……!?)

勇者「ん、んちゅ、ちゅっ……」

魔王「ちゅっ、ちゅる…………ぷはっ」///

勇者「これ、淫魔の唾液を真似してるんだけど……魔王ちゃんには効くかな?」

魔王「わ、わからぬ……が、なにやら、ふわふわするぞ……///」トローン

勇者「えへ。しっかり効いてるみたいだね。これで痛くはなくなるはずだよ?」

魔王「そう、なのか……?」

勇者「じゃあ、脱がしていくね」シュルッ

魔王「じ、自分で脱げるぞ……?」カァァ ///

勇者「こういうのはマナーだから」シュルシュル

勇者(うわわっ……すっごいえっちな下着……。側近さんの仕業かな? ぜんぜん隠れてないよ……)

勇者(お肌……すべすべで、もちもちで……ずっと触ってたくなるなぁ……)サワサワ

魔王「ん、んっ……くすぐったい、ぞ、勇者……」ピクッ、ピクンッ

勇者(おっぱいは……かろうじて膨らんでるってかんじかな?)フニフニ

魔王「っ!! ふぁ、んんっ……!!」///

勇者「かわいい……魔王ちゃん」チュッ

魔王「んぅ……///」トローン


勇者「乳首も……」チュッ

魔王「あんっ!?」ビクッ

勇者「いま、すっごく大人な声でてたよ?」チュパチュパ

魔王「んっ、ひっ!? そ、そのまま喋るでない……///」ビクッ、ビクッ

勇者「……」チュゥゥゥ!

魔王「ひゃあぁっ!?」ビグッ

勇者「……」チロチロ、クリクリ

魔王「あ、あ、あっ! なんかぁ、なんかくるっ!!」ビクッ、ビクッ

勇者(無意識だろうけど……腰がへこへこ動いてる。魔王ちゃん、えっちな子なのかな?)

勇者「イっていいよ」カリッ、ギュゥゥ

魔王「———ぎっ!?」ビグンッ

魔王「ひぁあああっ!?」ビグッ、ビグッ!!

勇者「うわっ、すごいビクビクしちゃってる……」

魔王「あっ……あっ……」ビクッ、ビクッ

勇者「魔王ちゃん、きもちいい?」チュッ

魔王「うん、うんっ……すごい、すごいよ、これぇ……///」トローン

魔王「もっと、ちゅー……」ギュッ

勇者「えへ。えっちだね、魔王ちゃん」チュッ

魔王「んっ♡」チュッ

勇者「こっちはどうなってるかな?」クチュッ

魔王「ひっ———!?」ビグッ

勇者「あれ? こんなに感度をあげたつもりはないんだけどなぁ……もしかして魔王ちゃん、もともとかなり敏感さん?」

魔王「わ、わかんにゃいぃ……///」ビクッ、ビクッ

勇者「これ、挿れたら壊れちゃうんじゃないかな……?」チュクチュク

魔王「あっ、あっ……♡」

勇者「ちょっと休憩する? しばらくして、もうちょっと感度が落ち着いてから……」

魔王「やだ、やだぁ……いま、ほしいのぉ……///」ギュゥゥ

魔王「余の、性器に……ゆうしゃの男性器を、挿れるのであろ……?」

勇者「……まぁ、全部終わったらリセットされるようにしてるし……大丈夫かな?」

勇者「じゃあ、これ挿れちゃっていい?」ボロンッ

魔王「———っ!!♡」ゾクゾクッ

魔王「……あはぁ♡♡」トローン ///

勇者「魔王ちゃん……もうそれ、メスの顔だよ?」

魔王「ちょーだいっ! それ、ちょーだぁい♡」フリフリ

勇者「ねえ、魔王ちゃん。ほんとに初めてなの? 四つん這いでお尻振るとか、普通しないよ?」クチュッ

魔王「あひぃ!?♡」

勇者「あとは押し込むだけだけど……いいんだよね?」ヌチュッ

魔王「はやくぅ! ちょーだい! めちゃくちゃにしてっ!!♡」

勇者「じゃあ———」


勇者「えいっ!!」ズンッ

魔王「———っ!?♡♡」

勇者「どうかな、痛くないっ?」パンパンパン

魔王「んぉぉああっ! ぁぁあああっ!!」ビグッ、ビグッ

勇者(幸せそうな顔で、苦しそうに喘いでる……どっちなんだろ……?)

勇者(っていうか、すっごいキツイ……痙攣して収縮してるから、潰されちゃいそう……!)

勇者(それに、浅すぎて半分くらいしか入ってないし……)

魔王「ぐ、くぅぅうう〜〜!!」ギュゥゥ

勇者「魔王ちゃん、シーツそんなに握り締めるくらいなら、いったんやめようか……?」パンパンパン

魔王「っ、っ!!」フルフル

勇者「そ、そうなの? じゃあ、続けるけど……」パンパンパン

魔王「ひっ、ぎっ、あああっ……♡♡」ビグンッ、ビグンッ

勇者(もう理性のある顔じゃないね……早くイってあげたほうがいいかもっ!)

勇者「ごめん、ちょっと急ぐね!」パンパンパンッ!!

魔王「あああああ゛あ゛あ゛っ!?」プシャァァ!

勇者「もうちょっとでイクよ!」パンパンパンッ!!

魔王「ゆうしゃぁっ!! ゆうしゃああ゛あ゛っ!!♡♡」

勇者「うぅっ! 魔王ちゃん、イクっ!!」ドピュッ!

魔王「———っ♡♡」ビグッ、ビグッ

勇者「くっ、う……」ビューッ、ビュルルッ!!

魔王「かっ……あ゛ぁ……」ピクピクッ

勇者「はぁ、はぁ……魔王ちゃん、だいじょうぶ?」クイッ

魔王「あぁぁ……♡」トローン

勇者「あぅ……どうしよう、ちょっとお見せできない顔になっちゃってる……」

勇者「んっ」ズルルッ

魔王「っ」ゴポッ、ビュルッ

勇者「魔王ちゃんはえっちな子だったんだね」ナデナデ

魔王「余……が……えっち……?」ピクッ、ピクッ

勇者「ボク、次に行かないといけないんだけど……1人でだいじょうぶ?」

魔王「……ちゅー……して……」キュッ

勇者「わかった」チュッ

魔王「……えへ……♡ ……いって、よいぞ……」

勇者「うん、待ってて。側近さん呼んでくるからね」ナデナデ


〜勇者の寝室〜



勇者「おまたせ、御子ちゃん」

御子「……」

勇者「こういうの、経験ある?」

御子「……」

勇者「ええっと……もしかして、幽閉中に……とか?」

御子「……」

勇者「」ギュッ

御子「……」

勇者「思いっきり優しくするからね……」

御子「……」

御子「」ギュッ

勇者「!」

勇者「ちゅーするよ?」

御子「……」

勇者「」チュッ

御子「……」ピクッ

勇者「」グイッ

御子「……」ギシッ

勇者「さわるね?」

御子「……」

勇者「」サワッ

御子「……」

勇者「わっ……朝、お風呂でも思ったけど……やっぱりおっぱい、おっきいんだね」

御子「……」

勇者「」モニュ、ムニュ

御子「……」

勇者「」チュッ、チュゥゥ

御子「……」

勇者「」チュパッ、カリッ

御子「……」

勇者(全然反応ないなぁ……淫魔の唾液使ってないし、普通はこんなものなのかな……?)

勇者「ちょっと下の方、触るね?」スッ

勇者(ぜんぜん濡れてない……どうしよう、困ったなぁ……)


勇者「うん、こういうのはちょっとやめよう」ギュッ

御子「……」

勇者(昨日の夜、御子ちゃんは自分から抱きついてきてくれた……。御子ちゃんが求めてるのは温もりのはず)

御子「……」

勇者(だからこうやって抱きしめて、ひたすら傍にいよう……)ギュゥゥ

勇者「こんなことに巻き込んでごめんね」ナデナデ

御子「……」

勇者「世界を平和にしたら、ボクはすぐにいなくなってあげるから……」

御子「……」ビクッ

勇者「?」

御子「……」

勇者(……)

勇者「ううん、そんなことは考えなくていっか。今は、こうやって1つずつ『課題』を達成することだけ考えよう」ナデナデ

勇者「御子ちゃんが笑顔を取り戻すまで……ボクがずっと傍にいてあげるからね」ニコッ

御子「……」

勇者(御子ちゃんがなにかアクションを起こしてくれるまで、何時間だってこのままギュッてしてよう……)

御子「……」

御子「」グイッ

勇者「えっ?」ポスッ


御子「」シュルシュル

御子「」ギシッ

勇者「なんで、馬乗りに……」

御子「」スッ

勇者「う、うそっ!? このまま挿れるつもり!? ほとんど濡れてないんだよ!?」

御子「」ズブッ…

勇者「くっ……御子ちゃ……」

御子「」ズブブブ…

勇者(全部、入った……血は出てない……)

勇者「痛く、ない?」

御子「……」

御子「」ジュプッ、ジュプッ

勇者「うぁっ!?」///

御子「」ジュプジュプッ

勇者「いきなりっ、激し……!」

御子「」ジュプジュプッ

勇者「……御子ちゃんっ……!」

御子「」ジュプジュプジュプッ!!

勇者「くっ、うああっ!?」ドピュッ

御子「」ビュルル、ビュルッ…

勇者「はぁ、はぁ……」

御子「……」

御子「」チュッ

勇者「んっ!?」

御子「」ギュッ

勇者「あ、え……?」

御子「……」

勇者「……」

勇者「傍にいるからね」ギュッ

御子「……」

御子「」ギュゥゥ



〜お風呂〜


勇者「朝も思ったけど、やっぱり広いねぇ。銭湯みたい」

御子「……」

勇者「はい、座ってー」クイッ

御子「……」ストッ

勇者「お湯で濡らしたら、まず髪の毛から洗っちゃうねー」シャカシャカシャカ

御子「……」

勇者「痒いとことはございませんかー? なんて。えへへ」

御子「……」

勇者「髪の毛きれいだよねぇ……ツヤツヤだし。……泡流すよー」ザパァァ

御子「……」

勇者「次は体を洗ってくね」ゴシゴシ

御子「……」

勇者「あぅ……おっぱいおおきいから……ちょっと変な気分になっちゃいそう……///」ゴシゴシ

御子「……」

勇者「はい、お尻浮かせてねー。うん、ボクのが残ってるとあれだから、念入りに掻き出しとこっか……」クチュクチュ

勇者「はい、お尻降ろしてー。右足あげてー。……はーい、左足ー」

御子「……」

勇者「洗顔クリームってこれだよね? ボクこういうのよくわかんないんだけど……」

勇者「はい、目を閉じて? 口もしっかり閉じてね。うん、おっけー。じゃあ流すから、ちょっと息止めてね」シャワワワ

勇者「よし、泡も全部流したし……じゃあ湯船に移動っ!」クイッ

御子「……」テクテク

勇者「はぁ〜♡」チャプン

御子「……」チャプン

勇者「……すごいね、おっぱいがお湯に浮いてる……」

御子「……」

勇者「なんだかすごいことになってるなぁ……。ちょっと前までは『最悪の勇者』とか呼ばれてたのに、今じゃ魔王城でお風呂を満喫してるんだもんね……」

御子「……」

勇者「異世界を冒険することになるなんて、思いもよらなかった……」

勇者「けど、こんなボクなんかでも救える人がいるんなら……がんばる甲斐があるよ」ニコッ

御子「……」

勇者「きっと『最善の未来』になったら、御子ちゃんも人間の国に帰れるし、この世界の『勇者』とも会えるようになるよ」

御子「……」

勇者「まあ、『勇者』は世界に2人以上いられないらしいから、その時、ボクたちはお別れだけどね」

御子「……」

勇者「……うん、そろそろ100秒たったかな?」ザパァ

勇者「じゃあ体拭いてあげるから、脱衣所に行こっ!」クイッ

御子「……」ザパァ


〜勇者の寝室〜



御子「スー……スー……」ギュゥゥ

勇者(えへ。かわいい寝顔)ナデナデ

勇者(昨日はけっこう長いあいだ起きてたみたいだけど、今日はすぐに寝ちゃったね)

勇者(身長はともかく、体つきは今まで見た中で一番スゴイのに……ちっちゃい子を見てるみたいな気分になるなぁ)

勇者(これだけ手がかかるのに、ロボットを相手にしてるみたいな気分になったり、介護してるみたいな気分にならないのは……)

勇者(たぶん、こうやって甘えてくれるからなんだろうなぁ)

勇者(この子は、完全に人との交流を拒んでるわけじゃない……と思う)

勇者(ほんとは甘えたくてしょうがないのに、他人を信じられないから、それができない、みたいな)

勇者「……」ナデナデ

御子「スー……スー……」ギュゥゥ

勇者「ボクはキミのことを、ぜったい裏切らないからね」ナデナデ



〜魔王城・食卓〜



魔王「勇者よ、今日の『課題』は見たのか?」ニコニコ

勇者「ううん、まだ見てないよ……だから、ちょっと離れよっか、魔王ちゃん」

魔王「つれないことを言うでない、勇者よ。余は昨日のあれが、いたく気に入ったぞっ!」///

側近「いったい何をやったら、初経験の幼女が、あんなにトロットロな顔になるんだろうねー」

御子「……」

魔王「勇者っ、今日も同じ『課題』だったりせぬのか?」

勇者「そういうことも前にあったけど、多分もうないんじゃないかな。だから、ちょっと離れよっか、魔王ちゃん」

魔王「『課題』でなくとも、もう一度やってもよいのだぞ?」///

勇者「側近さん、どうして魔王ちゃんはこんなにえっちな子に育ったんですか?」

側近「えーっと、ほら、王族ってのは好色じゃないと存続しないっつーか。そんな感じなんだよ、きっと(適当)」

魔王「それで、今日の『課題』はなんなのだっ?」

勇者「うん……今日の『課題』は……」パラパラ

勇者「これだね」





——————・・・



25ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

@がドン引きした安価は無効扱いになることがありますので要注意。

この投下から20分後に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。



↓+6まで。



安価絵日記『二人で欲しい魔法生物をデザインして絵日記部分に描け。創造する』



勇者「わあっ、こういう『課題』は初めてだよっ!」

勇者「2人っていうのは、ボクと御子ちゃんだね、たぶん」

魔王「えぇー?」

側近「ほら魔王様、邪魔しないでくださいねー」グイグイ

魔王「むぅ……」

勇者「御子ちゃん、そういうわけなんだけど絵は描ける?」

御子「……」

勇者「うーん……えっと、ペンを召喚してくれる?」

御子「……」スッ

勇者「ありがと。で、ほら、握って」ギュッ

勇者「まずは1匹、適当に書いてみて?」

御子「……」

御子「」カキカキ

勇者「!」

勇者(自発的に動いてくれた! しかもボクの言うとおりに!)

御子「」カキカキ

御子「……」

勇者「あ、もうできたんだ! どれどれ……?」



(めちゃくちゃファンシーなモフモフの羊が、枕になっているイラスト)

『頭を置くと、嫌なことを全部忘れさせてくれるよ』



勇者「ぷっ!!」

御子「……」

勇者「ごめっ、あははっ! ごめん、馬鹿にしたわけじゃないよ!? ただちょっと、このかわいさは意外だっただけで……ふふふっ!」

魔王「なんだこれは……かわいいではないか……」///

側近「へー、やるじゃんか。欲しい欲しい」

勇者「御子ちゃん、絵がすごく上手なんだね! 羨ましいなあ、ボクかわいいイラストとか描けないから、イラストは御子ちゃんが担当してね?」

魔王「勇者の絵も見てみたいぞっ!」

側近「そーだそーだ!」

勇者「ええっ!? いや、ボク、絵は得意じゃないからね……?」カキカキ



(なにかよくわからない、黒くて人型ななにか)



勇者「わあ、これ意外と上手に描けたかも♡ どうかな、みんなっ!」キラキラ

御子「……」

魔王「……うむ。なかなかではないか。ええと、ほら、なぁ?」

側近「いや私に振られてもなー。褒められる要素が見つからねーっす」

勇者「……」ウルッ

魔王「愚か者! 勇者が捨てられた子犬のような目をしているではないかっ! なにか褒め言葉を搾り出さぬか!!」

勇者「いいよ、べつに……絵なんか描けなくたって生きていけるし……」グスン

勇者(設定も書いとこっと。ボクが今欲しいのは、御子ちゃんの心を知れる能力だから……)カキカキ

『これは変身途中の姿だよ。人に触れられると、その人が隠している『本質』を反映した性格で、外見そっくりになれるんだ』

勇者「えへ。これでよしっと」

魔王「それで、次が本番なのか?」

勇者「そうだね。御子ちゃん、ボクらに必要なものってなんだろう? やっぱり『課題』を楽に達成できるようになる能力かな?」

御子「……」

御子「」カキカキ

勇者「?」

『世界を自由に行き来できる能力』

勇者「!!」

御子「……」ジー…

勇者「……えへ」ニコッ

勇者「うん、それにしよっか」ナデナデ

御子「」コクッ

勇者「それじゃあ、それっぽいキャラクターを描いてくれるかな?」

御子「」カキカキ

魔王「どういうことなのだ? 世界を自由に行き来できる、とは」

勇者「たぶんだけど、この世界が『最善』になったら、『この世界の勇者』も帰ってくると思うんだ」

勇者「そうすると、『勇者』は1つの世界に1人しか存在できないらしいから、ボクは元の世界に帰らなくちゃいけなくなる」

魔王「!!」

勇者「けど、この能力があれば……」

御子「」カキカキ

御子「……」

勇者「できた? 見せて見せてっ!」



(空間をハサミで切ってる、クワガタのイラスト)

『世界を自由に行き来できる能力』



勇者「か、かわいい……///」

魔王「うむ……///」

御子「……」



安価絵日記「 パァァ…!!


勇者「わっ! ……『安価絵日記』が光りだした……!!」

魔王「なにか出てきたぞ……!」

クワガタ「」モゾモゾ

側近「さっきのクワガタだね。ほんとに新生物が誕生しちったよ。すげー」

御子「……」スッ

クワガタ「」ヨジヨジ

勇者「おー。描いた人に懐くのかな?」

魔王「余も描きたかった……」

側近「まーまー、いつかそういう『課題』もあるかもしれないからさー」ナデナデ

勇者「よし、じゃあこれで今日の『課題』は終わ———」


安価絵日記「 パァァ…!!


勇者「———え?」

羊「メェー」モフモフ

魔王「おおおっ! 練習で描いたイラストも具現化したではないかっ!」

勇者「ってことは……」

?「」ウネウネ

側近「うわ、なにこれキモッ」

魔王「正視に耐えんな……」ジリッ

勇者(もし設定通りなら、御子ちゃんが触れば、心を閉ざしていない御子ちゃんに変身してくれるはず……)

勇者「御子ちゃん、触ってみて」グイッ

御子「……」スッ

?「」グニャッ

御子『あれれ? ここどこ?』キョロキョロ

勇者「!」

御子「!」

御子『わぁっ!? 私がもう1人いる! なんでぇ!?』

魔王「……これは、この城に幽閉する前の……」

勇者「こんな元気いっぱいな子だったんだ……」

御子「……」

御子『もー、みんな元気ないよ? テンションあげてこー!』オー!

勇者「これ、どうやって戻すんだろ?」

側近「もっかい触ってみたら?」

御子「……」スッ

御子『おっ? イェーイ! ターッチ!』パンッ

?「」グニャッ

勇者「もどった……」


側近「おもしろいねー。勇者くんも触ってみてよー」

勇者「えっ!?」

魔王「そうだそうだ、触ってみるがよい!」グイグイ

勇者「ちょ、ちょっとまって!?」ズリズリ

側近「ま、つっても勇者くんは裏表なさそうだし、単にそっくりさんが生まれるだけだと思うけどねー」

勇者(ボクの……『本質』……?)

勇者「やめて魔王ちゃん、これ、やばい気がする!!」

魔王「まあまあ、よいではないか、よいではないか」グイッ

勇者「ああっ!?」ペタッ

?「」ウネウネ

勇者『……』ギロッ

魔王「ん? なんだ、ずいぶんと目つきが悪いのだな。勇者、そなたもしかして余のこと嫌」


ズバッ


魔王「———い……?」ブシュッ

魔王「」ガクッ

勇者「ま……魔王ちゃん!?」

側近「え、なに!? どゆこと!?」

勇者『』ヒュンッ

側近「!!」

勇者「があああああああああああッ!!!」ブンッ

側近「ごふっ!?」ドガッ

側近「」ガシャァァァン!!

勇者『』ギロッ

御子「……!!」

勇者『アああああああああああッ!!!』ヒュンッ

魔王「拘束呪文!」キュィィン

勇者『ッ!!』ガクンッ

勇者『ぐ、あ、ああああああッ……!!』グググ…

側近「魔王様のあれ食らって動けんの……!? まじで!?」

魔王「勇者! もう一度触って元に戻せ!」

勇者「!」バッ

勇者『うがああああああああああああああッ!!!』

勇者「っ」パシッ

?「」グニャッ


側近「も、戻った……」

勇者「……はぁ、はぁ、はぁ」

御子「……」

魔王「……な、なんだったのだ、今のは……こいつ、失敗作なのではないか……?」

側近「勇者くーん。まさか、日頃から私たちのこと殺そうとか考えてないよね……?」

勇者「……」

側近「勇者くん?」

勇者「……あれが……ボクの『本質』なの……?」ポロポロ

魔王「……勇、者?」

側近「うわ、魔王様! すげー出血ですよ!? はやく医務室行きましょうって!!」

魔王「う、うむ……しかし動けぬ。側近、運ぶがよい」

側近「すいません、右腕が上がらないんで、首に抱きつくみたいにしてくださいな」ギュッ

魔王「ゆ、勇者、今のことは……気にするでないぞ。……なにかの間違いなのだ」


扉「 バタン


勇者「……」

御子「……」

勇者「なぁんだ」

御子「……」

勇者「昔から、ボクはなんにも変わってなかったんだ……」

御子「……」

勇者「うっ……ヒック……グスッ……」プルプル

御子「」グイッ

勇者「?」モフッ

羊「メェー」モフモフ

勇者(……嫌なことを忘れさせてくれる、羊まくら……)

勇者「……ありがと、御子ちゃん」ニコ…

御子「……」ナデナデ


?「」ウネウネ



〜翌朝 魔王城・食卓〜



勇者「昨日はほんとにごめんなさい……」

魔王「なに、気にするでない。魔王の回復力を甘く見るでないぞ」ニコッ

側近「魔王の防御力も、かなりのもんだったはずなんだがなー……」

側近「ま、『課題』は達成したし、いいんじゃね?」

魔王「あの謎生物たちはどこに置いておるのだ?」

勇者「みんなボクの部屋に……」

魔王「そうか。まあなんだ、気をつけるのだぞ」

勇者「うん……」

魔王「気にするなと言っておろう。ほれ、御子が食事に手をつけておらぬぞ、そやつの介護はそなたの役目であろう」

御子「……」

勇者「御子ちゃん、口開けて。あーん」スッ

御子「」モグモグ

魔王「過ぎたことは気にするでない。それより、今日の『課題』はなんなのだ?」ニコッ

勇者「……うん。えっと……」パラパラ

勇者「今日の『課題』は……」





——————・・・



26ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

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この投下から20分後に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。



↓+6まで。




安価絵日記『住処を失った全ての種族が共存して住める街を作り、治める』



勇者「……ってことらしいよ?」

魔王「え、これ余の仕事なんじゃ……」

側近「あーあ、魔王様が子作りしてるあいだにも苦しんでる魔物がいたんですなー」

魔王「……うぐっ」///

魔王「勇者よ、今回は余を連れてゆけ」

勇者「……怪我はだいじょうぶなの?」

魔王「心配ない。もうミミズ腫れ程度の傷だ」

勇者(ええー……かなりバッサリ斬られてたのに……さすが魔王)

勇者「そっか。じゃあ今回は御子ちゃんのかわりに魔王ちゃんに来てもらおうかな? そのほうが都合がいいだろうし」

勇者「御子ちゃん、御子の力をちょうだい?」

御子「……」パァァ

勇者「うん、ありがと。じゃ、いこっか!」バサッ

側近「おー。これが噂の『天使様』かー。多分、魔王様より人気あるぜー?」

魔王「……」クスン

勇者「いやあ、魔王様の指示で動いてる部下って言ってあるから、さすがにそれはないんじゃ……」

魔王「!」パァァ

魔王「ふふふ、ではゆくぞ、勇者よ!」バサッ

勇者(わっ、マントが翼に変わった……!)

勇者「よぉし、がんばるぞーっ!」バサッ



勇者「街を作るなら、どのへんがいいのかな?」バサッ、バサッ

魔王「場所ではなく条件で考えるべきであろう。内陸に街を作ってしまったら、人魚族はどうするのだ?」バサッ、バサッ

勇者「あぅ、そっか……」

魔王「まず、あらゆる魔物が生息できるに適した土地をピックアップする。それだけで、片手の指で事足りる選択肢となろう」

勇者「わあ、初めて魔王ちゃんのこと魔王っぽいって思ったよ!」ニコッ

魔王「……」

勇者「けど、もっと簡単な方法があるよ?」

魔王「?」

勇者「御子の力はけっこうすごいから、ちょっと地形を変えちゃうくらいできるんだよ」

勇者「だから、どこよりも住みやすい地形を『生み出す』こともできると思うなぁ」ニコッ

魔王「……それこそ、魔王っぽい考え方だと思うぞ、勇者よ……」


・・・・・・


勇者「あぅ……つかれたぁ……」

魔王「ああ。だが」

勇者「うん。森も山も草原も平地も沼も湿地も岸も崖も海も湖も泉も池も……ぜんぶ押し込んだ地形ができたねっ!」

魔王「いっそのこと、住処を失った者たちだけでなく、そうでない者たちも住みたくなるような街づくりを目指した結果、こんな街になってしまったな」

勇者「うーん。名前はどうしよっかなー。闇鍋街かパレットタウン、どっちがいいかな?」

魔王「それは後で考えるがよい。まずはここに生態系を組み込むのだ。今までの『最善』で『口』が自然を破壊することはなくなったからな。存分にやれるというものだ」

勇者「えへ。じゃあ、みんなに宣伝しにいこっか!」

魔王「うむ。魔王が直々に宣伝となれば、皆の目の色も違うであろうぞっ!」




「天使様ー!」「天使様だ!」「天使様がおいでくださった!」「救世主、天使様!」「天使様、今日もお美しいですー!」「天使様ぁー!」


魔王「…………」ウルッ

勇者「ま、魔王様! 指示通り、住処を失った魔族をこちらに集めてまいりました!」チラッ、チラッ

魔王「よいのだ、勇者よ……どうせ余なんか……」ウルウル

勇者「み、みなさん、天使コールをやめてください! 魔王様が泣いちゃうじゃありませんかぁ!」

勇者「それで魔王ちゃん、集めた人たちをどうするの?」

魔王「うむ。余が皆に説明しよう」

魔王「聞くがよい、皆の者よっ!!」

魔王「此度の大災害を生き抜いた者共よ! 愛する故郷や住処を失った者共よ! その痛みは忘れるな、胸に秘めておくがよい!」

魔王「『口』へと消えた同胞たちは、きっと帰ってくる日が来よう! なればこそ、帰ってきた者共を笑って出迎えるため、今は全ての種族が団結し、手を取り合い、協力して生き抜くべきなのだ!!」

魔王「故郷のあるなしに関わらず、あの街はあらゆる種族を受け入れる、慈愛の街『パレットタウン』!!」

魔王「是非、そなたらという多彩な住人によって、色鮮やかな街へと導いてくれることを期待しておる!!」

魔王「そして皆で、『最善の未来』を描くのだ!!」


「「「 ウオオォォォオォォォ!! 」」」


魔王(……決まった)

勇者「あの、それから……ボクから1つだけお願いがあります……」

勇者「この街は、「あらゆる種族」を受け入れます。そしてそれは———『人間』も受け入れるということです」

勇者「……ええ、みなさんがざわつくのも無理ないと思います……けど、聞いてください」

勇者「あの大災害は、人間側も全員が了解していたことではありません。中には何も知らず、巻き込まれた人たちだっているんです」

勇者「このパレットタウンにいるということは、みなさんと同じで故郷を理不尽に失ったということです……」

勇者「ぜひ、差別などはせず、優しいこころで接してあげてください……おねがいしますっ!」ペコッ


「「「 ………… 」」」


「「「 ウオォォォォォォオオオ!!! 」」」


「さすが天使様だ、なんてお優しい……」「なんだ、天使じゃなくて聖母だったのか」「天使様のお願いなら、きくっきゃねーな!」


勇者「みなさん……ありがとうございますっ!」ニコッ

勇者「それから、ボクがこの世界にいられなくなるまでの短いあいだですが、このパレットタウンはボクが治めることになります」

勇者「至らないことばかりでしょうが……よろしくおねがいしますっ!」ペコッ


「天使様ー!」「やっぱり笑顔が素敵だー!」「天使様ー! ずっとこの世界にいてくださいー!」「天使様ぁああああ!」


勇者「えへ。うまくいったね、魔王ちゃん」ニコッ

魔王「…………それはよかったではないか」プイッ

勇者「?」キョト


〜パレットタウン〜



勇者「えっと、どうですか湖の具合は?」

人魚「て、天使様……!!」///

人魚「はい、とっても住みやすいお水ですっ! 本当にありがとうございましたぁ!!」ペコペコ

勇者「いえ、そんな……」

人魚「故郷の湖が『口』のせいで枯れてしまって、本当にどうしたものかと困り果てていたんです……!」

人魚「天使様は我々の命の恩人です! 私たちにできることがあれば、なんなりとお申し付けください!!」

勇者「あはは……えっと、じゃあ、この街で気になる噂とかを耳にしたことはない?」

人魚「気になる噂……ですか?」

勇者「なんでもいいんだけど……悪名高い魔族がいるって聞いたとか、あの種族が困ってる、とか」

人魚「いえ、特には…………あっ!」

勇者「なにかあった?」

人魚「大したことではないのですが……例の希少種族『蛹』が、この街へ入っていくのを見たと……」

勇者「!!」

勇者「……そっか。ありがとう。なにか困ったことがあったら、いつでも言ってね」ニコッ

人魚「は、はいぃ♡」///



魔王「なに、『蛹』とな? 蛹って、あの蛹か?」

勇者「あくまで噂だけど。でも、あいつらの特徴はほんとに特徴的だから、見間違えることはないんじゃないかな?」

魔王「たしか、虹色の瞳、だったか?」

勇者「うん。どの種族に転生しても、あの虹色の瞳だけは隠せないから……」

魔王「肉体の一部でも捕食したことのある生物に『転生』することができる希少魔族『蛹』か。その変身する姿が蛹のように見えることから、そんな呼び名がついたのだったな」

勇者「……うん」

魔王「より強い種族へ転生しようとする習性はあるが、放っておいても害のない種族であろう」

勇者「だと、いいんだけど」

魔王「?」

勇者「そういえば、どうして蛹は希少魔族なの? 生殖機能が弱いの?」

魔王「あらゆる生物になれる蛹は、生物として『完成』していると言って過言はない。完全なる生物は、子孫を残す必要も繁殖する必要もないのだ。あくまでできないわけではないが」

魔王「それに、蛹はあまり群れを好まぬわりに仲間意識が非常に高い。だから必要以上に増えることを望まぬのだ。プライドも異常に高いらしいしな」

魔王「そんな蛹がこの街へ来たということは。数少ない他の仲間が皆、『口』に飲まれてしまったのであろう」

勇者「……最後の生き残りってことだね」

魔王「恐らく、それでも生殖はしない。そやつが最後の蛹となることであろうな」

勇者「……そっか。この世界でも……」

魔王「そなたの世界では、蛹はどうなっておるのだ?」

勇者「絶滅した。ボクがみんな殺したから」

魔王「……なんと」

魔王「む?」ピクッ

猫魔族「ほえー。キミ、そんにゃに強いんだ?」

勇者(虹色の瞳!!)ザワッ

魔王(……今は猫魔族に転生してるのか)

蛹「天使様、だっけ? いいにゃあ、『ほしい』にゃあ……」ペロッ

勇者「……」ギロッ

蛹「わお。すっごい殺気だにゃ。親の仇でも見るみたいにゃ目だにゃ。ボク、キミににゃにかしたっけ?」

勇者「……ごめん。その目を見ると、つい」

勇者「行きましょう、魔王様。『課題』は達成したのですから」バサッ

魔王「う、うむ。そうだな」バサッ

蛹「ええー!? ほんとに行っちゃうにゃ!? もうちょっとお話したいにゃん!」

勇者「ごめん、ばいばい」バサッ、バサッ

魔王「そういうわけだ」バサッ、バサッ

蛹「…………」

蛹「天使様に、魔王様……うーん、どっちも『ほしい』にゃあ……」ニヤッ

魔王「」ゾワッ

魔王「は、はやく行くぞ勇者よ」

勇者「……うん」

蛹「ばいにゃーん♪」フリフリ


〜魔王城・食卓〜



側近「じゃあ、街はできたんだねー。おつかれー」

魔王「うむ。しかし気味の悪い生物に出会った。蛹とかいう種族だ」

側近「え、すっげーレアじゃないっすか! 私も見たかったなー」

魔王「見ないほうが良いぞ。まともとは言えぬ存在のようであった」

勇者「あの人たちは、自分が転生できる種族を増やすことしか頭にないんだ」

勇者「ボクたちみたいなめずらしい存在は、あんまり関わらないほうがいいよ……」

勇者「御子ちゃん、はい、あーん」スッ

御子「」パクッ モグモグ

勇者「あ、垂れちゃってる」フキフキ

御子「……」

勇者「うん、まあ、直接害のあるようなことはしないはずだから、たぶん放っておいてもだいじょうぶだよ」

勇者「それより問題なのは、ボクがいなくなったあと、パレットタウンを誰が治めるのか、じゃないかな」

魔王「余もそこまで暇ではないからな」

側近「たしかに、今は休戦してるから仕事はないけど、これが終わったら忙しくなるよねー」

勇者「それは帰るまでに後釜を見つけておくね」

勇者「じゃ、御子ちゃん。そろそろお風呂入ろっか」ニコッ

御子「……」



〜勇者の寝室〜



勇者(ところで、昨日からおもしろいことに気がついた)

羊「メェー」モフモフ

御子「うわーい、もっふもふだよぉー!」ポフポフ

勇者(この羊まくらでいやなことを忘れてるあいだは、御子ちゃんは心を閉ざす前の状態にもどるらしい)

御子「うへへー。幸せ♡」ギュゥゥ

勇者「そっか。それはよかったよ」ナデナデ

御子「この羊まくらと勇者さん抱き枕があれば、なんにもいらなーいっ!」ギュー

勇者「うん、そっかそっか」ナデナデ

勇者(けど困ったことに、テンションの高い御子ちゃんは、なかなか寝ついてくれなくなった)

勇者「御子ちゃん、そろそろ寝たほうが……」

御子「もうちょっと!」モフモフ ギュー

勇者(だんだん、甘えるっていうより依存っぽくなってきてるんだよね……)ナデナデ



〜魔王城・食卓〜



魔王「余の人望を取り戻すには、どうしたらよいのか……」

勇者「今でも十分あると思うよ?」

魔王「そなたが言うと、嫌味にしか聞こえぬ! 教祖かなにかかと思うほどの信仰であったぞ!?」

勇者「あ、あはは……」

側近「とりあえず魔王様は、もうちょっと成長したほうがいいと思うんだよねー」

魔王「しかし父上が、「お前は一生そのままでいておくれ……」と涙ながらに言っておったぞ?」

勇者「だからずっとその姿なの!? 親孝行がすぎるよ魔王ちゃん!」

魔王「うむ。ならばそういう『課題』が出ることに期待するか」

勇者「魔王ちゃん、『安価絵日記』はそんな便利グッズじゃないからね……?」

勇者「そうだ、今のうちに確認しとこっか」パラパラ

勇者「今日の『課題』は……」





——————・・・



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この投下から20分後に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。



↓+6まで。

なんかこれ、ほんとにサイコロ振ってんのか?って思われそうだなぁ……。一応ガチで振ってます。


今日は13時から夜までお出かけです。


安価絵日記『蛹の本能を穏やかなものに改変しろ』



勇者「!」

側近「そんなこともできんの?」

勇者「洗脳しちゃえば、いちおうできますけど……」

勇者「もう会いたくないなぁ……」ガクッ

側近「勇者くんがそんなこと言うなんて珍しいじゃん」

魔王「それだけ不気味なやつだったのだ。それに、どうやら勇者は蛹と因縁があるようだしな」

側近「へー」

御子「……」

勇者「けど、そんなわがままも言ってられないよね……」ムクッ

勇者「御子ちゃん、御子の力ちょうだい!」

御子「……」パァァ

勇者「よし。じゃあ気が変わっちゃわないうちに、行ってくるよ!」

魔王「くれぐれも気をつけるのだぞ。アレに我らの常識が通用する保証など、どこにもないのだからな」

勇者「うん、ありがと。でもだいじょうぶ。ボクはあいつらに対して、警戒以外の感情はもってないよ」

魔王「う、うむ……そうか」

勇者「御子ちゃん、しっかり掴まっててねっ!」

御子「……」ギュッ

勇者「行ってきます!」バサッ


〜パレットタウン〜



バサッ、バサッ


「天使様ー!」「こっちむいてー!」「天使様結婚してくださーい!」


勇者「よっ」スタッ

御子「……」スタッ

勇者「困ったなぁ、蛹には見つからずに接近したいのに、これじゃあボクが来たことがすぐわかっちゃうよ……」

蛹「呼んだかにゃ?」

勇者「!!」バッ

蛹「にゃはは、そんなにびっくらこかなくてもいいにゃー!」ケラケラ

勇者「……奇遇、だね」

蛹「んにゃ? いやいや、天使様が飛んでくるのが見えたから、着地点まで全力で走って先回りしただけだにゃ♪」

勇者「……」

蛹「ところで、そっちの女は……なにか珍しい子だったりするのかにゃ?」ペロッ

勇者「……ううん、一般人だよ」

蛹「それは残念だにゃん♪」

勇者「……」

勇者「ちょっと、どこかでゆっくりお話できないかな?」

蛹「そんにゃに警戒ビンビンで「ゆっくりお話」って言われても、説得力にゃいにゃあ。にゃははっ」

蛹「けどまあ、悪くにゃいお誘いだから、あえて乗ってあげるにゃ♪ さっ、俺についてくるにゃ!」

勇者「……うん」



〜喫茶店〜



蛹「で、お話ってにゃんにゃんだにゃ?」

勇者「……その前に、キミに1つ聞いておきたいことがあるんだ。その答えで、ボクの話も変わってくるかな」

蛹「……」

勇者「どうかした?」

蛹「んにゃ? あー、いや、大したことじゃにゃいんだけどにゃ? ちょーっと、気ににゃることがあって……」

勇者「なに?」

蛹「いやにゃ? どーして……」


蛹「どーしてお前、そんにゃに偉そうにゃのかにゃ〜、って」ニコッ


勇者「っ」ビリビリッ

御子「……っ」ゾワッ

蛹「……」ジー

勇者「……はぁ」

蛹「?」

勇者「それはたぶん、ボクがキミのことを嫌いだからだよ」ジッ

蛹「!」

蛹「にゃははははっ!! そっかそっか、それはしょうがにゃいにゃあ! 嫌いにゃんだったら、そういう態度にもにゃるにゃ!」ケラケラ

蛹「お前、正直だにゃあ、天使様。もう嫌いを通り越してにゃいと、今の場面でそんにゃ言葉は出てこにゃいと思うにゃ」

蛹「……それで、聞きたいことっていうのは、にゃんにゃんだにゃ?」

勇者「うん。キミにとって……」

勇者「自分以外の生き物って、なに?」

蛹「自分以外の生き物? …………んー、そーだにゃー。そんにゃこと、考えたこともにゃかったにゃあ……」

蛹「この『パレットタウン』に即して答えるにゃら……『絵の具』かにゃ♪」

勇者「絵の具……?」

蛹「この街は、とっても素晴らしいにゃ! にゃにせ、た〜〜〜っくさんの『絵の具』で溢れてるっ!!」

蛹「俺の『パレット』が潤って潤ってしょうがにゃいにゃ!」ニコッ

蛹「俺が他種族を捕食するのは、絵の具のキャップを外してチューブを潰して、欲しい中身を取り出す……『ただそれだけのこと』にゃんだにゃ♪」

勇者「……そう。それが蛹の『本能』なんだね」

蛹「おいおい、そんにゃの知的生命体にゃら、皆やってることにゃ」

蛹「本を読んで知識を吸収する。料理のレパートリーを増やす。ショッピングを楽しんでクローゼットを潤す」

蛹「自分が可能にゃ範囲で、そうやって自分を色付けしているものにゃんだにゃ」

蛹「そして……それがたまたま『俺たち』は、捕食によって転生対象を増やす、という色付け方法だったってだけの話にゃ」

蛹「誰だって自分の世界を彩りたいと強く望んでる! にゃぜにゃら、それが生物の本能だからにゃ!!」

蛹「蛹かどうかにゃんてことは関係にゃい!」

蛹「『進化』は!! 『生物の義務』にゃ!!」


勇者「…………」

勇者「最後の質問だよ」

勇者「転生対象を増やすための『捕食』は、ほんのちょっと、体の一部だけでも十分なんだよね?」

蛹「そうにゃ。最悪、髪の毛数本でも転生は可能にゃ」

勇者「そっか。それを踏まえて、最後の質問だよ」

勇者「ボクが昨日おしゃべりしてた人魚さんが、この街にいないみたいなんだけど……どこに行ったか知らない?」

蛹「…………」

蛹「天使様。ちっちゃい頃、パパやママに教わらにゃかったのかにゃ?」

蛹「『食べ物を残しちゃいけません』って」ニタァ

勇者「———っ!!」

蛹「おっと!」バッ

子供「うわっ!?」ガシッ

勇者「!!」

蛹「にゃにをする気が知らにゃいけど、にゃにかするつもりにゃのはわかってるにゃ」

蛹「おかしな素振りを見せた瞬間、この子供の頭蓋骨を握り潰す……!!」

蛹「猫魔族の動体視力と瞬発力……舐めにゃい方が、この子のためだと思うにゃん♪」

勇者「……このために、わざわざ人の多い喫茶店を選んだんだね」

蛹「てへ♪」ペロッ

勇者「お前たちは、いつだってボクを怒らせるんだね……」ギロッ

勇者「昔 そうやってボクを怒らせた『蛹』は……絶滅したよ……!!」バッ

蛹(人質を無視して……!?)チラッ

蛹「って……うにゃ!? か、かぼちゃ!? いつの間にすり替えて……!!」

勇者「」ヒュンッ!!

蛹「むぐっ!?」ガシッ!!

勇者「この世界では、お前が最後の『蛹』って、もっぱらの噂なんだけど……」グググ…

蛹「んむぅううっ!?」ギリギリギリ…

勇者「このまま顔面を握り潰しちゃえば、蛹は絶滅ってことになるんだね。完全な生物とか、彩りがどうとか言ってたわりには……あっけない最期だったね」

勇者「『課題』でもない限り、命を奪うってことは絶対にしたくないんだけど……」

勇者「どうしても、その虹色の瞳を見てると……『まあいっか』って思えちゃうんだ」

蛹「んむっ! むぐぅ!!」フルフル

勇者「ごめんね。命乞いを聞くと、きっと許しちゃうから……」グッ…

蛹「むうぅぅうううっ!!!」ポロポロ

勇者「このままこr」

御子「……」ガシッ

勇者「———え?」


御子「殺しちゃだめだよ、勇者さん」



勇者「———っ!!」

勇者「み、御子、ちゃん……今……」パッ

蛹「ぷはっ!?」ドサッ

御子「『課題』は、蛹の本能の改変だよ? 殺しちゃ、だめだよ」

勇者「…………」チラッ

蛹「はーっ、はーっ、はぁ、けほっ……!!」

勇者「……ボクは、また……おんなじことを……」プルプル

御子「」ギュッ

勇者「……御子ちゃん?」

御子「失敗したなら、挽回しなきゃ。だって、まだみんな、生きてるんだもん」ジッ

勇者「!」

勇者「…………」

勇者「えへ。ありがと、御子ちゃん」ニコッ

御子「……」

勇者「蛹」スッ

蛹「」ビクッ

勇者「お前の本能を書き換えるよ。『転生対象の充実』を、『困っている他人を助けずにはいられない』へ」

勇者「それでこの場は見逃してあげる。文句は……ないよね」ジロッ

蛹「……にゃ、にゃいです……」



人魚「あ、天使様っ! 私が故郷の湖に忘れ物を取りに帰ってるあいだに、お越しくださってたなんて!」

勇者「……蛹」

蛹「にゃ、にゃはは……。ちょっとからかったつもりだったんだにゃ。まさかあんにゃに怒るにゃんて……」

人魚「そのお嬢さんは、やっぱり『蛹』だったのですか?」

勇者「うん、そうみたい」

人魚「私、魚なので……ちょっと猫さんは苦手です」

蛹「にゃっ!?」ガーン

勇者「ボクも、猫より犬の方がいいな」

蛹「にゃにゃっ!?」ガガーン

蛹「この方が受けがいいと思って猫魔族でいるのに……作戦失敗にゃのかにゃ……?」ガクッ

勇者「……」

勇者(今は無害そうに見えても、腹の底で何を考えてるかはわからない……)

勇者(だから『安価絵日記』のことや、『課題』を達成した今は御子の力を使えないってことは、絶対に知られるわけにはいかない……)

勇者(まだボクが『解除』してない天使の翼や、蛹の本能改変は残ってるけど……それで安心はできない)

蛹「……にゃにか、俺の顔についてるかにゃ?」キョト

勇者「ううん、べつに。ボクらはもう帰るよ」

蛹「魔王城に、かにゃ?」

勇者「さあ、どうだろうね」バサッ

御子「……」ギュッ

勇者「『次』はないからね、蛹」ジロッ

蛹「わ、わかってるにゃ……」タジッ

勇者「そっか。じゃあばいばい」バサッ、バサツ

蛹「ばいにゃーん♪」フリフリ

人魚「またお越し下さい、天使様〜♡」フリフリ


〜お風呂〜


勇者「あれから一切しゃべらなくなっちゃったね……御子ちゃん。もしかしてって思ったんだけど……」

御子「……」

勇者「でも、今日はほんとにありがとね。あの時、心が昔に行っちゃってたんだ……」

勇者「あの時の感覚が蘇ってきて、そしたら手が勝手に……」

御子「……」

勇者「って、そんなこと話してもしょうがないか。はは……」

勇者「でもなにかお礼がしたいなぁ。なにかしてほしいことはある? 御子ちゃん」

御子「……」

勇者「……あはは、べつにないかー」

勇者「よし、じゃあまずは髪の毛から洗ってあげるね」ニコッ

御子「……」





〜勇者の寝室〜


御子「えへへ、勇者さん♡」ギュー

勇者「もう、羊まくらに頭を乗っけた途端、これなんだから……」ナデナデ

御子「だってぇ、ずっと我慢してるんだもんっ!」スリスリ

勇者「え、そうなの?」

御子「そーだよっ! だから、この時間だけは思いっきり甘えるのっ♪」ギュー

勇者「……」

勇者「御子ちゃん、ボクになにかしてほしいことってない?」

御子「してほしいこと?」

勇者「今日のお礼がしたいんだ。なんでもいいんだけど……」

御子「んー……」

御子「じゃあ、今まで通り、私の面倒見てくれるっ?」

勇者「今まで通り?」

御子「ごはんとか、トイレとか、お風呂とか、今だって、こうやってずっと面倒みてくれてるでしょ?」

御子「これから私がどうなっても、今まで通りに面倒見てくれる?」

勇者「うん、それはもちろんだよ」ニコッ

御子「えへへ、勇者さん、大好き♡」ギュゥゥ

勇者「よしよし」ナデナデ

勇者(だいじょうぶかな……)

勇者(甘えてくれるのは嬉しいんだけど、ちょっとこれ……歪んじゃってたりしないかな……?)



〜魔王城・食卓〜



勇者「はい、あーん」スッ

御子「……」パクッ

御子「……」モグモグ

勇者「あーん」

御子「……」パクッ

魔王「そなたの献身ぶりには、ほとほと呆れるぞ、勇者よ」

側近「それ私も思うな。ちょっと異常なんだよねー、その献身っぷり」

側近「もしかして勇者くん、誰かの役に立つことで、自分の価値を認めてたりしないよね?」

勇者「……?」

側近「もし勇者くんが、その子が勇者くんに依存しまくってるのを面倒見てあげることで自己を確立させてるんだとしたら……」

側近「それって立派に勇者くんもその子に依存しちゃってるってことだぜ? いわゆる、共依存ってやつ?」

勇者「ボクは、べつに……」

魔王「勇者よ、あまり気にするな。側近はとりあえず目に付いた人をいびらずにはいられん性質なのだ」

側近「えーっ、ひどっ!? 結構マジなアドバイスだったじゃないっすか!?」

魔王「さて、では今日の『課題』を確認しようではないか」

勇者「う、うん」パラパラ

勇者「今日の課題は……」





——————・・・



28ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

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次に書き始める直前に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。



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安価絵日記『御子・魔王・勇者の3人でふたなりセックス』



勇者「あ……」

御子「……」

魔王「///」

側近「あーあ、魔王様……うれしそうな顔しちゃって」

魔王「し、しておらぬぞ、そんな顔! 断じて!」///

勇者「うん、じゃあパパッと終わらせちゃおっか」

魔王「う……で、でも、時間はいっぱいあるし、焦らずとも、よいのだぞ……?」///

勇者「……」

勇者「魔王ちゃんの、えっち」

魔王「んなっ!?」///

勇者「じゃあ、ボクの部屋でやろっか。はい御子ちゃん、立って」グイッ

御子「……」スクッ

魔王「余は、え、えっちではないぞっ!」///

勇者「うん。いっぱい気持ちよくしてあげるからね」ナデナデ

魔王「うぅ……」///

〜勇者の寝室〜


勇者「魔王ちゃんのは、まあ年齢相応にかわいらしいのが生えたけど……」

魔王「う、うむ」チマッ

勇者「なんか御子ちゃんは、えらくエグイのが生えちゃったね……」

御子「……」ドドンッ

勇者「そんなのぜったい入らないよぉ……どうしよう……」

勇者「とりあえず、魔王ちゃんから可愛がってあげるね?」チュッ

魔王「ふぁっ……///」トロン…

勇者「この前みたいに、とっても気持ちよくなれるのをたくさん飲ませてあげるね」チュッ、ジュルッ

魔王「ん、んふっ、ちゅるっ……」ゴクッ、コクッ

勇者「どうかな、敏感になってる?」サワッ

魔王「あんっ!」ビクンッ

勇者「えっちな声が出ちゃったね」ナデナデ

魔王「……///」

勇者「魔王ちゃん、体温高くてあったかいなぁ……抱いて寝たいくらい」ギュー

魔王「ゆ、勇者が、どうしてもと言うなら、考えてやらんでもないぞ……?」

勇者「そうなの? じゃあ……あひっ!?」ビクッ

勇者「み、御子ちゃん、なにやってるの!?」

御子「ちゅっ、じゅるるっ……じゅぽ、ちゅるっ……」

魔王「だ、男性器を舐めて……そんなとこ舐めたら、汚くないのか……?」

勇者「じゃあ、魔王ちゃんのも舐めてあげるね?」スッ

魔王「へっ……?」

勇者「えへ。皮かぶって、かわいいね。でもしっかり気持ちよくなろうとして、上向いちゃってるよ?」チュッ

魔王「ひゃああ!?」ゾクゾクッ

勇者「びくびくしてる。……魔王ちゃん、あんまり足でしめつけられると苦しいからね?」ギュゥゥ

魔王「すまぬっ、で、でもぉ……腰が、びりって……」トローン

勇者「ほんとにかわいいんだから、魔王ちゃんは……。でも、本番はまだまだこれからだよ?」

勇者「はむっ」パクッ

魔王「———っ!?」

勇者(口の中で、皮をちょっとだけ剥いて……皮の内側に舌をもぐりこませて……)クリクリ、チロチロ

魔王「ゆ、ゆうしゃっ、それダメ!! それダメぇぇ!!」ギュゥゥ

勇者(だめって言いながら、そんなに足で頭を挟まれたら、離せないんだけど……)チュゥゥッ

魔王「やああああっ!? 吸っちゃダメぇええ!!」ビグゥ!!

勇者「んっ、んっ、んんっ」ジュプッ、ジュプッ、ジュポッ

魔王「にゃんか来る! お腹の下、むずむずして、なんか来るぅ!!」ビクッ、ビクッ

魔王「ひゃああああああっ!?」ドピュッ、ビューッ、ビューッ、ビュルルルッ

勇者「んむっ!? むぐっ、んむぅ……」ゴキュッ、ゴキュッ

勇者(な、なにこれ、多すぎ……!! けど、魔王ちゃんが頭離してくれないから、飲まないと息が……!!)ゴキュッ、ゴキュッ

魔王「あ……うぁ……」ピクッ、ピクッ


勇者「ぷはぁ! げほっ、げほっ……お、溺れるかとおもった……」

御子「」グイッ

勇者「あっ?」ギシッ

御子「」クチュッ

勇者「ま、また馬乗りで……いきなり挿れるの?」

勇者(けど、こんどはしっかり濡れてるみたい……)

御子「っ」ズリュリュ…

勇者「んっ……」ピクンッ

御子「……」ズリュッ、ズリュッ

勇者「あっ、はぁ……」

勇者(御子ちゃん、まだちょっと苦しそう……)

勇者(けどもしかして、あのぶっといおちんちんをイジってあげれば……)ギュッ

御子「!」ビクッ

勇者「御子ちゃんも、気持ちよくなってね」シュッ、シュッ、シュッ

御子「っ」ズリュッ、ズリュッ

魔王「ゆうしゃ、ゆうしゃ」クイクイ

勇者「はぁっ、はぁっ……な、なに魔王ちゃん……いまちょっといそがしいんだけど……」シュッ、シュッ

魔王「男性器を女性器に挿れると、きもちいいのか?」

勇者「うん、そうだよ。たぶん、さっきのよりも気持ちいいんじゃないかな」

魔王「じゃ、じゃあ……勇者の、女性器の『初めて』をもらってもよいかっ!?」///

御子「!」

勇者「え? ああ、うん、べつにいいけど……」

魔王「やった!」

勇者(いいけど、ボク『初めて』じゃないし……それにボクがこっちを使うときって、酷い目にしか遭ってないから……あんまり気持ちよくなれないんだよね)

魔王「では、さっそく……」ドキドキ

御子「」スッ

魔王「え?」ガシッ

御子「」ヒョイッ

勇者「御子ちゃん……? 魔王ちゃんを持ち上げて、どうしたの……?」

魔王「ええい、離さぬか! 何をするのだ!!」ジタバタ

御子「」スッ……ピトッ

魔王「……え?」ゾクッ

勇者「いやいや、御子ちゃん!? それはさすがに無理だよ! ボクのですら半分くらいしか入らないんだもん! 御子ちゃんのなんか……!!」

御子「」ググ…

魔王「う、あ、あぁぁぁ……!?」メリメリ…

勇者(き、筋弛緩呪文!)パァァ

魔王「あ、れ……?」ズリュリュ…

魔王「急に痛くなくなって、一番奥まで入ってしまったぞ?」コツ、コツ

勇者(魔王ちゃんのちっちゃな体が、御子ちゃんのおっきなおちんちんだけで支えられてる……。これ、もう『串刺し』だよ……)


御子「」ズリュッ、ズニュッ

勇者「うあっ、御子ちゃん、そのまま動くの……!?」ピクッ

魔王「お゛っ、うあ゛、ぎぃっ!?」ミチッ、ミチッ

御子「」パチュッ、パチュッ、パチュッ!!

勇者「うぁ、激し……」ビクッ、ビクッ

魔王「あ゛……あああああああっ!?」ビグンッ

勇者「え……ちょ、ちょっと御子ちゃん! なんで魔王ちゃんの中に、根元まで入ってるの!?」

魔王「あぎっ! ぎっ、ぁぁあああっ!?」ズボッ、ズブッ

勇者(もしかして、筋弛緩のせいで子宮口が……!?)

勇者「ううっ、締ま、る……!! イク……!!」

御子「……っ!」

魔王「うああああああ゛あ゛っ!?」

勇者「イクっ!!」ドピュッ! ビュルル、ビュクッ

御子「っ!」ドピュッ!! ビューッ、ビュルルッ

魔王「———」ドロッ、ドプッ

魔王「」フラッ

勇者「わ、魔王ちゃん!」ガシッ

魔王「ゆぅ……しゃ……ゆ、しゃ……ちゅぅ……」

勇者「うん」チュッ

魔王「えへ……ゆぅ、しゃ……」ガクッ

魔王「スゥ……スゥ……」

御子「……」ガシッ

魔王「」ズリュリュッ

魔王「」ゴポッ、ゴプッ、ドロッ

勇者「御子ちゃん、子宮の中に直接出したでしょ……しかも、こんなに」

御子「」ズルルッ

御子「」コプッ、トロッ…

御子「……」チュッ

勇者「んっ」チュッ

御子「」ギュゥゥ

御子「スー……スー……」ギュー

勇者「あぅ……みんな寝ちゃった。このまま寝ちゃったら、かぶれちゃいそうなんだけど……」

勇者「ボクも……ねむ……」ウトウト

勇者「……zzz」ポスッ


〜お風呂〜



勇者「ほら、魔王ちゃん! 妊娠しないようにはしてあるけど、中に出された精液は、ちゃんと掻き出しておかないとっ!」グチュグチュ

魔王「あっ、あひっ……♡ もっとゆっくり……! ああっ、〜〜〜っ!!」ビグン、ビグッ

勇者「……え? 今、イってないよね……?」

魔王「イ、イってないぞっ!?」///

勇者「そっか、よかった。いくらなんでも、そこまでえっちな子じゃないよね?」グチュグチュ

魔王「ひぃん!? 今、敏感だからぁ……!」///

魔王「ま、た……イク……!!」ビグッ、ビグッ

勇者「え、今イクって言った……?」

魔王「イって、にゃいぃ……///」ドクドク

勇者「うわ、魔王ちゃん! 鼻血 鼻血!! のぼせちゃったなら、もっと早く言ってね!?」

魔王「イって、にゃいからぁ……///」トローン



〜勇者の寝室〜



勇者「もう、どうして魔王ちゃんに挿れたりしたの? 魔王ちゃんがいろいろ目覚めちゃってたじゃない」

御子「だって、勇者さんの初めてを貰うって言ったんだもん! ずるいよっ!」ギュー

勇者「そもそもボク、女の子状態でえっちするの初めてじゃないよ?」

御子「え? そうなの?」

勇者「うん。それどころか、前の世界で野盗に何時間も輪姦されてボロボロだしね」

御子「……そんなこと、されてたの……?」

勇者「『安価絵日記』を使ってれば、いつかそういう目にも遭うことがあるんだよ」

勇者「けど、ボクなんかと世界とじゃ、重みが全然違うから」ニコッ

御子「……」

御子「……私にとって、勇者さんは世界より重いよ」

勇者「御子ちゃん?」

御子「勇者さんがいなくなるくらいなら、世界なんていらないよ。あのクワガタでいっしょに逃げちゃおう?」

勇者「……それは、できないよ。この世界に来て、まだ数日だけど……。ボクはこの世界と、みんなが大好きだから」ニコッ

御子「……命を懸けられるくらい?」

勇者「うん。でも、死ぬつもりはさらさらないけどね」

勇者(ボクの帰りを待ってる、巫女ちゃんのために……ぜったいに死ぬわけにはいかないから)

勇者「死ぬ気でがんばるってだけで、死ぬ気はないよ。だから、御子ちゃんも命は大切にね?」ナデナデ

御子「うんっ!」ギュー

勇者「じゃあ、そろそろ寝よっか」

御子「あとちょっと!」ギュー

勇者「……」ナデナデ




〜魔王城・食卓〜


側近「昨日はお楽しみでしたね」

魔王「///」

側近「びっくらこいたよ。部屋の様子を覗いてみたら、3人が精液ドロドロで絡まり合って寝てるんだから」

勇者「事が終わったら、急に眠くなっちゃいまして。おかげで夜、御子ちゃんがずっと眠ってくれなくて弱りました」

側近「寝かせてくれなくて……じゃなくって?」

勇者「ち、ちがいますっ!」///

御子「……」

側近「ま、部下からの報告によると、着実に世界中で『最善』が巻き起こってるらしいよ」

側近「さすがにここまで来れば、人間側も『安価絵日記』の存在に勘づき始めてる頃だと思うよ」

勇者「邪魔されたりはしませんよね……?」

側近「『安価絵日記』は個人じゃなくて世界に『最善』を与えるものだから、邪魔するメリットがないっしょ」

勇者「そうですか、よかった……」

魔王「で、では、次の『課題』を確認するがよい」/// モジモジ

勇者「そうそう都合よくえっちな『課題』はでないと思うよ、魔王ちゃん」パラパラ

魔王「べ、べつに余は……///」

勇者「ええっと、今日の『課題』は……」





——————・・・



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>>481


安価絵日記『1年に1日、犯罪を起こせなくなる日を作れ。尚、慣習にする事』



勇者「犯罪を起こせなくなる……?」

側近「そんなことできんの?」

勇者「1日だけなら、かなり大変ですけどみんなを洗脳すれば、もしかしたら……」

勇者「でも、毎年恒例にするのはどうすればいいんだろう……?」

魔王「法律を作れば良いのではないか? 『この日に犯罪を起こしたら即死刑』というような」

勇者「でも、起こそうと思えば起こせるよね……。この文章からだと、『犯罪を起こすに起こせない』のか『犯罪を起こしたくても起こせない』のかがわかんないよ……」

側近「犯罪を起こしたくても起こせないって、どゆこと?」

勇者「たとえば……みんなの悪意を無くす、とか……」

魔王「思えば、故意でなく過失であっても犯罪は犯罪なのではないか?」

勇者「!」

側近「どんな法律でも、悪意がなくても、事故は防ぎようがないよねー……」

勇者「……この『課題』」

勇者「今までで、一番むずかしいかもしれないよ……」

御子「……」


〜勇者の寝室〜



羊「メェー」モフモフ

勇者「……羊まくらを使うと、頭がすっきりするなぁ……」モフッ

勇者「……さて」

勇者(事故が起こせなくなるっていうのは、どうすればいいんだろう……?)

勇者(世界中の事故を無くす……普通に考えて、そんなことできるわけがないよね。できたらやってるんだから)

勇者(交通機関だけの話じゃない。歩いてたって、うっかり人を傷つけちゃうことはあるよね)

勇者(気をつけてればだいじょうぶって話じゃない。なら、強制力みたいなものがないと……)

御子「えいっ」モフッ

勇者「あれ、御子ちゃん?」

御子「1人でなに考えてるの? むずかしい顔しちゃって」ギュッ

勇者「うん。みんなで話し合ってても良い案が出なかったから、ちょっと1人で考えてみてるんだ」

御子「御子の力は、『課題』を達成するための力だよ。だから、きっと方法はあるはずだよ!」

勇者「……うん、そうだよね。そのはずなんだ。ただ思いつかないだけで……」

御子「もう、わざわざこんな『課題』なんて出さなくても、『安価絵日記』で『最善の未来』になれば、事故なんてなくなるのにね?」

勇者「———」

御子「こう、『最善』が集中したりとかすればいいのに」

勇者「そ、それだよっ!!」ガバッ

御子「わっ!?」

勇者「御子の力で、『最善』を操作できるモノを生み出せばいいんだっ!」

御子「……そんなことできるの?」

勇者「わからないけど、やってみよう! 犯罪をなくすためには『最善』だけじゃなくって、『悪意』を取り除くことも必要だよね……」

勇者「よぉし、さっそくやってみよう!!」バサッ




〜パレットタウン・中央広場〜



勇者「えへ、できたぁ! こんなもんでいいかなっ?」ニコッ

御子「……」

蛹「ま〜た面白そうにゃことやってるにゃあ、天使様♪」

勇者「……蛹」ジロッ

蛹「そんにゃに邪険に扱わにゃいでほしいにゃあ。俺はもう、心を入れ替えたんだにゃ! これからは正義のために戦うにゃ♪」

勇者「……」

蛹「それで、この広場に植えた枯れ木はにゃんにゃんだにゃ?」

勇者「桜の木だよ」

蛹「桜? 桜って、あの桜かにゃ?」

勇者「そう。世界に満ちている『最善』をちょっとずつ、ちょっとずつ、吸収していくんだ」

勇者「それがいっぱいになったとき、この桜は一日だけ花を開くの」

蛹「?」

勇者「そしてこの木が長年吸収して溜め込んだ一年分の『最善』が世界に広がって、その日は一日中事故が起こらなくなるんだよ!」

蛹「よくわかんにゃいけど、お前は筋金入りのロマンチストだにゃあ……」

蛹「そんで、その桜の木に巻き付いてる黒い蛇はにゃんにゃんだにゃ?」

勇者「人の悪意を食べる蛇だよ。桜が開花したその日だけ、世界中の悪い感情を食べるんだ。たぶん風船みたいにパンパンに膨らんじゃうだろうけど、それを1年かけてゆっくり消化していく」

勇者「桜の木が誰かに壊されないように守る役目もあるけどね。いちおう、結界は何重にも張ってるけど……」

蛹「ほぇ〜。にゃるほどにゃあ〜。いやぁ、相変わらず天使様のやることは規格外でビックリだにゃあ」ニコニコ

蛹「……で、そんにゃわけで」



蛹「今日の『安価絵日記』の『課題』は終わったのかにゃ?」ニヤッ



勇者「———御子ちゃん、逃げるよ!!」バサッ

御子「っ」ガシッ

蛹「まあまあ、待ちにゃって♪」ヒュンッ

勇者「ひゃあっ!?」ガシッ

蛹「人とお話してる最中に飛んで逃げるにゃんて、失礼だにゃん♪ 天使様♡」ググ…

勇者「う、ぐっ……」

蛹「さて、扇情的なマウントポジションを確保したところで、平和的にお話だにゃ」

蛹「今は『課題』も達成したことだし、御子の力は使えにゃいんだよにゃ?」

勇者「なんで、それを……!!」

蛹「そりゃお前、昨日『確かめた』からに決まってるにゃ」ニヤッ

勇者「!?」

蛹「言ったはずにゃ。『転生』には髪の毛数本で十分だと……」

蛹「あの喫茶店からの帰り道、人魚の湖までの道中でにゃ……目にも止まらぬ早業で、そっちの小娘の髪の毛をほんの少しだけ切ってくすねてやったんだにゃ。お前は無理でも、小娘の方にゃらいけると踏んだ」

蛹「そして賭けに勝った」

勇者「……っ」

御子「……」

蛹「お前があの大事な場面……俺に会いに来ることを目的としたタイミングで、同席を許す女が……一般人であるはずがにゃい……」

蛹「だから試しに『転生』してみたんだにゃ。最初はただの人間だと思った。けど、朝起きてみたら、とんでもない力を使えるようににゃっていた……あの喫茶店でのお前のようににゃ。まあ、すぐにまた使えにゃくにゃったけど」

蛹「そしてあの喫茶店で、そっちの女が口にした『課題』という言葉。あれがずっと引っかかっていた……」

蛹「『安価絵日記』のことを思い出したのは、本当に偶然だったにゃ。ふと、仲間の何人かが『勇者』だとか『御子』だとか言っていたのを思い出した。『安価絵日記』の噂については、その時に聞いていた。あの大災害の原因だということも!!」

蛹「ぜ〜んぶ繋がったにゃ」

蛹「お前は『勇者』で、そっちの女は『御子』! 今日はここに『安価絵日記』の『課題』を達成するために現れ、御子の力を使って達成した!!」

蛹「違うかっ!!」

勇者「…………」ギリッ

蛹「どうして大災害を起こした勇者が魔王に寝返ってるのかは知らにゃいが……大方、『課題』失敗の責任から逃げて、魔王に拾われたってところかにゃ?」

蛹「お前は『蛹』に仲間を殺されるかにゃにかして、俺を憎んでいるようだが……」

蛹「それにゃら……仲間を一瞬で皆失った俺の憎しみも、理解できるよにゃ?」ギロッ

勇者「……そ、れは……」

蛹「俺はお前と違って、命乞いを聞いても許すことはにゃいとは思うが……」

蛹「けれどこのままぶっコロスにゃ」ジャキッ

御子「違うっ!!」

勇者「!」

蛹「!」

御子「その人は、あの大災害を起こした『勇者』とは違うよっ!!」


勇者「……御子、ちゃん……」

蛹「にゃに言ってんだにゃ? 勇者が2人も3人もいるわけにゃいだろ?」

御子「」スッ

クワガタ「」モゾモゾ

蛹「にゃんだそれ? 虫?」

クワガタ「」ジョキ、ジョキ、ジョキ…

蛹「!!」

クワガタ「」ジョキ、ジョキ、ジョキ…

御子「このクワガタは、違う世界同士をつなぐ魔法生物だよ。そして、そこの勇者さんは、この世界の人じゃない」

クワガタ「」ジョキ、ジョキ……ジョキンッ

蛹「空間に穴が……!? こんな魔法生物、見たことにゃいぞ……!?」

御子「勇者さんは、『この世界の勇者』が終わらせそうになったこの世界を救うために、違う世界から『安価絵日記』を持って、来てくれたんだよっ!」

蛹「……!?」

蛹「お前が……異世界の人間……?」

勇者「……うん。『安価絵日記』の『課題』に失敗すると、世界が終わっちゃうような『最悪』が訪れる」

勇者「けど、他の世界から来た『安価絵日記』の『課題』を達成し続けると、『最悪』が帳消しになる」

勇者「もうここは、3つめの世界だよ」

蛹「…………」

蛹「『口』に飲まれたやつらは、生きてるのかにゃ……?」

勇者「わからない。けど、お前にとって仲間が生きてることが『最善』なら、きっと……」

蛹「……」

蛹「……とりあえず、今回のところは見逃してやるにゃ」スッ

勇者「!」

蛹「『失敗』は、許さにゃいからにゃ。肝に銘じておくにゃっ! ばいにゃん!」ダダッ

勇者「……」

勇者「ありがとね、御子ちゃん。助かったよ」ニコッ

御子「……」フルフル

勇者「野次馬もかなり集まってきた。そろそろ帰ろう……」バサッ

御子「」コクッ



〜魔王城〜



魔王「『安価絵日記』のことがバレた!? 大丈夫なのか、それは!?」

勇者「ぜんぜんだいじょうぶじゃないけど……とりあえず今日のところは助かったみたい」

魔王「……うぅむ」

側近「なんなら協力してもらえばいいんじゃないの?」

勇者「ぜ〜〜〜ったい、イヤです!!」

側近「あら。断固拒絶」

魔王「余も同感だ。あんなものに関わるべきではない」

勇者「とりあえず、どうしてもって時以外はパレットタウンには近づかないことにするよ……」

側近「えー? 町長さんなのに?」

勇者「しょうがないんです、これは」

勇者「……あ、御子ちゃん、そろそろトイレかな?」

御子「……」

勇者「よし、じゃあ行こっか」グイッ

御子「」スクッ

側近「……勇者くんの介護も板についてきたよねー」



〜魔王城・食卓〜



勇者「昨日みたいな『課題』もあるんだね……。ここ最近は、珍しいパターンの『課題』が多いかも」

側近「勇者くんにとっておなじみの『課題』って、肌色率が高いよね」

勇者「……最初の頃は、ずっとそういう課題でしたからね」///

魔王「拷問まがいの『課題』もあったようだしな。ああいうのを引き当てるでないぞ、勇者よ」

勇者「それはボクにどうこうできる問題じゃないから……」

側近「……あと、ついに勇者くんが、御子を膝の上に乗っけ始めたね」

勇者「この方がいろいろと楽だって気がつきまして。ね、御子ちゃん?」

御子「……」

勇者「ほら、御子ちゃんもご機嫌ですよ?」

側近「……勇者くん、たくましくなったよねー」

魔王「それで、今日の『課題』はなんなのだ、勇者よ」

勇者「うーんとね……」パラパラ

勇者「これだねっ!」





——————・・・



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安価絵日記『この星全ての知的生命体に、劣化版安価絵日記が現れる様にしろ』



勇者「劣化版、『安価絵日記』……」

勇者「この星のみんなに、『安価絵日記』がわたる……?」

御子「……」

御子「……劣化版」ボソッ

魔王「!」

側近「!」

魔王「側近よ、余は久しぶりに御子の声を聞いたぞ……」コソッ

側近「私もですよ。ビックリですね」ヒソッ

勇者「……そうしろってことは、できるんだろうね。御子の力を使えば」チラッ

御子「」パァァ

勇者「ありがと、御子ちゃん」ニコッ

勇者「全員に絵日記を配るのは、ちょっと大変だね。なにか、『安価絵日記』の形式を借りた、べつのものが必要かも」

側近「『神の啓示』みたいなのでいいんじゃないの? 勇者くんは、天使様なんだからさー」

勇者「『啓示』……ですか。いいかもしれませんね」

勇者「『安価絵日記』そのものである必要はないよね……あくまで、劣化版だから」

勇者「『課題』も簡単で、リスクもリターンもささやかなものがいい……」

勇者「実体がなくってもいいよね」

勇者「こんな風に」スッ


テーブル「 ジワッ


側近「!」

魔王「テーブルに文字と絵が浮かび上がった……!」

勇者「時間がたては、すぐ消えるけどね」

勇者「でも、どうすれば『啓示』を毎日得られるんだろう……」

御子「……」クイクイッ

勇者「ん? なにかアイディアがあるの?」

御子「……悪魔との契約は?」

勇者「!」

魔王「そうか、リスクとリターンというなら、悪魔はまさしくうってつけの存在であるな」

側近「天使様の啓示が、じつは悪魔の契約でしたってか。ブラックなジョークだねー」

勇者「いちおう、悪魔を召喚して、可能かどうかを確かめてみましょう」


〜魔王城・地下〜



魔王「ここなら召喚に適しておるぞ。暗くてジメっとした場所でないと、悪魔は機嫌を損ねるのだ」

勇者(あの呪われた町も、悪魔の召喚で大変なことになったらしいし……気を引き締めないとっ!)

勇者「それじゃあ、召喚するよ……」パァァ


魔法陣「 キュィィィン!!


悪魔「久しぶりだな、こんな次元に呼び出されるのは……」ズズズ…

勇者(黒い、男の人……)

側近(えらい眠そうな目をしてまんな)

魔王(おいおい、結構な上級悪魔を呼び出したものだな、勇者よ……)

悪魔「この俺に、何用かな? ビジネスの話か?」ニヤ

勇者「『安価絵日記』をご存知ですか?」

悪魔「フフ、フハハ。知っているとも。知らぬはずがない。それを生み出したのは、我らの長だからな」

勇者「えっ!?」

悪魔「世界を支配するほどの『契約』を毎日引き起こせるほどの高等魔道具だ。それくらいの背景があっても、不思議はあるまい?」

勇者「えっと、じつは魂を消費してますとかないですよね……?」

悪魔「ハハハ、それはないぞ。安心するが良い。ルールに書かれたこと以外の『取立て』は御法度だ。そもそも我らの長はそのようなセコイことはしない」

悪魔「それで、俺が『安価絵日記』を知っていたらなんなのだ? 小娘」

勇者「この頁を見てください」スッ

悪魔「どれどれ? ふーん、なるほどなるほど」

悪魔「つまるところ、この俺と契約して、このシステムを今日中に作り上げたい、ということだな?」

勇者「できますか?」

悪魔「悪魔にできないことなど何一つない。見返りがキツイというだけでな」ニヤ

勇者「み、見返り……ですか?」

悪魔「まあこの場合、我らの長が原因らしいし……それにシステム次第では絶大なリターンも期待できる」

悪魔「とりあえず腰を下ろせ。システムに関する話を詰めていこうではないか」スッ

勇者「は、はいっ……!」スッ


勇者「毎朝、起きてから3分後に、『啓示』が近くの壁に念写される」

勇者「心がけ次第で簡単にできるような『課題』が表示されて、文字と絵は見たあとすぐに消える」

勇者「『課題』を達成できれば、その1日は好調に過ごせて、達成できなければ悪い1日になる」

勇者「みんなが得た、それぞれの『小さな最善』は世界に蓄積して、悪いことが起こったときの『修繕』にあてられる」

勇者「蓄積した『最善』のうち、9割が『修繕』のための貯蓄に、1割を悪魔さんに与える」

勇者「これで『契約』は完了ですね」

悪魔「おいおい、俺にリターンがデカすぎるぞ。悪魔が言うのもなんだが、フェアじゃない。いや、契約にうるさい悪魔だからこそ、そこのところはきっちりしておきたい」

悪魔「契約者であるお前個人が、なに1つ得をしていないのは問題だ」

勇者「『安価絵日記』の『課題』達成ができるじゃないですか?」

悪魔「それは世界のためであって、お前のためではないだろう。見方によってはそれもありだが……お前も『最善』の1割くらい貰っておくのが順当だと思うぞ」

勇者「……えっと、じゃあ」

勇者「呪われた町って知ってますか? こことは違う世界なんですけど……」

悪魔「ああ、その事件を起こした悪魔は俺の知り合いだ。話には聞いている。町全体を呪ったらしいな」

勇者「それ、どうにかならないでしょうか? 悪魔さんの方から、なんとか説得していただけませんか……?」

悪魔「そんなことでいいのか?」

勇者「おねがいします。ボクにとっては、大事なことなんです」

悪魔「……フハハ、無欲な奴だ。さすがは天使を名乗るだけのことはあるな。俺たち悪魔は相性が悪い。騙す意欲も湧かんな」

悪魔「いいだろう。その町のことは俺に任せておけ。一番強烈な呪いをかけた赤ん坊が殺されたと言って、消沈していたからな。おそらく俺が言えば従うだろう」

勇者「あ、ありがとうございますっ!」ペコッ

悪魔「では、契約成立だ」スゥゥ…


魔法陣「 キュィィィン!!


勇者「……」

勇者「どうにか穏便におわれたね、みんな」ニコッ

側近「話のわかる悪魔で助かったねー」

魔王「勇者の『善人オーラ』に毒気を抜かれたのではないか?」

勇者「なんか、天使を名乗るのがちょっと恥ずかしくなっちゃったよ」///

側近「いやいや、勇者くん以上に天使の似合う子はいないって」

魔王「『啓示』は朝のニュースでやっているような、占いと同レベルのものなのだろう?」

勇者「うん。でも、急にそんな文字が壁に現れたりしたらビックリしちゃうから……今日中にできるだけみんなに宣伝してくるね」

魔王「勇者よ、今のそなたには天使の翼がないではないか」

勇者「ああっ! 『課題』が終わる前に、出しておくの忘れてた!」

魔王「無理をするな、いつも頑張っているのだから今日は休んでおけ。代わりに宣伝には余が行ってこよう」バサッ

勇者「あぅ……おねがいね、魔王ちゃん」

魔王「任せておくがよい」ニコッ

〜お風呂〜

勇者「御子ちゃん」ゴシゴシ

御子「……」

勇者「今日は、魔王ちゃんたちの前で初めて声を出したね?」ゴシゴシ

御子「……」

勇者「御子ちゃんってじつは、もうほとんど心を閉ざすのはやめてるんじゃない?」ザパァ

御子「……」

勇者「あ、背中洗い終わったから、こっち向いて?」

御子「」スッ

勇者「もしかして、そのキャラでいれば、ボクがこうやって面倒みてくれるから……無口なの?」

御子「……っ」

勇者「こうやってボクが、御子ちゃんのためだけに付きっきりで面倒を見てるっていうことが嬉しいのかな?」

御子「……」

御子「///」コクッ

御子「……で、でも勇者くん以外の人が怖いのは、ほんとだよ……?」

勇者「怯えないで」ナデナデ

御子「っ!」ピクッ

勇者「べつにボクは怒ってるわけじゃないんだから」ニコッ

御子「///」コクッ

勇者「ボクはいつか、御子ちゃんとはお別れしなきゃいけない時が、必ずくる。あのクワガタがいても、御子ちゃんは毎日ボクと一緒には暮らせないから」

御子「……なんで?」ウルッ

勇者「ボクの元いた世界に、愛する女性を残してるんだ」

御子「———っ」

勇者「ボクは世界が好きだし、世界のみんなが大好きだけど……きっとこれから一生、ボクが愛するのは彼女と……あとはお腹の子供だけだよ」

御子「……」

勇者「ボクはキミのことが大好きだし、全力で助けになりたいと思うけど……それは、ただそれだけでしかないんだ」

勇者「キミが笑顔で過ごしても、そのままでいても、ボクはその女性のところにいつかぜったいに帰る」

勇者「だから、そうやって無口の仮面を被るのはやめてほしいんだ。無理をしないで、自然体でいてほしい」

御子「……」

御子「そしたら、ぜったい迷惑かけるよ……?」

勇者「迷惑なんかじゃないよ」

御子「ううん、ぜったい迷惑だよ……」

御子「……勇者くんに、私だけを見てほしいって思って、こんなに泣いたら、迷惑でしょ……?」ポロポロ

勇者「……いろいろ返す言葉は思いつくけど、御子ちゃんにかける言葉はこれだけにしておくね……」

勇者「ありがとう」ナデナデ

御子「……」ポロポロ

御子「勇者くんの優しさにつけこんで、ひどいお願いするね……」ポロポロ

御子「愛がなくてもいいから……ちゅー、してください……。それで、あきらめて、明日から笑うから……」ポロポロ

勇者「……」

勇者「」スッ


〜魔王城・食卓〜



勇者「あれ、魔王ちゃんはどうしたんですか?」

側近「昨日の宣伝活動が原因で寝てるよー」

勇者「ああ……夜中まで帰ってこなかったですからね……出迎えたボクの顔を見ても、げんなりしてましたし」

側近「いやいや、魔王様は5分寝れば体力満タンになるよ? 起きてこない原因は、ふて寝だから」

勇者「ふて寝?」

側近「昨日、訪れた先々で『なんだ、魔王様か』って顔されたんだってさー。いや、声に出されたわけじゃないけど」

側近「そんで、『天使様』である勇者くんの顔をみて、げんなりしてたってわけ」

勇者「……それは、なんというか……」

側近「あ、そういえば君ら、『啓示』は見たかい?」

勇者「ええ、見ましたよ。ボクは『嫌いな奴には近づかないように』だそうです。パレットタウンにはぜったいに行きません」

御子「わ、私は、『勇気を出すが吉』だそうです……」オドオド

側近「おや?」チラッ

勇者「」コクッ

側近「……ふーん、そゆこと」ニコッ

側近「あ、ちなみに私は『上司に容赦するな』だそうなので、これから魔王様をたたき起こしてくるわねん♪」

勇者「……」

御子「……」

側近「魔王様を連れてくるまでに、『課題』を確認しときなさいな」スタスタ

勇者「そうですね。えっと、今日は31頁っと……」パラパラ

御子「もう、そんなにやってるんだね」

勇者「うん、この『安価絵日記』を手にしてから1ヶ月以上経ってるんだね」パラパラ

勇者「今日の『課題』は……」






——————・・・



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補足ですが、さっきの頁の安価があきらかに31文字以上なのに無効にならなかったのは、単に@が文字を数えずに書き始め、書き終えてから文字数オーバーに気がついたからです。(本文では31文字以内に修正しましたが)

今後は31文字以上は無効になりますので要注意。おねがいします。

では書いていきます。

あ、2つ前のお話の、>>496のことです。


安価絵日記『全ての存在の妄想を代理する世界を、現実と分けて作れ』



勇者「……うーん?」

御子「どういうことだろ?」

勇者「妄想を代理……か。それって妄想を実現してくれるってことかな?」

御子「その世界では、こっちのみんなの妄想が実現するってこと?」

勇者「だろうね。となると、その世界はボクらの欲望とか理想が実現してる世界なんだね」

御子「……理想郷、かぁ」

勇者「そういう言い方もできるね。けどそれなら意外と簡単にできちゃうかも。現実世界を動かすわけじゃないから」

勇者「つまり、みんなの理想をかき集めて、切り離されて独立した形而上世界に放り込んじゃえばいいんだ」

御子「?」

勇者「えへ。ちょっと待っててね。すぐに試してみるよ。完成したら、いっしょに見に行ってみよ」ニコッ



〜理想郷〜



御子「……ここが……理想郷?」

勇者「うん、そうだよ」

御子「なんだか、さみしい感じだね。ただただ広い草原があるだけって……」

勇者「みんなの妄想を見えるようにしちゃうと、ごちゃごちゃしてなんにもわかんないからね」

御子「なんか妄想って言うと響きが悪いね……」

勇者「ためしに、御子ちゃんの理想を見てみよっか。合ってるかどうか、確認して?」サッ

御子「ええっ!? ちょ、ちょっと待って!?」///

サァァ…

勇者『あ、御子ちゃん!』ニコッ

勇者「……あれ、ボク?」

御子「あわわっ……!! 止めて! いったん止めてっ!!」///

勇者『どうしたの? そんなに慌てちゃって』ギュッ

御子「ひゃああっ!?」///

勇者『もう、御子ちゃんはかわいいなぁ。えへ、ちゅーしてもいい?』ニコッ

御子「だ、だめ! ……ではないけどっ! あれ、これは妄想だから、ちゅーしてもいいのかなっ!?」///

勇者「……御子ちゃん」

御子「だめだよねっ!! ごめんなさいっ!!」///

勇者『』サァァ…

勇者「……ねえ、御子ちゃん。昨日……」

御子「あきらめるって言ったけどっ!! 昨日思いっきり勇者くんの胸で泣いて吹っ切ったつもりだったけどっ!!」///

御子「ち、ちがうんだよっ! 妄想が実現するって思ったら、ついこんなこと考えちゃっただけで……! この世界に来なかったら、こんなこと考えてなかったんだよっ!? ほんとだよ!?」

勇者「う、うん。そっか。信じるよ……」

御子「ほ、ほんとだよ……? ほんとなんだよ……?」ウルッ


御子「もぉーっ!! じゃあ勇者くんの妄想はどんなのなの!?」

勇者「ええっ、ボクの!?」///

御子「それはそうだよっ! だって不公平だもん!!」

勇者「あぅ……ボクの妄想はね……」スッ

サァァ

巫女『勇者様』ニコッ

勇者「巫女ちゃん……///」ウットリ

御子「……」ムッ

巫女『ごらんくださいませ。この子がようやく自分の足で……!』

息子『だぅ……』トテトテ

勇者「ああっ、歩いてるぅ……♡」///

勇者「ほら、おいでおいで♡」デレデレ ///

息子『えぅ?』トテトテ

息子『』コテッ

息子『?』キョト

巫女『あらあら』ニッコリ

勇者「よく泣かなかったねぇ! よ〜しよし、えらいえらい」デレデレ ///

御子「……勇者くん、もういいよ。おなかいっぱいだよ……」

勇者「え、そう? これからがいいとこなんだけど」

御子「勇者くんは、とんでもない親バカになりそうだってことはよくわかったよ」

御子(……隣でいっしょに、はしゃぎたかったな……)ズキ

勇者「まあ、こんな感じだよ。とりあえずあの世界の人たちはみんな網羅したよ。魔王ちゃんとか側近さんもね」

御子「2人の妄想は見たの?」

勇者「ううん、勝手に見たら失礼かなって思って」

御子「見ちゃおうよっ、この際だから!」

勇者「ええ〜? いいのかなぁ……」

御子「いいのいいの! さ、見てみよ?」

勇者「う〜ん……まあ、いっか」


〜魔王の理想郷〜



勇者「うわあ、魔王ちゃんらしいなぁ……」

御子「自己顕示欲が天井破りだね」

勇者「ほんとに、みんなから尊敬されたいんだね」

御子「妄想の中ではダイナマイトバディなお姉さんになってるし……」

勇者「親孝行で成長を止めてるからね……」

御子「あ、見て見て! あそこに魔王像が立ってるよ」

勇者「その隣に、そこそこな大きさのボクの天使像が立ってるあたり、よほどボクの存在がコンプレックスみたいだね」

御子「けど天使像が砕けて転がってないあたり、あの子の性格が出てるよね」

勇者「良心が咎めるんだろうね」

御子「あれ、あの子、公務の最中にどっか行っちゃったよ?」

勇者「自分の部屋みたいだね。なにしに行くんだろ……って、ボクがいる!?」

御子「なんとなく、そうじゃないかとは思ったけどね……」

勇者「わっ、わっ! アレなにやってるの……!?」///

御子「うわぁ……人権を放り投げてるね」///

勇者「御子ちゃんのせいだからね? 御子ちゃんがあんなことするから、魔王ちゃんの性癖が歪んじゃったんだよ……」

御子「そ、それは勇者くんが筋弛緩させたからでしょっ!?」

勇者「とにかく、これ以上は見てられないよ……側近さんのを見に行こう」


〜側近の理想郷〜



勇者「……ずっと寝てるね」

御子「ひたすらグータラしたいっていうのが理想なんじゃないかな?」

勇者「あ、やっと動いた」

御子「……私たち?」

勇者「これ、ボクらのいつもの食事風景じゃない?」

御子「もしかして、今の暮らしが一番幸せっていう……」

勇者「意外だったね……なんか、勝手に覗いてるのがもうしわけなくなってきたよ……」

勇者「けど心なしか、魔王ちゃんがしっかりしてる感じだね」

御子「心の底では、もう少ししっかりしてほしいって願ってるのかな?」

勇者「それは魔族全員が思ってることだろうね……」



〜魔王城・食卓〜



勇者「」パチ

御子「」パチ

側近「あ、起きた起きた」

魔王「こら2人とも! こんなところで寝るとは何事だ!」

側近「寝不足なの?」

勇者「『課題』を達成してたんです」

側近「?」

魔王「?」

勇者「ところで魔王様」

魔王「……えっ?」

勇者「なにか?」

魔王「な、なぜ急に尊称になったのだ……? 余がなにか、そなたを不快にさせたか……?」オロオロ

勇者「いえ、魔王様が尊敬されたがってるみたいなので、ボクも敬意を表してみようかと」

魔王「や、やめよっ! そなたは余のことを親しく呼んでもよいのだぞ!?」

勇者「いいえ。思えば一般市民のボクが、魔族の頂点であらせられる魔王様をちゃん付けだなんて、ちょっとおかしかったですよね。側近さんには敬語なのに」

魔王「……」プルプル

側近「勇者くーん。仲の良かった勇者くんに急に距離を取られて、魔王様が本気で傷ついてるよ。やめたげて」

勇者「え?」

魔王「……きずついてないぞ」ポロポロ

勇者「ごめん。おいで、魔王ちゃん」バッ

魔王「ばかものぉ……」トテテ、ダキッ

勇者「よしよし。ごめんね」ナデナデ

魔王「次はないとおもえぇ……」ギュゥゥ


〜魔王城・食卓〜



勇者「ボクがこの世界に来てから、『課題』は今日で何個めだったっけ……?」パラパラ

勇者「23頁からこの世界に来て、今が32頁目だから……9日になるんだね」

御子「もうそんなになるんだ……」

側近「すっかり勇者くんたちも魔王城に馴染んでるよねー」

勇者(巫女ちゃん怒ってないかなぁ。明日あたり、クワガタで里帰りしてみようかなぁ……)

魔王「前の世界では、どのくらい滞在しておったのだ?」

勇者「ちょうど1週間くらいだね。だからこの世界でも、もうそろそろ『最善』の兆しが見え始める頃かも」

魔王「むぅ……そう、なのか……」

勇者「魔王ちゃん?」

魔王「いや、この世界が『最善』となるのは嬉しいし、そもそも余が頼んだことなのだが……そなたとの別れでもあると考えるとな……」

勇者「もう二度と会えないってことじゃないよ。まあ、この世界の勇者が復活したら、ボクはこの世界には来れなくなるけど」

巫女「……そう、なんだよね」

勇者「もし巫女や魔王も1つの世界に1人しかいられないんだとしたら、会うのは難しくなるかもしれないね……」

魔王「……」

側近「もう1度会えるのが『最善』なら、また会えるっしょ」

勇者「!」

魔王「!」

御子「!」

側近「でしょ?」ニコッ

勇者「……えへ。たしかに、そうですね!」

御子「うん、そうだよっ!」

魔王「ふん。では勇者よ! 今日の『課題』を読み上げるがよい!」

勇者「今日の『課題』は……」パラパラ





——————・・・



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安価絵日記『人が捕獲した魔物から作った合成魔獣達を倒して街を守る』



勇者「!!」

勇者「御子ちゃん!」

御子「う、うんっ!」パァァ

勇者「ありがとっ!」バサッ

勇者「行ってきます!!」ギュンッ

勇者(魔獣『達』ってことは、相手は複数! 狙われてるのがどの街かもわからない!)

勇者(けど、人が捕獲した魔物ってことは……操ってるのか逃げ出したのかはわからないけど、とにかく人間の領土に近い街が襲われる可能性が高い!)

勇者(急がなくちゃ!! 『課題』を守る意味でも、みんなを守る意味でも!!)ギュンッ



〜狼人の村〜



魔獣「グオォォオォオオ!!!」


狼男「チッ、なんなんだアイツは……」ジリッ

狼女「か、勝てないってあんなの! 逃げようよ!」

狼男「そうしてぇのは山々なんだが、まだ村のみんなが逃げ終わってねぇ。いいからお前も逃げとけ」

狼女「そんなことできるわけないでしょ! アンタを置いてくくらいなら、死んだほうがマシよ!!」

狼男「……お前」

魔獣「グルォォオオオオオオ!!」ズシン、ズシン、ズシンッ!!

狼男「……っ!!」

狼女「———っ」


ピカッ!!


ズガガァァァアアアアン!!!


魔獣「」ズガガガガッ

魔獣「」ガクッ

狼男「……!?」

狼男「……なっ……なんだ、今の?」

狼女「み、見て、アレ!」


バサッ、バサッ


狼女「あの後ろ姿……天使様よ!!」

狼男「……また、助けてもらっちまったってのか……ちくしょう」

狼男「この借りは、いつ返せんだっつーの!」



〜竜の谷〜



竜「なんだアレは……いくら攻撃しても、ゾンビのように立ち上がってくるぞ……」

魔獣「キシャァァアア!!」ウゾウゾ

竜「分裂……!? くそっ、竜王の間へ行かせるわけには……!!」

勇者「ドラゴンさん、空に飛んで!!」

竜「……その声は!!」バサッ

勇者「凍結呪文!!」

魔獣「」ピキィィィン

竜「天使様! 来てくださったのか!」

勇者「竜王様たちは、ご無事ですか!?」

竜「ええ、おかげ様で、どうにか!」

勇者「まだたくさんの人が助けを待っていますから、これで失礼します!」ヒュンッ

竜「……相変わらず、お忙しい御方だ」


〜エルフの里〜



魔獣「ウガァァアアアアア!!」ガンッ、ガンッ、ガンッ!!

エルフ「くそ、あの結界もどこまでもつか……」

族長「ここは私が引き受けた。里の者たちは全員、裏口から逃げなさい」

エルフ「なに言ってるんですか、族長!!」

族長「族長の指示には従わんか。合成魔獣が1体だけとは限らん。非戦闘員だけ逃がした場合、どうなるか……わからんわけではなかろう」

エルフ「う……ぐっ……」


結界「 パリィィィン!!


族長「早くゆけ!!」

エルフ「く、くそぉ……!!」

魔獣「ウグゥアアアアアア!!」ブン

族長「……っ」

勇者「」パシッ

魔獣「ウゴッ!?」グググ…

族長「お、お主は……いつぞやの!」

勇者「すみません、おそくなりました!」ヒュンッ

勇者「キミもごめんね。これ、かなり痛いよ」ピトッ

魔獣「———ッ!!」

勇者「衝撃呪文!!」


ドガァァアアアン!!!


エルフ「ま、魔獣が……吹っ飛んでっちまった……」

族長「……あんな初級呪文で……なんという威力か」

勇者「お騒がせしました!」バサッ、バサッ

エルフ「おい、もう行っちまうのか!?」

勇者「まだ助けを求めてる人がいるかもしれませんので!」ヒュンッ


〜パレットタウン〜



魔獣「キチキチキチッ!!」

蛹「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」ヨロッ

魔獣「キチッ!!」シュパッ

蛹「ぎにゃっ!?」ズバッ

蛹「っ」ズガガッ

魔獣「キチキチキチ!!」

蛹「うぐ、ぐ……」ググ…

蛹「図に、乗るにゃよ……下等種族の寄せ集め風情がァ……!!」ギロッ

魔獣「キチキチッ!!」ヒュンッ

蛹「———っ!!」

勇者「はああああっ!!」ズガァァンッ!!

魔獣「ギッ!?」ズガガガッ!!

蛹「!!」

勇者「もう、なにやってるの!?」

蛹「く、来るのが遅いにゃ!! 死ぬかと思ったじゃにゃいか!!」

勇者「お前がいるからだいじょうぶかなって思って、この街は後回しにしたんだよ!」

蛹「あんな巨大昆虫を猫魔族がどうこうできるわけにゃいにゃ!!」

勇者「御子の力は!?」

蛹「『転生』には時間がかかるんだにゃ! だから人助けの本能のせいで転生したくてもできにゃかったんだにゃ! つまり全部お前のせいにゃ!!」

魔獣「ギチチッ、キチキチキチッ!!!」ヒュバッ

勇者「ちょっと静かにしてて!」ボキュッ!!

魔獣「」ズシャッ

勇者「……とりあえず、これで『課題』は達成、かな……?」ヨロッ

蛹「もしかして、勇者のDNAをゲットできるチャンスだったりするかにゃ……?」ドキドキ

勇者「1歩でも近づいたら本気で怒るからね……」ギロッ



〜勇者の寝室〜



勇者「あぅぅ……疲れたよぉ……。全部終わったあと、蛹と研究所潰しまでやったし……」グテー

御子「そんなに疲れてることを表に出すのはめずらしいねっ!」モミモミ

勇者「あっ、あっ……きもちぃ……」

御子「えへへ〜、マッサージは得意なんだよっ?」グニグニ

御子「お客さん、凝ってますね〜」グググ…

勇者「あぁ〜〜〜……」

御子「そんなに活躍しちゃったら、ますます天使様信仰が加速しちゃうねっ!」モミモミ

勇者「あぅ、そうかも……困ったなぁ……」

御子「勇者くんは、名誉欲とかないの?」グリグリ

勇者「それ巫女ちゃんにも聞かれたことあるなぁ……。でも、そういうのはないよ。有名にはなりたくない。あんまり多くの人に顔も知られたくない」

勇者「ほんとは御子の力で活躍するのもやだよ……」

御子「なんで?」ギュゥゥ

勇者「なんでもだよぉ。ボクは弱いことに誇りをもってるの。だから、強くありたくないの」

御子「?」コリコリ

勇者「ボクが弱いってことは、世の中が平和ってことなんだよ」

勇者「えへ、御子ちゃん、もうマッサージはいいよ。ありがと」ニコッ

勇者「今度はボクがマッサージしてあげよっか?」

御子「じゃあ、ここを」ムニュッ

勇者「セクハラだよ」ニコッ


〜魔王城・食卓〜



魔王「……」ジトー

勇者「な、なにかな、魔王ちゃん……?」

魔王「べっつにー?」プイッ

側近「天使様宛てのお礼の品物が、昨日から今朝にかけてこれでもかと魔王城に殺到してるんよー」

勇者「ええっ!?」

魔王「いいもん。べつにいいもん……」イジイジ

勇者「……」

勇者「魔王ちゃん、はい。ゼリー」コトッ

魔王「……?」

勇者「ボクは魔王ちゃんががんばってるのを知ってるから……そのお礼の品物だよ」ニコッ

魔王「!」

魔王「……っ。……。……〜〜っ」

魔王「あ、ありがとう、勇者」///

側近(怒ったり泣きそうになったり、いろいろ表情が変わった末、照れ顔に落ち着いたなー)

勇者「えへ。魔王ちゃんの威厳が増すような『課題』も出るかもしれないよ?」パラパラ

勇者「今日の『課題』はねぇ……」






——————・・・



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安価絵日記『全身性感帯になった魔王を勇者と御子でイカしまくる』



勇者「!」

御子「!」

魔王「んなっ!?」///

勇者「……魔王ちゃん」

魔王「な、にゃんだ、勇者よっ!?」///

勇者「ニヤけてる」

魔王「そそそんなわけあるかぁ!!」///

御子「いや、ほんとうに」

勇者「挙動不審だしね」

魔王「///」プシュー

勇者「じゃあ側近さん、魔王ちゃんをお借りしますね?」

側近「ごゆっくり〜」


〜魔王の寝室〜



手錠「 カシャンッ カシャンッ カシャンッ カシャンッ


魔王「何事だこれは!?」///

勇者「うん。経験上、全身きもちよくするとぜったい暴れちゃうから、先に動けなくしておこうと」

御子「経験上って……」

勇者「やったこともあるし、やられたこともあるから」ニコッ

魔王「手足の自由が効かないと……こ、こわいぞ、勇者ぁ……」ウルッ

勇者「だいじょうぶだよ、魔王ちゃん」チュッ

魔王「あっ……///」トローン

勇者「経験上、10回イったあたりから、もう全部どうでもよくなっちゃうから……」ボソッ

魔王「!?」

勇者「じゃあ全身が気持ちよくなるようにするね?」パァァ

魔王「———」ビグンッ

魔王「……あっ……あぁ……」ピクッ、ピクッ

御子「なんか苦しそうだよ? 大丈夫かな?」

勇者「背中とかお尻がシーツに擦れて気持ちいいんだと思うよ?」

勇者「脇に息をかけただけでも…………ふーっ」

魔王「あああああっ!?」ビグッ

勇者「ね?」

御子「……大丈夫かなぁ……」

御子「太ももに、そーっと手を置いてみよう」ピトッ

魔王「う、あっ、あぅ」ゾクゾク

御子「撫でてみたり」スリスリ

魔王「くひっ!? やっ、やっ! だめっ!?」ビクッ、ビクッ

勇者「」チュッ

魔王「んん〜〜〜っ!?」ビグッ、ビグッ

勇者(口の中も気持ちいいのかな?)チュパ、レロッ、クチュッ

魔王「んむぅぅぅううう!!!」ビグンッ!!

魔王「———っ」プシャッ、プシャァァァ…

勇者「あ……」

御子「舐めたり吸ったりはやりすぎだよ、勇者くん……」

勇者「そっか、魔王ちゃんはもともと敏感さんなんだった」ナデナデ

魔王「ぅ……ぁ……」ビグッ、ビグッ

勇者「じゃあ、全身マッサージで慣らしていこっか」ニコッ

魔王「……」ピクピク


・・・・・・


魔王「ひぎっ、あ、あああっ!?」ビグッ、ビクッ

勇者「オイルマッサージではイかなくなってきたね」スリスリ

御子「もうすでに、オイルなのかこの子の体液なのかわかんなくなってきたけどね」ヌリュヌリュ

魔王「こ、こわいっ……こわい、なんか……」ガシャガシャ

勇者「だいじょうぶだよ、魔王ちゃん」チュッ

魔王「んっ……で、でもぉ……///」ウルッ

御子「もうキスじゃ誤魔化されなくなってきたよ?」

勇者「ごまかしてるつもりはないんだけどなぁ……」ヌリヌリ

勇者「じゃあ一旦、感覚を切るね」スッ

魔王「あっ……なにも、感じなくなった……」

勇者「そっか、これでちょっと休憩できるね」スリスリ

魔王「ほ、ほんとに怖かったのだぞ、勇者のばかっ!!」

勇者「ごめんね、魔王ちゃん」ヌリュヌリュ

魔王「……今の状態でちゅーしてくれたら……ゆるす」///

勇者「ちゅっ……んちゅ、ちゅる……」スリスリ

魔王「ちゅぱ、んっ、んむ……」

勇者「許してくれた?」ヌリヌリ

魔王「う、うむ……」///

御子「ところで勇者くん、なんで感覚切ってるのにマッサージ続けてるの?」

勇者「え? ああ、この切ってる間の感覚は、もっかい感覚をつないだ時に、ぜんぶ一気に流れ込むようになってるから」

魔王「……えっ?」

勇者「じゃあ、そろそろ感覚をつなぐね?」スッ

魔王「ちょ、ちょっと待っ…………いぎぃぃぃぃいいいいいいっ!!?」ビグンッ!!

魔王「いやああああああああああああっ!?」ガシャガシャガシャ!!

御子「わ、海老反りだ……」

勇者「たくさんイってるね。これで『課題』は達成だよね?」

魔王「———」ビグンッ、ビグンッ


手錠「 バギンッ


勇者「え?———ひゃっ!?」ガバッ

魔王「ふーっ、ふーっ、ふーっ……」

御子「て、手錠を……腕力だけで!?」

勇者「ご、ごめんね魔王ちゃん! ちょっと調子に乗ったかもしれないっ! けどこれは『課題』のためで……んむっ!?」

魔王「ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅる……」

魔王「ぷはっ……ゆうしゃ、ゆうしゃ、ゆうしゃ……」

勇者「ま、魔王ちゃん……目が濁ってるよ……?」

御子「壊れちゃった……?」

魔王「」クチュッ


勇者「挿れるつもり!? まだ感覚を元に戻してないのに……!」

魔王「〜〜〜っ♡♡」ズブッ!!

御子「また……根元まで……」

勇者「自分で筋弛緩させてるんだ……」

魔王「ゆうしゃ、ゆうしゃ♡」ズブッ、ズブッ

勇者「ううっ……なに、この感覚……」ジュプッ、ジュブッ

魔王「はーっ、はーっ」ズブ、ズブ、ズブッ

魔王「」クルッ

勇者「……?」

御子「四つん這いになった……?」

魔王「ゆうしゃっ! 突いてぇ♡ 壊れちゃうくらい!!♡」フリフリ

勇者「……やっぱり魔王ちゃんは、その体勢が好きなんだね」クチュッ

魔王「しゅきっ♡ 動物みたいなかっこで、乱暴にされるの、しゅきぃ♡」

勇者「えいっ」ズプッ

魔王「っ!!♡」ビグンッ

勇者「やらないと終わりそうもないよね!」パンパンパンッ

魔王「くひぃぃいい!? はげ、し……♡」パンパンパン

魔王「フーッ、フーッ……!!」ギュゥゥ

勇者「シーツに顔を押し付けてまで、声を我慢しなくてもいいよ?」パンパンパン

勇者「そんなに顔をトロトロにしちゃうくらいイイの?」パンパンパン

魔王「あっ、あああ゛っ……ああああ゛……」ガクガク

勇者「もう聞こえてないみたいだね。じゃあ、そろそろイクよ!」パンパンパン

魔王「来、て! 来てぇ!! 一番奥でぇっ!!♡」パンパンパン

勇者「っ!!」ドピュッ、ビュルルッ、ビュルルッ

魔王「〜〜〜っ♡♡」ガクン、ガクンッ!!

御子「こんな痙攣、初めて見た……」///

勇者「はぁ、はぁ……」ズリュリュ…

魔王「ぅ……」トロー…

勇者「あ、あれ? 出てくる量が少なくない?」

御子「……まさか、抜く瞬間に、筋弛緩を解いたんじゃ……」

勇者「魔王ちゃん!? これどういうつもり!?」

魔王「えへ、えへへ……」ニヤ

勇者「ま、さか……避妊の魔法が解除されてる!?」ゾクッ

御子「ええっ!? ってことは……!!」

勇者「ちょっ……そんなことさせないからね!?」

御子「そうだよっ、これはズルいよ!!」

勇者「御子ちゃん、掻き出すの手伝って!」グチュグチュ

御子「うん! そんな抜けがけさせないんだからっ!」グチュグチュ

魔王「う、あ゛ぁ……あっ、あっ……」ビグッ、ビグッ



側近「魔王様ともあろう方が、なにセコイことやってんすか!」ゴチッ

魔王「……ごめんなさい」シクシク

勇者「まさかマッサージされてるあいだ、ずっと避妊の魔法を解除してたなんて……」

御子「油断も隙もないね……御子の力を解除するなんて、さすが魔王……」

勇者「そういえばボクの世界の魔王も、御子の力と同じレベルの魔法を使ってたのを忘れてたよ」

側近「勇者くんの性格につけこんで落とそうなんて、恥ずかしくないんすか!?」ベシベシ

魔王「……おっしゃるとおりで」シクシク

側近「『課題』以外で勇者くんにエロいことするのは一切禁止っすよ! わかりました!?」

魔王「……」

側近「返事!!」

魔王「はい……」ポロポロ

側近「……ってことなんで、この件については水に流してくれますかね?」

勇者「あ、はい! ほんとにありがとうございました!」

魔王「……ゆうしゃぁ……すまぬ……」

勇者「うん、もう反省したよね?」ナデナデ

魔王「」コクッ

勇者「じゃあ許してあげるね」ギュッ

魔王「うぇええええんっ!」ギュゥゥ

勇者「よしよし」ナデナデ

御子(うーん、その手があったかぁ……)



〜勇者の寝室〜



勇者「……」

御子「……」

勇者「……」

御子「……勇者くん」ボソッ

勇者「……」

御子「……勇者くん、寝た?」

勇者「……」

御子「……」ゴクリ

御子「……」ソロー…

勇者「御子ちゃん」パチ

御子「っ!!」ビックゥ!?

勇者「お・や・す・み」ニコッ

御子「お……おやすみなしゃい……」モゾモゾ

勇者「……」

御子「……」


〜魔王城・食卓〜



魔王「ゆ。勇者よ。今日の『課題』はなんなのだ?」

側近「……」ジロッ

魔王「」ビクッ

勇者「魔王ちゃん。ボクもバカじゃないから、おんなじような手は通じないからね?」

魔王「な、なにを言っておるのかわからぬな……!」///

御子「そ、そうだよ勇者くん。単純に、今日の『課題』はなにかなぁ、って思って……ねぇ?」

魔王「そ、そのとおりだ!」

勇者「ふ〜ん。まあ、いいけどね。そんな都合のいい『課題』は出ないから……」ペラペラ

勇者「今日の『課題』はね……」





——————・・・



34ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

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安価絵日記『ゴミや危険物、有害汚染物質・波動を食べて生き、増える存在を作れ』



勇者「へー。またこういう系の『課題』かぁ」

御子「ゴミを食べて生きる……なんか可哀想だね」

勇者「じゃあ、かわいい外見の生き物はやめとこっか。背徳感がすごいし……」

側近「キモイ外見でゴミ食ってる生物とか、精神衛生上よくないっしょ」

魔王「なら、目に見えない生物ならよかろう」

御子「ゴミ食べてるような生き物が目に見えないって、それはそれで怖いような……」

勇者「匂いも音も出さないで、普段目に見えなくて……」

御子「それってゴキb」

側近「おいやめろ」

勇者「えっと、完全に目に見えなくて、触れもしない……」

勇者「空気みたいな存在かな?」

側近「空気……ねぇ。それならいいかもね」

御子「じゃあゴミが空気に溶けて消えていくみたいに見えるんだ?」

魔王「ポイ捨てが蔓延しそうで嫌だな」

側近「いやぁ、ポイ捨てばっかする人のところには、その生き物がめちゃくちゃ集まるだろうから……」

勇者「部屋が片付いてないと、ゴミかと思われて家具が消えそうだね」

御子「それならバランスが取れてるね」

勇者「じゃあ、そんな感じの生き物を生み出してみよう!」



勇者「で、そんな気体生物を生み出してはみたものの……」

側近「まあ、目に見えんわな」

魔王「おい、誰かゴミは持っておらぬか?」

御子「じゃあ、このティッシュを」クシャクシャ、ポイッ


ティッシュ「 シュワァァァ…


勇者「!!」

御子「消えた……ね」

魔王「なんか、余はちょっと怖かったぞ……」

側近「消えるのが早すぎて、靴下とかも消されそうで怖いっすわ」

勇者「いちおう、その場のみんながゴミと認識してるかどうかを感知させてるよ」ヌギヌギ ポイッ


靴下「 ポツン…


勇者「ね?」

魔王「水はどうなるのだろう」バシャッ


水「 シュワァァ…


御子「蒸発したね……」

側近「やべ、楽しくなってきたわ」

勇者「そのうち分裂して、増殖して、どんどん世界に溢れていくようになるよ!」

魔王「そしてそのうち、死体をゴミとして認識し始め、ついに生物までも……」

勇者「やめて! そういうSF要素はいらない!!」

御子「いや、でも生き物の死骸とかどうするんだろ? 死骸を食べてる小動物とか微生物が困っちゃうよね」

側近「それ言ったら、生ゴミ食べてる生き物も困るだろーけどなー。あとリサイクルとかも」

勇者「ちょっとそういう部分も調整しとこっか……。魔王ちゃんの言ったみたいなことにならないためにも」




勇者「結局、この生き物の『女王』を『泉』に設定することで落ち着いたね」

魔王「各地でゴミを食べて、自分の活動に余分なエネルギーを泉に還元する……だったか? 蟻や蜂のような生態系だな」

勇者「うん。そしてエネルギーが豊富な泉の水は周りの生き物たちや自然に還元されていく。そういうサイクルにしたよ」

御子「勇者さんらしい感じになったねっ!」

側近「勇者くんはなにかとロマンチストだかんなー」

勇者「あぅ……」///

魔王「そして高濃度のエネルギーに満ちた泉に、新たな生物が誕生し、人類に牙を剥くのであった……」

勇者「だから実現しかねないSFはやめてっ!?」

御子「泉の精霊くらいは、ほんとに発生しそうだよね」

勇者「しっかり泉の管理はおねがいね……?」



〜勇者の寝室〜



勇者「そういえば、側近さん情報だけど……『口』のあたりに空間の歪みができ始めてるらしいよ」

御子「え……? それって……」

勇者「うん。もうすぐかもしれない。もうすぐ、どこかへ消えちゃった人たちが、帰ってくるかも……」

御子「……!!」

勇者「あと一息だね。この世界の『最善』まで」

御子「そう……だね」

勇者「だいじょうぶ。また会えるよ。そのためのクワガタでしょ?」ニコッ

御子「……うん、それはそうなんだけど……」

勇者「だいじょうぶ。だいじょうぶだから」ギュッ

御子「あっ……」///

御子「も、もう。最近は抱きつかないように、我慢してたのに……」

勇者「そうなの?」

御子「これじゃあ、勇者くんがいなくなったら寝れなくなっちゃうじゃない……」///

御子「……誰にでもこんなに優しいなんて、ずるいよ。それなのに、本当に愛してるのはたった1人なんて……ほんとに、ずるい……」ギュゥゥ

勇者「……」ナデナデ

御子「……おやすみ」

勇者「うん。……おやすみ……」


〜魔王城・食卓〜



勇者「魔王ちゃん。今日は、『今日の『課題』はなんなのだ』とか言わないの?」

魔王「……だって」

側近「『口』の報告を受けてから、ずっとこの調子なんすよー」

側近「そりゃ私もさみしいっすけど。でも、世界平和も重要っしょ?」

魔王「……これでは、魔王失格だ……」

御子(どっちかというと、魔王は世界を滅ぼす側だと思うんだけどなぁ……)

勇者「心配しないで。これが『終わり』じゃないから。むしろ、この『課題』が終わったその時が、ボクらの『始まり』なんだよ」

勇者「だから、だいじょうぶ」ニコッ

魔王「……ゆうしゃ」

勇者「それじゃあ、今日の『課題』を確認するね?」パラパラ

勇者「今日の課題は……」





——————・・・



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安価絵日記『勇者が自分の心の闇の部分と真に一つとなり、制御出来る様にせよ』



勇者「……」

御子「……勇者くん」

魔王「勇者……」

側近「……」

勇者「多分これが、この世界最後の『課題』だよ……」

勇者「えへ。とうとうこの時が来ちゃったかぁ」

勇者「『最善』だって言うのなら……いつかぜったい、この『課題』が来ると思ってたよ」

勇者「……あはは」プルプル

御子「」ギュッ

魔王「」ギュッ

側近「……ま、みんなついてるし、だいじょーぶっしょ!」ダキッ

勇者「!!」

勇者「……そうだね。えへへ」ニコッ ///

勇者「ねえ、みんな。きっとこれは、ボクだけが抱えてて解決する問題じゃないと思うんだ」

勇者「だから、見てくれる? ……ボクの闇を。誰にも見せたことのない、醜い部分を」

御子「どんな勇者くんも、受け入れるよ」

魔王「その過去があって、今の優しい勇者なのだからな!」

側近「それが『最善』だよ。あんま難しく考えなさんなって!」

勇者「……みんな……ほんとに、ありがとう」ポロポロ

勇者「じゃあ、行こう。ボクの過去に」パァァ…



〜勇者の村・7年前〜



幼馴染「たぁーっ!!」ドカッ

勇者「あぅ……」コテッ

幼馴染「ちょっとぉ! もー、だらしないんだからっ! アンタ、それでも勇者なのっ!?」

勇者「ご、ごめ……」ウルッ

幼馴染「男のくせに、女みたいだし! すぐ泣くし! そんなんだから、イジメられちゃうのよ!!」

勇者「うぅ……うわああああああんっ!!」ポロポロ

幼馴染「ほら泣いた! もう、こんなんで魔王討伐なんてできるの? アンタ、スライム1匹にだって負けちゃうじゃない!」

幼馴染「魔物を殺せないなんて、勇者失格よ! もうこうなったら、魔物の群れに放り込んで……」

親友「こら、幼馴染!」タタタ…

幼馴染「!」

親友「勇者。ほら、大丈夫だよ。泣かないで」ニコッ

勇者「親友ぅぅ〜!!」ダキッ

親友「よしよし。大丈夫だから」ギュッ

幼馴染「ったく……親友、アンタは優しすぎんのよ! アンタが甘やかすから、勇者が成長しないのよ!?」

親友「じゃあ毎日殴って泣かせてれば、強くなるのかな?」ジッ

幼馴染「うっ……それは……」

親友「みんなは『最弱の勇者』なんて言うけれど、俺はそうは思わないよ」ナデナデ

親友「勇者。キミには、とってもすごい力が眠っているんだ」

勇者「……すごいちから?」

親友「そうさ。なにせ『勇者』だからね。だけど、今はそれが眠っているんだ」

親友「これまでの『勇者』は、すぐに力に目覚めて強かったかもしれないけど……勇者の場合は、ちょっとだけお寝坊さんなんだ」

親友「だから、焦ることはないよ。いつかきっと、勇者がみんなを、世界を守れる時がくるからね」ニコッ

勇者「親友……」ウルッ

勇者「……ボク、親友と結婚する」ギュゥゥ

幼馴染「はああああああっ!?」///

親友「はは、それはまいったなぁ。俺、男だから」

親友「勇者には、もっと良い人が見つかるさ。キミは心の美しい人だからね」ニコッ

勇者「///」カァァ



〜親友の家〜



勇者「ご、ごちそうさまでした……」

母「お口に合ったかしら?」ニコッ

勇者「はいっ、あの、とってもおいしかったですっ!!」///

母「あらあら。それはよかったわ。お粗末さまでした」

勇者「い、いえ……ボクなんかを泊めてもらって、ほんとに、ありがとうございます……」

父「はは、なにを言っているんだい。我々も娘ができたみたいで嬉しいよ。なあ母さん」

母「そうね。いっそ親友と結婚して、ほんとに娘になる?」

親友「2人とも、勇者は男の子だから!」

勇者「け、結婚……///」プシュー

母「勇者ちゃんは、まんざらでもなさそうよ?」

父「さて、式場はどうするか……」

勇者「氷の教会がいいなぁ……///」

親友「それ、さっき読んだ漫画じゃないか。勇者はロマンチストだよね」ナデナデ

勇者「あぅ……///」

親友「でも、男同士だからね。勇者はウェディングドレスを着ることはないんだよ?」

勇者「……そっかぁ」シュン

親友「なんで残念そうなのかな……」


父「ああ、そういえば。しばらく遊ぶ場所は、村の中にしておきなさい。特に勇者ちゃんは」

親友「なんで?」

父「それがな、なんでもこのあたりで、『蛹』を見たという噂があるらしいんだ」

勇者「さなぎ?」

父「そういう通称の魔物だよ。聞くところによると、珍しい種族を探していて、見つけたら食べてしまうんだそうだ」

母「だから、『勇者』みたいな珍しい存在は、もしかしたら狙われちゃうかもしれないわ」

勇者「———」ブルッ

父「だから村の外に出たり、1人になったりはしないように。勇者ちゃんはご両親がいらっしゃらないから、しばらくはこの家に泊まりなさい」ニコッ

勇者「…………」

勇者「……か、かえりますっ!」ガタッ

父「えっ? 帰る……?」

母「どうして? 1人は危ないのよ?」

勇者「かえりますっ……!」ポロポロ

親友「」ガシッ

勇者「っ!」

親友「自分が狙われてるんだから、俺たちを巻き込みたくないって思ったのかい?」

勇者「……だって……やだよぉ。親友が、みんなが死んじゃうの……」ポロポロ

親友「俺は、勇者が死ぬほうが嫌だ!」ギュッ

勇者「っ!?」

親友「俺を信じて。これでも俺、将来は賢者か大魔道士かって言われてるんだよ?」

親友「勇者は将来、世界を守ってくれ。俺はそれまで、勇者を守るから」ニコッ

勇者「……親友」///

親友「大きくなったら、勇者と、魔法使いの俺と、武闘家の幼馴染で魔王討伐に出かけるって約束だろ?」

親友「大丈夫だよ。『蛹』なんか、俺が全部ぶっ倒してやるから!」ニカッ

勇者「///」コクッ

親友「じゃ、さっさと風呂入って寝ちゃおう! 明日は俺が、魔法を教えてあげるからさ」

勇者「それって、親友の得意な、翼を生やす魔法!?」キラキラ

親友「そうだよ。あの魔法は素養が必要だけど、きっと勇者なら使えるようになるよ」ニコッ

勇者「うんっ! えへへ!」///


父「……辛い生い立ちにも関わらず、勇者ちゃんは優しくて純粋な子に育ったな」

母「ふふっ。あの2人の子供だもの。当然だわ」



ガシャーン!!

『なんだお前たち……ぐぁっ!?』『きゃああああっ!!』



勇者「!」パチ

勇者「あれ、いまなにか、きこえなかった?」

親友「…………」

勇者「親友?」

親友「どうやら下で、熊が出たらしいね」

勇者「ええっ!?」

親友「ふふ、大丈夫。俺の魔法なら、熊なんて一瞬で倒せちゃうよ」ナデナデ

勇者「そ、そうなんだ……!」キラキラ

親友「まあ、勇者は念の為にクローゼットに隠れててくれ」ヒョイッ

勇者「えっ、えっ?」///


クローゼット「 バタンッ カチッ


勇者『ちょ、ちょっと親友! あ、あれ? 開かないよぉ!?』ガチャガチャ

親友「……ごめん、勇者」

勇者『な、なんで謝るの……? 親友? ねえ、出してよぉ……いじわるしないで……?』

親友「たぶん、さよならだ」

勇者『……え?』

親友「」ダッ

勇者『親友!! 親友っ!! さよならってどういうこと!?』ガチャガチャ!!

勇者『出してよ!! 親友っ!! 親友!!』ドンドンドンッ


蛹A「ここに『勇者』がいると聞いた。……これ以上隠そうってんなら、痛い目程度じゃ済まなくなるぜ?」

父「……ぐふっ……知らん。そんな奴はウチに来てはおらん」

母「そうよ……そもそも『勇者』を隠す必要なんて、ないじゃない……ゲホッ……魔王を倒せるような人間を……」

蛹B「まだ『勇者』は子供なんだろうが! ここに来るまでに、いくつかの家を襲って情報は得てんだよ!!」

蛹A「子供だってことと、一人暮らしだってことと、この家によくいるってことしか聞いてねぇが……勇者の家にいねぇってことは、ここだろうが!!」

蛹C「ん? ……チッ。魔法で階段を隠してやがった……。おい、この上だ! 行くぞ!!」

父「ま、待て!!」ガシッ

母「行かせないわ!!」ガシッ

蛹A「お前らに、もう用はねぇんだよ……」ズバッ

蛹B「生かしておく理由もないな」グサッ

父「……ぐっ……くそ」ドサッ

母「……逃げ、て……」


蛹C「ぐあああっ!?」ゴロゴロッ ドサッ


蛹A「おい、なに階段から落ちてんだよ。馬鹿か」

蛹B「ったく、こんな時に遊んでんじゃ…………んん?」

親友「……」

蛹A「お前か、『勇者』ってのは」

蛹B「油断するな。子供でも『勇者』だ」

親友「閃光呪文!!」ピカッ!!

蛹A「うおっ!?」バッ

蛹B「チッ!!」バッ

親友(初等転移呪文!!)ヒュンッ

蛹A「あ? どこに消え……」

蛹C「後ろだ!!」

親友(包丁を突き立てて……釘を打つように、柄の部分に———)

親友「衝撃呪文!!」

蛹A「ぎっ!? ぐあああっ!?」ドサッ

蛹B「テメェ!!」ブン

親友「ぐっ!?」ドガッ

親友「火炎呪m」

蛹C「オラッ!」バキッ

親友「———っ」ドサッ

蛹C「おい、魔法でキッチンのガス栓を開けられてるぞ! さっさと閉めろ!」

蛹B「!!」

蛹C「ったく、こんなガキに、ここまでやられるとはな……」ズキズキ

蛹A「痛ってぇ……おい、かなり深く刺さってねぇか、これ……」

蛹B「包丁じゃなくて剣だったら貫通してたな。『転生』すりゃ治るんだから、泣き言いうな。それより……」

蛹C「ああ。さっさと『勇者』を食っちまおうぜ」

親友「……」



クローゼット「 バァンッ!!


勇者「わっ!?」ドテッ

勇者「うぅ……」ムクッ

勇者「親友! さよならってどういう意味なの!?」ダッ

勇者「親友!!」


扉「 ガチャッ


勇者「親友!!」



蛹A「ん? あれ、まだガキがいたのか」モグモグ

蛹B「この家のガキじゃねぇか?」クチャクチャ

蛹C「あー、そうかもな。おいお嬢ちゃん、今起きたのか?」



親友「」


父「」

母「」



勇者「———え?」



蛹C「どうする、殺しとくか?」

蛹A「もしかしたらこいつが『勇者』かもしんねーぞ?」

蛹B「だとしたら、お前は普通のガキにそこまでやられたことになるぞ?」

蛹A「あー、そうなんのか。じゃああのガキは違うな」

勇者「……なに、これ……」

蛹C「悪いな、お嬢ちゃん。これも俺らの『進化』のためだ。悪く思うなよ」スタスタ

蛹C「殺されたくなかったらおとなしくしてな。ほら、これをやるからさ」ポイッ


手首「 ビチャ



勇者「」

蛹A「おいおいヒデーな。ははは!」

蛹B「殺しといたほうがそのガキのためかもな」

蛹C「だとよ、おいお嬢ちゃん。ここでこいつらと一緒に死んどきてーか?」

勇者「…………」ブツブツ

蛹C「あ? 聞こえねぇよ」

勇者「……してやる…………」ブツブツ

蛹C「なんだって?」グイッ

勇者「……てやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺し……」

蛹A「おい、壊れちまったか?」

蛹C「……」

蛹C(なんだこれ……体が……)

勇者「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる……!!」

蛹B「お、おい……そいつ、なんか変だぞ! さっさと殺しちまえ!!」

蛹C(体が、動かねぇんだよ……!!)ゾクッ

勇者「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」スッ…

蛹C「っ!!」


スパッ…  


……ゴトッ。ゴロゴロ…


蛹A「———っ!!」

蛹B「く、首……が……」

勇者「」ギロッ

蛹A「ひっ……!!」ダッ

蛹B「逃げろぉおお!!」ダッ

勇者「があああああああああああああああああああッ!!!」ヒュンッ





ズガァァァアアアアン!!!


幼馴染「!」ビクッ

幼馴染「な、なに、今の音……!」ダッ


扉「 ガチャッ


幼馴染「一体、なにが……!!」バッ



勇者「がああああああああああああああああああッ!!!」ブンッ

蛹A「」グシャッ ズガッ バギッ!!



幼馴染「———」ゾクッ

幼馴染「なに、あれ……あれってもしかして、勇者……!?」

幼馴染「ちょ、ちょっと、勇者! なにやって……」ダッ

勇者「」ギロッ

幼馴染「!!」ビクッ

幼馴染「ぁ……」ヘタッ

幼馴染(これ以上近づいたら……殺される……)カタカタ

幼馴染(まだ、30メートルあるとか、私が幼馴染とか、そんなの関係なく……)ガタガタ

勇者「うがああああああああああああああああああッ!!」ブンッ

蛹A「」グチャッ ズドンッ ボギッ!!

勇者「……」ピチャ…ピチャ…

勇者「」ユラッ

幼馴染「」ビクッ

勇者「……」

幼馴染(あと『1歩』……勇者がこっちに来たら、私は……死ぬ……)

勇者「……」

幼馴染「」ガタガタ

勇者「」ヒュンッ

幼馴染「……」ガタガタ

幼馴染(反対側の……森に行っちゃった……)

幼馴染「勇者……アンタ、どうしちゃったのよぉ……」ポロポロ

幼馴染「うわぁああああああああんっ!!」ポロポロ



〜山奥・蛹の巣〜



蛹B「はぁ、はぁ……みんな!! すぐにここから離れるぞ!!」

「あら。どうしたの、そんなに慌てちゃって」

蛹B「いいから早く!! アイツが追ってくる!! すぐにここからはn」ドスッ

蛹B「……あっ?」ゴプッ

「きゃあああああっ!?」

蛹B「なん、で、俺の腹から……手が……」

勇者「がああああああッ!!」ブンッ

蛹B「」ドガァン!! ……ベチャッ

勇者「……ころす」

勇者「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す……」

「貴様、よくも俺の仲間を……!!」バッ

勇者「」ブンッ

「ぐぎゃっ!?」ズパッ!!

勇者「」スタスタ

「や、やめてくれ……助け……ゴブッ!?」グチャッ

勇者「」スタスタ

「きゃああああああっ!! お願いします! 命だけは助けてください!! なんでもしますから!! たすk」ゴキンッ

勇者「」スタスタ

「この子だけは見逃してください!! この通りです!!」

「私たちは殺したっていいから……この子だけは……!!」

勇者「」グシャッ ゴキッ スパンッ

勇者「」スタスタ

「あは……アハハ……みんな、死んじゃった……」ポロポロ

勇者「」

「キミは……悪魔だ……」ポロポロ

勇者「」

勇者「がああああああああああああああああああああああッ!!!」ブンッ

「」グシャッ!!

勇者「アああああああああああああああああああああッ!!!」

グシャッ バギッ ドガッ!!

勇者「ああああああああああああああああああああああああああッ!!!」


〜魔王城〜



勇者「この後、王国の対魔獣捕縛部隊を4つ壊滅させて、ようやくボクは意識を失ったらしい。原因は栄養失調だったそうだよ」

勇者「村に戻ったら、ほとんどの人がボクと目を合わせなくなった。一緒の村に住むことに耐えられなくなった人がどんどん出て行って、村の人口は半分以下になっちゃった」

勇者「一部の人は、事情を理解してくれて普通に会話してくれるけど、『蛹事件』以降は『最悪の勇者』って呼ばれて、疎まれながら生きてきたんだ」

勇者「ボクの『勇者』としての能力は、我を忘れるくらい怒り狂った時しか発揮できないみたい。だから『安価絵日記』を引っ張り出してくるまでは、魔王討伐に出ろとは言われなかったんだ」

勇者「これが、ボクの本性なんだよ……。手当たり次第に皆殺しにすることしか頭にない悪魔なんだ」

勇者「……」

側近「思うに、勇者くんは優しすぎんだよね。あんな優しい人たちに育てられたんなら当然だけどさー」

勇者「……?」

側近「ほかの人とか、魔物すら傷つけたくないから、自分の力を封印してんじゃね?」

魔王「余もそう思うぞ。あの状態が本性というわけではないだろう。普通、あれだけのことをされれば誰だって怒り狂うはずだ」

魔王「その時に、『コイツらには優しくする必要がない』と思って勇者の力を使うことは、なにもおかしなことではないぞ」

御子「村の人たちは襲わないで『蛹』だけ皆殺しにしたのも、またこんなことが起こらないように、全員殺さないといけないって思って、体が動いちゃったんじゃないかな」

御子「1人でも残ってたら、いつか復讐で村が襲われるかもしれないし」

勇者「……」

魔王「けれど、優しさを履き違えてはいけないぞ、勇者よ。本来の力を抑え込んで、それで守るべき者が守れなかったら本末転倒ではないか」

魔王「御子の力があるから今は戦えておるが、それがなくなった時、大切な誰かが危険に晒されたら……そなたはどうするのだ?」

勇者「……」

側近「怒り狂ってる時にしか力を発動できないんじゃなくて、怒り狂ってる時以外は力を抑え込んじゃってるってことっしょ?」

側近「力なんて使い方なんだからさー。もっと気軽に考えなよ。魔王様なんて、こんだけ力を持っててまだ1回も人を殺したことないんだぜー?」

魔王「……くぅ」///

御子「たくさん人の優しさを受け継いでる勇者くんなら、ちゃんと力を制御できるよ!」

御子「みんなを守るために、勇者の力を使えるよっ!」

勇者「……勇者の……力」

勇者「ボクの、力」

勇者「…………」

勇者「ありがとう、みんな」

勇者「ボクが本当に、ボクの闇を受け入れられたかどうか、確かめてくるね」バサッ

勇者「」ヒュンッ

御子「……!」

魔王「大丈夫だろうか、勇者……」

御子「『安価絵日記』の魔力は、落ち着いてるから……もう、大丈夫だよ」

魔王「!」

御子「勇者くんはもう、完全な『勇者』になったんだよ」ニコッ

魔王「そうか……そうなのか」ニコ

側近(ってことは、御子の力無しで翼を生やしたってことか。ヒュー、やるぅ♪)


〜パレットタウン〜



勇者「蛹!」

蛹「ほいほい、にゃんですかにゃ?」シュタッ

勇者「……」ジー

蛹「にゃ?」

勇者「今までは、蛹のことを見てると心の深いところがざわついて、イライラしてたんだけど……」

勇者「もう、そんなことはないみたい」ニコッ

蛹「!!」

蛹「にゃーんか、お前……『羽化』しやがったにゃ?」

蛹「にゃんかのキッカケで『蛹』ににゃってた心が……『羽化』してやがる。もうお前、昨日までとは全然違う生き物だにゃ」

勇者「そうかもしれない。もう天使様は卒業するよ。ボクは、『勇者』だから」

勇者「それから、蛹。もうすぐお前の仲間が帰ってくるよ」

蛹「!?」

勇者「仲間が消えていった『口』に向かってごらん。きっとまた会えるよ」

蛹「……」

勇者「ねえ、これからボクはこの世界からいなくなるけど……」

勇者「そしたら、ボクの代わりにパレットタウンを治めてくれないかな?」

蛹「……にゃんで俺が」

勇者「おねがい。こんな色とりどりの街を任せられる魔物は、他にいそうもないから」

蛹「……」

蛹「確かににゃ。強いだけの魔物に任せると、種族間で角が立つ。希少種族である俺が適任だってのはわかるにゃ」

蛹「いいだろう、任されてやるにゃ」

勇者「ありg」

蛹「礼はいいにゃ! それは、お互い様ってことにしとく。だから俺も、今回の件で お前に礼にゃんて言わにゃい……」

勇者「……えへ。そっか」

蛹「だから、これで貸し借りはゼロにゃ! 俺はお前の『勇者』の遺伝子を頂くためにこれからもちょっかいをかけるかもしれにゃいけど、やめる義理はにゃいにゃ!!」

勇者「その本能は書き換えたはずなんだけどなぁ……」

蛹「これは本能じゃにゃくて、嗜好にゃ。つまり栄養補給じゃにゃくて、スイーツみたいにゃもんだにゃ!!」

蛹「『勇者』……。すっごく『ほしい』にゃ。いつか必ず頂く。それまで、首洗って待ってるがいいにゃ!」

勇者「うん、元気で。仲間によろしくね」

蛹「じゃあにゃ、勇者。ばいにゃーん♪」シュバッ

勇者「ばいばい」

勇者「……体が透けてきた。時間がないね」

勇者「戻らなきゃ、みんなのところに」バサッ


〜魔王城〜



勇者「ただいまっ!」バサッ、バサッ

御子「勇者くん! 体が透けて……!!」

勇者「うん。この世界の『最悪』が、『最善』で返済されたみたいだね。『口』に消えた人達が帰ってきて、だからこの世界の『勇者』も帰ってきたみたい」

勇者「もうボクはこの世界にいられない」

魔王「……ゆ、ゆうしゃ……」フラフラ

勇者「もう二度と会えないわけじゃないから、そんな悲しい顔しないで、魔王ちゃん」ギュッ

魔王「行かないで……おねがいだから……」ポロポロ

勇者「また会えるよ。だいじょうぶ」ナデナデ

勇者「御子ちゃんは、どうするの? 人間の国に帰る? それとも……」

御子「もう『安価絵日記』がないなら、御子なんていてもいなくても同じだし……うん、帰ろっかな……」

魔王「だめだ! 帰さん!!」

御子「えっ?」

魔王「もうこの4人は家族なのだ! だから、誰もこの城から出さぬぞ!!」ギュゥゥ

御子「……!」

勇者「ありがとね。そこまで言ってくれるなんて、ほんとに嬉しいよ」

魔王「なら……!!」

側近「魔王様。家族だって、離れて暮らすことはあるんすから……ワガママぶっこかないでくださいな」

魔王「うぅ〜……」

側近「ま、気が向いたら遊びにおいでよ。歓迎すっからさー」

勇者「ありがとうございます。必ず、また来ますね」ニコッ

側近「ん。ばっちこい」ニコッ

勇者「そういえば御子ちゃん。ボク、最初に御子ちゃんと約束したよね。キミを笑顔にしてみせるって」

勇者「ボク、約束を守れたかな?」

御子「……」

御子「グスッ……うん……! 世界を、私を……救ってくれて、ありがとうっ!!」ニコッ

勇者「」ニコッ

勇者「……みんな、またねっ!」スゥゥ

御子「うん、またっ!!」ポロポロ

魔王「また会おう!」ポロポロ

側近「またね……」ウルッ

勇者「」スゥゥ

フッ…




御子「…………行っちゃった」

魔王「うぅ……うわあああああんっ!!」ポロポロ

側近「ちょっち、お花を摘みに行ってくる……」クルッ スタスタ

御子「……」

御子「」ギュッ

魔王「っ!!」ピクッ

御子「……ねえ。私、家族でいいの?」

魔王「……勝手に攫うなどという、乱暴なことをしてすまなかった……」

魔王「そなたさえ良いのなら……この城にいてくれ……」ギュゥゥ

御子「……うん、ありがとう」

御子「みんなで立派になって、勇者くんを見返してやろうね」ニコッ

魔王「うむ……当然だ!」ニコッ





〜勇者の家〜



巫女「今度はどちらまで?」

勇者「また別の世界に。魔王といっしょに世界を救ってきたよ」

巫女「それはまた、稀有な体験をなさいましたね」

勇者「……怒ってない?」

巫女「怒る? 勇者様が世界を救ったことを、どうして怒れるのでございましょう?」

勇者「……えへ。巫女ちゃん、大好き」ギュッ

巫女「わたくしもでございますよ、勇者様」ニコッ

巫女「ところで、なにやら雰囲気が変わったように思うのでございますが……」

勇者「うん。ボク、『勇者』として完全に目覚めたみたい。たぶん、今なら『安価絵日記』がなくても魔王討伐に行けるかな」

巫女「なんと」

勇者「この『最善の未来』ではそうそうないと思うけど、もし巫女ちゃんが危ない目にあったら、ボクが守ってあげられるよ」ニコッ

巫女「頼りにしております、勇者様」ニコッ

勇者「……ねえ、巫女ちゃん」

巫女「なんでございましょう」

勇者「今まで、巫女ちゃんに隠してたことがあるんだ。昔の、ボクの醜い部分なんだけど……」

巫女「わたくしは、勇者様にどのような過去があっても、決して嫌いになどなりませんよ」ナデナデ

勇者「……えへ。どうして今まで、隠してたのか、ちょっとわかんなくなっちゃった」

勇者「愛してるよ、巫女ちゃん」

巫女「わたくしも愛しております、勇者様」

巫女「しばらく会えずにいたせいで、寂しゅうございました。今夜は、可愛がって頂けませんでしょうか?」

勇者「……えへ。ボクだって、寂しかったんだからね」ギシッ




1、To Be Continued.

2、続けぬ



↓+3



異勇者「」

少女「異勇者……くん……」ガクッ

魔法使い「いやああああっ!! 異勇者! 異勇者ぁ!!」

武闘家「……っ!!」

オーク「グハハ、安心しろ、すぐにお前たちも同じ所へ送ってやる」

武闘家「みんな、異勇者の遺体を持って逃げろ。ここは私が時間を稼ぐから!!」

魔法使い「……いや、いやよ……なんでこんな……」

武闘家「しっかりしろ魔法使い!! 『フェニックスの尾花』だってまだこの世界にあるんだ!! ここで私たちが死んだら、それさえ叶わないんだぞ!?」

少女「魔法使いさん、行きましょう……!」グイグイ

魔法使い「うぅ……異勇者ぁ……」ポロポロ

オーク「逃がすかよぉ!!」ブンッ

武闘家「ぐあっ!?」バキッ

オーク「お前ら勇者一行は、ここで全滅だ。残念だったなぁ」ニヤ

オーク「しっかし、よくこんな弱さで旅に出たもんだなぁ。オーク1匹に歯が立たねぇとはよ……グハハ!」ガシッ

武闘家「がはっ……ぐぅ……」ジタバタ

オーク「さぁて、お前から死ぬか? それとも、死ぬより酷い目に遭ってから死ぬか?」ニヤニヤ

武闘家「くそっ……くそぉ……」ポロポロ

魔法使い「武闘家を放しなさい!! 衝撃呪文!!」ボキュッ

オーク「痛てっ……だから、そんな初等呪文じゃ効かねぇんだって」ガシッ

魔法使い「ぎっ、ぁああっ……」プランッ

オーク「で、お前が最後か」ギロッ

少女「あ……あぁ……」ガタガタ

オーク「震えちまって、可哀想になぁ。こんな弱い仲間を持った自分を恨むんだな」

オーク「じゃ、死ね」スッ



勇者「楽しそうだね」バサッ




オーク「あん? 誰だテメェh」

勇者「」ヒュンッ

オーク「……え?」

武闘家「ぐっ!」ドサッ

魔法使い「きゃあっ!!」ドサッ

オーク「おおお俺の腕がぁぁああ!!」

勇者「だいじょうぶ。魔物なんだから、きっと生えてくるよ」

オーク「何者なんだ、テメェはぁ!?」

勇者「うーん。天使様ってことにしといてほしいな」

勇者「さぁ、みんな。ここはこれで解散にしよう。これ以上死人を増やしちゃいけないよ」

オーク「……っ」

オーク「覚えてやがれ!!」ダッ

勇者「……」

勇者「そっちの彼は……『勇者』なのかな?」

武闘家「ああ。すまない。助かったよ……」

魔法使い「異勇者……なんで、あんたが……」ギュゥゥ

異勇者「」

勇者(普通にこの世界の『勇者』が死んじゃったんだ……。それじゃあ、『最悪』はもう発生してしばらく経ってるのかな……?)

少女「あの……あなたは……?」

勇者(……あんまり『勇者』だって名乗りたくないなぁ)

勇者「えっと、天使かな?」バサッ

少女「天使……? あの、もしかして、その本……」

勇者「あれ? これを知ってるの? 『安価絵日記』を」

少女「やっぱり……! でも、その本は大昔に失われたって、お父様が……」

勇者「……キミ、もしかして、例の一族だったりする? 『安価絵日記』を使うのを助ける役割の……」

少女「……はい」

皇女「私は、『皇女』と言います」


・・・・・・


勇者「そっか……『安価絵日記』がないから、『勇者』が魔王討伐の旅に出たんだね」

武闘家「正確には、旅に出させられた、といった感じだが……」

皇女「……そうしないと、王国のメンツが立たないって」

勇者「ひどい話だね。それで、その弱いともっぱらの噂だった異勇者くんに仲間が集まらなかったから、幼馴染であるキミたち3人が旅に同行したんだね」

勇者「でも安心して! ここからはボクと皇女ちゃんに任せてほしいな。『安価絵日記』の力があれば、全部丸く収まるから!」

魔法使い「……嫌よ」

勇者「え?」

魔法使い「冗談じゃないわっ! そんな胡散臭い本、誰が信じられるもんですか!!」

魔法使い「私たちはこれから、『フェニックスの尾花』を取りに行くわ! それで、異勇者を生き返らせる!!」

勇者「『フェニックスの尾花』って?」

武闘家「この世界では有名な植物だ。霊鳥フェニックスの尾に似た外見で、同時代に3本だけ生える魔法植物なんだ」

武闘家「3本を使い切ってから100年経たないと再び生えないが、それを使えば死者を完全蘇生させることができる」

勇者「!!」

勇者「……それは例えば、7年前に死んだ人とかも……?」

武闘家「100年以内なら可能だと言われているな」

勇者「……」

皇女「けど、もうこの時代には『フェニックスの尾花』は2本しかなくって、そのどっちもが魔王城にあるらしいです」

勇者「どうしてわかるの?」

皇女「『フェニックスの尾花』は離れていても、磁石みたいに引っ張り合います。それで、ほかの『フェニックスの尾花』がどこにあるかを調べられるんです」

勇者「ふぅん、なるほど……」

勇者「でもキミたちじゃ、魔王城にはたどり着けないと思うんだけどなぁ……」

魔法使い「うるさいわねっ!! やってみなくちゃわかんないでしょ!?」

勇者「『安価絵日記』で『最善』を引き寄せ続ければ、『フェニックスの尾花』がなくても異勇者くんは生き返るかもしれないよ?」

勇者「そうじゃなくっても、『フェニックスの尾花』を手に入れられる可能性は、こっちのほうがずっと高いと……」

魔法使い「じゃああんたはそうすればいいでしょ!? 私たちは私たちで勝手にやるから!!」

魔法使い「行くわよ、2人とも!!」

皇女「……」

武闘家「……」

魔法使い「2人とも……?」


武闘家「異勇者は絶対に生き返らせたいが、そのために無謀な行動をするのは理に適っていない……と、思う」

武闘家「ここは彼女を信じて、『安価絵日記』を頼るか……それでなくとも、せめて私たちの旅に同行してもらうのが望ましいんじゃないか?」

皇女「……私も、同じ意見です……」

魔法使い「〜〜〜っ!!」

魔法使い「じゃあもう勝手にすれば!? 私は1人でも魔王城に行って、自分の力で異勇者を生き返らせるんだからっ!!」スタスタ

皇女「あっ……魔法使いさん……」

武闘家「……すまない。あいつ、意地になってるんだ」

勇者「ううん、気持ちはわかるよ。ボクも本音を言うと、魔王城に乗り込んで、その蘇生薬を手に入れたいもん」

勇者「けど、そんなリスクを犯さなくても、もっと確実な方法があるから……」

武闘家「……」

武闘家「頼む!! 私たちの旅に同行してはくれないか!!」ガバッ

勇者「ちょ、ちょっと……頭をあげて!?」

武闘家「『安価絵日記』とやらのための協力は惜しまない! だから、私たちの意地に付き合ってはくれないか!!」

皇女「……っ」

皇女「私からも、おねがいしますっ!!」ペコッ

勇者「皇女ちゃんまで……」

勇者「……」

勇者「……あくまでボクは戦闘のサポートだけするからね。魔王城まで辿り着くつもりはないから」

武闘家「恩に着る!!」パァ

皇女「ありがとうございます!!」パァ

勇者「じゃあ、魔法使いちゃんを追いかけよっか」スクッ

武闘家「ああ!」

皇女「はいっ!」

勇者(……と、その前に。『安価絵日記』の今日の『課題』を確認しておこっと)パラパラ






——————・・・



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安価絵日記『究極のコーヒーを友達全員で楽しめ』



勇者(友達……? ボクの、友達……?)

勇者(……えっと、巫女ちゃんは恋人で。幼馴染は……まぁ友達かな? 神子ちゃんは友達っていうのとはちょっと違うような……。魔王ちゃんたちは『家族』らしいし……蛹も違うよね)

勇者(あれ、ボクって幼馴染しか友達いないの!?)

勇者(皇女の力を使えば、異世界を渡るくらいはできるはず……だよね。クワガタにできることが皇女にできないとは思えないし)

勇者「皇女ちゃん。キミは今から皇女の力が使えるようになったよ」

皇女「はい?」

勇者「ちょっと翼を生やしてみて? こんなふうに」バサッ

皇女「え? そんなの、無理ですよ……」

勇者「いいからいいから。『翼を生やすんだ!』って強く念じてみて」

皇女「……」

皇女「っ」バサッ

武闘家「!!」

皇女「う、嘘!? できちゃいました!」

勇者「『安価絵日記』の『課題』を見てから達成するまでの間、皇女ちゃんはほとんどどんなことだってできるようになるんだよ」

皇女「わ、私が、みんなの役に立てる……?」///

勇者「でも、あんまり無闇に使っちゃだめだよ?」

皇女「は、はいっ」///



魔法使い「ふんだ。結局ついてくるんじゃない!」

武闘家「お前を1人にするのは危険だからな」

魔法使い「どういう意味よ!」

魔法使い「っていうか、なんであんたまでついてきてるのよ!?」

勇者「目的を達成するまで、キミたちを守ってあげることにしたの」

武闘家「私たちが頭を下げて、ついてきてもらったんだ。この人はとても強いから、頼りになるしな」

魔法使い「……ふん」プイッ

武闘家「気を悪くしないでくれ、勇者さん。こいつ、かなりの意固地で。内心感謝してるから、大目に見てやってほしい」

勇者「だいじょうぶ、気にしてないよ」ニコッ

勇者「ボクとしても、皇女ちゃんがいてくれないと困っちゃうからね」

皇女「が、がんばりますっ!」

魔法使い「……」



〜1の町〜



魔法使い「とりあえず、装備を買いましょ」

勇者「それより回復アイテムを買ったほうがいいんじゃないかな?」

魔法使い「それ、どういう意味よ!?」

勇者「ボクが異勇者くんの代わりに、責任をもってみんなを守ってみせるよ。だから、あんまりみんなには危ないことはしてほしくないんだ」

魔法使い「つまり戦力外通告じゃない! バカにして……!!」

武闘家「事実なんだ、いちいち噛み付くなよ魔法使い」

魔法使い「あんたはどっちの味方なのよっ!!」

武闘家「異勇者が生き返るために、一番最善な方法を選んでるだけだ。お前も魔法使いなら、もっと考えて行動しろ」

魔法使い「……っ」イライラ

魔法使い「じゃあ宿屋を探してくるから、買い物はあんたたちがしてなさい……」スタスタ

皇女「あ……魔法使いさん……」

勇者「町の中でもなにが起こるかわからないから、ボクは魔法使いちゃんについていくね。皇女ちゃんと武闘家ちゃんは、なるべくいっしょに行動してね。お買い物もおねがいっ!」ダッ

勇者「魔法使いちゃーん! 待ってー!」タタタ…

皇女「……勇者さん、面倒見がいいなぁ。お母さんみたい」

武闘家「おそらく同年代だろうに……実力も、器の大きさも、私たちとは段違いだ。恥ずかしくなってくるな……」



魔法使い「ついてこないでよ……」

勇者「ごめんね、ボクの無神経で傷つけちゃって……」

魔法使い「ふんだ。お強い勇者サマには、私たち弱い人間の気持ちなんてわかんないんでしょ!」

勇者「……ボク、昨日の朝までは、魔法使いちゃんよりも皇女ちゃんよりも、ずっと弱かったんだよ?」

魔法使い「……うそよ」

勇者「嘘じゃないよ。ボクは、ボクの世界では『最悪の勇者』って呼ばれててね……本気で怒ったときにしか勇者の力が使えなかったんだ」

勇者「だから普段はスライムにだって負けちゃってたんだけど……」

勇者「昨日、ボクのトラウマと向き合って、大切な人たちに大事なことを教えてもらって、ようやく勇者の力が使えるようになったの」

魔法使い「……」

勇者「だから、弱い人間の気持ちはボクが誰よりもわかるんだ。魔法使いちゃんがボクほど弱くないってことはわかるけど、それでも心配になっちゃうんだよ」

勇者「魔法使いちゃんが異勇者くんを大事に思ってるように、異勇者くんだって魔法使いちゃんのことを大切に思ってるはずだよ」

勇者「だから、異勇者くんのために、自分のことを大切にしてほしい。無茶はしないで、安全に行動してほしいんだ」

魔法使い「……同年代の子に説教されると、ムカつくわ」

勇者「あぅ……ごめんね」

魔法使い「無茶は、しないわよ。ちょっと焦ってただけ。いつ『フェニックスの尾花』を魔王が使っちゃうか、わかんないから……」

勇者「だいじょうぶ。『最善の未来』では、異勇者くんはみんなといっしょに笑ってるはずだよ」

勇者「だから、おちついて。安全にいこ?」ニコッ

魔法使い「……」

魔法使い「宿屋、2部屋でいいかしら」

勇者「……!」

魔法使い「ふんだ。旅についてくるんなら、私と相部屋くらい我慢しなさいよね」プイッ

勇者「うん」ニコッ


・・・・・・


武闘家「とりあえず、装備品予算で回復アイテムを買えるだけ買っといたぞ」

皇女「お、重かったです……」ゼェゼェ

魔法使い「まったく、皇女は体力ないんだから!」

勇者「皇女の力を使ってもよかったのに……無闇に使うなって言葉に従ってくれたのかな? ありがと、皇女ちゃん。おつかれさま」ニコッ

皇女「///」コクッ

勇者「この荷物は、移動の時はボクが持つから安心していいよ。ボクが買えって言い出したんだからね」

勇者「じゃあ、みんなもう休んじゃおう。疲れてるだろうしね」

魔法使い「まだ昼過ぎよ……?」

勇者「異勇者くんのこともあったから、きっとみんな、自分が思ってるより疲れてるはずだよ」

魔法使い「……」

武闘家「……」

皇女「……」

勇者「皇女ちゃん、皇女の力をボクにちょうだい。皇女の力をボクに譲るって心に念じて?」

皇女「っ」パァァ

勇者「えへ、ありがと。……えいっ!」バッ

皇女「」フラッ

武闘家「」フラッ

魔法使い「ちょ、ちょっと、2人になにしたのよ……?」

勇者「明日までぐっすりリラックスして眠れるようにしたの。部屋に結界は張っておくし、体は綺麗にしておいたよ」

魔法使い「ほんと、何者なのよあんた……」

勇者「これは皇女ちゃんが持ってた力だよ?」

魔法使い「皇女が……?」

勇者「さ、魔法使いちゃんもゆっくり休んで? ボクはまだやらなきゃいけないことが残ってるから」

魔法使い「変なことしたら、承知しないからねっ!」

勇者「だいじょうぶだよ、心配しないで」バッ

魔法使い「」フラッ

勇者「おやすみ」


〜幼馴染の家〜



幼馴染「勇者のやつ、どこ行っちゃったのかしら? あの女に聞いても、『世界を救っていらっしゃると思います』しか言わないし……」

幼馴染「もう2週間以上も会ってない……はぁ……」


空間「 バヂッ バヂヂヂヂヂヂヂヂッ!!!


幼馴染「!?」

勇者「あ、いたいた。ひさしぶり、幼馴染」ニョキッ

幼馴染「きゃあああっ!?」ブンッ

勇者「ぎゃふん!?」メシャッ

勇者「」バタッ

幼馴染「……あ」

勇者「ひ、ひどいなぁ、幼馴染……いきなり顔を蹴るなんて……」ググ…

幼馴染「私の蹴りくらって、よく意識があったわね。っていうかいきなり空間から人が出てきたら蹴るわよ、普通」

勇者「ちゃんと扉から入ってくればよかったなぁ……」

幼馴染「っていうか、しばらく見ないと思ったら、なに急に現れてるのよ!?」

勇者「うん、まあ、ちょっといろいろあって……」

勇者「ボクの友達って、幼馴染だけだってことに気がついて。それで会いたくなっちゃったんだ」

幼馴染「そ、そう。ふ〜ん。私だけなんだ……」///

勇者「というわけで、最高のコーヒーを用意したんだ。スイーツもあるから、是非楽しんでねっ!」ニコッ

幼馴染「やけに準備がいいのがなんだか不安だけど……まぁ、いっか」

勇者「はい、どうぞ」スッ

幼馴染「ありがと。……お、おいしいっ!! なにこのコーヒー!?」

勇者(原料どころか原子から構成した究極コーヒーです)

勇者「そういえば、ボクらって将来旅に出る約束してたんだよね」

幼馴染「……そう、ね。親友と私たちの3人で」

幼馴染「アンタからその話を振ってくるなんて、珍しいわね」

勇者「うん……ボクも、いつまでも昔のことから目を逸らしてはいられなくなっちゃって」

幼馴染(な、なんか勇者の顔つき、大人っぽくなったような……///)ドキドキ

幼馴染(悲しいことに、男らしくなったっていうより色っぽくなったって感じだけど……)

勇者(なんだか失礼なことを考えられてる気がする……)

勇者「……」

勇者「ねえ幼馴染。もしも親友が生き返る方法があるとしたら、どうする?」

幼馴染「……え?」


勇者「ボクのせいで死んだ親友を、ボクの都合で生き返らせたいって思うのは、人としてイケナイことかな……?」

幼馴染「……」

幼馴染「いけないってことは、ないんじゃない……? まあ親友なら、『俺なんかよりももっと生き返らせるべき人がいたんじゃないのかな』って怒りそうだけど」

勇者「……だよね」

幼馴染「でもアンタの気持ちを誰より理解してたアイツだもん。『けど、その気持ちは本当に嬉しいよ。ありがとう。生き返ったからには、キミにも世界にも恩返しをしなくてはいけないね』とか言いそうよね」

勇者「!」

幼馴染(そして、『しばらく見ない間に綺麗になったね、勇者。本当に結婚しておけばよかったかも……なんてね。あはは』とか言いそうなのよね……)

勇者「幼馴染としては、嬉しい? 親友には生き返ってほしい?」

幼馴染「そりゃもちろん、もう一度会えるなら会いたいと思うけど……それって、いいのかなって思っちゃうわよね」

勇者「……普通は、ありえないことだもんね」

幼馴染「過去の失敗や悲劇をやりなおすことは……嬉しいことだけど、なんだか、違うような気もするのよね」

勇者「……そっか、そうだよね」

幼馴染「でも、私がどう思うかなんてことは、アンタには関係ないでしょ?」

勇者「?」

幼馴染「アンタがもう一度会いたい、もう一度話したい、アイツと旅に出たいって思うんなら、誰がなんと言おうが自分の意見を通しなさいよ」

幼馴染「周りの顔色なんて、気にしてんじゃないわよ。そんなの、ねじ伏せてやりなさい!」

幼馴染「アンタは、『勇者』なんだから!」

勇者「!!」

勇者「……幼馴染」ウルッ

勇者「」グシグシ

勇者「えへ、ありがと。幼馴染には、いっつも助けてもらってるね」ニコッ

幼馴染「そ、そんなこと、ないわよ」///

勇者「さて、じゃあコーヒーもいただいだことだし、そろそろ帰るよ」スッ

幼馴染「あっ……もう行っちゃうの?」

勇者「今、魔法討伐の旅の最中だから」

幼馴染「へ? それ、どういう……」

勇者「世界を救ってくるね。ボクは『勇者』だから」ニコッ


〜宿屋〜



勇者「……」ムニムニ

勇者(とりあえず、案の定パーティのみんなはボクのことを女だと思ってるらしい)

勇者(男だってバレたらちょっと気まずくなるし、皇女の力で女の子になっておいた)

魔法使い「さ、じゃあ出発しましょ!」

武闘家「勇者さん、1人でそんなに荷物を持たなくても……私に半分わけてくれ」

皇女「リュックがお引越しみたいになっちゃってます……」

勇者「だいじょうぶだよ、これくらい」ニコッ

勇者(また『安価絵日記』を確認しておこっと。えっと、今日の『課題』は……)パラパラ






——————・・・



37ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

@がドン引きした安価は無効扱いになることがありますので要注意。

次に書き始める直前に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。

あと今日は深夜まで帰ってこないので、続きは明日の朝かも。



↓+6まで。


親友は勇者のことを、男友達として見ています、ホモとかじゃないです。結婚は冗談です。

勇者の方も、ほかの同年代全員が勇者に悪意を向けてくる中で、親友だけが優しくしてくれたので異常に懐いてただけです。


親友→勇者 完全に男同士の友情。

勇者→親友 依存、心酔。



勇者は自分の外見が女にしか見えないことをコンプレックスに感じていますが、だからといって必要以上に男らしく振舞う気もありません。自然体が一番だというのが持論です。

ここまでのお話で、勇者を初見で男だと見破ったのは赤子だけです。


安価絵日記『異勇者の代わりに国王を勇者とし、旅に同行させ現実を分からせろ』



勇者「……う〜ん」

勇者「皇女ちゃん、皇女の力をちょうだい?」

皇女「は、はいっ」パァァ

勇者「ありがと」ニコッ

勇者「今回、『安価絵日記』の『課題』で、国王を『勇者』としてこのパーティに入れろっていう指示が出たよ」

魔法使い「はあっ!? 嫌よそんなの!」

勇者「そう? 『現実をわからせろ』っていう内容なんだけどなぁ」

武闘家「現実を、わからせろ?」

勇者「うん。キミたちがどんな思いで旅に出させられて、どんな目に遭っているのか。どれだけ大変なのか。現場で出会う魔物がどれだけ恐ろしいのか……」

勇者「それを、国王にわからせてやれっていう『課題』なんだ」

魔法使い「……なんだ。ふぅん。面白そうな『課題』じゃない」ニヤ

武闘家「あまり気は進まないが、私たちがこんな目に遭っているのも、異勇者がああなったのも、彼の無責任な判断に原因があるしな」

皇女「……」コクッ

勇者「それじゃあ、異勇者の代わりに国王をこのパーティにちょっとのあいだ入れるよ。あんまり優しくしなくていいからね。そういう『課題』だから」

魔法使い「『課題』じゃしょうがないわね」ニヤ

勇者「それから、ボクはしばらくこのパーティから抜けて、遠くから見守ってるから。だいじょうぶ、いざって時は助けに来るよ」

勇者「それじゃあ、ちょっと国王をここに連れてくるから待っててね」バサッ


〜王国〜



国王「あ〜、公務ダリぃな……」

国王(ったく、なんで親父のやつ、病気でぽっくり逝っちまうかねぇ……おかげでほとんど遊んでねぇのに国王にされちまった)

国王(ま、国王っつっても、めんどくせーことは大臣に任しときゃいいし)

国王(いっちばん重要な『魔王討伐』の命令は、あの役立たずの『勇者』に押し付けて国から叩き出してやったからな)

国王(あとは、あいつらが全滅したら次の『勇者』を適当に選んで送り出してればいい。魔王はなんでか知らねぇが進軍してこねぇし、この国の防衛さえしとけば万事おっけーだ)

国王(俺様ちゃん、あったまい〜♪)


「なんだあれは!?」「天使・・・・・・?」「神託ではないか!?」


国王「……あん?」

国王「なんか外が騒がしいな……」スタスタ


窓「 ガチャッ


天使「国王よ。神託に参りました」パァァ


国王「」

国王(な、なんじゃこりゃあああああっ!? 翼の生えた、女の子!? っていうかなんで城の下にこんな人が集まってんだ!? 城下の全員が来てんじゃねーかコレ!?)

天使「まずは、今回の『勇者』が死亡しました」

国王(なっ……!? あの野郎、へっぽこだとは思ってたが、まさかこんなに早く死にやがるとは……)

国王(っていうか、こんな大衆の前で言うんじゃねーよ! 黙ってりゃ、もっと時間を稼げたのに!! まだ次の『勇者』決まってねーよ!)

天使「みなさん、ご安心を。次の『勇者』はすでに決まっております」

国王(な、なんだ、そうなのかよ……ビビらせやがって。ならそいつをさっさと送り出して……)

天使「次の『勇者』は、こちらにいる国王です!!」

国王「———へっ?」

民衆「ワァァァァアアアアア!!!」

国王「え? えっ!?」

天使「では、さっそく魔王討伐へと向かいましょう!」パァァ

国王「うおおおっ!? 体がっ、浮いて……!?」フワッ

国王(こんだけの民衆の前で言われたら、もう後戻りできねぇ……!! 民衆たちも期待ムードが高まっちまってやがる……)

国王(ちくしょおおおおおおおおっ!!!)


・・・・・・


国王「……」

魔法使い「あ〜ら。お久しぶりですわね、国王サマ? これから魔王討伐、いっしょにヨロシクオネガイシマス」ニヤニヤ

武闘家「これからは仲間になるのだ。魔法使い、そうやって敬語を使うのは他人行儀で失礼だぞ。対等に扱おう。よろしくな、国王」

皇女「……」ペコッ

国王(なんで俺様ちゃんが、こんな目に遭わなきゃいけねーんだ……ちくしょうが)

国王(しかもこいつら、全然タイプじゃねーし! むしろ嫌いだ! タカビー、筋肉、貧相……なんだこの色気のねぇパーティは! あの天使の女の子は運ぶだけ運んだらついてこねーし!)

武闘家「ではさっそく、次の町まで歩いて移動しよう。これは国王の分の荷物だ。男だからこれくらい大丈夫だよな?」ポイッ

国王「うっ、ぐぉおお!!」ズシッ

武闘家「では出発だ! 次の町まで20キロあるから、急ぎで行こう!」

魔法使い「私たちだけじゃ魔物が恐ろしいけど……国王サマがいてくれるんなら安心だわ♪ 戦闘はよろしくね、『勇者』サマ♡」バシバシ

国王(こ、こいつらぁ……ここぞとばかりに噛み付いてきやがる。覚えてやがれよ……!!)



・・・・・・


国王「……ゼェ……ゼェ」フラフラ

武闘家「どうした国王、なさけない足取りだな。異勇者なら平然と歩いていたぞ?」

魔法使い「まさか温室育ちの青白いお坊ちゃまでもあるまいし、疲れた〜、帰りたいよママ〜、なんて言わないわよねー?」

国王「て、てめぇら……」フラフラ

皇女「あ、あの、荷物、持ちましょうか……?」

国王「!」

武闘家「見ろ、魔法使い。あの嬉しそうな顔を……自分より一回り小さな女の子に荷物を押し付ける気だぞ」ヒソヒソ

魔法使い「恥知らずが王冠被ってるみたいな男ね……」ヒソヒソ

国王「わかったよっ!! 自分で持つわボケぇ!!」

魔法使い「じゃあシャキシャキ歩いてね。こんなペースじゃ日が暮れちゃうわ。私たちは慣れっこだけど、この広い平原で魔物に囲まれながら夜を明かすのは嫌でしょ?」

国王「……」ゾクッ

武闘家「ろくに寝れず、硬い地面に体を投げて、火をおこし続け、魔物に怯え、時に襲われ……。まあ大丈夫だ、1週間もすれば慣れるだろう」

皇女「慣れるって言うより……諦める……」ボソッ

国王「」

魔法使い「あ〜あ、誰かさんがケチらずにちゃんとした装備を持たせてくれれば、オークに遅れを取るくらい衰弱しなくても済んだのにな〜」チラッ、チラッ

武闘家「くだらない理由で、貴重な『勇者』を失うなど、愚かさ極まれりだな」ジトッ

皇女「きっとすぐに、異勇者くんと同じ目に……」ボソッ

国王「くっ……くそぉ……ちくしょう……」ヨタヨタ


・・・・・・



魔法使い「さて、案の定日が暮れたわけだけど」

武闘家「夕暮れ直後は魔物が一番活発な時間帯だから、戦うのは危険だ。とはいえ、こんな平原では隠れるところなどない。見張りを立てて、休息をとろう。2時間だけな」

国王「……ゼェ、ゼェ」ガクッ

魔法使い「じゃ、国王見張りよろしくね。寝たら殺すから」ゴロッ

武闘家「私たちが殺すまでもなく、魔物に食い散らかされて死ぬだろう」ゴロッ

皇女「……」コロン

国王「…………」キョロキョロ

国王(よく考えたら、今のこの状況はハーレム状態なわけか)

国王(全員、顔は悪くない。性格は最悪だが。あの魔法使いが、一番俺様ちゃんのおメガネに適うわがままボディだ。性格は最悪だが。性格は最悪だが)

国王(……だが、しかし。そんなことをすれば間違いなく叫ばれたりチクられて、武闘家の殴打が飛んでくる。すなわち俺様ちゃんの美しい顔面が崩壊する)

国王(ここは、声を出しそうにない大人しい娘で我慢しとくか……体の発育も大人しいのが残念だが)ソロー…

皇女「……」

国王(まずは口を塞いで……)バッ


バヂィッ!!!


国王「痛ってえええええっ!?」ドサッ

皇女「……勇s……天使様が、結界を張ってくださいました。邪な気持ちで体に触れると、強烈な電流が走ります」

魔法使い「うわ。いつか絶対やるとは思ったけど、初日かよ……死ねよ……」

武闘家「惜しいな。手を出したのが私だったら、面白い顔面に変えてやったのだが」パキポキ

魔法使い「眠たくなったら私たちに触りなさい? いい眠気覚ましだと思うわよ」

武闘家「まあ、私たちには結界が張ってあるから、どうしても寝たかったら寝ていいぞ。お前は魔物に引きちぎられて死ぬけどな」

皇女「おやすみなさい……」

国王「くっ、かっ、きっ……」ワナワナ…


・・・・・・


国王「」ゲッソリ

武闘家「まだ夜だが、十分休息したな。出発だ。ほら国王、さっさと立たないか。そんなにここが気に入ったのか?」

魔法使い「もうちょっとここにいてもいいけど、私たちは行くからね〜」スタスタ

皇女「……」スタスタ

武闘家「ほら、あそこの木陰で狼魔物が狙ってるぞ。元気なフリをしなければ襲ってくる。気をつけろよ」スタスタ

国王「……なんで俺様ちゃんが、こんな目に……」ヨロヨロ

魔法使い「それ、私たち全員が、初日から今日までずっと思い続けてきたことだから」

武闘家「安心しろ、お前も今日から死ぬまで、ずっとそれを思い続けていくことになる」

皇女「けど、国民の期待からは逃げられない……」

国王「……」

国王「ふ、ふざけんなっ! この俺を誰だと思ってやがる!! 国王だぞ!? こんな下っ端の仕事をするべき血統じゃあねーんだよっ!!」

国王「こういうのはお前らみたいな木っ端市民の仕事なんだ!! それがどうして俺が、こんな目に!!」

魔法使い「それ、口に出すとは思わなかった」ジロッ

武闘家「ずっと目が語っていたがな」

皇女「……最低です」

国王「うるせぇ!! もう帰る!! そんで代わりの『勇者』をでっちあげて、こんなふざけた旅とはオサラバだ!!」ザッ

武闘家「」ガシッ

武闘家「まあまあ、そんなつれないこと言うなよ」ブンッ

国王「———」グシャッ

国王「かはっ……」ピクピク

武闘家「魔法使いが、もう帰りたい、もう嫌だと駄々をこねたとき。私が木陰でこっそり泣いていたとき。皇女の心が折れかけて動かなくなったとき。それを励まして今日まで支えてくれたのが異勇者だった」

武闘家「異勇者は、強くはなかったが間違いなく『勇者』だった。勇気のある奴だったし、勇気を与えてくれる奴だった」

武闘家「そんな彼が、昨日死んだ」

武闘家「八つ当たりだということはわかっているが、しかし私は、この激情を抑える術を知らない……!!」スッ

武闘家「」ブンッ

国王「ひっ!?」


ドガァァンッ!!


国王「……っ」

武闘家「次は、当てるからな……」スクッ

武闘家「……」スタスタ

魔法使い「さっさと立ちなさい。ケツに火を付けるわよ」スタスタ

皇女「……はぁ」スタスタ

国王「…………」

国王「……んだよ……なんで俺が……」

武闘家「」ピタッ

武闘家「」クルッ スタスタ

国王「っ!!」

武闘家「おい」グイッ

国王「ひっ……ぼ、暴力はやめろ……!」

武闘家「そこに、スライムがいるだろ」

スライム「」プルプル

武闘家「あれを倒せたら、王国に帰ってもいいぞ」ブンッ

国王「ぐっ……!」ドサッ

国王「スライム、1匹……」

魔法使い「さすがに、スライムには負けないわよねぇ?」

国王「ちくしょう、ナメやがって……」

スライム「」プルプル

国王「おらぁ!!」ゲシッ

スライム「」ビチャッ

国王「へへ、やったぜ……これで帰れる!!」

武闘家「まあ、そいつはただのスライムじゃないんだがな」

国王「……えっ?」

スライム「痛ったいなぁ、もぉ〜」ズリュリュ

国王「うおっ!? なんだ、こいつ、まだ生きてやがったのか!?」

スライム「スライムだもん、蹴ったくらいで死ぬわけないじゃ〜ん! あはは! お兄さん、もしかして冒険初心者?」ズリュリュ

国王「き、気持ち悪ぃ……離れろ!!」ビシャッ、ビチャッ

スライム「むだむだ♪ スライムには魔法攻撃が基本だよぉ? 物理攻撃で倒すのはかなりしんどいからね♪」

国王「なら、魔法使い! さっさとこいつをなんとかしろ!」

魔法使い「いいけど、燃やされるのと凍らされるの、どっちがいい?」ニヤニヤ

国王「!!」

スライム「なんのために、お兄さんにまとわりついたと思ってるの? これでお仲間さんたちは私を攻撃できないんだよ♪」

スライム「ねえねえ、がっつり食べられるのと、しっぽり頂かれるの……どっちがいい?」

国王「くそっ、離れろ!!」バシャッ、ビチャッ


スライム「そっかぁ、両方だねぇ? さんざんお兄さんから精気を搾り取ったら、体をグズグズに溶かして吸収してあげる♪」

国王「や、やめろおおおっ!!」

スライム「ジタバタされると面倒だから、手足を溶かしてあげるね♪」

国王「ひぃっ!?」

スライム「うるさいお口も塞いじゃいましょうね〜♪」ジュルッ

国王「むごっ……ゴボゴボ……」

スライム「窒息♪ 窒息♪」

国王「……ゴポッ……ゴボボッ…………」ジタバタ

国王「…………」クタッ

スライム「はい気絶した〜♪ これでお仕事完了だね!」

勇者「ごくろうさま、スライムちゃん」シュンッ

スライム「魔物相手に先払いでお仕事を依頼するなんて、変わった人間だよね〜」

勇者「人間とか魔物とか、そういうのはあんまり気にしてないから。ボクの知り合いに魔王もいるし」

スライム「あははは! 面白い人間だねっ! またなにかあったら呼んでよ!」

勇者「ありがと。もう帰っていいよ」ナデナデ

スライム「ばいば〜い♪」ズリュズリュ

勇者「……」

勇者「さて、みんなもおつかれさま。どうだった、この人は?」

魔法使い「いっそ本当にスライムに食べさせちゃったほうが良かったんじゃないかと思うわ」

武闘家「問題なのは、性格ではなく人格だと思う。若さは言い訳にはならんな」

皇女「……この人、きらいです」

勇者「まあ、そう言うだろうと思って人格矯正をしておいたよ。さすがにここまで来たボクたちに王国からできる支援なんて、そうないと思うけどね」

勇者「じゃあ、この人を王国に戻してくるね。そこの林のすぐ向こうに町があるから、そこで休んでて。朝には戻るから」バサッ

武闘家「勇者さんも、お疲れ様」

勇者「えへ、これくらいだいじょうぶだよ」ニコッ

勇者「じゃあ、行ってくるねっ!」バサッ、バサッ

国王「」プラーン


〜王国〜



国王「ハッ!?」ガバッ

国王「……」キョロキョロ

国王「なんだ、夢か……」

天使「なにがでしょうか?」

国王「うおおっ!? あ、あんたは昨日の……!!」

国王「ってことは、昨日のは夢じゃなかったのか……!?」

天使「民衆たちの記憶は曖昧にして、夢ということにしましたが」

天使「『勇者』が亡くなったことも現実です。あの『勇者』を魔王討伐に送り出すには、あきらかに準備不足でした。これは国王であるあなたの責任です」

国王「お、俺は……べつに……」

天使「トップというのは、責任を負わされるものなのですよ。たとえ下の人間の失態であっても」

国王「……っ」

国王「い、命だけは……!!」

天使「それはこれからの、あなたの行動で決めます」

天使「『期待』……していますよ」バサッ

天使「」シュンッ

国王「……」ポカーン

国王「……だ、大臣! 大臣を呼べ!! 魔王討伐に関して、至急話し合うべきことがある!!」




・・・・・・



勇者「」バサッ、バサッ

武闘家「勇者さん、お疲れ様」

魔法使い「あのボンクラ王はどうなった?」

勇者「とりあえずは、ひと段落かな。みんなはしっかり休めた?」

皇女「お、おかげさまで……」

勇者「そっか、それじゃあ必要なものを揃えたら、さっそく次の町に向かおう」ニコッ

勇者(……っと、『安価絵日記』を確認しとかなきゃ)パラパラ






——————・・・



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>>658
ロマサガ3の勝利エンド乙

>>663
あ、元ネタあったんですね。「つまんねぇから 一から書き直せクソが」って意味かと思ってました。


安価絵日記『過去に環境変化が原因で絶滅するしか無かった命を別の星に移せ』



勇者(絶滅した生物を、別の星へ……?)

勇者(星って……)チラッ

武闘家「どうしたんだ、勇者さん。空なんか見上げて」

勇者「いや……なんでもないよ」ニコッ

勇者(星……。宇宙。こことは違う惑星で、死んだ生き物を復活させる……?)

勇者(できるの……? 失われた命を、取り戻すことが……)

勇者(皇女の力にだって、できないことはある。たとえば記憶をあとから完全に消すことはできない。せいぜい夢だと納得させる程度……)

勇者(『最悪』に関わることは、たいてい無効化できないっていうこともわかってる)

勇者(あくまで『課題』を達成するのに直接必要な能力か、そのほかにピンチになったときに解決するための能力……)

勇者(それなら、絶滅した生き物だけなら、生き返らせることができるはず)

勇者「皇女ちゃん」チラッ

皇女「はい!」パァァ

勇者「ありがとう」

勇者(……)キュィィン

勇者(……やっぱりできない。異勇者くんを生き返らせることは、できない。死んだ人は……だめみたい)

勇者(ボクが……この世界にいるからできないのかな? 『勇者』は同じ世界にいられない。だから……)

勇者(親友は……?)

勇者(……)キュィィン

勇者(……だめだ。やっぱり……)

魔法使い「今回は、どんな『課題』が出たの?」

勇者「うん、今回は……」

勇者(……)

勇者「うん、大したことない『課題』だったよ。どこか落ち着ける場所に移動したら、ボクが勝手にやっとくから気にしなくていいよ」

魔法使い「?」

勇者(ボクいま、すっごくひどいこと考えてる……)

勇者(いつかほんとにひどい『課題』……えっちとか……が出たときに、みんなに気づかれずに達成するために、『課題』を言わないようにしちゃった……)

勇者(けど、傷つかなくていいなら、それが『最善』だよね。『少しくらい曇ったほうが良い』……そうなんだよね、神子ちゃん?)

勇者「さあ、出発しよう!」ニコッ


・・・・・・


狼魔物「グォォオ!!」ヒュオッ

勇者「ごめんね」スッ

狼魔物「」フッ

魔法使い「……消しちゃった」

勇者「転移呪文で、どこか遠くに飛ばしただけだよ」

武闘家「勇者さんは、戦闘しない主義なのか?」

勇者「えへ。あんまり戦闘したことないんだよ。弱かったから」

勇者「それに、なるべく生き物を傷つけたくないんだ。どうしてもっていう時以外は、なるべく戦わないようにしたいなぁ」

皇女「勇者さん……優しいんですね」ニコッ

勇者「臆病なだけだよ」

勇者「あのオークを殺さなかったこと……みんな、ちょっと気にしてるんじゃないかな?」

魔法使い「……まあ。できるなら、殺してほしかったとは、思うけど……」

武闘家「それで心が晴れるなんて、なんだか歪んでいるような気もするが……そこは理屈じゃないんだよな」

皇女「……」

勇者「ごめんね。でも、もしみんなが強くなったとしても、それで弱い生き物を無闇に殺したりはしないでほしいな。こんなの偽善だって思うだろうけど」

武闘家「いや、勇者さんの考えは素晴らしいと思うぞ。みんながそういった考えであれば、争いなど起こらないのであろうな」

魔法使い「でも、あんただって大切な人を殺されたら、相手を殺してやろうって思うでしょ?」

勇者「…………。うん。そうだね」

勇者「結局ボクは、他人事では怒れないような人間なのかもね……」

魔法使い「?」

皇女「……でも。あのとき助けてくれて、ほんとに感謝してます」

勇者「!」

勇者「……えへ。ありがとね」ニコッ


〜森〜


魔法使い「……ハァ……ハァ」トボトボ

勇者(……)

勇者「この森を抜けたら、すぐに次の町になるね。時間はあるから、ちょっと休憩していこ? ボク、疲れちゃった」

魔法使い「!」

武闘家「そうなのか? 勇者さん、やはり日頃の疲れが溜まっているのではないだろうか。次の町ではゆっくりと休むといい」

勇者「えへ。ありがと」ニコッ

皇女「私も疲れちゃったので、助かりましたぁ……」ヘタッ

魔法使い「……そうね。体力バカの武闘家はさておき」ストッ

武闘家「心外だな。私も疲れているぞ?」ストッ

勇者「獣避けの結界は張ったから、安心して休んでいいよ」キュィィン

勇者「じゃあボクも一休みっと」ストッ

勇者「」ヌチャッ

勇者「…………」

魔法使い「あ……」

武闘家「ゆ、勇者さん……手が……」

勇者「……」ゾワゾワッ

勇者「いま、岩肌に座ったとき、手を置いたら、なにかに、『ヌチャ』って触ったような……」ギギギ…

勇者「」チラッ

巨大ナメクジ「」ヌメヌメ

勇者「いやああああああああああああああああああっ!!!」


魔法使い「ひぃぃっ!? デカすぎでしょ!?」ゾワゾワ

武闘家「……うっ……気分が悪くなってきた」ブルルッ

勇者「やだぁ! やだやだやだっ!! ここから離れt」バサッ

魔法使い「きゃああっ!! 勇者の顔に……!!」ゾクゾク

武闘家「鳥みたいな大きさの蛾が……止まった……」ブルッ

巨大蛾「」ワサワサ

勇者「」フラッ バタッ…

魔法使い「勇者ぁ!?」ダッ

魔法使い「うっ!?」ビクッ

蛇「」ニョロニョロ

魔法使い「いやああああっ!? ダメ! それはホンットにダメぇ!! 武闘家なんとかして!!」

武闘家「……だめだ……いま目を開けたら、多分昼ごはんをリバースする……」プルプル

魔法使い「役立たずー!! そんなところで女の子アピールいらないから!!」

魔法使い「勇者の顔面がエグイことになって、なんか新種の生物みたいになっちゃってるから! なんとかしてあげて!」

武闘家「……あ、なんか酸っぱい唾液が出てきた……やばっ……うっぷ……」

魔法使い「誰かなんとかしてええええ!!」

皇女「」スタスタ

皇女「」ガシッ

巨大ナメクジ「!?」

皇女「」ポイッ

巨大ナメクジ「」ヒューン

皇女「」ベシッ バシッ

巨大蛾「!?」バサバサッ

皇女「」ゲシッ

蛇「!?」ピューン

皇女「……」

皇女「はやく森を抜けましょうか」ニコッ

魔法使い「」


〜宿屋〜



勇者「」パチ

勇者「わあああああっ!!」ガバッ

皇女「大丈夫ですか? 勇者さん」

勇者「あ……あれ? ここは……」

皇女「勇者さんが気を失っちゃったので、ここまで運んじゃいました。ここは、あの森のすぐ先にある町です」

勇者「」ブルルッ

勇者「あ、悪夢だった……今度からは獣避けの結界だけじゃなくて、全生物を近づけないようにしよう……」

勇者「ここは、宿屋?」

皇女「はい。今日は私と相部屋です!」ニコッ

勇者「そっか、迷惑かけちゃったみたいだね。ごめんなさい」ペコッ

皇女「い、いえ! そんなことは……!」

勇者「虫魔物とかなら平気なんだけど……普通の虫とか、ヌメヌメとか、昔から生理的にダメなんだ、ボク……」

皇女「女の子ならみんなそうですよ。勇者さんだけじゃありません」

勇者(ボク男の子なんだけどね……)

皇女「それより、その……『課題』は大丈夫ですか?」

勇者「あっ、そうだった!! ……って言っても、やる時間はあんまり関係ないから、まだ陽が出てるなら余裕だよ」ニコッ

皇女「そうですか」ホッ

勇者(もしボクが今日ずっと気絶してたら……それで全部終わっちゃってたのか……反省しよう)

勇者「じゃあ、ちょっと宇宙まで行ってくるから、お留守番よろしくね」

皇女「え……宇宙、ですか……?」キョト

勇者「うん、行ってきます!」バサッ

皇女「い、いってらっしゃい……」


〜宇宙〜



勇者「……」パァァ

勇者(ボク、どんどん人間じゃなくなっていってる気がする……)

勇者(っていうか……)キョロキョロ

?A「」グネグネ

?B「」ウニョウニョ

?C「」ネチョネチョ

勇者(ちょっと見慣れない方々が泳いでるんだけど……なんなんだろ、あれ。すっごく怖いんですけど……)

勇者(とにかく、テラ・フォーミングできそうな惑星を探さないとだよね……)

勇者(って言っても、何光年も離れた場所とかじゃないと見つからないのかな? もしボクの星を見失ったら、永遠に宇宙で迷子……?)ゾクッ

勇者(そうだ、今のうちに、『課題』が終わったら自動であの宿屋に転送されるようにしておかなくちゃ)キュィィン

勇者(よし、これで安心d)

?「おいっす!」ポンッ

勇者「!?」ビクッ

?「あ、ごめんごめん。驚かすつもりはなかったんだけど……」

勇者「え? な、なに!? なんでここに人間が……!?」

?「いや、キミの姿をマネしただけ。結構いいかんじ?」クルクル

勇者「は、はぁ……」

?「そんで、なにかお探しかな? もしかして迷子?」

勇者「えっと……生き物が住めるような惑星を探してまして……」

?「あーあー、キミ、あっちから来たってことは、あそこの星の人かぁ。水が多くて綺麗だよねぇ。うんうん」

勇者「……」

?「ってことは……うーん、水が多いとなると……やっぱあそこかなぁ」

勇者「心当たりがあるんですか?」

?「うん。結構遠いから、うちに掴まっててよ」

勇者「えっと……こうですか?」ギュッ

?「おっけー! じゃあ行くよ!」


グニャ……


勇者(空間が、歪んで……)

?「うちらは『ワープホール』って呼んでる。キミも宇宙に2年くらい住んでれば、使えるようになるよ」


ヒュンッ!!!



〜水の惑星〜


ヒュンッ!!!


勇者「わぁ……///」パァァ

?「どう? キミらのところに負けず劣らず綺麗でしょ?」

勇者「すっごい綺麗です! わああっ、こんなところ、初めて見ましたぁ……!!」///

?「そんなに喜んでもらえると、こっちも嬉しいなぁ」

勇者「あの……ここに生き物を放流しても大丈夫なんでしょうか?」

?「え〜っと……まぁ、キミの星の生き物なら、ぜんぜん大丈夫だと思うよ?」

勇者「えっと、じゃあ……」パァァ


ポチャッ ポチャポチャ チャプッ


?「あ、こういう感じの生き物ね。うん、ぜんぜん大丈夫だよ。けど、ちょっと古めのチョイスだね?」

勇者「そんなことまでわかるんですか?」

?「そりゃそうだよ。だってうちらは全知の生命体だからね♪」

勇者「全知……?」

?「なんでも知ってる生き物で、なんでも知りたがる生き物なのさ。どんなものにも姿を変えて、どんなことでも知ってみせる。そういう生き物なのだぜ♪」

勇者「……はぁ」

?「うん、まあピンと来ないよね、普通。けどまあ、そういうわけで、いろいろ知ってるのさ」

?「っていうか、キミのことも知ってる。勇者さん。ナメクジと蛾が苦手。気絶した」

勇者「!?」

?「うちらは、その星にいろいろな姿で潜入する。そして『生理的に嫌悪感を与える生き物』になりすまして情報を集める」

?「今日、うちの仲間が怖がらせちゃったみたいでごめんね?」

勇者「あ、あれが……宇宙人……?」

?「まあ安心してよ。侵略しようってつもりはない。あくまで『知りたい』だけなんだ。ただそれだけ」

?「キミはなかなか興味深い存在みたいだから、なにかあったら近くの小動物に相談してみなよ。それがうちらだったら、助けてくれるかもよ? 違ったら、周りの人たちに頭おかしくなったかと思われるけどね! あははっ!!」

?「ちなみにうちがキミの星に潜入するときは、『ヤモリ』になる。覚えとくと、いろいろ便利かもねん♡」

勇者「……」

?「そいじゃ、そろそろ『課題』とやらも達成したみたいだし、おわかれですかな?」

勇者「あ……えっと、どうもありがとうございましたっ!」ペコッ

?「うんうん、ギブ&テイクだよ若者よ。うちもいろいろ知りたいからね♪」

?「じゃ、ばいばい」

勇者「はい、お元気で!」キュィィン


ヒュンッ!!


〜宿屋〜


ヒュンッ!!


勇者「ただいま」スタッ

皇女「!!」ビクッ

勇者「あ、ごめんね、驚かせちゃって」

皇女「もうすぐ夜中の11時になりそうでしたから、心配しました……! そんなに大変な『課題』だったんですか?」

勇者「……へ? そんなはず……だって、まだ30分も経ってないはず……」

皇女「?」

勇者「なんで夜になって……? ……まあ、いっか」

勇者「それより、あっちで宇宙人と会って、仲良くなったよ」

皇女「宇宙人、ですか?」

勇者「よくわかんないけど……たぶん、そう表現するのが一番だと思う。とんでもない体験だったよ」

勇者「とにかく明日のために、お風呂に入っちゃうね」

皇女「あ、はい! 私はもう頂いちゃいました」

勇者「じゃあ、先に寝てていいよ。おやすみ」ニコッ

皇女「はい、おやすみなさい」ニコッ



・・・・・・



魔法使い「あんた昨日、どこ行ってたの?」

勇者「ちょっと宇宙まで。別の惑星を探してたら宇宙人と仲良くなって、案内してもらったんだ。親切な人だったよ」

魔法使い「……あれ、笑うとこだった?」

勇者(まあ普通はそうだよね……)

武闘家「なんにせよ『課題』が達成できたようでなによりだ。今日も張り切っていこう」

勇者「そうだね」ニコ

勇者(『安価絵日記』の確認もしとかなくちゃね)パラパラ






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安価絵日記『魂を守護・管理している死の神に会い、輪廻転生の大切さを教わる』



勇者(……死の神? 輪廻転生?)

勇者(それって、異勇者くんとか親友の魂も管理してるのかな……? このタイミングでこの『課題』って、これじゃあまるで……)

勇者(……)

勇者(考えすぎ……かな?)

皇女「勇者さん。皇女の力を」

勇者「ああ、いや、まだいいよ。使うときになったら言うから。今回もみんなに協力してもらうような『課題』じゃないから、気にしなくていいよ」

魔法使い「ふうん、じゃあさっさと次の町に向かいましょ」

武闘家「もうだいぶ魔王城に近づいてきたな」

皇女「途中には、人間の町が2つだけ……ですね」

勇者(あぅ。まいったなぁ。魔王城にたどり着く前に、決着をつけるつもりだったんだけど……)

勇者(いざとなったら、魔法使いちゃんをしばらく眠らせとく必要があるかも……なんて)チラッ

魔法使い「?」


〜8の町〜



武闘家「ふう、やっと着いたか。もう昼を回っているな」

魔法使い「足が棒よ……。勇者が魔物を担当してくれてなかったら、きっと今日中には着いてなかったわね……」フラフラ

皇女「疲れましたぁ……」ヨタヨタ

勇者「先に宿を取っちゃおうか。買い出しとかはボクがやっとくから」

武闘家「私も手伝うぞ、勇者さん」

勇者「えへ、ありがと。じゃあ宿屋組と買い出し組に分かれるってことで」

魔法使い「よろしく……はやく横になりたいわ……」フラフラ

勇者「皇女ちゃん、なにか危ないと思ったときは、皇女の力で身を守ってね」

皇女「は、はいっ! がんばります!」

勇者「じゃ、また後でね!」

武闘家「……よし、ではまず何から買おうか?」

勇者「最近、まともなものを食べてないからね。ここらでしっかり栄養のあるものが食べたいな」

武闘家「なるほど、一理ある。いざという時に力が出ないのではマズイからな。……ちなみにオークと戦っていた時は、みんな丸二日食事を摂っていなかった」

勇者「そうだったんだ。なら、おんなじことにならないようにしないとねっ!」

武闘家「ああ。……しかし」キョロキョロ

勇者「どうかした?」

武闘家「いや、やけにこの町、女性が多いのだなと思ってな……」

勇者「そういえばそうだね。男の人が1人もいない……なんでだろ。べつに女の人しか入れないわけじゃないよね?」

武闘家「そのハズだが…………うおっ!?」

勇者「ええっ!?」

女性「」スタスタ

勇者(な、なんであの女の人全裸なの……!? それに、ち、乳首とか、あそこにピアスとかチェーンとか……)///

武闘家「売春婦だろうか? あまり関わり合いになりたくはないな。勇者さん、行こう」

勇者「うん……あれ?」ググ…

武闘家「どうした、勇者さん?」

勇者「なんでだろ……体が、動かない」ググ…

武闘家「……なに?」

女性「アハハハハ! よしよし、まずは1人ね」

勇者「!!」

武闘家「!!」

女性「どっちかって言うと、そっちの体育会系の女が引っかかると思ったんだけど……まあ、結果オーライよね」

武闘家「なにか知らんが、とりあえずお前を殴れば解決しそうだ」スタスタ

勇者「!?」ガバッ

武闘家「な、なにをする勇者さん、離してくれ!」ガクン


勇者「ちがうよ、体が勝手に……!」ググ…

女性「ムリムリ、もう彼女は私の術中にあるのよん」クスクス

武闘家「……貴様、何者だ!?」

女性「知ってる? 魔王様っていうのは、四天王とか五本指とか大好きなのよ?」

死霊「私の名前は死霊。魔王軍四天王の1人。あなたたちが勇者御一行ね? とりあえず1人1人順番に、始末していってあげる♡」

死霊「私の能力は、私が使ってる肉体に対して『発情』した者を操れるの。つまりそっちの子は、もう私の虜なワケ」クスクス

勇者「あぅ……は、発情って……///」

武闘家「そうか、わざわざ能力の説明をしてくれてありがとう。しかし私はお前の体に発情なぞしない。私に勝つ術はないぞ!」

死霊「残念ながら、あるのよね〜」スッ

黒マントs「」ズララララッ

死霊「私の能力の真髄は……操った男に自ら『去勢』させることで、意識すら操って完全な人形とすることができるのよ……永遠にね!!」

勇者(女になっててよかったぁっ!!!)///

勇者「6対1じゃ勝てないよ。武闘家ちゃん、とにかく今は逃げよう! ボクを担いで走って!!」

武闘家「くっ……しかたない」ダッ

武闘家「うっ!?」

黒マントs「」ズララララッ

死霊「アハハハハ! 逃げさないわよォ! あなたたちのために、がんばってお人形を増やしておいたんだからァ!」

武闘家「くっ……ここまでか……」

勇者「あきらめちゃだめだよ、武闘家ちゃん。ボクの体が操られてるって言っても、どうやら口は動かせるみたいだよ」

武闘家「……? だからなんだと言うんだ?」

勇者「うん、だからね? すぅ〜〜〜〜〜……」

勇者「皇女ちゃぁぁぁぁぁぁん!!! 助けてぇぇぇえええええええええッ!!!」

武闘家「!」

死霊「ッ!! あの2人を殺しなさい、男ども!!」バッ

黒マントs「」ババッ!!


ドガァァァアアアアンッ!!!


黒マント「」ズザザザァ!! ……ガクッ

死霊「!?」

皇女「あ、あの、ごめんなさいっ! 力加減がよくわからなくって……」

勇者「皇女ちゃん!」

皇女「えっと、魔法使いさんが「この町は何かおかしい」って言いだしたので、2人の声がよく聞こえるようにしておいたんです。そしたら……」

勇者「ありがと、皇女ちゃん! あとはボクに任せて!」

皇女「はい!」パァァ

勇者「皇女の力が使えれば、こっちのものだね」バキンッ

死霊「私の能力が……!」

勇者「去勢された人たちは元に戻して……」キュィィン

勇者「さあ、覚悟してね、死霊さん!」バッ

死霊「……っ!」ガクンッ

武闘家「どれ、2、3発入れておこうか」パキポキ

死霊「アハハハハ! やめときなって。だってこの体、私のじゃないし!」

武闘家「なに?」

死霊「私は最高位の幽霊族……憑依なんてお手の物なのよ。それに、この世への未練が強すぎて、絶対に成仏もできない」

死霊「不死で不滅……それが私! 人間のあなたたちに、私を消し去る術はないのよ!」

武闘家「くっ……僧侶でもいればよかったのかもしれないが」

死霊「ムリムリ。それこそ神官どころか神様自体が動きでもしない限り、どうしようもないわよ。アハハハハ!」

勇者「……!」

勇者「ちょうどいいや。それじゃあ、神様に会いに行こっか」スッ

死霊「……え?」

勇者「僧侶さんが信仰しそうな、聖なる神様ってイメージじゃないけどね」キュィィィン


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!


皇女「地面に……穴が」

武闘家「なんておぞましい気配だ……地獄にでもつながっているのか?」ゾワッ

勇者「ほとんど正解だと思うよ。それじゃあ死霊さん、その体から出て、一緒に行こうか」バッ

死霊「うわっ!?」グイッ

勇者「えいっ!」ピョンッ



ズズズズ……



〜冥府の館〜



勇者「わっ」スタッ

死霊「……なに、ここは? 誰かの家?」フワッ

勇者「魂の管理人がいる場所……のはずだけど」

勇者(宇宙でもへっちゃらな皇女の力で体を守ってるのに……寒い。体がじゃなくって、心が寒い……!!)


車椅子「 キコキコキコ… キコキコキコ…


勇者「———っ!!」ゾクッ!!

死霊「———っ!!」ゾクッ!!

少女「あら。久方ぶりの生きたお客様ですわ……いらっしゃい」ニコッ

勇者(か、体が半分しか……『右側』しかない……!!)ゾゾゾッ

死霊(こ、こいつヤバイ!! 不死とか不滅とか……そんなこと関係ない! 機嫌を損ねたら次の瞬間殺される!!)ゾゾゾッ

勇者(あっ……つい黙っちゃったけど、あいさつとかした方がいいのかな……?)

少女「それでは、あなたがたに声を発する権利を差し上げますわ。もう喋っても殺しませんから、安心していいですわよ?」ニコッ

勇者「———」ゾクッ!!

女王「わたくしはこの冥府の女王。あなたがたは?」

勇者「ゆ、勇者です……」

死霊「……死霊、です」

女王「そう。それで、この館にどのようなご用件かしら?」

勇者「……『安価絵日記』というものをご存知でしょうか?」

女王「『安価絵日記』ですか。ええ、知っていますわ。そういえばこのあいだ……」

女王「……」

勇者「?」

死霊「?」

女王「」スッ

死霊「ぎっ!? がはっ!?」ガクッ

勇者「えっ!?」

死霊「かっ……ぁぁ……」バタッ

死霊「」シュワ…

勇者「き、消え———」

女王「ええっと。ああ、そうでしたわ。『安価絵日記』。そういえばこのあいだ、太古の生物の魂がわたくしのコレクションから消えていたのですが……」

女王「なにかご存知ありません?」ニコッ

勇者「……え、あ……えっ?」

勇者(し、死霊さんが消え……死んだ……? なんでっ? どうして!? いや、でも今それを聞いたらボクも……)

勇者(それに、太古の生物って……『知ってる』……!! ボクがそれの原因だ! そのことを知ってて、あえて聞いてるんだ……たぶん……!!)

勇者「ご、ご、ごめんなさいっ! ボ、ボクが『安価絵日記』の『課題』に従って、遠くの惑星に生き返らせちゃいました!!」ガバッ

勇者「ごめんなさいっ! コレクションとか、あの、そういうのボク、知らなくって……!! ほんとにごめんなさいっ!!」ポロポロ


女王「…………」

勇者「」ガタガタガタ

女王「……」スッ

勇者「」ビクッ!!

女王「そう。まあ、あんなものいらないから、どうでもいいのですけれど」ポリポリ

勇者「……ハァ、ハァ、ハァ」カタカタ

女王「あ」

勇者「!!」ビクッ

女王「それで、『安価絵日記』がどうしたのかしら?」

勇者「……は、はい。その『安価絵日記』に、このように……『魂を守護・管理している死の神に会い、輪廻転生の大切さを教わる』と出たので、お話を伺いに……その……」

女王「……」

勇者「」ビクビク

女王「あなた、そんな「社会科見学の宿題が出たので来ちゃいました」みたいな軽薄なノリで、わたくしの館にアポ無しで、土足で乗り込んできたの?」

女王「……ねぇ、知ってた? この館———『土禁』なのよ」

勇者「っ!! ごっ……!! ごめんなさいっ!!」バッ

女王「『仏の顔も三度まで』って言葉……知ってるかしら? ちょっと意味を言ってみて?」

勇者「……ど、どんなに、優しい人でも……『3回』……嫌なことをされたら怒るっていう……意味、です……」

女王「そう。ところであなた……」

女王「さっきので『4回目』よ?」ニコッ

勇者「あ、う……ヒック……ご、ごめ……ごめんなさぃ……」ポロポロ

女王「あらあら、泣いてしまったのね。わたくし、人の涙を見るのがなによりも嫌いですの」

女王「これで『5回目』……いいえ、さっきのも含めると『6回目』ですわね?」

勇者「……っ」ガクガクガク

女王「けれど安心なさって? わたくしは仏ではないから、『5回』でも『6回』でも許して差し上げるわ」ニコッ

女王「そんなに震えちゃって……かわいそうに。どう? 死ぬのは怖いかしら?」

勇者「……ヒック……グスッ」コクコクッ

女王「そう。怖がらなくてもいいですわよ? だってあなたの魂は、滅多にお目にかかれないほどに透き通っているわ。本当に美しい……」

女王「ですから、もしあなたが死んで、あなたの魂がわたくしのところへ来たらすぐに……これ以上ないほど幸せな家庭に『転生』させて差し上げますわ」ニコッ

女王「あなたのお友達のように、ね」

勇者「!!」ピクッ


女王「親友……と言ったかしら? 彼も7年ほど前にここへ来たの。とても魔法に愛された少年でしたわ。あと10年生きていれば、間違いなく歴史に名を残したでしょう」

女王「とっても聡明で、理知的で……わたくしの部屋のコレクションにしたくなるくらい、美しい魂でしたわ」

女王「けれどそれは勿体無いから、すぐに新しい命を与えて『転生』させましたわ」

勇者「お、おんなじ世界にですか?」

女王「それは言えませんわ。性別も、家柄も、性格も、容姿も、なに一つあなたには教えて差し上げません」

女王「けれどこれだけは教えて差し上げます。……間違いなく、『幸福な人生』を歩んでおりますわ」ニコッ

勇者「!!」

女王「それから。もしも自分の友達が『生きたまま』ここを訪れたとしたら……と、伝言を頼まれましたわ」

女王「『死んだ俺を生き返らせようとか、そんなバカなことを考えるんじゃない』」

女王「『これから俺は新しい人生の中で、キミに気づいてもらえるくらい幸せになってみせる。だからキミは、幼馴染や身近な人たちを幸せにしてあげてくれ』」

女王「『キミと生きて、キミのために死ねたことは……俺にとって最高の『幸せ』だった』」

勇者「———」

女王「うふふ。彼、あなたのことなら なんでもお見通しなのね」クスッ

女王「『生き返らせたい』と思ってくれる人がいる魂に、わたくしは決して不幸な人生は贈りませんわ」

女王「だから安心なさって。彼は今、間違いなく『幸せ』なのですから」ニコッ

勇者「うぅ、うわああああああああん!!」ポロポロ

女王「『7回目』ですが……大目に見ましょう。彼に免じて」

女王「それから、あなたが今いる世界の魂は、『フェニックスの尾花』の3本すべてが使い切られた時点で一斉にここへ送られてきますの」

女王「ですから正確には、異勇者という少年はまだ死んではいません。ですから当然、『転生』もしていませんわ」

女王「彼の魂もとても美しいですから、間違いなく『幸せ』な人生を贈りますが……。どうするのか、その判断は、あなたたちに任せますわ」

女王「さて、そろそろここから出ていかなければ、本当に死の世界の住人になってしまいますわよ?」スッ

勇者「!」フワッ

女王「これからも、清らかな魂を持ち続けることです。そうすれば、もしかしたら『彼』とも———いつか」

勇者「あ、ありがとうございましたっ! ほんとに、ありがとうございました!!」ポロポロ

女王「また会いましょう。今度は数十年後にでも」ニコッ

勇者「は、はいっ!」

勇者(女王様……最初はすっごく怖い人だと思ったけど、そんなことなかった……ほんとはとっても優しい人だったんだ……!)

勇者「あ、そういえば、死霊さんはどこに行ったんですか?」

女王「彼女は死んだわ。今度は、もっと清らかな魂の持ち主に生まれるようにしないといけませんわね」

勇者「い、いったい何をしちゃったんですか……死霊さんは……?」

女王「何をしたか……? べつに、なにもしておりませんが?」

勇者「え? じゃあ、なんで殺したんですか?」

女王「なんとなく目つきが気に入らなかったので」ニコッ

勇者「」


ズズズ…


〜8の町・宿屋〜



勇者「っていうわけなんだ」

武闘家「……『転生』か。善い行いをした人間は、より善い人生を送ることができる……」

皇女「……」

魔法使い「でも……でも、この世界で生き返って、異勇者として『幸せ』になることだってできるんでしょ……?」

勇者「きついことを言うようだけど、異勇者くんはここまでの人生、どれくらい幸せだったの?」

魔法使い「そ、それは……」

勇者「たぶん本人に聞いたら、3人がいてくれたからとっても幸せだったって言うだろうけど。その言葉を鵜呑みにしてもいいのかな?」

魔法使い「……」

勇者「なんて、ボクなんかが偉そうに言っていいことじゃないよね。どうせ異勇者くんとボクが会うことはないんだし」

皇女「えっ?」

勇者「キミたち3人が異勇者くんを誰より知ってるんだから、3人が決めることだよね。ボクはその決定に従うよ」

勇者「一つ言っておくと……異勇者くんはどうか知らないけど、キミたち3人にとって、異勇者くんが生き返ることは間違いなく幸せだよね」

武闘家「……そう、だが」

勇者「ボクは席を外すね。3人で、ゆっくり話し合って?」スッ

勇者「」スタスタ


扉「 ガチャッ バタン


魔法使い「……」

武闘家「……」

皇女「……」





勇者「そっかぁ。どっちみち親友を生き返らせることは、もうできなかったんだね」

勇者「けど親友が新しい人生で『幸せ』なら、ほんとによかった……」

勇者「……」

勇者「ボク、最低だ」

勇者「ほんとはこれで納得しなきゃいけないはずなのに……」ジワッ

勇者「もっかいだけ……10秒でいいから……もう一度、親友と話したかったよぉ……」ポロポロ


枕「 ボフッ


勇者「うぅぅぅぅ〜〜〜っ!!」ギュゥゥ

勇者(ぜったいぜったい、親友の分まで、たくさんの人を幸せにするからね……)

勇者(そしたら……そしたらいつか、きっと……)



・・・・・・



勇者「そっか。異勇者くんを生き返らせることにしたんだね」

魔法使い「……うん。結局のところ、私たちが会いたいって、どうしても思っちゃったから」

武闘家「なんと言われても仕方ないが……こればっかりは」

勇者「ううん、なにも言わないよ。ボクもたぶん、おんなじ答えを出してたから」ニコッ

皇女「……勇者さん」

勇者「さあ、それじゃあ今日も、魔王城に向けて出発しようか!」

武闘家「次の町が、人間の住む最後の町だな」

勇者(それから『安価絵日記』も確認しなきゃ……うわ、もう40頁なの!?)パラパラ







——————・・・



40ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

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次に書き始める直前に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。




↓+6まで。

続きは明日投下します。今日は寝ますね。たぶん長めの話になります。そういう『課題』が当たりました。


ガチ課題はいいんですけど、「これ当たったらこの世界のストーリー即終わるだろうなぁ」っていうのも混じってるんですよねw

無いと無いでさびしいエロ安価。ちなみにここまでサイコロを振りなおした回数は1回です。

まだ全然書き終わりません。すでに1話分くらいの分量なんだけどなぁ……

気長にお待ちください。どうせ投下するのも1時間くらいかかると思いますので。

今までの『課題』でドン引きしたことは一度もないですけどね。

振りなおした時は、その文章があまりに難解で「え、これどういう意味?」と30分悩んで、結局わからず、振りなおしました。


安価絵日記『勇者の過去へ向かい、己が残酷な運命を改変せよ』



勇者「……」ピタッ

武闘家「?」

皇女「どうしたんですか、勇者さん?」

魔法使い「なに? なんかマズイ『課題』でも出たの?」

勇者「いや……そういうわけじゃないんだけど」

勇者「……ううん、なんでもないよ。行こうか」ニコッ

皇女「……」

魔法使い「……なによ、それ」ボソッ

勇者「……」

勇者(ボクの過去を変えられる……?)

勇者(それって、親友の死をなかったことにできるってこと!?)///

勇者(そう、だよね? 残酷な運命を変えるって、そういうことだよね!?)

勇者(あぅ……でも、いいのかな? 昨日、冥府の女王様に輪廻転生について教えてもらったばっかりなのに)

勇者(もしかして、親友を救っちゃったら、転生後の親友を殺すことになるんじゃないかな?)

勇者(間違いなく『幸せ』だっていう、親友の新しい人生を、めちゃくちゃにしちゃうってことなんじゃないかな……?)

勇者(それは親友のためなのかな? ボクだけが喜ぶエゴなんじゃないかな?)

勇者(それに……)

勇者(もしも親友を助けちゃったら、ボクの暴走もなくなって、蛹の絶滅もなくなって、もしかしたら魔王討伐に行かされて……)

勇者(つまり『巫女ちゃんと会えない』ってことなんじゃないかな!?)

勇者(それで運良く魔王討伐に成功したとして、それじゃあ魔姫様の恋も成就しないかもだし)

勇者(『安価絵日記』がないってことは、神子ちゃんも御子ちゃんも、あのまま『最悪の世界』で苦しみ続けることに……)

勇者(たしかにボクは、あの『蛹事件』から巫女ちゃんと出会うまでは、最悪な人生だったかもしれない)

勇者(けど巫女ちゃんと一緒に『安価絵日記』を使っていく中で、ボクも、周りのみんなも幸せになっていったんだ)

勇者(つまり、ボクが幸せになると、今までボクが出会った人たちが幸せになれないんじゃないのかな……!?)

勇者(わ、わかんないよ……なにが正しいのか、ボク、頭悪いからわかんない……!!)

勇者(どうすればいいの……? 教えてよぉ、巫女ちゃん……!)



〜10の町〜



武闘家「町の周りに高い壁があるな。なんなんだあれは?」

魔法使い「ここは魔王城に近いから、魔物対策でしょ」

皇女「……引っ越せないんでしょうか? こんなところに住むなんて……」

魔法使い「きっと結界も張ってるでしょうし、安全なんだと思うわよ?」

武闘家「たしかに、この町に入るときに、なにかを感じた。あれが結界だったのだろうか?」

魔法使い「多分ね。魔物は通れないようになってるんだと思うわ。おそらく上からも侵入できないんじゃないかしら」

皇女「じゃあ、安心して寝れますね」ホッ

武闘家「おそらくここから先はゆっくりとくつろいではいられまい。ここでしっかりと英気を養っておくべきだろう」

魔法使い「そうね。じゃあ宿をとってから、どこかで装備でも買っておきましょうか」

武闘家「魔物と戦わないから小銭は得られないが、それを補って余りあるほどの、王国からの援助金が届くからな。使わなければ損だろう」

皇女「お金じゃなくって、軍隊とかくれればいいのに……」

魔法使い「軍隊なんて、勇者1人に劣るでしょ。それ言ったら、私たち3人なんていらないんでしょうけど。ね、勇者?」

勇者「……え? ああ、うんそうだね」

魔法使い「ちょっと! そこは嘘でもフォローしてよね!」

勇者「えっ? ごめん、ぼーっとしてて聞いてなかったよ……あはは」

武闘家「大丈夫か、勇者さん? 朝からずっと上の空じゃないか。買い物は私と皇女で行くから、勇者さんは魔法使いと宿で休んでおいてくれ」

勇者「……うん、ごめんね。ありがと」

皇女「えっと、なんだかよくわからないですけど……元気出してください、勇者さん」

勇者「えへ。ありがと」ニコッ

皇女「あの、皇女の力は渡しておきますね」パァァ

勇者「……うん」

魔法使い「じゃ、さっさと行きましょ」ギュッ

勇者「わわっ!」グイッ

武闘家「……魔法使いも、ずいぶん素直になったものだな」クスッ

皇女「ですね」ニコッ


・・・・・・


魔法使い「……で」グイッ

勇者「えっ?」

魔法使い「あんたのその、いつも以上のマヌケ面は『課題』が原因なわけ?」ジー

勇者「ち、近いよ魔法使いちゃん……あとボクを壁に押し付けるのやめて?」ググ…

魔法使い「じゃあ早く白状しときなさい。なにが原因なの?」

勇者「……それは」

勇者「……いや、でも、これは魔法使いちゃんに言っても、なんにもならないと……思うんだけど……」

魔法使い「っ!!」グイッ

勇者「!?」グンッ

魔法使い「どうせ私たちなんて、頼りにできないくらい弱いわよっ!!」

魔法使い「あんたにとって私たちは仲間じゃなくって、お守りしなきゃいけないガキみたいなもんなんでしょうね!!」

勇者「ま、魔法使いちゃん……!?」タジッ

魔法使い「でも、一緒に旅してんだから……なにか、あったら……!!」

魔法使い「ちょっとくらい相談とか! 弱音吐いたりとか! してもいいじゃない!!」

勇者「!」

魔法使い「そんなに私たちは信用できないの!? そりゃ、あんたの力になれるかどうかなんてわかんないわよ!」

魔法使い「でも……そんなの、やってみなきゃわかんないじゃないのよぉ……!!」ポロポロ

勇者「」ギュッ

魔法使い「っ!?」

勇者「ありがと。……ありがと、魔法使いちゃん」ギュゥゥ

魔法使い「……まだ、なにもしてないじゃない」

勇者「ううん、十分だよ。やっぱりボクは、いろんな世界で、いろんな人たちと……魔法使いちゃんと、出会えてよかった」

勇者「この出会いをなかったことになんて、したくないよ」

魔法使い「あ、あの、耳元で囁かれると、くすぐったいんだけど……///」

勇者「今回の『課題』は、適当に濁して終わらせちゃうよ。最初から、ボクの人生は残酷な運命なんかじゃなかったんだから」

勇者「親友は生き返らせない。きっとそれが、いいんだと、おもう……」

勇者「魔法使いちゃん、キミと出会えて、ボクは幸せだよ」ニコッ

魔法使い「」ドキッ

魔法使い「な、なな、なにいってんのよ、バカね!」/// ドンッ

魔法使い「よくわかんないけど、元気になったんなら、は、はやく宿に行くわよっ!!」///

勇者「えへ。うん、そうだね」ニコッ


ゴォォオオッ!!


魔法使い「きゃあっ!? 炎!?」

勇者「フッ!!」ブンッ


ズバッ!!


魔法使い(炎を手刀で切り裂いた!? いや、それよりなんで炎が急に……!?)


勇者「炎の向こうに、誰かいる……!」

?「」ユラッ

仮面の男「……」スッ

勇者「……え?」

魔法使い「誰よ、あの男……?」

勇者(たぶんボクと同じくらいの年齢の……魔法使いの、男……?)

勇者(ち、違う……そんなわけない! そんなわけが……!!)

勇者「っ」カタカタカタ…

魔法使い「ちょ、ちょっとどうしたのよ勇者!?」

勇者「そ、そんなわけ……」

仮面の男「火炎呪文」バッ

魔法使い「くっ……火炎呪文!」バッ


ゴバッ!!


魔法使い(あれ? 相殺できた……。私の魔法、いつもより全然……)

魔法使い「逃げるわよ、勇者!」ガシッ

勇者「……」グイッ

仮面の男「雷撃呪文」バッ

魔法使い「雷撃呪文!」バッ


バヂヂィッ!!


魔法使い(やっぱり……私の魔法が強くなってる! なんでかしら……この町の結界のせい?)タタタ…

勇者「……」タタタ…

魔法使い(とにかく、この路地裏に逃げ込もう!)バッ

魔法使い「!!」

魔法使い「やばっ……行き止まり……!!」

仮面の男「火炎呪文」

魔法使い「か、火炎呪文!」

魔法使い(なんでか魔法の威力は相殺できてるけど……魔力の量が……)

勇者(ほんとは、あの男を殴り飛ばして、仮面の下を確認すればいいのに……それなのに、怖い……!!)

勇者(ありえないはずなのに……あの仮面の下を見るのが怖い……!!)ガタガタ

仮面の男「」スッ

魔法使い(くっ……もうここまでの旅で、魔力が……!!)

勇者(体に力が入らない……でも魔法使いちゃんだけは守らないと)

勇者「……え?」

勇者(さっきまで、こんな『ラクガキ』あったっけ……?)


『タイムカプセルを埋めてこい』


勇者「タイム……カプセル?」

勇者「…………」

勇者「———っ!!」

勇者「……そっか……そういうことなんだね!」

魔法使い「?」

仮面の男「刺杭呪文」バッ


ヒュンッ!!


勇者「」バッ

魔法使い「えっ!?」グイッ

勇者「」グサッ!!

魔法使い「きゃああああああああああっ!? 勇者ぁ!!」

魔法使い(む、胸に……心臓のところに……!!)

魔法使い(そんな……私を庇って……!!)ポロポロ

仮面の男「……」

魔法使い「いや、勇者……そんな……死んじゃイヤぁ……」ポロポロ

勇者「」


〜7年前・勇者の村〜



勇者「……」キョロキョロ

勇者「ボクの過去、だね」

勇者「あの『ラクガキ』……もしボクの考えが正しければ……」



親友「勇者。キミには、とってもすごい力が眠っているんだ」

勇者「……すごいちから?」

親友「そうさ。なにせ『勇者』だからね。だけど、今はそれが眠っているんだ」

親友「これまでの『勇者』は、すぐに力に目覚めて強かったかもしれないけど……勇者の場合は、ちょっとだけお寝坊さんなんだ」

親友「だから、焦ることはないよ。いつかきっと、勇者がみんなを、世界を守れる時がくるからね」ニコッ

勇者「親友……」ウルッ

勇者「……ボク、親友と結婚する」ギュゥゥ

幼馴染「はああああああっ!?」///



勇者「あはは、あの頃は、恋愛感情とかわかってなかったからなぁ。いま思うと、恥ずかしいこと言ってたな」

勇者「幼馴染も、嫌いな男が好きな男に突然そんなこと言ったら、そりゃ怒るよね」

勇者「それにしても、親友はほんとになんでもお見通しなんだね。精神年齢とか、いまのボクよりも高いんじゃないかな……?」

勇者「……とにかくボクは、もう一度親友を———」

勇者「———殺すことになるんだね」


〜親友の家〜



蛹C「ったく、こんなガキに、ここまでやられるとはな……」ズキズキ

蛹A「痛ってぇ……おい、かなり深く刺さってねぇか、これ……」

蛹B「包丁じゃなくて剣だったら貫通してたな。『転生』すりゃ治るんだから、泣き言いうな。それより……」

蛹C「ああ。さっさと『勇者』を食っちまおうぜ」

親友「……」

親友(……やっぱり、怖い……な。口が震えて、呪文も唱えられそうにない……)

親友(けど、勇者を守れるのなら……べつにいいかなって思えるんだ)

親友(優秀すぎて疎まれていた俺に、あんなに瞳を輝かせて話しかけてくれた、キミのためなら……!!)

蛹C「死ね」ヒュッ

親友「———っ!!」ギュッ

親友「……」

親友「……」

親友「……?」チラッ


蛹C「」ピタッ…

蛹A「」ピタッ…

蛹B「」ピタッ…


親友「なんだ……これは?」

親友「!!」

勇者「……親友」

親友「あなたが、助けてくれたんですか……?」

勇者「ううん、キミが助けてくれたんだよ」ポロポロ

勇者「ありがとう。ボクを助けてくれて」ニコッ

親友「ま、さか……!! キミは……!?」

父「私たちも、最初は信じられなかったが……」スッ

母「こんなに立派になっちゃって」スッ

親友「父さん! 母さん!」

父「我々も勇者ちゃんに助けてもらったんだ。あそこに転がってるのは偽物さ」

勇者「親友の偽物も用意してるよ」スッ

親友「……!」

親友「何年経ったのかは知らないけど……やっぱりキミには、すごい力が眠っていたんだね」

勇者「この日、親友と、お父さんとお母さんが助けてくれたからね」ニコッ

勇者「だから、その力で3人を助けに来たよ」


親友「……変わったね、勇者」

勇者「変わらないよぉ……えへ。親友……7年ぶりだぁ……」ポロポロ

親友「俺は数分ぶりだけどね」クスッ

勇者「親友ぅ〜〜!!」ギュゥゥ

親友「こういうところは変わらないんだね、勇者」ナデナデ

親友「」フニッ

親友「……いや、変わったね」

勇者「?」

親友「えっと、勇者……なんでキミに胸があるんだい?」

勇者「あっ、そういえば……まだ女の子のままだったね」

父「母さん、これは本当に……」

母「ええ。こんなに美人さんなんだもの」

親友「もう……2人とも……」

勇者「あの、ボク、愛してる女性がいるので……」

親友「え!?」

勇者「?」

親友「……それって、幼馴染かい……?」

勇者「あはは、違うよぉ。だから心配しなくてもいいよ?」クスッ

親友「……かわいそうな幼馴染」ボソッ

勇者「?」

勇者「とにかく。あの、3人とも……じつは、3人はボクの過去では死んじゃってるんだ」

勇者「けど、『それを含めて』ボクの人生なんだ。今日まで、いろんな人を助けてきた。もし3人が生きてることを過去のボクが知ったら、きっと未来が変わっちゃう……」

勇者「ボクがいままで助けた人たちも……もしかしたら……」

親友「わかってるよ。つまり『7年間』、キミに俺たちが生きてることを知られなければいいんだろう?」

勇者「……ごめんなさい。ボクを助けてくれた3人を、また『7年間』殺すなんて……なに一つ恩返しもできないで、こんなこと……」ポロポロ

父「そんなことはない。こうして、私たちを未来から助けに来てくれたじゃないか」ギュッ

母「そうよ。しばらく会えないのは寂しいけど、今度は未来で会いましょう?」ギュッ

勇者「あ……うぅ、ありがとう……ございます……」ポロポロ

親友「『7年間』か。なんだかタイムカプセルのようだね」ギュッ

親友「かならず腕を磨いて、キミを助けに行くよ。世界一大好きな、俺の友達」ニコッ


〜山奥・蛹の巣〜



勇者「があああああああああああああああああああッ!!!」



勇者「えっと、いろいろ理解が追いついてないと思うけど、キミたちに事実だけを伝えるね?」

勇者「7年前のボクに殺されそうになったキミたちを、ボクが偽物の死体とすり替えて助けた」

勇者「そういうことなんだ」

蛹A「……あ、ああ……そう、みたいだな」

勇者「キミたち10人は、ボクの過去では死んでるんだ。助けるかどうか……特に襲ってきた3人は、ちょっと迷ったけど……」

勇者「やっぱり、みんな助けることにしたよ」

蛹B「……」

勇者「けど、約束してほしい。今から皇女の力で、キミたちから『虹色の瞳』を隠す。だから、二度と自分を『蛹』であると名乗らないでほしい」

勇者「『蛹』は絶滅したっていうことに、してほしいんだ」

勇者「じゃないときっと、過去のボクがキミたちを殺しに、どこまでも追ってくるから」

蛹C「」ゾクッ

勇者「怖い思いをさせちゃってごめんね。でもそれはお互い様ってことで水に流そう」

勇者「お互い、誰も死ななかった。ボクも、親友たちも、キミたちも。キミたちが傷つけた村のみんなの怪我も治したし……」

勇者「これからボクが傷つける王国の対魔獣捕縛部隊の人たちにも、死人が出ないようにする。誰にも気づかれずに戦場をコントロールして」

勇者「だからキミたちはこれから、『蛹』ではなく別の種族として生きてほしい。ボクの知り合いの蛹のように、『本能』を書き換えておくから」

勇者「……『約束』だよ?」ニコッ


〜冥府の館〜



親友「なにをそんなに緊張しているんだい?」

勇者「……すぐにわかるよ。親友なら言うまでもないと思うけど、くれぐれも失礼のないようにね。ボクなんかじゃぜったい、守りきれないから」

勇者「それから、良いって言われるまでぜったいに声を出しちゃダメだからね?」

親友「?」


車椅子「 キコキコキコ… キコキコキコ…


勇者「っ」ゾワッ

親友「———っ!!」ゾクッ!!

女王「うふ。いらっしゃい。生きた人間のお客様なんて、初めてですわ」ニコッ

親友(か、顔が……体も……右半分しかない……)ゾゾゾッ

勇者「……」

女王「それでは、あなたがたに声を発する権利を差し上げますわ。安心なさって? もう喋っても殺しませんから」ニコッ

親友「」ゾクッ

勇者「えっと、本日はお会い頂いてありがとうございます、女王様。ボクは勇者、こちらは親友です」

女王「……」

勇者(な、なんかやっちゃったかな……女王様の独特の『間』、やめてほしいんだけどなぁ……)ゴクリ

女王「あなた、前にどこかでお会いしたかしら?」ニコッ

勇者「!!」

勇者「……は、はい。ボクにとっては昨日で、女王様にとっては7年後の未来で……お会いしました」

女王「ふぅん。そうなの。それで、今日はどのようなご用件かしら?」

勇者「今日は、女王様に謝りに来ました」

女王「?」

勇者「ボクは昨日、『安価絵日記』の『課題』に従って、女王様に輪廻転生の大切さについて教わりました」

勇者「そして、3日前に死ぬはずだった、こちらの親友が、幸せに『転生』したということを教えていただきました」

女王「……」

女王「それなのに」

勇者「」ビクッ

女王「それなのに、それを無視して過去に戻り、死ぬはずだった命をいくつも助けた……」

女王「『魂』を、『死』を、『命』を司る、わたくしの言葉に背いて」ニコッ

勇者「……っ!!」ガタガタガタ

親友「っ」ガクガク

女王「なかなか肝が据わっているのね…………あなた」スッ

勇者「ぐぅっ……!?」ギリギリ

勇者(な、内臓が……たぶん肝臓が……直接『握られてる』……!!)ギリギリ

女王「冥府の女王に背いた罰が『肝臓』1つ……破格のお値段だと思いませんこと?」ニコッ


勇者「……っ」ギリギリ

女王「……あなた、涙を見せませんのね?」

勇者「だって……女王様が、他人の涙を見るのが、何より嫌いだって……!!」ギリギリ

女王「……」

女王「うふ」スッ

勇者「かはっ!!」ガクッ

親友「勇者! だ、大丈夫かい!?」

勇者「ハァ……ハァ……だい、じょうぶ……」

女王「……ちゃんと2日前にアポを取って、靴も袋に入れて、涙は見せず……」

女王「死神さえも震えて逃げるわたくしに、黙っていればいいようなことを、ただ謝るために冥府まで来る」

女王「なるほど、その透き通った『魂』の美しさ……そしてさっき触れた『心』の純粋さ……」

女王「……」

女王「ただ謝りに来たわけではないのでしょう?」

女王「あわよくば、わたくしにお願いしたいことがあるのではなくて?」ニコッ

勇者「……はい。できれば、7年後にここを訪れるボクに、『7年前に親友が死んでここへ来た』ということにして、話をして頂きたいんです……」

勇者「じゃないと、ボクの未来が変わってしまうから……」

女王「いいでしょう。あなたたち2人の清らかな魂に免じて、その頼みを聞き入れますわ」

勇者「あ、ありがとうございますっ!」

女王「では、そちらのあなた」

親友「は、はいっ」ビクッ

女王「『生きたまま』ここを訪れる友人に向けて、なにか伝言を残してください」

親友「伝言……」チラッ

勇者「おねがい、親友」

親友「……」

親友「死んだ俺を生き返らせようとか、そんなバカなことを考えるんじゃない」

親友「これから俺は新しい人生の中で、キミに気づいてもらえるくらい幸せになってみせる。だからキミは、幼馴染や身近な人たちを幸せにしてあげてくれ」

親友「キミと生きて、キミのために死ねたことは……俺にとって最高の『幸せ』だった」

勇者「!!」


親友「……って、俺なら言いそうじゃない?」

勇者「うんっ!」ニコッ

女王「しかと覚えました。7年後、それを伝えましょう」ニコッ

勇者「ありがとうございますっ」

女王「他に、なにか言っておくことはありますか?」

勇者「えっと、じゃあ……」

勇者「7年後のボクは なんにも知らずに、ここにアポ無し、土足で来ちゃうんです。しかも『課題』を達成するためと、自分だけじゃ倒せない死霊さんっていう幽霊をあわよくば倒してもらえないかと思って……」

勇者「ボク、涙もろいので、すぐに泣いちゃったりもします……」

勇者「そのことを、先に謝らせてください。ごめんなさいっ!」ペコッ

女王「……」

女王「この屋敷でそんな無礼を働けば、普段なら即座に殺しているところですが……。7年も前に謝るというその態度に免じて、許しましょう」

女王「その死霊とかいう幽霊も、わたくしが処理しますわ」

勇者「ほんとに、重ね重ね、お世話になります……」ペコッ

女王「ふふ。では、そろそろ帰らなければ、死の世界の住人となってしまいますわよ」スッ

勇者「!」フワッ

親友「!」フワッ

女王「では、また会いましょう。7年後に」

勇者「はいっ! ありがとうございましたっ!」

親友「ありがとうございました!」

女王「」ニコッ


〜10の町〜



勇者(体に力が入らない……でも魔法使いちゃんだけは守らないと)

勇者「……え?」

勇者(さっきまで、こんな『ラクガキ』あったっけ……?)


『タイムカプセルを埋めてこい』


勇者「タイム……カプセル?」

勇者「…………」

勇者「———っ!!」

勇者「……そっか……そういうことなんだね!」

魔法使い「?」

仮面の男「刺杭呪文」バッ


ヒュンッ!!


勇者(皇女の力で……『ボク』が過去へ!!)キュィィン

勇者(そして入れ替わりに、『ボク』が帰ってくる!!)ヒュンッ

勇者「」バッ

魔法使い「えっ!?」グイッ


杭「 ピタッ…


仮面の男「」ピタッ…

魔法使い「」ピタッ…

勇者「……えへ。キミなら、こういう演出をすると思ったよ」

親友「7年前とは真逆だな。———勇者」ニコッ


勇者「親友っ!」ガバッ

親友「おっと。……はは。俺も成長したから、今度はしっかり勇者を抱きしめられるな」ギュッ

勇者「親友! 親友っ!!」ギュゥゥ

親友「おいおい勇者、やめてくれ。一応、俺も男なんだ」

勇者「?」

親友「7年間、ずっと待ち焦がれたキミにそうやってされると……下手すると、惚れる」

勇者「あぅ……///」バッ

親友「さて、勇者の偽死体をセットしてと……」サッ

勇者「それ、必要あるの?」

親友「なんとなくさ。やるからには完全再現したくてね」

勇者「もう……」クスッ

親友「そこの仮面の男、魔王軍の四天王だよ。この町に侵入してきた時からずっと後を尾けてたから、自分でそう言ってたのを聞いた」

親友「だからキミが過去に飛ぶまで、その女の子の魔法に合わせて俺が魔法を使って相殺し続けてたのさ」

親友「キミが『この世界』の『10の町』で過去に飛ぶって聞いてたからずっと待ってた……」

親友「それなのに勇者、キミがぼーっとして一向に過去へ行く気配を見せないから、壁に『ラクガキ』を書いたんだ」

勇者「えへへ。ありがとね、親友」/// ニコッ

親友「」ドキッ…

親友「……ほんと、早く男に戻ってほしいよ。……はぁ」

勇者「?」キョト


・・・・・・


仮面の男「杭刺呪文」


ヒュンッ!!


勇者「」バッ

魔法使い「えっ!?」グイッ

勇者「」グサッ!!

魔法使い「きゃああああああああああっ!? 勇者ぁ!!」

魔法使い(む、胸に……心臓のところに……!!)

魔法使い(そんな……私を庇って……!!)ポロポロ

仮面の男「……」

魔法使い「いや、勇者……そんな……死んじゃイヤぁ……」ポロポロ

勇者「」

仮面の男「……」

仮面の男「」ドサッ

魔法使い「……え?」

勇者「心配かけてごめんね、魔法使いちゃん」

親友「こいつは俺が処分してくるよ」グイッ

仮面の男「」プラーン

勇者「うん、おねがい」

魔法使い「え!? え!? なんで、勇者が、2人……!?」

勇者「えっと……うん。説明したら魔法使いちゃん、ぜったい怒ると思うけど……あのね、じつは……」


〜宿屋〜



勇者「ほっぺた痛い……」ウルウル

魔法使い「ふんっ!」プイッ

武闘家「いったいなにがあったんだ?」

皇女「勇者さん、両頬がすっごい腫れてます……」

親友「はい、濡れタオル」ピトッ

勇者「ありがと、親友」ニコッ

親友「元はと言えば、俺のせいだからね」

勇者「もぉ、ほんとだよっ!」

親友「ごめんごめん」ナデナデ

勇者「あぅ……」///

武闘家(いつも頼もしい勇者さんが……)

皇女(すっごい乙女になっちゃってます……)

魔法使い「……」ムカムカ

親友「もしかして今の姿は……このパーティにいるからなの?」

勇者「うん。変に気を遣わせちゃうとアレだから」

親友「そうかい。まあ、俺たちの世界に戻った時は、元の姿で頼むよ。その……ほんとに惚れちゃいそうだからね」

勇者「う、うん……///」

親友「じゃあ、俺はそろそろ失礼するよ」

勇者「え? ……もう行っちゃうの?」

親友「そんな切ない顔をしないでくれ、勇者。ちょっとの辛抱じゃないか」ナデナデ

勇者「でも……せっかく会えたのに……」

親友「俺は一日千秋の思いで7年も待ったんだよ? 勇者も、辛抱してくれ」

親友「それに、楽しみはとっておきたいじゃないか。やっぱり勇者との旅は……あのパーティじゃないとね」ニコッ

勇者「!!」

勇者「えへ、そうだねっ!」

親友「だろう?」

勇者「あのね、親友。パーティのメンバーを1人、増やしてもいいかな?」

親友「いいとも。きっとこの7年間で、勇者もたくさんの出会いがあっただろうからね」

勇者「うんっ! 親友にもたくさん紹介するね!」

親友「それは楽しみだな」

親友「じゃあ、キミのために四天王をあと1人くらい始末してから、俺の世界に戻るとするかな」バサッ

武闘家「翼……勇者さんと同じ……!」

勇者「ボクが親友のをマネしたんだけどね」バサッ

親友「!」

親友「成長してるのは、俺だけじゃないってことか……」

親友「ふふ。本当に、勇者との旅が楽しみだよ」ニコッ


・・・・・・



勇者「ついに、ここから先は魔王城近辺だね」

魔法使い「ここを越えたら、すぐに魔王城……!」

武闘家「多彩で強力な魔物も増えてくるだろう」

勇者「みんなはボクが守るよ」

皇女「わ、私も、精一杯頑張ります!」

勇者「うん。頼りにしてるよ、皇女ちゃん」ニコッ

皇女「……///」コクッ

勇者(『安価絵日記』を確認しておこう。魔王城突入まえに、あと何ページめくれるのかな……)パラパラ






——————・・・



41ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

@がドン引きした安価は無効扱いになることがありますので要注意。

次に書き始める直前に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。




↓+6まで。


安価絵日記『魔法使いをチート改変、蘇生魔法を使える様にし、安価絵日記を渡せ』



勇者「———えっ!?」

魔法使い「?」

武闘家「どうかしたのか、勇者さん?」

皇女「……?」

勇者「いや……これ……」スッ

魔法使い「……」チラッ

魔法使い「ええっ!?」

武闘家「蘇生魔法!?」

皇女「そ、それって、死んだ人を生き返らせることができるんですか!?」

勇者「そうなるね……。ちょっと皇女ちゃん、魔法使いちゃんにその能力を」

皇女「は、はいっ!」パァァ

魔法使い「……」

武闘家「どうだ、魔法使い!? なにか変わったか!?」

魔法使い「わ、わかんないわよぉ!」アセアセ

皇女「こ、これでっ、異勇者くんを……!!」

勇者「うん……! 『フェニックスの尾花』を使うまでもなく……!」

勇者「あ、でも、生き返らせるのは異勇者くんだけにしておいてね!?」

魔法使い「なんでよ?」

勇者「冥府の女王様にバレたら、間違いなくボクたち全員殺されるからだよ……」ゾゾゾッ…

勇者「1回! 1回だけ、異勇者くんだけなら、たぶん女王様も許してくれる……かもしれない」

皇女「かもしれないって……」

武闘家「とにかく、異勇者の棺桶を預けた教会へ移動しよう!」

魔法使い「そうね。そして、異勇者を……!!」

皇女「生き返らせましょう!」パァ


〜教会〜



異勇者「」

魔法使い「ほ、ほんとに、蘇生魔法なんてものが……」ドキドキ

武闘家「とにかく試してみるしかあるまい」

皇女「がんばってください、魔法使いさん!」

勇者「あ、その前に」スッ

魔法使い「『安価絵日記』?」

勇者「魔法使いちゃんに渡した。これで、『課題』は達成だね」

皇女「『安価絵日記』の魔力も落ち着きました!」

武闘家「つまり蘇生魔法は確実に使えるようになっているということだな!」

魔法使い「やってみるわ……!!」ドキドキ

勇者「……」

勇者(『安価絵日記』がこの『課題』を出したということは……)

勇者(つまり、この世界はもう『最善』になったってことなんだよね)

勇者「『安価絵日記』……邪魔でしょ? ボクが持っとくよ」

魔法使い「あら、ありがと」スッ

魔法使い「それじゃあ……異勇者を生き返らせるわ!!」キュィィン

異勇者「」

魔法使い「……っ」キュィィィン

異勇者「」

武闘家「……」ゴクリ

皇女「……」ドキドキ

勇者(……)

勇者「」スタスタ


魔法使い「はあああっ!!」パァァ!!


異勇者「」

異勇者「……」ピクッ

武闘家「あっ!」

皇女「っ!!」

魔法使い「や、やった……の?」

異勇者「……」


異勇者「……ぅ……あれ? ここは……」



魔法使い「異勇者っ!!」ダキッ

異勇者「うおっ!? ま、魔法使い!?」///

魔法使い「異勇者ぁ……!! よかった……ほんとにっ……!!」ポロポロ

異勇者「え、え〜っと……武闘家、皇女、これどういうこと?」

武闘家「死んだ異勇者を、魔法使いが生き返らせたんだ」

異勇者「生き返らせた……?」

皇女「勇者さんの『安価絵日記』で、蘇生魔法が使えるようになったんです!」グスッ

異勇者「蘇生魔法……? えっと、それで、その勇者さんってのは、どこに?」

皇女「……え?」キョロキョロ

武闘家「教会の出入り口が少しだけ開いてる。あそこから出て行ったのか?」

魔法使い「お礼……言わなきゃ」スクッ

異勇者「……?」キョト


扉「 ガチャッ


武闘家「勇者さん! 勇者さぁん!!」

皇女「勇者さーんっ!」

魔法使い「どこ行ったのよ、勇者!!」

武闘家「一体、どうしたというんだ、勇者さん……なぜ我々に黙ってどこかへ……?」

皇女「……あの、もしかして」

魔法使い「なにか知ってるの?」

皇女「異勇者くんが生き返ったらって話をしてたとき……たしか勇者さん、『どうせ異勇者くんとボクが会うことはないんだし』って言ったんです」

魔法使い「会うことはない……?」

武闘家「それと今の現象と、どう関係するんだ? まさか、異勇者が生き返ったら勇者がいなくなるのか?」

皇女「元の世界に帰らなきゃいけないのかも……『勇者』ってことが関係あるのなら、『勇者』は2人一緒にいられないとか……」

魔法使い「なによ、それ……」プルプル

魔法使い「あいつはそれを知ってて、何も言わずに……!!」

魔法使い「お礼だって、なにも言えてないのに!!」



異勇者「どうせ素直にお礼なんて言えないだろう?」ポン

魔法使い「!」

異勇者「お前らが感謝してることくらい、『勇者』ならわかってるよ。だから感謝の『言葉』は必要なかったんだろ」

異勇者「だんだん思い出してきた。そうだ、俺は魔王討伐の最中に、オークに殺されたんだったか」

異勇者「世界はどうなってる?」

皇女「各地で魔物の力が失われてるみたいです……。それから、魔王城から休戦の申し出が」

異勇者「休戦? なんでまた……このままなら確実に魔王軍の勝ちだろう?」

皇女「魔王の息子が病気で死の淵を彷徨っていて、さきほど最後の『フェニックスの尾花』を使ってしまったらしいです」

皇女「病の詳しい原因はわからないらしく、それの解明と治療法の確立が休戦の条件だそうです」

武闘家「どうしてそんなことがわかるんだ?」

皇女「『安価絵日記』の『課題』達成による成果が、私の頭の中に流れ込んでくるんです」

皇女「それから、魔王軍の四天王が『天使』に全滅させられたと……」

魔法使い「これが、あいつの言ってた『最善』ってわけなのね」

異勇者「きっとこれから、さらに良い方向へ流れていくんだろうな。お前の蘇生魔法を魔王が聞きつけたりなんかしたら、特に」

魔法使い「……そうね」

魔法使い「……」

魔法使い「すぅ〜〜〜っ」

異勇者「?」

魔法使い「ありがとぉおおおおおおおっ!!!」///

武闘家「!」

武闘家「ありがとぉおおおっ!!」

皇女「あ、ありがとうございまーすっ!!」///

魔法使い「どうよ! 素直にお礼を言ってやったわよ!」///

異勇者「……いや、面と向かってじゃないだろ」

魔法使い「うっさいわね! とにかくお礼は言ったから!」///

魔法使い「さ、世界の平和のために出発しましょ!!」

異勇者「ああ、そうだな!」ニコッ

武闘家「行こう!」

皇女「はいっ!」ニコッ


〜勇者の家〜


勇者「よっ」スタッ

幼馴染「そい!」ガシッ

勇者「ぎゃんっ!?」ボスッ!!

勇者「な、なに!? なんで帰って早々ベッドに投げられたのっ!?」

幼馴染「親友から聞いたわよ!? 『安価絵日記』とやらのことも、なにもかも!!」

勇者「えっ……いまさら何言ってるの?」キョト

幼馴染「今更ってなによ!? あんた、親友とかそこの女とかには言っときながら、私にだけ内緒にしてるってどういうことよ!?」

親友「まあまあ、幼馴染。勇者だって悪気があってやったわけじゃないさ。できるだけ大切な人を巻き込みたくなかったんだろう。そうだよね、勇者」

勇者「あ、親友っ!」パァァ

幼馴染「そのあからさまな態度の違いはなんなの!?」

勇者「……と、巫女ちゃんっ!」ダキッ

巫女「ふふ。甘えんぼさんでございますね、勇者様は」ギュッ

幼馴染「なっ……なぁ……!?」/// プルプル

親友「勇者。キミが愛する女性というのは彼女のことなのかい?」

勇者「うん! 巫女ちゃんって言うんだ。えっと……ボクの、恋人です」///

幼馴染「」ピシッ

巫女「結婚の約束もしております」

幼馴染「」ピシピシッ

親友「……どんまい、幼馴染」

幼馴染「ソンナノ……初耳ナンデスケド……」

勇者「え、そうだったっけ? 幼馴染はそんなの興味ないだろうから、わざわざ言わなかったけど……」

勇者「それから、お腹の子は一ヶ月目だよ」ニコッ

親友「やめるんだ、勇者。それ以上の追加攻撃は……」

勇者「?」

幼馴染「……」orz

親友「まったく、だからもっと素直になれと昔から言っておいたのに……。ほら、愛の巣にいつまでもお邪魔するもんじゃないよ」グイッ

幼馴染「ソウデスネ……」トボトボ

勇者「あれ、帰っちゃうの?」

親友「今度4人でゆっくり話そう。幼馴染が吹っ切れたらね」


扉「 ガチャッ バタン


勇者「どうしたんだろ、幼馴染?」

巫女「大抵の人間が一度は通る道でございます。お気になさらず」

勇者「……そうなの?」

巫女「それより、あの暴力女のせいで言うタイミングを逃しましたので」

勇者「!」

勇者「えへ。巫女ちゃん、ただいまっ!」ニコッ

巫女「おかえりなさいませ、勇者様」ニコッ




1、つづく

2、おわる


↓+2


安価絵日記まとめ


1P『巫女とせっくす』

2P『巫女とせっくす』

3P『巫女が陰部性転換し、勇者が気丈な巫女の金玉を潰れるまで拷問』

4P『巫女の全身の穴という穴に鉄の杭を差す』

5P『野外でセックる』

6P『さっきの幼女を暴力的にレイプして処女喪失させる』

7P『複数の幼女サキュバスに陰部男体化した巫女と一緒に散々犯される』

8P『幼なじみを、気づかれないように電車で痴漢』

9P『あの幼女の母親を、幼女の父親から目の前で寝取って家庭崩壊させる』

10P『最近近くで暴れている山賊(女)を退治(意味深)』

11P『巫女とデート』

12P『大人数のために少人数を切り捨てる正義の味方になれ』

13P『錯乱し巫女を刺そうとする幼馴染を死をもって止めろ』

14P『詐欺しまくった女占い師を男衆に輪姦させ一生彼らの肉便器にする』

15P『人間の王子と魔物の姫の、禁じられた恋を成就させる』

16P『好きな漫画の1シーンを再現』

17P『やる気のない鍛冶屋の一人娘に、立派な鍛冶屋になる決意をさせる』

18P『神子とセックス』

19P『東方神霊廟のクリア  EXはご自由にどうぞ 』

20P『神子を控えめで清楚な大和撫子にする』

21P『勇者がいろんな男たちとセックス』

22P『一緒に勾玉作り』

23P『大災害によって怪我などをしている魔物たちをできるだけ助けろ』

24P『御子と魔王に種付け』

25P『二人で欲しい魔法生物をデザインして絵日記部分に描け。創造する』

26P『住処を失った全ての種族が共存して住める街を作り、治める』

27P『蛹の本能を穏やかなものに改変しろ』

28P『御子・魔王・勇者の3人でふたなりセックス』

29P『1年に1日、犯罪を起こせなくなる日を作れ。尚、慣習にする事』

30P『この星全ての知的生命体に、劣化版安価絵日記が現れる様にしろ』

31P『全ての存在の妄想を代理する世界を、現実と分けて作れ』

32P『人が捕獲した魔物から作った合成魔獣達を倒して街を守る』

33P『全身性感帯になった魔王を勇者と御子でイカしまくる』

34P『ゴミや危険物、有害汚染物質・波動を食べて生き、増える存在を作れ』

35P『勇者が自分の心の闇の部分と真に一つとなり、制御出来る様にせよ』


36P『究極のコーヒーを友達全員で楽しめ』

37P『異勇者の代わりに国王を勇者とし、旅に同行させ現実を分からせろ』

38P『過去に環境変化が原因で絶滅するしか無かった命を別の星に移せ』

39P『魂を守護・管理している死の神に会い、輪廻転生の大切さを教わる』

40P『勇者の過去へ向かい、己が残酷な運命を改変せよ』

41P『魔法使いをチート改変、蘇生魔法を使える様にし、安価絵日記を渡せ』


〜勇者の家〜



ベッド「 ギシッ


巫女「また……夜が明ける頃には別の世界へと行かれてしまうのでございますか?」ギュッ

勇者「……うん。ボクが人助けを望んでいるかぎり、『安価絵日記』が終わるまで続くと思う」ナデナデ

勇者「いまは41頁まで使ったから、残り……8頁だね」

巫女「あと8頁……つまり、1週間と少しでございますか」

勇者「心細いよね……。お腹に子供だっているのに……」ギュッ

巫女「正直、時々こうやって戻ってきてくださらなければ、耐えられなかったかもしれないでございます」

巫女「ですから今日は思う存分、充電するのでございますよ」スリスリ

勇者「えへ。ボクの方こそ、こうやって巫女ちゃんといっしょに寝る『安息日』があるから、がんばれるんだよ」チュッ

巫女「んっ……。全てが終わったら、一日中だって、こうやって……」

勇者「巫女ちゃんのえっち」

巫女「そ、そういうことではございませんっ」///

勇者「えへ。わかってるよ。こうやって、ずっといっしょに……」ギュッ

巫女「はい」ギュッ



〜?〜



勇者「ん……」パチ

勇者「……あれ? うわっ! ボク全裸だ!? そっか、昨日巫女ちゃんと……それでそのまま寝ちゃったんだ」

勇者「安価絵日記は———持ってた。よかったぁ……」ホッ

勇者「……っていうか……え、ここ、どこ?」キョロキョロ

勇者(目が覚めたら見知らぬ場所にいることは、もう3回は経験したことだけど……これはそういう次元じゃない)

勇者(うっすらと重力みたいなものはあるけど、全身がフワフワしてる。そのせいで足に集中するはずの血液が全身に均等になって、顔が内側から圧迫されてる)

勇者(地面は、なんだか石油と卵白の混合液みたいな……。黒と透明の液体がグニャグニャ混ざり合ってて気持ち悪い)

勇者(感触はほとんど大理石だけど、足を浮かせるとドライアイスのスモークみたいにまとわりついてくる)

勇者(そのところどころにポツポツと、青白く発光する水たまりがある。感触は水だけど、まるで生きてるみたいに蠢いてる)

勇者(その他は、全部が真っ黒。黒い壁とかそういう次元じゃなくって……ああ、えっと、たぶんこれが『虚無』ってやつなんだろうなぁ)

勇者(なんなんだろう、この世界……気持ち悪い。なにもかもが終わってる……いや、『始まってすらいない』んだ)

勇者(とにかく、誰かいないのかな? もしボクしかいないんだとしたら、ボクは一生ここで1人きり……?)

勇者(そんなの耐えられない。きっと1週間もしないうちに発狂しちゃうよ)ブルルッ

勇者(人を……人を探さなきゃ)

(*´▽`*)=3 >>777ゲトー♪

・・・・・・

勇者(しばらく歩いてみてるけど、人なんてどこにも……)

勇者「……っ!!」

?「」

勇者(いた!! あれは……女の子? 髪の毛が白い……。全裸で、しかも体操座りでうずくまってる……)

勇者(……死んでない、よね?)

少女「」

勇者(ど、どうしよう……とりあえずすぐ近くまで寄ってみたものの)

勇者(こんな虚無の世界で1人っきりの女の子、どう接したらいいかわかんないよぉ……)

勇者(人間? 意思疎通はできるのかな? もしかして宇宙人だったりしないよね? 敵意とかあったりしないかな?)

勇者(ええい、男は度胸だよ、ボクっ!)グッ

勇者「あ、あの……」

少女「」

勇者「あのー」

少女「」

勇者(寝てるのかな……? それとも聞こえてないとか? 気は進まないけど、触ってみよう)

勇者「あの、もしもーし。だいじょうぶですかー?」ポンポン

少女「」

勇者「生きてますかー?」ユサユサ

少女「」ピクッ

勇者「おっ?」

少女「……」クルッ

勇者(わっ、紅い瞳……)

少女「……」パチクリ

少女「」スッ

勇者「っ!」ビクッ

少女「」ペタペタ

勇者「な、なにかな……? どうしてボクの顔とか体をペタペタ触ってくるの?」

少女「……」

少女「」ブワッ

勇者「えっ!?」

少女「」ポロポロ

勇者「な、なんで泣くの!? ごめんなさいっ! よくわかんないけど、ごめんなさいっ!!」

少女「っ」ガバッ

勇者「うわっ!?」ヨロッ

少女「」ギュゥゥ

勇者「なに!? どうしたの!? なんで抱きついてくるの!?」

少女「」ギュゥゥ

勇者(とにかく、落ち着くまでこうしてよう……そのうち何か喋ってくれるかもしれないし)ナデナデ

少女「」ギュゥゥ



勇者「どうかな、落ち着いた?」ニコッ

少女「……」コクッ

勇者「えっと、もしかして声、出せないの?」

少女「……ぁ……ぁ、ぁ……」

少女「……」コクッ

勇者「困ったなぁ。これじゃあ巫女について聞けないよ。『安価絵日記』はあるのに」スッ

少女「!!」

勇者「あれ? もしかして、この本のこと知ってる?」

少女「っ」コクコクッ

勇者「じゃ、じゃあもしかして、この『安価絵日記』をサポートする一族だったりしない!?」

少女「っ!!」コクコクッ

勇者「そうなんだ! ボクは『勇者』! 自分の世界で『安価絵日記』を使って、その世界を『最善の未来』にしたんだ」

少女「!」

勇者「そしたら別の世界に行って、その世界を『最善の未来』に。それが終わったら……って感じで、ここが5つめの世界ってわけなんだ」

少女「……」

勇者「もしかして、『最悪の未来』のせいで、こうなっちゃったの?」

少女「……」

少女「」コクッ

勇者(……なんだろ、いまの『間』……?)

勇者「それじゃあ、ボクといっしょに『安価絵日記』を使って、この世界を取り戻そうっ!」ニコッ

少女「っ」コクッ

少女「」ギュゥゥ

勇者「よしよし。こんな世界で1人きりにされて、寂しかったんだね。もうだいじょうぶだよ」ナデナデ

勇者「さっそくだけど、『安価絵日記』の『課題』を確認してみよっか」パラパラ








——————・・・



42ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

ここが最後の世界です。よって、ストーリー終了となりかねない安価はひっそりと無効にしますので要注意。

次に書き始める直前に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。




↓+6まで。


了解です。とりあえず今日は寝ますね。お付き合いいただき、ありがとうございました!


……ぜったいコレ、安価絵日記は14ページくらいにしとくべきだったよね……


おやすみなさい!


安価絵日記『この世界の歴史を知れ』



勇者「だってさ。これですこしは、この世界のことがわかるかもしれない」

少女「……」

勇者「じゃあ、えっと、『力』をちょうだい?」ニコッ

少女「……」

少女「」スッ

勇者「?」ピトッ

勇者「なんでボクの頭に、手を……」


ギュオッ!!!


勇者「———っ」

勇者(なにかが……流れ込んでくる!! 映像? 情報? たぶん、この世界の『歴史』が……!)




『人と魔物が共存していた太古』

『まず一部の人間が『知恵の実』を。一部の魔物が『力の実』を食べてしまった』

『それでもしばらくは争いなく過ごせていたのだが、代を経て『知恵』と『力』を兼ね備えてしまった人間や魔物には『欲』が備わってしまった』

『そこからは泥沼の醜い争いが始まり、人間と魔物の長い長い戦いの幕が開けた』

『互いの支配する時代が交互に入れ替わりながら、ある時、魔物が支配する時代が始まったとき』

『人間の中で最も『欲』に長けた者が言い出した。『あの魔道書を使おう』と』

『『力』で劣る人間が、それでも魔物に対抗するべく『知恵』によってそれを補おうとした結果辿りついた、『悪魔との契約』という手段』

『時代の変わり目には、いつも『あの魔道書』の存在があった』

『代々それは成功し、慎重な運用によって残り頁もあとわずかとなったとき……』

『3年前、あるユウシャとミコが『あの魔道書』を手にとった』

『そして、世界が破壊された』




勇者「世界が破壊された……?」

勇者「キミは、ミコちゃんっていうの?」

ミコ「」コクッ

勇者「そっか。ボクは勇者、よろしくね」ニコッ

ミコ「ょ、ぉ……ょ……」

勇者「無理にしゃべろうとしなくていいよ」ナデナデ

ミコ「……」ギュッ

勇者「あれ、もしかして、もう『課題』は達成しちゃったの?」

ミコ「」コクッ

勇者「そうなんだ。結局だいじなところは、なんにも分からずじまいだったけど……」

勇者「あと、今度は『課題』を達成する前に、服とか食べ物とかを生み出してからにしようね?」

ミコ「!!」

ミコ「」ポロポロ

勇者「あ、だ、だいじょうぶだよ!? 気にしてないから。ね? だから泣かないで?」ナデナデ

ミコ「……!!」///

ミコ「」ギュゥゥ

ミコ「」スリスリ

勇者(よっぽど人肌恋しかったのかな……。そりゃそうだよね、だって世界が破壊されたのって『3年前』だもん)

勇者(こんな場所で3年も1人ぼっちだなんて、考えただけでゾッとするよ……)

勇者「えへ。今日はたくさんお話しようね」ニコッ

ミコ「///」ニコッ




ミコ「ぁ、ぁ、あー……あー、あー、あ〜」

勇者「ん?」

ミコ「あー。あー……。ゅ、しぁ」

勇者「!」

ミコ「ゆ、しぁ。ゆ、しゃ……ゆー、しゃ」

勇者「ミコちゃんって、声出せたのっ?」

ミコ「こ、え、たせた」ニコッ

勇者「……もしかして、3年間ずっと1人きりだったから、声の出し方がわからなくなっちゃってたのかな?」

ミコ「?」キョト

勇者「じゃあ、もっとたくさんお話して、しゃべりかたを思い出していこうね」ナデナデ

ミコ「う、ん。ゆーしゃ」ニコッ



ミコ「ゆーしゃ♪ ゆーしゃ♪」スリスリ

勇者「子犬みたいでかわいいなぁ」ナデナデ

ミコ「かわい?」キョト

勇者「それに、この白い髪……」サラッ

ミコ「———っ」バッ!!

勇者「えっ?」

ミコ「はっ、はっ、はっ……」カタカタ

勇者「え、ご、ごめん……髪、さわられるの、イヤだった……?」

ミコ「ち、ちが」ブンブン

ミコ「かみ、ケガレ……ゆーしゃの、て、ケガレる……」ポロポロ

勇者「……?」

ミコ「ケガレ、てる、から……」ブチ、ブチブチッ

勇者「ちょ、ちょっと!! なにやってるの!?」ガシッ

ミコ「……ケガレ……」ポロポロ

勇者「ダメだよ、髪の毛をそんなふうに毟っちゃ……」

勇者「こんなにきれいな髪なんだから」ナデナデ

ミコ「……?」

ミコ「きれー?」

勇者「うん。雪みたいで、すごくきれいだよ」サラッ

ミコ「……」

ミコ「ケガレて、ない?」

勇者「ぜんぜん穢れてなんかいないよ? この真っ白な髪も肌も、紅い瞳も……みんなきれいだよ」ニコッ

ミコ「……」

ミコ「」ポロポロ

勇者「誰かに、なにかひどいことを言われちゃったのかな?」

勇者「でもだいじょうぶだよ。ミコちゃんはぜんぜん、穢れてなんかないから」

勇者「とってもきれいだ」ナデナデ

ミコ「」ギュゥゥ

ミコ「ゆー、しゃ。ゆーしゃ。ゆーしゃぁ……」スリスリ

勇者「だいじょうぶ。だいじょうぶだからね」ナデナデ



〜?〜



勇者「んぅ……」パチ

ミコ「スー……スー……」ギュゥゥ

勇者(髪の毛の一件から、一瞬たりともボクから離れなくなっちゃった)ナデナデ

ミコ「……ゅ……しゃ……」ニヘラ

勇者(いったい、なにがあったんだろう。この子に……この世界に……)チラッ

勇者「———えっ?」

勇者「ミ、ミコちゃん! 起きて!」ユサユサ

ミコ「ん? ゆーしゃ?」ウトウト

勇者「まわりを見て!!」

ミコ「?」キョロキョロ

ミコ「!!」ピョコン

勇者「昨日まで真っ黒だった世界が、明るくなってる!!」

ミコ「……///」キラキラ

勇者「『安価絵日記』の力だね。この調子でいけば、世界を取り戻せるよ、ミコちゃん!」

ミコ「……っ」コクコクッ

勇者「『光』が……この世界に、『光』が生まれたんだ!」

勇者「まだ地面は気持ち悪いままだし、なんだかこの『光』、あんまり暖かくないけど……」

ミコ「まぶし……」ギュッ

勇者「あはは。3年間もずっと暗闇にいたミコちゃんには、ちょっときついかもね」ナデナデ

勇者「よし、このまま世界を元通りにしよう!」

ミコ「……」コクッ

勇者「それじゃあ、『課題』を確認するよ」パラパラ






——————・・・



43ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

ここが最後の世界です。よって、ストーリー終了となりかねない安価はひっそりと無効にしますので要注意。

次に書き始める直前に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。




↓+6まで。



安価絵日記『勇者が居なくなっても寂しく無いように分身を作れ』



勇者「ボクの分身かぁ……」

ミコ「?」ジー

ミコ「かだい、なに?」

勇者「え?」

ミコ「もじ、しらない」

勇者(文字が読めない……?)

勇者「これからボクがいなくなっても、ミコちゃんがさみしくならないように、ボクの分身を作れってさ」

ミコ「!?」

ミコ「やだ!!」ギュッ

勇者「わっ!?」

ミコ「ゆーしゃ、いなくなる……?」ポロポロ

勇者「えっと……この世界が元通りになったらね、ユウシャって人も戻ってくると思うんだ」

勇者「そしたらもう、ボクはこの世界にいられない」

ミコ「……」

ミコ「」バッ

勇者「あっ、『安価絵日記』を……!」

ミコ「」ポイッ

ミコ「いらない! あれ、いらないっ!」ギュゥゥ

勇者「ミコちゃん……」

ミコ「ゆーしゃ、ここ、いて?」ポロポロ

勇者「……そのための、今回の『課題』なんだよ?」ナデナデ

ミコ「?」

勇者「ミコちゃん、ミコの力をボクにちょうだい?」

ミコ「……」

ミコ「ゆーしゃ、いなくならない?」

勇者「うん」ニコッ

ミコ「……」

ミコ「」パァァ

勇者「ありがと、ミコちゃん」

勇者「ボクの分身っていうのはね、こういうことなんだ」キュィィン

勇者『』シュン

ミコ「!!」

勇者「今はああやって寝たままだけど、ボクが帰ったら起きてくれるよ」

勇者「『勇者』ではないから力は弱いけど、性格とかはそのままだよ。このあとの『課題』の記憶も共有してる」

勇者「これで、ずっといっしょだね、ミコちゃん」ニコッ

ミコ「///」コクコクッ


ミコ「ゆーしゃ、ずっといっしょ」ギュゥゥ

勇者「えへ。よしよし」ナデナデ

勇者「生活に必要な能力は、まだボクに残しておいたよ。だから、食べ物だって召喚できる」キュィィン


朝ごはん「 


ミコ「!!」キラキラ

勇者「3年ぶりのごはんかな? 食道とか内臓がびっくりするといけないから、まずはゆっくりお粥を食べようね?」ニコッ

ミコ「たべる! ごはん!」///

勇者「はい、スプーン。ちょっとずつ食べてね?」

ミコ「……」

ミコ「?」

勇者「どうかした?」

ミコ「これ、なに?」

勇者「いや、だからスプーンだよ?」

ミコ「なに、つかうの?」

勇者(もしかして、スプーンを初めて見たの……!?)

勇者「ほら、貸して? こうやって、ごはんをすくって……」

勇者「口を開けて? あーん」

ミコ「あ、あー」

ミコ「」パクッ

勇者「しっかり噛んでね? ごはんの形がなくなるくらい」

ミコ「」モグ…モグ…

ミコ「!!」

ミコ「おいしっ!! ごはん、おいし!!」/// パァァ

ミコ「もっと! ゆーしゃ、もっと!!」キラキラ

勇者「普通のお粥なんだけど……え、そんなにおいしい? 塩しか入ってないよ……?」

勇者「あーん」スッ

ミコ「」パクッ

ミコ「〜〜〜っ!!」/// キラキラ

ミコ「おいし……ごはん、おいし……」ポロポロ

勇者(……)

勇者「たくさんあるから、いくらでも食べていいからね」ナデナデ

ミコ「いっぱい゛……だべる゛……」ポロポロ

勇者「……うん。めしあがれ」ニコッ



・・・・・・


勇者「わああっ! かわいい〜〜♡」///

ミコ「……かわい?」キョト

勇者「ミコちゃんはどんな服でも似合うなぁ。お人形さんみたいだもん!」ウキウキ

ミコ「ゆーしゃ、たのし?」

勇者「うん、すっごく楽しいよ! ミコちゃんがとってもきれいだから」ニコッ

ミコ「……なら、うれし……///」ニコッ

勇者「よし、次はゴスロリだよ、ミコちゃん。着替えて着替えて!」

勇者「白い髪なんてそうそう見ないからなぁ……! きっと黒とかもすごいしっくりくるんだろうなぁ……!!」ワクワク

勇者「いや、むしろなんでも似合うんじゃないかな!?」

勇者「頭にも黒を持ってきたほうが引き締まるかな……? ならこのヘッドドレスを……」

ミコ「……ゆーしゃ、ちょと、こわい」





ミコ「これ、ふとん?」

勇者「まあそうだね。天蓋付きベッドっていうんだ。この『光』に満ちた白い世界、『光』の強さがずっと変わらないから、眩しくて寝られそうにないんだもん」

勇者「体もきれいにしたし、そろそろ寝ちゃおっか」モゾモゾ

ミコ「……」

勇者「?」

勇者「ミコちゃんも、はやく入ろうよ」

ミコ「……いいの?」

勇者「え? いいけど……?」

ミコ「……」モゾモゾ

ミコ「!!」

ミコ「あ、あったか……ゆーしゃ、あったか!」キラキラ

勇者「うん、あったかいね。ミコちゃん、もしかして布団で寝たのも初めてなの……!? うそでしょ……?」

ミコ「ふく、ふとん、あったか♪」ギュゥゥ

勇者「……」ナデナデ

勇者「ゆっくり休んでね。おやすみ、ミコちゃん」

ミコ「おやすみ? おやすみ……なに?」

勇者「……寝る前は、そうやって言ってから寝るんだよ」

ミコ「んー……おやすみ、ゆーしゃ!」ニコッ

勇者「うん、おやすみ、ミコちゃん」ニコッ

勇者(……)




〜?〜



勇者「」パチ

勇者「……ふわぁ……いま何時なんだろう。太陽がないから、時間の感覚がわかんないよ……」

勇者「よかった、また外が暗くなってたらどうしようかと……」スッ


天蓋カーテン「 シャッ


勇者「……っ!」

勇者「『空』が……できてる……!!」

勇者「見慣れた青空だ……すっごい懐かしいような気もしちゃうけど、地面が気持ち悪いから、なんかアンバランスだなぁ……」

勇者「相変わらず『光』は温度がないけど、『空』が見れただけで元気が出てきた……!」

ミコ「……ゆーしゃ?」ゴシゴシ

勇者「見てよミコちゃん、『空』ができたよ!」

ミコ「わぁっ……!!」///

勇者「やっと、空間って感じがしてきたね。昨日までは遠近感とかが狂った世界だったし」

勇者「ボクたちは『世界』を取り戻してる……いや、『創り出してる』んだ!」

ミコ「……」

勇者「よぉし、『安価絵日記』を……『課題』を確認しよう!」パラパラ






——————・・・



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↓+6まで。


安価絵日記『人間以外の実態、意思を持つ構造体を生成せよ』



勇者「構造体? ……って、結晶みたいなものかな?」

ミコ「こー、ぞー、たい?」キョト

勇者「昔、親友が言ってたような気がする……どんな物質にも、『最適な形』ってものがあるんだって」

勇者「人間なら、きっとこの形が最適なんだろうね。住む場所や育ちで『最適な形』は微妙に違うけど……」

勇者「塩にも、雪にも、ダイヤモンドにも……結晶があって、それが『最適な形』なんだって」

ミコ「……??」

勇者「そうだなぁ……実態、意思……世界を元通りにしたら、ボクとミコちゃんは一般人になっちゃうわけなんだよね」

勇者「それなら、ボクたちを守ってくれる存在がいいね」

勇者「ミコちゃん、ちょっとミコの力をちょうだい?」

ミコ「……ん」パァァ

勇者「ありがと。これで……」キュィィン


?「」フワフワ


ミコ「!」

勇者「雪の結晶をモチーフにしてみたよ? どうかな、きれい? わかる? 『雪』だよ」

ミコ「ゆき……?」ツンツン

?「」フワフワ

勇者「ミコちゃんの髪の毛みたいに真っ白で、きれいなんだ。見たことないかな?」

ミコ「んー……ない」フルフル

勇者「直径7センチの雪の結晶……。うーん、もうちょっとおっきめがよかったかな?」

勇者「名前、どうしよっか。……この子の名前」

ミコ「なまえ……?」

?「」フワフワ

ミコ「……ユキ」

勇者「ユキ?」

ミコ「いい?」

勇者「うん、いいよ。とってもいい名前だね」ニコッ

ミコ「えへ……///」ニコッ

ミコ「ユキ……きれい」ツンツン

ユキ「」フワフワ


・・・・・・


勇者「!」

ミコ「」ポケー…

勇者(……ちょっと遠くの土地がどうなってるのか確認して戻ってきたら、ミコちゃんが空を仰いでぼーっとしてる……なにを考えてるんだろ?)

勇者(あ、ユキは結局、ミコちゃんの頭に落ち着いたんだ。そういうアクセサリみたいで、ふつうになじんでるなぁ)

ミコ「」ピクッ

ミコ「ゆーしゃ!」パァ

勇者「ただいま」ニコッ

ミコ「ただいまっ!」ダキッ

勇者「ミコちゃん、そこは『おかえり』って言うところなんだよ?」

ミコ「?」

勇者「よしよし、そういうのも覚えていこうね」ニコッ

ミコ「ゆーしゃ、ゆーしゃ♡」スリスリ

勇者「うん。……ちょっとユキが刺さって痛いかなーって」

ミコ「?」

ユキ「」ススス…

勇者(あ、ユキが後頭部の方に移動していった……気配りのできる子なんだね)ナデナデ

ユキ「♪」クルクル

勇者(よろこんでる……のかな?)クスッ

ミコ「……むぅ」プクーッ

勇者「えい」ツン

ミコ「」ブーッ

ミコ「///」カァァ

勇者「そんなに膨れなくていいよ、ミコちゃん」ナデナデ

ミコ「ゆーしゃ♪」ギュゥゥ



・・・・・・


勇者「もう固形物も食べられるようになったね」

ミコ「おいし。ごはん、おいし♪」モグモグ

勇者「はい、ピーマンも食べようね」スッ

ミコ「」サッ

勇者「はい、あーん」スッ

ミコ「」ササッ

勇者「……ミコちゃん」

ミコ「にがい、やだっ!」ジワッ

勇者「ほら見て、ミコちゃん。ミコちゃんがそう言うと思って、中にお肉を詰めたよ? とってもおいしいよ〜」スッ

ミコ「……ほんと? おいし?」

勇者「うん」ニコッ

ミコ「……」

ミコ「っ」パクッ

勇者「どうかな? ピーマンも苦くないようにしてみたつもりだけど」

ミコ「……」モグモグ

ミコ「おいし!」パァ

勇者「そっか、よかった」ニコッ

ミコ「えへ」///

ミコ「ゆーしゃ。ぶろっこり、あーん」スッ

勇者「」サッ

ミコ「あーん」スッ

勇者「」ササッ

ミコ「……ゆーしゃ」

勇者「……あは、あはは」



〜?〜


ザザァン……ザァン……


勇者「……気持ち悪い地面が消えて」

勇者「『海』と『陸』ができてる!!」

ミコ「おー……!」///

勇者「すごいすごい! 重力も完全に元通りになったし! なんていうか、『これでこそ』って感じがするよね!」

勇者「風も吹いてる……『海』ができたおかげだ」

勇者「地面の感覚も久しぶりだなぁ……! これからは靴も履かないとね!」

勇者「雲も生まれてる。きっとこれから、雨も降ったりするんだろうね。家も必要になってくるかな」

勇者「どんどん元通りになってるね、ミコちゃん!」

ミコ「……」

勇者「ミコちゃん?」

ミコ「……あたらし、せかい?」

勇者「えっと……それはどうなんだろ? 前の世界が再構築されるのか、それともまったく新しい世界になるのか……」

勇者「もしかして、今までそれが気がかりだったの?」

ミコ「……もとの、せかい……やだ」

勇者「……え?」

ミコ「……」

勇者「えっと……うん。とりあえず、『課題』を確認、しよっか……」

ミコ「」コクッ

勇者(……)

勇者「今日の『課題』は……」






——————・・・



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安価絵日記『可愛らしくもお洒落で快適な暮らしが可能な宇宙船を創造しろ』



勇者「宇宙船……だってさ」

ミコ「うちゅ、せん?」

勇者「宇宙船」

ミコ「うちゅーせん」

勇者「うん。あの空の上に行ける船だよ」

ミコ「そらの、うえ?」キョト

勇者「ミコちゃん、ミコの力を」

ミコ「ん」パァァ

勇者「そして、宇宙船を創りだす……」キュィィン

勇者「えっと、どうしよっかなぁ。かわいらしくもおしゃれ……動物をモチーフにスタイリッシュさを取り入れて……」

勇者「ただ愛玩動物を機械化しただけじゃ、品がないね……。あんまりかわいくない生き物をあえて選ぶのがおしゃれだ……」

勇者「う〜ん……」

ミコ「……」

ミコ「やもり?」

勇者「それだぁ!!」ピコーン

勇者「愛らしさのなかにキモさを併せ持つ、あの造形……それに『あの人』の件で宇宙とのつながりもあるし……!」

勇者「インスピレーションが湧いてきたよ! とびっきりかわいくておしゃれな宇宙船を」キュィィン

勇者「創っちゃうよ!!」キュィィン


ヤモリ宇宙船「


ミコ「……かわい」///

勇者「イモリじゃないから水陸両用にはしなかったけど、空は飛べるようにしてるから飛行船としても使えるよ」

勇者「試しに乗ってみようよ」ニコッ

ミコ「///」コクッ



ミコ「〜〜〜っ♡」キラキラ

勇者「気に入ってもらえてみたいでよかったよ」ニコッ

勇者(まあボクは空からの景色なんて見飽きるくらい見てるから、そこまでの感動はないんだけど)

勇者(さっきは気づかなかったけど、よく見たら『植物』とかも生えてたんだ……この世界に『生命』が生まれたんだ……)

勇者「ミコちゃん、こんなに高いところから地上を眺めたのは初めて?」

ミコ「っ!」コクコクッ

ミコ「や、やま、のぼる、たかい、みた、より……!!」ワタワタ

勇者「あはは、落ち着いて落ち着いて」ナデナデ

勇者「山にのぼって見た景色よりも、高いんだね?」

ミコ「たかいっ!」コクッ ///

ミコ「……みみ、へん。おと、とおい?」

勇者「じゃあ、はい。お水をごっくんしてね?」スッ

ミコ「?」

ミコ「んっ、んっ」コクコク

ミコ「!」

勇者「治った?」

ミコ「なおった……みみ、ぱちって……」

勇者「よかったね」ナデナデ

ミコ「ゆーしゃ、しってる、なんでも……!」

勇者「あはは、なんでもは知らないけど……ミコちゃんの知らないこと、これからいっぱい教えてあげるからね」ニコッ

ミコ「うんっ!」ニコッ

勇者「じゃあちょっと、宇宙に行ってみよっか」

ミコ「?」


〜?〜



ミコ「……なにも、ない?」

勇者「しまったなぁ。そっか、まだ太陽とか星は生まれてなかったんだ。あの『虚無』のまんまだね」

ミコ「きょむ?」

勇者「ここには、また今度こようね。そしたらきっと、きれいなものが見れるから」

ミコ「?」

勇者「でも、重力がないからこうやって水の中にいるみたいにフワフワで、おもしろいでしょ?」

ミコ「ゆーしゃ、さかさま」クスクス

勇者「あ、見て! ほら、僕らの星だよ」

ミコ「わああっ! あおい、まる!!」///

勇者「おっきいねぇ。ボクらがいたのは、あそこらへんかな?」

ミコ「どこ?」ズイッ

勇者「ほら、あそこあそこ。あの……手みたいな形の」ズイッ

ミコ「ちっちゃい……」ピト

ミコ「……っ!」パッ ///

勇者「?」

ミコ「ゆーしゃ……」

勇者「なに、ミコちゃん?」

ミコ「ゆーしゃの、におい。むね、とくとくする」

勇者「え?」

ミコ「はしった、あとみたい。むね、とくとくする。かお、あったか」///

勇者「……」

勇者「さっきのミコちゃんみたいに、初めて見たものに感動してはしゃぐと、そうなっちゃうんだよ」

ミコ「?」

勇者「よし、いったん戻ろうか。ボクらの星へ」


・・・・・・


ミコ「ゆーしゃ……ねぇ、ゆーしゃぁ……」ユサユサ

勇者「……んっ? ああ、なに?」パチ

勇者「どうしたの? 眠れないのかな?」

ミコ「」コクッ

ミコ「ずっと、むね、とくとくして……」

勇者「……」

勇者「昨日までとは違って、宇宙船の中で寝てるからかな? 慣れないところだから、寝れないのかも」

ミコ「びょーき、ちがう?」ジワッ

勇者「うん、病気じゃないよ。だいじょうぶ、だいじょうぶ」ナデナデ

勇者「ほら、こうやって、背中をね?」トン、トン

勇者「それで、お話をしてあげる。だから、目を閉じて?」

ミコ「んっ……」

勇者「そう。なんにも考えないで、ただボクの声だけ聞いてればいいからね」トン、トン

勇者「むかしむかし、あるところに……」トン、トン


〜ヤモリ宇宙船 寝室・朝〜



ミコ「……ヒック……グスッ」

ミコ「ごめ゛……なざい゛……」ポロポロ

勇者「泣かないで、ミコちゃん。しょうがないよ、3年ぶりに食べ物とか飲み物を口にしたんだもん」

勇者「ちょっと、感覚がよくわからなかったんだよね?」ナデナデ

勇者「ほら、お風呂に入ろ?」

ミコ「……うん゛」コクッ

ミコ「おこって、ない……?」ウルッ

勇者「怒ってないよ。ほら」ギュッ

ミコ「あっ……」///

勇者「ね? ぜんぜん怒ってない。ミコちゃんが風邪ひいちゃうといけないから、お風呂にいこ?」ナデナデ

ミコ「っ」コクッ


〜浴室〜



ミコ「!? っ!?」

勇者「えっと、どうしたの?」シャワワ

ミコ「おみず、あったか……!!」

勇者「そうだよ。これ、お水じゃなくてお湯だから。温かいよ?」シャワワワ

ミコ「……きもちい」///

勇者「そうだね。そういえば魔法で体をきれいにはしてたけど、こうやってお風呂に入るのは初めてだね」

ミコ「……おみず、あったか……」

勇者「じゃあ髪の毛を洗っていくからね。目を閉じてね?」シャカシャカ

ミコ「あわあわ?」

勇者「うん。目を閉じてね」ワシャワシャ

ミコ「わ、わっ!?」ワシャワシャ

勇者「目を閉じてねー?」

ミコ「あ、あ、いたい! め、いたいっ!」

勇者「えっ、ちゃんと目を閉じてる? 閉じてないじゃない! ほら、お湯で目を洗って!」シャワワワ

ミコ「いたい……いたいよ……すーすーする……」グスッ

勇者「もぉ、目を閉じてねって言ったのに」

ミコ「ご、ごめんなさい、ごめんなさいっ……!!」

ミコ「き、きらい? ゆーしゃ、きらいに、なった? おこった?」ジワッ

勇者「そうじゃないよ。怒ってないし、嫌いじゃないよ。ミコちゃんに痛い思いをしてほしくないだけ。今度からはしっかり目を閉じてね?」ナデナデ

ミコ「う、うんっ」コクッ

勇者「ミコちゃんお肌弱そうだから、赤ちゃんにも使えるやつにしてたからね。目のダメージも少なくてすんだね」ワシャワシャ

勇者「はい、息とめてね。泡を流すからね〜」シャワワワ

ミコ「がぼ、ごぼぼっ、ごぼっ」

勇者「ミコちゃん? ちゃんと息とめてる? ミコちゃーん!?」シャワワワ



・・・・・・


ミコ「おふろ、すごい!」キラキラ

勇者「うん、すごいはしゃぎようだったよね。湯船のお湯がほとんど残ってなかったし……」

ミコ「あたま、あらうの、やだ!」

勇者「鼻が痛いって、ずっと泣き喚いてたもんね。今度からは、ちゃんと目を閉じて、息を止めてね?」

ミコ「うんっ」ニコッ

勇者「とか言ってるあいだに、気がついたら『天体』が生まれてたんだね。太陽が……それにたぶん、月や星も生まれてる……」

勇者「これで『時間』も生まれたわけか」

ミコ「?」

勇者「また今度、宇宙に行ってみようね。今度は、もっといいものが見れると思うから」

ミコ「んっ」コクッ

勇者「それじゃあ、『安価絵日記』を確認するよ?」パラパラ






——————・・・



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安価絵日記『地図にダーツを投げ刺さった所に行き、何かを作る事』



ミコ「なに、かいてある?」ズイッ

勇者「うんとね。ダーツってわかる?」

ミコ「?」

勇者「えっと、じゃあやってみせた方が早いね。ミコの力をちょうだい?」

ミコ「うんっ」パァァ

勇者「ありがと」ニコッ

ミコ「っ」トクン…

ミコ「……?」

勇者「まずはこの世界の地図を作る」キュィィン


地図「 パサッ


勇者「ミコちゃん、これは前の世界かな? それとも新しい世界かな?」ピラッ

ミコ「んー……わから、ない」シュン

勇者「そっか、地図を見たことがないとわからないよねぇ……」

勇者「とにかくこれをコルクボードに貼って壁に吊るして、そしてこのダーツの矢を……」

勇者「えいっ」ヒュンッ


ダーツ「 スコーンッ!!


勇者「あ……強く投げすぎて後ろの壁にも刺さっちゃった。……まあ、いっか」

勇者「えっと、場所はここだね。ミコちゃん、ここでなにかを作るっていうのが今回の『課題』なんだ」

ミコ「なにか、つくる?」

勇者「なににするかは、この場所を見てからにしよっか。とにかく、ヤモリ号でこの場所に飛んでみよう!」ニコッ

ミコ「うんっ!」ニコッ



〜?〜



勇者「ダーツが刺さったのはこの辺りだね。正確な座標だと、もうちょっと海沿いだけど」ザッ

勇者「ん〜、それにしても、やっぱり『太陽』は違うね。温度がある光っていうか……やっぱり『太陽』がないと、生き物はダメだね」

ミコ「……」キョロキョロ

勇者「当たり前だけど、植物以外、なんにもないところだね。さて、なにを作ろっか?」

ミコ「……」

勇者「ミコちゃん?」

ミコ「ここ、わかる……」

勇者「え?」

ミコ「ここ、しってる……」カタカタ

ミコ「やだっ! ここ、やだ!!」ギュッ

勇者「ミコ、ちゃん……?」

ミコ「やだ……やだぁ……」ギュゥゥ

勇者「この場所に見覚えがあるんだね? もしかして、ミコちゃんが以前住んでた場所なのかな?」

ミコ「うぅ……やだぁ……」ギュゥゥ

勇者「ミコちゃん。ボクの目を見て?」クイッ

ミコ「あっ……」

勇者「なににそんな怯えてるのかはわからないけど、だいじょうぶだよ。ほら、見てごらん? ここにはボクとミコちゃんしかいないんだから」

勇者「人も魔物も、動物も虫もいない。ボクと、ミコちゃんだけ。2人っきりだよ?」

ミコ「ふたり、きり……」

勇者「ミコちゃんは、ボクのことが怖いのかな?」

ミコ「っ」フルフル

ミコ「ゆーしゃ、こわく、ない」

勇者「そっか。じゃあ、落ち着いて? だいじょうぶだから。なにか怖いことがあっても、ボクが守ってあげるからね」ナデナデ

ミコ「……///」コクッ

勇者「ミコちゃんは、ここに住んでたのかな?」

ミコ「……」コクッ

勇者「そっか。そして、ここでヒドイ目に遭ってきた」

ミコ「……」

勇者「そんなとき、『安価絵日記』を使うために王国からの迎えが来て……」

ミコ「……っ」カタカタ

勇者「ユウシャといっしょに、世界を救うように命令されて……」

ミコ「」ガタガタガタ







勇者「そして世界を壊したんだね?」


勇者「ミコちゃん、『キミが』世界を」






ミコ「———っ」

ミコ「」ヘタッ

勇者「……やっぱり、そうなんだね」

ミコ「ご……めん、なさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ、ごめんなさいぃ……!!」ポロポロ

ミコ「ごめんなさい、ごえんなさい、ごぇんなさぃ……」ポロポロ

勇者「……ミコちゃん」

ミコ「っ!!」ビクッ

ミコ「き、きらい、ならないで!! ゆーしゃ、ごめんなさいっ! ごめんなさいっ!!」ギュッ

ミコ「おね、がい、きらいに……ゆーしゃぁ……」ポロポロ

勇者「……」

ミコ「あ……あぁぁ、……あああっ!」ガタガタガタ

勇者「」ギュッ

ミコ「……あっ……?」ポロポロ

勇者「今日まで、ほんの数日だけどいっしょにいて」

勇者「ミコちゃんが、なんの理由もなくそんなことするなんて思えないんだ」

勇者「だからきっと、しょうがない理由があるんだよね。ミコの力を使えば記憶だって覗けるけど……それはミコちゃんの覚悟が決まったらにしようね」

勇者「ボクはミコちゃんがとっても純粋で優しい子だってことを知ってる。だから、ミコちゃんがどんなことをしても、嫌いになんてならないよ」

勇者「だいじょうぶ。だいじょうぶだからね」ナデナデ

ミコ「……ぁ」

ミコ「あ、あぁ……うあああああああああんっ!!」ギュッ

ミコ「うああああああああああんっ!!」ギュゥゥ

勇者「よしよし。だいじょうぶだよ。ミコちゃんは、なんにも怖がらなくていいからね」

勇者「全部ボクが、『最善』に変えてみせるから」ニコッ



・・・・・・



勇者「ミコちゃんは、この世界が元通りになっても自分の村には帰りたくないんだよね?」

ミコ「……」コクッ

勇者「こんなに泣き腫れちゃって……。ミコちゃんは肌が真っ白だから、腫れちゃうと痛々しいね。治してあげる」パァァ

勇者「これでよし。やっぱり美人さんだね」ニコッ

ミコ「……びじんさん?」

勇者「うん。きれいとか、かわいいって意味だよ。昨日、お布団の中でしてあげた昔話のお姫様も、世界一の美人さんだったんだよ?」

勇者「まさに今のミコちゃんだね」ニコッ

ミコ「……///」

勇者「けど、ミコちゃんの場合は意地悪な女王様も毒林檎も近づけさせないよ。ボクやユキが守ってあげるからね」

ユキ「♪」クルクル

ミコ「……えへ」///

勇者「さあ、この場所になにを作るか決めたよ。ミコちゃんがおうちに帰りたくないって言うのなら……」

勇者「ここにおうちを作っちゃおう。この世界で一番美人なお姫様にふさわしい、おうちをね!」キュィィン


城「 ゴゴゴゴゴッ


ミコ「わあっ!?」///

勇者「白雪城……ってところかな。ミコちゃんにふさわしい、雪のお城だよ」

ミコ「ゆき? おしろ、くろい……」

勇者「うん。中は全体的に白いけど、外から見ると真っ黒なお城だね」

勇者「どうしてかは、そのうちわかるよ」ニコッ

ミコ「?」

勇者「生活スペースは一軒家くらいのサイズにしてあるから、広すぎて困ることはないと思う」

勇者「一軒家くらいの居住スペースが、ブロックごとにたくさんあって……うーん、マンションの全部屋を自由に使えるみたいな感じかな?」

勇者「今日からここが、ミコちゃんとボクのおうちだよ」

ミコ「ほんとっ? ここが、おうち!?」キラキラ

勇者「うん。中を案内するよ。ヤモリ号も城の敷地内に入れちゃおう」

ミコ「ゆーしゃ! はやく、はやくっ!」/// グイグイ

勇者「えへ。そんなにあわてなくっても、おうちは逃げないよ?」クスッ



〜白雪城・寝室〜



ミコ「スー……スー……」ギュゥゥ

勇者「今日はすぐに寝ちゃったね。まあ、あんなにはしゃいでたら無理もないか」

勇者「久しぶりの夕陽とか、満天の星空とか、もう一生分感動しちゃったんじゃないかってくらいはしゃいでたもんね?」

ミコ「……むにゃ……ゆーしゃぁ……」スリスリ

勇者「ふふ。幸せそうな顔しちゃってまぁ」ツンツン

ミコ「うにゅ……」ニヘラ

勇者(……実際、幸せなんだろうな。今までの人生と比べたら、こんな何気ないできごとでさえも)

勇者(この城には、『この世界のボク』が残る。だから、なにをしたって無責任だということはないよね)

勇者(めいいっぱい、ミコちゃんを幸せにしてあげよう)

勇者(きっとそれが、ボクにとっても『最善』だから)

勇者「おやすみ、ミコちゃん」ナデナデ

ミコ「スー……スー……」



〜白雪城・朝〜



ミコ「いただきまーすっ」

勇者「すっかりあいさつも板についてきたね。じゃっかんイントネーションがおかしいけど」

ミコ「?」ガツガツ モグモグ

勇者「そんなに急いで食べたら、のどに詰まらせちゃうよ?」クスッ

勇者「この白雪城のお姫様なんだから、もっとお上品に食べなきゃ」

ミコ「おひめさま……///」キラキラ

勇者「ほら、お姫様はほっぺたにご飯粒なんか、つけたりしないんだよ?」ヒョイッ

ミコ「あ……」

勇者「」パクッ

ミコ「!?」

勇者「どうかした?」モグモグ

ミコ「……なにも、ない……///」カァァ

勇者「?」

勇者「そうだ、『安価絵日記』の課題を確認しておこっか」パラパラ

勇者「今日の『課題』はねぇ……」






——————・・・



47ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

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ここが最後の世界です。よって、ストーリー終了となりかねない安価はひっそりと無効にしますので要注意。

次に書き始める直前に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。




↓+6まで。


ごめんなさい、まだぜんぜん書き終わらないよ! っていうか思いつかないよ!

お散歩瞑想法で、どうにかアイディアひねり出してきました。

ちなみに当たったのは童話です。意外とこういうのが一番苦労するんですよね・・・

仮面の悪魔は書いてみたかったなぁ。なにしてほしいのかがいまいちわからない安価だけど・・・

あと演劇が当たったら多分心が折れます。

じゃあ書いてきますー。


安価絵日記『ミコと共に童話を作りその世界に入って楽しめ』



勇者「ふぅん、童話かぁ……」

ミコ「ゆーしゃ、なに、かいてある?」

勇者「うんとね。ミコちゃんが眠れないとき、ボクがお話をしてあげたでしょ?」

ミコ「うんっ! おひめさま、おうじさま!」

勇者「そうそう。そういうお話を、ボクたちで作りなさいっていう『課題』なんだ」

ミコ「おはなし、つくる?」

勇者「そしたら、お話の中に入って遊べるんだってさ。どう、楽しそうでしょ?」

ミコ「たのしいっ!」キラキラ

勇者「えへ。それじゃあ、2人でいっしょに、とびっきり楽しいお話を作ろうね」ニコッ

ミコ「うんっ!」ニコッ



・・・・・・



ミコ「……」ジー

勇者(……ミコの力で、ミコちゃんも文字を読んだり書いたりできるようにしてみたら……すっごい真剣に童話集を読みあさってる)

勇者(ハラハラしたり、涙ぐんだり、笑ったり、表情がコロコロ変わって面白い。心が純粋なんだろうなぁ)

勇者「ミコちゃん、なにか良いお話、思いついた?」

ミコ「まだ……」ペラッ

勇者「そっか。とりあえずお昼までは読書の時間にしようね」

ミコ「うん……」ペラッ

勇者(いつもなら、どんな遊びをしててもボクが話しかけたらすぐに抱きついてくるのに)

勇者(これは、とっても良いお話ができるかもしれないね)クスッ

ミコ「……」ペラッ

勇者「……あ、あれ? ミコちゃん、なに読んでるの? その本、やけに分厚くない?」チラッ

勇者「うわっ! それ童話集じゃなくて旧約聖書だよ!? そんなので子供たちの心をキャッチできるの!?」

ミコ「ふむふむ……そどむは、やきつくされました……」ボソッ

勇者「ミコちゃーん!?」



・・・・・・


ミコ「ゆーしゃ、ゆーしゃ! おはなし、かいてみた!」

勇者「え、ほんとに? そっか、じゃあ見てみるね」

勇者「そのお話の中に入って、2人で楽しもう!」

ミコ「……」

ミコ「や、やっぱり、やめる」

勇者「え?」

ミコ「もひとつ、かいた。そっちにする!」トテテ

勇者「あ……。行っちゃった」

勇者「どうしたんだろ。入りたくないようなお話にしちゃったのかな?」

ミコ「」トテテ

ミコ「これ! これにする!」

勇者「それじゃあ、読んでみてもいいかな?」

ミコ「うんっ!」ニコッ

勇者「問題点とかを指摘していくから、どんどん良いお話にしていこうね」ペラッ

ミコ「はーい!」


〜『かみさまのおうち』〜



勇者「さて、お話が完成したから、中に入ってみたけど……。ここは、ボクらのおうちかな?」キョロキョロ

ミコ「おはなしのなか、はいれた!」/// キラキラ

勇者「現実世界と、ほとんどおんなじだね。違和感とかまったくないや」

ミコ「はやく、かみさま、さがそっ!」グイグイ

勇者「ミコちゃん……いちおうボクらは、まだ神様の存在を知らない設定なんだけどなぁ……」

勇者「それから、神様はあっちからボクらのおうちに来てくれるはずだったでしょ?」

ミコ「……そうだった。しっぱい」シュン

勇者「なるべくお話のキャラクターになりきってね。新鮮なリアクションをとろう」

勇者「えっと……ボクたちは、勉強が嫌いであんまり努力をしないような怠け者兄妹……だったよね?」

勇者「そんなとき町でシスターさんのお話を聞いて、神様のお仕事に憧れる」

ミコ「かみさまは、なんでもできる! かみさまに、なりたい!」

勇者「ってなことを言ってると……」


扉「 コンコン


ミコ「!」ピョコン

勇者「来たみたいだね。いま開けまーす」トテテ


扉「 ガチャ


男「おー、ここか。キミらかな? 神様になりたいって言ってる兄妹は」

勇者「おじさん、誰?」

神「俺は神様だ。この世界を管理してるんだが、年中無休で24時間労働だ。神様なんてやるもんじゃねーな……ブラック企業だぜ、マジで」

勇者(童話でそういうこと言わないでください)

ミコ「おじちゃん、かみさま?」

神「そうだぜー? けど今日は日曜日だしさ、俺もたまには安息日が欲しいわけよ。そんなわけで、神様になりたいっていうキミたちのところに来たわけ」

神「どう? 今日だけ、神様になってみたくない?」

ミコ「なる! なりたいっ!」/// ピョンピョン

神「おーおー、そうかそうか。そっちのお兄ちゃんはどうする?」

勇者「子供に任せてもだいじょうぶなんですか?」

神「よっぽどじゃないかぎり、俺があとからなんとかするから、おっけーだぜ!」

勇者「……じゃあ、ミコちゃんだけじゃ心配だから、ボクもやってみます」

神「そうこなくっちゃな! それじゃあ俺の家に案内するぜ! ついてきな!」


〜神様の家〜



神「それじゃあ、適当に頼むぜ! 夜になったら戻ってくるからよ! よろしくな!」


扉「 バタン


ミコ「かみさま! かみさまに、なった!」キラキラ

勇者「見たところ、普通の家だね」

?「そぉ見えんのは見た目だけやで? ほんまは、全部が世界に関わっとるんや」

ミコ「?」キョロキョロ

勇者「誰かいるんですか?」キョロキョロ

?「ここやで、ここ! 壁に張り付いとるやろ?」

ミコ「……やもり?」

勇者「うぅ……ボク爬虫類ダメなの……」

ヤモリ「あー、そぉゆぅ人は多いらしいなぁ。お嬢ちゃんの方は平気なんかいな?」

ミコ「むかし、よくたべてた!」ニコッ

ヤモリ「そ、そぉかいな。たくましいお嬢ちゃんやで……」

ヤモリ「とにかくこの家は、全部が『世界』につながっとるんや。だから、用心せぇや? うっかりなことやらかすと、大災害が起こりかねんさかい」

勇者「これ、この世界の地図ですか?」

ヤモリ「せやで。大事に扱ってぇや? 破いたりすると、大地がパックリいったるで?」

ミコ「あっ」ガツン


コップ「 ガタンッ


勇者「わ、ミコちゃん、だいじょうぶ? テーブルに思いっきり足ぶつけちゃったね……」

ミコ「いたい……」ウルッ

ヤモリ「あ゛ーっ!! 兄ちゃん、今ので倒れたコップの水が、地図にかかっとるやないかー! はよ拭き取ってやー!!」

勇者「えっ? あ、はい!」バッ

ヤモリ「あかんで、これは……A国とB国に大津波が発生してもぉた……」

勇者「えええっ!?」

ミコ「?」

ヤモリ「ほんま気ぃつけてや! この家にあるもん、全部がトラップ同然やからな!」

勇者「ミ、ミコちゃん、むやみに物に触らないでね……?」チラッ

ミコ「きんぎょ、ごはんだよー」パラパラ

勇者「ミコちゃーん!?」

勇者「……あ、でもエサをあげるくらいなら、大災害にはならないか……」

ヤモリ「世界中で貧富の差が急激に拡大しとるで! エサは全部の金魚に平等にあげなあかんねや!!」

勇者「ミコちゃん、ストップ! ストップ!!」

ミコ「?」



ヤモリ「ほんま頼むで……。あの神様も大概適当やけどな……」

ミコ「ゆーしゃ、これ、なに?」

勇者「これはチェスだね。本来は白と黒しかないんだけど、なんでかこのチェスはカラフルだね」

ミコ「どうやるの?」

勇者「駒をね、こうやって動かして……敵の駒を取るの」スッ

ヤモリ「あー! その駒はそれぞれの国を表しとるんや! 今のでD国がG国の植民地にされたで!!」

勇者「えええっ!? も、戻そう! えっと、こっちの駒がここで……」

ミコ「つくえ、じゃま。あっちやるね?」グイッ


机「 ゴゴゴゴゴゴッ


ヤモリ「世界規模の大地震が起こっとるで! 兄ちゃん、それやめさせてぇやー!!」

勇者「ミコちゃんストーップ!!」ガシッ

ミコ「?」キョト

勇者「まったく、勝手に物を動かさないでってあれほど……」ガツン

勇者「おっとぉ!?」ガシッ

ヤモリ「……危なかったのぉ、兄ちゃん。そっちのコップは『海』を表しとるんや。それこぼしたら『大干ばつ』やったで?」

勇者「あ、あぶなかったぁ……」

ヤモリ「……ん? ちょ、兄ちゃん、その手を早く離してぇや!」

勇者「え?」

ヤモリ「兄ちゃんの体温で、海水の温度がどんどん上がっとる!! 極地の氷が全部溶けるで!?」

勇者「うわわっ!?」パッ

勇者「冷やさないと……ふーっ、ふーっ!」

ヤモリ「ハリケーンが起こっとるで!? しかも冷えすぎて寒波も来とる!!」

勇者「ひゃああっ!?」

ヤモリ「いったん落ち着こうや! リセットやで! とりあえず動かんと、冷静になりぃや!」

ミコ「ちょろちょろ〜♪」

勇者「植木鉢に水をあげるのはやめてミコちゃん! たぶん雨が大変なことになって……ひゃあっ!?」ガツンッ

ヤモリ「兄ちゃんもさっきから物を蹴っ飛ばしすぎや! もぉちょい落ち着きぃや!?」


・・・・・・


ミコ「♪」ニコニコ

勇者「神様って、大変なんですね……」

ヤモリ「せやろ? まあ、慣れんと厳しいやろなぁ」

ヤモリ「せやけどな、神様の仕事でいっちゃん大事なんはな、そんなんちゃうねん」

ヤモリ「いっちゃん大事なんは……『これ』や」

勇者「……水槽? ……の中で、砂が浮き沈みしてる……」

ヤモリ「これはな、人々の『努力』を表しとるんやで」

ミコ「どりょく?」

ヤモリ「砂が上に浮かんでれば浮かんでるほど、がんばって努力しとる証や。逆に沈んどるんは怠けとるっちゅうわけやな」

ヤモリ「そんでな、ちょいと、水槽の上から息を吹きかけてみぃや、兄ちゃん」

勇者「……ふーっ」

ミコ「あっ! ひかった!」

ヤモリ「砂が、砂金に変わったやろ?」

勇者「まさかこれって……『成功』ってことですか?」

ヤモリ「察しがええな、兄ちゃん。その通りや。神様が息を吹きかけると、がんばって努力しとる奴は成功する」

ヤモリ「せやけど、当然、水面まで上がってこんと、息はかけられへんやろ?」

ヤモリ「それに、水面をしばらく見とき」

勇者「?」

ミコ「?」

勇者「……あっ! せっかく水面まで上がってきたのに、息をかける前に沈んでいっちゃった……」

ヤモリ「がんばって努力したっちゅうのに、努力が報われなかったと勘違いして、努力をやめてしまったんやな。もったいない」

ヤモリ「神様かて、ずっとここで砂を見とるわけにはいかん。トイレも行かなあかんしな。それを知らん人々は、すぐに努力をやめてまうんや」

ヤモリ「さっきからずっと水面に浮かんどる奴もおるし、砂金になったのに浮かびっぱなしの奴もおるやろ?」

勇者「……努力は、報われるんですね」

ヤモリ「やめない限りは、いつか神様に気づいてもらえるやろな」

ヤモリ「底の方に沈んどるのは、たまに棒でかき混ぜたらな一生沈みっぱなしやけどな」

ミコ「ふーっ、ふーっ!」

ヤモリ「おーおー、張り切っとるなぁ。今年は景気が良くなりそうや!」

勇者「……これが……神様のお仕事」



扉「 ガチャ



神「たっだいまー! あー、久しぶりに息抜きできたぜー!」

ヤモリ「お前……なに子供に世界任しとんねん! どんだけワイが大変やったと思っとるんや!!」

神「悪い悪い。そんでキミたち、神様の仕事はどうだった? まだやりたいか?」

勇者「いえ、もういいです」

ミコ「えーっ?」

勇者「ミコ、おうちに帰って勉強しよう? いつか、キラキラできるようにね」ニコッ

神様「へへっ。なるべく早く気づいて、息かけてやるからな!」

勇者「おねがいします。それじゃあ、お邪魔しました!」ペコッ

ミコ「おじゃましましたー!」ペコッ

神様「また来いよ! じゃあな!」

ヤモリ「達者でなー! 頑張りぃやー!」



・・・・・・


勇者「こうして怠け者だった2人は家に帰ってから真面目に勉強し、立派な大人になりましたとさ。めでたしめでたし」

勇者「」パタンッ

ミコ「……」ウトウト

勇者「お話を考えるのにたくさん頭を使ったし、お話の中でいっぱい遊んだから、疲れちゃったかな?」

ミコ「……ねむ」コクッ…コクッ…

勇者「あらら。舟漕いじゃってる。ほら、お膝を貸してあげるから」ポンポン

ミコ「むにゃ……」ゴロン

勇者「おつかれさま。おやすみ、ミコちゃん」ナデナデ

ミコ「ゆーしゃ……おやすみ……」

ミコ「スー……スー……」スヤスヤ

勇者「……さてと」ギュッ

ミコ「」ヒョイッ

勇者「ミコちゃんの部屋に運んであげないとね。こんなところで寝たら風邪ひいちゃう」

勇者(それにしても、ボクが手を加えたのはほんのちょっとだけ……このお話のほとんどはミコちゃんが書いたものなんだよね)

勇者(今日の今日まで本なんて読んだことなくって、旧約聖書を読んでたせいで童話は3冊くらいしか読めなかったはず)

勇者(……これが才能ってやつなのかもね)チラッ

ミコ「……ゆぅ……しゃ……♡」ニヘラ

勇者(この才能をちゃんと磨けば、いつかきっと……キラキラできるよ)ニコッ


扉「 ガチャッ


勇者「よい、しょっと」ギシッ

ミコ「スー……スー……」

勇者「これで、よし」

勇者「さて、気づけばもう外は暗いなぁ。とりあえず、晩御飯は作っておかなくちゃね」スタスタ

勇者「……ん?」

勇者「これ、もしかして……ミコちゃんが最初にボクに見せようとしたお話?」ピラッ

勇者「……」

勇者「……これって……」



『けがれたハト』


『あるところに かわいそうなハトが いました』

『かのじょは なかまたちと ちがい うまれつき からだがしろく いじめられていました』

『かのじょは チェスが とくいでしたが いきていくために やくにたたないと ばかにされていました』

『ごはんは なまゴミや のこりもので いえにもいれてもらえず あついひも さむいひも あめのひも かぜのひも そとでねていました』

『ときどき おとうさんや おかあさんに であうと かのじょはきまって なぐられたり けられたり していました』

『きがつくと かのじょの しろいからだは よごれて くろくなっていたのです』

『ハトたちは カラスたちと いつもたたかっていました』

『しかし おたがい そんなまいにちにつかれて どちらがつよいのかを チェスできめることにしました』

『ハトのみんなは チェスがとくいな かのじょをよびだして たたかうように めいじました』

『けれど かのじょは さんざんいじめられてきた ハトたちなんかのために たたかいたくは ありませんでした』

『そこで たたかいのひ かのじょは チェスばんに コーヒーをかけてしまいました』

『しろ と くろ の チェスばんは そのせいで ぜんぶが まっくろになってしまいました』

『おこった ハトやカラスは みんな へやから でていってしまいました』

『かのじょは すっかりまんぞくして まっくろになった チェスばんを かたずけようと てをふれました』

『そのとき おひさまが のぼっていた あおぞらが とつぜん まっくろになり よるになってしまいました』

『そして かのじょいがいの みんなが ねむってしまったのです』

『いつまでたっても よるのまま あさはきません みんなもおきません』

『かのじょは じぶんが どれだけたいへんなことを してしまったのかにきづき こうかいしました』

『けれど みんなはおきません かのじょが どれだけないても あやまっても もうだれも おきませんでした』

『かのじょは まっくろなせかいで ひとりっきりで すごしましたとさ』

『おしまい』




勇者「……」

勇者「」チラッ

ミコ「……うぅ……ん……」モゾモゾ

ミコ「……ご……さい……ごめん……なさぃ……」ツツー

勇者「……」

勇者「……ごはんは、ミコちゃんが起きてからでもいっか」



〜白雪城〜



ミコ「んぅ」パチ

ミコ「……あれ?」

勇者「スー……スー……」

ミコ「ゆーしゃ、まだ、ねてる。めずらし……」キョト

ミコ「……おしっこ」モゾモゾ

ミコ(ゆーしゃ、おこさないように……)ギシッ、ギシッ

ミコ「……?」

ミコ「おはなし、ちらかってる……」ピラッ

ミコ「!!」



『かのじょは じぶんが どれだけたいへんなことを してしまったのかにきづき こうかいしました』

『けれど みんなはおきません かのじょが どれだけないても あやまっても もうだれも おきませんでした』

『かのじょは まっくろなせかいで ひとりっきりで すごしましたとさ』

『■■■■』

『そんなあるとき かのじょのはんせいが とどいたのか いちわのハトが かのじょのまえに あらわれました』

『かれは ていねいに チェスばんの コーヒーをふきとり たおれたこまを たてなおして ならべました』

『すると まっくろだった そらは あおぞらを とりもどし もとどおりに なりました』

『かれは いいました』

『「きみは じゅうぶん はんせいしたはずだ。 だからもう なかなくて いいんだよ」』

『「きみも ハトも カラスも みんなで なかなおりして やりなおそう」』

『つぎに かれは チェスの しろ と くろ の こまを こうごに ならべました』

『すると ハト と カラス の あらそいは ぱったりとやんで せかいは へいわに なりました』

『かれは いいました』

『「きみの すなおで まっしろな こころに ほれてしまった」』

『「きみが いえに かえりたくないなら、 ぼくのおしろに しょうたい するよ」』

『なんと かれは となりのくにの おうじさま だったのです』

『こうして かのじょは おうじさまと けっこんして、 かれの おしろで すえながく しあわせに くらしましたとさ』

『めでたし めでたし』




ミコ「……あ、ぁ……」ポロポロ

ミコ「」チラッ

勇者「……」スヤスヤ

ミコ「よる、ずっと、これかいてたの……?」ポロポロ

ミコ「だから……」ポロポロ

ミコ「……っ」グシグシ

ミコ「」スタスタ

勇者「スー……スー……」

ミコ「ゆーしゃ、ありがと」ニコッ

ミコ「ミコ、ゆーしゃこと……だいすきだよ」ギュッ



・・・・・・



勇者「そういえば、昨日はとくに何も世界が創られなかったような気がするんだけど、なにが変わったのかな?」

ミコ「とりと、おさかなが、うまれた」

勇者「あ、そうだったんだ。それじゃあ、今日はほかの動物たちも生まれたのかな?」

ミコ「ひとも、まものも、うまれた」

勇者「そうなんだ! それじゃあ、もうほとんど元通りなんだねっ!」

ミコ「うんっ!」

勇者「あれ、もう全部じゃないのかな……? まだ2頁くらい残ってるはずだけど……今日で『最悪』を返済して、ここから『最善』になるのかな?」

ミコ「ゆーしゃ、がんばろっ!」ニコッ

勇者「ん? ……うん、そうだね」

勇者「ミコちゃん、なんだか初めてノリ気になってるね。なにかイイことでもあった?」

ミコ「ゆーしゃ、おうじさま、だから♡」ニコニコ

勇者「……え?」

勇者(あああっ!! 昨日、ミコちゃんのお話を書き加えたやつ、片付けるの忘れてたー!!)

勇者「あぅ……///」

ミコ「ミコ、ゆーしゃいれば、ぜんぶしあわせ!」

ミコ「ゆーしゃ、だいすき!」ニコッ

勇者「……えへ。ありがと、ミコちゃん。ボクも大好きだよ」ニコッ

勇者「それじゃあ、きっちり残りの『課題』も達成しないとね!」パラパラ

勇者「今日の『課題』は……」






——————・・・



48ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

ここが最後の世界です。よって、ストーリー終了となりかねない安価はひっそりと無効にしますので要注意。

次に書き始める直前に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。




↓+6まで。


安価絵日記『何でも良いから少しの努力でも報酬に出来るシステムを作れ』



勇者「……む。どうしたものかな」

ミコ「なに、かいてある?」

勇者「小さな努力でも、それに報酬が発生するようにしなきゃいけないんだってさ」

ミコ「……?」キョト

勇者「まあ、そうなるよね……」

勇者「でもちょうどいいかもしれない。このタイミング、すっごくちょうどいいかも……」

ミコ「?」

勇者「えへ。さすが『安価絵日記』だね。『最善』に向かっていってるみたいだよ」バサッ

勇者「それじゃあ、ちょっと出かけてくるね」ニコッ


〜上空〜



勇者「……そういうことなんだ」バサッ、バサッ

勇者(『家』がない。だから『村』や『町』とかもない。まだ創られてないんだ)

勇者(人間はポツポツいるけど、服も着てない。これまでに築き上げてきたものがないんだ)

勇者(つまり、今日の『課題』を達成して次に創られるものは『歴史』なんだ。人間や魔物がこれまでの時間の中で作ったもの、築いたものが誕生する)

勇者(彼らには昨日の記憶も、『最悪』以前の記憶もないんだ……ただこの世界に発生しただけの、生物)

勇者(これじゃあ、ボクの考えも実行できそうにないね。今日のところは『課題』のシステムだけ構築して終わりにしよう)


〜白雪城〜



勇者「ただいま」

ミコ「おかえり、ゆーしゃ!」ダキッ

勇者「えへ。ミコちゃんもあいさつとかが、わかってきたみたいだね」ナデナデ

ミコ「♪」スリスリ

勇者「ねえ、ミコちゃん」

ミコ「?」

勇者「ミコちゃんって、絵は描ける?」

ミコ「え? かく?」

勇者「……そうだよね、スプーンも見たことがないのに、絵が描けるわけないよね」

勇者「ほら、これが紙で、これがペン。ちょっとお手本に、なにか描いてみるね?」

勇者「こうやって、こうして……」キュッ、キュキュッ

勇者「こういうふうに!」バンッ


(名状しがたい人型のなにか)


勇者「ね?」ドヤッ

ミコ「……」

ミコ「それ、なに……?」

勇者「ミコちゃんとユキ!」キラキラ

ミコ「……」

ユキ「」ヒュンッ スパッ!!

勇者「あああっ!? なんでボクの絵を斬っちゃったの!?」

ミコ「よく、わかんないけど……ゆーしゃ、えをばかにしてる……」

勇者「———っ!?」

ユキ「#」ヒュンヒュンッ

勇者「ああ……ユキが見たことないくらい怒ってる……」

勇者「やっぱりボクじゃ、お手本にすらならないよね……うん、それはなんとなくわかってたよ……」

勇者「しょうがないなぁ……」

勇者「イラストが上手な、あの子に会いに行こっか」

ミコ「?」


〜魔王城〜



魔王「つかれたぁぁ……」グテー

側近「おつかれでーす。じゃあ次の書類っす」ドサッ

魔王「鬼かっ!? いつになったら余はゆっくり休めるのだ!?」

御子「勇者くんとの約束通り、人間側と和平を結んだら大忙しだね」

魔王「あの阿呆ども、こちらが下手に出ていればつけあがりおって……何度消し飛ばしてやろうかと思ったことか……」

側近「もう『安価絵日記』もないし、こっちが本気になりゃ一瞬で潰せるんだよなー」

魔王「そこのところを理解しておらぬのだ、あの老人どもは!」

御子「まあまあ。これは魔王ちゃんにしかできないことなんだから」

魔王「……むぅ。そ、そうなのだがな。うむ」

側近(チョロいなぁ、魔王様は)

魔王「」ピクッ

御子「魔王ちゃん、どうかした?」

魔王「何者かが空間魔法でここに来る」

側近「敵っすか?」

魔王「魔王軍に空間魔法を使う者などおるまい」

御子「ちょ、ちょっと待って。もしかして……」

側近「え、マジで?」

魔王「……? なんなのだ、2人とも。心当たりがあるのか?」

御子「心当たりもなにも……」


空間「 バヂヂヂヂヂッ


勇者「よいしょっと。わあ、ピッタリ魔王城だぁ!」


魔王「ゆ……勇者っ!?」

御子「勇者くん!」

側近「おー、おひさー」

勇者「わっ、みんな久しぶり! 1ヶ月も経ってないのに、すっごく懐かしいなぁ!」

魔王「勇者っ!」トテテ… ダキッ!

勇者「よしよし。えへへ、魔王ちゃん、ひさしぶり」ニコッ

魔王「来るのが遅いではないかっ! もうちょっと早く来ても良かったのだぞ!!」ギュゥゥ

勇者「ごめんね。あれからも、いろんな世界を旅してて……」

御子「……勇者くん」スッ

勇者「御子ちゃんも、ひさしぶりだね」ニコッ

御子「うん。なんか、ちょっと見ないうちに全然雰囲気変わったねっ」

勇者「え、そうかな?」

御子「頼もしいっていうか、凛々しいっていうか」

御子「ジャンヌ・ダルクって感じかなっ!」

勇者「あ、それでも女なんだね……」

側近「ちょいと聞いておくれよ勇者くん。こいつらず〜っと勇者勇者勇者勇者ってうるさいんだよ」

勇者「側近さんも、おひさしぶりです」ニコッ

勇者「そうなの? 2人とも」

魔王「そ、そんなことも、なかったような気が、しないでもないぞ……?」///

御子「う、うん……そうだよね。ちょっと大げさだよね、側近さんは……」///

勇者「まぁ、なにはともあれ」

勇者「また会えて嬉しいよ、みんなっ!」

魔王「うむ! 余も嬉しいぞ!」

御子「おかえり勇者さん! 今日は泊まってくの?」

側近「それとも、なにか用事があってきたのかい?」

勇者「じつは、そうなんだ。『課題』とは関係ないんだけど、ボクが今いる世界の『巫女』で、ミコちゃんって子がいるんだけど……その子に絵を教えてあげてほしいんだ」

勇者「ほら、おいでミコちゃん」

ミコ「……」ヒョコッ

勇者「みんなに紹介するね。この子が、今の世界で『安価絵日記』のサポートをしてくれてる……」

ミコ「ミコ、です……よ、よろしく……」///

御子「えっと、この世界の御子だよ。よろしくね」

魔王「この世界の魔王だ。よろしくたのむぞ」

側近「魔王様の側近っす。しくよろー」

側近「ま、立ち話もなんだし、座ってお話しようぜー」

勇者「はい。それじゃあ、順を追って説明していきますね」


・・・・・・


魔王「なるほど、それでその童話とやらの挿絵を描きたいというわけか」

勇者「うん。でもミコちゃんは絵を描いたことがないらしいし、ボクは……」

魔王「うむ。勇者は……な」

御子「まあ、ほら、ね」

側近「壊滅的にヘッタクソだからなー」

勇者「……」ジワッ

魔王「こら側近! もっとオブラートに包まぬか愚か者!」

勇者「いいもん……絵が下手でもいいもん……」シクシク

御子「えっと、それで私に会いに来たってわけなんだね」

勇者「うん。絵と言ったら御子ちゃんしか思い浮かばなかったから」

御子「……なぁんだ。じゃあ私たちに会うのがメインじゃないんだ。ふーん」

勇者「えっ!?」

魔王「そう……なのか……?」ジワッ

側近「所詮、私らは昔の女ってわけよ……」フッ

勇者「ち、違うよぉ! その気になればボクの画力をミコの力で上げることだってできたんだから……!」

勇者「けど、みんなに会うために、そうしないで……みんなに会いたいって……思ったのに……」ウルッ

魔王「まったく、御子、側近! そなたらは、なんとヒドイことを言うのだ!」キリッ

側近「うわ、あの幼女汚い! さすが魔王様汚い!!」

魔王「上司を汚い言うな! 余はべつに勇者を悪く言ってなかろうが!!」

御子「勇者くん、いじわる言ってごめんね? それで、ミコちゃんに絵の描きかたを教えればいいんだね?」ニコッ

勇者「ボクじゃ教えられないから……おねがい、御子ちゃん」

御子「うん、任せといて! 勇者くんのためならなんだってしちゃうよ!」

魔王「こ、こやつの方がよっぽど汚いぞ……」


・・・・・・



御子「猫ってわかるよね? たとえば猫を描くとすると……」サラサラッ

御子「こんな感じになる」

ミコ「わああっ! すごい!」/// キラキラ

ミコ「すっごく、かわい! ゆーしゃの、へんなのと、おおちがい!」///

御子「ぷふっ! ……おほんっ! そういうこと言っちゃだめだよ。勇者くんだって頑張って描いたんだからね」

御子「……ふふっ……」プルプル


・・・・・・


勇者「……なんだろ。生きる気力が抜けてく……」ポケー

魔王「ゆ、勇者よ。目が虚ろだぞ。気を確かにもつのだ」ペチペチ

側近「絵が下手っぴでも大丈夫だって。っていうか私は、勇者くんの絵は、なんていうか味があると思うよー」

勇者「え……?」///

側近「昔の画家とかもね、最初は画壇に受け入れられなくって、餓死したりしてたんだよ。けどそれが、後世になって評価された」

側近「あのミコって子の絵本と一緒に、勇者くんの画集でも出してみたら? 意外にそういうのがウケるかもよ?」

勇者「……そ、そうかなぁ……えへ、えへへ」///

魔王「側近、あまりおだてるでない。本気にしたらどうするのだ」

勇者「」ピシッ

側近「いや、割とマジで言ってますけど? 勇者くんは磨けば光ると思うんだよなー。Tシャツとかにプリントしたら売れると思うっすよ?」

魔王「え、あ、冗談ではなかったのか……? あは、あはは……」

勇者「……魔王ちゃん。親愛の情を込めて、思いっきりギュッてしてあげるね?」ギュゥゥゥゥッ

魔王「うぎゃああああっ!! 『勇者』の力で締め付けるでないっ!! 余が、余が悪かったから! ごめんなさいっ!!」ミシミシッ

勇者「まったくもう。あんまり、いじめないでほしいなぁ」ナデナデ

魔王「うぅ……すまぬ」

魔王「あいたたた……あ、やばい、これはやばいやつかも……」ヨロッ

勇者「え……!? ご、ごめんね!? えっと、ど、どうしよう……!?」オロオロ

魔王「よし、ちょっと余の寝室まで来るのだ勇者よ。そこでマッサージを……」ニヤ

側近「純粋な勇者くんを騙してナニしようとしてんすか、アンタは」ゴチッ

魔王「あいたっ!? 上司を殴るでないっ!!」

勇者「あははっ。もぉ、みんな変わらないなぁ……」クスクス

魔王「ふふ。変わらぬとも。ずっとここは、そなたの居場所でもあるのだからな」ニコッ

勇者「うん。なるべく顔を見せるようにするよ。今度は、もっとたくさんの仲間を紹介するね」ニコッ

側近「楽しみだねー。ま、どうせ勇者くんのことだからハーレムなんだろうけど」

勇者(……ひ、否定はできないなぁ……)///



ミコ「ゆーしゃ、みて! これ、みて!」ピョンピョン

勇者「どれどれ……うわあ、上手じゃない! ミコちゃんは絵も描けるんだねっ!」ナデナデ

ミコ「えへへ」///

勇者「ミコちゃんにはクリエイティブな才能がありそうだね。今後はそういう方面の才能を伸ばしていけたらいいね」

ミコ「いっぱい、がんばるっ!」ニコッ

勇者「それじゃあ、そろそろ暗くなってきたし帰るとするよ」

魔王「うむ……名残惜しいが、仕方ないか……」

御子「今度はいつごろ来れるかな?」

側近「っつーか『安価絵日記』が終わったら、世界越えってできんの?」

勇者「ボクの友達に、すごい魔法使いがいるんです。彼の魔法なら異世界にだって行けちゃうので、大丈夫ですよ」

勇者「時間ができたら、またすぐにでも顔を出すね、みんな」ニコッ

御子「うん、待ってるよ! またね!」

魔王「うぅ……ぜったいだぞ? すぐ、きてね……?」

側近「待ってるよー。あっ、あと蛹のヤツも寂しがってたから、たまには会いに行ってあげなよー?」

勇者「え、そうなんですか? えっと、じゃあ今度パレットタウンに行ってみます」


空間「 バヂヂヂヂヂッ


勇者「それじゃあ、また!」ニコッ

ミコ「みんな、ありがと。ばいばいっ!」ニコッ



〜白雪城・寝室〜



ミコ「そういえば……かだい、どーした?」スリスリ

勇者「うん。『努力』をすると、近くの砂が砂金に変わるようにしたよ」ナデナデ

勇者「普通の人なら、まあ、お小遣い程度の収入だろうけど……たとえば画家とか、スポーツマンみたいな人たちが本気で『努力』してれば、生活費がなんとかなるレベルかな」

ミコ「?」

勇者「だからね、ミコちゃんが童話作家になるためにがんばって『努力』すれば、とりあえずは働かなくてもだいじょうぶってこと」

ミコ「どうわ、さっか?」

勇者「ミコちゃん、お話を書いたり絵を描いたりって、大好きでしょ?」

ミコ「うんっ!」

勇者「ボクだけじゃなくって、もっとたくさんの人に見てもらいたいと思わない?」

ミコ「お、おもう、けど……できる?」

勇者「できるさ。ミコちゃんなら」ニコッ

ミコ「……///」

ミコ「きょうも……むねが、とくとくして、ねれないかも……」///

勇者「そっか。それじゃあ、目を閉じて? また、お話をしてあげるから」ポン、ポン

ミコ「これ、すき。せなか、ぽんぽんされるの、すき」///

勇者「それなら、ミコちゃんが寝るまで、ずっとやってあげるよ」ポン、ポン

勇者「むかしむかし、あるところに……」ポン、ポン


〜白雪城〜



勇者「たぶん、今日で完全に世界が元通りになったはずだよ。……『歴史』が創られて」

ミコ「……」コクッ

勇者「そして『安価絵日記』が49頁目……つまり、最後の頁になった。この世界に来てからこなした『課題』の数から言っても、次の『課題』で、この世界は『最善』になるはずだよ」

勇者「ミコちゃん、心配しなくても、だいじょうぶだよ。ボクが全部、『最善』にしてみせるからね」ニコッ

ミコ「しんぱい、してない。ゆーしゃのこと、しんじてるっ!」

勇者「えへ。ありがと」ニコッ

勇者(この『課題』が終わったら、『神の褒美』が待ってるんだよね……)

勇者(いったい何なんだろう……『神の褒美』って……)

勇者「それじゃあ、最後の『課題』を確認するよ……!」パラパラ

ミコ「……っ」コクッ

勇者「最後の『課題』は……」






——————・・・



49ページ目に表示された『課題』を、句読点含め31文字以内でお願いします。

文字数オーバーは無効扱いとなります。

次に書き始める直前に@がサイコロを振って、出た目に対応した安価を採用します。




↓+6まで。


安価絵日記『愛さえあれば、種族の壁を超えて子を生せる世界にしろ』



勇者「これが……最後の『課題』……」

ミコ「なに、でた?」ズイッ

ミコ「……」

ミコ「……これ、どーゆーこと?」

勇者「もしもの話だけど……ボクとミコちゃんが人間と魔物だったとするでしょ?」

ミコ「う、うん」コクッ

勇者「そして、お互い、本気で愛しあうとする。手を繋いでお出かけしたり、ちゅーしたりする」

ミコ「……うん……///」カァァ

勇者「でも、子供ができないんだよ。つまり、お父さんとお母さんになれないんだ」

勇者「結婚した2人には、子供がよくいるでしょ? ちっちゃくてかわいい子が。あれが、できないんだ」

勇者「体の構造が違いすぎると、子供ができないの。ミコちゃんのお父さんとお母さんが違う種族だったとしたら、ミコちゃんが生まれてこなかったってことになる」

勇者「それって、嫌だよね?」

ミコ「や、やだっ! こども、ほしい!」

勇者「だから、種族が違くっても、子供ができるようにしなさいっていうのが、この『課題』なんだよ」

ミコ「……それ、すごいっ!」キラキラ

勇者「まあ、それ自体はミコの力を使っちゃえば、そんなに時間がかかるようなものじゃないんだけど……」

勇者「それよりも、ミコちゃんといっしょに行きたい場所があるんだ」

ミコ「?」

勇者「だいじょうぶ、そんなに遠いところじゃないよ」

勇者「飛んでいくから、掴まって?」バサッ


〜ミコの村〜



勇者「えっと、ミコちゃんのおうちはどこかな?」

ミコ「ゆ、ゆーしゃ、かえろ? ね? かえろ?」カタカタ

勇者「ごめんミコちゃん。怖いよね。でも、どうしてもボク、ミコちゃんのご両親に、ご挨拶しておきたいんだ」

ミコ「……」キュッ

ミコ「……あ、あっち……あっちの、はしっこ」

勇者「ありがと。それじゃあ、いこっか」ニコッ

ミコ「……っ」チラッ

村人「」ヒソヒソ

ミコ「」ビクビク

勇者「……」

勇者(ミコちゃんが世界を壊したときの記憶は、誰ももってないみたい。じゃなければ、パニックになってるだろうし)

勇者(それも都合がいいね。もしかしたら『最善』のおかげで、そうなってるのかもしれないけど)

ミコ「」ビクッ

勇者「あの男の人が、お父さんかな?」

ミコ「……っ」コクコクッ

ミコ「」ガタガタ

勇者(こんなに震えて……よっぽど心の傷が深いんだろうな)

父「んん〜っ? お前、ミコかぁ? なに帰ってきてんだおめぇ……」ズカズカ

ミコ「ひっ!?」キュッ

勇者(酔ってる……こんな朝から)

勇者「どうも、はじめまして」スッ

父「誰だぁ、おめぇは? 引っ込んでろ!」ブンッ

勇者「」パシッ

父「おおっ……!?」ギリギリ

勇者「どうも、ボクは勇者といいます。あそこに見える黒いお城の主です。以後お見知りおきを」ペコッ

父「あの城……あの気味の悪ぃ城を建てやがったのはてめぇか!!」

勇者「気味が悪いかはさておき、まあ、そうです」

勇者「そして、今日はお嬢さんを……ミコちゃんを頂くことを報告しにきたんです」

父「あぁ?」チラッ

ミコ「っ」ビクッ

父「おいミコぉ……おめぇ……いや、おめぇがいなくなることはどうでもいいんだ。けどな、俺に断りもなく、勝手なこと決めやがったのが許せねぇ……」ギロッ

父「おめぇ、なんとか言ってみろォ!!」

ミコ「……ぅ、ぁ」ジワッ


勇者「ミコちゃんが決めたわけじゃありませんよ。ボクがミコちゃんをほしいと思ったんです」

父「……てめぇも」ガシッ

勇者「……」グイッ

父「それが娘をもらう許可を頂く態度かぁ? 何様なんだ、てめぇはよぉ……あァ!?」

勇者「誤解があるみたいですね」

父「あ?」

勇者「ボクは、娘さんを頂く許可を、頂きにきたわけじゃありません。娘さんを頂く、と、報告をしにきたんです」

勇者「もう、ミコちゃんは『ボクの』なんですよ」ギュッ

ミコ「!」///

父「てめぇ……!!」グッ

ユキ「」ヒュンッ

父「うっ!?」ピタッ…

勇者「ボクもけっこう怒ってますけど……ユキはボク以上に怒りっぽいから気をつけてくださいね」

勇者「義理の父親の首が飛ぶところなんて、見たくないですから」

父「……っ」ビクッ

ユキ「#」ヒュンヒュンッ

勇者「今日はそれだけ報告にきたんです。もうミコちゃんは、あの城のお姫様になりました……とね」

勇者「それから最後に一つ。いま、あなたの記憶を覗きました」

勇者「どうやらミコちゃんの髪が白かったり瞳が紅かったりしたのが、あなたと奥さんの不仲の原因みたいですけど……」

勇者「ミコちゃんのこれは、ただの色素異常です。どこかの病院に連れていけば、すぐにわかるような有名な症状ですよ」

父「!!」

勇者「もちろん、あなたの奥さんが浮気してできた子供というわけではありません。もうちょっと深く考えてから、行動すべきですよ」

勇者「ミコちゃんも、最後に何か言っておくことはある?」

ミコ「……」

ミコ「いままで、おせわ、なりました。ミコ……いま、すごく、しあわせ」

ミコ「ばいばい、おとーさん」ニコッ

父「……っ!!」

勇者「行こうか、ミコちゃん、ユキ」バサッ

ミコ「うんっ!」ギュッ

ユキ「♪」ヒュン

父「ま、待て!」

勇者「……」チラッ

父「ミ……ミコを……」

父「……たのむ」

勇者「……」

勇者「言われなくても、ですよ。お義父さん」バサッ


〜宇宙〜



ミコ「わ〜〜〜っ!!」キラキラ

ミコ「すごい! きらきら、たくさんっ!」///

勇者「でしょ? 前回は星が誕生する前に来ちゃったからね。ほんとは、これが見せたかったんだ」

勇者「地上から見る満天の星空もきれいだけど……宇宙なら、どこを見ても星空だし。それに、星の大気が邪魔してないから、もっときれいなんだ」

ミコ「きれい! それに、たのしいっ! およぐの、すき!」ニコッ

勇者「無重力かぁ。この血液が全身に均等になる感じ……すっごく懐かしいなぁ。まだミコちゃんが、その白い髪にコンプレックスを持ってた時期だよね」

勇者「こんなにきれいなのにね」ナデナデ

ミコ「あ、ぅ……」///

勇者「……あっ! ミコちゃん、あれ見て!!」

ミコ「?」スイー…

ミコ「!?」

ミコ「あ、あめ……?」

勇者「流星群だよ!」

ミコ「〜〜〜っ♡」キラキラ

勇者「これは、ミコちゃんの日頃の行いかな」

ミコ「すごいっ! すごーい!!」///

勇者(ボクが仕込んだんだけどね。ミコの力で無理やり再現しちゃった)

勇者「ちょっと、雪に似てるね」

ミコ「ユキ?」チラッ

ユキ「?」クルクル

勇者「あはは、ユキじゃなくって。ミコちゃんは雪を見たことがないんだよね?」

ミコ「う、うん……ゆーしゃ、ゆきみたいって、いってくれる。でも、わからない……」

勇者「ミコちゃんの住んでる辺りには、雪は降らないみたいだしね」

勇者「というわけで、ミコちゃんにサプライズを用意したよ!」

ミコ「さぷらいず?」キョト


〜白雪城〜



ミコ「———っ」

勇者「宇宙に行ってる間、城の周りに雪を降らせてみたんだ。もうすっかり積もってるね」

ミコ「ゆ、……ゆーしゃ……え、これ……しろいの……」

勇者「触ってごらん?」スッ

ミコ「……ひゃっ!? つめた。すっごく、つめた……!」///

勇者「うん。これが雪なんだ。手で丸めると、こういう風に固められるし、投げられる。子供はよく投げ合ったりとかするらしいよ」

勇者「それで、白雪城を見てごらん?」

ミコ「?」チラッ

ミコ「———っ!!」

勇者「いつもは真っ黒だけど、雪が積もって、白くなってるでしょ?」

ミコ「きれい……しろと、くろ……」///

勇者「お城が白いと、雪が積もった時に見栄えが悪いから。だからいつもは真っ黒なんだけど……」

勇者「お城も、その向こうの木も黒いから、白い雪が映えてキレイに見えるでしょ?」ニコッ

ミコ「き、きれいっ! すっごく……!!」コクコクッ ///

勇者「えへ。気に入ってもらえてよかったよ。それじゃあ、寒いからそろそろお城に入ろっか」

ミコ「もうちょっと、もうちょっと……だけ……」グイッ

勇者「……!」

勇者「そうだね。もうちょっと、こうしてよっか」キュッ

ミコ「う、うんっ!」///

ミコ(……手、あったか)///


〜白雪城〜



勇者「もう、すっかり夜も更けたね……」

ミコ「……」

勇者「そろそろ、かな」

勇者「あの『課題』を達成するシステムは、もう組んである。あとは起動するだけだよ」

ミコ「……」

勇者「そんなに悲しい顔しないで? この世界には、『この世界のボク』を残してあるんだから」

ミコ「……そう、だけど……」

勇者「どっちが偽物とか、そういうことはないんだ。これからずっと、ボクらはいっしょだよ」ナデナデ

ミコ「……う、うん」///

勇者「人間がみんな再構成されたなら、ボクがここにいるのはおかしいよね。だからきっと、天地創造の最後の1日は、『勇者』が創られるんだと思う」

勇者「それで、ボクはこの世界からいなくなるんだ。『勇者じゃないボク』は、これからもずっと、いっしょだけどね」

ミコ「……ゆーしゃ、ありがと。いっぱい、ありがと……」ジワッ

勇者「ボクの方こそ……この8日間、すっごく楽しかったよ。ありがとね」ニコッ

勇者「立派な童話作家になるんだよ。ミコちゃんなら、たくさんの人を感動させられる、すごい作家さんになれるから」

ミコ「……がんばる。いっぱい、がんばるから!」

勇者「うん!」ニコッ

勇者「」スッ

勇者(システム、起動)キュィィィン


安価絵日記「 パァァ


勇者「……それじゃあ、ミコちゃん。元気でね」スゥゥ

ミコ「ゆーしゃも! ゆーしゃ、げんきでね!」

ミコ「ありがと……ゆーしゃ、ありがとっ!!」ポロポロ

勇者「」ニコッ

勇者「『この世界のボク』は、いつもの寝室で寝てるよ」

勇者「ほんとは『逆』なんだけど……起こしかたは、わかるよね?」

ミコ「!」

勇者「それじゃあ、ばいばい」スゥゥ

勇者「」フッ

ミコ「……」

ミコ「……ゆーしゃ」

ミコ「」ダッ


〜寝室〜



勇者「スー……スー……」

ミコ「ゆーしゃ。おきてない」

ミコ「おこしかた……」

ミコ「……///」カァァ

勇者「スー……スー……」

ミコ「ねぼすけの、ゆーしゃは……ミコが、おこしてあげる」

ミコ「ゆーしゃ……おきて」

ミコ「」チュッ


勇者「」パァァ


ミコ「!!」

勇者「」

ミコ「……」ドキドキ

勇者「……」

勇者「王子様も、お姫様のキスで目覚めるんだね」

ミコ「!!」パァ

勇者「おはよう、ミコちゃん」ニコッ

ミコ「ゆーしゃ、おはよっ!!」ギュッ




〜勇者の家〜



勇者「……」フラッ

勇者「」ポスッ

巫女「勇者様……?」キョト

勇者「……ただいま、巫女ちゃん」ゲッソリ

巫女「おかえりなさいませ、勇者様」

巫女「帰ってくるなりベッドに倒れこむとは……どうなさったのでございますか?」

勇者「……うぅ……あの音が……車椅子の音が、耳から離れない……」ガクガクガク

巫女「……?」

勇者「そうだ、巫女ちゃん。これ」スッ

巫女「!」

勇者「『安価絵日記』がぜんぶ埋まったよ」ニコッ

巫女「……」

巫女「それでは、確認致します」ペラッ




1P『巫女とせっくす』

2P『巫女とせっくす』

3P『巫女が陰部性転換し、勇者が気丈な巫女の金玉を潰れるまで拷問』

4P『巫女の全身の穴という穴に鉄の杭を差す』

5P『野外でセックる』

6P『さっきの幼女を暴力的にレイプして処女喪失させる』

7P『複数の幼女サキュバスに陰部男体化した巫女と一緒に散々犯される』

8P『幼なじみを、気づかれないように電車で痴漢』

9P『あの幼女の母親を、幼女の父親から目の前で寝取って家庭崩壊させる』

10P『最近近くで暴れている山賊(女)を退治(意味深)』

11P『巫女とデート』

12P『大人数のために少人数を切り捨てる正義の味方になれ』

13P『錯乱し巫女を刺そうとする幼馴染を死をもって止めろ』

14P『詐欺しまくった女占い師を男衆に輪姦させ一生彼らの肉便器にする』

15P『人間の王子と魔物の姫の、禁じられた恋を成就させる』

16P『好きな漫画の1シーンを再現』

17P『やる気のない鍛冶屋の一人娘に、立派な鍛冶屋になる決意をさせる』

18P『神子とセックス』

19P『東方神霊廟のクリア  EXはご自由にどうぞ 』

20P『神子を控えめで清楚な大和撫子にする』

21P『勇者がいろんな男たちとセックス』

22P『一緒に勾玉作り』

23P『大災害によって怪我などをしている魔物たちをできるだけ助けろ』

24P『御子と魔王に種付け』

25P『二人で欲しい魔法生物をデザインして絵日記部分に描け。創造する』

26P『住処を失った全ての種族が共存して住める街を作り、治める』

27P『蛹の本能を穏やかなものに改変しろ』

28P『御子・魔王・勇者の3人でふたなりセックス』

29P『1年に1日、犯罪を起こせなくなる日を作れ。尚、慣習にする事』

30P『この星全ての知的生命体に、劣化版安価絵日記が現れる様にしろ』

31P『全ての存在の妄想を代理する世界を、現実と分けて作れ』

32P『人が捕獲した魔物から作った合成魔獣達を倒して街を守る』

33P『全身性感帯になった魔王を勇者と御子でイカしまくる』

34P『ゴミや危険物、有害汚染物質・波動を食べて生き、増える存在を作れ』

35P『勇者が自分の心の闇の部分と真に一つとなり、制御出来る様にせよ』


36P『究極のコーヒーを友達全員で楽しめ』

37P『異勇者の代わりに国王を勇者とし、旅に同行させ現実を分からせろ』

38P『過去に環境変化が原因で絶滅するしか無かった命を別の星に移せ』

39P『魂を守護・管理している死の神に会い、輪廻転生の大切さを教わる』

40P『勇者の過去へ向かい、己が残酷な運命を改変せよ』

41P『魔法使いをチート改変、蘇生魔法を使える様にし、安価絵日記を渡せ』

42P『この世界の歴史を知れ』

43P『勇者が居なくなっても寂しく無いように分身を作れ』

44P『人間以外の実態、意思を持つ構造体を生成せよ』

45P『可愛らしくもお洒落で快適な暮らしが可能な宇宙船を創造しろ』

46P『地図にダーツを投げ刺さった所に行き、何かを作る事』

47P『ミコと共に童話を作りその世界に入って楽しめ』

48P『何でも良いから少しの努力でも報酬に出来るシステムを作れ』

49P『愛さえあれば、種族の壁を超えて子を生せる世界にしろ』



巫女「」パタン

巫女「はい、確かに。『安価絵日記』、全49頁……」

巫女「すべて使い切りました」




安価絵日記「 パァァ…!!


勇者「!!」

巫女「!!」

勇者「いったい、なにが起きるの……!?」

巫女「それは、わたくしにも……」


安価絵日記「 スゥゥ…

安価絵日記「 フッ…


勇者「あれ? 『安価絵日記』が……消えちゃった」

巫女「……『神の褒美』とは、いったいなんなのでございましょう」


紙「 ペラッ


巫女「?」

勇者「なんだろ、これ」ピラッ

勇者「!! ……これって」

巫女「『安価絵日記』の、1頁でございますね。なにも書かれてはございませんが……」

勇者「……」

巫女「まさか、これに自由に書き込めるということなのではございませんか……?」

巫女「『巫女の力』は、『安価絵日記』の『課題』を達成するための能力」

巫女「例えばここに『世界征服をする』とでも書けば、それを必ず実現させることが可能でございます」

勇者「つまり、実質この紙は……願いをなんでも叶えられる、魔法のランプみたいなものってことだね」

勇者「それで、隠された『50頁目』……」

勇者「『紙の褒美』ってことなんだ」

巫女「……この50頁目、如何致しましょう?」

勇者「なんでも思い通りにできる……か」

巫女「これは勇者様のご尽力の賜物でございます。すべて、勇者様の決定に従います」

巫女「ここまで滅私の活動をしてこられたご自分への褒美とするも、世界の平和を願うも、勇者様次第でございます」

勇者「……」

勇者「じつは、もしもボクが自由に『課題』をきめられるのなら……って、考えたことがあるんだ」

勇者「それを、書いてもいいかな。これはボクだけじゃなくて、巫女ちゃんも巻き込んじゃうことなんだけど……」

巫女「……」

巫女「」チュッ

勇者「!!」

巫女「どこまでも、お供致します」ニコッ

勇者「……えへ」ニコッ

勇者「」サラサラ






安価絵日記『新しい安価絵日記を創造し、仲間と共にこれからも多くの世界を救え』






勇者「……どう、かな?」

巫女「ふふ。勇者様らしい、素晴らしい『課題』でございます」ニコッ

巫女「」パァァ


安価絵日記「 トサッ


勇者「……またお前にお世話になることになりそうだよ。『安価絵日記』」スッ

勇者「ねえ、2人とも。そろそろ入っておいでよ」チラッ


扉「 ガチャッ


幼馴染「完全に気配を消してたのに、どうしてわかるのよ……」

親友「それはそうさ。俺たちなら、この場面でここにいないはずがないんだから」クスッ

勇者「旅に出るよ。世界を救う旅に」

勇者「ついてきてくれる?」

幼馴染「ふん! この私を差し置いて、世界を救うなんて許さないわよっ!」

幼馴染「今度こそ私も一緒に、戦うんだからっ!!」

親友「待ってたんだ。『7年間』もずっと、今日、この瞬間をね」

親友「なにを置いても、必ずついて行くに決まっているさ!」

巫女「わたくしも、今回は最初の世界でしかご一緒することはできませんでした」

巫女「わたくしはずっと、勇者様の『隣』を歩いてゆきたいのでございます」

勇者「……えへ。大好きだよみんな」ニコッ

勇者「それじゃあ、出発しよう! 世界を救う旅に!!」


勇者「今日の『課題』は———」





勇者「『安価絵日記』で」 巫女「魔王討伐でございます」


完。


お疲れ様〜っ!
>>1さんは、”実は個人的に当たって欲しかった安価”とかはありましたか?


くぅ疲!

えっと、2週間ちょっとですか……長らくお付き合い頂き、ありがとうございました!

49ページはかなりちょうどいいページ数でしたね。ちゃんと計算して決めたんですよ。ホントダヨ……。

エピローグとか完全に蛇足になりそうじゃないですか? コメント次第ということで……

エピローグ見たいね
それと>>1さんの本音とか

>>930

実は個人的に当たって欲しかった安価……ですか?


序盤:ガチ安価。

中盤:設定掘り下げ安価。

終盤:エロ安価。


……です。終盤の「その設定をもとに小説一本書けるだろ!!」っていうのはマジで怖かったです。エロ安価が恋しくなるとは思いませんでした。

今、ざーっと今までの安価を急いでさらってきました。やってみたかったやつの具体例です。



悪のサーカスを破壊
→温めてる設定に、団員みんな狂人のサーカス団があるから使ってみたかった。

魔物に改造された勇者の姉から逃げるシスターたちを村まで護送する
→この段階では、勇者の過去は「蛹に襲われ暴走、蛹もろとも両親や親友を殺害」だったので、この安価が当たってれば、後の展開がまったく変わってたと思います。

安価絵日記に隠された秘密を解き明かせ
→べつに隠された秘密があったわけじゃないけど、なんとなく面白そう。

人間に生物兵器にされたこの世界の勇者からパレットタウンを守れ
→もうちょっと蛹を活躍させたかった。あと苦戦する敵がいないのを問題視していたため。

他の魔族に襲われている優しい心を持った魔物を助けろ
→普通に書いてて楽しそう。

勇者の能力が消える
→御子やパーティの仲間との接点が希薄。キャラを掘り下げたかった。

仮面の悪魔を追い返せ
→響きがかっこいい!

ミコを守る事に特化した専用の装備品一式を作ってやれ
→魔道具とか考えるの大好き。@はそういうアレな病気だから。

>>937

@の本音。


幼馴染を出して恋のライバルにしよう!
→なんでみんな幼馴染じゃなくて幼女に食いついたの……? おかげでライバルどころか当て馬になったよ……

巫女の世界から神子の世界へ移った本当の理由
→「魔姫を寝取って孕ませる」とかいう安価が来てしまうことを危険視したため。

御子の世界で魔王にエロ安価が向けられたとき
→せっかく魔物サイドに来たんだから、モン娘系になると思ってたのに……また幼女か……

皇女
→皇子の誤植。やっちまった……。意味は変わらないけど。


→「物語をかき乱すトリックスターがほしい」というコメントがあったので、出してみました。……次の『課題』で即無力化されましたけどね……ふふ(涙)。

元ネタ
→死霊(キュベレー)。冥府の女王(外見はヘル。性格は前スレの魔王)。ミコの世界(天地創造)。皇子の世界の国王(ゼロス+親善大使)。

以前書いた安価をもう一度書く行為
→ぶっちゃけやめてほしかった。新しい安価を見るのが楽しみだったから……

AOさん(ホームレスの人)
→ガチで一回も当たらなくて、なんか申し訳なくなりました。サイコロに恨まれてるんじゃないかってくらいの外れっぷり。なんかごめんなさい。当たってたらちゃんと書いてたよっ!

じゃあエピローグをこさえますね。どういう形式にするか考えてきます。


エピローグの形式を決めたいです。


1、(1年後の世界で)勇者に対する好感度ベスト10人と、下位から順番に1人1人対談する。

2、1ページ目から順番に、『課題』で指定された人物と一緒に『課題』を振り返る。

3、(勇者と)お互いに『本名』を知っている人物全員と軽く対談。


↓+3までの多数決おねがいします。


安価絵日記『勇者に対する好感度ベスト10と、下位から順に対談せよ』



勇者「またおかしな『課題』が出たもんだね」

巫女「それでは、あなたはこの部屋で待機しておいてくださいませ。わたくしが相手方を召喚し、案内致しますので」

勇者「うん。おねがいね、巫女」

巫女「はい、あなた」ニコッ

親友「これはなかなか緊張するね。俺は一体、何位なんだろうか」

幼馴染「わ、私はランク外だと思うけどねっ……」///

親友「ふぅん? 一緒に旅をしているのに『仲間として』の好感度がそんなに低いのかい?」

幼馴染「えっ……!?」

巫女「幻滅でございます。もしも3位以内に入っていなかったら、パーティを抜けていただくことも視野に入れなければなりませんね」

親友「全くだよ」

幼馴染「う、嘘よ嘘! そ、そうよね、『仲間として』好きなら別に問題ないわよねっ! あは、あはは……」

勇者「2人とも、あんまり幼馴染をいじめないでねー?」

巫女「申し訳ございません、つい」

親友「いじめ甲斐があるんだよね、幼馴染は」

幼馴染「〜〜〜っ!!」

勇者「もぉ、そのストレスは後で全部ボクに向けられるんだから……」




〜10位 魔法使い〜



魔法使い「随分と久しぶりじゃない……勇者」

勇者「あ、魔法使いちゃん! 1年ぶりくらいだね!」

魔法使い「そうね……あれ以来、ほんっとに一切会いに来ないものね……!!」

勇者「あれ……魔法使いちゃん、なんか怒ってる……?」

魔法使い「べ・つ・にぃ? 怒ってなんかないわよぉ……ふふ、ふふふ」

魔法使い「ただ、他の世界にはしょっちゅう顔を出してるって聞いたんだけど、それってどういう意味なのかなぁって……ね」

勇者「だって、魔法使いちゃんたちの世界では、きっぱりきれいにお別れできたから」

勇者「あれでもう一度会いに行ったら、なんだか恩着せがましい気がして……」

魔法使い「あれはあんたが勝手に消えただけでしょ!? きれいにお別れどころか、失踪も同然じゃない!!」

魔法使い「どの世界でもそうなのかと思って無理やり納得してたら、さっき外にいた女が、ぜんぜんそんなことないって言うし……!!」

勇者「あはは……えっと、ごめんなさい……」

魔法使い「っていうか、あんた男だったの!? しかも子持ち!?」

勇者「あ、うん。魔法使いちゃんを案内したのが妻の巫女。背中で寝てるのが娘の勇子。えへへ、どっちも美人さんでしょ」ニコッ

魔法使い「こっちは本気で、親友とか恩人とか救世主とか思ってたのに……こいつはぁ……!!」

魔法使い「……」

魔法使い「はぁ……。もう、いいわよ。それより、恩着せがましいとか思わないから、私たちの世界にも顔を出してよ」

魔法使い「皇女も武闘家も異勇者も、会いたがってるんだからね」

勇者「そうだったんだ。ごめん、すぐに顔を出すよ」

勇者「みんなの様子はどう?」

魔法使い「あの後、私の蘇生魔法で魔王と和解して、私たちが人間と魔物の橋渡しになったわ。その功績で、みんなそれぞれの道を進んでる」

魔法使い「武闘家は、報酬には手をつけずに山篭り。あんたの強さに憧れて、自分を磨く毎日ね」

魔法使い「皇女は、報酬を全額寄付して、各地でボランティアに励んでるわ。あの子はあんたの優しさに憧れたみたいね」

魔法使い「自分の力に自信がなくて奥手だったあの子だけど、あんたのおかげで自分にもできることがあるんだって思えるようになったらしいわよ」

魔法使い「異勇者は、『勇者』としての力を手に入れるために精神修行をしているわ。あいつも、あんたの『勇者』らしさに憧れてるんでしょうね」

勇者「魔法使いちゃんは?」

魔法使い「私は、人間と魔物の仲介みたいなことをやってるわ。魔王とかその息子と仲良しになったし、国王は私に頭が上がらないし、適任だったわ」

魔法使い「……私も、あんたみたいになりたいって思ったのよ。弱さを言い訳にしないで、人の役に立ちたいってね」

勇者「そこまで言われると、なんだかくすぐったいなぁ」

勇者「みんなが『最善』の道を歩いてるみたいで、安心したよ。今度はこっちから会いにいくからね」ニコッ

魔法使い「絶対だからね。忘れるんじゃないわよ!」


〜9位 神子〜



神子「よっ」

勇者「今度は神子ちゃんかぁ。神子ちゃんもけっこうひさしぶりかな?」

神子「ん。2ヶ月ぶりくらいじゃない?」

勇者「もうそんなになるのかぁ。女勇者ちゃんは元気にしてる?」

神子「元気元気。元気すぎて、また魔王と殴り合いしてるわよ」

勇者「あはは。相変わらずみたいだね」

神子「それにしても、私が9位かぁ。アンタは相変わらず無茶な人助けしてるわけ?」

勇者「無茶しないといけないような『課題』は、神子ちゃん以降はほとんどないんだよ」クスッ

神子「なによそれ。私が悪いみたいじゃない」

勇者「神子ちゃんがもうちょっと聞き分けがよかったら、ボクもトラウマを患わなくてもよかったのになー、なんて」

神子「わ、悪かったわよ。あの時は、アンタのことよく知らなかったし……」

神子「終盤にあの『課題』が出てれば、アンタとヤってやったわよ」

勇者「えへ。冗談だよ。当時は神子の力の使い方がまだまだだったね。今ならもっと簡単に達成できるよ」

神子「……アンタには、かなり助けてもらってたわよね。聞けばほかの人たちはもっとヒドイ目に遭ってたりするのに、私はほとんど被害なかったじゃない?」

神子「アンタがほとんど肩代わりしてくれてたからなんだけどさ」

勇者「あの時はボクも、気づかないうちにパニックになってたんだと思うよ。それまで頼りにしてた巫女がいなくなって、それでも『課題』は達成しなくちゃいけなくって……」

勇者「ちゃんと神子ちゃんと向き合って、協力してればよかったんだよね」

神子「……そうね。アンタは1人で背負い込みすぎなのよ」

神子「今は頼れる仲間がいるみたいだけど、それでも手が足りなくなったら、私たちのことだって頼っていいんだからね!」

勇者「えへ。その時は、おねがいね」

神子「ん。任しときなさい」

神子「それから、ちゃんと勾玉は持ってる?」

勇者「うん! そういえばこの前死にそうになったとき、この勾玉のおかげで助かったんだよ!」

神子「ふぅん、さすが『安価絵日記』に従って作った勾玉ね。勾玉に込めた『願い』がしっかり機能したのね」

勇者「どんな『願い』を込めたの?」

神子「またアンタが無茶して傷ついたとき、癒してあげてください……ってね」

勇者「そんな『願い』を込めてたんだぁ。いきなり勾玉が光りだしたから、びっくりしちゃったよ」

神子「散々アンタに助けられたんだから、これでまず1つは返せたかしらね」

勇者「うん。えへ、これからもよろしくねっ!」ニコッ

神子「ふん……まあ、よろしく」プイ


〜8位 側近〜



側近「おいっすー」

勇者「わあ、側近さん! どうもです!」

側近「いやー、私が8位かー。光栄光栄」

側近「っつかぶっちゃけ、もう上位メンバーの予想ってつくよね」

勇者「あはは……まあ、なんとなく」

勇者「でも消去法でいくと、1人思いつかないんですよね、6人は思いつくんですけど……」

側近「んー。なんとなくその1人はわかったわ。多分次か、その次あたりでくるなぁ」

勇者「そうなんですか?」

側近「っていうか、こんな色気のない話をしてていーのかい? なんかこう……近況を報告し合い、久闊を序する深い語り合いをすべきなんでは?」

勇者「側近さんにそういうのは求めてないですよー。あはは」

側近「うわーお。昔の勇者くんからは想像できない毒だぜぇ……」

側近「ま、親しみの表れっつーことにしときましょうかね」

勇者「長い付き合いですからね」

側近「あの2人が勇者くん中毒だからねー。週1くらいのペースで勇者くんを見てるから、久しぶりでもなんでもねーし、近況を報告もなにもないんだよねー」

勇者「そう言うと、なんだかボクが2人に振り回されてるみたいですけど……ボクも息抜きのためにみんなに会いに行くんですよ?」

勇者「もちろん、側近さんに会うのも楽しみにしてますしね」ニコッ

側近「そりゃ光栄だねー。ま、私もあの2人に負けず劣らず勇者くんのことは普通に好きだからなー。あ、もちろん友達としてね?」

側近「なんつーかなー。勇者くんを含めた、みんなのあの空気が好きなんだよ」

側近「……あー……なんかガラじゃないな。もっとこう、私って適当キャラだからな。うん、今の無し!」

勇者「えぇー?」クスッ

側近「ま、今日も世界は平和ですっつーことで、いっちょ頼むぜー」

勇者「もう、相変わらずですね」クスクス

側近「これからもシクヨロだぜー」ニッ

勇者「はい、よろしくお願いします」ニコッ



〜7位 蛹〜



蛹「……マジかにゃ……」

勇者「えぇー……お前かぁ……」

蛹「そりゃこっちの台詞だにゃ。ってかにゃんで俺が7位にゃんだ? お前、そんにゃに友達いにゃいのか?」

勇者「やめてよ、結構ほんとに凹んでるんだから。さっきまでの3人って、じつはボクのこと嫌いなの……?」

蛹「まあ、お前は魔王城へ遊びに行くたびに、帰りにパレットタウンに寄るからにゃ……。にゃんだかんだで俺らも結構付き合い長いと思うにゃ。元気出せって」

勇者「……うん」

蛹「……」

勇者「……」

蛹「……いや、にゃんか喋れよ」

勇者「お前が喋ってよ。ボク、底まで下がったテンション上げるのに忙しいから……」

蛹「チッ、しょうがにゃいにゃあ……んーと……」

蛹「あ、そういえば、こにゃいだのパレットタウン町長選挙で当選しちゃったにゃ」

勇者「え、ほんとに? けっこう倍率高くなかった?」

蛹「立候補者8人だったにゃ。けどぶっちぎりで俺が当選。そもそも俺、立候補してにゃいんだけどにゃあ……」

勇者「前町長は強制的に選挙に参加でしょ。けどすごいじゃん」

蛹「にゃはは。誰かさんの本能書き換えのせいで、人助けしにゃいといけないからにゃ。この1年で、無駄に人徳は身に付いたにゃ」

勇者「人助けって……パレットタウンは、そんなに敵が多いの?」

蛹「むしろ内輪揉めとかだけどにゃ。あと、精神的にゃ悩みとかもあるし」

勇者「あー、そっか。それは大変だね。ごめんごめん」

蛹「いや、意外と悪くにゃいかもって思い始めてきたにゃ。こりゃ末期かもにゃ」

勇者「お前、なんだかんだで基本良い奴だもんね」

蛹「やめろよ、痒くにゃるだろ」

蛹「でも事務仕事がダルいんだにゃぁ……。あのチビ魔王とバカ国王がかったるい会議してるから、中立の俺らは神経使うにゃ……」

勇者「あー、なるほど。魔王ちゃんに言っとくよ」

蛹「マジか。さんきゅー。あ、それから、天使様グッズの売上は相変わらず好調だにゃ。売上はまたボランティアに使う感じでいいのかにゃ?」

勇者「うん、それでおねがい」

蛹「了解にゃ」

勇者「蛹は優秀だなぁ。よし、ご褒美にマタタビをあげようか」ゴソゴソ

蛹「やめろにゃ! この前、お前にそれやられた時の写真が選挙ポスターとかにも使われたんだからにゃ!? 仲間にめっちゃ笑われたにゃ!!」///

勇者「あはは、ごめんごめん。冗談だって。まあでも、押し付けちゃったパレットタウンをしっかり管理してくれてることには感謝してるよ。ほしいものがあったら、なんでも言って?」

蛹「もうお前のDNAも貰っちゃったし、べつに欲しいものはにゃいにゃ。あの街の管理も俺が好きでやってることだし、気にするにゃよ」

勇者「そう? じゃあ、これからもおねがいね、蛹」

蛹「ま、飽きるまでは、任されといてやるにゃ。勇者」



〜6位 御子〜



御子「というわけで、私だよ! 勇者くん!」

勇者「やあ、御子ちゃん。3日ぶりくらいだね」

御子「寂しかったよ〜」ギュッ

勇者「わわっ。ここに来て初めてのボディタッチだよ」ナデナデ

御子「魔物のみんなとは仲良くなったけど、やっぱり人間の感触が一番なんだよっ!」

勇者「えへ。御子ちゃんも今じゃ、魔王城でたくさん友達つくってるもんね」

御子「最初はみんな、魔王の世話係の人間ってことで興味本位で近づいてくるんだけどね」

御子「気がついたら仲良くなってるんだっ!」ニコッ

勇者「御子ちゃんは異世界にもよく遊びに行くから、魔王軍としても貴重の人材だろうね」クスッ

御子「うん、あのクワガタちゃんのおかげでね。あの時描いた魔法生物は、みんな役に立ってるよ」

御子「勇者くんが描いた、あの変なウネウネも、交渉相手の腹の底が見え見えになっちゃうしね。だから最近は私も会議についていくことが結構あるよ」

勇者「どんどんたくましくなっていくね、御子ちゃん……」

御子「いったん『最悪』を経験して這い上がったからね。もう怖いものなんてそうそうないよっ!」

勇者「あはは。その怖いものの代表みたいな魔王と家族だもんね」

御子「勇者くんともね!」

勇者「うん、そうだね。ボクらは家族だ。血のつながりはなくても、世界救済のために一致団結した……」

御子「なんかそう言うとかっこいい感じだけど、主にえっちしてるか天使様かのどっちかだったよね」

勇者「それは言わない約束だよ、御子ちゃん……。『課題』の最後の方は、けっこうシリアスだったんだよ?」

御子「私たちのときも、勇者くんの過去も乗り越えたじゃない」

勇者「ああ……あれね。うん、ほんとに感謝してるよ。弱いままでも世界救済の旅は続けてただろうけど、やっぱり勇者の力のおかげで救えた人達もたくさんいたからね」

勇者「ボクの醜い部分を受け入れてくれて、ありがとう」ニコッ

御子「勇者くんに醜い部分なんてないよ? 私は全部が好きだもん」

勇者「えへ。ありがと」

御子「うわ〜。好きって言われ慣れてる反応だよ、それ……」

勇者「そんなことないって。ボク、友達少ないんだから」

勇者「けど少なくても、ほんとに大事な人が少しいれば、それでいいんだと思えるようになったよ」

御子「……そっか」ニコッ

勇者「ボクの旅は、全部が『最善』だったよ。御子ちゃんたちとの出会いもね」

御子「うん、『最善』だった。それに、これからもずっと続いていくんだろうね」

勇者「そうなるように頑張るよ」

御子「うん! 私も精一杯協力するからねっ!」


〜5位 ミコ〜



ミコ「ゆーしゃ!」ダキッ

勇者「おっと。えへ、ミコちゃんひさしぶり」ニコッ

ミコ「ひさしぶり〜! でも、ゆーしゃとは昨日も会ったよ?」

勇者「そっちの世界のボクでしょ? どう、ボクは元気にしてる?」

ミコ「あはは、それ、変な言葉!」

ミコ「うん、ゆーしゃは、元気だよ! 昨日の夜も、朝まで元気っ!」

勇者「……深くは聞かないことにするよ」

ミコ「ゆーしゃ、髪、伸びたね?」

勇者「うん? そういえばそうだね。初代『安価絵日記』の頃も、肩ぐらいまであったけど……」

勇者「なんかね、天使活動してるとみんなから髪伸ばしてってよく言われるようになって、切るに切れなくって……」

勇者「そう言うミコちゃんも、ずいぶん雰囲気変わったね」ニコッ

ミコ「そうかな?」キョト

勇者「うん。見た目もすっかりお姫様になってるけど……やっぱり中身だね。自信に満ち溢れてる感じがする」

ミコ「やっぱりゆーしゃ、なんでもお見通し」ニコッ

ミコ「ゆーしゃのおかげで、童話作家になったよ。まだそんなに数は出てなけど、みんな有名!」

勇者「ほんとに!? すごいじゃないっ!」

ミコ「えへ。みんなのおかげ。ゆーしゃも一緒に考えてくれて、宣伝もしてくれる」

ミコ「絵は、相変わらず下手っぴだけど」クスクス

勇者「うぅ……やっぱりボクはボクだね……」

ミコ「ゆーしゃのおかげで、人間、魔物、仲良くなった。おとーさんとおかーさんとも、仲直りした」

ミコ「ゆーしゃが来てくれなかったら、真っ黒な世界で、ミコ、ずっと1人きり。ほんとに、いっぱいいっぱい、感謝してるよ」

勇者「……うん。これからもミコちゃんみたいに助けを待ってる人のために、旅を続けていくよ」

ミコ「ゆーしゃにもらった、この幸せ。大事にして、これからも続くように、がんばるね」ニコッ

勇者「応援してるよ。なにか困ったことがあったら、いつでも言ってね。そっちのボクにもよろしく」ニコッ

ミコ「うんっ!」


昨日でちょうどお休みが終わりなので、更新時間はご了承・お察しでお願いします。……なんとか安価は終わらせたから問題ないとは思いますけど。


〜4位 魔王〜



魔王「勇者ぁぁ〜〜っ!」トテテ

魔王「」ダキッ

勇者「わっと……!」ギュッ

魔王「なんたることだ、この余が4位とは、一生の不覚であるぞっ!」

魔王「しかし勇者のことを最も大切に思っているのは……」

魔王「……いや、まあ、『それ』は巫女に譲ってやろう……」

魔王「けど、その次くらいには、勇者のことを想っておるぞっ!」ギュゥゥ

勇者「ふふ。ありがと、魔王ちゃん」ナデナデ

勇者「けどこれは『好感度』だから、付き合いの長さはどうしようもないんだよ」

勇者「こんな順位で、誰かを軽んじるってことはないからだいじょうぶだよ」ニコッ

魔王「それでも、4位は不服なのだぁ……」

勇者「もぉ……魔王ちゃんったら……」クスッ

勇者「そうだ、蛹のやつが愚痴ってたよ。人間の国と魔族の国の会議が悠長だって」

魔王「む……勇者、またアレの味方をするのか……?」

勇者「そんなんじゃないって。ただの報告だよ。それだけ」

魔王「ふーん……。しかし、会議の件は人間の王が悪いのだ。なにを置いても議会の決定がどうとか、国民の不満がどうとか、自分では何一つ決められぬのだ! 愚かな……!」

勇者「あはは……人間は腕っぷしで偉くなるわけじゃないから、『みんなの目』を気にしなくちゃいけないんだよ。そこは魔王ちゃんもいっしょになって、どうすればいいかを考えてあげてくれないかな?」

魔王「むぅ。勇者がそう言うのなら……今度から、考えてやらんでもない……」

勇者「魔王ちゃんは聞き分けがよくて、優しい子だね」ナデナデ

魔王「ふん、そうやっていつまでも子供扱いするでない……えへへ」///

勇者「それに、人間側も焦ってるんだよ。『勇者』を失ってしまった以上、魔王を、魔族を恐れる気持ちが高まるのも無理はないと思うよ」

魔王「『安価絵日記』が消滅した世界では、『勇者』も1週間くらいかけて徐々に力を失っていく……」

勇者「力は失わないよ。失うのは『加護』。勇者しか使えない魔道具とか、勇者ならではの特典が一切使えなくなって、ただの強い人になっちゃう」

勇者「まあ、そのおかげでボクもみんなの世界にお邪魔できるわけだし……『安価絵日記』様様だね」

魔王「次の日曜も、魔王城に来てくれるのであろうっ!?」

勇者「もちろんっ! ……ただ、さっき、他の世界の人と約束しちゃったから、ちょっと遅くなるかもしれない」

魔王「ええ〜〜〜っ!?」

勇者「1年以上ほったらかしにしちゃったから、すっごく怒ってて……。おねがい魔王ちゃん、聞き分けてくれないかな?」ナデナデ

魔王「……いっしょにお風呂入ってくれる?」

勇者「水着着用なら」

魔王「……うぅむ……よし、妥協しようっ!」

魔王「次の日曜が楽しみだっ!」ニコッ

勇者「それじゃあ、4日後にね」ニコッ


〜3位 幼馴染〜



幼馴染「……えっと」

勇者「幼馴染……意外だなぁ。せいぜい6位くらいかと思ってたんだけど」

幼馴染「なっ……! なによそれ! 私だって、アンタのこと……な、『仲間として』好きなんだからねっ!」///

勇者「えへ。ありがと」ニコッ

幼馴染「うっ……!?」タジッ

勇者「……ボクは。今でこそ、『弱くても、他人のためにできることを』なんて生意気なことを言ってるけど……」

勇者「巫女や、『安価絵日記』に出会わなければ……ボクは今も、勇者の村で1人、引きこもっていたと思う」

勇者「ボクは力も心も弱かったんだ。幼馴染の言う通り、ダメダメな……『最悪の勇者』だった」

幼馴染「……っ」

勇者「けど、幼馴染はこんなボクなんかに、ずっと世話を焼いてくれたよね。役立たずで、親友を殺して、暴走だってする、ボクなんかを……」

勇者「……ずっと守ってくれたよね」

勇者「ほんとに、ありがとう」ペコッ

幼馴染「なっ……ちょ、ちょっと……!」///

勇者「今だから言えるけど……幼馴染は嫌がるだろうけど……ボク、ずっと、幼馴染のこと……」

幼馴染「……っ!!」///

勇者「……お姉ちゃんみたいだなって思ってたんだ」

幼馴染「」ズコーッ

勇者「家族も友達もいなくって、1人ぼっちだったボクには……幼馴染がすべてだったよ」

勇者「今まで守ってくれて、ほんとにありがとう」

勇者「今度は、ボクが……幼馴染を守ってみせるよ」

勇者「もちろん、他のみんなもね」ニコッ

幼馴染「……」

幼馴染「ふん。勇者の力に目覚めようと、巫女の力を宿そうと、アンタはアンタ、頼りないダメダメ勇者よ!」

勇者「……そう、かな……」

幼馴染「だから、守るなんておこがましいこと考えるんじゃないわよっ!」

幼馴染「『助け合う』でしょ! 『仲間』なんだからっ!!」///

勇者「!!」

幼馴染「私たちの世界の王子様と魔姫様は結婚して、世界は平和になったけど……どうせ、アンタはまだまだ満足しないんでしょ!」

幼馴染「とことん付き合ってやるわよ! ……そ、それだけっ! じゃあね!!」スタスタ

勇者「あっ、幼馴染……!」

幼馴染「それから!」

勇者「?」

幼馴染「わ、私も……アンタのこと、弟みたいに可愛いって、思ってたから……!」///

勇者「!!」

勇者「…………」

勇者「これからも、よろしくね。幼馴染」ニコッ

幼馴染「……ふんっ」///

まぁ、みんなのマナーに任せてスレ環境の管理をブン投げてた@が悪いんですけどねー……


〜2位 親友〜



親友「やあ、勇者」ニコッ

勇者「親友……。えへ、やっぱり親友は、ここだと思ってたよ!」

親友「光栄だな。……ふふ、俺の『友情』に敵わないとは……みんなの『愛情』も大したことないな」

勇者「?」

親友「こっちの話さ。それより、どうだった? みんなの『好感度』とキミの『好感度』……順位は同じくらいだったかい?」

勇者「ボクなんかがみんなに順位をつけるのは……」

親友「はは、相変わらず優しいね、勇者は」

親友「その優しさのおかげで、俺はこうやって生きていられるわけだけどね」

勇者「ボクの優しさは、親友譲りなんだよ? 親友に憧れて、ボクは人を助けたいって思ったんだから」

親友「ん? 初耳だな」

勇者「だって……は、はずかしいもん……」///

勇者「ボクが人を励ます時とか慰める時の台詞回しは、親友がボクに言ってくれてたことをマネしてるの……///」モジモジ

親友(……おかしいな……俺は勇者に、あんなに甘ったるい口説き文句のような台詞で慰めたことがあっただろうか……?)ハテ?

勇者「親友は……ボクの憧れだから……!」

親友「……。勇者様にそこまで言ってもらえるとは、嬉しいね。俺も鼻が高いよ。子孫に語り継いでいくとしよう」

勇者「も、もぉ……///」

親友「けれど勇者、キミは少し優しすぎるところがあると、俺は思うんだよ」

勇者「……?」

親友「妻も子供もいるのに、あまり他所の女が甘えてくるのを、されるがままにしておくのは感心しないな」

勇者「け、けど……」

親友「それを拒んだくらいで、キミを嫌いになったりはしないさ。どうしても不安なら、なにか他のところで埋め合わせをしてやればいいんだ」

勇者「……そう、かな……えっと、がんばってみるよっ!」

親友「俺で試してみるかい?」

勇者「うん、おねがい!」

親友「」ズイッ

勇者「———っ!?」

親友「どうしたんだい? このままだと、唇を奪ってしまうよ?」ギュッ

勇者「えっ……あ、あの……その……っ!?」///

親友「ほら、早く押しのけないと……」グッ

勇者「だ、だめ、だから……ボクたち、男の子同士だから、えっと……!!」///

親友「ならあの時みたいに、女の子になれば良いのかい? ……俺の子を産むか? 勇者……」ボソッ

勇者「はわ、はわわ……///」パクパク


扉「 バンッ!!


巫女「時間でございます。外に出てくださいませ、親友様」ニコッ

親友「……巫女さん、一応弁解しておくけど、これは勇者のために……」

巫女「表に、出ろ」クイッ


〜1位 巫女〜



巫女「あなた」

勇者「ご、ごめんなさい……」

巫女「そのような趣味、娘になんと説明すれば良いのでございますか?」

勇者「趣味じゃないです……びっくりして、とっさに跳ね除けられなかったんです……」

巫女「あなたがわたくしを悲しませようとするなど、ありえないことは理解しておりますが……今後はこのようなことが無きよう、お気を付けくださいませ」

勇者「はい……それはもう……」

巫女「……」ギュッ

勇者「!」

巫女「今日まで、たくさんのことがございました」

巫女「1年前の今日、わたくしたちが初めて出会い、そして魔王討伐を始めました。2人で様々な『課題』を乗り越え、世界を救済致しました」

勇者「……それからボクが別世界に行って、1ヶ月くらいさみしい思いをさせちゃったね」

巫女「強がってはおりましたが、とても……心細かったでございます。けれどそれが終わった後で、十分な愛情を注いて頂きましたね」

勇者「それからも、みんなでいろんな世界を旅してきて、いろんな『課題』を乗り越えてきて、『今日』なんだ……」

巫女「今日までの全てが『最善』でございました。『ここ』が世界の中心でございます」

巫女「全ての円が交わる『中心』なのです」

勇者「『最善』に慣れてしまったら、それはもう『最善』じゃなくなっちゃう。いつまでも、この気持ちを忘れちゃいけないんだ」

巫女「幸福は麻薬でございます。だからこそ、『最善』とは安易な幸福ではなく……悲劇のない、何気ない日常なのでございましょう」

勇者「……巫女。ボクと出会ってくれて、ありがとう」

勇者「不幸と幸福の量が同じだっていうのなら……ボクの境遇は、すべてキミと出会うための『布石』だったんじゃないかと思うんだ」

巫女「それはお互い様でございます。わたくしも、あまり人に喧伝できるような人生を送ってはおりませんでした。……あなたに出会うまでは」

勇者「……」

巫女「……」

勇者「1姫2太郎……って、知ってる?」

巫女「?」

勇者「次の子は……男の子かな、女の子かな?」

巫女「……!」

巫女「ふふ。まだ仕込んでもいないのに、気が早いのではございませんか?」

勇者「それなら、巫女……」

巫女「……勇者」


娘「びぇぇええええええんっ!」


勇者「!」

巫女「……それはまた、今度ということで」クスッ

勇者「そうだね。今は世界救済が先……か。残りの世界は14……もう一息だ」

巫女「では、続きは全世界救済が終わったら、ということで」ニコッ

勇者「うんっ! がんばろう!!」ニコッ



勇者「今日は楽しい『課題』だったよ。みんなの気持ちが知れて嬉しかった」

幼馴染「……///」

親友「あいたたた……コブになってる。血出てないかな……」

勇者「今日まで1年間、みんなでがんばってきたよね。そのおかげで、もう『安価絵日記』も8冊目を迎えた」

巫女「これまでに巡った世界は……35ほどでございましたか」

親友「ということは、ここを含めて残り14か。自分たちだけで『最善』を迎えた世界もあるかもしれないし……。ゆっくりやっても半年以内には終わるだろうね」

幼馴染「全世界救済……かぁ。もうスケールがデカすぎて意味がわからないわ」

勇者「こんなに大事になるとは、ボクも思ってなかったけど……」

勇者「けど、手の届くところに、助けを待ってる人がきっといるはずなんだ」

親友「『神の褒美』で、『最悪』を迎えていない世界にも出入りできるようになったしね。『最悪』を待たなくても、こちらから『最善』を振り撒ける」

巫女「あと一息でございますね」

勇者「うん! みんな、これからもボクに力を貸してねっ!」

幼馴染「ここまで来たんだから、当然よ!」

親友「やるからには、とことんやろう」

巫女「1人残らず救済致しましょう」

勇者「よぉし、がんばるぞーっ!」


「「「「おーっ!!」」」」

こんどこそおわりです。ほんとにここまで、お付き合いありがとうございました!

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