マルコ「ありがとう。」 (15)

あれ?僕の体…半分…無いや…
痛いなぁ。でも痛がる腕も足も無くなってるのか…。

あぁ…僕はこのまま…

死ぬんだろうな。

覚悟はしてた。でもまさか、本当にこの時が来るなんて。
あーあ。僕は結局、王の下で働く事も出来ずに、この世を去るのか…
いや、もう自分の事を考えるのはやめよう。104期のみんな、ごめんね。役に立てなくて。ごめんね。勝手にいなくなって。
だから最後に、
一緒に強くなっていった仲間達に…
僕の想いを…


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ライナー。

君はいつも真面目で、みんなを引っ張ってくれたね。僕にはリーダーシップ性が無いから、いつも尊敬してたよ。あと時々変な冗談も言ってたね。思い出しても笑えてくるよ。いつもその小さな言葉で、僕の心は支えられてたよ。ありがとう。
君ならいつかきっと、人類最強と呼ばれている、リヴァイ兵長に追いつくことが出来る。そう信じてるよ。その時は、ミーナやトーマス達、死んでいった僕らの仲間の仇を取ってくれ。


ベルトルト。

正直、ベルトルトには、なにか僕と似ているなと思う所があって、勝手に特別な仲間だと思ってたよ。なんていうかさ、僕達二人とも、目立たないだろ?ははは。
でもベルトルトには、故郷に帰るっていう大事な目標があって、訓練でも、いつもすごい記録を出してたよね。本当に、憧れてたよ。これからも、人類の糧になってくれ。

アニ。

アニは…ちょっと怖くて、話し掛けづらかったし、アニ自身大人しいから、あんまり関わってなかったけど、
僕が前に足をくじいた時に、一番に教官に伝えてくれたよね。関わりが浅い分さ、こういう事はしっかり覚えてるんだ。それにアルミンが、アニは実は優しい所もあるよ、って言ってたよ。早くアルミン本人の口から聞けるといいね。アニは僕と同じ憲兵志願だったよね。同じ場所で、一緒に仕事したかったな。あはは。アニはそんなこと思ってないかな?
いい憲兵になってね。アニ。

コニー。

君の馬鹿っぷりには、いつも驚かされたよ。僕が教えてあげた座学の問題、良い加減解けたかな。
あの問題の答えを、君の口から聞きたかったな。
あと、身長も伸ばそうね。男の子なんだから、特に同期には、背の高い女子が多いんだよ。頑張って(笑)。
コニー。君は友達の中で、一番僕を笑わせてくれた。この酷く汚れた世界で、僕が笑って、みんなとやってこれたのも、君のおかげ…は言い過ぎかな?あはは。でも本当に、君にはいつもいつも笑わされたよ。僕はもう…笑うことは出来ないけど、これからも、たくさんの人を笑顔にしてあげて。約束だよ。

サシャ。

えーと、とりあえず、食べ過ぎには注意してね(笑)
あと、あの時ドサクサに紛れて僕のパン一つ取ったの知ってるんだからね。いつか返してもらおうと思ってたんだけどな…。まぁ、今となってはどうでもいいね。
サシャ、君の食べ物を食べる姿はいつも幸せそうだったね。いつか、その幸せを、もっとたくさんの人に配れるように、これからも頑張ってくれ。

クリスタ。

実は、僕はクリスタの事…好き…になってたかもしれない。だってすごい可愛いし、優しいし、成績だっていいし、僕が馬術で失敗した時も、的確なアドバイスくれたよね。あの時は、もしかして僕の事…なんて考えたけど、違うよね。クリスタはみんなに優しいんだ。これからもその優しさで、仲間を救ってあげてね。そしてたまには、自分の事も気にかけてあげてね。
あ、あと、ライナーには気をつけてね。いつプロポーズされるか…なんちゃってね(笑)。
みんなと仲良くね。クリスタ。

アルミン。

僕は座学には自信があったんだけど、君にはいつも叶わなかったよ。それに勉強だけじゃなく、その場での頭の回転の早さには、いつも驚かされたよ。君なら将来、団長も夢じゃない。そう思ってるよ。
あ、あとそれと、この前の試験、何点だった?今回は自信あるんだけど…。なんて、もう遅いよね。
あとは、体力作り頑張って。君の様な人間は生きなきゃいけない。生きてみんなを、正解に導いてやったくれ。

ミカサ。

いっっっつも僕の親友から話を聞かされてるよ(笑)
何事もなく訓練をこなす姿、鮮明に記憶に残ってるよ。本当に、他を圧倒していたね。
僕には幼馴染というものがいないから、あの三人でいる君達を見てて、実は羨ましかったんだ。僕も、いつかそんな心から信頼出来る友達が…って。
ミカサ、君こそ人類の勝利に繋がる、大事な鍵なんだ。絶対に、簡単に命を投げちゃいけない。
って、僕に言われても説得力無いか。あはは。君のその仲間思いの心と、高い実力で、これからも弱い者達を守ってやってくれ。

エレン。

君は普通の訓練兵とは違う大きな目的意識を持っていた。お母さんの話を聞く前から他とは違うなにかが君にはあったと、僕は思っている。巨人を目の前で見て、家族を殺され、それでも巨人と闘おうとする君の姿勢、本当に尊敬する。そして君も、ミカサと同じ、仲間の命を大切に思う心を持っている。多分僕みたいな地味な奴でも、君なら悲しんでくれるだろう。エレン、君なら将来、なにか大きな力を手に入れて、人類の希望になる、そんな気がしてる。
これ以上、君やミカサのような、悲しい過去を持った子供が出てこないように…
頼むよ、エレン…。僕からの、最初で最後のお願いだ。

そして、ジャン…。

僕はいつも、君の隣にいた。エレンの愚痴、ミカサの魅力、君が盛り上がる話といったらこれぐらいだけど、それでも君といるのは

楽しかった。

本当に。

ジャン、僕は君が大好きだ。死んでほしくない。

生きてくれ。
君には、暗い顔は似合わない。
何歳になっても、エレンと喧嘩して、ミカサにアプローチして、無視されて…
なんて馬鹿な事をしててくれ。僕はそれを見て上で笑ってる。だから、僕のためにも…!生きろ!ジャン!
そして勝て!!巨人に!!君は巨人なんかに負けない!!君なら出来る!!巨人を…殺れるって…信じてる…!!
君にはそれが出来る力があるだろ!
戦うんだ!そうすれば、君の望む世界がそこにはある!!
その世界に僕はいないけど、君ならきっと、また気の合う奴を…見つけて…馬鹿騒ぎして…くれ…
いつ…まで…も。

最後に…

…ありがとう。ジャン。君が、僕に道を与えてくれた。

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ジャン「おい、お前ら、所属陛下は、決めたか…」


ジャン「俺は…」




(ジャン…!)





ジャン「 …調査兵団になるっ!!」

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