京太郎「新道寺の人がタコスのお礼を言いに来た?」 (74)

優希「犬ーお客さんだじぇ」

京太郎「俺に?誰なんだ?」

優希「新道寺の人だじぇ」

京太郎「あーたしかお前の知り合いがいる学校か」

優希「タコスのお礼をしたいらしいから案内してきたんだ!早く会ってこい!」

京太郎「へいへい」

後はまかせる

しょうがねぇなぁ

京太郎「お待たせしましたー」

哩「おお、アンタがさっきのタコスの製作者か?」

姫子「あの…美味しかったとです」

美子「それで、うちの部長がぜひお礼を言いたいと…」

仁美「メェー」

京太郎「美味しかったですか?」

哩「ああ。どきゃんでん美味かった」

姫子「私らは負けてしまいましたが…せめてもの励みになりました」

京太郎「ああ、いえ。あれ俺が作ったやつじゃないっすよ」

哩「へ?」

姫子「はい?」

美子「あれ…」

仁美「メェ?」

優希「なんだ京太郎、あれお前が作ったんじゃなかったのか?」

京太郎「おう」

哩「おおう…」

姫子「そんな…という事は私達の勘違い?」

美子「でしたら、どなたが作って下さったタコスだったんですか?」

京太郎「案内しますよ」

哩「す、すまん…」

京太郎「すみませーん、ハギヨシさんいますかー」

透華「あら?」

一「あ。清澄のマネージャー」

純「ん?こいつマネージャーだっけ?」

智紀「ただの熱烈なおっかけかと思ってた」

衣「なんだ腰巾着か」

京太郎「ひでぇ!」

ハギヨシ「おや須賀君。どうかしましたか?」

京太郎「ああハギヨシさん。この人たち、さっきのタコスのお礼がしたいって」

ハギヨシ「この人達とは…」

哩「な…ほ、本物の執事だと…」ヒソヒソ

姫子「し、執事とですよ、ぶちょー」ヒソヒソ

美子「実在するんだ…」

京太郎「さっきハギヨシさんに貰ったタコス、優希にやったらこの人らに渡ったらしくてですね」

ハギヨシ「ああ、そうだったんですか」

哩「あ、あなた様がさっきのタコスば作ってくだすったお方とですか…」

姫子(ぶちょー、動揺し過ぎて言い回しが大変なことになってるとですよ)

ハギヨシ「ええ、一応私が作ったタコスでしたが…」

哩「どきゃんでん美味かったとです。ごちそうさまでした!」ペコリ

姫子「あ、ご、ごちそうさまでした!」ペコリ

美子「ごちそうさまでした。みんなで少しずつ分けて美味しく食べさせていただきました」ペコリ

仁美「メッ」ペコリ

ハギヨシ「ああ、お粗末さまです。こちらこそわざわざご丁寧に」

哩「それで、良かったら何かお返しをと思いまして。先程んタコスほどのお返しは到底出来ませんがせめて…」

ハギヨシ「ああ、いいえ。そんなお構いなく…」

哩「この羊一頭差し上げますんで」グイッ

仁美「ちょっ!?」

哩「放牧して観光資源んするもよし、毛刈りして冬服のセーター編むもよし、なんなら潰してジンギスカンしても低カロリー高タンパク、カルニチン豊富で旨かとですんで」

哩「何かと役に立つ生き物とです。どうぞ宜しく飼ってやって下さい」ペコリ

仁美「ちょっと待ったぁ!!!」

哩「なんや羊。メェメェ鳴くんはやめたんかい」

仁美「なにさらっと人身売買しようとしとんや!私が大負けしたせいで敗退したんは悪かと思うけど、あっさり潰すとか言われりゃしまいにゃ泣くぞ!」

哩「やかましかこのふーけもんが!そんなら素直に謝らんかい!さっきから都合悪くなったら政治のせいにすっか羊の真似ばっかして誤魔化しよってからに!」

仁美「うぐっ!ぐぐ…そ、そうは言ってもだな、こう…思いのほか心理的ダメージがでかくってだな…」

哩「別に失点したことなんぞ責めたりせんわ!ばってん誤魔化そうとすつその性根が気に食わん!ぶっ叩いて直すっぞコラ!」

仁美「ぐぬぬぬ」

京太郎「あー…」

純「なんだなんだ」

智紀「どうしたどうした」

一「なんか喧嘩始めたよ」

哩「とにかく!自分でやらかした思うんなら、その誤魔化し癖直すまで他の皆が許しても私は許さんぞ!」

仁美「なにをーーー!!」

ハギヨシ「まあまあ、お二方少々落ち着いて下さい」

透華「ここで喧嘩されても困りますわ」

美子「そうったい二人共。こんなとこで喧嘩しちゃ迷惑だって」

ハギヨシ「それに新道寺の部長さんは少し言いすぎですよ。おそらく責める気は無いのでしょうが、さっきの今でそれは可哀想でしょう」

仁美「そーだそーだ!もっと言ったってくれ執事サン!」

ハギヨシ「いやあなたも…」

哩「くっ…!仁美ィ!お前も羊になるくらいなら一文字違いでそこの執事さんみたく出来る人になれや出来る人に!」

仁美「ああん!?っていうかさっきから言おう言おう思っとったが、誰が羊だこの雌豚が!!」

哩「はぁ!?言うに事欠いて私ん事雌豚言ったかこの羊!」

仁美「お前だお前!この淫乱ドM雌豚ー!」

哩「もう一回言ったら殺すっぞ!」

仁美「黙れや佐賀県民!」

哩「佐賀県民ば悪口みたいに言うなや!!」

仁美「やーいやーい。さーがー。さ~~~~が~~~~。S~~~A~~~G~~~A~~~~」

哩「よし。毛刈りと屠殺までは私が責任をもって行おう」

ハギヨシ「はいはい、そこまでですよ」ヒョイ

透華「もう。いい加減見苦しいですわ」ヒョイ

仁美「キシャーー!!」ジタバタ

哩「シャーー!!」ジタバタ

美子「すみません、うちの部長ら血の気が実に多くて…」

一「定期的に献血連れてった方が良いよ。部活の練習を鷲巣方式に帰るとか」

純「国広君落ち着いて」

美子「ほら、帰るよ二人共」

姫子「花田ばホテルに一人にしとくのも可哀想です」

哩「む…わ、わかった。おい仁美。さっきの話の続きはホテルに帰ってから…」

仁美「ふん。いやや。だーれがこんな雌豚なんざと」

哩「はあ!?まだ言うか!!」

美子「部長そろそろ落ち着いて。私も怒るよ」

哩「…」

仁美「私は一人で帰るとよ。お前らが帰った後一人でゆっくりとな」

哩「あーあーそうか!ならわかった!お前は帰ってくんな!ごめんなさいの一言も言えん奴は部屋には入れん!」

美子「哩ちゃん!」

仁美「…別にそれでも良か」プイッ

哩「…っ!帰るぞ皆!」ズカズカ

姫子「あっ!ぶちょー!待って下さい!」タタタ

美子「あ…えっと…」

仁美「…」

美子「あうあう…」オロオロ

仁美「お前も行って良かよ。美子」

美子「でも…」

仁美「頼むわ」

美子「…待ってるからね!哩ちゃんには私から言っておくから、絶対帰ってくるんだよ!」

仁美「…」

美子「…待って二人共!」タタタ

仁美「…」

一「行っちゃったね。…約一名を除いて」

純「あー…」

智紀「…参った」

透華「はぁ…」

仁美「…」

衣「ん~?みんな、どうしたんだ~?」ゴシゴシ

ハギヨシ「おや衣様、おはようございます」

衣「ん~…」

京太郎「…で」

仁美「…」

京太郎「どうするんっすかこれ」

ハギヨシ「そうですねぇ…」

仁美「…」グスッ

透華「取り敢えず、向こうもだいぶ熱くなってたようですしあちら側にも頭を冷やす時間を与えたほうが良さそうですわよね」

一「売り言葉に買い言葉だったしねぇ」

純「あっちの部長さん、気ィ短そうだったしな」

仁美「…あいつは実際気短かか」

純「だよなぁ…」

智紀「あっちはあの鳥っぽい人がなんとかしてくれるの期待するしかなさげ」

ハギヨシ「まあそれが妥当なところでしょうか」

衣「?…?……?」

一「そういえば、衣いつの間にか寝てたもんね…まあいいよ、衣は気にしないで」

ハギヨシ「となると後はこちら側ですが…」チラッ

仁美「…ぅ」

ハギヨシ「…」

仁美「…ぅぅ……」ジワッ

ハギヨシ「皆様。私、先程部屋に来る前に大事なものを落とし物していた事に気付いてしまいました」

一「へ?」

純「なんだ?いきなりそんな事。っつーか珍しい大ポカじゃん」

ハギヨシ「ホテルのロビーあたりに落ちていると思いますので、申し訳ありませんが探すのを手伝ってくださいませんでしょうか?」

衣「ロビー?衣も行くのか?」

ハギヨシ「ええ、お願いします。皆様も」

智紀「面倒くさい」

透華「…ああ。そうですわねハギヨシ。執事の失態は主の失態。仕方ありませんのでみんなで行って探してきましょう。20分くらい掛かりそうかしら?」

ハギヨシ「そうですね。おそらくそれくらいで見つかるとは思いますが」

透華「そうですか。なら、ほらみんな!行きますわよ!」グイッ

一「あ、ちょっと!引っ張んないでよ透華!」

透華「ほらほら急ぎますわよ!落し物が盗まれたらどうするんですの!」グイグイ

一「いたたた!だから強く引っ張りすぎだって…」

バタン

仁美「…」

シーン

仁美「…」

仁美「…ゔぇ」

仁美「ゔぇ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!哩のばがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」

仁美「私だって…私だって……ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ん!!!

仁美「ごめ゙ん゙な゙ざい゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙!!!」

仁美「うぇえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙ん!!!」




京太郎(出てくタイミング逃した…このまま溶けて空気になってしまいたい)



 

仁美「…」グスッグスッ

仁美「うう…う…」グスッ

仁美「…」

仁美「…ふぅ。…はぁ」

仁美「…はは。泣いてしまったと」

仁美「目、痛か。多分真っ赤になってるんやろな」

仁美「ま、ええわ。泣いてちょっとスッキリした」

仁美「…は~あ」

仁美「こっからどーすっかな~」

仁美「素直に謝られりゃいっちゃん楽なんやろうばってん、でもなんかなー」

仁美「それに向こうが許してくれるかわからんし…」

仁美「…哩の、ばか。私だって、傷付いとるんよ?」ボソッ



京太郎(俺は今、空気。この部屋に漂う無色透明の空気。誰にも見えることは無い。それ故気付かれることも無い)


 

仁美「あん人ら、20分で戻ってくる言うてたっちゃな。あん執事ん人、私の泣きそうなん悟ってわざと出てってくれたんっちゃろうな」

仁美「出来た人たちやな。一人にしてくれたんか……」

仁美「本当に助かったわ。あげな格好悪く泣いとうとこ、誰にも見とうなかったけん」

仁美「まだ時間あるけん、今んうちに涙ん後吹いとかな」ゴシゴシ

仁美「……ん、これで、良か」

仁美「…はぁ。あ、あはは、ほんっと、格好わるか。思い出してまた泣けてきちゃった」グスッ

仁美「や、やだ、だからこんなとこ誰かに見られたくないかって、みんな帰ってくる前に泣き止まなきゃ…」ポロポロポロ

仁美「うええええええん…」シクシクシク




京太郎(誰かお願いだから俺を無かった事にしてーーーーーーーーーーー!!!)



 

20分後

仁美「…」

仁美「…ふう。なんとか、今度こそ落ち着いたとよ」

仁美「…」

一「良かったねーハギヨシさん、とーかが落し物見つけてくれて!」

純「本当だよ、俺ら全員で探してこんなに見つかるのに時間かかるとか、どんだけわかりにくいとこで落としたんだつーの!」

一「大体、どんな落とし物かも教えずに「見ればわかります」じゃ効率だって悪いし…」ブツブツ

智紀「部屋から出て、きっかり20分で帰れたのだけは流石の見積もり」

ハギヨシ「ふふ、すみませんでした皆さん」

衣「それで、落し物はなんだったんだ?とーか」

透華「ふふ。秘密ですわ」

衣「えー」

純「なんだよそれ」

一「ぶーぶー」

ハギヨシ「さて、御気分如何でしょうか?新道寺のお嬢さん?」

仁美「ん…お陰さんで、頭冷えました」

ハギヨシ「左様でございますか」

仁美「やっぱり、私が悪かったけん、皆に素直に謝ってくる」

ハギヨシ「ほう」

仁美「大量失点したこと、それを素直に認めず誤魔化したこと…」

ハギヨシ「偉いですね。謝るということは、その失敗に対して責任を持つということです。人間、そうやって素直に失敗や犯した過ちを認めるのは難しい事ですよ。特にあなた達の年頃はね」

仁美「それは…まあ、辛いばってん。でも、みんなに嫌われるのはもっと辛いけん…」

ハギヨシ「人は失敗を受け入れ、そこから何かを学んだ時に成長するのです。転んだ後に何度でも立ち上がれる人は、最終的には必ず成功するんですよ」

仁美「そういうもん?」

ハギヨシ「ええ。そういうものです」

透華「まあ、私はあの大量失点、そんなにあなたのせいだったと思いませんけれどね」

仁美「え?」

透華「見てましたわよ、準決勝。江口セーラのバカヅキとか、渋谷尭深の大三元ツモとか、ツイてなかったですわ」

仁美「…」

透華「けど、麻雀なんてそんなもの。誰かが調子よければ、誰かが負ける。こればっかりはその時次第ですもの」

透華「団体戦はそんなそれぞれを支えあう為の試合形式。貴女、新道寺の中堅って事は部内で3番目に強いって事ですわよね?」

仁美「えっと…」

透華「謙遜はいいんですわよ。北九州最強の高校の伝統くらい知ってますわ。その貴女が行ってあれだけやられたんですもの、他の誰が責められましょうか」

透華「ま、自分一人で0点から相手飛ばして全国優勝出来るくらいの事出来るなら言わせてやってもいいですけど」

仁美「…」

透華「はっ!?っていうか、それやったら物凄く目立ちますわよね!?」

一「大丈夫だよとーか。それは流石に宮永照どころか小鍛治健夜でも無理だと思うから」

透華「何言ってますの一!不可能を可能にしてこそ私、龍門渕透華ですわよ!?こうしちゃおれませんわ!来年に向けての練習を始めますわよ!私の新たなる野望の達成のために練習手伝いなさい!」

一「え!?今から!?麻雀するの!?」

透華「ハギヨシ!」

ハギヨシ「既に卓の用意は出来ております」

一「いつの間に!」

透華「さあ!衣…はお昼寝中ですから、純!智紀!あなた達もほら、早く!練習ですわ!練習ですわ!」

純「わかったわかった」

智紀「今行く」

仁美「…」

ハギヨシ「…さて、途中でお嬢様に話の腰を折られてしまいました。しかしあれも真実」

ハギヨシ「貴女の存在無くして新道寺があそこまで来ることが出来たのかは、定かでありませんからね」

仁美「…」

ハギヨシ「だからこそ、胸を張って謝りに行きなさい。喧嘩のことについては勿論、貴女が失敗…例えそれが全力で努力した果ての力不足から来るものだったとしてもですよ?…迷惑をかけたと思うこと全てに対してです」

ハギヨシ「そして、その失敗、敗北から学びなさい。自らの成長の糧にし、後に続くものに経験を残しなさい。挫折という種から一つでも多くの果実を収穫するよう貪欲に努めるのです」

ハギヨシ「そうすれば、貴女は今後、さっきまでの貴女のように失敗を誰かのせいにして自ら何も学ぼうとしない者や、そもそも失敗を恐れ何もなそうとしない者達には決して負けることが無いでしょう」

ハギヨシ「今回の事は貴女の人生にとってこれまでで最大の挫折だったかも知れませんが、この経験がいずれ貴女の人生を豊かにしてくれると信じていますよ」

ハギヨシ「今はそんなふうに思えなくても良いです。しかし、いずれ自らの道程を振り返ってみた時きっとそれがわかると思いますよ」

仁美「…」

ハギヨシ「…ふふ、説教臭くなってしまいましたね。さあ、そろそろお帰りなさい」

仁美「…はい。どうも、ご迷惑をお掛けしました」ペコリ

ハギヨシ「ええ。それでは」

パタン


京太郎(色即是空色即是空色即是空色即是空)

一「さっきの人大丈夫かなぁ。あ、それポン」

純「はいよ。…大丈夫じゃね?なんか冷静になってたし」

透華「ハギヨシのお説教もありましたしね。リーチですわ」

智紀「これは…降りといた方が良さげ。でも、こっちが大丈夫でもあっちがどうかわからない」

純「それもそうかー。俺も降りー」

一「そうだよね…相手次第って感じかな?っと、こっちも降りで」

透華「あら?そんな難しい事考えてるんですの?貴女達」

一「へ?」

透華「そんな考えても無駄なこと、考える必要無いって言ってるんですのよ」

純「何言ってんだよ。こっちが謝る気だって向こうがまだ怒ってたりしたら…」

透華「でもこっちは変わりましたわ」

一「いやだから変わったけど…」

透華「だったら変わった自分で勝負するのが正しいと思いません?」

智紀「話が噛み合ってない」

透華「いいえ。咬み合ってますわよ。おっと、ツモですわ。リーチ一発ツモ平和純全三色一盃口ドラ3!数えですわ!!」

一「げっ!」

純「マジかよ池田ァ!」

智紀「信じられない…」

透華「ふっふっふ…」

ハギヨシ「お見事です。透華お嬢様」

透華「あらありがとうハギヨシ。ついでにお茶を持って来て貰える?」

ハギヨシ「ここに」スッ

透華「流石ですわ」

一「今日の透華は滅茶苦茶だぁ…」

純「ホントだよ。あーやってらんね、参ったぜこりゃ」

智紀「どこが噛み合ってるんだかわからない。説明」

透華「人間、そう簡単に他人を変えることなんて出来ませんわ。それよりも自分を変えるほうがよっぽど簡単。そういう事」

一「ますますわかんない!」

純「萩原さんー。俺もお茶ー。冷たいの。頭がオーバーヒートしそ」

ハギヨシ「D・カーネギーの『人を動かす』ですか」

純「カーネギー?誰だそいつ」

一「さあ?」

ハギヨシ「自己啓発の大家ですよ。『人を動かす秘訣は、この世に、ただ一つしかない。この事実に気づいている人は、はなはだ少ないように思われる――』」

透華「『――しかし、人を動かす秘訣は、間違いなく、一つしかないのである。すなわち、みずから動きたくなる気持を起こさせること』まあ、つまり…』

透華「簡単にいえば、人に好かれたいなら自分がその人の好いてくれるような人間になろう、って事ですわ」

一「簡単に言ってくれるなぁ…」

純「そう簡単になれるもんかね」

智紀「難しそう。むしろ無理そう」

ハギヨシ「そうでもありませんよ。本人が望めば可能です。それも意外と簡単にね」

一「う~~ん…」

透華「相応の努力は必要としますが、絶対に不可能ではありませんわ。さっきのあの人のように」

純「そう言われると、そう…なんかねぇ」

透華「ええ。私が保証します」

一「透華が言うならボクは信じる」

智紀「…」

透華「そうですわ。人間は他者に愛されたい、好かれたいと願うもの。でも、それを願う時、多くの人はその愛を他者から受け取ることから始めたいと思ってしまう」

透華「本当は、与えるのです。与えるとは、他人を喜ばせるということです。そうして、初めて愛される。それを覚えておいて欲しいんですわ」

透華「そうすれば仲良くなれない人なんて居ない。私はそう思います」

一「それは、ボクが透華にやってることだ」

透華「ええ。だから私も一が大好き!」

一「とーか!」

透華「願わくば…世の中の一人でも多くの人がそれに気付いてくだされば、世界はもっと良くなりますのにね」

透華「さ、そろそろお腹が空きましたわね。皆さん、お夕飯に行きますわよ。衣を起こして、ファミレスですわ!」

純「おう!待ってました!」

智紀「衣起こしてくる」



京太郎「…」

京太郎「与えて、初めて愛される、か……」
 

清澄宿舎

京太郎「…なあ、教えてくれよ。お前は何が欲しいんだ?」

京太郎「どうしたら喜んでくれるんだ?」

京太郎「どうしたら…俺の愛を受け取ってくれるんだ?」

京太郎「お前の気持ち…わかんねぇんだ。こんなにも愛してるのに…」

京太郎「……あ」

京太郎「お前…傷だらけじゃねーか」

京太郎「……そっか、そうだよな。誰だって、痛いのは嫌だよな」

京太郎「お前の気持ち、さっぱり理解してやれない俺でも、それくらいはわかるぞ」

京太郎「待ってろ。今、かけあってきてやるから。もうこれ以上お前を傷付けるなって…」

京太郎「部長に……!」

京太郎「部長!!酷いじゃないっすか!!」

久「あら須賀君?」

京太郎「なんでこんな乱暴な扱いするんっすか!?あんまりですよ!!」

久「え、ちょっと…」

まこ「なんじゃなんじゃ?」

優希「どーした?京太郎」

咲「ひっ!きょ、京ちゃん?何怒ってるの?」

和「須賀君?どうしたんですかそんな剣幕で…ちょっと怖いです」

京太郎「もう耐えられません!俺のこと扱き使うのは構いませんけどねぇ!こいつ乱暴に扱うのだけ許せないっすよ!」

久「乱暴に…?」

まこ「どうした京太郎、久の奴、なんぞ備品でも駄目にしたか」

京太郎「そんな次元じゃありませんよ!見てください染谷先輩!!」バッ

まこ「こ、これは…!!」

咲「あれ?それって…あれ?なんで京ちゃんが?あれ?」オロオロ

和「…」

京太郎「部長ったらコインランドリーに持ってく洗濯物の中にブラジャーそのまんま突っ込んでるっすよ!これじゃ型くずれしちまうじゃねーか信じらんねぇ!!!!」

久「なんでお前が持っとるんじゃい!!」



終わり

ちなみに偉そうに書いといてなんだけど、俺は「道は開ける」読んだことありません
雰囲気でゴリ押ししてるだけだからとーかとハギヨシの言ってること信じちゃ駄目だよ

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