千川ちひろは、なにを見て笑う (60)


凜「ちひろさんってよくプロデューサーに栄養ドリンク渡してるけど、どうして?」

p「ん?いきなりどうしたんだ?」

凜「栄養ドリンクならコンビニに売ってるよね?どうしてちひろさん貰ってるの?」

p「ちひろさんの栄養ドリンクはよく効くんだ。それに他に比べて安いし」

凜「1本何円ぐらい?」

p「えーっと、100モバコインだったかな」

凜「・・・・・・え?」キョトン

p「あれ?聞こえなかったか?100・・・・・・」

凜「そうじゃなくてさ」

p「うん?」

凜「モバコインってどこの通貨なの?」

p「モバコインはモバコインだよ」

凜「えっと。じゃあレートは?」

p「1円=1モバコインだよ。だから1本100円だな」


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凜「税込みでその値段は確かに安いね」
凜「そんなに効くなら私も飲んでみようかな」

p「駄目だっ!」

凜「っ?!」ビクッ
凜「どっ、どうしたの?急に」アセアセ

p「す、すまん。だが駄目だ!あれは癖になるからな」
p「未成年にはあまり飲ませたくないんだ」

凜「へ、へー。そう」アセアセ

p「今後ちひろさんから勧められるかもしれないが、その時は断るんだぞ」

凜「うん」
凜「成人といえば、プロデューサーって20歳以上の所属アイドルの人たちとお酒とか飲むの?」

p「たまにな」

凜「へえー。ちひろさんとは?」

p「うーん、そういえばちひろさんの退社後ってよく知らないな」
p「誘ってもいつも断られるし」

凜「謎だね」

p「謎だな」

凜「尾行する?」

p「・・・・・・なんで?」キョトン

凜「プロデューサーも気になるでしょ?」

p「気にならなくはないが、そういうは駄目だろ」

凜「私、知ってるよ?プロデューサーってちひろさんに借金してるよね」

p「・・・・・・そんなわけないだろ」

凜「さっきの栄養ドリンクもツケで買わされているんだよね?」

p「俺は買わされてなんていないっ!」

凜「ご、ごめん」ビクッ

p「す、すまん」
p「でもあの栄養ドリンクは本当に疲れがとれるんだ」

凜「そう。でもアレはプロデューサーのお給料で買える額じゃないよね?」

p「アレってなんだよ」

凜「・・・・・・ガチャ」ボソッ

p「あっ、アレはちひろさんは関係ないだろ」アセアセ

凜「けどちひろさんは、運営の・・・・・・」

p「そうだとしても!俺はもう、後には引けないんだ」

凜「だから、ね?ちひろさんの弱みを握ろうよ」ボソッ

p「だからそういうのは・・・・・・」

凜「もしかしたらガチャの確率を変えてくれるかもしれないよ?プロデューサーだけ」ニコニコ

p「・・・・・・」

凜「ねっ?」
凜「今まで勝てなかったランカーに勝てるかもしれないよ?」ニコニコ

p「そう、だな。ただし、尾行はしないぞ」
p「けどたまたま帰り道が一緒になったんなら、仕方ないよな?」

凜「う、うん」



ーーー



ちひろ「すみません。お先に失礼しますね」ガチャ

p「はい、お疲れ様でした」カタカタカタ

バタン

シーン

p「よし、行くか」

凜「そうだね」

p「それにしてもどこに隠れていたんだ?」

凜「プロデューサーのロッカーだけど?」

p「・・・・・・行くか」ガチャ



ーーー



凜「どこに行くのかな」テクテク

p「全く解らん。そもそもどこに住んでるのかも知らない」テクテク

凜「秘密主義なんだね」

p「菜々さんより宇宙人っぽいよな」

凜「そうだね」
凜「あっ、どこかに入るよ」

p「銀行、か」

凜「普通だね」

p「あれ?出てきた」

凜「すごく早いね」
凜「すぐ横の路地に入っていったよ?」

p「凜はここで待ってろ」サッ

チラッ

ガチャ

バタン

p「っ?!」テクテク

凜「ここって・・・・・・」

p「事務所だな」

凜「やーさん、だね」




ーーー3時間後ーーー



ガチャ

p「っ!?」

凜「なんか落ち込んでる?」メモメモ

p「あそこから出てきて、笑顔の方が嫌だけどな」

凜「次はどこに行くんだろう」メモメモ



ーーー病院ーーー



凜「ホテル?」テクテク

p「綺麗な病院だな。ホテルと見間違えるほどに」テクテク
p「また随分と金がかかりそうな」

凜「誰かのお見舞い?」

p「そうみたいだな」チラッ

凜「千川・・・・・・お父さんっぽいね」

p「ああ、しかも個室だな」

凜「しっ!何か話してるよ」


ちひろ「お父さん。私、今日も頑張ったよ」
ちひろ「お父さんも頑張ろうね。お医者さんも、もういつ目を覚ましてもおかしくないって言ってたよ」

ちひろ「あっ、時間だから行くね。また明日も来るからね」


凜「戻ってくるよ」アセアセ

p「入口で待とう」テクテク




ーーー



凜「病院に比べて・・・・・・」

p「随分とボロいアパートだな」

凜「私はてっきり高級マンションに住んでるかと」

p「俺もそうだと思ってたよ」
p「凜はそろそろ帰れよ。もうすぐ暗くなるぞ」

凜「そうだね。もう家に着いたし」

ガチャ

凜「あれ?」

p「買い物にでも行くのか?」



ーーー



p「やっぱり買い物だったな」

凜「そうだね。私は帰ろうかな」

p「もう暗い。家まで送って行くぞ」

凜「ありがと」

p「ん?」

凜「どうしたの?」

p「ちひろさんが、レジ打ちしてる」

凜「バイト、だったんだね」

p「どうもお金に困ってるみたいだな」

凜「すごい稼いでるみたいなのにね」

p「あの病院だ。入院費だけでも相当な金額だろう」

凜「なんか、嫌なこと知っちゃったね」

p「そうだな。今日の事は忘れよう」

凜「その方がいいね」

p「凜も栄養ドリンク飲むか?」

凜「でもそれって・・・・・・」

p「1日1本までなら大丈夫だろう」

凜「そう。なら私もちひろさんから買おうかな」
凜「ちょっとでも力になりたいし」

p「・・・・・・頑張ろう」

凜「うん」




ーーー



P「なんですか?これ」ハァ

ちひろ「同人誌です」

P「これを俺に見せて、どうしろと?」

ちひろ「お父さんが入院してるんで、お金を稼がないと駄目なんです」

P「いや、これはフィクションでしょ」
P「最後に例の文言が書いてありますし」

ちひろ「プロデューサーの言動は現実に忠実だと思いますよ」

P「怒りますよ?」

ちひろ「嘘ですよ」ニコニコ

P「とりあえず、こんなの販売しちゃ駄目ですよ」

ちひろ「解りました。頒布にします」

P「入院中のお父さんの為じゃなかったんですか?」

ちひろ「何言ってるんですか?」キョトン

P「はぁ。もう好きにしてくださいよ」

ちひろ「ありがとうございます」ペコリ
ちひろ「これで身売りをしなくても済みそうです」ニコニコ

P「本心は?」

ちひろ「私の好感度を上げて、ガチャとドリンクを売りやすくする為です」

P「やーさんより、ちひろさんの方が怖いですよ」ガクガク

ちひろ「私の趣味は通帳残高を見て、ニヤニヤする事ですから」ニコニコ

P「」



つづく


凛「プロデューサー?」

P「どうしたんだ?」

凛「ちょっといい?」ヒョイヒョイ

P「ん?ここじゃ駄目か?」

凛「・・・・・・うん」

P「ちょっと待ってろ」カタカタカタ
P「よしっと」ガタッ

P「会議室で聞こうか」

凛「ありがと」ボソッ

P「ちひろさん、ちょっと会議室使いますねー」

ちひろ「はーい」

バタン

P「それで、どうしたんだ?悩みでもあるのか?」

凛「これってどういう事なの」バッ

P「・・・・・・なんだこれ?漫画か?」キョトン


凛「そう、漫画だけど・・・・・・見てみて」

P「お、俺はこういうの全然、本当に全然読まないからな・・・・・・」ペラペラ
P「・・・・・・」

P「うん、こういうのはな。うん、人気になると嫌でも付いてくるもんだ」アセアセ

凛「私に似てるキャラが漫画に登場したり、変な事されたりするのはかまわないよ」
凛「プロデューサーの言う通り、気にするだけ無駄だと思う」

P「そ、っそそうか。なら、どうしてこれを俺に?」アセアセ

凛「・・・・・・そっか。プロデューサーってそういうこと言うんだ」ジー

P「えっ?ん?」アセアセ

凛「正直に言ってくれたら、私も許してあげようかなって思ったんだけど」ワナワナ

P「ど、どどっどうして渋谷さんは怒ってるらっしゃるのでしょしょうか?」アセアセ

凛「これ、書いたのプロデューサー・・・・・・だよね?」ギロッ ハイライトバイバイ

P「そそっっそんなわけないだろっ!担当アイドルが路上レイプされる漫画なんて、俺が書くわけない!」アセアセ

凛「・・・・・・どうして漫画の内容を知ってるの?」ズイッ

P「そ、そそれは、今さっきチラッと見たから」アトズサリ

凛「・・・・・・そっか」ズイッ


P「ど、どうして迫ってくるんだ」アセアセ

凛「プロデューサーが逃げるから」ズイッ

P「だからって壁際まで来なくても、いいんじゃないか?」アセアセ

凛「そんな事よりプロデューサーって本当にこういう本は読まないの?」ジー

P「本当だって!それに俺も今日初めてこんな本を見たんだから・・・・・・信じてくれ」ニコニコ

凛「・・・・・・じゃあ1つだけ訊いてもいい?」

P「ん?なんだ?まだ悩みでもあるのか?」アセアセ

凛「私もさ、本当はこんな漫画読みたくないんだけどね」

P「そ、そうだよな。俺もこういうのはちょっと・・・・・・」アセアセ

凛「それでもさ、こういう形でも私を応援してくれる人たちも居るって知ったら、捨てるのはなんか嫌で・・・・・・」

P「い、いい嫌、で?」アセアセ

凛「読んだんだ・・・・・・」
凛「変なシーンとかあったけど、最後はハッピーエンドでちょっと嬉しかった」

P「そ、そうか。けど駄目だぞ?こういう本は成人向けだから、凛にはまだ・・・・・・」アセアセ

凛「・・・・・・」ペラペラ
凛「プロデューサー?ちょっとここのページから読んでくれる?」

P「いや、ここ事務所だしな。ちひろさんも居るし、ちょっと・・・・・・」アセアセ

凛「小声なら聞こえないよね?」
凛「私のプロデューサーならできる、よね?」ニコニコ

P「そ、そうだな。あ、あとアイドルなんだから笑う時は目も笑うようにしないと駄目、だぞ?」アセアセ

凛「・・・・・・」ジー

P「え、ええと、このページだな」アセアセ

P「




ーーー楽屋ーーー



p「凜、緊張しているのか?」

凜「だ、だって、初めてのライブだよ?緊張するなって方が・・・・・・」ドキドキ

p「どうして緊張してるんだ?」

凜「ど、どうしてって、すごいたくさんの人が居たし、それに失敗したら・・・・・・」ガクガク

p「大丈夫だ!」ガシッ

凜「へっ?!」アセアセ

p「お客さんは全員、お前のファンだ!全員味方だ!失敗したところでお前を責める奴は誰もいない!」
p「それよりもビクビクして凜らしさを出せない方が、ファンの人達は残念だと思うぞ?」ニコニコ

凜「そ、そう?」ドキドキ

p「舞台袖には俺もしっかり観てる!」
p「ステージは凜だけじゃなくファンも俺もついている」

凜「でも足が震えて・・・・・・1つだけお願いしても、いい?」ガクガク

p「いいぞ!なんでも言ってみろ」

凜「少しでいいから、抱きしめてくれる?」

p「そんなことか。他に誰もいないしいいぞ」

ギュッ

凜「あっ・・・・・・」ドキドキ

パッ

p「足の震えは収まったみたいだな」ニコニコ

凜「うんっ!プロデューサー、ちゃんと観ててよ?私、頑張るから!」ニコニコ

p「おう!」ニコニコ



>ワーワー





ーーー





凛「・・・・・・感想は?」

P「い、イイハナシダー」ダラダラ

凛「私もいい話だと思うよ。だけどね、プロデューサー?」
凛「私の言いたい事・・・・・・解るよね?」ズイッ

P「う、んんん、ん?」ダラダラ

凛「これってさ・・・・・・」



凛「私の初ライブの時と全く一緒なんだよね。セリフもシチュエーションも」



P「そそそそ、そうだっけか?」ダラダラ

凛「どうしてかな。あの時は楽屋には誰も居なかったし、扉の向こうはすぐライブ会場だったし」
凛「他に知ってる人はいないはず、だよね?」

P「」ドゲザ

凛「怒ってるんだよ?」

P「べ、弁明を!」ドゲザ

凛「私も鬼じゃないからね。いいよ」

P「確かにシナリオを書いたのは俺だ!でも聞いてくれ!」
P「成人向けの漫画だとは思わなかったんだ!本当だっ!」ドゲザ

P「凛の可愛さをもっと知ってほしいと思って・・・・・・これだけは本当なんだっ!信じてくれ!」ウルウル

凛「そっか・・・・・・。いいよ、許してあげる」

P「あ、ありがとう!凛っ!」ガバッ

凛「でもね、プロデューサー」

P「ん?なんだ?」パッ

凛「さっき、こんな本なんて知らないって言ったよね?」

P「あっ・・・・・・」

凛「嘘つくのは駄目だと思うんだけど、プロデューサーはそう思わない?」

P「・・・・・・駄目、だな」ボソッ

凛「解ってるなら、どうして嘘ついたの?」

P「・・・・・・」ビクビク

凛「ふーん、答えられないんだ」
凛「・・・・・・じゃあこれぐらいは解る、よね?」

凛「うちのハナコはさ、ときどき悪いイタズラをするの」
凛「その時は私が『心を鬼にして』叱って躾をするんだよね」

凛「・・・・・・プロデューサーなら私の言いたいこと、解るよね?」ニコニコ

P「わ、悪い事をしたら躾が、ひ、ひひ必要ですね」ビクビク

凛「当たり」
凛「・・・・・・ふふっ」ニコニコ



渋谷凛は首輪を付けたプロデューサーを見て、恍惚の表情で微笑む




ちひろ「ふむふむ、このシチュと会話はネタに使えるわね」メモメモ



つづく


多田李衣菜は、何を見て笑う



ーーー事務所ーーー



ガチャ

李衣菜「おはようございます!」バタン

P「おはよう、李衣菜」

李衣菜「おはようございます!プロデューサー・・・・・・ん?」

P「どうしたんだ?」

李衣菜「プロデューサー!そのチョーカーとってもロックですね!」ニコニコ

P「あ、ああ・・・・・・そうだな」

李衣菜「トゲトゲが付いていて、なんかこう、まるで首輪みたいですね!」

P「・・・・・・そ、そうだ!李衣菜っ!」ガシッ

李衣菜「えっ、そ、その、ど、どうしたんですか?」アセアセ

P「李衣菜はロックなアイドルになりたいんだよな!」


李衣菜「そう、ですけど。いきなりどうしたんですか?」キョトン

P「名案を思いついたんだ!」

李衣菜「ほ、本当ですかっ!?」
李衣菜「やっと私もロックなアイドルに・・・・・・」キラキラ

P「ところで李衣菜ってギター弾けたっけ?」

李衣菜「・・・・・・す、少しなら」アセアセ

P「Cm7ー5」ボソッ

李衣菜「・・・・・・え?」キョトン
李衣菜「えっと、コードですよね!し、知ってますよ!」アセアセ

P「・・・・・・まずはギターの練習からだな」

李衣菜「・・・・・・はい」ショボン

P「李衣菜はすぐにでも、ロックなアイドルになりたいのか?」

李衣菜「はい!今も楽しいですけど、ロックな世界も見てみたいんです!」

P「そうか。覚悟はできてるか?」

李衣菜「えっ?あ、はい?」キョトン

P「そうか。じゃあ今日の夜、さっそく李衣菜の部屋で練習しようか」

李衣菜「えっ?!でも、そんないきなり・・・・・・」

P「明日の夜でもいいぞ?」

李衣菜「じゃ、じゃあ!明日でお願いします!」アセアセ

P「じゃあ明日な」ガタッ

李衣菜「ぷ、プロデューサー?!か、顔が近いですよ」///

P「俺がロックにしてやるからな」ボソッ

李衣菜「ふぁ、ふぁい」///

ちひろ「・・・・・・」




ーーー翌日・夜ーーー



ピンポーン

李衣菜「は、ふぁい!」ニコニコ

ガチャ

P「遅れて悪いな」

李衣菜「は、早く入ってください」アセアセ
李衣菜「他の人に見られたら・・・・・・」キョロキョロ

P「そうだな。いくらプロデューサーでも女子寮に男が居るのはまずいよな」バタン

加蓮「・・・・・・」



ーーー



李衣菜「あっ、すみません。すぐにお茶出しますね」アセアセ

P「悪いな」

李衣菜「いえ」ソワソワ
李衣菜「お待たせしました」コトッ

P「ありがとう」
P「早速だが、始めようか」


李衣菜「は、はい!」ドキドキ

P「どうしたんだ?そんなにソワソワして」

李衣菜「す、すみません。部屋に男の人が来たことなんてなかったので」ドキドキ

P「女子寮だし、それはそうだろうな」ズズッ
P「ちょっとギター見せてもらってもいいか?」

李衣菜「は、はい!」ガサゴソ
李衣菜「どうぞ」アセアセ

P「李衣菜のギターは大事にされてるな」

李衣菜「えっ!?本当ですか?嬉しいです」テレテレ

P「大事にしまわれてたんだな。埃が溜まってるぞ」

李衣菜「す、すみません」ショボン

P「ギターが嫌なら別に無理しなくていいんだぞ?」

李衣菜「嫌いじゃないですよ!ただ、ギターって練習の仕方がよく解らなくて」アセアセ

P「うーん。それなら毎日ってわけにも行かないが、夜ならちょくちょく教えられると思うぞ」
P「一緒に頑張ろうな」グッ

李衣菜「ほっ本当ですか!嬉しいですっ!」ニコニコ

P「その代わり、ちゃんと覚えるんだぞ?」

李衣菜「はい!」ニコニコ


P「そういえばもっとロックな部屋を想像してたが、意外と普通だな」ニヤニヤ

李衣菜「むっ!この部屋も十分ロックじゃないですか!」ムスー

P「女子寮はオートロックだけどな。部屋は普通の女の子の部屋にしか見えないぞ?」

李衣菜「はぁ。プロデューサーには解らないんですね」
李衣菜「ロック魂が足りてませんよ!」

P「ギターも弾けない李衣菜に、ロック云々って言われても説得力がなー」チラッ

李衣菜「すっ、すぐにプロデューサーより上手くなりますからねっ!」

P「俺を目標にするより夏樹を目標にした方がいいんじゃないか?」

李衣菜「なっ、なつきちはちょっとハードル高い、です・・・・・・」アセアセ

P「しばらくは俺が教えてやるけど、そのうち夏樹に教えてもらえよ?」
P「俺もそんなに上手いとは言えないからな」ハハッ

李衣菜「はいっ!」ニコニコ




ーーー



P「違う違う。ここはこうだ」

李衣菜「こ、こうですか?」グッ

P「だからこうだって、こう!」

李衣菜「えーっと、こ、こうですか?」アセアセ

P「えーっとだな。ちょっといいか?」ヨイショッ

李衣菜「は、はい」ドキドキ

フワッ

李衣菜「あっ」///

P「ここはこう押さえるんだ。ってちゃんと聞いてるか?」

李衣菜「ぷ、プロデューサーが後ろから私を・・・・・・」///

P「おーい、李衣菜」

李衣菜「・・・・・・」ポワポワ

P「だりーな、可愛いぞー」

李衣菜「はっ?!その名前で呼ばないでください!」
李衣菜「そ、それより今、か、か可愛いって」ドキドキ

P「そんな事よりさっきのちゃんと聞いてたか?」ハァ

李衣菜「あっ。す、すみません」アセアセ

P「はぁ、しょうがないな。もう1回だけ言うからちゃんと聞いとけよ?」

李衣菜「は、はいっ!」パアァ



多田李衣菜は、大切なモノを見てにやける



つづく


北条加蓮は、何を見て笑う



ーーー事務所ーーー



ガチャ

P「おはようございます」バタン

ちひろ「おはようございます」

加蓮「おはよう、プロデューサー」

P「おー、加蓮じゃないか。どうしたんだ?こんな朝早くに」

加蓮「ちょっとプロデューサーと話したい事があるんだよね」

P「じゃあ会議・・・・・・室は駄目だな」

加蓮「ん?誰も使ってないと思うけど?」

P「いや、駄目だ。喫茶店でもいいか?」

加蓮「私はいいけど、仕事しなくてもいいの?」

P「今日は珍しく暇だしな。ちひろさん、少しだけ任せてもいいですか?」

ちひろ「いいですよー」カタカタカタ

P「じゃあちょっと言ってきますね」ガチャ
P「人目のある所なら・・・・・・」ボソッ

加蓮「ん?どうしたの?」キョトン

P「いや、なんでもない」

バタン




ーーー喫茶店ーーー



P「わざわざ事務所まで来て、俺になんの話があるんだ?」

加蓮「プロデューサーってさ、よく女子寮とかに出入りしてる?」

P「そ、そんなことはないぞ」アセアセ

加蓮「じゃあ、これはどういう事?」ピッ

P「これは、李衣菜の部屋に行ったときの写真・・・・・・」
P「李衣菜にはギターを教えていただけだ」キッパリ

加蓮「女の子の部屋に男の人と2人っきりだよ?」
加蓮「信じられないよ」ムー

P「じゃあ李衣菜に聞いてみるといい」

加蓮「うん、そう言われると思って聞いたんだけどね」

P「早いな」

加蓮「なんか恥ずかしがりながら、ずっともじもじしてたんだけど?」ジー

P「」


加蓮「酷いよね。みんなのプロデューサーだと思ってたのに、1人の子に肩入れするなんて」ハァ

P「し、仕事に私情は持ち込んでないっ!」ガタッ

加蓮「だからってこういうのはスキャンダルって言うやつなんじゃないの?」

P「・・・・・・」

加蓮「あーあ。なんか面倒になっちゃったな」

P「・・・・・・なにがだ」

加蓮「アイドルの仕事とかさー、なんかどうでもよくなってきちゃった」ハァ

P「そ、そうだ!加蓮、もうすぐ誕生日じゃなかったか?」
P「今からスケジュール調整して誕生日にパーッと遊ぼう!」

P「今は気が滅入ってるだけだ!だからアイドルを辞めるなんて言わないでくれ!」

加蓮「・・・・・・プロデューサー?」

P「ん?どこでも行きたい所に連れて行ってやるぞ!」ニコニコ


加蓮「私の誕生日、覚えてるよね?」ワナワナ

P「えーっと、ちょっと待ってくれ」アセアセ

ガサゴソ

P「えーっと、9月5日だな!」ペラペラ

加蓮「・・・・・・今日は何日だっけ?」

P「えっと、6日だな・・・・・・。ん?」パチクリ

加蓮「そうだね。私の誕生日よりリーナちゃんとイチャイチャする方が大事だよね」ハァ

P「ちっ、違う!そんなことはない!」

加蓮「もういいっ!」ガタッ

タッタッタッ

P「おっ、おいっ!加蓮!」

>アッ、アリガトウゴザイマシター

カランカラン

P「はあ。どうしたもんか」ズズッ




ーーー



加蓮「・・・・・・プロデューサーの馬鹿」グスッ

ちひろ「お困りのようですね」

加蓮「ち、ちひろさん?!」

ちひろ「プロデューサーは酷いですよね」

加蓮「いいよ、もう。私もちょっとカッとなっただけだし」

ちひろ「いやいや、駄目ですよ。こんな悲しい出来事を来年も味わう事になるかもしれませんよ?」

加蓮「そっ、それは・・・・・・」ショボン

ちひろ「そこで提案なんですけど・・・・・・」フフッ




ーーー事務所前ーーー



P「はぁ。加蓮はあれから連絡取れないし。どうしたもんか」テクテク
P「今日はオフだからいいが、明日からどうすれば・・・・・・」

P「ん?事務所の前に人だかりが」
P「なにかあったのか?」タッタッタッ

>ガヤガヤ

P「すみません。なにかあったんですか?」

「なんかこの事務所の所属アイドルが飛び降りたらしいよ」

P「・・・・・・えっ」ソウハク
P「ちょっ、ちょっと通してください!すみません」アセアセ

「緊急車両が発進します!道を開けてください!」

P「すみません!」

「危ないですから近づかないでください!」

P「わっ、私はこの事務所の関係者です!誰かが飛び降りたって・・・・・・」

「関係者の方ですか。救急車に一緒に乗ってください!」ガチャ

P「はっ、はい!」

バタン

P「っ!!」


ピーポーピーポー

P「・・・・・・加蓮」
P「おいっ!加蓮!大丈夫か!」

「患者さんに触れないでくださいっ!危険な状態ですので」

P「す、すみません」

「手を握ってあげててください」

P「・・・・・・はい」ギュッ

加蓮「・・・・・・」ニヤッ

P「いっ、今!口元がっ!」

「だいじょーぶですかー!聞こえますかー!」

加蓮「・・・・・・」

「まだ意識不明ですね」カチャカチャ

P「・・・・・・」ギュウ




ーーー集中治療室前ーーー



医者「脈拍も血圧も正常ですし、もう少しで目も覚ますでしょう」
医者「念の為にあと30分だけ、集中治療室に入っててもらいます」

P「本当ですかっ?!ありがとうございます!」ペコペコ

医者「また30分後に来ますね」

P「はい」ペコペコ
P「加蓮、すまん」グズッ

P「なんとか目を覚ます頃には両親を呼んであげたいが、連絡がつかない」
P「事務所はちひろさんが居てくれるだろうからいいとして」

P「はぁ」グッタリ




ーーー1時間後・病室ーーー



加蓮「ぷろ、でゅーさー?」パチッ

P「か、加蓮っ!」ギュッ

加蓮「ひゃっ?!どっどうしたのっ!?」///

P「加蓮!加蓮!大丈夫か!」ギュウウ

加蓮「ちょっ、ちょっとプロデューサーっ?!痛いって」///

P「あっ、ああ。すまん」
P「そっそうだ!今医者を呼んでくるからな!」

加蓮「う、うん」ドキドキ



ーーー



医者「もう大丈夫でしょう」
医者「今日はゆっくりして、明日の朝に退院しましょう」

P「良かったな。加蓮」

加蓮「う、うん」ドキドキ

医者「それじゃあお大事に」シュー

パタン


シーン

P「・・・・・・すまん」グスッ

加蓮「っ?!」

P「本当にすまん」ドゲザ

加蓮「ちょっ!?やめてよ」アセアセ

P「いや、駄目だ!俺の気がすまない!」グリグリ

加蓮「顔上げてよ!そんなに頭こすりつけたらハゲちゃうよ!」アセアセ

P「いいんだ!加蓮が助かった事に比べれば、俺の毛根なんて死んでも・・・・・・」グリグリ

加蓮「それなら私も謝らないとね」ガタッ

P「へっ?」

加蓮「迷惑かけて、本当にごめんなさい」ドゲザ

P「ちょっ!?加蓮?やめてくれ!」アセアセ

加蓮「私のせいでプロデューサーにすごく心配かけたし」グリグリ

P「や、やめてくれ」アセアセ

シュー

ちひろ「お邪魔・・・・・・でしたね。失礼します」パシャ

P「」
P「・・・・・・加蓮。もういいんだ」ヨシヨシ

ギュウ


加蓮「んっ」ドキドキ
加蓮「ごめん、なさい」ウルウル

P「もういいんだ。元はと言えば俺が悪かったんだ」ヨシヨシ

加蓮「ほ、ほんどうび、ぐずん。ごべん、なざい」ウルウル

P「ふっ。アイドルがそんな顔しちゃ駄目だろ?」
P「ほら、これ使え」スッ

加蓮「あっ、びがどう」ブルブル
加蓮「て、手があー」ブルブル

P「手が震えてるのか。しょうがないな」ニコニコ
P「ほら、綺麗になったぞ」フキフキ

加蓮「んっ」///

P「少しは落ち着いたか?」

加蓮「・・・・・・うん」ギュウ

P「どうしたんだ?」

加蓮「・・・・・・怖かった」ボソッ

P「そうか」ヨシヨシ

加蓮「怒ったりして、ごめん」グスン


P「もう謝らなくていいぞ」

加蓮「・・・・・・うん」ギュウウ

P「ほら、そろそろベッドに戻らないと風邪引くぞ?」

加蓮「そうだね」ショボン
加蓮「よいしょ、あっ」ズルッ

P「おっと!大丈夫か?」

加蓮「なんか安心したら、足がすくんで」ハハッ

P「ったく。世話の焼けるアイドルだな」ニコニコ
P「よっと!」

加蓮「へっ!?」ドキドキ

P「ほら、お姫様。ベッドですよ」スッ

加蓮「お姫様って」テレテレ

P「ほら、加蓮も手を離してくれ」

加蓮「もう少しだけ、このまま」ギュッ

P「ワガママだな」

加蓮「誕生日だから」ニコニコ


P「それは昨日だろ?」

加蓮「昨日何もしてくれなかったし」ショボン

P「それじゃあ、誕生日プレゼントをあげよう」

加蓮「えっ?!本当にっ?」ワクワク

P「ああ。ベッドに横になったままでいいから、目をつむっとけよ」

加蓮「う、うん!」スッ



チュッ                              パシャッ



加蓮「えっ?!」///

P「早く元気になれよ」ニコニコ
P「じゃあ俺は事務所に連絡してくるからな」シュー

パタン

加蓮「もう・・・・・・」テレテレ
加蓮「せっかくならほっぺじゃなくて、直接・・・・・・」///

加蓮「ふふっ」ニマニマ

シュー

ちひろ「いい誕生日になったみたいね」パタン

加蓮「ちひろさんっ!?見てたんですか?!」アセアセ

ちひろ「そんなに満面の笑みなら、見てなくても誰だって解りますよ」フフッ

加蓮「えへへ」ニマニマ

ちひろ「ネタバラシは明日にでも私からプロデューサーにしておきますね」
ちひろ「加蓮ちゃんは、ここでゆっくり休んでてください」ニコニコ

加蓮「ありがとうございます」ペコリ

ちひろ「いいんですよ」フフッ
ちひろ「それじゃあ、私は帰りますね」シュー

パタン

加蓮「・・・・・・ふふっ」ニマニマ



北条加蓮は、手鏡で自分の頬を見てにやける




ーーー



ちひろ「あっ、ちょうどいいところに」ガサゴソ
ちひろ「ちょっと面白い写真が撮れたので、一緒に見ませんか?」スッ

ちひろ「綺麗に撮れてるでしょ?」
ちひろ「誰と誰か分かるぐらい鮮明に」フフッ



つづく


佐久間まゆは、なにを見て笑う



まゆ「お疲れ様でしたぁ」ニコニコ

>オツカレサマデス オツカレー

まゆ「ふぅ」

P「まゆ、お疲れ様」

まゆ「お疲れ様です。プロデューサーさん」ニコニコ
まゆ「今日の仕事はもう終わりですよねぇ?」

P「そうだな。どうする?直帰するか?」

まゆ「いえ、せっかくなのでプロデューサーさんと一緒に事務所に戻りますよぉ」

P「そうか。じゃあ準備が出来たら電話してくれ、車まわすからな」

まゆ「ありがとうございます」ニコニコ




ーーー車内ーーー



まゆ「プロデューサーさん?」

P「どうした?暗い顔して」

まゆ「最近、まゆに冷たくないですかぁ?」ショボン

P「そんな事はないと思うけど」アセアセ

まゆ「そうですか」ウーン

P「例えばどんな時だ?俺も気を付けるようにするよ」

まゆ「街中でプロデューサーさんに声をかけても、無視されることとかよくありましたよぉ」ショボン

P「そ、そうだったのか。すまん」アセアセ
P「それにしてもよく見つけられるな。東京なんて常に人ごみだろ」

まゆ「ふふっ。まゆはプロデューサーさんの事ならなんでもお見通しなんですよぉ」ニッコリ
まゆ「あとですねぇ」

P「まだあるのか」アセアセ

まゆ「まゆがキスをせがんでも、全然してくれないところですねぇ」

P「ちょっと待て」


まゆ「どうしたんですかぁ?」キョトン

P「俺にそんな身に覚えはないぞ?」

まゆ「まゆは、しっかりと覚えてますよぉ」

P「それに担当アイドルがそういう事を望んでも、俺はプロデューサーだからな」
P「そういう事はできない」キッパリ

まゆ「・・・・・・」

ザアアアアアアアアアア  ゴロゴロゴロゴロ

P「すごい雷雨だな。今年もゲリラ豪雨が多すぎるな」

まゆ「・・・・・・ですよぉ」

P「ん?わ、悪い!雨音がひどくて聞きとれなかった」

まゆ「まゆ、知っちゃったんですよぉ」

P「ん?なにを?」ハテナ


まゆ「加蓮さんとはキスできて、まゆとは出来ないんですねぇ」


P「・・・・・・」カチッ カチッ カチッ
P「ちょ、ちょっとコンビニで買い物してくるな!す、すこし待っててくれ」アセアセ

ガチャ


P「あっ、あれ?」ガチャガチャ

まゆ「なにをそんなに急いでるんですかぁ?」ニッコリ

P「い、いいいや!ドアが開かなくてな」ガチャガチャ

まゆ「この写真ってプロデューサーと加蓮さん、ですよねぇ?」スッ

P「そ、そうか?お、おおお俺には別人に見えるけどなー」ハハッ

まゆ「・・・・・・加蓮さんとはイチャイチャするのに忙しくて、まゆのことなんてどうでもいいんですよねぇ」

P「そ、そんな事はないっ!」アセアセ

まゆ「ではこの写真について、納得のいく説明をしてくれますよねぇ?」ニコニコ

P「そう、だな」
P「その写真は俺と加蓮だ。間違いない」

まゆ「そうですよねぇ」ショボン

P「写真ではそう見えるが、実際はほっぺにチュッとしただけだ」

まゆ「した、”だけ”ですかぁ」ワナワナ

P「結果的にこの原因を作ったのは俺だが、この前日は加蓮の誕生日だったからっていうのもある」

まゆ「・・・・・・それならまゆの誕生日にも、プレゼントもらえますかぁ?」ドキドキ

P「いいけど、無茶は言うなよ?」

まゆ「解ってますよぉ」ニッコリ




ーーー当日ーーー



P「おはようございます」ガチャ

ちひろ「おはようございます」

P「あれ?ちひろさんだけですか?」キョロキョロ

ちひろ「そうですけど、誰かお探しですか?」

P「まゆの誕生日だから、朝から事務所で待ち構えてると思ってたんですけど」

ちひろ「まゆちゃんならさっきまで居ましたよ?」

P「そうですか。帰っちゃったんですかね」

ちひろ「なにか忙しそうでしたよ?誕生日パーティーでもするんじゃないですか?」

P「まゆもアイドルである前に学生ですからね。友達付き合いも大切ですよ」

ちひろ「そういえばプロデューサーって、明日は休みですよね?」

P「あれ?そうでしたっけ?」

ちひろ「休日希望届に書いてありましたよ?」

P「うーん、なにか用事でもあったかな?」ペラペラ

ちひろ「まゆちゃんの誕生日じゃないんですか?」

P「いや、まゆの誕生日は今日ですよ」ウーン
P「とりあえず営業行ってきますね」

ちひろ「行ってらっしゃい」




ーーー夜ーーー



P「はぁ、疲れた」テクテク
P「まゆは約束を忘れてしまったのかな」

P「あとで電話してみるか」カチャカチャ

ガチャ

P「ただいまー。って誰もいないって」ハハッ

まゆ「おかえりなさい。プロデューサーさん」ニコニコ

P「・・・・・・すみません。間違えました」バタン
P「・・・・・・」

ガチャ

まゆ「間違えていませんよ?」ニコニコ

P「まゆ、どうしてお前がここに居るんだ?」

まゆ「約束を忘れちゃったんですかぁ?」ショボン

P「ちゃんと覚えてるよ。誕生日プレゼントの話だろ?」

まゆ「そうですよぉ」ムー
まゆ「まゆの誕生日プレゼントは、1日お嫁さんでお願いしますねぇ」ニコニコ

まゆ「無茶じゃないですよねぇ?」

P「まあ無茶だけど、無理ではない、かな?」
P「だけどな、まゆ」

まゆ「なんですかぁ?」キョトン

P「勝手に人の家に入るのは駄目だぞ?」

まゆ「お嫁さんは、家で主人の帰りを待っているものですよぉ」ニッコリ

P「はぁー。まあいっか」
P「結婚をしろとか言われるより、オママゴトみたいでいいかもな」

まゆ「うふふっ」ニコニコ
まゆ「それでは、ご飯にします?お風呂にします?」

P「先に風呂だな」

まゆ「はい。ゆっくりと浸かってきてくださいねぇ」ニコニコ




ーーー



P「ふぅ。さっぱりした」

まゆ「ちょうどご飯の準備ができましたよぉ」

P「おぉー!すごい豪華だな」

まゆ「プロデューサーさんのために、頑張りましたよぉ」

P「ありがとうな、まゆ」ナデナデ

まゆ「うふふっ」テレテレ



ーーー



P「すごい美味しかったよ。ごちそうさま」

まゆ「お粗末さまです」カチャカチャ

P「あ、片付けなら俺がやるよ」

まゆ「でも、まゆは1日お嫁さんですからぁ」

P「いいっていいって。まゆはゆっくり休んでてくれ」

まゆ「それなら一緒に片付けませんかぁ?」

P「まあ、まゆがそれでいいならいいけど」

まゆ「共同作業ですねぇ。嬉しいです」ニコニコ

P「変な言い方するなよ」
P「食器を片づけ終わったら、送っていかないとな」カチャカチャ

まゆ「なにをですかぁ?」カチャカチャ

P「なにをってまゆを女子寮まで・・・・・・」

まゆ「新婚なのに、いきなり別居は嫌ですよぉ」ショボン

P「いやいやいや、さすがに泊まるのは・・・・・・」

まゆ「・・・・・・駄目、ですかぁ?」ウルウル

P「そ、そんな目で見られても・・・・・・」

まゆ「やっぱりまゆより、加蓮さんの方がいいんですねぇ」グスン

P「そういう事じゃなくてだなー」ウーン
P「じゃあ泊めるから約束してくれるか?」

まゆ「プロデューサーさんとの約束でしたら、ちゃーんと守りますよぉ」

P「まず、変な事はしない。あとは明日にはちゃんと寮に帰る事。いいな?」

まゆ「大丈夫ですよぉ。まゆは1日だけのお嫁さんですからぁ」ニッコリ

P「そうか。分かってくれたならいいんだ」
P「ありがとうな」

まゆ「当たり前ですよぉ」ニッコリ




ーーー



P「さて、そろそろ寝るか」

まゆ「そうですねぇ」

P「問題はどこで寝るかだな」
P「まゆはベッドを使ってくれ。俺はどこか場所をみつけて寝るよ」

まゆ「まゆはちゃんと準備してあるので大丈夫ですよぉ」
まゆ「プロデューサーさんはベッド使ってください」

P「うーん、でもなー」

まゆ「まゆはプロデューサーさんが風邪引く方が嫌ですよぉ」

P「じゃあお言葉に甘えて、そうするか」
P「寝苦しかったらすぐに言えよ?いつでもベッドと代わるからな?」

まゆ「はい」ニコニコ
まゆ「それじゃあ、まゆはお風呂入ってきますねぇ」

P「おう、ゆっくりしてきてくれ」

まゆ「プロデューサーさんも無理しないで、寝ててもいいですよぉ」ニコニコ

P「まゆが寝るまでは起きてるつもりだからな」ハハッ




ーーー



P「」グーグー

まゆ「やっぱり待てませんでしたねぇ」フフッ
まゆ「プロデューサーさんの寝顔可愛いですねぇ」ウットリ

ゴソゴソ

P「ん?なんだ?」ゴシゴシ

まゆ「あ、起こしちゃいましたねぇ。ごめんなさい」

P「いあ、らいじょうぶだ」ゴシゴシ

まゆ「まゆは大丈夫ですから、寝てていいですよぉ」ナデナデ

P「んっ」スヤスヤ
P「・・・・・・ん?」ガバッ

P「どうしてまゆもベッドに入ってるんだ?」

まゆ「まゆも眠るからですよぉ?」キョトン

P「変な事はしないって約束だったろ?」ファーア

まゆ「お嫁さんなんですから、別に変なことじゃないですよぉ」ニコニコ

P「そ、そうか?」ネボケ

まゆ「そうですよぉ。夫婦なら普通ですよぉ」ニッコリ
まゆ「ほら、ゆっくり寝てください」ヨイショ

バタン

P「そう、だ、な」スヤスヤ

まゆ「ふふっ」ギュッ
まゆ「プロデューサーさんの腕、たくましいです」スリスリ

まゆ「うふふっ」ウットリ
まゆ「初夜はまだ始まったばかりですよぉ」ニッコリ




ーーー翌朝ーーー



P「ふぁーあ」
P「もう8時か・・・・・・やばっ!」ガバッ

P「って今日は休みなんだっけか」
P「・・・・・・もっかい寝よ」バタッ

まゆ「」スヤスヤ

P「はっ!?」ガバッ

まゆ「う、うーん。プロデューサーさん?」ゴシゴシ

P「ま、まゆっ?!どうして裸なんだっ?!」

まゆ「んー、どうしたんですかぁ?」ゴシゴシ

P「まゆがどうしたんだっ?!どうして裸で俺のベッドに居るんだっ!?」

まゆ「どうしてそんなに焦ってるんですかぁ?」ニッコリ
まゆ「まゆ達は夫婦なんですよぉ?だから当たり前じゃないですかぁ」

P「へっ?!えっ?・・・・・・えっ?」キョトン

まゆ「それにまゆだけじゃなくて、プロデューサーさんも・・・・・・きゃっ」テレテレ

P「えっ」ハダカ

まゆ「まゆ、まだこの辺りがもぞもぞします」サスリサスリ

P「えっ」

まゆ「ふぁー・・・・・・昨夜はプロデューサーさんが激しかったので、まだちょっと眠いですねぇ」ウットリ
まゆ「すみませんが、もう少し寝ますねぇ」ゴソゴソ

P「お、おい!まゆっ!」アセアセ
P「ちょ、ちょっとっ!起きてくれっ!」ユサユサ

P「一緒に寝ただけだよなっ?!なっ!!」ユサユサ

まゆ「・・・・・・ふふっ」



佐久間まゆは、Pをからかい不敵に微笑む

つづく

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