男「人魚?」人魚「そうだよ」 (49)


男「暇だったので夜中の学校に忍び込んだ」

男「もし見つかったら、忘れ物取りに来たことにしようと思ってた」

男「校舎に入ろうとしたら、上から水が落ちてきた」

男「ペロッこれはカルキ水!」

男「本当はこう言わないだろうけど、つまりプールのあの臭いがするってことだ」

男「確かにこの上はプールだけど……」

男「気になるから行くことにしよう」








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男「この階段の向こうがプールだな」

男「水音がする」

男「おばけだったらどうしようか」

男「あとヤンキーとかでも困る」

男「まぁ、とりあえず覗いてみるか」


人魚「あぁ?良い湯加減だなぁ?」

男「おっさんかよ」

人魚「えっ?!誰だお前?!」

男「しまった」

人魚「何で人間がここにいる?!」

男「いや、こっちの台詞」

人魚「私は涼みに来たんだよ。昼間は暑いからな」

男「なるほど」

人魚「なるほどて」




人魚「で、人間は何でこんな時間に学校にいるんだ」

男「暇だったから、一人で肝試しに」

人魚「肝試し?肝試しってなんだ?」

男「何て言ったら良いんだろう……度胸試しみたいな感じ。それを夜中にやるんだよ」

人魚「怖がらないぜ大会みたいなものか?」

男「まぁ近い」

人魚「ふーん。暇だったんだな」

男「その通りです」


男「ってか、あなた人魚?」

人魚「其れ以外に何にみえる」

男「セイレーンとか?」

人魚「歌は上手くないし、あんなに美人じゃない」

男「知ってるのか」

人魚「知ってるも何も、セイレーンさんは実科が近所だし学校も一緒だった」

男「学校とかあんのか」

人魚「人間とそう変わらんよ。その辺は」

男「へぇ、初めて知った」

人魚「だろうなぁ」


男「人魚さん」

人魚「呼び捨てで言い」

男「人魚」

人魚「何だ」

男「人魚は美人だな」

人魚「人間からすればな。人魚からすれば普通だ」

男「それでも綺麗だと思う」

人魚「そうか」

男「……」

人魚「……」

男「顔真っ赤だよ」

人魚「う、うるさい!///」





男「人魚は毎週水曜日にプールにいるらしい」

男「曜日限定のイベントみたいだ」

男「携帯も、パソコンも、」

男「メールも、手紙も要らない」

男「そんな『友達』は初めてだ」

男「正直、毎週楽しみで仕方ない」

男「水曜日、彼女に会うのが」

見てる人いる?

丁度さっき見つけた
ここで書くなら区切りが付くまでレスを控える人が多いから
「今日はここまで」とか宣言するまでレス無しも覚悟したほうがいいぞ


男「人魚って普段どこで暮らしてるの?」

人魚「海だったり川だったり。魔法みたいなよので人間に擬態してる奴もいる」

男「すごいな。やってみてよ」

人魚「ここじゃできないな。時間も材料も足りない」

男「残念」

人魚「また今度な」

ーーーーー

人魚「何だ?その鱗色のやつ」

男「鱗色?ああ、銀色のことか」

人魚「人間はそう言うのか」

男「鱗は魚や蛇のものだから、たくさんの色があてはまるからね」

人魚「ふーん。で、何だその銀色のまるいやつ」

男「これはパチンコ玉って言ってね」

人魚「チンコ玉?」

男「違う。断じて違う」


ーーーーーー

人魚「人間は数が多くて大変そうだな。たまに見かける電車とかいうやつ、あれに何人乗ってるんだ?」

男「どうだろう。時間帯にもよるかな。朝と夕方はすごく混むし」

人魚「あ!知ってる!あれだろ?えーっと、ツーキンラッシュ!!」

男「通勤ラッシュね。それだと呪文みたいだよ」

人魚「実際に同じ呪文があるんだ」

男「えっ」


ーーーーー

男「人魚は付き合ってる人とかいないの?」

人魚「いっ、いるわけないだろうそんなの!!!」

男「声が大きいよ」

人魚「す、すまない。でも男がいきなり変なこと言うから……!///」

男「美人なのになぁ。俺が人魚だったら即付き合うのに」

人魚「そっそういうことは人間の女に言えばいいだろう!この前二人で帰ってたやつとか!!河から見てたぞ!!」

男「」

誤送信


男「あれ、妹」

人魚「」

男「嫉妬した?」

人魚「するわけないだろう!人間なんかに!!///」

男「あは、また顔真っ赤になった」

人魚「/////」

男「かわいい」

人魚「うるさい!////」

>>11 ありがとう 一応朝になるまでに終わらせるつもりですが、一旦置くようならそうさせてもらいます。


人魚「正直に言うのが苦手な私が、敢えて正直に言うと」

人魚「毎週、水曜日に男と会うのが楽しみで仕方ない」

人魚「ついでにもう一つ敢えて言うと」

人魚「男のことが好きだ」

人魚「……なんで人間に生まれてこなかったんだろうと思うくらい、好きだ」

人魚「男と出合って三ヶ月が経った。もう夏至」


ーーーー

人魚「今日は秋分だった」

人魚「風がすずしくなってきた」

人魚「私がここにくる理由も、そろそろなくなる」

人魚「その前に、やらなきゃいけないことがある」

ーーー

男「玄関のドアが開いたようだ」

男「隣の部屋の鍵がかかる音がしたので、俺も部屋の鍵をかける」

男「リビングから声がする」

男「真下の部屋から音がする」

男「俺は何もできない」

男「声もあげない音も出さない」

男「二段ベッドの上段で、呟く」


殺されそうなう\(^o^)/


男「人魚にあいたい」

男「寒い内は無理だろう」

男「冬眠とかしてそう」

男「もしくはあの魔法使って避寒とか」

男「あ」

男「また音がする」

男「黙ろう」



ーーーーーー

男「先に一つ、意味は無いけど、言っておく」

男「俺に親父は居ないし、お袋もいない」

男「妹はいた」

男「ついでに言うと、『友達』はたくさんいる」

男「まぁ、人魚みたいな奴はいない」

男「だから俺は、彼女が好きだ」

男「それだけです」


駄目だ睡魔には勝てない
とりあえず今日はここまでです
昼頃戻るとおもいます

寝れないのでもう少しだけ


ーーーーー

男「受験の季節になった」

男「一日のほとんどを学校で過ごして」

男「過ごして、過ごして、また過ごして」

男「そうこうしているうちに、冬が終わった」

男「幸運にも、部屋には誰も入ってこなかった」

男「妹と『友達』は随分減ってしまった」

男「ここの大人に殺されたりしたんだと思う」

男「殺されたか売られたか遊ばれたか捨てられたか譲られたか飽きられたか」

男「あるいはその全てか」


男「ここで生きていく術を、幸いにも俺は持っていたので」

男「腹が減って舌をかみ切って歪にしたり」

男「眼ばかりギョロギョロさせていたり」

男「その身体を何かに使われたりすることは無かった」

男「賢い子供は価値のあるものになれる」

男「そうしていつか、誰かに手渡すために」

男「部屋に入って犯して壊して殺すことははれなかった」



男「学校の『友達』みたいに、あらゆる方法で媚びを売る奴らも」

男「この家の『友達』みたいに、あらゆる方法で壊される奴らも」

男「俺には要らないものだ」

男「ただ、あの日、パチンコ玉と交換した銀に光る鱗一枚」

男「これだけで良い」

男「彼女に会いたいとか、烏滸がましい望みも要らない」

男「格好つけてるみたいで嫌だけど」

男「本当にそう思う」

男「だって、冥土には、そんなにたくさんはもっていけないから」

ID変わってる原因は分からないので酉つけます
できてるかな

続けます


男「でもまぁ俺も人間なので、いろいろ悔しかったりします」

男「なのでせめて、死んだら彼女に会えるように、このプールで死のうと思います」

男「結局、彼女が本当に人魚だったのか」

男「あと、」

男「人魚は俺のこと、どう想ってたのか」

男「それが知りたかった」

人魚「今から教えてあげますよ」


男「え」

人魚「久しぶりですね」

男「何で敬語?」

人魚「さっきまで仕事してたからな」

人魚「まぁ、今からも一件済ませるわけだが」

男「意味がわからないだけど」

人魚「そう急かすなよ」

中途半端だが寝る
起きたらもどります

乙です
例えばドコモのスマホだと
電波が不安定でLTEと3Gがコロコロ変わるような場所だったら
LTEとかが変わるたびにIDも変わったはず
他キャリアは知らないけど似た感じじゃないかな?

おはよう
続き書きます



人魚「人間に擬態する魔法があるって、ずっと前に言っただろ?」

男「言ってたな」

人魚「それな、逆の魔法もあるんだ。人間を人魚にする魔法。これを今からお前にかけようと思う」

男「材料とか要るんじゃないの」

人魚「材料は死んだ人の心だよ」

男「へぇ」

人魚「お前の『友達』。あいつらから貰った。もちろん了承済みだ」

男「あいつらに心なんてないだろ」
男「痛覚すら鈍い奴らだぞ」
男「言葉を話すことも殆どしない」
男「笑うことも泣くこともない」

男「俺はあいつらを気味悪く思ってたよ」
男「随分昔の山奥なんかだったらあり得るだろうけど」
男「西暦はとっくに2000年を回って」
男「電車も地下鉄も自動車も自転車も」
男「人と同じように数を増やしたのに」
男「そもそもがあり得ないんだよ」
男「俺がいた環境も『友達』も」

男「人魚、お前の存在もだ」
男「お前を疑ってるんじゃない」
男「俺は俺の頭を疑ってるんだよ」

男「妄想だろ全部妄想」
男「そうじゃなきゃ、」
男「俺がこんな綺麗なひとに、抱きしめられてなんかいるはずない」



人魚「これだけ辛い思いをしても、泣くことはないんだな」

男「泣いたところで何も変わらないだろ。もう諦めてる」

人魚「そうするしかなかった?」

男「そうするしかなかった」

人魚「そうだな」
人魚「大体知ってる」

人魚「私の仕事は、魔法の材料を集めることだ。人間の言う、オーテキギョーに努めてる」

男「大手企業」

人魚「大手企業、か」
人魚「やっぱり日本語は難しいな」
人魚「まぁそれは置いといて」

人魚「材料は私たちが普段いるところで手には入るものもあれば、そうじゃないのもある」
人魚「人の心はその代表だな」




>>33 なるほど。そういうのがあるのか

一旦落ちます。時間あったら昼休みに


人魚「初めてお前と会った日、あの日私は久しぶりの休みだった。たぶん、二年ぶりくらいの。前にも言ったと思うが、人魚はもう数が少ないから、いろんな仕事を兼ねている奴が多い。私の場合は医療関係すべて、だな」

人魚「数が少ないと些細なことでも戦う理由が出来やすい。というか、些細な争いが広まりやすいんだ。二年前、そんな戦いの一つから私は逃げたんだ。私が居なければ助かる奴は激減する。沢山死ぬ。でもさ、誰も居なければ戦うことなんてないだろ?」

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