創造神「世界の成長をずっと見守り続けてきた」 (30)

ーー1日目

創造神「今日もまた沢山の人が産まれ沢山の人が死んでいる」

創造神「それがいつもの日常」

創造神「刺激にかける、私が見張っているから戦争などは起きない」

創造神「ある日、1人の男を見てみることにした」

創造神「その男は毎日存在するかも分からない神に祈り、貧しい中供物を供える」

創造神「弱音も一切吐かずちょっとした煩悩すらない」

創造神「人の作ったロボットかのように働き続ける」

ーー2日目後

創造神「今日もあの男を見守る」

創造神「50年くらい世界は安泰だろう、見守る必要はない」

創造神「道端に傷付いた狸が倒れている」

創造神「人間が作った車によって轢かれたのだ」

創造神「可哀想な狸、治療を施してあげようかと思った矢先」

創造神「あの男が現れた」

創造神「狸を自宅に連れていき生きているうちに皮でも剥いで剥製にでもするのかと思った」

創造神「しかし予想とは裏腹に狸を介抱し始めた」

創造神「貴重な水も食べ物も与えている」

創造神「・・・そんなことしたら今日食べる分が無くなる」

創造神「神への供養は続けている」

ーー3日目後

創造神「今日もあの男を見守る」

創造神「昨日から何も食べずに朝早くから畑を耕す」

創造神「・・・豊作に育つようにーー贔屓は駄目だ。思い留まる」

創造神「頻繁に自宅に戻っては狸の介抱を続ける」

創造神「神が祀られているとされる祠を掃除し終わる頃にはもう夕暮れ」

創造神「今日は貴重な果物を供えている」

創造神「少量の水と豆だけ食し、明日に備えて寝る」

創造神「報われる日はくるのだろうか」

ーー1週間後

創造神「1週間が経った」

創造神「そろそろ飽きてくるくらい毎日同じ事を繰り返す」

創造神「今日は朝早くから山菜を摘みに行った」

創造神「罪悪感を感じているのか少しだけ摘んで帰る」

創造神「・・・山には人は少ないんだからもう少しーー豊穣神に怒られる」

創造神「狸は元気に動き回っている、山に返そうとしたが何故か家に残っているようだ」

創造神「あの男が珍しく困ったような表情を見せていた」

創造神「今は仲良く共存している」

ーー1ヶ月後

創造神「あの男を見守って早1ヶ月」

創造神「見守るといっても特別助けにでるような事はない」

創造神「ちょっと見放していたら他の国で紛争が起きた」

創造神「人の争いは何度も見てきた、すぐにおさまるだろう」

創造神「あの男の畑に芽が出てき、少し微笑んだような表情を見せた」

創造神「・・・3種類の表情しかいまだ見ていない」

創造神「神への供養は続けている」

ーー半年後

創造神「半年経った」

創造神「世界を見守っていると100年なんてすぐに感じる」

創造神「しかしたった1人の人生を見ていたら半年すらも少し長く感じた」

創造神「季節は冬に変わり、動物は眠りにつく」

創造神「山は少し寂しそうな表情を見せ、痩せた木々を鳴らしている」

創造神「男はというと、藁を編み寒さを凌いでいる」

創造神「・・・脂肪を蓄えていた方が良いと言うのにいまだ神に祈り供養を続ける」

創造神「この季節をこえたら恵みに満ちるだろう」

ーー1年後

創造神「見守り始めて1年」

創造神「季節は夏、あの男の畑も潤ったが猪に荒らされた」

創造神「哀しそうな表情を見せた」

創造神「しかし畑を作ったおかげが前よりは少しだけ生活も潤った」

創造神「・・・それでも一般市民より少し貧しいが」

創造神「山は青々しく育ち、生きているようなパワーを感じる」

創造神「・・・おっと、生きているようなではなく、生きているだな、豊穣神に怒られる」

ーー1年と少し

創造神「失態をおかした」

創造神「国と国の間で戦争が起きた」

創造神「山は色を変え、初々しかった夏とは変わって化粧をし、枯れる前の輝きを見せる」

創造神「そんな光景の端で赤く輝く家々」

創造神「仕事が増えた」

創造神「あの男は・・・いない」

創造神「昨日までは確かにいたはず」

創造神「この山に戦争の魔の手は襲ってきていないのでは?」

創造神「いつになればあの男は報われる」

ーー翌日

創造神「私が動揺するほどの事ではない」

創造神「人に化けてあの男の数少ない隣人に聞いてみることにする」

ーー小さな村

女「あの、お聞きしたいのですがそこの家に住んでいた男の方を知りませんか?」

隣人「こんな所に珍しくめんこいおなござね~あの男は戦争に駆り出されたよ」

女「ーーっ?!・・・そうですか、ありがとうございます」

女「・・・首都にむかおう」

ーー役場

女「この男の人を知りませんか?」

役人「あぁ、その男なら昨日戦死して遺品が運ばれたよ」

女「え?・・・」

役人「親族の方かね?受け取る人がいなくてねこの男の遺族の方を探していたんだ、これで男も報われるよ」

女「ありがとう・・・ございます」

役人「それじゃあちょっと待っててね」ガタ

女「・・・」

役人「これだよ、ご冥福をお祈りします」

女「・・・この男は毎日神に祈っていました」

役人「え?」

女「自分の身を削りながらも、献身的な祈りでした」

女「何故死ぬ必要があったのです?」

役人「わ、私に言われましても」

女「・・・すみません、ありがとうございました」

ーー天界

創造神「遺品はあの家の地下に埋めた」

創造神「私はあの男だけ特別扱いをしていたのだろうか」

創造神「・・・多分、他の人間も皆自分の人生があって生きている」

創造神「たった1人の人間に執着しすぎた」

創造神「・・・」

創造神「うぁ・・・ぇっぐ・・・」ポツン

創造神「・・・」






創造神「私はこれからも世界の成長を見守り続ける」

あるSSの続編書いてる途中に暇つぶしに書いたものだったから(´・ω・`)

続編需要ある?

需要ある?(チラッチラッ

>>22
何かすまん(´・ω・`)

書き溜めてないからゆったり書いていくわ

ーー後日談

豊穣神「死んだはずの狸が山に戻ってきて繁殖してるんだけど何かした?」ゴゴゴ

創造神「っ!?い、いや、やってないよ!あの男が勝手に治療して・・・」

創造神「そう、勝手に治療して・・・」

豊穣神「自然のバランス考えてよねっ!」

創造神「ぅ…ぁ…ぅぐぅ」グス

豊穣神「ーーえ?ちょ、泣いてる!?え、そ、そんな・・・げ、原初神様っー!!」

タッタッタ

創造神「・・・ふぅ、罰として人間界送りは防げたようね」



創造神「今度は私が供養する役ね」

ーーー

創造神の性別に戸惑った

>>27
一応女よりで良いかな?
女に化けさせたし

ーー後日談two

創造神「そうだっ!あの男の家を神格化してやろうかな」

創造神「世界の見張り頑張ってるしこのくらい・・・いいよね?」

創造神「よ、よーし」ソロー

創造神「少し記憶いじりますyーー」

原初神「おい、何をしてる」

創造神「ーーっ?!は!はひっ!」ビクッ

創造神「ちょっと神への信仰が足りないかと思いましてですね・・・」

原初神「人の家を勝手に改造するな」ジトー

創造神「す、すみませんでした・・・」シュン

創造神「あ、狸だ、ふふっ元気に育ってる」

ーーー

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