【シャドハ】ほむら「ここは…どこ?」QB「中国の南満州さ」【まど☆マギ】 (51)

ほむら「中国…?」

QB「そうだよ。ところで暁美ほむら、君は日本人だと思うんだけれど…」

QB「軍人でもない少女の君がどうしてこの国にいるんだい?」

ほむら「別に珍しいことじゃ…」

ほむら(…?今のキュゥべえの発言…それに辺りの景色…まさか!)

ほむら「…キュゥべえ」

QB「なんだい?」

ほむら「今は…西暦何年?」

QB「1913年に決まっているじゃないか。そんなことを訊くなんて訳がわからないよ」

ほむら「」








このSSはシャドウハーツと魔法少女まどか☆マギカのクロスSSです

※ほぼシャドウハーツ寄り

※不定期更新

>>1はSS初心者

それでもおkな方、よろしくお願いします

また、このSSは以前立てた
【まど☆マギ】ほむら「ここは…どこ?」QB「中国さ」【シャドハ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1360429081/)
の立て直しです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1372346181

ほむら(………なんで100年も時間が巻き戻ってるのよ!?)

ほむら(前回ワルプルギスに負けて時間を戻した…………はず)

ほむら(それが…どうしてこんなことに…?)

QB「君は僕を知っているようだし、魔法少女のようだけど…契約した覚えはない。君は何者だい、暁美ほむら」

ほむら「貴方には関係ない」

QB「やれやれ、またそれかい。…さっきの質問から察するに、君はこの時間軸の人間ではないね?」

QB「おそらく時間遡行の能力を持っていて、能力の発動の際何らかのトラブルがあって予期せぬこの時代に飛ばされた、そんなところかい?」


ほむら「…下らない推察は止めることね、インキュベーター」

QB「!…その名前も知っているのかい!?…まったくもって君という人間がわからないよ…」

QB「極めつけのイレギュラーってところかな」


ほむら「…」

ほむら(…とりあえず状況を整理しよう)

ほむら(ここは1913年の中国。見たところ…今いる場所は駅のホームってところね)

ほむら(盾は………収納機能はとりあえず無事ね)


ほむら(武器は…ワルプルギス戦で使用した余り)

ほむら(時間停止機能は…)


ほむら(…そんな!壊れてる…!?機能しない…)

ほむら(魔法でも修復できない…!このままだと満足に戦うこともできない…)

ほむら(それに…戻れない…まどかを救えない……)






ほむら(…そもそも何で盾が…)

ほむら(…そうだ…思い出した…)

~前回の時間軸~

ワルプルギス「キャハハハハハハ!!!!」


ほむら「ぐっ…もう砂時計が…」

ほむら(また…勝てなかった…)


ほむら(ごめんなさい、まどか…今回もあなたを救えなかった…)


ほむら(でも、諦めない。何度でも繰り返す…あなたを救うまで!!)

ほむら(時間遡こ…)

ワルプルギス「キャハハハハハハ!!!!」

ゴオッ!!!

ほむら(まずい!瓦礫が…!)


ドゴォン!!!!

ほむら「ああっ!!」


バキィン!!!


ほむら(左腕を…やられた…)

カ…シャ…ン

ほむら「!」

ギュウゥゥン…


ほむら(時間遡行の発動は…間に合った…これで……!?)


ほむら(遠くの方で浮かんでいるのは…まさか…盾の破片!?)


ほむら(それに…今まで気づかなかったけれど…いつもの時間遡行の経路と違う…!)

ほむら(魔法が…暴発している…!?)


ほむら(このままだと…全く違う時間軸に飛ばされる…?)


ほむら「うっ…!?」


ほむら(意識が遠…退く…まず…い…)



―お…は………に…りたい―

―…ふふ……たら…しょに……が…き…ね―


ほむら(声…?いったい…誰…の……………)


フッ…

ほむら(ここで私の意識は途切れた)

ほむら(どうやら私とこいつの推察通り、魔法の暴発で1ヶ月どころか100年も、それも全く違う場所に飛ばされてしまった…)


ほむら「キュゥべえ」

QB「なんだい?」

ほむら「辺りに私の盾の破片は落ちていなかった?」

QB「いや、そういったものは見当たらないよ。…それで、君はこれからどうするんだい?」

ほむら「…」

QB「元の時代、国に帰る手立ては無いんだろう?」

ほむら「そうね…」

ほむら(悔しいが…こいつの言う通りどうしていいかわからない)

ほむら(まずは盾を直さないとどうにもならない…)


シュシュシュシュ……


ほむら「…?」


ほむら(向こうからやって来るのは…列車?)

QB「あの列車なら町まで行けるはずだよ。乗るかい?」

ほむら「…そうするわ。ここにいたって何も変わらないから」

~ほむらが列車に乗り込む十数分前~

―南満州鉄道 駅付近―


ガラの悪い男「う、ん…」


ガラの悪い男「はっ!」ガバッ

ガラの悪い男「いっけね!危うく寝過ごす所だった!」



ガラの悪い男「さてと、行くか…あれ?」


ガラの悪い男「なんだ、これ…?初めて来た場所のはずなのに見覚えがある?」

ガラの悪い男「…『でじゃぶ』ってやつか?」

ガラの悪い男「…まぁいいや。気にすることでもねぇか」



ガラの悪い男「うし、確か…向こうから来る列車だったな」

ガラの悪い男「つっ!?」ズキッ


ガラの悪い男「チッ、何だよ!分かってるっての!」バシッ

ガラの悪い男「女助けりゃいいんだろ、ったく…」

ザッザッザッ

―南満州鉄道 駅構内―

ザッザッザッ

ガラの悪い男「…」

シュシュシュ…

ガラの悪い男「へへ…」

ガラの悪い男「あの列車か…」

ドクン…!

ウル「何だかワクワクしてきたぜ…!」ニヤリ

―満州鉄道列車 車内―

ほむら(まさか…こいつがいることによって安心することがあるなんて思いもよらなかった)

ほむら(ここがいつのどこかも把握出来たし…状況も整理できた)


ほむら(…そしてこいつがいるということは…とりあえず魔法少女はちゃんと存在するようね)


ほむら「キュゥべぇ、この列車はどこに向かっているの?」


QB「奉天さ。確か日本軍が拠点にしているよ。君はもしかしたら手助けしてもらえるんじゃないかい?」

ほむら「…望みは薄いわね」

QB「まぁ、そうかもしれないね」

ほむら(たしかこの時代の日本って今の中国くらいどうしようもない国だったからね…何されるかわからない)

QB「それなら…これからどうするんだい?」

ほむら「日本軍との接触は避けるわ。…これからは盾を直す方法を探す。修復能力を持った魔法少女がいるかもしれない…彼女達に頼んでみるわ」


QB「いたとして…快く力を貸してくれるかは分からないけれどね」

ほむら「これを条件にすれば平気だと思うわ」つグリーフシード


QB「それほどのストックがあるとは…君は相当な実力者のようだね」

ほむら「…」


ほむら(前回の時間軸では早い段階で砂時計の砂が落ちきってしまったから、武器やグリーフシードを使いきる前に時間遡行を発動せざるを得なかった…)

ほむら(まさかそれがこんな形で有利に働くとはね…)

ダダダダダ!!!!

ギャアァァァ!!!!



ほむら「銃声…?それに…悲鳴…!?」

QB「前の方で何か騒ぎが起きているみたいだね。それに…何やらとてつもない邪気を感じるよ」

ほむら「まさか魔女?こんなときに…」

QB「いや、魔女ではない。使い魔でもない」

ほむら「確かに…ソウルジェムに反応は無い…だったら一体…?」

QB「わからないけれど…感じる魔力からしておそらく…魔女よりもずっと強力な何かだよ」

ほむら「魔女よりも強力って…そんなものが存在するの?」QB「悪霊や化け物の類いかもしれないね」

ほむら「…この時代はそんなものが存在していたの?」

QB「君の時代はいないのかい?…彼らは魔女同様人々の脅威となっているよ」


ほむら「…やっかいな時代に来たわね…」





QB「……!!ほむら!」

ほむら「いきなりどうし……!!」ゾワッ!

QB「感じるかい?」

ほむら「えぇ…近づいてくる…扉のすぐ向こう」ドクン…


ほむら(変身しておいた方がよさそうね)

ほむら「…」キュピィン!

バキャッ!!!

ビュン!!
ドカッ!!

日本兵「…うぅ」ズルズル

???「ふむ…まだ息がありますね。殺しなさい」

???「ケケケケケケ!!!」

日本兵「いやだ…助けてくれ!!ああぁぁぁ!!!!」

ズバン!!!

日本兵「」ドサ…





ほむら(出てきたのは英国紳士…銀髪の女性を肩に担いでいる?……それに血濡れた鎌を持った化け物…)

QB「ほむら、気をつけた方がいい」

ほむら「わかってる」

ほむら(化け物よりもあの男……何なの…穏やかな顔に似合わない、心臓を握り潰されるようなプレッシャー…戦うのは危険すぎる……それに、あの女性は?)


英国紳士「おや…?そこにいるのは…日本人のお嬢さんかな?」

ほむら(!!…気づかれた!?)ビクッ

ほむら「えぇ…そうよ」タラ…

英国紳士「何やら可愛らしいペットを連れていますね…あなたの使い魔ですか?」

QB「!?」

ほむら「なっ!?こいつが見えるの…?あなた一体…何者?」

英国紳士「見える者と見えない者がいるのですか……あぁ、私は通りすがりの英国人です。ふむ……若い芽を摘むのは趣味ではないのですが、見られてしまった以上仕方ありませんね」

ほむら「何を言って…」

英国紳士「かまいたち、殺しなさい」

かまいたち「ケケケケケケ!」ブンッ!

ほむら(まずい!)

サッ!

かまいたち「ケッ?」スカッ

英国紳士「ほぉ…」

ほむら「喰らいなさい」チャキ

バン!バン!バン!

かまいたち「ギャッ!」ドサ


英国紳士「おぉ…お見事。若さのわりに身のこなしや銃の扱いに長けていますね」

ほむら「色々あるのよ」

英国紳士「ですが…」

ほむら「…?」


QB「ほむら、まだだ!」



かまいたち「ケケケケケケ!」バッ

ほむら「なっ!?」

英国紳士「まだ甘い」

ほむら(なっ…まだ生きてたの!?)

かまいたち「ケケケケケケ」ブン!

ほむら(反応が間に合わない…!もう…)







「うらぁっ!!!!」ゴシャアッ!

かまいたち「ギャアッ!?」ドカッ!

ほむら(助かったの…?この男が、化け物を殴り飛ばした?)

ガラの悪い男「よぉ、平気か?」

ほむら「え、えぇ…ありがとう」



英国紳士「これはまた…シナリオには無い出演者が続々と…」

ガラの悪い男「あ?うるせぇよ。さっさとその女渡しな」

ほむら(え…?この男もあの女の人を狙っている?彼女は一体…)


英国紳士「はは…残念ながらそれはできませんね。それと、余所見をしていていいのですか?」

ウル「はぁ?」


かまいたち「ケ…ケケケケケ!!」ビュン!

ほむら(こいつ…!銃弾とあの重いパンチを喰らってまだ生きてるなんて!?)


ガラの悪い男「チッ…」




ズバン!!
ガシッ!

ガラの悪い男「…」グググ…

かまいたち「キーッ!キーッ!」バタバタバタ

ガラの悪い男「けっ」グシャッ!!

かまいたち「」ドサ


英国紳士「…気に入っていたのに…」ハァ

英国紳士「かまいたちは残念ですが…まぁ、良しとしましょう」



ほむら「あ…あなた、腕が…!」

ガラの悪い男「…」ボタボタ

英国紳士「その斬り落とされた左腕ではもう何もできまい」

英国紳士「さぁ、どうしますか?」

ガラの悪い男「…」

ほむら「くっ…」

ほむら(この男は頼れそうだったけどこの傷じゃ……やっぱり私だけで戦うしか…)

ガラの悪い男「はぁ…」スッ

ほむら(左腕を拾った…?)

英国紳士「…?まだやる気のようで…ですが、その腕では…」

ガラの悪い男「その腕って…」グッ ズズズ…




ほむら「嘘…」

英国紳士「なっ…!?」





ガラの悪い男「これのこと?」ヒラヒラ


ほむら(腕が…くっついて治った…!?)

英国紳士「…どうやら、君も何か特異な力を持っているようですね…相手にするのは少々面倒だ」

ガラの悪い男「いいからさっさと女渡せ」ダッ!

英国紳士「…ぬうっ!」ギロ

ガラの悪い男「!?」

カッ!

ガラの悪い男「がっ!」ビュン!

ドガァッ!


ほむら「なっ!?」

ほむら(今のは…魔法?男が吹き飛んだ…!)



英国紳士「貴女の始末もしておきたいのですが…」

ほむら「っ…」バッ


英国紳士「時間もありませんし、そろそろお暇させて頂きましょう」

グニャリ…
フッ


ほむら「なっ…消えた?」

ガラの悪い男「へっ…」ガバッ

ほむら「!」

ほむら「あなた、平気なの…?」

ガラの悪い男「あのくらい、何ともねぇよ」

ほむら(あの魔法を意に介していない…この男、何者…?)

ガラの悪い男「…あんた、死にたくなかったらどっか隠れてな」

ほむら「あなたは…どうするの?」

ガラの悪い男「あのオッサン追っかけて女持ってく…っと、上か!」

ガラの悪い男「とにかく無事でいたかったら大人しくしてろよ」ダンッ

バキャッ!

ほむら「…」

QB「どうする、ほむら」

ほむら「…私も彼らを追うわ」

QB「!?…どうしてだい?」

ほむら「分からない…ただ、あの男を追いかけなければならない…そんな気がしたから」

ほむら「あなたはどうするの?」

QB「あまりこういう面倒なことに関わりたくはないけれど…魔法少女についていくのが僕らの仕事だからね」

ほむら「…」

ほむら(何故この未知時間軸でわざわざ危険を冒そうとしているのか…私にも分からない)

ほむら(ただ…あの男を追っていけば、この時間軸でも何か道が拓ける気がする)

ほむら(…今は、前に進んでみよう)タンッ

―南満州鉄道列車 列車上―

ダンッ!!

英国紳士「やれやれ、どこまでもしつこいネズミだ…」

ガラの悪い男「…逃がさねぇよ、おっさん」


スタッ



ガラの悪い男「…?」

英国紳士「おや…?せっかく見逃したというのに性懲りもなく…」

ほむら「…」

ガラの悪い男「何でついてきてんの?あんたほんとに死ぬぞ」

ほむら「あいにく…私もやられっぱなしは納得できないの」

ガラの悪い男「戦えんのか、あんた」

ほむら「場数は踏んできてるわ。足手まといにはならない」

ガラの悪い男「へぇ、んじゃちょっと手伝ってもらうとするわ。」

ガラの悪い男「つーわけで…2対1だぜ、どうするよおっさん」

英国紳士「ふふふ…舐められたものだ…いいでしょう、この偉大なる黒魔術師、ロジャー?ベーコンがお相手いたしましょう!」


ガラの悪い男「さて、いくぜ!」ザッ

ほむら「えぇ!」チャキ


ほむら(ここは先に仕掛ける!)

ほむら「目瞑ってて」ピンッ

ガラの悪い男「は?」

ポイッ

カッ!!!!

ベーコン「ぐっ…閃光弾か!」


ガラの悪い男「…何でそんなモン持ってんだよ」

ほむら「どうでもいいでしょ…今よ」

ガラの悪い男「わってるよ!」
ダッ!

ガラの悪い男「らあぁっ!!」ブン!!


ベーコン「ふ…」パシィ!

ガラの悪い男「止めやがった!?」

ほむら「なっ…」


ベーコン「なかなか面白い先手でしたが…閃光弾など訳ありませんよ」


ガラの悪い男(は、離れねぇ…!)ググ…

ベーコン「消し飛ぶがいい」スッ

???「ぐっ…」

ベーコン「はあっ!!」カッ!!

ドン!!

ガラの悪い男「がっ…!」ドサッ

ベーコン「次は貴女の番ですね」

ほむら「くっ…」バン!バン!

ベーコン「ふふふ…」バチィ!バチィ!

ほむら(バリア!?銃弾が全部弾かれてる…!)

ベーコン「銃も私の前では無意味だ。そろそろ終わりにしましょう」スッ

ほむら(何も通じない…これまで…?)




ガラの悪い男「まだ終わってねぇよ」

>>26

×
ベーコン「消し飛ぶがいい」スッ

???「ぐっ…」

ベーコン「はあっ!!」カッ!!


ベーコン「消し飛ぶがいい」スッ

ガラの悪い男「ぐっ…」

ベーコン「はあっ!!」カッ!!

ベーコン「本当にしつこいネズミだ…私には敵わないとまだ判らないのですか?」

ガラの悪い男「勝手に決めんな、バカ。こっちも本気でいくから覚悟しとけよ」

ほむら(本気…?あの男に勝算なんてあるの?)

ガラの悪い男「ちょっと離れてな」



ガラの悪い男「ふっ…ぐぅ……」

ほむら(…!?突然頭を抱えて苦しみだした?一体…)

QB「ほむら、今すぐ彼らから離れた方がいい」

ほむら「キュゥべえ…なぜ?」

QB「あの男から異質な魔力が溢れ出している…何が起こるか分からない」

ほむら「異質な…魔力?」



ベーコン「何をしようと無駄……!?これは…まさか!」

ガラの悪い男「…おあぁぁぁっっ!!!!」カッ!


ほむら(いきなり男の体が光った?どういう……なっ!?)



??「…」


ほむら「あれは…どう見ても…」


ベーコン「なるほど…この目で見るのは初めてだ。フュージョンの使い手、ハーモニクサー…」


???「ガァァァァ!!!」


ほむら「悪魔…」


英国紳士「ほう、これは驚きました。まさか冥刹皇とは…それなりの力を持っているようですね」

冥刹皇「ラァァァ?」ダンッ!

英国紳士「むっ…」バッ


冥刹皇「ガァァァァ!!!」ババババッ!

ベーコン「くっ…」バチィ!バチィ!バチィ!

ほむら(す、凄い…あの男が押してる…?)

冥刹皇「ラァァッ!!!」バッ!
バキィッ!

ベーコン「うおっ!?」ドサッ



ほむら「これなら…勝てる!」


冥刹皇「オラァッ!!」ダッ!


ベーコン「ぬうっ!」バッ

冥刹皇「グッ…!?」ビタ…

ほむら「なっ…動きが…止められた!?」

ベーコン「…正直、ここまでやるとは思いませんでしたよ」

冥刹皇「オォォォ!!」グググ…

ベーコン「いくらフュージョンの力を持ってしてもその術は破れませんよ」


ベーコン「さて、終わりにしましょう!」コォォォ…



QB「とてつもない魔力が集まっている!ほむら、まずい!」

ほむら(逃げられない!魔法でバリアを張るしか…!)


QB「来るよ、ほむら!!」




ベーコン「アルアジフ…アルハザト!!!」バッ!




ベーコン「『黙示録』」


カァッッ!!!!!


冥刹皇「ガッ…!」

ほむら「きゃあっ!!!」


ドサ…

ガラの悪い男「がっ…」シュウン…

ほむら「くっ…」

ほむら(やっぱり、私の魔力程度のバリアじゃ…防ぎきれなかった…それに、あの男の変身も解けてしまった…)

ガラの悪い男「ちっ…フュージョンが…」

ベーコン「今の魔法で死なないとは…あなた達には本当に驚かされますよ」

ベーコン「しかしそれもここまで…さぁ、これで消え去るがいい、化け物とその仲間の少女よ!!」コオォォ…

ガラの悪い男「クソ…」

ほむら(時間停止も使えない…今度こそ本当にダメだ…)





狙われる女「…」フワ…

ほむら(気絶してた女性が…浮いてる?)

ガラの悪い男「なんだ?」


ベーコン「…?」


狙われる女「…」カッ!!!

ほむら(あの人のロザリオが光った!?)

ベーコン「…この魔力は…一体!?何が起きている!?」


ガラの悪い男(ここだ!)

ガラの悪い男「おい、女!俺について走れ!」ダッ

ほむら「え?」


ベーコン「はっ!しまった…!」

ガラの悪い男「隙だらけだぜ、おっさん!」ブン!

グシャ!!!

ベーコン「ぐおぉ、お…」


ほむら(なんてパンチ…顔が吹き飛んだ…!)

ガラの悪い男「悪りぃけど、この女もらってくぜ」

ガシ

ガラの悪い男「跳べ!」ダンッ

ほむら「えぇ!」タンッ





ベーコン「…抜かったか」

ガラの悪い男「がっ…」シュウン…

ほむら「くっ…」

ほむら(やっぱり、私の魔力程度のバリアじゃ…防ぎきれなかった…それに、あの男の変身も解けてしまった…)

ガラの悪い男「ちっ…フュージョンが…」

ベーコン「今の魔法で死なないとは…あなた達には本当に驚かされますよ」

ベーコン「しかしそれもここまで…さぁ、これで消え去るがいい、化け物とその仲間の少女よ!!」コオォォ…

ガラの悪い男「クソ…」

ほむら(時間停止も使えない…今度こそ本当にダメだ…)





狙われる女「…」フワ…

ほむら(気絶してた女性が…浮いてる?)

ガラの悪い男「なんだ?」


ベーコン「…?」


狙われる女「…」カッ!!!

ほむら(あの人のロザリオが光った!?)

ベーコン「…この魔力は…一体!?何が起きている!?」


ガラの悪い男(ここだ!)

ガラの悪い男「おい、女!俺について走れ!」ダッ

ほむら「え?」


ベーコン「はっ!しまった…!」

ガラの悪い男「隙だらけだぜ、おっさん!」ブン!

グシャ!!!

ベーコン「ぐおぉ、お…」


ほむら(なんてパンチ…顔が吹き飛んだ…!)

ガラの悪い男「悪りぃけど、この女もらってくぜ」

ガシ

ガラの悪い男「跳べ!」ダンッ

ほむら「えぇ!」タンッ





ベーコン「…抜かったか」

―南満州鉄道周辺 平原―


ガラの悪い男「っと」スタッ

ほむら「ふぅ…」スタッ


ガラの悪い男「追ってはこないみたいだな」

ほむら「そうみたいね。…助かったわ、ありがとう」


ガラの悪い男「まぁ、成り行きでそうなっただけだけどな。そういやお前、名前は?」

ほむら「暁美ほむら、よ。あなたは?」

ガラの悪い男「ウルムナフ・ボルテ・ヒュウガ。長いからウルでいいぜ」

ほむら「えぇ、よろしくウル。ヒュウガって…もしかして日本人のハーフ?」

ウル「あぁ、親父が日本人、お袋がロシア人だ。…そういやほむらも名前からすっと日本人みたいだな。なんでこんな所にいんだ?」

ほむら「色々事情があるのだけれど…言っても信じてもらえないだろうし、あまり言いたくない」

ウル「ふーん。まぁ言いたくないなら無理には聞かないけど」

ほむら(未来からやって来ました、なんて言えるはずもないわ)

ウル「ところでさ」

ほむら「何かしら?」

ウル「足下でウロチョロしてる猫みたいなのってほむらのペット?」

ほむら「…え?あなたまで見えるの!?」

ウル「……見えるとマズいの?」


QB「君もかい…やれやれ、姿を見せるつもりなんてないのに…訳がわからないよ」


ウル「うわ!?喋りやがったこいつ!猫じゃないの!?」

QB「猫ではないよ。僕の名前はキュゥべえ。僕と契約して……って違った、君は才能ないしそもそも男だった」

ほむら(さっきのベーコンといいウルといい…不思議な力を持った人はこいつが見えるのかしら…)

ウル「…」

ほむら「…どうしたの?」

ウル「俺って才能ないんだ…」

ほむら「…なんでショック受けてるのよ」


ほむら(…どうもこの男のキャラがわからなくなってきたわ)




狙われる女「う、う…ん」

ウルほむ「「!」」

狙われる女「こ、ここは…?」

ほむら「満州鉄道周辺の平原ね。詳しい位置はわからないわ」

狙われる女「列車…は?」

ウル「列車ならもう行っちゃった」

狙われる女「そう、ですか…」

ウル「スリルあったろ、へへへ」

狙われる女「え…?」

ウル「ゾクゾクしなかった?この辺とか」パイタッチ

狙われる女「きゃあ!?い、いや…来ないで…」

ほむら「」アゼン


ウル「来ないでって、まだ何もしてねぇよ」

狙われる女「いや…わ、私…何も…何もできないのに…!」タタタタ…

ほむら「…」

ウル「あっ、ねぇちょっと、どこ行くの?そっちは危ねぇよー!おーい、待ってよおネェちゃーん!」

ほむら「…」

ウル「あーあ、ちょっとからかっただけなのに。なぁ?」

ほむら「…今のはないわ。最低ね」

ウル「え」

QB「胸を触られただけなのに…どうして女性はそういった行為を嫌悪するのか…分からないなぁ」

ウル「おぉ、いいこと言うな猫。その通り、俺悪いことなんてしてな

ほむら「あなたはすっこんでてキュゥべえ。…ウル」 ギロ

ウル「っ!?……はい」

ほむら「彼女を追いかけて助けなさい」

ウル「………はい」


ほむら(私を助けてくれた男がとんだセクハラ男だった。…なんか頭痛くなってきたわ)


ウル「ったく…しょうがねぇなぁ」

ほむら「つべこべ言う権利はないわよ」 キッ

ウル「分かったって、行くから睨まないでよ………っ!?」グラ…

ほむら「!?…どうしたのウル?」

ウル「ぐっ!!いってぇーな…!また、いつもの声…かよっ…!?」

謎の声『…初め… …つの光と闇が会っ …の… 彼女を…もり さい… あな… …生きる…由を見つけ… …に…』ザザ…




ほむら「声…?なんのこと?」

ウル「はぁ…はぁ…このクソ頭め、わかってるよ…ちゃんと守ればいいんだろ…」ザッザッ…


ほむら「…?」


女の声「キャアーッ!!」

ウルほむ「「!」」

ほむら「あの声は…!」

ウル「この先か!」ダッ

ほむら「キュゥべえ!あの先に何がいるかわかる?」タッタッ

QB「とりあえずは邪気は感じない。おそらく獣か何かだと思うけど、さっきの女性が危険なことには変わりないだろうね」タッタッ

ほむら「…!急がないと!」タッタッ






ウル「あそこか!」ダッ

狼「グルルル…」

狙われる女「…」

ウル「おらぁ!」ゴシャア!

狼「グ…!?」ドサッ!


ほむら「なんとか無事みたいね」ザッ

ウル「ったく、だから言ったのに」ハァ

ほむら「誰のせいだと思ってるのよ」ギロ

ウル「わ、悪かったって…だから睨むなよ」


狙われる女「…」スゥ…スゥ…

ウル「…ははっ、なんだよおい。寝ちゃってるよ!狼に襲われて気絶しちゃったわけ?だから危ないって言ったのに」

ほむら「…」ギロ

ウル「ほ、ほんとに悪かったって」

ほむら「はぁ…とりあえず、彼女が目を覚ますまで待ちましょう。…キュゥべえ」

QB「なんだい?」

ほむら「妙な気配を感じたら教えてちょうだい」

ほむら(やはりキュゥべえはこの手の感知に優れているようだから利用しないと)

QB「わかったよ」 トットットッ

ウル「…待つのもいいんだけどさ」

ほむら「?」

ウル「こう無防備だと…俺の方がゾクゾクしちゃうよなぁ。どうしようかなぁ。へへへ…」ザッ

ほむら「」

ウル「…元気ぃ?」ニヤニヤ

狙われる女「…」スゥ…スゥ…

ほむら「…」

ウル「さわっちゃおうかなぁー」ニヤニヤ

ほむら「」ブチ

ウル「うへへへ」ニヤニヤ

ほむら「…」ジャキ ゴリ…

ウル「ほ、ほむら…ちゃん…?」ダラダラ

ほむら「…いっぺん死ぬ?」

ウル「な、なんにも…しないって…へへ…だからさ、頭に押し付けてる…銃をおろそうよ、ねぇ」ダラダラダラ

ほむら「次は警告無しよ」スッ

ウル「…………はい」ダラダラダラダラ

ほむら「ったく…」

ウル(くっそ、ちょっとくらいいいじゃんかよ…)


ウル「女ぁ!てめぇ!弱々しく倒れてんじゃねぇぞ、コラっ!!」バッ

ほむら「ちょ…もっと別な起こし方あるでしょ…」


狙われる女「う…ん…」ムク…

狙われる女「っ!!」サッ

ウル「せっかく助けてやったのに、人の顔見て逃げ出しやがって…」

ウル「あげく気絶?ダメ。あんた、ひねくれすぎ」

ほむら「セクハラされたら誰だって逃げるわよ…」ハァ…

狙われる女「き、急に怪物が…」

ウル「あぁ。この辺りには、腹を空かせた狼やら、生き血をすするコウモリさんたちが、うようよしてるからな」

ウル「寄って来るんだよ。あんたいい匂いするから」

狙われる女「…」

ほむら(この男、どこまでセクハラする気なのよ…)

ウル「…ふぅ。いいか、もう逃げんなよ」

ウル「あの声のいう通りにしねぇと、また俺のクソ頭がガンガン痛くなるんだからな!」

ほむら(声…?そういえばさっきウルがなんか言ってたわね)

狙われる女「…え?」

ウル「…え?じゃない。どっかの誰かがあんたを守れってうるせぇんだ」

狙われる女「守る?私を…?」

ほむら「誰かって…?」

ウル「それがわかんねぇんだよ、ったく…」

ウル「あっちで誰を守れだ、今度はこっちの町に行けだ…人の都合もお構いなしに頭に直接話しかけてきやがるのさ。その声が今度はあんたを守れって」

狙われる女「…」

ウル「ま、言うとおりに動きゃ、どこ行っても山ほど化け物が出てくるから、俺としては退屈しなくていいんだけど」

ほむら(なるほど、ウルのあの強さはこういうことが理由だったのね)

狙われる女「それで、あの列車に?」

ウル「まぁな。」

ウル「あの謎の声のおかげで、俺もガキの時分からずいぶんとアブねぇサイコ野郎だっていわれてきたけど、あんたもほむらも、あれ?ひょっとしてアブないくち?変なもん見えちゃうとか」

ほむら「…そうかもね」

狙われる女「…多分」コク

ウル「俺と同類には見えないけどなぁ…2人とも」

狙われる女「…」

ウル「まぁいいや。そうだ、ここで立ち話もなんだろ。とりあえずどっか休める場所を探さないとな。腹も空いてきたし」

ほむら「そうね、この辺りは危険みたいだし」

ウル「じゃさっそく…っと、いけねぇ、うっかり忘れるところだった。俺はウル、ウルムナフ・ボルテ・ヒュウガだ」

ほむら「私も自己紹介してなかったわね。私は暁美ほむら」

狙われる女「ウルさんに、ほむらちゃん、ですね。私は…アリス、アリス・エリオットです」

ほむら「アリス、よろしくね」

ウル「へへ、アリスちゃんか…名前も可愛いんだ」


アリス「…」


ウル「…」


ほむら「あなた、いい加減に…」

ウル「わ、分かったって、なんもしねぇよ!!」


ウル「ったく…ん?」ジッ…

アリス「…?ど、どうしたんですか?」

ウル「いや、どっかで…会ったか?」

アリス「い、いえ…お会いするのは初めて、だと思います」

ほむら「ウル…」ジト…

ウル「ちげぇって!ほんとになんか会ったことある気がしたんだよ!ったく…さぁ、行くぜ!」


アリス「あっ、ほむら…ちゃん」

ほむら「何かしら」

ほむら(…私をこう呼ぶのはまどかくらいだったわね…そういえばアリスとまどかはどことなく似ている気がする…気のせいかしら?)


アリス「そこにいる猫?ちゃんはペットですか?」

ほむら「……やっぱりあなたも」

QB「僕のことが見えるのかい」ヤレヤレ

アリス「えっ!?喋れるの!?」

QB「僕は猫でもペットでもないよ。僕の名前はキュゥべぇ。僕と契約して…って君ももう少女という年齢ではないね…全く営業が捗らないよ」

アリス「…なんの話?」

ほむら「こいつの言うことは気にしないでいいわ」

アリス「は、はい…」

ほむら「それよりも先に進みましょう」

ザッザッザツ

ほむら「これは…」

ゴオォォォォ…

アリス「川で道が遮られていますね…」

ウル「この流れじゃあ泳いで行くわけにもいかねぇな」

ほむら「…さっきの線路を歩いて渡って行くのがいいかしら」

QB「いや、それはやめたほうがいい」

ほむら「どうして?」

QB「管理の名目で日本兵が点々としているからさ。君たちにとって日本兵は都合が悪い存在なんだろう?」

ウル「そうだな。仕方ねぇ、とりあえず川に沿っていって渡れる所を見つけるか」

アリス「あっ!」

ほむら「どうしたの?」

アリス「あっちにあるのはもしかして…」

ほむら「あれは、水門…?あれなら先に進めるかもしれないわね」

ウル「?…水門がどうしたんだよ」

アリス「水門で川の流れが変えられれば、先に進めるかもしれないじゃないですか」

ウル「えっ」

アリス「えっ」

ほむら「…」

ウル「…」

アリス「…」

ウル「あ、あぁ!そうだよな、俺もそれ言おうとしてたんだ、あは、あははは!」

アリス「…」

ほむら(嘘ね)

ウル「ふ、2人してそんな目で見んなよ!」

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