ハルト「僕のポケモンたちの様子がおかしい」【ポケモンSV】 (46)

※ハルトくんの手持ちポケモンは全てメスとする。
※ポケモン同士は普通に会話するものとする(ハルトくんからは鳴き声しか聞こえない)。


オレンジアカデミーに入学するため、パルデア地方に引っ越してきた僕。

入学日当日になんやかんやあって、ニャオハというポケモンをクラベル校長から貰い受けることになりました。

その後、ネモとかいうバトルジャンキーみを感じる人に一方的にライバル認定されたり、コライドンなる謎のモトトカゲっぽいポケモンを助けたり助けられたりしました。

ヘルガーに襲われた時は死ぬかと思った。ありがとうコライドン。

オレンジアカデミーで課外授業である宝探しの開催を見届けた後は、何してもいいって言われたのでコライドンにはゼブライカのように働いてもらい、なんとか手持ちを揃えることができたんだけど…。

ニャオハ「にゃ」

ラルトス「………」

ピンプク「ぷくぷく」

ヌメラ「ぬめ~」

アマカジ「………」

カヌチャン「ぐすん」

仲良くなってもらおうとピクニックを始めたのに、みんな僕に引っ付いて離れようとしません。

どうしてこうなった。


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1681988607

ラルトス「…るん」

どうしたものかと唸る僕を見かねたのか、ラルトスがスマホロトムを押し付けてくる。

画面には、ハッコウシティのジムリーダーナンジャモがデカデカと映っている。

ジムリーダーとストリーマーの二足の草鞋を履くナンジャモは、パルデア地方ではとても有名であり凄まじい人気を博している。

彼女が配信しているドンナモンジャTVは、若い層に絶大な支持を得ておりスパチャが飛び交っているのだとか。

たまにジムチャレンジの様子を生配信しているので、どんな人なのかはある程度分かっている。

これをみんなで観て楽しもうというのだろうか。そんな疑問を込めた目線を向けると、ラルトスは頷いて僕の胸元に近寄った。

ニャオハ「…むすっ」

不貞腐れたのか、ニャオハが爪を立てて制服を引っ掻き始めた。破れるからやめてください。

ナンジャモ『皆の者ー!おはこんハロチャオー!』

動画を再生すると、元気な声が聴こえてきた。カラフルな髪色の少女…少女?が、相棒のハラバリーと共に登場する。

ナンジャモ『本日の動画は…じゃんっ!シンオウ地方よりわざわざ取り寄せた百味ポフィンを食べ比べていくぞ~!』

ナンジャモ『初めての食感…初めての味わい…。10まんボルトに撃たれたかのような衝撃をご賞味あれ!って書かれちゃ、食べないわけにはいかないよね!ってことで』

ナンジャモ『あ、今回のネタ出しはいつもスパチャしてくれるエレキン氏からだよー。エレキン氏に感謝感激あめふらし!』

と、数分ほど小話が続いた後。おもむろにナンジャモが取り出したのは、見るからにヤバそうな色合いのパッケージをした徳用ポフィンセットだった。

瞬間、戦慄。ニャオハたちが目を背け冷や汗を流し始めたのだ。かくいう僕も冷や汗が止まらない。身体がガタガタ震えてまるでバッチラゴンのようである。

ナンジャモ『ぱるぱるぅっ!?!!??』

恐れ慄く僕たちを置いて、無情に進む動画。それは突然終わりを迎えた。

ナンジャモがポフィンを一つ齧ったところ、意味の分からない断末魔を上げたと思ったら画面が暗転したのだ。

ナンジャモが食べたのは紫色のポフィン。怖いもの見たさでその味を調べると出てきたのは。

『どくテラスタルベトベトン味』という想像もできないしたくもない悪夢のような味だった。

変なことはするものじゃないな、とまた一つ僕たちは賢くなった。


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?

スマホロトムをスリープさせ、そろそろ移動しようとピクニックセットを片付ける。

その時、カヌチャンから目を離してしまったのが僕の過ちだった。

キリキザン「Zzz」

日光浴を満喫し、快眠中の野生のキリキザン。何故プラトタウン近くにいるのかはともかく、あのシルエットは間違いなくキリキザンだった。ロトムもそう言ってた。

カヌチャンはそんなおねむなキリキザンに忍び寄り。

カヌチャン「ちゃ~!!!」

すぐ隣にあった岩を、ガラガラのような棍棒で何度も叩いた。

甲高い音が耳をつんざく。ヌメラやアマカジはぽけーっとしてるが、他の三匹はかなり堪えたのか目を回している。

そして、そんなばくおんぱじみた攻撃を受けたキリキザンは。

キリキザン「………!?』

びっくりしたのか大きく飛び跳ね、頭が頭上の木に刺さってしまう。慌てふためくキリキザンをよそに、カヌチャンはくすくすと笑っていた。

コマタナ同士の戦いを生き延びたものだけがキリキザンになれると聞いたことがある。

そんな歴戦の強者であるキリキザンに臆することなくちょっかいを掛けたカヌチャンは、もしかしたらとんでもなく強いポケモンになるのかもしれない。

そんなことを思いながら、僕はコライドンに乗って逃走した。

宝探しが始まって三時間。また僕はオレンジアカデミーに戻ってきた。寿命が縮んだ気がした。

指定忘れてた


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?

ポケモン六匹全員を抱えて(ニャオハは頭に乗せて)食堂を訪ねる。

ママからサンドイッチの作り方を教わっているので自炊はできるのだが、やはり美味しいものが食べたいのだ。

しかし、悲しいことに満員御礼。僕が座れる席は一つしかなかった。

ネモ「………」

ペパー「………」

ボタン「………」

なにやら険悪な雰囲気の漂うテーブル。その一席のみが空いていた。

灯台で出会った人と、スター団に絡まれていたイーブイバッグを背負った女の子。そしてネモ。この面々同士で接点が欠片も無くて困る。

ニャオハ「にゃ!にゃ!」

お腹が空いたのか、ニャオハが僕の顔を叩く。柔らかい肉球とアロマのような香りが心地よい。

ネモ「…あっ!ハルトー!」

ニャオハが声を上げたからか。ネモに気づかれてしまった。


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?

注文したたまごサンドが運ばれる。六匹と僕が食べる分がまとめて来ただけあって、そのボリュームは圧倒的だ。

食欲をそそるいい匂いが鼻をくすぐる。ポケモンたちもソワソワし始めた。

だが、まだだ。まだこのサンドイッチは完成していない。ここにケチャップでアクセントを加えることで真のたまごサンドへと生まれ変わるのだ。

調味料に一番近い席に座っているボタンに、ケチャップをかけてもらうように頼む。

ボタンは快く了承してくれ、赤いボトルを手に取り、そして。

ボタン「…あっ!?」

たまごサンドにソースを絞った瞬間、緩んでいたのか蓋が弾け飛び、中身が全てたまごサンドへと降り掛かる。

そして、気づく。たまごサンドに掛かったソースがケチャップでないことに、気づいてしまう。

ペパー「こ…こりゃあヤバそうちゃんだぜ…!これ、ケチャップじゃなくてハバネロエキスだ!」

ネモ「えっ!?スゴヴィランから抽出してるっていうあの激辛ソース!?」

そう。ケチャップのように見えたそれは、泣く子も黙る超激辛ハバネロエキスだったのだ。

おそらく、誰かのゾロアがイタズラにすり替えていたのだろう。アカデミー内でたびたび見かけていたから可能性が充分考えられる。

さて、どうしたものか。苦笑いを浮かべつつ、僕はたまごサンドをどうするか考えた。

ニャオハ「や、ヤバいのねヤバいのね!あんなの食べたらわたしひんしになっちゃうのね!」

頭上のニャオハが慌て始めるが、何と言っているのか分からない。

しかし、他のポケモンもあたふたしているのでヤバいことは分かる。僕もこれはヤバいと思う。

ラルトス「ご主人様は食べそうですね。テレパシーで分かっちゃいます。ついでに食べた時のダメージも分かっちゃうので私もヤバいです」

ご飯を粗末に扱うな、とママからは教わっている。ならば胃袋に必ず収めなければならぬ。

たとえそれが、ほのおタイプのポケモンですら恐れるほどの激辛サンドイッチだとしても。

ボタン「…その。やらかしたうちが言うことじゃないけど、無理に食べんでよくない?」

ペパー「オレとしては、食べ物はキチンと食べてもらいたいんだがな」

ネモ「ご飯は粗末に扱っちゃダメだからね!わたし達で頑張って食べよっ!」

ペパー「オレも巻き込むのかよ…。…ま、これで残した食べ物が捨てられるのも嫌だからな。仕方ねえ」

ボタン「…うちのせいでこうなったし、食べる。あんまりお腹に入らないけど…」

ということで、みんなで食べることにした。ハバネロエキスの被害に遭ってない部分はポケモンに分けてあげ、残りを頑張って食べる。

少し。いや、かなり泣いた。今ならかえんほうしゃだって撃てる気がする。

↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?

ゴーストポケモンが元気になる夜がやってきた。

少し肌寒いので上着に袖を通し、部屋を出る。

宝探し初日だからだろう。こんな時間なのに他の生徒も起きており、外出の準備や授業の振り返り、自習に勤しむ人ばかりである。

アマカジ「Zzz」

カヌチャン「Zzz」

未だお休み中のポケモンたちを抱き抱え、グラウンドに出る。綺麗な満月が空に浮かんでいた。

雑談に興じる人とポケモンバトルで切磋琢磨し合う人。対照的な光景を眺めつつ、何をするか考える。

みんなと共にこの学校生活を過ごすにあたって、何をすればいいのだろう?


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?または何をする?

生徒「やあ!」

そんなことを考えていると、後ろから声を掛けられた。

振り返った先には、モンスターボールを持った生徒がいた。

つまりこれは、そういうことなんだろう。

バトルを拒む理由はない。僕は無言で頷き、モンスターボールを取り出した。

生徒「話が早くて助かるよ!いけっミミッキュ!」

ミミッキュ「キュー!」

生徒が出したのはミミッキュ。パルデアではあまり見かけない印象のあるポケモンだ。

たしか、タイプはフェアリー・ゴーストの複合だったか。弱点を取れるのはカヌチャンだけだ。

というわけで、先発はカヌチャンに務めていただこう。

カヌチャン「ちゃ~!」

フィールドに立ったカヌチャンは、意気揚々と棍棒を振り回す。がんばれカヌチャン。


↓1 どうなった?

ミミッキュと相対するカヌチャン。素早さでは間違いなく負けている。

であれば、この技が有効だろうとカヌチャンに指示を出した。

カヌチャン「………!」

キュートでつぶらなひとみがミミッキュを射抜く。攻撃の構えをしていたミミッキュの動きが一瞬止まった。

生徒「かわいい」

僕もそう思う。同意を示すべく頷き、ミミッキュの様子を伺う。

ミミッキュ「キューッッッ!!!!」

カヌチャン「キャーッ!?」

普通にひっかくで攻撃してきた。はがねタイプで助かった。

ピンプク「ぷくー!(がんばるのよカヌチャン!)」

ヌメラ「ぬめめー(ふぁいとー)」

ポケモンたちの応援を受けながら、攻防を入れ替えるカヌチャンたち。

おままごとのような可愛らしい戦いだが、バトルに臨む彼女らは本気であり、真剣だった。

懸命にメタルクローで攻撃を仕掛けるカヌチャンだが、ミミッキュはそれを躱し、時には敢えて受け止め、反撃に転じる。

ミミッキュのばけのかわをカヌチャンで剥がすことはできない。

特性かたやぶりでばけのかわを無視しつつ攻撃できるのは明確なメリットだが、倒しきれなければそれはデメリットとなり得るのだ。

後続のポケモンでは、どんなに頑張っても一回は耐えられてしまう。カヌチャンがやっつけてくれるのが一番良い流れなのだが。

カヌチャン「うー…!」

やはりと言うべきか、押されていた。

まだ進化もしていないベイビーポケモンと、進化が存在しない、全国のエリートトレーナーが使うポケモンでは地力が違う。

だが、それでも。どうか勝ってほしい。

君は、キリキザンにも立ち向かえるほど、勇敢な心を持っているのだから。

瞬間、カヌチャンの身体が光に包まれた。

突然の現象にミミッキュは攻撃の手を止め、僕たちは呆気に取られる。

光が消えた時。そこにいたカヌチャンはもう、カヌチャンではなかった。

ナカヌチャン「ミミー!」

先程まで持っていた棍棒はハンマーに。潤んでいた丸い瞳は、闘志を秘めた力強い眼差しに。

そう、この戦いの中で成長したカヌチャンは、ナカヌチャンへと進化したのだ。

ミミッキュ「ギュゥ!?」

刹那、抜き放たれたのは神速のメタルクロー。

多少とはいえ疲弊していたミミッキュは、隙だらけの身体にそれを受け、一太刀の元に倒れ伏した。

生徒「ミミッキュゥゥ!!!!!」

僕が初めて、自分で戦うことを決めたバトル。

それを、ナカヌチャンは勝利で飾ってくれた。

ニャオハ「ご、ご主人の相棒はわたしなのに初進化を取られちゃったのね!どうしよどうしよ!?!?」

ヌメラ「ナカヌチャンかわいい~」

ラルトス「ピンチでございます。ただでさえフェアリータイプでタイプ被りしているのに、耐性も優秀なカヌチャンが進化したとなってはますます格差が広がってしまいます」

ピンプク「頑張れば私たちも進化するわよ。どう進化するか知らないけど!」

アマカジ「進化したいよ~」

バトルが終わりグラウンドの隅に移動したのだが、ニャオハたちの様子がすこぶるおかしい。

相変わらず何と言っているのか分からないが、彼女たちは意思疎通できているのだろう。ポケモンだし。

ナカヌチャン「ドヤァ…」

あたふたするニャオハたちにドヤ顔を決め込んだナカヌチャンは、その大きなハンマーを肩に担ぎ、指を空に掲げる。

ナカヌチャン「あたいが、最強」

そして再度、ドヤ顔をした。


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?または何をする?

グラウンドを出た僕たちが向かったのは、テーブルシティ東門にある広場。

ここにはスイーツの屋台が併設されているので、さまざまな人たちに憩いの場として愛用されているのだ。

クレープやアイスをポケモンたちに買ってあげ、席に座った。

相変わらずニャオハは僕の頭に乗ろうとするが、乗り心地が良かったりするのだろうか。

そんなことを考えながらスマホロトムを操作する。パルデア全域を示す画面には、いくつかマークがされてある。

一つはネモが登録したジム。一つはカシオペアがハッキングして登録されたスター団のアジト。

そして、あとの一つはペパーが登録したぬしポケモンの在処。

どうやらペパーはぬしポケモンが死守するというひでんスパイスがどうしても欲しいらしく、ぬし退治兼スパイス集めの旅を食堂で依頼されたのだ。

そのやりとりの後にあのような惨状があったので彼はさぞ何とも言えない気持ちになっていただろう。僕はノーコメント。

ラルトス「………?」

というわけで、とおやつを食べるポケモンたちに、ぬしポケモンを退治しに行くことを提案した。

トレーナーの僕が提案するのは変な話かもしれないが、彼女たちが望まないことを強要したくはないのだ。

余談だが、屋台で売っていたコジオソルトアイスは甘くて、しょっぱくて、美味しかった。


↓1 どのぬしポケモンを倒しに行く? 岩壁のぬし、大空のぬし、潜鋼のぬし、土震のぬし、偽竜のぬしから選択

エラーで更新情報が反映されてないっぽいんで安価下

ぬしポケモンを示すマークを押すと、誰が書き込んだのか分からない注釈が出てくる。

それらを一通り読んだ限りだと、岩壁のぬしが比較的安全なポケモンのようだ。

ピンプク「ぷく!」

そのことをポケモンに伝えると満場一致で岩壁のぬしが選ばれた。

まだぬしのポケモンがどういうものか知らないので、一番安全なものを選ぶのは妥当な判断だろう。

いったいどんなポケモンが待ち受けているのか。

その期待に胸を躍らせながら、僕たちは東門を出る。

野生のコリンクやココガラたちがのんきに暮らすこのエリアに、ぬしポケモンが本当にいるのだろうか?


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?または何をする?

地図の情報曰く、この南3番エリアに岩壁のぬしはいるらしいが、見渡す限りの岩山で、ぬしらしき姿は見当たらない。

まあ、まだテーブルシティから出たばかりなのだから、こんな場所でスピアー合わせするわけがないのだが。

少し進んだ先で、ピクニックできそうな平地が見えたのでテーブルを広げる。

何事をするにも平常心が大切。常に心の余裕を持って行動するのが、成功のヒケツなのだ。たぶん。

コライドン「アギャス」

ボールから出てきたコライドンに、焼きチョリソーを袋から取り出して食べさせる。

良い食べっぷりだが、このポケモンはモトトカゲ、で合っているのだろうか。

色合いはド派手で図体もデカいと、モトトカゲとは似ても似つかない。まさか色違いというわけでもないだろうし。

ニャオハ「にゃ!」

肉球パンチをし始めたニャオハを宥めるべくモモンのみを皿に置く。ニャオハは喉を鳴らしながら、それを齧った。


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?または何をする?

ニャオハ「はぐはぐ…」

モモンのみを食べさせたのを皮切りに、きのみを執拗にねだるようになったニャオハ。

食べ過ぎは良くないのでそれとなく注意したのだが、甘い猫撫で声でおねだりされてしまったので屈してしまった。何という策士。

そんなことを思いながら鞄の整理をしていると、水色の小さなアメがポロリと落ちた。こんなものを買った覚えはないのだが…。

アメを手にとってまじまじと見つめていたら、目を光らせたニャオハが器用にアメだけを前足ではたきおとす。

ニャオハ「はむっ!」

そして、食べていいのかも分からないアメを、飲み込んだ。

その時、ニャオハは光った。

二度目となったら嫌でも分かる。これは進化だと。何故進化するのかは分からない。

もしかして、あのアメにはエネルギーが詰まっていたのだろうか。

それを食べることで力に変え、ニャオハが進化に至ったのだと考えれば辻褄が合うのだが。

ニャローテ「…にゃ」

なんということでしょう。おてんばで可愛らしかったニャオハが、キリッと凛々しいニャローテへと進化してしまいました。

ニャローテ「………」

ナカヌチャン「ぬぬぬ…」

進化を終えたニャローテは、ナカヌチャンに挑発とも取れる視線を向ける。

対するナカヌチャンは、ぐぬぬと唸りながらハンマーと身体を震わせていた。危ないからケンカはしないでもらいたいものだ。


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?または何をする?

突然の進化により沈黙が続くピクニック。不意に、ナカヌチャンが口を開いた。

ナカヌチャン「…ねえ、ニャローテ先輩」

ニャローテ「???」

身体の震えは既に収まり。左手で顔をピシャリと叩いたナカヌチャンは、ハンマーをニャローテへ向けた。

ナカヌチャン「あたいとバトルしない?ご主人の相棒の座を賭けて」

ニャローテ「…何言ってるのかしら。相棒ポジションは後にも先にもわたししかいないのね」

ナカヌチャン「ふーーん。あたいに負けるのが怖いんだーーーー?????まあ進化してもあたいの方が強いって分かりきってるもんね~~~~~~~?????」

ラルトス「二人とも落ち着いてください。ご主人様は二人が争うところを見たくないって思ってます。テレパシー情報なので間違いないです」

ニャローテ「…そんな安い挑発には乗らないのね」

ナカヌチャン「じゃああたいの不戦勝ね。バトルする気もない意気地なしに構うだけ無駄だもんね」

ニャローテ「表に出なさい身の程知らずに格の差を思い知らせてやるのね!!!!!!!!」

ラルトス「ケンカダメ絶対!!!!!」

ニャローテ「これはケンカじゃなくて教育なのね!!!!!!!」

ニャローテ、キレた。


↓1 どうなった?

ニャローテ「にゃっふっふっ…。最近調子に乗ってる新参者に立場を分からせるいい機会なのね…。ご主人の相棒であるわたしを差し置いて目立つし構われてるし羨まゲフンゲフン。…狡いのね」

ナカヌチャン「嫉妬してるんだニャローテ先輩~。まあそうだよね~。最強でプリティーなあたいばっかり構われて羨ましいって思っちゃうよね~!」

険悪な空気が流れ始めたこの状況。流石の僕もこのままではまずいと理解しているので、落ち着くように声を掛ける。が…。

ニャローテ「ご主人の相棒はわたしだけなのよー!!!!!」

ナカヌチャン「あたいだってご主人の一番になりたいんだよ!!!!!」

ヒートアップした二匹は聞く耳を持たず。各々の得物を片手に飛びかかった。

しかし…。

ラルトス「誠にキレそうでございます。ご主人様の前ではしたない姿を見せるのは恥ずかしいですが致し方ありません」

ラルトス「………頭を冷やしなさい!!!!!」

ラルトスが気合いを入れた鳴き声を上げると、空間が微かに歪む。そして。

ニャローテ「に゛ゃっ!??!!」

ナカヌチャン「み゛っ!!!?!!?」

中空にあった二匹の身体が一瞬浮かび上がり、猛烈な勢いで地面に叩きつけられた。

ニャローテ「いだだだだ!!!これヤバいやつなのね!!!ごめんなさいラルトス!ケンカしないから許して~~~!!!!!」

ナカヌチャン「…ニャ、ニャローテ先輩が先にギブしたからあたいがいちばぁぁぁっ!?!!!」

ナカヌチャン「あばばばばばばばばば!!!!(何言おうとしても悲鳴にしかならないんだけど!!!!!)」

地面にめり込んでいくニャローテとナカヌチャン。紫色のオーラを放つラルトス。

それは絶対的に不可逆な力関係を示しているようで、進化の有無が勝敗を分かつとは限らないと証明しているようにも見えた。

あまりの光景に僕は目を疑う。ひかえめで優しいラルトスが実力行使に移るとは思いもしなかった。

しかし、ラルトスがここまでのパワーを秘めているとは。

彼女が進化したらどんなことになるのか楽しみだが、同時にこの上なく恐ろしく感じた。

ラルトス「ばたんきゅー…」

ねんりきできぜつした二匹を見届けたラルトスは、満足げにぶっ倒れる。

実はポケモンが怖い生き物だということを思い出した僕だった。


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?または何をする?

ニャローテ「」

ナカヌチャン「」

ラルトス「」

意識を失ったポケモンたちをブランケットに寝かせる。みんな穏やかな寝顔で、とても先程までバチバチに戦り合おうとしていたとは思えない。

捕まえた時からあまり仲がよろしくない印象があったが、もしかしてお互いに嫌っているのだろうか。

だとしたら、同じ手持ちに加えたままなのは彼女らにとって苦痛のはずだ。

仲良くなってほしいが、相性というものがある。無理強いはできない。

ケンカになるまで険悪さに気づけず、止めることさえできなかった僕はトレーナー失格かもしれない…。

キズぐすりでニャローテたちを手当てしていると、ピンプクたちが近寄ってきた。

その眼差しは心配しているようにも見え、まっすぐと僕に向けられていた。ニャローテたちではなく、僕に向けて、だ。

ピンプク「ぷく!ぷくく!(ハルトちゃんが気に病むことはないわ!ちょっとウマが合わないだけで、実際はとっても仲良しなのよ!)」

ヌメラ「ぬめ~(じゃれあいが行き過ぎてケンカになったんだよ~。ニャローテたちはお互いが嫌いなんじゃなくて…えっと~)」

アマカジ「かじっちゅ!(どっちもハルトさんのことが好きで、対抗意識を持ってるのー)」

ヌメラ「んぬ~(そうそれそれ~)」

ぷくぷくぬめぬめかじかじと鳴くピンプクたち。説得しているようにも、弁明しているようにも見える。

…もしかして、僕が勘違いしているだけなのかな?ケンカするほど仲が良いってことなのだろうか。

ピ・ヌ・ア「「「!!!」」」

そう質問すると、三匹とも勢いよく頷いた。

僕の勘違いでとんでもないことにならなくてよかったと、安堵の息を吐く。

そして、僕の勘違いを止めてくれたピンプクたちの頭を撫でた。


↓1 ポケモンたちはどんな行動に出た?or何があった?または何をする?

宝探しの一環でボウルタウンに向かう生徒たちを見送りながら、ポケモンたちとボールで遊ぶ。

時には他の人と共同でピクニックし、ポケモン交流会を開いたりした。

みんなの手持ちも僕と似たり寄ったりで、頭抜けて強い人はいなかった。そういう人は既にハッコウシティやチャンプルタウンまで足を運んでいるのだろうが。

生徒「ねえ、もしあんたさえよければ、私のふーちゃんとバトルしない?」

ふーちゃん「がぶー」

サンドイッチを振る舞ってくれた生徒が、抱っこしたフカマルをこちらに向ける。歯に付いている食べカスは僕が拭っておいた。

ピンプクたちにバトルするか問うと、臨戦体制で返ってくる。

彼女たちがやる気ならこちらも負けてられないと、僕はバトルの申し出を快諾した。


↓1 誰を出す?※ニャローテ、ラルトス、ナカヌチャンは選択不可

目には目を。歯には歯を。ドラゴンにはドラゴンを。

というわけで、一番槍はヌメラに務めてもらおう。

ふーちゃん「がぶ!」

ヌメラ「ぬめ~!」

お互いにドラゴンタイプだからなのか、フカマルが手を挙げるとヌメラも嬉しそうな反応をする。

生徒「…よしっ。頑張ろうね、ふーちゃん!」

ふーちゃん「がぶぶっ!!!」

相手のフカマルは気合充分。こちらのヌメラもまた同様に。

この状況にお誂え向きの掛け声を僕は教えてもらっている。今こそそれを使う時だろう。

よーい、ドラゴン!

生徒「よーいドラゴーン!!!」


↓1 どうなった?

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