オサナナジミ (5)

俺には幼稚園から中学校まで一緒の幼馴染がいた。
通園バスはいつも隣だった。
なんの話をしたかはもう、忘れた。
ただ、楽しくってしょうがなかった記憶が、ある。
幼稚園の頃は、好き、とか分からなかった。
それは別に小学生になっても分からなかった。

小学六年生になった年の冬、彼女が俺のことを好きだと知った。
でも俺は、小学六年生になっても子供で、よく分からなかった。
それを知ってから、なんか恥ずかしくって、お互いに話しづらくなった。
二人ともシャイで、周りの目を気にしていたからだろうと思う。
俺は彼女のことが好きなんだと自分に言い聞かせた。

だって、よく分からなかったから。

それからは友達が俺達を囃し立てる毎日が続いた。
それは中学生になっても変わることはなく、むしろ囃し立てる人が四月にして結構増えた。
後で聞いた話だと、俺達のことは他の小学校でも有名だったらしい。
「両片思い」だと、ある友達にLINEで言われた。
この頃俺は、彼女のことが好きになっていたのかな、と思う。
でもやっぱりお互いシャイなので、どちらとも気持ちを告げることはなく、春に別れを告げる。
物心ついてから初めて一緒に遊んだのは、俺含む男二人、彼女含む女二人で、映画を見に行ったときだ。
彼女とは恥ずかしすぎて一言も喋らずに終わった。
幼稚園のバスで大爆笑して先生に注意されたころの俺たちからは考えられない関係になっていた。
それでも、彼女が好きだったんじゃないかなと思う。

ある日、いきなりLINEで告白された。
俺は勇気を出せずにいたので、彼女からの告白に舞い上がり、即刻いいよと返事をした。
事実上、この日からカップルになった。






続き聞きたい人いたら続けます。


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