メンドクサイフェアリー「千早さん」【ミリマス】 (29)


※ 千早、静香、志保、桃子、紬の五人でユニットを組んでいます。通称、メンドクサイフェアリー


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●REC




――あなたにとっての如月千早さんを一言で表すと?


静香「一言で? 難しいわね……偉大な先輩で、尊敬すべき存在で、ユニットのリーダーで……でも、そうね……
   ……うん。憧れ、かしら」



――なるほど。憧れ


静香「千早さんみたいになりたかった。アイドルとしても、人としても。
   歌声に憧れたわ。凛とした強さに憧れたわ。
   アイドルになる前、一ファンだった頃から」



――765プロに所属する以前からの、憧れだった


静香「ええ。この人みたいに強くなれば、きっと……」



――きっと?


静香「いえ、何でもない。」



――その憧れは、アイドルになってからも?


静香「少しずつ形を変えながら、私の中に。
   千早さんってね、近くで見る方が、ずっと凄かったのよ。
   私が想像していた『アイドル如月千早』を更に飛び越えた所に、千早さんはいたの」



――アイドルになって、後輩になって、ようやく初めて分かることもあるでしょうね


静香「そう。選考に合格して、アイドルになって。
   ちょっとだけその存在に近づけたかな、って思ってたんだけど。
   劇場に来た初日、初日よ? プロデューサーに案内頂いてる途中、レッスンルームから千早さんの歌声が漏れ聴こえてきて、それで少しだけ覗かせてもらって。
   『あ、これ、やばい』って」




――(笑)


静香「だって、本当に凄かったっていうか、びっくりしたっていうか。
   単純に歌声が凄いっていうのは勿論そうなんだけど……
   1パート歌って、レッスンの先生がオーケー出すでしょ? でも、千早さんの方がなかなかオーケー出さないの。
   先生も慣れていらっしゃったようで、千早さんが納得するまで、時計と相談しながらレッスンをされていて。
   千早さんレベルのアイドルでも、こんなにやらなきゃ駄目なんだ。本当に私にアイドルなんてできるんだろうか、って」



――確かに、そう思ってしまうかもね


静香「まぁ、すぐ、プロデューサーが『あれを普通だとは思わなくていい。千早程向上心の高いアイドルは、なかなかいない』と教えてくれはしたんだけど。
   それでも、おこがましくもちょっとは近づけたと思っちゃってたから。あの時は改めて距離を感じたわね……」




――憧れから、畏怖に?


静香「そうそう! それ! しばらくは千早さんと会うの怖かったもの(笑)。
   そのせいで、千早さんと改めてお話をさせて頂いた時、『最上さんには避けられていると思っていた』だって。いや、実際にその通りだったから、何も言えなくて(苦笑)。
   それで、まぁ、正直に事情をお話して、私、聞いてみたの。
   『千早さんは、どうしてそんなに頑張れるんですか?』って。
   ねぇ、何て返ってきたと思う?」



静香「歌が好きだから」
――「歌が好きだから」




静香「(笑)。 なんだ、志保、あなたも聞いてたんだ」

――ほぼ一言一句同じことを質問した覚えがあるわね


静香「それを聞いて、あぁ、やっぱり千早さんは凄い人だ……って。
   そうね……今でも、怖いという気持ち、ちょっとあるかも。
   あの真っすぐさ、強さが、というよりも……その千早さんから幻滅されることが、怖い」



――ま、分からなくはないわね


静香「でも、その怖いっていうのも、結局は、憧れなんだろうなぁ、って。
   だから、私にとっての千早さんは、やっぱり、憧れ。
   これまでも、これからも。
   私の、憧れ。」




――最後に、千早さんに向けて一言


静香「千早さん、お誕生日おめでとうございます。
   いつもご迷惑ばかりお掛けして申し訳ありません。
   これからも……千早さんは、千早さんでいて下さい。
   私は、そんな千早さんに勝手に憧れて……勝手に追いかけ続けます。
   高い場所を飛び続けるあなたに、いつか、手が届くように。
   だから、もう少し、その場所で待っていて下さい」




  ――――――――
  ――――――――




――あなたにとっての如月千早さんを一言で表すと?


志保「そうね……信頼、かしら」



――信頼。ふーん、なるほど?


志保「静香と似たような答えになってしまうかもしれないけれど……
   え、と、ほら、私、ついつい周りが見えなくなるというか、一つのことに集中し過ぎるというか。そういう所があるでしょう?」




――そうだね。長所でもあると思うけど


志保「ふふ、ありがと。
   それで……私が間違える前に、千早さんがよく声をかけてくれるのよ。
   『志保、少し肩に力が入り過ぎているみたい』とか『何を表現したいのか、そもそも何がしたいのか、一度立ち止まってみるのも重要よ』とか。
   千早さんからの言葉って、不思議と私の中にすっと入ってくるの。自分が頑固なことくらい自覚はあるのだけれど、そんな私の中に、すっと」



――似たもの同士だから?


志保「! 流石ね。そう、きっと、ええ。
   まぁ、その、千早さんと似ているっていうのは、おこがましいかもしれないけれど。
   でも、千早さんも言ってくれたのよね。
   『志保、あなたは、私と同じようなことで間違えそうになったり、悩んだりするのかもしれない』
   そんな千早さんの言葉だから……」



――似ているから、その上で、自分の前を行く存在だから?


志保「そう、ね……
   歌に対する姿勢は勿論、プロ意識、向上心、自律心……
   『北沢志保というアイドルは、人間は、こうありたい』という姿を、すぐ近くで体現してくれているのが千早さんで、あの人を目標に努力を続けていれば、道が見えなくなりやすい私でも、大丈夫。
   そういう、信頼。
   勿論、千早さんの目指す場所と、私の目指す場所は違うわ。
   千早さんは、将来、きっとアイドルという枠を越えて日本一の歌手になるし、私は、演技のお仕事にもっともっと力を入れて行きたい。
   でも、いつか、仮に別々の場所で活躍することになったとしても、千早さんの背中は、私の中での目標というか、目指すべきものというか」




――聞いてると、もしかして、静香さんよりも志保さんの方が千早さんのこと、好きなんじゃない?


志保「なっ!?
   い、いや、それは、勿論尊敬できる先輩だし、信頼してるし、そりゃ、す、好きには決まっているけれど、あー、もう、静香、あなたは座ってなさい。ステイ、ステイ!
   えーと、こほん。
   あとは……そ、そうね、私の弟や母とも仲良くしてくれているし、家で四人でご飯食べたりもするし、プライベートの面でも、仲良くしてもらってるし、信頼しているわ」



――静香さん、ステイ! ステイ! 紬さん、その狂犬押さえといて! 志保さん! 最後に千早さんに一言!


志保「千早さん、お誕生日おめでとうございます。
   間違えそうになることの多い、不出来な後輩ですが、これからもご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いします。
   母と弟も、千早さんのお誕生日をお祝いしたいと意気込んでいますので、近々四人でお祝いしましょうね」



――ちょっ! 志保さん! それはわざとやってるでしょ!? 静香さん落ち着いて! ステイ! ステイ!! ほら、次もあるんだから!!



  ――――――――
  ――――――――



――あ、あなたにとっての如月千早さんを一言で表すと?


桃子「はぁ……無駄に疲れた……。
   千早さん……うん。仲間、かな?」



――仲間。なるほど、素晴らしい答えです


桃子「765プロっていう大きい括りでもそうだし、千歌爛漫っていう桃子たちのユニットもそう。
   後は、奔放な人が多いこの事務所の中でも、千早さんはプロ意識の塊みたいな人だから、そういう意味で特に仲間意識が強いかもね」



――そ、それはつまり、うちらにはプロ意識が足りていないという……


桃子「違う違う。そんなこと言ってないよ。もう、紬さん、悪い所出てるよ?」



――も、申し訳ありません……


桃子「心配しなくても、プロ意識っていう点では、千歌爛漫のみんなは、ま、桃子の目から見ても合格かな?
   でも、千早さんはその中でも特別。勿論、現場では桃子も負けるつもりは無いけど……日常生活、プライベートでの身体作りだったり、ケアだったり、そういう所は見習う所が多いからね。
   紬さんだって、そう思うでしょ?」



――はい。千早さんの意識の高さには、常々感心しています


桃子「桃子は、ほら、年齢は下の方だけど、芸能界ではみんなの先輩だからね?
   桃子が手本にならなきゃ、助けてあげなきゃ、っていうのはいつも思ってるよ?」



――はい。桃子さんにはいつもいつもお世話になりっぱなしで……


桃子「いーの。桃子がやりたくてやってること!
   ただ、そうだね……千早さんには、教わることも多いし、千早さんも……あの『歌姫如月千早』がだよ? ずっと年下の桃子に、相談したりもしてきて……
   だから、やっぱり、仲間っていう気持ちが強いのかなぁ?
   対等の、っていうには、もうちょっとだけ時間がかかるかもしれないけど」




――なるほど。え? あ、え、と、あ、あの……も、桃子さんは、千早さんのことが好きなんですね


桃子「ふぇっ!? え、そ、それは、まぁ、嫌いじゃないし? 好きか嫌いかで言われれば、勿論、す、好きだけど……
   って!! 静香さん! 志保さん! 何笑って……もう!! そのカンペ何!?
   こ、この…… 志保さんの時は荒ぶってたくせに! 何で静香さんはそんな質問させてるの! 何で笑ってるの!
   志保さんも志保さんだよ! ついさっきまで静香さんとやり合ってたのに!
   ステイステイ、じゃないよ! もう!!!」



――も、桃子さん、落ち着いてください


桃子「あの二人、後でお仕置きだね。まったく、もう……
   紬さん? あそこのおバカさんたちから変なカンペ来ても、もう無視していいからね?」




――は、はい。かしこまりました


桃子「ふぅ……。
   よし、それじゃあ、続き。
   後は、そうだなぁ……。……うん。……これはね、こういう場所だから、こういう時だから言うんだけど……
   桃子と、千早さん、似てる所があって。……志保さんの話じゃないけど。
   そ、その……ここにいるみんなは知ってると思うけど、あの、も、桃子たち、お家が、ほら……でしょ?
   だから、え、と……多分、他の人たちよりも、分かる部分があるっていうか、こういうこと思ってるのかな、こういうこと伝わっちゃったかな、みたいなの、あるのかも、って。
   誰かと一緒にいたい、って。そういう時、みんなもあるでしょ?
   桃子のそういうの、一番に気付いてくれるのが、千早さんなのかも」



――そういった点でも、桃子さんにとって、かけがえのない仲間なのですね


桃子「そ。
   ……ま、まぁ? 今、画面の向こう側の千早さんがどう思ってるかは分からないけど?
   も、もしかしたら、い、い、妹みたいに、思ってるかもしれないけど?
   千早さんがどうしてもっていうなら、桃子としても、ま、まぁね? ゆ、許してあげなくもないけど?」




――え? あ、はい……え、と、つ、ツンデレおつ?


桃子「もう!! おバカ二人!! いい加減にしなさい!!
   紬さんも! 読まなくていいって言ったでしょ!?」



――も、申し訳ありませ……え? 桃子可愛い?


桃子「だーかーら! 読まなくていいの!!」



――も、も、申し訳ありません!! あ、あの、最後に、千早さんに一言お願いします!



桃子「千早さん、お誕生日おめでと!
   これからも、互いに切磋琢磨していくんだからね?
   何かあったら、すぐに桃子に相談すること!
   桃子も……相談すること、またあるかもしれないから……。……その時は、よろしくね」




  ――――――――
  ――――――――




――あなたにとっての如月千早さんを一言で表すと?


紬「は、はい。その……親愛、でしょうか」



――へー! 親愛!


紬「は、はい。師友、という言葉も思いつきましたが……親愛の方が相応しいかと」



――しゆう、ですか? ごめんなさい、あまり聞き慣れない言葉で……


紬「恩師、師匠の師に、友と書いて、師友。師として敬える程の友人。そういった意味合いの言葉です」



――なるほど! それは確かに納得のいく言葉ですが……敢えてそちらではなく、親愛、と


紬「はい。
  そ、その、勿論、千早さんは尊敬できる方ですし、私にとっては大先輩で、貴重な教えを賜ることも多く、お師様と形容するに間違いのない存在ですが……」



――ですが?


紬「恐らく、千早さんはそれを望んではいないだろう、と。
  高校生の一人暮らしという共通点から、千早さんとは、畏れ多くも、お仕事以外の面でも親しくさせて頂いております。
  私生活での千早さんは、みなさまご存じの通り努力主義ではありますが……年相応の所もあり、また、うら若き女性として承知できかねる所もあり……
  女の子なんです。
  千早さんも。私たちと同じ。
  朝、髪を梳いて差し上げると、ついつい鼻歌が漏れてしまうような。
  普段ジュースで済ませるという朝食に、鮭の塩焼きやお味噌汁、だし巻きが並ぶと『わー!』と声を挙げてしまうような。
  ついつい食べ過ぎてしまって、お行儀悪くもそのまま床に寝転がってしまうような。
  コーヒーを淹れようとして……」




――ちょ、ちょっと待って下さい、待って下さい!


紬「は、はい」



――これ大丈夫? 本当に大丈夫? 私たち聞いちゃってて大丈夫? ……うん。そうよね、この辺りで止めておいた方がいいわよね


紬「し、静香さん?」



――は、はい。ということで、紬さんにとって、千早さんは、え、と、つまり……なるべく、同じ目線で頑張っていきたい、みたいな感じ……でしょうか?


紬「そうです。流石は静香さん。私のお伝えしたいことを、簡潔にまとめて頂いて……」




――結果、親愛、と


紬「はい。友人、とはっきり言葉にするのは少々面映ゆくもありますが……恐らく、千早さんにもそのように認識頂けていることかと。
  東京に住まいを移した現在の私にとって、最も過ごす時間の多い方だと思います」



――ぐ、ぐぬぬ……


紬「ぐぬぬ? あ、あの、静香さん?」



――い、いえ……失礼しました……


紬「?
  この千歌爛漫というユニットにおいて、私は、唯一、千早さんより早く生まれ、年齢も一番近い存在です。及ばずながらも、支えになりたい。そう、考えております」




――……さ、最後に、千早さんに向けて一言お願いします


紬「千早さん、お誕生日、おめでとうございます。
  お互いに不器用な所はありますが、今後とも懇意にして頂けますと嬉しく思います。
  あ! そうです。先日お伝えしました、カーテンの洗濯はもうお済みでしょうか?
  今度確認に参りますので……その時は、また、一緒にお料理の勉強をしましょう。
  それでは、失礼致します
  どうか、良き一日を」



――もうやだ! 帰る!
――(笑)
――笑ってんじゃないわよ志保! この! 千早さんが来るっていう日、あなたん家に乗り込んでやるんだから!
――そ、来ればいいじゃない
――え? ほんと?
――ほらほら、仲良しやってないで、紬さんが困ってるでしょ
――い、いえ、私は別に……
――紬さんが千早さんのお家に行く時もご一緒させて下さい!
――は、はぁ……千早さんさえよろしいようでしたら……
――静香、あなた、そんなんだからメンドクサイフェアリーって言われるのよ……
――それはあなたもでしょ!
――はいはい、静香さんも志保さんも一回おしまい! 最後、撮るよ? いーい?




「「「「千早さん、お誕生日、おめでとうございます!!」」」」



以上です。
お付き合いいただき、ありがとうございます。
楽しんでいただけたのなら、幸いです。

千早あああああああああああああ!!!!!!!!
誕生日おめでとおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!
ずっとずっと愛してるぞおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月19日 (火) 17:27:20   ID: S:li42kk

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2 :  MilitaryGirl   2022年04月19日 (火) 21:49:45   ID: S:F1_roR

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