灰原「解毒薬が完成したわ、工藤君」(30)

コナン「ほ、本当か!?灰原!」

灰原「ええ。ただし、渡すには条件がある……」

コナン「条件、ってなんだよ?」

灰原「元の体に戻ったら、私とデートしなさい!」

コナン「デ、デート?」

灰原「ええ、そうよ。私とデートすると
約束してくれるのならば、解毒薬を渡してあげる」

コナン「…………要するに、お前と遊べば良いんだろ?
そうしたらオレは体が戻る」

灰原「流石。賢いわね」

コナン「…その条件、飲む。だから、解毒薬を
くれ」

灰原「どうぞ、飲んで。デートが楽しみね」

★★★
新一「………オレ、体元に戻ったのか?
あーあー………この声、戻ったみたいだな」

志保「お目覚め?工藤君。私も今起きた所よ」

新一「は、灰原!?お前も体……」

志保「そうよ。だって、工藤君がロリコン扱い
されて、警察に通報されたら大変じゃない?」

新一「バーロ。余計なお世話だよ」

志保「さぁ、今日はもう遅いし、デートは
明日ね。お休みなさい、工藤君」

新一「あ、明日?早くねぇか?行き先は、もう
決まってんのかよ?」

志保「勿論決まっているわよ。TDLよ!」

新一「結構遠くねぇか?しかもあんな人混み……
オレとお前が生きてるって、バレたらどうすんだよ!?」

志保「だからこそよ。まさか、私達がそんな
人混みにいる訳がないと裏を掻くのよ。
まさか、組織だって栃木まで追ってきやしないわ…
多分ね。勿論確証はないけれど」

新一「………まぁ、それは一理あるけどよ」

志保「じゃあ決まり。ホラ、もう寝た方が
良くてよ、工藤君?」

新一「んじゃあ、自分ん家に帰るよ。
解毒薬、ありがとな、灰原!………今は宮野か」

志保「あら、何なら志保でも構わなくてよ?」

新一「変な冗談止めろよ」

志保「悪かったわね。じゃあ、明日また。
言っとくけど、すっぽかしたら貴方をモルモットに
するわよ!」

新一「おー怖っ」

~工藤邸~
新一「……宮野の奴、いきなりデートとか……
何考えてんだよ?」

新一「デートなんてガラでもねぇ………
あいつ、あんな少女趣味な女だったか?」

新一「でもまぁ、あいつも本当は18歳の乙女
なんだよな」

志保「………私も愚かな女ね。こんなことでしか
工藤君をデートに誘えないなんて…」

志保「でも、仕方ないわ。工藤君には、彼女がいる
もの。それも、私なんかとは比べ物にならない
くらいの輝いた世界で生きてきた人………」

志保「彼女が彼を照らす太陽なら、私は月……
私は永遠に陽の目を浴びることの許されぬ女」

志保「私はやっぱり、愚かな女よ……
分かっていた筈なのにね………」

志保「もし、私が彼と同じ世界で生きていたら……
彼の隣にいるのは、彼女じゃなく、私だったかしら」

新一「……にしても、デートか。オレには蘭が
いるのによー」

プルルルル

新一「電話…………?誰からだ?…て、蘭!?
何か、やましいことしてるみたいな気分だぜ」

新一「もしもし」

蘭『もしもし、新一?今って大丈夫?』

新一「ああ、どうした?」

蘭『こんな夜にごめんね。……ちょっと声聞きたくて』

新一「気にすんなよ。オレ達、恋人だろ?」

蘭『そうね。あ、そういえば!私、明日園子と
遊園地行くの!園子に新一君来れるか聞けって
言われたんだけど……忙しいよね?』

新一(ゆ、遊園地?明日鉢合わせしたりしないよな?)

新一「ああ、悪いな……忙しくてよ」

蘭『良いの良いの!で?お土産、何が良い?
一緒に行けなくてもお土産贈りたくて……』

新一「お土産、か。そうだな……お前に
任せるよ。オレそういうの疎いし…」

蘭『じゃあ私、頑張ってお土産選ぶね!』

新一「ああ。期待してるぜ!」

新一(どうせなら、身体が戻ってるうちに
デートとか……したかったな)

千葉じゃないのか?

>>11
見てくれてありがとうございます。
それについては後に説明します…

蘭『あ、そろそろ切るね!もう遅いし……
今日はありがとう!こんな時間にごめんね?』

新一「んなの、気にすんなよ。最近暑いからって
腹出して寝るなよな!」

蘭『は、腹なんか出さないわよ!新一こそ
遅くまで推理小説とか読んでないでよ?
じゃあね、新一!』

ブツッ

新一「余計なお世話だっつーの」

新一「………今日はもう寝るか」

~次の日~
新一「……んあ、もう朝か………」

新一「そういや今日、宮野とデートか……」


~阿笠邸~
志保「今日は工藤君とデートね。……服装とか
どうしようかしら?緊張するわね…」
**
志保「髪型はこんな感じ……メイクも……
工藤君はどう思うかしら?」

>>12
なるほど、あえて栃木なのね。失礼しました。

>>15
大丈夫ですよ!自分も先に説明しなかったので…
誤解させてしまいすみません

ピンポーン

志保「工藤君かしら?」

志保「はい」

ガチャッ

新一「よお、宮野!」

志保「おはよう工藤君。ちゃんと来たのね。
偉いじゃないの?」

新一「ああ。モルモットにされたくないんでな」

志保(……にしても工藤君たら………お洒落なんか
しちゃって。人の気も知らずに…彼も罪な男ね

新一(宮野、なんかいつもと違うな…メイクしてるし…
こう見ると宮野も普通の女の子なんだな)

志保「ちょっと!?何、ジロジロ人の顔見てるのよ!
失礼ねぇ、全く」

新一「別に。ただ、オメーいつもと違うなと思ってよ。
なかなか美人じゃねぇか」

志保「え!?び、美人……//」

新一「んで?どうやって栃木まで行くんだよ?
博士は発明家の集まりに行ってんだろ?」

志保「電車で行くのよ。今はまだ朝も早いし
今から行っても充分、余裕はあるわ」

新一「この姿で電車乗るの久しぶりだな……」

志保「私もよ。さ、行きましょ」

~米花駅~
志保「着いたわね、米花駅」

新一「ああ。ホラ早いとこ切符買っちまおうぜ!」

志保「そうね」

ピッピッ

志保「よし。工藤君、こっちは買えたわよ!
て、貴方何固ってるのよ?」

新一「み、宮野………どうしよう……」

志保「は?どうしたのよ?」

新一「こ、子供用の切符買っちまった……」

志保「何してんのよ、馬鹿ね!」

新一「コナンの時の癖で………買い戻してくるよ」

志保「全く…」

新一「悪ぃ宮野、ここで待っててくれ!」

志保「はいはい」

志保(いつも頭が切れるのに…たまにああいう所が
あるのよね。本当に放っておけないわ)

新一「買い戻して来たぜ!駅員に不審がられたけどな…」

志保「まぁ、高校生が子供用の切符買うなんて
なかなかないことでしょうからね」クスッ

新一「ハハハ……」

~TDL~
志保「ふぅ。やっと着いたわね…」

新一「ああ、最近出来たばかりの遊園地だからな」

志保「そうね。私、あの子達(少年探偵団)に
栃木に出来た新しい遊園地の話を聞いて、少し
興味があったの」

新一「アイツら、そんな話してたか?」

志保「貴方が事件で休んでた時よ」

新一「成る程な。……にしても、TDLって何の
略なんだ?」

志保「貴方、本当に事件以外のことは疎いのね。
呆れるわ。栃木ダイナミックランドの略よ」

新一「栃木ダイナミックランド、ねぇ……」

志保「さ、入場券買うわよ。あの列に並びましょう」

ザワザワ ヒソヒソ
女子高生A「ねぇ、ちょっと見て!あのカップル…」

女子高生B「わぁー美男美女…うっとりしちゃう」

小学生A「Bちゃん、あのお兄さんイケメンじゃない?」

小学生B「本当だ!あれ、お兄さんの彼女さんかなぁ。
彼女さんも美人だねぇ」

男子中学生A「見ろよ、あの姉ちゃんの乳。
凄くね?」

男子中学生B「ちょ、おま………でも分かる」

男子中学生C「しかも美人じゃね?」

男子中学生A「あー!俺もあんな彼女欲しいわ!」

男子中学生C「お前にゃ無理だよ」

女子高生A「私もあんな彼氏欲しいなぁ……」

女子高生B「羨ましいよね…」

小学生A「あたしも大人になったらあんなん
なりたーい!」

小学生B「分かる分かる!!」

志保「…………何だか視線を感じない?」

新一「ああ。まさか、組織か?」

志保「それはないと思うわ。″匂い″も感じないし」

新一「オメーが昨日言ってた通り、栃木まで
追って来ないことを祈るしかねぇな。」

志保「………」

新一「まぁ、いざとなったらオレが何とか
してやっからよ!心配すんな!」

志保「よ、余計なお世話よ……///」

志保「やっと私達の番ね」

新一「大人二人で」

受付のお姉さん「かしこまりました!
……あら?もしかして、カップルさんですか?
今、カップル割引をキャンペーンとしてやって
おりますが……どうしますか?」

志保「え……//」

志保(私と工藤君がカップル?そう見えるの……?)

新一「違います!」

受付のお姉さん「違うのですね!それは大変
失礼致しました」

志保(そうよね……彼には彼女がいるものね)

受付のお姉さん「はい、こちら大人二人に
なります。楽しんで下さいね!」

新一「ホラ、行くぞ」
**
遊園地のスタッフ「すみません。今園内を
コスプレして楽しんで貰うというイベントを
開催しておりますが……無料ですので、良かったら
貸衣装どうですか?」

新一「んじゃあ、この姫のやつ貸して下さい」

遊園地のスタッフ「はい、どうぞ!彼氏さんは
良いんですか?セットでこちらの軍服と仮面も
ありますが………」

新一「…じゃあそれも下さい」

遊園地のスタッフ「どうぞー!楽しんで下さいね!」

志保「ちょっと!?貴方、そんなの借りて
どうしたのよ」

新一「バーロ。わかんねぇのか?
この姫の衣装はウィッグが、軍服には仮面が
ついてるだろ?そしたら少しは正体を隠せるって訳だ」

志保「そういうことね。なら、早速着替えましょ」

新一「ああ」
**
志保「お待たせ、工藤君。着替えたわ!」

新一(……こ、これは結構//)

志保「あら、その軍服似合うわね」

新一「サンキュ」

新一「んで?宮野、まずは何乗りたいんだ?」

志保「あれ」ユビサシ

新一「あ、あれって……お化け屋敷か?
いきなりヘビーだな」

志保「そうかしら。さ、早く行くわよ」

新一「お前、お化け屋敷とか怖くないのか?
ホラ、普通の女子は怖がるから……」

志保(普通の女子、って……それ、蘭さんのこと
でしょう?何が普通の女子よ。蘭さんとあの、財閥の
お嬢様と、あの子達としか遊園地になんて行った
ことない癖に……)チクリ

志保(胸が痛むわ)

新一「いきなり立ち止まってどうしたんだよ?
靴ズレか?」

志保「馬鹿……」ボソッ

新一「ほら、着いたぜ。並ぶか」

志保「…ええ、そうね」ムスッ

新一(なんか怒ってんのか?本当にわかんねー奴)

新一「な、なぁ宮野?」

志保「何よ、そわそわして。貴方こそ、お化けが
怖いんじゃなくて?」

新一「カップルばっかで、落ち着かねぇなぁ、って」

志保「今更そんなこと言ってられなくてよ。
私だって、本当は落ち着かないんだから。
なんか注目されてるし」

新一(言い方に刺がある気が………)

志保「この格好だと注目を浴びるし、かえって
逆効果だったんじゃなくて?」

新一「………」

志保「ちょっと!?なにか言いなさいよ!」

新一「それっ」

ムニッ

志保「!?にゃ、にゃにひゅるにょよ!?」
(訳:な、何するのよ!?)

新一「は?何って、オメーの口角上げてんだよ。
もうすぐお化け屋敷を回るってのに、ムスッと
してっからよー。そんなんじゃ、お化けの方が
逃げちまうぜ?」

志保「よ、よへぇなおしゃわお!」
(訳:よ、余計なお世話よ!)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2020年12月14日 (月) 13:07:53   ID: S:2PQf_o

続きお願いします!!
気になって仕方ないです!

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