三好紗南「ブラックコーヒー」 (18)


短いです

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ID違うけど>>1です

この年齢で

女子中学生で

ブラックを飲むというと

珍しいと言われる


徹夜のお供でよく飲んでいたからだろうか

きっかけはわからないが、いつの間にか嗜むようになっていた


味が好みとか、好きな銘柄があるとか

そういうのじゃない

事務所のコーヒーメーカーで作るチープなものでいい

砂糖もミルクも入っていないコーヒーの香りは、なんとなく心を落ち着かせる



アイドル活動を始めてからは、徹夜はしなくなった

プロデューサーとの約束で、不摂生な生活はしないようにしている

でも、そんなあたしのプロデューサーの生活は荒れていた


お昼の時間になると、アイドルや事務さんは外へランチに行く

Pさんは、山積みの書類やら、煙草の空き箱やら、中身がまだ残っているマグカップやら

そんなもので散らかったデスクで一人、ガサガサとビニール袋を開け始める

毎晩仕事が終わった後、近所のスーパーで半額になっているお弁当を買って、

それを翌日昼食として職場に持ってきているらしい


そんなお粗末な食事を済ませると、Pさんは喫煙所へ行き、

数分後に戻ってきて、マグカップの残りのコーヒーを飲み始めた


紗南「・・・・Pさん」

P「なんだ?紗南」

紗南「そのコーヒー・・・いつの?」

P「えっ?・・・さぁ、いつのだろうな?」

紗南「うぇー・・・その日飲みきれなかったやつは捨てなよ」

P「いやー、カップが空になると誰かが新しいの淹れててくれてさぁ」

P「せっかく淹れてもらったのに捨てるのは悪いだろ?」

紗南「ふーん・・・それにしてもPさん そんな食生活してると体壊すよ?」

P「スーパーの弁当は安くて美味い!」

紗南「栄養がないよ あと煙草も体に悪いし・・・」

P「おっと もうこんな時間! 外回りに行かなければ!」

Pさんは書類を何枚かカバンに詰め込むと、そそくさと事務所を出て行ってしまった

紗南「あっ!・・・・もう」

・・・まぁ、少し前までお菓子食べながら徹夜でゲームしていたあたしが

Pさんの健康面についてとやかく言える権利はないのだろうけど

ため息をついて、あたしは空になったPさんのカップを持ち上げた



それからしばらく経って

あたしがPさんの生活にうるさく言うことは無くなっていた


いつからだろう

Pさんが煙草を吸わなくなったのは

いつからだろう

Pさんが彩り豊かな手作りのお弁当を持ってくるようになったのは

いつからだろう

Pさんが、砂糖とミルクが入ったコーヒーを飲むようになったのは


そんなことを考えながら、あたしは今日もコーヒーを啜る

・・・・・・

ブラックコーヒーは、やっぱり苦い

おわりですー
ありがとうございましたー

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