【わたてん】みやこ「ちょっとはお姉ちゃん離れしなさい!」 (40)

星野家 夕方

ひなた「みゃーねぇ~沢山遊んで疲れたぁ~」ヘナヘナ

みやこ「おお、見るからにヘナヘナしてる……なにして遊んできたの? 」

ひなた「リレーの練習……だけど花が私は足が早いからハンデをくれって言ってきて」

みやこ「うん、多分自分が走る距離を短くしたかったからだね」

ひなた「だから私1人と他の4人でリレー勝負してきた!」

みやこ「あー、それでそんなに疲れてるのか」

ひなた「勝ったぞ! みゃー姉!!」カバッ!

みやこ「しかも勝ったんだ……」

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ひなた「でも疲れたぁ……みゃぁねぇ~」フラフラ

みやこ「はいはい、おいで」ギュッ

ひなた「んぅ……」ダキッ

みやこ「でもリレーの練習? 体育の授業でリレーでもあるの?」

ひなた「運動会が近いんだ!」

みやこ「あぁ……運動会……嫌な思い出しかないなあ」

ひなた「で、小依が目立つリレーのアンカーをやりたがったんだけど、クラスの皆が反対したから特訓してた!」

みやこ「バトンとか落としそうだもんねぇ」

ひなた「えへー、みゃー姉のほっぺた柔らかい……」スリスリ

みやこ「もう、前も言ったけど、小学5年生なのにそんなにべったりでどうするの?」ナデナデ

ひなた「でもみゃー姉にくっつかなきゃ、休むことは出来ないぞ?」

みやこ「いやいや、他にいくらでもあるでしょ? こう、お布団にくるまってロールケーキごっことかしてるときお姉ちゃん癒されるな」

ひなた「……? 休むってみゃー姉に甘えることじゃないのか?」

みやこ「……えっ?」

ひなた「そういえば花もノアも、家にみゃー姉がいないのにどうやって休んでるんだ……? 不思議だぞ……?」

みやこ「ええ…………」フルフル

ひなた「みゃーねぇ~みゃーねぇ~」モゾモゾ

みやこ「わひゃっ、お、お腹はやめて!」

ひなた「でも、みゃー姉がいないとやっぱり疲れはとれないぞ?」スリスリー

みやこ「今の冗談じゃなかったの!?」

ひなた「朝みゃー姉をぎゅーして起こさないと元気がでないし、学校で皆と沢山遊んだら夕方みゃー姉に甘えないと次の日に力が出ねえ!」ドヤッ!

みやこ「私充電器か何か?」

ひなた「だからみゃぁねぇがすきぃ~一番すきぃ~」モフモフ

みやこ「…………はあ」ナデナデ

みやこ「なんとかしないといけないなあ」

次の日 星野家

みやこ「ということで、ひなたを私から離れさせる方法のアイデアを聞きたいんだけど……」

乃愛「うん、無理」

花「無理ですね」

みやこ「だよねぇ……」ハァ……

乃愛「そもそも、なんでミャーさんはひなたちゃんを離れさせたいの?」

花「それ以前に、もう少し大きくなれば自然に離れていくのでは?」

みやこ「私も昔はそう思ってたんだけど……」

みやこ「最近、私がなんとかしなきゃ永遠にひなたは私にベッタリなままな気しかしなくて」

花「……あー」

乃愛「多分その予想は当たってるよ」

みやこ「で、ひなたは大体私の言うこと聞くし、この前の中学校の頃の私の……その、あれ」

乃愛「ああ、目に眼帯つけてカラーコンタクトしてる変なコスプレ?」

みやこ「うぐっ!! 言葉を濁してるんだからはっきり言わないでよ! 」

花「あの眼帯を外してカラーコンタクトで見ると、真実の世界が見えるんでしたっけ?」

みやこ「なんでその事知ってるの!?」

花「お姉さんのお母さんから聞きました」

みやこ「おかあさぁぁぁぁん!!!もおおおお!!!!!」

みやこ「と、とにかく! あの頃の私を真似しようとしたり、高校の頃の私みたいに髪伸ばそうとしたり、私みたいになろうとしてるの!」

乃愛「んー、それの何がダメなの?」

みやこ「だって私だよ!? こんなのだよ!?」

花「こんなのって…………」

みやこ「引きこもりだし! 運動苦手だし! 他の人とうまく話せないし!」

みやこ「人混みの中にいると震えてくるし、一番来てる服がジャージだし」

みやこ「最近また太ってきてるし……友達も皆以外いないし……大学は松本さんがいないとぼっちだし…………」

みやこ「…………ううっ」ポロポロ

乃愛「大変!!ミャーさんが自分で自分を傷つけてる!!!」

花「お、お姉さんにも良いところはありますよ! お菓子作れる所とか! あとケーキ作れる所とか!」

みやこ「だから……ひなたには私みたいになってほしくなくって……あとお母さんに殺されるし……」ズーン

乃愛「別にミャーさんの真似する事がそこまで悪いことだと思わないけど……ミャーさんみたいになろうとしていても、中身はひなたちゃんだから誰がと話をするのが苦手にはならないだろうし」

花「それもそうだね、ひなたが引きこもりになる姿とか想像できない」

みやこ「それでもなの!」

みやこ「もしもひなたが私の悪い所真似しちゃったら、ひなたが辛い思いしちゃうもん! なんとかして姉離れさせなきゃ……」

乃愛「……ミャーさんって」

みやこ「……んぅ? どうしたの?」

乃愛「なんでもなーい」

乃愛「……んー、やっぱり浮かばないなあ、ひなたちゃんをミャーさんから離れさせるのは無理じゃないかな?」

花「私も浮かびません、やっぱり無理では?」

みやこ「結局そうなっちゃうんだ……他の方法考えてみるよ、相談に乗ってくれてありがとう、パンナコッタ作ったから食べて」

花「頂きます! 」キラキラ

乃愛「わーい! 美味しそう!」

みやこ「私は自分の部屋に戻ってるね……うーん、どうしよう……」トテトテ



花「……お姉さん居なくなったね」

乃愛「そうだねー」

花「で、何を企んでるの?」

乃愛「ふふーん」キラーン

乃愛「ミャーさんが言ってたし、ちょっとだけミャーさんとひなたちゃんを離れさせて見ようと思って」

花「……出来るの? ひなたが自分からお姉さんから離れてく姿なんて想像できないんだけど」モグモグ

乃愛「アタシも出来ない!!」

花「…………じゃあ無理じゃない?」モグモグ

乃愛「ミャーさんから離れさせなくても、ミャーさんと離す手段はあるんだよ、ハナちゃんも手伝ってね」

花「何を言ってるのか解らない、手伝うのは別にいいけど……ごちそうさま」ケプー

乃愛「んう?……あっ!!アタシのパンナコッタがなくなってる!!」

花「お手伝い料金」

3日後 星野家

みやこ「……あ、そういえば最近ひなたと一緒にお風呂入ってないし寝てないなあ」

みやこ「ひなた3日に一回は寝ないと寂しそうにするしなあ……ひなたー、ひなたー!!」

ひなた「どうしたんだ? みゃー姉」トコトコ

みやこ「今日一緒に寝よっか?」

ひなた「っ!あうぅ!!」

みやこ「……? どうしたの?」

ひなた「きょ、今日はいいや! また今度な!みゃー姉!」トタトタ!!

みやこ「…………どうしたんだろう、ひなた」

みやこ「あ、そうだ、今日は花ちゃんと乃愛ちゃん遊びにくるんだっけ、来る時間聞いてなかったなあ、ひなた、自分の部屋にいるかな?」トコトコ

みやこ「ひなたー? いるー? 入っていい?」コンコン

ひなた「わっ!!!ダメだ!!入ってきちゃダメだ!!みゃー姉!!!」

みやこ「は、入っちゃダメ!? 中で何をしてるの!? 」

ひなた「何もしてない!! えーと……その……そう! みゃー姉離れをしてるから!だから入ってきちゃダメだ!!」

みやこ「私離れ!? 本当に!?」

ひなた「ほ、ほんとだぞ! だから、今日花とノアが来ても私の部屋には入らないでくれ! 絶対だからな!!」

みやこ「わ、解った……開けないよ……」

ひなた「…………ふう」



みやこ「…………ひなたが、お姉ちゃん離れかあ」チクッ

みやこ「…………なんだろ、なんか胸がヘンだなあ」チクッチクッ

乃愛「ミャーさん!!来たよー!」

花「お邪魔します」ペコリ

みやこ「ん……ああ、いらっしゃい二人とも」ヘニョヘニョ

乃愛「ん? ミャーさんあんまり元気ない?」

みやこ「ん? そう見えるかな……」

乃愛「見える見えるー! 」

花「何時も以上に体に力が入ってないように見えますね」

みやこ「……多分寝不足だからだね、昨日遅くまで課題やってたから」

乃愛「えぇ~~? 本当に課題があったから疲れてるの?」ニマニマ

みやこ「えっ……?」

乃愛「ミャーさんが落ち込んでる理由、もしかしてひなたちゃんが最近ミャーさんに構ってくれないからじゃない?」ニマニマ

花(ノア……凄く楽しそう)

みやこ「へ!? なんで最近ひなたが私を避けてるの知ってるの!?」

乃愛「それは勿論! アタシがひなたちゃんに『ひなたちゃん姉離れ大作戦』を教えたからだよ」

みやこ「姉離れ大作戦!? 何をしたの!?」

乃愛「知りたーい?」

みやこ「う、うん……」

乃愛「ふふーん、教えてあげない!ヒ・ミ・ツ」

みやこ「そ、そんなぁ……」

乃愛「でも良かったじゃん、ミャーさんひなたちゃんを姉離れさせたいって言ってたでしょ?」

みやこ「それはそうだけど……」

乃愛「それとも……ミャーさんって実は」

乃愛「ひなたちゃんを自分から離れさせたいって言っておきながら、いざ離れたらひなたちゃんが恋しくなるシスコンさんだったりするの?」ニマニマ

みやこ「なっ……!」

みやこ「そ、そんな訳ないよ!! ひなたがちゃんと成長してお姉ちゃん離れできて、とても嬉しいよ!?」

乃愛「そっかー、じゃあアタシ、ひなたちゃんの部屋に行ってくるね」

花「はあ……お姉さん、私も行きますね」

みやこ「い、行ってらっしゃい!!」

次の日

みやこ「ひなたー、クッキー焼いたけど食べる?」

ひなた「ご、ごめんみゃー姉! 後で食べていいか!? ちょっと今忙しいんだ!!」タタタ

みやこ「あ、じゃあ後で食べてね……」シュン……



そのまた次の日

みやこ「ひなたー、たまには一緒にお風呂はいる?」

ひなた「あっ、私もうシャワー浴びちゃったんだ……また一緒に入ろう、みゃー姉」

みやこ「あ、ううん、じゃあまたね……」



さらに次の日


みやこ「ひなた……」

ひなた「ごめんみゃー姉!また今度!!」タタタ

みやこ「……………………」

その次の日 みやこの部屋

みやこ「……………………」ゴロゴロ

みやこ「…………なんか、疲れたなあ」

みやこ「疲れたから、ロールケーキごっこしよ……布団暖かい……」コロコロ

みやこ「私はロールケーキ……私はバウムクーヘン…………」

みやこ「…………全然疲れ、取れないな」

みやこ「……………………お布団あっても、一人じゃ寒いなあ」

みやこ「……………………ひなたぁ」ギュッ

ひなた「みゃーねええええええ!!!!!!」ガチャ!!!

みやこ「わっ!!!! ひなた!?」

ひなた「出来た!!!みゃー姉!!!!出来たぞぉおおお!!!!」ギュウッ

みやこ「えっ!? 何が!? 何が出来たのひなた!!?」アワアワ

ひなた「へへへ……これだぁ!!」バサッ

みやこ「えっと…………何これ、コスプレ衣装……?」

ひなた「おう! みゃー姉へのプレゼントだぞ!!」ニカッ

乃愛「松本さんにサイズ聞いて色々教えてもらって、アタシとハナちゃんが手伝って、ひなたちゃんが頑張って作ったんだよ?」

花「色々頑張った!」ムフー!

乃愛「……うん、まあ頑張ってはいたね、頑張っては」

みやこ「じゃあ、ここのところひなたが私を避けてたのは……」

ひなた「サプライズだから隠さなきゃいけないけど、みゃー姉に甘えたらつい喋っちゃいそうだから……」

乃愛「限界そうな時はミャーさん変身セットも使ってね、それでも最後の方はギリギリだったけど……」

みやこ「お姉ちゃん離れって言ってたのは……」

ひなた「ノアがそう言えって、私とっさに隠し事とか出来ないからって!」

乃愛「で、ミャーさん、ミャーさんのお願い通り、ひなたちゃんがお姉ちゃん離れしてみた訳だけどどうだった? 本当にお姉ちゃん離れして欲しい?」

みやこ「…………ひなた」

ひなた「なんだ? みゃー姉」

みやこ「私の事、好き?」

ひなた「おう!大好きだし、ずっと好きだし! 何時ても好きだぞ!!」

みやこ「…………そっか、私もひなたのこと……好きだよ」ギュウッ!!

ひなた「わわっ! みゃー姉! 力が強いぞ!ちょっと痛い!」ワタワタ



乃愛「…………聞くまでも無いみたいだね」

花「ノア、お疲れ様」

乃愛「ううん、また前みたいにひなたちゃんが悲しそうになるのは嫌だったから」

みやこ「乃愛ちゃんと花ちゃんもありがとう、色々大変なことさせちゃったね」

乃愛「いいよ、この後のコスプレタイムが楽しみだね!」

みやこ「あはは、コスプレタイムかあ…………え? 誰の?」

乃愛「ミャーさんの」

みやこ「…………あのコスプレ衣装、プレゼントってことでひなたの気を引くために作った訳じゃなかったの?」

乃愛「勿論そうだけど、それはそれとして着て貰わないとね」

花「折角作ったんですからね」

乃愛「このためにあの人にも協力して貰ったんだしねー」

みやこ「…………あの人」

松本「私の事よ! みやこさん!!」

みやこ「ひえっ!!」

松本「みやこさんに似合いそうなデザインで、ひなたちゃんにも作れそうな服、頑張って探したのよ! ほら! 見てみやこさん!」

みやこ「えっ!? ちょっと露出多くない!? お腹とか背中とか肩とか見えちゃうんだけど!?」

松本「みやこさんの陶磁のような肌……カメラに納め放題なんて……」ジュルリ

みやこ「そんな事言ってないんだけど!! お、お腹は本当にダメだよ! 最近太ってきたし!!」

松本「……安心して、みやこさん」

みやこ「な、何を……?」

松本「それが萌えなのよ……!!」キランッ

みやこ「何にも安心できないよ!?」

乃愛「ささっ、早く着替えてー」

花「見てる側に回ると、コスプレって楽しいですね」

ひなた「わーい! みゃー姉が私の作った服を着てくれる!」

松本「みやこさん……それじゃあ、始めましょうか?」

みやこ「あ……あう……」



みやこ「な、何でこんなことにぃ~~~~」



その日の夜

みやこ「トホホ……たっぷり写真とられた……何とかしてデータ消したり出来ないかな……」

ひなた「あ、みゃー姉……」

みやこ「ふえ、どうしたの? ひなた」

ひなた「この前みゃー姉が言ってた、クッキー作ってくれたの食べたりとか、お風呂一緒に入ったりとか…………まだ、出来る?」

みやこ「……おいで、ひなた」

ひなた「みゃー姉?」トコトコ

みやこ「えいっ!!」ダキッ!!

ひなた「わっ!!」

みやこ「ひなた、お日様みたいな良い匂いだねぇ……」スンスン

ひなた「みゃ、みゃー姉も良い匂いするぞ?」

みやこ「クッキーだっけ? あのクッキーはもう無くなっちゃったから、明日新しいの一緒に焼こっか? 材料もないから、お買い物も手伝ってね? 」

ひなた「本当か!? 解った!」

みやこ「…………ひなた、耳たぶ柔らかいねー」フニフニ

ひなた「あははっ、みゃー姉、くすぐったい」

みやこ「お風呂は今日もう入っちゃったから、明日で良い? クッキーのお買い物ついでに、温泉の素でも買おっか」

ひなた「温泉の素よりも、あのしゅわしゅわするやつがいい!」

みやこ「解った、じゃあそっちね?」ナデナデ

ひなた「わーいっ!」

みやこ「……ひなたは本当に暖かくて、ゆたんぽみたいに気持ちいいね」

ひなた「そうか?」

みやこ「うん……本当は昨日言おうと思ってたんだけど……今日一緒に寝よっか、秋になってちょっと寒くなって、湯たんぽが欲しいなあ」

ひなた「じゃあわたし、みゃー姉の湯たんぽになる!」

みやこ「ありがとう、ちゃんとくっついててね?」

ひなた「解った!」

みやこ「…………ひなた」ギュッ

ひなた「なんだ? みゃー姉?」

みやこ「お姉ちゃん離れは、もうちょっとだけ、後にしてね」

ひなた「…………何言ってるんだみゃー姉、私はみゃー姉からずっーとずっーと離れないぞ?」

みやこ「…………そっか、なら…………それでもいいや…………こうやってくっついてると、幸せだね」ギュッ

ひなた「うん!」ギュッ

次の日 朝

ひなた「みゃー姉!!みゃー姉!!!」ギュウッ

みやこ「…………ん、んう……ひなたぁ」

ひなた「朝だぞ!起きろ!!」

みやこ「……ひなた、そうやって抱きつかれると起きようにも起きれない気がするんだけど」

ひなた「いま朝のみゃー姉充電中だからな! もうちょっとだけ待っててくれ!」

みやこ「そっかー、じゃあ私も」ギュッ

ひなた「わっ!」

みやこ「朝のひなたじゅーでーん」ナデナデ

ひなた「…………えへへー、元気出たか!?」

みやこ「うん、たっぷり出たよ」

ひなた「なら……」














ひなた「今日も一緒に頑張ろうな!みゃー姉!」










おわり

ありがとうございました、わたてんSSはもっと増えてください

久々のSS&わたてんSS10本目です、わーい

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