ペコリーヌ「140連だにゃ~♪」 コッコロ「140連だにゃ~♪」 (11)

コッコロ「最高140連無料にゃ」

キャル「はあ? 140連? なによそれ? なんの話?」

コッコロ「140連だにゃ~!」

キャル「意味わかんないわよっ!」



キャル「……ってことがあったのよ」

ペコリーヌ「はあ。それで今度はわたしのところに聞きに来たんですか?」

キャル「あら、ペコリーヌのくせに話がはやいじゃない♪ そういうことよ。わかったらあたしに140連ってなんだか教えなさい?」

ペコリーヌ「それを知らないなんて……キャルちゃんやばいですにゃ」

キャル「突然にゃーにゃー言いだすあんたたちの方がよっぽどヤバイわよ。……ちょっとだけかわいいけどさ」

ペコリーヌ「にゃ~♪」

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キャル「それで? コロ助の言ってた140連ってのは結局なんなのよ?」

ペコリーヌ「それはですね……最高140連無料にゃ!」

キャル「だーかーらぁ……! それがなんだか説明しろって言ってんのよ!」

ペコリーヌ「うーん……。そう言われてもですねぇ……」

キャル「そもそも『最高』ってのも気になるわ。140連以下もあるってこと?」

ペコリーヌ「もちろんです。当然ですけど、ログインしなかったりすると減っちゃいます」

キャル「ろぐいん……?」

ペコリーヌ「あれあれ? キャルちゃんもログインボーナスはもらっていますよね?」

キャル「ボーナス? もらう? いや……ちょっとわかんないわね……」

ペコリーヌ「起きたとき、枕元に置いてません? お金とか、ピンクのチケットとか」

キャル「え……? なに言ってるのかサッパリなんだけど……」

ペコリーヌ「えぇっと……。一度キャルちゃんのプロフィールを見せてもらってもいいですか?」

キャル「は? プロフィール? そんなものわざわざ書いて持ち歩いてるわけないじゃない」

ペコリーヌ「ぷ、プロフィールが……ないんですか……?」

キャル「ええ。別に普通でしょ? 誰もそんなもの持ってないわよ」

ペコリーヌ「きゃ、キャルちゃん……。まさかキャルちゃんが非正規プレイヤーだったなんて……」

キャル「今度はなに? あたしが非正規プレイヤー? ……ったく、さっきから全然わかんないんだけど!」

ペコリーヌ「コッコロちゃん! 来てください、コッコロちゃん!」

コッコロ「な、何事でございますか……!?」

ペコリーヌ「大変です! キャルちゃん、実は不正者だったんです!」

コッコロ「お、落ち着いてくださいまし……! それはたしかなのですか……!?」

キャル「ちょ、ちょっと……? あたしにもわかるように説明しなさいよ……!」

ペコリーヌ「うぅ……どうして……? お友達だって思ってたのに……。信じてたのに……」

キャル「ねえ……なんなのよ……? 冗談にしてはおもしろくないってば……」

コッコロ「……ふむ。この状況でのキャルさまの反応……。大体の事情は理解いたしました」

ペコリーヌ「コッコロちゃん……。しかたないんですよね……?」

コッコロ「はい。消去するほかありません」

キャル「ふ、ふざけないでって言ってるでしょ!? どうして二人して武器なんて構えてるのよ! それに……消去ってなに!?」

コッコロ「申し訳ありません。わたくしたちには、他にどうすることもできないのです」

ペコリーヌ「お別れです、キャルちゃん……」

キャル「……なによ。説明すらしてくれないわけ?」

ペコリーヌ「せめて……せめて苦しくないようにしますから……」

キャル「なにが最高140連無料よ……。そんなものがなければ……あたしたちは今まで通りに──」

ペコリーヌ「さようなら。……大好きでしたよ」


……

…………

……………………

キャル「ぎゃあああぁ!?」

ペコリーヌ「わぁっ!? ど、どうしたんですかキャルちゃん!?」

キャル「ぺ、ペコリーヌ……? あれ……? あたし、あんたに殺されちゃったはずじゃ……」

ペコリーヌ「起きたと思ったらそんな変なことを言うなんて……さては怖い夢でも見ちゃったんですね? あはは、よしよ~し♪」

キャル「……なでるんじゃないわよ、バカ」

ペコリーヌ「あらら……キャルちゃんの方から抱っこしてくるなんて、珍しいですね?」

キャル「うっさい……。いいから少しジッとしてなさいよ……」

ペコリーヌ「……大丈夫ですよ、キャルちゃん」

ペコリーヌ「夢の中ではどうだったのかわかりませんけど、今キャルちゃんの目の前にいるわたしは、なにがあってもずぅっとキャルちゃんの味方ですから♪」

キャル「信じていいの……?」

ペコリーヌ「信じてください♪」

キャル「……すりすり」

ペコリーヌ「えへへ……♪ ぎゅ~っ☆」

コッコロ「はて。お昼寝をしていたキャルさまが、いつの間にやら甘えんぼさんになってしまっているようですが」

ペコリーヌ「あ、コッコロちゃん! おいっす~☆」

キャル「た、たまにはそういう気分のときもあるのよ……!」

コッコロ「でしたら、わたくしにも子猫のように甘えていただきたい」

キャル「さすがにコロ助にまで甘え始めたら人としておしまいよ。そいつみたいにね」

コッコロ「主さまが抗議の目でキャルさまを見つめていらっしゃいます……。おや、違いますね、どうやらおネムのようです」

キャル「あーあー。コロ助に抱かれたまま寝るなんて。ほんっと赤ちゃんよねぇ」

ペコリーヌ「キャルちゃんもこのまま寝てみません?」

キャル「寝るわけないでしょ。……ま、また今度ね。今は眠くないし」

カリン「み、みなさ~ん! 大変です! 大ニュースですよー!」

キャル「げっ……。あいつの持ってくる報せなんて、どうせロクなもんじゃないわよ……」

ペコリーヌ「魔物退治の依頼でしょうか? また報酬のお金でおいしいご飯を食べに行けますね♪」

カリン「今日は依頼ではなくて……。じ、実はギルド【美食殿】に加わりたいという方が……」

キャル「はあ? こぉんなヘンテコギルドに入りたいなんて、変わり者もいいとこじゃない? 大丈夫なのかしら、そいつ」

コッコロ「わたくしたちが言えたことではありませんが……その方はよく参加を決意しましたね……」

ペコリーヌ「食を愛する人なら誰でも大歓迎です! さっそく歓迎パーティーを開きましょう♪」

カリン「ふふ、そう言うかな~と思ってその方をここに連れてきてるんです♪ さあ、素敵な仲間が増えますよ♪」

水着キャル「よ、よろしく……。って、こらぁっ!あんまりジロジロ見るんじゃないわよ……!」

キャル「え……?」

コッコロ「むう。主さま、また限定ガチャを回したのですね。節約しましょう、とあれだけ申しましたのに」

ペコリーヌ「わぁい! 水着のキャルちゃんもかんわいいですねぇ~♪ 食べちゃいたいくらいかわいいです☆」

キャル「また……夢、よね……?」

おしまい

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