キャル(あれ? あたしのアレがない……) ペコリーヌ「ふんふんふ~ん♪」 (10)

ペコリーヌ「キャルちゃん! わたしたちの話を聞いてください! お願いですキャルちゃんっ!」

仮面キャル「うるさいうるさいうるさいっ! あんたたちの話なんて聞きたくない! 目障りなのよ! 死ね! 死んじゃえっ!」

コッコロ「キャルさま……! 杖を振り回さないでください! 一度落ち着いて、話し合いましょう!」

仮面キャル「あたしに近寄るなぁっ! ……ふふ。あははっ! それ以上こっちに来たら、容赦なく消し飛ばすわ……!」

ペコリーヌ「キャルちゃんを傷つけるつもりなんてなかったんです……! 信じてください……キャルちゃん……」

コッコロ「元はといえば、すべてわたくしの責任……。わたくしが、勝手にキャルさまのお気に入りの下着を洗濯したりなどしなければ……」

ペコリーヌ「コッコロちゃんのせいじゃありませんっ! わたしが不用意にキャルちゃんのお気に入りの下着を、通りから見える場所に干したりしたから……」

仮面キャル「言い訳なんて聞きたくないっ! おかげであたしが近所からなんて呼ばれてるか……!」

ペコリーヌ「……『ネコぱんちゃん』」

仮面キャル「ああああぁっ……!」

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コッコロ「わ、わたくしは、その……可愛らしくてとても素敵だと思いますよ……?」

仮面キャル「……は?」

コッコロ「ひぇ……」

ペコリーヌ「思い切って下着を大人っぽいものに替えてみるとか……」

仮面キャル「馬鹿なこと言わないで! あたしはネコが好きなの! ぱんつにもネコを飼っていたいのよ!」

ペコリーヌ「じゃあいいじゃないですか、ネコぱんちゃんで」

仮面キャル「いいわけねぇわよっ! あんたたち、他人事だと思って……あっ♪」

コッコロ「……わたくしそろそろ主さまのお迎えに行かないと」

仮面キャル「待ちなさいよ。どうしても行くって言うなら、ぱんつを置いていきなさい!」

ペコリーヌ「コッコロちゃんの下着も表に干すつもりですね!? んもぉ、キャルちゃん! コッコロちゃんには変なことしないでください!」

仮面キャル「黙りなさいアホリーヌ! そうでもしなきゃ、あたしの気が済まないのよ! つべこべ言わずにペコリーヌもさっさと脱ぎなさい!」

コッコロ「……仕方ありません。わたくしたちのせいでキャルさまが辱めを受けているのも事実」

仮面キャル「辱めとか言うな!」

コッコロ「わたくしの下着を提供することで、キャルさまのお気持ちが晴れると言うのなら……わたくしは喜んで差し出しましょう」

ペコリーヌ「ほ、本気なんですか……? 下着を軽々しく表に干すなんて……」

仮面キャル「あんた……」

コッコロ「我々、ギルド【美食殿】はいかなる時も心はひとつ。一連托生でございます」

コッコロ「キャルさまがネコぱんちゃんになってしまったのであれば、わたくしも甘んじて汚名を被りましょう」

仮面キャル「汚名って言うな!」

ペコリーヌ「コッコロちゃんがそこまで言うなら……わたしから言うことは何もありませんね。ファイトですっ☆」

仮面キャル「あんたもファイトすんのよ。ほら、ぱんつ」

ペコリーヌ「わ、わたしは駄目ですってば……! キャルちゃんたちはまだ子供ですけど、わたしの場合は法に触れちゃいますから!」

仮面キャル「ふふ。今は子供ぱんつの方が人気が高いのよ? 自称大人のくせに、そんなことも知らないわけ?」

ペコリーヌ「知りませんよぉ……」

コッコロ「あ、あの……脱ぎましたが、その……どうしましょう……?」

仮面キャル「モジモジしてないで脱いだぱんつをこっちに寄越しなさい! ……って、コロ助、あんたこれ……」

ペコリーヌ「あっ、わたし知ってます! 『ふんどし』ですよね? うわぁ~、初めて見ましたっ! 渋ぅい♪ やばいですね☆」

仮面キャル「え~……。あたし、仮面のせいで視界がおかしくなってるんじゃないの……? マジでふんどし……?」

キャル「……うわっ。ふんどしじゃないの」

コッコロ「はて? わたくしにはどうしてキャルさまが少し引いているのかわかりませんが……」

キャル「い、いや……引いてるって言うか……。ねぇコロ助? 今度一緒に買い物に行かない? 下着とか、一緒に選んであげるわよ?」

コッコロ「キャルさまとお買い物……♪ はい、喜んでお供いたします」

仮面キャル「……さて。ペコリーヌ」

ペコリーヌ「は、はぁい……! なんでしょうか~?」

仮面キャル「あんた逃げようとしてない? コロ助が身体張ってるっていうのに、あんたはそれを見捨てるの?」

ペコリーヌ「そうじゃなくてっ……! 一旦お家に帰ってですね、それからもう一回ここに~……」

仮面キャル「……見損なったわ。あんたなら……コロ助を庇って、自分だけぱんつを干すくらいするかと思ってた」

仮面キャル「なのに、あんたっ……」

コッコロ「お、お待ちくださいキャルさま! きっとペコリーヌさまにも何か事情があるはずです! そうでございましょう? ペコリーヌさま」

ペコリーヌ「……」

仮面キャル「何も言わないの? あんた、本当に最低な──」

ペコリーヌ「……王家の下着」

仮面キャル「んん?」

ペコリーヌ「王家の下着を……履いてるんです……」

仮面キャル「なによそれ」

コッコロ「わたくし風の噂に聞いたことがあります……。なんでも、着用した者に『力』を与えてくれる伝説の下着だとか」

仮面キャル「う、うん……。それで? まさかそんな理由で脱ぎたくないなんてこと──」

ペコリーヌ「違いますっ! そんなわけないじゃないですか!」

仮面キャル「……っ」

ペコリーヌ「わたしだってキャルちゃんのために脱ぎたいです……! さっきも言ったように、原因はわたしにあるんですから……」

ペコリーヌ「表にコッコロちゃんのふんどしと並べて干して……みんなでダサぱん三姉妹って呼ばれるようになったって構いません……」

コッコロ「ペコリーヌさま……」

仮面キャル「じゃ、じゃあどうしてそこまで嫌がるのよ……? コロ助のふんどしを見た今、ハードルなんてだだ下がりじゃない……!」

コッコロ「キャルさま……?」

ペコリーヌ「……」

ペコリーヌ「……すごくえっちなんです」

仮面キャル「……」

コッコロ「……あの、ペコリーヌさま? 少し拝見しても?」

ペコリーヌ「スカートを少しだけめくりますね……ぴらっ」

コッコロ「わぁっ……!?」

仮面キャル「えっ? えっ? ね、ねぇ、あたしにも見せなさいよ!」

コッコロ「い、いけませんっ……! これはいけませんっ! あわわわ……」

仮面キャル「え、見たい……。コロ助が腰を抜かすほどスケベなぱんつとか、めちゃくちゃ気になるじゃない……!」

ペコリーヌ「は、恥ずかしいですけど……キャルちゃんになら……」

ペコリーヌ「いい、ですよ……?」

仮面キャル「……ゴクッ」

ペコリーヌ「じゃあ……めくりますね……? ……ぴらっ」

仮面キャル「……?」

キャル「…………」

ペコリーヌ「そ、そんなにじっくり見ないでくださいよぉ~……! 恥ずかしすぎて死んじゃいますってばぁ……!」

キャル「うにゃぁっ……!? え、えっ? えっっっ!!!」

コッコロ「キャルさま……! お気を確かに! キャルさま! あぁっ……目が虚に……!」

ペコリーヌ「下着を見ただけなのにっ!?」

コッコロ「気付けを行います! どうか目を覚ましてください……! えいっ、えいっ……!」

キャル「あぶぶぶぶっ……!?」

コッコロ「おや……まだ……? えいっ、えいっ……! ばしっ、ばしっ……!」

キャル「だ、だから……あたし……もう……覚めて……」

ペコリーヌ「やっぱりこの下着は干せませんよっ! 『パコリーヌ』とか呼ばれちゃうに決まってます! お家に帰って履き替えてきますから!」

仮面キャル「……待ちなさい」

ペコリーヌ「キャルちゃんも見たでしょう? この下着を表に干したりしたら──」

仮面キャル「そうじゃなくて。あんた、いつもそんな下着で魔物と戦ってるの? 短いスカートひらひらさせて? 馬鹿なの?」

コッコロ「言われてみれば、たしかにいろいろな意味で気になります。回答次第では、今後の魔物退治にも影響が出るかもしれません。主さまなんて死んでしまうかもしれません」

ペコリーヌ「……勝負下着ですから、大事な時には」

仮面キャル「くっ……。あんたも一緒に買い物に行くわよ! せめて見せぱんでもなんでもいいから履いて! お願いだから!」

ペコリーヌ「キャルちゃんとお買い物っ!? うわぁい♪ やったぁ~☆」

仮面キャル「……はぁ~」

コッコロ「あの、わたくしいつまでこの状態でいれば……? すーすーする、と言いますか……顔がひどく熱いのですが……」

仮面キャル「あぁ、脱がせたっきり忘れてたわ。はい、ふんどしは返すわね」

ペコリーヌ「干さないんですか?」

コッコロ「干せばおそらく、『ふんコロどし』などと不名誉なあだ名がご近所に広まると思いますが」

仮面キャル「もういいわ。なんか熱が引いたっていうか、あんたたちの気持ちはわかったから」

仮面キャル「あたしはしばらくこの仮面をつけて外出すればいい話だしさ。あんたたちまで、恥ずかしい思いをすることないもん」

ペコリーヌ「キャルちゃん……」

ペコリーヌ「今回のこと、改めて謝らせてください……。本当に、本当にごめんなさい……」

コッコロ「わたくしも、心から謝罪いたします……。キャルさま、ごめんなさい……」

仮面キャル「べ、別にそこまで頭を下げなくたっていいわよ。あたしがぱんつを脱ぎ散らかしてたのだって良くなかったんだし……」

仮面キャル「それに……あたしを想ってしてくれたことだっていうのも、ちゃんとわかってるから」

ペコリーヌ「……えへへ♪ キャルちゃん、仲直りですねっ♪ ぎゅぎゅ~っ☆」

仮面キャル「ちょっ、バカっ! 調子のんなぁっ! 離れろ! 殺すぞ!?」

仮面キャル「……ったく。いちいち引っ付いてくんなっつってんのに……。ベタベタされんの嫌いなのよ」

コッコロ「そう言いつつも、強引に引き剝がさないキャルさまのことが……わたくしもペコリーヌさまも、そして主さまも。大切なのでございますよ」

仮面キャル「ふ、ふんっ……! 調子いいこと言ってんじゃないっつうの!」

仮面キャル「……ちょっと散歩! ついてくるんじゃないわよ?」

ペコリーヌ「あっ……行っちゃいましたね。お顔が真っ赤っかでした♪ 照れちゃって、もぉ~、かわいいですねっ」

コッコロ「……おや? なにやら表の方から声が聞こえてきます」


女の子「あっ、あの人ネコぱんの人!」

男の子「今日は仮面つけてるぜ! ネコぱん仮面だ! ひゅーっ! ネコぱん仮面ー!」

女の子「ネコぱん仮面~♪」


ペコリーヌ「あれ? キャルちゃん、もう戻ってきたみたいですよ?」

コッコロ「……嫌な予感がいたします。ペコリーヌさま、窓から逃げましょう」

キャル「ペ~コ~リ~ヌぅ~……! やっぱりあんたのぱんつも寄越しなさいっ! それより、まずはそこに正座しろぉっ!」

キャル「逃げんなぁぁぁっ! ペコリーヌーーーっ!!!」

おしまい

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