黛冬優子「……ックチュ!」 (10)


あさひ「え、なんすか今のクワガタの幼虫を踏み潰したみたいな音?」

冬優子「そんな気色悪い音出してないわよ! くしゃみよ、くしゃみ」

あさひ「へぇ~、冬優子ちゃんはクシャミもかわいいんすね~」

冬優子「はいはい……――ップチュ! ……はぁ、今日はあんまり調子よくないわね」ズビ

あさひ「……冬優子ちゃん」

冬優子「な、なによ」

あさひ「もっかいクシャミしてみてくれないっすか?」

冬優子「はあ?」

あさひ「いや、なんか1回目とビミョーに違うなって思ったんで」


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冬優子「イヤよ、するわけないでしょ。ていうかそんな自由自在にくしゃみなんてできないわよ」

あさひ「そんなこと言わずにお願いっすよ~! ね? 一回だけ! 先っぽだけだから!」

冬優子「ったく、しつこいわね! そもそもそんな汚……ッ――」

あさひ「!!」スマホスッ

冬優子「――ッッ!」

あさひ「あー! なんで止めちゃうんすか!」

冬優子「あんたこそスマホで撮ろうとしてんじゃないわよ!」

あさひ「ちぇーっ あ、でもちょっと涙目になってる冬優子ちゃんもかわいいっす!」パシャ

冬優子「やめんか!」

あさひ「えーっと、『排泄を我慢しすぎて涙目になった冬優子ちゃん激写!』……っと」

冬優子「言い方ァ! あとイン○タに投稿すなーっ」

冬優子「そんなにくしゃみの音聞きたかったら自分でやればいいでしょ!」

あさひ「え、いいんすか?」ガシッ

冬優子「は? ちょっと、何よいきなり……」

あさひ「ちょうどここにティッシュ細めたやつがあるんで、冬優子ちゃんマスク取ってくださいっす」

冬優子「アホか! 自分でやれってそういう意味ちゃうわ!」

あさひ「あ、わたしがクシャミするってことっすか?」

冬優子「それ以外ないでしょうよ……」

あさひ「でもわたしのクシャミなんて面白くもなんともないっすよ」

冬優子「知らないわよそんなの」

あさひ「うーん。まあ、ものは試しってことで……」

ホジホジ

冬優子(……ふゆたち、なにしてんだろ……)

あさひ「…………あ! 来そう……ダメか……いや、来る!」

冬優子「ちょっと! やるならむこう向いてやりなさいよ!」

あさひ「~~……あっ! ほ、ほわ、ほは……!」



あさひ「ハンムラビッッ!!!!!」


冬優子「法典!!?」


あさひ「チョモランマ!!!!!!」


冬優子「エベレスト!!!?」


あさひ「はあ、はあ……やっぱり冬優子ちゃんのクシャミの方が面白いっすね」

冬優子「いや、あんたの方が万倍奇妙奇天烈だと思うけど」

あさひ「バチカン!!!!!!!」ブッシャー

冬優子「ギョエエエエ!!??!!! きったな! 何してんのよ! めっちゃかかったわ鼻水が!」

あさひ「えへへ、急に波が来たっす」

冬優子「ティッシュ寄越せティッシュ! うっわ、ベトベト……もう最悪」

あさひ「ご、ごめんなさいっす!」

冬優子「はぁ……いいわよ、もう。それよりあさひ、あんたも顔ぐちゃぐちゃよ。ほらティッシュ」

あさひ「あ……えへへ、ありがとう冬優子ちゃん」

冬優子「子供じゃないんだから自分でやりなさいよね、まったく……」フキフキ

あさひ「……あ、また来そう……は、は、」

冬優子「ちょっ、ほらティッシュ!」



あさひ「ハクビシン!!!!!!」

あさひ「セブンペイ!!!!!!!!」

あさひ「墾田永年私財法!!!!!!!!!!」


冬優子「だ、大丈夫? 本気で心配になってきたんだけど」

あさひ「なんか止まらなくなっちゃったっす……」ズビ

冬優子「ていうかいつまで私にティッシュ持たせてんのよ! ビッチョビチョになってるわよもう!」

あさひ「いやー、冬優子ちゃんの手のひらに出すの気持ちいいっす!」

冬優子「どういう意味!?」

あさひ「……! は、ふゎ……」ムズムズ

あさひ「ジャミロクワイ!!!!!!」

冬優子「だーっ! 何回やれば気が済むのよ!?」

あさひ「どうやらパンドラの箱を開いてしまったみたいっすね……」

冬優子「えぇ~……ったくもう、これ以上鼻水撒き散らかされちゃたまったもんじゃないわ。仕方ないからこれ使って」

あさひ「え? いいんすか?」

冬優子「手持ちのマスクがこれしかないの。ふゆだってイヤよ、自分が使ってたマスク人に貸すなんて」

あさひ「わーい! 冬優子ちゃんの唾液と鼻水が染み付いたマスク貰っちゃったっす~」

冬優子「言い方ァ!」

あさひ「あっ そんなこと言ってたらまた……は、ふわ、ふぇ……」



あさひ「冬優子ちゃん大好きっ!!!!!!」



冬優子「ほぁッ!?!?」

あさひ「えへへ……つい、出ちゃったっす」

冬優子「……あんたねえ」ヤレヤレ

あさひ「んー、でもやっぱりわたしのより冬優子ちゃんのクシャミの方がかわいくて面白かったっすね~」

冬優子「まだ言ってるし……あのねぇあさひ、あんたもうちょっとアイドルとしての自覚を……」

愛依「ちーっす。あれ、二人ともなにしてんの? てかあさひちゃんそのマスクかわいー」

冬優子(げっ めんどくさいのが増えた)

あさひ「あっ ちょうどいいところに! 愛依ちゃんってクシャミする時どんな感じっすか?」

愛依「くしゃみ? え、なんの話?」

あさひ「いまクシャミ大会やってたとこなんすよ! 愛依ちゃんも一本どうすっすか?」

冬優子「そんな大会やってないし、ティッシュ細めたやつ渡して『一本どうっすか?』じゃないわよ!」

愛依「なにそれウケるww じゃせっかくだし一本もらっとこうかな」

冬優子(ノリの良さにも限度ってもんがあるでしょ……)

あさひ「一番でかい音出した人が勝ちっす!」

冬優子「だいぶ趣旨が変わってるんだけど!? そもそもふゆはそんな大会参加してないけどね!?」

愛依「……あ、きたきたきた……」コチョコチョ

冬優子(もうやだこのユニット)



愛依「ぶエェッッッくしょおおおおおおおおいいコンチクショー!!!!!!」ブーッ


冬優子「オヤジくさいうえに屁までこいてるー!?」ガビーン

おわりんちょ

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