あさひ「うーん、、、」

冬優子「どうしたのよ？あんたが難しい顔するなんて珍しいわね」

あさひ「あ、冬優子ちゃん！お疲れ様っす！いつのまに来てたんすか？」

冬優子「お疲れさま。ほんの数分前よ、気づかなかったの？」

あさひ「ちょっと考えごとしてたっす。大したことじゃないっすけどね」

冬優子「ふーん。で、ちなみになんだったのよ」

あさひ「この前プロデューサーさんが言ってた好きな人の話っす」

冬優子「…興味ないけど詳しく聞かせなさいよ」

あさひ「え？なんでっすか」

冬優子「い・い・か・ら！！！」

あさひ「冬優子ちゃんなんかこわいっすよ…必死さが出てるっす」

冬優子「はっ！やあね、ふゆがアイツの話で必死になるわけないでしょ！」

冬優子「と、とにかく、アイツの好きなやつは誰なのよ」

あさひ「わかんないっす」

冬優子「は？？？」

あさひ「怖い怖い！冬優子ちゃんアイドルが出していい声じゃないっすよ」

冬優子「ふゆー、馬鹿だからあさひちゃんが言ってること全然意味わかんない☆」

あさひ「満面の笑みと猫撫で声なのにさっきより怖いっすよ！！！」

冬優子「で、結局どういうことなのよ」

あさひ「好きな人の名前までは聞けなくてヒントだけ貰ったっすんよ」

あさひ「ただ、そのヒントだけだと分からなくてですね…」

冬優子「それで考えてたわけね」

あさひ「そういうことっす」

冬優子「仕方ないからふゆも一緒に考えてあげるわ」

あさひ「いや、別に無理して手伝ってもらわna」

冬優子「い・い・か・ら！！！」

あさひ「だからこわいっすよ（わ、分かったっすよ）」

冬優子「本音と発言が逆になってるわよ」

冬優子「それは置いといてあげるからあんたが聞いたヒントとやらを教えなさい」

あさひ「仕方ないっすね…」

あさひ「まずプロデューサーさんが言うにはっすね、その人は私が知ってる人らしいっす」

あさひ「そして、気配り上手で、悩んでるときなんかにはいつも心配して話しかけてくれるらしいっす」

あさひ「ただ、そういう優しさは普段は隠しているというかあんまり見せないらしいっす」

冬優子「うーん、そうね…」

冬優子（これってふゆのことじゃない！？///）

冬優子（アイツのこと目で追ってばっかりだから、落ち込んでたらすぐに気づいて話しかけに行ってるし）

冬優子（普段は周りと壁作ってるからあんまり人を心配しているそぶりを見せないし）

冬優子（ふゆのことだ…///）

冬優子（いや、確信するのはまだ早いわ。もう少しあさひから情報を聞き出すのよ）

あさひ「冬優子ちゃんどうっすか？分かりそうですか？」

冬優子「これだけじゃちょっと難しいわね…もう少しなんかないの？」

あさひ「オタクではないって言ってたっす！」

冬優子「」

冬優子（…ふゆじゃないわね）

冬優子（ふゆはアイツにアニメの話めちゃくちゃしてるし）

冬優子（一緒にアキバに行ったりもしてるし）

冬優子（流石にこれでオタクじゃないというのは無理があるわね）

冬優子（アイツとこういう話で盛り上がってたのがバカみたい）

冬優子（残念。でも、もっと聞き出してアイツの理想を知ってやる）

冬優子「そんなピンポイントなのじゃ全然分からないわ！」

あさひ「なんか急に態度悪いっすよー冬優子ちゃん」

冬優子「悪かったわね！？そんなことより他のヒントを出しなさい、出せ！」

あさひ「今日の冬優子ちゃんいつもよりめんどくさいっすねぇ」ﾎﾞｿｯ

冬優子「あ？今なんて？？？」

あさひ「な、なんでもないっす！」

あさひ「次のヒントっすよね！えーっと、あ、そうっす！」

あさひ「ギャップがあるって言ってたっす！」

あさひ「普段はしっかりしているのに、信頼している人の前で素を出すらしくて」

あさひ「そのギャップがあざと可愛いって言ってたっす！」

冬優子「ふーん……」

冬優子（これ完全にふゆでしょ！！！）

冬優子（アイドルの時の真剣なふゆとアイツの前の素のふゆ）

冬優子（ここのギャップにアイツがあざとさを感じないわけないわ！）

冬優子（あれ？いや、待って…どういうこと？）

冬優子（もしかしてまだ可能性がある…？？）

冬優子（いや、きっとあるわ！アイツはふゆがあさひにオタクを隠しているって知ってたからあえてオタクって言わなかったのね！）

冬優子（そうよ、そうに違いないわ！！！）

冬優子（もう少し聞き出して確信を得ましょう！）

冬優子「なるほどね、かなり絞れそうなヒントだったわ」

あさひ「本当っすか！？流石冬優子ちゃんっす！」

冬優子「だけど、確信するにはもう少しヒントが欲しいわね」

冬優子「他にはなんか言ってなかったかしら？」

あさひ「そうっすね…」

あさひ「あ、スタイルが良いって言ってたっす！」

あさひ「特に胸なんかは魅力的って言ってたっす！」

冬優子「」

冬優子（はい！ふゆではない！！！！！）

冬優子（完全にふゆの線はなくなったじゃない！！）

冬優子（胸は自分じゃどうしようもできないじゃない！）

冬優子（というか、アイツもアイツだわ！！）

冬優子（人を胸で判断するなんて最低よ！！）

冬優子（もうアイツのことなんて知らないわ！！）

あさひ「——って感じで、大きさよりも形なんだとプロデューサーさんは語っててドン引きしたっす！」

あさひ「って、冬優子ちゃん聞いてるっすか？」

冬優子「あ？？なに？？？」

あさひ「うわあ…今日の冬優子ちゃんは本当に情緒不安定で面倒っすね」

冬優子「うっさいわね！！ふゆは意外と繊細なのよ！！！」

あさひ「理不尽っす…」

あさひ「冬優子ちゃんが知りたいっていうから教えてあげてたのに…」

冬優子「ぐっ！！悪かったわね」

あさひ「いいっすよ、別に」

あさひ「それでプロデューサーさんの好きな人分かったすか？」

冬優子「わかんないわよ、まだヒントあるの？」

あさひ「あるっすよ！」

あさひ「努力家だって言ってたっす！」

あさひ「弱音や本音は失敗した直後にしか出さずに立ち直って頑張れる人らしいっす！」

あさひ「負けず嫌いで絶対に見返してやるって努力してる姿が素敵だって言ってたっす！」

あさひ「まだ、プロデューサーさんとその人が出会ってすぐの頃で、仮面の下の顔を見せて貰えなかった頃に」

あさひ「その人が見せたそんな一面にとっても惹かれたらしいっす！」

あさひ「…って冬優子ちゃん？聞いてるっすか？冬優子ちゃん？」

冬優子（これって！！！ふゆとのエピソードでは！？///）

冬優子（あの撮影は少し苦い記憶だけど、ふゆとあいつとの距離が縮まった大事なイベントの一つ…！）

冬優子（ふゆにとっても大事な出来事だけどあいつも同じだったのね…///）

冬優子（まあ、嬉しくなんてないんだけどね）ﾆﾔﾆﾔ

冬優子（でも、確信には少し足りないわね）

冬優子（もう一押し欲しいわ）

冬優子（ふゆって確信できるような何か…）

冬優子「あさひ」

あさひ「おっ！ようやく反応しったっす！」

あさひ「プロデューサーさんの好きな人分かりそうですか？」

冬優子「ええ、なんとなく分かったわよ」

あさひ「本当っすか！早く教えてくださいっす！」

冬優子「まあ、落ち着きなさい」

冬優子「最後にこれだけは確認させて」

冬優子「髪型に関しては何か言ってたかしら？」

あさひ「髪型っすか…うーんっと」

あさひ「ちょっとヒントにならないかも知れないっすけど言ってたっすよ」

あさひ「今の髪型が好きだけどなんでも合うんじゃないかな」

あさひ「今の黒い髪を別の色に染めたり、ショートやボブに変えても似合うんじゃないかな」

あさひ「ただ、俺は今の髪型が好きだけどなあ」

あさひ「って言ってたっす」

冬優子（これはふゆだわ）

冬優子（今は黒い髪、そして、ショートやボブではない髪型の人物）

冬優子（今までの情報も合わせるとふゆとしか思えないわ）

冬優子（ふゆ以外なわけないじゃない）

冬優子（それにしても嬉しいこと言ってくれるじゃない）

冬優子（どんなふゆでも好きだなんてほんとあいつときたら…///）←言ってない

冬優子（今日はあいつに会ったら少しぐらいはふゆの本当の気持ちを伝えてみようかな///）

あさひ「どうっすか？分かったっすか？」

冬優子「ええ！分かったわよ！」

あさひ「早く教えてほしいっす！早くっす！早くっす！」

冬優子「落ち着きなさい。そんな急かさないの。」

冬優子「それじゃ発表するわ！！」

冬優子「あいつの好きなやつ！それは…」

冬優子「ふy」

あさひ「あっ！！！」

冬優子「ちょっと！人が発表しようとしたタイミングで邪魔しないでよ」

あさひ「言い忘れてたヒントがあったっす！」

冬優子「今更なんなのよ…」

冬優子「一応聞いてあげるわ」

あさひ「Pさんの好きな人は自分より年上の人らしいっす！！」

冬優子「」

あさひ「それじゃあ冬優子ちゃんの予想を教えてほしいっす！」

冬優子「」

あさひ「冬優子ちゃん？冬優子ちゃん？おーい」

冬優子「ふ」

あさひ「ふ？」

冬優子「ふゆじゃないんかーい！！！」

冬優子「アイツのばかー！！！！！！！！」

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ!!!ｶﾞﾁｬ!!!ﾊﾞﾝｯ!!!

あさひ「いっちゃったっす…」

あさひ「私も冬優子ちゃんと同じ意見なんすけどね…」

あさひ「Pさんより年上で、冬優子ちゃんみたいな人で私が知ってる人なんていないっすけどねえ」

あさひ「うーん…」

ｶﾞﾁｬｯ

樹里「おつかれー、あさひ」

あさひ「おつかれさまっす！うーん…」

樹里「どうしたんだよ、難しい顔して」

樹里「アタシでよければ相談に乗るぞ」

あさひ「じゃあ、質問いいっすか？」

あさひ「樹里ちゃんは冬優子ちゃんみたいな大人の知り合いはいるっすか？」

完

おまけ（前日談）

あさひ（冬優子ちゃんはPさんよりも年下だし聞いてみるっす）

あさひ「その人は自分よりも年下っすか？」

P（冬優子はあさひよりも年上だから…）

P「いや、違うぞ。年上だぞ」

あさひ「え？そうなんっすね」

あさひ（どういうことっすか？？？）

P（よし、楽しく話せたな）