律子「修羅場」 (12)


つい先日の事だったんですけど、仕事の資料を忘れたので一旦家に帰ったんです。で、リビングのドアを開けたら丁度休みだった旦那が慌てた様子でいたんですよ。

「ただいまーって、急にバタバタしちゃってどうしたの?」
「え!? な、何でもないよ!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1565942098


でも明らかに動揺してるんですよね。

「何してたの?」
「あ、いや、ぼーっとしてた……」
「ふーん」


でもまぁ、大体は想像つきました。
普段はほぼ付けっぱなしのテレビの電源は消え、手元にリモコンとティッシュ箱。えっちなDVDでも観てたけど私が急に帰ってきたので慌てて消したんだろうなぁと思いつつ、嫁がいるのになんでそんなものを観るんだという軽い怒りも込み上げてきたので、奪い取ってやりましたよリモコンを。

「あっ」


旦那がどんなもので致してるのかというのも少し興味もあったのですぐさま電源を入れて再生しましたよ。そしたら画面の向こうに映ってました。



 わ た し が ! !


私は芸能事務所で働いていて、今はアイドルをプロデュースする仕事をしているんですが、以前は人手不足のせいで私もアイドルとして活動していたんです。
で、旦那は今は同僚ですけど、以前は私がアイドルをやっていた頃のプロデューサーでした。
馴れ初め等の詳細は省きますが……


まぁ、要するに旦那は当時の私のグラビアDVDをオカズにしてたわけです。

「え!? 私!?」
「あ、いや、その……」

えっちなDVDだと思い込んでいた私はテンパりまくり。


「というか昨日もシタのに!?」
「それとこれは別というか……」

暴走ぎみの私に男の人のそういう行為は夫婦の営みとは全くの別物だと教わりました。私たちが甘いものは別腹というのと同じ感覚みたいです。
うーん、理解出来るような出来ないような。


で、落ち着いた頃になぜ私のDVDなのか聞きました。
旦那曰く「やっぱ○○(私)を愛してるから」ということ。
こんな恥ずかしい場面に直面して、まぁよくもそんなことが言えたこと。
まぁ、悪い気はしないですけど。


ともあれ、やっぱり妻の立場からすると直接手を出して欲しいわけで。
画面の向こう私に浮気?ってのも変ですけど本当の私を見て欲しいと。

その日の夜の事はご想像にお任せします。



というのが先日の修羅場でした。



終わり。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom