マミ「最後に残った道しるべ」 (80)


以前落としてしまったスレの建て直しです
ttps://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420385746
叛逆前でマミさんと杏子が主役です。TDSみたいな感じです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1565279465

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―――魔法少女。

たった一つの奇跡と引き換えに、この世の呪いと戦う使命を背負った少女達を、あたし達はそう呼ぶ。

そうしてあたしは今日も人知れず、魔女と戦い続けている



あたしが今戦っているのは、牛のような形をした魔女。

こいつは、あたしが魔法少女になってから初めて戦った奴だ。

自分のテリトリーで逃げられたもんだから、落とし前つけにわざわざ隣町にまで来たんだけど...

杏子「ったた...相変わらずなんて馬鹿力なやつ!」

あの時もそうだった。

あいつの斧での力任せの攻撃には手を焼いた。

悔しいが、力ではあいつに分があるようだ。

杏子「だけど、今回はいつぞやの二の舞にはならないよ!」

そうだ。あの時はこの魔法を使えなかったが、今は違う。

この幻惑の魔法があれば、こいつとも戦える筈だ。

あたしとあたしの幻影。各々槍を構え、二人で魔女へ突撃していく。

そのうち片方が魔女へ跳びかかる。

あいつは、それを斧であっさりと切り裂いた。

でも

杏子「残念!そっちはニセモノさ!」

今度は、隙だらけになった魔女を真っ二つに切り裂いてやった。


魔女の姿は消え失せ、持っていた斧がカランと音を立てて地面に落ちた。

杏子「よしっ、やっとリベンジ果たせた!」

QB「杏子、まだだ!」

杏子「えっ?わっ!?」

突如纏わりついたもやに、あたしの身体の自由は奪われた。

杏子(駄目だ、このままじゃ―――)

あたしの嫌な予感は、魔女の姿が復元されると共に確信へと変わった。

魔女が、あたしを切り裂かんと斧を振り上げる。

杏子(―――――!)

迫りくる死の予感に、あたしは目を瞑ってしまった。

そんな時だった。


「なるほど...幻惑の魔法、面白い力だわ」



声がした。

恐る恐る目を開けてみると、魔女の斧に黄色のリボンが巻きつき、あたしへの攻撃を防いでいた。

「だけど、魔女の方も同じ能力だったのはついていなかったわね」

杏子(魔法少女...?)

リボンを操っているその人は、巨大な拳銃を召還し、あたしに銃口を向けた。

杏子「ちょっ」

「ティロ・フィナーレ!」

その巨大な銃から放たれた砲弾は、あたしの顔の真横を通り過ぎていった。

杏子「な、なにすんだよ!?」

「ごめんなさいね。ちょっと荒っぽいやり方で」

杏子「謝るくらいなら最初から...あれ?」

きがつけば、あたしに纏わりついていたもやは綺麗さっぱり消えていた。

どうやら、彼女の砲撃で消しさられたようだった。

「間に合ってよかったわ。大丈夫?」ニコリ

いつの間にか尻もちをついていたあたしに、その人は微笑みながら手を差し伸べてくれた。



杏子「そ、その...助かったよ。あんたは...?」

「挨拶は後よ。今は魔女を倒さなくちゃ」

そう言う彼女の眼光は、とても鋭かった。年齢はあたしとさほど変わらない筈なのに、なんていうか、本当の『ベテラン』ってやつを感じた気がした。

そしてそれは気のせいなんかじゃなくて

「あの魔女、本体はおそらく斧の方ね」

杏子「え?」

「だから身体の方を倒しても復活してしまうみたい」

この魔女と戦うのが二回目のあたしですらそんなこと思いつきもしなかったのに、この人は初見で、しかもたった数回のやり取りで見抜いていた。

「私は魔女の身体と使い魔を一掃するわ。その隙にあなたは本体を破壊してくれる?」

杏子「...わかった!」ニコリ



あの人の戦いは凄かった。

ベレー帽を空に投げると、その中から振ってくる大量のマスケット銃。

それを撃っては持ち替え撃っては持ち替えて、次々に使い魔を消し去っていく。

残り一体だけとなった魔女が斧を彼女に振り下ろそうとするがもう遅い。マスケット銃を大砲に変え、砲弾は魔女に放たれ、その姿は消し去られていた。

そして、それを合図にあたしは斧へ向かって駆け出した。

杏子「はあああぁぁ!!」

あたしの槍が斧に突き刺さる。耐え切れなかった斧は、音を立てて粉々に砕け散った。

杏子「や...やった!」

「お見事ね!」

あたしは純粋に喜んだ。

やっとリベンジを果たせたことを。初めて他の魔法少女と共に戦ったことを。こんな凄い人と共に戦えたことを。


彼女の名前は、巴マミ。

この町へ来た理由を話したあたしは、何故だか彼女の家に招待された。

杏子「」ジュルル

マミ「...涎、出てるわよ」

テーブルに置かれた、彼女手作りのピーチパイと紅茶。

食べてみると、これがまたウマイ。職人顔負けのウマさだった。

マミ「まだまだあるから遠慮しないでね。一人じゃ食べきれないから」

杏子「いいの!?」

がっつくように、テーブルから身を乗り出してしまったあたし。マミさんは、そんなあたしの様子をニコニコと笑顔で見つめている。

そんな自分の姿を省みて、ちょっぴり恥ずかしくなった。



杏子「助けて貰ったうえにケーキまでご馳走になっちゃって、なんだか図々しいよね、あたしって」

マミ「招待したのはこっちなんだし気にしないで。私も魔法少女の子と一緒にお茶できてうれしいもの」

杏子「ならいいんだけど...」

そういえば、あたしと会ってからのマミさんはずっと笑顔だ。

あたしたち魔法少女は、毎日が戦いだ。無論、一般人を巻き込むわけにもいかないし、魔法少女同士だったら、グリーフシードの小競り合いばかり。

それを踏まえれば、嬉しくなってしまうのも当然かもしれない。

杏子「でも...あたしのほうこそ、今日マミさんと会えてよかったな」

マミ「えっ?」

杏子「あたし、魔法少女としてはまだ半人前だからさ、お茶しながら色んな話聞かせて貰って勉強になったよ」

杏子「何も考えずに闇雲に戦ってたあたしと比べて、マミさんはこれまでの魔女との戦いを自己分析してノートに纏めたり、魔法の使い方を研究したり...その上、戦いに必要な心構えもしっかり持ってて、実戦においても強くて頼りになる。こんな凄い魔法少女が隣町にいたなんてあたし驚いたんだ」

マミ「そ、そんなことないわよ///」テレ

杏子「だから...その、マミさん。お願いっていうか、図々しいついでっていうのもなんだけど...」



杏子「あたしを、マミさんの弟子にしてもらえないかな?」





――――これが、あたしと彼女の出会い。

あたしが憧れていた、彼女との出会い。


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マミさんの弟子にしてもらってから、ひと月ほど経った。

あたしの実力は、会ったばかりとは比べものにならないほど上達していた。

そして、あたしの実力に比例して、マミさんとの連携も格段によくなっていた。

マミさんとあたしのコンビだったら、向かうところ敵なし!心から、そう思えた。

だからか、自然とこんなことを口走っていた。

杏子「今のあたし達ならさ、ワルプルギスの夜だって倒せるんじゃないかな」

マミ「ワルプルギスって...あの?」

杏子「そう。魔法少女の間で噂されてる超弩級の大物魔女。こういっちゃ大袈裟かもしれないけど、あたし達だったらそんな大物の魔女だろうと目じゃないって」

杏子「世界だって救えるんじゃないかって...そう思うんだよね」

マミ「...ふふふっ、随分大きくでたわね」

杏子「調子に乗りすぎ?」

マミ「そんなことないわよ。目標は大きい方がいいんじゃないかしら」

皆騙されるな!
こいつ、スレ潰し乱立野郎だぞ!

1スレ立て: 2019年8月9日 00:54

マミ「最後に残った道しるべ」
マミ「最後に残った道しるべ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssr/1565279642/)


マミ「でも...本当にそうかもね。私達だったらきっと倒せると思うわ」

マミ「もしいつか、本当にワルプルギスの夜がやってくる時が来たら...一緒にこの町を守りましょう」

杏子「うん!」

こんなことは、戯言なのかもしれない。

でも、いつかは実現できたら、それはとっても嬉しいなって。

そんな甘い幻想をあたしは夢に描いていた。

>>10
すみません、スレ建てた時はエラーと出ていたので他の場所なら建てられるのかなと思い、Rの方で建ててみたのですが、やはりそちらでもエラーと出ており
私のパソコンでは建てられないのかなと思い諦めかけていたのですが、更新してみたら普通に建っていたので、Rの方はHTML化申請致しました。
順序として先に更新しておけば重複しなかったので、完全にその辺りを怠った私の失態です。申し訳ありませんでした。



夜、教会

魔女の反応を感じたあたしは、妹を起こさないようにベッドから飛び起きた。

反応の場所を追うと、そこは見慣れた場所。この教会の大聖堂だった。

扉に近づくと、鼻孔をつくような匂いが漏れてきた。

意を決して扉を開けてみるとそこには...

「俺たちには神様の教えなんて必要なかったんだ。そんなものに頼らなくても簡単に幸せになれる方法を知っているんだから」

「ええ、その通りですよ...」

生気を失くした虚ろな目をした父さんの信者たちが、聖書を中央に集め、それに大量の灯油をかけていた。

そんな信者たちの背後で踊る魔女に使い魔。

今まさに、魔女による宴が始まろうとしていた...



信者の一人が、マッチ箱を取り出した。

大量の灯油に火をつけたらどうなるか...そんなこと、考えるまでもない。

杏子「させるかっ!」

あたしの魔法は幻惑の魔法。

そいつを使って、マッチ箱や聖書をお菓子に変える。

とはいえ、所詮は幻惑。そのままマッチを擦られれば何の意味もないが、一瞬だけでも気を惹ければそれで十分。

杏子「いただき!」

あたしは一気にかけだし、信者からマッチ箱を奪いとった。

魔女が、餌場を荒らされたことに気付き、あたしに攻撃を仕掛けてくる。

杏子「魔女なんかに、こんな場所で好き放題させてたまるかよ」

それに対して、あたしは分身の技、『ロッソ・ファンタズマ』で対抗する。

杏子「父さんの教会も、家族も、みんな...」

分身たちが魔女に消されていく。

その間をぬって、あたしは魔女に接近し

杏子「あたしが守るんだから!」

槍で、魔女の身体を貫いた。



グリーフシードが床に落ち、魔女の魔力が消え失せた。

杏子「...厄介なもの残されたな」

床に転がる気を失った信者たちと大量の灯油まみれの聖書。

こんなことが世に広まれば騒ぎになるに違いない。

杏子(でも、夜明けまでには時間はある。それまでに片付けておけば...)

この時のあたしは、ひどく迂闊だった。

焦っていたのかもしれない。

魔女を倒せたこと、操られたみんなを助けられたこと、マミさんがいなくても一人で戦えたこと...

その事実に少しばかり気を抜いていたのかもしれない。

理由はどうであれ、とにかくあたしは迂闊だったんだ。

だから気付けなかった。

父さんが、すぐ傍にまできていることに。


―――――――――――


マミ「佐倉さん、具合が悪いの?近頃顔色が優れないみたいだけど」

杏子「そう?平気だよ」

マミ「...何かあったんじゃないの?」

杏子「...マミさんはさ、魔法少女になったのが原因で仲の良かった人と衝突したことってある?」

マミ「...衝突とは違うけど、すれ違いなら多いかも。私たち、戦いの毎日だから遊ぶ時間もないでしょう?魔法少女のことを普通の人に相談できるはずもないし、クラスの子との係りも疎遠になってきていると思う」

マミ「けど、今の生き方に後悔はないわ。仲間だってできたしね」

杏子「......」


杏子「マミさん、前に言ってたよね。『誰かが魔女に憑りつかれて死んでしまったら、きっと悲しむ人がいる』って」

マミ「ええ」

杏子「でもさ、あたしたちが憑りつかれた人の命を救ったとして、それが必ずしも喜ばれる結果になるとは言えないんじゃないかな」

マミ「どういうこと?」

杏子「たとえばさ、魔女の呪いでくるった人が、おかしな行動で自殺しようとしているところを、偶然身近な人に見られていたらどうなると思う?たとえ自殺を免れても、身近な人はその人を普通の目で見ることはできるのかな。
もし喜ばれない結果になるんだとしたら、誰にも気づかれずに魔女に殺されて悲しまれるのと、気付かれたことで大切な人に避けられ続けて生き続けるの、どっちがマシなんだろう」

杏子「結局みんなが嫌な思いをするのなら、最初からあたしは人助けなんてするべきじゃなかったのかな?」

マミ「もしかして、あなた...」

杏子「そうじゃないんだ。たとえ話だよ」

杏子「ただ、マミさんが誰にも魔法少女のことを話せないように、魔女の存在を知らない人達にこっちの事情を理解させるのは難しいのかなってさ...」

マミ「...確かに、私たちのしていることを全て正しいと言い切るのは難しいかもしれないわ。でも、起こり得る結果を否定して、最初から救うべきじゃないという考えには賛成できないわ」

杏子「......」

マミ「...無理はしないでね。私でよければいつでも相談にのるから」

杏子「...うん」


*************************************


...聞いて、父さん

今日もね、あたしは魔女を倒したんだよ。自殺しそうになってた人を一人救ったんだ

父さんがなくしたかった世の中の不幸や悲しみの芽を、あたしたち魔法少女は着実に摘んでいるんだ

これって、悪いことじゃないよね?

...あたしね、父さんの話いまでも好きだよ。だから、みんなが父さんに耳を傾けてくれたとき凄く嬉しかった

なによりさ、世の中の不幸に悲しみ続けた父さんの幸せそうな顔が見られたから。あたしは...

「全部お前が生み出した幻想じゃないか」

「私の下を訪れた者たちはみな信仰のためなどではなく、ただ魔女の力に惑わされ惹きつけられただけの哀れな人々だ」

「そうして惑わした人々をお前は手にかけるつもりだったのだろう?」

違う。

「あれは悪魔と交わした契約の生贄だったのだろう?教会の娘があろうことか悪魔に魂を売るなどと...」

あたしはそんなものなんかじゃない

「お前は最初から、私の話など聞く耳も持たれなくて当然の、誰の救いにもならない世迷言だと...そう思ってたんだろう?」

信じてよ父さん。

「ああ、全くその通りだ。私に世の中を救う力がないから、悪魔になど付け入る隙を与えてしまったんだ。お前が悪いんじゃない。全て私の責任なんだ...」

あたしは、魔女なんかじゃないんだ!

「なにが違うと言うんだ?」

「お前の力さえあれば、世の中の不幸や苦しみを着実に摘める?そんな当てつけがましい言い訳を聞かせるくらいなら、いっそ無力な父親だと罵ってしまえばいい!」

「今のお前がやっていることはなんだ?父親などいなくとも世の中は救えるのだと、信仰を踏みにじり、人を惑わし嘲り笑う悪魔の所業ではないか」



「それすらの自覚もなく嬉々として語るお前の姿を...魔女と呼ばずに何と呼ぶんだ」


―――――――――――――――――――――――――

母さん...どうしたの、その怪我...

「あ、あはは。ちょっとドジしちゃって」

「大した傷じゃないから大丈夫よ。だから心配しないで」

...父さんなの?

「ッ!」

あたしのせいだ...

「違うわ、杏子」

父さんは悪くないんだ、あたしが...

「誰も悪くない。父さんも杏子も、みんなのためにってずっと頑張っていただけだもの」

「大丈夫よ。今を乗り越えれば、すぐに前みたいに戻れるから」

......



―――――――――――――――

「お姉ちゃん...今日もいっちゃうの?」

モモ。あたしがいない間、父さんと母さんを頼んだよ

「...今度はいつ帰ってくるの?」

...父さんは、あたしが家にいない時は大人しいんだ。だから

「やだよ...どこにもいかないで。わたし、我慢するから。絶対に泣かないから...だから!」

...ごめん、モモ


――――――――――――――――


「今日はまた随分と戦ったね」

...まだだ。こんなものじゃ足りない。

「そうは言っても、これ以上の戦いは命に関わることになるよ」

それでいいんだ。命がけで戦ってれば、父さんだっていつか信じてくれる。

「せめて、マミと一緒に戦えばいいじゃないか」

マミさんには迷惑をかけられない。こいつは、あたしの責任なんだ。

「なにを怯えているんだい?」

うるさい...いまはあんたの顔なんて見たくない!どっかにいけ!




あたしは、臆病者だった。

次第に家にいる時間も少なくなり、マミさんと一緒に闘うこともなくなった。

壊れてしまった父さんに魔女と罵られるのが怖くて。

マミさんや母さんとモモも、今は優しくても、いつかは見捨てるんじゃないかって怯えて。

誰とも向き合おうとしなかった。

傷つくのが怖くて、ずっと逃げていた。

もし、父さんともっと真正面から向き合っていれば。

もし、マミさんを本当に信頼できていれば。

もし、家族を守ることから目を背けていなければ。

きっと、こんなことにはならなかったかもしれない。


杏子「ただいま...!?」

久しぶりに家に帰ってきて気がついたのは、鼻孔をつく匂いだった。

その匂いは、普段から戦い続けているあたしにもなじみ深い、血の臭いだ

そして、その原因となるものが、床に倒れていた。

血だまりに沈んでいるのは、父さんと母さんとモモだった。

杏子「なんで...?」

わかりたくない。嘘だと思いたい。

でも、充満する血の匂いがこれは現実だとあたしに訴えかけている。




杏子「なんでなの...マミさん」

あたしの家族の血だまりの中に、黄色の魔法少女が一人立っていた。



マミ「あら、お帰りなさい佐倉さん」

血に塗れた身体のまま、いつもの声音で挨拶をしてきた。

杏子「ね、ねえ...嘘でしょ?」

そうだ。こんなの、なにかの冗談に決まっている。

マミ「ん?ああ、これね...」

きっと、倒れているみんなの治療をしてくれたから、マミさんは血塗れなんだろう。

もう、父さんってば、どんなおっちょこちょいしたのさ。ちゃんと母さんとモモに謝っておきなよ。

マミ「酷いのよ、この人。私たち魔法少女を魔女だって罵るんだもの。あなたなんて、この人のために祈ったようなものなのにね」

ああ、そうか。マミさんは父さんを説得してくれたんだ。やっぱりすごいな、マミさんは。

マミ「何度説明しても聞いてくれないからね、もう面倒になっちゃって」

そういう時もあるよね。あたしだって、モモがワガママ言って言う事聞かない時は軽いゲンコツくらいはしたもん。

だからさ、謝らなくていいよマミさ



マミ「つい、殺しちゃったの」


息が止まる。全身を針で縫い付けられるような感覚がした。

マミ「これで私たちを否定する邪魔者はいないし、早速魔女を倒しにいきましょうか」

あの人がなにか言っているが、もう何も聞こえない。

モモ「うぅ...」

マミ「あら、まだ死んでなかったのね」

あの人が、モモの頭を踏みつける。それでも、身体は動いてくれない。

モモ「ぁぐ...」

マミ「んー、あなたは別に魔法少女をバカにしてはなかったけど...」

あの人が、マスケット銃を創り、銃口をモモの頭に突きつける。

マミ「一人だけ残しても可哀想だし...それに佐倉さんには私がいるから別にいいわよね」

あの人は、銃をモモに突きつけたまま、クルリと顔をこちらに向けた。




マミ「ねえ、佐倉さん」

あいつの満面の笑顔を見た時、あたしは弾けるように駆け出した。


―――殺す

マミ「ちょっと、なにをそんなに怒ってるのよ」

あいつがリボンであたしの槍を防ぐ。

そのままリボンごと突き刺そうとするが、あいつの蹴りが腹に入り、あたしが吹き飛ばされる。

―――殺してやる!

もう一度あいつとの間合いを詰め、槍を突き出すが、あいつにはただの一掠りもしない。

ならばと槍を本来の形である多節根に変え、あいつの全身を絡め取り、壁に叩き付けた。

そして、今度こそはと槍を突き出す。しかし右肩を撃たれ、槍を手離しはしなかったが威力と勢いを殺がれ、あいつにまた躱された槍は空しく壁を壊すだけだった。

マミ「乱暴な戦い方ね」

―――絶対にお前を許さない!

痛みを無視して、あたしはあいつのもとへ駆け出す。

そして―――




ドン


銃声が、響いた。



どれくらい経ったのだろうか。

あたしは、まだ生きているみたいだった。

あいつにもそれなりの手傷は負わせれたようだが、もう姿が見えないことから、動ける程度のものだったのだろう。

杏子「...父さん」

名前を呼ぶが、返事はない。

杏子「...母さん」

辛うじて動く左腕だけで、床を這う。

杏子「...モモ」

全力を出しているが、まだ遠い。

杏子「......」

やっとみんなのところへ辿りついたと思ったら、眠くなってきた。

もう、なにをする気も起きない。全部投げ出したい。

そう思い、意識を手放そうとしたその時





かすかに聞こえる呼吸の音に、ちょっとだけ安心した。



――――――――――――――


「教祖様が死んだ」

「なぜだ?」

「殺された」

「誰に?」

「わからない」

「この前教祖様は魔女を見せてくれた」

「そうだ、きっと魔女に殺されたんだ」

「探そう、魔女を」

「「「みんなで探そう」」」

――――――――――――――

――――――――――――――

杏子「うっ...」

医者「目が覚めたかい?」

杏子「ここは...」

医者「病院だよ。教会に重傷人がいるって通報があったんだ」

杏子「教会...っ!」

思い出した。あたしは、マミさ...あいつにやられて、父さんたちも...!

杏子「と、父さんは!?母さんは!?モモは!?」

医者「お、落ち着いて...」

杏子「早く教えろ!どうなんだおい!?」

医者「落ち着いて!」

杏子「いいから教えろ!」

わかっている。あいつは確かに自分の口で『殺した』って言ったんだ。

だから、みんなはもう...



モモ「うへへ~おねえちゃん~」zzz

医者「そ、そこに...」

杏子「」



世間では、あたしたちは強盗事件の被害者として扱われている。

一命を取り留めた母さんとモモがそう証言したらしい。

医者が言うには、母さんとモモに大した怪我はなかったらしく、むしろあたしの方が何倍も重傷だったらしい。それでも、普通の人でも一生は残らない程度だったらしいが。

ただ、父さんだけは助からなかった。

死因は、幾分かの失血と、大きな衝撃を受けたことによるショック死。

多分、あいつが殺したというのは本当だろう。

あいつは、父さんを殺したやつなんだ。

なのに、あたしは居場所も手の内も知り尽くしているあいつを殺しに行く気にはならなかった。

もし、この訳の分からない気持ちにケリをつける方法があるとすれば、それは...


病室

杏子「母さん、身体は大丈夫?」

杏子母「ええ。元々大した怪我じゃなかったみたいだから」

杏子「そっか。よかった...」

杏子母「......」

沈黙が訪れる。

母さんは気まずそうに、あたしから目を逸らす。

あたしはあたしで、いつ切り出そうか迷っていた。

だが、もう覚悟を決めるしかない。

杏子「母さん、教えてくれないかな。あの日、何があったのか」

今度こそ、自分の罪と正面から向き合うために。


見た目には、大分酷い怪我のようだったが、そこはやはり魔法少女。

回復魔法は得意ではないが、ものの三日ほどで傷は治ってしまった。

入院費もバカにならないため、あたしたちは早々に退院させてもらうことにした。

それでも、しばらくは今あるお金でやりくりするしかない。

これからは、生きるだけでも大変な試練となるだろう。

でも、その前に

杏子「...ごめん、二人とも。先に帰ってて」

杏子母「...ええ。夕飯の支度をして待ってるからね」

モモ「行ってらっしゃい、おねえちゃん!」

杏子「ああ、行ってきます」

ケリを着けなければならない。

あたしの、魔法少女としての罪に。

**********************



佐倉さんが私に姿を見せなくなってから、数週間が経過した。

あの相談を受けて少し経ってから、彼女はなんの音沙汰も無くなった。

キュゥべえに聞いても、『本人が拒否している』だの『僕はあくまでも中立だからね』だのと、なにかと理由をつけて教えてはくれなかった。

思えば、あの相談の時、佐倉さんは何でもないと言っていたけれど、それが嘘なのは一目瞭然だった。

あの時は、彼女の意思を尊重して深く追及はしなかった。

しかし、彼女の性格上、なにもかも抱え込んでしまう気がするし、ここまで音沙汰がないと不安になってしまう。

もし、彼女がなにか無理をしているのなら力になりたい。

そこで、私は彼女の家に行って直接調べることにした。


マミ「たしかこの辺りに...あった」

それほど多くは訪れていなかったので、地理には不安があったが、なんとか辿りつくことができた。

とはいえ、いきなりやってきて『あなたの悩みを解決してあげるわ!』などと佐倉さんに言っても、彼女は隠し通してしまうだろう。私だってそうする。

どうすれば聞きだせるか、悩んでいたその時

「―――――――――!!」

教会の中から、怒声が響き渡った。


聞こえる声は三つ。

一つは、なにやら怒鳴り散らしているような、男性の声。

一つは、それに対して反論しているような、女性の声。

最後の一つは、今にも泣き出しそうな、少女の声。

喧嘩でもしているのだろうか。

仲の良さそうな家族でも喧嘩はするだろうから、珍しくはあっても、不思議なことではない。

だが、それにしては異様だ。

うまく言えないが、喧嘩の域を超えて、今にも殺しにかかりそうな...

やがて、一切の声が止み、教会は静寂に包まれた。


流石におかしいと感じた私は、すぐに教会の扉を叩いた。

マミ「ごめんください。巴マミです。なにかあったんですか?」

だが、返事は無し。扉を更に強く叩く。更に大声で呼びかける。それでも返事は無し。

今のいままで言い合ってたのだから、寝ているなどあり得ない。

ならば、仲直りをした安心感から聞こえていないのか?それでも、ここまでして聞こえていないのは考えにくい。

まさかと思いソウルジェムを確認するが、しかし反応はないため、魔女も使い魔も関係がないようだ。

マミ「...仕方ないわね」

ただの杞憂で終わればそれまでの話だ。

幸い、扉には鍵がかかっていなかったため、すんなりと開けることができた。




―――もし、私の決断があと数分でも早ければ、もっと素敵な未来があったのかもしれない。


真っ先に目に入ったのは、椅子の上に立ち、天井から吊るされたロープで、今にも首を吊ろうとしている佐倉さんのお父さん。

なにをしているのか?決まっている。

これは―――自殺だ。

マミ「だ、ダメっ!」

すぐに変身して、マスケット銃でロープを撃つ。

ロープに体重をかけていたため、それを失った佐倉さんのお父さんのバランスが崩れ、椅子から転げ落ちた。

すぐさま駆け寄ろうとするが、しかしなにかに躓き、顔面から床に倒れ込む。

その私が躓いた何かを確認した時、私は己の目と正気を疑った。

そこに倒れていたのは、紛れも無く

マミ「モモちゃん...お母さん...」



床には、大量の血が飛び散っていた。

マミ「なんで...」

その血は、紛れも無くモモちゃんと佐倉さんのお母さんのもので

マミ「なんでなのよ!?」

彼女たちの有り様は、私から冷静さを奪うには十分だった。

私は、周りを見ることもなくすぐに二人に魔法をかける。

私の魔法は結びつけることに特化した魔法。

それなりの治療効果もあり、あまりにも酷い傷でなければ治すこともできる。

発見が早かったためか、流れていた血は止まり、二人の呼吸も安定してきた。とりあえずは一命を取り留めたようだ。

マミ(なにがあったのかしら)

聞こえてきた声は三つ。自殺しようとする佐倉さんのお父さんと、刺されたモモちゃんと佐倉さんのお母さんという現状。

なにが起こったかなんて考えるまでもない。

マミ(ひょっとして、強盗にでもあった...?)

だというのに、有り得ない可能性ばかり考えてしまう。

マミ(それとも、魔女か使い魔が...?)

つい先程自分で否定した可能性をあげてまで、目の前の現実から目をそらしてしまう。

そんな私が、背後に振り上げられた凶器に気付けるはずもなかった。



背中に走る灼熱、激痛に、私は前のめりに倒れる。

どうにかして身体を起こそうとするが、しかし仰向けになったところで押さえつけられてしまった。

左手で絞殺さんばかりに首を絞められ、私は呼吸すらままならなくなった。

どうして、と私が問う前に彼は喚き散らした

杏子父「お前も...なのか!」

マミ「...えっ?」

杏子父「お前も魔女なのか!」


杏子父「お前が杏子を唆し、悪魔に付け入れさせたのだな!?」

マミ「な、なにを...」

杏子父「消え失せろ!私の前から、この世から!この薄汚い魔女め!」

彼が、凄まじい形相で掴みかかってくる。

なんのことを言っているか分からないが、それを聞いている余裕はない。

空いている右手に包丁を持って、彼は私のお腹に突き刺した。

痛みが私の脳内を支配し、絶叫が教会に響き渡る。

それでも、まだ終わらない

包丁を私のお腹から抜き、また突き刺す。

何度も、何度も、何度も。



激痛に耐えかねた私は、無意識の内に彼の左腕を思い切り掴んでいた。

魔力で強化された身体は、一般人の能力を遙かにしのぐ。

バキリという嫌な音と共に、佐倉さんのお父さんが悲鳴をあげる。

その隙に、床を這って彼から距離をとる。

だが、そこまで。魔法少女は死ににくいとはいえ、痛覚もあれば、疲れもある。

あまりの痛みに、身体の重たさに、私はなにも考えられなくなっていた。

杏子父「なぜ抵抗する!?忌まわしき魔女風情が!」

包丁を振り上げた彼が、再び私に襲いかかってくる。

その先にあるのは、私の死。魔女との戦いで、何度も味わってきたこの悪寒。

やられる...そう思ったときだった。


モモ「やめて...パパ...」

目を覚ましたモモちゃんが、彼に必死に縋り付いた。

モモ「マミお姉ちゃんをいじめないで...ぶつならわたし...」

でも、その懇願は彼の怒りを買ってしまったようで。

杏子父「モモ...なぜお前が魔女を庇う!お前までそうなのか!?」

モモ「違う...わたしはおねえちゃんと約束したの。絶対になにをされても我慢するって...だから」

杏子父「あああ...なんということだ。せめて、魔女に唆される前にとお前たちを手にかけたというのに、既に憑りつかれていたとは...!」

彼が、モモちゃんの首を締めあげる。痛めた腕のどこからそんな力が湧いてくるのか、彼女がいくら苦しんでも彼は力を緩めない。

杏子父「魔女は生かしておけない...私が浄化してやる」

マミ「やめ...ッ!」

声を出そうとしても、喉を込み上げる血塊に遮られてしまう。

だが、次の手を考える間もなく、彼の刃はモモちゃんへと振りかぶられる。






リボンがマスケット銃に変わる。

必死だった。なにも見えなくなっていた。考える暇さえなかった。

そんなものはなんの意味も為さない。

意味があるのはただ一つの事実のみ。




弾丸は、佐倉さんのお父さんの心臓を貫いた。




マミ「はぁ、はぁ...」

彼の身体に魔力を流す。

既に血は止まっている。傷口も塞がっている。

マミ「お願い...目を覚まして...」

なのに、彼は一向に目を覚まさない。呼吸をしない。

...当然だ。彼は既に死んでいるのだから。

側で倒れているモモちゃんとお母さんを見比べる。

よく見ると、顔や身体の至るところに怪我を負っている。

先のモモちゃんの言葉がよぎる。

きっと、どんな目に遭っても耐えてきたのだろう。

きっと、それでも未来を信じていたのだろう。

マミ「...ごめんなさい」

私に泣く資格などない。

マミ「ごめんなさい...ごめんなさい...」

それでも、謝罪の言葉と零れ落ちてしまう。

どれほどの時が経っただろう。1分か10分か1時間か...

涙は枯れ、頭も冷静さを取り戻していく。

私は、全てを奪ってしまった

謝罪も償いも、なんの意味もない。

ならば、私にできることはひとつだけ。




ガチャリ

杏子「マミ...さん...?」

マミ「お帰りなさい、佐倉さん」

罪は、私が全て引き受ける。


――――――――――――――

佐倉さんから受けた傷を引きずりながら、私は教会からの帰り道を歩く。

QB「マミ、どうして杏子に真実を話さなかったんだい?」

心底不思議そうに首を傾げるキュゥべえに、私は確かな苛立ちと怒りを覚える。同時に、己に対する嫌悪感も。

QB「君は自分の身と彼女の妹を守った。ただそれだけじゃないか」

真実はひとつだけでいい。

マミ「...言えるわけ、ないじゃない」

私は、自分の人生を捧げてまで力になろうとした佐倉さんの大切な人を

マミ「彼女のお父さんが、家族を殺そうとしたなんて」

この手で殺したんだ。


――――――――――――――

魔法がうまく使えない。

魔女をリボンで拘束しても、すぐに解かれてしまう。

マスケット銃の威力も、明らかに弱弱しい。

なんとか倒せたものの、これでは次の闘いではどうなるかわからない。

QB「厄介なことになったね、マミ。魔法の調子が悪いんだろう?」

マミ「...どうして?」

QB「君の願いは『生きる』ことだったね。おそらく君は潜在意識でその願いを拒絶しつつあるのだろう。魔法少女に与えられる魔法の属性は、叶えた願いの内容に直結しているからね」

QB「このままでは、いずれ魔法自体が使えなくなってしまう。そうなれば、今後の戦いは相当不利になるだろうね」

マミ「...なによ、それ」


なにをしてるんだろう、私。

お父さんとお母さんを見捨てた癖して、のうのうと生き延びて。

魔女や使い魔を倒すことを使命に置き換えて、生きる言い訳まで作って。

挙句の果てに、大切な人の大好きな人を殺したくせに。

―――自分すら、満足に守れないなんて。


雪が降っている。

私は、雪の中に埋もれている。

雪は、魔女との戦いで傷ついた私の身体から容赦なく体温を奪っていく。

眠い。疲れた。休みたい。

もう、何をする気も起きない。

このまま死ぬのなら、悪くないかもね。

そんなことを思いながら、私は眠りについた。



「...見つけたよ」

―――雪が、止んだ気がした。

すみません、今日の更新はここまでにします。

――――――――――――――


どこ...?

ここは、どこ...?

真っ暗...

私は死んだのかな...?

暖かい...

生きてる...

私はまだ生きている...!?


目が覚める。

そこには、見慣れた天井。見慣れた布団。見慣れた時計。

マミ(私...なんで...?)

今度こそ、死んだと思ったのに。

そして、ここへと運んだと思しき人は、ここにいるはずのない彼女で。

杏子「目、覚めたか?」

マミ「さ、佐倉さん...?」

杏子「悪いね、勝手に上がらせて貰ったよ」

マミ「あなた、なんで...」

杏子「......」



杏子「母さんから聞いたよ。母さんとモモを傷付けたのはあんたじゃないって」

マミ「...!」

杏子「よく考えればおかしな話だったよ。あたしのソウルジェムもあまり濁ってなかったしさ。どうせ、こっそり病院に忍び込んで浄化してたんだろ?」

杏子「悪役ぶりたいなら徹底的にやるべきだったね。...ま、それができるならあたしはあんたの弟子にもならなかっただろうけど」

マミ「...でも、あなたのお父さんを殺したのは事実だわ」

杏子「...ああ、そいつだけは許せねえ。どんな状況だったとしても、あたしはアンタを許さない」

マミ「......」

杏子「けどな、あんた大切なことを忘れてるよ」

マミ「......?」

杏子「あんたは、モモと母さんを助けてくれた。そいつもまた事実なんだよ」

マミ「!」


杏子「あたしさ、今までみんなに甘えてたんだ。誰も悪くないと慰めてくれる母さんに、こんなあたしでも信じてくれるモモに、力になろうとしてくれるあんたに」

杏子「でも、そのせいであたしは父さんをあんたに背負わせちまった。本当なら、ふんじばってでもあたしがなんとかしなくちゃいけなかったのにな」

マミ「......」

杏子「だから...さ...」

それまで強気だった彼女の肩が震えだし、語気も弱弱しくなっていく

杏子「頼む...これ以上、あたしの大切な人を失くさないで...」


マミ「...私、あなたのお父さんを殺したのよ?」

杏子「...わかってる」

マミ「あなたの祈りも、一番大切なものも全て奪ったのよ?」

杏子「わかってる!それでも、あたしにとって、あんたは大切な家族なんだ!」

マミ「佐倉...さん...」

杏子「だから...勝手に背負いこんで、勝手に死のうとしないでよ...」

そして、彼女は私に縋り付き、涙を流してくれた。

マミ「...ごめんなさい」

そうだ。最初から、私たちはこうしていればよかったんだ。

杏子「...許さない」

見栄を張らずに、素直に感情をぶつけあって。

マミ「...ごめんなさい」

杏子「...違う」




マミ「...ありがとう」

私たちに、見せかけの嘘なんていらなかったんだ。


杏子「...ねえ、マミさん。あたしさ、しばらく離れようかと思ってるんだ」

マミ「え...?」

杏子「やっぱりさ、このままだとどうしてもマミさんに頼りっきりになっちゃうと思うんだ。だから、あたしはもっと強くなりたい」

杏子「護られるばかりのあたしじゃなくて、護れるあたしになりたいんだ」

マミ「佐倉さん...」

杏子「だから...マミさん。今度組むときは、弟子じゃなくて相棒だ」

マミ「...わかった。けど、絶対に無茶だけはしないでね」

杏子「わかってるよ。どうしようもなくなった時は、絶対に今回みたいに隠したりなんかしない。マミさんこそ、また魔法が使えなくなるまで自分を追い込まないでくれよ」

マミ「もちろんよ。あなたに貰ったこの命、罪を償うまで決して無駄になんてしない」

杏子「...またね、マミさん」

マミ「またね、佐倉さん」


『それじゃまたね』って手を振って、無理に笑って寂しくなって...

でも、これは決別なんかじゃない。

これは、私たちが強くなるための約束。

もう誰も失わないために、誰にも背負わせないために必要な誓いだ。

それを果たしたとき、私たちに越えられない壁なんてなくなっている。

私たちはそう思っていた。





そう、思っていたんだ。


―――――――――――――――

モモ「お姉ちゃん、マミお姉ちゃんと仲直りできたかなぁ?」

杏子母「大丈夫よ。杏子は、マミさんのことが大好きだもの」

モモ「...うん、そうだよね。私もマミお姉ちゃんが大好きだもん」

杏子母(...ごめんなさい、あなた、杏子。『いつかは元通りになれる』なんて無責任なことを言って、ロクに言い返すこともしなかったから、こんなことになってしまった...)

杏子母(ごめんなさい、マミさん。あなたにはとても辛い目に遭わせてしまった...)

モモ「お母さん、泣いてるの?」

杏子母「ごめんね...ごめんねぇ...」

モモ「お母さん...」


「悔やんでいるのですか?」

杏子母「え...?」

「ならば、すぐに懺悔しにいきましょう」「そう、いますぐ彼に懺悔をしましょう」「そう」

「我らの教祖様に!」


―――――――――――――――――――



杏子「...強くなってやる」

マミさんの家からの帰り道、言葉に出してもう一度決意する。

杏子「もう、母さんにも、モモにも、マミさんにも失くさせなんかしない。押し付けたりなんかしない」

今まで散々助けられてきたんだ。だから、今度はあたしの番なんだ。

杏子「あたしが、みんなを助けるんだ」

あたしの戦いは、これからだ!








そんなあたしの決意は、唐突にあっけなくへし折られた。


杏子「な、なんだ...!?」

もうもうと立ち昇る煙。

方角は、あたしの教会。

杏子(まさか、火事...!?)

ふと、父さんに魔法少女のことがバレた日のことを思い出す。

あの日、信者たちは教本を燃やして火事を起こそうとしていた。

もしあたしの予想通りなら...!

杏子「母さん、モモ!」

急いで、ただひたすらに急いで木々の間を駆け抜ける。

服が枝に引っかかり、時折皮膚を裂いていくが、気にしている暇はない。

そうして教会に着いた先、あたしを待っていたのは―――






「やっときた」




「やっときた」「魔女だ」

かつて父さんの言葉を信じさせられた彼らと目があう。

「魔女だ」

彼らの生気を失った目が、あたしを睨みつける。

「ついに見つけた」

この時、あたしは逃げるべきだったのだろうか。

「殺せ」

それとも、殺されることは承知の上で、父さんを壊した罰を受け入れ、彼らにこの身を引き渡すべきだったのだろうか。

「教祖様を殺した魔女だ」

なにが正しかったかなんてわからない。

「魔女は殺せ」「魔女は殺すんだ」

だが、あたしは自分を止めることなんてできなかった。

「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」

燃えさかる教会を背景に、打ち捨てられたそれと目が合った時、あたしは

「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」「殺せ」








ア タ シ ハ...



杏子「......」

気が付いた時には、辺り一面は真赤になっていた。

だいぶ暴れたためか、教会の火も消え去っていた。

信者たちの腕が、脚が、臓物が。教会中に散らばって、メチャクチャに転がっている。

杏子「...母さん、モモ」

既にこと切れている二人の首を探し出し、抱きしめた。

杏子「......」

魔女の気配は感じられない。

信者たちは魔女に操られていたわけでもなかった。

信仰対象である父さんを殺した元凶があたし達だと判断し、皆で敵討ちにでもきたのだろう。



杏子「...ハハッ」

笑えてくる。

人間に害を為す魔女を倒す魔法少女が、自分の願いで集めた可哀想な一般人を殺したんだ。

家族も大勢の人も、あたしがみんな不幸にしたんだ

なんてことはない。父さんの言ってたことは正しかったんだ。

杏子「クッ...ハハハハハ...!」

...いや、魔女の方がマシだろうなぁ。

魔女だってグリーフシードを落とせば魔法少女が喜ぶ。

あたしは違う。あたしがなにをしようが喜ぶヤツなんていない。

あたしがいなくても困るやつなんていない。

父さんにも母さんにもモモだけがいればよかったんだ。

そうすればこんなことにはならなかった。誰も不幸にはならなかったんだ。

杏子「アハハハハハハハ!!」

あたしは魔女でも魔法少女でも、ましてや人間でもない。

存在することすら間違っていた、クズなんだ。

杏子(...ごめん、マミさん。あたしはもうこんな世界は...耐えられない)



―――パリン




「ねえ、『人喰い教会』のウワサって知ってる?」

「なにそれ?」

「ちょっと前に、隣街の外れの教会で変わった教祖様がいてね。その人の演説はとても素晴らしくて聞いた人はみんな虜になっちゃうらしいの。でも、その教祖様は強盗に殺されちゃって」

「...でね、それ以来、教祖様の怨念で、その教会に入った人は誰も帰ってこれないんだとか...」

「他にも色々とウワサの種類があってね。たまたま入る前に引き返した人の話らしいけど、帰ってこれないのは、教祖様じゃなくて教会に住み着いている魔女のせいとか、もっと怖い大きな化け物の仕業とか...」

「な、なんだか怖いね...」

マミ「あなたたち」

「あっ、巴さん。おはよー」

マミ「さっきの話、詳しく聞かせてくれるかしら」

「なになに?巴さんもオカルト系に興味あるの?」

マミ「...ちょっとね」


教会

マミ「うっ...」

マミ(ひどい...こんなにも荒らされて...)

ソウルジェムの反応を辿ると、やはりそこには結界の入口が。

マミ「...やっぱり、魔女がいるわね」

マミ(彼女がここの魔女を放っておくはずがない...まさか...!)

マミ(いえ、きっと...きっと、モモちゃんたちと逃げてくれているはず!)

マミ「待ってて佐倉さん。すぐにこの魔女を倒してここを取り戻すから...!」

すみません、今回はここまでで



――――――――――――――――


マミ「っ...!?」

結界の中に入った私を迎えたのは、立ち込める霧と、充満する異臭だった。

マミ(なによここ...こんなの初めて...!)

臭いに耐えながら、ソウルジェムの反応を辿っていく。

そして、私はこの異臭の原因を見た。見つけてしまった。


幾多にも積み重なる人間の胴体。

枯木に突き刺さった腐りきった頭部や手足。

床や壁に張り付いた、既に乾ききっている大量の血痕。至るところ・物にぶちまけられた内臓の一部。

そして、私の足元に転がる、腐りきった人々の遺体。

マミ「ぅぷ...!」

結界の中で人の死体を見るのは初めてではない。

だが、それでもここまでの有り様は見たことが無い。

私は、たまらず嘔吐してしまった。




マミ(いったいなんの目的でこんな...)

気持ちを落ち着かせ、回廊を進んでいく。

武士のような使い魔が端に並んでいるが、私を攻撃するどころか、行く手を阻む素振りすら全くみせない。

不思議には思ったが、無用な戦いを避けられるのなら好都合だ。

使い魔を顧みず、そのまま奥へ奥へと進んでいく。

そうして、私は結界の主と対峙した。



主は、長槍を片手に華やかな赤い衣装を身に付けた細身の人型で、頭部は蝋燭に灯された火になっており、白馬にまたがってこちらを見つめていた。

マミ「あなたが彼らを...?」

魔女「......」

マミ「...聞くまでもないわね」

マスケット銃を構え、魔女に放つ。

しかし、魔女は幻のように姿を消し、私の弾丸は空を切った。

私の右方向から槍が突き出されるが、それを寸でのところで気付くことができ、紙一重でかわす。

マミ「この...っ!」

魔女へと向き合ったとき、私は"それ"と目があった。


魔女の背後に佇むひとつの長方形のテーブル。

一番奥には、神父の服装をした男性が座っている。

左右に、モモちゃんと佐倉さんのお母さんが別れて、互いに向かい合って座っている。

そして、席はあとふたつ。

一つは空席。もう一つ、うなだれているかのように座っているのは...


マミ「佐倉さん!」


魔女の脇を通り抜け、私は彼女たちのもとへと駆け寄る。

不思議なことに、魔女は無防備な私に槍を突き立てはしなかった。

マミ「しっかりして、佐倉さん!目を覚まして」

思い切り肩を掴み、名前を呼び続けるが、彼女は反応しない。

がくがくと何度揺らしても反応はかえってこない。

当然だ。私が触れているそれはもう死体なのだから。

マミ「佐倉...さん...」

よく見れば、彼女の家族たちもそうだ。

佐倉さんのお母さんとモモちゃんは、首元に一文字の大きな傷が走っている。他の部分も全身継ぎ接ぎだらけで、まるで壊れたヌイグルミを繋ぎ合わせたかのようだった。

神父の人に至っては使い魔だ。佐倉さんのお父さん本人ですらない。

マミ「なんで...なんでこんな...」

夢だと思いたい。また共に戦おうと誓い合った彼女が、彼女が守ろうとした家族が、こんな目にあっているわけがない。

だが、彼女たちの冷たさが、乾ききった瞳が、これは現実だと突きつける。


マミ「...許さない!」

振り向き様に銃を放つが、魔女の姿は掻き消えてしまう。

マミ(そこっ!)

ヒュッ、という風を切る音がするのとほぼ同時に背後に弾丸を放つ。

が、手応えは無し。横合いから、馬の強力な蹴りを浴びせられる。

骨が折れたような痛みだが、なんとか動ける。

体勢を立て直すと、そこにいるのは3体の魔女の姿。

複数の幻影...佐倉さんと似た能力のようだ。

魔女たちが、私の周りをぐるりと囲む。

左右の魔女に銃をつきつけ、正面の魔女と睨み合う。


訪れる沈黙。

やがて、耐え切れなくなったのか、正面の魔女が動き出す。と、同時に左右の魔女も跳びかかってくる。

だが、引き金はまだ引かない。

魔女の槍が私を貫くまであと2メートル。まだよ

あと1メートル。まだまだ...

あと50センチ。もう少し

あと5センチ。いまだっ!


両手のマスケット銃を空中へと投げ、空いた両手で正面からの槍をいなす。

隙が出来た魔女の胸部へと蹴りを放ち、そのまま足場にして宙の銃の元へと跳躍する。

そして、掴んだ銃で、2体の魔女を同時に撃ちぬいた。

だが、撃ちぬいた魔女は幻影で、霧が再び魔女の姿を形成する。

マミ「―――!」

腹部に激しい痛みが走り、口から血が垂れる。

先の一撃が響いているようだ。

これでは、ロクに動けそうにない。


3体の魔女が、同時に槍を構えて突撃してくる。

どれが本体かなんて考えている余裕はない。

急いでマスケット銃を精製し、銃を構える。

外せば、その先にあるのは死。

狙いを定め、真ん中の魔女を撃つ。

その姿が掻き消えた瞬間、私は信じられないものを見た。



弾丸は、魔女の身体を貫いていた。



マミ「え...?」

魔女の幻影が全て消える。

残ったのは、動きを止めた一体の魔女だけ。

呆気にとられる私をよそに、魔女が距離を詰めてくる。

だが、その動きは鈍く、今の私でも武器を捌くことができた。

リボンで魔女の身体を拘束し、もう一度弾を撃ちこむ。

決着は、余りにも呆気ないものだった。


マミ「...ねえ」

魔女が答えを返す筈もない。

なのに、私はどうしても聞かなければならなかった。

マミ「どうしてあなたは当たりにきたの?」

避けなかった、ならまだわかる。

でも、この魔女は違う。明らかに、私の弾丸に当たりに来たのだ。

魔女「......」

魔女と私の立ち位置をもう一度見比べてみる

私と魔女を直線上に結ぶと、そこにあるのは佐倉さんたちの遺体。

マミ「まさか...」

もし、魔女が私を殺すことを優先したら、本体を捉えられなかった弾丸は彼女たちに当たっていた。

そこから推測すれば、答えは一つ


マミ「彼女たちを...護ったの?」



魔女「......」

魔女の身体が、霧のように大気に溶けていく。

マミ「待って...!」

聞きたいことは山ほどにある。

手を伸ばし、魔女を掴もうとする。

でも、結局それは一足遅くて。

魔女は、グリーフシードを残して消え去ってしまった。



マミ「......」

QB「どうやら、無事に倒せたようだね」

マミ「...あなた、知っていたの?」

QB「佐倉杏子のことかい?僕は聞かれなかったから言わなかっただけだよ」

マミ「...そう」

いつもなら、ここでキュゥべえを怒れるはずなのに、いまはそんな気すら起きない。

情けなく溢れる涙を止める術すら持ってはいなかった

やがて涙が尽きると、私は眠りについてしまった。


***********************

もういやだ。

パパもママも佐倉さんもモモちゃんたちも、どうしていなくなってしまったの?

どうして、私だけ...

「もういいんだよ」

だれ...?

「もう無理して頑張らなくていいの。どんなに努力したって、あなたの頑張りは全部裏目に出ちゃうもの」

あなたは...小さいころの私?

「あなたが悪いんじゃない。あなたに応えようとしないみんなが悪いのよ。だからこうやって一人だけ取り残されちゃうの」

......

「でも大丈夫。あなたが独りぼっちにならない素敵な方法を見つけてきたよ」

え...?

「理想の世界を作ればいいの」

理想の...世界...?

「理想のみんなは絶対にマミを裏切らないの。佐倉さんのお父さんみたいにマミを傷付けないし、佐倉さんみたいに一時でも離れようとしない」

...楽しそう

「うん、凄く楽しいよ。時間を忘れてみんなで楽しくお茶会をするの」

そう...



私が**になってしまえば、もうこんな辛い目には...



『マミさん』


佐倉...さん?あれ、小さい私は...?

『...マミさん。あたしさ、あんたに迷惑ばっかかけてきたよね。何もかも背負わせて、なに勝手におっ死んでるんだと思ってるかもしれない。本当にごめん』

そんなことないわ!結局、私はあなたが苦しんでいる時に何も力になれなかった!あなたは悪くない。悪いのは私よ。

『...なら、あたしの最後の我儘を聞いてくれるかな?』

...我儘?

『あたしは、もう誰にもこんな目に遭ってほしくない。こんな馬鹿は、あたしだけで十分だ。だから...頼む』

『あたしなんかの為に死なないでくれ。そして、こんな目に遭うやつを一人でも多く止めてくれ』


**********************************


目が覚める。

いつの間にか気を失っていたらしい。

手の中を見ると、そこにあったのは、握り絞められた私のソウルジェムとグリーフシード。

私のソウルジェムの濁りは、だいぶ消え去っていた。

これは偶然だろうか。それとも...

マミ「...わかったわ、佐倉さん」

もしも、彼女がそれを望むなら

もしも、それが私への罰ならば

私は、全てを受け入れるわ。



数週間後

マミ「......」

QB「きみも変わったことをするよね。死体は結界に飲まれて消えてしまったというのに」

QB「そのうえ、杏子と家族以外にも、あの結界で消えた行方不明者全員のぶんを調査してまで墓をたてるなんてさ」

QB「まあ、正式に建てられたお墓ではないし、端から見れば名前が書かれただけの十字架だから維持費もかからないだろうけどね」

マミ「...キュゥべえ。あなたは怒るかもしれないけれど、私は決めたわ」

QB「?」

マミ「もう二度と、佐倉さんのようなことは起こさせない。絶対に、なにがなんでも止めてみせる!」

QB「それは、僕が契約するのを防ぐということかい?」

マミ「そういうことになると思うわ」

QB「...そうかい。なに、好きにするといい。それはきみの行動だから、僕はそれを咎めはしないよ」

マミ「ありがとう」

私はもう迷わない。

あなたとの約束がある限り、私はなんだって耐えられる。

この命が尽きるまで、戦い続ける!

だから...どうか見ていて、佐倉さん



――――――――

ピピピピピ

マミ「......」

QB「おはよう、マミ」

マミ「おはようキュゥべえ」

マミ(夢...見てたのね)

マミ「...大丈夫...絶対に忘れるわけがないわ」


ジジジジ チーン

マミ「いただきます」

QB「また食パン一枚かい?昨日まどか達に振舞ったケーキがまだ残っているじゃないか」

マミ「...よかったらあなたが食べてもいいのよ?」

QB「まあ、きみが食べないならこのまま捨てることになるからね。ここは僕がもらうとしよう」

マミ「ごちそうさま。...さ、準備が出来たら行きましょう」

QB「はぐはぐ...きゅっぷい」








キーンコーンカーンコーン

ほむら「......」

マミ「お待たせ暁美さん」

ほむら「私もいま来たところよ」

マミ「ならよかったわ。それじゃあ行きましょうか」

ほむら「ええ」



ほむら(昨日、私は巴マミと同盟を組んだ)

ほむら(キュゥべえを襲っていたところを見られ、敵対するしかないと諦めかけていた矢先の、彼女からの提案だった)

ほむら(彼女は、まどか達に魔法少女の説明はしたものの、契約はしないように強く念を押していた。いつもの彼女なら、まどか達が魔法少女になる道もそれとなく示唆していたというのに)

ほむら(まどか達を先に帰し、彼女の真意を聞こうとしたが下手に関係を悪化させる可能性を考慮し憚られた。結局、わかったのは彼女は魔法少女を絶対に増やしたくないと考えていることだけだ)

ほむら(私にはそれで充分だった。目的が一緒であればこれほど心強い相手はいない。私もまた、魔法少女を増やすつもりはないことを伝え、彼女と同盟を組むことにした)

ほむら(...この調子で、まどか達が魔法少女に深入りすることなく過ごすことができればいいのだけれど...
)

今回はここまでで

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